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技術 電動パワーステアリング装置用ギヤハウジングおよびその製造方法、並びに、電動パワーステアリング装置

出願人 日本精工株式会社
発明者 石井貴之
出願日 2018年10月25日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2019-550304
公開日 2020年10月22日 (4ヶ月経過) 公開番号 WO2019-087945
状態 未査定
技術分野 鋳型又は中子及びその造型方法 チル鋳造・ダイキャスト プラスチック等の成形用の型 パワーステアリング機構
主要キーワード 凸円弧形状 モータ取付フランジ 拡縮装置 電動アシスト装置 調節ロッド 幅方向側面 前側ハウジング 中空筒
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図面 (15)

課題・解決手段

ギヤハウジングを構成する前側ハウジングに関して、薄肉化を図る場合にも、剛性および成形性を確保できる、ギヤハウジングの構造を実現する。前側ハウジング15aの前側面に、ウォーム収容部18aとウォームホイール収容部17aを構成するウォームホイール用底部40とに架けわたすように、補強リブ38a、38b、38cを配置する。補強リブ38a、38b、38cの伸長方向を、ウォームホイールとウォームとの噛み合い反力の作用方向に一致させる。

概要

背景

図13は、電動パワーステアリング装置の従来構造の1例を示している。電動パワーステアリング装置は、ステアリングシャフト2、ステアリングシャフト2を内側に回転自在に支持する、円筒状のステアリングコラム3、運転者ステアリングホイール1を操作するために要する力を軽減するための補助動力を付与する、電動アシスト装置4、並びに、ステアリングシャフト2の回転をステアリングギヤユニット7のピニオン軸8に伝達する、自在継手5a、中間シャフト6、および、自在継手5bを備える。ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト2の後端部に固定される。操舵時のステアリングホイール1の動きは、ステアリングシャフト2、電動アシスト装置4、自在継手5a、中間シャフト6、および、自在継手5bを介して、ピニオン軸8に伝達される。ピニオン軸8の回転により、ステアリングギヤユニット7の両側に配置された1対のタイロッド9が押し引きされて、左右1対操舵輪に、ステアリングホイール1の操作量に応じた舵角が付与される。なお、前後方向とは、電動パワーステアリング装置が組み付けられる車体の前後方向をいう。

図14は、国際公開第2016/084659号に記載された、電動アシスト装置の具体的な構造を示している。電動アシスト装置4aは、ステアリングコラム3の前方に配置され、ステアリングホイール1からステアリングシャフト2に入力された操舵トルクを測定する、トルクセンサ10、トルクセンサ10からの測定信号に基づいて通電が制御された状態で補助動力を発生する、電動モータ11、電動モータ11からの補助動力を出力軸13に付与する、ウォーム減速機12、および、ステアリングコラム3の前端部に固定され、トルクセンサ10およびウォーム減速機12を収容する、ギヤハウジング14を備える。

ギヤハウジング14は、前後方向に配置され、複数本ボルトにより結合される、前側ハウジング15および後側ハウジング16を備える。前側ハウジング15は、後方が開口したカップ状のウォームホイール収容部17と、ウォームホイール収容部17の外径側部分周方向一部(図示の例では上端部)に配置された円筒状のウォーム収容部18とを備える。ウォームホイール収容部17には、前方に突出して、ギヤハウジング14を車体に対し支持するための取付ステー19を備える。

ウォーム減速機12は、出力軸13に外嵌固定されたウォームホイール20、および、電動モータ11の出力軸に連結されたウォーム軸21を備える。ウォームホイール20は、ウォームホイール収容部17の内側に収容される。ウォーム軸21は、ウォーム収容部18の内側に収容される。ウォーム軸21は、その中間部にウォーム22を備え、ウォーム22とウォームホイール20とが噛合する。

出力軸13は、ギヤハウジング14内に回転自在に支持されており、互いに同軸に配置された入力軸23に対し、トーションバー24を介して連結される。出力軸13の前端部は、図13に示すように、1対の自在継手5a、5bおよび中間シャフト6を介してピニオン軸8に接続される。入力軸23の後端部は、ステアリングシャフト2の前端部に接続される。ステアリングホイール1を操作すると、ステアリングシャフト2を介して入力軸23に加えられる操舵トルクと出力軸13が回転することに対する抵抗とにより、入力軸23と出力軸13とが、トーションバー24を捩り方向弾性変形させつつ、回転方向相対変位する。入力軸23と出力軸13との相対変位量は、トルクセンサ10により測定される。図示しない制御器が、トルクセンサ10の測定信号に応じて電動モータ11を制御し、電動モータ11からの補助動力(補助トルク)は、ウォーム減速機12を介して、出力軸13に付与される。

概要

ギヤハウジングを構成する前側ハウジングに関して、薄肉化をる場合にも、剛性および成形性を確保できる、ギヤハウジングの構造を実現する。前側ハウジング15aの前側面に、ウォーム収容部18aとウォームホイール収容部17aを構成するウォームホイール用底部40とに架けわたすように、補強リブ38a、38b、38cを配置する。補強リブ38a、38b、38cの伸長方向を、ウォームホイールとウォームとの噛み合い反力の作用方向に一致させる。

目的

本発明の目的は、上述のような事情に鑑みて、薄肉化した場合にも、剛性を確保でき、かつ、製造時の成形性(材料の流動性)を確保できる、電動パワーステアリング装置用ギヤハウジングの構造を実現することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

後方向に組み合わされた、前側ハウジングおよび後側ハウジングを備え、前記前側ハウジングは、内側にウォームホイールを収容するウォームホイール収容部と、内側にウォーム軸を収容するウォーム収容部と、1個以上の補強リブとを備え、前記ウォームホイール収容部は、前記ウォームホイールの周囲に配置されるウォームホイール用筒部と、前記ウォームホイール用筒部の前端部から径方向内方に折れ曲がった円輪状のウォームホイール用底部とを有しており、前記ウォーム収容部は、前記ウォームホイール収容部の外径側部分周方向一部に備えられており、前記補強リブは、前記前側ハウジングの前側面に備えられ、前記ウォームホイールと前記ウォーム軸に備えられたウォームとの噛み合い反力の作用方向に伸長し、前記ウォーム収容部と前記ウォームホイール用底部とに架けわたされる、電動パワーステアリング装置用ギヤハウジング

請求項2

前記ウォームホイール用底部から前方に突出し、前記前側ハウジングを車体に支持するための取付ステーをさらに備える、請求項1に記載した電動パワーステアリング装置用ギヤハウジング。

請求項3

前記1個以上の補強リブのうちの少なくとも1個の補強リブは、前記取付ステーに連続する、請求項2に記載した電動パワーステアリング装置用ギヤハウジング。

請求項4

前記ウォームホイール用底部は、径方向中央部に軸受保持孔を備え、かつ、該軸受保持孔の開口縁部に、前記ウォームホイール用底部の径方向中間部および外側部よりも前方に突出した環状突部を備える、請求項1〜3のうちのいずれかに記載した電動パワーステアリング装置用ギヤハウジング。

請求項5

前記1個以上の補強リブのうちの少なくとも1個の補強リブの前側面は、前記環状突部の前側面と同じ位置に、または、前記環状突部の前側面よりも後方に、配置される、請求項4に記載した電動パワーステアリング装置用ギヤハウジング。

請求項6

前記1個以上の補強リブのうちの少なくとも1個の補強リブを、前記環状突部のうちで前記ウォーム収容部に最も近接した部分と、前記ウォーム収容部とに架けわたされる、請求項4または5に記載した電動パワーステアリング装置用ギヤハウジング。

請求項7

前記前側ハウジングは、前記前側面に、周囲に存在する部分よりも前方に突出した、少なくとも1個のボス部をさらに備える、請求項1〜6のうちのいずれかに記載した電動パワーステアリング装置用ギヤハウジング。

請求項8

電動モータにより回転駆動されるウォーム軸と、該ウォーム軸の中間部に備えられたウォームと、該ウォームと噛合するウォームホイールとを有するウォーム減速機、および、該ウォーム減速機を内側に収容するギヤハウジング、を備え、前記ギヤハウジングが、請求項1〜7のうちのいずれかに記載した電動パワーステアリング装置用ギヤハウジングにより構成される、電動パワーステアリング装置

請求項9

請求項1〜7のうちのいずれかに記載した電動パワーステアリング装置用ギヤハウジングの製造方法であって、前記前側ハウジングを、キャビティを有する金型を用いた、鋳造または合成樹脂射出成形により作製する際に、材料を、前記キャビティのうち、前記ウォーム収容部を形成するためのウォーム収容部形成空間側から前記ウォームホイール収容部を形成するためのウォームホイール収容部形成空間側へと流動させる、電動パワーステアリング装置用ギヤハウジングの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、電動パワーステアリング装置、特に、この電動パワーステアリング装置を構成するウォーム減速機を収容するための電動パワーステアリング装置用ギヤハウジングに関する。

背景技術

0002

図13は、電動パワーステアリング装置の従来構造の1例を示している。電動パワーステアリング装置は、ステアリングシャフト2、ステアリングシャフト2を内側に回転自在に支持する、円筒状のステアリングコラム3、運転者ステアリングホイール1を操作するために要する力を軽減するための補助動力を付与する、電動アシスト装置4、並びに、ステアリングシャフト2の回転をステアリングギヤユニット7のピニオン軸8に伝達する、自在継手5a、中間シャフト6、および、自在継手5bを備える。ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト2の後端部に固定される。操舵時のステアリングホイール1の動きは、ステアリングシャフト2、電動アシスト装置4、自在継手5a、中間シャフト6、および、自在継手5bを介して、ピニオン軸8に伝達される。ピニオン軸8の回転により、ステアリングギヤユニット7の両側に配置された1対のタイロッド9が押し引きされて、左右1対操舵輪に、ステアリングホイール1の操作量に応じた舵角が付与される。なお、前後方向とは、電動パワーステアリング装置が組み付けられる車体の前後方向をいう。

0003

図14は、国際公開第2016/084659号に記載された、電動アシスト装置の具体的な構造を示している。電動アシスト装置4aは、ステアリングコラム3の前方に配置され、ステアリングホイール1からステアリングシャフト2に入力された操舵トルクを測定する、トルクセンサ10、トルクセンサ10からの測定信号に基づいて通電が制御された状態で補助動力を発生する、電動モータ11、電動モータ11からの補助動力を出力軸13に付与する、ウォーム減速機12、および、ステアリングコラム3の前端部に固定され、トルクセンサ10およびウォーム減速機12を収容する、ギヤハウジング14を備える。

0004

ギヤハウジング14は、前後方向に配置され、複数本ボルトにより結合される、前側ハウジング15および後側ハウジング16を備える。前側ハウジング15は、後方が開口したカップ状のウォームホイール収容部17と、ウォームホイール収容部17の外径側部分周方向一部(図示の例では上端部)に配置された円筒状のウォーム収容部18とを備える。ウォームホイール収容部17には、前方に突出して、ギヤハウジング14を車体に対し支持するための取付ステー19を備える。

0005

ウォーム減速機12は、出力軸13に外嵌固定されたウォームホイール20、および、電動モータ11の出力軸に連結されたウォーム軸21を備える。ウォームホイール20は、ウォームホイール収容部17の内側に収容される。ウォーム軸21は、ウォーム収容部18の内側に収容される。ウォーム軸21は、その中間部にウォーム22を備え、ウォーム22とウォームホイール20とが噛合する。

0006

出力軸13は、ギヤハウジング14内に回転自在に支持されており、互いに同軸に配置された入力軸23に対し、トーションバー24を介して連結される。出力軸13の前端部は、図13に示すように、1対の自在継手5a、5bおよび中間シャフト6を介してピニオン軸8に接続される。入力軸23の後端部は、ステアリングシャフト2の前端部に接続される。ステアリングホイール1を操作すると、ステアリングシャフト2を介して入力軸23に加えられる操舵トルクと出力軸13が回転することに対する抵抗とにより、入力軸23と出力軸13とが、トーションバー24を捩り方向弾性変形させつつ、回転方向相対変位する。入力軸23と出力軸13との相対変位量は、トルクセンサ10により測定される。図示しない制御器が、トルクセンサ10の測定信号に応じて電動モータ11を制御し、電動モータ11からの補助動力(補助トルク)は、ウォーム減速機12を介して、出力軸13に付与される。

先行技術

0007

国際公開第2016/084659号

発明が解決しようとする課題

0008

近年、自動車低燃費化に対する要求が高まっており、自動車の構成部品のさらなる軽量化が進められている。このような事情に鑑みて、電動パワーステアリング装置に組み込まれるギヤハウジングを、薄肉化によって軽量化することが検討されている。しかしながら、薄肉化によってギヤハウジングの剛性が低下すると、ギヤハウジングが、電動モータの駆動時にギヤハウジングに作用する、ウォームホイールとウォームとの噛み合い反力を十分に支承できなくなる可能性がある。

0009

また、ギヤハウジングは、鋳造品射出成形品であることから、ギヤハウジングを薄肉化するためには、材料が流れる空間(キャビティ)の断面積を小さくする必要がある。このため、材料の流れが悪くなり、ギヤハウジングの成形性が低下する可能性がある。特に、前側ハウジングが、前方への突出量が大きい取付ステーを備える場合には、取付ステーを形成するための空間に材料が十分に供給されない可能性がある。このように、ギヤハウジングの薄肉化には、その品質の低下や製品強度の低下といった課題が存在する。

0010

本発明の目的は、上述のような事情に鑑みて、薄肉化した場合にも、剛性を確保でき、かつ、製造時の成形性(材料の流動性)を確保できる、電動パワーステアリング装置用ギヤハウジングの構造を実現することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明の電動パワーステアリング装置用ギヤハウジングは、電動パワーステアリング装置を構成するもので、直接または中間プレートなどの他の部材を介して、前後方向に組み合わされた、前側ハウジングと後側ハウジングとを備える。

0012

前記前側ハウジングは、内側にウォームホイールを収容するウォームホイール収容部と、内側にウォーム軸を収容するウォーム収容部と、1個以上の補強リブとを備える。

0013

前記ウォームホイール収容部は、前記ウォームホイールの周囲に配置されるウォームホイール用筒部と、前記ウォームホイール用筒部の前端部から径方向内方に折れ曲がった円輪状のウォームホイール用底部とを有する。

0014

前記ウォーム収容部は、前記ウォームホイール収容部の外径側部分の周方向一部に備えられている。

0015

前記補強リブは、前記前側ハウジングの前側面に備えられ、前記ウォームホイールと前記ウォーム軸に備えられたウォームとの噛み合い反力の作用方向に伸長し、前記ウォーム収容部と前記ウォームホイール用底部とに架けわたされる。

0016

なお、本発明の電動パワーステアリング装置用ギヤハウジングは、前記前側ハウジングの前側面に、前記噛み合い反力の作用方向に伸長する1個以上の補強リブを、前記ウォーム収容部と前記ウォームホイール用底部とに架けわたすように備えている限り、前記前側ハウジングの前側面のその他の任意の位置、たとえば前記補強リブが設置された部分とは直径方向反対側部分などに、周囲に存在する部分に比べて厚さ寸法の大きいリブ厚肉部)を備えることもできる。

0017

前記ウォームホイール用底部から前方に突出し、前記前側ハウジングを車体に支持するための取付ステーをさらに備えることができる。この場合、前記1個以上の補強リブのうちの少なくとも1個の補強リブを、前記取付ステーに連続させることができる。

0018

前記ウォームホイール用底部は、径方向中央部に軸受保持孔を備え、かつ、該軸受保持孔の開口縁部に、前記ウォームホイール用底部の径方向中間部および外側部よりも前方に突出した環状突部を備えることができる。この場合、前記1個以上補強リブのうちの少なくとも1個の補強リブの前側面を、前記環状突部の前側面と同じ位置に、または、前記環状突部の前側面よりも後方に、配置させることができる。代替的あるいは追加的に、前記1個以上の補強リブのうちの少なくとも1個の補強リブを、前記環状突部のうちで前記ウォーム収容部に最も近接した部分と、前記ウォーム収容部とに架けわたすことができる。

0019

前記前側ハウジングは、前記前側面に、周囲に存在する部分よりも前方に突出した、少なくとも1個のボス部をさらに備えることができる。

0020

本発明の電動パワーステアリング装置は、電動モータにより回転駆動されるウォーム軸と、該ウォーム軸の中間部に備えられたウォームと、該ウォームと噛合するウォームホイールとを有するウォーム減速機、および、該ウォーム減速機を内側に収容するギヤハウジングを備える。本発明の電動パワーステアリング装置は、前記ギヤハウジングを、本発明の電動パワーステアリング装置用ギヤハウジングにより構成する。

0021

本発明の電動パワーステアリング装置用ギヤハウジングの製造方法では、前記前側ハウジングを、キャビティを有する金型を用いた、鋳造または合成樹脂射出成形により作製する。この際に、材料を、前記キャビティのうち、前記ウォーム収容部を形成するためのウォーム収容部形成空間側から前記ウォームホイール収容部を形成するためのウォームホイール収容部形成空間側へと流動させる。

発明の効果

0022

上述のように構成する本発明によれば、前側ハウジングに関して、薄肉化を図る場合にも、剛性を確保できるとともに、製造時の成形性を確保できる。

図面の簡単な説明

0023

図1は、実施の形態の第1例の電動パワーステアリング装置の側面図である。
図2は、実施の形態の第1例の電動パワーステアリング装置を前方側から見た図である。
図3は、実施の形態の第1例の電動パワーステアリング装置の要部断面図である。
図4は、図3のA−A断面図である。
図5は、実施の形態の第1例の電動パワーステアリング装置から前側ハウジングを取り出して示す斜視図である。
図6は、実施の形態の第1例の前側ハウジングを、鋳造または射出成形により作製する工程を説明するために示す、金型の模式図である。
図7は、実施の形態の第2例の電動パワーステアリング装置の側面図である。
図8は、実施の形態の第2例の電動パワーステアリング装置を前方側から見た図である。
図9は、実施の形態の第2例の電動パワーステアリング装置の要部断面図である。
図10は、実施の形態の第2例の電動パワーステアリング装置に関する、図4に相当する断面図である。
図11は、実施の形態の第2例の電動パワーステアリング装置から前側ハウジングを取り出して示す正面図である。
図12は、実施の形態の第2例の電動パワーステアリング装置から前側ハウジングを取り出して示す斜視図である。
図13は、従来構造の電動パワーステアリング装置の1例を示す、部分切断側面図である。
図14は、従来構造の電動アシスト装置に関する、図3に相当する断面図である。

実施例

0024

[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1図6を用いて説明する。本例の電動パワーステアリング装置は、運転者の体格運転姿勢に合わせて、ステアリングホイール1(図13参照)の上下位置および前後位置を調節可能とするチルトテレスコピック機構、および、ステアリングホイール1の操作に要する力を軽減するための電動アシスト装置4bを備える。

0025

ステアリングシャフト2aは、ステアリングコラム3aの内側に、図示しない複数の転がり軸受を介して、回転自在に支持される。ステアリングシャフト2aの後端部で、ステアリングコラム3aの後端開口よりも後方に突出した部分には、ステアリングホイール1が固定される。ステアリングシャフト2aは、スプライン係合などにより、回転力の伝達可能に、かつ、軸方向に関する相対変位を可能に組み合わされた、インナシャフト25およびアウタシャフト26を備える。インナシャフト25およびアウタシャフト26は、軸方向に相対変位して、ステアリングホイール1の前後位置の調節を可能にする機能、および、衝突事故の際にステアリングシャフト2aの全長縮める機能を有する。

0026

ステアリングコラム3aは、全体として中空筒状で、インナコラム27およびアウタコラム28を備え、インナコラム27の後側部分に、アウタコラム28の前側部分が、軸方向に関する相対変位を可能に緩く嵌合する構造を有している。ステアリングコラム3aは、ステアリングホイール1の前後位置の調節を可能にする機能、および、衝突事故の際にステアリングシャフト2aとともにステアリングコラム3aの全長を縮める機能を有する。インナコラム27の前端部(図1の左端部)には、電動アシスト装置4bを構成するギヤハウジング14aが固定される。ギヤハウジング14aは、車体に固定されるロアブラケット29に対して、幅方向に配置されたチルト軸30を中心とする揺動を可能に支持される。なお、幅方向とは、電動パワーステアリング装置が組み付けられる車体の幅方向をいい、左右方向に相当する。

0027

アウタコラム28は、アッパブラケット31により車体に支持される。アッパブラケット31は、前方に向いた強い衝撃が加わった際に、車体から前方に離脱可能に構成される。アウタコラム28は、アッパブラケット31に対して、前後方向および上下方向に移動可能に支持されており、ステアリングホイール1の前後位置および上下位置を調節可能としている。このために、アウタコラム28を構成する1対の被挟持部32は、前後方向に長いテレスコ調節長孔33を備える。また、1対の被挟持部32の幅方向両側に配置される、アッパブラケット31を構成する1対の支持板部34は、上下方向に長いチルト調節用長孔35を備える。テレスコ調節用長孔33およびチルト調節用長孔35に、調節ロッド36が幅方向に挿通される。調節ロッド36の端部に固定した図示しないレバーを操作し、調節ロッド36の周囲に配置した図示しない拡縮装置を幅方向に拡縮させることで、1対の支持板部34によって1対の被挟持部32を幅方向両側から挟持する力を調節可能としている。これにより、アウタコラム28をアッパブラケット31に対して固定したり、固定を解除したりすることが可能となっている。

0028

固定を解除した状態では、調節ロッド36がテレスコ調節用長孔33の内側で変位できる範囲で、アウタコラム28が前後移動して、ステアリングホイール1の前後位置が調節可能である。また、調節ロッド36がチルト調節用長孔35の内側で変位できる範囲で、ステアリングコラム3aが上下移動して、ステアリングホイール1の上下位置が調節可能である。この際、ステアリングコラム3aは、チルト軸30を中心に上下方向に揺動変位する。

0029

ステアリングホイール1の操作力を軽減するための電動アシスト装置4bは、ステアリングコラム3aの前方に配置されており、トルクセンサ10a、電動モータ11a、ウォーム減速機12a、出力軸13a、および、ギヤハウジング14aを備える。

0030

ウォーム減速機12aは、電動モータ11aにより回転駆動されるウォーム軸21aと、ウォーム軸21aの中間部に備えられたウォーム22aと、ウォーム22aと噛合するウォームホイール20aとを有する。

0031

ギヤハウジング14aは、中間プレート37を介して前後方向に組み合わされた、前側ハウジング15aおよび後側ハウジング16aを備え、ウォーム減速機12aを内側に収容する。前側ハウジング15aおよび後側ハウジング16aはいずれも、鉄系合金もしくはアルミニウム合金などの軽合金の鋳造品(ダイキャスト成形品を含む)、または、合成樹脂の射出成形品である。

0032

前側ハウジング15aは、内側にウォームホイール20aを収容するウォームホイール収容部17aと、内側にウォーム軸21aを収容するウォーム収容部18aと、複数(図示の例では3個)の補強リブ38a、38b、38cとを有する。

0033

ウォームホイール収容部17aは、後方が開口したカップ形状および略水平方向に伸長する中心軸を有する。ウォームホイール収容部17aは、ウォームホイール20aの周囲に配置され、円筒状のウォームホイール用筒部39と、ウォームホイール20aの前方に配置され、かつ、ウォームホイール用筒部39の前端部から径方向内方に向けて略直角に折れ曲がった、円輪状のウォームホイール用底部40とを有する。

0034

ウォームホイール用底部40は、内周縁部に、略円筒状内径側筒部41を備える。ウォームホイール用底部40は、径方向中央部である、内径側筒部41の径方向内側部分に、軸受保持孔42を備える。また、ウォームホイール用底部40は、軸受保持孔42の前方側の開口縁部に、ウォームホイール用底部40の径方向中間部および外側部よりも前方に突出した環状突部43を備える。環状突部43は、内径側筒部41の前端部により構成される。

0035

ウォーム収容部18aは、略有底円筒形状を有する。ウォーム収容部18aは、ウォームホイール収容部17aの外径側部分の周方向一部で、電動パワーステアリング装置の組付状態で下方に位置する部分に配置される。ウォーム収容部18aの内部空間は、ウォームホイール収容部17aの内部空間に連通する。ウォーム収容部18aは、略水平方向に伸長するが、ウォームホイール収容部17aの中心軸とは捩れ位置関係にある中心軸を有する。ウォーム収容部18aは、開口側端部に、径方向外方張り出したモータ取付フランジ44を備える。

0036

本例のギヤハウジング14aは、ウォームホイール用底部40の前側面の上下方向中間部から前方に突出し、ギヤハウジング14aをロアブラケット29を介して車体に揺動変位を可能に支持するための1対の取付ステー19aを備える。具体的には、1対の取付ステー19aは、前側ハウジング15aのウォームホイール用底部40のうちの、車体の幅方向に関して軸受保持孔42を両側から挟む位置に、互いに離隔した状態で配置される。1対の取付ステー19aは、先端部に、幅方向に貫通する、チルト軸30を挿通するための取付孔45をそれぞれ備える。取付ステー19aの先半部は、先端側に向かうほど上下方向に関する寸法が小さくなる先細形状を有するのに対し、取付ステー19aの基半部は、上下方向に関する寸法は変わらずに、幅方向に関する寸法が基端側に向かうほど増大する(幅方向に関して内側に張り出す)形状を有する。また、取付ステー19aの基端部の幅方向外側面は、ウォームホイール用筒部39の外周面に連続するのに対し、取付ステー19aの基端部の幅方向内側面は、環状突部43に連続する。また、幅方向に関してウォーム収容部18aの開口側(図2および図5の左側)に位置する取付ステー19aの幅方向外側面の下端部は、モータ取付フランジ44の幅方向内側面の上端部に連続する。1対の取付ステー19aは、ロアブラケット29を構成する1対の側板部46の間に配置される。

0037

3本の補強リブ38a、38b、38cは、それぞれ中実状で、周囲に存在する部分よりも大きな前後方向に関する厚さ寸法を有し、前側ハウジング15aの前側面に、ウォーム収容部18aとウォームホイール用底部40とに架けわたされるように配置される。具体的には、前側ハウジング15aのうち、補強リブ38a、38b、38cを設置した部分における厚さ寸法は、前側ハウジング15aのうち、補強リブ38a、38b、38cの周囲に存在する部分における厚さ寸法のたとえば10倍以下となる範囲で、十分に大きく設定される。ただし、前側ハウジング15aのうち、補強リブ38a、38b、38cを設置した部分における厚さ寸法は、補強リブ38a、38b、38cが環状突部43から軸方向に突出しないように設定されることが好ましい。

0038

本例では、補強リブ38a、38b、38cは、ウォームホイール収容部17aとウォーム収容部18aとの配列方向に一致する、ウォームホイール20aとウォーム軸21aに備えられたウォーム22aとの噛み合い反力の作用方向(図2および図4の上下方向)に伸長する。すなわち、補強リブ38a、38b、38cは、ウォームホイール20aの中心軸O20と電動モータ11aの中心軸O11aとに直交する仮想直線Lに対して実質的に平行に配置される。なお、実質的に平行とは、電動パワーステアリング装置の製造誤差組立誤差に起因して、補強リブ38a、38b、38cの形成方向が仮想直線Lに対し傾斜する場合を含む。なお、後述するように、ウォームホイール20aとウォーム22aとの噛み合い反力に対する前側ハウジング15aの剛性を向上させられる限りにおいて、補強リブ38a、38b、38cの伸長方向を仮想直線Lに対して傾斜させることもできる。具体的には、補強リブ38a、38b、38cの伸長方向と仮想直線Lとがなす角度は、45度以下の任意の角度に設定可能であり、0度、すなわち、補強リブ38a、38b、38cの形成方向と仮想直線Lと平行にすることが好ましい。また、補強リブ38aの伸長方向と仮想直線Lとがなす角度を0度として、補強リブ38b、38cの伸長方向と仮想直線Ltoがなす角度を、45度以下の任意の角度とすることもできる。

0039

噛み合い反力とは、ウォームホイール20aとウォーム軸21とが離れるように互いに反対向きに作用する力をいう。本例では、補強リブ38a、38b、38cを、噛み合い反力の作用方向に伸長させているため、噛み合い反力に対する前側ハウジング15aの剛性を効果的に向上させることができる。このため、前側ハウジング15aを薄肉化した場合にも、前側ハウジング15aに、噛み合い反力に起因して有害な変形などが生じることが防止される。

0040

補強リブ38a、38b、38cは、台形状または凸円弧形状など、前方に向かうほど幅方向(短手方向)に関する寸法が小さくなる断面形状を有する。補強リブ38a、38b、38cの幅方向側面のそれぞれに抜き勾配を持たせることにより、鋳造型または射出成形型からの離型性が確保される。また、補強リブ38a、38b、38cの前側面は、環状突部43の前側面と同じ位置、あるいは、環状突部43の前側面よりも後方に配置される。これにより、補強リブ38a、38b、38cに起因して、前側ハウジング15aの前方に配置する他の部材のレイアウト性が悪くなることが防止される。

0041

補強リブ38a、38b、38cのうち、幅方向中間部に設置された補強リブ38aは、環状突部43のうちでウォーム収容部18aに最も近接した下端部と、ウォーム収容部18aの軸方向中間部とに架けわたされるように配置される。このため、補強リブ38aの上端部は、環状突部43の下端部に連結する。これに対し、幅方向両側に設置された2本の補強リブ38b、38cは、1対の取付ステー19aの基端部の下面と、ウォーム収容部18aの軸方向両側部とに架けわたされるように配置される。このため、補強リブ38b、38cのそれぞれの上端部は、取付ステー19aの基端部の下面に連結する。すなわち、補強リブ38b、38cと1対の取付ステー19aとは、それぞれ上下方向に連続するように配置される。

0042

補強リブ38aの幅方向に関する厚さ寸法(短手方向に関する厚さ寸法)は、全長にわたりほぼ一定であるのに対し、補強リブ38b、38cの幅方向に関する厚さ寸法は、取付ステー19aに近づくほど大きくなっている。

0043

本例では、前側ハウジング15aは、前側面の複数箇所に、周囲に存在する部分よりも前方に突出した複数(図示の例では3個)のボス部47を備える。具体的には、ウォームホイール用底部40の前側面の上端部中央部、および、ウォームホイール収容部17aの外周縁部のうちウォーム収容部18aとの連続部である2個所位置に、それぞれが円筒状のボス部47が配置される。ボス部47は、周囲に存在する部分よりも、前方に突出しており、これにより厚肉になっている。なお、ウォームホイール収容部17aの外周縁部に配置された2つのボス部47は、それぞれ補強リブ38b、38cと連続する。ボス部47は、ギヤハウジング14aを、ウォーム減速機12aの周囲に組み付ける際に、ボス部47を組立装置治具により把持するなどして、ギヤハウジング14aを組み立てる作業の効率を向上させる機能を有する。

0044

本例では、上述のような構成を有する前側ハウジング15aを、キャビティ61を有する金型(鋳造型、射出成形型)60を用いて、鋳造または射出成形により作製する際に、図6に示すように、材料(溶湯、合成樹脂)の供給口となる金型60のゲートGを、前側ハウジング15aを形成するためのキャビティ61のうち、ウォーム収容部18aを形成するためのウォーム収容部形成空間62を挟んで、ウォームホイール収容部17aを形成するためのウォームホイール収容部形成空間63の反対側に配置する。すなわち、ゲートGを、ウォーム収容部形成空間62が上流側となるように配置する。これにより、ウォーム収容部形成空間62を通過した材料が、ウォームホイール収容部形成空間63側に流動する。このため、本例の前側ハウジング15aでは、ウォーム収容部18aが、材料の流れ方向に関してウォームホイール収容部17aよりも上流側に位置する。

0045

これに対し、後側ハウジング16aは、全体として中空筒状を有する、鋳造品または合成樹脂の射出成形品からなり、固定筒部48と、大径筒部49と、連続部50とを備える。固定筒部48は、円筒状で、インナコラム27の前端部に内嵌固定される。大径筒部49は、トルクセンサ10aの周囲に配置され、中間プレート37を介して前側ハウジング15aの後端開口部に突き合わされる。連続部50は、固定筒部48の前端部と大径筒部49の後端部とを接続する。

0046

本例では、前側ハウジング15aおよび後側ハウジング16aは、中間プレート37を介して組み合わされた状態で、複数本(図示の例では3本)のボルト57により互いに連結される。具体的には、全体が略円輪状に構成された中間プレート37のうち、前側面の外径側部分に備えられた前側嵌合部51に対して、前側ハウジング15a(ウォームホイール用筒部39)の後端部が外嵌し、かつ、後側面の外径側部分に備えられた後側嵌合部52に対し、後側ハウジング16(大径筒部49)の前端部が外嵌する。この状態で、前側ハウジング15aを構成するウォームホイール用筒部39の外周面に形成された複数(図示の例では3つ)の前側結合フランジ53と、後側ハウジング16aの大径筒部49の外周面に形成された複数(図示の例では3つ)後側結合フランジ58とが、それぞれボルト57により互いに結合される。

0047

本例では、上述のような構成を有するギヤハウジング14aの内側に、出力軸13aが、1対の転がり軸受54a、54bにより回転自在に支持される。1対の転がり軸受54a、54bのうち、前側の転がり軸受54aは、前側ハウジング15aを構成する軸受保持孔42に内嵌保持され、後側の転がり軸受54bは、中間プレート37の内周面に内嵌保持される。また、前側の転がり軸受54aを構成する外輪は、軸受保持孔42の内周面の軸方向中間部に圧入により内嵌固定される。さらに、前側の転がり軸受54aを構成する外輪は、軸受保持孔42の前端寄り部分に備えられ、後方を向いた段差面と、軸受保持孔42の内周面の後端寄り部分に形成された係止溝係止された止め輪とにより、両側から挟持される。出力軸13aは、ステアリングシャフト2aを構成するインナシャフト25の前端部に対し、トーションバー24aを介して連結される。また、出力軸13aの前端部で、ギヤハウジング14aの外部に突出した部分には、自在継手5a(図13参照)が結合される。

0048

出力軸13aの中間部で、1対の転がり軸受54a、54bの間には、ウォーム減速機12aを構成するウォームホイール20aが外嵌固定される。この状態で、ウォームホイール20aは、前側ハウジング15aを構成するウォームホイール収容部17aの内側に配置される。

0049

ウォーム減速機12aを構成するウォーム軸21aは、ウォーム収容部18aの内側に、1対の転がり軸受55a、55bを介して回転自在に支持される。この状態で、ウォーム軸21aの中間部に備えられたウォーム22aは、ウォームホイール20aと噛合する。ウォーム軸21aの基端部には、電動モータ11aの出力軸が連結される。これにより、電動モータ11aの補助動力を、ウォームホイール20aに伝達可能としている。電動モータ11aは、前側ハウジング15aを構成するモータ取付フランジ44を介して、ギヤハウジング14aに支持固定される。なお、本例では、ウォーム軸21aの先端部に外嵌された転がり軸受55aと、ウォーム収容部18aの内周面との間に、ウォーム軸21aの先端部を、ウォームホイール20a側に向けて弾性的に付勢する予圧付与機構64を設けることにより、ウォームホイール20aとウォーム22aとの噛合部に存在するバックラッシュを抑えている。

0050

後側ハウジング16aを構成する大径筒部49の内側で、インナシャフト25の前端部の周囲に、トルクセンサ10aが配置される。電動モータ11aは、トルクセンサ10aが検出する、ステアリングホイール1からステアリングシャフト2aに加えられる操舵トルクの方向および大きさに応じて、ウォーム軸21aを回転駆動し、出力軸13aに補助動力(補助トルク)を付与する。この結果、左右1対の操舵輪に舵角を付与する際に必要になる、ステアリングホイール1の操作力が軽減される。

0051

以上のような構成を有する本例の電動パワーステアリング装置によれば、ギヤハウジング14aを構成する前側ハウジング15aに関して、薄肉化を図る場合にも、剛性を確保できるとともに、製造時の成形性を確保できる。すなわち、本例では、前側ハウジング15aの前側面に、補強リブ38a、38b、38cを、ウォーム収容部18aとウォームホイール用底部40との間に架けわたすように配置し、かつ、補強リブ38a、38b、38cの伸長方向を、ウォームホイール20aとウォーム22aとの噛み合い反力の作用方向に一致させている。このため、噛み合い反力に対する前側ハウジング15aの剛性を効果的に向上させることができる。したがって、前側ハウジング15aを薄肉化した場合にも、前側ハウジング15aに、噛み合い反力に起因して有害な変形などが発生してしまうことが防止される。

0052

本例では、前側ハウジング15aに補強リブ38a、38b、38cを形成するため、前側ハウジング15aを鋳造または射出成形により作製する際に用いる金型60のキャビティ61に関して、補強リブ38a、38b、38cを形成するための空間分だけ、材料が流れる空間の断面積を大きくすることができる。さらに、補強リブ38a、38b、38cの伸長方向を、ウォームホイール収容部17aとウォーム収容部18aとの配列方向に向いた、前記噛み合い反力の作用方向に一致させているため、図6に材料の流れを矢印で示したように、ゲートGから供給した材料を、キャビティ61のうちで補強リブ38a、38b、38cを形成するための空間を通じて、ウォームホイール収容部形成空間63に効率よく供給することができる。このように、本例の構造によれば、材料の流動性(湯流れ性)を良好にすることができ、製造時における成形性を向上させることができる。

0053

しかも、2本の補強リブ38b、38cをそれぞれ取付ステー19aに連続するように形成するため、補強リブ38b、38cを形成するための空間を通じて、取付ステー19aを形成するための空間に、材料を直接供給することができる。このため、取付ステー19aを形成するための空間に材料を十分に供給することができ、取付ステー19aの強度および剛性を向上させることができる。また、補強リブ38aを形成するための空間を通じて、内径側筒部41を形成するための空間、特にこの空間のうち環状突部43を形成するための部分に、材料を直接供給することもできる。したがって、本例によれば、前側ハウジング15aの品質の低下が防止される。すなわち、不良品の発生が低減される。また、前側ハウジング15aの実体強度を向上させることもできる。さらに、以上のように、剛性を確保できるとともに、製造時の成形性を確保できるため、薄肉化による軽量化を図ることができる。

0054

また、補強リブ38a、38b、38cを備えることにより、前側ハウジング15aの剛性および取付ステー19aの剛性を向上させることができる。このため、電動パワーステアリング装置の作動フィーリング作動効率を向上させることができ、かつ、振動や異音の発生を抑制することができる。また、取付ステー19aの剛性を向上できるため、ステアリングシャフト2aおよびステアリングコラム3aの収縮動作挙動を安定させることができ、衝突エネルギ吸収特性を良好にすることもできる。なお、本例では、前側ハウジング15aは、3個の補強リブ38a、38b、38cを備えるが、1個の補強リブのみを備えた場合でも、上記の本発明の作用および効果は奏される。補強リブの個数、設置位置、および形状は、前側ハウジングを構成する各部の配置および形状、および、その作製時における材料の流動、並びに、前側ハウジングの剛性の確保の観点から、任意かつ適切に選択される。

0055

[実施の形態の第2例]
実施の形態の第2例について、図7図12を用いて説明する。本例では、前側ハウジング15bの構造を、実施の形態の第1例の構造から変更している。本例の前側ハウジング15bでは、ウォーム収容部18bは、ウォームホイール収容部17aの外径側部分の周方向一部で、電動パワーステアリング装置の組付状態で、車体の幅方向に関して出力軸13aの側方に位置する部分に配置される。このため、ウォーム収容部18bの中心軸は、上下方向に向いている。また、ウォーム収容部18bの開口部は、電動パワーステアリング装置の組付状態で上方を向いている。さらに、ウォームホイール用底部40は、前側面の上端部に、実施の形態の第1例で示した1対の取付ステー19aを幅方向に連続させた形状を有する、1つの取付ステー19bを備える。本例では、取付ステー19bの幅方向外側面は、ウォーム収容部18bの開口側端部に備えられたモータ取付フランジ44の幅方向側面に連続する。また、モータ取付フランジ44は、電動モータ11a、および、基板を内蔵した制御装置59を支持する。

0056

本例では、ウォーム収容部18bの配置を変更したこと、および、取付ステー19bの形状を変更したことに対応して、ウォームホイール用底部40は、前側面に、2本の補強リブ38a、38dだけを備える。具体的には、環状突部43のうちでウォーム収容部18bに最も近接した端部とウォーム収容部18bの上下方向中間部とに架けわたすように、補強リブ38aが配置され、かつ、取付ステー19bの基端部の幅方向外側面とウォーム収容部18bの上端寄り部分とに架けわたすように、補強リブ38dが配置される。本例では、ウォーム収容部18bの下端寄り部分と対応する部分には、取付ステーが配置されていないため、上述のように2本の補強リブ38a、38dのみが備えられる。補強リブ38a、38dは、ウォームホイール20aとウォーム22aとの噛み合い反力の作用方向に伸長する。

0057

また、ギヤハウジング14bは、前側ハウジング15bおよび後側ハウジング16bを、中間プレートを介さずに直接前後方向に組み合わすことにより構成される。後側ハウジング16bは、インナコラム27の前端部に固定される固定筒部48と、固定筒部48の前端部から径方向外方に向けて折れ曲がった円輪状の蓋部56とを備える。蓋部56により、前側ハウジング15bの後端開口部は塞がれる。

0058

本例の場合にも、前記噛み合い反力の作用方向に2本の補強リブ38a、38dを伸長させているため、噛み合い反力に対する前側ハウジング15bの剛性を効果的に向上させることができる。また、補強リブ38a、38dを形成するための空間を通じて、ウォームホイール収容部17aを形成するための空間(特に取付ステー19bを形成するための空間)に、材料を効率よく供給することができる。したがって、ギヤハウジング14bを構成する前側ハウジング15bに関して、薄肉化を図る場合にも、剛性を確保でき、また、製造時の成形性を確保できる。その他の構成および作用効果については、実施の形態の第1例と同じである。

0059

1ステアリングホイール
2、2aステアリングシャフト
3、3aステアリングコラム
4、4a、4b電動アシスト装置
5a、5b自在継手
6中間シャフト
7ステアリングギヤユニット
8ピニオン軸
9タイロッド
10、10aトルクセンサ
11、11a電動モータ
12、12aウォーム減速機
13、13a出力軸
14、14a、14bギヤハウジング
15、15a、15b前側ハウジング
16、16a後側ハウジング
17、17aウォームホイール収容部
18、18a、18bウォーム収容部
19、19a、19b取付ステー
20、20a ウォームホイール
21、21aウォーム軸
22、22a ウォーム
23入力軸
24トーションバー
25インナシャフト
26アウタシャフト
27インナコラム
28アウタコラム
29ロアブラケット
30チルト軸
31アッパブラケット
32 被挟持部
33テレスコ調節用長孔
34 支持板部
35チルト調節用長孔
36調節ロッド
37中間プレート
38a、38b、38c、38d補強リブ
39 ウォームホイール用筒部
40 ウォームホイール用底部
41内径側筒部
42軸受保持孔
43 環状突部
44モータ取付フランジ
45取付孔
46側板部
47ボス部
48固定筒部
49 大径筒部
50 連続部
51 前側嵌合部
52 後側嵌合部
53 前側結合フランジ
54a、54b転がり軸受
55a、55b 転がり軸受
56 蓋部
57ボルト
58 後側結合フランジ
59制御装置
60金型
61キャビティ
62 ウォーム収容部形成空間
63 ウォームホイール収容部形成空間

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