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技術 ガス検知システム

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 神誠浅野基広
出願日 2018年8月29日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2019-539579
公開日 2020年10月29日 (3ヶ月経過) 公開番号 WO2019-044898
状態 未査定
技術分野 異常警報装置 放射温度計 気密性の調査・試験 閉回路テレビジョンシステム
主要キーワード ガス発生領域 受水器 漏洩源 ガス発生後 冷却センサ 対応時刻 スターリングクーラー 赤外レンズ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題・解決手段

雨やから生じた水蒸気監視対象ガスと区別することができるガス検知システムを提供する。ガス検知システム100は、赤外カメラ21と、赤外カメラ21によって撮影した画像がガスか否かを判断する判断部である演算処理部82と、ガス検知の対象及び周辺における降雨状態を検知する降雨検知部71とを備え、判断部として演算処理部82は、降雨検知部71が降雨状態を検知した場合、赤外カメラ21によって撮影した画像内の少なくとも1以上の部分領域にガス状の被写体が写った場合には、当該ガス状の被写体をガスでないと判断する。

概要

背景

プラント発電所ガス貯蔵精製施設などでは、炭化水素系の物質、例えばメタンエタンプロパンブタンなどを扱っている。これらの物質は常温気体でありかつ引火の危険性があり取り扱いには注意を要するので、安全性を確保するために随時ガス漏れ検査が行われている。ガス自体は目に見えず、広大施設で限られた人員検査を行うため、近年は赤外カメラを使用したガス漏れ検査が採用されつつある。プラントなどの施設には高温配管が随所にあるが、そこに降った雨や水蒸気として蒸発することで赤外カメラの映像ではガスのように見えてしまい、本来検知しようとしているメタンガスなどと区別できないという問題がある。

監視カメラ用の防護筐体として、防護筐体の窓に付着する雨粒を検知すると、風を起こして吹き飛ばすものが公知となっている(特許文献1)。また、赤外カメラで人体判別する生体認識装置として、降雨の場合には人体の温度が周辺温度より低くなることがあり、その場合は輝度反転させて人物検知を行うものが公知となっている(特許文献2)。さらに、セキュリティシステムなどで使用される画像センサーであって、連続フレームの3画像を比較することにより、侵入者と雨とを区別するものが公知となっている(特許文献3)。

特許文献1の装置は、窓に付着する雨粒を除去するものであり、プラントの配管等に降った雨がそこで熱せられて水蒸気となったものを監視対象のガスと区別することはできない。特許文献2の装置は、温度差が少ない条件において人物検知を行うものであり、雨が水蒸気となったものを監視対象のガスと区別することはできない。特許文献3の装置は、画像処理によって侵入者と雨とを区別するものであり、雨が水蒸気となったものを監視対象のガスと区別することはできない。

概要

雨や雪から生じた水蒸気を監視対象のガスと区別することができるガス検知システムを提供する。ガス検知システム100は、赤外カメラ21と、赤外カメラ21によって撮影した画像がガスか否かを判断する判断部である演算処理部82と、ガス検知の対象及び周辺における降雨状態を検知する降雨検知部71とを備え、判断部として演算処理部82は、降雨検知部71が降雨状態を検知した場合、赤外カメラ21によって撮影した画像内の少なくとも1以上の部分領域にガス状の被写体が写った場合には、当該ガス状の被写体をガスでないと判断する。

目的

本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、雨や雪から生じた水蒸気を監視対象のガスと区別することができるガス検知システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

赤外カメラと、前記赤外カメラによって撮影した画像がガスか否かを判断する判断部と、ガス検知の対象及び周辺における降雨状態を検知する降雨検知部と、を備え前記判断部は、前記降雨検知部が降雨状態を検知した場合、前記赤外カメラによって撮影した画像内の少なくとも1以上の部分領域にガス状の被写体が写った場合には、当該ガス状の被写体をガスでないと判断するガス検知システム

請求項2

前記部分領域内高温の被写体が写っている場合に、前記判断部は、当該高温の被写体をガスでないと判断する、請求項1に記載のガス検知システム。

請求項3

前記高温の被写体であるか否かは、前記赤外カメラによって撮影した画像から変換された温度データに基づいて判断される、請求項1及び2のいずれか一項に記載のガス検知システム

請求項4

前記部分領域の位置と範囲とをユーザーが設定することを許容する領域設定部をさらに備えた、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガス検知システム。

請求項5

前記赤外カメラによる撮影領域のうち高温となる除外領域を予め記憶しておく記憶部をさらに備え、前記判断部は、前記赤外カメラによって撮影した画像のうち前記除外領域にガス状の被写体が写った場合には、ガスでないと判断する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス検知システム。

請求項6

前記記憶部に記憶された前記除外領域に対応する設備温度変化に関する情報を当該設備側から取得する温度情報通知部をさらに備える、請求項5に記載のガス検知システム。

請求項7

前記降雨検知部は、前記赤外カメラによって撮影している場所若しくは当該場所の近傍、又は、赤外カメラの位置若しくは当該位置の近傍に配置されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のガス検知システム。

請求項8

前記赤外カメラは、冷却された状態で使用される撮像素子を含む冷却センサーを有し、3〜5μm帯の波長を撮影する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のガス検知システム。

技術分野

0001

本発明は、プラント発電所ガス貯蔵精製施設その他のガスを扱う施設でのガス漏れを検知するガス検知システムに関するものである。

背景技術

0002

プラント、発電所、ガス貯蔵・精製施設などでは、炭化水素系の物質、例えばメタンエタンプロパンブタンなどを扱っている。これらの物質は常温気体でありかつ引火の危険性があり取り扱いには注意を要するので、安全性を確保するために随時ガス漏れ検査が行われている。ガス自体は目に見えず、広大な施設で限られた人員検査を行うため、近年は赤外カメラを使用したガス漏れ検査が採用されつつある。プラントなどの施設には高温配管が随所にあるが、そこに降った雨や水蒸気として蒸発することで赤外カメラの映像ではガスのように見えてしまい、本来検知しようとしているメタンガスなどと区別できないという問題がある。

0003

監視カメラ用の防護筐体として、防護筐体の窓に付着する雨粒を検知すると、風を起こして吹き飛ばすものが公知となっている(特許文献1)。また、赤外カメラで人体判別する生体認識装置として、降雨の場合には人体の温度が周辺温度より低くなることがあり、その場合は輝度反転させて人物検知を行うものが公知となっている(特許文献2)。さらに、セキュリティシステムなどで使用される画像センサーであって、連続フレームの3画像を比較することにより、侵入者と雨とを区別するものが公知となっている(特許文献3)。

0004

特許文献1の装置は、窓に付着する雨粒を除去するものであり、プラントの配管等に降った雨がそこで熱せられて水蒸気となったものを監視対象のガスと区別することはできない。特許文献2の装置は、温度差が少ない条件において人物検知を行うものであり、雨が水蒸気となったものを監視対象のガスと区別することはできない。特許文献3の装置は、画像処理によって侵入者と雨とを区別するものであり、雨が水蒸気となったものを監視対象のガスと区別することはできない。

先行技術

0005

特開2000−1718789号公報
国際公開第2013/047088号
特開2007−226604号公報

0006

本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、雨や雪から生じた水蒸気を監視対象のガスと区別することができるガス検知システムを提供することを目的とする。

0007

上述した目的のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映したガス検知システムは、赤外カメラと、赤外カメラによって撮影した画像がガスか否かを判断する判断部と、ガス検知の対象及び周辺における降雨状態を検知する降雨検知部と、を備え、判断部は、降雨検知部が降雨状態を検知した場合、赤外カメラによって撮影した画像内の少なくとも1以上の部分領域にガス状の被写体が写った場合には、当該ガス状の被写体をガスでないと判断する。

図面の簡単な説明

0008

ガス検知システムの一実施形態の構造を説明する概念的な断面図である。
図2Aは、図1に示すシステム回路構造を説明するブロック図であり、図2Bは、ユーザー端末を説明するブロック図である。
ガス検知システムによる撮影範囲を説明する図である。
赤外カメラによる撮影領域と所定領域の設定とを説明する図である。
図1に示すシステムの動作を説明するフローチャートである。
ガス領域抽出のためのアルゴリズムを説明する図である。
図7Aは、元データと低周波平均値との差分の波形データを例示し、図7Bは、元データと高周波平均値との差分の波形データを例示する。
図8Aは、図7A及び7Bの2種類の波形に対して所定の時間幅標準偏差を算出したものであり、図8Bは、図8Aに示す2つの標準偏差の差分である。
図9Aは、ガス領域抽出処理によって得たガス発生前の状態を示す画像であり、図9Bは、同様の処理によって得たガス発生後の状態を示す画像である。
ガス状態判定のためのアルゴリズムを説明する図である。
図11Aは、ガス候補の累積出領域画像の作成を例示し、図11Bは、ガス候補の矩形領域の算出を例示する。
図1に示すガス検知システムの変形例を説明する図である。
図1に示すガス検知システムの別の変形例を説明する図である。

実施例

0009

以下、図面を参照しつつ、本発明に係るガス検知システムの一実施形態について説明する。

0010

図1に示すように、ガス検知システム100は、赤外カメラ21と、駆動回路部26と、筐体27と、架台部28と、降雨検知部71と、ユーザー端末72とを備える。ガス検知システム100のうちユーザー端末72を除いた本体100aは、例えば屋外に設置され風雨にさらされた状態で使用される。

0011

赤外カメラ21は、赤外線用結像系である赤外レンズ21aと、赤外レンズ21aによる赤外像を検出する赤外センサーユニット21bと、赤外センサーユニット21bを冷却する冷却装置21cと、赤外レンズ21a及び赤外センサーユニット21bを収納する遮蔽容器21dとを備える。

0012

赤外カメラ21において、赤外レンズ21aは、対象とする波長域において赤外カメラ21の前方にある対象の赤外像を赤外センサーユニット21bの検出面上に投影する。赤外センサーユニット21bは、例えばアンチモン化インジウム(InSb)などの受光素子21fからなり、赤外レンズ21aによって形成された赤外像を検出する。受光素子21fは、遮熱容器21i内に収納されている。冷却装置21cは、例えばスターリングクーラーであり、受光素子21f等を例えば−200℃程度に冷却する。遮蔽容器21dは、赤外センサーユニット21b内の温度が外部から流入する熱によって大きく変動することや、非正規光が赤外レンズ21a等に入射することを防止する。

0013

受光素子21fは、上記のように冷却されて冷却センサーとして使用されている。つまり、赤外カメラ21は、冷却された状態で使用される撮像素子を含む冷却センサーを有し、3〜5μm帯の波長を撮影する。3〜5μm帯(中赤外)中にはメタン等さまざまな炭化水素系の物質の吸収波長帯があり、監視対象のガスを検知するのに望ましい波長である。メタン、エタン、プロパン、ブタンなどの炭化水素系物質特有の吸収波長帯は、中赤外線域又はその近傍である3〜5μm帯のあたりに集まっており、ガス検知に適していることはよく知られている。しかし3〜5μm帯は、太陽からの放射される光が可視光より大幅に少なく、又、地面など周辺環境より放射される8〜14μm帯のいわゆる遠赤外線より大幅に少ない。冷却センサーを用いることで炭化水素系物質のわずかな光の吸収を検知することができ、炭化水素系物質の吸収が少量であっても感度良く検出することができる。また、冷却センサーを使用することで、非冷却なセンサーと比較してより高感度にガスをとらえることができる。なお、3.2〜3.4μmの波長を使用することが、S/N比が向上する観点でより望ましい。

0014

ヒーター23は、筐体27の内側に固定され、赤外カメラ21の冷却に伴って駆動回路部26等が過度に冷却されることを防止するとともに、赤外レンズ21aやレンズ枠その他のメカ部品が温度で変動しピントなどがずれることを防止する。

0015

駆動回路部26は、遮蔽容器21d外であって筐体27内に収納される電気回路ユニットであり、赤外センサーユニット21b内の受光素子21fに画像検出動作を行わせるとともに、冷却装置21cを動作させて受光素子21fを所期の温度まで冷却する。また、駆動回路部26は、ヒーター23を適宜動作させることで、遮蔽容器21d内又は筐体27内の温度を所期の範囲に保持する。

0016

筐体27は、赤外カメラ21と、ヒーター23と、駆動回路部26とを収納する容器であり、外光L0である赤外の測定光を取り込むための透過窓27aを有する。透過窓27aは、筐体27内部にほこり水滴侵入することを防ぐ。透過窓27aは、検出対象である有機ガスといったガスの種類に応じた透過特性を有し、所望の波長域に亘る赤外の外光又は測定光L0を筐体27内に取り込む。

0017

架台部28は、筐体27を支持して筐体27の姿勢を調節可能にする。架台部28は、パンチルト機構を有し、筐体27の姿勢を変化させることによって、ガス検知システム100による観察対象つまりガス検知の対象を変化させることができる。架台部28は、例えば駆動回路部26の制御下で動作し、画面内における観察対象の位置又は観察ポイントを変化させることができる。

0018

図2Aに示すように、駆動回路部26は、ガス検知システム100の動作を統括的に制御する制御部80と、赤外カメラ21に撮影動作を行わせるとともに得られた画像データに対して画像処理を行う撮像回路21sとを含む。制御部80は、オペレーターとのインターフェースである入出力部81と、プログラムに基づいてデータ等に対する演算処理、外部装置の制御等を行う演算処理部82と、外部からのデータ、演算処理結果等を保管する記憶部83と、外部機器との通信を可能にする通信部85とを備える。

0019

入出力部81は、オペレーターがガス検知システム100の動作状態を設定又は調整するための部分であり、ガス検知システム100の動作状態をオペレーターに対して視覚的に報知する。

0020

演算処理部82は、CPU(Central Processing Unit)等の演算部、インターフェース回路等の付属回路を有しており、赤外像の撮像プログラムを実行する。この際、演算処理部82は、冷却装置21cやヒーター23の動作状態を監視する。また、演算処理部82は、判断部として、受光素子21fから撮像回路21sを介して取り込んだ赤外の画像データに基づいて、赤外カメラ21によって撮影した画像内にガス状の被写体が写っているか否かを判断するとともに、ガス状の被写体の状態、降雨情報などに基づいてガス状の被写体がガスであるか否かを判断する。この際、受光素子21fによって検出した画像データを変換して温度データを得ることができ、このような温度データを利用することで、ガス状の被写体が高温の蒸気であるか否かの判定が容易になる。つまり、高温の被写体であるか否かを、赤外カメラ21によって撮影した画像から変換された温度データに基づいて判断することで、高温部から蒸発した水蒸気だけをノイズとして除外することが容易になる。赤外カメラ21はその原理上、可視光のカメラとは異なり被写体の温度変化そのものを捉えるものであるので容易に温度に変換することができる。また、演算処理部82は、領域設定部として、ユーザーが入出力部81を介してガス判定用の所定領域を撮像領域内に設定することを許容する。これにより、雨によって水蒸気が発生する可能性のある高温部や排出される水蒸気を避けるように所定領域を設定することができ、ガス検知システム100を設置する対象施設の配管等の設備の変更や稼働状況などの状況に柔軟に対応することが可能になり、ガス検知の信頼性を高めることができる。また、演算処理部82は、温度情報通知部として、記憶部83に記憶された除外領域に対応する設備の温度変化に関する情報を施設側管理装置200から受け取る。これにより、ガス検知システム100を設置する対象施設から高温となる除外領域での温度変化に関連する情報を事前に又は随時取得することで、水蒸気の発生を容易に判別することができる。ここで、除外領域は、雨によって水蒸気が発生しやすい場所に対応する。

0021

記憶部83は、制御部80延いてはガス検知システム100に所期の動作を行わせるためのプログラムやデータを保持しており、例えばガス状の被写体の検出を行うためのデータを保持している。記憶部83は、赤外カメラ21による撮影領域のうち高温となる除外領域を予め記憶しておく役割を有する。

0022

図3は、ガス検知システム100による撮影範囲又は観察範囲を説明する概念図である。ガス検知システム100の赤外カメラ21は、画角α内を撮影範囲としており、画角α内にある被写体2として、施設の建造物2a、付帯設備2b等の赤外像又は高温の被写体像を撮影している。付帯設備2bには、配管等が含まれる。撮影範囲内の被写体2は、ガスを漏洩させる可能性のあるガス源を含み、ある程度以上のガスの漏洩があった場合、赤外カメラ21によって撮影した画像には、ガス状の被写体2dが写り込むことになる。ただし、ガス状の被写体2dの全てが監視対象のガスであるとは限らない。例えば付帯設備2bが高温の蒸気や液体を流す配管のような高温部である場合、この高温部に降った雨、雪などが水蒸気となってガス状の被写体2dと判断される可能性がある。

0023

図4は、赤外カメラ21による撮影領域と所定領域の設定とを説明する。赤外カメラ21は、ガス検知の対象を含むように撮影領域IAが設定されている。赤外カメラ21による撮影領域IAのうち、中央下にある矩形の除外領域A1と、右下にある矩形の除外領域A2とを除いた部分領域(つまり所定領域A0)において、ガス状の被写体2d(図3参照)の有無が判断される。所定領域A0は、ガスを監視する領域であり、赤外カメラ21によって建造物2a、付帯設備2b等の赤外像が撮影される。除外領域A1,A2は、被写体2のうち高温となる箇所である高温部3の画像4を含んでおり、除外領域A1において、例えば配管3aの画像4aが写っており、除外領域A1において、例えば隣接設備や日光で加熱されやすい物体3bの画像4bが写っている。このような高温部3に雨、雪などが降ると、雨や雪が水蒸気5dとなって監視対象のガスのように写り込む。このような水蒸気5dが検出画像4dとして取り込まれ監視対象のガスとして誤検知されることを防止するため、除外領域A1,A2を除いた所定領域A0、つまり撮影領域IAの部分領域において、ガス状の被写体2d(図3参照)の有無が判断される。除外領域A1は、オペレーターが入出力部81を利用して予め設定することができ、或は施設側管理装置200から受け取った配管などの情報から設定することができる除外領域A1aと、施設側管理装置200から設備の温度変化に関する設備情報を事前に又は随時取得することによって設定される除外領域A1bとを含む。除外領域A1又は除外領域A1a,A1bに関する情報は、演算処理部82の管理下で動作する記憶部83に保管される。除外領域A2は、赤外カメラ21による撮影画像(つまり高温の被写体)から直接判断することができる。高温部3は、固体であり、高温部3の画像4は、ガスと異なり輪郭がはっきりし、高速で揺らぐものでもないので、ガス状の被写体2dとは異なるものとして比較的容易に判別することができる。

0024

図1に戻って、降雨検知部71は、赤外カメラ21を収納した筐体27の上面に固定されている。降雨検知部71は、雨検知器雨量計などの降雨を検知できる装置である。降雨検知部71を赤外カメラ21の近傍に配置することで、撮影対象の撮影時における天候を確実に把握することができ、撮影領域内高熱部から水蒸気が発生する可能性を比較的正確に判断することができる。なお、雨検知器は、例えばくし状電極板雨滴雪片等の降水滴下し付着して電極短絡することを電気的に検知するものである。雨量計は、受水器を用いて降水を機器内に導き、その量を測ることで降水量を求めるものである。受水器にヒーターを設けることで雪による降水も測ることができる。降雨検知部71は、雨検知器、及び雨量計に限らず、同様な機能を持った計測器やカメラによって対象画像を取り込んで雨を抽出する画像処理を行うものであってもよい。

0025

図2Bに示すように、ユーザー端末72は、オペレーターとのインターフェースである入出力部91と、プログラムに基づいてデータ等に対する演算処理等を行う演算処理部92と、外部からのデータ、演算処理結果等を保管する記憶部93と、外部機器との通信を可能にする通信部95とを備える。演算処理部92は、本体100aの制御部80に設けた演算処理部82に代わってガス検知に関連する同様の処理を行うことができる。記憶部93は、ユーザー端末72に所期の動作を行わせるためのプログラムやデータを保持している。オペレーターは、ガス検知システム100の本体100aを遠隔的に操作し、その動作状態を監視し、又は撮影した画像をチェックすることができる。

0026

以下、図5を参照して、図1に示すガス検知システム100の動作について説明する。まず、制御部80の演算処理部82は、赤外カメラ21による撮影画像からガス領域を抽出する(ステップS11)。ガス領域が抽出された場合(ステップS12でY)、演算処理部82は、ガス領域についてガス状態を判定する(ステップS13)。ガス状態とは、ガス領域が漏洩源から定常的に出ているガスを示すか、流されてきた蒸気等のガス状のものを示すかといった情報である。その後、演算処理部82は、降雨検知部71の出力に基づいて降雨の有無を確認する(ステップS14)。降雨検知部71が降雨を検知している場合、演算処理部82は、ガス状の被写体が撮影画像内高温物体に対応する除外領域A2に写っていたときは、このガス状の被写体をガスと判断しない(ステップS15でY)。これにより、高温部で蒸発した水蒸気をノイズとして除去することができる。除外領域A2にガス状の被写体が写っていなかった場合(ステップS15でN)、演算処理部82は、ガス状の被写体が撮影画像内の事前記憶された除外領域A1aに写っていたときは、このガス状の被写体をガスと判断しない(ステップS16でY)。これにより、恒常的な高温部に相当する除外領域A1aを事前に把握し、除外領域A1aを除いた領域で監視対象のガスを検知でき、監視対象のガスと水蒸気との区別が確実となる。除外領域A1aにガス状の被写体が写っていなかった場合(ステップS16でN)、演算処理部82は、ガス状の被写体が撮影画像内の事前記憶された除外領域A1bに写っていたときは、ガス状の被写体の検出場所及び検出タイミングが施設側管理装置200から通知された場所及びタイミングと一致するか否かを判定する(ステップS17)。場所及びタイミングが一致する場合、このガス状の被写体をガスと判断しない(ステップS17でY)。場所及びタイミングが一致せずガス状の被写体をガスと判断した場合(ステップS17でN)、ガス検出を報知する(ステップS21)。ガス検出の報知は、制御部80の入出力部81やユーザー端末72のディスプレイスピーカーを介して警報を発生するものとできる。また、ガス検出の報知は、ディスプレイにガス発生領域着色表示することもできる。さらに、ガス検出の報知は、ガス検知システム100から施設側管理装置200に対しても行うことができる。なお、ガス状の被写体が除外領域A2に写っていたときなど、ガス状の被写体をガスと判断しなかった場合(例えばステップS15でY)は、ガス非検出処理を行う(ステップS22)。ガス非検出処理では、制御部80の入出力部81やユーザー端末72のディスプレイにガスを検知していない状態であるガス非検出状態を表示する。ガス非検出状態の表示は、必須のものではない。

0027

図6は、図5に示すステップS11でのガス領域抽出のためのアルゴリズムを説明する図である。ガス領域の抽出は、ガスの出現に伴う温度変化が0.5℃に満たない程度にわずかであるため、単に温度を比較するのみでは困難であり、以下に説明する特殊な処理が必要となる。

0028

演算処理部82は、最初に低周波抽出用時間平均化(ステップS41)と高周波抽出用時間平均化(ステップS51)とを行う。低周波抽出用時間平均化は、背景温度変化に相当するデータを作成するためのものであり、撮影された赤外のビデオ画像において特定時刻の前後21フレームで平均化を行う。高周波抽出用時間平均化は、信号成分を得るためのものであり、赤外のビデオ画像において特定時刻の前後3フレームで平均化する。その後、演算処理部82は、平均化を行っていない元データと低周波平均値との差分を取るとともに(ステップS42)、平均化を行っていない元データと高周波平均値との差分を取る(ステップS52)。次に、演算処理部82は、ステップS42で得た差分に対して対応時刻の前後21フレームで低周波側の標準偏差を算出するとともに(ステップS43)、ステップS52で得た差分に対して対応時刻の前後21フレームで高周波側の標準偏差を算出する(ステップS53)。最後に、ステップS43で得た低周波側の標準偏差と、ステップS53で得た高周波側の標準偏差との差分を取る(ステップS61)。これにより、高周波ノイズ成分を除去しつつガス状の被写体を検出することができる。

0029

図7Aは、ステップS42で得た元データと低周波平均値との差分の波形データを例示し、図7Bは、ステップS52で得た元データと高周波平均値との差分の波形データを例示している。両グラフにおいて横軸は、時間を意味し、具体的には30fpsで撮影したフレーム数を示す。図7Aでは、第90フレームを超えたあたりからガスに対応するピークが発生している。しかし、図7Bでは、非常に高周波の成分のみを取り出されている結果、ガスのゆらゆらする揺らぎ成分に相当する周波数の情報が含まれておらず、ガス噴出前後であまり変化が生じていないように見えることが分かる。すなわち、図7Bに示すような高周波抽出用時間平均化による処理データと元データとの差分では、センサーノイズなどの高周波だけが抽出され、ガスの抽出は困難である。言い換えると、図7Aは、ガスとセンサーノイズなどの高周波ノイズ成分とが加算された波形を示し、図7Bは、センサーノイズなどの高周波ノイズのみの波形を示している。しかし、両波形のノイズ成分どうしは完全な相関があるわけではないので、図7A及び7Bの波形のまま差分を取っても、ノイズ成分を除去することはできない。

0030

そこで、図8Aに示すように、図7A及び7Bの2種類の波形に対して、前後21フレームで標準偏差を算出する。さらに、図8Bに示すように、図8Aに示す標準偏差の差分をとることで、高周波ノイズ成分を除去することができる。すなわち、ガスの出ていない第90フレームまでは、ほぼ0に近い値に補正でき、第90フレームより後でガスの揺らぎに対応するピークが現れている。つまり、標準偏差を取ることにより途中で絶対値を取るような効果をもつ処理を挟むことになり、実際にノイズ成分を減算できる。以上の処理は、撮影画像の各画素について行われる。

0031

図9Aは、上記のような処理によって得た画像であり、ガスが発生する前の状態を示している。また、図9Bは、同様の処理によって得た画像であり、ガスの発生後の状態を示している。画面中央にガスの像がクッキリ現れていることが分かる。

0032

図10は、図5に示すステップS13でのガス状態判定のためのアルゴリズムを説明する図である。ガス状態の判定では、略同じ位置から定常的に出続けているガスを蒸気のような流れるガス状のものと区別する。このため、図8Bに示すような標準偏差の差分値を決まった期間(この例では5秒間、150フレーム相当)保持し、各画素の最大値を取り(ステップS71)、図11Aに例示するようなガス候補の累積出現領域画像を作成する(ステップS72)。この際、この累積出現領域画像を図11Bに例示するように2値化し、ガス候補の矩形領域(白の実線)を算出する。以上により、画像のどの領域にガス候補のデータが出現していたかを残すことができる。次に、この5秒間のデータが、漏洩源から定常的に出ていたものかそうでないのか判定するために、対象期間の5秒及びその前後の5秒の累積出現領域画像について、画素ごとに計3枚の画像の最小値を取ることで、共通領域を算出する(ステップS73)。この処理により、5秒ごとの変化が大きければ共通領域が少なく、定常的に同じ所に出続けていれば、共通領域が大きく算出される。次に、ステップS72で得た5秒の累積出現領域画像と、ステップS73で得た共通領域画像とに対してそれぞれ2値化その他の処理を行い、ガス候補の矩形領域(実線)内の画素数の割合が閾値(例えば30%)以上ならガスは変化が大きくなく、漏洩源から定常的に出続けていると判定する(ステップS74)。なお、この判定はステップS73で得た共通領域画像の画素数が一定以上かどうかだけで判定してもよい。

0033

なお、ステップS71のように一定期間の最大値を取るステップを持つことで、細かなガスの変化は捉えず、大きな流れを判定できる。つまり、30fpsの画像に、いきなりステップS73の共通領域算出の処理をしてしまうと、非常に短期間の細かなガスの変化の影響で、略同じ位置から定常的に出ているガスの場合であっても、共通領域が殆ど抽出されなくなる。以上では、累積出現領域を5秒の単位で処理する例を記載したが、このような時間単位は、ガスの瞬間(フレーム)ごとの変化の影響をなくせる時間であればよく、10秒や3秒などもっと長くても短くても構わない。また、図10の処理では2値化は必須ではなく、輝度値を加算し、加算された輝度値同士を比較して判定しても構わない。さらに、ガス候補の矩形領域の特定も必ずしも2値化ではなく、モルフォロジー等の他の処理であっても構わない。

0034

以上で説明したガス領域の抽出方法やガス状態の判定方法は、単なる例示であり、例えば特開2012−58093号公報に記載のような手法を用いることもできる。

0035

上記実施形態のガス検知システム100によれば、降雨検知部71が降雨状態を検知した場合、赤外カメラ21によって撮影した画像内又は撮影領域IA内の少なくとも1以上の部分領域である所定領域A0にガス状の被写体が写っていても、ガスでないと判断するので、例えば高温の蒸気や液体を流す配管のような高温部3に降った雨、雪などが水蒸気となったものが監視対象のガスとして誤検知されることを防止できる。

0036

本発明は、上記実施形態や実施例に限定されるものではない。例えば、図12に示すように、ガス検知システム100の降雨検知部71は、赤外カメラ21を収納した筐体27側でなく、被写体2側又は建造物2a側に設置することができる。この場合、降雨検知部71は、無線又は有線で制御部80に対して電気的に接続されている。また、図13に示すように、被写体2側又は建造物2a側に温度計74を設置することができる。温度計74は、施設側管理装置200から設備の温度変化に関する設備情報を取得することに代えて用いることができる。

0037

図5のステップS15の処理で、高温の被写体と同じ領域かどうかの判断を行っているが、これを省略することもできる。なお、高温の被写体がカメラの画像上で奥行き方向に隠れて撮像されるケースもあるため、高温の被写体が検出されなくても水蒸気が発生する可能性がある。

0038

以上では、降雨検知部71により降雨を検出したタイミング又は期間中でなければ、水蒸気の可能性がないとして処理しているが、降雨の影響が残存することを考慮した処理も可能である。つまり、雨が検知された後の数時間を降雨の状態を見なし、ガスの誤検知を防止してもよい。これは、雨がやんだ後も高温部に付着した雨が蒸発しきるまでは、水蒸気が出続けるためである。

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