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技術 Al系めっきステンレス鋼板、および、フェライト系ステンレス鋼板の製造方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 水谷映斗佐藤林太藤澤光幸
出願日 2019年8月26日 (1年5ヶ月経過) 出願番号 2020-500766
公開日 2020年10月22日 (3ヶ月経過) 公開番号 WO2020-054384
状態 特許登録済
技術分野 溶融金属による被覆 薄鋼板の熱処理
主要キーワード 非金属発熱体 形状変化量 圧接板 質量変化量 圧延加工前 湿式分析 金属発熱体 最大曲げ
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課題・解決手段

質量%で、C:0.030%以下、Si:3.0%以下、Mn:1.0%以下、P:0.040%以下、S:0.010%以下、Cr:11.0〜30.0%、Al:8.0〜20.0%、Ni:0.05〜0.50%およびN:0.020%以下を含有するとともに、Zr:0.01〜0.20%およびHf:0.01〜0.20%のうちから選ばれる少なくとも1種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成とする。

概要

背景

抵抗発熱体電流を流した際に発生するジュール熱によって物体を加熱する方法を、抵抗加熱という。この方法は、電気エネルギーから熱エネルギーへの変換効率が良好であり、また制御装置も簡便で済むため、工業用電気炉電熱調理器などの幅広い分野で利用されている。

この抵抗加熱において用いられる抵抗発熱体は、Ni−Cr合金やFe−Cr合金に代表される金属発熱体と、SiCに代表される非金属発熱体分類することができる。このうち、金属発熱体は、非金属発熱体に比べて加工性に優れるので、箔材線材に加工することができる。そのため、金属発熱体は、窓ガラスや床などの薄い部材や、手袋などの曲げ負荷がかかる部材にも適用可能である。

このような金属発熱体として、例えば、JIS C 2520には、電熱合金線および電熱用合金帯としてNi−Cr合金3種(電熱用ニッケルクロム線および帯の1〜3種)と、Fe−Cr合金2種(電熱用鉄クロム線および帯の1〜2種)とが規定されている。ここで、Ni−Cr合金は、Cr:15〜21%、Si:0.75〜3%を主な添加元素とするNi基合金であり、Fe−Cr合金は、Cr:17〜26%、Al:2〜6%、Si:1.5%以下を主な添加元素とするFe基合金である(なお、各元素の「%」は質量%であり、以下同様である)。

なかでも、Fe−Cr合金、特には、Alを多く含有するステンレス鋼板(以降、Al含有ステンレス鋼板ともいう)は、高温での耐酸化性に優れ、さらにはNi−Cr合金に比べて安価であるため、抵抗発熱体として幅広く適用されている。

このようなAl含有ステンレス鋼板に関する技術として、例えば、特許文献1には、
「C≦0.03%、Cr≦30%、Ti、Nb、VまたはMoの1種もしくは2種以上を0.01〜0.8%含有するステンレス鋼板の少なくとも片面に、含有させるAl量に相当する割合となるようにAl板を重ね合わせ、これをロール間に通板して積層圧接板とし、得られた積層圧接板を、600〜1300℃の範囲の温度においてAl層溶融せずに合金化する条件で拡散処理を施すことからなる高Al含有ステンレス鋼板の製造法。」
が開示されている。

また、特許文献2には、
「質量%で、Cr:10%以上30%以下、Al:6.5%超15%以下であって、Ti:0.02%以上0.1%以下とNb:0.02%以上0.3%以下の一方又は両方を含み、La:0.01%以上0.1%以下、Ce:0.01%以上0.1%以下、P:0.01%以上0.05%以下であることを特徴とするFe−Cr−Al系ステンレス鋼板。」
が開示されている。

概要

質量%で、C:0.030%以下、Si:3.0%以下、Mn:1.0%以下、P:0.040%以下、S:0.010%以下、Cr:11.0〜30.0%、Al:8.0〜20.0%、Ni:0.05〜0.50%およびN:0.020%以下を含有するとともに、Zr:0.01〜0.20%およびHf:0.01〜0.20%のうちから選ばれる少なくとも1種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成とする。

目的

本発明は、上記の問題を解決するために開発されたものであって、電気抵抗率および耐酸化性に優れ、かつ、板厚が薄い場合であっても、反りや歪みといった変形の少ないフェライト系ステンレス鋼板を、その有利な製造方法とともに提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

質量%で、C:0.030%以下、Si:3.0%以下、Mn:1.0%以下、P:0.040%以下、S:0.010%以下、Cr:11.0〜30.0%、Al:8.0〜20.0%、Ni:0.05〜0.50%およびN:0.020%以下を含有するとともに、Zr:0.01〜0.20%およびHf:0.01〜0.20%のうちから選ばれる少なくとも1種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する、フェライト系ステンレス鋼板

請求項2

前記成分組成が、さらに、質量%で、REM:0.01〜0.20%、Cu:0.01〜0.10%、Ti:0.01〜0.50%、Nb:0.01〜0.50%、V:0.01〜0.50%、Mo:0.01〜6.0%、W:0.01〜6.0%、B:0.0001〜0.0050%、Ca:0.0002〜0.0100%およびMg:0.0002〜0.0100%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する、請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼板。

請求項3

めっき基板と、該めっき基板の表面のAl系めっき層とを有する、Al系めっきステンレス鋼板であって、前記めっき基板は、質量%で、C:0.030%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、P:0.040%以下、S:0.010%以下、Cr:11.0〜30.0%、Al:2.5〜6.5%、Ni:0.05〜0.50%およびN:0.020%以下を含有するとともに、Zr:0.01〜0.20%およびHf:0.01〜0.20%のうちから選ばれる少なくとも1種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有するフェライト系ステンレス鋼板であり、また、前記めっき基板の板厚およびAl含有量、ならびに、前記Al系めっき層の厚さが、次式(1)の関係を満足する、Al系めっきステンレス鋼板。8.0 ≦CAl+30×t/T ≦ 20.0・・・・・(1)ここで、CAl :めっき基板のAl含有量(質量%)T:めっき基板の板厚(μm)t :Al系めっき層の厚さ(めっき基板の両面にAl系めっき層を有する場合、めっき基板両面のAl系めっき層の合計厚さ)(μm)である。

請求項4

前記めっき基板の成分組成が、さらに、質量%で、REM:0.01〜0.20%、Cu:0.01〜0.10%、Ti:0.01〜0.50%、Nb:0.01〜0.50%、V:0.01〜0.50%、Mo:0.01〜6.0%、W:0.01〜6.0%、B:0.0001〜0.0050%、Ca:0.0002〜0.0100%およびMg:0.0002〜0.0100%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する、請求項3に記載のAl系めっきステンレス鋼板。

請求項5

請求項1または2に記載のフェライト系ステンレス鋼板を製造するための方法であって、請求項3または4に記載のAl系めっきステンレス鋼板に、600℃〜1300℃の温度域で1分以上保持する熱処理を施す、フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、電気抵抗率および耐酸化性に優れ、かつ、板厚が薄い場合であっても、反りや歪みといった変形の少ないフェライト系ステンレス鋼板、および、当該フェライト系ステンレス鋼板の製造用素材となるAl系めっきステンレス鋼板に関する。

背景技術

0002

抵抗発熱体電流を流した際に発生するジュール熱によって物体を加熱する方法を、抵抗加熱という。この方法は、電気エネルギーから熱エネルギーへの変換効率が良好であり、また制御装置も簡便で済むため、工業用電気炉電熱調理器などの幅広い分野で利用されている。

0003

この抵抗加熱において用いられる抵抗発熱体は、Ni−Cr合金やFe−Cr合金に代表される金属発熱体と、SiCに代表される非金属発熱体分類することができる。このうち、金属発熱体は、非金属発熱体に比べて加工性に優れるので、箔材線材に加工することができる。そのため、金属発熱体は、窓ガラスや床などの薄い部材や、手袋などの曲げ負荷がかかる部材にも適用可能である。

0004

このような金属発熱体として、例えば、JIS C 2520には、電熱合金線および電熱用合金帯としてNi−Cr合金3種(電熱用ニッケルクロム線および帯の1〜3種)と、Fe−Cr合金2種(電熱用鉄クロム線および帯の1〜2種)とが規定されている。ここで、Ni−Cr合金は、Cr:15〜21%、Si:0.75〜3%を主な添加元素とするNi基合金であり、Fe−Cr合金は、Cr:17〜26%、Al:2〜6%、Si:1.5%以下を主な添加元素とするFe基合金である(なお、各元素の「%」は質量%であり、以下同様である)。

0005

なかでも、Fe−Cr合金、特には、Alを多く含有するステンレス鋼板(以降、Al含有ステンレス鋼板ともいう)は、高温での耐酸化性に優れ、さらにはNi−Cr合金に比べて安価であるため、抵抗発熱体として幅広く適用されている。

0006

このようなAl含有ステンレス鋼板に関する技術として、例えば、特許文献1には、
「C≦0.03%、Cr≦30%、Ti、Nb、VまたはMoの1種もしくは2種以上を0.01〜0.8%含有するステンレス鋼板の少なくとも片面に、含有させるAl量に相当する割合となるようにAl板を重ね合わせ、これをロール間に通板して積層圧接板とし、得られた積層圧接板を、600〜1300℃の範囲の温度においてAl層溶融せずに合金化する条件で拡散処理を施すことからなる高Al含有ステンレス鋼板の製造法。」
が開示されている。

0007

また、特許文献2には、
「質量%で、Cr:10%以上30%以下、Al:6.5%超15%以下であって、Ti:0.02%以上0.1%以下とNb:0.02%以上0.3%以下の一方又は両方を含み、La:0.01%以上0.1%以下、Ce:0.01%以上0.1%以下、P:0.01%以上0.05%以下であることを特徴とするFe−Cr−Al系ステンレス鋼板。」
が開示されている。

先行技術

0008

特開平2−133563号公報
特開2004−169110号公報

発明が解決しようとする課題

0009

ところで、Al含有ステンレス鋼は、Alによって電気抵抗率を高めているが、Alは鋼の靭性を低下させる元素であり、Al含有量が多くなるほど、熱間圧延冷間圧延の際に割れが発生し易くなる。
よって、Al含有量が6.5%以上のステンレス鋼板を、一般的な鋳造圧延法により製造することは困難である。

0010

そのため、特許文献1の技術では、素地鋼板となるステンレス鋼板の少なくとも一方の面に、Al板を重ね合わせた積層圧接板を準備し、この積層圧接板に所定の熱処理(以下、拡散熱処理ともいう)を施すことによって、ステンレス鋼板中にAlを拡散させて、最終製品となるステンレス鋼板のAl含有量を高めている。
また、特許文献2の技術でも、素地鋼板となるステンレス鋼板の表面にAlまたはAl合金を付着させた複層板を準備し、この複層板に所定の拡散熱処理(拡散焼鈍)を施すことによって、ステンレス鋼板中にAlを拡散させて、最終製品となるステンレス鋼板のAl含有量を高めている。

0011

しかし、特許文献1および2の技術では、拡散熱処理の際に、鋼板、特に板厚の薄い鋼板に、反りや歪みといった変形が生じやすいという問題がある。拡散熱処理後に得られる鋼板には、Alが多量に固溶しているので、強度が大幅に上昇している。そのため、拡散熱処理の際に、鋼板に反りや歪みといった変形が生じてしまうと、元の形に矯正することが非常に困難である。加えて、上記の積層圧接板や複層板を所定の部品形状に加工した後に拡散熱処理を施す場合にも、拡散熱処理時に変形が生じ、部品形状が変形するという問題が生じる。

0012

本発明は、上記の問題を解決するために開発されたものであって、電気抵抗率および耐酸化性に優れ、かつ、板厚が薄い場合であっても、反りや歪みといった変形の少ないフェライト系ステンレス鋼板を、その有利な製造方法とともに提供することを目的とする。
また、本発明は、上記のフェライト系ステンレス鋼板の製造用素材となるAl系めっきステンレス鋼板を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

さて、発明者らは、上記の課題を解決すべく、種々検討を重ねた。まず、発明者らは、上記の素地鋼板(ステンレス鋼板)の表面に、Al板やAlまたはAl合金が付着した層を有する積層圧接板や複層板に対して拡散熱処理を施す際に、反りや歪みといった変形が生じる原因について、調査・検討を重ねた。
その結果、この変形は、素地鋼板中にAlが拡散する際の密度変化に起因することを突き止めた。
すなわち、ステンレス鋼板中にAlが拡散固溶すると、ステンレス鋼板の密度が低下して、体積が増加しようとする。拡散熱処理の過程では、素地鋼板の表層部のAl含有量が中心部のAl含有量より高くなり、素地鋼板の板厚方向に密度が異なる状態が生じる。また、素地鋼板表面のAl付着量が不均一になると、素地鋼板表面の面内方向でも密度が異なる状態が生じる。その結果、鋼板内応力が発生する。ステンレス鋼板、特にフェライト系ステンレス鋼板は、高温での強度がそれほど高くないので、鋼板が発生した応力に耐えられず、反りや歪みといった変形が生じる。

0014

そこで、発明者らは、上記の知見を基に、拡散熱処理の際に生じる、反りや歪みといった変形を抑制するべく、さらに検討を重ねた。
その結果、
素地鋼板となるフェライト系ステンレス鋼板の成分組成を適正に調整する、具体的には、Al含有量を2.5〜6.5質量%の範囲に高めるとともに、ZrおよびHfのうちから選ばれる少なくとも1種を適正量含有させ、そのうえで、素地基板の表面に、所定のAl系めっき層を形成して、拡散熱処理を行うことにより、電気抵抗率および耐酸化性に優れ、かつ、板厚が薄い場合であっても、反りや歪みといった変形の少ないフェライト系ステンレス鋼板が得られるとの知見を得た。

0015

すなわち、
(1)拡散熱処理の過程での反りや歪みといった変形を抑制するには、素地鋼板となるフェライト系ステンレス鋼板に予め含まれるAl含有量と、拡散熱処理の際に素地鋼板に拡散させるAl量を適正に調整する、
具体的には、素地鋼板となるフェライト系ステンレス鋼板に予め含まれるAl含有量を2.5〜6.5質量%の範囲に高め、これにより、拡散熱処理の際に生じるステンレス鋼板の密度の不均一を極力抑制することが有効である、
(2)しかし、素地鋼板の表面に設けるAl含有層は、Al系めっきにより形成することが有利であるが、素地鋼板となるフェライト系ステンレス鋼板に予め含まれるAl含有量を2.5〜6.5質量%にすると、Al系めっきの付着性が低下する、
(3)すなわち、Al系めっきを行う際には、溶融したAlまたはAl合金中にめっき基板となる素地鋼板(以下、単にめっき基板ともいう)を浸漬するため、めっき基板の浸漬前に、めっき基板の板温を、溶融したAlまたはAl合金の温度と同程度の650〜750℃程度まで昇温させることが必要となる、
(4)しかし、めっき基板のAl含有量が2.5質量%以上になると、上記の昇温の際にめっき基板の表面にAl2O3皮膜が生成して、Al系めっきの付着性が低下して不めっき部が生じる、
そのため、拡散熱処理において、反りや歪みといった変形を抑制しつつ、十分量のAlを拡散させることが困難となる、
(5)この点、めっき基板に、ZrおよびHfのうちから選ばれる少なくとも1種を適正量含有させることにより、上記の昇温の際のめっき基板の表面でのAl2O3皮膜の生成が抑制される、
その結果、Al系めっきの付着性が改善され、また、不めっき部が存在することに起因した拡散熱処理の過程での反りや歪みといった変形も抑制される、
(6)以上のことから、めっき基板となるフェライト系ステンレス鋼板のAl含有量を2.5〜6.5質量%の範囲に高めるとともに、ZrおよびHfのうちから選ばれる少なくとも1種を適正量含有させ、そのうえで、めっき基板の表面に、所定量のAl系めっき層を形成して、拡散熱処理を行うことにより、Al含有量が8.0質量%以上の電気抵抗率および耐酸化性に優れ、かつ、板厚が薄い場合であっても、反りや歪みといった変形の少ないフェライト系ステンレス鋼板が得られる、
のである。
本発明は、上記の知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。

0016

すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.質量%で、
C:0.030%以下、
Si:3.0%以下、
Mn:1.0%以下、
P:0.040%以下、
S:0.010%以下、
Cr:11.0〜30.0%、
Al:8.0〜20.0%、
Ni:0.05〜0.50%および
N:0.020%以下
を含有するとともに、
Zr:0.01〜0.20%および
Hf:0.01〜0.20%
のうちから選ばれる少なくとも1種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する、フェライト系ステンレス鋼板。

0017

2.前記成分組成が、さらに、質量%で、
REM:0.01〜0.20%、
Cu:0.01〜0.10%、
Ti:0.01〜0.50%、
Nb:0.01〜0.50%、
V:0.01〜0.50%、
Mo:0.01〜6.0%、
W:0.01〜6.0%、
B:0.0001〜0.0050%、
Ca:0.0002〜0.0100%および
Mg:0.0002〜0.0100%
のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する、前記1に記載のフェライト系ステンレス鋼板。

0018

3.めっき基板と、該めっき基板の表面のAl系めっき層とを有する、Al系めっきステンレス鋼板であって、
前記めっき基板は、質量%で、
C:0.030%以下、
Si:1.0%以下、
Mn:1.0%以下、
P:0.040%以下、
S:0.010%以下、
Cr:11.0〜30.0%、
Al:2.5〜6.5%、
Ni:0.05〜0.50%および
N:0.020%以下
を含有するとともに、
Zr:0.01〜0.20%および
Hf:0.01〜0.20%
のうちから選ばれる少なくとも1種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有するフェライト系ステンレス鋼板であり、
また、前記めっき基板の板厚およびAl含有量、ならびに、前記Al系めっき層の厚さが、次式(1)の関係を満足する、Al系めっきステンレス鋼板。
8.0 ≦CAl+30×t/T ≦ 20.0 ・・・・・(1)
ここで、
CAl :めっき基板のAl含有量(質量%)
T:めっき基板の板厚(μm)
t :Al系めっき層の厚さ(めっき基板の両面にAl系めっき層を有する場合、めっき基板両面のAl系めっき層の合計厚さ)(μm)
である。

0019

4.前記めっき基板の成分組成が、さらに、質量%で、
REM:0.01〜0.20%、
Cu:0.01〜0.10%、
Ti:0.01〜0.50%、
Nb:0.01〜0.50%、
V:0.01〜0.50%、
Mo:0.01〜6.0%、
W:0.01〜6.0%、
B:0.0001〜0.0050%、
Ca:0.0002〜0.0100%および
Mg:0.0002〜0.0100%
のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する、前記3に記載のAl系めっきステンレス鋼板。

0020

5.前記1または2に記載のフェライト系ステンレス鋼板を製造するための方法であって、
前記3または4に記載のAl系めっきステンレス鋼板に、600℃〜1300℃の温度域で1分以上保持する熱処理を施す、フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。

発明の効果

0021

本発明によれば、電気抵抗率および耐酸化性に優れ、かつ、板厚が薄い場合であっても、反りや歪みといった変形の少ないフェライト系ステンレス鋼板を得ることができる。
また、本発明のフェライト系ステンレス鋼板は、特に高温での耐酸化性に優れるので、自動車などの排ガス浄化装置直前に設置される排ガス昇温装置発熱体や、電気炉や電熱調理器の発熱体、さらには、触媒担体ストーブ反射板煙突部材などとしても好適に用いることができる。

0022

本発明を、以下の実施形態に基づき説明する。
まず、本発明の一実施形態に係るフェライト系ステンレス鋼板の成分組成について説明する。なお、成分組成における単位はいずれも「質量%」であるが、以下、特に断らない限り、単に「%」で示す。

0023

C:0.030%以下
含有量が0.030%を超えると、鋼板の靭性が低下して、本発明のフェライト系ステンレス鋼板を製造するための製造用素材となる、Al系めっきステンレス鋼板のめっき基板(以下、単にめっき基板ともいう)の製造が困難になる。このため、C含有量は0.030%以下とする。好ましくは0.020%以下、より好ましくは0.010%以下である。C含有量の下限については特に限定されるものではないが、過度の脱Cはコストの増加を招くため、0.002%とすることが好ましい。

0024

Si:3.0%以下
Siは、フェライト系ステンレス鋼板の電気抵抗率を高める働きがあり、質量%あたりの電気抵抗率の向上効果は、Alとほぼ同等である。このような効果を得る観点から、Si含有量は0.01%以上とすることが好ましい。より好ましくは0.10%以上である。しかし、Si含有量が3.0%を超えると、鋼が過度に硬化して、鋼板を所定の部品形状に加工することが困難になる。従って、Si含有量は3.0%以下とする。好ましくは2.0%以下である。

0025

Mn:1.0%以下
Mn含有量が1.0%を超えると、鋼の耐酸化性が低下する。このため、Mn含有量は1.0%以下とする。好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.15%以下である。ただし、Mn含有量を0.01%未満にしようとすると精錬が困難になるので、Mn含有量は0.01%以上が好ましい。

0026

P:0.040%以下
P含有量が0.040%を超えると、鋼の靭性および延性が低下してめっき基板の製造が困難になる。このため、P含有量は0.040%以下とする。好ましくは0.030%以下である。P含有量の下限については特に限定されるものではないが、過度の脱Pはコストの増加を招くので、0.010%とすることが好ましい。

0027

S:0.010%以下
S含有量が0.010%を超えると、熱間加工性が低下してめっき基板の製造が困難になる。このため、S含有量は0.010%以下とする。好ましくは0.004%以下、より好ましくは0.002%以下である。S含有量の下限については特に限定されるものではないが、過度の脱Sはコストの増加を招くので、0.0005%とすることが好ましい。

0028

Cr:11.0〜30.0%
Crは、高温での耐酸化性を確保する上で必要な元素である。また、AlおよびSiより効果は小さいものの、電気抵抗率を高める働きも有する。ここで、Cr含有量が11.0%未満では、高温での耐酸化性を十分に確保できない。一方、Cr含有量が30.0%を超えると、製造過程におけるスラブ熱延鋼板の靭性が低下して、めっき基板の製造が困難となる。このため、Cr含有量は11.0〜30.0%とする。好ましくは15.0%以上、より好ましくは18.0%以上である。また、好ましくは26.0%以下、より好ましくは22.0%以下である。

0029

Al:8.0〜20.0%
Alは、電気抵抗率を高める効果を有する。また、Alは、抵抗発熱体として使用される際に高温でAl2O3を主成分とする酸化皮膜を生成して、耐酸化性を向上させる効果もある。ここで、所望とする高い電気抵抗率を達成するためには、Al含有量を8.0%以上とする必要がある。一方、Al含有量が20.0%を超えると、鋼が脆化して、鋼板を所定の部品形状に加工することが困難になる。従って、Al含有量は8.0〜20.0%とする。好ましくは9.0%以上である。また、好ましくは15.0%以下である。

0030

Ni:0.05〜0.50%
Niは、抵抗発熱体を製造する際のろう付け性を向上させる効果がある。このような効果を得る観点から、Ni含有量は0.05%以上とする。一方、Niはオーステナイト組織を安定化させる元素である。そのため、Ni含有量が多くなる、特には、0.50%を超えると、抵抗発熱体としての使用時にオーステナイト組織が生成しやすくなる。すなわち、抵抗発熱体としての使用時に、高温での酸化が進行して鋼中のAlが枯渇すると、オーステナイト組織が生成しやすくなる。オーステナイト組織が生成すると、部品熱膨張係数が変化して、結果的に、部品の破断などの不具合を招く。このため、Ni含有量は0.50%以下とする。好ましくは0.20%以下である。

0031

N:0.020%以下
N含有量が0.020%を超えると、靱性が低下してめっき基板の製造が困難になる。このため、N含有量は0.020%以下とする。好ましくは0.010%以下である。N含有量の下限については特に限定されるものではないが、過度の脱Nはコストの増加を招くので、0.002%とすることが好ましい。

0032

Zr:0.01〜0.20%およびHf:0.01〜0.20%のうちから選ばれる少なくとも1種
ZrおよびHfは、Al系めっきの付着性(以下、単にめっき付着性ともいう)を向上させる効果を有する。前述したように、Al系めっきを施す際には、溶融したAlまたはAl合金中にめっき基板を浸漬するため、めっき基板の浸漬前に、めっき基板の板温を、溶融したAlまたはAl合金の温度と同程度の650〜750℃程度まで昇温させることが必要である。しかし、めっき基板がAlを多量に含有する場合、当該昇温の際に、めっき基板の表面にAl2O3皮膜が生成して、めっき付着性を低下させる。この点、ZrおよびHfは、めっき基板に多量のAlを含有する場合であっても、上記昇温の際のAl2O3皮膜の成長速度を低減させて、めっき付着性を改善する効果がある。このような効果を得る観点から、Zr含有量およびHf含有量はそれぞれ0.01%以上とする。しかし、Zr含有量およびHf含有量がそれぞれ0.20%を超えると、Feなどと金属間化合物を形成して靭性を低下させる。
従って、ZrおよびHfの含有量はそれぞれ0.01〜0.20%とする。好ましくは0.02%以上である。また、好ましくは0.15%以下である。
なお、ZrおよびHfの一方を含有させてもよいし、ZrおよびHfの両方を含有させてもよい。ただし、ZrおよびHfの両方を含有させる場合には、ZrおよびHfの合計の含有量を0.20%以下とすることが好ましい。

0033

以上、基本成分について説明したが、上記の基本成分に加えて、さらに、
REM:0.01〜0.20%、Cu:0.01〜0.10%、Ti:0.01〜0.50%、Nb:0.01〜0.50%、V:0.01〜0.50%、Mo:0.01〜6.0%、W:0.01〜6.0%、B:0.0001〜0.0050%、Ca:0.0002〜0.0100%およびMg:0.0002〜0.0100%のうちから選ばれる1種または2種以上、
を適宜含有させることができる。

0034

REM:0.01〜0.20%
REMとは、Sc、Yおよびランタノイド系元素(La、Ce、Pr、Nd、Smなど原子番号57〜71までの元素)をいう。REMは、抵抗発熱体として使用される際に高温で生成するAl2O3皮膜の密着性を改善し、酸化が繰り返し起こるような環境下において、当該Al2O3皮膜の耐剥離性を向上させる効果がある。この効果は、REM含有量(上記したSc、Yおよびランタノイド系元素の合計含有量)が0.01%以上で得られる。一方、REM含有量が0.20%を超えると、熱間加工性が低下してめっき基板の製造が困難になる。よって、REMを含有させる場合、その含有量は0.01〜0.20%とする。より好ましくは0.03%以上である。また、より好ましくは0.10%以下である。
なお、REMとして、上記のSc、Yおよびランタノイド系元素のうちの1種の元素を含有させてもよいし、2種以上の元素を同時に含有させてもよい。

0035

Cu:0.01〜0.10%
Cuは、鋼中に析出して高温強度を向上させる効果があるため、必要に応じて、0.01%以上含有させることができる。しかし、Cu含有量が0.10%を超えると、鋼の靭性が低下する。よって、Cuを含有させる場合、その含有量は0.01〜0.10%とする。より好ましくは0.05%以下、さらに好ましくは0.03%以下である。

0036

Ti:0.01〜0.50%
Tiは、鋼中のCやNと結合して靭性を向上させる効果や、耐酸化性を向上させる効果があるため、必要に応じて0.01%以上含有させることができる。しかし、Ti含有量が0.50%を超えると、抵抗発熱体として使用される際に高温で生成するAl2O3皮膜中に、Ti酸化物が多量に混入して、高温での耐酸化性が低下する。よって、Tiを含有させる場合、その含有量は0.01〜0.50%とする。より好ましくは0.05%以上である。また、より好ましくは0.20%以下である。

0037

Nb:0.01〜0.50%
Nbは、鋼中のCやNと結合して靭性を向上させる効果があるため、必要に応じて、0.01%以上含有させることができる。しかし、Nb含有量が0.50%を超えると、抵抗発熱体として使用される際に高温で生成するAl2O3皮膜中に、Nb酸化物が多量に混入して、高温での耐酸化性が低下する。よって、Nbを含有させる場合、その含有量は0.01〜0.50%とする。より好ましくは0.05%以上である。また、より好ましくは0.20%以下である。

0038

V:0.01〜0.50%
Vは、鋼中のCやNと結合して靭性を向上させる効果があるため、必要に応じて、0.01%以上含有させることができる。しかし、V含有量が0.50%を超えると、抵抗発熱体として使用される際に高温で生成するAl2O3皮膜中に、V酸化物が多量に混入して、高温での耐酸化性が低下する。よって、Vを含有させる場合、その含有量は0.01〜0.50%とする。より好ましくは0.05%以上である。また、より好ましくは0.20%以下である。

0039

Mo:0.01〜6.0%
Moは、高温での強度を増加させて、フェライト系ステンレス鋼板を抵抗発熱体として使用するときの寿命延長に寄与する。また、Moは、高温での強度を増加させることで、拡散熱処理の際のフェライト系ステンレス鋼板における反りや歪みといった変形を抑制する効果もある。これらの効果は、Mo含有量が0.01%以上で得られる。一方、Mo含有量が6.0%を超えると、加工性が低下する。よって、Moを含有させる場合、その含有量は0.01〜6.0%とする。より好ましくは1.0%以上である。また、より好ましくは5.0%以下である。

0040

W:0.01〜6.0%
Wは、高温での強度を増加させて、フェライト系ステンレス鋼板を抵抗発熱体として使用するときの寿命の延長に寄与する。また、Wは、高温での強度を増加させることで、拡散熱処理の際のフェライト系ステンレス鋼板における反りや歪みといった変形を抑制する効果もある。これらの効果は、W含有量が0.01%以上で得られる。一方、W含有量が6.0%を超えると、加工性が低下する。よって、Wを含有させる場合、その含有量は0.01〜6.0%とする。より好ましくは1.0%以上である。また、より好ましくは5.0%以下である。
なお、MoおよびWを同時に含有させる場合には、加工性の低下を防ぐ観点から、MoおよびWの合計含有量を6.0%以下とすることが好ましい。

0041

B:0.0001〜0.0050%
Bは、鋼の粒界強化し、めっき基板の製造過程における熱間圧延での割れを防ぐ効果がある。この効果は、B含有量が0.0001%以上で得られる。一方、B含有量が0.0050%を超えると、耐酸化性が低下する。よって、Bを含有させる場合、その含有量は0.0001〜0.0050%とする。より好ましくは0.0010%以上である。また、より好ましくは0.0040%以下である。

0042

Ca:0.0002〜0.0100%、Mg:0.0002〜0.0100%
適量のCaあるいはMgは、抵抗発熱体として使用される際に形成されるAl2O3皮膜の鋼に対する密着性の向上と成長速度の低減によって、耐酸化性を向上させる効果がある。この効果は、Ca含有量が0.0002%以上、Mg含有量が0.0002%以上で得られる。より好ましくは、Ca含有量は0.0005%以上、Mg含有量は0.0015%以上である。さらに好ましくは、Ca含有量は0.0010%以上である。しかし、これらの元素を過剰に添加すると、靭性や耐酸化性が低下する。よって、CaおよびMgを含有させる場合、Ca含有量およびMg含有量はいずれも0.0100%以下とする。より好ましくは0.0050%以下である。

0043

なお、上記以外の成分はFeおよび不可避的不純物である。

0044

また、本発明のフェライト系ステンレス鋼板の板厚は特に限定されるものではないが、電熱調理器や排ガス浄化装置の直前に搭載される排ガス昇温装置などの発熱体に用いる場合、断面積を小さくし、かつ表面積を大きくすべく、200μm以下とすることが好ましい。また、下限については、強度を確保するために20μm以上とすることが好ましい。

0045

次に、上記のフェライト系ステンレス鋼板を製造するための製造用素材となる、Al系めっきステンレス鋼板について説明する。
まず、Al系めっきステンレス鋼板のめっき基板について、説明する。
Al系めっきステンレス鋼板のめっき基板は、質量%で、
C:0.030%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、P:0.040%以下、S:0.010%以下、Cr:11.0〜30.0%、Al:2.5〜6.5%、Ni:0.05〜0.50%およびN:0.020%以下を含有するとともに、
Zr:0.01〜0.20%およびHf:0.01〜0.20%のうちから選ばれる少なくとも1種を含有し、
任意に、REM:0.01〜0.20%、Cu:0.01〜0.10%、Ti:0.01〜0.50%、Nb:0.01〜0.50%、V:0.01〜0.50%、Mo:0.01〜6.0%、W:0.01〜6.0%、B:0.0001〜0.0050%、Ca:0.0002〜0.0100%およびMg:0.0002〜0.0100%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有し、
残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有するフェライト系ステンレス鋼板である。
以下、Al系めっきステンレス鋼板のめっき基板の成分組成について、説明する。なお、成分組成における単位はいずれも「質量%」であるが、以下、特に断らない限り、単に「%」で示す。また、Al系めっきステンレス鋼板のめっき基板の成分組成において、SiおよびAl以外の元素の含有量については、上述した本発明のフェライト系ステンレス鋼板と同じにすればよいので、ここでは説明を省略する。

0046

Si:1.0%以下
Siは、フェライト系ステンレス鋼板の電気抵抗率を高める働きがあり、質量%あたりの電気抵抗率の向上効果は、Alとほぼ同等である。このような効果を得る観点から、Si含有量は0.01%以上とすることが好ましい。一方、Si含有量が1.0%を超えると、靭性が低下してめっき基板の製造が困難になる。従って、Al系めっきステンレス鋼板のめっき基板のSi含有量は1.0%以下とする。好ましくは0.5%以下である。

0047

Al:2.5〜6.5%
Al含有量が6.5%を超えると、鋼の靭性が低下し、めっき基板の製造が困難になる。一方、めっき基板のAl含有量が2.5%未満になると、最終製品となるフェライト系ステンレス鋼板のAl含有量を8.0%以上に高めるため、拡散熱処理により、めっき基板の表面に設けたAl系めっきから、より多くのAlを、めっき基板中に拡散させる必要が生じる。しかし、Alの拡散量が増加すると、めっき基板であるフェライト系ステンレス鋼板の密度変化量が大きくなって、反りや歪みといった変形を生じさせる。この点、めっき基板のAl含有量を2.5%以上にすると、Al拡散前のめっき基板自体の密度が低下するので、拡散熱処理時に生じる密度の不均一が低減され、その結果、反りや歪みといった変形の抑制に有効に寄与する。よって、Al系めっきステンレス鋼板のめっき基板のAl含有量は2.5〜6.5%とする必要がある。好ましくは4.0%以上、より好ましくは5.0%以上である。また、好ましくは6.0%以下である。

0048

また、本発明の一実施形態に係るAl系めっきステンレス鋼板のめっき基板の板厚は特に限定されるものではないが、板厚が厚くなるとめっき層を厚くする必要があり、めっき処理における生産性が低下する。このため、めっき基板の板厚は1.0mm以下が好ましい。また、下限については、めっき処理時の強度を確保するために30μmとすることが好ましい。
特に、後述するAlめっき処理後の追加の圧延加工を行う場合、本発明の一実施形態に係るAl系めっきステンレス鋼板のめっき基板の好適板厚は200μm〜1.0mmである。より好ましくは、200〜500μmである。
また、後述する追加の圧延加工を行わない場合、本発明の一実施形態に係るAl系めっきステンレス鋼板のめっき基板の好適板厚は20〜200μmである。より好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。また、より好ましくは30μm以上である。

0049

次に、Al系めっきステンレス鋼板のめっき基板の表面に設けるAl系めっき層について説明する。
Al系めっき層とは、AlめっきまたはAl−Si合金めっきにより形成されるめっき層である。
ここで、Alめっき(浴)の成分組成は、Alおよび不可避的不純物であり、Al−Si合金めっき(浴)の成分組成は、Al、15.0質量%以下のSi、および、不可避的不純物である。
なお、Al-Si合金めっき(浴)に含まれるSiは、めっき処理時にAl系めっき層とめっき基板との界面におけるFe−Al系金属間化合物相の生成を抑制し、Al系めっき層の耐剥離性や加工性を向上させる効果を有する。また、Siは、Alと同様に、フェライト系ステンレス鋼板の電気抵抗率の向上に寄与する元素であり、Al系めっき層に含まれるSiは、Alと同様、所定の熱処理により、めっき基板中に拡散する。しかし、Al系めっき層のSi含有量が15.0質量%を超えると、Al系めっき層中に柱状のSiが析出し、耐剥離性や加工性が低下する。このため、Al-Si合金めっき(浴)のSi含有量は、15.0質量%以下とすることが好ましい。なお、Al-Si合金めっき(浴)のSi含有量の下限は特に限定されるものではないが、1.0質量%とすることが好ましい。
また、Alめっき(浴)およびAl-Si合金めっき(浴)の不可避的不純物としては、例えば、B、Be、Mg、Ca、Sr、Ti、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Sn、Pb、As、Sb、Bi、La、Ce等が挙げられ、その合計量は1質量%以下とすることが好ましい。

0050

なお、Al系めっき層の成分組成は、Alめっき(浴)およびAl−Si合金めっき(浴)の成分組成と必ずしも一致するものではない。
すなわち、Al系めっき層には、めっき処理中におけるめっき浴とめっき基板との反応で、めっき浴中に取り込まれるめっき基板成分や、めっき浴中の不可避的不純物なども含まれるようになる。Al系めっき層に取り込まれるめっき基板成分としては、例えば、FeやCrが挙げられる。また、Al−Si合金めっき(浴)の場合には、Siも、Al系めっき層に取り込まれる。
例えば、一実施形態において、上記のめっき基板を使用して、後述のめっき処理方法により、上記のAlめっき(浴)またはAl−Si合金めっき(浴)でAl系めっき層を形成する場合、当該Al系めっき層は、80質量%以上のAlと、合計で20質量%以下の残部(例えば、Si、Fe、Crおよび/または不可避的不純物)とから構成される。なお、Al系めっき層に含まれる不可避的不純物(Al、Si、FeおよびCr以外の成分)の合計量は、好適には1質量%以下である。

0051

また、後述する熱処理(拡散熱処理)により、Al系めっき層に含まれるAlを、めっき基板に十分に拡散させるには、めっき基板の板厚およびAl含有量、ならびに、Al系めっき層の厚さについて、次式(1)の関係を満足させることが重要である。
8.0 ≦CAl+30×t/T ≦ 20.0 ・・・・・(1)
ここで、
CAl :めっき基板のAl含有量(質量%)
T:めっき基板の板厚(μm)
t :Al系めっき層の厚さ(めっき基板の両面にAl系めっき層を有する場合、めっき基板両面のAl系めっき層の合計厚さ)(μm)
である。

0052

すなわち、本発明のフェライト系ステンレス鋼板は、
所定の成分組成としたフェライト系ステンレス鋼板、具体的には、Al含有量を2.5〜6.5質量%の範囲とし、かつ、ZrおよびHfのうちから選ばれる少なくとも1種を適正量含有させた成分組成を有するフェライト系ステンレス鋼板を、めっき基板とする、Al系めっきステンレス鋼板に、拡散熱処理を施すことにより、
めっき基板中にAlを拡散させて、Al含有量を8.0質量%以上に高めた点に特徴がある。
また、発明者らは、種々のめっき基板の板厚およびAl含有量、ならびに、種々のAlめっきまたはAl−Si合金めっきを用いて得た種々のAl系めっき層の厚さとなるAl系めっきステンレス鋼板を作成し、拡散熱処理により増加するAl量について検討を重ねた。その結果、拡散熱処理により増加するAl量は、めっき基板の板厚、および、Al系めっき層の厚さを用いて、30×t/Tにより予測できることがわかった。
そのため、最終製品となるフェライト系ステンレス鋼板のAl含有量を適正範囲に制御する観点から、Al系めっきステンレス鋼板におけるめっき基板の板厚およびAl含有量、ならびに、Al系めっき層の厚さについては、上掲式(1)の関係を満足させるものとする。CAl+30×t/Tの値は、好ましくは9.0以上である。また、CAl+30×t/Tの値は、好ましくは15.0以下である。

0053

ここで、Al系めっき層の厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察により測定する。
すなわち、Al系めっきステンレス鋼板から切り出した任意の9個の試験片について、圧延方向断面を鏡面研磨し、その断面をSEMにより1000倍で観察する。そして、Al系めっき層とめっき基板の界面からAl系めっき層の表面までの距離を、片面あたりのめっき層の厚さとして、その値を、試験片の圧延方向全長にわたって1mm間隔で測定する。めっき基板の両面にAl系めっき層を有する場合には、この測定を、Al系めっきステンレス鋼板の両面で行って、めっき基板両面のAl系めっき層の合計厚さを求める。そして、これらの測定値の(算術)平均値を、Al系めっき層の厚さとする。

0054

なお、Al系めっきステンレス鋼板のAl系めっき層は、めっき基板の片面だけに設けてもよく、また、両面に設けてもよい。

0055

次に、本発明のフェライト系ステンレス鋼板の好適製造方法について、説明する。
本発明のフェライト系ステンレス鋼板は、上記のAl系めっきステンレス鋼板に、600℃〜1300℃の温度域で1分以上保持する熱処理(拡散熱処理)を施すことにより、Al系めっきステンレス鋼板のめっき基板中にAl系めっき層に含有されるAlを拡散させて、めっき基板中のAl含有量を8.0%以上に高めることで製造される。
なお、拡散させるAlを均質化させる観点からは、900℃〜1200℃の温度域で10分以上保持することが好ましい。保持時間の上限については特に限定されるものではないが、生産性などの観点から120分以下とすることが好ましい。
また、熱処理の雰囲気は、大気中でも問題ないが、酸化によるAlの消費を低減するために、1×10−1Pa以下の真空中、Arなどの不活性雰囲気中、N2雰囲気や、H2とN2の混合雰囲気中などの非酸化性雰囲気中で行うことが好ましい。
さらに、上記の熱処理を行う前に、後述のようにして製造したAl系めっきステンレス鋼板に、追加の圧延加工を施して、板厚を薄くしてもよい。特に、板厚の薄いフェライト系ステンレス鋼板を製造する場合、めっき基板段階で最終板厚まで圧延すると、めっき処理の効率が低下するので、めっき処理後に、追加の圧延加工を施すことが好ましい。なお、このような追加の圧延加工を施す場合でも、拡散熱処理により増加するAl量は、圧延加工前のめっき基板の板厚をT、および、圧延加工前のAl系めっき層の厚さをtとして、30×t/Tにより予測できる。

0056

なお、この熱処理は、鋼板を最終的な部品に加工する前に行っても良いし、抵抗発熱体などの所定形状に加工した後に行っても良い。
また、抵抗発熱体などの部材の製造過程に高温でのろう付け処理が行われる場合や、部材の使用温度が900℃を超えるような場合などは、これらの昇温を上記の熱処理(拡散熱処理)の代用としてもよい。この場合、後述のようにして製造したAl系めっきステンレス鋼板に、別途の熱処理を行ってもよい。この別途の熱処理は、例えば、追加の圧延加工を行う場合には当該追加の圧延加工を行う前に、また、追加の圧延加工を行わずに所定形状への加工を行う場合には当該加工の前に、行うことが好ましい。なお、ここでいう別途の熱処理は、600℃〜1300℃の温度域で1分以上保持するという条件を満足しない条件の熱処理(例えば、300℃以上600℃未満の温度域で、1秒〜10分保持する条件や600℃〜1300℃で1秒以上1分未満保持する熱処理)である。

0057

また、上記のAl系めっきステンレス鋼板は、例えば、以下のようにして製造することが可能である。
すなわち、上記の成分組成(Al系めっきステンレス鋼板のめっき基板の成分組成)を有する溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等の公知の方法で溶製し、連続鋳造法または造塊−分塊法によりスラブとする。
ついで、このスラブに圧延加工を施して、めっき基板となるフェライト系ステンレス鋼板とする。
圧延加工方法は特に限定されず、常法に従えばよい。例えば、スラブに熱間圧延を施して熱延鋼板とし、該熱延鋼板に、冷間圧延と冷延板焼鈍とを施す方法や、スラブに熱間圧延を施して熱延鋼板とし、該熱延鋼板に熱延板焼鈍を施したのち、冷間圧延を施す方法などが挙げられる。なお、熱延板焼鈍および冷延板焼鈍は任意の工程であり、両方を行ってもよいし、一方のみを行ってもよいし、両方を行わなくてもよい。また、熱間圧延、熱延板焼鈍、冷間圧延および冷延板焼鈍の条件については特に限定されず、常法に従えばよい。
例えば、スラブを1100〜1250℃で1〜24時間加熱したのち、熱間圧延によって板厚:2.0〜6.0mm程度の熱延鋼板とし、その後、必要に応じて、酸洗機械研磨によって脱スケールを施し、さらに、冷間圧延および冷延板焼鈍を施して、めっき基板となるフェライト系ステンレス鋼板を得る。

0058

ついで、めっき基板となるフェライト系ステンレス鋼板に、Al系めっきを施し、Al系めっきステンレス鋼板とする。めっき方法は特に限定されず、一般的な連続式溶融めっき設備において製造を行う方法などを採用すればよい。また、ゼンジミア法、フラックス法プレめっき法等も適用可能である。

0059

また、Al系めっきのめっき浴の温度(以下、浴温ともいう)については、(凝固開始温度+20℃)〜750℃の範囲とすることが好ましい。
ここで、浴温の好適下限を(凝固開始温度+20℃)としたのは、めっき浴の局所的な浴温低下に起因しためっき成分の局所的な凝固を防止するためである。また、浴温が750℃を超えると、めっき基板表面に付着しためっきの急速冷却が難しくなり、ダレとよばれる外観不良の発生を招く。このため、浴温の好適上限は、750℃とした。
加えて、めっき浴中の浸漬時間は、めっき基板の表面に十分な量のめっき層を形成する観点から、0.5秒以上とすることが好ましい。
なお、めっき浴としては、前述のAlめっきおよびAl−Si合金めっきを用いればよい。また、Al系めっき層の厚さは、例えば、N2ガスワイピングにより、調整すればよい。

0060

さらに、脱脂等の前処理の条件は特に限定はされず、常法に従えばよい。
加えて、めっき浴に浸入する際のめっき基板の温度(板温)については、特に限定されるものではないが、連続式溶融めっき設備を使用する場合、操業におけるめっき特性の確保や浴温の変化を防ぐ点から、めっき浴の温度の±20℃以内に制御することが好ましい。
加えて、めっき浴への浸漬前のめっき基板の昇温条件も特に限定されるものではないが、昇温時にAl2O3皮膜が生成することを極力抑制するため、H2とN2の混合雰囲気などの還元性ガス雰囲気とし、かつ、露点を−15℃以下にすることが好ましい。

0061

50kg小型真空溶解炉によって溶製した表1に示す成分組成となるスラブ(残部はFeおよび不可避的不純物)を、1200℃に加熱後、900〜1200℃の温度域で熱間圧延して板厚:2.0mmの熱延鋼板とした。なお、表1中の鋼記号Oでは、熱間圧延時に割れが発生したため、以降の評価を行わなかった。ついで、得られた熱延鋼板を、大気中、900℃、1分間の条件で熱延板焼鈍し、酸洗で表面スケールを除去した後、冷間圧延して表2の板厚Tの冷延鋼板(フェライト系ステンレス鋼板)とした。なお、一部の冷延鋼板(後述するめっき処理後に追加の圧延加工を施す鋼板)では、さらに、H2とN2の混合雰囲気(体積比で、H2:N2=75:25)において、900℃で20秒保持する冷延板焼鈍を施した。

0062

かくして得られた冷延鋼板をめっき基板として、溶融めっき法によりめっき処理を行い、Al系めっきステンレス鋼板を得た。
具体的には、上記の冷延鋼板から切り出した、長さ(圧延方向):170mm、幅:70mmの鋼板をめっき基板とし、このめっき基板を、昇温して、H2とN2の混合雰囲気(体積比でH2:N2=90:10、露点:−30℃)において700℃、20秒間保持し、その直後、このめっき基板を700℃のAlめっき浴中、または、660℃のAl−8質量%Siめっき浴中に5秒間浸漬する溶融めっき処理を施して、Al系めっきステンレス鋼板を得た。
なお、めっき基板におけるめっき領域は、長さ(圧延方向):100mm、幅:70mmの領域とした。また、Al系めっき層の厚さの調整は、N2ガスワイピングにより行った。

0063

かくして得られたAl系めっきステンレス鋼板のAl系めっき層の厚さを、以下のようにして測定した。
すなわち、Al系めっきステンレス鋼板のめっき領域(長さ:100mm、幅:70mm)を切り出し、さらに、各端部から10mmの領域を切り落として、長さ:80mm、幅:50mmの試験片を作成した。ついで、この試験片を、長さ方向に3分割、幅方向に3分割し、さらに、分割した試験片の中心部からそれぞれ、長さ:15mm、幅:10mmの小片を切り出して、9個の断面観察用試験片を得た。
ついで、断面観察用試験片の長さ方向(圧延方向)断面が露出するように樹脂に埋め込んで、当該長さ方向断面の鏡面研磨を行い、倍率1000倍で走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察を行い、片面あたりのめっき層の厚さ(Al系めっき層とめっき基板の界面からAl系めっき層の表面までの距離)を断面観察用試験片の圧延方向全長にわたって1mm間隔で測定した。この測定を、断面観察用試験片の両面で行って、Al系めっき層の合計厚さを算出し、これらの算術平均値を、Al系めっき層の厚さとした。測定したAl系めっきステンレス鋼板のAl系めっき層の厚さを、表2に併記する。

0064

また、上記のようにして得たAl系めっきステンレス鋼板にそれぞれ、熱処理(拡散熱処理)を施し、最終製品となるフェライト系ステンレス鋼板(以下、特段注記がない場合には、「フェライト系ステンレス鋼板」という標記は、「最終製品となるフェライト系ステンレス鋼板」を意味する)を得た。
なお、この熱処理はいずれも、1×10−1Pa以下の真空中において、1100℃で30分保持し、そのまま炉冷することにより行った。
また、一部のAl系めっきステンレス鋼板については、上記の熱処理(拡散熱処理)を行う前に、追加の冷間圧延加工を施して、表2に示す板厚とした(なお、追加の圧延加工を行わない場合には、表2中の「追加の圧延加工後のAl系めっきステンレス鋼板の板厚」の欄に、Al系めっきステンレス鋼板の全厚(めっき基板の板厚+Al系めっき層の厚さ)を記載している。)。

0065

かくして得られたフェライト系ステンレス鋼板の成分組成を、当該フェライト系ステンレス鋼板の一部から切粉採取して、湿式分析を行うことにより測定した。測定結果を表3に併記する。なお、残部はFeおよび不可避的不純物である。

0066

また、得られたフェライト系ステンレス鋼板、および、Al系めっきステンレス鋼板を用いて、以下の要領で、(1)めっき付着性、(2)熱処理による変形、(3)加工性、(4)電気抵抗率、および、(5)耐酸化性を評価した。評価結果を表4に示す。

0067

(1)めっき付着性
Al系めっきステンレス鋼板(追加の圧延加工を施す場合は、追加の圧延加工を施す前のAl系めっきステンレス鋼板)のめっき領域(長さ:100mm、幅:70mm)を切り出し、さらに、各端部から10mmの領域を切り落として、長さ:80mm、幅:50mmの試験片を作成した。なお、同じ試験片を、同様の手順でそれぞれ5枚作成した。
ついで、各試験片の表面(めっきを施した面)を写真撮影し、目視にて試験片と対比しながら、撮影した写真における不めっき部を着色した。ついで、当該写真を用いて、画像処理により不めっき部(着色した領域)の面積率(=[不めっき部の面積(mm2)]/[試験片のめっき領域の面積(mm2)]×100)を求めた。
そして、5枚の試験片の不めっき部の面積率が平均で1%未満であれば○(良好)、1%以上であれば×(不良)として評価した。

0068

(2)熱処理時の変形
熱処理時の変形(反りや歪みによる変形)は、以下のようにして評価した。
すなわち、熱処理前のAl系めっきステンレス鋼板(追加の圧延加工を施す場合は、追加の圧延加工を施した後のAl系めっきステンレス鋼板)から、長さ(圧延方向):30mm、幅:10mmの試験片を3枚切り出し、これらの試験片に、拡散熱処理を模擬した熱処理(1.0×10−1Pa以下の真空中において、1100℃で30分保持し、そのまま炉冷する熱処理)を施した。
ついで、熱処理後の各試験片の幅方向中央での長さを測定し、次式により、形状変化量を求めた。
[形状変化量(%)]=([熱処理後の試験片の長さ(mm)]−[熱処理前の試験片の長さ(mm)])/[熱処理前の試験片の長さ(mm)]×100
そして、3枚の試験片の形状変化量の(算術)平均値を算出し、形状変化量が±5%以下であれば○(良好)、±5%超であれば×(不良)として評価した。

0069

(3)加工性
加工性は、上記のフェライト系ステンレス鋼板に、自動車の排ガス浄化装置に用いる金属用発熱体で一般的に行われる波付加工を施して評価した。
すなわち、最大曲げ半径:0.5mm、波ピッチ:2.0mm、波高さ:2.0mmの歯車状ロール2本の間を通過させることにより、上記のフェライト系ステンレス鋼板(長さ:80mm、幅:50mm)に波付け加工を施した。そして、破断やクラックが発生することなく加工できた場合を○(良好)、破断やクラックが発生した場合を×(不良)として評価した。

0070

(4)電気抵抗率
電気抵抗率は、JIS C 2525に規定される4端子法で測定した。
すなわち、上記のフェライト系ステンレス鋼板から10mm×80mmの試験片を各5枚切り出し、体積抵抗率を測定した。そして、これらの平均値を、当該フェライト系ステンレス鋼板の体積抵抗率とし、以下の基準で評価した。
◎(合格、特に優れる):体積抵抗率が170μΩ・cm超
○(合格、優れる):体積抵抗率が142μΩ・cm超170μΩ・cm以下
×(不合格、不良):体積抵抗率が142μΩ・cm以下

0071

(5)耐酸化性
耐酸化性は、高温の大気中で保持する酸化試験により評価した。すなわち、上記のフェライト系ステンレス鋼板から幅:20mm×長さ(圧延方向):30mmの試験片を2枚採取し、大気雰囲気中、1100℃で400時間酸化させる処理を行い、処理前後での酸化増量酸化処理前後での試験片の質量変化量を、酸化処理前の試験片の表面積で除した値)を測定した。そして、各試験片の酸化増量の平均値を、当該フェライト系ステンレス鋼板の酸化増量として、以下の基準で評価した。
◎(合格、特に優れる):酸化増量が8.0g/m2以下
○(合格、優れる):酸化増量が8.0g/m2超12.0g/m2以下
×(不合格、不良):酸化増量が12.0g/m2超 または皮膜剥離発生

0072

0073

0074

0075

0076

表4より、発明例ではいずれも、めっき付着性が良好で、熱処理による変形が少なく、また、加工性や電気抵抗率、耐酸化性にも優れていた。
一方、比較例ではいずれも、熱間圧延時に割れが発生して試験片が作成できないか、または、めっき付着性、熱処理時の変形、加工性、電気抵抗率および耐酸化性のうちの少なくとも1つが十分とは言えなかった。
なお、No.3、No.7およびNo.13については、十分な加工性が得られなかったので、(4)電気抵抗率および(5)耐酸化性の評価は省略した。

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