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図面 (17)

課題・解決手段

本開示の固体電解質(10)は、相互接続された複数の孔(12)を有する多孔質シリカ(11)と、複数の孔(12)の内表面を覆う電解質(13)とを備えている。電解質(13)は、EMI−TFSIで表される1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメタンスルホニルイミドと、EMI−TFSIに溶解したリチウム塩と、を含む。多孔質シリカ(11)に対するEMI−TFSIのモル比が、1.5より大きく、かつ、2.0未満である。

概要

背景

近年、次世代電池として全固体リチウム二次電池の開発が進められている。全固体リチウム二次電池などの蓄電素子に用いられる固体電解質イオン伝導度を向上させることが望まれている。

特許文献1は、イオン液体リチウム塩及びシリカ前駆体を含む混合液を用い、ゾルゲル法によって固体電解質を製造する方法を開示している。

概要

本開示の固体電解質(10)は、相互接続された複数の孔(12)を有する多孔質シリカ(11)と、複数の孔(12)の内表面を覆う電解質(13)とを備えている。電解質(13)は、EMI−TFSIで表される1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメタンスルホニルイミドと、EMI−TFSIに溶解したリチウム塩と、を含む。多孔質シリカ(11)に対するEMI−TFSIのモル比が、1.5より大きく、かつ、2.0未満である。

目的

全固体リチウム二次電池などの蓄電素子に用いられる固体電解質のイオン伝導度を向上させることが望まれている

効果

実績

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請求項1

相互接続された複数の孔を有する多孔質シリカと、前記複数の孔の内表面を覆う電解質と、を備え、前記電解質は、EMI−TFSIで表される1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメタンスルホニルイミドと、前記EMI−TFSIに溶解したリチウム塩と、を含み、シリカに対する前記EMI−TFSIのモル比が、1.5より大きく、かつ、2.0未満である、固体電解質

請求項2

前記リチウム塩が、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを含む、請求項1に記載の固体電解質。

請求項3

前記電解質は、前記複数の孔の前記内表面に接触する第1電解質層を含み、前記第1電解質層は、第1アニオン層、第1カチオン層及び第2アニオン層を含み、前記第1アニオン層は、前記多孔質シリカの前記複数の孔の前記内表面にそれぞれ吸着した複数の第1のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンを含み、前記第1カチオン層は、前記複数の第1のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンとそれぞれイオン結合した複数の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオンを含み、前記第2アニオン層は、前記複数の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオンとそれぞれイオン結合した複数の第2のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンを含む、請求項2に記載の固体電解質。

請求項4

シリカに対する前記EMI−TFSIのモル比が、1.7以上、かつ、1.8以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の固体電解質。

請求項5

前記多孔質シリカは、単一の層をなし、前記固体電解質の外形が前記多孔質シリカによって画定されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の固体電解質。

請求項6

請求項1から5のいずれか1項に記載の固体電解質と、電極活物質と、を備えた、電極

請求項7

導電助剤及びバインダーから選ばれる少なくとも1つをさらに備えた、請求項6に記載の電極。

請求項8

導電助剤をさらに備え、前記固体電解質のマトリクス中に、前記電極活物質からなる複数の第1粒子と、前記導電助剤からなる複数の第2粒子とが固定されている、請求項6又は7に記載の電極。

請求項9

正極と、負極と、請求項1から5のいずれか1項に記載の固体電解質と、を備えた、蓄電素子

請求項10

正極と、負極と、を備え、前記正極及び前記負極から選ばれる少なくとも1つは、請求項6から8のいずれか1項に記載の電極である、蓄電素子。

請求項11

シリコンアルコキシドと、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドと、リチウム塩と、水と、有機溶媒とを混合して、混合液を調製することと、前記混合液をゲル化させることによって混合ゲルを形成することと、前記混合ゲルを乾燥させることによって固体電解質を形成することと、含む、固体電解質の製造方法。

請求項12

前記シリコンアルコキシドは、オルトケイ酸テトラエチル及びその置換体から選ばれる少なくとも1つを含む、請求項11に記載の固体電解質の製造方法。

技術分野

0001

本開示は、固体電解質電極蓄電素子及び固体電解質の製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、次世代電池として全固体リチウム二次電池の開発が進められている。全固体リチウム二次電池などの蓄電素子に用いられる固体電解質のイオン伝導度を向上させることが望まれている。

0003

特許文献1は、イオン液体リチウム塩及びシリカ前駆体を含む混合液を用い、ゾルゲル法によって固体電解質を製造する方法を開示している。

先行技術

0004

特表2012−518248号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本開示は、高いイオン伝導度を示す新規な固体電解質を提供する。

課題を解決するための手段

0006

本開示は、
相互接続された複数の孔を有する多孔質シリカと、
前記複数の孔の内表面を覆う電解質と、
を備え、
前記電解質は、EMI−TFSIで表される1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメタンスルホニルイミドと、前記EMI−TFSIに溶解したリチウム塩と、を含み、
シリカに対する前記EMI−TFSIのモル比が、1.5より大きく、かつ、2.0未満である、固体電解質を提供する。

発明の効果

0007

本開示によれば、高いイオン伝導度を示す新規な固体電解質を提供できる。

図面の簡単な説明

0008

図1Aは、第1実施形態に係る固体電解質の断面構造の一例を模式的に示す図である。
図1Bは、多孔質シリカの孔の断面を模式的に示す図である。
図2は、第1電解質層の構造の一例を模式的に示す図である。
図3は、第1電解質層の構造の他の例を模式的に示す図である。
図4は、第1電解質層の構造のさらに他の例を模式的に示す図である。
図5は、第1実施形態に係る固体電解質の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図6は、第2実施形態に係る電極の断面構造の一例を模式的に示す図である。
図7は、第2実施形態に係る電極の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図8は、第2実施形態に係る電極の製造方法の他の例を示すフローチャートである。
図9は、第2実施形態に係る電極の製造方法のさらに他の例を示すフローチャートである。
図10は、第3実施形態に係る蓄電素子の断面構造の一例を模式的に示す図である。
図11は、第4実施形態に係る蓄電素子の断面構造の一例を模式的に示す図である。
図12は、第5実施形態に係る蓄電素子の断面構造の一例を模式的に示す図である。
図13は、TEOSに対するEMI−TFSIのモル比と、イオン伝導度との関係を示すグラフである。
図14Aは、TEOSに対するEMI−TFSIのモル比が小さすぎる場合における多孔質シリカの孔の内表面の状態を模式的に示す図である。
図14Bは、TEOSに対するEMI−TFSIのモル比が十分に大きい場合における多孔質シリカの孔の内表面の状態を模式的に示す図である。

0009

(本開示に係る一態様の概要
本開示の第1態様にかかる固体電解質は、
相互接続された複数の孔を有する多孔質シリカと、
前記複数の孔の内表面を覆う電解質と、
を備え、
前記電解質は、EMI−TFSIで表される1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドと、前記EMI−TFSIに溶解したリチウム塩と、を含み、
前記多孔質シリカに対する前記EMI−TFSIのモル比が、1.5より大きく、かつ、2.0未満である。

0010

第1態様によれば、固体電解質をゲル状に維持しながら、高いイオン伝導度を達成することができる。

0011

本開示の第2態様において、例えば、第1態様に係る固体電解質の前記リチウム塩が、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを含んでいてもよい。Li−TFSIを用いると、優れたサイクル特性レート特性及び低温特性を有する固体電解質が得られる。

0012

本開示の第3態様において、例えば、第2態様に係る固体電解質の前記電解質は、前記複数の孔の前記内表面に接触する第1電解質層を含んでいてもよく、前記第1電解質層は、第1アニオン層、第1カチオン層及び第2アニオン層を含んでいてもよく、前記第1アニオン層は、前記多孔質シリカの前記複数の孔の前記内表面にそれぞれ吸着した複数の第1のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンを含んでいてもよく、前記第1カチオン層は、前記複数の第1のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンとそれぞれイオン結合した複数の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオンを含んでいてもよく、前記第2アニオン層は、前記複数の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオンとそれぞれイオン結合した複数の第2のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンを含んでいてもよい。第3態様によれば、リチウムイオンが第1電解質層の上を容易に移動することができると推察される。

0013

本開示の第4態様において、例えば、第1から第3態様のいずれか1つに係る固体電解質では、前記多孔質シリカに対する前記EMI−TFSIのモル比が、1.7以上、かつ、1.8以下であってもよい。第4態様によれば、高いイオン伝導度を示す固体電解質を確実に得ることができる。

0014

本開示の第5態様において、例えば、第1から第4態様のいずれか1つに係る固体電解質では、前記多孔質シリカは、単一の層をなしていてもよく、前記固体電解質の外形が前記多孔質シリカによって画定されていてもよい。このような構成によれば、固体電解質のハンドリングが容易であるとともに、固体電解質を蓄電素子などに応用しやすい。

0015

本開示の第6態様に係る電極は、
第1から第5態様のいずれか1つに係る固体電解質と、
電極活物質と、
を備えたものである。

0016

第6態様によれば、優れた電気特性を有する電極が得られる。

0017

本開示の第7態様において、例えば、第6態様に係る電極は、導電助剤及びバインダーから選ばれる少なくとも1つをさらに備えていてもよい。導電助剤は、電極の内部抵抗を十分に低減することに寄与する。バインダーは、電極活物質の粒子を互いに固定する役割を担う。電極活物質の粒子が互いに固定されていると、電極活物質の粒子の膨張及び収縮に起因する隙間の発生が抑制される。これにより、電池の放電容量の減少が抑制される。

0018

本開示の第8態様において、例えば、第6又は第7態様に係る電極は、導電助剤をさらに備えていてもよく、前記固体電解質のマトリクス中に、前記電極活物質からなる複数の第1粒子と、前記導電助剤からなる複数の第2粒子とが固定されていてもよい。第8態様によれば、電極において、固体電解質の高いイオン伝導度に基づく優れた電気特性が確実に発揮されうる。

0019

本開示の第9態様に係る蓄電素子は、
正極と、
負極と、
第1から第5態様のいずれか1つに係る固体電解質と、
を備えたものである。

0020

第9態様によれば、優れた電気特性を有する蓄電素子が得られる。

0021

本開示の第10態様に係る蓄電素子は、
正極と、
負極と、
を備え、
前記正極及び前記負極から選ばれる少なくとも1つは、第6から第8態様のいずれか1つに係る電極である。

0022

第10態様によれば、優れた電気特性を有する蓄電素子が得られる。

0023

本開示の第11態様に係る固体電解質の製造方法は、
シリコンアルコキシドと、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドと、リチウム塩と、水と、有機溶媒とを混合して、混合液を調製することと、
前記混合液をゲル化させることによって混合ゲルを形成することと、
前記混合ゲルを乾燥させることによって固体電解質を形成することと、
含む。

0024

第11態様によれば、本開示の固体電解質を効率的に製造できる。

0025

本開示の第12態様において、例えば、第11態様に係る固体電解質の製造方法では、前記シリコンアルコキシドは、オルトケイ酸テトラエチル及びその置換体から選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。オルトケイ酸テトラエチルは混合液を調製する際に揮発しにくいので、オルトケイ酸テトラエチルを原料として使用すると、最終的に得られるシリカの量を正確に制御しやすい。

0026

以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されない。

0027

(第1実施形態)
図1Aは、第1実施形態に係る固体電解質10の断面構造の一例を模式的に示している。固体電解質10は、多孔質シリカ11及び電解質13を備えている。多孔質シリカ11は、相互接続された複数の孔12を有する。複数の孔12は、いわゆる連続孔である。ただし、複数の孔12は、独立孔を含んでいてもよい。電解質13は、それらの孔12の内表面を覆っている。電解質13は、複数の孔12の内部を少なくとも部分的に満たしていてもよいし、複数の孔12の内部の全体を満たしていてもよい。

0028

本明細書において、「固体」とは、室温において系全体として固形状であることを意味し、部分的に液体を含有するものを排除するものではない。「固体」の例としては、ゲルが挙げられる。

0029

多孔質シリカ11は、例えば、メソポーラスシリカである。多孔質シリカ11は、25%〜90%の範囲の空隙率を有していてもよい。多孔質シリカ11の孔12のそれぞれの直径は、例えば、2nm〜50nmの範囲にある。孔12の直径は、例えば、次の方法で測定されうる。固体電解質10を有機溶媒に浸して電解質13を有機溶媒に溶解させた後、超臨界乾燥により電解質13を取り除き、BET法によって多孔質シリカ11の比表面積を測定する。測定結果から空隙率及び孔12のそれぞれの直径(細孔分布)を算出することができる。あるいは、集束イオンビーム法(FIB)で固体電解質10の薄片を作製し、透過型電子顕微鏡TEM)で固体電解質10の薄片を観察し、空隙率及び孔12の直径を求めることもできる。

0030

本実施形態において、多孔質シリカ11は、単一の層をなしている。多孔質シリカ11の層は、自立性を有していてもよい。固体電解質10の外形は、多孔質シリカ11によって画定されている。このような構成によれば、固体電解質10のハンドリングが容易であるとともに、固体電解質10を蓄電素子などに応用しやすい。

0031

図1Bは、多孔質シリカ11の孔12の断面を模式的に示している。図1Bに示すように、電解質13は、複数の孔12の内表面上に、連続膜として第1電解質層130を形成している。第1電解質層130では、電解質13を構成するイオンが秩序的に配向している。複数の孔12の内表面上にそれぞれ設けられた第1電解質層130は、相互に接続されて三次元的なネットワークを形成している。図1A破線Lに示すように、多孔質シリカ11と電解質13との界面付近、より具体的には、複数の孔12に沿って設けられた第1電解質層130の内表面上に、リチウムイオンが移動するための伝導パスが形成されている。

0032

図1Bに示すように、電解質13は、第2電解質層140を含んでいてもよい。第2電解質層140は、第1電解質層130の内表面に接している。第2電解質層140は、孔12の中心部分に位置している。第1電解質層130によって第2電解質層140が囲まれている。第2電解質層140は、イオン液体及びリチウム塩に由来するイオンが無秩序に配向している層である。

0033

電解質13は、イオン液体及びリチウム塩を含む。イオン液体は、EMI−TFSIで表される1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを含む。リチウム塩は、EMI−TFSIに溶解している。

0034

リチウム塩の例としては、過塩素酸リチウム(LiClO4)、ホウフッ化リチウム(LiBF4)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(Li−FSI)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Li−TFSI)、及び、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(Li−BETI)が挙げられる。これらのリチウム塩から選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。リチウム塩は、例えば、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Li−TFSI)である。Li−TFSIを用いると、優れたレート特性を有する固体電解質が得られる。

0035

多孔質シリカ11に対するEMI−TFSIのモル比は、例えば、1.5より大きく、かつ、2.0未満である。これにより、固体電解質10をゲル状に維持しながら、高いイオン伝導度を達成することができる。多孔質シリカ11に対するEMI−TFSIのモル比が1.5以下又は2.0以上の場合、高いイオン伝導度(例えば、2.8mS/cm以上)を達成することが難しい。また、多孔質シリカ11に対するEMI−TFSIのモル比が大きすぎると、ゲル状の固体電解質10を得ることが難しい。

0036

多孔質シリカ11に対するEMI−TFSIのモル比は、例えば、固体電解質10を元素分析することによって特定することができる。具体的には、多孔質シリカ11に含まれるSiと、EMI−TFSIに含まれる元素(例えば、N、S又はF)との比から算出することができる。元素分析の例としては、エネルギー分散X線分析(EDX)、電子エネルギー損失分光分析(EELS)、ラザフォード後方散乱分光分析(RBS)、X線光電子分光分析(XPS)、及びオージェ電子分光分析AES)が挙げられる。

0037

図2は、多孔質シリカ11の孔12の内表面付近における第1電解質層130の構造の一例を模式的に示している。本明細書では、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンを「TFSI-イオン」と表記することがある。1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオンを「EMI+イオン」と表記することがある。

0038

図2に示す例では、第1電解質層130は、第1アニオン層131a、第1カチオン層131b及び第2アニオン層132aを含む。第1アニオン層131a、第1カチオン層131b及び第2アニオン層132aは、孔12の内表面上にこの順で形成されている。第1電解質層130の上にリチウムイオン132Lが存在している。第1アニオン層131aは、例えば、複数のTFSI-イオンで構成されている。それらのTFSI-イオンは、多孔質シリカ11に吸着している。第1カチオン層131bは、例えば、複数のEMI+イオンで構成されている。それらのEMI+イオンは、第1アニオン層131aを構成する複数のTFSI-イオンとそれぞれ結合している。第2アニオン層132aは、例えば、リチウム塩に由来するアニオン(例えば、TFSI-イオン)で構成されている。それらのアニオンは、第1カチオン層131bを構成する複数のEMI+イオンとそれぞれ結合している。第1アニオン層131aを構成するアニオン及び第2アニオン層132aを構成するアニオンは、イオン液体に由来するアニオンであってもよく、リチウム塩に由来するアニオンであってもよい。アニオンとカチオンとの結合の形式は、詳細には、イオン結合である。

0039

固体電解質10において、リチウムイオン132Lは、以下のメカニズムによって、第1電解質層130の上(第2アニオン層132aの上)を容易に移動することができると推察される。

0040

TFSI-イオンは、S=O結合に起因するπ結合を有する。TFSI-イオンのπ電子は、大きい非局在性を有する。EMI+イオンは、五員環に起因する共役π結合を有する。EMI+イオンの共役π電子雲は、大きい非局在性を有する。

0041

まず、TFSI-イオンの酸素が多孔質シリカ11のシラノール基水素水素結合し、第1アニオン層131aが形成される。このとき、TFSI-イオンのπ電子雲は、多孔質シリカ11の表面電位に従って多孔質シリカ11側に引き寄せられる。その結果、TFSI-イオンに分極電荷が生じる。具体的には、TFSI-イオンにおいて、多孔質シリカ11に近い側に負の分極電荷が生じ、多孔質シリカ11から遠い側に正の分極電荷が生じる。

0042

図2に示すように、多孔質シリカ11の表面にTFSI-イオンが吸着及び整列した状態を第1状態とする。他方、多孔質シリカ11の表面にTFSI-イオンとEMI+イオンとが交互に吸着及び整列した状態を第2状態とする。計算によれば、第1状態は、第2状態よりも安定である。そのため、多孔質シリカ11の表面にTFSI-イオンが優先的に吸着及び整列する。

0043

次に、EMI+イオンが第1アニオン層131aに結合し、第1カチオン層131bが形成される。このとき、EMI+イオンの共役π電子雲は、第1アニオン層131aの表面の正の分極電荷によって、第1アニオン層131a側に引き寄せられる。その結果、EMI+イオンに分極電荷が生じる。具体的には、EMI+イオンにおいて、第1アニオン層131aに近い側に負の分極電荷が生じ、第1アニオン層131aから遠い側に正の分極電荷が生じる。

0044

次に、TFSI-イオンが第1カチオン層131bに結合し、第2アニオン層132aが形成される。このとき、TFSI-イオンのπ電子雲は、第1カチオン層131bの表面の正の分極電荷によって、第1カチオン層131b側に引き寄せられる。その結果、TFSI-イオンに分極電荷が生じる。具体的には、TFSI-イオンにおいて、第1カチオン層131bに近い側に負の分極電荷が生じ、第1カチオン層131bから遠い側に正の分極電荷が生じる。

0045

第2アニオン層132aの表面の正の分極電荷は、第2アニオン層132aのTFSI-イオンとリチウムイオン132Lとのクーロン相互作用を弱めることができる。これにより、リチウムイオン132Lは、第2アニオン層132aの上を動きやすくなると推察される。

0046

電解質13の構造は、以下の方法から推定することができる。フーリエ変換赤外分光分析(FT−IR)又はラマン分析を行い、分子振動モードを測定する。これにより、電解質のイオンがシリカに結合していることを推定できる。また、示差走査熱量測定DSC)において、液相から固相へ変化する際のピークが現れない又は小さいことを確認することによって、既に固相となっている第1電解質層130の存在を確認できる。

0047

図3は、第1電解質層の構造の他の例を模式的に示している。図3に示すように、第1電解質層130aの各層を構成するイオンは、1対1対応で結合していない。第1電解質層130aの各層を構成するイオンは、EMI−TFSIとリチウム塩とのモル比に応じて互いに結合していてもよい。

0048

図4は、第1電解質層の構造のさらに他の例を模式的に示している。図4に示すように、第1電解質層130bは、図2を参照して説明した構造に加え、第2カチオン層132b及び第3アニオン層133aをさらに含む。第2カチオン層132b及び第3アニオン層133aは、第2アニオン層132aの上にこの順で形成されている。第3アニオン層133aの上にリチウムイオン132Lが存在している。

0049

図2及び図4から理解できるように、第1電解質層を構成する層の数は特に限定されない。第1電解質層が複数のアニオン層を含む場合、それらのアニオン層の少なくとも1つがTFSI-イオンを含む。第1電解質層が複数のカチオン層を含む場合、それらのカチオン層の少なくとも1つがEMI+イオンを含む。

0050

次に、図5を参照しつつ、固体電解質10の製造方法の一例を説明する。

0051

図5に示す製造方法は、混合液を調製する工程S1、混合液から混合ゲルを形成する工程S2、及び、混合ゲルを乾燥させる工程S3を含む。ゾルゲル法によれば、図1Aを参照して説明した固体電解質10を効率的に製造できる。

0052

工程S1では、シリコンアルコキシド、EMI−TFSI、リチウム塩、水、及び、有機溶媒を混合する。例えば、シリコンアルコキシド、EMI−TFSI、リチウム塩、水、及び、有機溶媒のそれぞれを容器に入れ、これらを混合する。

0053

シリコンアルコキシドの例としては、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、オルトケイ酸テトラメチル(TMOS)、及び、それらの置換体が挙げられる。これらのシリコンアルコキシドから選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。TEOSの沸点は、TMOSの沸点よりも高い。TEOSは混合液を調製する際に揮発しにくいので、TEOSを原料として使用すると、最終的に得られるシリカの量を正確に制御しやすい。

0054

リチウム塩の例としては、上述の種々の材料が挙げられる。

0055

水は、シリコンアルコキシドを加水分解させるものであればよく、例えば、脱イオン水である。

0056

有機溶媒は、シリコンアルコキシド、EMI−TFSI、リチウム塩、及び、水を均一に混合できるものであればよく、例えば、アルコールである。アルコールの例としては、メタノールエタノールイソプロパノール、及び、1−メトキシ2−プロパノールPGME)が挙げられる。これらのアルコールから選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。

0057

有機溶媒の体積は、例えば、シリコンアルコキシド、EMI−TFSI、リチウム塩、及び、水の体積の和に対して、1/2以上、かつ、3倍以下であってもよい。これにより、親水性材料疎水性材料とを適切に混ぜることができる。シリコンアルコキシドから生成されたシロキサンモノマー同士の衝突頻度を高くして、ゲル化を促進することができる。

0058

混合液は、他の材料を含んでいてもよい。

0059

工程S2では、混合液をゲル化させることによって混合ゲルを形成する。例えば、容器を密閉して混合液を室温(25℃、周囲温度)で保管すると、4〜23日程度で混合液が湿潤状態の混合ゲルに変化する。ゲル化に要する時間は、水の配合量、有機溶媒の配合量、及び、保管温度によって制御可能である。

0060

具体的には、以下の反応が進む。まず、TEOSが加水分解してシラノールが形成される。次に、2つのシラノールが脱水縮重合することによってシロキサンモノマーが形成される。そして、複数のシロキサンが脱水縮重合することによってシロキサンポリマーが形成される。このようにして、シロキサンポリマーが3次元の網目状にネットワークを形成することにより、混合液がゲル化する。

0061

混合液中のEMI−TFSIの割合が高すぎると、シロキサンのネットワークが形成されにくく、混合液がゲル化しにくい。本発明者らは、混合液中の水の量を従来の方法よりも多くすることによって、EMI−TFSIの割合が高い場合であっても、ゲル化が達成されることを見出している。

0062

工程S3では、混合ゲルを乾燥させる。これにより、固体電解質10が得られる。例えば、真空乾燥機を用いて、圧力0.1〜200Pa、温度15〜150℃(周囲温度)の条件のもとで、48〜72時間かけて混合ゲルを乾燥させる。真空乾燥時突沸及び気泡の発生を抑えるために、真空乾燥工程の前に事前乾燥処理を行ってもよい。事前乾燥処理では、例えば、局所排気装置に設置したホットプレートを用いて、大気圧、温度15〜90℃(ホットプレートの表面温度)の条件のもとで、24〜96時間かけて混合ゲルを加熱する。事前乾燥処理によって、混合ゲルに含まれる水と有機溶媒の大半を蒸発させることができる。

0063

(第2実施形態)
図6は、第2実施形態に係る電極20の断面構造の一例を模式的に示している。図6において、電極20は、集電体21の上に配置されている。電極20は、電極活物質、導電助剤及び固体電解質を含む。具体的には、電極20は、活物質粒子22、導電助剤粒子23及び固体電解質24を含む。活物質粒子22は、固体電解質24のマトリクスに埋め込まれて固定されている。導電助剤粒子23も固体電解質24のマトリクスに埋め込まれて固定されている。粒子22及び23の形状は特に限定されない。

0064

集電体21は、導電材料で構成されている。導電材料の例としては、金属、導電性酸化物導電性窒化物導電性炭化物導電性硼化物、及び導電性樹脂が挙げられる。

0065

固体電解質24として、第1実施形態で説明した固体電解質10を用いることができる。本開示の固体電解質10は高いイオン伝導度を有するので、固体電解質10を用いることによって、優れた電気特性を有する電極20が得られる。

0066

本実施形態によれば、固体電解質24のマトリクス中に活物質粒子22(第1粒子)及び導電助剤粒子23(第2粒子)が固定されている。このような構造によれば、電極20において、固体電解質24の高いイオン伝導度に基づく優れた電気特性が確実に発揮されうる。

0067

電極20に用いられた電極活物質が正極活物質である場合、正極活物質の例としては、リチウム含有遷移金属酸化物バナジウム酸化物クロム酸化物、及びリチウム含有遷移金属硫化物が挙げられる。リチウム含有遷移金属酸化物の例としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4、LiNiCoMnO2、LiNiCoO2、LiCoMnO2、LiNiMnO2、LiNiCoMnO4、LiMnNiO4、LiMnCoO4、LiNiCoAlO2、LiNiPO4、LiCoPO4、LiMnPO4、LiFePO4、Li2NiSiO4、Li2CoSiO4、Li2MnSiO4、Li2FeSiO4、LiNiBO3、LiCoBO3、LiMnBO3、及びLiFeBO3が挙げられる。リチウム含有遷移金属硫化物の例として、LiTiS2、Li2TiS3、及びLi3NbS4が挙げられる。これらの正極活物質からから選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。

0068

電極20に用いられた電極活物質が負極活物質である場合、負極活物質の例としては、金属、半金属酸化物、窒化物、及び炭素が挙げられる。金属又は半金属の例としては、リチウムシリコンアモルファスシリコンアルミニウム、銀、スズ、アンチモン、及びそれらの合金が挙げられる。酸化物の例としては、Li4Ti5O12、Li2SrTi6O14、TiO2、Nb2O5、SnO2、Ta2O5、WO2、WO3、Fe2O3、CoO、MoO2、SiO、SnBPO6、及びそれらの混合物が挙げられる。窒化物の例としては、LiCoN、Li3FeN2、Li7MnN4及びそれらの混合物が挙げられる。炭素の例としては、黒鉛グラフェンハードカーボンカーボンナノチューブ及びそれらの混合物が挙げられる。これらの負極活物質から選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。

0069

導電助剤は、例えば、導電性カーボンである。導電性カーボンの例としては、カーボンブラックファイバー状カーボン、黒鉛、ケッチェンブラック、及びアセチレンブラックが挙げられる。これらの導電助剤から選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。導電助剤は、電極20の内部抵抗を十分に低減することに寄与する。

0070

電極20は、さらに、バインダーを含んでいてもよい。バインダーの例としては、カルボキシメチルセルロースCMC)及びスチレンブタジエンゴムSBR)が挙げられる。これらのバインダーから選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。バインダーは、電極20の形状を維持する効果を発揮する。

0071

次に、図7を参照しつつ、電極20の製造方法の一例を説明する。

0072

工程S11では、活物質粒子を含有する混合液を調製する。工程S11は、サブ工程S111及びサブ工程S112を含んでいてもよい。サブ工程S111では、例えば、EMI−TFSI、リチウム塩、水、有機溶媒及び活物質粒子を混合して前駆液を調製する。サブ工程S112では、前駆液にシリコンアルコキシドを混合する。これにより、活物質粒子を含有する混合液が得られる。サブ工程S112では、例えば、前駆液が入れられた容器にシリコンアルコキシドを滴下する。工程S11は、混合液に活物質粒子が加えられることを除き、第1実施形態における工程S1と同じ工程である。

0073

工程S12では、固体電解質によって被覆された活物質粒子を形成する。工程S12では、例えば、第1実施形態における工程S2及び工程S3と同じ操作を行う。混合液が活物質粒子を含有するため、混合液をゲル化させると、混合ゲルが活物質粒子の表面の少なくとも一部を覆うように形成される。混合ゲルによって被覆された活物質粒子を乾燥させると、固体電解質によって被覆された活物質粒子が得られる。

0074

工程S13では、被覆された活物質粒子を含有するスラリーを調製する。被覆された活物質粒子及び導電助剤粒子に電解液又は溶媒を加えて混合する。これにより、電極形成用のスラリーが得られる。必要に応じて、スラリーにはバインダーが加えられてもよい。導電助剤は、工程S11において混合液に予め加えられてもよい。スラリーの調製に用いられる電解液の例としては、リチウム塩と炭酸エステルとを含む電解液が挙げられる。炭酸エステルとしては、鎖状炭酸エステル環状炭酸エステル、及びそれらの混合物が挙げられる。例えば、エチレンカーボネートジエチルカーボネートとを1:1の体積比で含む混合溶媒にLiPF6を1mol/リットルの濃度で溶解させることによって、電解液が得られる。スラリーの調製に用いられる溶媒の例としては、水及び有機溶媒が挙げられる。有機溶媒の例としては、N−メチルピロリドン(NMP)が挙げられる。

0075

工程S14では、集電体にスラリーを塗布して塗布膜を形成する。スラリーの塗布方法は特に限定されない。例えば、ブレードコート法によって集電体にスラリーを塗布する。

0076

工程S15では、集電体上に形成された塗布膜を乾燥させる。所定の体積充填率を有する電極20が得られるように、乾燥した塗布膜を圧延してもよい。これにより、電極20が得られる。塗布膜の乾燥は、例えば、真空乾燥機を用いて、圧力0.1〜200Pa、温度80〜150℃(周囲温度)の条件のもとで、4〜12時間かけて行われる。

0077

次に、図8を参照しつつ、電極20の製造方法の他の例を説明する。

0078

工程S21では、混合液を調製する。工程S21は、例えば、第1実施形態における工程S1と同じ工程である。

0079

工程S22では、集電体上に電極層を形成する。電極層は、活物質粒子及び導電助剤粒子を含むスラリーを集電体に塗布し、塗布膜を乾燥させることによって得られる。スラリーは、活物質粒子及び導電助剤粒子に電解液又は有機溶媒を加えて混合することによって調製されうる。工程S22では、図7を参照して説明した工程S14及び工程S15と同じ操作を行ってもよい。

0080

工程S21は、工程S22から独立した工程である。工程S21と工程S22の順序は特に限定されない。

0081

工程S23では、電極層に混合液を含浸させる。電極層に混合液を含浸させるために、電極層に混合液を滴下させてもよいし、電極層を混合液に浸漬させてもよい。電極層に含浸させる前において、混合液のゲル化が一部進行していてもよい。例えば、混合液を調製した後、混合液を室温で数日間保存すると、ゲル化が少し進行する。そのような混合液を電極層に含浸させてもよい。

0082

工程S24では、固体電解質によって被覆された活物質粒子を形成する。電極層に含浸した混合液をゲル化させ、混合ゲルを乾燥させる。工程S24では、例えば、第1実施形態における工程S2及び工程S3と同じ操作を行う。以上により、電極20が得られる。

0083

次に、図9を参照しつつ、電極20の製造方法のさらに他の例を説明する。

0084

工程S31では、活物質粒子を含有するスラリーを調製する。工程S31は、サブ工程S311及びサブ工程S312を含んでいてもよい。サブ工程S311では、例えば、EMI−TFSI、リチウム塩、水、有機溶媒、活物質粒子、導電助剤粒子及びバインダーを混合して前駆液を調製する。サブ工程S312では、前駆液にシリコンアルコキシドを混合する。これにより、電極形成用のスラリーが得られる。サブ工程S312では、例えば、前駆液が入れられた容器にシリコンアルコキシドを滴下する。

0085

工程S32では、集電体にスラリーを塗布して塗布膜を形成する。スラリーの塗布方法は特に限定されない。例えば、ブレードコート法によって集電体にスラリーを塗布する。

0086

工程S33では、集電体上に形成された塗布膜を乾燥させる。塗布膜を乾燥させると、先に説明した加水分解反応及び脱水縮重合反応が進行し、活物質粒子及び導電助剤粒子の周囲に固体電解質のマトリクスが形成される。塗布膜を所定期間(例えば、4〜23日)にわたって室温で保存し、その後、所定条件にて塗布膜を乾燥させてもよい。塗布膜の乾燥は、例えば、真空乾燥機を用いて、圧力0.1〜200Pa、温度15〜150℃(周囲温度)の条件のもとで、48〜72時間かけて行われる。所定の体積充填率を有する電極20が得られるように、乾燥した塗布膜を圧延してもよい。これにより、電極20が得られる。

0087

(第3実施形態)
図10は、第3実施形態に係る蓄電素子30の断面構造の一例を模式的に示している。図10において、蓄電素子30は、集電体31、正極32、固体電解質33、負極34、及び集電体35を備えている。集電体31及び35として、第2実施形態で説明した集電体21を用いることができる。正極32は、例えば、第2実施形態で説明した正極活物質を含有する。負極34は、例えば、第2実施形態で説明した負極活物質を含有する。

0088

固体電解質33は、正極32と負極34との間に配置されている。固体電解質33として、第1実施形態で説明した固体電解質10を用いることができる。本開示の固体電解質10は高いイオン伝導度を有するので、固体電解質10を用いることによって、優れた電気特性を有する蓄電素子30が得られる。

0089

(第4実施形態)
図11は、第4実施形態に係る蓄電素子40の断面構造の一例を示している。図11において、蓄電素子40は、集電体41、正極42、固体電解質43、負極44、及び集電体45を備えている。集電体41及び45として、第2実施形態で説明した集電体21を用いることができる。正極42として、第2実施形態で説明した電極20を用いることができる。負極44は、例えば、第2実施形態で説明した負極活物質を含有する。

0090

固体電解質43は、正極42と負極44との間に配置されている。固体電解質43として、第1実施形態で説明した固体電解質10を用いることができる。あるいは、固体電解質43は、その他の固体電解質であってもよい。その他の固体電解質の例としては、無機固体電解質及びポリマー電解質が挙げられる。無機固体電解質の例としては、無機酸化物及び無機硫化物が挙げられる。無機酸化物の例としては、LiPON、LiAlTi(PO4)3、LiAlGeTi(PO4)3、LiLaTiO、LiLaZrO、Li3PO4、Li2SiO2、Li3SiO4、Li3VO4、Li4SiO4−Zn2SiO4、Li4GeO4−Li2GeZnO4、Li2GeZnO4−Zn2GeO4、及びLi4GeO4−Li3VO4が挙げられる。無機硫化物の例としては、Li2S−P2S5、Li2S−P2S5−LiI、Li2S−P2S5−Li2O−LiI、Li2S−SiS2、Li2S−SiS2−LiI、Li2S−SiS2−LiBr、Li2S−SiS2−LiCl、Li2S−SiS2−B2S3−LiI、Li2S−SiS2−P2S5−LiI、Li2S−B2S3、Li2S−P2S5−GeS、Li2S−P2S5−ZnS、Li2S−P2S5−GaS、Li2S−GeS2、Li2S−SiS2−Li3PO4、Li2S−SiS2−LiPO、Li2S−SiS2−LiSiO、Li2S−SiS2−LiGeO、Li2S−SiS2−LiBO、Li2S−SiS2−LiAlO、Li2S−SiS2−LiGaO、Li2S−SiS2−LiInO、Li4GeS4−Li3PS3、Li4SiS4−Li3PS4、及びLi3PS4−Li2Sが挙げられる。ポリマー電解質の例としては、フッ素樹脂ポリエチレンオキサイドポリアクリルニトリルポリアクリレート、これらの誘導体、及びこれらの共重合体が挙げられる。

0091

蓄電素子40の内部で十分な電子絶縁性が確保できる場合、固体電解質43は省略されてもよい。例えば、図6を参照して説明した電極20を作製したのち、電極20の表面に混合液を塗布して塗布膜を形成する。塗布膜をゲル化及び乾燥させることによって、電極20の上に固体電解質の薄い層を形成することができる。この薄い層が正極と負極との短絡を防ぐのに十分である場合、セパレータの役割を果たす固体電解質が別途必要とされない。

0092

図11に示す蓄電素子40においては、正極42のみに本開示の固体電解質を含む電極が使用されている。

0093

(第5実施形態)
図12は、第5実施形態に係る蓄電素子50の断面構造の一例を示している。図12において、蓄電素子50は、集電体51、正極52、固体電解質53、負極54、及び集電体55を備えている。集電体51及び55として、第2実施形態で説明した集電体21を用いることができる。正極52及び負極54として、第2実施形態で説明した電極20を用いることができる。固体電解質53は、正極52と負極54との間に配置されている。固体電解質53として、第1実施形態で説明した固体電解質10を用いることができる。あるいは、固体電解質53は、その他の固体電解質であってもよい。本実施形態では、正極52と負極54の両方に本開示の固体電解質を含む電極が使用されている。ただし、負極54のみに本開示の固体電解質を含む電極が使用されてもよい。

0094

第4及び第5実施形態によれば、正極及び負極から選ばれる少なくとも1つに本開示の電極20が用いられている。電極20は、本開示の固体電解質10を含む。固体電解質10は高いイオン伝導度を有するので、固体電解質10を用いることによって、優れた電気特性を有する蓄電素子が得られる。

0095

EMI−TFSI、Li−TFSI、0.5mlのTEOS、1.5mlのPGME及び0.5mlの水をガラス容器に入れて混合し、混合液を得た。モル比にて、TEOS:EMI−TFSI:Li−TFSI=1:x:0.33x(x=1.0、1.25、1.5、1.75又は2.0)の関係を満たすようにEMI−TFSI及びLi−TFSIの量を変化させ、互いに異なる組成比を有する5つの混合液試料を得た。

0096

ガラス容器を密閉して試料を室温(25℃)で保管した。各試料は、10〜17日で湿潤状態の混合ゲルに変化した。

0097

各試料を真空乾燥機に入れ、90℃、0.1Pa以下の条件で72時間にわたって焼成した。これにより、固体電解質を得た。得られた固体電解質のイオン伝導度を交流インピーダンス法によって測定した。測定は、25℃に保たれたグローブボックス内で行った。結果を図13に示す。

0098

図13は、TEOSに対するEMI−TFSIのモル比と、イオン伝導度との関係を示している。TEOSに含まれたSi原子の全てが多孔質シリカの骨格を形成すると仮定した場合、TEOSに対するEMI−TFSIのモル比は、多孔質シリカに対するEMI−TFSIのモル比に一致する。

0099

参考例として、Li−TFSI及びEMI−TFSIを含む非水電解液を調製した。EMI−TFSIに対するLi−TFSIのモル比は0.33であった。この非水電解液のイオン伝導度は、2.8mS/cmであった。

0100

図13に示すように、TEOSに対するEMI−TFSIのモル比の増加に伴ってイオン伝導度が増大した。TEOSに対するEMI−TFSIのモル比が1.5を超えると、固体電解質のイオン伝導度は、非水電解液のイオン伝導度を上回り、約3.0mS/cmに達した。

0101

図14Aに示すように、TEOSに対するEMI−TFSIのモル比が小さすぎる場合、多孔質シリカの孔の内表面に連続的な第1電解質層130が形成されず、連続的なイオン伝導経路が形成されなかったと考えられる。TEOSに対するEMI−TFSIのモル比の増加に伴って、図14Bに示すように、多孔質シリカ11の孔12の内表面が分極電荷を有する第1電解質層130で十分に覆われ、連続的なイオン伝導経路が形成されたと考えられる。

実施例

0102

以上の結果から、多孔質シリカに対するEMI−TFSIのモル比が1.5より大きく、かつ、2.0未満であるとき、高いイオン伝導度を示す固体電解質が得られる。図13のグラフから、多孔質シリカに対するEMI−TFSIのモル比が1.7以上、かつ、1.8以下であるとき、高いイオン伝導度を示す固体電解質を確実に得ることができるといえる。

0103

本開示の技術は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子に有用である。

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