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技術 過給機

出願人 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社
発明者 荒川卓哉二江貴也三浦秀一段本洋輔
出願日 2018年2月20日 (3年4ヶ月経過) 出願番号 2020-501873
公開日 2021年2月4日 (5ヶ月経過) 公開番号 WO2019-162989
状態 未査定
技術分野 過給機
主要キーワード 油導入口 一次モード コニカルモード 接続軸 モード解析 正五角形 油潤滑式 二流路
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題・解決手段

過給機(100)は、タービン側軸部(11)、コンプレッサ側軸部(12)、及びこれらを接続する接続軸部(13)を有するロータ(1)と、タービン側軸部(11)を支持するタービン側軸受(5)と、コンプレッサ側軸部(12)を支持するコンプレッサ側軸受6と、を備える。接続軸部(13)の剛性は、ロータ(1)の運転回転数領域に係る各危険速度でのモード形状の節がタービン側軸受(5)とコンプレッサ側軸受(6)との間に位置するように、タービン側軸部(11)及びコンプレッサ側軸部(12)よりも小さく設定されている。

概要

背景

自動車等のエンジン出力を向上させるために、過給機と呼ばれる装置が用いられる場合がある。過給機は、コンプレッサによって圧縮した空気をエンジンに供給する。過給機には、エンジン排気を用いるターボチャージャと呼ばれる形式と、機械駆動式のスーパーチャージャーと呼ばれる形式がある。例えば下記特許文献1に記載されているように、ターボチャージャは、タービンと、コンプレッサと、これらタービン及びコンプレッサを接続するロータと、を備えている。排気ガスエネルギーでタービンが回転し、ロータによってタービンと同軸に接続されたコンプレッサが回転することで空気を圧縮する。圧縮された空気はエンジンに供給される。

ここで、上記のような過給機では、ロータに曲げ振動と呼ばれる強制振動が生じることが知られている。曲げ振動は、ロータの曲げ固有振動数と、運転回転数とが一致した時に生じる共振である。曲げ振動が生じる時の運転回転数を、曲げ危険速度と呼ぶ。曲げ危険速度は、低回転域から高回転域にかけて複数存在し、それぞれ一次危険速度、二次危険速度、三次危険速度、・・・と呼ばれる。通常、過給機を設計するに当たっては、二次危険速度が、最高回転数定格回転数)よりも十分に大きくなるように設定されている。即ち、定格回転数と二次危険速度との間に十分なマージンが見込まれることが通例である。

概要

過給機(100)は、タービン側軸部(11)、コンプレッサ側軸部(12)、及びこれらを接続する接続軸部(13)を有するロータ(1)と、タービン側軸部(11)を支持するタービン側軸受(5)と、コンプレッサ側軸部(12)を支持するコンプレッサ側軸受6と、を備える。接続軸部(13)の剛性は、ロータ(1)の運転回転数領域に係る各危険速度でのモード形状の節がタービン側軸受(5)とコンプレッサ側軸受(6)との間に位置するように、タービン側軸部(11)及びコンプレッサ側軸部(12)よりも小さく設定されている。

目的

本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、振動がさらに低減された過給機を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

タービン側軸部、コンプレッサ側軸部、及び前記タービン側軸部と前記コンプレッサ側軸部との間でこれらを接続する接続軸部を有するロータと、前記タービン側軸部を支持するタービン側軸受と、前記コンプレッサ側軸部を支持するコンプレッサ側軸受と、を備え、前記接続軸部の剛性は、前記ロータの運転回転数領域に係る各危険速度でのモード形状の節が前記タービン側軸受と前記コンプレッサ側軸受との間に位置するように、前記タービン側軸部及び前記コンプレッサ側軸部よりも低く設定されている過給機

請求項2

前記接続軸部は、前記タービン側軸部、及び前記コンプレッサ側軸部よりも小さな径寸法を有する請求項1に記載の過給機。

請求項3

前記接続軸部の外周面と、前記タービン側軸部における前記コンプレッサ側軸部を向く第一対向面とは、曲面状の第一アール部によって接続され、前記接続軸部の外周面と、前記コンプレッサ側軸部における前記タービン側軸部を向く第二対向面とは、曲面状の第二アール部によって接続されている請求項2に記載の過給機。

請求項4

前記接続軸部は、前記タービン側軸部、及び前記コンプレッサ側軸部よりも低い剛性を有する材料で形成されている請求項1に記載の過給機。

請求項5

前記接続軸部の内部が中空に形成されている請求項1に記載の過給機。

請求項6

前記接続軸部は、相対的に剛性が低い低剛性部と、相対的に剛性が高い高剛性部とを有し、前記低剛性部と前記高剛性部は、前記タービン側軸部側から前記コンプレッサ側軸部側に向かう方向に交互に配列されている請求項1に記載の過給機。

技術分野

0001

本発明は、過給機に関する。

背景技術

0002

自動車等のエンジン出力を向上させるために、過給機と呼ばれる装置が用いられる場合がある。過給機は、コンプレッサによって圧縮した空気をエンジンに供給する。過給機には、エンジン排気を用いるターボチャージャと呼ばれる形式と、機械駆動式のスーパーチャージャーと呼ばれる形式がある。例えば下記特許文献1に記載されているように、ターボチャージャは、タービンと、コンプレッサと、これらタービン及びコンプレッサを接続するロータと、を備えている。排気ガスエネルギーでタービンが回転し、ロータによってタービンと同軸に接続されたコンプレッサが回転することで空気を圧縮する。圧縮された空気はエンジンに供給される。

0003

ここで、上記のような過給機では、ロータに曲げ振動と呼ばれる強制振動が生じることが知られている。曲げ振動は、ロータの曲げ固有振動数と、運転回転数とが一致した時に生じる共振である。曲げ振動が生じる時の運転回転数を、曲げ危険速度と呼ぶ。曲げ危険速度は、低回転域から高回転域にかけて複数存在し、それぞれ一次危険速度、二次危険速度、三次危険速度、・・・と呼ばれる。通常、過給機を設計するに当たっては、二次危険速度が、最高回転数定格回転数)よりも十分に大きくなるように設定されている。即ち、定格回転数と二次危険速度との間に十分なマージンが見込まれることが通例である。

先行技術

0004

特許第5529714号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、近年では出力向上を図るため、過給機の高速回転化が進められている。これに伴い、曲げ危険速度(二次危険速度)の値が最高回転数(定格回転数)の値に近接し、高回転域でロータの振動を生じてしまう可能性が高まっている。

0006

本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、振動がさらに低減された過給機を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の第一の態様によれば、過給機は、タービン側軸部、コンプレッサ側軸部、及び前記タービン側軸部と前記コンプレッサ側軸部との間でこれらを接続する接続軸部を有するロータと、前記タービン側軸部を支持するタービン側軸受と、前記コンプレッサ側軸部を支持するコンプレッサ側軸受と、を備え、前記接続軸部の剛性は、前記ロータの運転回転数領域に係る各危険速度でのモード形状の節が前記タービン側軸受と前記コンプレッサ側軸受との間に位置するように、前記タービン側軸部及びコンプレッサ側軸部よりも低く設定されている。

0008

ロータの振動特性を評価するための手法として、モード解析と呼ばれる手法が知られている。モード解析を行うことによって、ロータの振動モードごとのモード形状を得ることができる。このモード形状に基づいて、最も振動応答振幅)が小さい位置(節)が求められる。上記の構成によれば、接続軸部の剛性が、タービン側軸部及びコンプレッサ側軸受の剛性よりも低いことから、モード形状の節がタービン側軸受とコンプレッサ側軸受との間に位置することになる。結果として、節に近い部分(即ち、タービン側軸受、コンプレッサ側軸受)における振動応答を小さく抑えることができ、タービン側軸受、及びコンプレッサ側軸受を介して過給機全体伝播する振動を低減することができる。

0009

本発明の第二の態様によれば、前記接続軸部は、前記タービン側軸部、及び前記コンプレッサ側軸部よりも小さな径寸法を有してもよい。

0010

この構成によれば、続軸部の径寸法がタービン側軸部、及びコンプレッサ側軸部の径寸法よりも小さい。即ち、接続軸部の径寸法を調節することのみによって、容易かつ正確に接続軸部の剛性を低くすることができる。

0011

本発明の第三の態様によれば、前記接続軸部の外周面と、前記タービン側軸部における前記コンプレッサ側軸部を向く第一対向面とは、曲面状の第一アール部によって接続され、前記接続軸部の外周面と、前記コンプレッサ側軸部における前記タービン側軸部を向く第二対向面とは、曲面状の第二アール部によって接続されていてもよい。

0012

この構成によれば、接続軸部と、タービン側軸部、及びコンプレッサ側軸部とがそれぞれ第一アール部、及び第二アール部によって接続されている。即ち、接続軸部とタービン側軸部、及びコンプレッサ側軸部との接続部に角部が形成されていない。その結果、当該接続部における局所的な応力集中を回避することができ、ロータの耐久性を確保することができる。

0013

本発明の第四の態様によれば、前記接続軸部は、前記タービン側軸部、及び前記コンプレッサ側軸部よりも低い剛性を有する材料で形成されていてもよい。

0014

この構成によれば、接続軸部が、タービン側軸部、及びコンプレッサ側軸部よりも低い剛性を有する材料で形成されている。これにより、容易かつ正確に接続軸部の剛性を低くすることができる。

0015

本発明の第五の態様によれば、前記接続軸部の内部が中空に形成されていてもよい。

0016

この構成によれば、接続軸部の内部を中空に形成することのみにより、容易に接続軸部の剛性を低くすることができる。

0017

本発明の第六の態様によれば、前記接続軸部は、相対的に剛性が低い低剛性部と、相対的に剛性が高い高剛性部とを有し、前記低剛性部と前記高剛性部は、前記タービン側軸部側から前記コンプレッサ側軸部側に向かう方向に交互に配列されていてもよい。

0018

この構成によれば、接続軸部の剛性をタービン側軸部、及びコンプレッサ側軸部よりも低くできるとともに、接続軸部の剛性を一様に低くした場合に比べて、接続軸部の強度低下を小さく抑えることができる。

発明の効果

0019

本発明によれば、振動がさらに低減された過給機を提供することができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明の第一実施形態に係る過給機の構成を示す断面図である。
本発明の第一実施形態に係るロータの構成を示す模式図である。
本発明の第一実施形態に係る過給機における回転数と振動応答の関係を示すグラフである。
本発明の第一実施形態に係るロータにおける一次危険速度での一次モードのモード形状を示す模式図である。
本発明の第一実施形態に係るロータにおける二次危険速度での一次モードのモード形状を示す模式図である。
本発明に対する比較例に係るロータにおける一次危険速度での一次モードのモード形状を示す模式図である。
本発明に対する比較例に係るロータにおける二次危険速度での一次モードのモード形状を示す模式図である。
本発明の第一実施形態に係るロータの変形例を示す図である。
図8AのA−A線における断面図である。
本発明の第二実施形態に係るロータの構成を示す図である。
本発明の第三実施形態に係るロータの構成を示す図である。
本発明の第四実施形態に係るロータの構成を示す図である。
本発明の第四実施形態に係るロータの変形例を示す図である。
本発明の第四実施形態に係るロータのさらなる変形例を示す図である。

実施例

0021

[第一実施形態]
本発明の第一実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態に係る過給機100は、例えば自動車等のエンジンに併設される。過給機100は、圧縮空気を供給することで、エンジンの出力を向上させるために用いられる。図1に示すように、過給機100は、ロータ1と、タービンホイール2と、コンプレッサホイール3と、ハウジング4と、タービン側軸受5と、コンプレッサ側軸受6と、を備えている。

0022

ロータ1は、軸線Acに沿って延びる柱状をなしている。ロータ1は、軸線Ac方向一方側の端部を含むタービン側軸部11と、軸線Ac方向他方側の端部を含むコンプレッサ側軸部12と、タービン側軸部11、及びコンプレッサ側軸部12との間でこれらを接続する接続軸部13と、を有している。接続軸部13は、これらタービン側軸部11、及びコンプレッサ側軸部12よりも小さな径寸法を有している。なお、本実施形態では、タービン側軸部11、コンプレッサ側軸部12、及び接続軸部13は、同一の材料で一体に形成されている。また、本実施形態では、接続軸部13の断面形状(軸線Acに直交する平面における断面形状)は円形である。

0023

さらに、図2に示すように、接続軸部13の外周面(軸部外周面13A)と、タービン側軸部11におけるコンプレッサ側軸部12を向く第一対向面11Aとは、曲面状の第一アール部R1によって接続されている。即ち、軸線Acを含む断面視において、第一アール部R1は、軸部外周面13Aから第一対向面11Aに向かって曲線状に延びている。言い換えると、軸部外周面13Aと第一対向面11Aとの間には角部が形成されていない。同様に、軸部外周面13Aと、コンプレッサ側軸部12におけるタービン側軸部11を向く第二対向面12Aとは、曲面状の第二アール部R2によって接続されている。即ち、軸線Acを含む断面視において、第二アール部R2は、軸部外周面13Aから第二対向面12Aに向かって曲線状に延びている。言い換えると、軸部外周面13Aと第二対向面12Aとの間には角部が形成されていない。

0024

再び図1に示すように、タービン側軸部11の軸線Ac方向一方側の端部には、タービンホイール2が取り付けられている。タービンホイール2は、軸線Acを中心とする円盤状のタービンディスク21と、タービンディスク21の軸線Ac方向一方側に設けられた複数のタービンブレード22と、を有している。複数のタービンブレード22は、軸線Acを中心として放射状に設けられている。

0025

コンプレッサ側軸部12の軸線Ac方向他方側の端部には、コンプレッサホイール3が取り付けられている。コンプレッサホイール3は、軸線Acを中心とする円盤状のコンプレッサディスク31と、コンプレッサディスク31の軸線Ac方向他方側に設けられた複数のコンプレッサブレード32と、を有している。複数のコンプレッサブレード32は、軸線Acを中心として放射状に設けられている。

0026

タービンホイール2、コンプレッサホイール3、及びロータ1は、ハウジング4によって外側から覆われている。より詳細にはハウジング4は、タービンホイール2を覆うタービンハウジング41と、コンプレッサホイール3を覆うコンプレッサハウジング42と、後述する軸受装置を収容する軸受ハウジング43と、を有している。

0027

タービンハウジング41の内部には、タービンホイール2を外周側から囲むとともに、軸線Acを中心として円環状に延びるタービン流路Ptが形成されている。タービン流路Ptの一端はエンジン(不図示)の排気口(排気バルブ)に接続されている。タービン流路Ptの内周側(排気導入口71)は、タービンホイール2に向かって開口している。タービンハウジング41の内周側には、軸線Ac方向一方側に向かって開口するタービン出口72が形成されている。

0028

コンプレッサハウジング42の内部には、コンプレッサホイール3を外周側から囲むとともに、軸線Acを中心として円環状に延びるコンプレッサ流路Pcが形成されている。コンプレッサ流路Pcの一端は、エンジンの吸気口(吸気バルブ)に接続されている。コンプレッサ流路Pcの内周側(空気導入口81)は、コンプレッサホイール3に向かって開口している。コンプレッサハウジング42の内周側には、軸線Ac方向他方側に向かって開口するコンプレッサ入口82が形成されている。

0029

軸受ハウジング43は、タービンハウジング41とコンプレッサハウジング42との間に設けられている。軸受ハウジング43の内部には、タービン側軸受5と、コンプレッサ側軸受6とが設けられている。ロータ1は、これらタービン側軸受5、及びコンプレッサ側軸受6によって軸線Ac回りに回転可能に支持されている。より具体的には、タービン側軸受5はタービン側軸部11を支持し、コンプレッサ側軸受6はコンプレッサ側軸部12を支持している。タービン側軸受5、及びコンプレッサ側軸受6は、ともに油潤滑式ラジアル軸受である。軸受ハウジング43には、これらタービン側軸受5、及びコンプレッサ側軸受6に潤滑油を供給する潤滑油供給部9が形成されている。

0030

潤滑油供給部9は、潤滑油を貯留する油溜り91と、油溜り91からそれぞれタービン側軸受5、コンプレッサ側軸受6に向かって延びる第一流路92、及び第二流路93と、を有している。油溜り91には、軸受ハウジング43に形成された油導入口94を通じて潤滑油が供給される。油溜り91内の潤滑油は、第一流路92を経てタービン側軸受5に到達し、これを潤滑する。同様に、油溜り91内の潤滑油は、第二流路93を経てコンプレッサ側軸受6に到達し、これを潤滑する。タービン側軸受5、及びコンプレッサ側軸受6を潤滑し終えた潤滑油は、軸受ハウジング43に形成された油排出口95を通じて外部に排出される。

0031

次に、過給機100の動作について説明する。エンジン排気がタービン流路Ptを経てタービンホイール2に供給されることで、タービンホイール2、及びロータ1が回転する。タービンホイール2、及びロータ1の回転に供された後のエンジン排気は、タービン出口72を経て、触媒装置フィルターを含む排気系統に向かって排出される。ここで、エンジン排気によるタービンホイール2、及びロータ1の回転に伴って、コンプレッサホイール3も回転する。コンプレッサホイール3の回転によって、コンプレッサ入口82からコンプレッサ流路Pcを経てコンプレッサホイール3に外部の空気が導かれる。コンプレッサホイール3の回転に伴ってこの空気は次第に圧縮されて高圧空気となる。高圧空気は、コンプレッサ流路Pcを経てエンジンの吸気系統に供給される。その結果、高圧空気のエネルギーによって燃料爆発力が増大し、エンジン出力を向上させることができる。

0032

ここで、上記のような過給機100では、ロータ1に曲げ振動と呼ばれる強制振動が生じることが知られている。曲げ振動は、ロータ1の曲げ固有振動数と、運転回転数とが一致した時に生じる共振である。曲げ振動が生じる時の運転回転数を、曲げ危険速度と呼ぶ。曲げ危険速度は、低回転域から高回転域にかけて複数存在し、それぞれ一次危険速度、二次危険速度、三次危険速度、・・・と呼ばれる(図3参照)。近年では、さらなる出力向上を図るため、過給機100の高速回転化が進められている。これに伴い、曲げ危険速度(二次危険速度)が最高回転数(定格回転数)に近接し、高回転域で振動を生じてしまう可能性がある。

0033

しかしながら、本実施形態に係る過給機100では、ロータ1の接続軸部13がロータ1の他の部分(タービン側軸部11、及びコンプレッサ側軸部12)よりも小さな径寸法を有している。即ち、接続軸部13の剛性は、タービン側軸部11、及びコンプレッサ側軸部12の剛性よりも低い。その結果、ロータ1の振動応答(振幅)を小さく抑えることができる。

0034

振動が生じた場合のロータ1の挙動について、図4図5を参照してさらに詳しく説明する。図4は、一次危険速度におけるロータ1の支配的な振動モード(一次モード)のモード形状を表している。図5は、二次危険速度におけるロータ1の支配的な振動モード(一次モード)のモード形状を表している。なお、ロータ1のモード形状を得るに当たっては、モード解析と呼ばれる数値シミュレーションが好適に用いられる。

0035

図4及び図5から読み取れるように、一次危険速度、及び二次危険速度において、ロータ1には曲げモードの振動が生じる。ここで、接続軸部13の剛性が、タービン側軸部11、及びコンプレッサ側軸部12の剛性よりも低いことから、振動応答(振幅)が最も小さい位置(節N)は、タービン側軸受5とコンプレッサ側軸受6との間であって、軸線Ac上に位置している。即ち、この節Nを基準として、タービン側軸部11、及びコンプレッサ側軸部12が互いに同一の方向に向かって軸線Acから離間するような振動が生じる。このように、節Nがタービン側軸受5とコンプレッサ側軸受6との間に位置していることから、タービン側軸受5、及びコンプレッサ側軸受6における振動応答(振幅)が小さくなる。即ち、図3中の鎖線グラフに示すように、過給機100の運転回転数領域の全体にわたって、危険速度における振動応答を小さく抑えることができる。その結果、一次危険速度はもとより、たとえ運転回転数が二次危険速度に到達した場合であっても、タービン側軸受5、及びコンプレッサ側軸受6を介して過給機100の全体に伝播する振動を低減することができる。

0036

以上、説明したように、上記の構成によれば、接続軸部13の剛性が、タービン側軸部11及びコンプレッサ側軸受6の剛性よりも小さいことから、モード形状の節Nがタービン側軸受5とコンプレッサ側軸受6との間に位置することになる。結果として、節Nに近い部分(即ち、タービン側軸受5、コンプレッサ側軸受6)における振動応答を小さく抑えることができ、タービン側軸受5、及びコンプレッサ側軸受6を介して過給機100全体に伝播する振動を低減することができる。

0037

さらに上記の構成によれば、接続軸部13の径寸法がタービン側軸部11、及びコンプレッサ側軸部12の径寸法よりも小さい。即ち、接続軸部13の径寸法を調節することのみによって、容易かつ正確に接続軸部13の剛性を低くすることができる。

0038

加えて、上記の構成によれば、接続軸部13と、タービン側軸部11、及びコンプレッサ側軸部12とがそれぞれ第一アール部R1、及び第二アール部R2によって接続されている。即ち、接続軸部13とタービン側軸部11、及びコンプレッサ側軸部12との接続部に角部が形成されていない。その結果、当該接続部における局所的な応力集中を回避することができ、ロータ1の耐久性を確保することができる。

0039

以上、本発明の第一実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更・改修を施すことが可能である。例えば、上記第一実施形態では、接続軸部13が円形の断面形状を有している例について説明した。しかしながら、図8A図8Bに示すような構成を採ることも可能である。これら図8A図8Bの例では、接続軸部13が多角形の断面形状を有している。なお、多角形として六角形を採用した例について説明したが、その他の形状(正方形正五角形等)を採用することも可能である。

0040

[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図9を参照して説明する。なお、上記の第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。本実施形態では、ロータ201の接続軸部213が、タービン側軸部11、及びコンプレッサ側軸部12よりも剛性の低い材料で形成されている。

0041

この構成によれば、接続軸部213が、タービン側軸部11、及びコンプレッサ側軸部12よりも低い剛性を有する材料で形成されている。したがって、接続軸部213の材料を変えることのみによって、容易かつ正確に接続軸部213の剛性を調節することができる。

0042

以上、本発明の第二実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更・改修を施すことが可能である。

0043

[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について、図10を参照して説明する。なお、上記の第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。図10に示すように、本実施形態では、ロータ301の接続軸部313が中空に形成されている。具体的には、接続軸部313の内部に中空部Vとしての空間が形成されている。一方で、タービン側軸部11、及びコンプレッサ側軸部12は中実に形成されている。したがって、接続軸部313は、タービン側軸部11、及びコンプレッサ側軸部12よりも低い剛性を有している。

0044

この構成によれば、接続軸部313が中空に形成することのみにより、容易に当該接続軸部313の剛性を、タービン側軸部11、及びコンプレッサ側軸部12の剛性よりも低くすることができる。

0045

以上、本発明の第三実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更・改修を施すことが可能である。

0046

[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態について、図11を参照して説明する。なお、上記の第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。図11に示すように、本実施形態では、接続軸部413が、低剛性部413Aと、高剛性部413Bとを有している。低剛性部413Aは高剛性部413Bに比べて相対的に低い剛性を有している。高剛性部413Bは低剛性部413Aに比べて相対的に高い剛性を有している。高剛性部413Bと低剛性部413Aは、タービン側軸部11側からコンプレッサ側軸部12側に向かう方向に交互に配列されている。

0047

より具体的には、本実施形態では、高剛性部413Bは低剛性部413Aよりも大きな径寸法を有することで相対的に高い剛性を有している。低剛性部413Aは高剛性部413Bよりも小さな径寸法を有することで相対的に低い剛性を有している。

0048

この構成によれば、接続軸部413の剛性をタービン側軸部11、及びコンプレッサ側軸部12よりも低くできるとともに、接続軸部413の剛性を一様に低くした場合に比べて、接続軸部413の強度低下を小さく抑えることができる。

0049

以上、本発明の第四実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更・改修を施すことが可能である。例えば、上記第四実施形態では、径寸法を互いに違えることによって高剛性部413Bと低剛性部413Aとを形成した例について説明した。しかしながら、高剛性部413B、及び低剛性部413Aの構成は上記に限定されない。

0050

他の例として、図12に示すように、高剛性部413B及び低剛性部413Aの径寸法を互いに同一に設定するとともに、低剛性部413Aとしての中空部分V2と、高剛性部413Bとしての中実部分V1とを交互に形成することも可能である。さらに他の例として、図13に示すように、低剛性部413A及び高剛性部413Bの径寸法を互いに同一に設定するとともに、高剛性部413Bを低剛性部413Aよりも高い剛性を有する材料で形成し、低剛性部413Aを高剛性部413Bよりも低い剛性を有する材料で形成することも可能である。いずれの構成であっても、上記第四実施形態に係る構成と同様の作用効果を得ることができる。

0051

図6及び図7を参照して、上記第一実施形態に対する比較例について説明する。この比較例では、上記第一実施形態とは異なる比較用ロータ1´の挙動について説明する。比較用ロータ1´では、タービン側軸部11´、接続軸部13´、及びコンプレッサ側軸部12´が互いに同一の剛性を有している。図6は、一次危険速度における比較用ロータ1´の支配的な振動モード(一次モード)のモード形状を表している。図7は、二次危険速度における比較用ロータ1´の支配的な振動モード(一次モード)のモード形状を表している。

0052

図6から読み取れるように、一次危険速度では、比較用ロータ1´にコニカルモードの振動が生じる。より具体的には、一次危険速度において、比較用ロータ1´は軸線Acを中心とする円錐状に振れ回る振動を生じる。この時、同図に示すように、タービン側軸受5、及びコンプレッサ側軸受6の位置では、軸線Acから径方向外側に逸脱するような振動応答が生じている。即ち、比較用ロータ1´の振動がこれらタービン側軸受5、及びコンプレッサ側軸受6を介して装置全体に伝播してしまう。

0053

さらに、図7から読み取れるように、二次危険速度では、比較用ロータ1´に曲げモードの振動が生じる。ここで、モード形状の節N´はタービン側軸受5、及びコンプレッサ側軸受6の間に位置している。しかしながら、上記第一実施形態とは異なり、比較用ロータ1の節N´は、軸線Acから径方向外側に逸脱した位置にある。即ち、節N´であっても、上記第一実施形態に係るロータ1よりも大きな振動応答が生じていることが分かる。したがって、比較用ロータ1´の振動がこれらタービン側軸受5、及びコンプレッサ側軸受6を介して装置全体に伝播してしまう。

0054

以上、説明したように、本比較例に係る構成では、一次危険速度、及び二次危険速度において、ともに大きな振動応答が比較用ロータ1´に生じることが分かる。言い換えると、上記の各実施形態に係る構成は、本比較例に対して顕著かつ有意の効果を奏することが分かる。

0055

上記態様の過給機によれば、振動をさらに低減させることができる。

0056

1,201,301…ロータ、2…タービンホイール、3…コンプレッサホイール、4…ハウジング、5…タービン側軸受、6…コンプレッサ側軸受、9…潤滑油供給部、11…タービン側軸部、11A…第一対向面、12…コンプレッサ側軸部、12A…第二対向面、13,213,313,413…接続軸部、13A…軸部外周面、21…タービンディスク、22…タービンブレード、31…コンプレッサディスク、32…コンプレッサブレード、41…タービンハウジング、42…コンプレッサハウジング、43…軸受ハウジング、71…排気導入口、72…タービン出口、81…空気導入口、82…コンプレッサ入口、91…油溜り、92…第一流路、93…第二流路、94…油導入口、95…油排出口、100…過給機、413A…低剛性部、413B…高剛性部、Ac…軸線、N,N´…節、Pc…コンプレッサ流路、Pt…タービン流路、R1…第一アール部、R2…第二アール部、V…中空部、V1…中実部分、V2…中空部分

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