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技術 医療シミュレータ

出願人 株式会社MICOTOテクノロジー
発明者 檜山康明松岡正晃
出願日 2018年9月21日 (2年9ヶ月経過) 出願番号 2019-543720
公開日 2020年10月15日 (8ヶ月経過) 公開番号 WO2019-059330
状態 未査定
技術分野 教示用装置 電気的に作動する教習具
主要キーワード 線ファスナ 下端外縁 基端側開口端 スライドガイド孔 プレート連結 中空突起 舌状体 筒状器具
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年10月15日)のものです。
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図面 (11)

課題・解決手段

医療シミュレータは、少なくとも又は口から行われる医療手技訓練を可能とし、人体の少なくとも頭部から頸部にかけての形状の基礎となる骨格ベース部と、骨格ベース部に対して着脱可能であって、鼻腔口腔咽頭及び喉頭を含む中空体内器官を模した形状を持ち、柔軟性材料を用いて一体成形されている体内造形部とを備える。

概要

背景

近年の医学の進歩及び医療技術の高度化に伴い、医療従事者にも高度な技能が求められるようになってきており、医療従事者に対する教育の充実が求められている。中でも、生体模擬したモデルを用いたシミュレーション教育は、実践さながらの技術習得及び訓練が可能となるため、特に注目されている。

下記特許文献1には、シミュレーション教育のための介護実習シミュレーションモデルが開示されている。このモデルは、マネキン気道挿管用のチューブとを備えており、マネキンは、頭部から胸部にかかる形状をした外形ベースの内部に、模擬口腔、模擬鼻腔、模擬咽頭部、模擬喉頭部、模擬気管、模擬気管支、模擬食道の一部の各部を形成する。更に、模擬気管又は模擬気管支に対するチューブの気道挿管時における正しい挿入位置に検知部が取り付けられ、チューブの先端がその検知部に到達したことを感知させる感知手段が設けられている。

また、下記特許文献2には、メンテナンス性に優れた医療シミュレーションロボット用の口腔形成体が開示されている。この口腔形成体は、可撓性及び伸縮性を有する袋状に形成され口部に着脱自在に装着される口腔形成部と、口腔形成部と一体に形成され口部に配設される疑似舌機構部に覆設される舌状中空突起部と、を備える。

概要

医療シミュレータは、少なくとも又は口から行われる医療手技の訓練を可能とし、人体の少なくとも頭部から頸部にかけての形状の基礎となる骨格ベース部と、骨格ベース部に対して着脱可能であって、鼻腔、口腔、咽頭及び喉頭を含む中空体内器官を模した形状を持ち、柔軟性材料を用いて一体成形されている体内造形部とを備える。

目的

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、少なくとも鼻又は口から行われる医療手技に関して、実践に即した高精度の訓練を可能とする医療シミュレータを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

少なくとも又は口から行われる医療手技訓練を可能とする医療シミュレータにおいて、人体の少なくとも頭部から頸部にかけての形状の基礎となる骨格ベース部と、前記骨格ベース部に対して着脱可能であって、鼻腔口腔咽頭及び喉頭を含む中空体内器官を模した形状を持ち、柔軟性材料を用いて一体成形されている体内造形部と、を備える医療シミュレータ。

請求項2

前記体内造形部及び前記骨格ベース部に対して着脱可能な鼻口支持部を更に備え、前記体内造形部における鼻腔形成部及び口腔形成部は、相互に分離しており、前記鼻口支持部は、前記鼻腔形成部及び前記口腔形成部よりも硬い材質成形されており、前記体内造形部に装着されている状態において、前記鼻腔形成部と前記口腔形成部との間隙に介在して前記鼻腔形成部を支持すると共に、前記口腔形成部の口腔側に配置される上歯列構造部と前記口腔形成部の上壁を挟持する、請求項1に記載の医療シミュレータ。

請求項3

前記体内造形部が前記骨格ベース部に装着されている状態において前記体内造形部の咽頭壁に相当する部位を背面側から支持する咽頭壁プレートを更に備え、前記体内造形部は、背面側に、前記咽頭壁プレートへの着脱を可能とするプレート連結部を含み、前記鼻口支持部は、前記鼻腔形成部を下支えする領域を挟んで左右両側に上方を向けて設けられており、前記骨格ベース部への着脱を可能とする骨格連結部を含む、請求項2に記載の医療シミュレータ。

請求項4

前記骨格ベース部は、下顎骨部と、前記下顎骨部の左右後端部から上方に向けてそれぞれ延設された二枚の下顎支持プレートと、左右頬部に相当する部位に上下方向に延在する二枚の下顎連結プレートを含み、前記各下顎支持プレートは、各下顎支持プレートの延設方向に離間した位置に配置されており、左右方向を軸方向とするべく突設された第一揺動軸部及び第二揺動軸部をそれぞれ含み、前記各下顎連結プレートは、前記第二揺動軸部を軸にして下顎支持プレートが揺動する際に前記第一揺動軸部のスライドガイドする第一軸ガイド部と、前記第一揺動軸部を中心に下顎支持プレートが揺動する際に前記第二揺動軸部のスライドをガイドする第二軸ガイド部とをそれぞれ含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の医療シミュレータ。

請求項5

前記骨格ベース部は、前記各下顎支持プレートの揺動範囲を制限可能な下顎揺動制限部を更に含み、前記各下顎支持プレートの揺動範囲は、前記第一軸ガイド部及び前記第二軸ガイド部による前記第一揺動軸部及び前記第二揺動軸部のスライド範囲制限、並びに前記下顎揺動制限部により、段階的に制限され得る、請求項4に記載の医療シミュレータ。

請求項6

前記骨格ベース部は、下顎骨部と、前記下顎骨部の左右後端部から上方に向けてそれぞれ延設された二枚の下顎支持プレートと、左右頬部に相当する部位に上下方向に延在する二枚の下顎連結プレートを含み、前記各下顎支持プレートは、各下顎支持プレートの延設方向に離間した位置にそれぞれ配置されており、左右方向を軸方向とするべくそれぞれ突設された第一揺動軸部及び第二揺動軸部をそれぞれ含み、前記各下顎連結プレートは、挿入された前記第二揺動軸部を所定範囲内でスライド可能にガイドする第二軸ガイド部と、前記第二揺動軸部よりも下方に配置された前記第一揺動軸部による所定位置から後方へのスライドを規制しつつ該所定位置より前方への可能なスライドを妨げない第一軸規制部とをそれぞれ含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の医療シミュレータ。

請求項7

前記骨格ベース部は、少なくとも頸部において上下方向に延設されている第一頸椎リンク部及び第二頸椎リンク部、並びに頭部において前後方向に延設されている上顎支持プレートを更に含み、前記第二頸椎リンクは、前記上顎支持プレートを揺動可能に支持し、前記第一頸椎リンクは、前記第二頸椎リンクに対して相対的に上下方向にスライド可能に支持されていると共に、前記上顎支持プレートの後端部の上下方向のスライドをガイドしかつ該スライドの範囲を規制するスライド規制部を含み、前記骨格ベース部は、前記第一頸椎リンクの上下方向のスライド範囲を制限可能な頸椎スライド制限部を更に含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の医療シミュレータ。

請求項8

前記体内造形部の開口端部に嵌挿される基端側開口端部及び該基端側開口端部の開口から連通する中空部を有する模擬気管支部と、を更に備え、前記骨格ベース部は、前記模擬気管支部を載置する平面部と、該平面部上に載置された前記模擬気管支部の外周面に巻き掛けて該模擬気管支部を着脱可能に固定する固定ベルトと、互いに向かい合って並設されており気管支係止孔をそれぞれ有する一対の気管支支持部とを更に含み、前記模擬気管支部は、前記基端側開口端部の外周表面から半径方向の外側に向けて相互に逆方向にそれぞれ突出する一対の係止凸部を更に有し、前記一対の気管支支持部の間に挟まれた状態で、該一対の係止凸部が前記一対の気管支支持部の前記気管支係止孔に挿入され、かつ、前記固定ベルトが巻き掛けられることで、前記骨格ベース部に対して着脱可能に装着される、請求項1から7のいずれか一項に記載の医療シミュレータ。

技術分野

0001

本発明は、医療シミュレータに関し、特に、少なくとも又は口から行われる医療手技訓練を可能とするシミュレータに関する。

背景技術

0002

近年の医学の進歩及び医療技術の高度化に伴い、医療従事者にも高度な技能が求められるようになってきており、医療従事者に対する教育の充実が求められている。中でも、生体模擬したモデルを用いたシミュレーション教育は、実践さながらの技術習得及び訓練が可能となるため、特に注目されている。

0003

下記特許文献1には、シミュレーション教育のための介護実習シミュレーションモデルが開示されている。このモデルは、マネキン気道挿管用のチューブとを備えており、マネキンは、頭部から胸部にかかる形状をした外形ベースの内部に、模擬口腔、模擬鼻腔、模擬咽頭部、模擬喉頭部、模擬気管、模擬気管支、模擬食道の一部の各部を形成する。更に、模擬気管又は模擬気管支に対するチューブの気道挿管時における正しい挿入位置に検知部が取り付けられ、チューブの先端がその検知部に到達したことを感知させる感知手段が設けられている。

0004

また、下記特許文献2には、メンテナンス性に優れた医療シミュレーションロボット用の口腔形成体が開示されている。この口腔形成体は、可撓性及び伸縮性を有する袋状に形成され口部に着脱自在に装着される口腔形成部と、口腔形成部と一体に形成され口部に配設される疑似舌機構部に覆設される舌状中空突起部と、を備える。

先行技術

0005

特開2015−18152号公報
特開2012−252232号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上述の特許文献1のモデルでは、模擬口腔、模擬鼻腔などが人型模型の各部位に相当する内部の空間を仕切る壁面で形成されているに過ぎず、実際の患者体内器官の状態を精密に再現できていない。そのため、このモデルでは、実践に即した訓練を行うことは困難である。更に言えば、模擬口腔、模擬鼻腔などの交換を考慮した設計となっていない。
上述の特許文献2のモデルでは、ロボット用口腔形成体の交換を考慮した設計となっているものの、鼻又は口から行われる医療手技の訓練で必要となる他の器官(鼻腔や咽頭、喉頭など)が対象とされていない。

0007

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、少なくとも鼻又は口から行われる医療手技に関して、実践に即した高精度の訓練を可能とする医療シミュレータを提供する。

課題を解決するための手段

0008

本発明の一側面に係る医療シミュレータは、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。即ち、当該一側面に係る医療シミュレータは、少なくとも鼻又は口から行われる医療手技の訓練を可能とし、人体の少なくとも頭部から頸部にかけての形状の基礎となる骨格ベース部と、骨格ベース部に対して着脱可能であって、鼻腔、口腔、咽頭及び喉頭を含む中空の体内器官を模した形状を持ち、柔軟性材料を用いて一体成形されている体内造形部とを備える。
上述の「鼻又は口から行われる医療手技」とは、鼻又は口から行われる医療行為の技術や方法を意味し、その医療行為には、例えば、気管挿管喀痰吸引などの際に内視鏡などの何らかの管を鼻又は口から体に通す医療行為や、鼻又は口から鉗子などを挿入し、鼻、口、咽頭、喉頭、声帯などに生じたポリープ腫瘍等の病変切除する医療行為などが存在する。但し、当該一側面に係る医療シミュレータで訓練可能な医療手技はこのような例に限定されない。

発明の効果

0009

本発明によれば、少なくとも鼻又は口から行われる医療手技に関して、実践に即した高精度の訓練を可能とする医療シミュレータを提供することができる。

図面の簡単な説明

0010

本実施形態に係る医療シミュレータの外観を示す図である。
本実施形態における人体模型の内部構造を示す図である。
骨格ベース部と体内造形部との分解図である。
体内造形部と鼻口支持部との分解図である。
体内造形部20の断面模式図である。
図6(a)は、上顎歯列構造部の分解図であり、図6(b)は、歯折れを再現する上顎歯列構造部を示す図である。
骨格ベース部及び骨格ベース部に連結される部材の一部を示す斜視図である。
骨格ベース部及び骨格ベース部に連結される部材の一部を示す側面図である。
模擬気管支部120と骨格ベース部との分解図である。
図10(a)、図10(b)及び図10(c)は、下顎連結プレートの変形例を示す図である。

実施例

0011

以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。以下に挙げる実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態の構成に限定されない。

0012

図1は、本実施形態に係る医療シミュレータの外観を示す図である。
本実施形態に係る医療シミュレータ1は、人体模型2、その人体模型2を載置する基台7などを有し、経鼻及び経口気管挿管、経鼻及び経口内視鏡検査、喀痰吸引などの挿管に関する手技の訓練を可能とする。即ち、ユーザ(以降、被訓練者表記する場合もある)は、人型モデルである人体模型2を用いることで、そのような医療手技の訓練を受けることができる。但し、医療シミュレータ1により訓練可能な医療手技は、このような挿管に関する手技に限定されない。

0013

医療シミュレータ1に関する以降の説明において、各構成要素の相対的な位置関係を特定するために、人体の解剖学などで利用される方向を用いて、便宜的に上下方向、前後方向、左右方向、正面、背面などを設定している。具体的には、前額面と直交する方向を「前後方向」とし、矢状面と直交する方向を「左右方向」とし、横断面(水平面)と直交する方向を「上下方向」とし、人体の腹側前又は正面、背側を後ろ又は背面、左手側を左、右手側を右、頭側を上、足側を下と表記する。即ち、図1紙面における上下方向は、前後方向で示され、当該紙面における左右方向は、上下方向で示され、当該紙面における前後方向は、左右方向で示される。

0014

また、左右方向を軸方向とする回動又は揺動を「上下方向」の回動又は揺動と表記し、前後方向を軸方向とする回動又は揺動を「左右方向」の回動又は揺動と表記し、上下方向を軸とする回動又は揺動を「前後方向」の回動又は揺動と表記する。
本明細書で表記する方向は、重力方向の上下とは一致しない場合もあるし、医療シミュレータ1の使用態様を限定するものでもない。
また、人体の表面のうち外界に直接触れている表面を「体外表面」と表記し、口腔から消化器官に繋がる飲食物通路及び鼻腔からに繋がる気道の表面を「体内表面」と表記する場合がある。更に、「体外表面」又は「体内表面」から外側とは反対方向の側を「内側」又は「内部」と表記する場合がある。

0015

人体模型2の体外表面は、頭部から頸部(肩及びの一部も含む)にかけての人体外形を模した皮膚マスク3に覆われており、頭部にはウィッグ5が装着されている。
皮膚マスク3は、シリコーンゴム等の柔軟性を有する素材により形成されている。
本明細書において「柔軟性」とは、折り曲げたとしても破断、損傷などを生じ難い特性を意味し、伸縮性及び弾性のいずれか一方又は両方の特性を含んでいてもよい。
本実施形態では、皮膚マスク3は、人体口裂に対応する開口部を有すると共に、眉毛、まつ毛、鼻、などを模した形状や色が施された一枚のシートで形成されている。皮膚マスク3の少なくとも開口部周辺は、伸縮性を有する素材で形成されていることが好ましい。これにより、人体模型2の口部を手動で開く際の感覚リアルに再現することができる。なお、本実施形態では、人体模型2の胸部には皮膚マスク3は設けられておらず、模擬肺部13が露出している。但し、皮膚マスク3の材質や形状、サイズは、図1に示されるものに限定されない。

0016

皮膚マスク3及びウィッグ5は、人体模型2に対して着脱可能に形成されている。具体的には、皮膚マスク3は、左右両側端部に線ファスナを有しており、この線ファスナにより人体模型2の背中側で左右両側部が連結される。また、皮膚マスク3には、下顎に相当する部位の裏側に点ファスナが設けられており、その点ファスナにより後述する下顎骨部62と接合可能とされている。
基台7は、人体模型2を載置する。図1の例では、人体模型2は、仰向け姿勢で基台7上に載置されているが、訓練目的となる医療手技に応じて、横向き姿勢などに切り替え可能な構造とされてもよい。

0017

図2は、本実施形態における人体模型2の内部構造を示す図であり、人体模型2の正面側から見た図である。
人体模型2は、皮膚マスク3及びウィッグ5の内側には、図2に示されるような内部構造を有する。人体模型2の内部構造は、体内器官構造や骨格ベース部などにより構成される。

0018

骨格ベース部は、人体模型2の形状の基礎となる骨組みを形成する構成要素群であり、金属やプラスチックといった被訓練者による操作に耐え得る強度及び硬度を有する材質で形成される。図2には、骨格ベース部として、模擬頭蓋骨9、下顎骨部62及び胸カバー11が示されている。模擬頭蓋骨9、下顎骨部62及び胸カバー11は、人体模型2における頭部、下顎及び胸周辺の形状を形作るべく設けられた形状保持構造である。

0019

体内器官構造は、口腔、鼻腔、咽頭、喉頭、気管、食道、気管支、などの中空の体内器官を模した形状を有する構成要素群である。図2には、体内器官構造として、体内造形部20、模擬気管支部12、模擬肺部13、及び模擬胃部15が示されている。
模擬気管支部12における二つの下端部はそれぞれ模擬肺部13に連結されている。模擬肺部13は、二つの袋体からなり、模擬気管支部12側から送り込まれる気体膨張可能に形成されている。
模擬胃部15もまた袋体であり、胃連結チューブを介して体内造形部20における食道を形成する部位(食道形成部26)の端部と連結している。

0020

以下、体内造形部20について図3図4、及び図5を用いて詳述する。図3は、骨格ベース部と体内造形部20との分解図であり、図4は、体内造形部20と鼻口支持部40との分解図であり、図5は、体内造形部20の断面模式図である。

0021

体内造形部20は、各図に示されるとおり、鼻腔、口腔、咽頭、喉頭、気管、及び食道を含む中空の体内器官を模した形状を持ちつつ柔軟性材料を用いて一体成形されている。体内造形部20における各体内器官を模擬的に形成する各部位は、鼻腔形成部21、口腔形成部22、咽頭形成部23、喉頭形成部24、気管形成部25、及び食道形成部26と表記される。
ここでの「一体成形」とは、繋ぎ目なく一体的に成形されることを意味する。このため、シート状の部材の端部を繋ぎ合わせて一つの管状体を成形することや、別体成形された部材を相互に繋ぎ合わせて一つの物体を成形することは、この「一体成形」には含まれない。

0022

このような体内造形部20の成形手法は限定されない。例えば、コンピュータ断層撮影(CT)や核磁気共鳴画像法(MRI)などを用いてスキャンニングされた体内器官の三次元情報入手し、その三次元情報に基づいて製作された型を用いて、体内造形部20が成形されてもよいし、三次元プリンタを用いて成形されてもよい。
体内造形部20を形成する柔軟性材料は、シリコーンゴム等の柔軟性を有する材料であれば、特に制限されない。体内造形部20は、模擬対象となる体内器官と同様に、引っ張り力の印加に応じて形状がその方向に伸び、引っ張り力の消失により形状がおおよそ元に戻る伸縮性及び弾性を有することが好ましい。

0023

このように体内造形部20を柔軟性材料を用いて一体成形することで、繋ぎ目をなくし、体内造形部20で再現する中空の体内器官を実物により近付けることができ、ひいては、リアルな医療シミュレーションが可能となる。

0024

体内造形部20は、喉頭蓋を模した形状を持つ模擬喉頭蓋24aを有している(図5参照)。具体的には、模擬喉頭蓋24aは、図5に示されるように、模擬舌部22aの舌根部から喉頭寄りの体内表面から鋭角に上方に突出した舌状体として形成されており、模擬喉頭蓋24aの口腔側の模擬舌部22aの舌根部との間に喉頭蓋谷に相当する箇所が形成されている。なお、模擬喉頭蓋24aは、体内造形部20の喉頭形成部24の一部であるということもできる。

0025

図5に示されるように、体内造形部20は、鼻腔形成部21と口腔形成部22とが相互に分離しており、後方の咽頭形成部23及び喉頭形成部24で両者が結合し、下方の気管形成部25及び食道形成部26で再度分離する外形を有している。更に言えば、鼻腔形成部21は、左鼻腔形成部と右鼻腔形成部とから構成されており、両者が相互に分離した外形を有している。
これら各部位で形成される中空領域が各体内器官を模擬しており連通している。
また、口腔形成部22の一部に模擬舌部22aが設けられている。模擬舌部22aは、中空状態で口腔形成部22により形成される口腔領域に突出した形状とされている。

0026

上述したように体内造形部20は、柔軟性を持つため、医療シミュレータ1の繰り返し利用により、劣化や損傷する可能性がある。また、体内造形部20によって模擬される体内器官の形状や大きさは患者によって異なるため、被訓練者の医療手技の能力をより高めるためには、様々なバリエーションの体内器官で訓練することが望まれる。
そこで、本実施形態では、体内造形部20を骨格ベース部に対して容易に着脱可能とすることで、複数種の体内造形部20の入れ替え新旧の体内造形部20の交換を容易に行えるようにしている。更に言えば、体内表面にポリープや腫瘍などの病変を模擬した体内造形部20を成形することもでき、そのような体内造形部20を用いることで、ポリープや腫瘍等の病変を切除する手技の訓練も可能としている。

0027

これを実現する構成として、体内造形部20及び骨格ベース部に対して着脱可能な鼻口支持部40が設けられている。これにより、図3に示されるように、体内造形部20は、鼻口支持部40が装着された状態で、骨格ベース部に対して着脱可能となっている。
鼻口支持部40は、体内造形部20に装着されている状態において、鼻腔形成部21と口腔形成部22との間隙に介在して鼻腔形成部21を支持すると共に、口腔形成部22の口腔側に配置される上顎歯列構造部50と、口腔形成部22の上壁を挟持する。つまり、鼻口支持部40は、上面側で鼻腔形成部21を支持し、下面側で口腔形成部22を支持する。

0028

より具体的には、鼻口支持部40は、上面側に、鼻腔形成部21を下方及び左右両側から支持固定する鼻腔固定部を持つ。更に、その鼻腔固定部の前方には、鼻腔形成部21よりも硬い材質で成形された2つの鼻孔管部45が設けられている。鼻孔管部45は、鼻骨及び鼻の軟骨に相当し鼻の形状を形作る管状体である。各鼻孔管部45の前端部及び後端部はそれぞれ開口しており、各後端部が鼻腔形成部21の開口21aにそれぞれ嵌合される。これにより、鼻腔形成部21は、前方からも鼻口支持部40(鼻孔管部45)に支持固定される。
鼻口支持部40の下面側には、左右の離間した箇所に、下方に突出した2つの凸部41が設けられている。各凸部41は、体内造形部20の口腔形成部22の上壁に設けられた2つの貫通孔22bを介して、上顎歯列構造部50の上面側に上方を向けて設けられた2つの凹部58にそれぞれ挿嵌される。

0029

鼻口支持部40の凸部41及び上顎歯列構造部50の凹部58のいずれか一方には、永久磁石が組み込まれており、他方は鉄などの強磁性体で成形されていてもよい。このようにすれば、凸部41が貫通孔22bを介して凹部58に挿嵌されることで、口腔形成部22の上壁を挟んだ状態で鼻口支持部40と上顎歯列構造部50とを磁力により吸着させることができる。一方で、人力よりも小さい磁力の永久磁石を用いることで、相互に吸着した鼻口支持部40と上顎歯列構造部50とを人力により引き離すことができる。

0030

但し、鼻口支持部40と上顎歯列構造部50とが口腔形成部22の上壁を挟持するための構造は、口腔形成部22を挟んだ状態で鼻口支持部40と上顎歯列構造部50とを適度な強度で連結させかつ何らかの方法で引き離すことができるのであれば、このような例に限定されない。例えば、鼻口支持部40と上顎歯列構造部50とはネジ構造により連結されてもよいし、バネ弾性摩擦力により連結されてもよい。なお、鼻口支持部40と上顎歯列構造部50とは、道具を使うことなく人手で着脱できる構造となっていることが望ましい。

0031

鼻口支持部40のこのような構造により、柔軟性のある鼻腔形成部21及び口腔形成部22を支持固定することができると共に、簡単操作で体内造形部20に対して鼻口支持部40を着脱させることができる。具体的には、鼻孔管部45の後端部を鼻腔形成部21の開口21aから抜き、上顎歯列構造部50を鼻口支持部40から引き離すことで、体内造形部20から鼻口支持部40を外すことができ、逆に、鼻孔管部45の後端部を鼻腔形成部21の開口21aに嵌め込み、上顎歯列構造部50を鼻口支持部40に連結させることで、体内造形部20に鼻口支持部40を装着することができる。

0032

鼻口支持部40は、鼻腔形成部21と口腔形成部22とをしっかりと支持し、かつ、取り扱い性を上げるべく、少なくとも鼻腔形成部21及び口腔形成部22よりも硬い材質で成形されることが好ましい。例えば、鼻口支持部40は、金属やプラスチックなどのような素材で成形される。

0033

また、骨格ベース部との連結を実現する構造として、鼻口支持部40は、体内造形部20の鼻腔形成部21を下支えする領域(鼻腔固定部)を挟んで左右両側に上方を向けて設けられた2つの凹部43(骨格連結部)を有している。
一方で、骨格ベース部として、人体模型2の頭部の上顎付近に前後方向に延設されている上顎支持プレート71が設けられており、その上顎支持プレート71の下面には、左右離間した箇所に、下方に突出した2つの凸部72が設けられている。
上顎支持プレート71の凸部72及び鼻口支持部40の凹部43のいずれか一方には、永久磁石が組み込まれており、他方は鉄などの強磁性体で成形されていてもよい。このようにすれば、凸部72が凹部43に挿嵌されることで、骨格ベース部としての上顎支持プレート71と鼻口支持部40とを磁力により吸着させることができる。人力よりも小さい磁力の永久磁石を用いることで、相互に吸着した上顎支持プレート71と鼻口支持部40とを人力により引き離すことができる。

0034

このような操作を助けるべく、更に、鼻口支持部40の下面側には左右両端に2つの摘み部42が設けられている。摘み部42は、下方に延設されている棒状体である。ユーザは、2つの摘み部42を片手親指中指等とで挟み持つことができるため、体内造形部20に装着された状態の鼻口支持部40を上顎支持プレート71から容易に引き離すことができる。

0035

本実施形態では、鼻口支持部40に骨格ベース部への着脱を可能とする骨格連結部として凹部43が設けられたが、鼻口支持部40と骨格ベース部とを適度な強度で連結させかつ引き離すことができるのであれば、骨格連結部の形態は何ら制限されない。例えば、適度な弾性力を有するプランジャを側面に備えた凸部とそのボールプランジャボール係止可能な係止凹部とのいずれか一方が骨格連結部とされてもよいし、ネジ又はネジ孔が骨格連結部とされてもよい。但し、骨格連結部は、着脱を容易にするためには、道具を使うことなく人手で両者を着脱できる形態であることが望ましい。

0036

骨格ベース部と体内造形部20との連結を実現する構造として、更に、体内造形部20は、背面側に咽頭壁プレート80(図7及び図8参照)への着脱を可能とするプレート連結部29を有している。本実施形態では、プレート連結部29は、体内造形部20の背面側の咽頭形成部23と食道形成部26との境界付近から後方に突設された凸状部材であり、先端にフランジ部3aが設けられている。
咽頭壁プレート80は、上下方向に延設された板状の部材であり、骨格ベース部としての第二頸椎リンク75に連結されている(図7及び図8参照)。咽頭壁プレート80は、その前面で、体内造形部20(咽頭形成部23)の咽頭壁に相当する部位を背面側から支持する。咽頭壁プレート80には、前後方向(厚み方向)に貫通しておりプレート連結部29を挿嵌可能な挿嵌孔が設けられている。挿嵌孔は、上下方向に並び相互に連続する、フランジ部29aを挿嵌可能な大開口部83aと、フランジ部29aの縁部分を係止可能でありプレート連結部29のフランジ部29a以外の部分を挿嵌可能な小開口部83bとからなる。
これにより、プレート連結部29を咽頭壁プレート80の大開口部83aに挿嵌させてから上方にスライドさせることで、プレート連結部29のフランジ部29aの縁部分が小開口部83bに係止され、体内造形部20と咽頭壁プレート80とを連結固定することができる。

0037

但し、体内造形部20に設けられたプレート連結部29の形態は上述のような例に制限されない。例えば、プレート連結部29は面ファスナ又は点ファスナで実現されてもよい。前者の場合、咽頭壁プレート80には挿嵌孔(83a及び83b)の代わりに、プレート連結部29とは異なるタイプの面ファスナが設けられればよい。但し、プレート連結部29は、咽頭壁プレート80と連結されている状態において、その形状が体内造形部20の体内表面に表出しないような形態とされることが望ましい。不自然な体内表面となり、リアルな医療シミュレーションを阻害する要因となり得るからである。本実施形態では、プレート連結部29は咽頭壁プレート80の挿嵌孔(83a及び83b)に嵌め込まれるため、その形状が体内造形部20で形成される体内表面に表出し難くなっている。

0038

このような鼻口支持部40及び体内造形部20により、柔軟性のある体内造形部20を骨格ベース部に対してしっかりと固定させることができると共に、着脱も容易に行うことができる。具体的には、鼻口支持部40を上顎支持プレート71から引き離し、かつ、体内造形部20のプレート連結部29を咽頭壁プレート80から離脱させることで、骨格ベース部から体内造形部20を外すことができ、逆に、鼻口支持部40を上顎支持プレート71に連結させ、かつ、プレート連結部29を咽頭壁プレート80に連結させることで、骨格ベース部に体内造形部20を装着することができる。
なお、体内造形部20の口腔形成部22の下壁は、後述する下顎歯列構造部60と下顎骨部62とにより挟持されている。このため、鼻口支持部40及び体内造形部20を骨格ベース部から外す場合には、下顎歯列構造部60を下顎骨部62から離脱させることも必要となるが、この操作も容易に行うことができる。

0039

更に、体内造形部20の喉頭形成部24には模擬甲状軟骨部33が脱着可能に装着されている。
模擬甲状軟骨部33は、体内造形部20よりも硬い素材で成形された管状の部材である。模擬甲状軟骨部33は、体内造形部20の気管形成部25の下端部から挿嵌し、上方にスライドさせることで喉頭形成部24に装着することができ、逆に、気管形成部25の下端部から外すことができる。

0040

ところで、気管挿管の際に喉頭鏡ブレードを患者の歯に強く当接させ過ぎると、患者の歯が折れたり損傷したりする可能性がある。このような事象は、気管挿管時だけではなく、声帯や喉頭におけるポリープ等の病変を切除する手術時に用いられる喉頭直達鏡(金属製の筒状器具)などでも同様に生じ得る。本実施形態では、上顎歯列構造部50により、このような事象を再現可能としている。
以下、上顎歯列構造部50について図6を用いて詳述する。図6(a)は、上顎歯列構造部50の分解図であり、図6(b)は、歯折れを再現する上顎歯列構造部50を示す図である。
上顎歯列構造部50は、上顎歯列を模した形状を有し、上述したように、体内造形部20の口腔形成部22により形成される口腔部内に配置される。

0041

上顎歯列構造部50は、少なくとも上顎中切歯(いわゆる前歯)を含む前方中央の一部の第一歯列を模した形状を有する可動歯列部52と、残りの第二歯列を模した形状を有し可動歯列部52を揺動可能に支持する固定歯列部51と、可動歯列部52の揺動を制限する揺動制限手段とを有する。
本実施形態では、可動歯列部52で模擬される第一歯列は、上顎中切歯及び上顎側切歯の4本の歯からなる。また、可動歯列部52は、上部に、左右方向に穿設された貫通孔59を有している。一方で、固定歯列部51は、前方中央部(第一歯列の位置)に後方に向けて窪んだ凹部を有しており、その凹部の左右側壁間に支持軸54が架設されている。可動歯列部52は、貫通孔59に固定歯列部51の支持軸54が挿通された状態で、固定歯列部51の凹部に嵌め込まれており、支持軸54により揺動可能に軸支されている。

0042

揺動制限手段は、第二歯列と第一歯列とが上顎歯列の並びを形成する位置で可動歯列部52の回動を制限し、所定の外力の付与によりその制限を解除する。ここでの「所定の外力」は、健常な歯を折る程度の力に設定されることが望ましい。
本実施形態では、この揺動制限手段として、可動歯列部52のボールプランジャ57及び固定歯列部51の係止凹部55及び56が設けられている。具体的には、ボールプランジャ57は、可動歯列部52の左右両側に設けられており、係止凹部55及び56は、ボールプランジャ57のボールを係止する凹部であり固定歯列部51の凹部の左右側壁に設けられている。ボールプランジャ57は、可動歯列部52の左右の各側面から周面の一部が突出した状態でその側面に対して出没自在に保持されたボールと、このボールを常時突出方向に付勢するスプリングとから形成されている。係止凹部55及び56は、ボールプランジャ57のボールの突出方向に窪んでおり、スプリングの弾性力で突出した当該ボールを受け入れ係止する。逆に、係止凹部55及び56によるボールの係止力及びボールプランジャ57のボールの付勢力を超える外力が加わると、当該ボールが可動歯列部52の側面に対して沈み係止凹部55及び56から離脱する。このときの外力が上述の「所定の外力」となるように、ボールプランジャ57の付勢力が設定されることが好ましい。このようにして、ボールプランジャ57並びに係止凹部55及び56は、可動歯列部52の揺動を制限し、かつ、その制限を解除することができる。

0043

本実施形態では、2つの係止凹部55及び56が離間した位置に設けられている。つまり、本実施形態では、揺動制限手段は、2つの位置で可動歯列部52の揺動を制限する。具体的には、係止凹部56は、可動歯列部52のボールプランジャ57のボールを係止した際に第一歯列と第二歯列とが上顎歯列の並びを形成する位置に設けられおり、係止凹部55は、当該ボールを係止した際に第一歯列の先が前方を向く位置に設けられている。これにより、可動歯列部52は、主に、第一歯列と第二歯列とが上顎歯列の並びを形成する位置と第一歯列の先が前方を向く位置との間で揺動可能となる。
但し、揺動制限手段を実現する構造は、本実施形態の例に限定されない。例えば、係止凹部56のみが設けられ、係止凹部55はなくてもよい。また、3つ以上の係止凹部が設けられてもよい。また、ボールプランジャ57の代わりに、ピンプランジャ等の他種のプランジャが利用されてもよい。

0044

本実施形態では、更に、人体模型2が、口を開閉する際の下顎の動き及び気管挿管時の下顎挙上(頸部後屈)の動きをリアルに再現可能に構成されている。
以下、このような人体模型2の動きを再現する構造について主に図7及び図8を用いて説明する。図7は、骨格ベース部及び骨格ベース部に連結される部材の一部を示す斜視図であり、図8は、骨格ベース部及び骨格ベース部に連結される部材の一部を示す側面図である。なお、見て分かるように、図8には、図7に示される構成の更に一部が示されている。

0045

まず、骨格ベース部の主な構成について説明する。骨格ベース部の主な構成として、第一頸椎リンク74、第二頸椎リンク75、及び上顎支持プレート71が設けられている。
上顎支持プレート71は、人体模型2の頭部の骨組みの中心となる部材であり、人体模型2の頭部の上顎付近に前後方向に延設されている。本明細書では、説明の便宜のために、人体模型2の頭部の上顎付近に前後方向に延設されている板状の部材に加えて、その板状の部材に直接的に固設されている部材も合わせて、上顎支持プレート71と表記するものとする。

0046

上顎支持プレート71は、左右方向の中央かつ前後方向の中央より後方寄りで、後述する第二頸椎リンク75により上下方向に揺動可能に支持されている。
また、上顎支持プレート71は、上述したとおり、その下面に、鼻口支持部40の着脱を可能とする2つの凸部72を有しており、鼻口支持部40を介して上顎歯列構造部50を支持している。上顎支持プレート71の上面側には、模擬頭蓋骨9を保持する構造や目の形状を形作る構造が連結されており、下面側には、後述の二枚の下顎連結プレート73が延設されている。

0047

第一頸椎リンク74及び第二頸椎リンク75は、人体模型2の頸部の骨組みの中心となる部材であり、人体模型2の胸部から頭部にかけて上下方向に延設されている。本実施形態では、第一頸椎リンク74及び第二頸椎リンク75はそれぞれ、左右に並ぶ二枚組細幅板状部材で形成されている。第一頸椎リンク74の二枚の板状部材を第二頸椎リンク75の二枚の板状部材で挟む形で配置される。以降、説明の便宜のために、特に必要となる場合を除き、第一頸椎リンク74及び第二頸椎リンク75を形成する二組ずつの板状部材のうちの一方を指し示して第一頸椎リンク74及び第二頸椎リンク75の説明を行うものとする。

0048

第二頸椎リンク75は、下端部で後方に突出した形状を有しており、その突出した端部で基台7に連結されている。第二頸椎リンク75は、上下方向の略中央部で前方に少し湾曲しており、その上端部で上顎支持プレート71と連結している。
第一頸椎リンク74は、二枚の第二頸椎リンク75の間に介在し、下端部で第二頸椎リンク75に対して相対的に上下方向にスライド可能に支持されている。第一頸椎リンク74は、上端部で上顎支持プレート71の後端部の上下方向のスライドをガイドする。第一頸椎リンク74と第二頸椎リンク75と上顎支持プレート71との関係の詳細については後述する。

0049

次に、口を開閉する際の下顎の動きを実現する構造について詳述する。この構造として、骨格ベース部は、下顎骨部62、下顎支持プレート63、及び下顎連結プレート73を有している。
下顎骨部62は、上方から視認される形状が、前方が閉じた略U字状である。下顎骨部62は、上面に、下顎歯列構造部60との連結部となる二つの凸部66を有している。凸部66は、体内造形部20の口腔形成部22の下壁に設けられた貫通孔22cを介して下顎歯列構造部60の下面に設けられた凹部に挿嵌される。これにより、下顎骨部62と下顎歯列構造部60とは、体内造形部20の口腔形成部22の下壁を挟持することができる。

0050

下顎支持プレート63は、下顎骨部62の左右後端部から上方に向けて上顎支持プレート71を超えた位置まで延設された二枚の板状部材である。以下の説明では、説明の便宜のために、特に必要となる場合を除き、二枚の下顎支持プレート63のうちのいずれか一方を対象にして、下顎支持プレート63を説明するものとする。
下顎支持プレート63は、第一揺動軸部64及び第二揺動軸部65を有している。第一揺動軸部64及び第二揺動軸部65は、下顎支持プレート63の延設方向(上下方向)に離間した位置において、左又は右の外側へ向けて突設された、下顎支持プレート63の揺動軸である。本実施形態では、第一揺動軸部64は、下顎支持プレート63の下端から少し上方に設けられており、第二揺動軸部65は、第一揺動軸部64よりも上方かつ上顎支持プレート71よりも下方に設けられている。第一揺動軸部64及び第二揺動軸部65は、下顎支持プレート63よりも左又は右の外側に配置される下顎連結プレート73に係止される。

0051

下顎連結プレート73は、上顎支持プレート71の左右両端部から下方向に延設されている二枚の板状部材である。二枚の下顎連結プレート73は、二枚の下顎支持プレート63の左又は右の外側にそれぞれ隣接して設けられている。以下の説明では、説明の便宜のために、特に必要となる場合を除き、二枚の下顎連結プレート73のうちのいずれか一方を対象にして、下顎連結プレート73を説明するものとする。

0052

下顎連結プレート73は、第一揺動軸部64をスライド可能に係止しかつガイドする第一軸ガイド部73aと、第二揺動軸部65をスライド可能に係止しかつガイドする第二軸ガイド部73bとを有している。本実施形態では、第一軸ガイド部73a及び第二軸ガイド部73bは、第一揺動軸部64又は第二揺動軸部65を挿嵌可能な幅で下顎連結プレート73の厚み方向に貫通された貫通孔である。第一軸ガイド部73aは、第二揺動軸部65を軸にして下顎支持プレート63が揺動する際に第一揺動軸部64のスライドをガイドし、第二軸ガイド部73bは、第一揺動軸部64を軸にして下顎支持プレート63が揺動する際に第二揺動軸部65のスライドをガイドする。
ここで、第二揺動軸部65のスライド距離が第一揺動軸部64のスライド距離よりも長くなるように、第一軸ガイド部73a及び第二軸ガイド部73bが形成されている。本実施形態では、第二軸ガイド部73bのほうが第一軸ガイド部73aよりも下顎連結プレート73の面上において長い孔とされている。

0053

このような下顎支持プレート63及び下顎連結プレート73の作用により、口を開閉する際に人体模型2の下顎骨部62は次のように動作する。
まず、口が閉じている状態、即ち下顎骨部62の先端が上がっている状態の下顎支持プレート63と下顎連結プレート73との位置関係は、図7に示されるとおりである。即ち、第一揺動軸部64が第一軸ガイド部73aの前端の内周面に当接し、第二揺動軸部65が第二軸ガイド部73bの後端の内周面に当接している。

0054

口を開ける際には、第二軸ガイド部73bの後端の内周面で支持されている第二揺動軸部65を軸にして下顎支持プレート63が下方に回転する。これにより、第一揺動軸部64が第一軸ガイド部73a内を後方にスライドする。第一揺動軸部64が第一軸ガイド部73aの後端の内周面へ当接すると、下顎支持プレート63の下方への回転の一段階目が終わる。
更に大きく口を開ける際には、第一軸ガイド部73aの後端の内周面で支持されている第一揺動軸部64を軸にして下顎支持プレート63が更に下方に回転する。これにより、第二揺動軸部65が第二軸ガイド部73b内を前方にスライドする。第二揺動軸部65が第二軸ガイド部73bの前端の内周面へ当接すると、下顎支持プレート63の下方への回転は制限される。

0055

逆に、大きく口を開けた状態から口を閉じる際には、第一軸ガイド部73aの後端の内周面で支持されている第一揺動軸部64を軸にして下顎支持プレート63が上方に回転する。これにより、第二揺動軸部65が第二軸ガイド部73b内を後方にスライドする。第二揺動軸部65が第二軸ガイド部73bの後端の内周面へ当接すると、下顎支持プレート63の上方への回転の一段階目が終わる。
更に口を閉じる際には、第二軸ガイド部73bの後端の内周面で支持されている第二揺動軸部65を軸にして下顎支持プレート63が更に上方に回転する。これにより、第一揺動軸部64が第一軸ガイド部73a内を前方にスライドする。第一揺動軸部64が第一軸ガイド部73aの前端の内周面へ当接すると、下顎支持プレート63の上方への回転は制限される。

0056

このように、本実施形態では、人体模型2の口を開く際には、下顎骨部62は、上方の軸を中心に少し下方に回転することで一段階目の動作を行う。その後、下顎骨部62は、下方に回転した状態の他の軸を中心に当該上方の軸を前方にスライドさせながら更に下方に回転することで、人体模型2の口が更に大きく開くことになる。
つまり、本実施形態によれば、口を開き始めたときは、側頭骨下顎窩くぼみで下顎骨の下顎頭が回転し、更に大きく口を開ける際には、下顎頭がそのくぼみから前に滑り出して回転するという口を開閉する際の実際の人体のの動きに近い動きを再現することができる。

0057

ところで、実際の医療現場では、顎関節などの骨格の違い等により、口の開きが小さい患者が存在する。そこで、本実施形態では、実践に即した高精度の訓練を可能とするべく、人体模型2の口の開きを制限し得る機能が提供されている。
この機能を実現する構成として、骨格ベース部は、下顎支持プレート63の揺動範囲を制限可能な下顎揺動制限部を有している。これにより、下顎支持プレート63の揺動範囲は、第一軸ガイド部73a及び第二軸ガイド部73bによる第一揺動軸部64及び第二揺動軸部65のスライド範囲制限、並びに、下顎搖動制限部により、段階的に制限され得る。

0058

本実施形態では、下顎搖動制限部は、二つの下顎支持プレート63の上端部の間に架設された棒状体67と、棒状体67の移動を制限する係止片68とにより実現されている。
棒状体67は、二つの下顎支持プレート63の上端部の間に架設されており、下顎支持プレート63と一体的に移動する。本実施形態では、棒状体67は、上顎支持プレート71の上方で略前後方向に移動する。
係止片68は、棒状体67の前側に当接することで棒状体67の前方への移動を抑止し得る部材である。本実施形態では、係止片68は、上顎支持プレート71の上面に固設された、模擬頭蓋骨9を保持する構造に設けられており、棒状体67が移動する軌跡中の所定の位置に配置される。
これにより、棒状体67は、係止片68の位置まで前方に移動することが可能となり、結果として、下顎支持プレート63及び下顎骨部62の下方への回転範囲が制限されることになる。即ち、人体模型2の口の開きを制限することができる。

0059

更に、本実施形態では、係止片68の位置が段階的に調整可能とされている。例えば、係止片68のガイドレールと複数の位置決め部材により、係止片68の位置を段階的に調整することができる。これにより、人体模型2の口の開きの限度を段階的に調整することができるため、口の開きの制限程度が異なる様々な患者を再現することができ、ひいては、実践に即した高精度の訓練が可能となる。
但し、下顎揺動制限部の実現形態は、下顎支持プレート63の揺動範囲を限定することができれば、上述の例に限定されない。例えば、棒状体67及び係止片68を設けることなく、二つの下顎支持プレート63の一方又は両方に直接当接してその揺動範囲を制限する部材が下顎搖動制限部として設けられてもよい。また、第二軸ガイド部73bにより実現される第二揺動軸部65のスライド範囲を狭めることができる部材が下顎搖動制限部として設けられてもよい。

0060

また、気管挿管時に喉頭展開するための患者の体位として、スニッフィングポジションと呼ばれる体位がある。その体位では、頸部を軽く後屈させて、下顎を挙上させる。次に、図8を用いて、気管挿管時の下顎挙上(頸部後屈)の動きを実現する構造について詳述する。
この下顎挙上の動きは、主に、第一頸椎リンク74、第二頸椎リンク75及び上顎支持プレート71の関係により実現される。

0061

上顎支持プレート71は、後端部よりも前方で、第二頸椎リンク75により揺動可能に支持されており、左右方向に延在する軸を中心に上下方向に揺動可能とされている。また、上顎支持プレート71は、その後端部が引張コイルバネに連結されているため、その後端部が所定距離を超えて上昇すると、その後端部に下方への引っ張り力が付与されるようになっている。加えて、上顎支持プレート71は、後端部の上下方向のスライド範囲が第一頸椎リンク74のスライド規制部74aで規制されている。

0062

第一頸椎リンク74のスライド規制部74aは、上顎支持プレート71の後端部の上下方向のスライドをガイドしながら、そのスライド範囲を規制している。本実施形態では、スライド規制部74aは、第一頸椎リンク74の上端部に設けられた厚み方向に貫通した長孔であり、上顎支持プレート71の後端部に設けられたスライドピン71aが挿嵌されている。このため、上顎支持プレート71は、第一頸椎リンク74のスライド規制部74aで規定されているスライド範囲で上下方向に揺動可能となっている。

0063

また、第一頸椎リンク74は、第二頸椎リンク75に対して相対的に上下方向にスライド可能に支持されている。本実施形態では、第一頸椎リンク74の下端部に厚み方向に貫通したスライドガイド孔74bが設けられており、スライドピン77aが挿嵌されている。そのスライドピン77aは、二つの第一頸椎リンク74のスライドガイド孔74b及び第一頸椎リンク74を挟んで左右両外側に隣接する二つの第二頸椎リンク75のスライドガイド孔、並びに第二頸椎リンク75を挟んで左右両外側に隣接するスライダ77の貫通孔に挿通されている。つまり、スライドピン77aが第一頸椎リンク74のスライドガイド孔74b内のスライド可能な範囲で第一頸椎リンク74は上下方向にスライド可能となっている。

0064

このような構成により、上顎支持プレート71は、第一頸椎リンク74のスライド規制部74aで規定されているスライド範囲で上下方向に揺動可能となっており、更に、第二頸椎リンク75に対する第一頸椎リンク74の下方へのスライドによって、上顎支持プレート71の後端部の下方へのスライド範囲が大きくなる。結果、人体模型2の下顎を挙上させることができる。

0065

ところで、実際の医療現場では、頸椎などの骨格の違い等により、頸部の後屈、即ち下顎挙上が困難な患者が存在する。そこで、本実施形態では、実践に即した高精度の訓練を可能とするべく、人体模型2の下顎挙上の動きを制限し得る機能が提供されている。
この機能を実現する構成として、骨格ベース部は、第一頸椎リンク74の上下方向のスライド範囲を制限可能な頸椎スライド制限部を有している。この頸椎スライド制限部により第一頸椎リンク74の下方向へのスライド距離が制限されると、上顎支持プレート71の後端部(スライドピン71a)の下方へのスライド距離が制限されることになり、結果として、下顎骨部62の先端の上方への回転角度を制限することができる。

0066

本実施形態では、この頸椎スライド制限部として、スライダ77、スライダ調整ピン77b、第二頸椎リンク75の位置決め孔78a、78b、78c又は78dが設けられている。
スライダ77は、第一頸椎リンク74の下方向へのスライド距離を段階的に調整可能とする。具体的には、スライダ77は、スライドピン77aが第一頸椎リンク74のスライドガイド孔74bでスライドできる範囲で第二頸椎リンク75に沿ってスライド可能に形成されている。つまり、スライダ77は、二つの第二頸椎リンク75を左右両外側から挟んだ形状を有しており、第二頸椎リンク75に沿って上下方向にスライド可能とされている。加えて、スライダ77は、第二頸椎リンク75の位置決め孔78a、78b、78c又は78dに挿嵌可能なスライダ調整ピン77bを備えている。第二頸椎リンク75の位置決め孔78a、78b、78c及び78dは、上下方向に所定間隔で離間して設けられている。

0067

ユーザは、スライダ77を上下方向にスライドさせ、スライダ調整ピン77bを位置決め孔78a、78b、78c又は78dのいずれか一つに挿嵌することで、スライダ77の上下方向の位置を決める。これに伴い、スライドピン77aの位置が決まるため、結果として、第一頸椎リンク74の下方向へのスライドの限界が決まる。スライドガイド孔74bの上端の内周面がスライドピン77aに当接することで、第一頸椎リンク74がそれ以上、下方へスライドできなくなるからである。つまり、スライダ調整ピン77bが位置決め孔78dに挿嵌された際には、スライドピン77aが最も上の位置で保持されるため、第一頸椎リンク74の下方向へのスライド範囲が最も短くなり、ひいては、下顎挙上の限度が小さくなる。逆に、スライダ調整ピン77bが位置決め孔78a(図8の状態)に挿嵌された際には、スライドピン77aが最も下の位置で保持されるため、第一頸椎リンク74の下方向へのスライド範囲が最も長くなり、ひいては、下顎挙上の限度が大きくなる。

0068

このように、本実施形態によれば、顎関節や頸椎などの骨格の違いによる患者ごとの口の開きの違いや下顎挙上の程度の違いを再現することができるため、実際の医療現場に即した高精度の医療手技訓練が可能となる。

0069

また、本実施形態では、体内造形部20に模擬肺部13と共に連結されている模擬気管支部12(図2参照)を気管支鏡手技の訓練に用いられる模擬気管支部120に容易に交換可能とされている。このような構造について図7及び図9を用いて説明する。図9は、模擬気管支部120と骨格ベース部との分解図である。

0070

骨格ベース部には、模擬気管支部12(図2参照)又は模擬気管支部120をそれらの左右両側で着脱自在に支持する一対の気管支支持部18が設けられている。一対の気管支支持部18は、前方に向かって立設されたプレート部材によりそれぞれ形成されており、互いの対向面間に模擬気管支部12又は模擬気管支部120を差し挟むことができるように、互いに向かい合って並設されている。
一対の気管支支持部18は、気管支係止孔18aをそれぞれ有している。各気管支係止孔18aは、それらの上端面の下方から後方に向けて設けられた切り込み部と、その切り込み部の後端部から気管支支持部18の上端面と平行に上方向に延設されたガイド孔部とが連通してなる。

0071

一方で、模擬気管支部120は、気管及び気管支を模した形状を有しており、基端側開口121から気管支の先端まで中空とされている。そして、体内造形部20の気管形成部25の端部の開口25aに模擬気管支部120の基端側開口端部が嵌挿されることで、体内造形部20と模擬気管支部120とが連結される。即ち、模擬気管支部120は、体内造形部20の開口端部に嵌挿される基端側開口端部及びその基端側開口端部の開口(基端側開口121)から連通する中空部を有するということができる。
これにより、気管支鏡が基端開口部121から挿入されて模擬気管支部120内で操作可能となり、気管支鏡手技の訓練が可能とされている。また、図示されていないが、模擬気管支部120の気管支先端にも開口が設けられてもよい。

0072

ここで、模擬気管支部120の基端側開口端部において、その端縁に位置し基端側開口121を形成する周壁の外周がその端縁よりも先端寄りの周壁の外周よりも半径方向外側に突出している。このような模擬気管支部120の基端側開口端部の突出部が体内造形部20の内周面に引っ掛かることで、模擬気管支部120から体内造形部20が意図せず離脱することを防いでいる。
更に、基端側開口121の面積が中空部の断面積よりも大きくなるように、模擬気管支部120の基端側開口端部の周壁の内周が形成されている。言い換えれば、模擬気管支部120の基端側開口端部の周壁の内周が、端縁位置のほうがその位置より先端寄りの位置に比べて大きくなるように、形成されている。これにより、体内造形部20と模擬気管支部120との連結部の内周面のギャップを小さくすることができ、気管支鏡が挿入された場合のその連結部における違和感を低減することができる。

0073

また、模擬気管支部120の基端側開口端部には、その外周表面から半径方向の外側に向けて、相互に逆方向にそれぞれ突出する一対の係止凸部122が設けられている。
この一対の係止凸部122が、上述した一対の気管支支持部18の気管支係止孔18aにそれぞれ挿入されることで、模擬気管支部120が一対の気管支支持部18に係止され、模擬気管支部120を骨格ベース部に対して着脱可能に装着することができる。具体的には、各係止凸部122が、気管支係止孔18aの切り込み部から差し込まれて、そのガイド孔部に沿って上方向にスライドされることで、各気管支係止孔18aに模擬気管支部120の各係止凸部122が係止される。逆に、取り外す場合には、模擬気管支部120の各係止凸部122を各気管支支持部18の気管支係止孔18aのガイド孔部に沿って下方向にスライドさせ、その切り込み部から離脱させることができる。

0074

更に、図9に示されるように、本実施形態では、模擬気管支部120を骨格ベース部に対して安定的に固定させるために、気管支取付部130が更に設けられている。気管支取付部130は、骨格ベース部に対して着脱自在とされており、模擬肺部13、模擬気管支部12等を支持する胸プレート17(図7参照)と交換利用される。
気管支取付部130は、模擬気管支部120を載置する平面部131と、その平面部131の裏面側で骨格ベース部と連結するベース連結部133と、平面部131上に載置された模擬気管支部120を固定する固定ベルト132とを有している。

0075

本実施形態では、ベース連結部133は、ネジと、平面部131側からそのネジを挿通させる挿通穴とで実現されている。そのネジが挿通孔に挿通されて、骨格ベース部に設けられたネジ穴螺合することで、気管支取付部130が骨格ベース部に連結される。但し、ベース連結部133は、気管支取付部130を骨格ベース部に固定させることができるのであれば、このようなネジを用いた手法ではなく、公知の他の手法を用いて実現されてもよい。
固定ベルト132は、図9に示されるように、模擬気管支部120の管状の外周面に巻き掛けられることで、平面部131上に模擬気管支部120を着脱可能に固定させることができる。本実施形態では、固定ベルト132は、例えば、面ファスナで相互に連結及び離脱が自在にされる二つのベルト体により形成されるが、模擬気管支部120の外周面に巻き掛けて、平面部131上に模擬気管支部120を固定させることができれば、その具体的形態は限定されない。

0076

図7及び図9に示される例では、気管支取付部130が骨格ベース部に着脱可能とされているが、気管支取付部130は骨格ベース部に固定的に設けられていてもよい。この場合には、ベース連結部133は省かれてもよく、骨格ベース部は、平面部131と、平面部131上に載置された模擬気管支部120を固定する固定ベルト132と、互いに向かい合って並設されており気管支係止孔18aをそれぞれ有する一対の気管支支持部18とを有するということができる。そして、模擬気管支部120は、一対の気管支支持部18の間に挟まれた状態で、一対の係止凸部122が一対の気管支支持部18の気管支係止孔18aに挿入され、かつ、固定ベルト132が巻き掛けられることで、骨格ベース部に対して着脱可能に装着されるということもできる。

0077

このような構造により、気管支鏡を挿入可能な中空部を有し複雑な三次元形状を有する模擬気管支部120を骨格ベース部に対して着脱可能に装着することができ、気管支鏡の手技を適切に訓練することができる。

0078

[変形例]
上述の実施形態は、医療シミュレータ1の一例である。医療シミュレータ1は、上述の構成のみに限定されるわけではなく、上述の少なくとも一部の構成を有していれば、部分的に適宜変形されてもよい。

0079

例えば、医療シミュレータ1は、少なくとも鼻又は口から行われる医療手技の訓練を可能とするべく、少なくとも、人体の少なくとも頭部から頸部にかけての形状の基礎となる骨格ベース部と、骨格ベース部に対して着脱可能であって、鼻腔、口腔、咽頭及び喉頭を含む中空の体内器官を模した形状を持ち、柔軟性材料を用いて一体成形されている体内造形部20とを有していればよい。即ち、体内造形部20は、気管形成部25及び食道形成部26を有していなくてもよい。同様に、医療シミュレータ1は、模擬気管支部12、模擬肺部13、胃連結チューブの上端部14及び模擬胃部15を有していなくてもよい。また、医療シミュレータ1は、下顎のリアルな動きを再現する構成や、口の開きの違いや下顎挙上の程度の違いを再現する構成を有していなくてもよい。また、繰り返しになるが、体内造形部20を骨格ベース部に対して着脱可能とする構成についても、上述の例に限定されないため、鼻口支持部40が設けられなくてもよい。
医療シミュレータ1は、上述のような最低限の構成を有してれば、体内造形部20で模擬される体内気管に不自然な繋ぎ目などがないため、実践に即した高精度の訓練を行うことができる。

0080

また、体内造形部20が一体成形されていない構成が採用されてもよい。この場合、例えば、人体の少なくとも頭部から頸部にかけての形状の基礎となる骨格ベース部と、柔軟性を有する体内造形部とに対して、着脱可能な鼻口支持部40が設けられていればよい。これにより、複数種の体内造形部20を入れ替え容易になるため、様々な患者の体内気管に対して訓練可能となり、実践に即した高精度の訓練を行うことができる。

0081

更に言えば、医療シミュレータ1は、体内造形部20を有していなくてもよい。この場合、例えば、医療シミュレータ1は、少なくとも人体頭部の外形を模した人体模型2を有しており、人体模型2の骨格ベース部は、少なくとも、下顎骨部62、下顎支持プレート63、及び下顎連結プレート73を有してればよい。これによっても、人の口の開きをリアルに再現する人体模型2を用いて、高精度な医療手技訓練を行うことができる。他の例としては、医療シミュレータ1は、少なくとも頭部から頸部にかけての人体外形を模した人体模型2を有しており、人体模型2の骨格ベース部は、少なくとも、第一頸椎リンク74、第二頸椎リンク75及び上顎支持プレート71を有していればよい。これによっても、人の下顎挙上の動き(頸部後屈)をリアルに再現することができる。また、医療シミュレータ1は、少なくとも人体口腔内を模した人体模型2を有しており、人体模型2が少なくとも歯折れを再現可能な上顎歯列構造部50を有していてもよい。

0082

また、上述の実施形態では、口を開閉する際の下顎の動きがリアルに再現されていたが、下顎挙上を更に再現することもできる。
下顎挙上は、気道確保時や気管挿管時などに行われる手技であって、下顎を上顎よりも前方に押し出す手技であり、下顎挙上法と呼ばれる方法が存在する。
下顎挙上を更に再現するべく、下顎連結プレート73は、図10に示されるように変形させてもよい。図10(a)、図10(b)及び図10(c)は、下顎連結プレート73の変形例を示す図であり、図10(a)及び図10(b)は口を開閉する際の下顎の動きの再現を示す模式図であり、図10(c)は、下顎挙上の再現を示す模式図である。

0083

図10(a)、図10(b)及び図10(c)に示されるように、本変形例における下顎連結プレート73は、上述の実施形態とは異なる形状を有する。本変形例においても、左右の下顎連結プレート73は、左側から見た場合又は右から見た場合(図10は右側から見た側面図)にそれぞれ同一形状を有していればよいため、以下の説明では、左右いずれか一方の下顎連結プレート73を対象に、上述の実施形態とは異なる内容を中心に説明するものとする。

0084

具体的には、下顎連結プレート73は、上述の実施形態と同様の第二軸ガイド部73bを有しているが、第一軸ガイド部73aを有していない。下顎連結プレート73は、第一軸ガイド部73aに替えて、第一揺動軸部64による所定位置から後方へのスライドを規制する第一軸規制片73cを有している。但し、第一軸ガイド部73aの後方の内周面は、第一揺動軸部64をその位置から後方へのスライドを規制しているため、第一軸ガイド部73aも第一軸規制片73cと同一の機能を含むと言える。しかしながら、第一軸規制片73cは、第一軸ガイド部73aの下方の内周面及び前方の内周面に相当する構成を有しておらず、第一揺動軸部64を係止する機能及び或る位置から前方へのスライドを規制する機能を有していないと言える。

0085

具体的には、第一軸規制片73cは、下顎連結プレート73の外縁の下方の一部(下端外縁)を形成する突起片であり、第一揺動軸部64の後方側面に当接して第一揺動軸部64の後方へのスライドを規制する前方端面を有している。
一方で、下顎連結プレート73における第一軸規制片73cの前方端面から連なる前方の外縁は、外側前方に向かって凸状に緩やかに湾曲しながら前方上方に向かって続いている。即ち、下顎連結プレート73における第一軸規制片73cよりも前方の外縁には、第一揺動軸部64の前方へのスライドを妨げる部分は設けられていない。
これにより、図10(c)に示されるように、第二軸ガイド部73bで制限される第二揺動軸部65のスライド範囲まで下顎支持プレート63全体を前方にスライド可能となり、かつ、下顎支持プレート63の下方の前方へのスライドは規制されていないため、上述の本実施形態の構成に比べて下顎骨部62をより前方に押し出すことが可能となる。
従って、本変形例によれば、下顎挙上をリアルに再現することができる。

0086

本変形例では、下顎連結プレート73の外縁の一部を形成する第一軸規制片73cにより第一揺動軸部64の後方へのスライドが規制されたが、他の構造により、第一揺動軸部64の所定位置から後方へのスライドを規制しつつその所定位置より前方へのスライドを妨げないようにしてもよい。例えば、第一軸規制片73cのような形状ではなく、上述の本実施形態における第一軸ガイド部73aのような下顎連結プレート73の貫通孔により、第一軸規制片73cと同様の作用効果を得ることもできる。この場合、その貫通孔は、後方の穴形状を第一軸ガイド部73aと同形状とし、前方の孔形状を第一揺動軸部64が前方へスライドし得る範囲では第一揺動軸部64にその内周面が当接しないような形状とすればよい。

0087

このため、左右の各下顎連結プレート73は、挿入された第二揺動軸部65を所定範囲内でスライド可能にガイドする第二軸ガイド部73bと、第二揺動軸部65よりも下方に配置された第一揺動軸部64による所定位置から後方へのスライドを規制しつつその所定位置より前方への可能なスライドを妨げない第一軸規制部とをそれぞれ含めばよいということができる。
ここでの「所定位置より前方への可能なスライドを妨げない」とは、第一揺動軸部64の前方へのスライドを第一軸規制部のみでは妨げないことを意味し、第一軸規制部以外の構成で第一揺動軸部64が前方へスライドし得る範囲が制限されている場合にはその範囲では第一軸規制部が前方へのスライドを妨げないことを意味する。

0088

更に言えば、本変形例では、第一軸規制片73cの前方端面は、第一揺動軸部64の側周面の一部に沿って凹形状(後方凸状)に湾曲している。これにより、図10(a)に示されるように、第一揺動軸部64が第一軸規制片73cを超えて後方へスライドするのを規制しながら、第一揺動軸部64を第一軸規制片73cの前方端面で係止して、第一揺動軸部64を軸にした下顎支持プレート63のスムーズな揺動を可能とすることができる。

0089

ここで、図10(a)は、一段階目の口の開閉動作を示しており、第二揺動軸部65が第二軸ガイド部73bの後方の内周面に当接して支持されている状態で、第二揺動軸部65を軸にして下顎支持プレート63が上下方向に(紙面反時計回りに)回動する動きが示されている。
図10(b)は、二段階目の口の開閉動作を示しており、第一揺動軸部64が第一軸規制片73cの前方端面に当接している状態で、第一揺動軸部64を軸にして下顎支持プレート63が上下方向に(紙面反時計回りに)回動する動きが示されている。これにより、図10(b)では、図10(a)より更に大きく口が開かれ、そこから口が閉じられる動きとなる。
図10(c)は、上述したとおり、下顎拳上の動きを示しており、第二揺動軸部65が第二軸ガイド部73bに沿って前方にスライドすると共に、第一揺動軸部64も前方に移動している。

0090

また、顎関節では、口を大きく開く際に下顎頭が前方に移動する。この下顎頭の動きをリアルに再現するために、第二軸ガイド部73bの孔形状を変形させてもよい。例えば、第二軸ガイド部73bの上方中央の内周面を下方に向かって凸形状に緩やかに湾曲させると共に、それに対向する下方中央の内周面も凹形状に(下方に向かって凸形状に)緩やかに湾曲させることで、上述のような下顎頭の動きを再現することができる。

0091

上述した各実施形態の内容は、次のように特定することもできる。
(付記1)少なくとも鼻又は口から行われる医療手技の訓練を可能とする医療シミュレータにおいて、
人体の少なくとも頭部から頸部にかけての形状の基礎となる骨格ベース部と、
前記骨格ベース部に対して着脱可能であって、鼻腔、口腔、咽頭及び喉頭を含む中空の体内器官を模した形状を持ち、柔軟性を有する体内造形部と、
前記体内造形部及び前記骨格ベース部に対して着脱可能な鼻口支持部と、
を備え、
前記体内造形部における鼻腔形成部及び口腔形成部は、相互に分離しており、
前記鼻口支持部は、前記鼻腔形成部及び前記口腔形成部よりも硬い材質で成形されており、前記体内造形部に装着されている状態において、前記鼻腔形成部と前記口腔形成部との間隙に介在して前記鼻腔形成部を支持すると共に、前記口腔形成部の口腔側に配置される上歯列構造部と前記口腔形成部の上壁を挟持する、
医療シミュレータ。
(付記2)少なくとも人体頭部の外形を模した医療シミュレータにおいて、
下顎骨部と、
前記下顎骨部の左右後端部から上方に向けてそれぞれ延設された二枚の下顎支持プレートと、
左右頬部に相当する部位に上下方向に延在する二枚の下顎連結プレートと、
を備え、
前記各下顎支持プレートは、各下顎支持プレートの延設方向に離間した位置に配置されており、左右方向を軸方向とする第一揺動軸部及び第二揺動軸部をそれぞれ含み、
前記各下顎連結プレートは、前記第二揺動軸部を軸にして下顎支持プレートが揺動する際に前記第一揺動軸部のスライドをガイドする第一軸ガイド部と、前記第一揺動軸部を中心に下顎支持プレートが揺動する際に前記第二揺動軸部のスライドをガイドする第二軸ガイド部とをそれぞれ含む、
医療シミュレータ。
(付記3)少なくとも頭部から頸部にかけての人体外形を模した医療シミュレータにおいて、
少なくとも頸部において上下方向に延設されている第一頸椎リンク部及び第二頸椎リンク部と、
頭部において前後方向に延設されている上顎支持プレートと、
を備え、
前記第二頸椎リンクは、前記上顎支持プレートを揺動可能に支持し、
前記第一頸椎リンクは、前記第二頸椎リンクに対して相対的に上下方向にスライド可能に支持されていると共に、前記上顎支持プレートの後端部の上下方向のスライドをガイドしかつ該スライドの範囲を規制するスライド規制部を含む、
医療シミュレータ。
(付記4)少なくとも人体口腔内を模した医療シミュレータにおいて、
模擬口腔内に配置され、上顎歯列を模した形状を有する上顎歯列構造部
を備え、
前記上顎歯列構造部は、少なくとも上顎中切歯を含む前方中央の一部の第一歯列を模した形状を有する可動歯列部と、残りの第二歯列を模した形状を有し該可動歯列部を揺動可能に支持する固定歯列部と、前記第二歯列と前記第一歯列とが上顎歯列の並びを形成する位置で前記可動歯列部の揺動を制限し所定の外力の付与により該制限を解除する揺動制限手段とを含む、
医療シミュレータ。

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