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技術 中空押出成形体、その架橋体、熱収縮チューブ及び多層熱収縮チューブ

出願人 住友電気工業株式会社住友電工ファインポリマー株式会社
発明者 山崎智青井勇人
出願日 2019年5月8日 (2年9ヶ月経過) 出願番号 2019-558796
公開日 2021年5月20日 (8ヶ月経過) 公開番号 WO2020-225867
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 高分子成形体の製造 プラスチック等の押出成形
主要キーワード 光ファイバーコード 難燃性プラスチック 被覆対象物 チューブ内径 体積流 劣化抑制剤 架橋電線 レーザ回折法
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図面 (4)

課題・解決手段

VW−1燃焼試験合格する難燃性を有し、機械的強度に優れるとともに、酢酸臭の発生等の臭気の問題もなく、かつ引落し成形時のダイスカスの発生がなく、チューブ外観が良好な中空押出成形体、その架橋体、当該架橋体より得られる熱収縮チューブ及び多層熱収縮チューブを提供する。エチレンアクリル酸エチル共重合体又はエチレンアクリル酸エチル共重合体及び直鎖状低密度ポリエチレンベース樹脂とし、臭素系難燃剤三酸化アンチモン及び水酸化マグネシウムを含有する樹脂組成物を引落し成形して形成され、前記エチレンアクリル酸エチル共重合体と直鎖状低密度ポリエチレンの組成比、前記臭素系難燃剤の含有量、前記三酸化アンチモンの含有量及び前記水酸化マグネシウムの含有量が、特定範囲内である中空押出成形体、その架橋体、当該架橋体より得られる熱収縮チューブ及び多層熱収縮チューブ。

概要

背景

中空押出成形体は、熱可塑性樹脂押出加工して得られるチューブ状の成形体であり、特にそのチューブ内が中空のものを言う。熱可塑性樹脂を押出加工して得られるチューブ状の成形体、及びその熱可塑性樹脂を架橋してなる架橋体は、光ファイバーコードにおける光ファイバー被覆層絶縁電線絶縁被覆層等として使用されている。
例えば、特許文献1には、難燃性プラスチック光ファイバーコードおいて光ファイバー裸線被覆する外層として、エチレン酢酸ビニル共重合体EVA)と、高圧ラジカル重合長鎖分岐低密度エチレン系重合体とからなる重合体成分臭素系難燃剤三酸化アンチモン及び水酸化マグネシウムからなる樹脂組成物を押出加工したチューブ状の成形体が開示されている(請求項1、段落0015)。

特許文献2には、EVAを主成分とする樹脂成分に対し、臭素系難燃剤、三酸化アンチモン及びシランカップリング剤で処理された水酸化マグネシウムを含む樹脂組成物の架橋体により被覆された難燃性絶縁電線が開示されているが、前記被覆は、前記樹脂組成物を導体の周囲に押出被覆して(段落0023)形成されたチューブ状の成形体である。
又、特許文献3には、高密度ポリエチレン低密度ポリエチレンエチレン系共重合体及び不飽和カルボン酸無水物にて変性されているエチレン共重合体からなる樹脂を主成分とし、さらに臭素系難燃剤及び水酸化マグネシウムを含む樹脂組成物の架橋体を絶縁被覆層とする耐熱架橋電線が開示されているが、前記絶縁被覆層は、導体の周囲に前記樹脂組成物を押出機により被覆して樹脂を架橋してなるものでありチューブ状の成形体の架橋体である。

特許文献1〜3に記載されているような樹脂組成物を押出加工して得られる中空押出成形体の架橋体を拡径して熱収縮性を付与することにより、熱収縮チューブが得られる。この熱収縮チューブを、電線の外周や、電線の結束部、配線端末等の部位に被せ熱収縮させることにより、電線の外周や前記部位を被覆できる。そこで、熱収縮チューブは、絶縁電線の絶縁被覆の形成や、前記部位の保護、絶縁防水防食等に使用されている。
そして、熱収縮の際に、熱収縮チューブと前記部位との密着性を向上させるため、前記熱収縮チューブの内周面に、熱収縮の際に流動し前記部位と接着する樹脂層(接着層)を設けた多層熱収縮チューブも知られている。

概要

VW−1燃焼試験合格する難燃性を有し、機械的強度に優れるとともに、酢酸臭の発生等の臭気の問題もなく、かつ引落し成形時のダイスカスの発生がなく、チューブ外観が良好な中空押出成形体、その架橋体、当該架橋体より得られる熱収縮チューブ及び多層熱収縮チューブを提供する。エチレンアクリル酸エチル共重合体又はエチレンアクリル酸エチル共重合体及び直鎖状低密度ポリエチレンベース樹脂とし、臭素系難燃剤、三酸化アンチモン及び水酸化マグネシウムを含有する樹脂組成物を引落し成形して形成され、前記エチレンアクリル酸エチル共重合体と直鎖状低密度ポリエチレンの組成比、前記臭素系難燃剤の含有量、前記三酸化アンチモンの含有量及び前記水酸化マグネシウムの含有量が、特定範囲内である中空押出成形体、その架橋体、当該架橋体より得られる熱収縮チューブ及び多層熱収縮チューブ。

目的

[本開示が解決しようとする課題]
前記の用途に使用される中空押出成形体や熱収縮チューブ等には、以下に記載するような種々の特性が望まれている

効果

実績

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請求項1

エチレンアクリル酸エチル共重合体又はエチレンアクリル酸エチル共重合体及び直鎖状低密度ポリエチレンベース樹脂とし、臭素系難燃剤三酸化アンチモン及び水酸化マグネシウムを含有する樹脂組成物中空押出成形体であって、前記エチレンアクリル酸エチル共重合体と直鎖状低密度ポリエチレンの質量比が、100:0〜85:15であり、前記エチレンアクリル酸エチル共重合体と直鎖状低密度ポリエチレンの合計100質量部に対する、前記臭素系難燃剤の含有量が、55質量部以上90質量部未満、前記三酸化アンチモンの含有量が、15質量部未満、前記水酸化マグネシウムの含有量が、50質量部未満であり、かつ前記水酸化マグネシウムの平均粒径が、0.5μm以上3.0μm以下である中空押出成形体。

請求項2

前記臭素系難燃剤の含有量が、前記エチレンアクリル酸エチル共重合体と直鎖状低密度ポリエチレンの合計100質量部に対して、65質量部以上90質量部未満である請求項1に記載の中空押出成形体。

請求項3

前記水酸化マグネシウムの含有量が、前記エチレンアクリル酸エチル共重合体と直鎖状低密度ポリエチレンの合計100質量部に対して、10質量部以上40質量部以下である請求項2に記載の中空押出成形体。

請求項4

剪断速度5000s−1以下での引落し成形体である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の中空押出成形体。

請求項5

前記中空押出成形体の肉厚が、0.6mm以上0.9mm以下である請求項4に記載の中空押出成形体。

請求項6

請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の中空押出成形体を構成する前記ベース樹脂が架橋されている中空押出成形体の架橋体

請求項7

電子線照射により架橋された架橋体である請求項6に記載の中空押出成形体の架橋体。

請求項8

請求項7に記載の中空押出成形体の架橋体の拡径体である熱収縮チューブ

請求項9

請求項8に記載の熱収縮チューブ、及び前記熱収縮チューブの内周面に設けられるホットメルト樹脂からなる接着層を有する多層熱収縮チューブ。

請求項10

前記ホットメルト樹脂が、エチレン酢酸ビニル共重合体及びポリアミド樹脂からなる群より選ばれる樹脂である請求項9に記載の多層熱収縮チューブ。

技術分野

0001

本開示は、中空押出成形体、その架橋体、並びに前記架橋体より得られる熱収縮チューブ及び多層熱収縮チューブに関する。

背景技術

0002

中空押出成形体は、熱可塑性樹脂押出加工して得られるチューブ状の成形体であり、特にそのチューブ内が中空のものを言う。熱可塑性樹脂を押出加工して得られるチューブ状の成形体、及びその熱可塑性樹脂を架橋してなる架橋体は、光ファイバーコードにおける光ファイバー被覆層絶縁電線絶縁被覆層等として使用されている。
例えば、特許文献1には、難燃性プラスチック光ファイバーコードおいて光ファイバー裸線被覆する外層として、エチレン酢酸ビニル共重合体EVA)と、高圧ラジカル重合長鎖分岐低密度エチレン系重合体とからなる重合体成分臭素系難燃剤三酸化アンチモン及び水酸化マグネシウムからなる樹脂組成物を押出加工したチューブ状の成形体が開示されている(請求項1、段落0015)。

0003

特許文献2には、EVAを主成分とする樹脂成分に対し、臭素系難燃剤、三酸化アンチモン及びシランカップリング剤で処理された水酸化マグネシウムを含む樹脂組成物の架橋体により被覆された難燃性絶縁電線が開示されているが、前記被覆は、前記樹脂組成物を導体の周囲に押出被覆して(段落0023)形成されたチューブ状の成形体である。
又、特許文献3には、高密度ポリエチレン低密度ポリエチレンエチレン系共重合体及び不飽和カルボン酸無水物にて変性されているエチレン共重合体からなる樹脂を主成分とし、さらに臭素系難燃剤及び水酸化マグネシウムを含む樹脂組成物の架橋体を絶縁被覆層とする耐熱架橋電線が開示されているが、前記絶縁被覆層は、導体の周囲に前記樹脂組成物を押出機により被覆して樹脂を架橋してなるものでありチューブ状の成形体の架橋体である。

0004

特許文献1〜3に記載されているような樹脂組成物を押出加工して得られる中空押出成形体の架橋体を拡径して熱収縮性を付与することにより、熱収縮チューブが得られる。この熱収縮チューブを、電線の外周や、電線の結束部、配線端末等の部位に被せ熱収縮させることにより、電線の外周や前記部位を被覆できる。そこで、熱収縮チューブは、絶縁電線の絶縁被覆の形成や、前記部位の保護、絶縁防水防食等に使用されている。
そして、熱収縮の際に、熱収縮チューブと前記部位との密着性を向上させるため、前記熱収縮チューブの内周面に、熱収縮の際に流動し前記部位と接着する樹脂層(接着層)を設けた多層熱収縮チューブも知られている。

先行技術

0005

特開平7−56063号公報
特開2009−51918号公報
特開2014−132530号公報

0006

本開示の第1の態様は、
エチレンアクリル酸エチル共重合体、又はエチレンアクリル酸エチル共重合体及び直鎖状低密度ポリエチレンからなるベース樹脂と、臭素系難燃剤と、三酸化アンチモンと、水酸化マグネシウムとを含有する樹脂組成物の中空押出成形体であって、
前記エチレンアクリル酸エチル共重合体と前記直鎖状低密度ポリエチレンの組成比質量比)が、100:0〜85:15であり、
前記ベース樹脂100質量部に対し、前記臭素系難燃剤の含有量が55質量部以上90質量部未満、前記三酸化アンチモンの含有量が15質量部未満、前記水酸化マグネシウムの含有量が50質量部未満であり、
かつ前記水酸化マグネシウムの平均粒径が0.5μm以上3.0μm以下である中空押出成形体である。

0007

本開示の第2の態様は、前記第1の態様の中空押出成形体の前記ベース樹脂を架橋してなる中空押出成形体の架橋体である。

0008

本開示の第3の態様は、前記第2の態様の中空押出成形体の架橋体の拡径体である熱収縮チューブである。

0009

本開示の第4の態様は、前記第3の態様の熱収縮チューブ、及び前記熱収縮チューブの内周面に設けられホットメルト樹脂を含む接着層を有する多層熱収縮チューブである。

図面の簡単な説明

0010

本開示の第3の態様の熱収縮チューブの斜視図である。
本開示の第4の態様の多層熱収縮チューブの斜視図である。
図2のA−A’線断面図である。

0011

[本開示が解決しようとする課題]
前記の用途に使用される中空押出成形体や熱収縮チューブ等には、以下に記載するような種々の特性が望まれている。
例えば、エレクトロニクス電子機器通信等に使用される絶縁電線の絶縁被覆の形成に使用される中空押出成形体や熱収縮チューブには、UL規格に規定される垂直燃焼試験(VW−1)に合格する難燃性が求められる。そこで、特許文献1〜3に記載されている中空押出成形体を形成する樹脂組成物には、難燃剤として臭素系難燃剤、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウムが配合されている。

0012

さらに、絶縁電線の絶縁被覆の形成に使用される中空押出成形体や熱収縮チューブには、引張強度引張伸び等の機械的強度に優れることが望まれる。そこで、特許文献2の記載のように、EVAをベースとする樹脂組成物がその形成に使用される場合が多い。しかし、EVAをベースとする場合は、中空押出成形体や熱収縮チューブが酢酸臭を発生するとの問題があり、又耐熱老化性が不十分であるとの問題があった。

0013

EVAをベースとする樹脂組成物の代わりに、特許文献3に記載されているようなエチレンアクリル酸エチル共重合体(EEA)をベースとする樹脂組成物を使用すれば、機械的強度に優れたチューブが得られ、かつ酢酸臭の発生の問題を防ぐことができる。
しかし、中空押出成形体を押出成形により形成する場合は、支持体が無いため溶融樹脂組成物引取り力に負けて伸びるので、積極的に引落し・引き延ばして成形する引落し成形が行われるが、EEAをベースとする樹脂組成物を使用し、引落し成形をした場合は、成形機ダイス口金の周囲にダイスカス付着物)の発生があり、ダイスカスが成形品のチューブに付着してチューブの外観を悪化させ、製品商品価値を低下させるとの問題があった。
特に、引落し成形の線速(溶融樹脂組成物の押出速度)が大きい場合、又、中空押出成形体の肉厚(チューブを形成する樹脂膜の厚さ)が薄い場合、この問題は顕著になる。

0014

本開示は、VW−1燃焼試験に合格する難燃性を有し、引張強度、引張伸び等の機械的強度に優れるとともに、酢酸臭の発生等の臭気の問題もなく、かつ引落し成形の際のダイスカスの発生が抑制されてチューブの外観が良好な中空押出成形体、その架橋体、前記架橋体から得られる熱収縮チューブ及び多層熱収縮チューブを提供することを課題とする。

0015

本発明者は検討の結果、EEA、又はEEAと直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)をベース樹脂とし、EEAとLLDPEの組成比(質量比)を特定の範囲内とし、かつ難燃剤としての臭素系難燃剤、三酸化アンチモン及び水酸化マグネシウムを特定の組成比(質量比)範囲内で含有した樹脂組成物を用い、当該樹脂組成物を引落し成形してなる中空押出成形体、及びこの中空押出成形体から製造される熱収縮チューブは、VW−1燃焼試験に合格する難燃性と、優れた機械的強度を有し、臭気の問題もないこと、そして押出成形(引落し成形)時の溶融樹脂組成物の押出速度(線速)が大きい場合や中空成形体の肉厚が薄い場合でも、押出成形時のダイスカスの発生が抑制され、良好な外観の中空押出成形体が得られることを見出し、本発明を完成した。

0016

[本開示の効果]
本開示の第1の態様の中空押出成形体は、VW−1燃焼試験に合格する難燃性を有し、酢酸臭の発生等の臭気の問題もなく、かつ押出成形時の線速が大きい場合や中空成形体の肉厚が薄い場合でも引落し成形による外観の悪化が抑制され、良好な外観を有する。

0017

本開示の第2の態様の架橋体、第3の態様の熱収縮チューブ及び第4の態様の多層熱収縮チューブは、VW−1燃焼試験に合格する難燃性を有し、引張強度、引張伸び等の機械的強度に優れるとともに、酢酸臭の発生等の臭気の問題もなく、かつ押出成形時の線速が大きい場合や中空成形体の肉厚が薄い場合でも引落し成形による外観の悪化が抑制され、良好な外観を有する。

0018

又、本開示の第4の態様の多層熱収縮チューブにより被覆物を被覆して熱収縮することにより、被覆物との密着性に優れた被覆を得ることができる。

0019

[本開示の実施形態の説明]
以下、本開示を実施するための形態について具体的に説明する。なお、本開示は下記の実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲内及び請求の範囲と均等の意味、範囲内での全ての変更が含まれる。

0020

本開示の第1の態様の中空押出成形体は、EEA、又はEEA及びLLDPEからなるベース樹脂を含有し、さらに、臭素系難燃剤、三酸化アンチモン及び水酸化マグネシウムを含有する樹脂組成物を引落し成形して作製される中空押出成形体である。この中空押出成形体では、前記EEAとLLDPEの組成比(質量比)が、100:0〜85:15の範囲内であり、かつ前記ベース樹脂100質量部に対し、前記臭素系難燃剤の含有量が55質量部以上90質量部未満、前記三酸化アンチモンの含有量が15質量部未満、前記水酸化マグネシウムの含有量が50質量部未満である。さらに、前記水酸化マグネシウムの平均粒径は、0.5μm以上3.0μm以下である。

0021

第1の態様の中空押出成形体のベース樹脂は、EEAのみからなる、又はEEA及びLLDPEからなり、実質的にEVAを含まない。したがって、酢酸臭の発生等の臭気が問題となることはない。又、臭素系難燃剤、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウムを前記の組成比の範囲で含有しており、VW−1燃焼試験に合格する難燃性を有する。
EEAをベース樹脂とし、臭素系難燃剤、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウムを難燃剤として配合して引落し成形した場合は、ダイスカスが発生しチューブの外観が悪化する問題があった。特に、押出成形時の線速が大きい場合や中空成形体の肉厚が薄い場合はこの問題が発生しやすい傾向があった。しかし、第1の態様の中空押出成形体では、EEAとLLDPEの組成比を特定の範囲内とし、さらに臭素系難燃剤、三酸化アンチモン及び水酸化マグネシウムの含有量を特定の範囲内とし、かつ平均粒径が特定範囲内にある水酸化マグネシウムを使用することにより、押出成形時の線速が大きい場合や中空成形体の肉厚が薄い場合でもダイスカスの発生によるチューブの外観の悪化が抑制され良好な外観の中空押出成形体が得られる。

0022

具体的には、前記第1の態様の中空押出成形体を形成する樹脂組成物を引落し成形した場合は、引落し成形の剪断速度が800s−1を超え5000s−1以下の高い線速であり、かつ肉厚が0.6mm以上0.9mm以下の薄い場合であっても、ダイスカスは発生しない。すなわち、第1の態様により、剪断速度5000s−1以下で引落し成形された中空押出成形体が提供され、さらに肉厚が0.6mm以上0.9mm以下であり、剪断速度5000s−1以下で引落し成形された中空押出成形体が提供される。なお、剪断速度は、引落し成形に使用するチュービングダイダイ内径(mm)をDDチップ外径(mm)をDrとしたとき、下記式のrで表される値である。
H=(DD−Dr)/2(mm)、W=π(DD+Dr)/2(mm)、
r=6q/WH2(qは、体積流量(mm2/sec))

0023

(ベース樹脂)
ベース樹脂は、前記樹脂組成物の樹脂成分を構成する。前記樹脂成分は、ベース樹脂のみからなるものでよいし、ベース樹脂を最大の成分とするが、発明の趣旨を損ねない範囲で他の樹脂を含むものでもよい。

0024

ベース樹脂を構成するEEAは、エチレンアクリル酸エチルの共重合体である。エチレンとアクリル酸エチルの共重合比の範囲は特に限定されないが、通常、全構成モノマーの中のアクリル酸エチルの質量比が5〜25%程度のものが用いられる。アクリル酸エチルの比が増大すると融点が低下するが、通常、融点83〜107℃のものが用いられる。
EEAの分子量の範囲や密度比重)の範囲も特に限定されないが、通常、190℃、荷重21.6kgで測定したメルトフローレイトMFR)が0.3g/10min〜25g/10minであり、比重0.92〜0.95のものが用いられる。

0025

ベース樹脂を構成するLLDPEは、通常、繰り返し単位のエチレンと若干量のα‐オレフィンとを共重合させた熱可塑性樹脂であり、その比重は0.910〜0.925程度の範囲内にある(JIS K6899−1:2000)。エチレンモノマー1000に対し10〜30程度の短い分岐(SCB)を持つものが通常使用される。エチレンと共重合されるα‐オレフィンとしては、1−ブテン1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、1−オクテン等が挙げられるが、LLDPEの分子量、α‐オレフィンの種類や共重合比、SCBの数等は特に限定されない。

0026

ベース樹脂中のEEAの組成比は、EEAとLLDPEの合計の質量に対し85質量%以上である。ベース樹脂がLLDPEを含まずEEAのみからなってもよい。EEAの組成比が85質量%未満の場合(LLDPEの組成比が15質量%を超える場合)は、引落し成形の際にダイスカスが発生しやすくなる傾向があり、特に、押出成形時の線速を800s−1以上とした場合や中空成形体の肉厚が0.9mm以下の場合はダイスカスが発生しやすくなり、良好な外観の中空押出成形体が得られない。

0027

(臭素系難燃剤)
臭素系難燃剤とは、臭素化された芳香族脂肪族芳香脂肪族又は脂環式化合物等を言う。
具体的には、臭素系難燃剤として、デカブロモジフェニルエーテルヘキサブロモベンゼンエチレンビステトラブロモフタルイミド、2,2−ビス(4−ブロモエチルエーテル−3,5−ジブロモフェニルプロパンエチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミドテトラブロモビスフェノールS、トリス(2,3−ジブロモプロピル−1)イソシアヌレートヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)、オクタブロモニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA(TBA)エポキシオリゴマーもしくはポリマー、TBA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、ポリジブロモフェニレンオキシド、ビス(トリブロモフェノキシエタン、エチレンビス−ペンタブロモベンゼン、ジブロモエチル−ジブロモシクロヘキサンジブロモネオペンチルグリコールトリブロモフェノール、トリブロモフェノールアリルエーテルテトラデカブロモ−ジフェノキシベンゼン、1,2−ビス(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ペンタブロモフェノールペンタブロモトルエン、ペンタブロモジフェニルオキシドヘキサブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルオキシド、ジブロモネオペンチルグリコールテトラカルボナート、ビス(トリブロモフェニル)フマルアミド、N−メチルヘキサブロモフェニルアミン等を挙げることができ、これらは単独又は2種以上を混合して用いることができる。
前記例示された臭素系難燃剤の中でも、1,2−ビス(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル)エタンが好ましい。

0028

(水酸化マグネシウム)
樹脂組成物に配合される水酸化マグネシウムは、レーザ回折法による粒度分布測定により得られる平均粒径が0.5μm以上3.0μm以下の範囲にあるものである。平均粒径が3.0μmを超える水酸化マグネシウムを用いた場合は、引落し成形の際にダイスカスが発生しやすくなり良好な外観の中空押出成形体が得られない。一方、平均粒径が0.5μm未満の水酸化マグネシウムを用いた場合も、分散不良による凝集が発生し、引落し成形の際にダイスカスが発生しやすくなり良好な外観の中空押出成形体が得られない。
より好ましくは、平均粒径が0.7μm以上2.0μm以下の範囲にある水酸化マグネシウムであり、引落し成形の際のダイスカスの発生がより抑制され、より良好な外観の中空押出成形体が得られる。

0029

(臭素系難燃剤、三酸化アンチモン及び水酸化マグネシウムの含有量)
中空押出成形体の肉厚が薄い場合でも充分な難燃性を得るためには、難燃剤、特に臭素系難燃剤の増量が必要である。肉厚が0.6mmの場合でもVW−1燃焼試験に合格する難燃性を得るために、ベース樹脂100質量部に対し55質量部以上の臭素系難燃剤を樹脂組成物に含有させることが求められる。
一方、難燃剤を増量すれば、引落し成形の際にダイスカスが発生しやすくなる。本発明者は検討の結果、臭素系難燃剤の含有量を、ベース樹脂100質量部に対し55質量部以上90質量部未満の範囲内とした場合は、三酸化アンチモン及び水酸化マグネシウムの含有量を、ベース樹脂100質量部に対しそれぞれ15質量部未満及び50質量部未満としても、そして肉厚が0.6mmの場合でも、VW−1燃焼試験に合格する難燃性を得ることができ、かつ引落し成形の際のダイスカスの発生が抑制され、良好な外観の中空押出成形体が得られることを見出した。

0030

ベース樹脂100質量部に対し三酸化アンチモンの含有量が15質量部以上となる場合や水酸化マグネシウムの含有量が50質量部以上となる場合は、引落し成形の際にダイスカスが発生しやすくなりチューブの外観が悪化する。
水酸化マグネシウムの含有量は、好ましくは、ベース樹脂100質量部に対し10質量部以上50質量部未満であり、より好ましくは10質量部以上40質量部以下である。水酸化マグネシウムの含有量を10質量部以上とすることにより難燃性がさらに向上し、VW−1燃焼試験により確実に合格する難燃性を得ることができる。水酸化マグネシウムの含有量が40質量部を超えると中空押出成形体の引張強度、引張伸び等の機械的強度が低下する傾向があるので40質量部以下が好ましい。
又、臭素系難燃剤の含有量がベース樹脂100質量部に対し90質量部以上の場合は、引落し成形の際にダイスカスが発生しやすくなる問題に加えて、引張強度、引張伸び等の機械的強度が低下する問題も生じる。又肉厚が薄い場合でもより確実にVW−1燃焼試験に合格する難燃性を得るためには、臭素系難燃剤の含有量はベース樹脂100質量部に対し65質量部以上が好ましい。

0031

非必須成分)
本態様の中空押出成形体を形成する前記樹脂組成物には、前記の必須の成分に加えて、必要に応じ、発明の趣旨を損ねない範囲で、EEA、LLDPE以外の樹脂や臭素系難燃剤、三酸化アンチモン及び水酸化マグネシウム以外の添加剤を含有させてもよい。他の添加剤としては、酸化防止剤銅害防止剤滑剤着色剤熱安定剤紫外線吸収剤等を挙げることができる。例えば、中空押出成形体やその架橋体等が、絶縁電線の絶縁被覆に使用されるときは、その経時劣化を防ぐために酸化防止剤を加えることが好ましい。酸化防止剤としては、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン、N,N’−ジフェニルp−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物等のアミン系酸化防止剤ペンタエリスリチルテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等のフェノール系酸化防止剤、ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニルスルフィド、2−メルカプトベンゾイミダゾール及びその亜鉛塩ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等のイオウ系酸化防止剤、等を挙げることができる。
又、架橋を促進するため架橋助剤を含有してもよい。

0032

(中空押出成形体の製造方法)
第1の態様の中空押出成形体は、前記の必須の成分及び必要により配合される他の成分を、二軸混練押出機バンバリーミキサーニーダーロール等の公知の混練装置溶融混練し、得られた混錬物を、公知の押出成形機を用いて、管状の口金(樹脂の吐出孔)を有するダイス(チュービングダイ)より、チューブ状に成形することにより製造することができる。前記のようにチューブ状の成形は、通常引落し成形により行われる。従って、第1の態様の中空押出成形体は、通常、引落し成形体である。ここで、引落し成形とは、押出された成形体を押出し方向に引き伸ばしながら成形する成形方法である。

0033

本開示の第2の態様は、前記第1の態様の中空押出成形体の前記ベース樹脂を架橋してなる中空押出成形体の架橋体である。中空押出成形体のベース樹脂を架橋することにより、中空押出成形体の前記の優れた特性を維持しながら、引張強度、引張伸び等の機械的強度に優れたチューブ状の架橋体を得ることができる。又、得られたチューブ状の架橋体を拡径することにより第3の態様の熱収縮チューブを製造することができる。

0034

(架橋)
中空押出成形体のベース樹脂を架橋する方法としては、電離性放射線照射による架橋、化学架橋熱架橋等の方法が挙げられるが、実施の容易さ等の観点から電離性放射線の照射による架橋が好ましい。前記電離放射線としては、α線β線電子線等の粒子線X線γ線等の高エネルギー電磁波等が挙げられるが、制御の容易さ、安全性等の観点より電子線が好ましく用いられる。
前記電離放射線の照射線量は特に限定されないが、十分な架橋密度を得られかつ照射による樹脂の劣化が小さい照射線量を選択することが好ましい。

0035

本開示の第3の態様は、図1で示すとおり、前記第2の態様の中空押出成形体の架橋体の拡径体である熱収縮チューブ1である。中空押出成形体の架橋体の拡径体とは、中空押出成形体の架橋体に拡径を施して熱収縮性を付与したチューブを意味する。第3の態様の熱収縮チューブ1は、第2の態様の中空押出成形体の架橋体の前記の優れた特性を有するものであり、第1の態様の中空押出成形体の前記の優れた特性を維持しながら、引張強度、引張伸び等の機械的強度に優れたものである。

0036

(拡径)
前記第2の態様の中空押出成形体の架橋体に、拡径を施して熱収縮性を付与することにより第3の態様の熱収縮チューブ1が製造される。拡径は、第2の態様の中空押出成形体の架橋体(チューブ状の架橋体)をその融点以上の温度に加熱した状態で所定の内径となるように膨張させた後、冷却して形状を固定させる方法により行うことができる。チューブ状の架橋体の膨張は、例えば内部に圧縮空気を導入する方法により行うことができる。拡径は、通常、内径が1.5倍〜4倍程度となるように行われる。

0037

第3の態様の熱収縮チューブ1は、絶縁電線の絶縁被覆や、電線の結束部や電線の結束部や配線の端末部分の保護、防水、防食等に用いられる。

0038

本開示の第4の態様は、図2及び図3で示す通り、前記第3の態様の熱収縮チューブ1、及び前記熱収縮チューブの内周面に設けられ、ホットメルト樹脂を含む接着層2を有する多層熱収縮チューブ10である。

0039

この多層熱収縮チューブ10は、前記第3の態様の熱収縮チューブ1からなる外層を有するので、第3の態様の熱収縮チューブ1と同様な優れた特性を有する。さらに、ホットメルト樹脂を含む接着層2が熱収縮チューブの内周面に形成されているので、熱収縮の際、被覆される部分の形状に沿って接着層が流動して当該部分との密着性が向上し、当該部分の保護や防水、防食をより確実にすることができる。

0040

(第4の態様の多層熱収縮チューブの製造方法)
この多層熱収縮チューブ10は、
1)ホットメルト樹脂を管状に成形してチューブを作製し、その外周面を前記のようにして作製した第3の態様の熱収縮チューブの内周面に接着させる方法、
2)ホットメルト樹脂を管状に成形してチューブを作製し、その外周面を前記のようにして作製した第2の態様の中空押出成形体の架橋体の内周面に接着させた後、前記のような拡径をする方法、及び
3)第1の態様の中空押出成形体を形成する樹脂組成物及び接着層を形成するホットメルト樹脂を、接着層が内側になるように同時に押出し(共押出し)した後、前記のような架橋及び拡径をする方法、
等により製造することができる。

0041

(ホットメルト樹脂)
接着層2を形成する材料であるホットメルト樹脂としては、接着性を有し、チューブ状の成形が可能で、常温での保管時には変形や流動せず、熱収縮の際の温度では溶融し流動する樹脂が望まれ、これらの特性を有する既存のホットメルト樹脂から選択することができる。具体的には、EVA、ポリアミド樹脂ポリエステル樹脂等をホットメルト樹脂として用いることができるが、中でもEVA及びポリアミド樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹脂が、熱収縮チューブの被着体となり得る金属やポリ塩化ビニルポリエチレン等の異種材料幅広く接着するため、好ましく用いられる。なお、EVAをベースとする樹脂組成物により熱収縮チューブを形成すると、熱収縮チューブの成形(引落し成形)時に酢酸臭を発生する問題があるが、熱収縮チューブの熱収縮時の温度は、熱収縮チューブの成形時の温度より低いので、EVAをホットメルト樹脂として用いて接着層2を形成しても、臭気の問題はほとんど発生しない。

0042

この接着層2には、ホットメルト樹脂の他、必要に応じ、発明の趣旨を損ねない範囲で他の添加剤等を配合してもよい。他の添加剤としては、酸化防止剤、銅害防止剤、劣化抑制剤粘度特性改良剤、難燃剤、滑材、着色剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、粘着剤等を挙げることができる。

0043

(第4の態様の多層熱収縮チューブの用途)
この多層熱収縮チューブ10の内周側には、接着性を有し熱収縮の際の温度では溶融し流動する樹脂を含む接着層が設けられ、熱収縮の際には被覆対象物の被覆部との優れた密着性が得られる。そこで、絶縁電線の絶縁被覆、電線の結束部や配線の端末部分の保護や防水、防食性の確保等に好適に使用される。

0044

1)実験例に使用した材料
(EEA)
・EEA1 EA(アクリル酸エチル)量18wt%、MFR=6、融点93℃
・EEA2 EA量15wt%、MFR=0.8、融点100℃
・EEA3 EA量20wt%、MFR=5、融点96℃
(LLDPE)
・LLDPE1 MFR=0.7、密度0.92g/mL
(EVA)
・EVA1 VA量17wt%、MFR=0.8、融点89℃
(難燃剤)
・臭素系難燃剤(エチレン−1,2−ビス(ペンタブロモフェニル))
・三酸化アンチモン
・水酸化マグネシウム1平均粒径0.8μm、BET比表面積6.0m2/g、未処理(ステアリン酸等による処理がされていないことを意味する。以下、同じ)
・水酸化マグネシウム2 平均粒径0.8μm、BET比表面積6.0m2/g、ステアリン酸処理
・水酸化マグネシウム3 平均粒径1.7μm、BET比表面積2.7m2/g、未処理
・水酸化マグネシウム4 平均粒径7.0μm、BET比表面積35m2/g、未処理
(他の添加剤)
実験例1〜20の各処方では、以上の材料の他に酸化防止剤を、ベース樹脂100質量部に対して4質量部加えている。

0045

2)電線の製造及びダイス部付着物の有無
前記1)で示す材料を用い表1〜4に示す処方(質量部)の樹脂組成物を溶融混錬した後、50mmφ単軸押出機を用いて、ダイスの口金より、線速20m/minで、電線(0.8ta線)の外周に押出し成形(充実押出し)して、肉厚1mmtの被覆層を形成した。ダイスの口金部を目視して、下記の基準でダイス部付着物の有無を評価し、その結果を表1〜4の「ダイス部付着物の有無:電線製造時」の欄に示した。
評価基準
A 目視でダイスカスが見られない。
B 押出開始後10分以上経過後に目視でダイスカスが見られる。
C 押出開始後10分経過前に目視でダイスカスが見られる。

0046

3)チューブの製造及びダイス部付着物の有無
3−1)前記1)で示す材料を用い、表1〜4に示す処方(質量部)の樹脂組成物を溶融混錬した後、50mmφ単軸押出機を用いて、ダイスの口金(ダイ内径:10mm、チップ外径:6.65mm)より線速20m/min(剪断速度:599s−1)、引落し率2.0で引落し成形をして、外径8.0mmφ、内径6.0mmφ、肉厚1mmtのチューブ(中空押出成形体)を作製した。
なお、引落し率とは、[(口金径)2−(心金外径)2]/[(チューブ外径)2−(チューブ内径)2]より求められる値である。以下同じである。
3−2)線速を100m/min(剪断速度:2997s−1)とした以外は前記3−1)と同様に引落し成形をして、外径8.0mmφ、内径6.0mmφ、肉厚1mmtのチューブ(中空押出成形体)を作製した。

0047

3−3)ダイ内径:9.4mm、チップ外径:6.65mmのダイスの口金を用いた以外は前記3−1)と同様の条件(線速:20m/min(剪断速度:717s−1))で引落し成形をして、外径7.6mmφ、内径6.0mmφ、肉厚0.8mmtのチューブ(中空押出成形体)を作製した。
3−4)ダイ内径:9.4mm、チップ外径:6.65mmのダイスの口金を用いた以外は前記3−2)と同様の条件(線速:100m/min(剪断速度:3585s−1))で引落し成形をして、外径7.6mmφ、内径6.0mmφ、肉厚0.8mmtのチューブ(中空押出成形体)を作製した。

0048

3−5)ダイ内径:9mm、チップ外径:6.65mmのダイスの口金を用いた以外は前記3−1)と同様の条件(線速:20m/min(剪断速度:868s−1))で引落し成形をして、外径7.4mmφ、内径6.0mmφ、肉厚0.7mmtのチューブ(中空押出成形体)を作製した。
3−6)ダイ内径:9mm、チップ外径:6.65mmのダイスの口金を用いた以外は前記3−2)と同様の条件(線速:100m/min(剪断速度:4341s−1))で引落し成形をして、外径7.4mmφ、内径6.0mmφ、肉厚0.7mmtのチューブ(中空押出成形体)を作製した。

0049

前記3−1)〜3−6)のそれぞれについて、チューブ(中空押出成形体)の作製後(引落し成形後)のダイスの口金部を目視して、前記「電線の製造及びダイス部付着物の有無」の欄に示した基準と同じ基準でダイス部付着物の有無を評価し、その結果を表1〜4の「ダイス部付着物の有無:チューブ製造時」の欄(それぞれの線速、肉厚に対応する欄)に示した。

0050

4)VW−1燃焼試験
前記3−1)、3−3)又は3−5)(いずれも線速20m/minの場合)で製造されたチューブに、200kGyの線量で電子線照射をして、それぞれ5つの試料を作製した。このようにして作製されたそれぞれ5つの試料について、UL規格に記載のVW−1垂直難燃試験を行った。具体的には、各試料に、20度の角度でバーナの炎をあて15秒着火、15秒休止を5回繰り返した場合に、60秒以内に消火し、下部に敷いた脱脂綿燃焼落下物によって燃焼せず、試料の上部に取り付けたクラフト紙が燃えたり、焦げたりしないものが合格である。5個とも合格の場合を合格とし、5個中1個でも合格に達しなかった場合は不合格とし、その結果を表1〜4の「VW−1燃焼試験」の欄(それぞれの肉厚に対応する欄)に示した。

0051

5)引張強さ、引張伸び
前記3−1)で製造されたチューブについて、200kGyの線量で電子線照射をして試料を作製した。作製された試料について、JIS C3005(2014)で規定された方法により、500mm/minで引張り、引張強度及び引張伸びを測定した。測定結果を表1〜4の(肉厚1mmの評価結果の欄の)「引張強度」及び「引張伸び」の欄に示した。

0052

6)臭気
前記3−1)で製造されたチューブについて、200kGyの線量で電子線照射をして、試料を作製した。作製された試料を5cmの長さに切断し、試験管投入し、蓋をして1日常温で放置した。その後、試験管の蓋を外して臭いを嗅ぎ、刺激臭感じるか否かを判定した。前記判定は異なる人3名で実施し、一人でも刺激臭を感じた場合は不合格とし、一人も感じない場合は合格とし、その結果を表1〜4の(肉厚1.0mmの評価結果の欄の)「臭気」の欄に示した。

0053

0054

0055

0056

0057

表1〜4が示すように、
EEAとLLDPEの質量比(組成比)が100:0〜85:15の範囲内にあり、EEAとLLDPEの合計100質量部に対し、臭素系難燃剤の含有量が55質量部以上90質量部未満であり、三酸化アンチモンの含有量が15質量部未満であり、水酸化マグネシウムの含有量が50質量部未満であり、かつ水酸化マグネシウムの平均粒径が0.5μm〜3.0μmの範囲内にある樹脂組成物を用いた場合(実験例1〜10)は、充実成形及び引落し成形のいずれの場合でも、そして、線速が100m/minと大きい場合でも、又はチューブの肉厚が0.8mm、0.7mmと薄い場合でも、ダイスカスの発生はない。従って、良好な外観のチューブが得られると考えられる。又当該引落し成形品(本発明の中空押出成形体)の架橋体は、VW−1燃焼試験に合格する難燃性を有し、引張強度、引張伸びも充分であり、酢酸臭等の臭いの問題もない。

0058

一方、EEAの量が、EEAとLLDPEの合計量の80質量%(85質量%未満の場合)である実験例11の場合は、引落し成形時の線速が100m/minと大きくなると、チューブの肉厚が1.0mmであってもダイスカスの発生が見られ、特に肉厚が0.8mm、0.7mmと薄い場合ではダイスカスの発生が多くなり、又、肉厚が0.7mmと薄い場合では線速が20m/minでもダイスカスの発生が見られる。又、肉厚が0.7mmと薄い場合ではVW−1燃焼試験も不合格であり難燃性も不充分である。実験例11の結果より、線速が大きい場合や肉厚が薄い場合でも良好な外観のチューブを得るためには、EEAの量を、EEAとLLDPE(ベース樹脂)の合計量の85質量%以上とする必要があることが示されている。

0059

EEAの量が、EEAとLLDPEの合計量の70質量%(85質量%未満)であり、EEAとLLDPEの合計(ベース樹脂量)100質量部に対し、臭素系難燃剤の含有量が40質量部(55質量部未満)であり、三酸化アンチモンの含有量が20質量部(15質量部以上)である実験例12、ベース樹脂がEEAのみからなる(LLDPEを含まない)が臭素系難燃剤の含有量が40質量部(55質量部未満)であり、三酸化アンチモンの含有量が20質量部(15質量部以上)である実験例13、ベース樹脂がEEAのみからなるが臭素系難燃剤の含有量が50質量部(55質量部未満)であり、三酸化アンチモンの含有量が25質量部(15質量部以上)である実験例14では、引落し成形時の線速が100m/minと大きくなると、チューブの肉厚が1.0mmであってもダイスカスの発生が多く、特に肉厚が0.8mm、0.7mmと薄い場合ではダイスカスの発生が多くなり、線速が20m/minでもダイスカスの発生が見られる。
さらに、実験例15、16、19は、ベース樹脂がEEAのみからなり、臭素系難燃剤の含有量が55質量部以上であるが、三酸化アンチモンの含有量が、それぞれ、20質量部、30質量部、20質量部(15質量部以上)の例であり、いずれの例でもダイスカスの発生が多い。これらの結果、及び前記の実験例12、13、14の結果より、優れた外観のチューブを得るためには三酸化アンチモンの含有量は、15質量部未満とするべきことが示唆されている。

0060

臭素系難燃剤の含有量が55質量部未満である実験例12〜14、17では肉厚が0.8mmの場合でもVW−1燃焼試験が不合格であり難燃性が不充分である。特に、三酸化アンチモンを含有しない実験例17では肉厚が1.0mmの場合でもVW−1燃焼試験が不合格である。これらの結果より、肉厚が薄い場合でも充分な難燃性を得るためには臭素系難燃剤の含有量を55質量部以上とする必要があることが示唆されている。
又、臭素系難燃剤の含有量が60質量部である実験例16では、肉厚が0.7mmと薄い場合ではVW−1燃焼試験が不合格である。この結果より、肉厚が薄い場合でもより確実にVW−1燃焼試験に合格する難燃性を得るためには、臭素系難燃剤の含有量はベース樹脂100質量部に対して65質量部以上が好ましいことが示唆されている。

0061

水酸化マグネシウムの含有量がベース樹脂100質量部に対して50質量部を超える実験例18、19及び平均粒径が7.0μm(0.5μm以上3.0μm以下の範囲外)の水酸化マグネシウムを用いた実験例20では、ダイスカスの発生が多く、引落し成形時の線速が20m/minであっても、又、チューブの肉厚が1.0mmであってもダイスカスの発生が多い。この結果より、優れた外観のチューブを得るためには水酸化マグネシウムの含有量は、ベース樹脂100質量部に対して50質量部以下とするべきこと、かつ、水酸化マグネシウムとしては平均粒径が3.0μm以下のものを用いるべきことが示唆されている。

0062

なお、水酸化マグネシウムの含有量が50質量部である実験例7〜9では、含有量が30質量部である実験例1〜6や10質量部である実験例10よりも、引張強さ、引張伸びが小さい。この結果より水酸化マグネシウムの含有量は40質量部以下が好ましいことが示唆されている。又、水酸化マグネシウムの含有量が10質量部である実験例10では、肉厚が0.7mmと薄い場合でも、VW−1燃焼試験に合格する難燃性が得られている。

実施例

0063

EEA又はEEAとLLDPEの代わりにEVAを使用した実験例21では、酢酸臭があり臭いが問題であった。

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