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技術 バイオマスを原料とする水素製造方法

出願人 株式会社翼エンジニアリングサービス内藤俊一
発明者 内藤俊一白水渡原田和幸後藤賢一
出願日 2018年7月6日 (2年7ヶ月経過) 出願番号 2019-513470
公開日 2020年7月9日 (7ヶ月経過) 公開番号 WO2020-008621
状態 特許登録済
技術分野 水素、水、水素化物 工業ガス 固体物質からの合成ガス等の製造
主要キーワード 空気吹込み口 熱分解温度範囲 昇温度合い ドレン回収装置 分岐ガス 補充頻度 結露温度 内筒材
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題・解決手段

外燃式ロータリーキルン内筒に供給されたバイオマス原料を、前記外筒で発生した熱により前記内筒内で第1の熱分解ガスを発生させ外筒に導入した後、外筒に酸素または空気の少なくとも一方と水蒸気とを組み合わせて水蒸気のモル数酸素ガス成分のモル数の比を0.4〜4で外筒に導入し、外筒内を640〜740℃に温度制御して第2の熱分解ガスを得て、第2の熱分解ガスの一部を改質炉に導入し、改質炉で昇温させて水素含有割合を高めた粗改質ガスを得て水素回収するとともに、第2の熱分解ガスの残部を燃焼炉に導入して燃焼排ガス熱源として利用してバイオマス原料を乾燥させるとともに余剰燃焼排ガスを利用し発電することを特徴とするバイオマス原料からの水素製造方法

概要

背景

バイオマス等の再生可能エネルギー源利用方法として以下のものが試みられている。
1.バイオマス燃焼発電
バイオマスを直接燃焼し、この燃焼熱スチームを発生させて、このスチームで発電するもの。
2.バイオマスガス化発電
バイオマス原料から可燃性熱分解ガスを発生させ、このガス燃料として発電をするものである。この方法は、温室ガス(N2O:亜酸化窒素等)の発生が少ないこと、DXN(ダイオキシン)発生が少ないこと等の長所を有する反面、
(1)熱分解時に発生するタール下流配管閉塞をおこし、連続運転継続が難しく(地球環境シンポジウム講演論文集、13巻(2005)、225頁)、
(2)バイオマス原料を乾燥するために多大なエネルギーを必要とし、
(3)ガスエンジンでの発電は、タール分が存在するため、メンテナンスが煩雑で、また、水素回収することは、タールによる設備閉塞、クリーニングの手間で安定的に操業出来ない、
との問題があった。

そこで、種々のタール発生防止、分解方法が検討されている。

特許文献1には、外燃式ロータリーキルン熱分解炉とその出側にシャフト炉を設け、そのシャフト炉の中間にくびれ部(図2の領域AとCの境界として視認されるもの)を設けて、酸化ガス吹き込みとそのガスの抜き出し後の特殊構造で、タールを分解するバイオマスガス化装置が提案されている。

特許文献2には、回転する筒状レトルト内筒)内へ被処理材を供給し、当該レトルトが収容される外熱室からの加熱によって被処理材を炭化するようにした外燃式ロータリーキルンのタール除去方法であって、レトルト(内筒)内の温度を有機可燃成分揮発消失を抑制する通常操業温度を越えてタールの剥離に必要な温度(600℃)まで1日に数回一時的に上昇させ、タールを内筒内壁から剥離しタールの排出作業頻度を減らす方法が提案されている。

特許文献3には、原料を、流動層炉ガス化、熱分解又は部分酸化して、生成ガスを得るシステムにおいて、前記原料から生成するタールを、油浸造粒法で製造されたアルミナ系粒子である吸着性粒子を用いて吸着・分解し、及び/又は、前記吸着性粒子に付着させて燃焼することを含む流動層炉におけるタールの除去方法が記載されている。

特許文献4には、Fe担持のBaTiO3からなる触媒によるタールの除去方法が記載されている。

概要

外燃式ロータリーキルン内筒に供給されたバイオマス原料を、前記外筒で発生した熱により前記内筒内で第1の熱分解ガスを発生させ外筒に導入した後、外筒に酸素または空気の少なくとも一方と水蒸気とを組み合わせて水蒸気のモル数酸素ガス成分のモル数の比を0.4〜4で外筒に導入し、外筒内を640〜740℃に温度制御して第2の熱分解ガスを得て、第2の熱分解ガスの一部を改質炉に導入し、改質炉で昇温させて水素含有割合を高めた粗改質ガスを得て水素回収するとともに、第2の熱分解ガスの残部を燃焼炉に導入して燃焼排ガス熱源として利用してバイオマス原料を乾燥させるとともに余剰燃焼排ガスを利用し発電することを特徴とするバイオマス原料からの水素製造方法

目的

本発明の目的である

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

内筒外筒とを有する外燃式ロータリーキルンの該内筒に、原料を供給する原料供給工程、前記内筒に供給された前記原料を、前記外筒の熱により前記内筒内で熱分解して第1熱分解ガスを発生させる工程、前記第1熱分解ガスを前記外筒に導入する第1熱分解ガスの外筒への導入工程、前記外筒で、前記第1熱分解ガス内のタールを分解し、第2熱分解ガスを得る工程、前記第2熱分解ガスを前記外筒から取り出し改質炉に導入する工程、導入された前記第2熱分解ガスを前記改質炉で昇温させて水素含有割合を高めた粗改質ガスを得る改質工程、及び前記改質工程の前記粗改質ガスから水素回収する水素回収工程、を有し、前記第2熱分解ガスを得る工程は、前記外筒に、酸素または空気の少なくとも一方と水蒸気とを組み合わせて、水蒸気のモル数酸素ガス成分のモル数の比が0.4〜4の範囲内で注入し、前記外筒内で前記第1熱分解ガスを部分酸化させ、前記外筒内を640〜740℃に温度制御し、前記第1熱分解ガス内のタールを分解すること、を特徴とするバイオマスを原料とする水素製造方法

請求項2

原料を原料乾燥機により乾燥させる原料乾燥工程、内筒と外筒とを有する外燃式ロータリーキルンの該内筒に、前記原料乾燥工程を経た原料を供給する材料供給工程、前記内筒に供給された前記原料を、前記外筒の熱により前記内筒内で熱分解して第1熱分解ガス発生させる工程、前記第1熱分解ガスを前記外筒に導入する第1熱分解ガスの外筒への導入工程、前記外筒で、前記第1熱分解ガス内のタールを分解し、第2熱分解ガスを得る工程、前記第2熱分解ガスを前記外筒から取り出し改質炉及び燃焼炉に導入する工程、前記改質炉のガス温度を高め、前記第2熱分解ガスから水素含有割合を高めた粗改質ガスを得る改質工程、前記改質工程の前記粗改質ガスから水素を回収する水素回収工程、導入された前記第2熱分解ガスを含むガスと空気及び乾燥機排ガスを前記燃焼炉で混合燃焼燃焼排ガスを得る工程、及び当該燃焼排ガスを直接的または間接的に前記原料乾燥工程の熱源にし、加えて、前記燃焼排ガスの余剰分で蒸気を発生し発電に利用する工程、を有し、前記第2熱分解ガスを得る工程は、前記外筒に、酸素または空気の少なくとも一方と水蒸気とを組み合わせて、水蒸気のモル数/酸素ガス成分のモル数の比が0.4〜4の範囲内で注入し、前記外筒内で前記第1熱分解ガスを部分酸化させ、前記外筒内を640〜740℃に温度制御し、前記第1熱分解ガス内のタールを分解すること、を特徴とするバイオマスを原料とする水素製造方法。

請求項3

原料を原料乾燥機により乾燥させる原料乾燥工程、外燃式のロータリーキルンの該内筒に前記原料乾燥工程を経た乾燥原料を供給する原料供給工程、前記外燃式のロータリーキルンの前記内筒外側で該内筒の入口側に第1の外筒、出口側に少なくとも1の第2の外筒を設け、前記内筒に供給された前記乾燥原料を、前記第1及び第2の外筒で生ぜしめた熱により前記内筒内で熱分解して第1熱分解ガスを発生させる工程、前記第1熱分解ガスを前記第2の外筒に導入する工程、前記第2の外筒では、酸素または空気の少なくとも一方と水蒸気が組み合わせられ、水蒸気のモル数/酸素成分のモル数の比が0.4〜4となるように前記第2の外筒に供給されて、前記第2の外筒内の温度が640〜740℃に制御され、前記第1熱分解ガスを部分酸化させて第2熱分解ガスを得る工程、前記第2の熱分解ガスを前記第2の外筒から取り出して、第1系統として改質炉へ、第2系統として燃焼炉へ、それぞれ、導入するガス導入工程、前記改質炉では、水蒸気のモル数/酸素成分のモル数の比が0.4〜4となるように水蒸気と酸素を供給し、前記改質炉のガス温度を900〜1100℃に昇温して、前記改質炉で前記昇温によって水素含有割合を高めた粗改質ガスを得る改質工程、前記改質工程の前記粗改質ガスから水素を回収する水素回収工程、及び、前記燃焼炉で、新たな空気、前記原料乾燥機の排出口から出た増湿した排ガスである乾燥循環ガスの少なくとも一部、及び前記第2熱分解ガスの3つを混合し800〜950℃で燃焼して燃焼排ガスを得る燃焼工程、を有し、前記燃焼排ガスの一部が前記第1の外筒に導入され、前記キルン内筒を加熱し、前記燃焼排ガスの他部は、前記原料乾燥機に投入され循環使用されるところの前記乾燥循環ガスの残部を昇温した後、前記燃焼ガスの一部と集合し、余剰燃焼排ガスボイラで、スチームタービン発電機の発電のためのスチームを製造して、大気に排出されること、を特徴とするバイオマスを原料とする水素製造方法。

請求項4

原料を原料乾燥機により乾燥させる原料乾燥工程、外燃式のロータリーキルンの該内筒に前記原料乾燥工程を経た乾燥原料を供給する原料供給工程、前記外燃式のロータリーキルンの前記内筒外側で該内筒の入口側に第1の外筒、出口側に少なくとも1の第2の外筒を設け、前記内筒に供給された前記乾燥原料を、前記第1及び第2の外筒で生ぜしめた熱により前記内筒内で熱分解して第1熱分解ガスを発生させる工程、前記第1熱分解ガスを前記第2の外筒に導入する工程、前記第2の外筒では、酸素または空気の少なくとも一方と水蒸気が組み合わせられ、水蒸気のモル数/酸素成分のモル数の比が0.4〜4となるように前記第2の外筒に供給されて、前記第2の外筒内の温度が640〜740℃に制御され、前記第1熱分解ガスを部分酸化させて第2熱分解ガスを得る工程、前記第2の熱分解ガスを前記第2の外筒から取り出して、第1系統として改質炉へ、第2系統として燃焼炉へ、それぞれ、導入するガス導入工程、前記改質炉では、水蒸気のモル数/酸素成分のモル数の比が0.4〜4となるように水蒸気と酸素を供給し、前記改質炉のガス温度を900〜1100℃に昇温して、前記改質炉で前記昇温によって水素含有割合を高めた粗改質ガスを得る改質工程、前記改質工程の前記粗改質ガスから水素を回収する水素回収工程、及び、前記燃焼炉で、新たな空気、前記原料乾燥機の排出口から出た増湿した排ガスである乾燥循環ガスの少なくとも一部及び前記第2熱分解ガスの3つを混合し800〜950℃で燃焼して燃焼排ガスを得る燃焼工程、を有し、前記燃焼排ガスの一部が前記第1の外筒に導入され、前記キルン内壁と原料を加熱し前記原料乾燥機の排ガス側管路に導入され前記燃焼排ガスの残部は、その一部を前記原料乾燥機に投入し、その残りを、余剰燃焼排ガスボイラで、スチームタービン発電機の発電のためのスチームを製造に利用した後、大気に排出され乾燥機の増湿分を系外に排出すること、を特徴とするバイオマスを原料とする水素製造方法。

請求項5

原料を乾燥させる原料乾燥工程、外燃式のロータリーキルンの該内筒に前記原料乾燥工程を経た乾燥原料を供給する材料供給工程、前記外燃式のロータリーキルンの前記内筒外側で該内筒の入口側に第1の外筒、出口側に少なくとも1の第2の外筒を設け、前記内筒に供給された前記乾燥原料を、前記第1及び第2の外筒で生ぜしめた熱により前記内筒内で熱分解して第1熱分解ガスを発生させる工程、前記内筒に供給された前記乾燥原料を熱分解して発生した前記第1熱分解ガスを前記第2の外筒に導入する工程、前記第2の外筒では、酸素または空気の少なくとも一方と水蒸気が組み合わせられ、水蒸気のモル数/酸素成分のモル数の比が0.4〜4となるように供給されて、前記第2の外筒内の温度が640〜740℃に制御され、前記第1熱分解ガスを部分酸化させて第2熱分解ガスを得る工程、前記第2の熱分解ガスを前記第2の外筒から取り出して、第1系統として改質炉へ、第2系統として燃焼炉へ、それぞれ、導入するガス導入工程、前記改質炉では、水蒸気のモル数/酸素成分のモル数の比が0.4〜4となるように水蒸気と酸素を供給し、前記改質炉のガス温度を900〜1100℃に昇温して、前記改質炉を前記昇温によって、水素含有割合を高めた粗改質ガスを得る改質工程、前記改質工程の前記粗改質ガスから水素を回収する水素回収工程、及び、前記燃焼炉で、前記原料乾燥機の排ガスの出口から排出される増湿した排ガス、前記第2熱分解ガス、及び新たな空気の3つを混合し、800〜950℃で燃焼して燃焼排ガスを得る燃焼工程、を有し、前記燃焼排ガスの一部が前記第1の外筒に導入し、前記外燃式のロータリーキルン内筒壁と原料を加熱し、その後、乾燥機の排出側管路に導入し、前記燃焼排ガスの他部は燃焼ガス廃熱ボイラに集合され蒸気を製造し、この蒸気を利用して、前記原料の乾燥の間接媒体または直接媒体とし、当該蒸気の残余分は、スチーム発電機で発電に供し、前記燃焼ガス廃熱ボイラで熱を回収した後の燃焼排ガスは、大気に排出され乾燥機の増湿された湿分を系外に排出すること、を特徴とするバイオマスを原料とする水素製造方法。

請求項6

前記内筒の出口側端部のチャンバーにおいて、前記第1熱分解ガスと残渣炭化物とを分離回収する分離回収工程をさらに有し、前記分離回収工程では、水蒸気のモル数/酸素ガスのモル数の比が0.4〜4となるように、酸素ガスまたは、空気の少なくとも一方と水蒸気を前記チャンバーに供給し、前記チャンバー内の温度を300から640℃未満の範囲内で制御し、前記第1熱分解ガスは、外筒または第2の外筒に導き、残りの残渣炭化物は、前記チャンバーの下部捕集部より回収する、ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のバイオマスを原料とする水素製造方法。

請求項7

前記原料のイオウ含有率が0.2質量%(ドライベース)以下のとき、前記水素回収工程に先立って二酸化炭素ガスを分離回収する工程を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のバイオマスを原料とする水素製造方法。

請求項8

前記水素回収工程を経たガスに含まれる一酸化炭素ガスガスエンジン発電の熱源として利用し発電する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のバイオマスを原料とする水素製造方法。

技術分野

0001

本発明は、バイオマス原料とする水素製造方法に関する。

背景技術

0002

バイオマス等の再生可能エネルギー源利用方法として以下のものが試みられている。
1.バイオマス燃焼発電
バイオマスを直接燃焼し、この燃焼熱スチームを発生させて、このスチームで発電するもの。
2.バイオマスガス化発電
バイオマス原料から可燃性熱分解ガスを発生させ、このガス燃料として発電をするものである。この方法は、温室ガス(N2O:亜酸化窒素等)の発生が少ないこと、DXN(ダイオキシン)発生が少ないこと等の長所を有する反面、
(1)熱分解時に発生するタール下流配管閉塞をおこし、連続運転継続が難しく(地球環境シンポジウム講演論文集、13巻(2005)、225頁)、
(2)バイオマス原料を乾燥するために多大なエネルギーを必要とし、
(3)ガスエンジンでの発電は、タール分が存在するため、メンテナンスが煩雑で、また、水素回収することは、タールによる設備閉塞、クリーニングの手間で安定的に操業出来ない、
との問題があった。

0003

そこで、種々のタール発生防止、分解方法が検討されている。

0004

特許文献1には、外燃式ロータリーキルン熱分解炉とその出側にシャフト炉を設け、そのシャフト炉の中間にくびれ部(図2の領域AとCの境界として視認されるもの)を設けて、酸化ガス吹き込みとそのガスの抜き出し後の特殊構造で、タールを分解するバイオマスガス化装置が提案されている。

0005

特許文献2には、回転する筒状レトルト内筒)内へ被処理材を供給し、当該レトルトが収容される外熱室からの加熱によって被処理材を炭化するようにした外燃式ロータリーキルンのタール除去方法であって、レトルト(内筒)内の温度を有機可燃成分揮発消失を抑制する通常操業温度を越えてタールの剥離に必要な温度(600℃)まで1日に数回一時的に上昇させ、タールを内筒内壁から剥離しタールの排出作業頻度を減らす方法が提案されている。

0006

特許文献3には、原料を、流動層炉ガス化、熱分解又は部分酸化して、生成ガスを得るシステムにおいて、前記原料から生成するタールを、油浸造粒法で製造されたアルミナ系粒子である吸着性粒子を用いて吸着・分解し、及び/又は、前記吸着性粒子に付着させて燃焼することを含む流動層炉におけるタールの除去方法が記載されている。

0007

特許文献4には、Fe担持のBaTiO3からなる触媒によるタールの除去方法が記載されている。

先行技術

0008

特許第4790412号公報
特開2008−32299号公報
特許第4505247号公報
特許第5516932号公報

発明が解決しようとする課題

0009

安定した水素製造のための課題は、以下の2つである。ここで、第1の課題は解決が必須な技術的なものであるが、第2の課題は経済性の課題であり解決することが好ましいものである。
第1の課題:バイオマス原料を熱分解するとき、熱分解ガス中にタールが含まれ、このタールが下流(後流プラント配管を閉塞しプラントの安定した操業ができない。
第2の課題:バイオマス原料の乾燥のための費用が高く、商業的な実用化が難しい。

0010

第1の課題解決のために、前記特許文献1〜4に記載されたバイオマス原料からのタール除去を検討すると、以下のような問題があった。
特許文献1に記載されたタール除去方法は、新たな竪型シャフト炉別途必要とし、酸化ガスのみの吹き込みなので、水素が燃焼するため、水素の回収は微量しかできず、多量の水素回収は、困難であるとの問題を有していた。

0011

特許文献2に記載されたタール除去方法は、レトルト(内筒)内の温度を有機可燃成分の揮発消失を抑制するために、通常操業温度を越えてタールの剥離に必要な温度(600℃)まで1日に数回一時的に上昇させ、タールを内筒内壁から剥離しタールの排出作業を減らすことを目的としている。一方、後述するように、本発明は、内筒で第1のタールを有する熱分解ガスを発生させ、このガスを外筒に導き、外筒温度を蒸気酸素を規定量吹き込みことで、規定温度内に温度制御し、タールのない第2の熱分解ガスを製造し、後段の閉塞を防止し、水素ガスの安定的回収を可能にするもので、特許文献2とは、目的と手段が大きく異なる。

0012

特許文献3に記載されたタールの除去方法は、熱媒体による熱分解温度制御方式のため温度制御が迅速に行えず、特許文献3の記載内容によれば、800℃での熱分解例でタール残存率が15%と高いため、下流にある機器を連続運転することが困難であり、さらに、アルミナ系粒子に付着したタールを燃焼させるために別途の熱源を必要との問題がある。

0013

特許文献4に記載されたタールの除去方法は、高価なFe担持のBaTiO3からなる触媒がガス化炉から飛散してしまったり、炭素分の析出により分解効果が減少するため、その補充頻度が高くなってしまう。

0014

すなわち、安定した水素製造のためには、特許文献1〜4に記載された有機原料からのタール除去方法では、前記第1の課題は解決されず、熱分解ガスからタール除去し、本発明の目的である、水素ガスの回収を安定して行うことが難しい。

0015

また、本発明の前記第2の課題は、第2熱分解ガスの一部を燃焼室に導き製造した燃焼排ガスを直接または間接に原料乾燥の熱源とする方法で経済性を向上できる。

課題を解決するための手段

0016

本発明の一形態に係るバイオマスを原料とする水素製造方法は、
(1)内筒と外筒とを有する外燃式ロータリーキルンの該内筒に、原料を供給する原料供給工程、
前記内筒に供給された前記原料を、前記外筒の熱により前記内筒内で熱分解して第1熱分解ガスを発生させる工程、
前記第1熱分解ガスを前記外筒に導入する第1熱分解ガスの外筒への導入工程、
前記外筒で、前記第1熱分解ガス内のタールを分解し、第2熱分解ガスを得る工程、
前記第2熱分解ガスを前記外筒から取り出し改質炉に導入する工程、
導入された前記第2熱分解ガスを前記改質炉で昇温させて水素含有割合を高めた粗改質ガスを得る改質工程、
及び
前記改質工程の前記粗改質ガスから水素を回収する水素回収工程、
を有し、
前記第2熱分解ガスを得る工程は、
前記外筒に、酸素または空気の少なくとも一方と水蒸気とを組み合わせて、水蒸気のモル数酸素ガス成分のモル数の比が0.4〜4の範囲内で注入し、
前記外筒内で前記第1熱分解ガスを部分酸化させ、前記外筒内を640〜740℃に温度制御し、
前記第1熱分解ガス内のタールを分解すること、
を特徴とするバイオマスを原料とする水素製造方法。

0017

(2)原料を原料乾燥機により乾燥させる原料乾燥工程、
内筒と外筒とを有する外燃式ロータリーキルンの該内筒に、前記原料乾燥工程を経た原料を供給する材料供給工程、
前記内筒に供給された前記原料を、前記外筒の熱により前記内筒内で熱分解して第1熱分解ガス発生させる工程、
前記第1熱分解ガスを前記外筒に導入する第1熱分解ガスの外筒への導入工程、
前記外筒で、前記第1熱分解ガス内のタールを分解し、第2熱分解ガスを得る工程、
前記第2熱分解ガスを前記外筒から取り出し改質炉及び燃焼炉に導入する工程、
前記改質炉のガス温度を高め、前記第2熱分解ガスから水素含有割合を高めた粗改質ガスを得る改質工程、
前記改質工程の前記粗改質ガスから水素を回収する水素回収工程、
導入された前記第2熱分解ガスを含むガスと空気及び乾燥機排ガスを前記燃焼炉で混合燃焼し燃焼排ガスを得る工程、
及び、
当該燃焼排ガスを直接的または間接的に前記原料乾燥工程の熱源にし、加えて、前記燃焼排ガスの余剰分で蒸気を発生し発電に利用する工程、
を有し、
前記第2熱分解ガスを得る工程は、
前記外筒に、酸素または空気の少なくとも一方と水蒸気とを組み合わせて、
水蒸気のモル数/酸素ガス成分のモル数の比が0.4〜4の範囲内で注入し、
前記外筒内で前記第1熱分解ガスを部分酸化させ、前記外筒内を640〜740℃に温度制御し、前記第1熱分解ガス内のタールを分解すること、
を特徴とするバイオマスを原料とする水素製造方法。

0018

(3)原料を原料乾燥機により乾燥させる原料乾燥工程、
外燃式のロータリーキルンの該内筒に前記原料乾燥工程を経た乾燥原料を供給する原料供給工程、
前記外燃式のロータリーキルンの前記内筒外側で該内筒の入口側に第1の外筒、出口側に少なくとも1の第2の外筒を設け、前記内筒に供給された前記乾燥原料を、前記第1及び第2の外筒で生ぜしめた熱により前記内筒内で熱分解して第1熱分解ガスを発生させる工程、
前記第1熱分解ガスを前記第2の外筒に導入する工程、
前記第2の外筒では、酸素または空気の少なくとも一方と水蒸気が組み合わせられ、水蒸気のモル数/酸素成分のモル数の比が0.4〜4となるように前記第2の外筒に供給されて、前記第2の外筒内の温度が640〜740℃に制御され、前記第1熱分解ガスを部分酸化させて第2熱分解ガスを得る工程、
前記第2の熱分解ガスを前記第2の外筒から取り出して、第1系統として改質炉へ、第2系統として燃焼炉へ、それぞれ、導入するガス導入工程、
前記改質炉では、水蒸気のモル数/酸素成分のモル数の比が0.4〜4となるように水蒸気と酸素を供給し、前記改質炉のガス温度を900〜1100℃に昇温して、前記改質炉で前記昇温によって水素含有割合を高めた粗改質ガスを得る改質工程、
前記改質工程の前記粗改質ガスから水素を回収する水素回収工程、
及び、
前記燃焼炉で、新たな空気、前記原料乾燥機の排出口から出た増湿した排ガスである乾燥循環ガスの少なくとも一部、及び前記第2熱分解ガスの3つを混合し800〜950℃で燃焼して燃焼排ガスを得る燃焼工程、
を有し、
前記燃焼排ガスの一部が前記第1の外筒に導入され、
前記キルン内筒を加熱し、
前記燃焼排ガスの他部は、前記原料乾燥機に投入され循環使用されるところの前記乾燥循環ガスの残部を昇温した後、
前記燃焼ガスの一部と集合し、
余剰燃焼排ガスボイラで、スチームタービン発電機の発電のためのスチームを製造して、大気に排出されること、
を特徴とするバイオマスを原料とする水素製造方法。

0019

(4)原料を原料乾燥機により乾燥させる原料乾燥工程、
外燃式のロータリーキルンの該内筒に前記原料乾燥工程を経た乾燥原料を供給する原料供給工程、
前記外燃式のロータリーキルンの前記内筒外側で該内筒の入口側に第1の外筒、出口側に少なくとも1の第2の外筒を設け、前記内筒に供給された前記乾燥原料を、前記第1及び第2の外筒で生ぜしめた熱により前記内筒内で熱分解して第1熱分解ガスを発生させる工程、
前記第1熱分解ガスを前記第2の外筒に導入する工程、
前記第2の外筒では、酸素または空気の少なくとも一方と水蒸気が組み合わせられ、水蒸気のモル数/酸素成分のモル数の比が0.4〜4となるように前記第2の外筒に供給されて、前記第2の外筒内の温度が640〜740℃に制御され、前記第1熱分解ガスを部分酸化させて第2熱分解ガスを得る工程、
前記第2の熱分解ガスを前記第2の外筒から取り出して、第1系統として改質炉へ、第2系統として燃焼炉へ、それぞれ、導入するガス導入工程、
前記改質炉では、水蒸気のモル数/酸素成分のモル数の比が0.4〜4となるように水蒸気と酸素を供給し、前記改質炉のガス温度を900〜1100℃に昇温して、前記改質炉で前記昇温によって水素含有割合を高めた粗改質ガスを得る改質工程、
前記改質工程の前記粗改質ガスから水素を回収する水素回収工程、
及び、
前記燃焼炉で、新たな空気、前記原料乾燥機の排出口から出た増湿した排ガスである乾燥循環ガスの少なくとも一部及び前記第2熱分解ガスの3つを混合し800〜950℃で燃焼して燃焼排ガスを得る燃焼工程、
を有し、
前記燃焼排ガスの一部が前記第1の外筒に導入され、
前記キルン内壁を加熱し前記原料乾燥機の排ガス側管路に導入され
前記燃焼排ガスの残部は、その一部を前記原料乾燥機に投入し、
その残りを、余剰燃焼排ガスボイラで、スチームタービン発電機の発電のためのスチームを製造に利用した後、大気に排出され乾燥機の増湿分を系外に排出する、
ことを特徴とするバイオマスを原料とする水素製造方法。

0020

(5)原料を乾燥させる原料乾燥工程、
外燃式のロータリーキルンの該内筒に前記原料乾燥工程を経た乾燥原料を供給する材料供給工程、
前記外燃式のロータリーキルンの前記内筒外側で該内筒の入口側に第1の外筒、出口側に少なくとも1の第2の外筒を設け、前記内筒に供給された前記乾燥原料を、前記第1及び第2の外筒で生ぜしめた熱により前記内筒内で熱分解して第1熱分解ガスを発生させる工程、
前記内筒に供給された前記乾燥原料を熱分解して発生した前記第1熱分解ガスを前記第2の外筒に導入する工程、
前記第2の外筒では、酸素または空気の少なくとも一方と水蒸気が組み合わせられ、水蒸気のモル数/酸素成分のモル数の比が0.4〜4となるように供給されて、前記第2の外筒内の温度が640〜740℃に制御され、前記第1熱分解ガスを部分酸化させて第2熱分解ガスを得る工程、
前記第2の熱分解ガスを前記第2の外筒から取り出して、第1系統として改質炉へ、第2系統として燃焼炉へ、それぞれ、導入するガス導入工程、
前記改質炉では、水蒸気のモル数/酸素成分のモル数の比が0.4〜4となるように水蒸気と酸素を供給し、前記改質炉のガス温度を900〜1100℃に昇温して、前記改質炉を前記昇温によって、水素含有割合を高めた粗改質ガスを得る改質工程、
前記改質工程の前記粗改質ガスから水素を回収する水素回収工程、
及び、
前記燃焼炉で、前記原料乾燥機の排ガスの出口から排出される増湿した排ガス、前記第2熱分解ガス、及び新たな空気の3つを混合し、800〜950℃で燃焼して燃焼排ガスを得る燃焼工程、
を有し、
前記燃焼排ガスの一部が前記第1の外筒に導入し、
前記外燃式のロータリーキルン内筒壁と原料を加熱し、
その後、乾燥機の排出側管路に導入し、
前記燃焼排ガスの他部は燃焼ガス廃熱ボイラに集合され蒸気を製造し、
この蒸気を利用して、前記原料の乾燥の間接媒体または直接媒体とし、
当該蒸気の残余分は、スチーム発電機で発電に供し、
前記燃焼ガス廃熱ボイラで熱を回収した後の燃焼排ガスは、大気に排出され乾燥機の増湿された湿分を系外に排出すること、
を特徴とするバイオマスを原料とする水素製造方法。
である。

発明の効果

0021

前記の1または複数が以下の効果の1または複数を奏する。すなわち、前記第1の課題について、第1の熱分解ガスに含まれるタールを直近の外筒で完全分解ができ、このタールを分解した第2の熱分解ガス、すなわち、バイオマス原料からタールのない熱分解ガス、を長期にわたり安定的かつ効率的に得ることができるため、温度を上げ水素分の増加を図った改質炉で、安定的に水素回収を実現できる。さらに、前記第2の課題について、水分の多い原料の乾燥を、第2の熱分解ガスを燃焼炉8で燃焼した燃焼排ガス90の廃熱利用によって効率的乾燥が可能である。

図面の簡単な説明

0022

本発明の第1の実施形態を示す図である。
本発明の第2の実施形態を示す図である。
本発明の第3の実施形態を示す図である。
本発明の第4の実施形態を示す図である。

0023

次に、本発明を実施する形態を図面を引用して説明する。本発明は、この実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは、言うまでもない。
また、図1、2、3、4で重複している箇所について、繰り返しの説明は割愛する。
なお、本明細書及び請求の範囲において数値範囲を「〜」で表現するとき、その範囲は上限及び下限の数値を含んでいる。また、「/」は、除算を表す。

0024

(1)バイオマス原料(原料)
本発明の一形態において用いられるバイオマス原料30(原料ともいう)は、下水汚泥間伐材流木材木質ペレットストローペレット製紙スラッジ生ごみコンポストスラッジ食品廃棄物汚泥等の生物由来の炭素、水素及び酸素を含むものであれば種類を問わないが、入手のしやすさ、量の確保の容易性から下水汚泥がより好適である。また、原料は、複数種類のバイオマスの混合物であってもよい。また、原料としてバイオマスに廃プラスチックを含めてもよく(図4に例として示すようにバイオマス原料30とともにバイオマス混合物または廃プラスチック95を供給することができる)、廃プラスチック使用等の原料の熱量の大きいものを使用すると原料乾燥のための助燃料の使用量をさらに減らす利点がある。
原料の大きさは、粗粉砕処理を経た程度の大きさであればよい。例えば、板状、棒状などの個体形状でも粒状、スラッジ状の形状でもかまわない。含有する水分量は、その形状によって異なるものの、最大85質量%含まれていてよい。ただし、40質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは、20質量%以下に、後述するロータリーキルン炉スクリューコンベア39B等により供給する前に予備乾燥することが好ましい。また、この乾燥工程はロータリーキルンの内筒入口近傍前段)で行うことも可能である。

0025

(2)外燃式ロータリーキルン
本発明の一形態において用いられる外燃式ロータリーキルン1は、例えば、図1に示すように、原料が供給される内筒2を覆うように外筒3が設けられており、内筒2は、その軸心を中心として回転し、内筒2の長さ方向中央部以外に熱分解ガスを外筒3に排出する複数の排出管路21Bが設けられ、耐火物内面被覆鋼板製外筒3には、酸素または空気の少なくとも一方と水蒸気とを組み合わせて吹込むための吹込み口9、及び、排出管路21Bを介して排出された熱分解ガス(第1熱分解ガス)をさらに熱分解させて外筒3の外へ排出するガス排出管21Cを有している。なお、外筒3は複数に分割されていてもよい(図2、3、4)。排出管路21B及び内筒材質は、タール熱分解上及び伝熱性能上、耐熱鋼板製が望ましいが、同じ効果を生む他の材質でも可能である。また、排出管路21Bは、内筒2内で発生した熱分解ガス(第1熱分解ガス)を即座に外筒3に排出されるものである。その形状は、バイオマス原料であるバイオマス自体が、外筒3に固形で排出されることなく、熱分解ガス(第1熱分解ガス)のみが外筒3に排出できればよい。ここで外筒3へのガスの排出は、このガスに同伴する粉体状のバイオマス粉体許容される。

0026

原料は、内筒2の回転にしたがって内筒2の出口に向かって移動し、この移動過程で徐々に温度が上昇して熱分解ガス(第1熱分解ガス)が発生する。内筒2における熱分解温度は300から640℃未満であることが望ましい。より好ましくは300〜590℃である。その理由は、300℃未満であると炭化物残渣が多く揮散ガス量が概ね20%から40%程度に少なくなり、640℃を超えると熱分解ガスの大幅増加は見込めなく、また、740℃を超えると熱負荷が増大する割に熱分解ガスは、増大しないからである。さらに、内筒温度が、790℃を超えるとP2O5は熱分解ガス中に多量に揮散してしまうことが過去の発明者らの経験で見出されているため、内筒2の熱分解温度を590℃から640℃未満に低く抑えることで不要な塩類等の揮散を押さえ、下水汚泥のようにP2O5を含む有機材料を用いたときでも、P2O5は外筒3に移動せず炭化物残渣中に残り、P2O5の揮散を防止し、後流の閉塞を防止できる利点があるためである。
なお、排出管路21Bは、外筒3が分割されていないときは、内筒熱分解温度が300から640℃未満の範囲にある箇所に複数設け、外筒3が複数に分割されているとき(図3、4)は、各外筒5に対応する場所で、内筒2熱分解温度が300℃から640℃未満の範囲にある箇所に、それぞれ、1個以上設ける。

0027

外筒3では、外筒内温度が640〜740℃になるように、空気または酸素ガスの少なくとも一方と水蒸気とを組み合わせて吹込口9から供給し、排出管路21Bから導入される熱分解ガス(第1熱分解ガス)を部分酸化させタール成分を分解した熱分解ガス(第2熱分解ガス)を得る。この熱分解温度範囲とする理由は、640℃未満であると、タールの分解ができないためであり、740℃を超えるとタール成分の分解のために必要以上の熱源を投入することになって、さらには、内筒2外側の温度が著しく高くなり、内筒2を構成する鋼板に要求される耐熱性過度になってしまうためである。上限740℃については、汎用材料の耐熱温度開発が今後、進めばさらに高温(790℃近傍)に高めることが出来ることは、言うまでもない。

0028

外筒が複数に分割されている形態としては、図2、3、4に示されるものが例示できる。典型例として、図2に示される形態で説明すると、第2の外筒5のみに空気または酸素ガスの少なくとも一方と水蒸気とを組み合わせて供給し、第1の外筒4には第2の外筒5から取り出された熱分解ガス(第2の熱分解ガス)を燃焼炉で燃焼した燃焼排ガス(燃焼炉の出口ガス)90、燃焼排ガス93の一部を分岐39より供給して内筒2を常時昇温して、内筒の温度と内筒内の原料の温度を昇温することにより、外筒5での酸化剤の使用量を削減でき水素製造の効率を上げることが出来るためである。これは、内筒2の原料の昇温する前の低温度領域(200℃以下の部分等)を、結露温度以上に高め、結露腐食を防止できる付随効果もある。

0029

ここで、図1の外筒3、図2、3、4の第2の外筒5に供給する水蒸気のモル数と酸素ガス成分のモル比は、水蒸気/酸素モル比(水蒸気のモル数/酸素ガス成分のモル数)で0.4〜4であることが好ましい。吹き込み水蒸気/酸素ガス成分のモル数比の下限の理由は、0.4未満であると、吹き込み酸素による温度の過敏性が大きく酸素吹き込み部が局部的に高温になり、外筒3、第2の外筒5全体にわたる均一な温度上昇ができないためである。上限4の理由は、4を超えると水蒸気が600℃以上で酸化性となりCO2濃度が増大し、水素回収には好ましくなくなるためである。
このようにすることにより、内筒2で発生したタールを含む第1の熱分解ガスは、排出管路21Bを経由して即座に外筒3もしくは第2の外筒5に移動し、外筒3もしくは第2の外筒5でタールのない第2の熱分解ガスに変換される。

0030

なお、水蒸気は、高温のものが望ましく、一例として、150〜200℃の温度のものや過熱蒸気を挙げることができ、酸素ガスは、例えば、常温の空気または工業用酸素発生器で製造した酸素(例えば40℃近傍)の少なくとも一方を用いることができる。通常の運転では、膜または、吸着剤方式による酸素発生器で製造した酸素を使用することが好ましい。
また、図示はしていないが、内筒2及び外筒3には温度制御に利用するために温度の均一性をみるため、温度計が1個以上設置されている。

0031

そして、内筒2の出口端部には、チャンバー6が設けられ、その下部からは300℃から640℃未満の温度にさらされた炭化物残渣24が回収される。チャンバー6内の温度は、空気または酸素ガスの少なくとも一方と水蒸気とを組み合わせて供給し、水蒸気のモル数/酸素ガス成分のモル数が0.4〜4となるようにノズル11から供給することができる。このことで、チャンバー6内温度は、300から640℃未満の温度範囲に制御することができる。吹き込み水蒸気/酸素ガス成分のモル数比の下限の理由は、0.4未満であると、吹き込み酸素による温度の過敏性大きく酸素吹き込み部が局部的に高温になり、外筒3、第2の外筒5全体にわたる均一な温度上昇ができない。上限4の理由は、4を超えると水蒸気が600℃以上で酸化性となりCO2濃度が増大し、水素回収には好ましくなくなるためである。
また、この温度範囲であれば、炭化物残渣24の回収と揮散ガスの排出管路21B経由して外筒3、第2の外筒5からのガス回収の両方の量のバランスの調整を計ることができる。回収した炭化物残渣24は、外部での発電用の燃料、燃焼炉8の燃料、熱風炉補助燃料(助燃料または、第2熱分解ガスの吹き込み箇所38)、燃焼ガス廃熱ボイラ51B(図4)の燃料、余剰燃焼排ガスボイラ110の燃料として活用することができる(図1、2、3)。このチャンバーでの熱分解ガスは、外筒3または、外筒5へと排出管路21B経由で外筒へ排気される。図の39Cは、炭化物残渣の出口を示す。

0032

(3)熱分解ガスの利用
<改質炉系統:第1系統の説明>
外燃式ロータリーキルン1の外筒3、第2の外筒5において熱分解された熱分解ガス(第2熱分解ガス)は、第1系統で改質炉7に導入された後、昇温されて水素成分を増量した水素ガスを回収し、また、水素ガス回収後の残りガス中CO2ガスの回収や残りガス中のCOガスでのガスエンジン発電のための燃料とできる。

0033

燃焼炉系統:第2系統の説明>
また、外燃式ロータリーキルン1の外筒3において熱分解された熱分解ガス(第2熱分解ガス)は、
1)第2の系統で燃焼炉に導入され、燃焼炉空気吹込み口13からの新たな空気と、
2)原料を乾燥する乾燥機からの増湿した乾燥機排ガスの一部または全部を混合、燃焼して燃焼排ガス90をつくる。
ここで、図示してある、燃焼炉へのガス入口92は、燃焼炉8への第2の熱分解ガスの入口を示す。
3)ここで新たな空気は、図示していないが燃焼排ガス93で熱交換予熱した空気を吹き込むことができる。
この燃焼排ガス93は、次の1)〜4)の利用ができ、それぞれ原料の乾燥熱源とでき、また、余剰燃焼排ガスで発電できる。
1)原料の乾燥のための熱源(図1、2、3、4)
2)余剰燃焼排ガスボイラ110(図1、2、3)または、燃焼ガス廃熱ボイラー51B(図4)で水蒸気を製造、スチーム発電機111に供する。(図1、2、3、4)。
3)<燃焼排ガスでの発電の説明>
図示の20は、ボイラの作動流体である水—蒸気を示す。図1、2、3では、余剰燃焼排ガスボイラ110の作動流体である水蒸気を示し、図4では、燃焼ガス廃熱ボイラー51Bの作動流体である水—水蒸気を示す。図示の21は、燃焼排ガス誘引ファンでこの上流の番号を付与していない弁により燃焼炉8の圧力を調整制御する。
この余剰燃焼排ガスボイラ110とスチーム発電装置111は、図1図2図3とも図示していないが、サイクロン15の下流で分岐して設置することもできる。
4)図4に示すように、燃焼排ガス93の一部を分岐39で分岐させ外筒4を昇温後、乾燥機排ガス排出管路の乾燥排ガスファン42の前の管路に連結する。図示していないが、この連結場所は、燃焼ガス排熱ボイラ51Bの上流側の燃焼排ガス管路36Cに再注入することでもよい。燃焼排ガスを分岐39で分岐された他部の燃焼排ガスは、51B燃焼ガス廃熱ボイラにより水蒸気を製造し、乾燥原料をこの水蒸気102により乾燥させる。原料30を間接に乾燥した水蒸気102は、ドレンとなり蒸気戻り管路103からドレン回収装置104に戻る。ここで水蒸気102は、原料をほぐすため一部直接原料乾燥機32に吹き込むこともある。

0034

ここで、106は、乾燥機への空気吹き込み口であり、排気筒23の量と乾燥機出口の設定湿分を考慮して決定した量を吹き込む。本空気は、図示していないが、燃焼排ガスで予熱されたものを使用できる。
なお、熱分解ガス(第2熱分解ガス)を外筒3(図1)または第2の外筒5(図2、3、4)から改質炉7と燃焼炉8へ送るに当たっては、第2の熱分解ガス分岐部87を経由して送り図2、3、4に示すように、外筒が2個あるときは、燃焼炉の燃焼排ガス93の一部を分岐39を経由して内筒入口側の外筒(第1の外筒)4に供給し、内筒2と低温域原料を常時昇温して外筒5での使用酸素量の削減を行なう。図2では、外筒4を加熱した後の燃焼排ガス(*5)を燃焼排ガスの導管112にもどしている。図3、4では、乾燥排ガスファン42の上流に戻しているが、図3では、燃焼排ガスの導管88に戻してもよく、図4では、管路36Cに戻してもよい(図1、2、3、4)。燃焼排ガスで発生した蒸気は、乾燥に使用する以上の余剰の蒸気をスチーム発電機111に導通し、発電できる。図1に示す実施形態のように、燃焼排ガス93は、燃焼排ガス−乾燥循環ガス(B)熱交換器18で乾燥循環排ガス(B)83を昇温して、排気することもできるし、図3のように、燃焼排ガス−乾燥循環ガス(B)熱交換器18(図2に示す18)を介さず導管88から原料乾燥機32に燃焼排ガスを直接循環させることもできる。図1、2に示す場合、燃焼排ガス−乾燥循環ガス(B)熱交換器18により昇温された乾燥循環排ガス83は、いずれの場合も、原料乾燥機32に管路88を経由して再循環注入され原料の乾燥に使われる。

0035

(3−1)改質炉における処理
外燃式ロータリーキルン1の外筒3(図1)、第2の外筒5(図2、3、4)において熱分解された熱分解ガス(第2熱分解ガス)は、CH4、CO、CO2、H2が主成分であり、タールが分解されたガスであるため、管路途中での閉塞を防止できる。しかし、この熱分解ガス(第2熱分解ガス)のH2ガスの濃度は10〜20体積%(ドライベース)程度とまだ低いため、改質炉7に第2の熱分解ガスを改質炉へのガス入口91より入れて昇温し、水素濃度を増加せしめ、粗改質ガス50を得る。改質炉7のガス温度は、900〜1100℃が望ましく、そのために、酸素ガスと水蒸気を改質炉7の下方12から改質炉7内に供給する。ここで、改質炉7に供給する水蒸気と酸素ガスは、水蒸気/酸素ガスで表されるモル比(水蒸気のモル数/酸素ガス成分のモル数)で0.4〜4であることが好ましい。その理由は、0.4未満であると、吹き込み酸素による温度の過敏性大きく酸素吹き込み部が局部的に高温になり、改質炉7全体にわたる均一な温度上昇ができず、一方、4を超えると、水蒸気が600℃以上で酸化性となるため、CO2濃度が増大し、水素回収には好ましくなくなるためである。改質炉7の温度は、900℃から1100℃が好ましい。より好ましくは、1000〜1050℃である。1000℃以上をより好ましいとするのは、1000℃以上で下記水蒸気改質反応シフト反応が、優勢になりCO量が増えるからであり、上限を1100℃とするのは、熱負荷が高すぎて、昇温するための酸素吹き込み量が大きくなり回収水素が減少するからである。
改質炉7では、次の代表的な水蒸気改質反応とシフト反応が進行し、H2ガスの濃度が増加する。
代表的な水蒸気改質反応:CH4 + H2O → CO + 3H2
シフト反応:CO + H2O → CO2 + H2
前記代表的な水蒸気改質反応は、改質炉7における滞留時間が2秒以上、例えば、2.5〜3秒で、進行する。
このようにして得た粗改質ガス50は、H2ガスの含有割合が50〜54体積%(ドライベース)となっている。
なお、水蒸気の供給は、前記水蒸気改質反応を進行させるためだけになされるのではなく、前記した温度の過敏性(酸素吹き込みによる温度の急激な上昇)の緩和のためにもなされている。

0036

(3−1−1)粗改質ガスの精製
改質ガス冷却器53から活性炭吸着処理装置56Bまでと81、80を、総称して改質ガスガス処理装置53Bと呼ぶ。
図1をもとに、この改質ガス処理装置53Bについて詳述するが、他の図面でも同一なので、図1以外での説明を割愛する。改質ガス処理装置53Bは、従来の公知の技術で構成でき、改質ガス冷却器53で水噴霧冷却84、改質ガスバグフィルタ54で除塵された後、各装置(酸性ガス処理装置55、アルカリ性ガス処理装置56、活性炭吸着処理装置56B)にて、HCl、CN、NH3等微量有害成分の除去処理を行う。各除去処理は、簡単にしか図示していないが、従来公知の技術を適宜組み合わせて行うことができる。改質ガス冷却塔53の下部には、万一の場合に備え分離水ポット80で微量タール分を含む水を分離し排水処理81へ移送する。

0037

(3−1−2)CO2回収、H2回収
改質ガス処理装置53Bを経た粗改質ガスは、次に、まず改質ガスヒータ57で、蒸気58により昇温する。これは、CO2回収装置60、粗水素ガス圧縮機61、水素分離装置70等の下流で圧力低下、温度降下によりガス中にナフタリン等が析出しないように予防する機能を有するものである。その後、粗改質ガス誘引ファン59により改質炉7と外筒3(または、図2図3図4では、第2の外筒5)の圧力を、圧力制御弁59Bで図示しない圧力制御検知計の検知データに基づき制御しながら粗改質ガスを水素分離装置70側へ送る。
ここで、原料におけるS含有量が0.2質量%(ドライベース)以下のときは、この粗改質ガスからCO2回収装置60によるCO2回収を水素回収の前に経済的に行うことが可能である。ただし、S含有量が、0.2質量%(ドライベース)を超えるときは、経済性を考慮するとCO2回収は行なわないほうが好ましい。回収したCO2は、植物の成長促進のために使う等の用途が考えられる。粗改質ガスからのCO2回収は、精しくは、図示しないが、公知の技術である、アミン吸収法やPSA(ゼオライト等の吸着剤使用)等で達成できる。
なお、改質ガスヒータ57から製品純水素77前までを図1、2、3、4において、まとめて水素分離装置57Bと表記する。
粗改質ガスを粗水素ガス圧縮機61で圧縮し、水素分離装置70に入れ、オフガス71を分離して製品純水素77を得る。ここで、水素分離装置70は公知の技術を採用すればよく、例えば、水素PSAが採用できる。

0038

(3−1−3)ガスエンジン発電とオフガス利用
ガスエンジン・オフガス装置72Bでオフガス71を貯蔵するオフガス貯蔵タンク72からフレアスタック74までの装置全体を表すものとする。
水素分離装置70で水素を回収したオフガス71には、CO成分、回収した水素成分の残りの水素成分が含まれるため、このオフガス71はガスエンジンの燃料とできる。例えば、後述する実施例で示すように94−167kW/原料206kg/hr−DRYの発電が可能な燃料となった。図1のオフガス76の表記「*3」で代表的に示すガスは、原料乾燥用直接加熱間接加熱のための助燃料38や、燃焼炉8の補助バーナ用燃料14、熱風炉35にて初期立上げ時乾燥水分すべき原料の水分多いときに使用する助燃料38とすることができる。
ここで、オフガス71は、オフガス貯蔵タンク72に一旦貯蔵され、製造オフガスの平均的な利用に備えオフガス高圧圧縮機73で昇圧しガスエンジン発電機75へ供給し発電する。オフガス76を助燃バーナ等で利用する場合も、図のオフガス76で例示している。フレアスタック74は、オフガスを使用しないときの燃焼排気用である。

0039

(3−2)燃焼炉における処理
外燃式ロータリーキルン1の外筒3(図1)、第2の外筒5(図2、3、4)において熱分解された熱分解ガス(第2熱分解ガス)は、燃焼炉8へも送られる。燃焼炉8の燃焼温度は、800〜950℃であり、燃焼炉8の容積を燃焼炉出口ガス流速で除した値が2秒以上となるように、熱分解ガスの燃焼炉8における滞留時間とすることが望ましい。このようにすることにより、熱分解ガス中に含まれた微量ダイオキシンが完全に分解可能であり、また、原料乾燥時の排ガス中の匂い成分も完全に分解(完全脱臭)できるという利点が生じる。なお、2秒未満であっても、排ガス中の匂い成分の分解は完全ではないができる。燃焼炉8の温度は850〜900℃がより好ましく、滞留時間は2.5秒以上がより好ましい。このとき、一般のバイオマスを直接燃焼してスチームによる発電するシステムに比べ、いったん740℃以下で熱分解した第2熱分解ガスを燃焼しているため、燃焼炉では、
1)850から900℃の高温で燃焼しても、リン(P2O5)等の揮散がなく後流での閉塞の問題がない。
2)還元雰囲気での可燃ガスを燃焼しているため、DXN(ダイオキシン)の発生が少ない。
3)温室ガス(N2O:亜酸化窒素)の発生が低温熱分解後高温で燃焼するため少ない。
という効果がある。
なお、燃焼炉8では、燃焼炉空気吹込み口13から空気を導入して熱分解ガス(第2熱分解ガス)を燃焼させる。立ち上げ時に燃焼炉補助バーナ用燃料14を使用することは、本発明の本質に関係なく許される。

0040

(3−2−1)燃焼炉からの燃焼排ガスの利用
燃焼排ガスの有効利用の形態は複数あるが、特徴である点を、図1で順に説明する。
図2、3、4の共通点は重複しては、説明しないこととする。
燃焼炉8から排出する燃焼排ガス90は、高温ガスであるため、一部は、原料の乾燥等に有効利用される。残部は、燃焼排ガスに熱量の余力あるとき、余剰燃焼排ガスボイラ110でスチームを製造し、従来公知の方法でスチーム発電機111で発電することが、可能である。

0041

図1に示されるように、燃焼炉8から排出される燃焼炉の出口ガス(燃焼排ガス)90は、乾燥機循環ガス(B)83を間接的に加熱する熱源となっている。すなわち、燃焼排ガス90は、燃焼ガスサイクロン15を介して、燃焼排ガス−乾燥循環ガス(B)熱交換器18を経由して、余剰燃焼排ガスボイラ110を経て、公知の環境有害物質除去手段22を介して排気筒23にて大気に排気される。ここで製造されたボイラー作動流体(水—水蒸気)20により発電装置111で発電される。燃焼排ガス−乾燥循環ガス(B)熱交換器18は、乾燥機循環ガス(B)83を間接的に加熱して原料の乾燥のための熱源となっている。また、燃焼排ガス93を分岐39で分岐したガスで燃焼ガス−空気熱交換器16は、空気入口17から取込んだ空気を加熱して、熱風炉ファン37を経由して、熱風炉35に吹き込む。通常運転では、昇温空気吹き込み口36Bから加熱空気を熱風炉35に吹き込むが、立上げ時及び原料乾燥機32での水分蒸発エネルギーが不足する場合にのみ、熱風炉バーナ36を補助用として使用する。熱風炉バーナ36には、38の箇所から、助燃燃料、または、第2の熱分解ガスをガス排出管21Cにて図示していないが、その一部を抜き出して供給できる。あるいは、オフガス76を利用して吹き込むことができる。熱風炉35の出口から乾燥循環ガス(B)83の導管88に、排気筒23で排気された量と概ね同じ量の加熱ガスを注入する。すなわち、排気筒23で湿分を排気し、熱風炉35の出口から湿分の少ない加熱ガスを原料乾燥機32の前の乾燥循環ガス(B)83の導管88から原料乾燥機32に吹き込む。
また、燃焼ガス−空気熱交換器16に導入される燃焼排ガス93の分岐39での分岐ガス乾燥排ガスサイクロン40と乾燥排ガスバグフィルタ41との間に供給することも可能である。図1図2、に図示している。このようにすれば、原料乾燥機排ガスは、出口温度が低温のほうが、乾燥効率がよく、かつ乾燥排ガスバグフィルタ41前で高温ガスを混合し乾燥機出口ガス89の温度を上昇させ、乾燥排ガスバグフィルタ41での低温結露による腐食を防止することができる。

0042

一方、バイオマス原料30は脱水原料ホッパ31に投入され、原料乾燥機32を経由して、水分含有量が、例えば、80質量%から20質量%の乾燥原料33となり、乾燥原料供給ホッパ34へ投入される。
ここで、原料乾燥機32の出側ガス、すなわち、乾燥機出口ガス89は、管路86へと流れ、分岐点で燃焼炉に導入する乾燥機循環ガス(A)82と乾燥機循環ガス(B)83とに分岐される。乾燥機循環ガス(B)83は、この分岐点を起点として右回り時計方向)に、順に、燃焼ガス−乾燥循環ガス(B)熱交換器18、原料乾燥機32、乾燥排ガスサイクロン40、乾燥排ガスバグフィルタ41、乾燥排ガスファン42を経由して、分岐点に戻る循環ガスである。

0043

燃焼炉8から排出される燃焼排ガス90は、燃焼ガスサイクロン15を経た燃焼排ガス93として以下の熱源として使用される。
1)燃焼ガスサイクロン15を経た後、分岐39で一部ガスを乾燥循環ガスのダストをとる乾燥排ガスバグフィルタ41前に吹込み、乾燥機出口ガス89の温度を上げることによって、乾燥排ガスバグフィルタ41の結露を防ぎ、原料乾燥機32出口排ガス温度下げれるようにすることで乾燥効率を向上する熱源
2)熱風炉35の吹込み空気入口17からの空気の予熱源
3)燃焼排ガス−乾燥循環ガス(B)熱交換器18での間接加熱源
4)余剰燃焼排ガスボイラ110での熱回収とスチーム発電機111による発電の熱源
5)燃焼排ガスの導管112部分ガス(原料の乾燥に使う燃焼排ガスの余剰分)を、余剰燃焼排ガスボイラ110へ導管112経由で導入しスチームによる発電装置111のための熱源。これは、原料の処理量を増やすことで発電量を増加することができるとのメリットがある。
6)燃焼ガス排熱ボイラ51Bでの原料乾燥用蒸気製造の熱源(図4
7)分岐39より第1の外筒4に導入し、内筒の鉄皮と原料を昇温し外筒での使用酸素量を減らし水素回収の効率を向上するための熱源(図2、3、4)
なお、図1に示すように、乾燥排ガスサイクロン40、乾燥排ガスバグフィルタ41から回収される粒子は、有機物であるため、脱水原料ホッパ31に送られる。また、外筒3、第2の外筒5から発生せしめる熱分解ガス(第2の熱分解ガス)の一部を熱風炉35の熱風炉バーナ36の燃料38としてもよい。

0044

次に、図2に示す別の形態について、図1に示される形態と異なる点のみを説明する。
図2に示す形態では、燃焼排ガス93の一部を分岐39で分岐し、燃焼ガスー空気熱交換機16までは、同じであるが、熱交換機を経由した後、外燃式ロータリーキルン1の第1の外筒4に投入して内筒2の鋼板及び原料の熱源として利用し、その後、燃焼排ガス誘引ファン21の前の管路112中に再投入するところが、構成として変更されている。なお、この形態では、排出管路21Bは、内筒と第2の外筒5間のみに配置している。すなわち、第2の熱分解ガスは、第2の外筒5のみで発生せしめている。その他の構成は図1と同じである。
第1の外筒4をいったん燃焼した高温の排ガスで昇温することにより、内筒入口に近い内筒2の壁温度と内筒内原料温度を昇温でき外筒5での酸素使用量を減らせるため水素回収の効率を向上できる。また、内筒2の原料供給当初の低温部となる鋼板が冷えることがないため、原料がキルン内で熱分解温度に達するまでの低温度域(180℃以下)におかれることを防止し、内筒2の内外面金属を結露による腐食を防止できるとの付随効果がえられる。このロータリーキルンにおいて、立上げ時に図示しないバーナを使用することは、本発明の本質に関係ないため許される。

0045

図3は、図2と以下の点が異なる。図2は、乾燥機循環ガスが2つに分岐され、乾燥機循環排ガスBを熱交換器18で加熱し原料乾燥機32に循環するが、図3では、乾燥機循環排ガスは、82と83に分岐せず、すべてを燃焼炉に注入し燃焼排ガス93を直接原料乾燥機32に注入している。
外筒5で第2の熱分解ガスを発生させる際の必要な酸素は、外筒4からの熱で原料及び内筒鋼板を昇温している分、酸素の負担する部分燃焼による昇温度合いを減らすことが出来るため、酸素使用量が減り水素成分の回収率が高くなる。また、燃焼排ガスを利用したスチーム発電機111は、管路93部分で(燃焼排ガスサイクロン15の後流)に分岐し設けてもよいし、原料乾燥機32への分岐後に設けても効果は同じとなる。

0046

さらに、図4に示す別の形態について、図3に示される形態と異なる点のみを説明する。図4では、燃焼排ガスを利用し燃焼ガス廃熱ボイラ51Bで水蒸気をつくりその水蒸気で原料を乾燥する。そのため、図3に示す形態では、余剰燃焼排ガスボイラ110を設けているが、図4に示す形態では、図3の余剰燃焼排ガスボイラ110の機能は燃焼ガス廃熱ボイラ51Bが兼務する。図4の燃焼ガス廃熱ボイラ51Bの燃焼排ガスで、排気管23での湿分の排気とスチームによる発電が同時にできる。
図4では、原料は、蒸気による間接加熱が主体であるが、原料をほぐすため少量の蒸気を直接吹き込むことも可能である。図4の蒸気使用方式で乾燥する原料乾燥機32の排ガス量は、約1/2に減少するメリットがあるが湿分多いため、図示されているサイクロン40、バグフィルタ41のかわりにスクラバーを使用することも出来る。その場合、排水処理が、発生し図4の81排水処理へ合流させる。このスクラバーでは、HCl等の有害ガス成分等を除外できるが、乾燥循環ガスの熱を失うデメリットがあり、処理ガス量が減少するメリットがある。また図4で111は余剰スチームを利用したスチーム発電機である。

0047

次に、実施例について説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。

0048

実施例及び比較例に共通して使用したバイオマス原料は、下水汚泥であって、以下のとおりのものである。
供給量:1720kg/hr
水分含有量:80質量%(ただし、原料乾燥機32により20質量%まで乾燥させた)
原料脱水汚泥分析(灰分、揮発分及び固定炭素の割合の分析)、及び、原料脱水汚泥元素分析の結果を、それぞれ、表1、表2に示す。

0049

0050

0051

<実施例1、1−1と比較例1:外筒の温度>
図1に示す形態において、前記下水汚泥を外燃式ロータリーキルン1の内筒2に供給した。
実施例1では、外筒3での好ましい制御温度650℃で、
比較例1では、本発明の一形態の規定値下限未満の600℃のケースを、
実施例1−1では、本発明の一形態の規定値上限の740℃のケースを示す。
前記各例での、外燃式ロータリーキルン1の外筒3への水蒸気、酸素の吹き込み量を表3に示すが、モル比との関係をわかりやすくするため、実施例1を例にして詳述する。
1)外筒3の蒸気
・180℃の水蒸気
・流量:20.7kg/hr(20.7/18=1.15kg−mol/hr)
2)外筒3の酸素
・25℃の酸素
・流量:12.9Nm3/hr(12.9/22.4=0.576kg−mol/hr)
3)外筒3の蒸気/酸素モル比=1.997
4)改質炉への水蒸気
・180℃で900kPaGの水蒸気
・流量:49.9kg/hr(49.9/18=2.77kg−mol/hr)
5)改質炉への酸素
・25℃で4kPaGの酸素
・吹き込み量:31.0Nm3/hr(31.0/22.4=1.384kg−mol/hr)
6)改質炉での水蒸気/酸素モル比=2.0
ここで、外筒3の温度は、酸素吹き込み量を変えることにより変更できる。
表3に、外燃式ロータリーキルン1の外筒3温度を650、600、740℃とした場合の、外筒のタール量の変化と得られた熱分解ガス(第2熱分解ガス)の組成の変化を示す。
なお、熱分解ガス組成の表示において、CH4により全ての炭化水素ガスを表現した。以下、同様の表現をしている。

0052

0053

実施例1と比較例1、実施例1−1とを比較すると、本発明の一形態で規定する外燃式ロータリーキルンの外筒3の温度範囲を満足する実施例1は、熱分解ガス(第2熱分解ガス)における(外筒における)タール量が0.001未満g/Nm3という検出限界以下となっている。
これに対して、外筒温度が本発明の一形態で規定する下限値640℃未満の600℃である比較例1は、外筒3におけるタールの残存が顕著である。
外筒温度が本発明の一形態で規定する上限値740℃の実施例1−1では、外筒におけるタール量は、実施例1と同様に検出限界以下であるが、内筒鋼板のクリープ破断強度が740℃においてSUS310Sで20Mpa(破断時間5〜10hrの時のクリープ強度)であり、高耐酸化性オーステナイト系ステンレス鋼ASTMNUSS31060等の相当品高級材料でも740℃での操業条件でクリープ破断強度が40Mpa(破断時間105hrのときのクリープ強度)だから、高温強度からみると、740℃が長期運転ができる境界に近い。実施例1と実施例1−1では、改質後ガスでほぼ52体積%(ドライベース)の水素ガスが得られた。

0054

<実施例2、2−1、2−2:水蒸気/酸素モル比>
ここでは、前記実施例1を実施例2として表記する。水蒸気/酸素モル比に関し、
実施例2では、本発明のモル比規定内の好ましい例、モル比1.99とし、
実施例2−1では、本発明のモル比規定の下限0.4とし、
実施例2−2では、本発明のモル比規定の上限4の近くの3.91とし、
表4にその結果(温度制御感度(外筒温度変化)、外筒3での熱分解ガス成分、量)を示す。
実施例2で前記下水汚泥を外燃式ロータリーキルン1の内筒2に供給した。酸素量は、以下のとおりである(一部は再掲)。
1)外筒3の酸素
・25℃酸素
・流量:12.9Nm3/hr(12.9/22.4=0.576kg−mol/hr
2)外筒3の蒸気/酸素モル比=1.997
3)改質炉への酸素
・25℃で4kPaGの酸素
・吹き込み量:31.0Nm3/hr(31.0/22.4=1.384kg−mol/hr)
4)改質炉での水蒸気/酸素モル比=2.0

0055

0056

表4に示すように、本実施例では、外筒での水蒸気/酸素の吹き込みモル比が本発明の一形態の規定の範囲内の1.99(実施例2)、0.40(実施例2−1)、4(実施例2−2)のときの、酸素ガス流量の変動に対する外筒3の熱分解温度の変動をみたものである。
前記モル比が高いほど酸素ガス流量の変動に起因する温度変化の過敏性(外筒温度変化)が改善されている。モル比上限値近傍(実施例2−2)では、この過敏性は改善されるが、酸素吹き込み量は増加している。モル比下限0.4(実施例2−1)では、この過敏性は悪くなるが、酸素吹き込み量は低減している。この両方のバランスからモル比の上限・下限が決定された。

0057

<実施例3と実施例3−1、3−2:外筒の温度と改質炉制御温度>
前記実施例1を実施例3と表記し、これに対し、実施例3−1、3−2を以下の条件で比較した。すなわち、図1に示す形態において、前記下水汚泥を外燃式ロータリーキルン1の内筒2に供給した。実施例3、3−1、3−2では、共通して、外筒3で本発明の好ましい制御温度650℃で熱分解しているが、改質炉の温度が異なる。改質炉温度は、実施例3では本発明で規定する範囲内のより好ましいとした1050℃のケース、
実施例3−1は、本発明で規定する下限の900℃のケース、
実施例3−2は、本発明の規定する上限の1100℃のケース、
であり、結果を表5に示す。

0058

0059

外筒での熱分解温度650℃は、実施例3と実施例3−1、3−2では、同じであるため、熱分解ガスの量、成分組成は、同じである。
本発明の一形態の改質炉反応温度の下限が実施例3−1の900℃であり、改質炉反応温度の上限が実施例3−2の1100℃である。この結果から改質炉温度900〜1100℃の範囲内において、水素成分が約50〜53体積%の収率で回収可能なことが確認された。また実施例3の1050℃近傍が収率とエネルギー消費両面から望ましいことがわかった。

0060

<実施例4:オフガスの利用>
次に、実施例1で得た熱分解ガスを改質炉7に供給し、粗改質ガスを得た後、冷却・除塵し、HCl、CN、NH3等微量有害成分の除去処理を行い、水素分離装置に入れ、オフガスを分離した。このオフガスの組成を表6に示す。

0061

0062

このオフガスは、2616kcal/Nm3の熱量を有しているため、ガスエンジンを使って94〜167kW/原料206kg/hr−Dryの発電が可能である(原料下水汚泥344kg/hr−Dryから発生する第2の熱分解ガスの60%で改質ガスから水素を製造しそのオフガスを使用した場合)。また、発電の他に、例えば、燃焼炉8の燃焼炉補助バーナ用燃料14として活用することができる。

0063

<実施例5:熱風炉35の助燃料の削減>
実施例1において発生した第2の熱分解ガスを利用し、原料を乾燥するための助燃料の削減を実施例5として、比較例5(第2の熱分解ガスを熱源として使わない場合)と比較した。
前述のとおり、本発明の一形態では、燃焼排ガス−乾燥循環ガス(B)熱交換器18において、燃焼排ガス93は乾燥機循環ガス(B)83を間接的に加熱して原料となるバイオマスの乾燥(水分含有量を20質量%とする)のための熱源となっているから、この乾燥のための熱風炉35の助燃料がどの程度削減されるかを、操業条件の一例(実施例1)で発生した第2の熱分解ガスの100%を使用した場合(実施例5)と燃焼排ガス−乾燥循環ガス(B)熱交換機18での間接加熱を行わない比較例5と対比した。その結果を表7に示す。実施例5では、乾燥のための重油(助燃料)の使用量を比較例5に比して、約61%(=(195−76)/195×100)削減できることを確認した。また、図4に示すように、原料に廃プラスチック95を5%混入した場合、さらに30%重油使用量を削減できた。

0064

実施例

0065

以上、発明の実施の形態及び実施例を説明したが、これら発明の実施の形態や実施例の各構成を適宜組み合わせたり、様々に変化させることは当初から予定していることである。
そして、今回開示された実施の形態はあらゆる点で例示であって、制限的なものではないと考えるべきである。本発明の範囲は前記した実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、請求の範囲に記載された事項の均等の範囲の全ての変更が含まれる。

0066

1外燃式ロータリーキルン
2内筒
3外筒
4 内筒入口側の外筒(第1の外筒)
内筒出口側の外筒(第2の外筒)
6チャンバー
7改質炉
8燃焼炉
9 空気または酸素の少なくとも一方と水蒸気とを組み合せての吹込口
11ノズル(酸素と水蒸気吹込み
12 改質炉の下方(酸素と水蒸気吹込口)
13 燃焼炉空気吹込み口
14 燃焼炉補助バーナ用燃料
15燃焼ガスサイクロン
16 燃焼ガス−空気熱交換器
17空気入口
18燃焼排ガス−乾燥循環ガス(B)熱交換器
20ボイラ作動流体(水—蒸気)
21 燃焼排ガス誘引ファン
21B排出管路
21Cガス排出管
22 環境有害物質除去手段
23排気筒
24炭化物残査
30バイオマス原料(原料)
31脱水原料ホッパ
32 原料乾燥機
33乾燥原料
34 乾燥原料供給ホッパ
35熱風炉
36 熱風炉バーナ(可燃ガス吹き込み口)
36B昇温空気吹き込み口
36C管路
37 熱風炉ファン
38 助燃料または第2熱分解ガスの吹込み箇所
39分岐
39Bスクリューコンベア
39C 炭化物残渣出口
40乾燥排ガスサイクロン
41 乾燥排ガスバグフィルタ
42乾燥排ガスファン
50粗改質ガス
51B 燃焼ガス廃熱ボイラ
53改質ガス冷却器
53B改質ガスガス処理設備
54 改質ガスバグフィルタ
55酸性ガス処理装置
56アルカリ性ガス処理装置
56B活性炭吸着処理装置
57 改質ガスヒータ
57B水素分離装置
58 蒸気
59 改質ガス誘引ファン
59B圧力制御弁
60CO2回収装置
61粗水素ガス圧縮機
70 水素分離装置(水素PSA)
71オフガス
72 オフガス貯蔵タンク
72Bガスエンジン・オフガス装置
73 オフガス高圧圧縮機
74フレアスタック
75ガスエンジン発電機
76 オフガス(助燃バーナ等へ)
77製品純水素
80分離水ポット
81排水処理
82乾燥機循環ガス(A)
83 乾燥機循環ガス(B)
84水噴霧冷却
86 管路
87 第2の熱分解ガス分岐部
88導管(乾燥機循環ガスBの乾燥機への戻り
89乾燥機出口ガス
90 燃焼炉の出口ガス(燃焼排ガス)
91 改質炉へのガス入口
92 燃焼炉へのガス入口
93 燃焼排ガス
95バイオマス混合物または廃プラスチック
102 水蒸気
103 蒸気戻り管路
104ドレン回収装置
106 乾燥機への空気吹込口
110余剰燃焼排ガスボイラ
111スチーム発電機(発電装置)
112 導管

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