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課題・解決手段
優れた特性を有するセンサ素子を提供する。または、優れた特性を有する蓄電システムが搭載された電子機器を提供する。または、優れた特性を有する蓄電システムが搭載された車両を提供する。または、新規な半導体装置を提供する。蓄電池と、ニューラルネットワークと、センサ素子と、を有し、ニューラルネットワークは、入力層と、出力層と、入力層と出力層との間に配置される一または複数の中間層と、を有し、入力層には、センサ素子から出力される第1の信号に応じた値が与えられ、第1の信号はアナログ信号であり、センサ素子は、蓄電池の表面と接する領域を有し、センサ素子は、歪み、温度、のいずれか、または両方を測定する機能を有する蓄電システムである。
概要
背景
MEMS(micro electro mechanical system)技術を用いたセンサは、電子部品、センサ、アクチュエータ等に用いられる。特許文献1および特許文献2には、歪みを検知するMEMSセンサの例が述べられている。
また、近年、チャネル形成領域に酸化物半導体または金属酸化物を用いたトランジスタ(Oxide Semiconductorトランジスタ、以下、OSトランジスタと呼ぶ)が注目されている。OSトランジスタはオフ電流が極めて小さい。そのことを利用して、OSトランジスタを用いたアプリケーションが提案されている。例えば、特許文献3では、ニューラルネットワークの学習に、OSトランジスタを用いた例が開示されている。
概要
優れた特性を有するセンサ素子を提供する。または、優れた特性を有する蓄電システムが搭載された電子機器を提供する。または、優れた特性を有する蓄電システムが搭載された車両を提供する。または、新規な半導体装置を提供する。蓄電池と、ニューラルネットワークと、センサ素子と、を有し、ニューラルネットワークは、入力層と、出力層と、入力層と出力層との間に配置される一または複数の中間層と、を有し、入力層には、センサ素子から出力される第1の信号に応じた値が与えられ、第1の信号はアナログ信号であり、センサ素子は、蓄電池の表面と接する領域を有し、センサ素子は、歪み、温度、のいずれか、または両方を測定する機能を有する蓄電システムである。
目的
本発明の一態様は、優れた特性を有するセンサ素子を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
蓄電池と、ニューラルネットワークと、センサ素子と、を有し、前記ニューラルネットワークは、入力層と、出力層と、前記入力層と前記出力層との間に配置される一または複数の中間層と、を有し、前記入力層には、前記センサ素子から出力される第1の信号に応じた値が与えられ、前記第1の信号はアナログ信号であり、前記センサ素子は、前記蓄電池の表面と接する領域を有し、前記センサ素子は、歪み、および温度の一方または両方を測定する機能を有する蓄電システム。
請求項2
蓄電池と、ニューラルネットワークと、第1の回路と、センサ素子と、を有し、前記ニューラルネットワークは、入力層と、出力層と、前記入力層と前記出力層との間に配置される一または複数の中間層と、を有し、前記第1の回路には、前記センサ素子から出力される第1の信号が与えられ、前記第1の信号はアナログ信号であり、前記第1の回路は、前記第1の信号をデジタル信号に変換し、変換された前記デジタル信号を前記入力層に与える機能を有し、前記センサ素子は、前記蓄電池の表面と接する領域を有し、前記センサ素子は、歪み、および温度の一方または両方を測定する機能を有する蓄電システム。
請求項3
蓄電池と、ニューラルネットワークと、第1の回路と、第2の回路と、センサ素子と、を有し、前記ニューラルネットワークは、入力層と、出力層と、前記入力層と前記出力層との間に配置される一または複数の中間層と、を有し、前記第1の回路には、前記センサ素子から出力される第1の信号が与えられ、前記第1の信号はアナログ信号であり、前記第1の回路は、前記第1の信号を、デジタル信号である第2の信号に変換する機能を有し、前記第1の回路は、前記第2の信号を変調し、無線通信により前記第2の回路に与える機能を有し、前記第2の回路は、無線通信により前記第1の回路から与えられた信号を復調し、前記入力層に与える機能を有し、前記センサ素子は、前記蓄電池の表面と接する領域を有し、前記センサ素子は、歪み、および温度の一方または両方を測定する機能を有する蓄電システム。
請求項4
請求項1乃至請求項3のいずれか一において、前記センサ素子は、前記蓄電池の充電電圧に応じて検知を開始する蓄電システム。
請求項5
請求項6
請求項1乃至請求項5のいずれか一において、前記ニューラルネットワークは、第1のトランジスタと、容量と、第2のトランジスタと、を有し、前記第1のトランジスタのソース及びドレインの一方は、前記容量の一方の電極、及び、前記第2のトランジスタのゲートと電気的に接続され、前記第1のトランジスタのチャネル形成領域は金属酸化物を有し、前記金属酸化物はインジウムと、元素Mと、を有し、前記元素Mは、アルミニウム、ガリウム、スズ、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステンより選ばれる一以上であり、前記第1のトランジスタのソース及びドレインの一方には、アナログ信号に応じた電位が保持される蓄電システム。
請求項7
請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の蓄電システムを有する車両。
請求項8
請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の蓄電システムを有する電子機器。
請求項9
ニューラルネットワークと、第1の回路と、第2の回路と、を有し、前記ニューラルネットワークは、入力層と、出力層と、前記入力層と前記出力層との間に配置される一または複数の中間層と、を有し、前記第1の回路には、第1の信号として、歪み、および温度の一方または両方の測定値が与えられ、前記第1の信号はアナログ信号であり、前記第1の回路は、前記第1の信号をデジタル信号である第2の信号に変換する機能を有し、前記第1の回路は、前記第2の信号を変調し、無線通信により前記第2の回路に与える機能を有し、前記第2の回路は、無線通信により前記第1の回路から与えられた信号を復調し、前記入力層に与える機能を有する半導体装置。
技術分野
0002
また、本発明の一態様は半導体装置に関する。
0003
また、本発明の一態様は、ニューラルネットワーク、及びそれを用いた蓄電システムに関する。また、本発明の一態様は、ニューラルネットワークを用いた車両に関する。また、本発明の一態様は、ニューラルネットワークを用いた電子機器に関する。
0004
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。表示装置、発光装置、記憶装置、電気光学装置、蓄電装置、半導体回路及び電子機器は、半導体装置を有する場合がある。
0005
なお、本発明の一態様は上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。
背景技術
0006
MEMS(micro electro mechanical system)技術を用いたセンサは、電子部品、センサ、アクチュエータ等に用いられる。特許文献1および特許文献2には、歪みを検知するMEMSセンサの例が述べられている。
0007
また、近年、チャネル形成領域に酸化物半導体または金属酸化物を用いたトランジスタ(Oxide Semiconductorトランジスタ、以下、OSトランジスタと呼ぶ)が注目されている。OSトランジスタはオフ電流が極めて小さい。そのことを利用して、OSトランジスタを用いたアプリケーションが提案されている。例えば、特許文献3では、ニューラルネットワークの学習に、OSトランジスタを用いた例が開示されている。
先行技術
0008
特開2007−142372号公報特開2008−270787号公報特開2016−219011号公報
発明が解決しようとする課題
0010
または、本発明の一態様は、優れた特性を有する蓄電システムを提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、安全性の高い蓄電システムを提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、劣化の小さい蓄電システムを提供することを課題の一とする。
0011
または、本発明の一態様は、優れた特性を有する蓄電システムが搭載された電子機器を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、優れた特性を有する蓄電システムが搭載された車両を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、新規な半導体装置を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、新規なシステムを提供することを課題の一とする。
0012
なお、複数の課題の記載は、互いの課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はない。また、列記した以外の課題が、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、これらの課題も、本発明の一態様の課題となり得る。
課題を解決するための手段
0013
本発明の一態様は、蓄電池と、ニューラルネットワークと、センサ素子と、を有し、ニューラルネットワークは、入力層と、出力層と、入力層と出力層との間に配置される一または複数の中間層と、を有し、入力層には、センサ素子から出力される第1の信号に応じた値が与えられ、第1の信号はアナログ信号であり、センサ素子は、蓄電池の表面と接する領域を有し、センサ素子は、歪み、温度、のいずれか、または両方を測定する機能を有する蓄電システムである。
0014
または、本発明の一態様は、蓄電池と、ニューラルネットワークと、第1の回路と、センサ素子と、を有し、ニーラルネットワークは、入力層と、出力層と、入力層と出力層との間に配置される一または複数の中間層と、を有し、第1の回路には、センサ素子から出力される第1の信号が与えられ、第1の信号はアナログ信号であり、第1の回路は、第1の信号をデジタル信号に変換し、変換されたデジタル信号を入力層に与える機能を有し、センサ素子は、蓄電池の表面と接する領域を有し、センサ素子は、歪み、温度、のいずれか、または両方を測定する機能を有する蓄電システムである。
0015
または、本発明の一態様は、蓄電池と、ニューラルネットワークと、第1の回路と、第2の回路と、センサ素子と、を有し、ニューラルネットワークは、入力層と、出力層と、入力層と出力層との間に配置される一または複数の中間層と、を有し、第1の回路には、センサ素子から出力される第1の信号が与えられ、第1の信号はアナログ信号であり、第1の回路は、第1の信号を、デジタル信号である第2の信号に変換する機能を有し、第1の回路は、第2の信号を変調し、無線通信により第2の回路に与える機能を有し、第2の回路は、無線通信により第1の回路から与えられた信号を復調し、入力層に与える機能を有し、センサ素子は、蓄電池の表面と接する領域を有し、センサ素子は、歪み、温度、のいずれか、または両方を測定する機能を有する蓄電システムである。
0016
また、上記構成において、センサ素子は、蓄電池の充電電圧に応じて検知を開始することが好ましい。
0018
また、上記構成において、ニューラルネットワークは、第1のトランジスタと、容量と、第2のトランジスタと、を有し、第1のトランジスタのソース及びドレインの一方は、容量の一方の電極、及び、第2のトランジスタのゲートと電気的に接続され、第1のトランジスタのチャネル形成領域は金属酸化物を有し、金属酸化物はインジウムと、元素Mと、を有し、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、スズ、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステンより選ばれる一以上であり、第1のトランジスタのソース及びドレインの一方には、アナログ信号に応じた電位が保持されることが好ましい。
0019
または、本発明の一態様は、上記のいずれか一に記載の蓄電システムを有する車両である。
0020
または、本発明の一態様は、上記のいずれか一に記載の蓄電システムを有する電子機器である。
0021
または、本発明の一態様は、ニューラルネットワークと、第1の回路と、第2の回路と、を有し、ニューラルネットワークは、入力層と、出力層と、入力層と出力層との間に配置される一または複数の中間層と、を有し、第1の回路には、第1の信号として、歪み、および温度の一方または両方の測定値が与えられ、第1の信号はアナログ信号であり、第1の回路は、第1の信号をデジタル信号である第2の信号に変換する機能を有し、第1の回路は、第2の信号を変調し、無線通信により第2の回路に与える機能を有し、第2の回路は、無線通信により第1の回路から与えられた信号を復調し、入力層に与える機能を有する半導体装置である。
発明の効果
0022
本発明の一態様により、優れた特性を有するセンサ素子を提供することができる。また、本発明の一態様により、センサ素子を有するシステムの特性を高めることができる。
0023
また、本発明の一態様により、優れた特性を有する蓄電システムを提供することができる。また、本発明の一態様は、安全性の高い蓄電システムを提供することができる。また、本発明の一態様により、劣化の小さい蓄電システムを提供することができる。
0024
また、本発明の一態様により、優れた特性を有する蓄電システムが搭載された電子機器を提供することができる。また、本発明の一態様により、優れた特性を有する蓄電システムが搭載された車両を提供することができる。また、本発明の一態様により、新規な半導体装置を提供することができる。また、本発明の一態様により、新規なシステムを提供することができる。
0025
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
図面の簡単な説明
0026
センサ素子を有するシステムの例。センサ素子を有するシステムの例。サンプルホールド回路の一例。システムの動作を示すフロー図。蓄電システムの例。蓄電システムの例。システムの動作を示すフロー図。蓄電システムの一例。蓄電システムの一例。蓄電池およびセンサチップの上面図、および蓄電池の断面図。複数の蓄電池およびセンサチップの斜視図。複数の蓄電池およびセンサチップと筐体の斜視図。筐体に収納された複数の蓄電池およびセンサチップの斜視図。複数の蓄電池およびセンサチップと筐体の斜視図。複数の蓄電池の接続を説明する断面図。蓄電池およびセンサチップの上面図、および蓄電池の断面図。複数の蓄電池およびセンサチップと筐体の斜視図。複数の蓄電池の接続を説明する断面図。蓄電池の一例。蓄電池の断面図。蓄電池の断面の一部を説明する図。蓄電池の断面の一部を説明する図。蓄電池の断面の一部を説明する図。円筒形の蓄電池を説明する図、および蓄電池を用いたモジュールを説明する図。ニューラルネットワークの構成例を示す図。半導体装置の構成例を示す図。メモリセルの構成例を示す図。オフセット回路の構成例を示す図。タイミングチャート。NOSRAMの構成例を示す機能ブロック図、およびメモリセルの構成例を示す回路図。メモリセルアレイの構成例を示す回路図、およびメモリセルの構成例を示す回路図。車両の例。車両の一例。電子機器の一例。蓄電システムの適用例。電子機器の例、および蓄電池の適用例。
実施例
0027
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる形態で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
0028
また、図面において、大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状または値などに限定されない。
0029
また、本明細書は、以下の実施の形態を適宜組み合わせることが可能である。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、構成例を適宜組み合わせることが可能である。
0030
なお、本明細書においてニューラルネットワークとは、生物の神経回路網を模し、学習によってニューロンどうしの結合強度を決定し、問題解決能力を持たせるモデル全般を指す。ニューラルネットワークは入力層、中間層(隠れ層ともいう)、出力層を有する。
0031
また、本明細書において、ニューラルネットワークについて述べる際に、既にある情報からニューロンとニューロンの結合強度(重み係数とも言う)を決定することを「学習」と呼ぶ場合がある。
0033
また本明細書等において、チャネル形成領域に酸化物半導体または金属酸化物を用いたトランジスタをOxide Semiconductorトランジスタ、あるいはOSトランジスタと呼ぶ。
0034
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様として、センサを有するシステムを説明する。また、より具体的な例として、センサおよび蓄電池を有する蓄電システムについて説明する。
0035
<センサを有するシステム>
図1(A)、図1(B)および図1(C)のそれぞれは、センサ素子174と、センサ素子174からの出力が与えられる制御システム131と、を有するシステムの一例を示す。
0037
歪みセンサとして例えば、薄い絶縁物上に配線パターンを形成し、歪みによる抵抗変化を検出する歪みゲージを用いることができる。またホイートストンブリッジを介することにより、歪みによる抵抗変化を電圧の変化に変換することができる。
0038
圧力センサとして例えば、圧電素子を用いることができる。圧電素子としては例えば、平行平板コンデンサを設けた電気容量式変位型感圧センサ、歪みによる抵抗の変化を検出する歪みゲージ式圧力センサ等がある。
0039
歪みゲージ式圧力センサとして例えば、p型シリコン結晶にn型不純物を熱拡散によりドープし、補償された高抵抗の真性半導体領域を歪みゲージとして用いるセンサがある。あるいは、ポリマーフィルムからなる圧電素子を用いてもよい。
0040
加速度センサとして例えば、可動部と固定部の容量変化を検出する静電容量検出方式や、可動部と固定部を繋ぐ領域の歪みを検出するピエゾ抵抗方式、等を用いることができる。または加速度センサとして、熱検知方式を用いることができる。
0041
加速度センサとしてジャイロセンサを用いることができる。振動式ジャイロセンサとして、静電容量方式や、ピエゾ抵抗方式を用いることができる。
0044
また、温度特性の異なる2種類以上の半導体素子を用いて温度センサが構成されていてもよい。また、温度センサに酸化物半導体を用いた半導体素子と、シリコン半導体を用いた半導体素子と、が設けられる構成としても良い。酸化物半導体を用いた半導体素子は、従来のシリコンやゲルマニウム、及びその化合物を用いた半導体素子に比べて、温度依存性が小さい。酸化物半導体を用いた半導体素子を用いることにより、特性の優れる温度センサ等を実現することができる。
0045
本発明の一態様の半導体装置に搭載するセンサ素子として、MEMSセンサを用いてもよい。例えば、歪みセンサの可動部の作製にMEMS技術を用いることができる。また、圧力センサの圧電素子の作製にMEMS技術を用いることができる。また、加速度センサとしてMEMS技術を用いた振動式ジャイロセンサを用いることができる。MEMS技術を用いることにより微細な構造体を形成することができ、小型で低消費電力なセンサを作製することができる。例えば、小型で低消費電力なガスセンサを作製できる。
0046
MEMS技術を用いた歪みセンサの可動部の例を説明する。MEMS技術を用いた歪みセンサは例えば、第1のフィルム上に、トランジスタを有する第1の層と、該第1の層上に設けられる機能層と、該機能層上の第2のフィルムと、を有し、該第1の層と該機能層との間に空間を有するセンサである。該機能層は例えば、歪み抵抗素子、圧電素子、振動子、等を有する。
0047
制御システム131は、回路180と、制御回路134と、メモリ132と、を有する。制御回路134はニューラルネットワークNNを有する。ニューラルネットワークNNは入力層と、出力層と、該入力層と該出力層との間に配置される一または複数の中間層と、を有する。
0048
ニューラルネットワークNNには例えば学習データとして、センサ素子174の入出力特性が与えられてもよい。センサ素子174の入出力特性は例えば、温度等の環境により変化する場合がある。センサ素子174から出力される値を、ニューラルネットワークNNを用いて補正することにより、より正確な検知を行うことができる場合がある。
0049
回路180は例えば、センサ素子174より与えられた信号IN1を処理した後、処理した信号を信号OUT1として制御回路134に出力する。
0051
メモリ132は例えば、制御回路134が有するCPUの外部メモリとして機能する。
0052
メモリ132として、後述するOSトランジスタを有するメモリを用いることができる。OSトランジスタを有するメモリを用いることにより、本発明の一態様の制御システムの消費電力を低減できる場合がある。
0053
図1(A)、図1(B)および図1(C)において、信号OUT1はニューラルネットワークNNの入力層ILに与えられる。本発明の一態様のニューラルネットワークは、アナログ演算を行う機能を有することが好ましい。例えば、ニューラルネットワークNNが積和演算回路を有し、該積和演算回路がアナログ演算を行う機能を有することが好ましい。ニューラルネットワークNNがアナログ演算を行う機能を有する場合において、ニューラルネットワークNNを構成する回路の面積を縮小できる場合がある。
0054
図1(A)には、センサ素子174から出力される信号がアナログ信号であり、信号IN1および信号OUT1がアナログ信号である例を示す。ニューラルネットワークNNはアナログ演算を行う機能を有するため、センサ素子174からの信号をデジタル信号に変換せずにニューラルネットワークNNに与えて演算を行ってもよい。このような場合には例えばアナログデジタル変換回路が不要となり、制御システム131の回路面積を縮小できる場合がある。例えばセンサ素子174に与えられた信号に応じた値が、ニューラルネットワークNNに与えられる。与えられた信号に応じた値とは、ここでは、例えば与えられた信号が増幅された値である。あるいは例えば、与えられた信号からノイズが除去され、増幅された値である。センサ素子174に与えられた信号とは例えば、センサ素子174が検知した信号である。
0055
図1(B)には、信号IN1および信号OUT1がアナログ信号であり、回路180が回路190を有する例を示す。回路190は例えば、信号を増幅する機能を有する。図1(B)において、信号IN1が回路A−Dによりアナログ信号からデジタル信号に変換された後、回路190に与えられ、回路190から出力されるデジタル信号が回路D−Aによりアナログ信号に変換された後、信号OUT1としてニューラルネットワークNNの入力層ILに与えられる例を示す。
0056
また、ニューラルネットワークNNの入力層ILにデジタル信号が与えられてもよい。図1(C)には、信号IN1がアナログ信号、信号OUT1がデジタル信号の例を示す。信号OUT1がデジタル信号の場合には例えば、デジタル信号がニューラルネットワークNNの入力層ILに与えられる。
0057
図2(A)は、センサ素子174と、センサ素子174からの出力が与えられる回路182と、回路182から出力される電気信号を無線信号に変換し、無線で信号の送受信を行う機能を有するアンテナ183と、アンテナ183からの無線信号を受信する制御システム131aと、を有するシステムの一例を示す。電気信号の無線信号への変換は、回路182において行われてもよい。
0058
図2(A)において、制御システム131aは、回路186と、アンテナ183からの無線信号を受信し、電気信号に変換して回路186に与えるアンテナ185と、制御回路134と、メモリ132と、を有する。無線信号の変換は、回路186において行われてもよい。
0059
回路182から出力される信号に応じた信号は、無線による通信を経て、回路186に与えられる。また、回路186から出力される信号に応じた信号は、無線による通信を経て、回路182に与えられる。例えば、回路186から出力される電気信号は、アンテナ185により無線信号に変換され、無線による通信を経て、アンテナ183に与えられる。アンテナ183に与えられた信号は、電気信号に変換され、回路182に与えられる。制御回路134に供給される電力をアンテナ185およびアンテナ183を介して、センサ素子174および回路182へ無線給電により供給することができる。
0060
図2(B)は、複数のセンサ素子174(センサ素子174_1乃至センサ素子174_m、mは2以上の整数)と、複数のセンサ素子174のそれぞれに電気的に接続される複数の回路182(回路182_1乃至回路182_m)と、複数の回路182のそれぞれに電気的に接続される複数のアンテナ183(アンテナ183_1乃至アンテナ183_m)と、制御システム131aと、を有する。
0061
図2(B)に示すように、アンテナ183_1乃至アンテナ183_mは、アンテナ185と無線で通信する機能を有する。
0062
図2(A)および図2(B)において、アンテナ185が受信する信号がデジタル信号の場合には例えば、該信号を回路186においてアナログ信号に変換した後、変換された該信号がニューラルネットワークNNの入力層ILに与えられることが好ましい。
0064
[サンプルホールド回路]
回路180および回路182は、センサ素子174から与えられる信号を保持する機能を有する回路(以下、サンプルホールド回路と呼ぶ)を有することが好ましい。
0065
図3には、サンプルホールド回路の一例を示す。図3に示すサンプルホールド回路101の入力端子INには、アナログデータの電位(アナログ電位Vin)が与えられ、サンプルホールド回路101は、制御信号S1の制御に応じてアナログ電位Vinに応じた電荷の保持を行うことができる機能を有する回路である。制御信号S1は、タイミングコントローラより与えられる信号である。
0066
サンプルホールド回路101は、一例として、バッファ回路114、トランジスタ112、及び容量素子113を有する。サンプルホールド回路101の入力端子INは、トランジスタ112のソース又はドレインの一方に設けられる。図3では、入力端子INはトランジスタ112のソース又はドレインの一方に、バッファ回路114を介して設けられている。またサンプルホールド回路101の出力端子OUTは、トランジスタ112のソース又はドレインの他方に設けられる。なおトランジスタ112のソース又はドレインの他方にあるノードを、説明のため、ノードNDとする。
0067
バッファ回路114は、サンプルホールド回路101に与えられるアナログデータ等の信号を増幅して出力する機能を有する。なお、図3ではバッファ回路114を、サンプルホールド回路101の入力端子INと、トランジスタ112のソース又はドレインの一方との間に設ける構成としたが、これに限らずトランジスタ112のゲートと接続される構成としてもよい。
0068
トランジスタ112は、オフ状態でのソース−ドレイン間を流れる電流が極めて低いという特徴を有するトランジスタである。このような特徴を有するトランジスタとして、チャネル形成領域に酸化物半導体を有するトランジスタ(OSトランジスタ)が好適である。OSトランジスタについては、後述する実施の形態で詳述する。なお図面では、OSトランジスタであることを明示するために、OSトランジスタの回路記号に「OS」の記載を付している場合がある。トランジスタ112のソース又はドレインの一方は、サンプルホールド回路101の入力端子INに接続される。トランジスタ112のゲートは、制御信号S1を与える配線に接続される。トランジスタ112のソース又はドレインの他方は、サンプルホールド回路101の出力端子OUT、又はノードNDに接続される。
0069
容量素子113は、トランジスタ112をオフにすることで、アナログ電位Vinに応じた電荷を保持する機能を有する。なお図3では、容量素子113をトランジスタ112のソース又はドレインの他方、すなわちノードND側に設ける構成を示しているが、容量素子113は必ずしも設ける必要はなく、アナログデジタル変換回路が有するコンパレータの入力端子におけるゲート容量等を利用することで省略することができる。
0070
一つのサンプルホールド回路には例えば、一つのアナログ電位が与えられる。
0071
回路180および回路182は、サンプルホールド回路を複数有してもよい。例えば、センサ素子174が有するそれぞれのセンサ、例えば、歪みセンサと温度センサであればそれぞれのセンサに対応する一つずつのサンプルホールド回路を有してもよい。あるいは一のセンサに対して、複数のサンプルホールド回路を設けてもよい。
0073
まずステップS200において、処理を開始する。
0075
次にステップS202において、センサ素子174に信号が与えられる。より具体的にはセンサ素子174が有するセンサによりセンシングされた信号が、センサ素子174が有する回路などに与えられる。
0076
次にステップS203において、回路182が有するサンプルホールド回路にON信号が与えられる。ここで、図3に示すサンプルホールド回路において、ON信号が与えられる、とは例えば、制御信号PSWとして高電位信号が与えられることを指す。制御信号PSWとして高電位信号が与えられることにより、バッファ回路114に高電位VVDDが与えられる。
0077
次にステップS204において、センサ素子174に与えられた信号が、回路182が有するサンプルホールド回路に蓄積される。ここでは蓄積される信号を第1の信号と呼ぶ。
0078
次にステップS205において、サンプルホールド回路にOFF信号が与えられる。ここで、図3に示すサンプルホールド回路において、OFF信号が与えられる、とは例えば、制御信号PSWとして低電位信号、あるいは接地電位が与えられることを指す。
0079
次にステップS206において、センサ素子174にOFF信号が与えられる。
0080
次にステップS207において、サンプルホールド回路に蓄積された信号(第1の信号)が、回路182において変換される。例えば、第1の信号がアナログデジタル変換回路によりデジタル信号に変換された後、変調回路により変調される。
0081
次にステップS208において、変換された信号がアンテナ183およびアンテナ185を介して回路186に与えられる。
0082
次にステップS209において、回路186に与えられた信号が、回路186において変換される。例えば、整流回路により整流され、その後、復調回路により復調される。その後、デジタルアナログ変換回路によりアナログ信号に変換されてもよい。変換された信号は、制御回路134に与えられる。
0083
最後に、ステップS299において処理を終了する。
0085
図5(A)に示す蓄電システム130は、制御システム131と、蓄電池135と、センサ素子174と、を有する。
0086
蓄電池として例えば、一次電池および二次電池を用いることができる。二次電池として例えば、リチウムイオン二次電池(リチウムイオン電池と呼ぶ場合がある)、ナトリウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、鉛蓄電池、等を用いることができ、好ましくはリチウムイオン二次電池を用いるとよい。あるいは、空気電池、燃料電池等を用いてもよい。あるいは電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、レドックスキャパシタ等の電気化学キャパシタ、等を用いてもよい。
0088
保護回路137は蓄電池135がある定められた条件を満たす場合に、蓄電池135の動作を停止する機能を有する。例えば、蓄電池135の電流がある値を超える場合に、その動作を停止する。また例えば、蓄電池135の電圧がある値以上、あるいはある値以下となる場合に、その動作を停止する。
0089
保護回路137は、蓄電池135の電圧及び電流を測定する機能を有することが好ましい。あるいは、保護回路137は例えば、後述する回路171により測定される蓄電池135の電流及び電圧を用いて、蓄電池135の制御を行ってもよい。
0091
回路171は、蓄電池135の正極及び負極と電気的に接続される。回路171は、蓄電池135の電流及び電圧を測定する機能を有する。また回路171は、制御回路134と電気的に接続され、制御回路134から信号を与えられる。
0092
また回路171は、クーロンカウンタCCを有することが好ましい。クーロンカウンタCCは、蓄電池135の電流の時間特性を用いて積算電荷量を算出する機能を有する。クーロンカウンタが有する電流計は、回路171が有する電流計と兼ねてもよい。
0093
制御システム131は、トランジスタ147及びトランジスタ148を有してもよい。トランジスタ147及びトランジスタ148は、電流を遮断するスイッチとして機能し、保護回路137が蓄電池135を停止させると判断した場合に、スイッチを作動させる。図5(A)及び図5(B)に示す例では、トランジスタ147及びトランジスタ148として寄生ダイオードを有するMOSFETを示すが、トランジスタ147及びトランジスタ148として、OSトランジスタを用いてもよい。OSトランジスタの詳細については後述する。また制御システム131は、トランジスタ147及びトランジスタ148のいずれかを有さない構成としてもよい。
0095
図5(B)に示す蓄電システム130は、複数の蓄電池135(蓄電池135_1乃至蓄電池135_m)を有する。また蓄電システム130は、複数の蓄電池135のそれぞれに対応する、複数のセンサ素子174(センサ素子174_1乃至センサ素子174_m)を有する。
0096
センサ素子174_1乃至センサ素子174_mからの出力信号はそれぞれ、回路180に与えられる。
0097
<蓄電システム2>
図6(A)は、図2(A)に示すシステムを蓄電池に適用する例を示す。図6(A)に示す蓄電システム130は、制御システム131aと、蓄電池135と、センサ素子174と、回路182と、アンテナ183と、を有する。ここでセンサ素子174、回路182及びアンテナ183を含むチップをセンサチップ181と呼ぶ場合がある。センサチップ181において例えば、センサ素子174のセンシング部は、蓄電池135の表面上に位置することが好ましい。また、センサ素子174のセンシング部は、蓄電池135の表面上に接することが好ましい。
0099
また図6(B)に示すように、センサ素子174が有する端子と、蓄電池135が有する端子が電気的に接続されてもよい。図6(B)に示す例では、蓄電池135の負極端子が、センサ素子174が有する端子に電気的に接続されている。
0100
<蓄電システムの動作例>
本発明の一態様の蓄電システムの動作例について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。図7に示すフローチャートは蓄電池の充電を行う際に、センサを有するシステムを駆動させる例を示すが、蓄電池の様々な状態、蓄電池のパラメータの値、等に合わせてシステムを駆動させてもよい。例えば、本発明の一態様の蓄電システムにおいて、蓄電池が有する保護回路の動作に合わせて蓄電システムを駆動させてもよい。より具体的には例えば、過充電、過放電、蓄電池の電圧上昇または降下、蓄電池のインピーダンスの上昇、等に合わせて蓄電システムを駆動させればよい。
0101
まずステップS300において、処理を開始する。
0102
次にステップS301において、蓄電池の充電が行われる。
0103
次にステップS302において、蓄電池の電圧がL[V]より大きい場合にはステップS303に進み、L[V]以下の場合にはステップS302に留まる。
0104
次にステップS303において、図4に述べたステップS201乃至ステップS209を実行する。
0105
次にステップS304において、回路186からニューラルネットワークNNに信号が与えられる。
0106
次にステップS305において、ニューラルネットワークNNに与えられた信号に応じた結果が、ニューラルネットワークNNから出力される。
0107
ここでニューラルネットワークNNに与えられる信号は、回路182、回路186等により変換されたセンサ素子174からの信号のみではなく、例えば、保護回路137、回路171等により測定された蓄電池の電圧、電流、インピーダンス、等の信号も合わせて与えられることが好ましい。例えば、蓄電池の外装体上に変位センサを配置し、変位センサにより外装体の膨らみが異常と判断される場合において、蓄電池の電流−電圧特性を解析し、その結果に応じて蓄電池の動作を決定する。例えば、蓄電池の充電を停止する。これらの解析は例えば、ニューラルネットワークNNにより行うことができる。
0108
次にステップS306において、ニューラルネットワークNNから出力される値に応じて、保護回路137、回路182、等の動作が決定される。
0109
最後に、ステップS399において処理を終了する。
0110
<蓄電システム3>
図8は、図2(B)に示すシステムを蓄電池に適用する例を示す。図8に示す蓄電システム130は、制御システム131aと、複数の蓄電池135(蓄電池135_1乃至蓄電池135_m)と、複数の蓄電池135のそれぞれに対応する複数のセンサ素子174(センサ素子174_1乃至センサ素子174_m)と、複数のセンサ素子174のそれぞれに電気的に接続される複数の回路182(回路182_1乃至回路182_m)と、複数の回路182のそれぞれに電気的に接続される複数のアンテナ183(アンテナ183_1乃至アンテナ183_m)と、を有する。図8において、複数の蓄電池135は電気的に直列に接続される。なお、蓄電池135のそれぞれに対応するとは例えば、蓄電池135が有する部位の歪み、温度、等のパラメータをセンシングすることを指す。
0112
図9は、蓄電システムにおいて、複数の蓄電池135が電気的に並列に接続される例を示す。図9に示す蓄電システム130において、複数の蓄電池135のそれぞれに対応する複数のセンサ素子174(センサ素子174_1乃至センサ素子174_m)と、複数のセンサ素子174のそれぞれに電気的に接続される複数の回路182(回路182_1乃至回路182_m)と、複数の回路182のそれぞれに電気的に接続される複数のアンテナ183(アンテナ183_1乃至アンテナ183_m)と、を有する。
0113
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
0114
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の蓄電システムが有する蓄電池、およびセンサチップについて説明する。
0115
<ラミネート型の蓄電池を用いたシステム>
以下に、蓄電池135としてラミネート型の蓄電池を用いる例を示す。ラミネート型の蓄電池の詳細については後述する。なお、ラミネート型の蓄電池は、ラミネートセル、積層型ラミネートセル、等と呼ばれる場合がある。
0117
図10(A)には、蓄電池135としてラミネート型の蓄電池を用いる例を示す。図10(A)は、蓄電池135の上面を示す。また、図10(B)には図10(A)に示す蓄電池135の上面において一点鎖線X1−X2に対応する断面、図10(C)には図10(A)に示す二点鎖線Y1−Y2に対応する断面、をそれぞれ示す。蓄電池135は、絶縁表面で覆われたシートから成る外装体509を有する。また、蓄電池135は正極リード電極510および負極リード電極511を有することが好ましい。正極リード電極510は正極に電気を与え、例えば、正極が有する集電体と電気的に接続される。負極リード電極511は負極に電気を与え、例えば、負極が有する集電体と電気的に接続される。蓄電池135の上面図において、外装体を構成するシートが重ねて設けられ、外周部分において、重ねられたシートが封止領域509aにおいて封止されている。
0118
また、蓄電池135が有する外装体509の表面に接するように、センサチップ181が配置される。センサチップ181は、センサ素子174、回路182およびアンテナ183を有する。図10(A)に示す例では、回路182とセンサ素子174が重なる部分を有し、センサ素子174は、回路182の外装体509側の面上に設けられる。図10(A)に示す例ではアンテナ183とセンサ素子174が重ならない例を示すが、それぞれが重なる部分を有してもよい。
0119
センサチップ181は外装体509上に設けられる。センサチップ181は例えば、センサ素子174として、歪みセンサ、温度センサ、ガスセンサ、等から選ばれる一以上のセンサ素子を有する。
0120
本発明の一態様の蓄電システムが歪みセンサを有することにより例えば、蓄電池135の内圧の上昇を検知することができる。また例えば、蓄電池135の内部におけるガスの発生による外装体509の膨張を検知することができる。歪みセンサは、外装体509において特に膨張しやすい領域の近傍に設けることが好ましい。例えば、図10(A)において、センサ素子174は封止領域509aの近傍、例えば封止領域の509aの内側の境界近傍に設けられる。
0121
センサ素子174には駆動用の電位(例えば高電位と接地電位)が与えられる。センサ素子174に与えられる電位を、蓄電池135の正極、または負極のいずれかの電位と兼ねてもよい。例えば、センサ素子174に与えられる接地電位が、蓄電池135の負極電位と兼ねられてもよい。その場合には、図示しないが、配線を用いて、負極リード電極511とセンサ素子174の電位を与える電極と、を電気的に接続すればよい。
0123
図12には、複数重ねた蓄電池135の側面を筐体195aに設けられたスリットに収納し、リード電極を筐体195bおよび筐体195cに設けられたスリットに通す例を示す。側面、およびリード電極をそれぞれの筐体に収納した例が図13である。
0124
さらに、図14に示すように、蓄電池が扁平な形状を有する場合に、重ねられた複数の蓄電池135の広い面に面するように、筐体195eおよび筐体195fを設けてもよい。図14に示す例では、筐体195eには先の実施の形態に示す制御システム131aが設けられている。図14においては、制御回路134およびアンテナ185が並んで設けられる例を示す。また、図12乃至図14に示す例では、アンテナ183は外装体509と重なる例を示すが、後述する図16に例を示すように、それぞれの蓄電池135において、センサ素子174は外装体509上に設け、アンテナ183は外装体509と重ならない領域、例えば上面から見て外装体509の外側に設けられてもよい。上面から見て外装体509の外側にアンテナ183を設けることにより、外装体509の遮蔽の影響を小さくすることができる。
0126
図15(A)には、複数の蓄電池が電気的に並列に接続される例を示す。第k番目の蓄電池が有する正極リード電極510を正極リード電極510_k(kは1以上m以下の整数)、第k番目の蓄電池が有する負極リード電極511を負極リード電極511_kとする。図15(A)において、正極リード電極510_1乃至正極リード電極510_mは導電板196aを介して電気的に接続される。負極リード電極511_1乃至負極リード電極511_mは導電板196bを介して電気的に接続される。
0127
図15(B)は、複数の蓄電池が電気的に直列に接続される例を示す。図15(B)において、隣り合う蓄電池の正極リード電極510と負極リード電極511が交互に重なり、隣接する蓄電池135の正極リード電極510と負極リード電極511が導電体196cを介して電気的に接続され、蓄電池135_1乃至蓄電池135_mは電気的に直列に接続される。
0128
図10(A)においては、蓄電池135の上面において、正極リード電極510と負極リード電極511が対する辺に設けられる例を示したが、図16(A)に示すように、同じ辺上に設けてもよい。図16(A)は、蓄電池135の上面を示す。また、図16(B)には図16(A)に示す蓄電池135の上面において一点鎖線X1−X2に対応する断面、図16(C)には図16(A)に示す二点鎖線Y1−Y2に対応する断面、をそれぞれ示す。
0129
図17は、図16(A)に示す蓄電池135を複数重ね、複数重ねた蓄電池135の側面を筐体195aに設けられたスリットに収納し、リード電極を筐体195gに設けられたスリットに通し、重ねられた複数の蓄電池135の広い面に面するように、筐体195eおよび筐体195fを設ける例を示す。また筐体195gと概略向かい合う位置に筐体195hが設けられる。
0130
図18(A)および図18(B)には、図17において複数重ねた蓄電池の断面を示す。図18(A)は、複数の蓄電池が電気的に並列に接続される例を示す。図18(A)において、正極リード電極510_1乃至正極リード電極510_mは導電板197aを介して電気的に接続される。負極リード電極511_1乃至負極リード電極511_mは導電板197bを介して電気的に接続される。
0131
図18(B)は、複数の蓄電池が電気的に直列に接続される例を示す。図18(B)において、隣り合う蓄電池の正極リード電極510と負極リード電極511が交互に重なり、隣接する蓄電池135の正極リード電極510と負極リード電極511が導電体197cを介して電気的に接続され、蓄電池135_1乃至蓄電池135_mは電気的に直列に接続される。
0133
[ラミネート型の蓄電池]
以下に、ラミネート型の蓄電池の外装体の内部の構成の詳細等を説明する。
0134
図19はラミネート型の蓄電池である蓄電池500の外観図を示す。また、図20(A)および図20(B)は、図19に一点鎖線で示すA1−A2断面およびB1−B2断面を示す。蓄電池500は、正極集電体501および正極活物質層502を有する正極503と、負極集電体504および負極活物質層505を有する負極506と、セパレータ507と、電解液508と、外装体509と、を有する。外装体509内に設けられた正極503と負極506との間にセパレータ507が設置されている。また、外装体509内は、電解液508で満たされている。
0135
電解液508の溶媒としては、非プロトン性有機溶媒が好ましく、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、メチルジグライム、アセトニトリル、ベンゾニトリル、テトラヒドロフラン、スルホラン、スルトン等の1種、又はこれらのうちの2種以上を任意の組み合わせおよび比率で用いることができる。
0136
また、電解液の溶媒としてゲル化される高分子材料を用いることで、漏液性等に対する安全性が高まる。また、二次電池の薄型化および軽量化が可能である。ゲル化される高分子材料の代表例としては、シリコーンゲル、アクリルゲル、アクリロニトリルゲル、ポリエチレンオキサイド系ゲル、ポリプロピレンオキサイド系ゲル、フッ素系ポリマーのゲル等がある。
0137
また、電解液の溶媒として、難燃性および難揮発性であるイオン液体(常温溶融塩)を一つ又は複数用いることで、蓄電装置の内部短絡や、過充電等によって内部温度が上昇しても、蓄電装置の破裂や発火などを防ぐことができる。イオン液体は、カチオンとアニオンからなり、有機カチオンとアニオンとを含む。電解液に用いる有機カチオンとして、四級アンモニウムカチオン、三級スルホニウムカチオン、および四級ホスホニウムカチオン等の脂肪族オニウムカチオンや、イミダゾリウムカチオンおよびピリジニウムカチオン等の芳香族カチオンが挙げられる。また、電解液に用いるアニオンとして、1価のアミド系アニオン、1価のメチド系アニオン、フルオロスルホン酸アニオン、パーフルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレートアニオン、パーフルオロアルキルボレートアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、またはパーフルオロアルキルホスフェートアニオン等が挙げられる。
0138
また、上記の溶媒に溶解させる電解質としては、キャリアにリチウムイオンを用いる場合、例えばLiPF6、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiAlCl4、LiSCN、LiBr、LiI、Li2SO4、Li2B10Cl10、Li2B12Cl12、LiCF3SO3、LiC4F9SO3、LiC(CF3SO2)3、LiC(C2F5SO2)3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)、LiN(C2F5SO2)2等のリチウム塩を一種、又はこれらのうちの二種以上を任意の組み合わせおよび比率で用いることができる。
0139
蓄電装置に用いる電解液は、粒状のごみや電解液の構成元素以外の元素(以下、単に「不純物」ともいう。)の含有量が少ない高純度化された電解液を用いることが好ましい。具体的には、電解液に対する不純物の重量比を1%以下、好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.01%以下とすることが好ましい。
0140
また、電解液にビニレンカーボネート、プロパンスルトン(PS)、tert−ブチルベンゼン(TBB)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、リチウムビス(オキサレート)ボレート(LiBOB)、フルオロベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニルなどの添加剤を添加してもよい。添加剤の濃度は、例えば溶媒全体に対して0.1weight%以上5weight%以下とすればよい。
0142
ポリマーとしては、例えばポリエチレンオキシド(PEO)などのポリアルキレンオキシド構造を有するポリマーや、PVDF、およびポリアクリロニトリル等、およびそれらを含む共重合体等を用いることができる。例えばPVDFとヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体であるPVDF−HFPを用いることができる。また、形成されるポリマーは、多孔質形状を有してもよい。
0143
また、電解液の代わりに、硫化物系や酸化物系等の無機物材料を有する固体電解質や、PEO(ポリエチレンオキシド)系等の高分子材料を有する固体電解質を用いることができる。固体電解質を用いる場合には、セパレータやスペーサの設置が不要となる。また、電池全体を固体化できるため、漏液のおそれがなくなり安全性が飛躍的に向上する。
0144
セパレータ507としては、例えば、紙、不織布、ガラス繊維、セラミックス、或いはナイロン(ポリアミド)、ビニロン(ポリビニルアルコール系繊維)、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、ポリウレタンを用いた合成繊維等で形成されたものを用いることができる。
0145
セパレータ507は袋状に加工し、正極503または負極506のいずれか一方を包むように配置することが好ましい。例えば、正極503を挟むようにセパレータ507を2つ折りにし、正極503と重なる領域よりも外側で封止することで、正極503をセパレータ507内に確実に担持することができる。そして、セパレータ507に包まれた正極503と負極506とを交互に積層し、これらを外装体509内に配置することで蓄電池500を形成するとよい。
0146
蓄電池500において、外装体509には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アイオノマー、ポリアミド等の材料からなる膜上に、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル等の可撓性に優れた金属薄膜を設け、さらに該金属薄膜上に外装体の外面としてポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の絶縁性合成樹脂膜を設けた三層構造のフィルムを用いることができる。
0147
上記構成において、二次電池の外装体509は、最小の曲率半径が例えば、3mm以上30mm以下、より好ましくは3mm以上10mm以下となるように変形することができる。二次電池の外装体であるフィルムは、1枚または2枚で構成されており、積層構造の二次電池である場合、湾曲させた電池の断面構造は、外装体であるフィルムの2つの曲線で挟まれた構造となる。
0150
正極活物質として例えば、層状岩塩型の結晶構造、またはスピネル型の結晶構造を有する複合酸化物等を用いることができる。また、正極活物質として例えば、ポリアニオン系の正極材料を用いることができる。ポリアニオン系の正極材料として例えば、オリビン型の結晶構造を有する材料、ナシコン型の材料、等が挙げられる。また、正極活物質として例えば、硫黄を有する正極材料を用いることができる。
0151
正極活物質として、様々な複合酸化物を用いることができる。例えば、LiFeO2、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、Li2MnO3、V2O5、Cr2O5、MnO2等の化合物を用いることができる。
0152
層状岩塩型の結晶構造を有する材料として例えば、LiMO2で表される複合酸化物を用いることができる。元素Mは、CoまたはNiより選ばれる一以上であることが好ましい。LiCoO2は、容量が大きいこと、大気中で安定であること、熱的に比較的安定であること等の利点があるため、好ましい。また、元素Mとして、CoおよびNiより選ばれる一以上に加えて、AlおよびMnより選ばれる一以上を有してもよい。
0153
スピネル型の結晶構造を有する材料として例えば、LiM2O4で表される複合酸化物を用いることができる。元素MとしてMnを有することが好ましい。例えば、LiMn2O4を用いることができる。また元素Mとして、Mnに加えてNiを有することにより、二次電池の放電電圧が向上し、エネルギー密度が向上する場合があり、好ましい。また、LiMn2O4等のマンガンを含むスピネル型の結晶構造を有するリチウム含有材料に、少量のニッケル酸リチウム(LiNiO2やLiNi1−xMxO2(M=Co、Al等))を混合することにより、二次電池の特性を向上させることができ好ましい。
0155
ポリアニオン系の正極材料として例えば、酸素と、元素Xと、金属Aと、金属Mと、を有する複合酸化物を用いることができる。金属MはFe、Mn、Co、Ni、Ti、V、Nbの一以上であり、金属AはLi、Na、Mgの一以上であり、元素XはS、P、Mo、W、As、Siの一以上である。
0156
オリビン型の結晶構造を有する材料として例えば、複合材料(一般式LiMPO4(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上))を用いることができる。一般式LiMPO4の代表例としては、LiFePO4、LiNiPO4、LiCoPO4、LiMnPO4、LiFeaNibPO4、LiFeaCobPO4、LiFeaMnbPO4、LiNiaCobPO4、LiNiaMnbPO4(a+bは1以下、0<a<1、0<b<1)、LiFecNidCoePO4、LiFecNidMnePO4、LiNicCodMnePO4(c+d+eは1以下、0<c<1、0<d<1、0<e<1)、LiFefNigCohMniPO4(f+g+h+iは1以下、0<f<1、0<g<1、0<h<1、0<i<1)等のリチウム化合物を用いることができる。
0157
また、一般式Li(2−j)MSiO4(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上、0≦j≦2)等の複合材料を用いることができる。一般式Li(2−j)MSiO4の代表例としては、Li(2−j)FeSiO4、Li(2−j)NiSiO4、Li(2−j)CoSiO4、Li(2−j)MnSiO4、Li(2−j)FekNilSiO4、Li(2−j)FekColSiO4、Li(2−j)FekMnlSiO4、Li(2−j)NikColSiO4、Li(2−j)NikMnlSiO4(k+lは1以下、0<k<1、0<l<1)、Li(2−j)FemNinCoqSiO4、Li(2−j)FemNinMnqSiO4、Li(2−j)NimConMnqSiO4(m+n+qは1以下、0<m<1、0<n<1、0<q<1)、Li(2−j)FerNisCotMnuSiO4(r+s+t+uは1以下、0<r<1、0<s<1、0<t<1、0<u<1)等のリチウム化合物を材料として用いることができる。
0158
また、AxM2(XO4)3(A=Li、Na、Mg、M=Fe、Mn、Ti、V、Nb、X=S、P、Mo、W、As、Si)の一般式で表されるナシコン型化合物を用いることができる。ナシコン型化合物としては、Fe2(MnO4)3、Fe2(SO4)3、Li3Fe2(PO4)3等がある。また、正極活物質として、Li2MPO4F、Li2MP2O7、Li5MO4(M=Fe、Mn)の一般式で表される化合物を用いることができる。
0159
また、Vを有するポリアニオン系正極材料を用いることができる。
0160
また、正極活物質として、NaFeF3、FeF3等のペロブスカイト型フッ化物、TiS2、MoS2等の金属カルコゲナイド(硫化物、セレン化物、テルル化物)、LiMVO4等の逆スピネル型の結晶構造を有する酸化物、バナジウム酸化物系(V2O5、V6O13、LiV3O8等)、マンガン酸化物、有機硫黄化合物等の材料を用いることができる。
0161
また、正極活物質として、一般式LiMBO3(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II))で表されるホウ酸塩系正極材料を用いることができる。
0162
負極活物質層は負極活物質を有する。また、負極活物質層は結着剤、導電助剤、等を有することが好ましい。
0163
負極活物質として、例えば炭素系材料や合金系材料等を用いることができる。炭素系材料としては、黒鉛、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック等を用いればよい。黒鉛としては、人造黒鉛や、天然黒鉛等が挙げられる。人造黒鉛としては例えば、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、コークス系人造黒鉛、ピッチ系人造黒鉛等が挙げられる。ここで人造黒鉛として、球状の形状を有する球状黒鉛を用いることができる。例えば、MCMBは球状の形状を有する場合があり、好ましい。また、MCMBはその表面積を小さくすることが比較的容易であり、好ましい場合がある。天然黒鉛としては例えば、鱗片状黒鉛、球状化天然黒鉛等が挙げられる。
0164
負極活物質として、リチウムとの合金化・脱合金化反応により充放電反応を行うことが可能な元素を用いることができる。例えば、シリコン、スズ、ガリウム、アルミニウム、ゲルマニウム、鉛、アンチモン、ビスマス、銀、亜鉛、カドミウム、インジウム等のうち少なくとも一つを含む材料を用いることができる。このような元素は炭素と比べて容量が大きく、特にシリコンは理論容量が4200mAh/gと高い。このため、負極活物質にシリコンを用いることが好ましい。また、これらの元素を有する化合物を用いてもよい。例えば、SiO、Mg2Si、Mg2Ge、SnO、SnO2、Mg2Sn、SnS2、V2Sn3、FeSn2、CoSn2、Ni3Sn2、Cu6Sn5、Ag3Sn、Ag3Sb、Ni2MnSb、CeSb3、LaSn3、La3Co2Sn7、CoSb3、InSb、SbSn等がある。ここで、リチウムとの合金化・脱合金化反応により充放電反応を行うことが可能な元素、および該元素を有する化合物等を合金系材料と呼ぶ場合がある。
0165
また、本発明の一態様の負極活物質は、シリコンとリチウムと、酸素と、を有してもよい。例えば、シリコンと、該シリコンの外側に位置するリチウムシリコン酸化物と、を有してもよい。
0166
また、負極活物質として、二酸化チタン(TiO2)、リチウムチタン酸化物(Li4Ti5O12)、リチウム−黒鉛層間化合物(LixC6)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化タングステン(WO2)、酸化モリブデン(MoO2)等の酸化物を用いることができる。
0167
また、コンバージョン反応が生じる材料を負極活物質として用いることもできる。例えば、酸化コバルト(CoO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化鉄(FeO)等の、リチウムとの合金を作らない遷移金属酸化物を負極活物質に用いてもよい。コンバージョン反応が生じる材料としては、さらに、Fe2O3、CuO、Cu2O、RuO2、Cr2O3等の酸化物、CoS0.89、NiS、CuS等の硫化物、Zn3N2、Cu3N、Ge3N4等の窒化物、NiP2、FeP2、CoP3等のリン化物、FeF3、BiF3等のフッ化物でも起こる。
0168
次に、正極、負極およびセパレータの積層の様々な例を示す。
0169
図21(A)には、正極111及び負極115を6層ずつ積層する例について示す。正極111が有する正極集電体121の片面に正極活物質層122が設けられている。また、負極115が有する負極集電体125の片面に負極活物質層126が設けられている。
0170
また、図21(A)に示す構成では、正極111の正極活物質層122を有さない面同士が接し、負極115の負極活物質層126を有さない面同士が接するように、正極111及び負極115が積層される。このような積層順とすることで、正極111の正極活物質層122を有さない面同士、負極115の負極活物質層126を有さない面同士という、金属同士の接触面をつくることができる。金属同士の接触面は、活物質とセパレータとの接触面と比較して摩擦係数を小さくすることができる。
0171
そのため、二次電池を湾曲したとき、正極111の正極活物質層122を有さない面同士、負極115の負極活物質層126を有さない面同士が滑ることで、湾曲の内径と外径の差により生じる応力を逃がすことができる。ここで湾曲の内径とは例えば、蓄電池500を湾曲させる場合に、蓄電池500の外装体509において、湾曲部の内側に位置する面が有する曲率半径を指す。そのため、蓄電池500の劣化を抑制することができる。また、信頼性の高い蓄電池500とすることができる。
0172
また、図21(B)に、図21(A)と異なる正極111と負極115の積層の例を示す。図21(B)に示す構成では、正極集電体121の両面に正極活物質層122を設けている点において、図21(A)に示す構成と異なる。図21(B)のように正極集電体121の両面に正極活物質層122を設けることで、蓄電池500の単位体積あたりの容量を大きくすることができる。
0173
また、図21(C)に、図21(B)と異なる正極111と負極115の積層の例を示す。図21(C)に示す構成では、負極集電体125の両面に負極活物質層126を設けている点において、図21(B)に示す構成と異なる。図21(C)のように負極集電体125の両面に負極活物質層126を設けることで、蓄電池500の単位体積あたりの容量をさらに大きくすることができる。
0174
また、図21に示す構成では、セパレータ123が正極111を袋状に包む構成であったが、本発明はこれに限られるものではない。ここで、図22(A)に、図21(A)と異なる構成のセパレータ123を有する例を示す。図22(A)に示す構成では、正極活物質層122と負極活物質層126との間にシート状のセパレータ123を1枚ずつ設けている点において、図21(A)に示す構成と異なる。図22(A)に示す構成では、正極111及び負極115を6層ずつ積層しており、セパレータ123を6層設けている。
0175
また、図22(B)に図22(A)とは異なるセパレータ123を設けた例を示す。図22(B)に示す構成では、1枚のセパレータ123が正極活物質層122と負極活物質層126の間に挟まれるように複数回折り返されている点において、図22(A)に示す構成と異なる。また、図22(B)の構成は、図22(A)に示す構成の各層のセパレータ123を延長して層間をつなぎあわせた構成ということもできる。図22(B)に示す構成では、正極111及び負極115を6層ずつ積層しており、セパレータ123を少なくとも5回以上折り返せばよい。また、セパレータ123は、正極活物質層122と負極活物質層126の間に挟まれるように設けるだけでなく、延長して複数の正極111と負極115を一まとめに結束するようにしてもよい。
0176
また図23に示すように正極、負極およびセパレータを積層してもよい。図23(A)は第1の電極組立体128、図23(B)は第2の電極組立体129の断面図である。図23(C)は、図19(A)の一点鎖線A1−A2における断面図である。なお、図23(C)では図を明瞭にするため、第1の電極組立体128、第2の電極組立体129およびセパレータ123を抜粋して示す。
0177
図23(C)に示すように、蓄電池500は、複数の第1の電極組立体128および複数の第2の電極組立体129を有する。
0178
図23(A)に示すように、第1の電極組立体128では、正極集電体121の両面に正極活物質層122を有する正極111a、セパレータ123、負極集電体125の両面に負極活物質層126を有する負極115a、セパレータ123、正極集電体121の両面に正極活物質層122を有する正極111aがこの順に積層されている。また図23(B)に示すように、第2の電極組立体129では、負極集電体125の両面に負極活物質層126を有する負極115a、セパレータ123、正極集電体121の両面に正極活物質層122を有する正極111a、セパレータ123、負極集電体125の両面に負極活物質層126を有する負極115aがこの順に積層されている。
0179
さらに図23(C)に示すように、複数の第1の電極組立体128および複数の第2の電極組立体129は、捲回したセパレータ123によって覆われている。
0180
<電池缶に収納された蓄電池を用いたシステム>
次に円筒型の蓄電池の例について図24を参照して説明する。円筒型の蓄電池400は、図24(A)に示すように、上面に正極キャップ(電池蓋)401を有し、側面および底面に電池缶(外装缶)402を有している。これら正極キャップ401と電池缶(外装缶)402とは、ガスケット(絶縁パッキン)410によって絶縁されている。
0181
図24(B)は、円筒型の蓄電池400の断面を模式的に示した図である。内部構造を説明するために電池缶402は底面のみ示している。中空円柱状の電池缶402の内側には、帯状の正極404と負極406とがセパレータ405を間に挟んで捲回された電池素子が設けられている。電池缶402には、電解液に対して耐腐食性のあるニッケル、アルミニウム、チタン等の金属、又はこれらの合金やこれらと他の金属との合金(例えば、ステンレス鋼等)を用いることができる。また、電解液による腐食を防ぐため、ニッケルやアルミニウム等を被覆することが好ましい。また、電池素子が設けられた電池缶402の内部は、非水電解液(図示せず)が注入されている。非水電解液、正極、負極、セパレータ、についてはラミネート型の蓄電池における記載を参照すればよい。
0182
円筒型の蓄電池に用いる正極および負極は捲回するため、集電体の両面に活物質を形成することが好ましい。正極404には正極端子(正極集電リード)403が接続され、負極406には負極端子(負極集電リード)407が接続される。正極端子403および負極端子407は、ともにアルミニウムなどの金属材料を用いることができる。負極端子407は電池缶402の底に溶接される。正極端子403は導電板419に溶接され、防爆板412およびPTC(Positive Temperature Coefficient)素子411を介して正極キャップ401と電気的に接続されている。また、防爆板412上にはセンサチップ181が設けられる。センサチップ181が有するセンサ素子174により、防爆板412の変形が検知される。防爆板412は例えば、円筒型の蓄電池400の内部におけるガス発生により内圧が上昇し、変形する場合がある。PTC素子411は温度が上昇した場合に抵抗が増大する熱感抵抗素子であり、抵抗の増大により電流量を制限して異常発熱を防止するものである。PTC素子411には、チタン酸バリウム(BaTiO3)系半導体セラミックス等を用いることができる。また、PTC素子411に炭素を有する材料、例えば導電性炭素とポリエチレン等の高分子を混合した材料を用いてもよい。なお、PTC素子411はセンサ素子174に設けられてもよい。
0183
また、図24(C)のように複数の蓄電池400を、導電板413および導電板414の間に挟んでモジュール415を構成してもよい。複数の蓄電池400は、配線416により導電板413および導電板414と電気的に接続される。複数の蓄電池400は、並列接続されていてもよいし、直列接続されていてもよいし、並列に接続された後さらに直列に接続されていてもよい。複数の蓄電池400を有するモジュール415を構成することで、大きな電力を取り出すことができる。
0184
図24(D)はモジュール415の上面図である。図を明瞭にするために導電板413を点線で示した。図24(D)に示すように、複数の蓄電池400の間に温度制御装置417を有していてもよい。蓄電池400が過熱されたときは、温度制御装置417により冷却し、蓄電池400が冷えすぎているときは温度制御装置417により加熱することができる。そのためモジュール415の性能が外気温に影響されにくくなる。また、複数の蓄電池400同士の間、および温度制御装置417と蓄電池400との間に、緩衝材418を設けることができる。緩衝材418を設けることで、蓄電池400同士が接触、または温度制御装置417と蓄電池400が接触して、電池缶402および温度制御装置417等に傷がつくことを防止できる。
0185
正極404に、先の実施の形態で説明した正極活物質を用いることで、高容量でサイクル特性に優れた円筒型の蓄電池400とすることができる。
0187
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
0188
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記の実施の形態で説明したニューラルネットワークに用いることが可能な半導体装置の構成例について説明する。
0189
図25(A)に示すように、ニューラルネットワークNNは入力層IL、出力層OL、中間層(隠れ層)HLによって構成することができる。入力層IL、出力層OL、中間層HLはそれぞれ、1又は複数のニューロン(ユニット)を有する。なお、中間層HLは1層であってもよいし2層以上であってもよい。2層以上の中間層HLを有するニューラルネットワークはDNN(ディープニューラルネットワーク)と呼ぶこともでき、ディープニューラルネットワークを用いた学習は深層学習と呼ぶこともできる。
0190
入力層ILの各ニューロンには入力データが入力され、中間層HLの各ニューロンには前層又は後層のニューロンの出力信号が入力され、出力層OLの各ニューロンには前層のニューロンの出力信号が入力される。なお、各ニューロンは、前後の層の全てのニューロンと結合されていてもよいし(全結合)、一部のニューロンと結合されていてもよい。
0191
図25(B)に、ニューロンによる演算の例を示す。ここでは、ニューロンNと、ニューロンNに信号を出力する前層の2つのニューロンを示している。ニューロンNには、前層のニューロンの出力x1と、前層のニューロンの出力x2が入力される。そして、ニューロンNにおいて、出力x1と重みw1の乗算結果(x1w1)と出力x2と重みw2の乗算結果(x2w2)の総和x1w1+x2w2が計算された後、必要に応じてバイアスbが加算され、値a=x1w1+x2w2+bが得られる。そして、値aは活性化関数hによって変換され、ニューロンNから出力信号y=h(a)が出力される。
0192
このように、ニューロンによる演算には、前層のニューロンの出力と重みの積を足し合わせる演算、すなわち積和演算が含まれる(上記のx1w1+x2w2)。この積和演算は、プログラムを用いてソフトウェア上で行ってもよいし、ハードウェアによって行われてもよい。積和演算をハードウェアによって行う場合は、積和演算回路を用いることができる。この積和演算回路としては、デジタル回路を用いてもよいし、アナログ回路を用いてもよい。積和演算回蕗にアナログ回路を用いる場合、積和演算回路の回路規模の縮小、又は、メモリへのアクセス回数の減少による処理速度の向上及び消費電力の低減を図ることができる。
0193
積和演算回路は、チャネル形成領域にシリコン(単結晶シリコンなど)を含むトランジスタ(以下、Siトランジスタともいう)によって構成してもよいし、チャネル形成領域に酸化物半導体を含むトランジスタ(以下、OSトランジスタともいう)によって構成してもよい。特に、OSトランジスタはオフ電流が極めて小さいため、積和演算回路のメモリを構成するトランジスタとして好適である。なお、SiトランジスタとOSトランジスタの両方を用いて積和演算回路を構成してもよい。以下、積和演算回路の機能を備えた半導体装置の構成例について説明する。
0194
<半導体装置の構成例>
図26に、ニューラルネットワークの演算を行う機能を有する半導体装置MACの構成例を示す。半導体装置MACは、ニューロン間の結合強度(重み)に対応する第1のデータと、入力データに対応する第2のデータの積和演算を行う機能を有する。なお、第1のデータ及び第2のデータはそれぞれ、アナログデータ又は多値のデジタルデータ(離散的なデータ)とすることができる。また、半導体装置MACは、積和演算によって得られたデータを活性化関数によって変換する機能を有する。
0196
セルアレイCAは、複数のメモリセルMC及び複数のメモリセルMCrefを有する。図26には、セルアレイCAがm行n列(m,nは1以上の整数)のメモリセルMC(MC[1,1]乃至[m,n])と、m個のメモリセルMCref(MCref[1]乃至[m])を有する構成例を示している。メモリセルMCは、第1のデータを格納する機能を有する。また、メモリセルMCrefは、積和演算に用いられる参照データを格納する機能を有する。なお、参照データはアナログデータ又は多値のデジタルデータとすることができる。
0197
メモリセルMC[i,j](iは1以上m以下の整数、jは1以上n以下の整数)は、配線WL[i]、配線RW[i]、配線WD[j]、及び配線BL[j]と接続されている。また、メモリセルMCref[i]は、配線WL[i]、配線RW[i]、配線WDref、配線BLrefと接続されている。ここで、メモリセルMC[i,j]と配線BL[j]間を流れる電流をIMC[i,j]と表記し、メモリセルMCref[i]と配線BLref間を流れる電流をIMCref[i]と表記する。
0198
メモリセルMC及びメモリセルMCrefの具体的な構成例を、図27に示す。図27には代表例としてメモリセルMC[1,1]、[2,1]及びメモリセルMCref[1]、[2]を示しているが、他のメモリセルMC及びメモリセルMCrefにも同様の構成を用いることができる。メモリセルMC及びメモリセルMCrefはそれぞれ、トランジスタTr11、Tr12、容量素子C11を有する。ここでは、トランジスタTr11及びトランジスタTr12がnチャネル型のトランジスタである場合について説明する。
0199
メモリセルMCにおいて、トランジスタTr11のゲートは配線WLと接続され、ソース又はドレインの一方はトランジスタTr12のゲート、及び容量素子C11の第1の電極と接続され、ソース又はドレインの他方は配線WDと接続されている。トランジスタTr12のソース又はドレインの一方は配線BLと接続され、ソース又はドレインの他方は配線VRと接続されている。容量素子C11の第2の電極は、配線RWと接続されている。配線VRは、所定の電位を供給する機能を有する配線である。ここでは一例として、配線VRから低電源電位(接地電位など)が供給される場合について説明する。
0200
トランジスタTr11のソース又はドレインの一方、トランジスタTr12のゲート、及び容量素子C11の第1の電極と接続されたノードを、ノードNMとする。また、メモリセルMC[1,1]、[2,1]のノードNMを、それぞれノードNM[1,1]、[2,1]と表記する。
0201
メモリセルMCrefも、メモリセルMCと同様の構成を有する。ただし、メモリセルMCrefは配線WDの代わりに配線WDrefと接続され、配線BLの代わりに配線BLrefと接続されている。また、メモリセルMCref[1]、[2]において、トランジスタTr11のソース又はドレインの一方、トランジスタTr12のゲート、及び容量素子C11の第1の電極と接続されたノードを、それぞれノードNMref[1]、[2]と表記する。
0202
ノードNMとノードNMrefはそれぞれ、メモリセルMCとメモリセルMCrefの保持ノードとして機能する。ノードNMには第1のデータが保持され、ノードNMrefには参照データが保持される。また、配線BL[1]からメモリセルMC[1,1]、[2,1]のトランジスタTr12には、それぞれ電流IMC[1,1]、IMC[2,1]が流れる。また、配線BLrefからメモリセルMCref[1]、[2]のトランジスタTr12には、それぞれ電流IMCref[1]、IMCref[2]が流れる。
0203
トランジスタTr11は、ノードNM又はノードNMrefの電位を保持する機能を有するため、トランジスタTr11のオフ電流は小さいことが好ましい。そのため、トランジスタTr11としてオフ電流が極めて小さいOSトランジスタを用いることが好ましい。これにより、ノードNM又はノードNMrefの電位の変動を抑えることができ、演算精度の向上を図ることができる。また、ノードNM又はノードNMrefの電位をリフレッシュする動作の頻度を低く抑えることが可能となり、消費電力を削減することができる。
0204
トランジスタTr12は特に限定されず、例えばSiトランジスタ又はOSトランジスタなどを用いることができる。トランジスタTr12にOSトランジスタを用いる場合、トランジスタTr11と同じ製造装置を用いて、トランジスタTr12を作製することが可能となり、製造コストを抑制することができる。なお、トランジスタTr12はnチャネル型であってもpチャネル型であってもよい。
0205
電流源回路CSは、配線BL[1]乃至[n]及び配線BLrefと接続されている。電流源回路CSは、配線BL[1]乃至[n]及び配線BLrefに電流を供給する機能を有する。なお、配線BL[1]乃至[n]に供給される電流値と配線BLrefに供給される電流値は異なっていてもよい。ここでは、電流源回路CSから配線BL[1]乃至[n]に供給される電流をIC、電流源回路CSから配線BLrefに供給される電流をICrefと表記する。
0206
カレントミラー回路CMは、配線IL[1]乃至[n]及び配線ILrefを有する。配線IL[1]乃至[n]はそれぞれ配線BL[1]乃至[n]と接続され、配線ILrefは、配線BLrefと接続されている。ここでは、配線IL[1]乃至[n]と配線BL[1]乃至[n]の接続箇所をノードNP[1]乃至[n]と表記する。また、配線ILrefと配線BLrefの接続箇所をノードNPrefと表記する。
0207
カレントミラー回路CMは、ノードNPrefの電位に応じた電流ICMを配線ILrefに流す機能と、この電流ICMを配線IL[1]乃至[n]にも流す機能を有する。図26には、配線BLrefから配線ILrefに電流ICMが排出され、配線BL[1]乃至[n]から配線IL[1]乃至[n]に電流ICMが排出される例を示している。また、カレントミラー回路CMから配線BL[1]乃至[n]を介してセルアレイCAに流れる電流を、IB[1]乃至[n]と表記する。また、カレントミラー回路CMから配線BLrefを介してセルアレイCAに流れる電流を、IBrefと表記する。
0208
回路WDDは、配線WD[1]乃至[n]及び配線WDrefと接続されている。回路WDDは、メモリセルMCに格納される第1のデータに対応する電位を、配線WD[1]乃至[n]に供給する機能を有する。また、回路WDDは、メモリセルMCrefに格納される参照データに対応する電位を、配線WDrefに供給する機能を有する。回路WLDは、配線WL[1]乃至[m]と接続されている。回路WLDは、データの書き込みを行うメモリセルMC又はメモリセルMCrefを選択するための信号を、配線WL[1]乃至[m]に供給する機能を有する。回路CLDは、配線RW[1]乃至[m]と接続されている。回路CLDは、第2のデータに対応する電位を、配線RW[1]乃至[m]に供給する機能を有する。
0209
オフセット回路OFSTは、配線BL[1]乃至[n]及び配線OL[1]乃至[n]と接続されている。オフセット回路OFSTは、配線BL[1]乃至[n]からオフセット回路OFSTに流れる電流量、及び/又は、配線BL[1]乃至[n]からオフセット回路OFSTに流れる電流の変化量を検出する機能を有する。また、オフセット回路OFSTは、検出結果を配線OL[1]乃至[n]に出力する機能を有する。なお、オフセット回路OFSTは、検出結果に対応する電流を配線OLに出力してもよいし、検出結果に対応する電流を電圧に変換して配線OLに出力してもよい。セルアレイCAとオフセット回路OFSTの間を流れる電流を、Iα[1]乃至[n]と表記する。
0210
オフセット回路OFSTの構成例を図28に示す。図28に示すオフセット回路OFSTは、回路OC[1]乃至[n]を有する。また、回路OC[1]乃至[n]はそれぞれ、トランジスタTr21、トランジスタTr22、トランジスタTr23、容量素子C21、及び抵抗素子R1を有する。各素子の接続関係は図28に示す通りである。なお、容量素子C21の第1の電極及び抵抗素子R1の第1の端子と接続されたノードを、ノードNaとする。また、容量素子C21の第2の電極、トランジスタTr21のソース又はドレインの一方、及びトランジスタTr22のゲートと接続されたノードを、ノードNbとする。
0211
配線VrefLは電位Vrefを供給する機能を有し、配線VaLは電位Vaを供給する機能を有し、配線VbLは電位Vbを供給する機能を有する。また、配線VDDLは電位VDDを供給する機能を有し、配線VSSLは電位VSSを供給する機能を有する。ここでは、電位VDDが高電源電位であり、電位VSSが低電源電位である場合について説明する。また、配線RSTは、トランジスタTr21の導通状態を制御するための電位を供給する機能を有する。トランジスタTr22、トランジスタTr23、配線VDDL、配線VSSL、及び配線VbLによって、ソースフォロワ回路が構成される。
0212
次に、回路OC[1]乃至[n]の動作例を説明する。なお、ここでは代表例として回路OC[1]の動作例を説明するが、回路OC[2]乃至[n]も同様に動作させることができる。まず、配線BL[1]に第1の電流が流れると、ノードNaの電位は、第1の電流と抵抗素子R1の抵抗値に応じた電位となる。また、このときトランジスタTr21はオン状態であり、ノードNbに電位Vaが供給される。その後、トランジスタTr21はオフ状態となる。
0213
次に、配線BL[1]に第2の電流が流れると、ノードNaの電位は、第2の電流と抵抗素子R1の抵抗値に応じた電位に変化する。このときトランジスタTr21はオフ状態であり、ノードNbはフローティング状態となっているため、ノードNaの電位の変化に伴い、ノードNbの電位は容量結合により変化する。ここで、ノードNaの電位の変化をΔVNaとし、容量結合係数を1とすると、ノードNbの電位はVa+ΔVNaとなる。そして、トランジスタTr22のしきい値電圧をVthとすると、配線OL[1]から電位Va+ΔVNa−Vthが出力される。ここで、Va=Vthとすることにより、配線OL[1]から電位ΔVNaを出力することができる。
0214
電位ΔVNaは、第1の電流から第2の電流への変化量、抵抗素子R1の抵抗値、及び電位Vrefに応じて定まる。ここで、抵抗素子R1の抵抗値と電位Vrefは既知であるため、電位ΔVNaから配線BLに流れる電流の変化量を求めることができる。
0215
上記のようにオフセット回路OFSTによって検出された電流量、及び/又は電流の変化量に対応する信号は、配線OL[1]乃至[n]を介して活性化関数回路ACTVに入力される。
0216
活性化関数回路ACTVは、配線OL[1]乃至[n]、及び、配線NIL[1]乃至[n]と接続されている。活性化関数回路ACTVは、オフセット回路OFSTから入力された信号を、あらかじめ定義された活性化関数に従って変換するための演算を行う機能を有する。活性化関数としては、例えば、シグモイド関数、tanh関数、softmax関数、ReLU関数、しきい値関数などを用いることができる。活性化関数回路ACTVによって変換された信号は、出力データとして配線NIL[1]乃至[n]に出力される。
0217
<半導体装置の動作例>
上記の半導体装置MACを用いて、第1のデータと第2のデータの積和演算を行うことができる。以下、積和演算を行う際の半導体装置MACの動作例を説明する。
0218
図29に半導体装置MACの動作例のタイミングチャートを示す。図29には、図27における配線WL[1]、配線WL[2]、配線WD[1]、配線WDref、ノードNM[1,1]、ノードNM[2,1]、ノードNMref[1]、ノードNMref[2]、配線RW[1]、及び配線RW[2]の電位の推移と、電流IB[1]−Iα[1]、及び電流IBrefの値の推移を示している。電流IB[1]−Iα[1]は、配線BL[1]からメモリセルMC[1,1]、[2,1]に流れる電流の総和に相当する。
0219
なお、ここでは代表例として図27に示すメモリセルMC[1,1]、[2,1]及びメモリセルMCref[1]、[2]に着目して動作を説明するが、他のメモリセルMC及びメモリセルMCrefも同様に動作させることができる。
0220
[第1のデータの格納]
まず、時刻T01−T02において、配線WL[1]の電位がハイレベルとなり、配線WD[1]の電位が接地電位(GND)よりもVPR−VW[1,1]大きい電位となり、配線WDrefの電位が接地電位よりもVPR大きい電位となる。また、配線RW[1]、及び配線RW[2]の電位が基準電位(REFP)となる。なお、電位VW[1,1]はメモリセルMC[1,1]に格納される第1のデータに対応する電位である。また、電位VPRは参照データに対応する電位である。これにより、メモリセルMC[1,1]及びメモリセルMCref[1]が有するトランジスタTr11がオン状態となり、ノードNM[1,1]の電位がVPR−VW[1,1]、ノードNMref[1]の電位がVPRとなる。
0221
このとき、配線BL[1]からメモリセルMC[1,1]のトランジスタTr12に流れる電流IMC[1,1],0は、次の式で表すことができる。ここで、kはトランジスタTr12のチャネル長、チャネル幅、移動度、及びゲート絶縁膜の容量などで決まる定数である。また、VthはトランジスタTr12のしきい値電圧である。
0222
0223
また、配線BLrefからメモリセルMCref[1]のトランジスタTr12に流れる電流IMCref[1],0は、次の式で表すことができる。
0224
0225
次に、時刻T02−T03において、配線WL[1]の電位がローレベルとなる。これにより、メモリセルMC[1,1]及びメモリセルMCref[1]が有するトランジスタTr11がオフ状態となり、ノードNM[1,1]及びノードNMref[1]の電位が保持される。
0226
なお、前述の通り、トランジスタTr11としてOSトランジスタを用いることが好ましい。これにより、トランジスタTr11のリーク電流を抑えることができ、ノードNM[1,1]及びノードNMref[1]の電位を正確に保持することができる。
0227
次に、時刻T03−T04において、配線WL[2]の電位がハイレベルとなり、配線WD[1]の電位が接地電位よりもVPR−VW[2,1]大きい電位となり、配線WDrefの電位が接地電位よりもVPR大きい電位となる。なお、電位VW[2,1]はメモリセルMC[2,1]に格納される第1のデータに対応する電位である。これにより、メモリセルMC[2,1]及びメモリセルMCref[2]が有するトランジスタTr11がオン状態となり、ノードNM[2,1]の電位がVPR−VW[2,1]、ノードNMref[2]の電位がVPRとなる。
0228
このとき、配線BL[1]からメモリセルMC[2,1]のトランジスタTr12に流れる電流IMC[2,1],0は、次の式で表すことができる。
0229
0230
また、配線BLrefからメモリセルMCref[2]のトランジスタTr12に流れる電流IMCref[2],0は、次の式で表すことができる。
0231
0232
次に、時刻T04−T05において、配線WL[2]の電位がローレベルとなる。これにより、メモリセルMC[2,1]及びメモリセルMCref[2]が有するトランジスタTr11がオフ状態となり、ノードNM[2,1]及びノードNMref[2]の電位が保持される。
0233
以上の動作により、メモリセルMC[1,1]、[2,1]に第1のデータが格納され、メモリセルMCref[1]、[2]に参照データが格納される。
0234
ここで、時刻T04−T05において、配線BL[1]及び配線BLrefに流れる電流を考える。配線BLrefには、電流源回路CSから電流が供給される。また、配線BLrefを流れる電流は、カレントミラー回路CM、メモリセルMCref[1]、[2]へ排出される。電流源回路CSから配線BLrefに供給される電流をICref、配線BLrefからカレントミラー回路CMへ排出される電流をICM,0とすると、次の式が成り立つ。
0235
0236
配線BL[1]には、電流源回路CSからの電流が供給される。また、配線BL[1]を流れる電流は、カレントミラー回路CM、メモリセルMC[1,1]、[2,1]へ排出される。また、配線BL[1]からオフセット回路OFSTに電流が流れる。電流源回路CSから配線BL[1]に供給される電流をIC,0、配線BL[1]からオフセット回路OFSTに流れる電流をIα,0とすると、次の式が成り立つ。
0237
0238
[第1のデータと第2のデータの積和演算]
次に、時刻T05−T06において、配線RW[1]の電位が基準電位よりもVX[1]大きい電位となる。このとき、メモリセルMC[1,1]、及びメモリセルMCref[1]のそれぞれの容量素子C11には電位VX[1]が供給され、容量結合によりトランジスタTr12のゲートの電位が上昇する。なお、電位VX[1]はメモリセルMC[1,1]及びメモリセルMCref[1]に供給される第2のデータに対応する電位である。
0239
トランジスタTr12のゲートの電位の変化量は、配線RWの電位の変化量に、メモリセルの構成によって決まる容量結合係数を乗じた値となる。容量結合係数は、容量素子C11の容量、トランジスタTr12のゲート容量、及び寄生容量などによって算出される。以下では便宜上、配線RWの電位の変化量とトランジスタTr12のゲートの電位の変化量が同じ、すなわち容量結合係数が1であるとして説明する。実際には、容量結合係数を考慮して電位VXを決定すればよい。
0240
メモリセルMC[1,1]及びメモリセルMCref[1]の容量素子C11に電位VX[1]が供給されると、ノードNM[1,1]及びノードNMref[1]の電位がそれぞれVX[1]上昇する。
0241
ここで、時刻T05−T06において、配線BL[1]からメモリセルMC[1,1]のトランジスタTr12に流れる電流IMC[1,1],1は、次の式で表すことができる。
0242
0243
すなわち、配線RW[1]に電位VX[1]を供給することにより、配線BL[1]からメモリセルMC[1,1]のトランジスタTr12に流れる電流は、ΔIMC[1,1]=IMC[1,1],1−IMC[1,1],0増加する。
0244
また、時刻T05−T06において、配線BLrefからメモリセルMCref[1]のトランジスタTr12に流れる電流IMCref[1],1は、次の式で表すことができる。
0245
0246
すなわち、配線RW[1]に電位VX[1]を供給することにより、配線BLrefからメモリセルMCref[1]のトランジスタTr12に流れる電流は、ΔIMCref[1]=IMCref[1],1−IMCref[1],0増加する。
0247
また、配線BL[1]及び配線BLrefに流れる電流について考える。配線BLrefには、電流源回路CSから電流ICrefが供給される。また、配線BLrefを流れる電流は、カレントミラー回路CM、メモリセルMCref[1]、[2]へ排出される。配線BLrefからカレントミラー回路CMへ排出される電流をICM,1とすると、次の式が成り立つ。
0248
0249
配線BL[1]には、電流源回路CSから電流ICが供給される。また、配線BL[1]を流れる電流は、カレントミラー回路CM、メモリセルMC[1,1]、[2,1]へ排出される。さらに、配線BL[1]からオフセット回路OFSTにも電流が流れる。配線BL[1]からオフセット回路OFSTに流れる電流をIα,1とすると、次の式が成り立つ。
0250
0251
そして、式(E1)乃至式(E10)から、電流Iα,0と電流Iα,1の差(差分電流ΔIα)は次の式で表すことができる。
0252
0253
このように、差分電流ΔIαは、電位VW[1,1]とVX[1]の積に応じた値となる。
0254
その後、時刻T06−T07において、配線RW[1]の電位は基準電位となり、ノードNM[1,1]及びノードNMref[1]の電位は時刻T04−T05と同様になる。
0255
次に、時刻T07−T08において、配線RW[1]の電位が基準電位よりもVX[1]大きい電位となり、配線RW[2]の電位が基準電位よりもVX[2]大きい電位となる。これにより、メモリセルMC[1,1]、及びメモリセルMCref[1]のそれぞれの容量素子C11に電位VX[1]が供給され、容量結合によりノードNM[1,1]及びノードNMref[1]の電位がそれぞれVX[1]上昇する。また、メモリセルMC[2,1]、及びメモリセルMCref[2]のそれぞれの容量素子C11に電位VX[2]が供給され、容量結合によりノードNM[2,1]及びノードNMref[2]の電位がそれぞれVX[2]上昇する。
0256
ここで、時刻T07−T08において、配線BL[1]からメモリセルMC[2,1]のトランジスタTr12に流れる電流IMC[2,1],1は、次の式で表すことができる。
0257
0258
すなわち、配線RW[2]に電位VX[2]を供給することにより、配線BL[1]からメモリセルMC[2,1]のトランジスタTr12に流れる電流は、ΔIMC[2,1]=ΔIMC[2,1],1−IMC[2,1],0増加する。
0259
また、時刻T07−T08において、配線BLrefからメモリセルMCref[2]のトランジスタTr12に流れる電流IMCref[2],1は、次の式で表すことができる。
0260
0261
すなわち、配線RW[2]に電位VX[2]を供給することにより、配線BLrefからメモリセルMCref[2]のトランジスタTr12に流れる電流は、ΔIMCref[2]=IMCref[2],1−IMCref[2],0増加する。
0262
また、配線BL[1]及び配線BLrefに流れる電流について考える。配線BLrefには、電流源回路CSから電流ICrefが供給される。また、配線BLrefを流れる電流は、カレントミラー回路CM、メモリセルMCref[1]、[2]へ排出される。配線BLrefからカレントミラー回路CMへ排出される電流をICM,2とすると、次の式が成り立つ。
0263
0264
配線BL[1]には、電流源回路CSから電流ICが供給される。また、配線BL[1]を流れる電流は、カレントミラー回路CM、メモリセルMC[1,1]、[2,1]へ排出される。さらに、配線BL[1]からオフセット回路OFSTにも電流が流れる。配線BL[1]からオフセット回路OFSTに流れる電流をIα,2とすると、次の式が成り立つ。
0265
0266
そして、式(E1)乃至式(E8)、及び、式(E12)乃至式(E15)から、電流Iα,0と電流Iα,2の差(差分電流ΔIα)は次の式で表すことができる。
0267
0268
このように、差分電流ΔIαは、電位VW[1,1]と電位VX[1]の積と、電位VW[2,1]と電位VX[2]の積と、を足し合わせた結果に応じた値となる。
0269
その後、時刻T08−T09において、配線RW[1]、[2]の電位は基準電位となり、ノードNM[1,1]、[2,1]及びノードNMref[1]、[2]の電位は時刻T04−T05と同様になる。
0270
式(E11)及び式(E16)に示されるように、オフセット回路OFSTに入力される差分電流ΔIαは、第1のデータ(重み)に対応する電位VWと、第2のデータ(入力データ)に対応する電位VXの積の項を有する式から算出することができる。すなわち、差分電流ΔIαをオフセット回路OFSTで計測することにより、第1のデータと第2のデータの積和演算の結果を得ることができる。
0271
なお、上記では特にメモリセルMC[1,1]、[2,1]及びメモリセルMCref[1]、[2]に着目したが、メモリセルMC及びメモリセルMCrefの数は任意に設定することができる。メモリセルMC及びメモリセルMCrefの行数mを任意の数iとした場合の差分電流ΔIαは、次の式で表すことができる。
0272
0273
また、メモリセルMC及びメモリセルMCrefの列数nを増やすことにより、並列して実行される積和演算の数を増やすことができる。
0274
以上のように、半導体装置MACを用いることにより、第1のデータと第2のデータの積和演算を行うことができる。なお、メモリセルMC及びメモリセルMCrefとして図27に示す構成を用いることにより、少ないトランジスタ数で積和演算回路を構成することができる。そのため、半導体装置MACの回路規模の縮小を図ることができる。
0275
半導体装置MACをニューラルネットワークにおける演算に用いる場合、メモリセルMCの行数mは一のニューロンに供給される入力データの数に対応させ、メモリセルMCの列数nはニューロンの数に対応させることができる。例えば、図25(A)に示す中間層HLにおいて半導体装置MACを用いた積和演算を行う場合を考える。このとき、メモリセルMCの行数mは、入力層ILから供給される入力データの数(入力層ILのニューロンの数)に設定し、メモリセルMCの列数nは、中間層HLのニューロンの数に設定することができる。
0276
なお、半導体装置MACを適用するニューラルネットワークの構造は特に限定されない。例えば半導体装置MACは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、再帰型ニューラルネットワーク(RNN)、オートエンコーダ、ボルツマンマシン(制限ボルツマンマシンを含む)などに用いることもできる。
0277
以上のように、半導体装置MACを用いることにより、ニューラルネットワークの積和演算を行うことができる。さらに、セルアレイCAに図27に示すメモリセルMC及びメモリセルMCrefを用いることにより、演算精度の向上、消費電力の削減、又は回路規模の縮小を図ることが可能な集積回路を提供することができる。
0278
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
0279
(実施の形態4)
本実施の形態は、本発明の一態様のOSトランジスタ、およびそれを用いた不揮発性メモリについて説明する。
0280
以下に、OSトランジスタについて説明する。
0281
OSトランジスタのチャネル形成領域は、金属酸化物を有することが好ましい。チャネル形成領域が有する金属酸化物はインジウム(In)を含むことが好ましい。チャネル形成領域が有する金属酸化物がインジウムを含む金属酸化物の場合、OSトランジスタのキャリア移動度(電子移動度)が高くなる。また、チャネル形成領域が有する金属酸化物は、元素Mを含む酸化物半導体であると好ましい。元素Mは、好ましくは、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)またはスズ(Sn)などとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素(B)、シリコン(Si)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ゲルマニウム(Ge)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)などがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。元素Mは、例えば、酸素との結合エネルギーが高い元素である。例えば、酸素との結合エネルギーがインジウムよりも高い元素である。また、チャネル形成領域が有する金属酸化物は、亜鉛(Zn)を含む金属酸化物であると好ましい。亜鉛を含む金属酸化物は結晶化しやすくなる場合がある。
0282
チャネル形成領域が有する金属酸化物は、インジウムを含む金属酸化物に限定されない。半導体層は、例えば、亜鉛スズ酸化物、ガリウムスズ酸化物などの、インジウムを含まず、亜鉛を含む金属酸化物、ガリウムを含む金属酸化物、スズを含む金属酸化物などであっても構わない。
0283
<NOSRAM>
図30(A)はNOSRAMの構成例を示すブロック図である。NOSRAM240には、パワードメイン242、243、パワースイッチ245乃至247が設けられている。パワードメイン242には、メモリセルアレイ250が設けられ、パワードメイン243にはNOSRAM240の周辺回路が設けられている。周辺回路は、制御回路251、行回路252、列回路253を有する。
0284
外部からNOSRAM240に電圧VDDD、VSSS、VDHW、VDHR、VBG2、クロック信号GCLK2、アドレス信号(Address)、信号CE、WE、PSE5が入力される。信号CE、WEはチップイネーブル信号、書き込みイネーブル信号である。信号PSE5は、パワースイッチ245乃至247のオンオフを制御する。パワースイッチ245乃至247は、パワードメイン243への電圧VDDD、VDHW、VDHRの入力をそれぞれ制御する。
0285
なお、NOSRAM240に入力される電圧、信号等は、NOSRAM240の回路構成、動作方法に応じて適宜取捨される。例えば、NOSRAM240にパワーゲーティングされないパワードメインを設け、信号PSE5を生成するパワーゲーティング制御回路を設けてもよい。
0287
図30(B)に示すように、メモリセル10は2T1C(2トランジスタ1容量)型のゲインセルであり、ノードSN1、トランジスタM1、M2、容量素子C1を有する。トランジスタM1は書き込みトランジスタであり、バックゲートを有するOSトランジスタである。トランジスタM1のバックゲートは、電圧VBG2を供給する配線BGL2に電気的に接続されている。トランジスタM2は読出しトランジスタであり、pチャネル型Siトランジスタである。容量素子C1はノードSN1の電圧を保持する保持容量である。
0288
電圧VDDD、VSSSはデータ“1”、“0”を表す電圧である。なお、書込みワード線WWL、RWLの高レベル電圧は、VDHW、VDHRである。
0290
メモリセル10は原理的に書き換え回数に制限はなく、データの書き換えを低エネルギーで行え、データの保持に電力を消費しない。トランジスタM1が極小オフ電流のOSトランジスタであるため、メモリセル10は長時間データを保持することが可能である。よって、NOSRAM240で、キャッシュメモリ装置で構成することで、キャッシュメモリ装置を、不揮発性の低消費電力なメモリ装置とすることができる。
0291
メモリセル10の回路構成は、図30(B)の回路構成に限定されない。例えば、読出しトランジスタM2を、バックゲートを有するOSトランジスタ、またはnチャネル型Siトランジスタとしてもよい。或いは、メモリセル10は3T型ゲインセルでもよい。例えば、図31(B)、図31(C)に3T型ゲインセルの例を示す。図31(B)に示すメモリセル15は、トランジスタM3乃至M5、容量素子C3、ノードSN3を有する。トランジスタM3乃至M5は、書込みトランジスタ、読出しトランジスタ、選択トランジスタである。トランジスタM3はバックゲートを有するOSトランジスタであり、トランジスタM4、M5はpチャネル型Siトランジスタである。トランジスタM4、M5を、nチャネル型Siトランジスタまたはバックゲートを有するOSトランジスタで構成してもよい。図31(C)に示すメモリセル16では、3個のトランジスタはバックゲートを有するOSトランジスタで構成されている。
0292
ノードSN3は保持ノードである。容量素子C3の一方の電極はノードSN3に電気的に接続され、ノードSN3の電圧を保持する機能を有する。容量素子C3の他方の電極は配線CNLに電気的に接続される。容量素子C3を意図的に設けず、トランジスタM4のゲート容量などで保持容量を構成してもよい。配線PDLはソース線SLに代わる配線であり、固定電圧(例えば、電圧VDDD)が入力される。配線CNLにも例えば電圧VDDDが入力される。
0293
制御回路251は、NOSRAM240の動作全般を制御する機能を有する。例えば、制御回路251は、信号CE、WEを論理演算して、外部からのアクセスが書き込みアクセスであるか読み出しアクセスであるかを判断する。
0294
行回路252は、アドレス信号が指定する選択された行の書込みワード線WWL、読出しワード線RWLを選択する機能をもつ。列回路253は、アドレス信号が指定する列の書込みビット線WBLにデータを書き込む機能、および当該列の読出しビット線RBLからデータ(Data)を読み出す機能をもつ。
0295
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
0297
蓄電システムを車両に搭載すると、ハイブリッド車(HEV)、電気自動車(EV)、又はプラグインハイブリッド車(PHEV)等の次世代クリーンエネルギー自動車を実現できる。
0298
図32において、本発明の一態様である蓄電システムを用いた車両を例示する。図32(A)に示す自動車8400は、走行のための動力源として電気モーターを用いる電気自動車である。または、走行のための動力源として電気モーターとエンジンを適宜選択して用いることが可能なハイブリッド自動車である。本発明の一態様を用いることで、航続距離の長い車両を実現することができる。自動車8400は蓄電システムを有する。蓄電システムは電気モーター8406を駆動するだけでなく、ヘッドライト8401やルームライト(図示せず)などの発光装置に電力を供給することができる。
0299
また、蓄電システムは、自動車8400が有するスピードメーター、タコメーターなどの表示装置に電力を供給することができる。また、蓄電システムは、自動車8400が有するナビゲーションシステムなどに電力を供給することができる。また、本発明の一態様である蓄電システムは、人が運転操作する自動車8400、あるいは人が運転操作を行わなくても自動で走行できる自動車8400(所謂、自動運転車または無人運転車ともいう)の双方に適用することができる。
0300
図32(B)に示す自動車8500は、自動車8500が有する蓄電システムにプラグイン方式や非接触給電方式等により外部の充電設備から電力供給を受けて、充電することができる。図32(B)に、地上設置型の充電装置8021から自動車8500に搭載された蓄電システム8024に、ケーブル8022を介して充電を行っている状態を示す。充電に際しては、充電方法やコネクターの規格等はCHAdeMO(登録商標)やコンボ等の所定の方式で適宜行えばよい。充電装置8021は、商用施設に設けられた充電ステーションでもよく、また家庭の電源であってもよい。例えば、プラグイン技術によって、外部からの電力供給により自動車8500に搭載された蓄電システム8024を充電することができる。充電は、ACDCコンバータ等の変換装置を介して、交流電力を直流電力に変換して行うことができる。
0301
また、図示しないが、受電装置を車両に搭載し、地上の送電装置から電力を非接触で供給して充電することもできる。この非接触給電方式の場合には、道路や外壁に送電装置を組み込むことで、停車中に限らず走行中に充電を行うこともできる。また、この非接触給電の方式を利用して、車両どうしで電力の送受信を行ってもよい。さらに、車両の外装部に太陽電池を設け、停車時や走行時に蓄電システムの充電を行ってもよい。このような非接触での電力の供給には、電磁誘導方式や磁界共鳴方式を用いることができる。
0302
また、図32(C)は、本発明の一態様の蓄電システムを用いた二輪車の一例である。図32(C)に示すスクータ8600は、蓄電システム8602、サイドミラー8601、方向指示灯8603を備える。蓄電システム8602は、方向指示灯8603に電気を供給することができる。
0303
また、図32(C)に示すスクータ8600は、座席下収納8604に、蓄電システム8602を収納することができる。蓄電システム8602は、座席下収納8604が小型であっても、座席下収納8604に収納することができる。
0304
また、図33(A)は、本発明の一態様の蓄電システムを用いた電動自転車の一例である。図33(A)に示す電動自転車8700に、本発明の一態様の蓄電システムを適用することができる。本発明の一態様の蓄電システムは例えば、複数の蓄電池と、保護回路と、ニューラルネットワークと、を有する。
0305
電動自転車8700は、蓄電システム8702を備える。蓄電システム8702は、運転者をアシストするモーターに電気を供給することができる。また、蓄電システム8702は、持ち運びができ、図33(B)に自転車から取り外した状態を示している。また、蓄電システム8702は、本発明の一態様の蓄電システムが有する蓄電池8701が複数内蔵されており、そのバッテリー残量などを表示部8703で表示できるようにしている。また蓄電システム8702は、本発明の一態様の制御システム8704を有する。制御システム8704は、蓄電池8701の正極および負極と電気的に接続されている。制御システム8704として、先の実施の形態に示す制御システムを用いることができる。
0306
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
0307
(実施の形態6)
本実施の形態では、先の実施の形態で示した蓄電システムを電子機器に実装する例を説明する。
0308
図34(A)および図34(B)に、2つ折り可能なタブレット型端末の一例を示す。図34(A)および図34(B)に示すタブレット型端末9600は、筐体9630a、筐体9630b、筐体9630aと筐体9630bを接続する可動部9640、表示部9631、表示モード切り替えスイッチ9626、電源スイッチ9627、省電力モード切り替えスイッチ9625、留め具9629、操作スイッチ9628、を有する。表示部9631には、可撓性を有するパネルを用いることで、より広い表示部を有するタブレット端末とすることができる。図34(A)は、タブレット型端末9600を開いた状態を示し、図34(B)は、タブレット型端末9600を閉じた状態を示している。
0309
また、タブレット型端末9600は、筐体9630aおよび筐体9630bの内部に蓄電体9635を有する。蓄電体9635は、可動部9640を通り、筐体9630aと筐体9630bに渡って設けられている。
0310
表示部9631は、一部をタッチパネルの領域とすることができ、表示された操作キーにふれることでデータ入力をすることができる。また、タッチパネルのキーボード表示切り替えボタンが表示されている位置に指やスタイラスなどでふれることで表示部9631にキーボードボタン表示することができる。
0311
また、表示モード切り替えスイッチ9626は、縦表示又は横表示などの表示の向きを切り替え、白黒表示やカラー表示の切り替えなどを選択できる。省電力モード切り替えスイッチ9625は、タブレット型端末9600に内蔵している光センサで検出される使用時の外光の光量に応じて表示の輝度を最適なものとすることができる。タブレット型端末は光センサだけでなく、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサなどの他の検出装置を内蔵させてもよい。
0312
図34(B)は、閉じた状態であり、タブレット型端末9600は、筐体9630、太陽電池9633、および本発明の一態様の蓄電システムを有する。蓄電システムは、制御システム9634と、蓄電体9635と、を有する。制御システム9634は、保護回路9639と、DCDCコンバータ9636を含む充放電制御回路9638と、を有する。制御システム9634については、先の実施の形態に示す制御システムを用いることができる。充放電制御回路9638は例えば、先の実施の形態に示す制御回路134を有する。
0313
なお、タブレット型端末9600は2つ折り可能なため、未使用時に筐体9630aおよび筐体9630bを重ね合せるように折りたたむことができる。折りたたむことにより、表示部9631を保護できるため、タブレット型端末9600の耐久性を高めることができる。
0314
また、この他にも図34(A)および図34(B)に示したタブレット型端末は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作又は編集するタッチ入力機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することができる。
0315
タブレット型端末の表面に装着された太陽電池9633によって、電力をタッチパネル、表示部、又は映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池9633は、筐体9630の片面又は両面に設けることができ、蓄電体9635の充電を効率的に行う構成とすることができる。
0316
また、図34(B)に示す制御システム9634の構成、および動作について図34(C)にブロック図を示し説明する。図34(C)には、太陽電池9633、蓄電体9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3、表示部9631について示しており、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3が、図34(B)に示す充放電制御回路9638に対応し、充放電制御回路9638および保護回路9639が制御システム9634に対応する箇所となる。
0317
まず外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する。太陽電池9633で発電した電力は、蓄電体9635を充電するための電圧となるようDCDCコンバータ9636で昇圧又は降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽電池9633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ9637で表示部9631に必要な電圧に昇圧又は降圧をすることとなる。また、表示部9631での表示を行わない際には、SW1をオフにし、SW2をオンにして蓄電体9635の充電を行う構成とすればよい。
0318
なお太陽電池9633については、発電手段の一例として示したが、特に限定されず、圧電素子(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電手段による蓄電体9635の充電を行う構成であってもよい。例えば、無線(非接触)で電力を送受信して充電する無接点電力伝送モジュールや、また他の充電手段を組み合わせて行う構成としてもよい。
0319
図35に、他の電子機器の例を示す。図35において、表示装置8000は、本発明の一態様の蓄電システムを実装する電子機器の一例である。具体的に、表示装置8000は、TV放送受信用の表示装置に相当し、筐体8001、表示部8002、スピーカ部8003、二次電池8004等を有する。本発明の一態様に係る蓄電システムは、筐体8001の内部に設けられている。表示装置8000は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、二次電池8004に蓄積された電力を用いることもできる。
0320
表示部8002には、液晶表示装置、有機EL素子などの発光素子を各画素に備えた発光装置、電気泳動表示装置、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)などの、半導体表示装置を用いることができる。
0321
また、音声入力デバイス8005も二次電池を用いる。音声入力デバイス8005は、先の実施の形態に示す蓄電システムを有する。音声入力デバイス8005は、無線通信素子の他、マイク、センサ(光学センサ、温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、照度センサ、モーションセンサなど)を複数有し、使用者の命令する言葉によって他のデバイス、例えば表示装置8000の電源操作、照明装置8100の光量調節などを行うことができる。音声入力デバイス8005は音声で周辺機器の操作が行え、手動リモコンの代わりとなる。
0322
また、音声入力デバイス8005は、車輪や機械式移動手段を有しており、使用者の発声が聞こえる方向に移動し、内蔵されているマイクで正確に命令を聞き取るとともに、その内容を表示部8008に表示する、または表示部8008のタッチ入力操作が行える構成としている。
0323
また、音声入力デバイス8005は、スマートフォンなどの携帯情報端末8009の充電ドックとしても機能させることができる。携帯情報端末8009と音声入力デバイス8005は、有線または無線で電力の授受を可能としている。携帯情報端末8009は、室内においては、特に持ち運ぶ必要がなく、必要な容量を確保しつつ、二次電池に負荷がかかり劣化することを回避したいため、音声入力デバイス8005によって二次電池の管理、メンテナンスなどを行えることが望ましい。また、音声入力デバイス8005はスピーカ8007及びマイクを有しているため、携帯情報端末8009が充電中であってもハンズフリーで会話することもできる。また、音声入力デバイス8005の二次電池の容量が低下すれば、矢印の方向に移動し、外部電源と接続された充電モジュール8010から無線充電によって充電を行えばよい。
0324
また、音声入力デバイス8005を台に載せてもよい。また、音声入力デバイス8005を車輪や機械式移動手段を設けて所望の位置に移動させてもよく、或いは台や車輪を設けず、音声入力デバイス8005を所望の位置、例えば床の上などに固定してもよい。
0325
なお、表示装置には、TV放送受信用の他、パーソナルコンピュータ用、広告表示用など、全ての情報表示用表示装置が含まれる。
0326
図35において、据え付け型の照明装置8100は、充電を制御するマイクロプロセッサ(APSを含む)で制御される二次電池8103を用いた電子機器の一例である。具体的に、照明装置8100は、筐体8101、光源8102、二次電池8103等を有する。図35では、二次電池8103が、筐体8101及び光源8102が据え付けられた天井8104の内部に設けられている場合を例示しているが、二次電池8103は、筐体8101の内部に設けられていても良い。照明装置8100は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、二次電池8103に蓄積された電力を用いることもできる。
0327
なお、図35では天井8104に設けられた据え付け型の照明装置8100を例示しているが、二次電池は、天井8104以外、例えば側壁8105、床8106、窓8107等に設けられた据え付け型の照明装置に用いることもできるし、卓上型の照明装置などに用いることもできる。
0328
また、光源8102には、電力を利用して人工的に光を得る人工光源を用いることができる。具体的には、白熱電球、蛍光灯などの放電ランプ、LEDや有機EL素子などの発光素子が、上記人工光源の一例として挙げられる。
0329
図35において、室内機8200及び室外機8204を有するエアコンディショナーは、二次電池8203を用いた電子機器の一例である。具体的に、室内機8200は、筐体8201、送風口8202、二次電池8203等を有する。図35では、二次電池8203が、室内機8200に設けられている場合を例示しているが、二次電池8203は室外機8204に設けられていても良い。或いは、室内機8200と室外機8204の両方に、二次電池8203が設けられていても良い。エアコンディショナーは、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、二次電池8203に蓄積された電力を用いることもできる。
0330
図35において、電気冷凍冷蔵庫8300は、二次電池8304を用いた電子機器の一例である。具体的に、電気冷凍冷蔵庫8300は、筐体8301、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303、二次電池8304等を有する。図35では、二次電池8304が、筐体8301の内部に設けられている。電気冷凍冷蔵庫8300は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、二次電池8304に蓄積された電力を用いることもできる。
0331
また、電子機器が使用されない時間帯、特に、商用電源の供給元が供給可能な総電力量のうち、実際に使用される電力量の割合(電力使用率と呼ぶ)が低い時間帯において、二次電池に電力を蓄えておくことで、上記時間帯以外において電力使用率が高まるのを抑えることができる。例えば、電気冷凍冷蔵庫8300の場合、気温が低く、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303の開閉が行われない夜間において、二次電池8304に電力を蓄える。そして、気温が高くなり、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303の開閉が行われる昼間において、二次電池8304を補助電源として用いることで、昼間の電力使用率を低く抑えることができる。
0332
上述の電子機器の他、二次電池はあらゆる電子機器に搭載することができる。本発明の一態様により、二次電池のサイクル特性が良好となる。そのため本発明の一態様である充電を制御するマイクロプロセッサ(APSを含む)を、本実施の形態で説明した電子機器に搭載することで、より長寿命の電子機器とすることができる。本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
0333
本発明の一態様の蓄電システムを電子機器に実装する例を図36(A)乃至(E)に示す。本発明の一態様の蓄電システムを適用した電子機器として、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
0334
図36(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機7400は、筐体7401に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、スピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機7400は、本発明の一態様の蓄電システムを有する。本発明の一態様の蓄電システムは例えば、蓄電池7407と、先の実施の形態に示す制御システムと、を有し、該制御システムは例えば保護回路、制御回路、ニューラルネットワーク、等を有することが好ましい。
0335
図36(B)は、携帯電話機7400を湾曲させた状態を示している。携帯電話機7400を外部の力により変形させて全体を湾曲させると、その内部に設けられている蓄電池7407も湾曲される場合がある。このような場合には、蓄電池7407として、可撓性を有する蓄電池を用いることが好ましい。可撓性を有する蓄電池7407の曲げられた状態を図36(C)に示す。蓄電池7407には制御システム7408が電気的に接続されている。制御システム7408として、先の実施の形態に示す制御システムを用いることができる。
0337
図36(D)は、バングル型の表示装置の一例を示している。携帯表示装置7100は、筐体7101、表示部7102、操作ボタン7103、及び本発明の一態様の蓄電システムを有する。本発明の一態様の蓄電システムは例えば、蓄電池7104と、先の実施の形態に示す制御システムと、を有し、該制御システムは例えば保護回路、制御回路、ニューラルネットワーク、等を有することが好ましい。
0338
図36(E)は、腕時計型の携帯情報端末の一例を示している。携帯情報端末7200は、筐体7201、表示部7202、バンド7203、バックル7204、操作ボタン7205、入出力端子7206などを備える。
0340
表示部7202はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、表示部7202はタッチセンサを備え、指やスタイラスなどで画面に触れることで操作することができる。例えば、表示部7202に表示されたアイコン7207に触れることで、アプリケーションを起動することができる。
0341
操作ボタン7205は、時刻設定のほか、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オフ動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、様々な機能を持たせることができる。例えば、携帯情報端末7200に組み込まれたオペレーティングシステムにより、操作ボタン7205の機能を自由に設定することもできる。