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技術 樹脂組成物および成形品

出願人 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社
発明者 柳沢賢一
出願日 2018年7月24日 (1年2ヶ月経過) 出願番号 2018-555992
公開日 2019年8月8日 (2ヶ月経過) 公開番号 WO2019-026688
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物
主要キーワード コネクターカバー 長時間用 ホイルカバー 二次電池電槽 水冷用 銅含有率 銅含有化合物 シャルピー衝撃試験機
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年8月8日)のものです。
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図面 (1)

課題・解決手段

長時間に渡る耐熱性、特に、衝撃強度保持率や引張呼びひずみの保持率に優れた樹脂組成物、および成形品の提供。さらには、これらの保持率を満たしつつ、長時間高温下に置かれても色調が変化しにくい樹脂組成物の提供。ポリフェニレンエーテル樹脂10〜60質量部とポリアミド樹脂90〜40質量部とからなる樹脂成分100質量部に対し、相溶化剤0.01〜1.0質量部と、式(1)で表されるフェノール系酸化防止剤0.01〜1.0質量部と、リン系酸化防止剤0.01〜1.0質量部と、アミン系酸化防止剤0.01〜1.0質量部とを含み、かつ式(1)で表されるフェノール系酸化防止剤/リン系酸化防止剤/アミン系酸化防止剤の質量比率が1/0.1〜2.0/0.1〜2.0である、樹脂組成物。

概要

背景

ポリフェニレンエーテル樹脂は、透過性機械的特性耐熱性、寸法安定性非吸水性および電気特性に優れたエンジニアリングプラスチックとして知られているが、耐衝撃性に劣る。このため、ポリフェニレンエーテルは、その長所を生かし、かつ欠点を補う目的で他のポリマーと混合して用いられることが多い。他のポリマーとしては、例えば、スチレン系樹脂が挙げられる。
しかしながら、ポリフェニレンエーテル樹脂とスチレン系樹脂からなる組成物は、高温雰囲気下で使用する場合の耐熱性が不十分なため、改良が強く望まれていた。

かかる状況のもと、特許文献1には、(A)ポリフェニレンエーテル樹脂20〜80質量部、(B)ポリアミド80〜20質量部、(C)相溶化剤0.1〜10質量部、(D)N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマイド)0.05〜3質量部および(E)テトラキス(2,4−ジターシャリブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト0.05〜3質量部からなる樹脂組成物が開示されている。

概要

長時間に渡る耐熱性、特に、衝撃強度保持率や引張呼びひずみの保持率に優れた樹脂組成物、および成形品の提供。さらには、これらの保持率を満たしつつ、長時間高温下に置かれても色調が変化しにくい樹脂組成物の提供。ポリフェニレンエーテル樹脂10〜60質量部とポリアミド樹脂90〜40質量部とからなる樹脂成分100質量部に対し、相溶化剤0.01〜1.0質量部と、式(1)で表されるフェノール系酸化防止剤0.01〜1.0質量部と、リン系酸化防止剤0.01〜1.0質量部と、アミン系酸化防止剤0.01〜1.0質量部とを含み、かつ式(1)で表されるフェノール系酸化防止剤/リン系酸化防止剤/アミン系酸化防止剤の質量比率が1/0.1〜2.0/0.1〜2.0である、樹脂組成物。

目的

本発明は、上記課題を解決することを目的とするものであって、長時間に渡る耐熱性、特に、衝撃強度の保持率や引張呼びひずみの保持率に優れた成形品を提供可能な樹脂組成物、および成形品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ポリフェニレンエーテル樹脂10〜60質量部とポリアミド樹脂90〜40質量部とからなる樹脂成分100質量部に対し、相溶化剤0.01〜1.0質量部と、式(1)で表されるフェノール系酸化防止剤0.01〜1.0質量部と、リン系酸化防止剤0.01〜1.0質量部と、アミン系酸化防止剤0.01〜1.0質量部とを含み、かつ式(1)で表されるフェノール系酸化防止剤/リン系酸化防止剤/アミン系酸化防止剤の質量比率が1/0.1〜2.0/0.1〜2.0である、樹脂組成物;式(1)式(1)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、2価の連結基である。

請求項2

さらに、ハイドロタルサイトを樹脂成分100質量部に対し、0.001〜0.5質量部の割合で含む、請求項1に記載の樹脂組成物。

請求項3

前記アミン系酸化防止剤が式(2)で表される、請求項1または2に記載の樹脂組成物;式(2)式(2)中、R4およびR5は、それぞれ独立に、炭化水素基である。

請求項4

前記樹脂組成物が、銅含有化合物を含まないか、組成物の0.0001質量%未満の割合で含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。

請求項5

ISO3167:93に規定のダンベル型多目的試験片タイプAに成形し、120℃で3000時間処理したときの引張呼びひずみ保持率が30%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。

請求項6

ISO3167:93に規定のダンベル型多目的試験片タイプAに成形し、120℃で3000時間処理したときのISO179に従ったシャルピー衝撃強さの保持率が50%以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。

請求項7

ISO3167:93に規定のダンベル型多目的試験片タイプAに成形し、120℃で3000時間処理したときの色調変化(ΔE)が10以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物から成形される成形品

請求項9

コネクターカバーである、請求項8に記載の成形品。

技術分野

0001

本発明は、樹脂組成物および成形品に関する。

背景技術

0002

ポリフェニレンエーテル樹脂は、透過性機械的特性耐熱性、寸法安定性非吸水性および電気特性に優れたエンジニアリングプラスチックとして知られているが、耐衝撃性に劣る。このため、ポリフェニレンエーテルは、その長所を生かし、かつ欠点を補う目的で他のポリマーと混合して用いられることが多い。他のポリマーとしては、例えば、スチレン系樹脂が挙げられる。
しかしながら、ポリフェニレンエーテル樹脂とスチレン系樹脂からなる組成物は、高温雰囲気下で使用する場合の耐熱性が不十分なため、改良が強く望まれていた。

0003

かかる状況のもと、特許文献1には、(A)ポリフェニレンエーテル樹脂20〜80質量部、(B)ポリアミド80〜20質量部、(C)相溶化剤0.1〜10質量部、(D)N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマイド)0.05〜3質量部および(E)テトラキス(2,4−ジターシャリブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト0.05〜3質量部からなる樹脂組成物が開示されている。

先行技術

0004

特開平07−026136号公報

発明が解決しようとする課題

0005

そして、近年、ポリフェニレンエーテル樹脂およびポリアミド樹脂を含む樹脂組成物について、長時間に渡って高温雰囲気下で使用する場合の耐熱性、特に、衝撃強度や引張呼びひずみなどの性能の維持がさらに求められる傾向にある。加えて、このように過酷な条件下で用いられ、かつ、色調が変化しにくい樹脂組成物が求められる場合もある。
本発明は、上記課題を解決することを目的とするものであって、長時間に渡る耐熱性、特に、衝撃強度の保持率や引張呼びひずみの保持率に優れた成形品を提供可能な樹脂組成物、および成形品を提供することを目的とする。さらには、前記性能を満たしつつ、長時間に渡って高温下に置かれても色調が変化しにくい樹脂組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミド樹脂とからなる樹脂成分に、特定の構造を有するフェノール系酸化防止剤と、リン系酸化防止剤と、アミン系酸化防止剤を所定の比率ブレンドすることにより、上記課題を解決しうることを見出した。具体的には、下記手段<1>により、好ましくは<2>〜<9>により、上記課題は解決された。
<1>ポリフェニレンエーテル樹脂10〜60質量部とポリアミド樹脂90〜40質量部とからなる樹脂成分100質量部に対し、相溶化剤0.01〜1.0質量部と、式(1)で表されるフェノール系酸化防止剤0.01〜1.0質量部と、リン系酸化防止剤0.01〜1.0質量部と、
アミン系酸化防止剤0.01〜1.0質量部とを含み、かつ式(1)で表されるフェノール系酸化防止剤/リン系酸化防止剤/アミン系酸化防止剤の質量比率が1/0.1〜2.0/0.1〜2.0である、樹脂組成物;
式(1)



式(1)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、2価の連結基である。
<2>さらに、ハイドロタルサイトを樹脂成分100質量部に対し、0.001〜0.5質量部の割合で含む、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>前記アミン系酸化防止剤が式(2)で表される、<1>または<2>に記載の樹脂組成物;
式(2)



式(2)中、R4およびR5は、それぞれ独立に、炭化水素基である。
<4>前記樹脂組成物が、銅含有化合物を含まないか、組成物の0.0001質量%未満の割合で含む、<1>〜<3>のいずれかに記載の樹脂組成物。
<5>ISO3167:93に規定のダンベル型多目的試験片タイプAに成形し、120℃で3000時間処理したときの引張呼びひずみ保持率が30%以上である、<1>〜<4>のいずれかに記載の樹脂組成物。
<6>ISO3167:93に規定のダンベル型多目的試験片タイプAに成形し、120℃で3000時間処理したときのISO179に従ったシャルピー衝撃強さの保持率が50%以上である、<1>〜<5>のいずれかに記載の樹脂組成物。
<7>ISO3167:93に規定のダンベル型多目的試験片タイプAに成形し、120℃で3000時間処理したときの色調変化(ΔE)が10以下である、<1>〜<6>のいずれかに記載の樹脂組成物。
<8><1>〜<7>のいずれかに記載の樹脂組成物から成形される成形品。
<9>コネクターカバーである、<8>に記載の成形品。

発明の効果

0007

本発明により、長時間に渡る耐熱性、特に、衝撃強度の保持率や引張呼びひずみの保持率に優れた成形品を提供可能な樹脂組成物、および成形品を提供可能になった。さらには、前記性能を満たしつつ、長時間高温下に置かれても色調が変化しにくい樹脂組成物を提供可能になった。

0008

以下において、本発明の内容について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。

0009

本発明の樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル樹脂10〜60質量部とポリアミド樹脂90〜40質量部とからなる樹脂成分100質量部に対し、相溶化剤0.01〜1.0質量部と、式(1)で表されるフェノール系酸化防止剤0.01〜1.0質量部と、リン系酸化防止剤0.01〜1.0質量部と、アミン系酸化防止剤0.01〜1.0質量部とを含み、かつ式(1)で表されるフェノール系酸化防止剤/リン系酸化防止剤/アミン系酸化防止剤の質量比率が1/0.1〜2.0/0.1〜2.0であることを特徴とする。
式(1)



式(1)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、2価の連結基である。
このような構成とすることにより、長時間に渡って高温雰囲気下で使用しても、引張呼びひずみ保持率が高く、シャルピー衝撃強さ保持率も高い成形品を提供可能な樹脂組成物が得られる。特に、銅含有化合物を配合しなくても、これらの性能を達成できる点で価値が高い。すなわち、銅含有化合物を配合しなくても、これらの性能を達成できるため、長時間高温で加熱しても、色調の変化も小さい樹脂組成物とすることができる。

0010

<ポリフェニレンエーテル樹脂>
本発明の樹脂組成物に用いられるポリフェニレンエーテル樹脂は、下記式で表される構成単位を主鎖に有する重合体であって、単独重合体または共重合体のいずれであってもよい。

0011

(式中、2つのRaは、それぞれ独立に、水素原子ハロゲン原子、第1級若しくは第2級アルキル基アリール基アミノアルキル基ハロアルキル基炭化水素オキシ基、またはハロ炭化水素オキシ基を表し、2つのRbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、第1級若しくは第2級アルキル基、アリール基、ハロアルキル基、炭化水素オキシ基、またはハロ炭化水素オキシ基を表す。ただし、2つのRaがともに水素原子になることはない。)

0012

RaおよびRbとしては、水素原子、第1級若しくは第2級アルキル基、アリール基が好ましい。第1級アルキル基の好適な例としては、メチル基エチル基、n−プロピル基n−ブチル基、n−アミル基、イソアミル基、2−メチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−、3−若しくは4−メチルペンチル基またはヘプチル基が挙げられる。第2級アルキル基の好適な例としては、例えば、イソプロピル基、sec−ブチル基または1−エチルプロピル基が挙げられる。特に、Raは第1級若しくは第2級の炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基であることが好ましい。Rbは水素原子であることが好ましい。

0013

好適なポリフェニレンエーテル樹脂の単独重合体としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−エチル−6−メチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレンエーテル)等の2,6−ジアルキルフェニレンエーテルの重合体が挙げられる。共重合体としては、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノール共重合体、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリエチルフェノール共重合体、2,6−ジエチルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノール共重合体、2,6−ジプロピルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノール共重合体等の2,6−ジアルキルフェノール/2,3,6−トリアルキルフェノール共重合体、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)にスチレングラフト重合させたグラフト共重合体、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノール共重合体にスチレンをグラフト重合させたグラフト共重合体等が挙げられる。

0014

本発明におけるポリフェニレンエーテル樹脂としては、特に、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノールランダム共重合体が好ましい。また、特開2005−344065号公報に記載されているような末端基数銅含有率を規定したポリフェニレンエーテル樹脂も好適に使用できる。

0015

ポリフェニレンエーテル樹脂は、クロロホルム中で測定した30℃の固有粘度が0.2〜0.8dl/gのものが好ましく、0.3〜0.6dl/gのものがより好ましい。固有粘度を0.2dl/g以上とすることにより、樹脂組成物の機械的強度がより向上する傾向にあり、0.8dl/g以下とすることにより、流動性がより向上し、成形加工がより容易になる傾向にある。また、固有粘度の異なる2種以上のポリフェニレンエーテル樹脂を併用して、この固有粘度の範囲としてもよい。

0016

本発明に使用されるポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法に従って、例えば、2,6−ジメチルフェノール等のモノマーアミン銅触媒の存在下、酸化重合する方法を採用することができ、その際、反応条件を選択することにより、固有粘度を所望の範囲に制御することができる。固有粘度の制御は、重合温度重合時間、触媒量等の条件を選択することにより達成できる。

0017

本発明の樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル樹脂を組成物中に10質量%以上の割合で含むことが好ましく、15質量%以上の割合で含むことがより好ましく、18質量%以上、22質量%以上であってもよい。上限については、例えば、60質量%以下であることが好ましく、57質量%以下、50質量%以下、40質量%以下であってもよい。
本発明において、ポリフェニレンエーテル樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。

0018

<ポリアミド樹脂>
本発明で使用されるポリアミド樹脂は、その分子中に酸アミド基(−CONH−)を有する加熱溶融できるポリアミド重合体である。
ポリアミド樹脂の種類は、特に定めるものではなく、公知のポリアミド樹脂を用いることができる。具体例としては、ポリアミド4(PA4)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド12(PA12)、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド6,66、ポリアミド610(PA610)、ポリアミド612(PA612)、ポリヘキサメチレンテレフタラミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタラミド(ポリアミド6I)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリメタキシリレンセバカミド(ポリアミドMXD10)、メタ/パラ混合キシリレンジアジパミド(ポリアミドMP6)、メタ/パラ混合キシリレンジセバカミド(ポリアミドMP10)、ポリパラキシリレンセバカミド(ポリアミドPXD10)、ポリメタキシリレンドデカミド、ポリアミド9T、ポリアミド9MT等が挙げられる。
本発明においては、これらポリアミドホモポリマーもしくはコポリマーを、各々単独または混合物の形で用いることができる。

0019

上述のようなポリアミド樹脂の中でも、脂肪族ポリアミド樹脂が好ましく、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド6,66がより好ましく、ポリアミド6およびポリアミド66がさらに好ましく、ポリアミド66が一層好ましい。
ここでのポリアミド6とは、ε−カプロラクタム由来の構成単位からなるポリアミド樹脂を言うが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲(例えば、5モル%以下、さらには3モル%以下、特には1モル%以下)で、他の原料モノマー由来の構成単位を含んでいてもよい。ポリアミド66等他のポリアミド樹脂についても同様である。

0020

本発明の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂を組成物中に40質量%以上の割合で含むことが好ましく、43質量%以上の割合で含むことがより好ましく、50質量%以上、60質量%以上であってもよい。上限については、例えば、90質量%以下であり、85質量%以下、82質量%以下、78質量%以下であってもよい。
本発明において、ポリアミド樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。

0021

<ポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミド樹脂のブレンド比
本発明の樹脂組成物におけるポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミド樹脂のブレンド比は、ポリフェニレンエーテル樹脂10〜60質量部に対し、ポリアミド樹脂90〜40質量部である。上記ブレンド比は、好ましくはポリフェニレンエーテル樹脂15〜55質量部に対し、ポリアミド樹脂85〜45質量部であり、より好ましくは20〜50質量部に対し、80〜50質量部であり、さらに好ましくは20〜40質量部に対し、80〜60質量部であり、一層好ましくは20〜30質量部に対し、80〜70質量部である。ポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミド樹脂の合計は100質量部である。
本発明の樹脂組成物がポリフェニレンエーテル樹脂および/またはポリアミド樹脂を2種以上含む場合、それぞれの樹脂の合計量が上記ブレンド比を満たすことが好ましい。

0022

<樹脂成分と他の樹脂>
本発明の樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミド樹脂からなる樹脂成分を組成物の80質量%以上含むことが好ましく、85質量%以上含むことがより好ましく、90質量%以上含むことがさらに好ましく、95質量%以上含むことが一層好ましい。上限値としては、99.6質量%以下が好ましい。
本発明の樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミド樹脂以外の他の樹脂を含んでいてもよい。
他の樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂ポリフェニレンサルファイド樹脂液晶ポリエステル樹脂ポリカーボネート樹脂ポリアセタール樹脂ポリアクリロニトリル樹脂アクリル樹脂ポリエチレン樹脂ポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂メラミン樹脂シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明では、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミド樹脂以外の樹脂を実質的に含まない構成とすることもできる。実質的に含まないとは、他の樹脂が、本発明の樹脂組成物に含まれる樹脂成分の1質量%以下であることをいう。

0023

<相溶化剤>
本発明の樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミド樹脂の相溶化剤を含む。相溶化剤としては、好ましくは、不飽和酸不飽和酸無水物およびそれらの誘導体が挙げられる。

0024

相溶化剤としては好ましくはマレイン酸イタコン酸クロロマレイン酸、シトラコン酸ブテニルコハク酸テトラヒドロフタル酸、およびこれらの無水物、ならびにマレイミド、マレイン酸モノメチルマレイン酸ジメチル、ならびに、これらの酸ハライドアミドイミド、炭素数1〜20のアルキルまたはグリコールエステルが挙げられ、より好ましくはマレイン酸、無水マレイン酸である。
本発明の樹脂組成物が相溶化剤を含む場合、相溶化剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対し、0.01〜1.0質量部であることが好ましく、0.03〜1.0質量部であることがより好ましく、0.05〜0.8質量部であることがさらに好ましく、0.1〜0.7質量部であることが一層好ましい。
相溶化剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。

0025

<フェノール系酸化防止剤>
本発明の樹脂組成物は、式(1)で表されるフェノール系酸化防止剤を含む。式(1)で表される化合物は、アミド基を含有しているため、ポリアミド樹脂への相溶性、および、ポリアミド樹脂中での分散性が向上し、本発明の効果が効果的に発揮されると推定される。
式(1)



式(1)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、2価の連結基である。
R1は、2価の炭化水素基であることが好ましく、アルキレン基またはアリーレン基であることがより好ましく、アルキレン基であることがさらに好ましい。アルキレン基は、直鎖または分岐のアルキレン基であり、直鎖のアルキレン基であることが好ましい。アルキレン基は、−(CH2)n−で表されるアルキレン基であることが好ましい。ここでのnは1〜10の整数であり、3〜8の整数であることがより好ましい。
R2およびR3は、それぞれ独立に、2価の炭化水素基であることが好ましく、アルキレン基またはアリーレン基であることがより好ましく、アルキレン基であることがさらに好ましい。アルキレン基は、直鎖または分岐のアルキレン基であり、直鎖のアルキレン基であることが好ましい。アルキレン基は、−(CH2)m−で表されるアルキレン基であることが好ましい。ここでのmは1〜10の整数であり、1〜5の整数であることがより好ましい。また、R2およびR3は、同一の基であることが好ましい。
式(1)で表されるフェノール系酸化防止剤は、分子量が400〜1200であることが好ましく、500〜800であることがより好ましい。

0026

本発明の樹脂組成物における式(1)で表されるフェノール系酸化防止剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対し、0.01〜1.0質量部である。前記含有量の下限値は、0.05質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることがより好ましく、0.3質量部以上であることがさらに好ましい。前記含有量の上限値は、0.8質量部以下であることが好ましく、0.6質量部以下であることがより好ましい。
式(1)で表されるフェノール系酸化防止剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。

0027

<リン系酸化防止剤>
本発明の樹脂組成物は、リン系酸化防止剤を含む。リン系酸化防止剤としては、亜リン酸エステルおよびリン酸エステルが例示され、亜リン酸エステルがより好ましい。これらの具体例としては、特開2012−179911号公報の段落0043〜0056の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明では特に、下記式(3)で表されるリン系酸化防止剤が好ましい。
式(3)



式(3)中、R6およびR7は、それぞれ独立に、炭化水素基である。
R6およびR7は、アリール基であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。アリール基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、炭化水素基が例示され、アルキル基が好ましい。前記置換基はさらに、炭化水素基等の置換基を有していてもよい。
式(3)で表される化合物は、分子量が400〜1200であることが好ましく、500〜800であることがより好ましい。

0028

本発明の樹脂組成物におけるリン系酸化防止剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対し、0.01〜1.0質量部である。前記含有量の下限値は、0.05質量部以上であることが好ましく、0.08質量部以上であることがより好ましく、0.15質量部以上であることがさらに好ましい。前記含有量の上限値は、0.8質量部以下であることが好ましく、0.7質量部以下であることがより好ましい。
リン系酸化防止剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。

0029

<アミン系酸化防止剤>
本発明の樹脂組成物は、アミン系酸化防止剤を含む。アミン系酸化防止剤としては、N,N−ジフェニルエチレンジアミン、N,N−ジフェニルアセトアミジン、N,N−ジフェニルホルムアミジン、N−フェニルピペリジンジベンジルエチレンジアミントリエタノールアミンフェノチアジン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−テトラメチルジアミノジフェニルメタン、P,P’−ジオクチルジフェニルアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチル−ペンチル)−p−フェニレンジアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、4,4’−ビス(4−α,α−ジメチル−ベンジル)ジフェニルアミン等のアミン類およびその誘導体やアミンとアルデヒド反応生成物、アミンとケトンの反応生成物等が挙げられる。
本発明では特に、下記式(2)で表されるアミン系酸化防止剤が好ましい。
式(2)



式(2)中、R4およびR5は、それぞれ独立に、炭化水素基である。
R4およびR5は、アルキル基またはアリール基であることが好ましく、R4およびR5の少なくとも一方がアリール基であることがより好ましい。アルキル基およびアリール基は、置換基を有していてもよい。アリール基はフェニル基およびナフチル基が例示される。
式(2)で表される化合物は、分子量が400〜1200であることが好ましく、500〜800であることがより好ましい。
式(2)で表される化合物は、活性部位であるアミンが2ヶ所あり、本発明の効果が効果的に発揮されると考えられる。

0030

本発明の樹脂組成物におけるアミン系酸化防止剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対し、0.01〜1.0質量部である。前記含有量の下限値は、0.05質量部以上であることが好ましく、0.08質量部以上であることがより好ましく、0.15質量部以上であることがさらに好ましい。前記含有量の上限値は、0.8質量部以下であることが好ましく、0.7質量部以下であることがより好ましい。
アミン系酸化防止剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。

0031

酸化防止剤のブレンド比>
本発明の樹脂組成物は、式(1)で表されるフェノール系酸化防止剤/リン系酸化防止剤/アミン系酸化防止剤の質量比率が1/0.1〜2.0/0.1〜2.0である。このようなブレンド比でブレンドすることにより、長時間に渡る耐熱性、特に、引張呼びひずみの保持率やシャルピー衝撃強さの保持率に優れた成形品を提供可能な樹脂組成物とすることができる。さらには、上記性能を満たしつつ、長時間に渡って高温下に置かれても色調が変化しにくい樹脂組成物とすることができる。
式(1)で表されるフェノール系酸化防止剤/リン系酸化防止剤/アミン系酸化防止剤の質量比率は、1/0.2〜1.8/0.2〜1.8であることが好ましく、1/0.3〜1.7/0.3〜1.7であることがより好ましく、1/0.4〜1.6/0.4〜1.6であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は、式(1)で表されるフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とアミン系酸化防止剤の合計で、組成物の0.3〜2.0質量%を占めることが好ましく、0.4〜1.5質量%を占めることがより好ましい。

0032

<ハイドロタルサイト>
本発明の樹脂組成物は、ハイドロタルサイトを含んでいてもよい。ハイドロタルサイトを含むことにより、長時間に渡って高温下に置いた場合のシャルピー衝撃強さの保持率がより向上する傾向にある。

0033

ハイドロタルサイトの種類は、特に制限されない。ハイドロタルサイトは、天然物合成物のいずれであってもよい。例えば、Mg3ZnAl2(OH)12CO3・wH2O(wは正の数を表す。)、MgxAly(OH)2x+3y−2CO3・wH2O(但し、xは1〜10、yは1〜10、wは正の数を表す。)、MgxAly(OH)2x+3y−2CO3(但し、xは1〜10、yは1〜10を表す)が例示される。

0034

本発明の樹脂組成物におけるハイドロタルサイトの含有量は、樹脂成分100質量部に対し、0.001〜0.5質量部であることが好ましい。前記含有量の下限値は、0.01質量部以上であることが好ましく、0.05質量部以上であることがより好ましく、0.08質量部以上であることがさらに好ましい。前記含有量の上限値は、0.4質量部以下であることが好ましい。
ハイドロタルサイトは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。

0035

<他の添加剤
本発明の樹脂組成物は、上記以外の他の成分を含んでいてもよい。
具体的には、本発明の樹脂組成物は、染顔料離型剤増核剤耐衝撃改良剤可塑剤流動性改良剤等を含んでいても良い。これらの成分を含有する場合、その含有量は、合計で、樹脂組成物の0.01〜5質量%の範囲とすることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、また、銅含有化合物を含まないか、組成物の0.0001質量%未満の割合で含む構成とすることができる。本発明では、銅含有化合物を実質的に含まなくても、長時間高温で加熱しても、引張呼びひずみ保持率が高く、シャルピー衝撃強さの保持率も高く維持することができる。銅含有化合物を配合して長時間に渡って高温下で使用すると変色しやすいため、本発明では変色を避けたい用途に効果的に用いることができる。

0036

<樹脂組成物の特性>
本発明の樹脂組成物は、特に以下の特性を満たすものとすることができる。
具体的には、例えば、ISO3167:93に規定のダンベル型多目的試験片タイプAに成形し、120℃で3000時間処理したときの引張呼びひずみ保持率が30%以上(さらには35%以上、上限としては、例えば70%以下、さらには55%以下)である樹脂組成物とすることができる。
本発明の樹脂組成物は、また、ISO3167:93に規定のダンベル型多目的試験片タイプAに成形し、120℃で3000時間処理したときのISO179に従ったシャルピー衝撃強さの保持率が50%以上(さらには60%以上、上限としては、例えば85%以下、さらには75%以下)である樹脂組成物とすることができる。
本発明の樹脂組成物は、さらに、ISO3167:93に規定のダンベル型多目的試験片タイプAに成形し、120℃で3000時間処理したときの色調変化(ΔE)が10以下(さらには9以下、下限値としては、例えば4以上、さらには5以上)である樹脂組成物とすることができる。

0037

<樹脂組成物の用途>
本発明の樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル樹脂、特に、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミド樹脂のブレンド物に一般的に用いられる用途に広く用いられる。
例えば、自動車外装・外板部品自動車内装部品自動車アンダーフード部品が挙げられる。具体的には、バンパーフェンダードアパネルモールエンブレムエンジンフードホイルカバールーフスポイラーエンジンカバー等の外装・外板部品、アンダーフード部品や、インストゥルメントパネルコンソールボックストリム等の内装部品等に適している。
また、各種コンピューターおよびその周辺機器、その他のOA機器テレビビデオ、各種ディスクプレーヤー等のキャビネットシャーシ冷蔵庫エアコン液晶プロジェクター等としても用いることができる。
さらに、金属導体または光ファイバー被覆して得られる電線ケーブル被覆材固体メタノール電池用燃料ケース二次電池電槽燃料電池配水管水冷用タンクボイラー外装ケースインクジェットプリンターインク周辺部品・部材およびシャーシ、および水配管継ぎ手などの成形体シートフィルム延伸して得られるリチウムイオン電池用セパレータとして利用できる。
本発明の樹脂組成物の好ましい用途の一例は、コネクターカバーである。近年、各種機械において、配線などを色で分かりやすくするため、コネクターカバーに着色する場合が増えている。そのため、高温下で長時間用いられても、引張呼びひずみの保持率やシャルピー衝撃強さの保持率が高いことに加えて、色調の変化が小さいことが求められる。かかる観点から、本発明の樹脂組成物は、コネクターカバーに適している。
本発明の樹脂組成物の好ましい用途の他の一例は、エンジンルーム内のジャンクションボックスである。本発明の樹脂組成物は、高温下で長時間用いられても、引張呼びひずみの保持率やシャルピー衝撃強さの保持率が高いので、かかる用途に適している。

0038

<成形品>
本発明の成形品は、本発明の樹脂組成物から形成される。成形品としては、上記樹脂組成物の用途が例示され、コネクターカバーが好ましい。
本発明の成形品は、従来より公知の種々の方法、例えば、射出成形押出成形(シート、フィルム)、中空成形により成形して得られる。

0039

以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。

0040

原料
(A)ポリフェニレンエーテル樹脂
A−1:ポリフェニレンエーテル樹脂:PX100L、ポリキシレノールシンガポール社製
(B)ポリアミド樹脂
B−1:ポリアミド66、27AE1K、ソルベイジャパン社製
(C)相溶化剤
C−1:無水マレイン酸、日本触媒社製

0041

(D)フェノール系酸化防止剤
D−1:Irganox 1098、BASF社製



D−2:Irganox 1010、BASF社製



D−3:AO80、ADEKA社製



(E)リン系酸化防止剤
E−1:PEP−36、ADEKA社製



E−2:Doverphos S−9228、Dover Chemical社製



(F)アミン系酸化防止剤
F−1:ノクラック6C、大内新興化学工業社製



F−2:ノクラックWhite、大内新興化学工業社製



(G)ハイドロタルサイト、協和化学工業社製
G−1:DHT−4A−2
(H)銅系安定剤、三菱エンジニアリングプラスチックス社製
H−1:NHP、KI/CuCl/St−Ca

0042

実施例1〜7、比較例1〜5
下記表1または表2に示す割合(質量基準)で各成分を混合し、二軸押出機(東機械社製、TEM18SS)を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数350rpmで溶融混練を行い、樹脂組成物(ペレット)を得た。
得られた樹脂組成物(ペレット)を用いて、下記評価を行った。結果を表1に示した。

0043

<引張呼びひずみの保持率>
得られた樹脂組成物(ペレット)を、射出成型機(東芝機械社製、EC75SX)を用いて、シリンダ温度280℃、金型温度70℃でISO 3167:93に規定のダンベル型多目的試験片タイプAを成形した。得られた試験片を、ISO 527に従い、引張試験機(東洋精機製作所社製、ストログラフAP2)を用い、引張速度50mm/sで引張呼びひずみを測定した。
残った試験片を120℃の熱風乾燥機仕込み、3000時間放置した。3000時間経過後、乾燥機より試験片を取り出し、上記と同じ方法にて引張呼びひずみの測定を行い、熱処理前後の引張呼びひずみから、引張呼びひずみの保持率を計算した。
引張呼びひずみの保持率は、(熱処理後の引張呼びひずみ/熱処理前の引張呼びひずみ)×100(単位:%)で示した。

0044

<シャルピー衝撃強さの保持率>
得られた樹脂組成物(ペレット)を、射出成型機(東芝機械社製、EC75SX)を用いて、シリンダ温度280℃、金型温度70℃でISO 3167:93に規定のダンベル型多目的試験片タイプAを成形した。得られた試験片は、ノッチングツール(東洋精機製作所社製、A−4)を用い両端をカット、中央にノッチを入れた。ISO 179に従い、シャルピー衝撃試験機(東洋精機製作所社製、DG−CB)を用い、2Jハンマーでシャルピー衝撃強さを測定した。
残った試験片を120℃の熱風乾燥機に仕込み、3000時間放置した。3000時間経過後、乾燥機より試験片を取り出し、上記と同じ方法にてシャルピー衝撃強さの測定を行い、熱処理前後のシャルピー衝撃強さから、シャルピー衝撃強さの保持率を計算した。
シャルピー衝撃強さの保持率は、(熱処理後のシャルピー衝撃強さ/熱処理前のシャルピー衝撃強さ)×100(単位:%)で示した。

0045

<色調(ΔE)>
得られた樹脂組成物(ペレット)を、射出成型機(東芝機械社製、EC75SX)を用いて、シリンダ温度280℃、金型温度70℃でISO3167:93に規定のダンベル型多目的試験片タイプAを成形した。得られた試験片を、分光色差計(日本電色工業社製、SE6000)を用い、色調Labを測定した。
残った試験片を120℃の熱風乾燥機に仕込み、3000時間放置した。3000時間経過後、乾燥機より試験片を取り出し、上記と同じ方法にて色調Labの測定を行い、熱処理前後の色調変化ΔEを計算した。
なお、(熱処理後のL、a、b)−(熱処理前のL、a、b)をΔL、Δa、Δbとした場合、
ΔE=(ΔL2+Δa2+Δb2)1/2 で計算される。

実施例

0046

上記結果から明らかなとおり、本発明の樹脂組成物は、長時間に渡って高温で加熱しても、引張呼びひずみ保持率が高く、シャルピー衝撃強さの保持率も高かった(実施例1〜7)。特に銅含有化合物を配合しなくても、これらの性能を達成できる点で価値が高い。銅含有化合物を配合しなくても、これらの性能を達成できるため、長時間に渡って高温で加熱しても、色調の変化も小さい樹脂組成物とすることができ、着色する樹脂部品に好適に用いることができる。
これに対し、リン系酸化防止剤およびアミン系酸化防止剤のかわりに、銅系安定剤を配合した場合、長時間に渡って高温で加熱しても、引張呼びひずみ保持率が高く、シャルピー衝撃強さの保持率も高かったが、色調の変化が著しかった(比較例1)。
また、フェノール系酸化防止剤を用いても、比較例2および比較例3等の本発明の範囲外の構造のフェノール系酸化防止剤を用いた場合、長時間に渡って高温で加熱した場合の、引張呼びひずみ保持率が低く、シャルピー衝撃強さの保持率も低かった。すなわち、フェノール系酸化防止剤の種類が本発明の効果に大きく影響していることが分かった。
また、本発明で規定するフェノール系酸化防止剤およびアミン系酸化防止剤を配合しても、リン系酸化防止剤を配合しない場合(比較例4)、あるいは、本発明で規定するフェノール系酸化防止剤およびリン系酸化防止剤を配合しても、アミン系酸化防止剤を配合しない場合(比較例5)、長時間高温で加熱した場合の、引張呼びひずみ保持率が低く、シャルピー衝撃強さの保持率も低かった。
また、ハイドロタルサイトを配合することにより、シャルピー衝撃強さの保持率により優れた成形品が得られた(実施例7と他の実施例の比較)。

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