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技術 樹脂組成物、成形品及びその製造方法、プリプレグ、及びその製造方法、ならびに繊維強化成形品及びそれらの製造方法

出願人 AGC株式会社
発明者 尾澤紀生細田朋也佐藤崇
出願日 2018年9月13日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2019-542291
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 WO2019-054454
状態 未査定
技術分野 強化プラスチック材料 高分子組成物
主要キーワード ポリパラフェニレンベンズオキサゾール ノイズシールド 溶融流れ速度 航空機関 撹拌機付き重合槽 接着性官能基 カルボニル基含有基 打撃点
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課題・解決手段

粘度数の低いポリアミドを含むことによって強化繊維シートへの含浸性に優れるとともに、粘度数の低いポリアミドを含むにもかかわらずフィルム、繊維等に成形でき、耐衝撃性に優れる繊維強化成形品を得ることができる樹脂組成物成形品及びその製造方法、ならびに耐衝撃性に優れる繊維強化成形品及びその製造方法の提供。 ISO 307:2007に規定された方法によって求めた粘度数が100〜170であるポリアミドと、カルボニル基含有基ヒドロキシ基エポキシ基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有し、融点が100〜325℃である、溶融成形可能なフッ素樹脂とを含む、樹脂組成物。

概要

背景

繊維強化成形品は、輸送機器(車両(自動車鉄道車両等)、航空機等)、建築部材電子機器医療機器等の幅広い用途に用いられる。繊維強化成形品のマトリックス樹脂としては、従来から熱硬化性樹脂硬化物がよく用いられている。

しかし、マトリックス樹脂として熱硬化性樹脂の硬化物を用いた繊維強化成形品には、熱硬化性樹脂の硬化に時間がかかるため生産性が悪い、耐衝撃性が低い、プリプレグの保存安定性が悪い、という問題がある。これらの問題を解決するため、マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を用いたプリプレグ及び繊維強化成形品が提案されている(特許文献1、2)。

しかし、マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を用いた繊維強化成形品は、耐衝撃性がいまだ不充分である。
耐衝撃性に優れる繊維強化成形品を得ることができるプリプレグとしては、マトリックス樹脂として、熱可塑性樹脂と、カルボニル基含有基ヒドロキシ基エポキシ基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する溶融成形可能なフッ素樹脂とを含むものが提案されている(特許文献3)。

概要

粘度数の低いポリアミドを含むことによって強化繊維シートへの含浸性に優れるとともに、粘度数の低いポリアミドを含むにもかかわらずフィルム、繊維等に成形でき、耐衝撃性に優れる繊維強化成形品を得ることができる樹脂組成物成形品及びその製造方法、ならびに耐衝撃性に優れる繊維強化成形品及びその製造方法の提供。 ISO 307:2007に規定された方法によって求めた粘度数が100〜170であるポリアミドと、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有し、融点が100〜325℃である、溶融成形可能なフッ素樹脂とを含む、樹脂組成物。

目的

本発明は、粘度数の低いポリアミドを含むことによって強化繊維シートへの含浸性に優れるとともに、粘度数の低いポリアミドを含むにもかかわらずフィルム、繊維等に成形でき、耐衝撃性に優れる繊維強化成形品を得ることができる樹脂組成物、強化繊維シートへの含浸性に優れ、耐衝撃性に優れる繊維強化成形品を得ることができる樹脂組成物成形品及びその製造方法、ポリアミドを含む樹脂組成物が強化繊維シートに充分に含浸し、耐衝撃性に優れる繊維強化成形品を得ることができるプリプレグ及びその製造方法、ならびに耐衝撃性に優れる繊維強化成形品及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

ISO307:2007に規定された方法によって求めた粘度数が100〜170であるポリアミドと、カルボニル基含有基ヒドロキシ基エポキシ基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有し、融点が100〜325℃である、溶融成形可能なフッ素樹脂と、を含む、樹脂組成物

請求項2

前記ポリアミドが、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド9T、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6/66コポリマー、ポリアミド6/66/610コポリマー、ポリアミド6T、ポリアミド6I及びポリアミドMXD6からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の樹脂組成物。

請求項3

前記ポリアミドが、ポリアミド6であり、かつ温度260℃、荷重21.2Nで測定された前記樹脂組成物の溶融流れ速度が、20〜150g/10分である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。

請求項4

前記ポリアミドが、ポリアミド12であり、かつ温度250℃、荷重21.2Nで測定された前記樹脂組成物の溶融流れ速度が、20〜120g/10分である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。

請求項5

前記ポリアミドと前記フッ素樹脂との合計の体積のうち、前記ポリアミドが55〜95体積%であり、前記フッ素樹脂が5〜45体積%であり、かつ前記ポリアミドと前記フッ素樹脂の合計が前記樹脂組成物の80〜100質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。

請求項6

マトリックス樹脂と、強化繊維とを含み、前記マトリックス樹脂が請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物であるプリプレグ

請求項7

前記強化繊維が開繊された強化繊維である、請求項6に記載のプリプレグ。

請求項8

前記強化繊維が、強化繊維織物、強化繊維編み物、又は一方向に引きそろえられた強化繊維束である、請求項6又は7に記載のプリプレグ。

請求項9

請求項6〜8のいずれか一項に記載のプリプレグを成形してなる、繊維強化成形品

請求項10

請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる成形品

請求項11

前記成形品が、フィルム又は繊維である、請求項10に記載の成形品。

請求項12

請求項10又は11に記載の成形品を、強化繊維シートの存在下に溶融させて前記強化繊維シートに含浸させる、プリプレグの製造方法。

請求項13

前記強化繊維シートが、開繊された強化繊維シートである、請求項12に記載のプリプレグの製造方法。

請求項14

前記強化繊維シートが、強化繊維織物、強化繊維編み物又は一方向に引きそろえられた強化繊維束である、請求項12又は13に記載のプリプレグの製造方法。

請求項15

請求項12〜14のいずれか一項に記載のプリプレグの製造方法によってプリプレグを得て、前記プリプレグを成形する、繊維強化成形品の製造方法。

請求項16

強化繊維シートと、請求項11に記載されたフィルムを、金型内に積層した後に、熱プレスして成形する、繊維強化成形品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、樹脂組成物成形品及びその製造方法、プリプレグ及びその製造方法、ならびに繊維強化成形品及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

繊維強化成形品は、輸送機器(車両(自動車鉄道車両等)、航空機等)、建築部材電子機器医療機器等の幅広い用途に用いられる。繊維強化成形品のマトリックス樹脂としては、従来から熱硬化性樹脂硬化物がよく用いられている。

0003

しかし、マトリックス樹脂として熱硬化性樹脂の硬化物を用いた繊維強化成形品には、熱硬化性樹脂の硬化に時間がかかるため生産性が悪い、耐衝撃性が低い、プリプレグの保存安定性が悪い、という問題がある。これらの問題を解決するため、マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を用いたプリプレグ及び繊維強化成形品が提案されている(特許文献1、2)。

0004

しかし、マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を用いた繊維強化成形品は、耐衝撃性がいまだ不充分である。
耐衝撃性に優れる繊維強化成形品を得ることができるプリプレグとしては、マトリックス樹脂として、熱可塑性樹脂と、カルボニル基含有基ヒドロキシ基エポキシ基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する溶融成形可能なフッ素樹脂とを含むものが提案されている(特許文献3)。

先行技術

0005

日本特表2013−531717号公報
日本特表2012−501407号公報
国際公開第2017/122735号

発明が解決しようとする課題

0006

マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を用いたプリプレグは、マトリックス樹脂のフィルム、繊維等と強化繊維シートとを重ねた状態で、フィルム、繊維等を溶融させて強化繊維シートに含浸させることによって製造される。プリプレグのマトリックス樹脂の熱可塑性樹脂としては、強度特性成形加工性バランスに優れている点から、ポリアミドが広く用いられている。

0007

プリプレグ及び繊維強化成形品において、強化繊維シートへのマトリックス樹脂の含浸性を高めることが、繊維強化成形品の耐衝撃性にとって極めて重要である。しかし、特許文献3の実施例において熱可塑性樹脂としてポリアミドを用いたプリプレグにおいては、強化繊維シートへのマトリックス樹脂の含浸性が不充分である。

0008

強化繊維シートへのマトリックス樹脂の含浸性を高めるためには、ポリアミドの粘度数下げることが考えられる。しかし、粘度数の低いポリアミドは、通常、射出成形に用いられる。ポリアミドの粘度数を下げると、押出成形時ドローダウンが大きくなるため、粘度数の低いポリアミドをフィルム、繊維等に成形する際、成形が不安定になりかつネッキングを起こすため、フィルムであればフィルム幅の調整、繊維であれば糸径の調整ができないというのが技術常識である。ネッキングとは押出ダイから流れでた溶融樹脂の幅、もしくは径が急速に狭幅化、細径化する現象である。

0009

本発明は、粘度数の低いポリアミドを含むことによって強化繊維シートへの含浸性に優れるとともに、粘度数の低いポリアミドを含むにもかかわらずフィルム、繊維等に成形でき、耐衝撃性に優れる繊維強化成形品を得ることができる樹脂組成物、強化繊維シートへの含浸性に優れ、耐衝撃性に優れる繊維強化成形品を得ることができる樹脂組成物成形品及びその製造方法、ポリアミドを含む樹脂組成物が強化繊維シートに充分に含浸し、耐衝撃性に優れる繊維強化成形品を得ることができるプリプレグ及びその製造方法、ならびに耐衝撃性に優れる繊維強化成形品及びその製造方法を提供する。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、下記の態様を有する。
<1>ISO 307:2007に規定された方法によって求めた粘度数が100〜170であるポリアミドと、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有し、融点が100〜325℃である、溶融成形可能なフッ素樹脂とを含む、樹脂組成物。
<2>前記ポリアミドが、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド9T、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6/66コポリマー、ポリアミド6/66/610コポリマー、ポリアミド6T、ポリアミド6I及びポリアミドMXD6からなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記<1>の樹脂組成物。
<3>前記ポリアミドが、ポリアミド6であり、かつ温度260℃、荷重21.2Nで測定された前記樹脂組成物の溶融流れ速度が、20〜150g/10分である、前記<1>又は<2>の樹脂組成物。
<4>前記ポリアミドが、ポリアミド12であり、かつ温度250℃、荷重21.2Nで測定された前記樹脂組成物の溶融流れ速度が、20〜120g/10分である、前記<1>又は<2>の樹脂組成物。
<5>前記ポリアミドと前記フッ素樹脂との合計の体積のうち、前記ポリアミドが55〜95体積%であり、前記フッ素樹脂が5〜45体積%であり、かつ前記ポリアミドと前記フッ素樹脂の合計が前記樹脂組成物の80〜100質量%である、前記<1>〜<4>のいずれかの樹脂組成物。
<6>マトリックス樹脂と、強化繊維とを含み、
前記マトリックス樹脂が前記<1>〜<5>のいずれか一項の樹脂組成物であるプリプレグ。
<7>前記強化繊維が、開繊された強化繊維である、前記<6>のプリプレグ。
<8>前記強化繊維が強化繊維織物、強化繊維編み物、一方向に引きそろえられた強化繊維束である前記<6>又は<7>のプリプレグ。
<9>前記<6>〜<8>のいずれかのプリプレグを成形してなる、繊維強化成形品。
<10>前記<1>〜<5>のいずれかの樹脂組成物からなる成形品。
<11>前記成形品が、フィルム又は繊維である、前記<10>の成形品。
<12>前記<10>又は<11>の成形品を、強化繊維シートの存在下に溶融させて前記強化繊維シートに含浸させる、プリプレグの製造方法。
<13>前記強化繊維シートが、開繊された強化繊維シートである、前記<12>のプリプレグの製造方法。
<14>前記強化繊維シートが、強化繊維織物、強化繊維編み物又は一方向に引きそろえられた強化繊維束である、前記<12>又は<13>のプリプレグの製造方法。
<15>前記<12>〜<14>のいずれかのプリプレグの製造方法によってプリプレグを得て、
前記プリプレグを成形する、繊維強化成形品の製造方法。
<16>強化繊維シートと、前記<11>のフィルムを、金型内に積層した後に、熱プレスして成形する、繊維強化成形品の製造方法。

発明の効果

0011

本発明の樹脂組成物は、粘度数の低いポリアミドを含むことによって強化繊維シートへの含浸性に優れるとともに、粘度数の低いポリアミドを含むにもかかわらずフィルム、繊維等に成形できる。また、本発明の樹脂組成物によれば、耐衝撃性に優れる繊維強化成形品を得ることができる。
本発明の成形品は、強化繊維シートへの含浸性に優れる。また、本発明の成形品によれば、耐衝撃性に優れる繊維強化成形品を得ることができる。

0012

本発明の成形品の製造方法によれば、強化繊維シートへの含浸性に優れ、耐衝撃性に優れる繊維強化成形品を得ることができる成形品を製造できる。
本発明のプリプレグは、ポリアミドを含む樹脂組成物が強化繊維シートに充分に含浸したものである。また、本発明のプリプレグによれば、耐衝撃性に優れる繊維強化成形品を得ることができる。
本発明のプリプレグの製造方法によれば、ポリアミドを含む樹脂組成物が強化繊維シートに充分に含浸し、耐衝撃性に優れる繊維強化成形品を得ることができるプリプレグを製造できる。
本発明の繊維強化成形品は、耐衝撃性に優れる。
本発明の繊維強化成形品の製造方法によれば、耐衝撃性に優れる繊維強化成形品を製造できる。

0013

以下の用語の定義は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって適用される。
「粘度数」は、ISO 307:2007(対応日工業規格JIS K 6933:2013)に規定される、規定の溶媒におけるポリアミド希薄溶液の粘度数の求め方によって求めた値であり、ポリアミドの分子量の指標となる。
「溶融成形可能」であるとは、溶融流動性を示すことを意味する。
「溶融流動性を示す」とは、荷重49Nまたは21.2Nの条件下、樹脂の融点よりも20℃以上高い温度において、溶融流れ速度が0.1〜1000g/10分となる温度が存在することを意味する。

0014

「融点」は、示差走査熱量測定DSC)法で測定した融解ピーク最大値に対応する温度である。
「溶融流れ速度」は、JIS K 7210−1:2014(対応国際規格ISO 1133−1:2011)に規定されるメルトマスフローレイトMFR)である。
「カルボニル基含有基」とは、構造中にカルボニル基(−C(=O)−)を有する基を意味する。
酸無水物基」とは、−C(=O)−O−C(=O)−で表される基を意味する。
単量体に基づく単位」は、単量体1分子が重合して直接形成される原子団と、該原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。本明細書において、単量体に基づく単位を、単に、単量体単位とも記す。

0015

<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、粘度数が100〜170であるポリアミド(以下、「ポリアミドA」とも記す。)と、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有し、融点が100〜325℃である、溶融成形可能なフッ素樹脂(以下、「フッ素樹脂B」とも記す。)とを含む。本発明の樹脂組成物は、必要に応じてポリアミドA及びフッ素樹脂B以外の他の成分を含んでいてもよい。
本発明の樹脂組成物は、プリプレグのマトリックス樹脂として用いられる。

0016

(ポリアミドA)
ポリアミドAの粘度数は、100〜170であり、105〜165が好ましく、110〜160がより好ましい。粘度数と溶融粘度とには相関があり、粘度数が高いポリアミドは溶融粘度が高く、粘度数が低いポリアミドは溶融粘度が低い。この粘度数が前記範囲の下限値未満では、ポリアミドAとフッ素樹脂Bとを併用しても樹脂組成物をフィルム、繊維等に成形しにくくなる。この粘度数が前記範囲の上限値以下であれば、樹脂組成物の成形性に優れる。

0017

ポリアミドAは、例えば、ω−アミノ酸ラクタム又はジカルボン酸と、ジアミン等とを開環重合又は重縮合して製造できる。
ω−アミノ酸としては、ε−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、2−クロロ−パラアミノメチル安息香酸、2−メチル−パラアミノメチル安息香酸、4−アミノメチル安息香酸等が挙げられる。
ラクタムとしては、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタムウンデカンラクタム、ラウリルラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリドン等が挙げられる。
カルボン酸としては、アジピン酸グルタル酸ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸セバシン酸、ウンデカンジオン酸ドデカジオン酸、ヘキサデカジオン酸、ヘキサデセンジオン酸、エイコサンジオン酸、エイコサジエンジオン酸、ジグリコール酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸、キシリレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸テレフタル酸イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等が挙げられる。
ジアミンとしては、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンジアミンノナメチレンジアミンウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、ビス−(4,4’−アミノシクロヘキシルメタンメタキシリレンジアミンテレフタルジアミン等が挙げられる。

0018

ポリアミドAとしては、強度特性と成形加工性のバランスに優れている点から、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド9T、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6/66コポリマー、ポリアミド6/66/610コポリマー、ポリアミド6T、ポリアミド6I及びポリアミドMXD6からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド12、ポリアミド9T、ポリアミド6Tがより好ましく、ポリアミド6が特に好ましい。

0019

(フッ素樹脂B)
フッ素樹脂Bは、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基(以下、「接着性官能基」と記す。)を有する。フッ素樹脂Bは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用しもよい。

0020

接着性官能基は、樹脂組成物の溶融時の成形性及び強化繊維シートへの含浸性がさらに優れる点から、フッ素樹脂Bの主鎖の末端基及び主鎖のペンダント基のいずれか一方又は両方として存在することが好ましい。接着性官能基は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。

0021

フッ素樹脂Bは、樹脂組成物の溶融時の成形性及び強化繊維シートへの含浸性がさらに優れる点から、接着性官能基として少なくともカルボニル基含有基を有することが好ましい。
カルボニル基含有基としては、炭化水素基炭素原子間にカルボニル基を有する基、カーボネート基カルボキシ基ハロホルミル基アルコキシカルボニル基、酸無水物基等が挙げられる。

0022

炭化水素基の炭素原子間にカルボニル基を有する基における炭化水素基としては、炭素数2〜8のアルキレン基等が挙げられる。アルキレン基の炭素数は、カルボニル基を構成する炭素を含まない状態での炭素数である。アルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。
ハロホルミル基は、−C(=O)−X(ただし、Xはハロゲン原子である。)で表される。ハロホルミル基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子塩素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
アルコキシカルボニル基におけるアルコキシ基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましい。

0023

フッ素樹脂B中の接着性官能基の含有量は、フッ素樹脂Bの主鎖炭素数1×106個に対し10〜60000個が好ましく、100〜50000個がより好ましく、100〜10000個がさらに好ましく、300〜5000個が特に好ましい。この含有量が前記範囲の下限値以上であれば、樹脂組成物の溶融時の成形性及び強化繊維シートへの含浸性が著しく優れる。この含有量が前記範囲の上限値以下であれば、高温条件にすることなく、樹脂組成物、成形品、プリプレグ、繊維強化成形品の製造が可能となる。

0024

接着性官能基の含有量は、核磁気共鳴(NMR分析赤外吸収スペクトル分析等の方法によって測定できる。例えば、日本特開2007−314720号公報に記載のように赤外吸収スペクトル分析等の方法を用いて、フッ素樹脂Bを構成する全単位中の接着性官能基を有する単位の割合(モル%)を求め、この割合から、接着性官能基の含有量を算出できる。

0025

フッ素樹脂Bの融点は、100〜325℃であり、120〜315℃が好ましく、150〜310℃がより好ましい。この融点が前記範囲の下限値以上であれば、成形品、プリプレグ、繊維強化成形品の耐熱性に優れる。この融点が前記範囲の上限値以下であれば、樹脂組成物、成形品、プリプレグ、繊維強化成形品を製造する際に汎用的な装置を使用できる。
フッ素樹脂Bの融点は、フッ素樹脂Bを構成する単位の種類、単位の割合、フッ素樹脂Bの分子量等によって調整できる。例えば、後述する単位u1の割合が多くなるほど、融点が上がる傾向がある。

0026

フッ素樹脂Bとしては、樹脂組成物、成形品、プリプレグ、繊維強化成形品を製造しやすい点から、溶融成形が可能なものを用いる。
溶融成形が可能なフッ素樹脂Bとしては、公知の溶融成形が可能なフッ素樹脂(テトラフルオロエチレンフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体エチレンテトラフルオロエチレン共重合体ポリフッ化ビニリデンポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体等)に接着性官能基を導入したフッ素樹脂等が挙げられる。

0027

フッ素樹脂Bとしては、荷重49Nまたは21.2Nの条件下、フッ素樹脂Bの融点よりも20℃以上高い温度において、溶融流れ速度が0.1〜1000g/10分となる温度が存在するものを用いる。
例えば、融点が150〜200℃のフッ素樹脂Bの場合、フッ素樹脂Bの融点よりも20℃以上高い温度でありかつ170〜260℃で測定することが好ましい。荷重は21.2Nであることが好ましい。
また、例えば、融点が220〜310℃のフッ素樹脂Bの場合、フッ素樹脂Bの融点よりも20℃以上高い温度でありかつ240〜380℃で測定することが好ましい。荷重は49Nであることが好ましい。
溶融流れ速度は、フッ素樹脂Bの融点が溶融流れ速度は、好ましくは0.5〜100g/10分、より好ましくは1〜30g/10分、さらに好ましくは5〜20g/10分である。溶融流れ速度が前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂Bの成形性に優れる。溶融流れ速度が前記範囲の上限値以下であれば、成形品、プリプレグ、繊維強化成形品の機械的特性に優れる。

0028

フッ素樹脂Bとしては、製造方法の違いによって下記のものが挙げられる。
含フッ素重合体の製造の際に用いた単量体、連鎖移動剤及び重合開始剤からなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する接着性官能基を有する含フッ素重合体(以下、「含フッ素重合体B1」とも記す)。
コロナ放電処理プラズマ処理等の表面処理によって接着性官能基を有しないフッ素樹脂に接着性官能基を導入したフッ素樹脂。
・接着性官能基を有しないフッ素樹脂に、接着性官能基を有する単量体をグラフト重合して得られたフッ素樹脂。

0029

フッ素樹脂Bとしては、下記の理由から、含フッ素重合体B1が好ましい。
・含フッ素重合体B1においては、含フッ素重合体B1の主鎖の末端基及び主鎖のペンダント基のいずれか一方又は両方に接着性官能基が存在するため、樹脂組成物の溶融時の成形性が著しく優れる。
・表面処理によってフッ素樹脂に導入された接着性官能基は不安定であり、時間とともに消失しやすい。

0030

含フッ素重合体B1における接着性官能基が、含フッ素重合体B1の製造に用いられた単量体に由来する場合、含フッ素重合体B1は、下記方法1によって製造できる。この場合、接着性官能基は、単量体に基づく単位中に存在する。
方法1:単量体の重合によって含フッ素重合体B1を製造する際に、接着性官能基を有する単量体を用いる。

0031

含フッ素重合体B1における接着性官能基が、含フッ素重合体B1の製造に用いられた連鎖移動剤に由来する場合、含フッ素重合体B1は、下記方法2によって製造できる。この場合、接着性官能基は、含フッ素重合体B1の主鎖の末端基として存在する。
方法2:接着性官能基を有する連鎖移動剤の存在下に、単量体の重合によって含フッ素重合体B1を製造する。
接着性官能基を有する連鎖移動剤としては、酢酸無水酢酸酢酸メチルエチレングリコールプロピレングリコール等が挙げられる。

0032

含フッ素重合体B1における接着性官能基が、含フッ素重合体B1の製造に用いられた重合開始剤に由来する場合、含フッ素重合体B1は、下記方法3によって製造できる。この場合、接着性官能基は、含フッ素重合体B1の主鎖の末端基として存在する。
方法3:接着性官能基を有するラジカル重合開始剤等の重合開始剤の存在下に、単量体の重合によって含フッ素重合体B1を製造する。
接着性官能基を有するラジカル重合開始剤としては、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネートジイソプロピルペルオキシカーボネート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート等が挙げられる。

0033

含フッ素重合体B1における接着性官能基が、含フッ素重合体B1の製造に用いられた単量体、連鎖移動剤、重合開始剤のうちの2種以上に由来する場合、含フッ素重合体B1は前記方法1〜3のうちの2種以上を併用して製造できる。
含フッ素重合体B1としては、接着性官能基の含有量を容易に制御でき、そのため、繊維強化成形品の耐衝撃性を調整しやすい点から、方法1で製造された、単量体に由来する接着性官能基を有するものが好ましい。

0034

接着性官能基を有する単量体としては、カルボキシ基を有する単量体(マレイン酸イタコン酸シトラコン酸ウンデシレン酸等)、酸無水物基を有する単量体(無水イタコン酸(以下、「IAH」とも記す。)、無水シトラコン酸(以下、「CAH」とも記す。)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(以下、「NAH」とも記す。)、無水マレイン酸等)、水酸基及びエポキシ基を有する単量体(ヒドロキシブチルビニルエーテルグリシジルビニルエーテル等)等が挙げられる。

0035

単量体に由来する接着性官能基を有する含フッ素重合体B1としては、樹脂組成物の溶融時の成形性が著しく優れる点から、下記の含フッ素重合体B1が特に好ましい。
テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」とも記す。)又はクロロトリフルオロエチレン(以下、「CTFE」とも記す。)に基づく単位u1と、酸無水物基含有環状単量体に基づく単位u2と、含フッ素単量体(ただし、TFE及びCTFEを除く。)に基づく単位u3とを有する含フッ素重合体B1。
ここで、単位u2の有する酸無水物基が接着性官能基に相当する。

0036

単位u2を構成する酸無水物基含有環状単量体としては、IAH、CAH、NAH、無水マレイン酸等が挙げられる。酸無水物基含有環状単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸無水物基含有環状単量体としては、IAH、CAH及びNAHからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。かかる場合には、無水マレイン酸を用いた場合に必要となる特殊な重合方法(日本特開平11−193312号公報参照)を用いることなく、酸無水物基を有する含フッ素重合体B1を容易に製造できる。
酸無水物基含有環状単量体としては、樹脂組成物の溶融時の成形性が著しく優れる点から、IAH又はNAHが好ましい。

0037

単位u3を構成する含フッ素単量体としては、重合性炭素炭素二重結合を1つ有する含フッ素化合物が好ましい。この含フッ素化合物の例としては、フルオロオレフィン(フッ化ビニル、フッ化ビニリデントリフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン(以下、「HFP」とも記す。)、ヘキサフルオロイソブチレン等。ただし、TFEを除く。)、CF2=CFORf1(ただし、Rf1は炭素数1〜10で炭素原子間に酸素原子を含んでもよいペルフルオロアルキル基である。)(以下、「PAVE」とも記す。)、CF2=CFORf2SO2X1(ただし、Rf2は炭素数1〜10で炭素原子間に酸素原子を含んでもよいペルフルオロアルキレン基であり、X1はハロゲン原子又は水酸基である。)、CF2=CFORf3CO2X2(ただし、Rf3は炭素数1〜10で炭素原子間に酸素原子を含んでもよいペルフルオロアルキレン基であり、X2は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。)、CF2=CF(CF2)pOCF=CF2(ただし、pは1又は2である。)、CH2=CX3(CF2)qX4(ただし、X3は水素原子又はフッ素原子であり、qは2〜10の整数であり、X4は水素原子又はフッ素原子である。)(以下、「FAE」とも記す。)、環構造を有する含フッ素単量体(ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、2,2,4−トリフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−1,3−ジオキソール、ペルフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)等)等が挙げられる。

0038

含フッ素単量体としては、含フッ素重合体B1の成形性に優れる点から、HFP、PAVE及びFAEからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、FAE及びHFPのいずれか一方又は両方がより好ましい。
PAVEとしては、CF2=CFOCF2CF3、CF2=CFOCF2CF2CF3(以下、「PPVE」とも記す。)、CF2=CFOCF2CF2CF2CF3、CF2=CFO(CF2)6F等が挙げられ、PPVEが好ましい。

0039

FAEとしては、CH2=CF(CF2)2F、CH2=CF(CF2)3F、CH2=CF(CF2)4F、CH2=CF(CF2)5F、CH2=CF(CF2)6F、CH2=CF(CF2)2H、CH2=CF(CF2)3H、CH2=CF(CF2)4H、CH2=CF(CF2)5H、CH2=CF(CF2)6H、CH2=CH(CF2)2F(以下、「PFEE」と記す。)、CH2=CH(CF2)3F、CH2=CH(CF2)4F(以下、「PFBE」と記す。)、CH2=CH(CF2)5F、CH2=CH(CF2)6F、CH2=CH(CF2)2H、CH2=CH(CF2)3H、CH2=CH(CF2)4H、CH2=CH(CF2)5H、CH2=CH(CF2)6H等が挙げられる。
FAEとしては、CH2=CH(CF2)q1X4(ただし、q1は、2〜6であり、2〜4が好ましい。)が好ましく、PFEE、CH2=CH(CF2)3F、PFBE、CH2=CF(CF2)3H、又はCH2=CF(CF2)4Hがより好ましく、PFEE又はPFBEが特に好ましい。

0040

含フッ素重合体B1は、単位u1〜u3に加えて、非フッ素単量体(ただし、酸無水物基含有環状単量体を除く。)に基づく単位u4を有していてもよい。
非フッ素単量体としては、重合性炭素−炭素二重結合を1つ有する化合物が好ましく、オレフィン(エチレン、プロピレン、1−ブテン等)、ビニルエステル酢酸ビニル等)等が挙げられる。非フッ素単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
非フッ素単量体としては、樹脂組成物の溶融時の成形性がさらに優れる点から、エチレン、プロピレン、又は1−ブテンが好ましく、エチレンが特に好ましい。

0041

単位u4がエチレン単位(以下、「E単位」とも記す。)である場合の各単位の好ましい割合は下記のとおりである。
単位u1の割合は、単位u1と単位u2と単位u3と単位u4との合計のうち、25〜79.79モル%が好ましく、40〜64.47モル%がより好ましく、45〜61.95モル%がさらに好ましい。
単位u2の割合は、単位u1と単位u2と単位u3と単位u4との合計のうち、0.01〜5モル%が好ましく、0.03〜3モル%がより好ましく、0.05〜1モル%がさらに好ましい。
単位u3の割合は、単位u1と単位u2と単位u3と単位u4との合計のうち、0.2〜20モル%が好ましく、0.5〜15モル%がより好ましく、1〜12モル%がさらに好ましい。
単位u4の割合は、単位u1と単位u2と単位u3と単位u4との合計のうち、20〜74.79モル%が好ましく、35〜50モル%がより好ましく、37〜53.95モル%がさらに好ましい。

0042

単位u4を有しない場合の各単位の好ましい割合は下記のとおりである。
単位u1の割合は、単位u1と単位u2と単位u3との合計のうち、50〜99.89モル%が好ましく、50〜99.4モル%がより好ましく、50〜98.9モル%がさらに好ましい。
単位u2の割合は、単位u1と単位u2と単位u3との合計のうち、0.01〜5モル%が好ましく、0.1〜3モル%がより好ましく、0.1〜2モル%がさらに好ましい。
単位u3の割合は、単位u1と単位u2と単位u3との合計のうち、0.1〜49.99モル%が好ましく、0.5〜49.9モル%がより好ましく、1〜49.9モル%がさらに好ましい。

0043

各単位の割合が前記範囲内であれば、成形品、プリプレグ、繊維強化成形品の難燃性耐薬品性等に著しく優れる。
単位u2の割合が前記範囲内であれば、含フッ素重合体B1における酸無水物基の量が適切になり、樹脂組成物の溶融時の成形性が著しく優れる。
単位u3の割合が前記範囲内であれば、含フッ素重合体B1の成形性に著しく優れる。
各単位の割合は、含フッ素重合体B1の溶融NMR分析フッ素含有量分析、赤外吸収スペクトル分析等により算出できる。

0044

含フッ素重合体B1には、単位u2における酸無水物基の一部が加水分解し、その結果、酸無水物基含有環状単量体に対応するジカルボン酸(イタコン酸、シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、マレイン酸等)に基づく単位が含まれる場合がある。該ジカルボン酸に基づく単位が含まれる場合、該単位の割合は、単位u2の割合に含めるものとする。

0045

含フッ素重合体B1の好ましい具体例としては、下記のものが挙げられる。
TFE単位とNAH単位とPPVE単位とを有する共重合体、
TFE単位とIAH単位とPPVE単位とを有する共重合体、
TFE単位とCAH単位とPPVE単位と有する共重合体、
TFE単位とIAH単位とHFP単位と有する共重合体、
TFE単位とCAH単位とHFP単位とを有する共重合体、
TFE単位とIAH単位とPFBE単位とE単位とを有する共重合体、
TFE単位とCAH単位とPFBE単位とE単位とを有する共重合体、
TFE単位とIAH単位とPFEE単位とE単位とを有する共重合体、
TFE単位とCAH単位とPFEE単位とE単位とを有する共重合体、
TFE単位とIAH単位とHFP単位とPFBE単位とE単位とを有する共重合体等。

0046

フッ素樹脂Bは、常法により製造できる。単量体の重合によってフッ素樹脂Bを製造する場合、重合方法としては、ラジカル重合開始剤を用いる重合方法が好ましい。
重合法としては、塊状重合法有機溶媒(フッ化炭化水素塩化炭化水素、フッ化塩化炭化水素、アルコール炭化水素等)を用いる溶液重合法水性媒体と必要に応じて適当な有機溶媒とを用いる懸濁重合法、水性媒体と乳化剤とを用いる乳化重合法が挙げられ、溶液重合法が好ましい。

0047

(他の成分)
他の成分としては、ポリアミドA及びフッ素樹脂B以外の他の熱可塑性樹脂、無機フィラー有機フィラー有機顔料金属せっけん界面活性剤紫外線吸収剤潤滑剤、シランカップリング剤有機化合物有機モノマー重合度50以下の有機オリゴマー等)等が挙げられる。

0048

他の熱可塑性樹脂としては、ポリエステルポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートポリトリメチレンテレフタレートポリエチレンナフタレート液晶ポリエステル等)、ポリオレフィンポリエチレンポリプロピレンポリブチレン酸変性ポリエチレン酸変性ポリプロピレン酸変性ポリブチレン等)、ポリオキシメチレン、ポリアミドA以外のポリアミド、ポリアリーレンスルフィド樹脂ポリフェニレンスルフィド等)、ポリケトンポリエーテルケトンポリエーテルエーテルケトンポリエーテルケトンケトンポリエーテルニトリル、フッ素樹脂B以外のフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン等)、液晶ポリマースチレン樹脂ポリスチレンアクリロニトリルスチレン樹脂アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂等)、ポリカーボネートポリメチルメタクリレートポリ塩化ビニル未変性又は変性されたポリフェニレンエーテル熱可塑性ポリイミドポリアミドイミドポリエーテルイミドポリスルホンポリエーテルスルホンポリアリレートポリスチレン系エラストマーポリオレフィン系エラストマーポリウレタン系エラストマーポリエステル系エラストマーポリアミド系エラストマーポリブタジエン系エラストマー、ポリイソプレンエラストマーフッ素系エラストマー(ただし、フッ素樹脂Bを除く。)、アクリロニトリル系エラストマー等が挙げられる。

0051

(樹脂組成物)
ポリアミドAの割合は、ポリアミドAとフッ素樹脂Bとの合計のうち、30体積%超99体積%以下が好ましく、40〜97体積%がより好ましく、55〜95体積%がさらに好ましく、60〜92体積%が一層好ましく、70〜90体積%が特に好ましい。ポリアミドAの割合が前記範囲の下限値以上であれば、ポリアミドAを含む海部と、フッ素樹脂Bを含む島部とからなる海島構造を形成しやすい。ポリアミドAの割合が前記範囲の上限値以下であれば、樹脂組成物の溶融時の成形性がさらに優れる。

0052

フッ素樹脂Bの割合は、ポリアミドAとフッ素樹脂Bとの合計のうち、1体積%以上70体積%未満が好ましく、3〜60体積%がより好ましく、5〜45質量%がさらに好ましく、8〜40体積%が一層好ましく、10〜30体積%が特に好ましい。フッ素樹脂Bの割合が前記範囲の下限値以上であれば、樹脂組成物の溶融時の成形性がさらに優れる。フッ素樹脂Bの割合が前記範囲の上限値以下であれば、ポリアミドAを含む海部と、フッ素樹脂Bを含む島部とからなる海島構造を形成しやすい。

0053

ポリアミドAとフッ素樹脂Bとの合計の割合は、本発明の樹脂組成物のうち、80〜100質量%が好ましく、85〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%がさらに好ましい。ポリアミドAとフッ素樹脂Bとの合計の割合が前記範囲内であれば、本発明の効果が損なわれにくい。

0054

他の成分の合計の割合は、本発明の樹脂組成物のうち、0〜20質量%が好ましく、0〜15質量%がより好ましく、0〜10質量%がさらに好ましい。他の成分の合計の割合が前記範囲内であれば、本発明の効果が損なわれにくい。

0055

ポリアミドAがポリアミド6である場合、樹脂組成物の、温度260℃、荷重21.2N(2.16kg)で測定した溶融流れ速度は、20〜150g/10分が好ましく、20〜140g/10分がより好ましく、20〜100g/10分がより好ましく、25〜90g/分がさらに好ましい。この溶融流れ速度が前記範囲の下限値以上であれば、強化繊維シートへの含浸性がさらに優れる。この溶融流れ速度が前記範囲の上限値以下であれば、樹脂組成物をフィルム、繊維等に成形しやすい。

0056

ポリアミドAがポリアミド6以外である場合についても、樹脂組成物の溶融流れ速度が、ポリアミドAがポリアミド6である場合に相当する範囲にあることが、本発明の樹脂組成物の成形性、含浸性の点から好ましい。
なお、ポリアミドAがポリアミド12である場合は、温度250℃、荷重21.2N(2.16kg)で測定することが好ましい。このときの樹脂組成物の溶融流れ速度は、20〜120g/10分が好ましく、30〜100g/10分がより好ましく、40〜90g/10分がより好ましく、40〜70g/分がさらに好ましい。

0057

本発明の樹脂組成物は、例えば、各成分を、タンブラーヘンシェルミキサー等の各種混合機を用いてあらかじめ混合した後、バンバリーミキサーロールブラベンダー単軸混練押出機二軸混練押出機ニーダー等で溶融混練して製造できる。

0058

以上説明した本発明の樹脂組成物にあっては、粘度数の低いポリアミドAを含むため、強化繊維シートへの含浸性に優れる。
また、本発明の樹脂組成物にあっては、ポリアミドAのアミド基とフッ素樹脂Bの接着性官能基とが反応又は会合することによって、粘度数の低いポリアミドを含むにもかかわらずフィルム、繊維等に成形できる。また、強化繊維シートへの含浸性がさらに優れる。
また、本発明の樹脂組成物にあっては、接着性官能基を有するフッ素樹脂Bを含むとともに、強化繊維シートへの含浸性に優れるため、耐衝撃性に優れる繊維強化成形品を得ることができる。

0059

<成形品>
本発明の成形品は、本発明の樹脂組成物からなる。
本発明の成形品は、プリプレグを製造する際に強化繊維シートと積層した状態で溶融して強化繊維シートに含浸させられる材料として用いられる。
本発明の成形品の形態としては、フィルム、繊維等が挙げられる。

0060

フィルムは、例えば、本発明の樹脂組成物をTダイ又はサーキュラーダイを用いてフィルム状に押し出して製造できる。また、ポリアミドAとフッ素樹脂Bとを混合した後、Tダイ又はサーキュラーダイを備えた押出機直接投入して製造できる。
繊維は、例えば、本発明の樹脂組成物をノズルから繊維状に押し出して製造できる。細径の繊維を得るために延伸してもよい。また、ポリアミドAとフッ素樹脂Bとを混合した後、ノズルを備えた押出機に直接投入して製造できる。

0061

以上説明した本発明の成形品にあっては、本発明の樹脂組成物からなる成形品であるため、強化繊維シートへの含浸性に優れる。また、耐衝撃性に優れる繊維強化成形品を得ることができる。

0062

<プリプレグ>
本発明のプリプレグは、本発明の樹脂組成物と、強化繊維とを含む。具体的には、強化繊維シートに本発明の樹脂組成物を含浸して得られた、本発明の樹脂組成物からなるマトリックス樹脂に強化繊維シートが埋め込まれたシート状の材料である。
本発明の樹脂組成物を含浸する、とは、上記溶融混練して得た本発明の樹脂組成物を直接含浸させる場合に限らず、後述するように本発明の樹脂組成物からなる成形品(フィルム等)を強化繊維シートに含浸させる場合も含まれる。フィルム等を含浸させた場合も、本発明のプリプレグは、本発明の樹脂組成物をマトリックス樹脂として含む。

0063

強化繊維としては、繊維強化成形品の機械的特性の点から、長さが10mm以上の連続した長繊維が好ましい。強化繊維は、強化繊維シートの長さ方向の全長又は幅方向全幅にわたり連続している必要はなく、途中で分断されていてもよい。

0064

強化繊維の形態としては、繊維強化成形品の機械的特性の点から、シート状に加工された強化繊維シートが好ましい。
強化繊維シートとしては、複数の強化繊維からなる強化繊維束、強化繊維束を織成してなるクロス、複数の強化繊維が一方向に引き揃えられた一方向性強化繊維束、一方向性強化繊維束から構成された一方向性クロス、これらを組み合わせたもの、複数の強化繊維束を積み重ねたもの等が挙げられる。

0065

強化繊維としては、無機繊維金属繊維有機繊維等が挙げられる。
無機繊維としては、炭素繊維、黒鉛繊維、ガラス繊維、シリコンカーバイト繊維シリコンナイトライド繊維、アルミナ繊維炭化珪素繊維ボロン繊維等が挙げられる。
金属繊維としては、アルミニウム繊維黄銅繊維、ステンレス繊維等が挙げられる。
有機繊維としては、芳香族ポリアミド繊維、ポリアラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維等が挙げられる。

0066

強化繊維は、表面処理が施されているものであってもよい。強化繊維は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。強化繊維としては、比重が小さく、高強度、高弾性率である点から、炭素繊維が好ましい。
炭素繊維としては、例えば、国際公開第2013/129169号に記載されたものが挙げられ、特に段落0018〜0026に記載されたものが好ましい。また、炭素繊維の製法としては、段落0028〜0033に記載されたものが挙げられる。

0067

強化繊維としては、強化繊維束を織成してなる織物、編み物、複数の強化繊維が一方向に引きそろえられた一方向性強化繊維束、該一方向性強化繊維束から構成された一方向性シート、これらを組み合わせたもの、複数の強化繊維束を積み重ねたもの、ノンクリンプファブリック等が挙げられる。織物を構成する経糸緯糸は直交していてもよく、直交していなくても良い。

0068

強化繊維は、開繊されたものであることが好ましい。「開繊」とは、複数の繊維束を扁平に広げる処理の事であり、開繊された強化繊維を用いることで、樹脂の含浸が向上し、より機械物性に優れた繊維強化成形品を得ることができる。開繊の方法としては、日本特許第2983531号公報、日本特許第3049225号公報や、日本特許第3064019号公報等に開示されている。

0069

強化繊維表面には繊維の取り扱いを容易にするためのコーティングサイジングとも呼ぶ)がされているが、本発明においては、コーティングされた強化繊維、コーティング剤を除去した強化繊維のどちらも用いることができる、

0070

本発明のプリプレグは、例えば、本発明の樹脂組成物を強化繊維シートに含浸させることによって製造できる。強化繊維シートとしては前記強化繊維織物、編み物、一方向に引きそろえられた一方向性シートが挙げられる。
本発明のプリプレグの製造方法としては、例えば、下記方法が挙げられる。
・本発明の樹脂組成物からなるフィルムを、強化繊維シートの存在下に樹脂組成物の融点以上に加熱、溶融させ、樹脂組成物を強化繊維シートに含浸させる方法。
・本発明の樹脂組成物からなる繊維と強化繊維とを用いてファブリックを作製し、ファブリックを樹脂組成物の融点以上に加熱し、樹脂組成物からなる繊維を溶融させ、樹脂組成物を強化繊維シートに含浸させる方法。

0071

以上説明した本発明のプリプレグにあっては、マトリックス樹脂として本発明の樹脂組成物を含むため、樹脂組成物が強化繊維シートに充分に含浸している。また、耐衝撃性に優れる繊維強化成形品を得ることができる。

0072

<繊維強化成形品>
本発明の繊維強化成形品は、本発明のプリプレグを成形してなるものである。
本発明の繊維強化成形品は、本発明のプリプレグのみを成形してなるものであってもよく、本発明のプリプレグとそれ以外の他のプリプレグとを成形してなる積層体であってもよく、本発明のプリプレグ及び必要に応じて他のプリプレグを成形してなるものと、プリプレグ以外の他の部材との積層体であってもよい。

0073

他のプリプレグとしては、マトリックス樹脂がポリアミドA及びフッ素樹脂Bを含まないプリプレグ、マトリックス樹脂がフッ素樹脂Bを含み、ポリアミドAを含まないプリプレグ、マトリックス樹脂がポリアミドAを含み、フッ素樹脂Bを含まないプリプレグ等が挙げられる。

0074

プリプレグ以外の他の部材としては、金属部材、ポリアミドAを含む樹脂フィルム、フッ素樹脂Bを含む樹脂フィルム、他の熱可塑性樹脂を含むフィルム等が挙げられる。
金属部材としては、金属箔、各種金属部品等が挙げられる。金属としては、鉄、ステンレス鋼アルミニウム、銅、黄銅、ニッケル亜鉛等が挙げられる。金属部材の形状は、目的の繊維強化成形品に応じて適宜選択できる。

0075

本発明の繊維強化成形品は、例えば、本発明のプリプレグの1つのみ、本発明のプリプレグの2つ以上を積み重ねた積層体、又は本発明のプリプレグの1つ以上と、他のプリプレグ及びプリプレグ以外の他の部材のいずれか一方又は両方の1つ以上とを積み重ねた積層体を、加熱しながら成形して製造できる。
成形方法としては、金型を用いたプレス成形法等が挙げられる。

0076

本発明の繊維強化成形品は、本発明のプリプレグを用いない方法によっても成形できる。例えば、強化繊維シートと、本発明の樹脂組成物からなるフィルムを金型内に積層し、その後、加熱プレスすることによっても、本発明の繊維強化成形品を得ることができる。強化繊維シートをAとし、本発明の樹脂組成物からなるフィルムをBとした場合、上記積層はABABABと交互に積層してもよく、AABAABBなど不規則順序で積層してもよい。また、BABを組合せたBABBABBABなど規則的な順序で積層してもよい。
加熱プレスの温度は、本発明の樹脂組成物の融点以上、または前記樹脂組成物の主成分である樹脂(ポリアミドAまたはフッ素樹脂B)の融点以上であることが好ましい。

0077

本発明の繊維強化成形品は、テープ形状の本発明のプリプレグ(UDテープともいう)を型(金属、木等)もしくは樹脂、金属等からなる成形品に巻き付け、その後加熱溶着(場合によっては加圧)することによっても成形することができる。
また、本発明のプリプレグ(前記UDテープも含む)を短冊状に切断したチョップドシート(チョップドテープ、チョップドUDテープ等とも呼ぶ)を金型内に積層し、加熱溶着(場合によっては加圧)することによっても成形することができる。
チョップドシートを積層する際は、ランダムでもよく、部分ごとに繊維の方向性を変えてもよい。等方的な繊維強化成形品を得る場合はランダムに積層させることが好ましい。部分的に強度を変化させる場合は、部分ごとに繊維の方向性を変えることが望ましい。

0078

繊維強化成形品の用途としては、下記のものが挙げられる。
電気・電子機器(パソコンディスプレイOA機器携帯電話携帯情報端末ファクシミリコンパクトディスクポータブルMD、携帯用ラジオカセット、PDA(電子手帳等の携帯情報端末)、ビデオカメラデジタルスチルカメラ光学機器オーディオエアコン照明機器娯楽用品、玩具用品、その他家電製品等)の筐体内部部材トレイシャーシ等)、内部部材のケース機構部品等。建材パネル)等。

0079

自動車、二輪車関連部品、部材及び外板モーター部品オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクターICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベースサスペンション部品、各種バルブ排気ガスバルブ等)、燃料関係、排気系又は吸気系各種パイプエアーインテークノズルスノーケルインテークマニホールド、各種アーム、各種フレーム、各種ヒンジ、各種軸受燃料ポンプガソリンタンクCNGタンクエンジン冷却水ジョイントキャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー排気ガスセンサー冷却水センサー油温センサーブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサークランクシャフトポジションセンサーエアーフローメーターブレーキパッド磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブラジエーターモーターブラッシュホルダーウォーターポンプインペラータービンインワイパーモーター関係部品、ディストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレートランスミッションワイヤーハーネスウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイルヒューズ用コネクター、バッテリートレイ、ATブラケットヘッドランプサポートペダルハウジングハンドルドアビームプロテクター、シャーシ、フレームアームレストホーンターミナル、ステップモーターローターランプソケットランプリフレクターランプハウジングブレーキピストンノイズシールドラジエターサポートスペアタイヤカバーシートシェルソレノイドボビンエンジンオイルフィルター、点火装置ケース、アンダーカバースカッフプレートピラートリムプロペラシャフトホイールフェンダーフェイシャー、バンパーバンパービームボンネットエアロパーツプラットフォームカウルルーバールーフインストルメントパネルスポイラー、各種モジュール等。

0080

液体水素輸送および貯蔵タンク部材、スピーカー振動板
航空機関連部品、部材及び外板:ランディングギアポッドウィングレット、スポイラー、エッジラダーエレベーター、フェイリング、リブ等。
その他:風車羽根ドローン部品等。

0081

本発明の繊維強化成形品は、特に、航空機部材スポーツ用品、風車の羽根、自動車外板自動車内装、及び電子機器の筐体、トレイ、シャーシ等に好ましく用いられる。
以上説明した本発明の繊維強化成形品にあっては、本発明のプリプレグを用いているため、耐衝撃性に優れる。

0082

以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。

0083

(粘度数)
ポリアミドのペレットについて、ISO 307:2007(対応日本工業規格JIS
K 6933:2013)に準じて、溶媒として96%硫酸を用いて粘度数を測定した。

0084

(含フッ素重合体における単位の割合)
含フッ素重合体における単位の割合は、溶融NMR分析、フッ素含有量分析及び赤外吸収スペクトル分析によって求めた。

0085

(接着性官能基の含有量)
下記の赤外吸収スペクトル分析によって、含フッ素重合体におけるIAH単位の割合を求めた。
含フッ素重合体をプレス成形して厚み200μmのフィルムを得た。赤外吸収スペクトルにおいて含フッ素重合体中のIAH単位の吸収ピークは1778cm−1に現れる。この吸収ピークの吸光度を測定し、IAHのモル吸光係数20810mol−1・L・cm−1を用いて、IAH単位の割合(モル%)を求めた。
IAH単位の割合をa(モル%)とすると、主鎖炭素数1×106個に対する接着性官能基(酸無水物基)の個数は、[a×106/100]個と算出される。

0086

(融点)
示差走査熱量計セイコーインスツル社製、DSC−7020)を用い、含フッ素重合体又はポリアミドを10℃/分の速度で昇温したときの融解ピークを記録し、極大値に対応する温度(℃)を融点とした。

0087

(溶融流れ速度)
含フッ素重合体については、メルトインデクサーテクセブン社製)を用い、250℃、荷重21.2Nの条件下で直径2mm、長さ8mmのノズルから10分間に流出する含フッ素重合体の質量(g)を測定した。
樹脂組成物については、メルトインデクサー(テクノセブン社製)を用い、260℃、荷重21.2Nの条件下で直径2mm、長さ8mmのノズルから10分間に流出する樹脂組成物の質量(g)を測定した。なお、実施例10、11、比較例8、9、10、11については250℃で測定した。

0088

フィルム成形性(1))
樹脂組成物のフィルム成形性(1)は、実施例1〜4及び比較例1〜4に記載のように、2.0m/分又は4.0m/分のライン速度でフィルム成形を行い、以下の基準で評価した。
◎(優良):両方の巻取速度で樹脂組成物をフィルムに安定して成形できる。
○(良) :両方の巻取速度で樹脂組成物をフィルムに成形でき、2.0m/分では安定して成形できるが、4.0m/分では不安定である。
△(可) :両方の巻取速度で樹脂組成物をフィルムに成形できるが、不安定である。
×(不可):樹脂組成物をフィルムに成形できない。

0089

(フィルム成形性(2))
樹脂組成物のフィルム成形性(2)は、実施例5〜6及び比較例5〜7に記載のように、2.0m/分の巻取速度でフィルム成形を行い、以下の基準で評価した。
可 :樹脂組成物をフィルムに成形できる。
不可:樹脂組成物をフィルムに成形できない。

0090

(含浸性)
樹脂組成物の強化繊維シートへの含浸性を、樹脂組成物の溶融流れ速度を用いて下記の基準で評価した。
○(良):樹脂組成物の溶融流れ速度が20g/10分以上である。
△(可):樹脂組成物の溶融流れ速度が10g/10分以上20g/10分未満である。
×(不可):樹脂組成物の溶融流れ速度が10g/10分未満である。

0091

アイゾット衝撃強度
コンターマシン(アマダ社製、V−400)を用いて積層体(実施例・比較例で作製した繊維強化成形品)を切断し、高さ:63mm、幅:13mmのサンプルを得た。サンプルの高さ32mmの位置にノッチを入れ、試験片を得た。
試験片について、アイゾッド試験装置(東洋精機製作所社製)を用い、ハンマー容量:2.75J、ハンマー質量×重力加速度:13.97N、軸心から重心までの距離:10.54cm、軸心から打撃点までの距離:33.5cmの条件にてアイゾット衝撃強度を測定した。

0092

引張強度
TENSILON(TOYO BALDWIN CO.,LTD.製、型式UTM−5T)を用い、ロードセル定格:5000kg、チャック間距離:110mm、速度:10mm/分で引張強度を求めた。

0093

曲げ強度
引張圧縮試験機(東洋精機製作所社製、ストログラフR−2)を用いて、ロードセル定格:1000kg、速度:5mm/分、支点間距離:8cmで曲げ強度を測定した。

0094

(ポリアミド)
ポリアミドA−1:ポリアミド6(宇部興産社製、UBEナイロン1013B、粘度数:123)、融点224℃。
ポリアミドA’−2:ポリアミド6(宇部興産社製、UBEナイロン 1022B、粘度数:196)、融点224℃。
ポリアミドA−3:ポリアミド12(宇部興産社製、UBESTA 3012U、粘度数155)、融点180℃。
ポリアミドA‘−4:ポリアミド12(宇部興産社製、UBESTA 3030U,粘度数213)、融点179℃。

0095

(フッ素樹脂)
含フッ素重合体B−1:
内容積が430Lの撹拌機付き重合槽脱気し、1−ヒドロトリデカフルオロヘキサンの237.2kg、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(旭硝子社製、AK225cb、以下「AK225cb」と記す。)の49.5kg、HFPの122kg、PFBEの1.31kgを仕込み重合槽内を66℃に昇温し、TFEとエチレンの混合ガス(TFE/エチレン=89/11モル比)で、1.5MPa[gauge]まで昇圧した。重合開始剤としてtert−ブチルペルオキシピバレートの2質量%を含む1−ヒドロトリデカフルオロヘキサン溶液の2.5Lを仕込み、重合を開始させた。重合中、圧力が一定になるようにTFEとエチレンの単量体混合ガス(TFE/エチレン=54/46モル比)を連続的に仕込んだ。また、重合中に仕込むTFEとエチレンの合計モル数に対して1モル%に相当する量のPFBEと0.4モル%に相当する量のIAHを連続的に仕込んだ。重合開始から9.3時間後、単量体混合ガスの29kgを仕込んだ時点で、重合槽内温を25℃まで降温するとともに、常圧までパージした。

0096

得られたスラリ状の含フッ素重合体B−1を、水の300kgを仕込んだ860Lの造粒槽投入し、撹拌下に105℃まで昇温して溶媒を留出除去しながら造粒した。得られた造粒物を150℃で15時間乾燥して、33.2kgの含フッ素重合体B−1の乾燥造粒物を得た。
含フッ素重合体B−1における各単量体単位の割合は、TFE単位/HFP単位/PFBE単位/IAH単位/E単位=46.2/9.4/1.0/0.4/43.0モル比であり、接着性官能基の含有量は、含フッ素重合体B−1の主鎖炭素数1×106個に対し3000個であり、含フッ素重合体B−1の融点は170℃であり、溶融流れ速度(250℃、荷重21.2N)は4.4g/10分であった。

0097

含フッ素重合体B’−2:接着性官能基を有しないETFE(旭硝子社製、LM−ETFE LM−730AP、融点:225℃、溶融流れ速度(297℃、荷重49N):30g/10分)。
含フッ素樹脂B−3:国際公開第2015/182702号の実施例1と同様に合成を行い、含フッ素重合体B−3を得た。含フッ素重合体B−3における各単位の割合は、TFE単位/IAH単位/PFBE単位/E単位=58.5/0.1/2.4/39モル比であり、接着性官能基の含有量は、含フッ素重合体B−3の主鎖炭素数1×106個に対し3000個であり、含フッ素重合体B−3の融点は245℃であり、溶融流れ速度(297℃、荷重49N)は22g/10分であった。

0098

(実施例1〜4、比較例3、4)
ポリアミドとフッ素樹脂を表1に示す割合でドライブレンドし、2軸押出機(テクノベル社製、KZW15TW−45MG)に投入し、樹脂吐出量:2.0kg/時間、スクリュー回転数:200rpm、設定樹脂温度:240℃の条件にて溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の溶融流れ速度を測定し、含浸性を評価した。評価結果を表1に示す。なお表1に示す配合比は体積%であり、ポリアミドの比重1.14、フッ素樹脂の比重1.75として計算した。
得られた樹脂組成物を単軸押出機(田辺プラスチックス機械社製、VS−30)及び400mm幅Tダイを用い、設定樹脂温度:260℃、回転数50rpm、ライン速度:2.0m/分又は4.0m/分にて押出成形し、フィルム成形性(1)を評価した。評価結果を表1に示す。

0099

(比較例1、2)
ポリアミドA単体についてのフィルム成形性(1)、含浸性の評価結果を表1に示す。

0100

0101

(実施例5、6、比較例5、6、7)
ポリアミドとフッ素樹脂を表2に示す割合でドライブレンドし、2軸押出機(テクノベル社製、KZW15TW−45MG)に投入し、樹脂吐出量:2.0kg/時間、スクリュー回転数:200rpm、設定樹脂温度:250℃の条件にて溶融混練し、樹脂組成物を得た。なお表2に示す配合比は体積%であり、ポリアミドの比重1.14、フッ素樹脂の比重1.75として計算した。
得られた樹脂組成物を単軸押出機(田辺プラスチックス機械社製、VS−30)及び400mm幅Tダイを用い、設定樹脂温度:260℃、回転数50rpm、ライン速度:2.0m/分にて押出成形し、厚さ50μmのフィルムを成形した。次いで、フィルム成形性(2)を評価した。評価結果を表2に示す。

0102

得られたフィルムを30cm×30cmの正方形切り出した。フィルムと、炭素繊維クロスサンライト社製、CF3000)とを、フィルム、炭素繊維クロス、フィルムの順番で積層したものを、メルト熱プレス機テスター産業社製)を用い、温度:240℃、圧力:1MPa、プレス時間:3分間の条件でプレス成形し、プリプレグを得た。
得られたプリプレグを10枚積層し、メルト熱プレス機(テスター産業社製)を用い、温度:260℃、予熱:10分、圧力:10MPa、プレス時間:5分間の条件でプレス成形し、厚さ2.5mmの繊維強化成形品を得た。
得られた繊維強化成形品について、アイゾット衝撃強度、引張強度、曲げ強度を測定した。結果を表2に示す。

0103

0104

(実施例7、8、9)
ポリアミドとフッ素樹脂を表3に示す割合でドライブレンドし、2軸押出機(テクノベル社製、KZW15TW−45MG)に投入し、樹脂吐出量:2.0kg/時間、スクリュー回転数:200rpm、設定樹脂温度:250℃の条件にて溶融混練し、樹脂組成物を得た。なお表2に示す配合比は体積%であり、ポリアミドの比重1.14、フッ素樹脂の比重1.75として計算した。
得られた樹脂組成物を単軸押出機(田辺プラスチックス機械社製、VS−30)及び400mm幅Tダイを用い、設定樹脂温度:260℃、回転数50rpm、ライン速度:2.0m/分にて押出成形し、厚さ50μmのフィルムを成形した。

0105

炭素繊維クロス(サンライト社製、CF3000)を、300℃に加熱したオーブン内に15分間静置し、前処理を行った。前処理を行った炭素繊維クロスを、縦25cm、横25cmの大きさに10枚切りだし、作製したフィルムを縦25cm、横25cmの大きさに20枚切り出した。金型内にフィルム/炭素繊維クロス/フィルム/フィルム/炭素繊維クロス/フィルム/フィルム/炭素繊維クロス/フィルム(繰り返し)の順番に、フィルム20枚、炭素繊維クロス10枚分を積層した。
メルト熱プレス機(テスター産業社製)を用いて、金型を温度260℃、予熱10分、圧力4MPaで5分間加圧した。その後金型を冷却し、厚さ2.3mmの平板状の繊維強化成形品を得た。
得られた繊維強化成形品を用いて、曲げ強度、アイゾット衝撃強度を測定した。結果を表3に示す。

0106

0107

(実施例10、11、比較例8〜11)
フッ素樹脂B−1とポリアミドA−3、A‘−4
ポリアミドとフッ素樹脂を表3に示す割合でドライブレンドし、2軸押出機(テクノベル社製、KZW15TW−45MG)に投入し、樹脂吐出量:2.0kg/時間、スクリュー回転数:200rpm、設定樹脂温度:240℃の条件にて溶融混練し、樹脂組成物を得た。なお表2に示す配合比は体積%であり、ポリアミドの比重1.02、フッ素樹脂の比重1.75として計算した。
得られた樹脂組成物を単軸押出機(田辺プラスチックス機械社製、VS−30)及び400mm幅Tダイを用い、設定樹脂温度:220℃、回転数50rpm、ライン速度:2.0m/分にて押出成形し、厚さ50μmのフィルムを成形した。次いで、フィルム成形性(1)を評価した。評価結果を表4に示す。

0108

0109

比較例1は実施例1〜4とは異なりフィルムに成形できなかった。比較例2、3は、フィルムに成形することはできたが、組成物の溶融流れ速度が小さく溶融流動性に劣るため、繊維シートへの含浸性に劣る。比較例4に示すように、ポリアミドの粘度数が小さい場合、接着性官能基を有しないETFEを併用してもフィルムへの成形が困難であった。比較例5は、フィルム成形が困難であり、繊維強化成形品を得ることができなかった。比較例6、7は、実施例5、6よりもアイゾット衝撃強度、引張強度、曲げ強度が劣る。

実施例

0110

ポリアミドとしてPA12を用いた場合も、比較例8は実施例10、11とは異なりフィルムに成形できなかった。また、比較例9〜11はフィルムに成形することはできたが組成物の溶融流れ速度が小さく溶融流動性に劣るため、繊維シートへの含浸性に劣る。
実施例1〜11に示されるように、粘度数が小さいポリアミドと接着性官能基を有するフッ素樹脂によって、含浸性、フィルム成形性に優れ、繊維強化成形品に成形した際の機械物性に優れる樹脂組成物を得ることができる。

0111

本発明の樹脂組成物は、プリプレグ及び繊維強化成形品のマトリックス樹脂として有用である。
なお、2017年9月14日に出願された日本特許出願2017−176757号、2017年10月6日に出願された日本特許出願2017−195880号、及び2018年5月21日に出願された日本特許出願2018−097288号、の明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

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