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技術 流体軸受用潤滑油基油

出願人 新日本理化株式会社
発明者 竹上明伸持田博紹萬代有未
出願日 2018年10月23日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2019-551138
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 WO2019-082865
状態 未査定
技術分野 潤滑剤 有機低分子化合物及びその製造 すべり軸受
主要キーワード 微小隙間内 ナフチルアミン化合物 ポリグリセリンエーテル 球軸受 脂肪族二塩基酸ジエステル スリーブ内周面 軸外周面 カウンタープレート
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年9月24日)のものです。
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図面 (3)

課題・解決手段

本発明は、耐加水分解性に優れ、低温流動性に優れ、粘度指数が高く、且つ、耐蒸発性が良好なエステル系流体軸受用潤滑油基油を提供することを目的とする。本発明は、一般式(1):[式中、R1は、炭素数7〜13の直鎖アルキル基を表す。]で表される化合物、及び、一般式(2):[式中、R2は、炭素数7〜13の直鎖アルキル基を表す。]で表される化合物を含有する流体軸受用潤滑油基油、並びに当該基油を含む基油組成物に関する。

概要

背景

DDハードディスクドライブ)などに搭載されるモータでは、軸受として球軸受及びころ軸受が用いられていたが、モータの小型化、低振動化低騒音化などの要請から、近年、流体軸受が開発され、その流体軸受として、動圧流体軸受及び焼結含油軸受が実用化されている。

動圧流体軸受は、軸外周面スリーブ内周面との隙間に介在する潤滑油油膜圧力によって、回転軸を支持し、軸外周面又はスリーブ内周面の少なくともいずれか一方に動圧溝を設け、その動圧効果によって形成された潤滑油膜によって回転軸の摺動面を浮上支持するものであり、また、焼結含油軸受は、焼結金属などから構成される多孔質体に、潤滑油又は潤滑グリース含浸させて自己潤滑機能を持たせたものである。

AV機器又はOA機器高性能化、携帯ユースの普及などに伴い、流体軸受を備えたスピンドルモータが使用されている。近年、スピンドルモータへの高速化及び小型化の要求が強く、そのため、流体軸受にはさらなる低トルク化の要求がある。この低トルク化の要求に対応するため、比較的低粘度の潤滑油基油が選択されてきた。低粘度の潤滑油基油としては、ポリα−オレフィンなどの合成炭化水素系潤滑油基油;脂肪族二塩基酸ジエステルネオペンチル型ポリオールエステル脂肪酸モノエステルなどのエステル系潤滑油基油などが挙げられ、これらを用いた流体軸受用潤滑油基油が提案されている(特許文献1〜8)。

それらの中でも、流体軸受用潤滑油基油として、粘度特性低温流動性等に優れているエステル系潤滑油基油が多く使用されている。

しかしながら、エステル系潤滑油基油はその分子構造内にエステル基を含むため、水分により加水分解が起こり、スピンドルモータを長期に使用する場合、問題となることがあった。

また、HDDにおいてはヘッドディスクが高度化してきたため、アウトガス等による汚染防止が強く求められている(特許文献9)。潤滑油基油の蒸発が生じにくい機械構造の開発や、発生したアウトガスがディスクやヘッド部へ入り込まないような装置上の工夫もされているが、使用する流体軸受用潤滑油基油にも耐蒸発性の向上が求められていた。

概要

本発明は、耐加水分解性に優れ、低温流動性に優れ、粘度指数が高く、且つ、耐蒸発性が良好なエステル系の流体軸受用潤滑油基油を提供することを目的とする。本発明は、一般式(1):[式中、R1は、炭素数7〜13の直鎖アルキル基を表す。]で表される化合物、及び、一般式(2):[式中、R2は、炭素数7〜13の直鎖アルキル基を表す。]で表される化合物を含有する流体軸受用潤滑油基油、並びに当該基油を含む基油組成物に関する。

目的

本発明は、加水分解安定性に優れ、低温流動性に優れ、粘度指数が高く、且つ、耐蒸発性が良好な流体軸受用潤滑油基油を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

一般式(1):[式中、R1は、炭素数7〜13の直鎖アルキル基を表す。]で表される化合物、及び、一般式(2):[式中、R2は、炭素数7〜13の直鎖アルキル基を表す。]で表される化合物を、含有する流体軸受用潤滑油基油

請求項2

一般式(1)に記載のR1が炭素数8〜11の直鎖アルキル基であり、一般式(2)に記載のR2が炭素数8〜11の直鎖アルキル基である、請求項1に記載の流体軸受用潤滑油基油。

請求項3

一般式(1)に記載のR1と一般式(2)に記載のR2が、同一の直鎖アルキル基である、請求項1又は請求項2に記載の流体軸受用潤滑油基油。

請求項4

一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物との重量比が、20:80〜70:30である、請求項1〜3のいずれかに記載の流体軸受用潤滑油基油。

請求項5

流体軸受用潤滑油基油中の一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物の合計の含有量が90重量%以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の流体軸受用潤滑油基油。

請求項6

流体軸受用潤滑油基油が、動圧流体軸受潤滑油基油又は焼結含油軸受用潤滑油基油である、請求項1〜5のいずれかに記載の流体軸受用潤滑油基油。

請求項7

請求項1〜6のいずれかに記載の流体軸受用潤滑油基油を含有する、流体軸受用潤滑油組成物

請求項8

さらに酸化防止剤を含有する、請求項7に記載の流体軸受用潤滑油組成物。

請求項9

請求項7又は8に記載の流体軸受用潤滑油組成物を含む、流体軸受

請求項10

請求項9に記載の流体軸受けを含む、スピンドルモータ

請求項11

一般式(1):[式中、R1は、炭素数7〜13の直鎖アルキル基を表す。]で表される化合物、及び一般式(2):[式中、R2は、炭素数7〜13の直鎖アルキル基を表す。]で表される化合物を含む、一般式(1)に記載のR1と一般式(2)に記載のR2が、同一の炭素数8〜11の直鎖アルキル基である、混合物の製造方法であって、(I)1−テトラデカノール及び1−ヘプタノール二量化反応させて二量化アルコール粗物を得る工程、(II)(a)得られた二量化アルコール粗物を蒸留して、2−ペンチヘキサデカノール及び2−ヘプチルテトラデカノールをそれぞれ分取し、両者を所定割合で混合して2−ペンチルヘキサデカノール及び2−ヘプチルテトラデカノールを含む混合物を得る工程、又は、(b)得られた二量化アルコール粗物を蒸留して、低沸点留分及び高沸点留分を除去して、2−ペンチルヘキサデカノール及び2−ヘプチルテトラデカノールを含む混合物を得る工程、並びに、(III)得られた混合物及び一般式(1a):[式中、R1は前記に同じ。]で表される化合物を反応させる工程、を含む製造方法。

技術分野

0001

本発明は、流体軸受用潤滑油基油に関する。

背景技術

0002

DDハードディスクドライブ)などに搭載されるモータでは、軸受として球軸受及びころ軸受が用いられていたが、モータの小型化、低振動化低騒音化などの要請から、近年、流体軸受が開発され、その流体軸受として、動圧流体軸受及び焼結含油軸受が実用化されている。

0003

動圧流体軸受は、軸外周面スリーブ内周面との隙間に介在する潤滑油油膜圧力によって、回転軸を支持し、軸外周面又はスリーブ内周面の少なくともいずれか一方に動圧溝を設け、その動圧効果によって形成された潤滑油膜によって回転軸の摺動面を浮上支持するものであり、また、焼結含油軸受は、焼結金属などから構成される多孔質体に、潤滑油又は潤滑グリース含浸させて自己潤滑機能を持たせたものである。

0004

AV機器又はOA機器高性能化、携帯ユースの普及などに伴い、流体軸受を備えたスピンドルモータが使用されている。近年、スピンドルモータへの高速化及び小型化の要求が強く、そのため、流体軸受にはさらなる低トルク化の要求がある。この低トルク化の要求に対応するため、比較的低粘度の潤滑油基油が選択されてきた。低粘度の潤滑油基油としては、ポリα−オレフィンなどの合成炭化水素系潤滑油基油;脂肪族二塩基酸ジエステルネオペンチル型ポリオールエステル脂肪酸モノエステルなどのエステル系潤滑油基油などが挙げられ、これらを用いた流体軸受用潤滑油基油が提案されている(特許文献1〜8)。

0005

それらの中でも、流体軸受用潤滑油基油として、粘度特性低温流動性等に優れているエステル系潤滑油基油が多く使用されている。

0006

しかしながら、エステル系潤滑油基油はその分子構造内にエステル基を含むため、水分により加水分解が起こり、スピンドルモータを長期に使用する場合、問題となることがあった。

0007

また、HDDにおいてはヘッドディスクが高度化してきたため、アウトガス等による汚染防止が強く求められている(特許文献9)。潤滑油基油の蒸発が生じにくい機械構造の開発や、発生したアウトガスがディスクやヘッド部へ入り込まないような装置上の工夫もされているが、使用する流体軸受用潤滑油基油にも耐蒸発性の向上が求められていた。

先行技術

0008

特表平11−514778号公報
特表平11−514779号公報
特開2000−500898号公報
特開2003−119482号公報
国際公開第2004/018595号
特開2004−084839号公報
特開2005−290256号公報
特開2008−007741号公報
特開2012−181888号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、加水分解安定性に優れ、低温流動性に優れ、粘度指数が高く、且つ、耐蒸発性が良好な流体軸受用潤滑油基油を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討の結果、特定の直鎖脂肪族モノカルボン酸(2−ペンチヘキサデシル)エステル及び特定の直鎖脂肪族モノカルボン酸(2−ヘプチルテトラデシル)エステルを含有する潤滑油基油が、加水分解安定性に優れ、低温流動性に優れ、粘度指数が高く、且つ、耐蒸発性が良好な流体軸受用潤滑油基油であることを見出し、本発明を完成するに至った。

0011

即ち、本発明は、以下の流体軸受用潤滑油基油を提供する。

0012

[1]一般式(1):



[式中、R1は、炭素数7〜13の直鎖アルキル基を表す。]
で表される化合物、及び、一般式(2):



[式中、R2は、炭素数7〜13の直鎖アルキル基を表す。]
で表される化合物を、含有する流体軸受用潤滑油基油。

0013

[2]一般式(1)に記載のR1が炭素数8〜11の直鎖アルキル基であり、一般式(2)に記載のR2が炭素数8〜11の直鎖アルキル基である、[1]に記載の流体軸受用潤滑油基油。

0014

[3]一般式(1)に記載のR1と一般式(2)に記載のR2が、同一の炭素数8〜11の直鎖アルキル基である、[1]又は[2]に記載の流体軸受用潤滑油基油。

0015

[4]一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物との重量比が、20:80〜70:30である、[1]〜[3]のいずれかに記載の流体軸受用潤滑油基油。

0016

[5]流体軸受用潤滑油基油中の一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物の合計の含有量が90重量%以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の流体軸受用潤滑油基油。

0017

[6]流体軸受用潤滑油基油が、動圧流体軸受用潤滑油基油又は焼結含油軸受用潤滑油基油である、[1]〜[5]のいずれかに記載の流体軸受用潤滑油基油。

0018

[7] [1]〜[6]のいずれかに記載の流体軸受用潤滑油基油を含有する、流体軸受用潤滑油組成物

0019

[8] さらに酸化防止剤を含有する、[7]に記載の流体軸受用潤滑油組成物。

0020

[9]酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤及び/又はアミン系酸化防止剤である、[8]に記載の流体軸受用潤滑油組成物。

0021

[10] [7]又は[8]に記載の流体軸受用潤滑油組成物を含む、流体軸受。

0022

[11] [10]に記載の流体軸受けを含む、スピンドルモータ。

0023

[12]一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物を含み、一般式(1)に記載のR1と一般式(2)に記載のR2が、同一の炭素数8〜11の直鎖アルキル基である、混合物体軸受用潤滑油基油)の製造方法であって、
(I)1−テトラデカノール及び1−ヘプタノール二量化反応させて二量化アルコール粗物を得る工程、
(II)(a)得られた二量化アルコール粗物を蒸留して、2−ペンチルヘキサデカノール及び2−ヘプチルテトラデカノールをそれぞれ分取し、両者を所定割合で混合して2−ペンチルヘキサデカノール及び2−ヘプチルテトラデカノールを含む混合物を得る工程、又は、(b)得られた二量化アルコール粗物を蒸留して、低沸点留分及び高沸点留分を除去して、2−ペンチルヘキサデカノール及び2−ヘプチルテトラデカノールを含む混合物を得る工程、並びに、
(III)得られた混合物及び一般式(1a):



[式中、R1は前記に同じ。]
で表される化合物を反応させる工程、
を含む製造方法。

0024

[13]
一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物を混合する工程を含む、流体軸受用潤滑油基油の製造方法。

発明の効果

0025

本発明の流体軸受用潤滑油基油は、加水分解安定性に優れ、低温流動性に優れ、粘度指数が高く、且つ、耐蒸発性が良好である。

図面の簡単な説明

0026

本発明の流体軸受けの断面図の一例を示す。
本発明のスピンドルモータの断面図の一例を示す。

0028

1.流体軸受用潤滑油基油
本発明の流体軸受用潤滑油基油は、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする。

0029

一般式(1):



[式中、R1は、炭素数7〜13の直鎖アルキル基を表す。]
で表される化合物は、例えば、一般式(1a):



[式中、R1は前記に同じ。]
で表される化合物と2−ペンチルヘキサデカノールとをエステル化反応して製造することができる。

0030

一般式(1a)で表される化合物において、R1は炭素数7〜13の直鎖アルキル基であり、特に炭素数8〜11の直鎖アルキル基が好ましい。R1の炭素数が7よりも小さいと、基油の粘度指数が非常に低くなり、蒸発量が大きくなる。また、R1の炭素数が13を超えると、基油の粘度が高くなり、低温流動性が悪くなるため好ましくない。一般式(1a)で表される化合物の具体例としては、n−オクタン酸、n−ノナン酸、n−デカン酸n−ウンデカン酸、n−ドデカン酸n−トリデカン酸、n−テトラデカン酸が挙げられる。これらの中でも、n−ノナン酸、n−デカン酸、n−ウンデカン酸、n−ドデカン酸が好ましい。

0031

一般式(1)で表される化合物の具体例としては、n−オクタン酸(2−ペンチルヘキサデシル)エステル、n−ノナン酸(2−ペンチルヘキサデシル)エステル、n−デカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)エステル、n−ウンデカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)エステル、n−ドデカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)エステル、n−トリデカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)エステル、n−テトラデカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)エステルが挙げられる。その中でも、n−ノナン酸(2−ペンチルヘキサデシル)エステル、n−デカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)エステル、n−ウンデカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)エステル、n−ドデカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)エステルが好ましい。

0032

一般式(2):



[式中、R2は、炭素数7〜13の直鎖アルキル基を表す。]
で表される化合物は、例えば、一般式(2a):



[式中、R2は前記に同じ。]
で表される化合物と2−ヘプチルテトラデカノールとをエステル化反応して製造することができる。

0033

一般式(2a)で表される化合物において、R2は炭素数7〜13の直鎖アルキル基であり、特に炭素数8〜11の直鎖アルキル基が好ましい。R2の炭素数が7よりも小さいと、基油の粘度指数が非常に低くなり、蒸発量が大きくなる。また、R2の炭素数が13を超えると、基油の粘度が高くなり、低温流動性が悪くなるため好ましくない。一般式(2a)で表される化合物の具体例としては、n−オクタン酸、n−ノナン酸、n−デカン酸、n−ウンデカン酸、n−ドデカン酸、n−トリデカン酸、n−テトラデカン酸が挙げられる。これらの中でも、n−ノナン酸、n−デカン酸、n−ウンデカン酸、n−ドデカン酸が好ましい。

0034

一般式(2)で表される化合物の具体例としては、n−オクタン酸(2−ヘプチルテトラデシル)エステル、n−ノナン酸(2−ヘプチルテトラデシル)エステル、n−デカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)エステル、n−ウンデカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)エステル、n−ドデカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)エステル、n−トリデカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)エステル、n−テトラデカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)エステルが挙げられる。これらの中でも、n−ノナン酸(2−ヘプチルテトラデシル)エステル、n−デカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)エステル、n−ウンデカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)エステル、n−ドデカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)エステルが好ましい。

0035

一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物との重量比は、20:80〜70:30が好ましく、40:60〜60:40がより好ましく、45:55〜55:45が特に好ましい。

0036

流体軸受用潤滑油基油中における、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物との合計含有量は、90重量%以上が好ましく、95重量%以上がより好ましく、98重量%以上が特に好ましい。

0037

流体軸受用潤滑油基油の40℃での動粘度は、8mm2/s以上20mm2/s未満が好ましく、10mm2/s以上18mm2/s未満がより好ましく、11mm2/s以上16mm2/s未満が特に好ましい。40℃での動粘度が8mm2/s以上であると潤滑性能が良好であり、20mm2/s未満であるとエネルギー損失が小さい。なお、上記動粘度は、後記実施例に記載した方法にて得られる値である。

0038

流体軸受用潤滑油基油の粘度指数は、145を越える粘度指数が好ましく、155を越える粘度指数が特に好ましい。粘度指数が高いものほど粘度−温度特性に優れる。なお、上記粘度指数は、後記実施例に記載した方法にて得られる値である。

0039

流体軸受用潤滑油基油の低温特性は、例えば、低温流動性試験による流動点によって評価することができる。潤滑油基油の流動点は、−7.5℃以下が好ましく、−12.5℃以下が特に好ましい。流動点が低いものほど低温流動性に優れる。本発明の流体軸受用潤滑油基油は、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物との混合物であるため、低温流動性に優れている。
なお、上記流動点は、後記実施例に記載した低温流動性試験にて得られる値である。

0040

流体軸受用潤滑油基油の耐蒸発性は、例えば、TG−DTA装置を用いた5%重量減少した時の温度を指標として評価することができる。流体軸受用潤滑油基油の5%重量減の温度は、270℃以上が好ましく、275℃以上が特に好ましい。5%重量減の温度が高いものほど耐蒸発性に優れる。なお、上記5%重量減の温度は、後記実施例に記載した耐蒸発性試験にて得られる値である。

0041

流体軸受用潤滑油基油の加水分解安定性(耐加水分解性)は、例えば、加水分解試験後の酸価の上昇量によって評価することができる。潤滑油基油の加水分解試験後の酸価の上昇量は、0.5KOHmg/g以下が好ましく、特に0.25KOHmg/g以下が好ましい。加水分解試験後の酸価の上昇量が小さいほど加水分解安定性に優れていると評価される。なお、上記加水分解試験後の酸価の上昇量は、後記実施例に記載した加水分解安定性試験にて得られる値である。

0042

流体軸受用潤滑油基油は、上記のようにして製造した一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物を混合することにより調製することができる。

0043

或いは、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物を含む、一般式(1)に記載のR1と一般式(2)に記載のR2が、同一の炭素数8〜11の直鎖アルキル基である、混合物(流体軸受用潤滑油基油)は、
(I)1−テトラデカノール及び1−ヘプタノールを二量化反応させて二量化アルコール粗物を得る工程、
(II)(a)得られた二量化アルコール粗物を蒸留して、2−ペンチルヘキサデカノール及び2−ヘプチルテトラデカノールをそれぞれ分取し、両者を所定割合で混合して2−ペンチルヘキサデカノール及び2−ヘプチルテトラデカノールを含む混合物を得る工程、又は、(b)得られた二量化アルコール粗物を蒸留して、低沸点留分及び高沸点留分を除去して、2−ペンチルヘキサデカノール及び2−ヘプチルテトラデカノールを含む混合物を得る工程、並びに、
(III)得られた混合物及び一般式(1a)で表される化合物を反応させる工程、
を含む製造方法により得ることができる。

0044

工程(I)では、1−テトラデカノール及び1−ヘプタノールを、触媒及び塩基の存在下、二量化反応(ガーベット反応)に付すことにより二量化アルコール粗物を得る。本反応は、公知方法(例えば、特開昭49−35308号公報等)を用いて実施することができる。

0045

本反応は、溶媒の存在下又は非存在下に実施することができる。溶媒を用いる場合、溶媒として、例えば、トルエンキシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。溶媒の使用量は、1−テトラデカノール及び1−ヘプタノールの合計量100重量部に対して、通常、5〜30重量部である。

0046

触媒としては、遷移金属を含む触媒が挙げられ、例えば、銅クロム触媒、銅亜鉛触媒等が挙げられる。触媒の使用量は、1−テトラデカノール及び1−ヘプタノールの合計量100重量部に対して、通常、0.01〜0.5重量部である。

0047

塩基としては、例えば、アルカリ金属水酸化物水酸化リチウム水酸化ナトリウム水酸化カリウム等)、アルカリ金属アルコキシドナトリウムメトキシドカリウムtert−ブトキシド等)等が挙げられる。当該塩基は、水溶液の形態で用いることができる。塩基の使用量は、1−テトラデカノール及び1−ヘプタノールの合計量100重量部に対して、通常、0.5〜5重量部である。

0048

反応に用いる1−テトラデカノール及び1−ヘプタノールのモル比は、通常、40:60〜60:40であり、好ましくは55:45〜45:55である。

0049

本反応は、通常、100〜300℃で、1〜10時間反応することができる。反応終了後は、公知の方法により後処理して、二量化アルコール粗物を得る。

0050

工程(II)では、上記工程(I)で得られた二量化アルコール粗物を、公知の方法を用いて蒸留(特に精留)して、2−ペンチルヘキサデカノール及び2−ヘプチルテトラデカノールをそれぞれ分取した後、基油の要求特性に応じて、両者を所定割合で混合して2−ペンチルヘキサデカノール及び2−ヘプチルテトラデカノールを含む混合物を得る。両者の混合割合は、重量比で、20:80〜70:30が好ましく、40:60〜60:40がより好ましく、45:55〜55:45が特に好ましい。

0051

工程(II)では、或いは、上記工程(I)で得られた二量化アルコール粗物を、公知の方法を用いて蒸留(特に精留)して、低沸点留分と高沸点留分を除去して、2−ペンチルヘキサデカノール及び2−ヘプチルテトラデカノールを含む混合物を得る。両者の混合割合は、重量比で、20:80〜70:30が好ましく、40:60〜60:40がより好ましく、45:55〜55:45が特に好ましい。

0052

工程(III)では、上記工程(II)で得られた混合物及び一般式(1a)で表される化合物を反応(エステル化反応)させて、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物を含む混合物(流体軸受用潤滑油基油)を得る。

0053

本反応は、通常、溶媒の存在下に実施することができる。溶媒として、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒等が挙げられる。

0054

触媒は、エステル化反応を促進する触媒であればよく、例えば、酸化スズチタンテトラアルコキシドパラトルエンスルホン酸等が挙げられる。

0055

一般式(1a)で表される化合物の使用量は、上記工程(II)で得られた混合物1モルに対し、通常、1〜1.1モル、好ましくは1〜1.05モルである。

0056

本反応は、通常、100〜300℃で、2〜10時間反応することができる。反応終了後は、公知の方法により後処理して、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物を含む混合物(流体軸受用潤滑油基油)を得る。

0057

流体軸受用潤滑油基油は、動圧流体軸受用又は焼結含油軸受用潤滑油基油として好適に用いられる。

0058

流体軸受用潤滑油基油は、上記一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物以外の基油(併用基油)を含んでいてもよい。当該基油としては、例えば、鉱物油石油の精製によって得られる炭化水素油);ポリ−α−オレフィン;ポリブテンアルキルベンゼンアルキルナフタレン脂環式炭化水素油;フィッシャートロプシュ法によって得られる合成炭化水素の異性化油などの合成炭化水素油動植物油;一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物以外の有機酸エステルポリアルキレングリコールポリビニルエーテルポリフェニルエーテルアルキルフェニルエーテルなどのエーテル系基油などが挙げられる。これらの併用基油の少なくとも1種を適宜併用することができる。

0059

鉱物油としては、例えば、溶剤精製鉱油水素化精製鉱油ワックス異性化油が挙げられるが、通常、100℃における動粘度が1〜25mm2/s、好ましくは2〜20mm2/sの範囲にあるものが用いられる。

0060

ポリ−α−オレフィンとしては、例えば、炭素数2〜16のα−オレフィン(例えばエチレンプロピレン、1−ブテン1−ヘキセン1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン1−テトラデセン、1−ヘキサデセン等)の重合体又は共重合体であって、100℃における動粘度が1〜25mm2/s、粘度指数が100以上のものが例示され、100℃における動粘度が1.5〜20mm2/s、粘度指数が120以上のものが好ましい。

0061

ポリブテンとしては、例えば、イソブチレン重合したもの、イソブチレンをノルマルブチレンと共重合したものがあり、一般に100℃の動粘度が2〜40mm2/sの広範囲のものが挙げられる。

0062

アルキルベンゼンとしては、例えば、炭素数1〜40の直鎖又は分岐アルキル基置換されたベンゼンが挙げられ、例えば、分子量が200〜450であるモノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼントリアルキルベンゼンテトラアルキルベンゼン等が例示される。

0063

アルキルナフタレンとしては、例えば、炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基で置換されたナフタレンが挙げられ、例えば、モノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン等が例示される。

0064

動植物油としては、例えば、牛脂豚脂パーム油ヤシ油ナタネ油ヒマシ油ヒマワリ油等が例示される。

0065

一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物以外の有機酸エステルとしては、脂肪酸モノエステル(一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物を除く)、脂肪族二塩基酸ジエステル、ポリオールエステル及びその他のエステルが例示される。

0066

脂肪酸モノエステル(一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物を除く)としては、例えば、炭素数5〜22の脂肪族直鎖状又は分岐鎖モノカルボン酸と炭素数3〜22の直鎖状又は分岐鎖状の飽和若しくは不飽和の脂肪族アルコールとのエステルが挙げられる。

0067

脂肪族二塩基酸ジエステルとしては、例えば、シュウ酸マロン酸コハク酸グルタル酸アジピン酸ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸セバシン酸、1,9−ノナメチレンジカルボン酸、1,10−デカメチレンジカルボン酸等脂肪族二塩基酸若しくはその無水物と炭素数3〜22の直鎖状又は分岐鎖状の飽和若しくは不飽和の脂肪族アルコールとのジエステルが挙げられる。

0068

ポリオールエステルとしては、例えば、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチルプロパンジオール、2−ブチル2−エチルプロパンジオールトリメチロールエタントリメチロールプロパンペンタエリスリトールジトリメチロールプロパンジペンタエリスリトール等のネオペンチル型構造のポリオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,6−ヘキサンジオール、1,6−ヘプタンジオール、2−メチル−1,7−ヘプタンジオール、3−メチル−1,7−ヘプタンジオール、4−メチル−1,7−ヘプタンジオール、1,7−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,8−オクタンジオール、4−メチル−1,8−オクタンジオール、1,8−ノナンジオール、2−メチル−1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,9−ノナンジオール、4−メチル−1,9−ノナンジオール、5−メチル−1,9−ノナンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリンポリグリセリンソルビトール等の非ネオペンチル型構造のポリオールと、炭素数3〜22の直鎖状及び/又は分岐鎖状の飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸とのフルエステルを使用することが可能である。

0069

その他のエステルとしては、例えば、ダイマー酸水添ダイマー酸などの重合脂肪酸、或いは、縮合ヒマシ油脂肪酸水添縮合ヒマシ油脂肪酸などのヒドロキシ脂肪酸と炭素数3〜22の直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和又は不飽和の脂肪族アルコールとのエステルが挙げられる。

0070

ポリアルキレングリコールとしては、例えば、アルコールと炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレンオキシド開環重合体が例示される。アルキレンオキシドとしてはエチレンオキシドプロピレンオキシドブチレンオキシドが挙げられ、これらの1種を用いた重合体、若しくは2種以上の混合物を用いた共重合体が使用可能である。又、片端又は両端の水酸基部分がエーテル化若しくはエステル化した化合物も使用可能である。重合体の動粘度としては、5〜1,000mm2/s(40℃)、好ましくは5〜500mm2/s(40℃)である。

0071

ポリビニルエーテルとしては、例えば、ビニルエーテルモノマーの重合によって得られる化合物であり、モノマーとしてはメチルビニルエーテルエチルビニルエーテルイソプロピルビニルエーテルn−ブチルビニルエーテルイソブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、2−メトキシエチルビニルエーテル、2−エトキシエチルビニルエーテル等が挙げられる。重合体の動粘度としては、5〜1,000mm2/s(40℃)、好ましくは5〜500mm2/s(40℃)である。

0072

ポリフェニルエーテルとしては、例えば、2個以上の芳香環メタ位エーテル結合又はチオエーテル結合でつないだ構造を有する化合物が挙げられ、具体的には、ビス(m−フェノキシフェニル)エーテル、m−ビス(m−フェノキシフェノキシ)ベンゼン、及びそれらの酸素の1個若しくは2個以上を硫黄に置換したチオエーテル類)等が例示される。

0073

アルキルフェニルエーテルとしては、例えば、ポリフェニルエーテルを炭素数6〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基で置換した化合物が挙げられ、特に1個以上のアルキル基で置換したアルキルジフェニルエーテルが好ましい。

0074

流体軸受用潤滑油基油は、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物を含み、必要に応じ併用基油を含んでいてもよい。一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物を必須として含むことが好ましく、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物のみからなることがより好ましい。

0075

流体軸受用潤滑油基油中における併用基油の含有量としては、通常10重量%以下が推奨されるが、物性のバランスを良くする為には5重量%以下であることがより好ましい。

0076

2.流体軸受用潤滑油組成物
本発明の流体軸受用潤滑油組成物は、上記流体軸受用潤滑油基油を含むものである。当該組成物は、上記流体軸受用潤滑油基油の性能を向上させるために、上記流体軸受用潤滑油基油に加えて、添加剤(例えば、酸化防止剤等)を配合することができる

0077

酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられる。その中でも、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤が推奨される。

0078

フェノール系酸化防止剤としては、この分野で使用されている公知のものが特に制限されることなく使用できる。これらフェノール系酸化防止剤のうちでも、好ましくは総炭素数6〜100、より好ましくは20〜80のものが好ましい。

0079

具体的には、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビスフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネートメタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニルブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチル−ジフェニルメタン、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、1,4−ジヒドロキシアントラキノン、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,4−ジベンゾイルレゾルシノール、4−tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4,5−トリヒドロキシベンゾフェノン、α−トコフェロール、ビス[2−(2−ヒドロキシ−5−メチル−3−tert−ブチルベンジル)−4−メチル−6−tert−ブチルフェニル]テレフタレートトリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が例示される。この中でも、特に、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビスフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ビス[2−(2−ヒドロキシ−5−メチル−3−tert−ブチルベンジル)−4−メチル−6−tert−ブチルフェニル]テレフタレート、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ましく、更には、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノールが最も好ましい。

0080

フェノール系酸化防止剤は1種単独で若しくは2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、その添加量は、流体軸受用潤滑油基油100重量部に対して、通常、0.01〜5重量部であり、好ましくは0.1〜2重量部である。

0081

アミン系酸化防止剤としては、この分野で使用されている公知のものが特に制限されることなく使用できる。これらアミン系酸化防止剤のうちでも、好ましくは総炭素数6〜60、より好ましくは20〜40のものが推奨される。

0082

具体的には、ジフェニルアミンモノブチルジフェニルアミン、モノペンチルジフェニルアミン、モノヘキシル(直鎖及び分岐鎖を含む)ジフェニルアミン、モノヘプチルジフェニルアミン、モノオクチルジフェニルアミン等のモノアルキルジフェニルアミン、特にモノ(C4−C9アルキル)ジフェニルアミン(即ち、ジフェニルアミンの二つのベンゼン環の一方が、アルキル基、特にC4−C9アルキル基でモノ置換されているもの、即ち、モノアルキル置換されたジフェニルアミン)、p,p’−ジブチルジフェニルアミン、p,p’−ジペンチルジフェニルアミン、p,p’−ジヘキシルジフェニルアミン、p,p’−ジヘプチルジフェニルアミン、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、p,p’−ジノニルジフェニルアミン等のジ(アルキルフェニルアミン、特にp,p’−ジ(C4−C9アルキルフェニル)アミン(即ち、ジフェニルアミンの二つのベンゼン環の各々が、アルキル基、特にC4−C9アルキル基でモノ置換されているジアルキル置換のジフェニルアミンであって、二つのアルキル基が同一であるもの)、ジ(モノC4−C9アルキルフェニル)アミンであって、一方のベンゼン環上のアルキル基が他方のベンゼン環上のアルキル基と異なるもの、ジ(ジ−C4−C9アルキルフェニル)アミンであって、二つのベンゼン環上の4つのアルキル基のうちの少なくとも1つが残りのアルキル基と異なるもの等のジフェニルアミン化合物;N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、4−オクチルフェニル−1−ナフチルアミン、4−オクチルフェニル−2−ナフチルアミン等のナフチルアミン化合物p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン化合物等が例示される。この中でも、特に、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、p,p’−ジノニルジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミンが好ましい。

0083

なお、本明細書及び特許請求の範囲において、アルキルとしては、例えば、炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキルが挙げられ、好ましくは炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキルが挙げられる。同一分子内に複数のアルキルを有する場合、当該複数のアルキルは同一又は異なっていてもよい。また、同一分子内に複数の同じ炭素数のアルキルを有する場合、当該複数のアルキルは、直鎖又は分岐鎖のいずれであってもよい。

0084

アミン系酸化防止剤は1種で若しくは2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、その添加量は、流体軸受用潤滑油基油100重量部に対して、通常、0.01〜5重量部であり、好ましくは0.1〜2重量部である。

0085

フェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤は、それぞれの1種で若しくは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。両者の比率は、特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、フェノール系酸化防止剤(I)とアミン系酸化防止剤(II)との重量比が、(I):(II)=1:0.05〜20、特に1:0.2〜5となるように併用するのが好ましい。

0086

好ましい組み合わせとしては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)及び2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノールからなる群から選ばれる1種若しくは2種以上と、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、p,p’−ジノニルジフェニルアミン及びN−フェニル−1−ナフチルアミンからなる群から選ばれる1種若しくは2種以上の組み合わせが例示される。

0087

具体的には、以下の組み合わせが好ましい。2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとp,p’−ジオクチルジフェニルアミンとの組み合わせ、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとp,p’−ジノニルジフェニルアミンとの組み合わせ、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとN−フェニル−1−ナフチルアミンとの組み合わせ、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)とp,p’−ジオクチルジフェニルアミンとの組み合わせ、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)とp,p’−ジノニルジフェニルアミンとの組み合わせ、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)とN−フェニル−1−ナフチルアミンとの組み合わせ、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノールとp,p’−ジオクチルジフェニルアミンとの組み合わせ、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノールとp,p’−ジノニルジフェニルアミンとの組み合わせ、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノールとN−フェニル−1−ナフチルアミンとの組み合わせ等が例示される。この中でも耐熱性に優れる点で、より効果的な組み合わせとして、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)とp,p’−ジオクチルジフェニルアミンとの組み合わせ、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)とp,p’−ジノニルジフェニルアミンとの組み合わせ、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)とN−フェニル−1−ナフチルアミンとの組み合わせ等が推奨される。

0088

フェノール系酸化防止剤とアミン系酸化防止剤とを組み合わせた場合、それらの添加量の合計は、流体軸受用潤滑油基油100重量部に対して、通常、0.01〜5重量部であり、好ましくは0.1〜2重量部である。

0089

上記記載の酸化防止剤を流体軸受用潤滑油基油に配合することにより、空気存在下での当該潤滑油基油の分解等が抑えられることにより、流体軸受用潤滑油組成物の耐熱性が向上する。

0090

上記の流体軸受用潤滑油組成物の性能をさらに向上させるために、金属清浄剤無灰分散剤油性剤摩耗防止剤極圧剤金属不活性剤防錆剤粘度指数向上剤流動点降下剤加水分解抑制剤等の添加剤の少なくとも1種を適宜配合することも可能である。これらの配合量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されるものではないが、その具体的な例を以下に示す。

0091

金属清浄剤としては、Ca−石油スルフォネート過塩基性Ca−石油スルフォネート、Ca−アルキルベンゼンスルフォネート、過塩基性Ca−アルキルベンゼンスルフォネート、Ba−アルキルベンゼンスルフォネート、過塩基性Ba−アルキルベンゼンスルフォネート、Mg−アルキルベンゼンスルフォネート、過塩基性Mg−アルキルベンゼンスルフォネート、Na−アルキルベンゼンスルフォネート、過塩基性Na−アルキルベンゼンスルフォネート、Ca−アルキルナフタレンスルフォネート、過塩基性Ca−アルキルナフタレンスルフォネート等の金属スルフォネート、Ca−フェネート、過塩基性Ca−フェネート、Ba−フェネート、過塩基性Ba−フェネート等の金属フェネート、Ca−サリシレート、過塩基性Ca−サリシレート等の金属サリシレート、Ca−フォスフォネート、過塩基性Ca−フォスフォネート、Ba−フォスフォネート、過塩基性Ba−フォスフォネート等の金属フォスフォネート、過塩基性Ca−カルボキシレート等が使用可能である。これらの金属清浄剤は、使用する場合、流体軸受用潤滑油基油100重量部に対して、通常、1〜10重量部、好ましくは2〜7重量部添加することができる。

0092

無灰分散剤としては、ポリアルケニルコハク酸イミドポリアルケニルコハク酸アミドポリアルケニベンジルアミン、ポリアルケニルコハク酸エステル等が例示される。これらの無灰分散剤は、単独で又は組み合わせて用いてもよく、これを使用する場合、流体軸受用潤滑油基油100重量部に対して、通常、1〜10重量部、好ましくは2〜7重量部添加することができる。

0093

油性剤としては、ステアリン酸オレイン酸などの脂肪族飽和及び不飽和モノカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの重合脂肪酸、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などのヒドロキシ脂肪酸、ラウリルアルコールオレイルアルコールなどの脂肪族飽和及び不飽和モノアルコールステアリルアミンオレイルアミンなどの脂肪族飽和及び不飽和モノアミンラウリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの脂肪族飽和及び不飽和モノカルボン酸アミド、バチルアルコールキミルアルコールセラキルアルコールなどのグリセリンエーテルラウリルポリグリセリンエーテルオレイルポリグリセリルエーテルなどのアルキル若しくはアルケニルポリグリセリルエーテル、ジ(2−エチルヘキシルモノエタノールアミンジイソトリデシルモノエタノールアミンなどのアルキル若しくはアルケニルアミンのポリ(アルキレンオキサイド付加物等が例示される。これらの油性剤は、単独で又は組み合わせて用いてもよく、これを使用する場合、流体軸受用潤滑油基油100重量部に対して、通常、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部添加することができる。

0094

摩耗防止剤・極圧剤としては、トリクレジルホスフェートクレジルジフェニルホスフェート、アルキルフェニルホスフェート類、トリブチルホスフェートジブチルホスフェート等のリン酸エステル類トリブチルホスファイト、ジブチルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト等の亜リン酸エステル類及びこれらのアミン塩等のリン系、硫化油脂硫化オレイン酸などの硫化脂肪酸ジベンジルジスルフィド硫化オレフィンジアルキルジスルフィドなどの硫黄系、Zn−ジアルキルジチオフォスフェート、Zn−ジアルキルジチオフォスフェート、Mo−ジアルキルジチオフォスフェート、Mo−ジアルキルジチオカルバメートなどの有機金属系化合物等が例示される。これらの摩耗防止剤は、単独で又は組み合わせて用いてもよく、これを使用する場合、流体軸受用潤滑油基油100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部添加することができる。

0095

金属不活性剤としては、ベンゾトリアゾール系、チアジアゾール系、没食子酸エステル系の化合物等が例示される。これらの金属不活性剤は、単独で又は組み合わせて用いてもよく、これを使用する場合、流体軸受用潤滑油基油100重量部に対して、通常、0.01〜0.4重量部、好ましくは0.01〜0.2重量部添加することができる。

0096

防錆剤としては、ドデセニルコハク酸ハーフエステルオクタデセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸アミドなどのアルキル又はアルケニルコハク酸誘導体ソルビタンモノオレエートグリセリンモノオレエート、ペンタエリスリトールモノオレエートなどの多価アルコール部分エステル、Ca−石油スルフォネート、Ca−アルキルベンゼンスルフォネート、Ba−アルキルベンゼンスルフォネート、Mg−アルキルベンゼンスルフォネート、Na−アルキルベンゼンスルフォネート、Zn−アルキルベンゼンスルフォネート、Ca−アルキルナフタレンスルフォネートなどの金属スルフォネート、ロジンアミン、N−オレイルザルコシンなどのアミン類ジアルキルホスファイトアミン塩等が例示される。これらの防錆剤は、単独で又は組み合わせて用いてもよく、これを使用する場合、流体軸受用潤滑油基油100重量部に対して、通常、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜2重量部添加することができる。

0097

粘度指数向上剤としては、ポリアルキルメタクリレートポリアルキルスチレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体などのオレフィン共重合体が例示される。これらの粘度指数向上剤は、単独で又は組み合わせて用いてもよく、これを使用する場合、流体軸受用潤滑油基油100重量部に対して、通常、0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜7重量部添加することができる。

0098

流動点降下剤としては、塩素化パラフィンとアルキルナフタレンの縮合物、塩素化パラフィンとフェノールの縮合物、既述の粘度指数向上剤であるポリアルキルメタクリレート、ポリアルキルスチレン、ポリブテン等が例示される。これらの流動点降下剤は、単独で又は組み合わせて用いてもよく、これを使用する場合、流体軸受用潤滑油基油100重量部に対して、通常、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部添加することができる。

0099

加水分解抑制剤としては、アルキルグリシジルエーテル類、アルキルグリシジルエステル類、アルキレングリコールグリシジルエーテル類脂環式エポキシ類フェニルグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物、ジ−tert−ブチルカルボジイミド、1,3−ジ−p−トリルカルボジイミドなどのカルボジイミド化合物が使用可能であり、流体軸受用潤滑油基油100重量部に対して、通常、0.05〜2重量部添加することができる。

0100

3.流体軸受
本発明は、上記の流体軸受用潤滑油組成物を用いた流体軸受をも提供する。本発明の流体軸受の具体的な例としては、図1に示すものが挙げられる。図1は、本発明の流体軸受の概略構成を模式的に示した断面図の一例である。

0101

本発明の流体軸受は、ボールベアリング等の機構を有さず、軸とスリーブとからなり、それらの間に収容された潤滑油組成物によって互いに直接接触することがないように間隔が保持される流体軸受である。このような軸受けであれば、機械的に特に限定されるものではない。図1の流体軸受は、軸(1)に、ラジアル動圧発生溝(3)及び(4)とスラストプレート(7)の上下に、スラスト動圧発生溝(5)及び(6)が設けた流体軸受の例である。これらの動圧溝(3)、(4)、(5)及び(6)は、本例ではヘリングボーン形状に形成されているが、必ずしもこの形状に限定されず、スパイラル形状円弧形状、直線形状などに形成されてもよい。

0102

また、ラジアル動圧発生溝(3)及び(4)は軸(1)の外周面の代わりにスリーブ(2)の内周面に形成されても良く、ストラス動圧発生溝(5)及び(6)は、それぞれスリーブ(2)の下端面とカウンタープレート(8)の上面の代わりにスラストプレート(7)の上面と下面に形成してもよい。これらの動圧溝(3)、(4)、(5)及び(6)と、それぞれが臨む各対向面との間の微小隙間には、本発明の潤滑油組成物(9)が封入されている。

0103

以上の構成を有する流体軸受において、例えば軸(1)が回転駆動されると、動圧溝(3)及び(4)によって微小隙間内の潤滑油組成物にラジアル方向の動圧が発生するとともに、軸受面によって微小隙間内の潤滑油組成物にアキシャル方向の動圧(スラスト力)が発生するため、これらの動圧によってスラストプレート(7)付き軸(1)がスリーブ(2)及びカウンタープレート(8)に対して非接触状態高速回転する。

0104

本発明の流体軸受は、基油自体の安定性、粘度特性、低温特性、且つ耐揮発性が良好な流体軸受用潤滑油基油を用いた軸受用潤滑油組成物を潤滑油(9)として用いているので、潤滑油組成物の保持量を増やさずに従来の潤滑油組成物を用いた流体軸受よりも長い軸受寿命が得られる。従って、小型で高精度及び高速回転が求められるスピンドルモータ等に適用される流体軸受として好適である。

0105

4.スピンドルモータ
本発明は、上記の流体軸受を用いる本発明のスピンドルモータをも提供する。本発明のスピンドルモータの具体的な例としては、図2に示すものが挙げられる。図2は、本発明のスピンドルモータの概略構成を模式的に示した断面図の一例である。

0106

本発明のスピンドルモータは、ベース(11)に形成された壁にステータコイル(12)が設けられ、ハブ(10)の内周面にステータコイル(12)と対向してロータマグネット(13)が取り付けられて、モータ駆動部が構成されている。このモータ駆動部により回転部が回転駆動すると、ラジアル方向、スラスト方向ともに、潤滑油組成物(9)に動圧が発生し、回転部と固定部とが非接触で回転が支持される。

0107

以下に実施例を掲げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、各例における潤滑油基油及び潤滑油組成物の物理特性及び化学特性は以下の方法により評価した。特に言及していない化合物は試薬を使用した。

0108

<化合物>
原料
・1−テトラデカノール:「コノール 1495」(新日本理化株式会社製)
・1−ヘプタノール(東京化成工業株式会社製)
・n−オクタン酸:「カプリル酸」(新日本理化株式会社製)
・n−ノナン酸:「ノナン酸」(東京化成工業株式会社製)
・n−デカン酸:「カプリン酸」(新日本理化株式会社製)
・n−ウンデカン酸:「ウンデカン酸」(東京化成工業株式会社製)
・n−ドデカン酸:「ラウリン酸P」(新日本理化株式会社製)
・n−テトラドデカン酸:「ミリスチン酸」(新日本理化株式会社製)
酸化防止剤
・アミン系酸化防止剤
p,p’−ジオクチル(直鎖及び分岐鎖を含む)ジフェニルアミン:「ビス(4−オクチルフェニル)アミン」(Ark Pharm社製)以下「DODPA」と略す。
・フェノール系酸化防止剤
4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)(東京化成工業株式会社製)以下「MBDBP」と略す。

0109

(a)酸価
JIS−K−2501(2003)に準拠して測定した。なお検出限界は0.01KOHmg/gである。

0110

(b)動粘度
JIS−K−2283(2000)に準拠して、40℃、100℃における動粘度を測定した。
<40℃での動粘度の評価>
A:11mm2/s以上16mm2/s未満
B:8mm2/s以上11mm2/s未満 又は 16mm2/s以上20mm2/s未満
C:6mm2/s以上8mm2/s未満 又は 20mm2/s以上25mm2/s未満
D:6mm2/s未満 又は 25mm2/s以上

0111

(c)粘度指数
JIS−K−2283(2000)に準拠して算出した。
<粘度指数の評価>
A:155以上
B:145以上155未満
C:120以上145未満
D:120未満

0112

(d)低温流動性試験(流動点)
JIS−K−2269(1987)に準拠して流動点を測定した。
<低温流動性の評価>
A:−12.5℃以下
B:−12.5℃を越え−7.5℃以下
C:−7.5℃を越え0℃以下
D:0℃を越える

0113

(e)耐蒸発性
流体軸受用潤滑油基油又は流体軸受用潤滑油組成物約10mgを精し(小数点以下第3位まで)、TG−DTA装置(エスアイアイナノテクノロジー社製 装置名;EXSTAR 6000シリーズ、TG/DTA6200)にセットし、下記の測定条件下で、初期の重量から5%の重量が減少した時の温度(5%重量減の温度)を耐蒸発性の指標とした。
[測定条件]
昇温速度:10℃/分
流通窒素量:200ml/分
測定開始温度:50℃
<耐蒸発性の評価(5%重量減の温度)>
A:275℃以上
B:270℃以上275℃未満
C:265℃以上270℃未満
D:265℃未満

0114

(f)加水分解安定性試験
加水分解試験として、流体軸受用潤滑油基油又は流体軸受用潤滑油組成物2g及びイオン交換水0.2gを試験管に秤量し、凍結脱気しながら試験管を封管した。封管した試験管を160℃のファインオーブン内で24時間静置した後、試験管から試験液を取り出した。試験液を静置し、分層により油層を取り出し、油層の酸価を測定した。加水分解安定性の指標として、加水分解試験前後の酸価の上昇量を算出した。
<加水分解安定性の評価(酸価の上昇量)>
A:0.25KOHmg/g以下
B:0.25KOHmg/gを越え0.50KOHmg/g以下
C:0.50KOHmg/gを越え0.80KOHmg/g以下
D:0.80を越える

0115

(g)流体軸受用潤滑油基油の評価
流体軸受用潤滑油基油及び流体軸受用潤滑油組成物の評価としては、40℃での動粘度の評価、粘度指数の評価、低温流動性の評価、耐蒸発性の評価及び加水分解安定性の評価の結果において、C又はDが1以上あれば不適と、Bが2以下(他の評価はA)であれば良好と、Bが1以下(他の評価はA)であれば特に良好と評価される。

0116

[製造例1]
特開昭49−35308号公報を参考に、1−テトラデカノール及び1−ヘプタノールを用いてアルコールの二量化反応を行った。具体的には、1−テトラデカノール 9.34モルと1−ヘプタノール 9.34モル及び50%水酸化カリウム水溶液10.3g、銅クロム触媒0.3g、活性炭1.5gを仕込み、250℃で二量化反応を行った。反応後、濾過により、銅クロム触媒、活性炭及びカルボン酸カリウム塩を除去して、2−ペンチルノナノール、2−ペンチルヘキサデカノール、2−ヘプチルテトラデカノール及び2−ドデシルヘキサデカノールの4種の二量化アルコール粗物を得た。

0117

得られた二量化アルコール粗物を精留し、前留分として2−ペンチルノナノールを分取し、主留分として2−ヘプチルテトラデカノールと、次いで留出する2−ペンチルヘキサデカノールとを分取した。分取した2−ペンチルヘキサデカノール及び2−ヘプチルテトラデカノールを目的の比率となるよう混合して以下のエステル原料として使用した。

0118

[製造例2]
撹拌器温度計冷却管付き水分分留受器を備えた500ミリリットル四ツ口フラスコに製造例1で得た2−ヘプチルテトラデカノール及び2−ペンチルヘキサデカノールの混合物(50:50)0.416モル、n−ノナン酸0.428モル、キシレン(原料の総量に対し10重量%)及び触媒として酸化スズ触媒(原料の総量に対し0.05重量%)を仕込み、窒素置換した後、徐々に220℃まで昇温した。理論生成水量(7.48g)を目処にして留出してくる生成水を水分分留受器で除去しつつ、還流が起こるように減圧度を調整しながら、エステル化反応を行い、理論量の水が留出するまで反応を行った。
反応終了後、キシレン及び残存する原料のn−ノナン酸を蒸留により除去してエステル化粗物を得た。次いで、得られたエステル化粗物の酸価に対して2当量苛性ソーダ水溶液中和した後、水洗水中性になるまで繰り返し水洗した。更に、得られたエステル化粗物を活性炭で吸着処理した後、濾過により活性炭を除去して、n−ノナン酸(2−ペンチルヘキサデシル)及びn−ノナン酸(2−ヘプチルテトラデシル)の混合物(50:50)を得た。
酸価は、0.01KOHmg/g未満であった。以下得られたn−ノナン酸(2−ペンチルヘキサデシル)をC5C16−C9、n−ノナン酸(2−ヘプチルテトラデシル)をC7C14−C9と略記する。

0119

[製造例3]
n−ノナン酸の代わりにn−デカン酸を使用した以外は製造例2と同様の方法により、酸価が0.01KOHmg/g未満のn−デカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)及びn−デカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)の混合物(50:50)を得た。以下得られたn−デカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)をC5C16/C10、n−デカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)をC7C14/C10と略記する。

0120

[製造例4]
n−ノナン酸の代わりにn−ウンデカン酸を使用した以外は製造例2と同様の方法により、酸価が0.01KOHmg/g未満のn−ウンデカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)及びn−ウンデカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)の混合物(50:50)を得た。以下得られたn−ウンデカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)をC5C16−C11、n−ウンデカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)をC7C14−C11と略記する。

0121

[製造例5]
n−ノナン酸の代わりにn−デカン酸を使用し、2−ペンチルヘキサデカノール及び2−ヘプチルテトラデカノールの混合物(40:60)を使用した以外は製造例2と同様の方法により、酸価が0.01KOHmg/g未満のn−デカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)及びn−デカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)の混合物(40:60)を得た。以下得られたn−デカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)をC5C16−C10、n−デカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)をC7C14−C10と略記する。

0122

[製造例6]
n−ノナン酸の代わりにn−ウンデカン酸を使用し、2−ペンチルヘキサデカノール及び2−ヘプチルテトラデカノールの混合物(60:40)を使用した以外は製造例2と同様の方法により、酸価が0.01KOHmg/g未満のn−ウンデカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)及びn−ウンデカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)の混合物(60:40)を得た。以下得られたn−ウンデカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)をC5C16−C11、n−ウンデカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)をC7C14−C11と略記する。

0123

[製造例7]
n−ノナン酸の代わりにn−ウンデカン酸を使用した以外は製造例2と同様の方法により、酸価が0.01KOHmg/g未満のn−ウンデカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)及びn−ウンデカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)の混合物(50:50)を得た。

0124

[製造例8]
n−ノナン酸の代わりにn−ウンデカン酸を使用し、2−ペンチルヘキサデカノール及び2−ヘプチルテトラデカノールの混合物(45:55)を使用した以外は製造例2と同様の方法により、酸価が0.01KOHmg/g未満のn−ウンデカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)及びn−ウンデカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)の混合物(45:55)を得た。

0125

[製造例9]
n−ノナン酸の代わりにn−ウンデカン酸を使用し、2−ペンチルヘキサデカノール及び2−ヘプチルテトラデカノールの混合物(40:60)を使用した以外は製造例2と同様の方法により、酸価が0.01KOHmg/g未満のn−ウンデカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)及びn−ウンデカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)の混合物(40:60)を得た。

0126

[製造例10]
n−ノナン酸の代わりにn−ドデカン酸を使用した以外は製造例2と同様の方法により、酸価が0.01KOHmg/g未満のn−ドデカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)及びn−ドデカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)の混合物(50:50)を得た。以下得られたn−ドデカン酸(2−ペンチルヘキサデシル)をC5C16−C12、n−ドデカン酸(2−ヘプチルテトラデシル)をC7C14−C12と略記する。

0127

[実施例1〜9]
上記製造例2〜10で得られたエステル化合物の混合物を流体軸受用潤滑油基油として評価した。それら基油の動粘度及び粘度指数の測定、低温流動性試験(流動点)、耐蒸発性試験及び加水分解安定性試験を行い、それらの結果を表1に示した。

0128

0129

[比較例1〜6]
比較例として、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)(DOS)、n−デカン酸(2−オクチデシル)(エステルA)、n−デカン酸(2−デシルテトラデシル)(エステルB)、n−デカン酸とトリメチロールプロパンとのエステル(エステルC)、n−ドデカン酸とネオペンチルグリコールとのエステル(エステルD)をそれぞれ本発明外の流体軸受用潤滑油基油として評価した。それらの基油の動粘度及び粘度指数の測定、低温流動性試験(流動点)、耐蒸発性試験及び加水分解安定性試験を行い、それらの結果を表2に示した。

0130

0131

[実施例10〜12]
実施例6の流体軸受用潤滑油基油100重量部に対して、酸化防止剤を1重量部添加して本発明の流体軸受用潤滑油組成物を調製した。調製したそれぞれの潤滑油組成物の動粘度及び粘度指数の測定、低温流動性試験(流動点)、耐蒸発性試験及び加水分解安定性試験を行い、それらの結果を表3に示した。

0132

実施例

0133

表1から、本発明の流体軸受用潤滑油基油は、耐加水分解性に優れ、粘度指数が高く、且つ、低温流動性及び耐蒸発性が良好な優れた潤滑油基油であることがわかる。また、表3から、本発明の流体軸受用潤滑油組成物も、耐加水分解性に優れ、粘度指数が高く、且つ、低温流動性及び耐蒸発性が良好な優れた潤滑油組成物であることがわかる。

0134

本発明の流体軸受用潤滑油基油は、耐加水分解性に優れ、低温流動性に優れ、粘度指数が高く、且つ、耐蒸発性が良好なことから、流体軸受用潤滑油基油として使用することにより、流体軸受を備えたスピンドルモータを長期間安定して使用することができる。

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