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技術 光学ガラス、光学ガラスからなる光学素子、光学系、交換レンズ及び光学装置

出願人 株式会社ニコン
発明者 吉本幸平上田基山本博史川嶋辰典
出願日 2018年4月9日 (2年10ヶ月経過) 出願番号 2019-542977
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 WO2019-058617
状態 未査定
技術分野 ガラス組成物(第三版) 光学要素・レンズ
主要キーワード 基準材 群速度分散補償 ガス流量調節器 ガラス形成能 不均一核生成 電子質量 ハロゲン化物ガラス 網目形成酸化物
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題・解決手段

カチオンモル%表示で、La3+、Y3+、及びGd3+成分の総量が5〜65%、Zr4+、Hf4+、及びTa5+成分の総量が5〜65%、かつ下記式(1)で表される関係を満たす、光学ガラス。 (La3++Y3++Gd3+)×(Zr4++Hf4++Ta5+)≧400 ・・・(1)

概要

背景

光学ガラスは、様々な光学素子光学装置に用いられており、例えば、特許文献1には紫外から赤外領域に用いられるハロゲン化物ガラスが開示されている。光学装置に用いられる光学系の設計の自由度を広げるために、高い屈折率を有する光学ガラスの開発が求められている。しかしながら、光学ガラスの屈折率が高くなるように組成を調整すると、ガラス化が困難な傾向にあった。

概要

カチオンモル%表示で、La3+、Y3+、及びGd3+成分の総量が5〜65%、Zr4+、Hf4+、及びTa5+成分の総量が5〜65%、かつ下記式(1)で表される関係を満たす、光学ガラス。 (La3++Y3++Gd3+)×(Zr4++Hf4++Ta5+)≧400 ・・・(1)

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

カチオンモル%表示で、La3+、Y3+、及びGd3+成分の総量が5〜65%、Zr4+、Hf4+、及びTa5+成分の総量が5〜65%、かつ下記式(1)で表される関係を満たす、光学ガラス。(La3++Y3++Gd3+)×(Zr4++Hf4++Ta5+)≧400(%)2・・・(1)

請求項2

さらに、Ga3+、Al3+、Si4+、B3+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ti4+、Nb5+、及びW6+からなる群より選ばれる少なくとも1つの成分を含有する、請求項1に記載の光学ガラス。

請求項3

さらに、カチオンのモル%表示で、Ga3+成分が0〜60%、Al3+成分が0〜20%、Si4+成分が0〜30%、B3+成分が0〜10%、である、請求項1又は2に記載の光学ガラス。

請求項4

さらに、カチオンのモル%表示で、Ti4+成分が0〜20%、Nb5+成分が0〜20%、W6+成分が0〜10%、R2+(R=Mg、Ca、Sr、及びBaからなる群より選ばれるいずれか1種以上を表す。)成分が0〜10%、である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学ガラス。

請求項5

さらに、カチオンのモル%表示で、B3+成分とSi4+成分の総量が0%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学ガラス。

請求項6

d線における屈折率(nd)が1.93〜2.15である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学ガラス。

請求項7

アッベ数(νd)が、25〜40である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学ガラス。

請求項8

nd−0.01023νd+2.2988が0.02以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学ガラス。

請求項9

請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学ガラスからなる光学素子

請求項10

請求項9に記載の光学素子を用いた光学系。

請求項11

請求項10に記載の光学系を備える交換レンズ

請求項12

請求項10に記載の光学系を備える光学装置

技術分野

0001

本発明は、光学ガラス、光学ガラスからなる光学素子光学系、交換レンズ及び光学装置に関する。本発明は2017年9月21日に出願された日本国特許の出願番号2017-181028の優先権を主張し、文献の参照による織り込みが認められる指定国については、その出願に記載された内容は参照により本出願に織り込まれる。

背景技術

0002

光学ガラスは、様々な光学素子や光学装置に用いられており、例えば、特許文献1には紫外から赤外領域に用いられるハロゲン化物ガラスが開示されている。光学装置に用いられる光学系の設計の自由度を広げるために、高い屈折率を有する光学ガラスの開発が求められている。しかしながら、光学ガラスの屈折率が高くなるように組成を調整すると、ガラス化が困難な傾向にあった。

先行技術

0003

特開平07−081973号公報

0004

本発明の第一の態様は、カチオンモル%表示で、La3+、Y3+、及びGd3+成分の総量が5〜65%、Zr4+、Hf4+、及びTa5+成分の総量が5〜65%、かつ下記式(1)で表される関係を満たす、光学ガラスである。
(La3++Y3++Gd3+)×(Zr4++Hf4++Ta5+)≧400(%)2 ・・・(1)

0005

本発明の第二の態様は、第一の態様の光学ガラスからなる光学素子である。

0006

本発明の第三の態様は、第二の態様の光学素子を用いた光学系である。

0007

本発明の第四の態様は、第三の態様の光学系を備える交換レンズである。

0008

本発明の第五の態様は、第二の態様の光学素子を備える光学装置である。

図面の簡単な説明

0009

本実施形態に係る光学ガラスを用いた光学素子を備える多光子顕微鏡の構成の例を示すブロック図である。
本実施形態に係る光学ガラスを用いた光学素子を備える撮像装置の斜視図である。
ガスジェット式の浮遊炉の全体構成の模式図を示す図である。
ガスジェット式の浮遊炉のステージ上の台座の拡大模式図を示す図である。

0010

以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。

0011

本実施形態における光学ガラスの成分組成及び物性等について、以下に説明する。なお、本明細書中において、特に断らない場合は、各成分の含有量は全てカチオンのモル%表示であるものとする。

0012

<光学ガラス>
本実施形態に係る光学ガラスは、カチオンのモル%表示で、La3+、Y3+、及びGd3+成分の総量が5〜65%、Zr4+、Hf4+、及びTa5+成分の総量が5〜65%、かつ下記式(1)で表される関係を満たす、光学ガラスである。
(La3++Y3++Gd3+)×(Zr4++Hf4++Ta5+)≧400(%)2 ・・・(1)

0013

各カチオンの態様は特に限定されないが、例えば、後述する酸化物の態様で光学ガラスに含有される。本実施形態に係る光学ガラスは、SiO2やB2O3等の網目形成酸化物を構成するカチオンの含有量が低くともガラス化することができる、新規な光学ガラスである。さらには、高い屈折率と屈折率の波長依存性が低い光学ガラスとすることができる。一般に、光学ガラスに関しては、高屈折率と低い分散(屈折率の波長依存性)とを両立させることは困難であり、両者はトレードオフの傾向に陥りやすいという問題がある。このようなことから、高屈折率かつ低分散性である光学ガラスを実現することも困難であった。この点、本実施形態に係る光学ガラスは、上述した成分組成を有することでこのような特性を付与することができる。

0014

希土類成分であるLa3+、Y3+、Gd3+は、低分散性を損なわずに屈折率を高めることができる成分であり、例えば、酸化物換算組成ではそれぞれLa2O3、Y2O3、Gd2O3として含まれる。La3+、Y3+、及びGd3+の総量(La3++Y3++Gd3+)が少ないと上述した効果が十分でなく、この総量が65%を超えるとガラス失透しやすくなる。このような観点から、La3++Y3++Gd3+は5〜65%であり、好ましくは30〜60%であり、より好ましくは40〜55%である。

0015

La3+は、例えば、酸化物換算組成ではLa2O3として含まれる成分である。La3+は、低分散性を損なわずに屈折率を高める効果を有し、また、ガラスの耐失透性を維持することができる。このような観点から、その含有量は、好ましくは0〜65%であり、より好ましくは20〜60%であり、更に好ましくは30〜55%である。

0016

Y3+は、例えば、酸化物換算組成ではY2O3として含まれる成分である。Y3+は、低分散性を損なわずに屈折率を高めることができる成分であり、特にLa3+とガラス中に共存させることで耐失透性を一層向上させることができる。このような観点から、その含有量は、好ましくは0〜10%であり、より好ましくは0〜7%であり、更に好ましくは0〜5%である。そして、La3+とY3+を、ともに含有することが好ましい。

0017

Gd3+は、例えば、酸化物換算組成ではGd2O3として含まれる成分である。Gd3+は、低分散性を損なわずに屈折率を高めることができる成分であり、特にLa3+とガラス中に共存させることでガラスの耐失透性を一層高めることができる。このような観点から、その含有量は、好ましくは0〜20%であり、より好ましくは0〜15%であり、更に好ましくは0〜10%である。そして、La3+とGd3+を、ともに含有することが好ましい。

0018

遷移金属成分であるZr4+、Hf4+、Ta5+は、上述した希土類成分と同様に低分散性を大きく損なわずにガラスの屈折率を高める効果を有する成分であるが、希土類成分より屈折率を高める効果が更に大きい。Zr4+、Hf4+、Ta5+は、例えば酸化物換算組成では、それぞれZrO2、HfO2、Ta2O5として含まれる。Zr4+、Hf4+、Ta5+の総量(Zr4++Hf4++Ta5+)が少ないと上述した効果が十分でなく、これらの総量が60%を超えるとガラスが失透しやすくなる。このような観点から、(Zr4++Hf4++Ta5+)は、5〜65%であり、好ましくは20〜60%であり、より好ましくは30〜60%である。

0019

Zr4+は、例えば、酸化物換算組成ではZrO2として含まれる成分である。Zr4+は、低分散性を維持しつつガラスの屈折率を高める効果を有する。屈折率とガラスの耐失透性の観点から、その含有量は、好ましくは0〜15%であり、より好ましくは0〜10%であり、更に好ましくは0〜8%である。

0020

Hf4+は、例えば、酸化物換算組成ではHfO2として含まれる成分である。Hf4+は、低分散性を維持しつつガラスの屈折率を高める効果を有する。屈折率とガラスの耐失透性の観点から、その含有量は、好ましくは0〜10%であり、より好ましくは0〜7%であり、更に好ましくは0〜5%である。

0021

Ta5+は、例えば、酸化物換算組成ではTa2O5として含まれる成分である。Ta5+は、低分散性を維持しつつガラスの屈折率を高める効果や、ガラスの耐失透性を高める効果を有する。このような観点から、この含有量は、好ましくは5〜65%であり、より好ましくは10〜50%であり、更に好ましくは15〜40%である。

0022

本実施形態に係る光学ガラスは、下記式(1)で表される関係を満たす。上述した希土類酸化物に加えて、Zr4+、Hf4+、Ta5+といった特定の遷移金属成分を式(1)で表される関係を満たすよう配合することで、高屈折率と低分散性を高いレベルで両立させることができる。
(La3++Y3++Gd3+)×(Zr4++Hf4++Ta5+)≧400(%)2 ・・・(1)

0023

さらに、式(1)は、下記式(1a)を満たすことが好ましく、下記式(1b)を満たすことがより好ましい。かかる条件を満たすことで、希土類成分や遷移金属成分をいずれか一方のみを含有した光学ガラスと比べても、高屈折率と低分散性の両方を一層高いレベルで両立させることができる。
(La3++Y3++Gd3+)×(Zr4++Hf4++Ta5+)≧800(%)2 ・・・(1a)
(La3++Y3++Gd3+)×(Zr4++Hf4++Ta5+)≧1200(%)2 ・・・(1b)

0024

式(1)の上限値については、特に限定されないが、ガラスの耐失透性を維持する観点から2400(%)2以下であることが好ましく(下記式(1c参照)、2000(%)2以下であることがより好ましい(下記式1d参照)。
2400(%)2≧(La3++Y3++Gd3+)×(Zr4++Hf4++Ta5+)≧400(%)2 ・・・(1c)
2000(%)2≧(La3++Y3++Gd3+)×(Zr4++Hf4++Ta5+)≧400(%)2 ・・・(1d)

0025

本実施形態に係る光学ガラスは、さらに、Ga3+、Al3+、Si4+、B3+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ti4+、Nb5+、及びW6+からなる群より選ばれる少なくとも1つの成分を含有することが好ましい。これらは1種のみならず2種以上を用いてもよい。各カチオンの態様は特に限定されないが、例えば、後述する酸化物の態様として光学ガラスに含有することができる。このような成分を更に含有することで、光学ガラス製造時におけるガラス形成能を向上させることができる。

0026

Ga3+は、例えば、酸化物換算組成ではGa2O3として含まれる成分である。Ga3+は、高屈折率と低分散の維持しつつ、ガラスの安定性を一層高めることができる。このような効果や、希土類成分や遷移金属成分の含有量との観点から、その含有量は、好ましくは0〜60%であり、より好ましくは0超〜30%(0%を超えて30%以下)であり、更に好ましくは0超〜15%(0%を超えて15%以下)である。

0027

Al3+は、例えば、酸化物換算組成ではAl2O3として含まれる成分である。Al3+は、ガラスの安定性や紫外透過率を向上させることができる。このような効果と屈折率との観点から、その含有量は、好ましくは0〜20%であり、より好ましくは0〜10%であり、更に好ましくは0〜5%であり、より更に好ましくは0%である。

0028

Si4+は、例えば、酸化物換算組成ではSiO2として含まれ、網目形成酸化物を構成する成分である。Si4+は、ガラス形成能を向上させやすくすることができる。このような効果と屈折率との観点から、その含有量は、好ましくは0〜30%であり、より好ましくは0〜20%であり、更に好ましくは0〜10%であり、より更に好ましくは0%である。本実施形態に係る光学ガラスは、網目形成酸化物を構成するSi4+の含有量を低減してもガラス化が可能であり、優れた物性を付与することができる。

0029

B3+は、例えば、酸化物換算組成ではB2O3として含まれ、網目形成酸化物を構成する成分である。B3+は、ガラス形成能を向上させやすくすることができる。その一方で、B3+は、揮発性が高い成分であるため、過剰に導入するとガラスの組成変動を招き、脈理品質を悪化させることがある。また、過剰に導入すると屈折率が低下することがある。このような観点から、その含有量は、好ましくは0〜10%であり、より好ましくは0〜5%であり、更に好ましくは0〜3%であり、より更に好ましくは0%である。本実施形態に係る光学ガラスは、網目形成酸化物を構成するB3+の含有量を低減してもガラス化が可能であり、優れた物性を付与することができる。

0030

Ti4+、Nb5+は、例えば、酸化物換算組成ではそれぞれTiO2、Nb2O5として含まれる成分である。Ti4+、Nb5+は、ガラスの屈折率を一層向上させることができる。このような効果と分散性との観点から、その含有量は、それぞれ、好ましくは0〜20%であり、より好ましくは0〜10%であり、更に好ましくは0〜5%である。

0031

W6+は、例えば、酸化物換算組成ではWO3として含まれる成分である。W6+は、屈折率を高めることができる。このような効果と分散性との観点から、その含有量は、好ましくは0〜10%であり、より好ましくは0〜5%であり、更に好ましくは0%である。

0032

アルカリ土類金属酸化物R2+(R=Mg、Ca、Sr、Baのいずれか1種以上を表す。)は、例えば、酸化物換算組成ではROとして含まれる成分である。R2+は上述した希土類成分と類似の効果を有するが、過剰に導入すると高屈折率性を損なうことがある。このような観点から、R2+成分の総量は、好ましくは0〜10%であり、より好ましくは0〜5%であり、更に好ましくは0〜3%である。

0033

本実施形態に係る光学ガラスの物性を一層向上できる観点から、上述した各成分の好適な組み合わせとしては、Ga3+成分が0〜60%、Al3+成分が0〜20%、Si4+成分が0〜30%、及びB3+成分が0〜10%であることが挙げられる。また、Ti4+成分が0〜20%、Nb5+成分が0〜20%、W6+成分が0〜10%、及びR2+(R=Mg、Ca、Sr、及びBaからなる群より選ばれるいずれか1種以上を表す。)成分が0〜10%、であることが挙げられる。

0034

さらに、本実施形態に係る光学ガラスは、網目形成酸化物を構成する成分を含有せずともガラス化が可能であり、高い物性を付与することができる。かかる観点から、本実施形態に係る光学ガラスとして、B3+成分とSi4+成分を実質的に含まない光学ガラスとすることができ、両成分の総量が0%である光学ガラスとすることができる。

0035

本実施形態に係る光学ガラスは、その目的達成に支障のない範囲であれば、その他の任意成分を更に含有してもよい。

0036

次に、本実施形態の光学ガラスの物性値について説明する。

0037

本実施形態に係る光学ガラスは、高屈折率領域に関するものとして好適に使用できる。このような観点から、本実施形態の光学ガラスのd線(波長:587.562nm)における屈折率(nd)は、好ましくは1.93〜2.15であり、より好ましくは1.95〜2.12であり、更に好ましくは1.98〜2.10である。

0038

本実施形態に係る光学ガラスは、低分散性を有する(アッベ数(νd)が高い)ガラスである。本実施形態に係る光学ガラスのアッベ数(νd)は、好ましくは25〜40であり、より好ましくは27〜37であり、更に好ましくは29〜35である。

0039

本実施形態に係る光学ガラスは、Δnd=nd−0.01023νd+2.2988で表されるΔndが0.02以上であることが好ましく、0.04以上であることがより好ましく、0.06以上であることが更に好ましい。

0040

ここで、Δndは、2硝種のガラス「J−LASF08」と「J−LASFH16」(ともに光ガラス株式会社製造の硝種名)について、横軸にアッベ数、縦軸に屈折率としてプロットし、2点を結んで求められた基準線からの差である。本実施形態に係る光学ガラスが有する低分散性(νd)と高屈折率(nd)の関係性を示したものであり、本実施形態に係る光学ガラスが、低分散性と高屈折率を高いレベルで両立できることを示すものである。La3+、Y3+、Gd3+、Zr4+、Hf4+、Ta5+を導入するとΔndが高くなる傾向にあり、Si4+、B3+、Al3+、Ti4+、Nb5+、W6+を導入するするとΔndが低くなる傾向にある。

0041

本実施形態に係る光学ガラスは、カメラ顕微鏡双眼鏡等の光学装置の備えるレンズ等の光学素子、カメラ用交換レンズの備えるレンズ等の光学素子として好適である。光学装置としては、とりわけ多光子顕微鏡として特に好適である。

0042

<多光子顕微鏡>
図1は、本実施形態に係る光学ガラスを用いた多光子顕微鏡1の構成の例を示すブロック図である。多光子顕微鏡1は、本実施形態に係る光学ガラスを光学素子として用いた、対物レンズ106、集光レンズ108、結像レンズ110を備える。以下、多光子顕微鏡1の光学系を中心に説明する。

0043

パルスレーザ装置101は、例えば、近赤外波長(約1000nm)であって、パルス幅フェムト秒単位の(例えば、100フェムト秒の)超短パルス光射出する。パルスレーザ装置101から射出された直後の超短パルス光は、一般に所定の方向に偏光された直線偏光となっている。

0044

パルス分割装置102は、超短パルス光を分割し、超短パルス光の繰り返し周波数を高くして射出する。

0045

ビーム調整部103は、パルス分割装置102から入射される超短パルス光のビーム径を、対物レンズ106の瞳径に合わせて調整する機能、試料Sから発せられる多光子励起光の波長と超短パルス光の波長との軸上の色収差ピント差)を補正するために超短パルス光の集光及び発散角度を調整する機能、超短パルス光のパルス幅が光学系を通過する間に群速度分散により広がってしまうのを補正するために、逆の群速度分散を超短パルス光に与えるプリチャープ機能(群速度分散補償機能)等を有する。

0046

パルスレーザ装置101から射出された超短パルス光は、パルス分割装置102によりその繰り返し周波数が大きくされ、ビーム調整部103により上記した調整が行われる。そして、ビーム調整部103から射出された超短パルス光は、ダイクロイックミラー104によりダイクロイックミラー105の方向に反射され、ダイクロイックミラー105を通過し、対物レンズ106により集光されて試料Sに照射される。このとき、走査手段(不図示)を用いることにより、超短パルス光を試料Sの観察面上に走査させてもよい。

0047

例えば、試料Sを蛍光観察する場合には、試料Sの超短パルス光の被照射領域及びその近傍では、試料Sが染色されている蛍光色素多光子励起され、赤外波長である超短パルス光より波長が短い蛍光(以下、「観察光」という。)が発せられる。

0048

試料Sから対物レンズ106の方向に発せられた観察光は、対物レンズ106によりコリメートされ、その波長に応じて、ダイクロイックミラー105により反射されたり、あるいは、ダイクロイックミラー105を透過したりする。

0049

ダイクロイックミラー105により反射された観察光は、蛍光検出部107に入射する。蛍光検出部107は、例えば、バリアフィルタ、PMT(photo multiplier tube:光電子増倍管)等により構成され、ダイクロイックミラー105により反射された観察光を受光し、その光量に応じた電気信号を出力する。また、蛍光検出部107は、超短パルス光が試料Sの観察面において走査されるのに合わせて、試料Sの観察面にわたる観察光を検出する。

0050

一方、ダイクロイックミラー105を透過した観察光は、走査手段(不図示)によりデスキャンされ、ダイクロイックミラー104を透過し、集光レンズ108により集光され、対物レンズ106の焦点位置とほぼ共役な位置に設けられているピンホール109を通過し、結像レンズ110を透過して、蛍光検出部111に入射する。蛍光検出部111は、例えば、バリアフィルタ、PMT等により構成され、結像レンズ110により蛍光検出部111の受光面において結像した観察光を受光し、その光量に応じた電気信号を出力する。また、蛍光検出部111は、超短パルス光が試料Sの観察面において走査されるのに合わせて、試料Sの観察面にわたる観察光を検出する。

0051

なお、ダイクロイックミラー105を光路から外すことにより、試料Sから対物レンズ106の方向に発せられた全ての観察光を蛍光検出部111で検出するようにしてもよい。

0052

また、試料Sから対物レンズ106と逆の方向に発せられた観察光は、ダイクロイックミラー112により反射され、蛍光検出部113に入射する。蛍光検出部113は、例えば、バリアフィルタ、PMT等により構成され、ダイクロイックミラー112により反射された観察光を受光し、その光量に応じた電気信号を出力する。また、蛍光検出部113は、超短パルス光が試料Sの観察面において走査されるのに合わせて、試料Sの観察面にわたる観察光を検出する。

0053

蛍光検出部107、111、113からそれぞれ出力された電気信号は、例えば、コンピュータ(不図示)に入力され、そのコンピュータは、入力された電気信号に基づいて、観察画像を生成し、生成した観察画像を表示したり、観察画像のデータを記憶したりすることができる。

0054

<撮像装置>
本実施形態に係る光学ガラスを用いた光学素子は、撮像装置に好適に用いることができる。図2は、本実施形態に係る光学ガラスを用いた光学素子を備える撮像装置の斜視図を示す。撮像装置2(光学装置)は、本実施形態に係る光学ガラスを母材とするレンズ203(光学素子)を備えている。

0055

撮像装置2は、いわゆるデジタル一眼レフカメラであり、カメラボディ201のレンズマウント(不図示)にレンズ鏡筒202が着脱自在に取り付けられる。そして、レンズ鏡筒202のレンズ203を通した光が、カメラボディ201の背面側に配置されたマルチチップモジュール206のセンサチップ固体撮像素子)204上に結像される。このセンサチップ204は、いわゆるCMOSイメージセンサー等のベアチップである。マルチチップモジュール206は、例えば、センサチップ204がガラス基板205上にベアチップ実装されたCOG(Chip On Glass)タイプのモジュールである。

0056

なお、光学装置はこのような撮像装置に限らず、例えば、プロジェクタ等といった幅広い装置が包含される。光学素子についてもレンズに限らず、例えば、プリズム等といった幅広い素子が包含される。

0057

<光学ガラスの製造方法>
本実施形態の光学ガラスは、例えば、浮遊炉を用いて製造することができる。浮遊炉には、静電式電磁式音波式、磁気式、及びガスジェット式等があり、特に限定されるものではないが、酸化物の浮遊熔解にはガスジェット式の浮遊炉を用いることが好ましい。以下、ガスジェット式の浮遊炉を用いる製造方法を一例として説明する。

0058

図3は、ガスジェット式の浮遊炉の全体構成の模式図を示す。図中、図3Aは、浮遊炉の全体構成の模式図であり、図3Bは、ガスジェット式の浮遊炉のステージ上の台座の拡大模式図である。ガスジェット式の浮遊炉3では、原料Mは、ステージ301上の台座302に配置される。そして、レーザ光源303から出射されたレーザ光Lは、ミラー304とミラー305を介して原料Mへ照射される。レーザ光Lの照射により加熱される原料Mの温度は、放射温度計306でモニタされる。放射温度計306がモニタする原料Mの温度情報に基づき、レーザ光源303の出力がコンピュータ307によって制御される。また、原料Mの状態はCCDカメラ308によって撮像され、それがモニタ309へ出力される(図3A参照)。なお、レーザ光源としては、例えば、炭酸ガスレーザを使用できる。

0059

ガスジェット式の浮遊炉3では、台座に送り込まれるガスによって原料Mが浮遊する状態にある(図3B参照)。台座に送り込まれるガスの流量は、ガス流量調節器310によって制御される。例えば、円錐状の孔を設けたノズルからガスを噴射し、原料Mを浮遊させた状態でレーザ光Lによる非接触加熱を行うことができる。原料Mが熔解すると自身の表面張力によって球形、又は楕円体形状となりその状態で浮遊する。その後、レーザ光Lを遮断すると融液状態となった原料は冷却され、透明なガラスが得られる。なお、ガスの種類は特に限定されず、公知のものを適宜採用することができ、例えば、酸素窒素二酸化炭素アルゴン、空気等が挙げられる。また、ノズルの形状や加熱方式は特に限定されず、公知の方法を適宜採用することができる。

0060

本実施形態に係る光学ガラスの組成系は、これまでガラス化させることが困難であった。例えば、通常使用されているるつぼ等の容器を用いて光学ガラスを製造する場合、SiO2、B2O3、P2O5、GeO2等の網目形成酸化物を多く含ませてガラス形成能を高めることが、従来技術では必要であった。例えば、La2O3、Y2O3、Gd2O3といった希土類酸化物や、ZrO2、HfO2、Ta2O5といった遷移金属酸化物はいずれも網目形成酸化物ではないため、それらを多量に含有し、上記した網目形成酸化物の含有量が少ないガラス組成の場合、容器−融液界面を起点とした結晶化(不均一核生成)が発生して、ガラス化できないことが多いといった事情があった。

0061

一方、本実施形態においては、例えば、上記した浮遊炉を用いる方法によって光学ガラスを製造する場合、容器と融液の接触がないため、不均一核生成を最大限抑制することができる。結果、融液のガラス形成を大きく促進し、るつぼ熔解では製造不可能な、網目形成酸化物の含有量が少ない、或いは一切含まない組成であってもガラス化することが可能になる。かかる製造方法を採用することで、従来ではガラス化させることができなかった本実施形態に係る組成系の光学ガラスを製造することができる。本実施形態に係る光学ガラスは、高屈折率かつ高アッベ数である。そのため、高屈低分散硝材広帯域透過材料としての応用が可能である。

0062

次に、以下の実施例及び比較例の説明をするが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。

0063

(各実施例の光学ガラスの作製)
各実施例の光学ガラスは、図3A図3Bに示すガスジェット式の浮遊炉3を用い、以下の手順に準拠して作製した。まず、酸化物、水酸化物炭酸塩硝酸塩硫酸塩等から選ばれる原料を所定の化学組成となるよう可量した後、アルミナ乳鉢で混合した。この原料を20MPaで一軸加圧円柱形ペレット成形した。得られたペレットを電気炉で1000〜1300℃、大気中で6〜12時間焼成し、焼結体を作製した。得られた焼結体を粗く砕き、数十mgを採取して台座のノズルに設置した。そして、酸素ガスを噴射しながら炭酸ガスレーザを上方から照射することで原料を熔解させた。熔解した原料は、自身の表面張力で球形又は楕円体形状になり、ガスの圧力で浮遊状態とした。原料が完全に熔解した状態でレーザ出力を遮断することで、原料を冷却してガラスを得た。なお、各実施例では直径2〜3mmの透明なガラス球を得た。各実施例のガラスについては、いずれも熔解中に視認できる揮発は確認されず、泡や失透についても確認されなかった。

0064

(各比較例の光学ガラスの作製)
各比較例の光学ガラスは、以下の手順に準拠して作製した。まず、まず、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩等から選ばれる原料を所定の化学組成となるよう秤量した。次に、秤量した原料を混合して白金ルツボ投入し、1350℃の温度で1時間程度熔融し、攪拌均質化した。その後、適当な温度に下げてから金型等に鋳込み、徐冷することにより、各サンプルを得た。

0065

(屈折率の測定)
ガラスの屈折率測定は、プリズムカプラ(Metricon製、モデル「2010/M」)を用いて測定した。ガラス試料研磨し、研磨面を単結晶ルチルプリズム密着させ、測定波長の光を入射させた際の全反射角を測定して屈折率を求めた。473nm、594.1nm、656nmの3波長で各5回測定し、平均値測定値とした。さらに、得られた実測値に対し、以下のDrude−Voigtの分散式を用いて最小二乗法によるフィッティングを行い、d線(587.562nm)、F線(486.133nm)、C線(656.273nm)における屈折率と、アッベ数(νd)を算出した。なお、屈折率の値は、小数点以下第4位までとした。

0066

(n:屈折率、m:電子質量、c:光速度、e:電荷素量、N:単位体積当たりの分子数、f:振動子強度、λ0:固有共鳴波長、λ:波長)

0067

また、アッベ数(νd)は以下の式で定義される。

0068

0069

各実施例及び各比較例の光学ガラスについて、成分組成(カチオンモル%基準)、屈折率(nd)、アッベ数(νd)、及びΔndを各表にそれぞれ示す。Δnd=nd−0.01023νd+2.2988の基準線の作成等については、上述した基準線の作成手法に準拠して行うことができる。基準材として、異なるアッベ数(νd)と屈折率(nd)を有する2硝種のガラス「J−LASF08」と「J−LASFH16」(ともに光ガラス株式会社製造の硝種名)を採用し、これらをもとにして基準線を作成できる。

0070

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実施例

0085

上より、各実施例の光学ガラスは、いずれも(La3++Y3++Gd3+)×(Zr4++Hf4++Ta5+)≧400(%)2を満たしており、Δndが0.02以上を有していた。また、各実施例の光学ガラスは、高屈折率性と低分散性を同時に満たしていることが確認された。

0086

1・・・多光子顕微鏡、101・・・パルスレーザ装置、102・・・パルス分割装置、103・・・ビーム調整部、104,105,112・・・ダイクロイックミラー、106・・・対物レンズ、107,111,113・・・蛍光検出部、108・・・集光レンズ、109・・・ピンホール、110・・・結像レンズ、S・・・試料、2・・・撮像装置、201・・・カメラボディ、202・・・レンズ鏡筒、203・・・レンズ、204・・・センサチップ、205・・・ガラス基板、206・・・マルチチップモジュール、3・・・ガス浮遊炉、301・・・ステージ、302・・・台座、303・・・レーザ光源、304,305・・・ミラー、306・・・放射温度計、307…コンピュータ、308・・・CCDカメラ、309・・・モニタ、310・・・ガス流量調節器、L・・・レーザ光、M・・・原料

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