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技術 蒸着マスク装置の製造方法及び蒸着マスク装置の製造装置

出願人 大日本印刷株式会社
発明者 岡本英介
出願日 2018年8月8日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2019-540843
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 WO2019-049600
状態 未査定
技術分野 物理蒸着
主要キーワード 略四角形形状 最小開口面積 アルカリ系剥離液 スーパーインバー材 巻き体 巻き取り径 自動検査機 ボルト留め
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重要な関連分野

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課題・解決手段

蒸着マスク装置の製造方法は、第1面から第2面に至る複数の貫通孔を含む蒸着マスクを準備する準備工程と、表面と表面に対向する裏面とを含むフレームの表面に、蒸着マスクを溶接する溶接工程と、を備える。

概要

背景

近年、スマートフォンタブレットPC等の持ち運び可能なデバイスで用いられる表示装置に対して、高精細であること、例えば画素密度が500ppi以上であることが求められている。また、持ち運び可能なデバイスにおいても、ウルトラフルハイビジョンに対応することへの需要が高まっており、この場合、表示装置の画素密度が例えば800ppi以上であることが求められる。

表示装置の中でも、応答性の良さ、消費電力の低さやコントラストの高さのため、有機EL表示装置が注目されている。有機EL表示装置の画素を形成する方法として、所望のパターンで配列された貫通孔が形成された蒸着マスクを用い、所望のパターンで画素を形成する方法が知られている。具体的には、はじめに、有機EL表示装置用の基板に対して蒸着マスクを密着させ、次に、密着させた蒸着マスクおよび基板を共に蒸着装置投入し、有機材料を基板に蒸着させる蒸着工程を行う。この場合、高い画素密度を有する有機EL表示装置を精密に作製するためには、蒸着マスクの貫通孔の位置や形状を設計に沿って精密に再現することが求められる。

有機材料などの蒸着材料を基板に蒸着させる蒸着工程を行う蒸着装置は、蒸着マスクと、蒸着マスクを支持するフレームと、を含む蒸着マスク装置を備える。フレームは、蒸着マスクが撓まないように、蒸着マスクを引っ張った状態で支持する。蒸着マスクは、溶接によってフレームに固定される。

概要

蒸着マスク装置の製造方法は、第1面から第2面に至る複数の貫通孔を含む蒸着マスクを準備する準備工程と、表面と表面に対向する裏面とを含むフレームの表面に、蒸着マスクを溶接する溶接工程と、を備える。

目的

本開示は、このような課題を効果的に解決し得る蒸着マスク装置の製造方法及び蒸着マスク装置の製造装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

蒸着マスク装置の製造方法であって、第1面から第2面に至る複数の貫通孔を含む蒸着マスクを準備する準備工程と、表面と前記表面に対向する裏面とを含むフレームの前記表面に、前記蒸着マスクを溶接する溶接工程と、を備え、前記蒸着マスクは、一対の端部を構成する一対の部を有し、前記一対の耳部がそれぞれ、前記フレームの前記表面に溶接される溶接部と、前記溶接部と前記蒸着マスクの前記端部との間に位置する延在部と、を含み、前記溶接工程は、前記溶接部の前記第2面が前記フレームの前記表面に接触し、且つ、前記延在部の前記第2面が少なくとも部分的に前記フレームの前記表面よりも前記フレームの前記裏面側に位置するように前記蒸着マスクに張力を加える工程と、前記蒸着マスクに前記張力が加えられた状態で、前記蒸着マスクの前記溶接部を前記フレームに接合する工程と、を有する、蒸着マスク装置の製造方法。

請求項2

前記溶接部を前記フレームに接合する工程において、前記第1面側からレーザー光照射する、請求項1に記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項3

前記蒸着マスクに張力を加える工程において、前記フレームを前記第1面の法線方向に移動させる、請求項1または2に記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項4

前記蒸着マスクに張力を加える工程において、治具により前記蒸着マスクを支持する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項5

前記治具は、クランプである、請求項4に記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項6

前記蒸着マスクに張力を加える工程において、前記クランプにより前記蒸着マスクの前記延在部を挟持する、請求項5に記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項7

前記クランプは、前記一対の耳部のうち一方の耳部の前記延在部を挟持する第1クランプと、前記一対の耳部のうち他方の耳部の前記延在部を挟持する第2クランプと、を有する、請求項6に記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項8

前記蒸着マスクに張力を加える工程において、前記第1クランプおよび前記第2クランプのうち少なくとも一方を、前記第1面の法線方向に移動させる、請求項7に記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項9

前記蒸着マスクに張力を加える工程において、前記第1クランプおよび前記第2クランプのうち少なくとも一方を、前記第1面の面方向に沿って移動させる、請求項7または8に記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項10

前記フレームは、前記表面と前記裏面との間に延びる外側面を含み、前記表面と、前記外側面との間に、前記表面と前記外側面とを連結する連結面が設けられている、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項11

前記連結面の輪郭は、前記第1面の法線方向に沿った断面で見たときに、少なくとも部分的に前記蒸着マスクに向かって凸となる円弧形状を有し、前記円弧形状の曲率半径は、0.1mm以上である、請求項10に記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項12

第1面から第2面に至る複数の貫通孔を含む蒸着マスクと、前記蒸着マスクの前記第2面に面する表面と前記表面に対向する裏面とを含むフレームと、を備える蒸着マスク装置を製造するための蒸着マスク装置の製造装置であって、前記蒸着マスクを支持する治具と、前記フレームと接触するステージと、を備え、前記蒸着マスクは、一対の端部を構成する一対の耳部を有し、前記一対の耳部がそれぞれ、前記フレームの前記表面に溶接される溶接部と、前記溶接部と前記蒸着マスクの前記端部との間に位置する延在部と、を含み、前記治具は、前記蒸着マスクの前記延在部を支持し、前記治具が前記蒸着マスクを支持した状態において、前記溶接部の前記第2面が前記フレームの前記表面に接触し、且つ、前記延在部の前記第2面が少なくとも部分的に前記フレームの前記表面よりも前記フレームの前記裏面側に位置する、蒸着マスク装置の製造装置。

請求項13

前記ステージは、前記第1面の法線方向に移動可能である、請求項12に記載の蒸着マスク装置の製造装置。

請求項14

前記治具は、前記蒸着マスクの前記延在部を挟持するクランプである、請求項12または13に記載の蒸着マスク装置の製造装置。

請求項15

前記クランプは、前記蒸着マスクの前記一対の耳部のうち一方の耳部の前記延在部を挟持する第1クランプと、前記一対の耳部のうち他方の耳部の前記延在部を挟持する第2クランプと、を有している、請求項14に記載の蒸着マスク装置の製造装置。

請求項16

前記第1クランプおよび前記第2クランプのうち少なくとも一方は、前記第1面の法線方向に移動可能である、請求項15に記載の蒸着マスク装置の製造装置。

請求項17

前記第1クランプおよび前記第2クランプのうち少なくとも一方は、前記第1面の面方向に沿って移動可能である、請求項15または16に記載の蒸着マスク装置の製造装置。

請求項18

前記フレームは、前記表面と前記裏面との間に延びる外側面を含み、前記表面と、前記外側面との間に、前記表面と前記外側面とを連結する連結面が設けられている、請求項12乃至17のいずれか一項に記載の蒸着マスク装置の製造装置。

請求項19

前記連結面の輪郭は、前記第1面の法線方向に沿った断面で見たときに、少なくとも部分的に前記蒸着マスクに向かって凸となる円弧形状を有し、前記円弧形状の曲率半径は、0.1mm以上である、請求項18に記載の蒸着マスク装置の製造装置。

請求項20

前記蒸着マスクと前記フレームとを互いに接合する溶接装置を更に備える、請求項12乃至19のいずれか一項に記載の蒸着マスク装置の製造装置。

請求項21

蒸着マスク装置の製造方法であって、前記蒸着マスク装置は、第1面と、前記第1面に対向する第2面と、前記第1面から前記第2面に至る複数の貫通孔と、を有する蒸着マスクと、第3面と、前記第3面に対向する第4面と、を有するフレームとを含み、前記蒸着マスク装置の製造方法は、前記蒸着マスクを準備する工程と、前記第2面の少なくとも一部が前記第3面に接触し、且つ、前記第1面の法線方向から見た場合に、前記蒸着マスクのうち、前記フレームと重ならない部分の前記第2面の少なくとも一部を、前記第3面よりも前記第4面側に位置させて、前記蒸着マスクに張力を加える工程と、前記蒸着マスクを前記フレームに溶接する工程と、を有する、蒸着マスク装置の製造方法。

請求項22

前記蒸着マスクを前記フレームに溶接する工程において、前記第1面側からレーザー光を照射する、請求項21に記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項23

前記蒸着マスクに張力を加える工程において、前記フレームを前記第1面の法線方向に移動させる、請求項21または22に記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項24

前記蒸着マスクに張力を加える工程において、治具により前記蒸着マスクを支持する、請求項21乃至23のいずれか一項に記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項25

前記治具は、クランプである、請求項24に記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項26

前記クランプは、第1クランプと、前記蒸着マスクを挟んで前記第1クランプの反対側に位置する第2クランプと、を有する、請求項25に記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項27

前記蒸着マスクに張力を加える工程において、前記第1クランプおよび前記第2クランプのうち少なくとも一方を、前記第1面の法線方向に移動させる、請求項26に記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項28

前記蒸着マスクに張力を加える工程において、前記第1クランプおよび前記第2クランプのうち少なくとも一方を、前記蒸着マスクの前記第1面の面方向に沿って移動させる、請求項26または27に記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項29

前記フレームは、前記第3面と前記第4面との間に延びる第5面を含み、前記第3面と、前記第5面との間に、前記第3面と前記第5面とを連結する第6面が設けられている、請求項21乃至28のいずれか一項に記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項30

前記第6面の輪郭は、前記第1面の法線方向に沿った断面で見たときに、少なくとも部分的に前記蒸着マスクに向かって凸となる円弧形状を有し、前記円弧形状の曲率半径は、0.1mm以上である、請求項29に記載の蒸着マスク装置の製造方法。

請求項31

蒸着マスク装置の製造装置であって、前記蒸着マスク装置は、第1面と、前記第1面に対向する第2面と、前記第1面から前記第2面に至る複数の貫通孔と、を有する蒸着マスクと、第3面と、前記第3面に対向する第4面と、を有するフレームと、を含み、前記蒸着マスク装置の製造装置は、前記蒸着マスクを支持する治具と、前記フレームと接触するステージと、を備え、前記蒸着マスクは、前記第2面の少なくとも一部が前記第3面に接触し、且つ、前記第1面の法線方向から見た場合に、前記蒸着マスクのうち、前記フレームと重ならない部分の前記第2面の少なくとも一部が、前記第3面よりも前記第4面側に位置している、蒸着マスク装置の製造装置。

請求項32

前記ステージは、前記第1面の法線方向に移動可能である、請求項31に記載の蒸着マスク装置の製造装置。

請求項33

前記治具は、クランプである、請求項31または32に記載の蒸着マスク装置の製造装置。

請求項34

前記クランプは、第1クランプと、前記蒸着マスクを挟んで前記第1クランプの反対側に位置する第2クランプと、を有する、請求項33に記載の蒸着マスク装置の製造装置。

請求項35

前記第1クランプおよび前記第2クランプのうち少なくとも一方は、前記第1面の法線方向に移動可能である、請求項34に記載の蒸着マスク装置の製造装置。

請求項36

前記第1クランプおよび前記第2クランプのうち少なくとも一方は、前記第1面の面方向に沿って移動可能である、請求項34または35に記載の蒸着マスク装置の製造装置。

請求項37

前記フレームは、前記第3面と前記第4面との間に延びる第5面を含み、前記第3面と、前記第4面との間に、前記第3面と前記第4面とを連結する第6面が設けられている、請求項31乃至36のいずれか一項に記載の蒸着マスク装置の製造装置。

請求項38

前記第6面の輪郭は、前記第1面の法線方向に沿った断面で見たときに、少なくとも部分的に前記蒸着マスクに向かって凸となる円弧形状を有し、前記円弧形状の曲率半径は、0.1mm以上である、請求項37に記載の蒸着マスク装置の製造装置。

請求項39

前記蒸着マスクと前記フレームとを互いに接合する溶接装置を更に備える、請求項31乃至38のいずれか一項に記載の蒸着マスク装置の製造装置。

技術分野

0001

本開示の一実施形態は、複数の貫通孔が形成された蒸着マスクと、蒸着マスクを支持するフレームと、を備える蒸着マスク装置の製造方法及び蒸着マスク装置の製造装置に関する。

背景技術

0002

近年、スマートフォンタブレットPC等の持ち運び可能なデバイスで用いられる表示装置に対して、高精細であること、例えば画素密度が500ppi以上であることが求められている。また、持ち運び可能なデバイスにおいても、ウルトラフルハイビジョンに対応することへの需要が高まっており、この場合、表示装置の画素密度が例えば800ppi以上であることが求められる。

0003

表示装置の中でも、応答性の良さ、消費電力の低さやコントラストの高さのため、有機EL表示装置が注目されている。有機EL表示装置の画素を形成する方法として、所望のパターンで配列された貫通孔が形成された蒸着マスクを用い、所望のパターンで画素を形成する方法が知られている。具体的には、はじめに、有機EL表示装置用の基板に対して蒸着マスクを密着させ、次に、密着させた蒸着マスクおよび基板を共に蒸着装置投入し、有機材料を基板に蒸着させる蒸着工程を行う。この場合、高い画素密度を有する有機EL表示装置を精密に作製するためには、蒸着マスクの貫通孔の位置や形状を設計に沿って精密に再現することが求められる。

0004

有機材料などの蒸着材料を基板に蒸着させる蒸着工程を行う蒸着装置は、蒸着マスクと、蒸着マスクを支持するフレームと、を含む蒸着マスク装置を備える。フレームは、蒸着マスクが撓まないように、蒸着マスクを引っ張った状態で支持する。蒸着マスクは、溶接によってフレームに固定される。

0005

特許第5382259号公報
特開2001−234385号公報

0006

蒸着材料を所望のパターンで精度良く基板に蒸着させるためには、蒸着マスクの厚みが小さいことが好ましい。ところで、蒸着マスクの厚みを小さくした場合、蒸着マスクを引っ張った状態でフレームに支持させた際に、蒸着マスクに撓みや波打ち形状が発生することがある。このため、蒸着マスクとフレームとの密着性が低下し、蒸着マスクとフレームとの非密着部において溶接不良が発生することにより、蒸着マスクの溶接部の強度が十分に確保できないことが考えられる。とりわけ、蒸着マスクの厚みが小さい場合には、この溶接部の強度が問題になり得る。

先行技術

0007

本開示は、このような課題を効果的に解決し得る蒸着マスク装置の製造方法及び蒸着マスク装置の製造装置を提供することを目的とする。

0008

本開示の一実施形態は、蒸着マスク装置の製造方法であって、第1面から第2面に至る複数の貫通孔を含む蒸着マスクを準備する準備工程と、表面と前記表面に対向する裏面とを含むフレームの前記表面に、前記蒸着マスクを溶接する溶接工程と、を備え、前記蒸着マスクは、一対の端部を構成する一対の部を有し、前記一対の耳部がそれぞれ、前記フレームの前記表面に溶接される溶接部と、前記溶接部と前記蒸着マスクの前記端部との間に位置する延在部と、を含み、前記溶接工程は、前記溶接部の前記第2面が前記フレームの前記表面に接触し、且つ、前記延在部の前記第2面が少なくとも部分的に前記フレームの前記表面よりも前記フレームの前記裏面側に位置するように前記蒸着マスクに張力を加える工程と、前記蒸着マスクに前記張力が加えられた状態で、前記蒸着マスクの溶接部を前記フレームに接合する工程と、を有する、蒸着マスク装置の製造方法である。

0009

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造方法において、前記溶接部を前記フレームに接合する工程において、前記第1面側からレーザー光照射してもよい。

0010

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造方法において、前記蒸着マスクに張力を加える工程において、前記フレームを前記第1面の法線方向に移動させてもよい。

0011

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造方法において、前記蒸着マスクに張力を加える工程において、治具により前記蒸着マスクを支持してもよい。

0012

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造方法において、前記治具は、クランプであってもよい。

0013

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造方法において、前記蒸着マスクに張力を加える工程において、前記クランプにより前記蒸着マスクの前記延在部を挟持してもよい。

0014

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造方法において、前記クランプは、前記一対の耳部のうち一方の耳部の前記延在部を挟持する第1クランプと、前記一対の耳部のうち他方の耳部の前記延在部を挟持する第2クランプと、を有していてもよい。

0015

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造方法において、前記蒸着マスクに張力を加える工程において、前記第1クランプおよび前記第2クランプのうち少なくとも一方を、前記第1面の法線方向に移動させてもよい。

0016

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造方法において、前記蒸着マスクに張力を加える工程において、前記第1クランプおよび前記第2クランプのうち少なくとも一方を、前記第1面の面方向に沿って移動させてもよい。

0017

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造方法において、前記フレームは、前記表面と前記裏面との間に延びる外側面を含み、前記表面と、前記外側面との間に、前記表面と前記外側面とを連結する連結面が設けられていてもよい。

0018

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造方法において、前記連結面の輪郭は、前記第1面の法線方向に沿った断面で見たときに、少なくとも部分的に前記蒸着マスクに向かって凸となる円弧形状を有し、前記円弧形状の曲率半径は、0.1mm以上であってもよい。

0019

本開示の一実施形態は、第1面から第2面に至る複数の貫通孔を含む蒸着マスクと、前記蒸着マスクの前記第2面に面する表面と前記表面に対向する裏面とを含むフレームと、を備える蒸着マスク装置を製造するための蒸着マスク装置の製造装置であって、前記蒸着マスクを支持する治具と、前記フレームと接触するステージと、を備え、前記蒸着マスクは、一対の端部を構成する一対の耳部を有し、前記一対の耳部がそれぞれ、前記フレームの前記表面に溶接される溶接部と、前記溶接部と前記蒸着マスクの前記端部との間に位置する延在部と、を含み、前記治具は、前記蒸着マスクの前記延在部を支持し、前記治具が前記蒸着マスクを支持した状態において、前記溶接部の前記第2面が前記フレームの前記表面に接触し、且つ、前記延在部の前記第2面が少なくとも部分的に前記フレームの前記表面よりも前記フレームの前記裏面側に位置する、蒸着マスク装置の製造装置である。

0020

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造装置において、前記ステージは、前記第1面の法線方向に移動可能であってもよい。

0021

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造装置において、前記治具は、前記蒸着マスクの前記延在部を挟持するクランプであってもよい。

0022

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造装置において、前記クランプは、前記蒸着マスクの前記一対の耳部のうち一方の耳部の前記延在部を挟持する第1クランプと、前記一対の耳部のうち他方の耳部の前記延在部を挟持する第2クランプと、を有していてもよい。

0023

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造装置において、前記第1クランプおよび前記第2クランプのうち少なくとも一方は、前記第1面の法線方向に移動可能であってもよい。

0024

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造装置において、前記第1クランプおよび前記第2クランプのうち少なくとも一方は、前記第1面の面方向に沿って移動可能であってもよい。

0025

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造装置において、前記フレームは、前記表面と前記裏面との間に延びる外側面を含み、前記表面と、前記外側面との間に、前記表面と前記外側面とを連結する連結面が設けられていてもよい。

0026

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造装置において、前記連結面の輪郭は、前記第1面の法線方向に沿った断面で見たときに、少なくとも部分的に前記蒸着マスクに向かって凸となる円弧形状を有し、前記円弧形状の曲率半径は、0.1mm以上であってもよい。

0027

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造装置は、前記蒸着マスクと前記フレームとを互いに接合する溶接装置を更に備えていてもよい。

0028

本開示の一実施形態は、蒸着マスク装置の製造方法であって、前記蒸着マスク装置は、第1面と、前記第1面に対向する第2面と、前記第1面から前記第2面に至る複数の貫通孔と、を有する蒸着マスクと、第3面と、前記第3面に対向する第4面と、を有するフレームとを含み、前記蒸着マスク装置の製造方法は、前記蒸着マスクを準備する工程と、前記第2面の少なくとも一部が前記第3面に接触し、且つ、前記第1面の法線方向から見た場合に、前記蒸着マスクのうち、前記フレームと重ならない部分の前記第2面の少なくとも一部を、前記第3面よりも前記第4面側に位置させて、前記蒸着マスクに張力を加える工程と、前記蒸着マスクを前記フレームに溶接する工程と、を有する、蒸着マスク装置の製造方法である。

0029

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造方法において、前記蒸着マスクを前記フレームに溶接する工程において、前記第1面側からレーザー光を照射してもよい。

0030

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造方法において、前記蒸着マスクに張力を加える工程において、前記フレームを前記第1面の法線方向に移動させてもよい。

0031

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造方法において、前記蒸着マスクに張力を加える工程において、治具により前記蒸着マスクを支持してもよい。

0032

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造方法において、前記治具は、クランプであってもよい。

0033

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造方法において、前記クランプは、第1クランプと、前記蒸着マスクを挟んで前記第1クランプの反対側に位置する第2クランプと、を有していてもよい。

0034

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造方法において、前記蒸着マスクに張力を加える工程において、前記第1クランプおよび前記第2クランプのうち少なくとも一方を、前記第1面の法線方向に移動させてもよい。

0035

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造方法において、前記蒸着マスクに張力を加える工程において、前記第1クランプおよび前記第2クランプのうち少なくとも一方を、前記蒸着マスクの前記第1面の面方向に沿って移動させてもよい。

0036

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造方法において、前記フレームは、前記第3面と前記第4面との間に延びる第5面を含み、前記第3面と、前記第5面との間に、前記第3面と前記第5面とを連結する第6面が設けられていてもよい。

0037

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造方法において、前記第6面の輪郭は、前記第1面の法線方向に沿った断面で見たときに、少なくとも部分的に前記蒸着マスクに向かって凸となる円弧形状を有し、前記円弧形状の曲率半径は、0.1mm以上であってもよい。

0038

本開示の一実施形態は、蒸着マスク装置の製造装置であって、前記蒸着マスク装置は、第1面と、前記第1面に対向する第2面と、前記第1面から前記第2面に至る複数の貫通孔と、を有する蒸着マスクと、第3面と、前記第3面に対向する第4面と、を有するフレームと、を含み、前記蒸着マスク装置の製造装置は、前記蒸着マスクを支持する治具と、前記フレームと接触するステージと、を備え、前記蒸着マスクは、前記第2面の少なくとも一部が前記第3面に接触し、且つ、前記第1面の法線方向から見た場合に、前記蒸着マスクのうち、前記フレームと重ならない部分の前記第2面の少なくとも一部が、前記第3面よりも前記第4面側に位置している、蒸着マスク装置の製造装置である。

0039

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造装置において、前記ステージは、前記第1面の法線方向に移動可能であってもよい。

0040

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造装置において、前記治具は、クランプであってもよい。

0041

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造装置において、前記クランプは、第1クランプと、前記蒸着マスクを挟んで前記第1クランプの反対側に位置する第2クランプと、を有していてもよい。

0042

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造装置において、前記第1クランプおよび前記第2クランプのうち少なくとも一方は、前記第1面の法線方向に移動可能であってもよい。

0043

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造装置において、前記第1クランプおよび前記第2クランプのうち少なくとも一方は、前記第1面の面方向に沿って移動可能であってもよい。

0044

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造装置において、前記フレームは、前記第3面と前記第4面との間に延びる第5面を含み、前記第3面と、前記第4面との間に、前記第3面と前記第4面とを連結する第6面が設けられていてもよい。

0045

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造装置において、前記第6面の輪郭は、前記第1面の法線方向に沿った断面で見たときに、少なくとも部分的に前記蒸着マスクに向かって凸となる円弧形状を有し、前記円弧形状の曲率半径は、0.1mm以上であってもよい。

0046

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造装置において、前記蒸着マスクと前記フレームとを互いに接合する溶接装置を更に備えていてもよい。

0047

本開示の一実施形態によれば、蒸着マスクに撓みや波打ち形状が発生することを抑制することができる。

図面の簡単な説明

0048

本開示の一実施形態による蒸着マスク装置を備えた蒸着装置を示す図である。
図1Aに示す蒸着マスク装置を用いて製造した有機EL表示装置を示す断面図である。
本開示の一実施形態による蒸着マスク装置を示す平面図である。
図2に示す蒸着マスク装置の耳部を拡大して示す平面図(図2のIII部に対応する平面図)である。
蒸着マスク装置の耳部に形成される接合部の一変形例を示す平面図である。
蒸着マスク装置の耳部に形成される接合部の一変形例を示す平面図である。
蒸着マスク装置の耳部に形成される接合部の一変形例を示す平面図である。
蒸着マスク装置の耳部に形成される接合部の一変形例を示す平面図である。
蒸着マスク装置の耳部に形成される接合部の一変形例を示す平面図である。
図3の蒸着マスク装置をVA−VA方向から見た断面図である。
図5Aに示す溶接痕を拡大して示す断面図(図5AのVB部に対応する断面図)である。
溶接痕の一変形例を示す断面図である。
溶接痕の一変形例を示す断面図である。
蒸着マスクの中間部を拡大して示す平面図である。
図6の中間部をVII−VII方向から見た断面図である。
本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造装置を示す平面図である。
図8の蒸着マスク装置の製造装置をIX−IX方向から見た断面図である。
図9Aのクランプを拡大して示す断面図である。
図9Aのクランプの固定部と可動部とを説明するための断面図である。
クランプの固定部と可動部の一変形例を示す平面図である。
母材圧延して所望の厚みを有する金属板を得る工程を示す図である。
圧延によって得られた金属板をアニールする工程を示す図である。
蒸着マスクの製造方法の一例を全体的に説明するための模式図である。
金属板上にレジストパターンを形成する工程を示す図である。
第1面エッチング工程を示す図である。
第2面エッチング工程を示す図である。
金属板から樹脂及びレジストパターンを除去する工程を示す図である。
溶接工程を説明する図である。
溶接工程を説明する図である。
接合部の溶接強度を測定する方法の一例を示す図である。
本開示の一実施形態による溶接工程を説明する図である。
本開示の一実施形態による溶接工程を説明する図である。
本開示の一実施形態による溶接工程を説明する図である。
本開示の一実施形態による溶接工程を説明する図である。
図20Aは、有機EL基板に蒸着材料を蒸着させる工程を示す図である。
図20Bは、有機EL基板に蒸着材料を蒸着させる工程を示す図である。
図21は、有機EL基板に蒸着材料を蒸着させる工程を示す図である。
フレームの一変形例を示す断面図である。
フレームの一変形例を示す断面図である。
フレームの一変形例を示す断面図である。
フレームの一変形例を示す断面図である。
蒸着マスク装置の製造装置の一変形例を示す断面図である。
蒸着マスク装置の製造装置の一変形例を示す断面図である。
蒸着マスク装置の製造装置の一変形例を示す断面図である。
蒸着マスク装置の製造装置の一変形例を示す断面図である。
蒸着マスク装置の製造装置の一変形例を示す断面図である。
蒸着マスク装置の製造装置の一変形例を示す断面図である。
蒸着マスク装置の製造装置の一変形例を示す断面図である。
蒸着マスク装置の製造装置の一変形例を示す断面図である。
蒸着マスク装置の製造装置の一変形例を示す断面図である。
蒸着マスク装置の製造装置の一変形例を示す断面図である。
蒸着マスク装置の製造装置の一変形例を示す断面図である。
蒸着マスク装置の製造装置の一変形例を示す断面図である。
蒸着マスク装置の製造装置の一変形例を示す断面図である。

実施例

0049

以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。

0050

なお、以下に示す実施の形態は、本開示の実施の形態の一例であって、本開示はこれらの実施の形態に限定して解釈されるものではない。また、以下に示す実施の形態および変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。また、複数の実施の形態同士を組み合わせたり、複数の変形例同士を組み合わせたり、複数の実施の形態と複数の変形例とを組み合わせることも可能である。

0051

図1A図21は、本開示の一実施の形態を説明するための図である。以下の実施の形態およびその変形例では、有機EL表示装置を製造する際に有機材料を所望のパターンで基板上にパターニングするために用いられる蒸着マスクの製造方法を例にあげて説明する。ただし、このような適用に限定されることなく、種々の用途に用いられる蒸着マスクの製造方法に対し、本開示を適用することができる。

0052

なお、本明細書において、「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「板」はシートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念である。

0053

また、「板面(シート面、フィルム面)」とは、対象となる板状(シート状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となる板状部材シート状部材フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。また、板状(シート状、フィルム状)の部材に対して用いる法線方向とは、当該部材の板面(シート面、フィルム面)に対する法線方向のことを指す。

0054

さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件および物理的特性並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」、「同等」等の用語や長さや角度並びに物理的特性の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。

0055

(蒸着装置)
まず、対象物に蒸着材料を蒸着させる蒸着処理を実施する蒸着装置90について、図1Aを参照して説明する。図1Aに示すように、蒸着装置90は、蒸着源(例えばるつぼ94)、ヒータ96、及び蒸着マスク装置10を備える。るつぼ94は、有機発光材料などの蒸着材料98を収容する。ヒータ96は、るつぼ94を加熱して蒸着材料98を蒸発させる。蒸着マスク装置10は、るつぼ94と対向するよう配置されている。

0056

(蒸着マスク装置)
以下、蒸着マスク装置10について説明する。図1Aに示すように、蒸着マスク装置10は、蒸着マスク20と、蒸着マスク20を支持するフレーム15と、を備える。フレーム15は、蒸着マスク20が撓んでしまうことがないように、蒸着マスク20をその面方向に引っ張った状態で支持する。蒸着マスク装置10は、図1Aに示すように、蒸着マスク20が、蒸着材料98を付着させる対象物である基板、例えば有機EL基板92に対面するよう、蒸着装置90内に配置される。以下の説明において、蒸着マスク20の面のうち、有機EL基板92側の面を第1面20aと称し、第1面20aの反対側に位置する面を第2面20bと称する。このうち蒸着マスク20の第2面20bにフレーム15の表面15aが面している。

0057

蒸着マスク装置10は、図1Aに示すように、有機EL基板92の、蒸着マスク20と反対の側の面に配置された磁石93を備えていてもよい。磁石93を設けることにより、磁力によって蒸着マスク20を磁石93側に引き寄せて、蒸着マスク20を有機EL基板92に密着させることができる。

0058

図2は、蒸着マスク装置10を蒸着マスク20の第1面20a側から見た場合を示す平面図である。図2に示すように、蒸着マスク装置10は、平面視において略矩形状の形状を有する複数の蒸着マスク20を備え、各蒸着マスク20は、蒸着マスク20の長手方向における一対の端部20eの近傍に位置する後述する溶接部17aにおいて、溶接によってフレーム15に固定されている。

0059

図1Aに示すように、蒸着マスク20は、蒸着マスク20を貫通する複数の貫通孔25を含む。るつぼ94から蒸発して蒸着マスク装置10に到達した蒸着材料98は、蒸着マスク20の貫通孔25を通って有機EL基板92に付着する。これによって、蒸着マスク20の貫通孔25の位置に対応した所望のパターンで、蒸着材料98を有機EL基板92の表面に成膜することができる。

0060

図1Bは、図1Aの蒸着装置90を用いて製造した有機EL表示装置100を示す断面図である。有機EL表示装置100は、有機EL基板92と、パターン状に設けられた蒸着材料98を含む画素と、を備える。なお、図1Bの有機EL表示装置100においては、蒸着材料98を含む画素に電圧印加する電極等が省略されている。また、有機EL基板92上に蒸着材料98をパターン状に設ける蒸着工程の後、図1Bの有機EL表示装置100には、有機EL表示装置のその他の構成要素が更に設けられ得る。従って、図1Bの有機EL表示装置100は、有機EL表示装置の中間体と呼ぶこともできる。

0061

なお、複数の色によるカラー表示を行いたい場合には、各色に対応する蒸着マスク20が搭載された蒸着装置90をそれぞれ準備し、有機EL基板92を各蒸着装置90に順に投入する。これによって、例えば、赤色用の有機発光材料、緑色用の有機発光材料および青色用の有機発光材料を順に有機EL基板92に蒸着させることができる。

0062

ところで、蒸着処理は、高温雰囲気となる蒸着装置90の内部で実施される場合がある。この場合、蒸着処理の間、蒸着装置90の内部に保持される蒸着マスク20、フレーム15および有機EL基板92も加熱される。この際、蒸着マスク20、フレーム15および有機EL基板92は、各々の熱膨張係数に基づいた寸法変化の挙動を示すことになる。この場合、蒸着マスク20やフレーム15と有機EL基板92の熱膨張係数が大きく異なっていると、それらの寸法変化の差異に起因した位置ずれが生じ、この結果、有機EL基板92上に付着する蒸着材料の寸法精度や位置精度が低下してしまう。

0063

このような課題を解決するため、蒸着マスク20およびフレーム15の熱膨張係数が、有機EL基板92の熱膨張係数と同等の値であることが好ましい。例えば、有機EL基板92としてガラス基板が用いられる場合、蒸着マスク20およびフレーム15の主要な材料として、ニッケルを含む鉄合金を用いることができる。鉄合金は、ニッケルに加えてコバルトを更に含んでいてもよい。例えば、蒸着マスク20を構成する金属板の材料として、ニッケル及びコバルトの含有量が合計で30質量%以上且つ50質量%以下であり、且つコバルトの含有量が0質量%以上且つ6質量%以下である鉄合金を用いることができる。ニッケル若しくはニッケル及びコバルトを含む鉄合金の具体例としては、34質量%以上且つ38質量%以下のニッケルを含むインバー材、30質量%以上且つ34質量%以下のニッケルに加えてさらにコバルトを含むスーパーインバー材、48質量%以上且つ54質量%以下のニッケルを含む低熱膨張Fe−Ni系めっき合金などを挙げることができる。

0064

なお蒸着処理の際に、蒸着マスク20、フレーム15および有機EL基板92の温度が高温には達しない場合は、蒸着マスク20およびフレーム15の熱膨張係数を、有機EL基板92の熱膨張係数と同等の値にする必要は特にない。この場合、蒸着マスク20を構成する材料として、上述の鉄合金以外の材料を用いてもよい。例えば、クロムを含む鉄合金など、上述のニッケルを含む鉄合金以外の鉄合金を用いてもよい。クロムを含む鉄合金としては、例えば、いわゆるステンレスと称される鉄合金を用いることができる。また、ニッケルやニッケル−コバルト合金など、鉄合金以外の合金を用いてもよい。

0065

(蒸着マスク)
次に、蒸着マスク20について詳細に説明する。図2に示すように、蒸着マスク20は、蒸着マスク20の長手方向における一対の端部20eを構成する一対の耳部17と、一対の耳部17の間に位置する中間部18と、を備えている。

0066

(耳部)
まず、耳部17について詳細に説明する。耳部17は、蒸着マスク20のうちフレーム15に固定される部分である。本実施の形態において、耳部17は、第2面20b側において溶接によってフレーム15に固定される。以下の説明において、耳部17及びフレーム15のうち溶接によって互いに接合されている部分のことを、接合部19と称する。

0067

図3は、蒸着マスク装置10の耳部17及びその周辺部分を拡大して示す平面図である。この耳部17は、フレーム15の表面15aに溶接される溶接部17aと、溶接部17aと蒸着マスク20の端部20eとの間に位置する延在部17bと、を含む。本実施の形態において、溶接部17aは、蒸着マスク20の長手方向において、図3仮想線二点鎖線)で囲まれる領域に対応し、延在部17bは、図3の仮想線(二点鎖線)のうち、端部20e側の仮想線と、端部20eとの間の領域に対応している。このうち溶接部17aは、接合部19が形成される部分である。耳部17の溶接部17aに形成される接合部19は、溶接痕19aを含む。溶接痕19aとは、蒸着マスク20の第2面20bをフレーム15に溶接したことに起因して、蒸着マスク20及びフレーム15の一部に形成された痕跡である。例えば、図3に示すように、接合部19は、蒸着マスク20の幅方向に沿って並ぶ複数の点状の溶接痕19aを含む。このような複数の点状の溶接痕19aは、例えば、蒸着マスク20の幅方向に沿う各位置において、後述する溶接装置76により耳部17にレーザー光を間欠的に点状に照射することによって形成される。

0068

なお、平面視における溶接痕19aの配置や形状が特に限られることはない。例えば、図4Aに示すように、溶接痕19aは、蒸着マスク20の幅方向に沿って線状に延びていてもよい。このような溶接痕19aは、例えば、蒸着マスク20の幅方向に沿う各位置において耳部17にレーザー光を連続的に線状に照射することによって形成される。この場合、溶接痕19aが、蒸着マスク20の幅方向に沿って線状に延びていることにより、溶接強度を高めることができる。

0069

また、例えば、図4Bに示すように、溶接痕19aが、点状に形成された第1溶接痕191aと、線状に形成された第2溶接痕192aとを含んでいてもよい。図示された例においては、溶接痕19aが、複数の第1溶接痕191aと、複数の第2溶接痕192aとを含んでおり、第1溶接痕191aおよび第2溶接痕192aは、蒸着マスク20の幅方向に沿って規則的に、すなわち交互に配置されている。この場合、例えば各々の第2溶接痕192aの形状が互いに異なっていてもよい。また、第1溶接痕191aが1つのみであってもよく、第2溶接痕192aが1つのみであってもよい。この場合においても、溶接痕19aが、線状に形成された第2溶接痕192aを含むことにより、溶接強度を高めることができる。

0070

また、例えば、図4Cに示すように、第1溶接痕191aおよび第2溶接痕192aが、蒸着マスク20の幅方向に沿って不規則的に配置されていてもよい。図示された例においては、蒸着マスク20の幅方向において互いに隣接する第2溶接痕192a間に配置される第1溶接痕191aの個数が、互いに異なっている。なお、この場合においても、例えば各々の第2溶接痕192aの形状が互いに異なっていてもよい。また、蒸着マスク20の幅方向において互いに隣接する第2溶接痕192a間に配置される第1溶接痕191aの個数は任意である。この場合、例えば蒸着マスク20の溶接強度を高めたい部分において、溶接痕19aの密度を選択的に高くすることもできる。

0071

また、例えば、図4Dに示すように、複数の点状の溶接痕19aが、蒸着マスク20の幅方向に沿って多列に形成されていてもよい。図示された例において、溶接痕19aは、蒸着マスク20の幅方向に沿って2列に形成されている。なお、溶接痕19aは、蒸着マスク20の幅方向に沿って3列に形成されていてもよく、4列に形成されていてもよい。この場合、複数の点状の溶接痕19aが、蒸着マスク20の幅方向に沿って多列に形成されていることにより、溶接強度を高めることができる。

0072

さらに、例えば、図4Eに示すように、溶接痕19aが、蒸着マスク20の幅方向に沿って枠状に形成されていてもよい。この場合においても、溶接痕19aが、蒸着マスク20の幅方向に沿って形成されるため、溶接強度を高めることができる。

0073

図5Aは、図3の蒸着マスク装置をVA−VA方向から見た断面図である。図5Aに示すように、溶接痕19aは、耳部17の第1面20aから第2面20bを介してフレーム15に至っている。溶接痕19aは、蒸着マスク20の耳部17及びフレーム15のうち、溶接時に溶融した部分(すなわち溶融領域19f)が固化した部分であり、耳部17の第1面20aから第2面20bに至る部分及びフレーム15の一部を含んでいる。この溶接痕19aは、蒸着マスク20の耳部17とフレーム15とを互いに接合している。溶接痕19aにおいては、溶接の後に溶融領域19fの温度が低下して溶融領域19fが固化する際に、材料の結晶化が生じている。例えば、溶接痕19aは、耳部17及びフレーム15に跨る結晶粒を含む。この溶接痕19aは、例えば、図5Bに示すように、蒸着マスク20の第1面20aから突出するように形成されていてもよい。

0074

また、溶接痕19aは、図5Cに示すように、溶接痕19aの上面19bが蒸着マスク20の第1面20aと同一平面上に位置するように形成されていてもよい。さらに、溶接痕19aは、図5Dに示すように、蒸着マスク20の第1面20aに対して第2面20b側に窪むように形成されていてもよい。これらの場合、有機EL基板92に対して蒸着材料98を蒸着させる際に、蒸着マスク20と有機EL基板92との間の密着性を向上させることができる。

0075

また、図2乃至図5Aに示すように、延在部17bは、フレーム15の後述する外側面15cよりも外側にまで延びている。「外側」とは、図2において矢印Aで表すように、蒸着マスク20の長手方向において、蒸着マスク20の中心線CLから遠ざかる側である。ここで、蒸着マスク20の中心線CLとは、蒸着マスク20の長手方向に直交する方向に延びる直線のうち、蒸着マスク20の長手方向における一対の端部20e間を二等分する中間点C(図2参照)を通る直線である。この延在部17bは、後述する治具700に支持される部分であり、本実施の形態においては、クランプ72に挟持される部分である。

0076

なお、図5Aにおいて、蒸着処理の際に蒸着マスク20に密着する有機EL基板92を、点線で表す。図5Aに示すように、有機EL基板92は、蒸着マスク20のうち接合部19が形成される部分にまで延在していてもよい。

0077

(中間部)
次に、中間部18について説明する。図2図3及び図5Aに示すように、中間部18は、第1面20aから第2面20bに至る貫通孔25が形成された有効領域22と、有効領域22を取り囲む周囲領域23と、を含む。周囲領域23は、有効領域22を支持するための領域であり、有機EL基板92へ蒸着されることを意図された蒸着材料が通過する領域ではない。例えば、有効領域22は、蒸着マスク20のうち、有機EL基板92の表示領域に対面する領域である。

0078

図2に示すように、有効領域22は、例えば、平面視において略四角形形状、さらに正確には平面視において略矩形状の輪郭を有する。なお図示はしないが、各有効領域22は、有機EL基板92の表示領域の形状に応じて、様々な形状の輪郭を有することができる。例えば各有効領域22は、円形状の輪郭を有していてもよい。

0079

図2に示すように、中間部18は、蒸着マスク20の長手方向に沿って所定の間隔を空けて配列された複数の有効領域22を含む。一つの有効領域22は、一つの有機EL表示装置100の表示領域に対応する。このため、図1Aに示す蒸着マスク装置10によれば、有機EL表示装置100の多面付蒸着が可能である。

0080

以下、中間部18について詳細に説明する。図6は、中間部18を拡大して示す平面図であり、図7は、図6の中間部18をVII−VII方向から見た断面図である。図6に示すように、複数の貫通孔25は、有効領域22において、互いに直交する二方向に沿ってそれぞれ所定のピッチで規則的に配列される。

0081

以下、有効領域22について詳細に説明する。図6は、蒸着マスク20の第2面20b側から有効領域22を拡大して示す平面図である。図6に示すように、図示された例において、各有効領域22に形成された複数の貫通孔25は、当該有効領域22において、互いに直交する二方向に沿ってそれぞれ所定のピッチで配列されている。

0082

図7は、図6の有効領域22のVII−VII方向に沿った断面図である。図7に示すように、複数の貫通孔25は、蒸着マスク20の第1面20aから、第2面20bへ貫通している。図示された例では、後に詳述するように、蒸着マスク20の第1面20aの法線方向Nにおける一方の側となる金属板64の第1面64aに第1凹部30がエッチングによって形成され、当該法線方向Nにおける他方の側となる金属板64の第2面64bに第2凹部35が形成される。第1凹部30は、第2凹部35に接続され、これによって第2凹部35と第1凹部30とが互いに通じ合うように形成される。貫通孔25は、第2凹部35と、第2凹部35に接続された第1凹部30とによって構成されている。図6及び図7に示すように、第1凹部30の壁面31と、第2凹部35の壁面36とは、周状の接続部41を介して接続されている。接続部41は、蒸着マスク20の平面視において貫通孔25の開口面積が最小になる貫通部42を画成する。

0083

図7に示すように、蒸着マスク20の第1面20a側において、隣り合う二つの貫通孔25は、金属板64の第1面64aに沿って互いから離間している。蒸着マスク20の第2面20b側においても、隣り合う二つの第2凹部35が、金属板64の第2面64bに沿って互いから離間していてもよい。すなわち、隣り合う二つの第2凹部35の間に金属板64の第2面64bが残存していてもよい。以下の説明において、金属板64の第2面64bの有効領域22のうちエッチングされずに残っている部分のことを、トップ部43とも称する。このようなトップ部43が残るように蒸着マスク20を作製することにより、蒸着マスク20に十分な強度を持たせることができる。このことにより、例えば搬送中などに蒸着マスク20が破損してしまうことを抑制することができる。なおトップ部43の幅βが大きすぎると、蒸着工程においてシャドーが発生し、これによって蒸着材料98の利用効率が低下することがある。従って、トップ部43の幅βが過剰に大きくならないように蒸着マスク20が作製されることが好ましい。

0084

図1Aに示すようにして蒸着マスク装置10が蒸着装置90に収容された場合、図7に二点鎖線で示すように、蒸着マスク20の第1面20aが、有機EL基板92に対面し、蒸着マスク20の第2面20bが、蒸着材料98を保持したるつぼ94側に位置する。したがって、蒸着材料98は、次第に開口面積が小さくなっていく第2凹部35を通過して有機EL基板92に付着する。図7において第2面20b側から第1面20aへ向かう矢印で示すように、蒸着材料98は、るつぼ94から有機EL基板92に向けて蒸着マスク20の第1面20aの法線方向Nに沿って移動するだけでなく、当該法線方向Nに対して大きく傾斜した方向に移動することもある。このとき、蒸着マスク20の厚みが大きいと、斜めに移動する蒸着材料98が、トップ部43、第2凹部35の壁面36や第1凹部30の壁面31に引っ掛かり易くなり、この結果、貫通孔25を通過できない蒸着材料98の比率が多くなる。従って、蒸着材料98の利用効率を高めるためには、蒸着マスク20の厚みtを小さくし、これによって、第2凹部35の壁面36や第1凹部30の壁面31の高さを小さくすることが好ましいと考えられる。すなわち、蒸着マスク20を構成するための金属板64として、蒸着マスク20の強度を確保できる範囲内で可能な限り厚みtの小さな金属板64を用いることが好ましいと言える。この点を考慮し、本実施の形態において、蒸着マスク20の厚みtは、例えば30μm以下、好ましくは25μm以下、更に好ましくは20μm以下になっている。一方、蒸着マスク20の厚みが小さくなり過ぎると、蒸着マスク20の強度が低下し、蒸着マスク20に損傷や変形が生じやすくなる。この点を考慮し、蒸着マスク20の厚みtは、好ましくは5μm以上であることが好ましい。蒸着マスク20の厚みtは、8μm以上であってもよく、10μm以上であってもよく、12μm以上であってもよく、13μm以上であってもよく、15μm以上であってもよい。蒸着マスク20の厚みtの範囲は、上述の複数の上限の候補値のうちの任意の1つと、上述の複数の下限の候補値のうちの任意の1つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、蒸着マスク20の厚みtの範囲は、5μm以上30μm以下であってもよく、8μm以上25μm以下であってもよく、10μm以上20μm以下であってもよく、13μm以上20μm以下であってもよく、15μm以上20μm以下であってもよい。また、蒸着マスク20の厚みtの範囲は、上述の複数の上限の候補値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、蒸着マスク20の厚みtの範囲は、20μm以上25μm以下であってもよい。また、蒸着マスク20の厚みtの範囲は、上述の複数の下限の候補値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、蒸着マスク20の厚みtの範囲は、13μm以上15μm以下であってもよい。なお厚みtは、周囲領域23の厚み、すなわち蒸着マスク20のうち第1凹部30および第2凹部35が形成されていない部分の厚みである。従って厚みtは、金属板64の厚みであると言うこともできる。

0085

図7において、貫通孔25の最小開口面積を持つ部分となる接続部41と、第2凹部35の壁面36の他の任意の位置と、を通過する直線L1が、蒸着マスク20の第1面20aの法線方向Nに対してなす最小角度が、符号θ1で表されている。斜めに移動する蒸着材料98を、壁面36に到達させることなく可能な限り有機EL基板92に到達させるためには、角度θ1を大きくすることが有利となる。角度θ1を大きくする上では、蒸着マスク20の厚みtを小さくすることの他にも、上述のトップ部43の幅βを小さくすることも有効である。

0086

図7において、符号αは、金属板64の第1面64aの有効領域22のうちエッチングされずに残っている部分(以下、リブ部とも称する)の幅を表している。リブ部の幅αおよび貫通部42の寸法rは、有機EL表示装置の寸法および表示画素数に応じて適宜定められる。例えば、リブ部の幅αは5μm以上且つ40μm以下であり、貫通部42の寸法rは10μm以上且つ60μm以下である。

0087

なお、図6及び図7においては、隣り合う二つの第2凹部35の間に金属板64の第2面64bが残存している例を示したが、これに限られることはない。図示はしないが、隣り合う二つの第2凹部35が接続されるようにエッチングが実施されてもよい。すなわち、隣り合う二つの第2凹部35の間に、金属板64の第2面64bが残存していない場所が存在していてもよい。

0088

(フレーム)
次に、フレーム15について詳細に説明する。図1A及び図2乃至図5Aに示すように、フレーム15は、表面(すなわち第3面)15aと、表面15aに対向する裏面(すなわち第4面)15bと、表面15aと裏面15bとの間に延びる外側面(すなわち第5面)15cと、を含む。図5Aに示すように、表面15a及び裏面15bは、蒸着マスク20の第1面20a法線方向Nに沿った断面で見たとき、法線方向Nに直交する方向に互いに平行に延びている。外側面15cは、蒸着マスク20の第1面20aの法線方向Nに沿った断面で見たとき、法線方向Nに延びており、表面15a及び裏面15bに直交するように接続している。このようなフレーム15には、表面15aから裏面15bに至る貫通孔15dが形成されている。蒸着時には、るつぼ94から蒸発した蒸着材料98は、フレーム15の貫通孔15dを通って有機EL基板92に付着する。なお、外側面(すなわち第5面)15cは、蒸着マスク20の第1面20aの法線方向Nに沿った断面で見たとき、法線方向Nに対して傾斜するように延びていてもよい。

0089

(蒸着マスク装置の製造装置)
以下、蒸着マスク装置10の製造装置(以下、製造装置と記す)70について説明する。図8乃至図9Bに示すように、製造装置70は、フレーム15と接触するステージ71と、蒸着マスク20を支持する治具700と、を備えている。

0090

このうちステージ71は、3次元方向に移動可能に構成されるとともに、蒸着マスク20の第1面20aの法線方向Nに直交する所定の回動軸を中心に回動可能な駆動部73を介してベース74に支持されており、少なくとも法線方向Nに移動可能に構成されている。この際、ステージ71の移動範囲は、例えば30μm以上90μm以下の範囲内に設定されていてもよい。なお、このステージ71は、駆動部73を駆動することにより、法線方向Nに直交する水平方向(蒸着マスク20の第1面20aの面方向)に移動可能に構成されるとともに、例えば床面に対する角度を変更可能に構成されており、後述するように、フレーム15上に配置された蒸着マスク20の水平方向における位置等を調整できるようになっている。この場合、駆動部73は、例えば、エアシリンダ油圧シリンダサーボモータ等を用いて、ステージ71を移動させてもよい。

0091

治具700は、蒸着マスク20の延在部17bを支持している。本実施の形態による治具700は、クランプ72である。このクランプ72は、蒸着マスク20の延在部17bを挟持するように構成されている。クランプ72は、蒸着マスク20の第1面20aの法線方向Nに沿って延びる支柱75を介してベース74に支持されている。本実施の形態においては、複数のクランプ72が設けられている。例えば、製造装置70は、一の延在部17bを2つのクランプ72によって挟持するように構成されている。この場合、2つのクランプ72は、互いに平行に配置されている。このように、一の延在部17bを複数のクランプ72によって挟持することにより、蒸着マスク20の面方向に略均一に張力を加えることができる。なお、一の延在部17bに対して、延在部17bを把持するクランプ72の個数は任意で有り、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。

0092

このようなクランプ72は、第1クランプ72Aと、蒸着マスク20を挟んで第1クランプ72Aの反対側に位置する第2クランプ72Bと、を有している。言い換えれば、蒸着マスク20の一対の耳部17のうち一方の耳部17の延在部17bを挟持する第1クランプ72Aと、一対の耳部17のうち他方の耳部17の延在部17bを挟持する第2クランプ72Bと、を有している。なお、以下の説明において、第1クランプ72Aおよび第2クランプ72Bに共通する構成、機能、動作などを説明する場合には、第1クランプ72Aおよび第2クランプ72を総称してクランプ72とも称する。

0093

各々のクランプ72は、図9Bに示すように、支柱75に取り付けられた固定部72aと、固定部72aに取り付けられた支持部72bを介して回動可能に取り付けられた可動部72cと、を有している。このうち固定部72aは、例えば、エアシリンダや油圧シリンダ、サーボモータ等の駆動手段77を介して支柱75に取り付けられている。このため、駆動手段77を駆動することにより、クランプ72は、蒸着マスク20の第1面20aの法線方向Nおよび蒸着マスク20の第1面20aの面方向に沿って移動することができるように構成されている。この場合、クランプ72の固定部72aおよび可動部72cは、図9Cに示すように、互いに対向する面721a、721cが平面状に形成されている。

0094

なお、クランプ72の固定部72aの面721aおよび可動部72cの面721cの形状が特に限られることはない。例えば、図9Dに示すように、面721aおよび面721cが凹凸形状を有していてもよい。面721aおよび面721cが凹凸形状を有していることにより、蒸着マスク20に対して、効果的に張力を加えることができる。この際、凹凸形状の高さH1および高さH2(最も突出した部分と最も凹んだ部分との差)は、例えば0.01mm以上であってもよく、0.05mm以上であってもよく、0.10mm以上であってもよく、0.50mm以上であってもよく、1.00mm以上であってもよい。また、凹凸形状の高さH1および高さH2は、3.00mm以下であってもよく、2.50mm以下であってもよく、2.00mm以下であってもよい。凹凸形状の高さH1および高さH2は、上述の複数の上限の候補値のうちの任意の1つと、上述の複数の下限の候補値のうちの任意の1つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、凹凸形状の高さH1および高さH2は、0.01mm以上3.00mm以下であってもよく、0.05mm以上2.50mm以下であってもよく、1.00mm以上2.00mm以下であってもよい。また、凹凸形状の高さH1および高さH2は、上述の複数の上限の候補値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、凹凸形状の高さH1および高さH2は、2.00mm以上2.50mm以下であってもよい。また、凹凸形状の高さH1および高さH2は、上述の複数の下限の候補値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、凹凸形状の高さH1および高さH2は、0.01mm以上0.50mm以下であってもよい。また、面721aおよび面721cが互いに異なる凹凸形状を有していてもよい。凹凸形状の高さH1および高さH2が、それぞれ0.01mm以上であることにより、蒸着マスク20に対して、効果的に張力を加えることができる。また、凹凸形状の高さH1および高さH2が、それぞれ3.00mm以下であることにより、クランプ72が蒸着マスク20を挟持した際に、蒸着マスク20のうちクランプ72により挟持された部分に対して局所的な力が加わることを抑制できる。

0095

このようなクランプ72は、可動部72cが回動することにより、固定部72aと可動部72cとの間で蒸着マスク20の延在部17bを挟持し、または固定部72aと可動部72cとの間から延在部17bを解放するようになっている。

0096

また、治具700は、蒸着マスク20を支持した状態において、溶接部17aの第2面20bがフレーム15の表面15aに接触し、且つ、延在部17bの第2面20bが少なくとも部分的にフレーム15の表面15aよりもフレーム15の裏面15b側に位置するように構成されている。言い換えれば、蒸着マスク20は、第2面20bの少なくとも一部がフレーム15の表面(すなわち第3面)15aに接触し、且つ、蒸着マスク20の第1面20aの法線方向Nから見た場合に、蒸着マスク20のうち、フレーム15と重ならない部分の第2面20bの少なくとも一部を、表面(すなわち第3面)15aよりも裏面(すなわち第4面)15b側に位置している。本実施の形態では、クランプ72は、蒸着マスク20の延在部17bを挟持し、クランプ72が蒸着マスク20を挟持した状態において、溶接部17aの第2面20bがフレーム15の表面15aに接触し、且つ、延在部17bの第2面20bが少なくとも部分的にフレーム15の表面15aよりもフレーム15の裏面15b側に位置するように構成されている。このようにして、治具700(本実施の形態ではクランプ72)は、フレーム15の表面15aに配置された蒸着マスク20に撓みや波打ち形状が発生してしまうことがないように、蒸着マスク20をその面方向に架張する。ここで、本明細書中、「架張」とは、張力を加えることを意味する。例えば、蒸着マスク20をその面方向に架張する、とは、蒸着マスク20に対して、その面方向に沿った張力を加えることを意味する。

0097

また、図9Aに示すように、製造装置70は、蒸着マスク20の溶接部17aをフレーム15に接合する溶接装置76を更に備えている。この溶接装置76は、例えば、レーザー光Lを照射するレーザー装置であってもよい。この場合、レーザー光Lとしては、例えば、YAGレーザー装置によって生成されるYAGレーザー光波長355nm、532nm、1064nm)を用いることができる。YAGレーザー装置としては、例えば、YAG(イットリウムアルミニウムガーネット)にNd(ネオジム)を添加した結晶を発振用媒質として備えたものを用いることができる。

0098

次に、蒸着マスク装置10を製造する方法について説明する。まず、蒸着マスク装置10の蒸着マスク20を製造する方法について説明する。

0099

(蒸着マスクの製造方法)
金属板の製造方法
はじめに、蒸着マスクを製造するために用いられる金属板の製造方法について説明する。

0100

(溶解工程)
まず、鉄及びニッケル並びにその他の原材料を準備する。例えば、原材料全体に対する鉄の比率及びニッケルの比率がそれぞれ約64重量%及び約36重量%となるよう、各原材料を準備する。続いて、各原材料を必要に応じて粉砕した後、各原材料を溶解炉にて溶解する溶解工程を実施する。例えば、アーク放電などの気体放電を利用して各原材料を溶解して混合する。これによって、金属板のための母材を得ることができる。

0101

溶解時の温度は、原材料に応じて設定するが、例えば1500℃以上である。溶解工程は、脱酸脱水脱窒素などのためにアルミニウム、マンガンシリコンなどを溶解炉に投入する工程を含んでいてもよい。また、溶解工程は、大気圧よりも低い低圧状態で、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で実施してもよい。

0102

研削工程)
母材を溶解炉から取り出した後、母材の表面を削り取る研削工程を実施してもよい。これによって、スケールなどの酸化物被膜を除去することができる。この際、具体的な研削方法は特には限られないが、砥石車を回転させて母材の表面を削る、いわゆるグラインディング法や、母材を切削具に押し込んで母材の表面を削る、いわゆる押し込み法などを採用することができる。研削工程は、母材の厚みが均一になるように実施されてもよい。

0103

(圧延工程)
続いて、図10に示すように、ニッケルを含む鉄合金から構成された母材60を圧延する圧延工程を実施する。例えば、一対の圧延ロールワークロール)66a,66bを含む圧延装置66に向けて、矢印D1で示す方向に沿って搬送する。一対の圧延ロール66a,66bの間に到達した母材60は、一対の圧延ロール66a,66bによって圧延され、この結果、母材60は、その厚みが低減されるとともに、搬送方向に沿って伸ばされる。これによって、所定の厚みを有する金属板64を得ることができる。図10に示すように、金属板64をコア61に巻き取ることによって巻き体62を形成してもよい。

0104

なお図10は、圧延工程の概略を示すものに過ぎず、圧延工程を実施するための具体的な構成や手順が特に限られることはない。例えば圧延工程は、母材60を構成する鉄合金の結晶配列を変化させる温度以上の温度で母材を加工する熱間圧延工程や、鉄合金の結晶配列を変化させる温度以下の温度で母材を加工する冷間圧延工程を含んでいてもよい。また、一対の圧延ロール66a,66bの間に母材60や金属板64を通過させる際の向きが一方向に限られることはない。例えば、図10において、紙面左側から右側への向き、および紙面右側から左側への向きで繰り返し母材60や金属板64を一対の圧延ロール66a,66bの間に通過させることにより、母材60や金属板64を徐々に圧延してもよい。

0105

また、冷間圧延工程においては、母材60と圧延ロール66a,66bとの間に灯油などのクーラントを供給してもよい。これにより、母材の温度を制御することができる。

0106

(アニール工程)
その後、圧延によって金属板64内に蓄積された残留応力を取り除くため、図11に示すように、アニール装置67を用いて金属板64をアニールしてもよい。アニール工程は、図11に示すように、金属板64を搬送方向(長手方向)に引っ張りながら実施されてもよい。すなわち、アニール工程は、いわゆるバッチ式焼鈍ではなく、搬送しながらの連続焼鈍として実施されてもよい。この場合、金属板64に座屈折れなどの変形が生じることを抑制するように温度や搬送速度を設定することが好ましい。アニール工程を実施することにより、残留歪がある程度除去された金属板64を得ることができる。

0107

スリット工程)
その後、金属板64の幅が所定の範囲内になるよう、圧延工程によって得られた金属板64の幅方向における両端をそれぞれ所定の範囲にわたって切り落とすスリット工程を実施してもよい。このスリット工程は、圧延に起因して金属板64の両端に生じ得るクラックを除去するために実施される。このようなスリット工程を実施することにより、金属板64が破断してしまう現象、いわゆる板切れが、クラックを起点として生じてしまうことを防ぐことができる。また、このスリット工程を、上述のアニール工程の前に実施してもよい。

0108

なお、上述の圧延工程、アニール工程及びスリット工程のうちの少なくとも2つの工程を複数回繰り返すことによって、所定の厚みの長尺状の金属板64を作製してもよい。また図11においては、アニール工程が、金属板64を長手方向に引っ張りながら実施される例を示したが、これに限られることはなく、アニール工程を、金属板64がコア61に巻き取られた状態で実施してもよい。すなわちバッチ式の焼鈍が実施されてもよい。なお、金属板64がコア61に巻き取られた状態でアニール工程を実施する場合、金属板64に、巻き体62の巻き取り径に応じた反りの癖がついてしまうことがある。従って、巻き体62の巻き径や母材60を構成する材料によっては、金属板64を長手方向に引っ張りながらアニール工程を実施することが有利である。

0109

外観検査工程)
また、圧延工程の後、若しくはアニール工程の後、金属板64の外観検査する外観検査工程を実施してもよい。外観検査工程は、自動検査機を用いて金属板64の外観を検査する工程を含んでいてもよい。また、外観検査工程は、目視で金属板64の外観を検査する工程を含んでいてもよい。

0110

形状検査工程)
また、圧延工程の後、若しくはアニール工程の後、金属板64の形状を検査する形状検査工程を実施してもよい。例えば、3次元測定器を用いて、厚み方向における金属板64の表面の位置を金属板64の所定の領域内で測定してもよい。

0111

蒸着マスクの製造方法
次に、上述した工程により得られた金属板64を用いて蒸着マスク20を製造する方法について、主に図12乃至図16を参照して説明する。図12は、金属板64を用いて蒸着マスク20を製造する処理装置80を示す図である。まず、金属板64をコア61に巻き取った巻き体62を準備する。そして、このコア61を回転させて巻き体62を巻き出すことにより、図12に示すように、帯状に延びる金属板64を供給する。

0112

供給された金属板64は、搬送ローラー85によって、加工装置82、分離装置83へ順に搬送される。加工装置82は、金属板64を加工して金属板64に貫通孔25を形成する加工工程を実施する。なお本実施の形態においては、複数枚の蒸着マスク20に対応する多数の貫通孔25を金属板64に形成する。言い換えると、金属板64に複数枚の蒸着マスク20を割り付ける。分離装置83は、金属板64のうち1枚分の蒸着マスク20に対応する複数の貫通孔25が形成された部分を金属板64から分離する分離工程を実施する。このようにして、枚葉状の蒸着マスク20を得ることができる。

0113

(加工工程)
図13乃至図16を参照して、加工工程について説明する。まず、金属板64の第1面64a上および第2面64b上に感光性レジスト材料を含むレジスト膜を形成する。例えば、カゼインなどの感光性レジスト材料を含む塗布液を金属板64に塗布し、その後、塗布液を乾燥させることにより、レジスト膜を形成する。若しくは、金属板64にドライフィルムを貼り付けることにより、レジスト膜を形成してもよい。続いて、レジスト膜を露光及び現像する。これにより、図13に示すように、金属板64の第1面64a上に第1レジストパターン65aを形成し、金属板64の第2面64b上に第2レジストパターン65bを形成することができる。

0114

次に、図14に示すように、金属板64の第1面64aのうち第1レジストパターン65aによって覆われていない領域を、第1エッチング液を用いてエッチングする第1面エッチング工程を実施する。例えば、第1エッチング液を、搬送される金属板64の第1面64aに対面する側に配置されたノズルから、第1レジストパターン65a越しに金属板64の第1面64aに向けて噴射する。この結果、図14に示すように、金属板64のうちの第1レジストパターン65aによって覆われていない領域で、第1エッチング液による浸食が進む。これによって、金属板64の第1面64aに多数の第1凹部30が形成される。第1エッチング液としては、例えば塩化第2鉄溶液及び塩酸を含むものを用いる。

0115

次に、図15に示すように、金属板64の第2面64bのうち第2レジストパターン65bによって覆われていない領域をエッチングし、第2面64bに第2凹部35を形成する第2面エッチング工程を実施する。第2面エッチング工程は、第1凹部30と第2凹部35とが互いに通じ合い、これによって貫通孔25が形成されるようになるまで実施される。第2エッチング液としては、上述の第1エッチング液と同様に、例えば塩化第2鉄溶液及び塩酸を含むものを用いる。なお、第2面エッチング工程の際、図15に示すように、第2エッチング液に対する耐性を有した樹脂69によって第1凹部30が被覆されていてもよい。

0116

その後、図16に示すように、金属板64から樹脂69を除去する。樹脂69は、例えばアルカリ系剥離液を用いることによって、除去することができる。アルカリ系剥離液が用いられる場合、図16に示すように、樹脂69と同時にレジストパターン65a,65bも除去される。なお、樹脂69を除去した後、樹脂69を剥離させるための剥離液とは異なる剥離液を用いて、樹脂69とは別途にレジストパターン65a,65bを除去してもよい。

0117

(分離工程)
その後、金属板64のうち1枚分の蒸着マスク20に対応する複数の貫通孔25が形成された部分を金属板64から分離することにより、蒸着マスク20を得ることができる。

0118

(蒸着マスク検査工程)
なお、上述した分離工程の後に、蒸着マスク20を検査する蒸着マスク検査工程を実施してもよい。蒸着マスク検査工程においては、例えば、蒸着マスク20を構成する金属板64の表面に局所的な突起や凹みなどの変形部が存在するか否かを検査してもよい。

0119

(蒸着マスクの溶接工程)
次に、上述のようにして得られた蒸着マスク20をフレーム15に溶接する溶接工程を実施する。これによって、蒸着マスク20及びフレーム15を備える蒸着マスク装置10を得ることができる。

0120

ところで、本件発明者らが鋭意研究を重ねたところ、厚みが小さい蒸着マスク20は、厚みが大きい蒸着マスク20に比べて、剛性が低くなるため、フレーム15上に蒸着マスク20を架張した状態で配置した際に、撓みや波打ち形状が発生する傾向があることを見出した。また、この場合、蒸着マスク20とフレーム15との間に隙間が生じ、接合部19の溶接強度が低くなることを見出した。以下、厚みの小さい蒸着マスク20をフレーム15に溶接した場合に見られる現象について、図17A及び図17Bを参照して説明する。

0121

まず、厚みが小さい蒸着マスク20の場合、蒸着マスク20の厚みtと、レーザー光Lのスポット径Sとによって、おおよそが画定される溶融材料19gの体積が小さくなる。このため、溶融材料19gのうち、フレーム15の材料と混ざり合う溶融材料19gの体積が小さくなる。また、図17A及び図17Bに示すように、蒸着マスク20とフレーム15との間に隙間G1、G2がある状態においては、蒸着マスク20にレーザー光Lが照射された場合、溶融材料19gが重力によりフレーム15に向かって垂れ下がる状態になる。ここで、図17Bにおける蒸着マスク20とフレーム15との間の隙間G2は、図17Aにおける蒸着マスク20とフレーム15との間の隙間G1よりも広くなっており、図17Bにおける溶融材料19gがフレーム15に接触する部分の径S2は、図17Bにおける溶融材料19gがフレーム15に接触する部分の径S1よりも小さくなっている。このように、蒸着マスク20とフレーム15との間の隙間が広くなるほど、溶融材料19gがフレーム15に接触する面積が小さくなる。溶融材料19gがフレーム15に接触する面積が小さくなった場合、レーザー光Lによって加熱されて得られた熱をフレーム15に伝えることが難しくなる。このため、フレーム15の材料が溶融する体積が小さくなり、接合部19において溶接強度が低くなると考えられる。なお、接合部19の溶接強度が低くなる理由が、上述の理由に限られることはない。

0122

なお、溶接強度とは、接合部19によってフレーム15に溶接された蒸着マスク20の耳部17をフレーム15から剥がすために要する力の大きさである。図17Cに、接合部19の溶接強度を測定する方法の一例を示す。溶接強度の測定工程においては、まず、蒸着マスク20の耳部17の一部を切り出すことによって得られたサンプル17Sを、フレーム15に溶接する。次に、図17Cに示すように、サンプル17Sの長手方向における端部に、フレーム15の表面15aの法線方向に沿う方向(図17Cにおける上方向)における引っ張り力Eを加える。この場合、サンプル17Sが破断する、又はサンプル17Sがフレーム15から剥がれるときの引っ張り力Eが、接合部19の溶接強度である。

0123

(本実施の形態による溶接工程)
従来の溶接工程における上述の課題を解決するため、本実施の形態においては、蒸着マスク20の延在部17bを挟持する蒸着マスク装置10の製造装置70を利用して溶接工程を実施することを提案する。以下、本実施の形態による溶接工程について、図18A乃至図19Bを参照して説明する。

0124

まず、図18Aに示すように、蒸着マスク20の耳部17を、第2面20bがフレーム15に面するようにフレーム15上に配置する。次に、図18Bに示すように、治具700により蒸着マスク20を支持する。本実施の形態では、クランプ72により蒸着マスク20の延在部17bを挟持する。この場合、クランプ72のうち第1クランプ72Aが、一対の耳部17のうち一方の耳部の延在部17bを挟持し、第2クランプ72Bが、一対の耳部17のうち他方の耳部の延在部17bを挟持する。この際、例えば、第1クランプ72Aおよび第2クランプ72Bが同時に耳部17の延在部17bを挟持するようにしてもよい。また、第1クランプ72Aが、一方の耳部の延在部17bを挟持した後に、第2クランプ72Bが、他方の耳部の延在部17bを挟持するようにしてもよく、あるいは、第2クランプ72Bが、他方の耳部の延在部17bを挟持した後に、第1クランプ72Aが、一方の耳部の延在部17bを挟持するようにしてもよい。なお、この際、予めクランプ72の位置を、クランプ72が延在部17bを挟持した状態において、延在部17bの第2面20bがフレーム15の表面15aよりもフレーム15の裏面15b側に位置するように調整しておいてもよい。また、クランプ72により蒸着マスク20の延在部17bを挟持した後、耳部17をフレーム15上に配置してもよい。

0125

次に、製造装置70による蒸着マスク20の位置決めを行う。この場合、アライメントマークが形成されたガラススケール(図示せず)を準備し、アライメントマークに基づいて蒸着マスク20が所定の位置に位置付けられるように、クランプ72を蒸着マスク20の第1面20aの法線方向Nに直交する水平方向(第1面20aの面方向)に移動させる。このようにして、蒸着マスク20の仮の位置決めを行うとともに、蒸着マスク20を張った状態に保持する。次に、駆動部73を駆動し、ステージ71の位置および例えば床面に対する角度を調整することにより、ガラススケールのアライメントマークに基づいて蒸着マスク20の位置決めを行う。この際、各々のクランプ72を独立して駆動することにより、蒸着マスク20の位置を調整してもよく、各々のクランプ72を同時に駆動して蒸着マスク20の位置を調整してもよい。なお、ガラススケールを用いることなく、製造装置70による蒸着マスク20の位置決めを行ってもよい。この場合、蒸着マスク20の位置決めは、任意の位置決め手段を用いることにより行われてもよく、例えば製造装置70に設計座標を読み込み、設計座標に到達するように蒸着マスク20の位置を調整してもよい。さらに、製造装置70による蒸着マスク20の位置決めを行う場合、治具700とともに、製造装置70のステージ71を第1面20aの法線方向Nおよび面方向に移動させてもよい。

0126

次に、図19Aに示すように、蒸着マスク20の第2面20bの少なくとも一部がフレーム15の表面(すなわち第3面)15aに接触し、且つ、第1面20aの法線方向Nから見た場合に、蒸着マスク20のうち、フレーム15と重ならない部分の第2面20bの少なくとも一部を、フレーム15の表面15aよりもフレーム15の裏面(すなわち第4面)15b側に位置させて、蒸着マスク20に張力を加える。すなわち、溶接部17aの第2面20bがフレーム15の表面15aに接触し、且つ、延在部17bの第2面20bが少なくとも部分的にフレーム15の表面15aよりもフレーム15の裏面15b側(図19Aにおける下方)に位置するように蒸着マスク20に張力を加える。この際、例えば、フレーム15を蒸着マスク20の第1面20aの法線方向Nのうち、第2面20bから第1面20aへ向かう方向へ移動させる。この場合、駆動部73を駆動することにより、製造装置70のステージ71を上昇させ、フレーム15を移動させる。この際、ステージ71の上方への移動距離は、例えば0.001mm以上であってもよく、0.01mm以上であってもよく、0.03mm以上であってもよい。また、ステージ71の上方への移動距離は、2.00mm以下であってもよく、1.50mm以下であってもよく、1.20mm以下であってもよい。ステージ71の上方への移動距離は、上述の複数の上限の候補値のうちの任意の1つと、上述の複数の下限の候補値のうちの任意の1つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、ステージ71の上方への移動距離は、0.001mm以上2.00mm以下であってもよく、0.01mm以上1.50mm以下であってもよく、0.03mm以上1.20mm以下であってもよい。また、ステージ71の上方への移動距離は、上述の複数の上限の候補値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、ステージ71の上方への移動距離は、1.20mm以上1.50mm以下であってもよい。また、ステージ71の上方への移動距離は、上述の複数の下限の候補値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、ステージ71の上方への移動距離は、0.01mm以上0.03mm以下であってもよい。

0127

ところで、本実施の形態では、治具700(ここではクランプ72)が蒸着マスク20を挟持した状態において、溶接部17aの第2面20bがフレーム15の表面15aに接触し、且つ、延在部17bの第2面20bが少なくとも部分的にフレーム15の表面15aよりもフレーム15の裏面15b側に位置する。これにより、蒸着マスク20をフレーム15の表面15aよりもフレーム15の裏面15b側(図19Aにおける下方)に引っ張ることができる。また、この際、延在部17bのうち、フレーム15の外側面15cよりも外側に延びている部分に張力が加えられ、当該部分がフレーム15の裏面15b側に引っ張られる状態になる。このため、蒸着マスク20が全体としてフレーム15の裏面15b側に押し付けられるような状態になり、蒸着マスク20の中間部18の溶接部17aと、フレーム15との密着性を向上させることができる。このため、蒸着マスク20をその面方向に効果的に架張することができるとともに、蒸着マスク20とフレーム15との密着性を向上させることができる。この結果、蒸着マスク20に撓みや波打ち形状が発生すること抑制することができる。

0128

次に、図19Bに示すように、蒸着マスク20の溶接部17aをフレーム15に接合する接合工程を実施する。この場合、蒸着マスク20に張力が加えられた状態で、蒸着マスク20の溶接部17aをフレーム15に接合する。この際、例えば、溶接装置76により、蒸着マスク20の第1面20a側からレーザー光Lを照射する。これによって、図5Aに示すように、蒸着マスク20の耳部17の一部及びフレーム15の一部が溶融して、耳部17の第1面20aから第2面20bを介してフレーム15に至る溶融領域19fが形成される。この溶融領域19fは、耳部17及びフレーム15に跨っている。

0129

レーザー光Lとしては、例えば、YAGレーザー装置によって生成されるYAGレーザー光を用いることができる。YAGレーザー装置としては、例えば、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)にNd(ネオジム)を添加した結晶を発振用媒質として備えたものを用いることができる。この場合、基本波として、波長が約1064nmのレーザー光が生成される。また、基本波を非線形光学結晶に通すことによって、波長が約532nmの第2高調波が生成される。また、基本波および第2高調波を非線形光学結晶に通すことによって、波長が約355nmの第3高調波が生成される。

0130

YAGレーザー光の第3高調波は、ニッケルを含む鉄合金に吸収され易い。従って、蒸着マスク20の耳部17およびフレーム15が、ニッケルを含む鉄合金を含む場合、蒸着マスク20の耳部17およびフレーム15の一部を効率良く溶融させるためにはレーザー光LがYAGレーザー光の第3高調波を含むことが好ましい。

0131

レーザー光Lの照射が終了すると、溶融領域19fの温度が低下し、溶融領域19fが固化して溶接痕19aとなる。このことにより、蒸着マスク20の耳部17とフレーム15とが溶接痕19aによって互いに接合される。このようにして、フレーム15と、接合部19によってフレーム15に接合された蒸着マスク20と、を備える蒸着マスク装置10を得ることができる。

0132

〔蒸着材料の蒸着方法
次に、上述した工程により得られた蒸着マスク装置10を用いて有機EL基板92に蒸着材料98を蒸着する蒸着材料の蒸着方法について、主に図20A乃至図21を参照して説明する。

0133

まず、図20Aに示すように、上述した工程により得られた蒸着マスク装置10を準備する。この際、蒸着材料98が収容されたるつぼ94及びヒータ96を準備し、蒸着装置90を準備する。

0134

また、有機EL基板92を準備する。

0135

次に、図20Bに示すように、有機EL基板92を蒸着マスク装置10の蒸着マスク20上に設置する。この際、例えば有機EL基板92の図示しないアライメントマークと、蒸着マスク20の図示しないアライメントマークとを直接観察し、当該アライメントマーク同士が重なるように有機EL基板92の位置決めを行いながら、有機EL基板92を蒸着マスク装置10に設置する。

0136

次いで、蒸着マスク装置10の蒸着マスク20上に設置された有機EL基板92に蒸着材料98を蒸着させる。この際、例えば、図21に示すように、有機EL基板92の、蒸着マスク装置10と反対の側の面に磁石93が配置される。このように磁石93を設けることにより、磁力によって蒸着マスク装置10を磁石93側に引き寄せて、蒸着マスク20を有機EL基板92に密着させることができる。次に、蒸着装置90の内部が高真空状態となるように、蒸着装置90の内部を図示しない排気手段により排気する。次に、ヒータ96が、るつぼ94を加熱して蒸着材料98を蒸発させる。そして、るつぼ94から蒸発して蒸着マスク装置10に到達した蒸着材料98は、蒸着マスク20の貫通孔25を通って有機EL基板92に付着する(図1参照)。

0137

このようにして、蒸着マスク20の貫通孔25の位置に対応した所望のパターンで、蒸着材料98が有機EL基板92に蒸着される。

0138

本実施の形態によれば、製造装置70が、延在部17bを挟持するクランプ72を備えている。また、クランプ72は、クランプ72が蒸着マスク20を挟持した状態において、溶接部17aの第2面20bがフレーム15の表面15aに接触し、且つ、延在部17bの第2面20bが少なくとも部分的にフレーム15の表面15aよりもフレーム15の裏面15b側に位置する。言い換えれば、蒸着マスク20が、第2面20bの少なくとも一部がフレーム15の表面(すなわち第3面)15aに接触し、且つ、蒸着マスク20の第1面20aの法線方向Nから見た場合に、蒸着マスク20のうち、フレーム15と重ならない部分の第2面20bの少なくとも一部が、フレーム15の表面(すなわち第3面)15aよりも裏面(すなわち第4面)15b側に位置している。これにより、蒸着マスク20をフレーム15の表面15aよりもフレーム15の裏面15b側に引っ張ることができる。このため、蒸着マスク20を架張する際に、蒸着マスク20とフレーム15との密着性を向上させることができる。この結果、蒸着マスク20に撓みや波打ち形状が発生すること抑制することができる。また、蒸着マスク20をフレーム15に密着させることができるため、蒸着マスク20の溶接部の溶接強度を高めることができる。

0139

また、本実施の形態によれば、ステージ71が、法線方向Nに移動可能である。これにより、フレーム15とクランプ72との位置関係を調節することができる。これにより、蒸着マスク20に発生する引張張力を調節することができ、蒸着マスク20に撓みや波打ち形状が発生することをより効果的に抑制することができる。

0140

なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。

0141

(蒸着マスクの製造方法の変形例)
上述の本実施の形態および変形例においては、エッチングによって蒸着マスク20を作製する例について説明した。しかしながら、蒸着マスク20を作製するために採用される方法が、エッチングに限られることはない。例えば、上述の特許文献2に開示されているように、めっき処理によって金属板に貫通孔25を形成することによって蒸着マスク20を作製してもよい。

0142

(耳部の変形例)
上述の本実施の形態及び変形例においては、蒸着マスク20の耳部17の厚みと中間部18の厚みとが同一である例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、耳部17の厚みと中間部18の厚みとが異なっていてもよい。

0143

(フレームの変形例)
上述の本実施の形態及び変形例においては、フレーム15の外側面15cが、蒸着マスク20の第1面20aの法線方向Nに沿った断面で見たとき、表面15aに直交するように接続している例について説明した。しかしながら、これに限られることはなく、図22Aに示すように、表面(すなわち第3面)15aと外側面(すなわち第5面)15cとの間に、表面(すなわち第3面)15aと外側面(すなわち第5面)15cとを連結する連結面(すなわち第6面)15eが設けられていてもよい。なお、図22Aに示す例においては、表面15aは、蒸着マスク20の第1面20a法線方向Nに沿った断面で見たとき、法線方向Nに直交する方向に平行に延び、外側面15cは、法線方向Nに延びている。そして、連結面15eは、表面15aと外側面15cとの間に設けられている。この場合、連結面15eは、いわゆる面取りされた部分であってもよい。

0144

ところで、蒸着マスク20をフレーム15に接合させる接合工程を実施する前に、フレーム15の面方向における蒸着マスク20の位置を調整する位置調整工程を実施することがある。このとき、蒸着マスク20が、表面15aと外側面15cとが接続している部分に接触することも考えられる。また、蒸着マスク20に張力を加える架張工程の際に、蒸着マスク20のうち表面15aと外側面15cとが接続している部分に接触する部分に、局所的な力が加わることも考えられる。

0145

これに対して本変形例によれば、連結面15eを形成することにより、表面15aと外側面15cとを滑らかに接続することができ、位置調整工程の際に、蒸着マスク20がフレーム15に接触した際や、蒸着マスク20がクランプ72によって架張された際に、蒸着マスク20に局所的な力が加わることを抑制できる。このため、蒸着マスク20とフレーム15との間の摩擦を低減することができ、蒸着マスク20が損傷を受けることを抑制することができる。

0146

また、この場合、連結面(すなわち第6面)15eの輪郭は、第1面20aの法線方向Nに沿って見た場合に、少なくとも部分的に蒸着マスク20に向かって凸となる円弧形状を有し、円弧形状の曲率半径Rは、0.01mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることがより好ましい。曲率半径Rを0.01mm以上とすることにより、蒸着マスク20をクランプ72によって架張した際に、蒸着マスク20に局所的な力が加わることを抑制でき、蒸着マスク20に働く摩擦力を効果的に低減することができる。また、曲率半径Rを0.1mm以上とすることにより、蒸着マスク20をクランプ72によって架張した際に、蒸着マスク20に局所的な力が加わることを更に抑制でき、蒸着マスク20に働く摩擦力を更に効果的に低減することができる。また、円弧形状の曲率半径Rは、2.00m以下であることが好ましく、1.50mm以下であることがより好ましい。曲率半径Rを2.00mm以下とすることにより、表面15aと外側面15cとを滑らかに接続することができ、位置調整工程の際に、蒸着マスク20がフレーム15に接触した際や、蒸着マスク20がクランプ72によって架張された際に、蒸着マスク20に局所的な力が加わることを抑制できる。また、曲率半径Rを1.50mm以下とすることにより、表面15aと外側面15cとを更に滑らかに接続することができ、位置調整工程の際に、蒸着マスク20がフレーム15に接触した際や、蒸着マスク20がクランプ72によって架張された際に、蒸着マスク20に局所的な力が加わることを更に抑制できる。

0147

このような、曲率半径Rは、例えば0.01mm以上であってもよく、0.05mm以上であってもよく、0.15mm以上であってもよく、0.20mm以上であってもよい。また、曲率半径Rは、2.00mm以下であってもよく、1.50mm以下であってもよく、1.00mm以下であってもよく、0.50mm以下であってもよい。曲率半径Rは、上述の複数の上限の候補値のうちの任意の1つと、上述の複数の下限の候補値のうちの任意の1つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、曲率半径Rは、0.01mm以上2.00mm以下であってもよく、0.05mm以上1.50mm以下であってもよく、0.15mm以上1.00mm以下であってもよく、0.20mm以上0.50mm以下であってもよい。また、曲率半径Rは、上述の複数の上限の候補値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、曲率半径Rは、0.50mm以上1.50mm以下であってもよい。また、曲率半径Rは、上述の複数の下限の候補値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、曲率半径Rは、0.01mm以上0.20mm以下であってもよい。

0148

また、この連結面(すなわち第6面)15eの輪郭は、第1面20aの法線方向Nに沿って見た場合に、様々な形状を有していてもよい。例えば、図22Bに示すように、連結面(すなわち第6面)15eの輪郭が、第1面20aの法線方向Nに沿って見た場合に、直線状に形成されていてもよい。

0149

また、連結面(すなわち第6面)15eの輪郭が、第1面20aの法線方向Nに沿って見た場合に、凹凸形状を有していてもよい。例えば、図22Cに示すように、連結面(すなわち第6面)15eの輪郭が、第1面20aの法線方向Nに沿って見た場合に、段差を形成していてもよい。この場合、位置調整工程の際に、蒸着マスク20がフレーム15に接触した際や、蒸着マスク20がクランプ72によって架張された際に、蒸着マスク20に局所的な力が加わることを更に抑制できる。このため、蒸着マスク20とフレーム15との間の摩擦を低減することができ、蒸着マスク20が損傷を受けることを更に抑制することができる。さらに、例えば、図22Dに示すように、連結面(すなわち第6面)15eの輪郭が、第1面20aの法線方向Nに沿って見た場合に、波打ち形状を有していてもよい。この場合、位置調整工程の際に、蒸着マスク20がフレーム15に接触した際や、蒸着マスク20がクランプ72によって架張された際に、蒸着マスク20に局所的な力が加わることを更に効果的に抑制できる。このため、蒸着マスク20とフレーム15との間の摩擦を低減することができ、蒸着マスク20が損傷を受けることを更に効果的に抑制することができる。これらの場合、この際、凹凸形状の高さH3(最も突出した部分と最も凹んだ部分との差)は、例えば0.01mm以上であってもよく、0.05mm以上であってもよく、0.10mm以上であってもよく、0.50mm以上であってもよく、1.00mm以上であってもよい。また、凹凸形状の高さH3は、3.00mm以下であってもよく、2.50mm以下であってもよく、2.00mm以下であってもよい。凹凸形状の高さH3は、上述の複数の上限の候補値のうちの任意の1つと、上述の複数の下限の候補値のうちの任意の1つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、凹凸形状の高さH3は、0.01mm以上3.00mm以下であってもよく、0.05mm以上2.50mm以下であってもよく、1.00mm以上2.00mm以下であってもよい。また、凹凸形状の高さH3は、上述の複数の上限の候補値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、凹凸形状の高さH3は、2.00mm以上2.50mm以下であってもよい。また、凹凸形状の高さH3は、上述の複数の下限の候補値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、凹凸形状の高さH3は、0.01mm以上0.50mm以下であってもよい。また、凹凸形状の高さH3が、0.01mm以上であることにより、凹凸形状の成形性を向上させることができ、連結面15eを容易に形成することができる。また、凹凸形状の高さH3が、3.00mm以下であることにより、位置調整工程の際に、蒸着マスク20がフレーム15に接触した際や、蒸着マスク20がクランプ72によって架張された際に、蒸着マスク20に局所的な力が加わることを更に抑制できる。このため、蒸着マスク20とフレーム15との間の摩擦を低減することができ、蒸着マスク20が損傷を受けることを更に抑制することができる。

0150

(蒸着マスク装置の製造装置の第1の変形例)
上述の本実施の形態においては、製造装置70のステージ71を第1面20aの法線方向Nに移動させる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、例えば、治具700を第1面20aの法線方向Nに移動させるようにしてもよい。この場合、例えば、第1クランプ72Aおよび第2クランプ72Bのうち少なくとも一方を、第1面20aの法線方向Nに移動させるようにしてもよい。

0151

この場合、図23に示すように、駆動手段77を駆動させることによって、クランプ72を第1面20aの法線方向Nに移動させる。これにより、第1クランプ72Aおよび第2クランプ72Bのうち少なくとも一方を、第1面20aの法線方向Nに移動可能にすることができる。この場合においても、フレーム15とクランプ72との位置関係を調節することができ、溶接部17aの第2面20bがフレーム15の表面15aに接触し、且つ、延在部17bの第2面20bが少なくとも部分的にフレーム15の表面15aよりもフレーム15の裏面15b側に位置するように、蒸着マスクに張力を加えることができる。これらの第1クランプ72Aおよび第2クランプ72Bは、それぞれが第1面20aの法線方向Nに移動可能になっている場合、それぞれが協働して移動するように構成されていてもよく、独立して移動するように構成されていてもよい。なお、この場合、治具700とともに、製造装置70のステージ71を第1面20aの法線方向Nに移動させてもよい。

0152

(蒸着マスク装置の製造装置の第2の変形例)
上述の変形例においては、蒸着マスク20に張力を加える架張工程において、第1クランプ72Aおよび第2クランプ72Bのうち少なくとも一方を、第1面20aの法線方向Nに移動させる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、例えば、治具700を第1面20aの面方向に沿って移動させるようにしてもよい。この場合、例えば、第1クランプ72Aおよび第2クランプ72Bのうち少なくとも一方を、第1面20aの面方向に沿って移動させてもよい。この際、例えば、第1クランプ72Aおよび第2クランプ72Bのうち少なくとも一方を、第1クランプ72Aと第2クランプ72Bとが互いに離間する方向に移動させてもよい。

0153

この場合、図24に示すように、駆動手段77を駆動させることによって第1クランプ72Aおよび第2クランプ72Bのうち少なくとも一方を、蒸着マスク20の第1面20aの面方向に移動させる。この場合においても、フレーム15とクランプ72との位置関係を調節することができ、溶接部17aの第2面20bがフレーム15の表面15aに接触し、且つ、延在部17bの第2面20bが少なくとも部分的にフレーム15の表面15aよりもフレーム15の裏面15b側に位置するように、蒸着マスクに張力を加えることができる。なお、この場合においても治具700を、蒸着マスク20の第1面20aの面方向に移動させるとともに第1面20aの法線方向Nに移動させてもよい。さらに、治具700とともに、製造装置70のステージ71を第1面20aの法線方向Nに移動させてもよい。

0154

(蒸着マスク装置の製造装置の第3の変形例)
また上述の本実施の形態においては、製造装置70が製造する蒸着マスク装置10が、フレーム15に複数の蒸着マスク20が割り付けられた蒸着マスク装置10を用いている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図25に示すように、蒸着マスク装置10が、格子状に配置された複数の有効領域22を有する単一の蒸着マスク20を用いてもよい。この場合、製造装置70が、蒸着マスク20の4辺において、耳部17の延在部17bを挟持するように、蒸着マスク20の4辺に対応するクランプ72を備えるようにしてもよい。

0155

(蒸着マスク装置の製造装置の第4の変形例)
また上述の本実施の形態においては、例えば、製造装置70が、一の延在部17bを2つのクランプ72によって挟持するように構成されている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図26Aに示すように、一の延在部17bに対して、延在部17bを把持するクランプ72の個数が1つであってもよい。この場合においても、溶接部17aの第2面20bがフレーム15の表面15aに接触し、且つ、延在部17bの第2面20bが少なくとも部分的にフレーム15の表面15aよりもフレーム15の裏面15b側に位置するように、蒸着マスクに張力を加えることができる。

0156

(蒸着マスク装置の製造装置の第5の変形例)
また図26Bに示すように、一の延在部17bに対して、延在部17bを把持するクランプ72の個数が3つであってもよい。この場合、蒸着マスク20に対して更に効果的に張力を加えることができる。

0157

(蒸着マスク装置の製造装置の第6の変形例)
また上述の本実施の形態においては、製造装置70が、一の延在部17bを2つのクランプ72によって挟持し、2つのクランプ72が、互いに平行に配置されている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図27に示すように、2つのクランプ72が蒸着マスク20の外側に向かうにつれて互いから離れるように配置されていてもよい。この場合、蒸着マスク20に対して第1面20aの面方向に沿って更に効果的に張力を加えることができる。このため、蒸着マスク20とフレーム15との密着性を更に向上させることができる。この結果、蒸着マスク20に撓みや波打ち形状が発生すること更に効果的に抑制することができる。

0158

(蒸着マスク装置の製造装置の第7の変形例)
また図28に示すように、蒸着マスク20の一対の耳部17のうち一方の耳部17の延在部17bを、2つの第1クランプ72Aにより挟持し、蒸着マスク20の一対の耳部17のうち他方の耳部17の延在部17bを、1つの第2クランプ72Bにより挟持してもよい。この場合、2つの第1クランプ72Aは、2つのクランプ72Aが蒸着マスク20の外側に向かうにつれて互いから離れるように配置されていてもよい。なお、図示はしないが、蒸着マスク20の一対の耳部17のうち一方の耳部17の延在部17bを、1つの第1クランプ72Aにより挟持し、蒸着マスク20の一対の耳部17のうち他方の耳部17の延在部17bを、2つの第2クランプ72Bにより挟持してもよい。また、この場合、2つの第2クランプ72Bは、2つのクランプ72Bが蒸着マスク20の外側に向かうにつれて互いから離れるように配置されていてもよい。この場合においても、蒸着マスク20に対して第1面20aの面方向に沿って効果的に張力を加えることができる。このため、蒸着マスク20とフレーム15との密着性を更に向上させることができる。この結果、蒸着マスク20に撓みや波打ち形状が発生すること効果的に抑制することができる。

0159

(蒸着マスク装置の製造装置の第8の変形例)
また上述の本実施の形態においては、治具700がクランプ72であり、クランプ72が蒸着マスク20を挟持する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図29に示すように、蒸着マスク20の第1面20aに凹部20cが形成され、クランプ72の可動部72cが凹部20cと嵌合するように構成されていてもよい。この場合においても、クランプ72が蒸着マスク20を支持することができるため、蒸着マスク20に対して張力を加えることができる。

0160

(蒸着マスク装置の製造装置の第9の変形例)
また上述の本実施の形態においては、治具700がクランプ72である例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図30に示すように、治具700が、支持板721により構成されていてもよい。この場合、蒸着マスク20を支持板721に溶接することにより、蒸着マスク20を支持板721に対して固定することができる。なお、符号722は、蒸着マスク20を支持板721に溶接したことに起因して、蒸着マスク20及び支持板721の一部に形成された痕跡を示している。この場合、治具700が蒸着マスク20を強固に支持することができるため、蒸着マスク20とフレーム15との密着性を更に向上させることができる。

0161

(蒸着マスク装置の製造装置の第10の変形例)
また図31に示すように、蒸着マスク20が接着剤723により、支持板721に対して固定されていてもよい。この場合においても、治具700が蒸着マスク20を強固に支持することができるため、蒸着マスク20とフレーム15との密着性を更に向上させることができる。

0162

(蒸着マスク装置の製造装置の第11の変形例)
また図31に示すように、治具700が、支持板721と、支持板721から突出する突起724であってもよい。この場合、蒸着マスク20の第2面20bに凹部20cが形成され、突起724が凹部20cと嵌合している。これにより治具700が蒸着マスク20を支持することができる。この場合、簡便な構造により、治具700が蒸着マスク20を支持することができるとともに、治具700から蒸着マスク20を取り外す際には、蒸着マスク20を容易に取り外すことができる。

0163

(蒸着マスク装置の製造装置の第12の変形例)
また図32に示すように、治具700が、支持板721およびボルト725により構成されていてもよい。この場合、蒸着マスク20を支持板721にボルト留めすることにより、蒸着マスク20を支持板721に対して固定することができる。この場合においても、治具700が蒸着マスク20を強固に支持することができるため、蒸着マスク20とフレーム15との密着性を更に向上させることができる。

0164

(蒸着マスク装置の製造装置の第13の変形例)
また上述の本実施の形態においては、治具700が、支持板721および磁石726により構成されていてもよい。この場合、磁力により、蒸着マスク20を支持板721に密着させることにより、治具700が蒸着マスク20を支持することができる。この場合においても、簡便な構造により、治具700が蒸着マスク20を支持することができるとともに、治具700から蒸着マスク20を取り外す際には、蒸着マスク20を容易に取り外すことができる。

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