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技術 変性ポリオレフィン樹脂組成物及びその製造方法

出願人 日本製紙株式会社
発明者 神埜勝吉元貴夫竹中天斗矢田実高本直輔
出願日 2018年10月23日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2019-551167
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 WO2019-082903
状態 未査定
技術分野 付加系(共)重合体、後処理、化学変成 高分子組成物 塗料、除去剤 インキ、鉛筆の芯、クレヨン
主要キーワード カルボン酸エステル溶媒 反応起点 アルカリ滴定法 B型粘度計 立体的構造 区画数 溶液性 顔料沈降防止剤
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課題・解決手段

付着性などのバインダーとしての性能に優れていながら、長時間保管しても溶液性状が良好に保たれる樹脂組成物を提供することを課題とし、変性ポリオレフィン樹脂(C)を含む、変性ポリオレフィン樹脂組成物であって、変性ポリオレフィン樹脂(C)は、ポリオレフィン樹脂又は塩素化ポリオレフィン樹脂と少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造を有するα,β−不飽和カルボン酸誘導体との重合体(a)又はその塩素化体(b)である、重合体(A)が、アルコール(B)を含む変性成分変性されている樹脂であり、変性ポリオレフィン樹脂(C)における前記少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造の残存率が、50%以上80%以下である、変性ポリオレフィン樹脂組成物である。

概要

背景

ポリオレフィン樹脂は、安価且つ成形性が良いために、様々な用途で基材として採用されている。しかし、ポリオレフィン樹脂は、低極性であり且つ結晶性が高いため、塗装接着などが困難である。ポリオレフィン樹脂に対する塗料接着性を改善するために、ポリオレフィン樹脂に対し、塩素化不飽和カルボン酸などによる酸変性、(メタアクリル酸エステルによる変性などの変性処理を行って得られる変性塩素化ポリオレフィン樹脂を、バインダーとして用いることが提案されている(特許文献1参照)。

概要

付着性などのバインダーとしての性能に優れていながら、長時間保管しても溶液性状が良好に保たれる樹脂組成物を提供することを課題とし、変性ポリオレフィン樹脂(C)を含む、変性ポリオレフィン樹脂組成物であって、変性ポリオレフィン樹脂(C)は、ポリオレフィン樹脂又は塩素化ポリオレフィン樹脂と少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造を有するα,β−不飽和カルボン酸誘導体との重合体(a)又はその塩素化体(b)である、重合体(A)が、アルコール(B)を含む変性成分で変性されている樹脂であり、変性ポリオレフィン樹脂(C)における前記少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造の残存率が、50%以上80%以下である、変性ポリオレフィン樹脂組成物である。

目的

本発明によれば、付着性などのバインダーとしての性能に優れていながら、長時間保管しても溶液性状が良好に保たれる樹脂組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

変性ポリオレフィン樹脂(C)を含む、変性ポリオレフィン樹脂組成物であって、前記変性ポリオレフィン樹脂(C)は、ポリオレフィン樹脂又は塩素化ポリオレフィン樹脂と少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造を有するα,β−不飽和カルボン酸誘導体との重合体(a)又はその塩素化体(b)である、重合体(A)が、アルコール(B)を含む変性成分変性されている樹脂であり、前記変性ポリオレフィン樹脂(C)における前記少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造の残存率が、50%以上80%以下である、変性ポリオレフィン樹脂組成物。

請求項2

前記α,β−不飽和カルボン酸誘導体が、α,β−不飽和ポリカルボン酸環状無水物であり、前記少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造が、−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造である、請求項1に記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物。

請求項3

前記変性成分が、下記一般式(1)で表される単量体(I)を更に含む、請求項1又は2に記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物。(一般式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、mは1〜4の整数を表し、R2は2価の有機基を表し、nは0〜3の整数を表す。)

請求項4

前記変性ポリオレフィン樹脂(C)が、前記重合体(A)1モルに対し、2.1モル以上50モル以下の前記単量体(I)で変性されている、請求項3に記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物。

請求項5

前記変性成分が、下記一般式(2)で表される単量体(II)を更に含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物。CH2=C(R3)COOR4・・・(2)(一般式(2)中、R3は水素原子又はメチル基を表し、R4は水素原子又は−CnH2n+1で表される基を表す。但し、nは1〜18の整数を表す。)

請求項6

前記重合体(A)が、塩素化されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物。

請求項7

前記アルコール(B)が、炭素原子数1〜10のアルコールである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物を含む、プライマー

請求項9

請求項1〜7のいずれか1項に記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物を含む、塗料

請求項10

請求項1〜7のいずれか1項に記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物を含む、インキ。

請求項11

変性ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法であって、ポリオレフィン樹脂又は塩素化ポリオレフィン樹脂と少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造を有するα,β−不飽和カルボン酸誘導体とを重合して、重合体(a)を得る工程(1)、及び前記重合体(a)又はその塩素化体(b)である、重合体(A)を、アルコール(B)を含む変性成分で変性して、変性ポリオレフィン樹脂(C)を含む変性ポリオレフィン樹脂組成物を得る工程(2)を含み、前記変性ポリオレフィン樹脂(C)における前記少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造の残存率が、50%以上80%以下である、変性ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法。

請求項12

前記α,β−不飽和カルボン酸誘導体が、α,β−不飽和ポリカルボン酸環状無水物であり、前記少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造が、−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造である、請求項11に記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法。

請求項13

前記変性成分が、下記一般式(1)で表される単量体(I)を更に含む、請求項11又は12に記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法。(一般式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、mは1〜4の整数を表し、R2は2価の有機基を表し、nは0〜3の整数を表す。)

請求項14

前記変性成分が、下記一般式(2)で表される単量体(II)を更に含む、請求項11〜13のいずれか1項に記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法。CH2=C(R3)COOR4・・・(2)(一般式(2)中、R3は水素原子又はメチル基を表し、R4は水素原子又は−CnH2n+1で表される基を表す。但し、nは1〜18の整数を表す。)

技術分野

0001

本発明は、変性ポリオレフィン樹脂組成物及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

ポリオレフィン樹脂は、安価且つ成形性が良いために、様々な用途で基材として採用されている。しかし、ポリオレフィン樹脂は、低極性であり且つ結晶性が高いため、塗装接着などが困難である。ポリオレフィン樹脂に対する塗料接着性を改善するために、ポリオレフィン樹脂に対し、塩素化不飽和カルボン酸などによる酸変性、(メタアクリル酸エステルによる変性などの変性処理を行って得られる変性塩素化ポリオレフィン樹脂を、バインダーとして用いることが提案されている(特許文献1参照)。

先行技術

0003

特許第3318925号公報

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1の変性塩素化ポリオレフィン樹脂は、付着性などのバインダーとしての性能が従来の樹脂と比較して向上している。しかし、特許文献1の変性塩素化ポリオレフィン樹脂を、溶剤に溶解して溶液の状態で長時間保管しておくと、溶液が分離する、凝集物が発生するなどの現象が起こり、溶液性状が悪くなる場合がある。

0005

したがって、付着性などのバインダーとしての性能に優れていながら、長時間保管しても溶液性状が良好に保たれる樹脂組成物が求められている。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、以下を提供する。

0007

[1]変性ポリオレフィン樹脂(C)を含む、変性ポリオレフィン樹脂組成物であって、
変性ポリオレフィン樹脂(C)は、ポリオレフィン樹脂又は塩素化ポリオレフィン樹脂と少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造を有するα,β−不飽和カルボン酸誘導体との重合体(a)又はその塩素化体(b)である、重合体(A)が、アルコール(B)を含む変性成分で変性されている樹脂であり、
前記変性ポリオレフィン樹脂(C)における前記少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造の残存率が、50%以上80%以下である、変性ポリオレフィン樹脂組成物。
[2] 前記α,β−不飽和カルボン酸誘導体が、α,β−不飽和ポリカルボン酸環状無水物であり、前記少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造が、−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造である、[1]に記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物。
[3] 前記変性成分が、下記一般式(1)で表される単量体(I)を更に含む、[1]又は[2]に記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物。



(一般式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、mは1〜4の整数を表し、R2は2価の有機基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
[4] 前記変性ポリオレフィン樹脂(C)が、前記重合体(A)1モルに対し、2.1モル以上50モル以下の前記単量体(I)で変性されている、[3]に記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物。
[5] 前記変性成分が、下記一般式(2)で表される単量体(II)を更に含む、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物。

CH2=C(R3)COOR4・・・(2)

(一般式(2)中、R3は水素原子又はメチル基を表し、R4は水素原子又は−CnH2n+1で表される基を表す。但し、nは1〜18の整数を表す。)
[6] 前記重合体(A)が、塩素化されている、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物。
[7] 前記アルコール(B)が、炭素原子数1〜10のアルコールである、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物。
[8] [1]〜[7]のいずれか1つに記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物を含む、プライマー
[9] [1]〜[7]のいずれか1つに記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物を含む、塗料。
[10] [1]〜[7]のいずれか1つに記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物を含む、インキ。
[11] 変性ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法であって、
ポリオレフィン樹脂又は塩素化ポリオレフィン樹脂と少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造を有するα,β−不飽和カルボン酸誘導体とを重合して、重合体(a)を得る工程(1)、及び
前記重合体(a)又はその塩素化体(b)である、重合体(A)を、アルコール(B)を含む変性成分で変性して、変性ポリオレフィン樹脂(C)を含む変性ポリオレフィン樹脂組成物を得る工程(2)
を含み、
前記変性ポリオレフィン樹脂(C)における前記少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造の残存率が、50%以上80%以下である、変性ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法。
[12] 前記α,β−不飽和カルボン酸誘導体が、α,β−不飽和ポリカルボン酸環状無水物であり、前記少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造が、−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造である、[11]に記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法。
[13] 前記変性成分が、下記一般式(1)で表される単量体(I)を更に含む、[11]又は[12]に記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法。



(一般式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、mは1〜4の整数を表し、R2は2価の有機基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
[14] 前記変性成分が、下記一般式(2)で表される単量体(II)を更に含む、[11]〜[13]のいずれか1つに記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法。

CH2=C(R3)COOR4・・・(2)

(一般式(2)中、R3は水素原子又はメチル基を表し、R4は水素原子又は−CnH2n+1で表される基を表す。但し、nは1〜18の整数を表す。)

発明の効果

0008

本発明によれば、付着性などのバインダーとしての性能に優れていながら、長時間保管しても溶液性状が良好に保たれる樹脂組成物を提供することができる。

0009

以下、本発明を実施するための形態を説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施形態及び例示物に限定されず、本発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施することができる。

0010

本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン標準物質として測定し、算出した値である。

0011

本明細書において、用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレート包含し、アクリレート及びメタクリレート、又はアクリレート若しくはメタクリレートを意味する。

0012

本明細書において、用語「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸を包含し、アクリル酸及びメタクリル酸、又はアクリル酸若しくはメタクリル酸を意味する。

0013

[1.変性ポリオレフィン樹脂組成物]
本実施形態の変性ポリオレフィン樹脂組成物は、変性ポリオレフィン樹脂(C)を含む。変性ポリオレフィン樹脂(C)は、ポリオレフィン樹脂又は塩素化物ポリオレフィン樹脂と少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造を有するα,β−不飽和カルボン酸誘導体との重合体(a)又はその塩素化体(b)である、重合体(A)が、アルコール(B)を含む変性成分で変性されている樹脂である。また、本実施形態の変性ポリオレフィン樹脂組成物は、変性ポリオレフィン樹脂(C)における前記少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造の残存率が、50%以上80%以下である。

0014

[重合体(A)]
重合体(A)は、ポリオレフィン樹脂又は塩素化ポリオレフィン樹脂と、α,β−不飽和カルボン酸誘導体との重合体(a)又はその塩素化体(b)である。
[ポリオレフィン樹脂]
ポリオレフィン樹脂は、オレフィンの重合体である。ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン、並びにプロピレン及びα−オレフィン(例、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン1−ヘキセン、1−ヘプテン1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン)の共重合体が挙げられる。プロピレン及びα−オレフィンをランダム共重合して得られたポリオレフィン樹脂を、プロピレン系ランダム共重合体ということがある。プロピレン系ランダム重合体として、例えば、エチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−ブテンランダム共重合体が挙げられる。

0015

ポリオレフィン樹脂が、複数種のオレフィンの共重合体である場合、ポリオレフィン樹脂はランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。

0016

ポリオレフィン樹脂が、プロピレンとプロピレン以外のオレフィンとの共重合体である場合、ポリオレフィン樹脂中のプロピレン単位含有量は、ポリプロピレン基材に対する塗膜の付着性が向上することから、好ましくは50質量%以上である。また、塗膜の柔軟性を良好とし得るので、好ましくは98質量%以下である。

0017

ポリオレフィン樹脂の立体的構造としては、特に限定されないが、例えば、アタクチック構造アイソタクチック構造、及びシンジオタクチック構造が挙げられ、好ましくはアイソタクチック構造又はシンジオタクチック構造であり、より好ましくはシンジオタクチック構造である。

0018

ポリオレフィン樹脂がポリプロピレンである場合、ポリオレフィン樹脂は、好ましくは結晶性のポリプロピレンであり、より好ましくはアイソタクチックポリプロピレン又はシンジオタクチックポリプロピレンであり、さらに好ましくはアイソタクチックポリプロピレンである。

0019

ポリオレフィン樹脂として、オレフィンを重合して得られた樹脂をそのまま用いてもよく、熱分解などにより減成した樹脂を用いてもよい。

0020

ポリオレフィン樹脂の数平均分子量Mnは、好ましくは5,000以上である。また、好ましくは150,000以下である。

0021

ポリオレフィン樹脂は、1種単独でもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。

0022

[塩素化ポリオレフィン樹脂]
塩素化ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフィン樹脂を塩素化して得られる樹脂である。塩素化ポリオレフィン樹脂を得るためのポリオレフィン樹脂の例及び好ましい例としては、上記[ポリオレフィン樹脂]の項で挙げた例及び好ましい例と同様である。

0023

ポリオレフィン樹脂から塩素化ポリオレフィン樹脂を得るための塩素化の方法は、特に限定されない。塩素化の方法としては、例えば、ポリオレフィン樹脂を、四塩化炭素又はクロロホルムなどの溶媒に分散又は溶解し、ラジカル発生剤又は紫外線照射下で、塩素ガスを吹き込んで塩素化する方法が挙げられる。

0024

塩素ガスを吹き込む際は、反応系を加圧してもよく、常圧としてもよい。

0025

塩素化反応の温度は、例えば、50℃以上120℃以下とすることができる。

0026

ラジカル発生剤としては、公知のラジカル発生剤の中から選択することができる。ラジカル発生剤としては、例えば、パーオキシド類(例、ジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシドジクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシドベンゾエートメチルエチルケトンパーオキシド、ジ−tert−ブチルジパーフタレート)及びアゾニトリル類(例、アゾビスイソブチロニトリル)が挙げられる。

0027

ラジカル発生剤は、1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。

0028

ポリオレフィン樹脂を塩素化して塩素化ポリオレフィン樹脂とした後、安定剤を添加してもよい。

0029

安定剤としては、例えば、ポリ塩化ビニルなどの塩素原子を含む樹脂に用いられる安定剤を用いることができる。安定剤としては、例えば、金属石鹸類(例、ステアリン酸カルシウムステアリン酸鉛)、金属酸化物(例、酸化鉛)、無機酸塩類(例、三塩基性硫酸鉛)、有機金属化合物類(例、ジブチル錫ジラウレートジブチル錫マレート)、ハイドロタルサイト類化合物、及びエポキシ化合物類が挙げられる。

0030

安定剤としては、エポキシ化合物類が好ましい。エポキシ化合物としては、例えば、不飽和基を有する天然の油脂を過酢酸などの過酸でエポキシ化して得られる油脂(例、エポキシ化大豆油エポキシ化アマニ油);不飽和脂肪酸(例、オレイン酸トール油脂肪酸大豆油脂肪酸)のエステルをエポキシ化して得られる、エポキシ化脂肪酸エステル類;エポキシ化脂環式化合物(例、エポキシ化テトラヒドロフタレート);ビスフェノールAなどのビスフェノール類又は多価アルコールと、エピクロルヒドリンとを縮合して得られた縮合物(例、ビスフェノールAグリシジルエーテルエチレングリコールグリシジルエーテル、プロピレングリコールグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテルソルビトールポリグリシジルエーテル);モノエポキシ化合物類(例、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテルアリルグリシジルエーテルフェニルグリシジルエーテル、sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、フェノールポリエチレンオキサイドグリシジルエーテル)が挙げられる。

0031

塩素化の反応混合物から反応溶媒を留去した後、安定剤と共に、トルエン又はキシレンなどの溶媒を加えて、反応溶媒を別の溶媒に置換し、塩素化ポリオレフィン樹脂の分散液又は溶液を得てもよい。

0032

塩素化の反応混合物を減圧濃縮して、安定剤を添加した後、反応溶媒の大部分を除去することにより、塩素化ポリオレフィン樹脂の固形物を得てもよい。塩素化ポリオレフィン樹脂を含む反応混合物から反応溶媒を大部分除去するための装置として、例えば、溶媒を減圧留去するためのベント口を設置したベント付押出機を使用し得る。

0033

塩素化ポリオレフィン樹脂として、ポリオレフィン樹脂を塩素化して得られた樹脂をそのまま用いてもよく、熱分解などにより減成した樹脂を用いてもよい。

0034

[α,β−不飽和カルボン酸誘導体]
α,β−不飽和カルボン酸誘導体は、少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造を有する。

0035

α,β−不飽和カルボン酸誘導体は、好ましくはα,β−不飽和ポリカルボン酸環状無水物である。α,β−不飽和ポリカルボン酸環状無水物は、少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造として、−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造を有する。

0036

α,β−不飽和ポリカルボン酸環状無水物は、α,β−不飽和ポリカルボン酸が有する2つのカルボン酸が縮合することにより、−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造を含む環構造が形成されている化合物である。

0037

α,β−不飽和ポリカルボン酸環状無水物としては、例えば、無水マレイン酸無水シトラコン酸無水イタコン酸、及び無水アコニット酸が挙げられる。中でも、好ましくは無水マレイン酸又は無水アコニット酸である。

0038

α,β−不飽和カルボン酸誘導体は、1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。

0039

[ポリオレフィン樹脂又は塩素化ポリオレフィン樹脂とα,β−不飽和カルボン酸誘導体との重合の方法]
ポリオレフィン樹脂又は塩素化ポリオレフィン樹脂と、α,β−不飽和カルボン酸誘導体とを重合する方法としては、公知の方法を用いることができる。前記方法としては、例えば、ポリオレフィン樹脂又は塩素化ポリオレフィン樹脂を溶融又は溶媒に溶解し、α,β−不飽和カルボン酸誘導体及びラジカル発生剤を添加し、重合体を得る方法が挙げられる。

0040

ラジカル発生剤としては、例えば、上記[塩素化ポリオレフィン樹脂]の項において例示したラジカル発生剤を挙げることができる。

0041

反応装置としては、例えば、二軸押出機などの押出機を用いることができる。

0042

反応は、回分式で行ってもよく、連続式で行ってもよい。

0043

ポリオレフィン樹脂又は塩素化ポリオレフィン樹脂と、α,β−不飽和カルボン酸誘導体とを重合することにより、通常、ポリオレフィン又は塩素化ポリオレフィンを主鎖とし、α,β−不飽和カルボン酸誘導体に由来する構成単位を含む側鎖を有するグラフト共重合体が得られる。

0044

α,β−不飽和カルボン酸誘導体のグラフト率は、アルコール(B)などの変性成分との重合体(A)の反応性がより向上し、また変性ポリオレフィン樹脂組成物の白濁及び相分離を抑制できるため、好ましくは1質量%以上である。また、重合体(A)を変性する際に、反応液ゲル化することを抑制するとともに、変性ポリオレフィン樹脂組成物のポリオレフィン基材との付着性が向上するため、好ましくは10質量%以下である。

0045

α,β−不飽和カルボン酸誘導体(好ましくはα,β−不飽和ポリカルボン酸環状無水物)のグラフト率は、公知の方法で測定することができる。例えば、アルカリ滴定法フーリエ変換赤外分光法によって求めることができる。

0046

[塩素化体(b)]
重合体(a)は、ポリオレフィン樹脂又は塩素化ポリオレフィン樹脂とα,β−不飽和カルボン酸誘導体との重合により得られる。重合体(A)としては、重合体(a)を用いてもよく、重合体(a)を更に塩素化した塩素化体(b)を用いてもよい。

0047

重合体(a)を、更に塩素化する方法としては、特に限定されない。重合体(a)を更に塩素化する方法の例及び好ましい例としては、上記[塩素化ポリオレフィン樹脂]の項において挙げた例及び好ましい例と同様である。

0048

重合体(a)を塩素化した後、安定剤を添加してもよい。安定剤の例及び好ましい例は、上記[塩素化ポリオレフィン樹脂]の項において挙げた例及び好ましい例と同様である。

0049

重合体(a)を塩素化した後の、反応混合物の処理方法としては、例えば、上記[塩素化ポリオレフィン樹脂]の項において説明した方法と同様の方法が挙げられる。例えば、反応混合物から反応溶媒を留去した後、安定剤と共に、トルエン又はキシレンなどの溶媒を加えて、反応溶媒を別の溶媒に置換し、重合体(A)の分散液又は溶液を得る方法;反応混合物を減圧濃縮して、安定剤を添加した後、反応溶媒の大部分を除去することにより、重合体(A)の固形物を得る方法が挙げられる。

0050

[重合体(A)の組成など]
重合体(A)が塩素化されている場合、重合体(A)の塩素含有率は、変性ポリオレフィン樹脂組成物の溶液の性状をより良好にできるため、好ましくは5重量%以上であり、より好ましくは15重量%以上である。また、変性ポリオレフィン樹脂組成物の、ポリオレフィン基材との付着性が向上するので、好ましくは50重量%以下であり、より好ましくは40重量%以下である。塩素含有率は、JIS−K7229:1995に基づいて測定することができる。

0051

重合体(A)の数平均分子量は、好ましくは10000以上であり、より好ましくは30000以上である。また、好ましくは200000以下であり、より好ましくは100000以下である。

0052

[変性成分]
変性ポリオレフィン樹脂(C)は、重合体(A)が、変性成分で変性されている樹脂である。変性成分は、アルコール(B)を含む。変性成分が、アルコール(B)を含むことで、溶液の形態とした変性ポリオレフィン樹脂組成物の安定性が向上する。

0053

溶液の形態とした変性ポリオレフィン樹脂組成物の安定性が向上する理由は、重合体(A)が有する少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造(好ましくは、−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造)が、アルコール(B)と反応することにより、少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造が、より安定な構造(好ましくは、エステル)へ変換されるためと推察される。

0054

[アルコール(B)]
アルコール(B)としては、例えば、脂肪族アルコール(例、メタノールエタノールn−プロピルアルコールイソプロピルアルコールn−ブチルアルコールイソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、2−エチルヘキサノール、1−ペンタノール1−ヘキサノール1−ヘプタノール、1−オクタノール1−ノナノール、及び1−デカノール)が挙げられ、脂肪族アルコールが好ましい。
アルコール(B)は、好ましくは炭素原子数が1〜10のアルコールであり、より好ましくは炭素原子数が1〜4のアルコールであり、更に好ましくは、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、及びtert−ブチルアルコールからなる群より選択される1種以上であり、特に好ましくは、エタノール、n−プロピルアルコール、及びn−ブチルアルコールからなる群より選択される1種以上である。

0055

アルコール(B)は、1種単独でもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。

0056

[アルコール(B)の添加量
アルコール(B)の添加量は、重合体(A)が有する1モルの、少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造(好ましくは−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造)に対して、好ましくは2mol以上、より好ましくは6mol以上、更に好ましくは10mol以上である。また、好ましくは40mol以下、より好ましくは30mol以下、更に好ましくは20mol以下である。

0057

[単量体(I)]
変性成分は、下記一般式(1)で表される単量体(I)を更に含んでいてもよい。

0058

0059

上記一般式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、mは1〜4の整数を表し、R2は2価の有機基を表し、nは0〜3の整数を表す。

0060

2価の有機基とは、炭素原子を1個以上含む2価の基を意味する。
2価の有機基としては、例えば、アルキレン基シクロアルキレン基、及び下記一般式(1−1)で表される基が挙げられる。
2価の有機基としてのアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。
2価の有機基が複数存在する場合、複数存在する2価の有機基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。

0061

0062

上記一般式(1−1)中、R21は、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
R21により表されるアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。

0063

2価の有機基は、好ましくは上記一般式(1−1)で表される基である。
R21は、好ましくはアルキレン基であり、より好ましくは炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、更に好ましくは炭素原子数1〜6のアルキレン基であり、特に好ましくは、下記一般式(1−1−1)で表されるアルキレン基である。

0064

0065

一般式(1)で表される単量体(I)は、特に好ましくは、下記一般式(1a)で表される単量体である。

0066

0067

上記一般式(1a)中、mは1〜4の整数を表し、nは0〜3の整数を表す。

0068

変性成分が、単量体(I)を含むことで、変性反応の際に、均一性、透明性がより高い反応液が得られる。
その理由としては、単量体(I)が有するヒドロキシル基が、重合体(A)が有するカルボキシル基又は少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造とエステル化反応し、エステル化反応した単量体(I)の炭素炭素二重結合反応起点としてグラフト共重合反応が進行するためと推察される。

0069

mが4以下の整数であると、変性反応の際に、均一性及び透明性がより高い反応液となる。nが3以下の整数であると、変性反応の際に、より均一性及び透明性が高い反応液となる。

0070

nは1以上3以下の整数であることが好ましい。

0071

単量体(I)は、1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。

0072

単量体(I)は、従前公知の方法で製造することができる。また、単量体(I)として、市販品を用いてもよい。

0073

市販品として、ダイセル(株)製「プラクセルHEMAC1」(上記一般式(1a)で表される単量体。但し、R1=メチル基、m=2、n=1)を使用することができる。

0074

変性ポリオレフィン樹脂(C)は、重合体(A)1モルに対し、2.1モル以上の単量体(I)で変性されていることが好ましい。これにより、変性反応の際に、反応液が白濁したり、二層に分離したりすることが抑制されて、均一性及び透明性がより高い反応液となる。

0075

変性ポリオレフィン樹脂(C)は、重合体(A)1モルに対し、50モル以下の単量体(I)で変性されていることが好ましい。これにより、変性反応の際に、反応液がゲル化することを抑制し、更に変性ポリオレフィン樹脂組成物のポリオレフィン基材に対する付着性を良好とし得る。

0076

ここで、重合体(A)1モルは、数平均分子量に基づく量である。

0077

[単量体(II)]
変性成分は、下記一般式(2)で表される単量体(II)を更に含んでいてもよい。

CH2=C(R3)COOR4 (2)

0078

上記一般式(2)中、R3は水素原子又はメチル基を表し、R4は水素原子又は−CnH2n+1で表される基を表す。但し、nは1〜18の整数を表す。

0079

単量体(II)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及びラウリル(メタ)アクリレートが挙げられる。

0080

[その他の単量体]
変性成分は、アルコール(B)、単量体(I)、及び、単量体(II)以外の、重合性の単量体を含んでいてもよい。
その他の単量体としては、例えば、α,β−不飽和カルボン酸(例、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、シトラコン酸、フマル酸メサコン酸イタコン酸、アコニット酸)、単量体(I)及び単量体(II)以外の(メタ)アクリル酸エステル(例:シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの、シクロアルキル(メタ)アクリレート;及び、グリシジル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの、単量体(I)以外のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリロニトリルビニル基を含有する単量体(例、スチレン酢酸ビニル)が挙げられる。
その他の単量体として、ポリスチレン又はポリ(メタ)アクリレートの末端に重合性の(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマーを使用してもよい。

0081

[変性成分による変性の方法]
アルコール(B)により、重合体(A)を変性する方法としては、例えば、重合体(A)とアルコール(B)とを、適当な溶媒中に分散又は溶解して反応させる方法が挙げられる。
重合体(A)を、アルコール(B)以外の変性成分でも変性する場合、重合体(A)をアルコール(B)で変性する時期はいつでもよい。例えば、
・重合体(A)を、アルコール(B)以外の変性成分で変性した後、アルコール(B)により変性してもよい。
・重合体(A)を、アルコール(B)で変性した後、アルコール(B)以外の変性成分で変性してもよい。
・重合体(A)を、まずアルコール(B)以外の複数変性成分の一部で変性し、次いでアルコール(B)により変性し、次いでアルコール(B)以外の複数変性成分の残りで変性してもよい。
・重合体(A)を、アルコール(B)及びアルコール(B)以外の少なくとも1種の変性成分で同時に変性してもよい。

0082

変性成分が、アルコール(B)に加えて、更に単量体(I)及び単量体(II)を含み、単量体(I)により重合体(A)を変性する工程(2−i)、アルコール(B)により重合体(A)を変性する工程(2−ii)、単量体(II)により重合体(A)を変性する工程(2−iii)が、下記の順I〜IIIのうちのいずれかの順で行われることが好ましい。
順I:工程(2−i)、工程(2−ii)、工程(2−iii)がこの順で行われる。
順II:工程(2−i)の後に、工程(2−ii)及び工程(2−iii)が同時に行われる。
順III:工程(2−i)、工程(2−iii)、工程(2−ii)がこの順で行われる。

0083

より好ましくは、工程(2−i)、工程(2−ii)、工程(2−iii)がこの順で行われる。

0084

重合体(A)を単量体(I)及び/又は単量体(II)で変性する方法としては、例えば、重合体(A)を適当な溶媒に分散又は溶解し、ラジカル発生剤(重合開始剤)を添加し、単量体(I)及び/又は単量体(II)を添加して反応させる方法、及び、重合体(A)を適当な溶媒に分散又は溶解し、単量体(I)及び/又は単量体(II)を添加した後、重合開始剤を添加して反応させる方法が挙げられる。単量体(I)及び/又は単量体(II)は、反応系に一度にその全量を添加してもよく、連続的に添加してもよく、数回に分割して添加してもよい。変性反応の際は、通常反応系を加温する。加温は、ラジカル発生剤を添加する前、添加と同時、添加の後のいずれの時期に行ってもよい。好ましくは、加温は、ラジカル発生剤を添加する前から開始される。

0085

重合体(A)を単量体(I)及び単量体(II)以外のその他の単量体で変性する方法としては、その他の単量体の種類に応じた方法で行ってよい。例えば、単量体(I)及び/又は単量体(II)で重合体(A)を変性する方法と同様の方法が挙げられる。

0086

重合体(A)を変性するためのラジカル発生剤としては、公知のラジカル発生剤の中から適宜選択することができる。例えば、上記[塩素化ポリオレフィン]の項で挙げたラジカル発生剤と同様の剤が挙げられる。

0087

重合体(A)を変性するためのラジカル発生剤は、1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。

0088

変性反応に使用する溶媒としては、例えば、芳香族化合物溶媒(例、トルエン、キシレン)、カルボン酸エステル溶媒(例、酢酸エチル酢酸ブチル)、ケトン溶媒(例、メチルエチルケトンメチルイソブチルケトン)、アルコール溶媒(例、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール)、脂肪族炭化水素溶媒脂環式炭化水素溶媒、これらの任意の比率混合溶媒が挙げられる。
変性反応に使用する溶媒として好ましくは、芳香族化合物溶媒であり、より好ましくは芳香族炭化水素溶媒(例、トルエン、キシレン)である。

0089

本明細書において、溶媒には、分散媒が含まれる。

0090

[少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造の残存率]
変性ポリオレフィン樹脂(C)における、少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造の残存率は、50%以上80%以下である。ここで、少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造は、α,β—不飽和カルボン酸誘導体が有する、少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造と同じであり、好ましくは、−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造である。

0091

残存率は、変性ポリオレフィン樹脂(C)に存在する、少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造の数の割合(%)である。ここで、アルコール(B)を含む変性成分で重合体(A)を変性する工程において、アルコール(B)を反応系に添加する直前における、重合体(A)(又は、アルコール(B)より前に重合体(A)をアルコール(B)以外の変性成分により変性する場合は重合体(A)の変性物)の残存率を100%とする。

0092

変性ポリオレフィン樹脂(C)における、少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造の残存率は、例えば、下記のようにして求めることができる。
アルコール(B)を反応系に添加する直前における、重合体(A)又は重合体(A)の変性物の赤外吸収スペクトル、及び変性ポリオレフィン樹脂(C)の赤外吸収スペクトルをそれぞれ測定し、該構造に特有ピーク面積を、ポリオレフィンに特有のピークの面積で除した値をそれぞれ求め、それぞれAa、Acとすると、残存率は、Ac/Aa×100で得られる。

0093

α,β−不飽和カルボン酸誘導体が、α,β−不飽和ポリカルボン酸環状無水物であり、少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造が−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造である場合、少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造(−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造)に特有のピークとして、例えば、1780cm−1付近に存在するピークを用いることができる。

0094

ポリオレフィンに特有のピークとして、例えば、1450cm−1付近に存在するピークを用いることができる。

0095

変性ポリオレフィン樹脂(C)における、少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造の残存率は、好ましくは55%以上であり、好ましくは70%以下である。

0096

変性ポリオレフィン樹脂(C)における、該構造の残存率が上記範囲にあることにより、付着性に優れていながら、長時間保管しても溶液性状が良好に保たれる変性ポリオレフィン樹脂組成物が得られる。

0097

また、アルコール(B)を添加しない以外は変性ポリオレフィン樹脂(C)と同様の手順により製造された樹脂(C’)の粘度Va及び変性ポリオレフィン樹脂(C)の粘度Vbは、下記式(V1)を満たすことが好ましい。

0098

30≦(Va−Vb)/Va×100≦80 式(V1)

0099

ここで、本明細書において、粘度は、下記の方法で測定した値である。
測定試料恒温槽にて25℃に調温し、B型粘度計(東機産業(株)製、BMII型粘度計)を用いて、回転速度60rpmの条件で測定した値である。ここで、測定試料の濃度は、35重量%である。

0100

粘度Va及び粘度Vbを、式(V1)を満たすものとするためには、例えば、アルコール(B)の添加量を調整することにより実現できる。例えば、アルコール(B)の添加量を多くすると、変性ポリオレフィン樹脂(C)の粘度Vbを小さくすることができ、その結果、(Va−Vb)/Va×100の値を大きくすることができる。また、アルコール(B)の添加量を少なくすると、変性ポリオレフィン樹脂(C)の粘度Vbを大きくすることができ、その結果、(Va−Vb)/Va×100の値を大きくすることができる。

0101

このように、アルコール(B)の添加量により、変性ポリオレフィン樹脂(C)の粘度Vbの値を増減させることができる理由としては、下記の理由が挙げられる。

0102

重合体(A)が有する、少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造(好ましくは−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造)は、アルコール(B)のヒドロキシル基と反応して変性ポリオレフィン樹脂(C)同士が架橋することを抑制し、その結果変性ポリオレフィン樹脂(C)の粘度Vbが低下すると推察される。従って、アルコール(B)の添加量により、変性ポリオレフィン樹脂(C)の粘度Vbを調整できると推察される。

0103

[任意成分]
変性ポリオレフィン樹脂組成物は、変性ポリオレフィン樹脂(C)以外に、任意の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、溶媒;ポリオレフィン樹脂;塩素化ポリオレフィン樹脂;ポリオレフィン樹脂以外の樹脂(例、アルキッド樹脂アクリル樹脂ポリアクリルポリオールポリエステル樹脂ポリエステルポリオールポリエーテル樹脂ポリエーテルポリオールポリウレタン樹脂);未反応のアルコール(B)などの変性成分;顔料添加剤(例、紫外線吸収剤酸化防止剤顔料沈降防止剤)が挙げられる。

0104

変性ポリオレフィン樹脂組成物に含まれる変性ポリオレフィン樹脂(C)以外の任意の成分の含有量は、変性ポリオレフィン樹脂組成物に対して、例えば、10質量%以下、5質量%以下、1質量%以下、又は0質量%であってもよい。

0105

変性ポリオレフィン樹脂組成物における、変性ポリオレフィン樹脂(C)の含有量は、変性ポリオレフィン樹脂組成物の用途に応じて適宜設定することができるが、各種プラスチック基材に対する付着性をより向上させるために、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上である。上限は、100質量%以下とし得、90質量%以下であってもよく、80質量%以下であってもよい。

0106

[変性ポリオレフィン樹脂組成物の用途]
変性ポリオレフィン樹脂組成物は、付着性に優れ、長時間保管しても溶液性状が良好に保たれるので、例えば、バインダー(例、塗料用バインダーインキ用バインダー)、プライマー、塗料、インキ、接着剤などに好適に利用することができる。したがって、本発明は、上記変性ポリオレフィン樹脂組成物を含む、バインダー、プライマー、塗料、及びインキを提供する。

0107

本発明の、バインダー、プライマー、塗料、及びインキは、変性ポリオレフィン樹脂組成物以外の添加剤(例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料無機充填剤)を必要に応じて含むものであってよい。

0108

[2.変性ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法]
上記の変性ポリオレフィン樹脂組成物は、例えば、下記の工程(1)及び(2)をこの順で含む方法により製造することができる。

0109

[工程(1)]
工程(1)は、ポリオレフィン樹脂又は塩素化ポリオレフィン樹脂と少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造を有するα,β−不飽和カルボン酸誘導体とを重合して、重合体(a)を得る工程である。

0110

ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、及びα,β−不飽和カルボン酸誘導体の例及び好ましい例については、上記[1.変性ポリオレフィン樹脂組成物]の項で説明した例と同様である。

0111

ポリオレフィン樹脂又は塩素化ポリオレフィン樹脂と少なくとも1つのカルボキシル基から誘導される構造を有するα,β−不飽和カルボン酸誘導体とを重合する方法については、上記[ポリオレフィン樹脂又は塩素化ポリオレフィン樹脂とα,β−不飽和カルボン酸誘導体とを重合する方法]の項で説明した例と同様である。

0112

工程(1)の後であって工程(2)の前に、重合体(a)を塩素化してその塩素化体(b)を得る工程(1’)を含んでいてもよい。重合体(a)を塩素化する方法の例については、上記[塩素化体(b)]の項で説明した例と同様である。

0113

[工程(2)]
工程(2)は、重合体(a)又はその塩素化体(b)である、重合体(A)を、アルコール(B)を含む変性成分で変性して、変性ポリオレフィン樹脂(C)を含む変性ポリオレフィン樹脂組成物を得る工程である。
アルコール(B)の例及び好ましい例、アルコール(B)以外の任意の変性成分の例及び好ましい例については、上記[1.変性ポリオレフィン樹脂組成物][変性成分]の項で説明した例と同様である。

0114

重合体(A)を、アルコール(B)を含む変性成分で変性する方法の例及び好ましい例については、上記[変性成分による変性の方法]の項で説明した例と同様である。

0115

以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明を限定するものではない。以下の記載において、「部」は特に断らない限り質量部を意味する。

0116

評価方法
[数平均分子量]
試料の数平均分子量は、下記の条件に従いGPCにより測定した。
GPC装置:東ソー社製
カラム:TSK−gel G−6000 H×L、G−5000 H×L、G−4000 H×L、G−3000 H×L、 G−2000 H×L(東ソー社製)
溶離液:THF
流速:1.0mL/分
ポンプオーブン及びカラムオーブン温度:40℃
注入量:100μL
分子量標準物質:ポリスチレン(「Easical PS−1」,Agilent Technologyより供給)

0117

[−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造の量(mol/1mol)]
重合体(A)1mol当たりの−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造の量(mol)は、アルカリ滴定法により測定した。

0118

[塩素含有率(質量%)]
JIS−K7229:1995に基づいて測定した。

0119

[溶液安定性試験
樹脂溶液密閉容器へ入れ、25℃で6カ月間静置した。6か月後の溶液性状を目視にて観察し、下記の評価基準により評価した。
A:均一且つ透明な溶液性状であり、製造直後と変わらない溶液外観・粘度である。
B:均一且つ透明な溶液性状であるが、製造直後と比べて粘度の増加が見られる。
C:溶液の相分離及び/又は凝集物の発生が確認される。

0120

[−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造の残存率]
変性ポリオレフィン樹脂(C)の製造において、アルコール(B)を添加する直前において重合液サンプリングした。重合液の赤外吸収スペクトルを測定し、1780cm−1付近に存在するピークを該構造に特有のピークとし、1450cm−1付近に存在するポリオレフィンに特有のピーク面積で除した値をAaとした。次に、変性ポリオレフィン樹脂(C)の製造において、アルコール(B)を添加して1時間後の重合液をサンプリングした。重合液の赤外線吸収スペクトルを測定し、以後Aaと同様の操作にて値Acを求めた。値Aa及びAcを以下の式に代入して、該構造の残存率を求めた。
残存率=Ac/Aa×100(%)

0121

[粘度]
試料の粘度を下記条件により求めた。
変性ポリオレフィン樹脂(C)の溶液を恒温槽にて25℃に調温し、B型粘度計(東機産業(株)製、BMII型粘度計)を用いて、回転速度60rpmの条件で測定した。ここで、溶液中の変性ポリオレフィン樹脂(C)の濃度は、35重量%である。
また、アルコール(B)を添加しない以外は変性ポリオレフィン樹脂(C)と同様の手順により樹脂(C’)を製造した。樹脂(C’)の溶液について、変性ポリオレフィン樹脂(C)の溶液と同様の方法で粘度を測定した。

0122

樹脂(C’)についての粘度Va(Pa・s)及び変性ポリオレフィン樹脂(C)の粘度Vb(Pa・s)を測定し、下記式により粘度変化率(%)を求めた。
式:粘度変化率=(Va−Vb)/Va×100(%)

0123

[プライマー試験
樹脂溶液を、20℃において、フォードカップ#4で100mLの溶液が、12〜13秒で落下するようキシレンで希釈した。その後、中性洗剤で表面を洗浄したポリプロピレン板(TX−933A、三井化学(株)製)上に、エアースプレー膜厚10〜15μmとなるように希釈した樹脂溶液を塗布し、室温で20分間乾燥してプライマー塗膜を得た。プライマー塗膜上に、クリアー(2液硬化型ウレタン塗料)を膜厚30μmとなるように塗布し、室温で30分乾燥したのち、80℃で30分間焼き付け処理を施して塗装板を得た。塗装板を室温で24時間静置した後、この塗装板について、下記の塗膜試験(付着性試験耐湿性試験耐温水性試験、耐ガソホール性試験、耐紫外線性試験)を実施した。

0124

[付着性試験]
塗面上に1mm間隔で、素地のポリプロピレン板に達する刻みを入れて、100個の正方形区画を作り、その上にセロファンテープ(ニチバン(株)製)を密着させて180°方向へ引き剥がし、素地上に残存する区画の数を下記基準により評価した。残存区画数が多いほど、付着性に優れる。
A:テープ剥離後の残存区画数が100である。
B:テープ剥離後の残存区画数が99〜81である。
C:テープ剥離後の残存区画数が80以下である。

0125

[耐湿性試験]
塗装板を50℃、相対湿度98%の雰囲気に240時間静置した。240時間静置した後、塗膜の状態を観察し、耐湿性を下記基準により評価した。
A:塗膜に異常が見られない。
B:塗膜全体の1割未満がポリプロピレン板から浮き上がっている。
C:塗膜全体の1割以上がポリプロピレン板から浮き上がっている。

0126

[耐温水性試験]
塗装板を40℃の温水に240時間浸漬した。240時間浸漬した後、塗膜の状態を観察し、耐温水性を下記基準により評価した。
A:塗膜に異常が見られない。
B:塗膜全体の1割未満がポリプロピレン板から浮き上がっている。
C:塗膜全体の1割以上がポリプロピレン板から浮き上がっている。

0127

[耐ガソホール性]
塗膜上に、素地に達するスクラッチを十字状に入れ、ガソリン/エタノール=9/1(容積比)に浸漬した。浸漬した塗膜の状態を観察し、耐ガソホール性を下記基準により評価した。
A:2時間浸漬後も塗膜剥離が見られない。
B:2時間浸漬後で塗膜剥離が見られたが、1時間浸漬後は塗膜剥離が見られない。
C:1時間浸漬後で塗膜剥離が見られた。

0128

[耐紫外線性]
QUV促進耐候性試験機(Q−PANEL COMPANY製)を用いて塗装板の耐紫外線性を試験した。QUV暴露時間が1000時間の時点で、上記[付着性試験]と同様の試験を行い、下記基準により塗膜の耐紫外線性を評価した。
A:テープ剥離後の残存区画数が100である。
B:テープ剥離後の残存区画数が99〜81である。
C:テープ剥離後の残存区画数が80以下である。

0129

[製造例1]
メタロセン触媒重合触媒として製造した、ポリオレフィン樹脂としてのプロピレン系ランダム共重合体(プロピレン単位含有量:96重量%、エチレン単位含有量:4重量%)100部、及びα,β−不飽和ポリカルボン酸環状無水物としての無水マレイン酸4部、ラジカル発生剤としてのジ−t−ブチルパーオキサイド2部を、均一に混合し、二軸押出機(L/D=60、直径=15mm、第1バレル〜第14バレル)に供給した。

0130

滞留時間が10分、回転数200rpm、バレル温度が100℃(第1、2バレル)、200℃(第3〜8バレル)、90℃(第9、10バレル)、110℃(第11〜14バレル)の条件で反応を行った。その後、減圧処理を行うことで未反応の無水マレイン酸を除去し、重合体(a)として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系樹脂を得た。

0131

得られた無水マレイン酸変性ポリプロピレン系樹脂100部を、グラスライニングされた反応釜投入した。これにクロロホルムを加え、2kgf/cm2の圧力下、温度110℃で樹脂を十分に溶解した後、ラジカル発生剤としてのアゾビスイソブチロニトリル2部を加えた。上記釜内圧力を2kgf/cm2に制御しながら塩素ガスを吹き込み、塩素化を行った。

0132

反応終了後、安定剤としてエポキシ化合物(エポサイザーW−100EL、大日本インキ化学工業社製)を6部添加し、スクリューシャフト部に脱溶剤用吸引部を備えたベント付き押出機に供給して、脱溶剤し、固形化し、塩素化体(b)及び重合体(A)としての、塩素化ポリオレフィン系樹脂である、数平均分子量30000の酸変性塩素化ポリオレフィン系樹脂組成物(A−1)(樹脂組成物1モルにおける−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造の含有量=9.7モル等量、塩素含有率=20質量%)を得た。

0133

[製造例2]
撹拌機冷却管、及び滴下漏斗を取り付けた四つ口フラスコ中で、メタロセン触媒を重合触媒として製造した、ポリオレフィン樹脂としてのプロピレン系ランダム共重合体(プロピレン単位含有量:80重量%、ブテン単位含有量:15重量%、エチレン単位含有量:5重量%)100部を、180℃の油浴中で完全に溶解した。フラスコ内の窒素置換を約10分間行った後、撹拌を行いながらα,β−不飽和ポリカルボン酸環状無水物としての無水アコニット酸4部を約5分間かけて投入し、ヘプタン1部に溶解したジ−tert−ブチルパーオキサイド0.4部を滴下ロートから約30分かけて投入した。

0134

その後、系内を180℃に保ち、更に1時間反応を継続した後、アスピレーターでフラスコ内を減圧しながら、約1時間かけて未反応の無水マレイン酸を取り除き、重合体(a)としての、無水アコニット酸変性ポリプロピレン系樹脂を得た。

0135

得られた無水アコニット酸変性ポリプロピレン系樹脂100部を、グラスライニングされた反応釜に投入した。これにクロロホルムを加え、2kg/cm2の圧力下、紫外線を照射しながら塩素ガスを吹き込み、塩素化を行った。

0136

反応終了後、安定剤としてエポキシ化合物(エポサイザーW−100EL、大日本インキ化学工業社製)を6部添加し、スクリューシャフト部に脱溶剤用吸引部を備えたベント付き押出機に供給して、脱溶剤し、固形化し、塩素化体(b)及び重合体(A)としての、塩素化ポリオレフィン系樹脂である、数平均分子量50000の酸変性塩素化ポリオレフィン系樹脂組成物(A−2)(樹脂組成物1モルにおける−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造の含有量=12.0モル等量、塩素含有率=5質量%)を得た。

0137

[製造例3]
プロピレン系ランダム共重合体として、メタロセン触媒を重合触媒として製造したプロピレン系ランダム共重合体(プロピレン単位含有量:80重量%、エチレン単位含有量:20重量%)を用いた以外は、製造例1と同様にして、塩素化体(b)及び重合体(A)としての、数平均分子量10000の酸変性塩素化ポリオレフィン系樹脂組成物(A−3)(樹脂組成物1モルにおける−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造の含有量=5.0モル等量、塩素含有率=50質量%)を得た。

0138

[製造例4]
メタロセン触媒を重合触媒として製造したプロピレン系ランダム共重合体(プロピレン単位含有量:96重量%、エチレン単位含有量:4重量%)100部とジ−t−ブチルパーオキサイド2部とを均一に混合し、二軸押出機(L/D=60、直径=15mm、第1バレル〜第14バレル)に供給した。

0139

滞留時間が10分、回転数200rpm、バレル温度が100℃(第1、2バレル)、200℃(第3〜8バレル)、90℃(第9、10バレル)、110℃(第11〜14バレル)の条件で反応を行い、ポリプロピレン系樹脂を得た。

0140

得られたポリプロピレン系樹脂100部を、グラスライニングされた反応釜に投入した。これにクロロホルムを加え、2kg/cm2の圧力下、温度110℃で十分に溶解した。その後、アゾビスイソブチロニトリル2部を加え、上記釜内圧力を2kg/cm2に制御しながら塩素ガスを吹き込み、塩素化を行った。
反応終了後、安定剤としてエポキシ化合物(エポサイザーW−100EL、大日本インキ化学工業社製)を6部添加し、スクリューシャフト部に脱溶剤用吸引部を備えたベント付き押出機に供給して、脱溶剤し、固形化し、塩素化ポリオレフィン系樹脂である、数平均分子量30000の塩素化ポリオレフィン系樹脂組成物(A−4)(塩素含有率=20質量%)を得た。

0141

[実施例1]
酸変性塩素化ポリプロピレン系樹脂組成物(A−1)100重量部をトルエン1064重量部に溶解し、エポキシ化合物(エポサイザーW−131、DIC(株)製)5重量部を加えた。これに窒素雰囲気中、85℃で、パーオキシエステル系過酸化物(パーブチルO、日本油脂(株)製)5.5重量部を加えた後、単量体(I)として、下記式(1a)(但し、R1はメチル基を表し、mは2を表し、nは1を表す。)で表されるジメチルトリメチレンカーボネート変性メタクリル酸エチル(以下HEMACともいう。商品名「フラクセルHEMAC1」ダイセル社製、分子量約250)を15.0重量部加え、1時間撹拌した。撹拌した後にアルコール(B)として1−ブタノール24重量部を加え、1時間撹拌した後、重合性(メタ)アクリル酸エステルとして表2記載の単量体(メタクリル酸10重量部、メチルメタクリレート270重量部、シクロヘキシルメタクリレート120重量部)を添加し、85℃にて6時間以上反応を行った。その後、固形分濃度が40重量%のトルエン溶液に調整し、表3記載の、変性ポリオレフィン樹脂(C)としての変性ポリプロピレン系樹脂(C−1)の溶液(変性ポリオレフィン樹脂組成物)を得た。変性ポリプロピレン系樹脂(C−1)の数平均分子量は、80000であった。樹脂溶液は製造後1日経過時点で、均一かつ透明な溶液性状であった。
アルコール(B)としての1−ブタノールを添加して1時間後に重合液をサンプリングして、−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造の残存率を求めた。
なお、表2記載の単量体を添加し、85℃にて6時間以上反応を行った後の該構造の残存率は、1−ブタノールを添加して1時間後の該構造の残存率と同等である。

0142

本実施例では、重合体(A)を変性する工程が、上記順I(単量体(I)による変性、アルコール(B)による変性、単量体(II)による変性)に従い行われた。

0143

0144

[実施例2]
酸変性塩素化ポリプロピレン系樹脂組成物(A−2)100重量部をトルエン266重量部に溶解し、エポキシ化合物(エポサイザーW−131、DIC(株)製)5重量部を加えた。これに窒素雰囲気中、85℃で、パーオキシエステル系過酸化物(パーブチルO、日本油脂(株)製)5.5重量部を加えた後、単量体(I)として、HEMACを25.0重量部加え、アルコール(B)としてエタノール22重量部、及び重合性(メタ)アクリル酸エステルとして表2記載の配合(メタクリル酸5.0重量部、シクロヘキシルメタクリレート20.0重量部)を同時に添加し、85℃にて6時間以上反応を行った。その後、固形分濃度が40重量%のトルエン溶液に調整し、表3記載の、変性ポリオレフィン樹脂(C)としての変性ポリプロピレン系樹脂(C−2)の溶液(変性ポリオレフィン樹脂組成物)を得た。変性ポリプロピレン系樹脂(C−2)の数平均分子量は、120000であった。樹脂溶液は製造後1日経過時点で、均一かつ透明な溶液性状であった。
アルコール(B)としてのエタノールを添加して1時間後に重合液をサンプリングして、−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造の残存率を求めた。
なお、85℃にて6時間以上反応を行った後の該構造の残存率は、エタノールを添加して1時間後の該構造の残存率と同等である。

0145

本実施例では、重合体(A)を変性する工程が、上記順II(単量体(I)による変性、アルコール(B)による変性及び単量体(II)による同時の変性)に従い行われた。

0146

[実施例3]
酸変性塩素化ポリプロピレン系樹脂組成物(A−3)100重量部をトルエン426重量部に溶解し、エポキシ化合物(エポサイザーW−131、DIC(株)製)5重量部を加えた。これに窒素雰囲気中、85℃で、パーオキシエステル系過酸化物(パーブチルO、日本油脂(株)製)5.5重量部を加えた後、単量体(I)として、HEMACを7.5重量部加え、重合性(メタ)アクリル酸エステルとして表2記載の配合(メタクリル酸5.0重量部、メチルメタクリレート31.0重量部、シクロヘキシルメタクリレート60.0重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート4.0重量部)を添加し、85℃にて6時間以上反応を行った後、アルコール(B)として1−デカノール16重量部を加え、固形分濃度が40重量%のトルエン溶液に調整し、表3記載の、変性ポリオレフィン樹脂(C)としての変性ポリプロピレン系樹脂(C−3)の溶液(変性ポリオレフィン樹脂組成物)を得た。変性ポリプロピレン系樹脂(C−3)の数平均分子量は、30000であった。樹脂溶液は製造後1日経過時点で、均一かつ透明な溶液性状であった。
アルコール(B)としての1−デカノールを添加して1時間後に重合液をサンプリングして、−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造の残存率を求めた。

0147

本実施例では、重合体(A)を変性する工程が、上記順III(単量体(I)による変性、単量体(II)による変性、アルコール(B)による変性)に従い行われた。

0148

[実施例4]
HEMACを加えなかった以外は、実施例1と同様にして、表3記載の数平均分子量70000のポリプロピレン系樹脂(C−4)の溶液(変性ポリオレフィン樹脂組成物)を得た。樹脂溶液は製造後1日経過時点で、均一かつ透明な溶液性状であった。

0149

[比較例1]
酸変性塩素化ポリプロピレン系樹脂組成物(A−1)100重量部をトルエン709重量部に溶解し、HEMAC16.7重量部を使用し、重合性(メタ)アクリル酸エステルの配合を表2記載の配合に変更し、アルコール(B)としての1−ブタノールを反応に用いなかった以外は実施例1と同様にして、表3記載の数平均分子量60000の変性ポリプロピレン系樹脂(C−5)の溶液を得た。樹脂溶液は製造後1日経過時点で、均一かつ透明な溶液性状であった。

0150

[比較例2]
酸変性塩素化ポリプロピレン系樹脂組成物(A−1)100重量部をトルエン426重量部に溶解し、HEMAC16.7重量部を使用し、アルコール(B)としてエタノールを30重量部使用し、重合性(メタ)アクリル酸エステルの配合を表2記載の配合に変更した以外は実施例1と同様にして、表3記載の数平均分子量45000の変性ポリプロピレン系樹脂(C−6)の溶液を得た。樹脂溶液は製造後1日経過時点で、均一かつ透明な溶液性状であった。

0151

[比較例3]
塩素化ポリプロピレン系樹脂組成物(A−4)100重量部をトルエン426重量部に溶解し、HEMAC1.25重量部を使用し、アルコール(B)として1−プロパノールを10重量部使用し、重合性(メタ)アクリル酸エステルの配合を表2記載の配合に変更した以外は実施例1と同様にして、表3記載の数平均分子量50000の変性ポリプロピレン系樹脂(C−7)の溶液を得た。樹脂溶液は製造後1日経過時点で、均一かつ透明な溶液性状であった。

0152

以下の表1に、各実施例及び比較例で用いた重合体(A)の原料、物性などについて示す。

0153

0154

上記表中、
「MAH」は無水マレイン酸を意味し、
「ACH」は無水アコニット酸を意味する。
「P:E:B」とは、「プロピレン単位:エチレン単位:ブテン単位」を意味する。

0155

以下の表2に、各実施例及び比較例で用いた重合体(A)及び変性成分について示す。

0156

0157

上記表中、
「HEMAC」は、ジメチルトリメチレンカーボネート変性メタクリル酸エチル(ダイセル社製フラクセルHEMAC1)を意味し、
「MAA」は、メタクリル酸を意味し、
「MMA」はメチルメタクリレートを意味し、
「CHMA」は、シクロヘキシルメタクリレートを意味し、
「HEA」は、2−ヒドロキシエチルアクリレートを意味する。
重合体(A)の−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造の量は、数平均分子量を基準とする、1モルの重合体(A)に含まれる該基の量(モル)を示す。
アルコール(C)の添加量は、重合体(A)が有する1モルの−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造当たりの添加量(モル)を表す。
単量体(I)(HEMAC)の添加量は、1モルの重合体(A)当たりの添加量(モル)を表す。
各重合性アクリル酸エステルの添加量は、100gの重合体(A)当たりの添加量(g)を表す。
変性の順Iは、重合体(A)の変性工程が、単量体(I)による変性、アルコール(B)による変性、単量体(II)による変性の順で行われたことを示す。
変性の順IIは、重合体(A)の変性工程が、単量体(I)による変性、アルコール(B)による変性及び単量体(II)による同時の変性の順で行われたことを示す。
変性の順IIIは、重合体(A)の変性工程が、単量体(I)による変性、単量体(II)による変性、アルコール(B)による変性の順で行われたことを示す。

0158

以下の表3に、各実施例及び比較例に係る樹脂溶液(樹脂組成物)の物性、粘度変化率、溶液安定性評価について示す。

0159

0160

以下の表4に、各実施例及び比較例で得られた樹脂溶液(樹脂組成物)についての評価結果を示す。

0161

実施例

0162

以上の結果によれば、実施例1〜4に係る樹脂組成物は、ポリプロピレンへの付着性に優れていると同時に、長期間保管した後でも、溶液安定性に優れていることがわかる。
一方、−(C=O)−O−(C=O)−で表される構造の残存率が、50%以上80%以下の範囲にない比較例1〜3に係る樹脂組成物は、ポリプロピレンへの付着性に劣ることが分かる。

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