図面 (/)

技術 生体組織分析装置および生体組織分析方法

出願人 株式会社レクザム
発明者 小出珠貴石田周太郎
出願日 2019年1月18日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-513095
公開日 2020年1月23日 (9ヶ月経過) 公開番号 WO2019-142896
状態 特許登録済
技術分野 蛍光または発光による材料の調査,分析 光学的手段による材料の調査、分析
主要キーワード JISC 測定用ユニット InGaAs素子 白色レーザー ブラックシリコン 選択域 広帯域フィルター 特定位
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年1月23日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、簡単な構成の装置で、簡単に生体組織の奥まで分析可能な生体組織分析装置および生体組織分析方法を提供することを目的とする。 本発明の生体組織分析装置は、例えば、光照射手段10、光分離手段20B、分光手段32を含み、光照射手段10により、光が眼球1に照射され、光分離手段20Bにより、前記光を照射された眼球1から出射する出射光が、眼球1の空間の位置に応じて分離され、分光手段32により、前記光を照射された眼球1から出射する出射光が、分光される。

概要

背景

光学的方法によって眼球等の生体組織非侵襲的に測定する装置については、従来から提案されている(例えば、特許文献1等)。

概要

本発明は、簡単な構成の装置で、簡単に生体組織の奥まで分析可能な生体組織分析装置および生体組織分析方法を提供することを目的とする。 本発明の生体組織分析装置は、例えば、光照射手段10、光分離手段20B、分光手段32を含み、光照射手段10により、光が眼球1に照射され、光分離手段20Bにより、前記光を照射された眼球1から出射する出射光が、眼球1の空間の位置に応じて分離され、分光手段32により、前記光を照射された眼球1から出射する出射光が、分光される。

目的

本発明は、簡単な構成の装置で、簡単に生体組織の奥まで分析可能な生体組織分析装置および生体組織分析方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

光照射手段、光分離手段、分光手段を含み、前記光照射手段により、光が生体組織照射され、前記光分離手段により、前記光を照射された前記生体組織から出射する出射光が、前記生体組織の空間の位置に応じて分離され、前記分光手段により、前記光が分光されて前記生体組織に照射されるか、または、前記分光手段により、前記光を照射された前記生体組織から出射する出射光が、分光され、コヒーレントアンチストークスラマン分光CARS)、自発ラマン散乱および光干渉断層撮影OCT)の少なくとも一つにより、前記生体組織の組織部構造分析される、生体組織分析装置

請求項2

さらに、撮像手段を含み、前記撮像手段により、前記分光された出射光が撮像され、撮像して得られた画像上の画素によって前記分光された出射光が二次元的または三次元的に分離される請求項1記載の生体組織分析装置。

請求項3

さらに、波長可変フィルターを含み、前記波長可変フィルターにより、前記光照射手段から照射された光が、選択された波長に固定されるか、または、前記波長可変フィルターにより、前記出射光が分光され、波長掃引型光干渉断層撮影(SS-OCT)により、前記生体組織の組織内部構造が分析される、請求項1または2記載の生体組織分析装置。

請求項4

さらに、干渉系または共焦点光学系を含み、前記光照射手段から照射された光の、選択された波長に応じて、前記干渉系または前記共焦点光学系の位置が調整される請求項1から3のいずれか一項に記載の生体組織分析装置。

請求項5

下記のAユニット及びBユニットの少なくとも一方のユニットを含む請求項1から4のいずれか一項に記載の生体組織分析装置。 (Aユニット)前記光分離手段および前記分光手段を含み、前記分光手段が、回折格子を含み、前記光分離手段により、前記出射光が二次元的に分離され、前記回折格子により、前記二次元的に分離された出射光が分光される、ユニット。(Bユニット)前記光分離手段および前記分光手段を含み、前記光分離手段が、撮像手段を含み、前記分光手段が、前記波長可変フィルターを含み、前記波長可変フィルターにより、前記出射光が分光され、前記撮像手段により、前記分光された出射光が撮像され、撮像して得られた画像上の画素によって前記分光された出射光が二次元的に分離される、ユニット。

請求項6

前記Aユニットが、コヒーレントアンチストークスラマン分光(CARS)および自発ラマン散乱の少なくとも一方の測定用ユニットであり、前記Bユニットが、光干渉断層撮影(OCT)用ユニットである、請求項5記載の生体組織分析装置。

請求項7

前記Aユニットにおいて、前記光分離手段が、マイクロレンズアレイまたはダイクロイックミラーを含む請求項5または6記載の生体組織分析装置。

請求項8

前記Aユニットを含む生体組織分析装置において、さらに、コヒーレントアンチストークスラマン分光(CARS)用光照射手段を含み、前記CARS用光照射手段により、広帯域光及びレーザー光混合光が生体組織に照射され、前記回折格子により、前記混合光が照射された生体組織からの出射光に含まれるラマン散乱光が分光される請求項5から7のいずれか一項に記載の生体組織分析装置。

請求項9

前記CARS用光照射手段が、波長選択フィルターを含み、前記波長選択フィルターにより、前記混合光が分光され、必要な波長の光のみが選択的に生体組織に照射される請求項8記載の生体組織分析装置。

請求項10

前記波長選択フィルターが、回折格子および波長選択マスクを含み、前記回折格子により、前記混合光が分光され、必要な波長の光のみが前記波長選択マスクを通過し、生体組織に照射される請求項9記載の生体組織分析装置。

請求項11

前記Aユニット及び前記Bユニットにおいて、前記分光手段が、さらに、狭帯域フィルターを含み、前記分光された出射光が前記狭帯域フィルターを通過する、請求項5から10のいずれか一項に記載の生体組織分析装置。

請求項12

前記Aユニットにおいて、前記光分離手段により、前記出射光が三次元的に分離され、前記回折格子により、前記三次元的に分離された出射光が分光される、請求項5から11のいずれか一項に記載の生体組織分析装置。

請求項13

前記Bユニットにおいて、前記撮像手段により、前記分光された出射光が撮像され、撮像して得られた画像上の画素によって前記分光された出射光が三次元的に分離される、請求項5から12のいずれか一項に記載の生体組織分析装置。

請求項14

前記Aユニットを含む生体組織分析装置において、さらに、自発ラマン散乱用光照射手段を含む請求項5から13のいずれか一項に記載の生体組織分析装置。

請求項15

前記Aユニットおよび前記Bユニットを含み、前記Aユニットおよび前記Bユニットが、前記光照射手段を共有する請求項5から14のいずれか一項に記載の生体組織分析装置。

請求項16

さらに、円偏光手段を含み、前記円偏光手段により、前記生体組織に入射する光が、円偏光される、請求項1から15のいずれか一項に記載の生体組織分析装置。

請求項17

さらに、円偏光分析手段を含み、前記円偏光分析手段により、前記生体組織の少なくとも一部における、左右の円偏光に対する吸光度の違いが検出される、請求項16記載の生体組織分析装置。

請求項18

さらに、直線偏光手段を含み、前記直線偏光手段により、前記光を照射された前記生体組織から出射する出射光が、直線偏光される、請求項1から17のいずれか一項に記載の生体組織分析装置。

請求項19

さらに、直線偏光分析手段を含み、前記直線偏光分析手段により前記直線偏光が分析されることで、前記生体組織の少なくとも一部における、左右の円偏光に対する屈折率の違いが検出される、請求項18記載の生体組織分析装置。

請求項20

さらに、前記光照射手段から照射された光の強度および偏光状態の少なくとも一方を空間制御することが可能な空間制御機構を含み、前記空間制御機構により、前記光照射手段から照射された光の強度および偏光状態の少なくとも一方が制御され、前記生体組織に照射される請求項1から19のいずれか一項に記載の生体組織分析装置。

請求項21

さらに、光フィルターを含み、前記光フィルターにより、前記分光された出射光が、選択された波長に固定され、前記固定された波長に対応する非線形光学効果が測定される、請求項1から20のいずれか一項に記載の生体組織分析装置。

請求項22

前記非線形光学効果が、第二高調波発生SHG)、第三高調波発生THG)、および二光子吸収蛍光TPF)からなる群から選択される少なくとも一つである請求項21記載の生体組織分析装置。

請求項23

前記生体組織が、眼球である請求項1から22のいずれか一項に記載の生体組織分析装置。

請求項24

生体組織に光を照射する照射工程と、前記照射された生体組織から出射する出射光を、前記生体組織の空間の位置に応じて分離する光分離工程と、前記生体組織に照射する前記光を、分光するか、または、前記照射された生体組織から出射する出射光を、分光する分光工程と、を含み、コヒーレントアンチストークスラマン分光(CARS)、自発ラマン散乱および光干渉断層撮影(OCT)の少なくとも一つにより、前記生体組織の組織内部構造を分析する、生体組織分析方法

請求項25

前記生体組織が、眼球である請求項24記載の生体組織分析方法。

技術分野

0001

本発明は、生体組織分析装置および生体組織分析方法に関する。

背景技術

0002

光学的方法によって眼球等の生体組織を非侵襲的に測定する装置については、従来から提案されている(例えば、特許文献1等)。

先行技術

0003

特開平5−261067号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、生体組織に照射する光の強度が弱いと、生体組織の奥まで分析することは困難である。一方、生体組織に照射する光の強度が強すぎると、生体組織の障害等を引き起こすおそれがある。このおそれは、特に、前記生体組織が眼球である場合等に顕著である。

0005

これを解決するための手段として、例えば、波長掃引型光干渉断層撮影(波長掃引型OCTまたはSS-OCT:Swept Source Optical Coherence Tomography)が考えられる。しかし、波長掃引型光干渉断層撮影には、波長可変のために複数の装置を用いなければならないため、装置の構成が複雑で、操作が煩雑になる。

0006

そこで、本発明は、簡単な構成の装置で、簡単に生体組織の奥まで分析可能な生体組織分析装置および生体組織分析方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

前記目的を達成するために、本発明の生体組織分析装置は、光照射手段、光分離手段、分光手段を含み、前記光照射手段により、光が生体組織に照射され、前記光分離手段により、前記光を照射された前記生体組織から出射する出射光が、前記生体組織の空間の位置に応じて分離され、前記分光手段により、前記光が分光されて前記生体組織に照射されるか、または、前記分光手段により、前記光を照射された前記生体組織から出射する出射光が、分光され、コヒーレントアンチストークスラマン分光CARS)、自発ラマン散乱および光干渉断層撮影(OCT)の少なくとも一つにより、前記生体組織の組織部構造が分析される。

0008

本発明の生体組織分析方法は、生体組織に光を照射する照射工程と、前記照射された生体組織から出射する出射光を、前記生体組織の空間の位置に応じて分離する光分離工程と、前記生体組織に照射する前記光を、分光するか、または、前記照射された生体組織から出射する出射光を、分光する分光工程と、を含み、コヒーレントアンチストークスラマン分光(CARS)、自発ラマン散乱および光干渉断層撮影(OCT)の少なくとも一つにより、前記生体組織の組織内部構造を分析する。

発明の効果

0009

本発明によれば、簡単な構成の装置で、簡単に生体組織の奥まで分析可能な生体組織分析装置および生体組織分析方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0010

図1は、本発明の生体組織分析装置の構成の一例を示す図である。
図2は、本発明の生体組織分析装置の構成の別の一例を示す図である。
図3は、本発明の生体組織分析装置の構成のさらに別の一例を示す図である。
図4は、本発明の生体組織分析装置の構成のさらに別の一例を示す図である。
図5は、本発明の生体組織分析装置の構成のさらに別の一例を示す図である。
図6は、本発明の生体組織分析装置の構成のさらに別の一例を示す図である。
図7は、本発明の生体組織分析装置の構成のさらに別の一例を示す図である。
図8は、本発明の生体組織分析装置の構成のさらに別の一例を示す図である。
図9は、本発明の生体組織分析装置の構成のさらに別の一例を示す図である。
図10は、本発明の生体組織分析装置の構成のさらに別の一例を示す図である。
図11は、本発明の生体組織分析装置の構成のさらに別の一例を示す図である。
図12は、波長選択フィルターの機能の一例を示すグラフである。
図13は、波長選択フィルターの構成の一例を示す図である。
図14は、波長を変化させた三次元分光分析概念を示す模式図である。
図15は、本発明の生体組織分析装置の構成のさらに別の一例を示す図である。
図16は、図15の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図17は、図15の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図18は、図15の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図19は、図15の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図20は、本発明の生体組織分析装置の構成のさらに別の一例を示す図である。
図21は、図20の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図22は、図20の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図23は、図20の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図24は、図20の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図25は、図20の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図26は、本発明の生体組織分析装置の構成のさらに別の一例を示す図である。
図27は、図26の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図28は、図26の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図29は、本発明の生体組織分析装置の構成のさらに別の一例を示す図である。
図30は、図29の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図31は、図29の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図32は、図29の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図33は、図29の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図34は、本発明の生体組織分析装置の構成のさらに別の一例を示す図である。
図35は、図34の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図36は、図34の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図37は、図34の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図38は、本発明の生体組織分析装置の構成のさらに別の一例を示す図である。
図39は、図38の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図40は、図38の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図41は、図38の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図42は、本発明の生体組織分析装置の構成のさらに別の一例を示す図である。
図43は、図42の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図44は、図42の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。
図45は、図42の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法の一例を示す図である。

実施例

0011

つぎに、本発明について、例を挙げて説明する。ただし、本発明は、以下の説明により、なんら限定されない。

0012

本発明において、前記生体組織に照射される光は、例えば、単色光でも、また、例えば、複数の波長の光を含む混合光であっても良く、例えば、広帯域光、単色光またはそれらの混合光であってもよい。前記単色光は、例えば、レーザー光であってもよい。前記レーザー光は、例えば、パルスレーザー光でもよいし、CW(連続発振)レーザー光でもよい。また、前記複数の波長の光を含む混合光は、例えば、広帯域光であってもよく、複数の単色光の混合光であってもよい。前記広帯域光は、例えば、白色光、またはスーパーコンティニューム(SC)光であってもよい。

0013

本発明の生体組織分析装置は、例えば、さらに、撮像手段を含み、前記撮像手段により、前記分光された出射光が撮像され、撮像して得られた画像上の画素によって前記分光された出射光が二次元的または三次元的に分離されてもよい。

0014

本発明の生体組織分析装置は、例えば、さらに、波長可変フィルターを含み、前記波長可変フィルターにより、前記光照射手段から照射された光が、選択された波長に固定されるか、または、前記波長可変フィルターにより、前記出射光が分光され、波長掃引型光干渉断層撮影(SS-OCT)により、前記生体組織の組織内部構造が分析されてもよい。

0015

本発明の生体組織分析装置は、例えば、さらに、干渉系または共焦点光学系を含み、前記光照射手段から照射された光の、選択された波長に応じて、前記干渉系または前記共焦点光学系の位置が調整されてもよい。例えば、下記Bユニットが、前記干渉系または前記共焦点光学系を含んでいてもよい。

0016

本発明の生体組織分析装置は、例えば、下記のAユニット及びBユニットの少なくとも一方のユニットを含んでいてもよい。

(Aユニット)
前記光分離手段および前記分光手段を含み、
前記分光手段が、回折格子を含み、
前記光分離手段により、前記出射光が二次元的に分離され、
前記回折格子により、前記二次元的に分離された出射光が分光される、
ユニット。
(Bユニット)
前記光分離手段および前記分光手段を含み、
前記光分離手段が、前記撮像手段を含み、
前記分光手段が、前記波長可変フィルターを含み、
前記波長可変フィルターにより、前記出射光が分光される、
ユニット。

0017

本発明の生体組織分析装置は、例えば、前記Aユニットが、コヒーレントアンチストークスラマン分光(CARS)および自発ラマン散乱の少なくとも一方の測定用ユニットであり、前記Bユニットが、光干渉断層撮影(OCT)用ユニットであってもよい。

0018

本発明の生体組織分析装置において、前記Aユニットにおける前記光分離手段は、例えば、マイクロレンズアレイまたはダイクロイックミラー多層光学機能反射鏡または二色鏡ともいう)を含んでいてもよい。

0019

本発明の生体組織分析装置は、例えば、さらに、波長可変フィルターを含み、前記波長可変フィルターにより、前記光照射手段から照射された光が、選択された波長に固定されてもよい。

0020

本発明の生体組織分析装置は、例えば、前記Aユニットを含む生体組織分析装置において、さらに、コヒーレントアンチストークスラマン分光(CARS)用光照射手段を含み、前記CARS用光照射手段により、広帯域光及びレーザー光の混合光が生体組織に照射され、前記回折格子により、前記混合光が照射された生体組織からの出射光に含まれるラマン散乱光が分光されてもよい。これにより、例えば、さらに感度が高い分析をすることができる。

0021

本発明の生体組織分析装置は、例えば、前記CARS用光照射手段が、波長選択フィルターを含み、前記波長選択フィルターにより、前記混合光が分光され、必要な波長の光のみが選択的に生体組織に照射されてもよい。また、例えば、前記波長選択フィルターが、回折格子および波長選択マスクを含み、前記回折格子により、前記混合光が分光され、必要な波長の光のみが前記波長選択マスクを通過し、生体組織に照射されてもよい。

0022

本発明の生体組織分析装置は、例えば、前記Aユニット及び前記Bユニットにおいて、前記分光手段が、さらに、狭帯域フィルターを含み、前記分光された出射光が前記狭帯域フィルターを通過してもよい。

0023

本発明の生体組織分析装置は、例えば、前記Aユニットにおいて、前記光分離手段により、前記出射光が三次元的に分離され、前記回折格子により、前記三次元的に分離された出射光が分光されてもよい。すなわち、前記Aユニットにおいては、前記光分離手段により、前記出射光が二次元的に分離されてもよいが、三次元的に分離されてもよい。

0024

本発明の生体組織分析装置は、例えば、前記Bユニットにおいて、前記撮像手段により、前記分光された出射光が撮像され、撮像して得られた画像上の画素によって前記分光された出射光が三次元的に分離されてもよい。すなわち、前記Bユニットにおいて、撮像して得られた画像上の画素によって前記分光された出射光が二次元的に分離されてもよいが、三次元的に分離されてもよい。

0025

本発明の生体組織分析装置は、例えば、前記Aユニットを含む生体組織分析装置において、さらに、自発ラマン散乱用光照射手段を含んでいてもよい。

0026

本発明の生体組織分析装置は、例えば、前記Aユニットおよび前記Bユニットを含み、前記Aユニットおよび前記Bユニットが、前記光照射手段を共有してもよい。

0027

本発明の生体組織分析装置は、例えば、さらに、円偏光手段を含み、前記円偏光手段により、前記生体組織に入射する光が、円偏光されてもよい。この場合、例えば、本発明の生体組織分析装置が、さらに、円偏光分析手段を含み、前記円偏光分析手段により、前記生体組織の少なくとも一部における、左右の円偏光に対する吸光度の違い(二色性)が検出されてもよい。

0028

本発明の生体組織分析装置は、例えば、さらに、直線偏光手段を含み、前記直線偏光手段により、前記広帯域光を照射された前記生体組織から出射する出射光が、直線偏光されてもよい。この場合、例えば、本発明の生体組織分析装置が、さらに、直線偏光分析手段を含み、前記直線偏光分析手段により前記直線偏光が分析されることで、前記生体組織の少なくとも一部における、左右の円偏光に対する屈折率の違い(旋光性)が検出されてもよい。

0029

本発明の生体組織分析装置は、例えば、さらに、前記光照射手段から照射された光の強度および偏光状態の少なくとも一方を空間制御することが可能な空間制御機構を含み、前記空間制御機構により、前記光照射手段から照射された光の強度および偏光状態の少なくとも一方が制御され、前記生体組織に照射されてもよい。

0030

本発明の生体組織分析装置は、例えば、さらに、光フィルターを含み、前記光フィルターにより、前記分光された出射光が、選択された波長に固定され、前記固定された波長に対応する非線形光学効果が測定されてもよい。また、この場合において、例えば、前記非線形光学効果が、第二高調波発生SHG)、第三高調波発生THG)、および二光子吸収蛍光TPF)からなる群から選択させる少なくとも一つであってもよい。

0031

本発明の生体組織分析装置および生体組織分析方法において、前記生体組織は、特に限定されないが、例えば、眼球であってもよい。この場合において、前記生体組織は、眼球の組織の少なくとも一つであってもよく、例えば、眼底網膜水晶体および角膜の少なくとも一つであってもよい。また、本発明において、前記生体組織は、皮膚または生体内器官の組織等であってもよい。前記生体内部器官の組織としては、消化器等の各器官の組織があげられ、特に限定されないが、例えば、胃壁組織腸壁組織、胆のうの組織、肝臓の組織、すい臓の組織、これら器官のがん組織等が挙げられる。また、前記生体組織としては、例えば、循環に関する器官の組織等が挙げられる。前記循環に関する器官としては、例えば、心臓、血管等が挙げられる。血管の組織としては、例えば、血管壁、血液等が挙げられる。また、本発明の生体組織分析装置および生体組織分析方法は、前記生体組織を生体内から取り出さずにそのまま分析してもよいし、前記生体組織を生体内から取り出して分析してもよい。

0032

本発明において、前記分光手段による分光は特に制限されず、例えば、前記出射光がラマン散乱光であれば、ラマン分光である。

0033

また、本発明において「分析」とは、特に断らない限り、定量分析(測定)でもよいし、定性分析でもよい。

0034

以下、本発明の具体的な実施形態について説明する。以下の実施形態1〜16においては、前記生体組織が眼球である場合について説明する。すなわち、以下の実施形態1〜16は、本発明の生体組織分析装置が眼球分析装置である場合と、それを用いた眼球分析方法とについて説明する。以下の実施形態1〜3は、前記Aユニットを含む眼球分析装置の例である。実施形態4〜7は、前記Bユニットを含む眼球分析装置の例である。実施形態8〜16は、前記Aユニットおよび前記Bユニットを両方含む眼球分析装置の例である。ただし、以下の実施形態は例示であり、本発明は、これにより、なんら限定されない。また、各図において、同一の特性を有する部材は同一の符号で示している。

0035

[実施形態1]
図1に、本発明の眼球分析装置の構成の一例を示す。同図は、前記Aユニットを含む眼球分析装置の一例である。図示のとおり、この眼球分析装置は、広帯域光を眼球に照射する光照射手段10と、Aユニット100Aとから構成されている。Aユニット100Aは、前記広帯域光を照射された眼球1から出射(射出)する出射光(射出光)を、眼球1の空間の位置に応じて分離する光分離手段20と、前記出射光を波長ごとに分光する分光手段31とを含む。また、Aユニット100Aは、さらに、レンズ41および撮像手段42を含む。

0036

光照射手段10は、光源10A、レンズ11a、レンズ11b、ビームスプリッタ12、レンズ13、波長可変フィルター14、波長選択フィルター15および干渉系により構成されている。光源10Aとしては、例えば、白色光源、スーパーコンティニューム(以下「SC」ということがある。)光源、またはLED(発光ダイオード)等を用いることができる。波長選択フィルター15は、例えば、NDフィルターニュートラルデンシティフィルター: Neutral Density Filter)でもよいし、狭帯域フィルター等でもよい。また、波長可変フィルター14および波長選択フィルター15は、光源10Aからの光を分光する分光手段に該当する。前記干渉系は、光照射手段10において、ビームスプリッタ12の近辺(図中の、符号19で示した領域)に配置されている。なお、前記干渉系に代えて、共焦点光学系を配置してもよい。また、本発明において、ビームスプリッタは、特に限定されないが、例えば、偏光分離能を有するビームスプリッタでもよいし、偏光分離能が必要ない場合は、偏光分離能を有しないハーフミラー等でもよい。

0037

光分離手段20は、マイクロレンズアレイ21、マスク(視野マスク)22およびレンズ23により構成されている。レンズ23は、例えば、テレセントリックレンズであってもよい。

0038

分光手段31は、回折格子である。分光手段(回折格子)31は、例えば、VPH(Volume Phase Holographic)グレーティングまたはグリズムであってもよい。

0039

レンズ41は、例えば、コリメータレンズであってもよい。図1において、撮像手段42は、光が像を表示する撮像素子の前面の部分を示している。撮像手段42は、例えば、一般的なカメラ、冷却CCD(Charge Coupled Device)カメラ、またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ、または赤外線に感度を有するカメラであってもよい。

0040

光源10Aから照射される広帯域光の光路には、前記広帯域光の照射側から順に、レンズ11a、波長可変フィルター14、波長選択フィルター(バンドパスフィルター)15、レンズ11bおよびビームスプリッタ12がこの順序で配置されている。また、眼球1から出射される出射光の光路には、前記出射光の出射側から順に、レンズ13、ビームスプリッタ12、マイクロレンズアレイ21、マスク22、レンズ23、回折格子31、レンズ41および撮像手段42が、この順序で配置されている。また、光源10Aから照射される広帯域光の照射方向と、眼球1から出射される出射光の出射方向とは、図1では互いに垂直であるが、角度は垂直に限定されず、任意である。

0041

図1の眼球分析装置は、例えば、以下のようにして使用することができる。まず、光照射手段10により、光が眼球1に照射される。具体的には、まず、光源10Aから広帯域光が照射される。前記広帯域光は、例えば、白色光、またはスーパーコンティニューム(SC)光であってもよい。光源10Aから照射された前記広帯域光は、レンズ11aによって平行光に変換され、波長可変フィルター14によって分光される。このとき、波長可変フィルター14により、光源10Aから照射された光を、選択された波長に固定することができる。さらに波長選択フィルター15によって特定の波長の光が選択的に透過され、前記選択的に透過された光がレンズ11bによって収束され、つぎに、ビームスプリッタ12によって反射され、さらに、レンズ13によって収束された後に、眼球1に照射される。また、領域19に配置された干渉系または共焦点光学系の位置は、光源10Aから照射された光の、波長可変フィルター14および波長選択フィルター15によって選択された波長に応じて調整される。なお、眼球1の眼底に光が照射される場合は、前記光が眼底よりも下層にも届くことにより、後述するように、眼底および眼底よりも下層の間の空間の状態を分析可能である。本発明により分析可能な眼底および眼底よりも下層の間の空間の部位としては、例えば、後述するように、眼底、網膜、前記眼底および眼底よりも下層の間の空間の断層、前記空間に存在する血管等が挙げられる。また、本実施例および後述する他の実施例では、主に、眼球1に照射される光が広帯域光である場合について説明する。しかし、本発明において、眼球に照射される光(例えば、光源10Aから出射される光)は、前述のとおり、広帯域光に限定されない。

0042

つぎに、眼球1に照射された前記広帯域光の少なくとも一部が、眼球1による反射、蛍光もしくは散乱等で、眼球1から出射される。眼球1から出射された出射光は、レンズ13によって収束され、ビームスプリッタ12を透過する。

0043

ビームスプリッタ12を透過した前記出射光は、Aユニット100Aにより、以下のように処理される。すなわち、まず、前記出射光は、光分離手段20のマイクロレンズアレイ21に入射し、二次元的に分離され、その後、マスク22を透過することで、眼球1の空間の位置に応じて分離され、さらに、レンズ23によりコリメートされる。二次元的に分離されてレンズ23を透過した前記出射光は、分光手段(回折格子)31により波長ごとに分光される。なお、同図では、前記出射光が、回折格子31により、各単色光に分離される例を示している。そして、回折格子31により分光された光は、レンズ41によって収束され、撮像手段42に照射される。これにより、撮像手段42に画像が形成される。その画像を、例えば、スペクトル解析手段(図示せず)に供し、各視野分光スペクトル解析する。

0044

本発明の生体組織分析装置によれば、例えば、波長掃引型光干渉断層撮影(波長掃引型OCTまたはSS-OCT:Swept Source Optical Coherence Tomography。以下「SS-OCT」という。)を用いて分析することができる。これにより、生体組織に照射する光の強度が弱くても、生体組織の組織の奥まで分析可能である。具体的には、例えば、生体組織の表面を分析する場合は短い波長で、生体組織の奥(内部)を分析する場合は長い波長で、と使い分けることにより、生体組織に照射する光の強度が弱くても、生体組織の組織の奥まで分析可能である。また、本発明の生体組織分析装置によれば、SS-OCTにより、生体組織の奥行き方向の内部構造を分析可能であり、例えば、生体組織の表面から奥までを、波長可変で分析できる。これにより、例えば、生体組織の状態の微細な変化も検出可能である。

0045

ただし、本発明の生体組織分析装置による測定方法は、SS-OCTのみに限定されず、前述のとおり、コヒーレントアンチストークスラマン分光(CARS)、自発ラマン散乱および光干渉断層撮影(OCT)の少なくとも一つにより分析可能である。例えば、Aユニットを有することでコヒーレントアンチストークスラマン分光(CARS)測定が可能であり、Bユニットを有することで自発ラマン散乱および光干渉断層撮影(OCT)の一方または両方を測定可能であるが、これには限定されない。なお、SS-OCTはOCTの一種である。

0046

また、前述のとおり、従来は、波長掃引型光干渉断層撮影には、波長可変のために複数の装置を用いなければならないため、装置の構成が複雑で、操作が煩雑であった。これに対し、本発明によれば、簡単な構成の装置で、簡単に生体組織の奥まで分析可能である。

0047

また、図1の眼球分析装置によれば、分光手段(回折格子)31により波長ごとに分光した異なる波長の光を、同時に撮像手段42に照射して画像を形成する。これにより、分析の時間同時性が確保できる。また、例えば、分析の視野(分析対象となる眼球1の空間の範囲)を広げるために、スキャン機構(図示せず)によりスキャンを行いながら眼球1を分析してもよい。このように、Aユニットを含む眼球分析装置は、分析の時間同時性が確保できるという利点がある。また、Aユニットは、異なる波長の光を同時に分析できるため、例えば、複数の波長の情報をプローブとした分析に有用である。ただし、Aユニットを含む眼球分析装置の用途はこれに限定されず、例えば、赤外光を用いた分析等にも使用できる。

0048

なお、分光手段として、回折格子31に代えて、例えば、プリズム等を用い、前記出射光を波長ごとに分光してもよい。また、例えば、回折格子31に代えて、波長フィルターを用い、前記出射光から特定の光の波長のみを取り出すようにしてもよい。また、光分離手段20は、例えば、さらに、イメージスライサースリットアパーチャーダイヤフラム)、ファイバーバンドル等の少なくとも一つを含んでいてもよい。また、本実施例では、光分離手段がマイクロレンズアレイを含む例を示したが、前述のとおり、本発明におけるAユニットはこれに限定されない。例えば、Aユニット100Aにおいて、光分離手段20は、マイクロレンズアレイ21に加え、または、これに代えてダイクロイックミラーを含んでいてもよい。以下の各実施形態のAユニットにおいても同様である。

0049

[実施形態2]
図2に、本発明の眼球分析装置の構成の別の一例を示す。図1の装置は、分光手段が回折格子31のみにより構成されていたが、図2の装置は、図示のとおり、さらに狭帯域フィルター33を含み、回折格子31および狭帯域フィルター33により分光手段30が構成されている。なお、狭帯域フィルター33は、狭帯域フィルターに代えて、オーダーカットフィルターであってもよい。また、狭帯域フィルター33は、図2では、回折格子31とレンズ41との間に配置されている。ただし、狭帯域フィルター33の位置は、これに限定されず、例えば、レンズ23と回折格子31との間に配置されていても、同様の効果を得ることができる。回折格子31を透過した前記出射光は、必要な波長帯域の光のみが選択的に狭帯域フィルター33を透過し、レンズ41に照射される。これら以外は、図2の眼球分析装置は、図1の眼球分析装置と同じである。狭帯域フィルター33によって、必要のない波長帯の光をカットできるので、例えば、撮像手段42の画像形成面(検出器面)を有効に用いることができる。より具体的には、例えば、前記画像形成面(検出器面)において、分光スペクトルを映さない部分を、眼球内測定視野の拡大に充てることができる。これにより、本実施形態は、特に、波長分解能が高い(波長またはそれに関する、より詳細な情報を分析する)スペクトルの場合に有効である。

0050

[実施形態3]
図3に、本発明の眼球分析装置の構成のさらに別の一例を示す。図示のとおり、この眼球分析装置は、光照射手段10において、レンズ11とビームスプリッタ12との間に、偏光板61が配置されている。偏光板61は、例えば、光軸を軸として回転可能であってもよい。また、Aユニット100Aにおいて、レンズ23と分光手段(回折格子)31との間に、1/2波長板26および偏光板27が、光出射側から前記順序で配置されている。なお、偏光板27は、例えば、偏光板に代えて偏光ビームスプリッタであってもよい。これら以外は、図3の眼球分析装置は、図1の眼球分析装置と同じである。

0051

図3の眼球分析装置は、例えば、以下のようにして使用することができる。まず、図1と同様、光源10Aから広帯域光を照射させる。前記広帯域光は、例えば、白色光、またはスーパーコンティニューム(SC)光であってもよい。光源10Aから照射された前記広帯域光は、レンズ11aによって平行光に変換され、波長可変フィルター14によって分光される。このとき、波長可変フィルター14により、光源10Aから照射された光を、選択された波長に固定することができる。さらに波長選択フィルター15によって特定の波長の光が選択的に透過され、前記選択的に透過された光がレンズ11bによって収束され、つぎに、偏光板61によって直線偏光にされる。偏光された前記広帯域光は、ビームスプリッタ12、レンズ13によって図1と同様に処理されて眼球1に照射され、さらに、その少なくとも一部が、眼球1からの出射光となってレンズ13およびビームスプリッタ12を通過する。

0052

ビームスプリッタ12を透過した前記出射光は、Aユニット100Aにより、以下のように処理される。すなわち、まず、前記出射光は、光分離手段20のマイクロレンズアレイ21、マスク22およびレンズ23によって、図1と同様に処理され、眼球1の空間の位置に応じて分離される。つぎに、レンズ23を透過した前記出射光は、1/2波長板26に入射する。1/2波長板26は、回転させることが可能であり、これにより、前記出射光の直線偏光の方位を変えることができる。1/2波長板26を透過した前記出射光は、偏光板27により、特定の方向の直線偏光が選択的に出射され、その後、分光手段(回折格子31)により波長ごとに分光される。分光手段(回折格子31)により波長ごとに分光された光は、レンズ41、撮像手段42および任意にスペクトル解析手段(図示せず)により、図1と同様に処理される。このとき、前記スペクトル解析手段によって異なる方向の直線偏光の分光スペクトルを比較することにより、眼球1の少なくとも一部における、左右の円偏光に対する屈折率の違い(旋光性)が検出されてもよい。

0053

なお、本発明において、偏光板の配置および使用方法は、図3の例に限定されない。例えば、本発明の眼球分析装置により得られたデータをラマン分光法により分析する場合、ラマン散乱によって生じる特定の方位の直線偏光だけを通すフィルターを使えば、眼球内の分子から発せられるルミネッセンス光などのバックグラウンド光(直線偏光を持たない光、無偏光)を抑えることができる。具体的には、例えば、光源10Aから照射された広帯域光または眼球1からの出射光がバックグラウンド光を含む場合、ビームスプリッタ12とマイクロレンズアレイ21との間(マイクロレンズアレイ21の光入射側)等に直線偏光板(直線偏光手段)を配置して偏光フィルターとする。これにより、バックグラウンド光を透過させず、ラマン散乱に必要な直線偏光だけを透過させて用いることができる。

0054

また、例えば、直線偏光板に代えて、円偏光板を用い、眼球1に入射する光または眼球1から出射(射出)される光を円偏光してもよい。円偏光板を用いた場合は、例えば1/2波長板26を回転可能な1/4波長板に置き換えるか、または、1/2波長板26の光入射側または光出射側に隣接して、回転可能な1/4波長板を用いてもよい。円偏光板(円偏光手段)61は、例えば、透過させる円偏光の回転方向の左右を切り替え可能であってもよい。また、前記1/4波長板により、円偏光を直線偏光に変換することができる。また、1/2波長板26により、直線偏光の方位または円偏光の回転方向を変えることができる。このようにすれば、例えば、眼球1の少なくとも一部における、左右の円偏光に対する吸光度の違いを検出することができる。これにより、例えば、眼球1中の光学異性体の検出を行うことができる。前記光学異性体としては、例えば、アミノ酸又はアミノ酸残基のL体とD体が挙げられる。

0055

[実施形態4]
図4に、本発明の眼球分析装置の構成のさらに別の一例を示す。同図は、前記Bユニットを含む眼球分析装置の一例である。図示のとおり、この眼球分析装置は、広帯域光を眼球に照射する光照射手段10と、Bユニット100Bとから構成されている。

0056

光照射手段10は、光源10A、レンズ11、ビームスプリッタ12およびレンズ13により構成されている。光源10Aとしては、例えば、図1(実施形態1)と同様に、白色光源、SC光源、またはLED(発光ダイオード)等を用いることができる。ビームスプリッタ12も、例えば、図1(実施形態1)と同様でよい。Bユニット100Bは、前記広帯域光を照射された眼球1から出射する出射光を、眼球1の空間の位置に応じて分離する光分離手段(撮像手段)20Bと、前記出射光を波長ごとに分光する分光手段(波長可変フィルター)32とを含む。また、Bユニット100Bは、さらに、レンズ25および41を含む。Bユニット100Bの構成要素は、図示のとおり、眼球1からの出射光の出射側から、レンズ25、分光手段(波長可変フィルター)32、レンズ41、光分離手段(撮像手段)20Bの順序で配置されている。

0057

また、図4の眼球分析装置は、分光手段として、図1〜3の回折格子31に代えて、前述のとおり、波長可変フィルター32を有する。波長可変フィルター(チューナブルフィルター)32は、例えば、ファブリペローエタロン等であってもよい。

0058

図4の眼球分析装置において、レンズ41は、例えば、コリメータレンズであってもよい。

0059

撮像手段20Bは、例えば、光が像を表示する撮像素子を含んでも良く、その撮像素子の前面に画像が形成されてもよい。撮像手段20Bは、実施形態1(図1〜3)の撮像手段42と同様、例えば、カメラであっても良く、その撮像面に画像が形成されてもよい。図4において、撮像手段20Bの画像形成面は、例えば、カメラレンズ、または赤外線カメラ(例えば、波長1.2μm以下の場合はブラックシリコン素子、波長0.7〜1.8μmの場合はInGaAs素子やHgCdTe素子、波長1〜5μmの場合はInSb素子またはHgCdTe)の撮像面であってもよい。

0060

図4の眼球分析装置は、例えば、以下のようにして使用することができる。まず、光源10Aから広帯域光が照射される。前記広帯域光は、実施形態1と同様に、例えば、白色光、またはスーパーコンティニューム(SC)光であっても良い。光源10Aから照射された前記広帯域光は、レンズ11によって収束され、つぎに、ビームスプリッタ12によって反射され、さらに、レンズ13によって収束された後に、眼球1に照射される。

0061

つぎに、ビームスプリッタ12を透過した前記出射光により、レンズ25の光入射側の像面24に、眼球1の少なくとも一部の画像(例えば眼底像)が結像される。さらに、前記出射光は、像面24からレンズ25に入射し、レンズ25によりコリメートされた後に、波長可変フィルター32により分光され、特定波長の単色光が取り出される。取り出された単色光は、レンズ41によって収束され、撮像手段20Bに照射される。そして、撮像手段20Bにより、前記分光された出射光が撮像され、撮像して得られた画像上の画素によって前記分光された出射光が二次元的に分離される。このようにして、光分離手段20により、眼球1から出射する出射光を、眼球1の空間の位置に応じて二次元的に分離することができる。その画像を、例えば、スペクトル解析手段(図示せず)に供し、各視野の分光スペクトルを解析する。これにより、眼球1の状態の微細な変化も検出可能である。また、波長可変フィルター32により取り出される単色光の波長を変更することで、異なる波長の光による分析が可能である。

0062

図4のようにBユニットを含む眼球分析装置によれば、例えば、空間分解能が高いという利点を有する。このため、Bユニットを含む眼球分析装置は、例えば、赤外光を用いた分析に有用である。ただし、Bユニットを含む眼球分析装置の用途はこれに限定されず、例えば、可視光を用いた分析等にも使用できる。また、例えば、実施形態1〜3(図1〜3)の装置と同様、必要に応じ、スキャン機構(図示せず)を用いてスキャンすることにより、分析の視野を広げてもよい。

0063

[実施形態5]
図5に、本発明の眼球分析装置の構成のさらに別の一例を示す。図4の装置は、分光手段が波長可変フィルター32のみにより構成されていたが、図5の装置は、図示のとおり、さらに狭帯域フィルター33を含み、波長可変フィルター32および狭帯域フィルター33により分光手段30が構成される。なお、狭帯域フィルター33は、狭帯域フィルターに代えて、他の任意のフィルターでも良く、例えば、広帯域フィルターでもよいし、オーダーカットフィルターでもよい。また、狭帯域フィルター33は、図5では波長可変フィルター32とレンズ41との間に配置されている。波長可変フィルター32を透過した前記出射光は、必要な波長帯域の光のみが選択的に狭帯域フィルター33を透過し、レンズ41に照射される。これら以外は、図5の眼球分析装置は、図4の眼球分析装置と同じである。また、狭帯域フィルター33の配置位置は、図5の位置に限定されず、例えば、波長可変フィルター23を透過した前記出射光を狭帯域フィルター33に入射させることができれば良く、具体的には、レンズ41と撮像手段20Bとの間等でもよい。狭帯域フィルター33により、波長可変フィルター23を透過した前記出射光に含まれる不要な波長帯域の光(検出対象の波長とは異なる波長の光、または他の次数の光)を遮断(カット)し、前記のとおり、必要な波長帯域の光のみを選択的に透過させることができる。

0064

[実施形態6]
図6に、本発明の眼球分析装置の構成のさらに別の一例を示す。図示のとおり、この眼球分析装置は、光照射手段10において、レンズ11とビームスプリッタ12との間に、偏光板61が配置されている。また、Bユニット100Bにおいて、レンズ25と波長可変フィルター32との間に、1/2波長板26および偏光板27が、光出射側から前記順序で配置されている。なお、偏光板27は、図3と同様、例えば、偏光板に代えて偏光ビームスプリッタであってもよい。これら以外は、図6の眼球分析装置は、図4の眼球分析装置と同じである。また、図6の眼球分析装置は、Aユニット100Aに代えてBユニット100Bを有すること以外は、図3の眼球分析装置と同じである。

0065

図6の眼球分析装置は、例えば、以下のようにして使用することができる。まず、光源10Aから出射された広帯域光が眼球1に照射され、さらに眼球1からの出射光となってビームスプリッタ12を通過するまでは、図3と同じである。ビームスプリッタ12を透過した前記出射光は、Bユニット100Bにより、以下のように処理される。すなわち、まず、前記出射光は、光分離手段20の像面24およびレンズ25によって、図4と同様に処理され、眼球1の空間の位置に応じて分離される。つぎに、レンズ25を透過した前記出射光は、1/2波長板26に入射する。1/2波長板26は、回転させることが可能であり、これにより、前記出射光の直線偏光の方位を変えることができる。1/2波長板26を透過した前記出射光は、偏光板27により、一方向の直線偏光が選択的に出射され、その後、波長可変フィルター32により、波長ごとに分離され、特定波長の単色光が取り出される。取り出された単色光は、レンズ41、撮像手段20Bおよび任意にスペクトル解析手段(図示せず)により、図4と同様に処理される。

0066

図6の眼球分析装置は、例えば、図3と同様に、直線偏光だけを通すフィルターを用いてラマン分光法等に用いることも出来るし、直線偏光板に代えて円偏光板を用い、眼球1中の光学異性体の検出等に用いてもよい。

0067

[実施形態7]
図7に、本発明の眼球分析装置のさらに別の構成の一例を示す。図示のとおり、この眼球分析装置は、光照射手段10が、レンズ11に代えて、レンズ11a、波長可変フィルター14、波長選択フィルター15、レンズ11bおよび干渉系(干渉系が配置される領域19)を有すること以外は、図4(実施形態4)の眼球分析装置と同じである。レンズ11a、波長可変フィルター14、波長選択フィルター15およびレンズ11bは、光源10Aから照射される広帯域光の光路に、前記広帯域光の照射側から前記順序で配置されている。なお、前記干渉系に代えて、共焦点光学系を配置してもよい。すなわち、図7の眼球分析装置における光照射手段10の構成は、図1(実施形態1)の眼球分析装置における光照射手段1と同じである。

0068

図7の眼球分析装置は、例えば、以下のようにして使用することができる。まず、光照射手段10により、光が眼球1に照射される。つぎに、眼球1に照射された前記広帯域光の少なくとも一部が、眼球1による反射、蛍光もしくは散乱等で、眼球1から出射される。眼球1から出射された出射光は、レンズ13によって収束され、ビームスプリッタ12を透過する。ここまでは、図1(実施形態1)の眼球分析装置と同様である。さらに、ビームスプリッタ12を透過した前記出射光を、Bユニット100Bにより、図4(実施形態4)の眼球分析装置と同様にして処理することができる。

0069

また、図7の眼球分析装置の変形例として、図8および図9の眼球分析装置を示す。図8の眼球分析装置は、光照射手段10が、レンズ11に代えて、レンズ11a、波長可変フィルター14、波長選択フィルター15およびレンズ11bを有すること以外は、図5(実施形態5)の眼球分析装置と同じである。レンズ11a、波長可変フィルター14、波長選択フィルター15およびレンズ11bは、光源10Aから照射される広帯域光の光路に、前記広帯域光の照射側から前記順序で配置されている。図9の眼球分析装置は、光照射手段10が、レンズ11に代えて、レンズ11a、波長可変フィルター14、波長選択フィルター15およびレンズ11bを有すること以外は、図6(実施形態6)の眼球分析装置と同じである。レンズ11a、波長可変フィルター14、波長選択フィルター15およびレンズ11bは、光源10Aから照射される広帯域光の光路に、前記広帯域光の照射側から前記順序で配置されている。

0070

図7〜9の眼球分析装置は、いずれも、図4〜6(実施形態4〜6)と同様に、Bユニットを含む例である。Bユニットを含むことで、前述のとおり、例えば、空間分解能が高いという利点を有する。なお、図7〜9において、波長可変フィルター14および波長選択フィルター15は、例えば、図1(実施形態1)の波長可変フィルター14および波長選択フィルター15と同様でもよい。

0071

[実施形態8]
図10に、本発明の眼球分析装置のさらに別の構成の一例を示す。図示のとおり、この装置は、光照射手段10、Aユニット200AおよびBユニット200Bにより構成されている。光照射手段10は、光源を2つ含む。また、AユニットおよびBユニットは、実施形態1〜7(図1〜9)と同様、光分離手段および分光手段を含む。

0072

光照射手段10は、2つの光源10Aおよび10Bと、反射鏡71およびレンズ72と、ビームスプリッタ73、74および75と、波長可変フィルター14と、フィルター15により構成されている。光源10Aおよび10Bは、特に限定されないが、例えば、実施形態1〜6(図1〜6)の光源10Aと同様でもよい。反射鏡71は、例えば、ガルバノミラーであってもよい。反射鏡71は、回転により光の反射方向変化させることができる。また、波長可変フィルター14および波長選択フィルター15は、例えば、図1(実施形態1)の波長可変フィルター14および波長選択フィルター15と同様でもよい。

0073

光源10Aから照射される広帯域光の光路には、前記広帯域光の照射側から順に、レンズ72およびビームスプリッタ73が、この順序で配置され、光源10A、レンズ72およびビームスプリッタ73により、照射ユニット300Aが構成されている。なお、照射ユニット300Aを透過する広帯域光の照射方向は、図10では、Aユニット200AおよびBユニット200Bをそれぞれ透過する光の透過方向に対し垂直であるが、角度は特に限定されず、垂直でなくてもよい。そして、ビームスプリッタ73は、Aユニット200Aにおけるレンズ77の光入射側に配置されている。また、照射ユニット300Aの光出射側には、ビームスプリッタ75が配置されている。ビームスプリッタ75は、Bユニット200Bにおけるレンズ76の光入射側に配置されている。

0074

光源10Bの光出射側には、反射鏡71が配置されている。光源10Bからの光は、後述するように、反射鏡71により反射される。その反射光の光路には、波長可変フィルター14および波長選択フィルター15が、前記順序で配置されている。また、眼球1から出射される出射光の光路には、前記出射光の出射側から順に、ビームスプリッタ74、ビームスプリッタ75、およびAユニット200Aが配置されている。

0075

Aユニット200Aは、マイクロレンズアレイ21の光入射側にレンズ76が配置されていること以外は、図2の装置のAユニット100Aと同じである。Bユニット200Bは、像面24の光入射側にレンズ77が配置されていること以外は、図5のBユニット100Bと同じである。なお、Aユニット200AおよびBユニット200Bをそれぞれ透過する光の透過方向は、図10では互いに平行であるが、角度は特に平行に限定されず、任意である。

0076

図10の眼球分析装置は、例えば、以下のようにして使用することができる。まず、光源10Aから広帯域光を照射させる。光源10Aから照射された広帯域光は、レンズ72およびビームスプリッタ73をこの順序で透過した後、ビームスプリッタ75で反射され、ビームスプリッタ74を透過して眼球1に照射される。眼球1に照射された前記広帯域光の少なくとも一部は、眼球1による反射、蛍光もしくは散乱等で、眼球1から出射される。眼球1から出射された出射光は、ビームスプリッタ74を透過する。ビームスプリッタ74を透過した前記出射光の一部は、ビームスプリッタ75を透過し、Aユニット200Aのレンズ76によって収束される。レンズ76を透過した光は、Aユニット200Aによって、図2のAユニット100Aと同様に処理される。Aユニット200Aの撮像手段42に形成された画像は、例えば、スペクトル解析手段(図示せず)に供され、各視野の分光スペクトルが解析される。

0077

また、ビームスプリッタ74を透過した前記出射光の一部は、ビームスプリッタ75により反射され、さらにビームスプリッタ73により反射され、Bユニット200Bのレンズ77によって収束される。レンズ77を透過した光は、Bユニット200Bによって、図5のBユニット100Bと同様に処理される。Bユニット200Bの撮像手段20Bに形成された画像は、例えば、スペクトル解析手段(図示せず)に供され、各視野の分光スペクトルが解析される。

0078

また、図10の眼球分析装置は、例えば、以下のようにしても使用することができる。まず、光源10Bから広帯域光を照射させる。光源10Bから照射された広帯域光は、反射鏡71により反射され、波長可変フィルター14によって分光され、さらに波長選択フィルター15によって特定の波長の光が選択的に透過され、前記選択的に透過された光がビームスプリッタ74により反射されて眼球1に照射される。反射鏡71は、前記のとおり、回転により光の反射方向を変化させることが可能であり、これにより、眼球1内をスキャンして分析視野を拡大することができる。眼球1に照射された前記広帯域光の少なくとも一部は、眼球1による反射等で、眼球1から出射される。眼球1から出射された出射光は、ビームスプリッタ74を透過し、その後、ビームスプリッタ75を透過し、または反射され、光源10Aからの光と同様に、Aユニット200AおよびBユニット100Bで処理される。

0079

図10の装置によれば、例えば、2つの光源(光照射手段)10Aおよび10Bを、目的に応じて適宜切り替えて、または2つを同時に用いることができる。例えば、2つの光源の一方が可視光を照射する光源で、他方が赤外光を照射する光源でもよい。また、例えば、Aユニット200AおよびBユニット200Bを、目的に応じて適宜切り替えて、または2つを同時に用いることができる。

0080

また、図10の装置の構成は、他にも適宜変更が可能である。例えば、図3または6の装置と同様に、偏光板を用いてもよい。

0081

[実施形態9]
図11に、本発明の眼球分析装置のさらに別の構成の一例を示す。この装置は、図10の光源10Bに代えて照射ユニット(レーザーユニット)300Bを有すること以外は、図10と同じである。レーザーユニット300Bは、コヒーレントアンチストークスラマン分光(CARS)用光照射手段である。レーザーユニット300Bは、光照射手段(光源)10Cおよび10Dと、光路長調整ユニット101と、リレーレンズ102とにより構成される。光路長調整ユニット101は、例えば、光を反射可能なミラー等から構成されており、光源10Dから照射された広帯域光(ストークス光)を反射する。そして、光路長調整ユニット101が、図中の矢印に示すとおり、光源10Dからの前記広帯域光の照射方向に沿って前後に移動することで、前記広帯域光の光路長を調整できる。これによって、光路長調整ユニット101は、例えば、後述する、広帯域光と超短パルスレーザーポンプ光およびプローブ光)の眼球への入射タイミングを合わせる役割を果たす。

0082

光源10Dは、例えば、スーパーコンティニューム光(SC)を発する光源である。光源10Cは、レーザー光(単色パルス光)を照射する。前記レーザー光は、例えばフェムト秒またはピコ秒レーザーを種光とし、光源10Dから照射されるスーパーコンティニューム光の励起光の役割を果たす。また、前記レーザー光は、例えば、可視光または赤外線の超短パルスレーザーである。

0083

また、図11の装置において、光源10Aが、白色光源であり、照射ユニット300Aが、前記白色光源を含む白色光源ユニットであってもよい。光源10Aは、例えば、ハロゲン光源または黒体波長域による)であってもよい。レンズ72は、例えば、拡散板コンデンサーレンズ、コリメータレンズ等であってもよい。

0084

図11の眼球分析装置は、例えば、以下のようにして使用することができる。まず、光源10Cおよび10Dから光を照射させる。光源10Dから照射されたスーパーコンティニューム光は、光路長調整ユニット101により光路長が調整される。光源10Cから照射されたレーザー光は、リレーレンズ102により反射される。これにより、前記スーパーコンティニューム光(広帯域光)および前記レーザー光の光路が重なって混合光となる。前記混合光は、反射鏡71により反射され、図10の装置と同様の経路により、眼球1に照射され、眼球1から射出されたアンチストークスラマン散乱光がさらにAユニット200AおよびBユニット200Bに入射する。Bユニット200Bでは、回折格子32により、眼球1からの出射光が分光される。これら以外は、図11の眼球分析装置は、図10の装置と同様にして使用できる。例えば、光源10Cおよび10Dに加え、またはそれに代えて、光源10Aから広帯域光を照射させて、図10の装置と同様に使用することができる。

0085

図11の装置によれば、前記のとおり、光源10Dによるスーパーコンティニューム光(SC)と光源10Cによるレーザー光(単色パルス光)との混合光を眼球1に照射し、眼球内で生成されたアンチストークスラマン散乱光を回折格子32により分光する。一般に、アンチストークスラマン光は通常のラマン散乱光にくらべて非常に強度が高く、かつポンプ光によって発生するルミネッセンス光の影響を受けないので、これによりさらに感度が高い分析をすることができる。

0086

図11の装置によれば、例えば、レーザーユニット300BおよびBユニット200Bを用いてCARSを行うことで、例えば、眼内における白内障空間分布情報を取得し、白内障マッピングができる。これにより、例えば、進行が進んでいない状態においても白内障が検知できる。また、前記CARSを行うことで、例えば、眼底断層の3次元マッピング(眼底写真+深さ)を行うことができる。このためには、ラマン散乱光としては解像度が高いことが好ましい。また、透過力の高い近赤外線光(波長1000〜1550nm)を用いることが好ましい。ただし、これらの用途は例示であり、図11の装置の用途は、これらに限定されない。また、この装置の構成も、特に限定されない。例えば、図5の装置(Bユニットを含みAユニットを含まない)の光源10をレーザーユニット300Bに変えた装置を、図11の装置と同様の用途に用いることも出来る。なお、本発明において「眼底断層」は、眼底および眼底よりも下層の間の空間の断層を含む。

0087

なお、図11の装置において、ストークス光(眼球1に照射される広帯域光のうち、プローブとなる眼球中の分子の励起に関わる光)の波長は、特に限定されないが、例えば、1000〜1550nmである。網膜、眼底等を分析する場合は、眼球中の水の吸収帯等を考慮して、分析対象部位まで光を届きやすくする観点から、波長が1400nmを超えないことが好ましい。また、ポンプ光(光源10Cから出射されるレーザー光)の波長も特に限定されないが、例えば、700nm以上である。光源10Cの出力も特に限定されないが、例えば、光源10Cからの光の放出持続時間が10秒の場合、15.6mW以下である。

0088

図11の装置に限らず、本発明の眼球分析装置において、眼球に照射される光の波長、出力等は、安全性を考慮して適切に選択することが好ましい。また、光源の出力は、例えば、レーザ安全性の標準化JISC6802)および眼光学機器における光ハザードからの保護(JIST15004-2)等に定める最大許容露光量MPE:Maximum Permissible Exposure)を超えないようにすることが好ましい。光源が複数の場合であって、それぞれの出射光の波長における最大許容露光量が同じ(同じ規制波長帯)場合は、全光源の出力の和が、最大許容露光量を超えないようにすることが好ましい。また、光源が2つの場合であって、それぞれの出射光の波長における最大許容露光量が異なる(異なる規制波長帯)場合は、第1の光源の露光量と、第2の光源の露光量とが、下記数式(1)の関係を満たすことが好ましい。光源が3つ以上の場合も、同様である。また、例えば、後述する図12のように、混合光が波長選択フィルターにより分光され、必要な波長の光のみが選択的に眼球に照射される場合は、光源からの出射光に代えて、眼球に照射される光の露光量が、最大許容露光量を超えないようにしてもよい。

(E1/E1max)+(E2/E2max)≦1 (1)

E1:第1の光源の出射光の露光量
E1max:第1の光源の出射光の波長における最大許容露光量
E2:第2の光源の出射光の露光量
E2max:第2の光源の出射光の波長における最大許容露光量

0089

なお、反射鏡71により反射された混合光は、波長選択フィルター15により分光され、必要な波長の光のみが、選択的に眼球1に照射される。具体的には、例えば、前記混合光に含まれる光のうち、ストークス光(眼球1に照射される広帯域光のうち、プローブとなる眼球中の分子の励起に関わる光)およびポンプ光(光源10Cから出射されるレーザー光)のみが波長選択フィルター15を通過(透過)し、選択的に眼球1に照射される。

0090

図12のグラフに、波長選択フィルター15の機能を模式的に示す。同図において、横軸は波長であり、縦軸透過率である。図示のとおり、ポンプ光の波長λpと、ストークス光の波長帯λsの光のみが波長選択フィルター15を通過し、他の波長の光はカットされる。ただし、図12は例示であり、本発明をなんら限定しない。例えば、図12におけるポンプ光の波長λpおよびストークス光の波長帯λsは、一例であって、本発明はこれに限定されない。また、例えば、図12ではストークス光の波長帯が1つであるが、ストークス光の波長帯が複数の場合は、前記複数の波長帯のストークス光が全て波長選択フィルター15を透過してもよい。ストークス光の波長帯が複数であると、例えば、複数の疾患(例えば、白内障およびアルツハイマー病)に対応する分析が可能であり、それらの早期診断等に対応できる。

0091

必要な波長以外の光を波長選択フィルター15で遮断(カット)し、眼球1に入射させないようにすることで、例えば、眼球1に入射する光エネルギー量を抑え、眼球分析の安全性を高めることができる。また、例えば、必要な波長以外の光がなくなることで、眼内で発生する散乱光およびルミネッセンス光が減少することでバックグラウンド光が減少し、ラマン光が検出しやすくなり、ラマン光の波長に対応した分析(例えば、特定タンパク質等の分子の分析)の精度が向上する。

0092

また、例えば、光源10Dとして、広帯域光に代えてストークス光のみを出射する単色レーザー光源を用い、波長選択フィルター15を用いなくても、波長選択フィルター15の使用と同様の効果を得ることができる。しかしながら、広帯域光を用いた方が、温度変化によるレーザー出力波長の温度ドリフトなどの不安定性に強くなる(ロバストになる)ため好ましい。

0093

ストークス光の波長帯が複数の場合は、例えば、波長選択フィルター15を複数用い、それぞれを切り替えることで、それぞれの波長選択フィルターに対応したストークス光の波長帯を通過させるようにしてもよい。また、例えば、波長選択フィルター15を複数用いることに加え、またはそれに代えて、波長選択フィルター15が波長可変フィルターであってもよい。

0094

また、例えば、複数の波長帯のストークス光を通過させるために、波長選択フィルター15が回折格子および波長選択マスクを含んでいてもよい。図13に、回折格子および波長選択マスクを含む波長選択フィルター15の一例を示す。図示のとおり、この波長可変フィルター15は、回折格子15a、レンズ15b、波長選択マスク15c、レンズ15d、および回折格子15eが、光入射側(図の下側)から前記順序で配置されている。図示のとおり、まず、回折格子15aにより混合光が分光される。分光された混合光は、レンズ15bを通過し、波長選択マスク15cにより、1つまたは複数(図では2つ)の波長帯の光のみが選択的に通過される。波長選択マスク15cを通過した光は、レンズ15dおよび回折格子15eを通過した後に、眼球1に照射される。なお、波長選択マスク15cは、例えば、波長選択フィルターまたは波長可変フィルターであってもよい。また、図13の波長選択フィルター15において、光入射側と光出射側とを逆にして用いることも出来る。

0095

[実施形態10]
図15に、本発明の眼球分析装置のさらに別の一例を示す。この眼球分析装置は、図1〜11の眼球分析装置と同様に、眼球1の分析が可能である。また、図15の眼球分析装置によれば、後述するように、コヒーレントアンチストークスラマン分光(CARS)および光干渉断層撮影(OCT)による測定が可能であり、OCTの一種としてのSS-OCTによる測定も可能である。また、図15の眼球分析装置は、後述するように、AユニットおよびBユニットの両方を有する。そして、図10および11の装置も、前述のとおり、AユニットおよびBユニットの両方を有する。したがって、図15の眼球分析装置は、例えば、図10または11の装置と同様の方法で使用することも可能である。なお、図15において、図10または11の装置と同一の部材は、同一の符号で示している。

0096

図15に示すとおり、この眼球分析装置は、Aユニット2000Aと、Bユニット2000Bとを含む。Aユニット2000Aは、光照射手段3000Bと、広帯域光を照射された眼球1から出射(射出)する出射光(射出光)を、眼球1の空間の位置に応じて分離する光分離手段20と、前記出射光を波長ごとに分光する分光手段(回折格子)31とを含む。また、Aユニット2000Aは、さらに、レンズ41および撮像手段42を含む。光分離手段20は、マイクロレンズアレイ21、マスク(視野マスク)22およびレンズ23により構成されている。マイクロレンズアレイ21、マスク(視野マスク)22、レンズ23、分光手段31、レンズ41および撮像手段42の配置および機能は、図1の眼球分析装置におけるAユニット100Aと同様である。光照射手段3000Bは、光源10Eと、ミラー601および602と、光ファイバー401fと、レンズ701、702および711と、ビームスプリッタ121とを含む。光源10Eとしては、特に限定されない。光源10Eは、例えば、図10の光源10Bと同様に、広帯域光を照射する光源でもよく、可視光を照射する光源でもよく、赤外光を照射する光源でもよい。また、光源10Eは、例えば、図11と同様に、レーザー光(単色パルス光)を照射する光源10Cと、広帯域光(例えば、スーパーコンティニューム光(SC))を発する光源10Dとを含んでいてもよい。なお、光照射手段3000Bは、図15ではAユニットの一部として組み込まれているが、これに限定されない。例えば、光照射手段3000Bは、Aユニットとは別部材として構成され、Aユニット用の光源として用いられてもよい。また、例えば、光照射手段3000Bは、Aユニット用の光源に限定されず、後述するようにBユニット用の光源として用いてもよい。

0097

Aユニット2000Aは、さらに、ミラー603、604および605と、ダイクロイックミラー501および502と、波長可変フィルター14および波長選択フィルター15とを含む。波長可変フィルター14および波長選択フィルター15は、マイクロレンズアレイ21の光入射側に隣接して、光入射側から波長可変フィルター14および波長選択フィルター15の順序で配置されている。波長可変フィルター14および波長選択フィルター15は、図1の波長可変フィルター14および波長選択フィルター15と同様に、光源からの光を分光する分光手段に該当する。

0098

Bユニット2000Bは、スペクトロメータ1000、入力ポート(Input port)801および901、出力ポート(Output port)802および902、サンプルアームSA、リファレンスアームRA、レンズ704、706および707、光パワーメータ707p、ファイバーカプラー401c、およびスキャニングミラー(ミラー)610sを含む。

0099

レンズ704および706と、スキャニングミラー610sとにより、測定対象光(例えば、光を照射された眼球1から出射する出射光)が透過または反射させて入力ポート901に導入可能である。スキャニングミラー610sの角度を変更(スキャン)することで、前記測定対象光の経路を調整し、入力ポート901に導入することができる。

0100

入力ポート801および901、出力ポート802および902は、それぞれ光ファイバーに接続されている。これらの光ファイバーは、サンプルアームSAおよびリファレンスアームRAを含んでおり、ファイバーカプラー401cにより束ねられている。入力ポート801は、光照射手段3000Bからの照射光を、前記光ファイバーを介してBユニット2000Bに導入することができる。入力ポート901は、前記測定対象光をサンプルアーム(光ファイバ)SAに導入することができる。出力ポート802は、サンプルアームSAおよび前記光ファイバーを介して、前記測定対象光をスペクトロメータ1000に導入可能である。また、出力ポート902は、リファレンスアーム(光ファイバ)RAを介して、光源からの光を、眼球1に照射させずにそのまま受信可能である。この受信した光を参照光リファレンス)とすることができる。出力ポート902で受信した前記参照光は、レンズ707を透過させて光パワーメータ707pで測定できる。

0101

スペクトロメータ1000は、レンズ25、波長可変フィルター(分光手段)32、レンズ41およびラインカメラ(撮像手段)20Bを含み、これらの部材は、図4の眼球分析装置と同様に光入射側から前記順序で配置されており、その機能も、図4のレンズ25、波長可変フィルター(分光手段)32、レンズ41および撮像手段20Bと同様である。ラインカメラ20Bにより、像面(図15では図示せず)に、眼球1の少なくとも一部の画像が結像される。

0102

また、図15の眼球分析装置は、さらに、光照射手段3000Aを含む。光照射手段3000Aは、光源10A、ミラー606、ダイクロイックミラー503、レンズ705、ビームスプリッタ12、光パワーメータ10Ap、対物レンズ13および対物レンズスイッチャ—13sを含む。光源10Aは、特に限定されず、例えば、図1〜11の光源10Aと同様でもよい。ミラー606、ダイクロイックミラー503、レンズ705、ビームスプリッタ12により、光源10Aからの光を反射、透過または屈折可能である。光パワーメータ10Apにより、光源10Aからの光の強度を測定可能である。また、対物レンズスイッチャ—13sにより、対物レンズ13を移動可能である。例えば、後述するように、CARS測定の場合は対物レンズ13を用い、OCT測定の場合は対物レンズ13を用いなくてもよい。

0103

図15の眼球分析装置を用いた眼球分析方法は、特に限定されないが、例えば、図16、17、18または19に示すようにして行うことができる。

0104

図16および17は、図15の眼球分析装置を用いたCARS測定による眼球分析方法の一例を示す図である。図16は、光源10Eにより眼球1に照射される(入射する)入射光の経路を示す。図17は、前記光を照射された眼球1から出射する出射光の経路を示す。

0105

図16および17のCARS測定は、具体的には、以下のようにして行うことができる。まず、図16に示すとおり、光源10Eからスーパーコンティニューム光SC1およびポンプ光(励起光)P1を照射する。スーパーコンティニューム光SC1の波長は、特に限定されないが、例えば、波長1100nm〜1600nmであってもよい。SC1の中心波長も特に限定されないが、例えば中心波長1040nm等であってもよい。SC1の照射間隔も特に限定されないが、例えば、数十ps等であってもよい。また、ポンプ光P1は、例えば、単色のレーザ光であり、例えばパルスレーザであってもよい。P1の波長は、特に限定されないが、例えば1064nm等であってもよい。P1の照射間隔も特に限定されないが、例えば、数ps等であってもよい。図示のとおり、SC1は、ミラー601および602により前記順序で反射され、レンズ711、光ファイバー401f、レンズ701およびビームスプリッタ121を前記順序で透過し、さらにダイクロイックミラー501を透過する。一方、P1は、ミラー603により反射された後に、ダイクロイックミラー501により反射され、SC1と合成され、合成光となる。このようにして、SC1がP1により励起される。前記SC1およびP1の合成光は、図示のとおり、ダイクロイックミラー502を透過し、ミラー605、ミラー606およびダイクロイックミラー503により前記順序で反射され、その後、ビームスプリッタ12により反射され、さらに対物レンズ13を透過して眼球1に照射される。

0106

つぎに、前記SC1およびP1の合成光を照射された眼光1から、図17に示すとおり、CARS光信号光)S1が照射される。CARS光(信号光)S1の波長は特に限定されないが、例えば、700nm〜980nm等であってもよい。S1は、対物レンズ13を透過し、ビームスプリッタ12、ダイクロイックミラー503、ミラー606、ミラー605、ダイクロイックミラー502、レンズ703、およびミラー604を、前記順序で透過し、または反射される。そして、S1は、さらに、波長可変フィルター14、波長選択フィルター15、マイクロレンズアレイ21、マスク(視野マスク)22、レンズ23、分光手段31、レンズ41を前記順序で透過し、透過する間に屈折、分光等が行われる。レンズ41を透過したS1は、さらに、撮像手段42に照射されて撮像され、撮像して得られた画像上の画素によって前記分光された出射光S1が二次元的に分離される。なお、撮像手段42は、このように、S1が二次元的に分離される二次元イメージングシステムであってもよい。しかし、これに限定されず、S1が三次元的に分離される三次元イメージングシステムであってもよい。

0107

つぎに、図18および19は、図15の眼球分析装置を用いたOCT測定による眼球分析方法の一例を示す図である。図18は、光源10Eにより眼球1に照射される(入射する)入射光の経路を示す。図19は、前記光を照射された眼球1から出射する出射光の経路を示す。

0108

図18および19のOCT測定は、具体的には、以下のようにして行うことができる。まず、図18のように、光源10Eからスーパーコンティニューム光SC2を照射する。SC2の波長は特に限定されないが、例えば、中心波長が可変であってもよい。SC2の波長帯域も特に限定されないが、例えば、20nm〜数100nmであってもよい。図示のとおり、SC2は、ミラー601および602により前記順序で反射され、レンズ711、光ファイバー401fおよびレンズ701を前記順序で透過し、ビームスプリッタ121により反射され、レンズ702を透過して入力ポート801に導入される。入力ポート801に導入されたSC2は、さらに、サンプルアームSAおよびリファレンスアームRAにより2つに分けられる。サンプルアームSAに導入されたSC2は、入力ポート901およびレンズ706を前記順序で透過し、スキャニングミラー610sにより反射され、さらに、レンズ704、レンズ705、およびビームスプリッタ12を前記順序で透過し、眼球1に照射される。なお、図18および19では、対物レンズ13を用いない。また、リファレンスアームRAに導入されたSC2は、レンズ707を透過し、光パワーメータ707pによりその強度が測定され、参照光(リファレンス)として用いられる。

0109

つぎに、SC2を照射された眼球1から、図19に示すとおり、OCT光(信号光)S2が照射される。S2の波長は特に限定されないが、例えば、眼球1に入射した光SC2と同じでもよい。S2は、ビームスプリッタ12、レンズ704、およびレンズ705を前記順序で透過し、スキャニングミラー610sで反射され、レンズ706および入力ポート901を透過し、出力ポート802を介してスペクトロメータ1000に導入される。スペクトロメータ1000に導入されたSC2は、レンズ25、波長可変フィルター(分光手段)32およびレンズ41を前記順序で透過し、ラインカメラ(撮像手段)20Bにより撮像され、撮像して得られた画像上の画素によって前記分光された出射光が二次元的に分離される。ラインカメラ20Bにより、像面(図示せず)に、眼球1の少なくとも一部の画像が結像され、リファレンスアームRAに導入された前記参照光(リファレンス)を用いて分析される。なお、ラインカメラ(撮像手段)20Bは、このように、S2が二次元的に分離される二次元イメージングシステムであってもよい。しかし、これに限定されず、S2が三次元的に分離される三次元イメージングシステムであってもよい。

0110

[実施形態11]
図20に、本発明の生体組織分析装置のさらに別の一例を示す。実施形態1〜10では、眼球分析装置の例を説明したが、図20は、眼球以外の生体組織も分析可能な生体組織分析装置である。図20の装置は、Aユニットが、マイクロレンズアレイ21、マスク(視野マスク)22、レンズ23、分光手段(回折格子)31、レンズ41および撮像手段42に代えて、レンズ710およびスペクトロメータ1001を含む。スペクトロメータ1001は、光分離手段および分光手段を含み、前記分光手段が、回折格子を含み、前記光分離手段により、前記出射光が二次元的または三次元的に分離され、前記回折格子により、前記二次元的または三次元的に分離された出射光が分光される。なお、スペクトロメータ1001に含まれる前記光分離手段および分光手段(回折格子)は、特に限定されないが、例えば、図15と同様に、マイクロレンズアレイ21、マスク(視野マスク)22、レンズ23、分光手段(回折格子)31、レンズ41および撮像手段42等であってもよい。また、この生体組織分析装置は、ミラー604と波長可変フィルター14との間に、ダイクロイックミラー507が配置されている。さらに、この生体組織分析装置は、ダイクロイックミラー502とミラー605との間に、ミラー607およびスキャニングミラー611sが配置されている。スキャニングミラー611sは、その角度を変えることで、反射光の光路を変更可能である。さらに、この生体組織分析装置は、対物レンズ13およびレンズスイッチャ—13sに代えて、対物レンズ1101および1102と、レンズスイッチャ—1101sおよび1102sとを有する。対物レンズ1101および1102は、互いに対向しており、対物レンズ1101および1102の間に分析対象の生体組織(図示せず)を配置して分析することができる。前記分析対象の生体組織は、特に限定されず任意であり、例えば、前述した各生体組織が挙げられ、例えば、皮膚または消化管の壁(例えば食道胃壁等)であってもよいし、循環に関する器官の組織等であってもよい。前記循環に関する器官としては、例えば、肺、心臓、血管等が挙げられる。血管の組織としては、例えば、血管壁、血液等であってもよい。レンズスイッチャ—1101sおよび1102sにより、例えば、後述するように、CARS測定の場合は対物レンズ1101および1102を用い、OCT測定の場合は対物レンズ1101および1102を用いないことができる。また、この生体組織分析装置は、レンズ703が無い。これら以外は、図20生体分析装置の構成は、図15の眼球分析装置と同様である。また、図20の生体分析装置およびそれを用いた生体組織分析方法は、前記生体組織を生体内から取り出さずにそのまま分析してもよいし、前記生体組織を生体内から取り出して分析してもよい。

0111

図20の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法は、特に限定されないが、例えば、図21、22、23、24または25に示すようにして行うことができる。

0112

図21、22および23は、図20の生体組織分析装置を用いたCARS測定による眼球分析方法の一例を示す図である。図21は、光源10Eにより生体組織(図示せず)に照射される(入射する)入射光の経路を示す。図22および23は、前記光を照射された前記生体組織から出射する出射光の経路を示す。

0113

図21、22および23のCARS測定は、具体的には、以下のようにして行うことができる。まず、図21に示すとおり、光源10Eからスーパーコンティニューム光SC3およびポンプ光(励起光)P3を照射する。スーパーコンティニューム光SC3およびポンプ光(励起光)P3の波長、中心波長および照射間隔等の各種特性は、特に限定されないが、例えば、図16のスーパーコンティニューム光SC1およびポンプ光(励起光)P1と同様でもよい。図示のとおり、SC3は、ミラー601および602により前記順序で反射され、レンズ711、光ファイバー401f、レンズ701およびビームスプリッタ121を前記順序で透過し、さらにダイクロイックミラー501を透過する。一方、P3は、ミラー603により反射された後に、ダイクロイックミラー501により反射され、SC3と合成され、合成光となる。このようにして、SC3がP3により励起される。前記SC3およびP3の合成光は、図示のとおり、ダイクロイックミラー502を透過し、ミラー607、スキャニングミラー611s、ミラー605、ミラー606およびダイクロイックミラー503により前記順序で反射され、その後、ビームスプリッタ12により反射または透過され、光パワーメータ10Apにより強度を測定されるとともに、対物レンズ1102を透過して分析対象の生体組織(図示せず)に照射される。

0114

つぎに、前記SC3およびP3の合成光を照射された前記生体組織から、図22に示すとおり、CARS光(信号光)の後方散乱光S3が照射される。CARS光(信号光)の後方散乱光S3の波長は特に限定されないが、例えば、700nm〜980nm等であってもよい。S3は、対物レンズ1102を透過し、ビームスプリッタ12、ダイクロイックミラー503、ミラー606、ミラー605、スキャニングミラー611s、ミラー607、ダイクロイックミラー502およびミラー604を、前記順序で透過し、または反射される。そして、S3は、さらに、波長可変フィルター14および波長選択フィルター15を前記順序で透過し、レンズ710を透過してスペクトロメータ1001に入射する。スペクトロメータ1001は、前述のとおり、光分離手段および分光手段を含み、前記分光手段が、回折格子を含み、前記光分離手段により、前記出射光が二次元的または三次元的に分離され、前記回折格子により、前記二次元的または三次元的に分離された出射光が分光される。なお、スペクトロメータ1001は、このように、S3が二次元的に分離される二次元イメージングシステムであってもよい。しかし、これに限定されず、S3が三次元的に分離される三次元イメージングシステムであってもよい。

0115

一方、前記SC3およびP3の合成光を照射された前記生体組織から、図23に示すとおり、CARS光(信号光)の前方散乱光S3Aが照射される。CARS光(信号光)の前方散乱光S3Aの波長は特に限定されないが、例えば、700nm〜980nm等であってもよい。S3Aは、対物レンズ1101を透過し、ダイクロイックミラー507により反射され、波長可変フィルター14および波長選択フィルター15を前記順序で透過し、レンズ710を透過してスペクトロメータ1001に入射する。スペクトロメータ1001は、前述のとおり、光分離手段および分光手段を含み、前記分光手段が、回折格子を含み、前記光分離手段により、前記出射光が二次元的または三次元的に分離され、前記回折格子により、前記二次元的または三次元的に分離された出射光が分光される。なお、スペクトロメータ1001は、このように、S3が二次元的に分離される二次元イメージングシステムであってもよい。しかし、これに限定されず、S3が三次元的に分離される三次元イメージングシステムであってもよい。

0116

つぎに、図24および25は、図20の生体組織分析装置を用いたOCT測定による眼球分析方法の一例を示す図である。図24は、光源10Eにより生体組織に照射される(入射する)入射光の経路を示す。図25は、前記光を照射された生体組織から出射する出射光の経路を示す。

0117

図24および25のOCT測定は、具体的には、以下のようにして行うことができる。まず、図24に示すとおり、光源10Eからスーパーコンティニューム光SC4を照射する。SC4の波長、中心波長、波長帯域等の特性は、特に限定されないが、例えば、図18のスーパーコンティニューム光SC2と同様であってもよい。図示のとおり、SC4は、図18のスーパーコンティニューム光SC2と同様の経路によって、眼球1に代えて図24測定対象の生体組織(図示せず)に照射される。このとき、図示のとおり、SC4は、対物レンズ1101および1102を透過させない。

0118

つぎに、SC4を照射された生体組織から、図25に示すとおり、OCT光(信号光)の信号光S4が照射される。S4の波長は特に限定されないが、例えば、生体組織に入射した光SC4と同じでもよい。図示のとおり、S4は、図19のOCT光(信号光)S2と同様の経路によりスペクトロメータ1000に導入される。そして、S4は、図19のOCT光(信号光)S2と同様の方法で分析される。

0119

本実施形態(図20〜25)の生体分析装置および生体分析方法によれば、例えば、OCTを用いて生体組織の三次元の空間形状情報を取得することができる。また、例えば、CARSを用いて生体組織の三次元空間形状評価を基に特定の領域の分光情報を取得し、分子情報から性質変化を評価することで、疾患の機序を早期に検査することができる。ただし、本実施形態の生体分析装置および生体分析方法はこれに限定されず、例えば、前述のとおり、生体組織からの出射光が二次元的に分離される二次元イメージングシステムとして用いることもできる。

0120

[実施形態12]
図26に、本発明の生体組織分析装置のさらに別の一例を示す。図示のとおり、この生体分析装置は、光源10Aとダイクロイックミラー503との間に、偏光板131およびビームスプリッタ122pが配置されている。さらに、この生体組織分析装置は、ビームスプリッタ123pと、レンズ708および709と、イメージセンサ(撮像手段)708Bおよび709Bとを含む。これら以外は、図25の生体分析装置の構成は、図20の生体分析装置と同じである。

0121

図26の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法は、特に限定されないが、例えば、図27および28に示すようにして行うことができる。

0122

図27に示すとおり、光源10Aから白色光W5を照射する。白色光W5は、偏光板131、ビームスプリッタ122p、ダイクロイックミラー503およびビームスプリッタ12を前記順序で透過し、偏光板131を透過する際に偏光分離される。そして、そのW5は、対物レンズ1102を介して測定対象の生体組織に照射される。

0123

さらに、図28に示すとおり、白色光W5が照射された生体組織から、信号光S5が出射される。信号光S5は、ダイクロイックミラー503を透過し、ビームスプリッタ122pにより反射され、ビームスプリッタ123pによりS偏光およびP偏光に分離されてレンズ708および709をそれぞれ透過する。レンズ708および709を透過したS5は、イメージセンサ(撮像手段)708Bおよび709Bにより撮像され、分析される。このようにして、偏光の検出および分析を行うことができる。

0124

本実施形態(図26〜28)の生体組織分析装置および生体組織分析方法によれば、例えば、測定対象である生体組織の表面光学特性(偏光情報)を評価し、対象の表面状態が均一か不均一かなどの情報を取得することで、より多角的な診断が可能となる。また、本実施形態の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法は特に限定されず、例えば、図21〜25と同様の生体組織分析方法を行うことができる。

0125

[実施形態13]
図29に、本発明の生体組織分析装置のさらに別の一例を示す。図示のとおり、この生体分析装置は、Bユニットがスペクトロメータを2つ有する。すなわち、この生体分析装置は、Bユニットがスペクトロメータ1000に加えスペクトロメータ1000Bを有する。スペクトロメータ1000Bの構成は、スペクトロメータ1000と同様である。すなわち、スペクトロメータ1000Bは、レンズ25、波長可変フィルター(分光手段)32、レンズ41およびラインカメラ(撮像手段)20Bと同様のレンズ25b、波長可変フィルター(分光手段)32b、レンズ41bおよびラインカメラ(撮像手段)20Bbを含む。これらの部材は、図20の生体組織分析装置と同様に光入射側から前記順序で配置されている。また、この生体分析装置は、光ファイバー401fに加え、もう一つの光ファイバー401fbを有する。また、この生体組織分析装置は、ミラー602がダイクロイックミラーであり、さらに、ミラー602bを有する。また、この生体組織分析装置は、さらに、レンズ711b、701bおよび712、ダイクロイックミラー504および511、光フィルター712fを有する。ダイクロイックミラー504、511および602は、移動可能である。これにより、光ファイバー401fまたは光ファイバー401fbへの光入射を切り替えることが可能であり、さらに、スペクトロメータ1000またはスペクトロメータ1000Bへの光入射を切り替えることが可能である。したがって、図29の生体組織分析装置によれば、波長掃引型光干渉断層撮影(SS-OCT)による生体組織の分析方法を行うことができる。それ以外は、図29の生体組織分析装置は、図20の生体組織分析装置と同じである。

0126

図29の生体組織分析装置を用いた眼球分析方法は、特に限定されないが、例えば、図30、31、32または33に示すようにして行うことができる。

0127

図30および31は、光ファイバー401fおよびスペクトロメータ1000を用いた測定の例である。まず、図30に示すとおり、光源10Eからスーパーコンティニューム光SC6を照射する。SC6の波長、中心波長、波長帯域等の特性は、特に限定されないが、例えば、図18のスーパーコンティニューム光SC2と同様であってもよい。図示のとおり、SC4は、図18のスーパーコンティニューム光SC2と同様の経路によって、図30の測定対象の生体組織(図示せず)に照射される。ただし、図30では、サンプルアームSAがレンズ702、光フィルター712fおよびミラー612を有し、SC6がレンズ702、光フィルター712fおよびミラー612を前記順序で透過した後にレンズ706を透過する点が異なる。このとき、図示のとおり、SC4は、対物レンズ1101および1102を透過させない。

0128

つぎに、SC6を照射された生体組織から、図31に示すとおり、OCT光(信号光)の後方散乱光S6が照射される。S6の波長は特に限定されないが、例えば、生体組織に入射した光SC6と同じでもよい。図示のとおり、S6は、図19のOCT光(信号光)S2と同様の経路によりスペクトロメータ1000に導入される。ただし、図31では、レンズ6を透過したS6が、サンプルアームSAのミラー612、光フィルター712fおよびレンズ702を前記順序で透過した後にビームスプリッタ122を透過し、さらにダイクロイックミラー504により反射されてスペクトロメータ1000に導入される。そして、S6は、図19のOCT光(信号光)S2と同様の方法で分析される。

0129

図32および33は、光ファイバー401fbおよびスペクトロメータ1000Bを用いた測定の例である。まず、図32に示すとおり、光源10Eからスーパーコンティニューム光SC7を照射する。SC7の波長、中心波長、波長帯域等の特性は、特に限定されないが、例えば、図18のスーパーコンティニューム光SC2と同様であってもよい。このとき、図示のとおり、ダイクロイックミラー602および504を光の経路の外に移動させ、ダイクロイックミラー511を光の経路の中に移動させておく。これにより、SC7は、図示のとおり、ダイクロイックミラー602により反射されず、ミラー602bにより反射されるため、光ファイバー401fを通過せず、レンズ711b、光ファイバー401fbおよびレンズ702bを前記順序で透過し、ダイクロイックミラー511により反射されてビームスプリッタ122に入射する。その後は、SC7は、図30のスーパーコンティニューム光SC6と同様の経路で、図32の測定対象の生体組織(図示せず)に照射される。

0130

つぎに、SC7を照射された生体組織から、図33に示すとおり、OCT光(信号光)の後方散乱光S7が照射される。S7の波長は特に限定されないが、例えば、生体組織に入射した光SC7と同じでもよい。図示のとおり、S7は、スペクトロメータ1000に導入されず、図31とは異なる経路でスペクトロメータ1000Bに導入される。そして、S7は、図19のOCT光(信号光)S2と同様の方法で分析される。

0131

本実施形態(図29〜33)の生体組織分析装置および生体組織分析方法によれば、例えば、OCTの波長を可変(図29〜33の構成では二波長)にすることで、測定対象である生体組織の線形光学特性(吸収・散乱)の波長に対する違いを画像比較できる。これにより、前記生体組織の状態変化出血(吸収に波長依存性あり)、癌化)を画像評価し、診断へ応用することができる。ただし、本実施形態は、図29〜33に限定されず、任意の変形が可能である。例えば、スペクトロメータを3つ以上用い、三波長以上でOCTの波長を可変としてもよい。

0132

[実施形態14]
図34に、本発明の生体組織分析装置のさらに別の一例を示す。図示のとおり、この生体分析装置は、自発ラマン散乱測定用の光源10Rと、ダイクロイックミラー511とを有する。また、波長可変フィルター14および波長選択フィルター15に代えて、波長の可変域および選択域が異なる波長可変フィルター14bおよび波長選択フィルター15bを有する。これ以外は、図34の生体組織分析装置は、図20の生体組織分析装置と同じである。

0133

図34の生体組織分析装置を用いた眼球分析方法は、特に限定されないが、例えば、図35〜37に示すようにして行うことができる。

0134

まず、図35に示すとおり、光源10Rからスーパーコンティニューム光SC8を照射する。SC8の波長、中心波長、波長帯域等の特性は、特に限定されないが、例えば、図18のスーパーコンティニューム光SC2と同様であってもよい。SC8は、ダイクロイックミラー511で反射され、さらにスキャニングミラー611sで反射される。その後は、SC8は、図21のスーパーコンティニューム光SC3と同様の経路により、対物レンズ1102を透過して図35の測定対象の生体組織(図示せず)に照射される。

0135

つぎに、SC8を照射された生体組織から、図36に示すとおり、OCT光(信号光)の後方散乱光S8が照射される。S8の波長は特に限定されないが、例えば、700nm〜980nm等であってもよい。図示のとおり、S8は、図22の信号光(後方散乱光)S3と同様の経路により、スぺクトメータ1001に導入される。

0136

一方、SC8を照射された生体組織から、図37に示すとおり、CARS光(信号光)の前方散乱光S8Aが照射される。CARS光(信号光)の前方散乱光S8Aの波長は特に限定されないが、例えば、700nm〜980nm等であってもよい。S8Aは、図示のとおり、図23の前方散乱光S3Aと同様の経路により、スぺクトロメータ1001に導入される。

0137

また、本実施形態の生体組織分析装置は、例えば、波長可変フィルター14bおよび波長選択フィルター15bを交換することで、図20の生体組織分析装置と同様の方法で生体組織分析方法を行うことも可能である。

0138

本実施形態(図35〜37)の生体組織分析装置および生体組織分析方法によれば、例えば、自発ラマン散乱の光学系を導入し、CARS光学系の評価と比較・検討し診断応用することができる。これにより、例えば、ラマン散乱の診断応用に向けた結果と表面から数100μm体内からのCARS信号の評価結果を比較することで、多角的な診断が可能になる。

0139

[実施形態15]
図38に、本発明の生体組織分析装置のさらに別の一例を示す。図示のとおり、この生体分析装置は、光源10Eとミラー603との間に空間光変調器(Spatial Light Modulator、SLM)1201が配置されていること以外は図20の生体分析装置と同じである。空間光学変調器1201は、光照射手段(光源)から照射された光の強度および偏光状態の少なくとも一方を制御可能な空間制御機構に該当する。これにより、光の強度および偏光状態の少なくとも一方が制御された光を、測定対象の生体組織に照射可能である。

0140

図38の生体組織分析装置を用いた眼球分析方法は、特に限定されないが、例えば、図39、40または41に示すようにして行うことができる。なお、図39、40および41は、CARS測定の例である。

0141

図39、40および41のCARS測定は、具体的には、以下のようにして行うことができる。まず、図39に示すとおり、光源10Eからスーパーコンティニューム光SC9およびポンプ光(励起光)P9を照射する。スーパーコンティニューム光SC9およびポンプ光(励起光)P9の波長、中心波長および照射間隔等の各種特性は、特に限定されないが、例えば、図16のスーパーコンティニューム光SC1およびポンプ光(励起光)P1と同様でもよい。その後は、ポンプ光P9が空間光学変調器1201を透過した後にミラー603で反射されること伊賀は、SC9およびP9は、図21のSC3およびP3と同様の経路で対物レンズ1102を透過して分析対象の生体組織(図示せず)に照射される。

0142

つぎに、前記SC9およびP9の合成光を照射された前記生体組織から、図40に示すとおり、CARS光(信号光)の後方散乱光S9が照射される。CARS光(信号光)の後方散乱光S9の波長は特に限定されないが、例えば、700nm〜980nm等であってもよい。図示のとおり、S9は、図22の後方散乱光S3と同様の経路でスペクトロメータ1001に導入される。

0143

一方、前記SC9およびP9の合成光を照射された前記生体組織から、図41に示すとおり、CARS光(信号光)の前方散乱光S9Aが照射される。CARS光(信号光)の前方散乱光S9Aの波長は特に限定されないが、例えば、700nm〜980nm等であってもよい。図示のとおり、S9Aは、図23の前方散乱光S3Aと同様の経路でスペクトロメータ1001に導入される。

0144

本実施形態(図39〜41)の生体組織分析装置および生体組織分析方法によれば、例えば、空間制御機構(SLMなど)を導入し、偏光・強度を制御することで、測定対象を露光する条件(強度・位相整合条件)を制御できる。これにより、さらに効率よく信号を取り出すことが可能である。ただし、本実施形態の生体組織分析装置の使用方法はこれに限定されず、例えば、図20の生体分析装置と同様の方法で用いることもできる。

0145

[実施形態16]
図42に、本発明の生体組織分析装置のさらに別の一例を示す。図示のとおり、この生体分析装置は、波長可変フィルター14および波長選択フィルター15に代えて、波長の可変域および選択域が異なる波長可変フィルター14cおよび波長選択フィルター15cを有する。これ以外は、図42の生体組織分析装置は、図20の生体組織分析装置と同じである。波長可変フィルター14cおよび波長選択フィルター15cは、分光された出射光を選択された波長に固定する「光フィルター」に該当する。これにより、前記固定された波長に対応する非線形光学効果を測定可能である。前記非線形光学効果は、例えば、前述のとおり、第二高調波発生(SHG)、第三高調波発生(THG)、および二光子吸収蛍光(TPF)からなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。

0146

図42の生体組織分析装置を用いた生体組織分析方法は、特に限定されないが、例えば、図20の生体分析と同様にして行うことができる。例えば、図43〜45に示すようにしてCARS測定を行ってもよい。すなわち、まず、図43に示すとおり、光源10Eからスーパーコンティニューム光SC10およびポンプ光(励起光)P10を照射する。スーパーコンティニューム光SC10およびポンプ光(励起光)P10の波長、中心波長および照射間隔等の各種特性は、特に限定されないが、例えば、図16のスーパーコンティニューム光SC1およびポンプ光(励起光)P1と同様でもよい。SC10およびP10は、図示のとおり、図21のSC3およびP3と同様の経路により進行し、光パワーメータ10Apにより強度を測定されるとともに、対物レンズ1102を透過して分析対象の生体組織(図示せず)に照射される。

0147

つぎに、前記SC10およびP10の合成光を照射された前記生体組織から、図44に示すとおり、CARS光(信号光)の後方散乱光S10が照射される。CARS光(信号光)の後方散乱光S10の波長は特に限定されないが、例えば、700nm〜980nm等であってもよい。S10は、図22の後方散乱光S3と同様の経路によりスペクトロメータ1001に入射し、同様にして分析される。

0148

一方、前記SC10およびP10の合成光を照射された前記生体組織から、図45に示すとおり、CARS光(信号光)の前方散乱光S10Aが照射される。CARS光(信号光)の前方散乱光S10Aの波長は特に限定されないが、例えば、700nm〜980nm等であってもよい。S10Aは、図22の前方散乱光S3Aと同様の経路によりスペクトロメータ1001に入射し、同様にして分析される。

0149

本実施形態(図42〜45)の生体組織分析装置および生体組織分析方法によれば、例えば、図示のとおり、検出器(図ではスペクトロメータ1001)直前の光フィルターの波長を、検出したい非線形光学効果(第二高調波発生(SHG)、第三高調波発生(THG)、および二光子吸収蛍光(TPF))に合わせて変えることができる。これにより、前記非線形光学効果を追加評価することで、例えば、コラーゲン(第二高調波発生)の分布や薬の導入・代謝などの評価を可能にし、診断へ応用することが可能である。

0150

[本発明の用途]
本発明の眼球分析装置および眼球分析方法は、例えば、以下の用途に用いることができる。ただし、これらは例示であって、本発明をなんら限定しない。

0151

眼科臨床現場では、網膜を詳細に分析したいというニーズが大きい。網膜の分析には、従来の医療現場では、OCT(マイクロワットベル光出力)による分析が用いられてきた。しかし、この分析方法では、分子構造の分析は不可能であった。一方、ラマン散乱、CARS(ミリワットレベルの光出力)による分析方法も用いられてきた。これらの分析方法は、分子構造が分析可能であるが、光出力が弱いために、眼球の組織の奥まで分析することは困難であった。しかし、光出力が高すぎると、眼球に障害を引き起こすおそれがある。このため、臨床現場では、光出力が低くても組織の表面から奥までを簡単な構成の装置で分析可能な波長掃引型光干渉断層撮影(SS-OCT)が必要とされていた。本発明によれば、前述のとおり、簡単な構成の装置で、簡単に生体組織の奥まで分析可能であるため、このようなニーズを満たすことができる。例えば、本発明によれば、複数の装置を用いなくても、例えば実施形態1〜10(図1〜12)に示したように、一つの装置でSS-OCTが可能である。具体的には、本発明によれば、例えば、複数の波長の光の混合光(例えば、白色光、白色レーザー光、SC光等の広帯域光、または複数の単色光の混合光)を用い、複数のフィルターを用いて波長可変で測定することができる。そして、例えば前述のとおり、生体組織の表面を分析する場合は短い波長で、生体組織の奥(内部)を分析する場合は長い波長で、と使い分けることにより、生体組織に照射する光の強度が弱くても、生体組織の組織の奥まで分析可能である。前記混合光からフィルターを用いて単色光を選択的に取り出す例として、例えば、300mWattの白色レーザー光から300microWattのレーザー光を取り出すには,フィルターで1/1000のレーザー光を取り出すのみでよいので、容易である。

0152

従来広く用いられていた波長掃引型光干渉断層撮影(SS-OCT)では、一つの装置(機器)では波長可変ができなかった。このため、複数の装置(機器)を用い、複数の波長の光を時間的に分けて入射するので、測定(分析)時間が長くなり、患者への負担も大きかった。これに対し、本発明においては、例えば、一つの装置(機器)のみを用いて波長可変で波長掃引型光干渉断層撮影(SS-OCT)が可能である。具体的には、例えば、網膜の病気である黄斑前膜、黄斑円孔等では網膜の表面を、黄斑変性症では網膜の奥の方を、それぞれ一つの装置(機器)で分析することができる。これによれば、従来のSS-OCTと比較して分析時間を大幅に短縮可能であり、患者への負担を軽減できる。

0153

本発明によれば、例えば、眼球内において、前記眼球への光の入射方向に対し垂直な面を、前記眼球の空間の位置に応じて分析することができる。分析対象とする前記面は、特に限定されないが、例えば、前述のとおり、眼底であってもよいし、網膜、角膜、または水晶体の少なくとも一部であってもよい。

0154

また、本発明によれば、前記眼球からの出射光を波長ごとに分光することにより、例えば、前記面方向の分析において、さらに波長を変化させた分析(三次元分光分析)を行うことができる。図14に、本発明における三次元分光分析の概念を模式的に示す。図14は、前記平面方向(X方向およびY方向とする)に加え、さらに、波長の変化(Z方向とする)に応じた分析を行うことを示している。異なる波長帯で三次元分光分析を行うことによって、例えば、眼底断層写真の撮像により、赤外線波長の違いによる深度の違いの分析を行うことができる。また、例えば、可視光または赤外線の特定の波長の吸収を利用して、白内障検査に用いることができる。また、例えば、眼内血管、視神経等の撮像により、可視光の特定の波長での分光分析を行うことができる。

0155

また、本発明によれば、例えば、前記眼球への光の入射方向に対し垂直な面方向に加え、前記光の入射方向に平行な方向(前記眼球の奥行き方向)も含めて三次元的に分析することも可能である。また、これに加え、さらに波長を変化させた分析(四次元分光分析)を行うことができる。また、例えば、前記波長を変化させた四次元分光分析に加え、さらに、測定時刻を変化させた(測定方向に時間を加えた)五次元分光分析も可能である。

0156

また、本発明によれば、例えば、前記眼球内の空間の特定位置において、前記特定位置からの出射光の波長と、前記出射光の偏光方位角(Δθ)との関係を二次元的にプロットすることで、前記特定位置における眼球の状態を分析できる。前記眼球の状態としては、例えば、疾患の進行度合い等が挙げられる。より具体的には、例えば、前記特定位置における波長と偏光方位角(Δθ)との関係から、前記特定位置におけるL−アルギン酸とD−アルギン酸との割合を算出し、これにより、前記特定位置における白内障の進行度合いを判断できる。また、同様にして前記眼球内の様々な位置の波長と偏光方位角(Δθ)との関係をプロットすることで、前記様々な位置の疾患の進行度合いを判断できる。

0157

また、本発明の用途は、前記の説明に限定されず、眼球分析における任意の用途に広く使用可能である。例えば、本発明は、タンパク質クリスタリンなど)の変性、眼球に分泌される物質などの分析に用いることができる。具体的には、例えば、眼球中のアミロイドタンパク質の分析により、アルツハイマー病の早期発見等に用いることができる。また、例えば、水晶体構成タンパク質(クリスタリン)中のトリプトファンが、酸化されたキヌレニンもしくは3-ヒドロキシキヌレニンを分析することで、または、タンパク質中のリジン残基と体内の糖が結合してできたAGE(advanced glycated end products)を分析することで、前述した白内障の早期発見も可能である。また、例えば、本発明は、透過力が高い長波長の光を用いることにより、眼底の深部、または、眼底および眼底よりも下層の間の空間まで分析可能であり、これにより、視神経の状態、毛細血管の状態、網膜の状態などを分析することができる。また、本発明によれば、例えば、非侵襲的に、かつ簡便に眼球の分析を行うことができる。

0158

本発明によれば、例えば、眼球の状態の微細な変化も検出可能で、疾患の早期発見等が可能である。より具体的には、例えば、眼球中のクリスタリンタンパク質の変性、眼球中の微量物質、網膜の微細な変化等を検出することで、疾患の早期発見等が実現できる。

0159

さらに、本発明は、眼球に限定されず、他の任意の生体組織の分析にも利用可能である。具体的には、例えば、OCT血管内イメージングに本発明を応用して、血管表面の状態を分析することができる。また、例えば、例えば、皮膚の分析に本発明を用いて、腫瘍などの局在の状態(例えば、前記腫瘍が皮膚表面からどれくらいの深さにあるのか等)を分析することもできる。

0160

以上、実施形態1〜16により、本発明の眼球分析装置および眼球分析方法の例について説明し、さらに、本発明の用途の例について説明した。ただし、本発明は、これらに限定されず、任意の変更が可能である。例えば、本発明は、AユニットおよびBユニットの一方または両方を含む眼球装置のみには限定されない。また、例えば、分光法としては、CARS等のラマン分光法を中心に説明したが、本発明に用いることのできる分光法はこれに限定されず、例えば、フーリエ分光、時間領域分光等の、一般的に用いられる任意の分光法を使用可能である。

0161

以上、説明したとおり、本発明によれば、簡単な構成の装置で、簡単に生体組織の奥まで分析可能な生体組織分析装置および生体組織分析方法を提供することができる。これにより、本発明は、眼球等の生体組織の状態に関連した各種疾患の早期発見等に多大な貢献が可能である。

0162

10光照射手段
10A、10B、10C、10D光源
11、11a、11b、13、23、25、41、72、76、77レンズ
12、73、74、75ビームスプリッタ
14波長可変フィルター(分光手段)
15波長選択フィルター(分光手段)
15a、15e回折格子
15b、15d レンズ
15c波長選択マスク
19干渉系が配置される領域
20光分離手段
20B撮像手段(光分離手段)
21マイクロレンズアレイ
22 マスク(視野マスク)
24 像面
26 1/2波長板
27偏光板
61 偏光板または円偏光板(円偏光手段)
42 撮像手段
30 分光手段
31 回折格子(分光手段)
32 波長可変フィルター(分光手段)
33狭帯域フィルター
71反射鏡
100A、200A Aユニット
100B、200B Bユニット
300A照射ユニット(白色光源ユニット)
300B 照射ユニット(レーザーユニット)

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ