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技術 3次元造形装置用の造形材料の吐出ヘッド

出願人 谷口秀夫
発明者 谷口秀夫石田暢久
出願日 2018年2月9日 (2年10ヶ月経過) 出願番号 2018-525484
公開日 2020年2月27日 (10ヶ月経過) 公開番号 WO2019-155611
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック等のその他の成形、複合成形(変更なし)
主要キーワード 断熱スペーサ 融点金属類 ホットエンド 押しねじ 熱電導率 機械的係合 高温融解 供給部側
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年2月27日)のものです。
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図面 (8)

課題・解決手段

小型化、軽量化、省エネルギー化長寿命化を図るとともに、高温動作可能による造形材料の選択自由度の向上を図る。そのため、フィラメントの供給口(11)を有する供給部(10)、供給されたフィラメントを融解する融解部(30)、融解されたフィラメントを吐出する吐出口(41)を有する吐出部(40)、及び供給部(10)と融解部(30)との間の断熱部(20)を一体的に成形した吐出ヘッドとすることで、融解部を高温に加熱しても融解部の熱が供給部へ伝導するのを効果的に抑制できるようにし、供給部の温度を適切な温度に保持でき、加熱した熱を融解部に効率的に利用できるようにした。

概要

背景

近年、コンピュータを利用して3次元プリンタにより立体造形物を製造することが盛んに行われている。このような造形材料吐出ヘッドとして、例えば図6に示されるような構造のものが知られている。この吐出ヘッドは、ヒータブロック93の一端側に吐出部91aを突出するようにノズル91がねじ込まれ、ヒータブロック93の他端側に造形材料の供給部を導出させてバレル92がねじ込まれた構造を備え、バレル92にワイヤ状の造形材料(フィラメント99)が挿入され、ヒータブロック93により造形材料が加熱融解されて吐出部91aから吐出されるようになっている。このとき、フィラメント99は、制御信号によって、バレル92に必要に応じた量が送り込まれることで、吐出部91aから必要な量が吐出され、この吐出部91aの位置が、造形物を形成する造形テーブル(図示せず)とxyz方向に相対的に移動することにより、吐出された造形材料を積層していき所望の3次元造形物が形成される。

しかしながら、このような吐出ヘッドでは、ノズル91、バレル92内で適当な融解温度に保つために、ヒータブロック93によりノズル91を加熱してフィラメント99を融解しようとするとバレル92もノズル91と同じ温度になってしまうことから、バレル92においてもフィラメント99が融けてしまうために、バレル92に放熱フィン(図示せず)を設け、ファンによって強制的に冷却する必要があり、吐出ヘッドの小型化の妨げになっている。

そこで、本出願人は、先に、小型軽量化するとともに高温作動を図ることでより高融点造形材料をも使用できる吐出ヘッドを提案している(特許文献1)。この吐出ヘッドは、図7に示されるように、一端側に吐出部94aが形成され、他端側に取付部94bが形成され、中間部を融解部とされた金属ブロック94と、金属ブロック94の取付部94bに取付けられたバレル95と、金属ブロック94の融解部に取付けられた加熱板96とを備え、加熱板96を金属ブロック94に500℃以上の温度に耐え得る無機接合材料を用いて接合し、バレル95を、断熱スペーサを介して金属ブロック94の取付部94bに取付けるようにされている。加熱板96を高温でも耐えうるように接合し、断熱スペーサを用いることで金属ブロック94の熱がバレル95へ逃げるのを軽減することで、小型軽量化及び使用できる造形材料の選択の自由度を向上でき、またクイックスタートが可能になっている。

概要

小型化、軽量化、省エネルギー化長寿命化をるとともに、高温動作可能による造形材料の選択自由度の向上をる。そのため、フィラメントの供給口(11)を有する供給部(10)、供給されたフィラメントを融解する融解部(30)、融解されたフィラメントを吐出する吐出口(41)を有する吐出部(40)、及び供給部(10)と融解部(30)との間の断熱部(20)を一体的に成形した吐出ヘッドとすることで、融解部を高温に加熱しても融解部の熱が供給部へ伝導するのを効果的に抑制できるようにし、供給部の温度を適切な温度に保持でき、加熱した熱を融解部に効率的に利用できるようにした。

目的

本発明の目的は、このような状況に鑑みてなされたもので、部品点数を減らして組み立て作業を軽減でき、小型化、軽量化、省エネルギー化及び長寿命化を図ることができる3D造形装置用の造形材料の吐出ヘッドを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

造形材料の供給口を有する供給部、加熱部材取付けられ、供給された前記造形材料を融解する融解部、前記融解された造形材料を吐出する吐出口を有する吐出部、及び前記供給部と前記融解部との間であって、前記融解部の熱が前記供給部へ伝導するのを抑制する断熱部、を備え、前記供給部、前記融解部、前記吐出部及び前記断熱部を一体成形してなることを特徴とする3次元造形装置用の造形材料の吐出ヘッド

請求項2

前記断熱部は、前記融解部よりも断面積が小さくなる加工がなされることで熱抵抗が大きくされている請求項1に記載の3次元造形装置用の造形材料の吐出ヘッド。

請求項3

前記断熱部は、外壁の厚みを前記融解部よりも薄くした肉薄部及び/又は前記外壁に形成した開口部を有する請求項1に記載の3次元造形装置用の造形材料の吐出ヘッド。

請求項4

ステンレスニッケル合金チタンチタン合金又はセラミックからなる請求項1〜3のいずれかに記載の3次元造形装置用の造形材料の吐出ヘッド。

請求項5

64チタン合金からなる請求項1〜3のいずれかに記載の3次元造形装置用の造形材料の吐出ヘッド。

請求項6

造形材料の供給口を有する供給部、供給された前記造形材料を融解する融解部、前記融解された造形材料を吐出する吐出口を有する吐出部、及び前記供給部と前記融解部との間であって、前記融解部の熱が前記供給部へ伝導するのを抑制する断熱部、を有するヘッド本体と、前記融解部に取付けられる加熱部材と、を備え、前記ヘッド本体は、一体形成されており、前記加熱部材は、絶縁基板上に発熱抵抗体が形成された加熱ヘッドからなることを特徴とする3次元造形装置用の造形材料の吐出ヘッド。

請求項7

前記断熱部は、前記融解部よりも断面積が小さくなる加工がなされることで熱抵抗が大きくされている請求項6に記載の3次元造形装置用の造形材料の吐出ヘッド。

請求項8

前記断熱部は、外壁の厚みを前記融解部よりも薄くした肉薄部及び/又は前記外壁に形成した開口部を有する請求項6に記載の3次元造形装置用の造形材料の吐出ヘッド。

請求項9

前記ヘッド本体が、ステンレス、ニッケル合金、チタン、チタン合金又はセラミックからなる請求項6〜8のいずれかに記載の3次元造形装置用の造形材料の吐出ヘッド。

請求項10

前記ヘッド本体が、64チタン合金からなる請求項6〜8のいずれかに記載の3次元造形装置用の造形材料の吐出ヘッド。

技術分野

0001

本発明は、3次元造形装置(3次元プリンタ)用の造形材料吐出ヘッドホットエンド)に関する。

背景技術

0002

近年、コンピュータを利用して3次元プリンタにより立体造形物を製造することが盛んに行われている。このような造形材料の吐出ヘッドとして、例えば図6に示されるような構造のものが知られている。この吐出ヘッドは、ヒータブロック93の一端側に吐出部91aを突出するようにノズル91がねじ込まれ、ヒータブロック93の他端側に造形材料の供給部を導出させてバレル92がねじ込まれた構造を備え、バレル92にワイヤ状の造形材料(フィラメント99)が挿入され、ヒータブロック93により造形材料が加熱融解されて吐出部91aから吐出されるようになっている。このとき、フィラメント99は、制御信号によって、バレル92に必要に応じた量が送り込まれることで、吐出部91aから必要な量が吐出され、この吐出部91aの位置が、造形物を形成する造形テーブル(図示せず)とxyz方向に相対的に移動することにより、吐出された造形材料を積層していき所望の3次元造形物が形成される。

0003

しかしながら、このような吐出ヘッドでは、ノズル91、バレル92内で適当な融解温度に保つために、ヒータブロック93によりノズル91を加熱してフィラメント99を融解しようとするとバレル92もノズル91と同じ温度になってしまうことから、バレル92においてもフィラメント99が融けてしまうために、バレル92に放熱フィン(図示せず)を設け、ファンによって強制的に冷却する必要があり、吐出ヘッドの小型化の妨げになっている。

0004

そこで、本出願人は、先に、小型軽量化するとともに高温作動を図ることでより高融点造形材料をも使用できる吐出ヘッドを提案している(特許文献1)。この吐出ヘッドは、図7に示されるように、一端側に吐出部94aが形成され、他端側に取付部94bが形成され、中間部を融解部とされた金属ブロック94と、金属ブロック94の取付部94bに取付けられたバレル95と、金属ブロック94の融解部に取付けられた加熱板96とを備え、加熱板96を金属ブロック94に500℃以上の温度に耐え得る無機接合材料を用いて接合し、バレル95を、断熱スペーサを介して金属ブロック94の取付部94bに取付けるようにされている。加熱板96を高温でも耐えうるように接合し、断熱スペーサを用いることで金属ブロック94の熱がバレル95へ逃げるのを軽減することで、小型軽量化及び使用できる造形材料の選択の自由度を向上でき、またクイックスタートが可能になっている。

先行技術

0005

特許第6154055号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、前述の吐出ヘッドでは、断熱スペーサを用いるために、金属ブロック94、断熱スペーサ及びバレル95といった複数の部品により組み立てられてなるために、また、金属ブロック94、断熱スペーサ及びバレル95が異なる材料から形成されているために、部品の管理、組み立て作業が煩わしく、さらなる小型軽量化、耐久性向上の妨げとなっているし、吐出ヘッドとしての信頼性の低下を招く原因となっている。

0007

しかも、バレル95の温度を常温近くにするのが理想であるが、断熱スペーサを用いるというだけでは、金属ブロック94からバレル95への熱伝導を十分に抑制できず、更なる冷却が必要な場合もある。

0008

本発明の目的は、このような状況に鑑みてなされたもので、部品点数を減らして組み立て作業を軽減でき、小型化、軽量化、省エネルギー化及び長寿命化を図ることができる3D造形装置用の造形材料の吐出ヘッドを提供することにある。

0009

また、本発明の他の目的は、高温動作可能による造形材料の選択自由度の向上を図ることができる3D造形装置用の造形材料の吐出ヘッドを提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、造形材料の供給部と融解部との間に断熱部を設けて、融解部で用いられた熱が供給部へ伝導することを抑制することで、吐出ヘッド又はヘッド本体を継ぎ目のない一体形成一体成形)したことを特徴とする。

0011

すなわち、本発明の3D造形装置用の造形材料の吐出ヘッドは、造形材料の供給口を有する供給部、加熱部材が取付けられ、供給された前記造形材料を融解する融解部、前記融解された造形材料を吐出する吐出口を有する吐出部、及び前記供給部と前記融解部との間であって、前記融解部の熱が前記供給部へ伝導するのを抑制する断熱部、を備え、前記供給部、前記融解部、前記吐出部及び前記断熱部を一体成形してなることを特徴とする。

0012

また、本発明の別の観点における3D造形装置用の造形材料の吐出ヘッドは、造形材料の供給口を有する供給部、供給された前記造形材料を融解する融解部、前記融解された造形材料を吐出する吐出口を有する吐出部、及び前記供給部と前記融解部との間であって、前記融解部の熱が前記供給部へ伝導するのを抑制する断熱部、を有するヘッド本体と、前記融解部に取付けられる加熱部材と、を備え、前記ヘッド本体は、一体形成されており、前記加熱部材は、絶縁基板上に発熱抵抗体が形成された加熱ヘッドからなることを特徴とする。

0013

これら吐出ヘッドによると、供給部と融解部との間に断熱部を形成するようにしたので、供給部から吐出部までを一体的に形成しても供給部の温度を適温において造形を行うことができる。また、融解部を加熱部材により加熱した熱が、断熱部によって、供給部側に逃げるのを抑制することができるので、当該熱を造形材料の融解に有効に利用できて省エネルギー化に寄与することができる。さらに、吐出ヘッド又はヘッド本体を一体形成できたことで、吐出ヘッドの小型化、軽量化、長寿命化を図ることができるとともに、部品点数が少ないこと(吐出ヘッドに関しては1点)による信頼性の向上を図ることができ、加えて部品の管理コスト組立コスト材料コスト等を低減できる。

0014

本発明において、断熱部は、融解部よりも断面積が小さくなる加工がなされることで熱抵抗が大きくされているのが好ましい。つまり、断熱部は、熱抵抗(長さ/断面積)が大きくなるよう断面積が小さくなる加工が施される。断熱部の長さは、断面積と吐出ヘッド又はヘッド本体の材料の熱伝導率との関係で適宜決定することができる。

0015

より具体的には、断熱部は、外壁の厚みを融解部よりも薄くした肉薄部及び/又は外壁に形成した開口部を有するのが好ましい。

0016

このように断熱部を形成することで、断熱部の熱抵抗を大きくできて、融解部の熱が供給部へ伝導するのを効果的に抑制することができ、吐出ヘッド又はヘッド本体を一体形成した場合に使用できる材料の選択肢を拡げることができる。

0017

本発明の吐出ヘッド又はヘッド本体の材料としては、例えば、鉄合金ステンレス)、ニッケル合金チタンチタン合金等の金属材料セラミック等の無機材料を好ましく使用することができる。これら材料は、熱伝導率が約25W/(m・K)以下と、アルミニウム等に比べて一桁低く、断熱部の形状をより簡易なものとできる。しかも、金属材料は、強度、耐熱性により優れているので、断熱部の断面積を小さくできたり、肉薄部の厚さをより薄くできたり、開口部の面積をより大きくできるので、より小型化、軽量化を図ることができる。なかでも、64チタン等のチタン合金は熱伝導率が低く、十分な強度、耐熱性を備えており、比重も小さいことから、より好ましく使用することができる。

0018

また、本発明の吐出ヘッド又はヘッド本体に搭載する加熱部材として、絶縁基板上に発熱抵抗体を形成した加熱ヘッドを用いるときには、加熱部材を小型化できるとともに、エネルギー効率がよく熱応答性に優れたものとし得る。結果として、吐出ヘッドの小型化、軽量化、長寿命化を図ることができるとともに、省エネルギー化に寄与することができ、クイックスタート、オンデマンド造形を可能とすることができる。

0019

本発明の吐出ヘッド又はヘッド本体の材料のなかでも64チタン合金(アルミニウム6%、バナジウム4%を含むチタン合金)は、熱伝導率が低く、耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性等が3次元造形装置の吐出ヘッドに必要とされる条件において優れており、最適の材料であるといえる。特に、加熱部材の絶縁基板としてアルミナセラミックアルミナジルコニアセラミック等のセラミックを用いたときには、熱膨張率が近いことから、ヒートサイクルによる接合不良を一層軽減することができることに加え、耐熱性が高く、熱衝撃に強く、接合強度の強い接合が得られる。また、例えば銀ペーストガラス、銅等を含有していてもよい)等の厚膜接合材料との相性がよいことから、厚膜技術によりヘッド本体の融解部に加熱部材を良好に接合することができ、より好ましく使用することができる。また、熱膨張率が近似していることから、例えばスーパーエンジニアリングプラスチック等の高温融解が必要な造形材料を用いた場合であっても、加熱部材(加熱ヘッド)の接合状態を良好に保つことができる。

0020

なお、本明細書中において、吐出ヘッドとは、ヘッド本体を意味する場合もあるし、ヘッド本体に加熱部材を取付けたものを意味する場合もある。

発明の効果

0021

本発明によれば、吐出ヘッドを一体形成しても、融解部を加熱した熱が供給部に伝導するのを効果的に抑制できて、供給熱量の大部分を造形材料の加熱融解に使用することができることから、吐出ヘッドの部品点数を減らして組み立て作業を軽減でき、吐出ヘッドの小型化、軽量化、省エネルギー化、長寿命化が図れ、また高温動作可能による造形材料の種類の選択肢を増加することができる。

図面の簡単な説明

0022

本発明の一実施形態の造形材料の吐出ヘッドのヘッド本体の(A)正面図、(B)側面図及び(C)底面図である。
ヘッド本体に取付けられる加熱ヘッドの(A)正面図及び(B)加熱ヘッドの電極端子リードとの接続構造の一例を示す断面図である。
ヘッド本体に加熱ヘッドを接合して取付けた状態の(A)正面図及び(B)断面図である。
加熱部材にカバーを取付けた状態の(A)正面図及び(B)底面図である。
加熱ヘッドの絶縁基板の温度を測定する回路図である。
従来の吐出ヘッドの一例を示す側面図である。
従来の吐出ヘッドの他の例を示す断面図である。

実施例

0023

以下に、図面を参照しながら本発明の一実施形態の3D造形装置用の造形材料の吐出ヘッドを説明する。図1に吐出ヘッドのヘッド本体1を示す。ヘッド本体1は、全長が例えば32mmで、直径が例えば4mmφの、例えば64チタン(チタンにアルミニウム6質量%、バナジウム4質量%を混ぜた合金)からなる円柱状の金属棒を、例えば切削加工してなるものである。

0024

ヘッド本体1には、一端側のフィラメントの供給口11から他端側の融解されたフィラメントを吐出する吐出口41へ一直線に延びる、直径が例えば2mmφの通路貫通孔)2が形成されている。なお、ヘッド本体1及び通路2のサイズは、フィラメントのサイズに応じて適宜変更すればよい。

0025

ヘッド本体1は、一端側(供給口11)から他端側(吐出口41)へ、供給部10、断熱部20、融解部30及び吐出部40とからなる。供給部10は、例えば長さ5mm、直径4mmφの円柱形状(円筒形状)とされている。供給部10は、先端に供給口11が形成され、例えば2mmφの通路2が供給口11近傍において供給口11側に向けて、例えば3mmφまで拡がるようにテーパ状に形成されている。供給部10は、3D造形装置本体に取り付けるためのアダプター70(図4(A)参照)への取付部としての役割も兼ねている。

0026

断熱部20は、供給部10と融解部30との間に位置し、例えば長さ11mm、直径3mmφの円柱形状(円筒形状)とされている。断熱部20は、上述のように直径3mmφとされ、その中心部を貫通する直径2mmφの通路2が形成されることから、外壁の肉厚が0.5mmの肉薄部とされている。また、断熱部20の中央部には、例えば長さ8mm、幅1.8mmの開口部21が、通路2を露出するように対向して一対で形成されている。開口部21は、断熱部20の平面側と背面側とから切削して開口させるように形成することができる。また、開口部21は、長さ方向及び/又は幅方向に1つ又は複数設けてもよく、サイズも適宜決定すればよい。要は、熱抵抗との関係で断面積を、強度が保証される範囲内で適宜決定することができる。

0027

融解部30は、例えば長さ13mm、直径4mmφとされている。融解部30には、平面側と背面側とから切削されて2つの平面部32、33が、例えば3mm隔てて対向するように形成されている。平面部32、33の中央部には、例えば長さ8mm、幅1mmの開口部31が、通路2を露出するように形成されている。開口部31は、長さ方向に複数並設するようにしてもよい。なお、加えて、平面部32、33の表面を粗面化してもよいし、開口部31を形成せずに粗面化のみしてもよい。また、融解部30の吐出部40近傍において、通路2が吐出部40に向かってテーパ状に狭くされ、吐出部40内で例えば直径0.6mmφとされる。

0028

吐出部40は、例えば長さ3mmとされ、正面側と背面側から切削されて、例えば幅3mmとされ、両側面側は吐出部40の長さ方向の途中まで、吐出口41に向かってテーパ状に細められ、吐出口41が形成された先端部は、例えば直径1.5mmφとされ、吐出口41は、例えば直径0.6mmφとされる。

0029

次に、ヘッド本体1の融解部30の平面部32、33に取付けられる加熱ヘッド(加熱部材)5の一例を図2(A)に示す。

0030

加熱ヘッド5は、例えば厚さ0.3mm、長さ12mm、幅5mmの矩形板状のアルミナ・ジルコニアセラミック基板(絶縁基板)51と、絶縁基板51の表面に形成された帯状の発熱抵抗体52と、絶縁基板51の表面において発熱抵抗体52の両端部のそれぞれに接続するように絶縁基板51の長さ方向に沿う一端部に偏心させて形成された2つの電極53、53を有する。なお、発熱抵抗体52の表面を、例えば図示しないフィラーを含むガラス等の保護層(誘電体層)でコートしてもよい。なお、絶縁基板51の焼成温度は、約850℃である。

0031

絶縁基板51の長さ方向に沿う一方側の側縁には、4つの切欠部51aが長さ方向に並列するように、電極53、53ごとに2つずつ接触するように、所定間隔で設けられている。切欠部51aの窓口の幅は例えば0.4mm、深さは例えば0.6mmとしている。

0032

加熱ヘッド5は、絶縁基板51に、例えばAg、Pd、Pt等の合金粉末酸化ルテニウムを含む厚膜用ペースト等を所定のパターン印刷、乾燥後、所定温度焼成することで発熱抵抗体52、電極53、53を形成することができる。

0033

図2(B)に電極53とリード(線)6との接続構造の説明図を示す。例えば銀、銀合金銀メッキされた銅等の線材からなるリード6を、一対の加熱ヘッド5、5の8つの切欠部51aに、絶縁基板51の端縁から絶縁基板51の表裏面に交互に縫うように引っ掛ける。このとき、4つの電極53、53、53、53が一本のリード6で直列に接続され、リード6の両端は、一対の加熱ヘッド5、5の一方端側の切欠部51a、切欠部51aの絶縁基板51の裏面側から引き出された格好となっている。この状態で、電極53と同系の材料、例えばAg、AgPd、AgPdPt等の銀系厚膜電極ペースト54を塗布し、上記加熱ヘッド5の焼成温度850℃よりも少し低い温度、例えば約750℃にて焼成し、リード6を電極53に接合固定する。リード6の接続に少し低い温度で焼成できる材料を選ぶのは、加熱ヘッド5において850℃で焼成された材料の変化を防ぐためである。その後、両方の加熱ヘッド5の電極53、53間の絶縁基板51の裏面側においてリード6を切断することで、2つの加熱ヘッド5、5のそれぞれの発熱抵抗体52を直列に接続してリード6を引き出したものとし得る。なお、2つの加熱ヘッド5、5を異なる温度となるよう、また制御パターンを異ならせることができるように独立させて駆動できるようにしてもよい。

0034

また、本実施形態では、絶縁基板51の電極53、53の形成部に切欠部51a、51aを2つずつ設けるようにしたが、切欠部の形成数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。さらに、切欠部に代えて貫通孔(スルーホール)を1つ若しくは複数設けてもよいし、切欠部と貫通孔とを組み合わせて用いるようにしてもよい。つまり、切欠部や貫通孔を設けるのは、電極53とリード6との接続強度を向上させるために、接続面積を増やしたり、アンカー効果機械的係合が得られる対策をとることで、高温に加熱したり、2次元的又は3次元的に移動操作させた場合であっても接続不良が生じないようにしている。なかでも切欠部は、リード6を加熱ヘッド5に取付けやすく、接続作業を向上することができる。

0035

図3に、ヘッド本体1に加熱ヘッド5を取付けた状態を示す。加熱ヘッド5は、その裏面(絶縁基板51の裏面)側をヘッド本体1の融解部30の平面部32に、開口部31を覆うように、例えば銀系の厚膜ペースト(Agに例えばガラス、Cuが含有されたもの)を接合材料として塗布、焼成して、接合されている。同様に、平面部33にももう1つの加熱ヘッド5が接合されている。このとき、接合材料が開口部21に入り込み、アンカー効果が得られることで、加熱ヘッド5、5をヘッド本体1の融解部30に強固に接合して取付けることができる。

0036

2つの加熱ヘッド5、5のそれぞれは、同じ方向に偏心させて融解部30に結合されることで、加熱ヘッド5の側縁部を融解部30の一方側縁から突出させて取付けられている。つまり、加熱ヘッド5の切欠部51a、51a及びリード6が融解部30からはみ出した状態で取り付けられ、対向する一対の加熱ヘッド5、5から引き出されたリード6、6を融解部30の同じ側縁側から供給部10側に延出させることができる。

0037

本実施の形態では、加熱ヘッド5の幅(5mm)を、ヘッド本体1の融解部30の平面部32、33の幅(4mm)よりも僅かに広くし、加熱ヘッド5とリード6との接続部をヘッド本体1の融解部30の平面部32、33の一方側の側縁から外方へ飛び出させて、ヘッド本体1に加熱ヘッド5、5を接合させるようにしている。

0038

図4に吐出ヘッドにカバー部材60を取付けた一例を示す。例えばステンレス等からカバー部材60によって加熱ヘッド5、5を覆うようにする。カバー部材60と加熱ヘッド5、5との間には、固定部材61が充填されている。固定部材61としては、例えばセラミックファイバーを編んでテープ状にされた織物を用いることができ、この織物を加熱ヘッド5、5に巻き付け、例えばセメント状無機質接合用固化絶縁材料によって一部がカバー部材60の内面に固定されている。このとき、接合用固化絶縁材料を用いてリード6をより固定するようにするのがよい。

0039

また、本発明の吐出ヘッドを3D造形装置に取付ける際には、3D造形装置本体側に取付けられるアダプター70に設けられた開口に吐出ヘッド側の供給部10を挿し込み、横から、例えば押しネジ72を用いて固定することができる。なお、アダプター70には、供給部10の供給口11に連通する通路71が形成されており、通路71の入口の開口部は、フィラメントが挿通しやすいように、内部よりも大きな径の孔となっている。なお、本実施形態では、供給部10を押しねじ72を用いてアダプター70に取り付けるようにしているが、供給部10の外周にネジ溝を切って螺合によってアダプターに取付けることもできる。

0040

図5は、上記吐出ヘッドで発熱抵抗体52によって基板の温度測定もする場合の制御回路の一例を示すブロック図である。すなわち、この駆動回路直流又は交流電源81で駆動する例で、電源81としては、電池商用電源又は商用電源をトランスなどにより電圧印加時間を調整して、印加電力を調整する調整部82を介して発熱抵抗体52に接続されている。

0041

商用の交流電源81により供給される電圧は、電力の調整部82により調整され、所望の温度になるように調整される。その結果、直流電源が不要で、電源冷却ファンも不要になる。しかし、電池による直流電源が用いられてもよい。また、図示されていないが、パルスを印加するパルス駆動により加熱がされてもよい。その場合、電圧を変える以外にもデューティサイクルを変えたり、位相制御などで発熱に関する実行印加電力が調整され得る。

0042

その温度は、発熱抵抗体52を利用して、その抵抗値の変化によって検出することができる。発熱抵抗体52の抵抗値の変化は、図5に示されるように、発熱抵抗体52と直列にシャント抵抗83が接続され、その両端の電圧を測定することによって、電流の変化を検出できる。発熱抵抗体52に印加する電圧が一定のとき、電流の変化が分れば、抵抗値の変化を知ることができる。すなわち、発熱抵抗体52の抵抗値は温度によって変る温度特性を有している。そのため、その温度特性(温度係数)を予め検出しておくことによって、抵抗値が分れば、発熱抵抗体52、すなわち絶縁基板51の温度を知ることができる。この温度検出は、制御手段84によってなされる。この発熱抵抗体52の温度係数は材料によって定まり、前述したように、正の温度係数で、その絶対値ができるだけ大きい(例えば+3300ppm/℃)方が好ましい。また、シャント抵抗83は、発熱の影響を避けるため温度検知が可能な限り抵抗値の低い方がよい。また、できるだけ温度係数の小さい抵抗が好ましく、電流による発熱を避けるため、電流が小さくなるように設定される。この温度測定によって、発熱抵抗体52に印加される電圧が調整部82で調整されるように、制御手段84から制御信号が出される。このように、絶縁基板51の温度測定が発熱抵抗体52と共用されることによって、電極の端子を減らすことができ、図4のように、2本のリード6、6としてヘッド本体1の一方側から引き出すことができる。

0043

上述した実施形態の吐出ヘッドは、500℃の高温に迅速昇温可能で、しかも低消費電力において動作できることを確認している。また、耐熱温度が高いスーパーエンジニアリングプラスチックとして知られるPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)をフィラメントに用いて良好に造形できることも確認している。このとき、ヘッド本体1の断熱部20において効果的に熱伝導を抑制できており、供給部10において通路2がフィラメントの融解によって不具合が生じることはなく、ヘッド本体1と加熱ヘッド5、加熱ヘッド5とリード6との結合部、接続部において一切の不良も見られず、良好に動作することも確認している。

0044

また、上述の実施形態の吐出ヘッドは、全体として長さ32mm、幅5mmとされ、現存する吐出ヘッドに比べて格段に小型となっている。また、ヘッド本体1を64チタン合金で形成する場合には、小型と相俟って極めて軽量化されている。よって、本実施形態の吐出ヘッドを2次元又は3次元に移動させて造形を行うようにした場合であっても、駆動エネルギーの省力化ができる。また、小型であることから、複数の吐出ヘッドを取付治具(アダプター)等により、各々の吐出ヘッドの吐出口41を近接して配置して束ねることができるので、マルチノズルヘッドマルチノズルラインヘッドとして使用することもできる。これらマルチノズルヘッド又はマルチノズルラインヘッドを用いてマルチマテリアル高速造形用として好適に使用することもできる。

0045

また、本発明の吐出ヘッドは、高温加熱可能であることから、造形材料として固定融点金属類低融点カラス類にも使用することができる。

0046

さらに、上述の実施形態では、加熱部材として加熱ヘッド5を用いるようにしているので、小型化、軽量化を図ることができるとともに、加熱の低消費電力化を図ることができ、ヘッド本体1の供給部10と融解部30との間に設けた断熱部20と相俟って、高温対応、迅速昇温も可能となっている。また、実施の形態では、ヘッド本体1の融解部30の平面部32に加熱ヘッド5を1つ搭載するようにしているが、長さ方向に分割して複数の加熱ヘッドを搭載してもよく、これら複数の加熱ヘッドを異なる温度又は異なる昇降温パターンに加熱制御できるようにしてもよい。

0047

加えて、加熱ヘッド5の発熱抵抗体52の途中(中間)に電極を追加し、ここから別のリードを引き出すことで、2つの発熱抵抗体として別々に制御することもできるし、2つの加熱ヘッド5、5の発熱抵抗体52、52を並列に接続するようにリードを引き出して、加熱ヘッド5、5を別々に制御することもできる。

0048

また、ヘッド本体1の材料としてチタン合金(例えば、64チタン)及び加熱ヘッド5の絶縁基板51としてセラミック基板(例えば、アルミナジルコニア基板)を用いた場合には、チタン合金とセラミックとの熱膨張率が近いこともあって、造形動作による加熱、冷却のサイクルによる接合不良を効果的に防止することができる。また、アルミナジルコニア基板は、アルミナ基板に比して機械的強度が高いことから薄くでき、加熱ヘッドの小型軽量化をより一層図ることができる。

0049

しかも、ヘッド本体1と加熱ヘッド5とリード6との接合、接続を同金属系の厚膜ペースト(例えば、銀系ペースト)を用いて行うことができ、ヘッド本体1と加熱ヘッド5との接合、加熱ヘッド5の電極53とリード6との接続において良好とし得、加熱ヘッド5を高温に加熱した場合であっても、接合不良、接続不良を防止することができる。また、厚膜技術により加熱ヘッド5をヘッド本体1に接合することができるので、電子素子特性変化を防止することもできる。

0050

本発明では、ヘッド本体を一体形成(一体成形)とし、部品の接合箇所を少なくし、特にヘッド本体(チタン合金)と加熱ヘッド(セラミック)との接合部においては、ヘッド本体の金属の酸化物性質も加わり強固に耐熱接合できるので、一段と信頼性を向上することができる。

0051

また、本実施形態では、断熱部20に肉薄部と開口部とを形成するようにしたが、断熱部は、ヘッド本体1に用いる材料の熱電導率、その長さ、加熱ヘッド5による加熱温度(使用する造形材料の融点)等を加味して、適切な熱抵抗となる断面積になるよう、厚さや開口部のサイズ、数を決定することができる。

0052

1ヘッド本体
2通路
5加熱ヘッド
6リード
10 供給部
20断熱部
30融解部
40吐出部
60カバー部材
70 アダプター

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