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技術 耐候性難燃樹脂組成物並びに光ファイバケーブル及び電線

出願人 住友電気工業株式会社
発明者 藤田太郎西川信也梁川奈侑長尾美昭高見正和土屋健太
出願日 2018年9月21日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2019-545046
公開日 2020年9月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 WO2019-065479
状態 未査定
技術分野 高分子組成物 光ファイバ、光ファイバ心線
主要キーワード 合否判定基準 ロール混合機 アラミド繊維強化プラスチック 絶縁外 樹脂被覆電線 対候性 無機系紫外線遮蔽剤 押出成型加工
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図面 (2)

課題・解決手段

ポリオレフィン樹脂と、前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、特定構造の(ポリリン酸塩化合物の混合物をその合計含有量で10〜50質量部と、数平均分子量が1万〜100万の非架橋シリコーン生ゴムを0.1〜10質量部と、無機系紫外線遮蔽剤を0.1〜20質量部とを含有する耐候性難燃樹脂組成物、及びその耐候性難燃樹脂組成物により外被を形成した電線光ファイバケーブル

概要

背景

配線用配管屋内配線用の共通部分が設けられていない集合住宅ビルにおいて、各戸配線する電線光ファイバケーブル等は、複数本束ねて屋外の壁面等に沿わせて敷設される場合が多い。このような屋外に敷設される電線や光ファイバケーブルの外被絶縁被覆等)には、難燃性に加え、日光照射や屋外の気候変動により劣化しにくい性質耐候性)が求められる。

耐候性を高めるために、紫外線を吸収するカーボンブラックを配合した黒色樹脂組成物が、外被を形成する材料として一般的に用いられており、特許文献1等で開示されている。しかし、黒色の樹脂組成物を外被材として用いたときは、複数の電線・光ファイバケーブルを束ねて用いる際に行われる識別を容易にするための着色が不可能になる、ビル、マンションの白色又は淡色の外壁に配線すると目立ち美観を損なう、等の問題がある。そこで、白色又は淡色で優れた耐候性と難燃性を兼ね備えた樹脂組成物が求められていた。

カーボンブラックを使用せずに耐候性を高める方法としては、HALS等の光安定剤紫外線吸収剤酸化チタン等の淡色の光遮蔽剤を用いる方法が知られている。しかし、外被に十分なノンハロゲン難燃性を付与するため、金属水酸化物水酸化アルミニウム水酸化マグネシウム等)を多量に配合すると、金属水酸化物に前記の光安定剤等が吸着されて優れた耐候性が得られない。

難燃剤として、赤リンリン酸エステル等のリン化合物を併用すれば金属水酸化物の配合量を減らすことができる。しかし、リン化合物から発生するリン酸はHALSを失活させるので、優れた耐候性が得られない。赤リンを用いた場合は、さらに、樹脂組成物が赤褐色に着色し自由な着色が困難になる問題もある。

前記の問題を解決し、白色又は淡色で優れた耐候性とノンハロゲン難燃性を兼ね備えた外被を与えることができる樹脂組成物として、ポリオレフィン樹脂に、2種類の特定構造の(ポリリン酸塩化合物の混合物であるイントメッセント難燃剤、光安定剤と有機系紫外線吸収剤の混合物、及び無機系紫外線遮蔽剤を所定の組成範囲で配合してなる耐候性難燃樹脂組成物が、特許文献2で提案されている。

概要

ポリオレフィン樹脂と、前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、特定構造の(ポリ)リン酸塩化合物の混合物をその合計含有量で10〜50質量部と、数平均分子量が1万〜100万の非架橋シリコーン生ゴムを0.1〜10質量部と、無機系紫外線遮蔽剤を0.1〜20質量部とを含有する耐候性難燃樹脂組成物、及びその耐候性難燃樹脂組成物により外被を形成した電線、光ファイバケーブル。

目的

すなわち、光安定剤及び有機系紫外線吸収剤を配合せず、従って、製造コスト的に有利で、ブルームの問題がないとともに、白色又は淡色で、かつ優れた耐候性及び優れたノンハロゲン難燃性を兼ね備えた、電線や光ファイバケーブルの外被を形成できる耐候性難燃樹脂組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ポリオレフィン樹脂と、前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、下記一般式(1)で表される第1の(ポリリン酸塩化合物及び下記一般式(3)で表される第2の(ポリ)リン酸塩化合物の混合物をその合計含有量で10質量部以上50質量部以下と、数平均分子量が1万〜100万の非架橋シリコーン生ゴムを0.1質量部以上10質量部以下と、無機系紫外線遮蔽剤を0.1質量部以上20質量部以下とを含有する耐候性難燃樹脂組成物。(式中、nは1〜100の数、X1はNH3又は下記一般式(2)で示されるトリアジン誘導体であり、pは関係式0<p≦n+2を満たす数である。)(式中、Z1及びZ2は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に−NR5R6で示される基、水酸基メルカプト基炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐アルキル基、炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐アルコキシル基フェニル基及びビニル基からなる群より選ばれる基である。ここに、R5及びR6は、それぞれ独立にH原子、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐アルキル基、又はメチロール基である。)(式中、rは1〜100の数、Y1は[R1R2N(CH2)mNR3R4]、ピペラジン又はピペラジン環を含むジアミンである。ここに、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、H原子、又は炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐アルキル基であり、mは1〜10の整数、qは関係式0<q≦r+2を満たす数である。)

請求項2

前記無機系紫外線遮蔽剤が、酸化チタンである請求項1に記載の耐候性難燃樹脂組成物。

請求項3

前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、前記一般式(1)で表される第1の(ポリ)リン酸塩化合物及び前記一般式(3)で表される第2の(ポリ)リン酸塩化合物の混合物の合計含有量が20質量部以上40質量部以下であり、数平均分子量が1万〜100万の非架橋のシリコーン生ゴムの含有量が1質量部以上8質量部以下であり、酸化チタンの含有量が1質量部以上20質量部以下である請求項2に記載の耐候性難燃樹脂組成物。

請求項4

光ファイバ及び前記光ファイバを被覆する外被を有する光ファイバケーブルであって、前記外被は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の耐候性難燃樹脂組成物を用いて形成されている光ファイバケーブル。

請求項5

導体及び前記導体を直接又は他の層を介して被覆する外被を有する電線であって、前記外被は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の耐候性難燃樹脂組成物を用いて形成されている電線。

技術分野

0001

本開示は、耐候性難燃樹脂組成物に関する。本開示は、又、前記耐候性難燃樹脂組成物により形成された外被を有する光ファイバケーブル及び電線に関する。本出願は、2017年9月28日出願の日本出願第2017‐187498号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。

背景技術

0002

配線用配管屋内配線用の共通部分が設けられていない集合住宅ビルにおいて、各戸配線する電線や光ファイバケーブル等は、複数本束ねて屋外の壁面等に沿わせて敷設される場合が多い。このような屋外に敷設される電線や光ファイバケーブルの外被(絶縁被覆等)には、難燃性に加え、日光照射や屋外の気候変動により劣化しにくい性質耐候性)が求められる。

0003

耐候性を高めるために、紫外線を吸収するカーボンブラックを配合した黒色樹脂組成物が、外被を形成する材料として一般的に用いられており、特許文献1等で開示されている。しかし、黒色の樹脂組成物を外被材として用いたときは、複数の電線・光ファイバケーブルを束ねて用いる際に行われる識別を容易にするための着色が不可能になる、ビル、マンションの白色又は淡色の外壁に配線すると目立ち美観を損なう、等の問題がある。そこで、白色又は淡色で優れた耐候性と難燃性を兼ね備えた樹脂組成物が求められていた。

0004

カーボンブラックを使用せずに耐候性を高める方法としては、HALS等の光安定剤紫外線吸収剤酸化チタン等の淡色の光遮蔽剤を用いる方法が知られている。しかし、外被に十分なノンハロゲン難燃性を付与するため、金属水酸化物水酸化アルミニウム水酸化マグネシウム等)を多量に配合すると、金属水酸化物に前記の光安定剤等が吸着されて優れた耐候性が得られない。

0005

難燃剤として、赤リンリン酸エステル等のリン化合物を併用すれば金属水酸化物の配合量を減らすことができる。しかし、リン化合物から発生するリン酸はHALSを失活させるので、優れた耐候性が得られない。赤リンを用いた場合は、さらに、樹脂組成物が赤褐色に着色し自由な着色が困難になる問題もある。

0006

前記の問題を解決し、白色又は淡色で優れた耐候性とノンハロゲン難燃性を兼ね備えた外被を与えることができる樹脂組成物として、ポリオレフィン樹脂に、2種類の特定構造の(ポリリン酸塩化合物の混合物であるイントメッセント難燃剤、光安定剤と有機系紫外線吸収剤の混合物、及び無機系紫外線遮蔽剤を所定の組成範囲で配合してなる耐候性難燃樹脂組成物が、特許文献2で提案されている。

先行技術

0007

特開2010−256467号公報
特開2015−113413号公報

0008

本開示の第1の態様は、
ポリオレフィン樹脂と、前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、下記一般式(1)で表される第1の(ポリ)リン酸塩化合物及び下記一般式(3)で表される第2の(ポリ)リン酸塩化合物の混合物をその合計含有量で10質量部以上50質量部以下と、数平均分子量が1万〜100万の非架橋シリコーン生ゴムを0.1質量部以上10質量部以下と、無機系紫外線遮蔽剤を0.1質量部以上20質量部以下とを含有する耐候性難燃樹脂組成物である。

0009

0010

式(1)中、nは1〜100の数、X1はアンモニア(NH3)又は下記一般式(2)で示されるトリアジン誘導体であり、pは関係式0<p≦n+2を満たす数である。

0011

0012

式(2)中、Z1及びZ2は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に−NR5R6で示される基、水酸基メルカプト基炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐アルキル基、炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐アルコキシル基フェニル基及びビニル基からなる群より選ばれる基である。ここに、R5及びR6は、それぞれ独立にH原子、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐アルキル基、又はメチロール基である。

0013

0014

式(3)中、rは1〜100の数、Y1は[R1R2N(CH2)mNR3R4]、ピペラジン又はピペラジン環を含むジアミンである。ここに、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、H原子、又は炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐アルキル基であり、mは1〜10の整数、qは関係式0<q≦r+2を満たす数である。

0015

本開示の第2の態様は、
光ファイバ及び前記光ファイバを被覆する外被を有し、
前記外被は、前記第1の態様の耐候性難燃樹脂組成物を用いて形成されている光ファイバケーブルである。

0016

本開示の第3の態様は、
導体及び前記導体を直接又は他の層を介して被覆する外被を有し、
前記外被は、前記第1の態様の耐候性難燃樹脂組成物を用いて形成されている電線である。

図面の簡単な説明

0017

本開示の光ファイバケーブルの一例を示す模式断面図である。

0018

[本開示が解決しようとする課題]
特許文献2に開示されている耐候性難燃樹脂組成物により電線や光ファイバケーブルの外被を形成することにより、白色又は淡色で、かつ屋外での配線・敷設を充分可能にする耐候性及び優れたノンハロゲン難燃性を兼ね備えた外被を有する電線や光ファイバケーブルを得ることができる。

0019

しかし、この耐候性難燃樹脂組成物に配合される光安定剤及び有機系紫外線吸収剤は、高価であり電線や光ファイバケーブルの製造コスト押し上げる問題がある。又、光安定剤及び有機系紫外線吸収剤は、電線や光ファイバケーブルの保管中に外被表面に移行し、析出し、ブルームの問題が生じる。耐候性をより向上させるためには、光安定剤及び有機系紫外線吸収剤を外被の表面近くに配合する構造が好ましいが、この構造の場合ブルームの問題はより顕著になる。

0020

本開示は、前記の問題の解決を課題とする。すなわち、光安定剤及び有機系紫外線吸収剤を配合せず、従って、製造コスト的に有利で、ブルームの問題がないとともに、白色又は淡色で、かつ優れた耐候性及び優れたノンハロゲン難燃性を兼ね備えた、電線や光ファイバケーブルの外被を形成できる耐候性難燃樹脂組成物を提供することを課題とする。

0021

本開示は、又、白色又は淡色で優れた耐候性とノンハロゲン難燃性を兼ね備え、ブルームの問題もない外被を有する電線及び光ファイバケーブルを提供することを課題とする。

0022

本発明者は検討の結果、ポリオレフィン樹脂に、2種類の特定構造の(ポリ)リン酸塩化合物の混合物であるイントメッセント難燃剤、分子量が所定の範囲内にある非架橋のシリコーン生ゴム及び無機系紫外線遮蔽剤を所定の含有量で配合してなる耐候性難燃樹脂組成物を用いることにより、白色又は淡色で優れた耐候性とノンハロゲン難燃性を兼ね備え、ブルームの問題もない外被を、有利なコストで形成できることを見出し本発明を完成した。
[本開示の効果]

0023

本開示の第1の態様により、白色又は淡色で、かつ、屋外での使用に耐える耐候性及び優れたノンハロゲン難燃性を兼ね備え、さらにブルームを発生の問題もない絶縁被覆を形成できる耐候性難燃樹脂組成物が提供される。

0024

本開示の第2の態様により、白色又は淡色で、かつ、屋外での配線・敷設を充分可能にする耐候性及び優れたノンハロゲン難燃性を兼ね備え、ブルーム発生の問題もない外被を有する光ファイバケーブルが提供される。

0025

本開示の第3の態様により、白色又は淡色で、かつ、屋外での配線・敷設を充分可能にする耐候性及び優れたノンハロゲン難燃性を兼ね備え、ブルーム発生の問題もない電気絶縁性の外被を有する電線が提供される。
[本開示の実施形態の説明]

0026

以下、第1〜3の態様を実施するための形態について具体的に説明する。なお、本発明は下記の形態に限定されるものではなく、請求の範囲内及び請求の範囲と均等の意味、範囲内での全ての変更が含まれる。

0027

[第1の態様(耐候性難燃樹脂組成物)]
本開示の第1の態様は、
ポリオレフィン樹脂と、前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、下記一般式(1)で表される第1の(ポリ)リン酸塩化合物及び下記一般式(3)で表される第2の(ポリ)リン酸塩化合物の混合物をその合計含有量で10質量部以上50質量部以下と、数平均分子量が1万〜100万の非架橋のシリコーン生ゴムを0.1質量部以上10質量部以下と、無機系紫外線遮蔽剤を0.1質量部以上20質量部以下とを含有する耐候性難燃樹脂組成物である。

0028

0029

式(1)中、nは1〜100の数、X1はアンモニア(NH3)又は下記一般式(2)で示されるトリアジン誘導体であり、pは関係式0<p≦n+2を満たす数である。

0030

0031

式(2)中、Z1及びZ2は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に−NR5R6で示される基、水酸基、メルカプト基、炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐アルキル基、炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐アルコキシル基、フェニル基及びビニル基からなる群より選ばれる基である。ここに、R5及びR6は、それぞれ独立にH原子、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐アルキル基、又はメチロール基である。

0032

0033

式(3)中、rは1〜100の数、Y1は[R1R2N(CH2)mNR3R4]、ピペラジン又はピペラジン環を含むジアミンである。ここに、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、H原子、又は炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐アルキル基であり、mは1〜10の整数、qは関係式0<q≦r+2を満たす数である。

0034

(1)ポリオレフィン樹脂
第1の態様の耐候性難燃樹脂組成物の構成要素であるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレンポリプロピレン等を挙げることができ、又、エチレン酢酸ビニル共重合体エチルアクリレートブチルアクリレートメチルアクリレート等の極性基含有モノマーとの共重合体も挙げることができる。これらの中でも、屋外に敷設する場合に求められる高い耐外傷性を得るためには、機械的強度に優れるポリエチレンが好ましく、その中でも高密度中密度直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とするものがさらに好ましい。
これらのポリエチレンとしては、エチレンとプロピレンブテンペンテンヘキセンヘプテンオクテン等の炭素数が3〜20程度のα−オレフィンとの共重合体を用いることもできる。上記した各樹脂の混合物であってもよい。ポリオレフィン系樹脂としては、JIS K 7210(2014)に規定される方法で測定したメルトフローレートが、温度190℃、荷重2.16kgfの条件で測定した場合において、0.1〜10g/10分の範囲内にあるものが好ましい。0.1g/10分未満であると押出成型加工がしにくくなり、10g/10分を越えると機械的強度が低くなり、電線、光ファイバケーブルとしての実用性が低くなる傾向がある。

0035

(2)難燃剤
第1の態様の耐候性難燃樹脂組成物は、その構成要素の難燃剤として、前記一般式(1)、(3)で表される2種類の(ポリ)リン酸塩化合物を併用することを特徴とする。

0036

一般式(1)で表される(ポリ)リン酸塩化合物は、(ポリ)リン酸と、アンモニア又は一般式(2)で表されるトリアジン誘導体との塩である。一般式(3)で表される(ポリ)リン酸塩化合物は、(ポリ)リン酸と式[R1R2N(CH2)mNR3R4]で表されるジアミン、ピペラジン又はピペラジン環を含むジアミンとの塩である。いずれの(ポリ)リン酸塩化合物も、窒素リン系の難燃剤であって燃焼時に発泡断熱層を形成することで難燃効果発現するイントメッセント系の難燃剤である。

0037

一般式(2)で表されるトリアジン誘導体としては、例えばメラミンアセトグアナミンベンゾグアナミンアクリルグアナミン、2,4−ジアミノ−6−ノニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ハイドロキシ−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4,6−ジハイドロキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−エトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−プロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジンを挙げることができる。

0038

又、一般式(3)で表される(ポリ)リン酸塩化合物を構成する式[R1R2N(CH2)mNR3R4]で表されるジアミン又はピペラジン環を含むジアミンとしては、例えば、N,N,N',N'−テトラメチルジアミノメタン、エチレンジジアミン、N,N'−ジメチルエチレンジアミン、N,N'−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラエチルエチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミンペンタメチレンジアミンヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノへプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカントランス−2,5−ジメチルピペラジン、1,4−ビス(2−アミノエチル)ピペラジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンを挙げることができる。

0039

一般式(1)で表される(ポリ)リン酸塩化合物と一般式(3)で表される(ポリ)リン酸塩化合物との混合比は特に限定されない。この2種類の(ポリ)リン酸塩化合物を含有する混合物としては、例えば、ADEKA社製の商品アデカスタブFP2200SやアデカスタブFP2100J等の市販品が挙げられる。

0040

本開示で使用する前記リン酸塩化合物の平均粒径は10μm以下が好ましく、7μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましい。

0041

一般式(1)、(3)で表される(ポリ)リン酸塩化合物は、化学的に安定であり、リン酸の発生が殆どない。
さらに、一般式(1)、(3)で表される(ポリ)リン酸塩化合物は次に示す利点を有する。すなわち、一般的なリン酸塩を添加した樹脂組成物は高温に曝されると変色し易いとの問題があるが、一般式(1)、(3)で表される(ポリ)リン酸塩化合物を添加した樹脂組成物は、高温に曝されても変色しない。又、難燃剤として含有量を少なくできるため、充分なゴム弾性を有し、永久伸び圧縮永久歪の低下が抑制され、機械的特性に優れる樹脂組成物や外被を与えることができる。

0042

一般式(1)、(3)で表される(ポリ)リン酸塩化合物の合計の含有量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して10〜50質量部である。この難燃剤は、優れた難燃効果を示し、前記範囲のような少量の添加で充分な難燃性を得ることができる。従って、難燃剤としての無機化合物を多量に添加する必要がないので、難燃剤として金属水酸化物を多量に使用した場合の問題、例えば、機械的特性の低下、耐寒性の低下等も防ぐことができる。

0043

前記(ポリ)リン酸塩化合物の含有量が10質量部未満では充分な難燃性が得られない場合がある。一方、50質量部を超える場合には、樹脂組成物の機械的強度や耐寒性(低温脆化試験)が低下する場合もある。より好ましい範囲は、20〜40質量部であり、この範囲内であれば、機械的強度や耐寒性の低下をより確実に防ぐことができ、かつ充分な難燃効果が得られる。

0044

(3)非架橋のシリコーン生ゴム
第1の態様の耐候性難燃樹脂組成物は、分子量が所定範囲内にある非架橋のシリコーン生ゴムを所定量含有することを特徴とする。この特徴により、屋外での使用に耐える優れた耐候性を得ることができる。特許文献2で開示されている耐候性難燃樹脂組成物では、優れた耐候性を得るために、光安定剤及び有機系紫外線吸収剤の混合物が配合されているが、第1の態様では、これらの代わりに、分子量が所定範囲内にある非架橋のシリコーン生ゴムを用いることにより、同等の優れた耐候性を達成することができる。

0045

樹脂組成物に配合された光安定剤及び有機系紫外線吸収剤の混合物は、保管中に表面に移行して析出しブルームの問題が生じるが、前記非架橋のシリコーン生ゴムは、保管中に表面に移行して析出することはないのでブルームの問題を生じることはない。耐候性をより向上させるために非架橋のシリコーン生ゴムを外被の表面近くに配合した場合であっても、ブルームの問題は発生しない。又、非架橋のシリコーン生ゴムは、HALS(Hindered Amine Light Stabilizers)等の光安定剤や有機系紫外線吸収剤よりも安価なので、これらの代わりに非架橋のシリコーン生ゴムを用いればコスト的にも有利になる。

0046

第1の態様の樹脂組成物の構成要素である非架橋のシリコーン生ゴムとは、−(R7R8Si−O−)n−(式中、R7、R8はケイ素に結合する1価の有機基を表し、nは整数であり単量体結合数を表す)で表される高分子化合物であり、実質的に架橋されていないものである。R7、R8で表わされる有機基としては、メチル、エチル等の低分子アルキル基、ビニル基、フェニル基等を挙げることができる。この非架橋のシリコーン生ゴムとして具体的には、非架橋の、ジメチルシリコーンメチルビニルシリコーン又はメチルフェニルシリコーン等の、シリコーン生ゴム、シリコーンオイル又はシリコーンワニス等を挙げることができる。

0047

第1の態様の樹脂組成物に配合される非架橋のシリコーン生ゴムは、数平均分子量が1万〜100万の範囲にある非架橋のシリコーン生ゴムである。数平均分子量が1万よりも小さい場合はブリードし易くなり、一方数平均分子量が100万よりも大きい場合はシリコーン生ゴムのベース樹脂中への分散が困難となり、又機械的特性の低下等が生じる。ここで言う数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した値である。この非架橋のシリコーン生ゴムがジメチルシリコーンの場合、数平均分子量が5万〜70万の範囲のものが好ましく用いられ、特に、数平均分子量が10万〜70万の範囲にあり、GPCで測定された分子量分布(Mw/Mn)が5.0以下のジメチルシリコーンが好ましく用いられる。

0048

前記非架橋のシリコーン生ゴムの含有量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して0.1質量部以上、10質量部以下であり、好ましくは1質量部以上、8質量部以下である。光安定剤(HALS)と有機系紫外線吸収剤を配合しない場合、前記非架橋のシリコーン生ゴムの含有量が0.1質量部未満の場合は充分な耐候性が得られない。一方10質量部を超える場合は、機械的特性の低下等が生じる。

0049

(4)無機系紫外線遮蔽剤
第1の態様の樹脂組成物に含有される無機系紫外線遮蔽剤とは、無機物であって、1)紫外線を遮断する機能、又は2)紫外線を吸収する機能を有する薬剤を言う。すなわち、無機系の紫外線吸収剤も無機系紫外線遮蔽剤に含まれる。無機系紫外線遮蔽剤を添加することにより、光の照射による樹脂の劣化が防止され耐候性が一層向上する。

0050

無機系紫外線遮蔽剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛等を挙げることができるが、より紫外線遮蔽効果の高い酸化チタンが好ましく用いられる。そこで、第1の態様の樹脂組成物であって、無機系紫外線遮蔽剤が酸化チタンであるものが好ましい態様として提供される。

0051

又、無機系紫外線遮蔽剤の含有量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部である。無機系紫外線遮蔽剤の含有量が0.1質量部未満では樹脂組成物の耐候性が不充分となる場合があり、一方、20質量部を超える場合には、樹脂組成物の機械的強度が低下する場合があるので好ましくない。無機系紫外線遮蔽剤の含有量は、より好ましくは1質量部以上、20質量部以下である。

0052

第1の態様の樹脂組成物の組成としては、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、前記一般式(1)で表される第1の(ポリ)リン酸塩化合物及び前記一般式(3)で表される第2の(ポリ)リン酸塩化合物の混合物の合計含有量が20質量部以上、40質量部以下であり、数平均分子量が1万〜100万の非架橋のシリコーン生ゴムの含有量が1質量部以上、8質量部以下であり、無機系紫外線遮蔽剤が酸化チタンであって、その含有量が1質量部以上、20質量部以下である場合は、さらに優れた耐候性が得られるので、特に好ましい態様として挙げることができる。

0053

(5)その他の構成材料
第1の態様の樹脂組成物には、前記の必須の構成材料に加えて、本実施態様の趣旨を損ねない範囲で、他の添加剤や樹脂成分を添加することができる。他の添加剤や樹脂成分としては、滑剤熱安定剤酸化防止剤老化防止剤造核剤可塑剤、架橋剤、離型剤加工助剤帯電防止剤、各種充填剤着色剤等を挙げることができる。さらに、特許文献2に記載されているようなヒンダードアミン系光安定剤(HALS)等の光安定剤や有機系紫外線吸収剤も、本開示の趣旨を損ねない範囲内、すなわち、ブルームの問題やコストの上昇が許容される範囲内であれば、添加することができる。

0054

(6)樹脂組成物の調製
第1の態様の耐候性難燃樹脂組成物は、前記の構成材料をロール混合機単軸混練押出機二軸混練押出機加圧ニーダーバンバリーミキサー等の既知溶融混合機を用いて混合することにより調製することができる。

0055

(7)第1の態様の耐候性難燃樹脂組成物の特徴
前記(ポリ)リン酸塩化合物、非架橋のシリコーン生ゴム及び無機系紫外線遮蔽剤は、いずれも白色又は淡色である。従って、これらを主成分として含有する第1の態様の耐候性難燃樹脂組成物も白色又は淡色とすることができる。

0056

よって、第1の態様においては、白色又は淡色で優れた耐候性と難燃性を兼ね備えた樹脂組成物が提供される。具体的には、屋外使用で指標とされている、サンシャインウエザオメーター試験で4000時間暴露したときの引張強度引張伸びの残率が70%以上となり、充分屋外使用が可能な耐候性を備え、かつ、優れた難燃性を兼ね備えた、白色又は淡色の耐候性難燃樹脂組成物である。又、ポリオレフィン樹脂、非架橋のシリコーン生ゴム、難燃剤、無機系紫外線遮蔽剤等の構成材料は、いずれもノンハロゲン系であるため、近年の環境問題にも適応した樹脂組成物である。さらに第1の態様の樹脂組成物はブルームを発生する問題もない。そして、高価なヒンダードアミン系光安定剤(HALS)等の光安定剤を使用しなくても優れた対候性が得られるのでコスト的にも有利である。これらのため、電線や光ファイバケーブルの外被の形成に好適に用いられる。

0057

[第2の態様(光ファイバケーブル)]
本開示の第2の態様は、
光ファイバ及び、前記光ファイバを被覆する外被を有する光ファイバケーブルであって、前記外被は、前記第1の態様の耐候性難燃樹脂組成物を用いて形成されている光ファイバケーブルである。

0058

第2の態様においては、第1の態様の耐候性難燃樹脂組成物を用いて外被を形成しているので、屋外敷設用として充分な耐候性と優れた難燃性を兼ね備えブルームの問題もない白色又は淡色の光ファイバケーブルが提供される。この光ファイバケーブルは、外被により光ファイバが長期に亘り摩耗等から保護されるので耐久性に優れたものである。

0059

(1)光ファイバケーブルの形態
本開示の光ファイバケーブルは、第1の態様の耐候性難燃樹脂組成物を外被材として用いたものであれば、その形態等は特に限定されない。本開示の1実施形態例である光ファイバケーブルの模式断面図を図1に示す。図中、1は光ファイバケーブル、4は光ファイバ、5は第1の態様の耐候性難燃樹脂組成物を外被材として被覆した外被、6は抗張力線テンションメンバ)を示す。図1の例の実施形態においては、光ファイバ4と並行して、1対の抗張力線6が配され、この光ファイバ4と抗張力線6とが外被5によって一体化されている。又、光ファイバ4は、コア部2とクラッド部3(被覆層)とからなり、例えば、コア部2にはゲルマニウムを添加した石英を用いることができ、クラッド部3には純石英又はフッ素が添加された石英を用いることができる。光ファイバ4に平行に配される抗張力線6としては、外径0.4mm程度の鋼線又はガラス繊維強化プラスチックFRP)、アラミド繊維強化プラスチック(KFRP)等を用いることができる。

0060

(2)外被の形成
外被は、溶融押出機等の既知の押出成型機を用いて前記第1の態様の樹脂組成物を光ファイバ上に押出成型することにより形成することができる。例えば、前出の光ファイバケーブルの断面図(図1)においては、長径方向3mm、短径方向2mmの寸法で形成されている。

0061

[第3の態様(電線)]
本開示の第3の態様は、
導体及び、前記導体を被覆する外被を有する電線であって、
前記外被は、前記第1の態様の耐候性難燃樹脂組成物を用いて形成されている電線である。

0062

第3の態様においては、第1の態様の耐候性難燃樹脂組成物を用いて外被を形成しているので、屋外敷設用として充分な耐候性と優れた難燃性を兼ね備えブルームの問題もない白色又は淡色の電線が提供される。この電線は、電気絶縁性の外被により導体が長期に亘り腐食等から保護されるので耐久性に優れたものである。

0063

(1)導体
第3の態様の電線を構成する導体としては、導電性に優れる銅、アルミ等を挙げることができる。導体は単線であってもよいし、複数の素線撚り線であってもよい。

0064

(2)外被の形成
外被は、光ファイバケーブルの場合と同様に、溶融押出機等の既知の押出成型機を用いて前記第1の態様の耐候性難燃樹脂組成物を導体線上に押出成型することにより形成することができる。外被の厚みは電線のサイズ、用途等に応じて適宜決定される。

0065

[1]樹脂組成物の調製
1.使用した材料
(1)ポリオレフィン系樹脂
高密度ポリエチレンハイゼック5305E(三井化学社製)
鎖状中密度ポリエチレン:ノバテックLLUE320(日本ポリエチレン社製)
エチレン−ブテン共重合体タフマーDF610(三井化学社製)
エチレン−オクテン共重合体エンゲージ8150(ダウケミカル社製)

0066

(2)難燃剤
イントメッセント難燃剤:アデカスタブFP2200S(ADEKA社製)
イントメッセント難燃剤:アデカスタブFP2100J(ADEKA社製)
水酸化マグネシウム:マグシースV6F(神島化学社製)
リン酸エステル:PX−200(大八化学工業社製)
赤リン:ヒシガードLP−E(日本化学工業社製)

0067

なお、前記イントメッセント難燃剤は、前記一般式(1)で表される第1の(ポリ)リン酸塩化合物及び前記一般式(3)で表される第2の(ポリ)リン酸塩化合物の混合物である。

0068

(3)酸化防止剤:イルガノックス1010(BASF社製)

0069

(4)非架橋のシリコーン生ゴム
ジメチルシリコーン:TSE200(モメンティブ社製)
重量平均分子量(Mw) 66万4千
数平均分子量(Mn) 38万8千
分子量分布(Mw/Mn) 1.7
(5)無機系紫外線遮蔽剤
酸化チタン:GTR−100(堺化学工業社製)
(6)光安定剤
HALS:CHIMSSORB 119FL(BASF社製)

0070

(7)有機系紫外線吸収剤
紫外線吸収剤:TINUVIN 328(BASF社製)
(8)ステアリン酸(滑剤):ステアリン酸さくら(日油社製)

0071

2.ペレットの作製
前記材料を、表1〜表4に示す配合量(単位:質量部)でそれぞれ配合し、ロール混合機を用いて160℃の温度で混練した後、造粒機を用いて樹脂組成物のペレットを作製した。

0072

0073

0074

0075

0076

3.樹脂被覆電線の作製
前記「2.ペレットの作製」で得られた樹脂組成物のペレットを、50mmφ押出機を用いてTA 7/0.254の導体上に厚み0.5mmで押出し、絶縁外径1.762mmφの樹脂被覆電線を作製した。

0077

4.樹脂被覆電線の評価
(1)評価方法
前記「3.樹脂被覆電線の作製」で得られた樹脂被覆電線について、以下に示す評価方法で評価した。
a.引張試験
樹脂被覆電線から導体を引抜いて得られた外被(被服樹脂)について、JIS C3005(2014)で規定された方法により、200mm/minで引張り、引張強度および引張伸びを測定した。そして、引張強度が≧10MPa、引張伸びが≧150%を合格とした。

0078

b.JIS60°傾斜燃焼試験
JIS C3005(2014)に基き、60°傾斜燃焼試験を行った。具体的には、口径10mmのブンゼンバーナーを用い、その炎の長さを約130mm、還元炎の長さ約35mmに調整する。そして、樹脂被覆電線を水平に対して60°傾斜させて支持し、還元炎の先端を資料下端から約20mmの位置に、30秒以内で樹脂被覆電線が燃焼するまで当て、炎を静かに取り去った後、試料の燃焼の程度を調べる。そして、60秒以内に炎が自然と消えた場合は合格とし、消えるまでの時間が60秒を超えた場合は不合格とした。

0079

c.サンシャインウエザオメーター試験
一般的に屋外使用で指標とされているサンシャインウエザオメーター試験をクリアすることを合否判定基準とした。具体的には、ブラックパネル温度63℃、水噴霧12分/60分の条件下で4000時間暴露した後、前記引張試験を行い引張強度、引張伸びを測定して試験前の引張強度および引張伸びに対する比率残率)を求めた。引張強度および引張伸び共に残率が≧70%が合格である。

0080

d.低温脆化試験
樹脂被覆電線の作製に用いたペレットから厚さ2mmのシート熱プレス機で作製し、JIS C3005(2014)に基づき長さ38mm、幅6mmで打抜いた試験片を準備した。この試験片を、低温脆化試験機にセットし、試験温度を−30℃に調節して試験片をつかみ具に取り付け、2.5分間媒体中に浸した後に、温度を記録し、打撃を与え、亀裂発生の有無を目視で調べた。亀裂が発生していない場合を合格とした。

0081

e.ブルーム試験
樹脂被覆電線を40℃で1か月保存した後の電線外観について、目視によりブルームの有無を判断した。ブルームが見られない場合を合格とし、ブルームを視認できた場合を不合格とした。

0082

(2)評価結果
評価結果を表5〜8に示す。

0083

0084

0085

0086

0087

表5〜表8より、外被を第1の態様の要件を満たす樹脂組成物、すなわちポリオレフィン樹脂の100質量部に対して、前記一般式(1)で表される第1の(ポリ)リン酸塩化合物及び前記一般式(3)で表される第2の(ポリ)リン酸塩化合物の混合物(イントメッセント難燃剤)をその合計含有量で10〜50質量部、ジメチルシリコーンを0.1〜10質量部、及び、無機系紫外線遮蔽剤(酸化チタン)を0.1〜20質量部含有する場合である実験1〜8では、引張強度、引張伸び、JIS60°傾斜燃焼試験、サンシャインウエザオメーター試験、低温脆化試験及びブルーム試験の試験結果がいずれも合否判定基準をクリアしていることが示されている。

0088

中でも、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、前記イントメッセント難燃剤の合計含有量が20質量部以上、40質量部以下であり、ジメチルシリコーンの含有量が1質量部以上、8質量部以下であり、酸化チタンの含有量が1質量部以上、20質量部以下の場合である実験2〜3、5〜8では、サンシャインウエザオメーター試験の引張強度残率は85%以上、引張伸び残率は90%以上であり、特に優れた耐候性が得られ特に好ましい態様であることが示されている。

0089

一方、イントメッセント難燃剤の含有量が8質量部と、10質量部未満である実験9は、JIS60°傾斜燃焼試験で不合格であり、55質量部と50質量部を超えている実験10は、引張強度が低く、低温脆化試験が不合格である。又、ジメチルシリコーンを含有せず、かつ光安定剤(HALS)及び有機系紫外線吸収剤を含有しない場合である実験14、15では、サンシャインウエザオメーター試験の引張強度残率、引張伸び残率はともに70%未満であり、充分な耐候性は得られていない。実験14は、ジメチルシリコーンと同様に滑剤として用いられることが知られているステアリン酸を2質量部含有した例であるが、実験15と同等の耐候性であり、ステアリン酸の配合による耐候性の向上は見られない。

0090

実験11は、ジメチルシリコーンとともに光安定剤(HALS)及び有機系紫外線吸収剤を含有した例であり、実験12〜13は、ジメチルシリコーンの代わりに光安定剤(HALS)及び有機系紫外線吸収剤を含有した例であり、いずれも、優れた耐候性が得られているが、ブルーム試験は不合格である。この結果より、光安定剤(HALS)及び有機系紫外線吸収剤を配合することによりブルームの問題が生じることが示されている。
ジメチルシリコーンの含有量が10質量部を超える12質量部である実験19では、引張強度が、10MPaより小さく、機械的特性が低下している。

0091

又、難燃剤として、イントメッセント難燃剤を用いず水酸化マグネシウムを50質量部含有させた実験16は、JIS60°傾斜燃焼試験が不合格であり難燃性が不十分である。難燃剤として、イントメッセント難燃剤を用いず水酸化マグネシウムを50質量部含有させ、さらにリン酸エステルを10質量部含有させた実験17及びさらに赤リンを1質量部含有させた実験18では、JIS60°傾斜燃焼試験は合格となるものの、サンシャインウエザオメーター試験が不合格となり、充分な耐候性が得られないことが示されている。

実施例

0092

以上の結果より、ポリオレフィン樹脂の100質量部に対して、特定構造のイントメッセント難燃剤を10〜50質量部、数平均分子量が1万〜100万の非架橋のシリコーン生ゴムを0.1〜10質量部、及び無機系紫外線遮蔽剤を0.1〜20質量部配合することにより、引張強度、引張伸びで表される機械的強度、難燃性及び耐候性を高次元でバランスさせることができるとともに、ブルームの問題も抑制できることが示されている。

0093

1光ファイバケーブル
2コア部
3クラッド部
4光ファイバ
5外被
6 抗張力線

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