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課題・解決手段
概要
背景
従来、携帯発電機等に用いられるインバータ式発電機には、エンジンの駆動にともなってエンジンに接続されたオルタネータに交流電圧を発生させ、発生した交流電圧を整流回路による整流および電解コンデンサによる平滑化によって直流電圧に変換し、変換された直流電圧をインバータで交流電圧に変換するものがある(例えば、特開2003‐102200号公報参照)。
また、インバータ式発電機においては、インバータで変換される交流電圧のノイズのレベルに応じて、インバータの出力側にノイズを低減するためのノイズフィルタを接続することがあった。ノイズフィルタは、モジュールや整流回路と比較して大型の巻線部品を有する。
このようなインバータ式発電機において、各電子部品は、アルミニウム等の金属製の収納ケースに収納された状態で樹脂封止されていた。
しかしながら、従来は、ノイズフィルタの巻線部品のように搭載の有無を選択できる電子部品を搭載する場合と搭載しない場合とのいずれにも対応するため、それぞれの場合に好適な形状を有する異なる収納ケースを用意していた。このため、従来は、収納ケースにコストがかかることで、電子部品のレイアウトの選択に対応しつつ製造コストを削減することが困難であるといった問題があった。
なお、特開2007−64001号公報には、ケース内にインバータを備えたガスエンジン発電機が開示されている。特開2007−64001号公報では、ケースの内部にベース板を取り付け、ベース板上に発電機、エンジンおよびインバータを含む関連部品の全てを取り付けることで、組立性の向上とコストの低下を図っている。しかしながら、特開2007−64001号公報は、インバータ自体のケースおよびケースに対する電子部品のレイアウトの選択については何ら触れていない。すなわち、特開2007−64001号公報は、電子部品のレイアウトの選択に対応しつつ製造コストを削減することが困難であるといった問題に対して、何ら有効な解決手段を提示していない。
概要
入力電圧を電力変換した出力電圧を出力する電力変換装置であって、第1面および第1面の反対側の第2面を有し、部分的に第1面から第2面まで貫通する貫通孔が設けられた第1収納ケースと、第1面上に配置された第1の電子部品と、貫通孔を通して第2面から突出するように第1収納ケースに接合される第2収納ケースおよび第2収納ケース内に収納される第2の電子部品、または、貫通孔を遮蔽するように第1面上に配置される遮蔽板から選択した何れか1つと、を備える。
目的
そこで、本発明は、電子部品のレイアウトの選択に対応しつつ製造コストを削減することが可能な電力変換装置を提供することを目的とする。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
請求項1
入力電圧を電力変換した出力電圧を出力する電力変換装置であって、第1面および前記第1面の反対側の第2面を有し、部分的に前記第1面から前記第2面まで貫通する貫通孔が設けられた第1収納ケースと、前記第1面上に配置された少なくとも1つの第1の電子部品と、前記貫通孔を通して前記第2面から突出するように前記第1収納ケースに接合される第2収納ケースおよび前記第2収納ケース内に収納される第2の電子部品、または、前記貫通孔を遮蔽するように前記第1面上に配置される遮蔽板から選択した何れか1つと、を備えることを特徴とする電力変換装置。
請求項2
前記第2収納ケースは、前記第2面から突出する方向に向かって凹部が設けられ、前記凹部内に前記第2の電子部品を収納する収納部と、前記第1面側の前記凹部の端部において前記収納部を囲み、前記貫通孔の内周縁に当接する当接部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
請求項3
請求項4
前記第1の電子部品は、複数配置されており、前記第2の電子部品は、前記複数の第1の電子部品の少なくとも1つよりも前記第1面から前記第2面に向かう方向の寸法である厚みが厚いことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
請求項5
請求項6
前記第1収納ケース内に配置され、前記第1収納ケースの前記第1面に対向する第3面および前記第3面の反対側の第4面を有する配線基板と、前記配線基板の前記第4面上に配置され、前記複数の第1の電子部品の少なくとも1つの動作を制御する制御部と、を更に備え、前記封止部材は、前記第1収納ケースの前記第1面上で、前記第1及び第2の電子部品を封止するとともに、前記配線基板および前記配線基板の前記第4面上の前記制御部を封止することを特徴とする請求項5に記載の電力変換装置。
請求項7
前記第2収納ケースは絶縁性を有することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
請求項8
前記第2収納ケースは、樹脂を含有することを特徴とする請求項7に記載の電力変換装置。
請求項9
前記第1収納ケースの前記第2面上に配置された放熱フィンを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
請求項10
前記複数の第1の電子部品は、前記制御部により制御され、前記入力電圧を整流して出力する整流回路と、前記制御部により制御され、前記整流回路が整流した電圧を変換して出力するモジュールと、前記モジュールが出力した電圧を調整して出力するリアクタと、を含むことを特徴とする請求項6に記載の電力変換装置。
請求項11
前記第2の電子部品は、前記リアクタを含むLCフィルタが出力した電圧をフィルタリングして出力するノイズフィルタの巻線部品を含み、前記巻線部品は、前記配線基板の前記第3面上に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の電力変換装置。
請求項12
前記配線基板の前記第4面上に配置され、前記配線基板の配線を介して前記整流回路の入力に接続され、前記封止部材により前記配線基板との接続部分が封止され、前記入力電圧が供給される入力端子と、前記配線基板の前記第4面上に配置され、前記配線基板の配線を介して前記整流回路の出力に接続され、前記封止部材により前記配線基板との接続部分が封止され、前記整流回路が出力した電圧を平滑化する平滑化キャパシタと、前記配線基板の前記第4面上に配置され、前記配線基板に接続され、前記封止部材により前記配線基板との接続部分が封止され、前記ノイズフィルタから供給された電圧を前記出力電圧として出力する出力端子と、を更に備えることを特徴とする請求項11に記載の電力変換装置。
技術分野
0001
本発明は、電力変換装置に関する。
背景技術
0002
従来、携帯発電機等に用いられるインバータ式発電機には、エンジンの駆動にともなってエンジンに接続されたオルタネータに交流電圧を発生させ、発生した交流電圧を整流回路による整流および電解コンデンサによる平滑化によって直流電圧に変換し、変換された直流電圧をインバータで交流電圧に変換するものがある(例えば、特開2003‐102200号公報参照)。
0003
また、インバータ式発電機においては、インバータで変換される交流電圧のノイズのレベルに応じて、インバータの出力側にノイズを低減するためのノイズフィルタを接続することがあった。ノイズフィルタは、モジュールや整流回路と比較して大型の巻線部品を有する。
0005
しかしながら、従来は、ノイズフィルタの巻線部品のように搭載の有無を選択できる電子部品を搭載する場合と搭載しない場合とのいずれにも対応するため、それぞれの場合に好適な形状を有する異なる収納ケースを用意していた。このため、従来は、収納ケースにコストがかかることで、電子部品のレイアウトの選択に対応しつつ製造コストを削減することが困難であるといった問題があった。
0006
なお、特開2007−64001号公報には、ケース内にインバータを備えたガスエンジン発電機が開示されている。特開2007−64001号公報では、ケースの内部にベース板を取り付け、ベース板上に発電機、エンジンおよびインバータを含む関連部品の全てを取り付けることで、組立性の向上とコストの低下を図っている。しかしながら、特開2007−64001号公報は、インバータ自体のケースおよびケースに対する電子部品のレイアウトの選択については何ら触れていない。すなわち、特開2007−64001号公報は、電子部品のレイアウトの選択に対応しつつ製造コストを削減することが困難であるといった問題に対して、何ら有効な解決手段を提示していない。
発明が解決しようとする課題
0007
そこで、本発明は、電子部品のレイアウトの選択に対応しつつ製造コストを削減することが可能な電力変換装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0008
本発明の一態様に係る電力変換装置は、
入力電圧を電力変換した出力電圧を出力する電力変換装置であって、
第1面および前記第1面の反対側の第2面を有し、部分的に前記第1面から前記第2面まで貫通する貫通孔が設けられた第1収納ケースと、
前記第1面上に配置された少なくとも1つの第1の電子部品と、
前記貫通孔を通して前記第2面から突出するように前記第1収納ケースに接合される第2収納ケースおよび前記第2収納ケース内に収納される第2の電子部品、または、前記貫通孔を遮蔽するように前記第1面上に配置される遮蔽板から選択した何れか1つと、を備える。
0009
前記電力変換装置において、
前記第2収納ケースは、
前記第2面から突出する方向に向かって凹部が設けられ、前記凹部内に前記第2の電子部品を収納する収納部と、
前記第1面側の前記凹部の端部において前記収納部を囲み、前記貫通孔の内周縁に当接する当接部と、を有してもよい。
0011
前記電力変換装置において、
前記第1の電子部品は、複数配置されており、
前記第2の電子部品は、前記複数の第1の電子部品のうち少なくとも1つよりも前記第1面から前記第2面に向かう方向の寸法である厚みが厚くてもよい。
0013
前記電力変換装置において、
前記第1収納ケース内に配置され、前記第1収納ケースの前記第1面に対向する第3面および前記第3面の反対側の第4面を有する配線基板と、
前記配線基板の前記第4面上に配置され、前記複数の第1の電子部品のうち少なくとも1つの動作を制御する制御部と、を更に備え、
前記封止部材は、前記第1収納ケースの前記第1面上で、前記第1及び第2の電子部品を封止するとともに、前記配線基板および前記配線基板の前記第4面上の前記制御部を封止してもよい。
0014
前記電力変換装置において、
前記第2収納ケースは絶縁性を有してもよい。
0015
前記電力変換装置において、
前記第2収納ケースは、樹脂を含有してもよい。
0016
前記電力変換装置において、
前記第1収納ケースの前記第2面上に配置された放熱フィンを更に備えてもよい。
0017
前記電力変換装置において、
前記複数の第1の電子部品は、
前記制御部により制御され、前記入力電圧を整流して出力する整流回路と、
前記制御部により制御され、前記整流回路が整流した電圧を変換して出力するモジュールと、
前記モジュールが出力した電圧を調整して出力するリアクタと、を含んでもよい。
0018
前記電力変換装置において、
前記第2の電子部品は、前記リアクタを含むLCフィルタが出力した電圧をフィルタリングして出力するノイズフィルタの巻線部品を含み、前記巻線部品は、前記配線基板の前記第3面上に配置されていてもよい。
0019
前記電力変換装置において、
前記配線基板の前記第4面上に配置され、前記配線基板の配線を介して前記整流回路の入力に接続され、前記封止部材により前記配線基板との接続部分が封止され、前記入力電圧が供給される入力端子と、
前記配線基板の前記第4面上に配置され、前記配線基板の配線を介して前記整流回路の出力に接続され、前記封止部材により前記配線基板との接続部分が封止され、前記整流回路が出力した電圧を平滑化する平滑化キャパシタと、
前記配線基板の前記第4面上に配置され、前記配線基板に接続され、前記封止部材により前記配線基板との接続部分が封止され、前記ノイズフィルタから供給された電圧を前記出力電圧として出力する出力端子と、を更に備えてもよい。
発明の効果
0020
本発明の一態様に係る電力変換装置は、入力電圧を電力変換した出力電圧を出力する電力変換装置であって、第1面および第1面の反対側の第2面を有し、部分的に第1面から第2面まで貫通する貫通孔が設けられた第1収納ケースと、第1面上に配置された少なくとも1つの第1の電子部品と、を備える。また、電力変換装置100は、貫通孔を通して第2面から突出するように第1収納ケースに接合される第2収納ケースおよび第2収納ケース内に収納される第2の電子部品、または、貫通孔を遮蔽するように第1面上に配置される遮蔽板から選択した何れか1つを備える。
このように、本発明によれば、貫通孔を通して第2面から突出する第2収納ケースと、貫通孔を遮蔽する遮蔽板とを選択的に第1収納ケースに設けることができるので、第2の電子部品を搭載する場合には、第2収納ケース内に第2の電子部品を収納し、第2の電子部品を搭載しない場合には、遮蔽板で貫通孔を遮蔽することができる。すなわち、本発明によれば、第2の電子部品の搭載の有無にかかわらず、共通の第1収納ケースを用いることができる。
これにより、収納ケースのコストを削減することができるので、電子部品のレイアウトの選択に対応しつつ製造コストを削減することができる。
図面の簡単な説明
0021
図1は、本実施形態に係る電力変換装置100が適用される発電システム1000の構成の一例を示す図である。
図2は、図1に示す電力変換装置100の主要な構成の一例を示すブロック図である。
図3は、図2に示す電力変換装置100の外観の構成の一例を示す平面図である。
図4は、図3に示す電力変換装置100の構成の一例として、巻線部品を搭載する例を示す図3のIV−IV断面図である。
図5は、図3に示す電力変換装置100の構成の一例として、巻線部品を搭載しない例を示す断面図である。
図6は、図3に示す電力変換装置100の第1収納ケースH1の斜視図である。
図7は、図3に示す電力変換装置100の第1収納ケースH1および第1収納ケースH1上の第1の電子部品Y、M、Rの平面図である。
図8は、図4に示す電力変換装置100の配線基板10に搭載された巻線部品Wを示す斜視図である。
図9は、図4に示す電力変換装置100の分解斜視図である。
図10は、図5に示す電力変換装置100の分解斜視図である。
実施例
0022
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明を限定するものではない。
0023
図1は、本実施形態に係る電力変換装置100が適用される発電システム1000の構成の一例を示す図である。また、図2は、図1に示す電力変換装置100の主要な構成の一例を示すブロック図である。また、図3は、図2に示す電力変換装置100の外観の構成の一例を示す平面図である。また、図4は、図3に示す電力変換装置100の構成の一例として、巻線部品を搭載する例を示す図3のIV−IV断面図である。また、図5は、図3に示す電力変換装置100の構成の一例として、巻線部品を搭載しない例を示す断面図である。また、図6は、図3に示す電力変換装置100の第1収納ケースH1の斜視図である。また、図7は、図3に示す電力変換装置100の第1収納ケースH1および第1収納ケースH1上の第1の電子部品Y、M、Rの平面図である。また、図8は、図4に示す電力変換装置100の配線基板10に搭載された巻線部品Wを示す斜視図である。また、図9は、図4に示す電力変換装置100の分解斜視図である。また、図10は、図5に示す電力変換装置100の分解斜視図である。
0024
発電システム1000は、例えば、図1に示すように、エンジンEと、エンジンEに接続されたオルタネータ(図示せず)によって駆動されるファンXと、エンジンEに接続され、オルタネータが出力した交流電圧(入力電圧)を電力変換した交流電圧(出力電圧)を出力する電力変換装置100とを備える。
0025
この発電システム1000において、ファンXが駆動することにより、外部から気流Aが発電システム1000の内部に流れ込み、電力変換装置100及びエンジンEの周囲に誘導される。これにより、電力変換装置100及びエンジンEが気流Aにより冷却され、電力変換装置100及びエンジンEが発した熱が気流Bとともに外部に放出されることなる。
0026
このような電力変換装置100は、例えば、図2および図3に示すように、第1収納ケースH1と、放熱フィンZと、配線基板10と、封止部材11と、入力端子TINと、整流回路Yと、平滑化キャパシタCと、モジュールMと、LCフィルタ(リアクタR、第1のキャパシタC1F)FXと、ノイズフィルタFと、出力端子TOUTと、制御部CONと、を備える。整流回路Yと、モジュールMと、リアクタRは、第1の電子部品の一例である。なお、図3において、各電子部品Y、C、M、R、Fは、破線または二点鎖線の矩形枠で模式的に表現されている。
0027
図3に示すように、ノイズフィルタFは、第2の電子部品の一例である巻線部品(すなわち、例えば、コモンモードのチョークコイル)Wと、第2のキャパシタC2Fとを備える。巻線部品Wは、少なくとも1つの第1の電子部品(図3の例における整流回路YおよびモジュールM)よりも第1面A1から第2面A2に向かう方向の寸法である厚みが厚い大型の電子部品である。キャパシタC1F、キャパシタC2Fは、それぞれが複数のキャパシタを含んでいてもよい。
0028
ノイズフィルタFのうち、少なくとも巻線部品Wは、後述するモジュールMで変換される電圧のノイズのレベルに応じて、電力変換装置100への搭載の有無が選択される任意の構成である。すなわち、図4および図5に示すように、電力変換装置100は、巻線部品Wを収納する第2収納ケースH2および巻線部品Wと、遮蔽板12とから選択した何れか1つを備える。
0029
以下、これらの電力変換装置100の各構成部の詳細について順に説明する。
0030
(第1収納ケースH1)
第1収納ケースH1は、電力変換装置100の各構成部を収納するケースである。第1収納ケースH1は、例えば、アルミニウムなどの金属で構成されている。図4に示すように、第1収納ケースH1は、第1面A1と、第1面A1の反対側の第2面A2とを有する。第1面A1は、上面または内面ということもでき、第2面A2は、下面または外面ということもできる。
0031
図6に示すように、第1収納ケースH1には、第2収納ケースH2および巻線部品Wと、遮蔽板12とを選択的に配置するため、部分的に第1面A1から第2面A2まで貫通する貫通孔14が設けられている。
0032
巻線部品Wを搭載する場合に貫通孔14に第2収納ケースH2を挿入することができるように、貫通孔14の内周は、後述する第2収納ケースH2の収納部H2aの外周よりも大きく形成されている。また、巻線部品Wを搭載しない場合に遮蔽板12で貫通孔14を遮蔽することができるように、貫通孔14の内周は、遮蔽板12の外周よりも小さく形成されている。
0033
図6に示すように、第1収納ケースH1の第1面A1上には、複数の第1の電子部品のそれぞれを配置するための領域が設けられている。具体的には、第1面A1上には、整流回路Yを配置するための第1領域と、モジュールMを配置するための第2領域と、リアクタRを配置するための第3領域とが設けられている。より具体的には、第1面A1上には、第2面A2側に向かって凹むように、第1領域の一例である第1凹部S1bと、第2領域の一例である第2凹部S2bと、第3領域の一例である第3凹部S3bとが設けられている。第2凹部S2bは、第1凹部S1bに隣接して設けられている。また、第3凹部S3bは、第2凹部S2bに隣接して設けられている。なお、図5および図6に示すように、各凹部S1b、S2b、S3bの反対側の第2面A2上の領域は、凹部S1b、S2b、S3bが設けられていない第1面A1上の領域の反対側に位置する第2面A2上の領域よりも突出した凸部S1a、S2a、S3aとなっている。
0034
また、第1収納ケースH1には、第2面A2から突出するように放熱フィンZが設けられている。放熱フィンZは、外部から供給された気流Aにより冷却されることで、発熱源である電子部品(例えば、整流回路YおよびモジュールM)が発する熱を外部に放出する。放熱フィンZは、例えば、アルミニウム等の金属材料を用いたダイカスト法などの金型鋳造法によって、第1収納ケースH1と一体成型されていてもよい。
0035
(第2収納ケースH2)
図4に示すように、第2収納ケースH2は、電力変換装置100に巻線部品Wを搭載する場合に、第1収納ケースH1に設けられた貫通孔14を通して第2面A2から突出するように第1収納ケースH1に接合される。
0036
第2収納ケースH2は、収納部H2aと、当接部H2bとを有する。収納部H2aには、第2収納ケースH2が第2面A2から突出する方向に向かって凹部H2a1が設けられている。収納部H2aは、凹部H2a1内に巻線部品Wを収納する。
0037
当接部H2bは、第1面A1側の凹部H2a1の端部において収納部H2aを囲み、貫通孔14の内周縁14aに当接する。第2収納ケースH2が配置されることで、貫通孔14は塞がれた状態となる。
0038
巻線部品Wとの絶縁性を向上させるため、第2収納ケースH2は、絶縁性を有していてもよい。第2収納ケースH2は、エポキシ樹脂等の樹脂で構成されていることによって絶縁性を有していてもよい。
0039
(遮蔽板12)
一方、図5に示すように、遮蔽板12は、電力変換装置100に巻線部品Wを搭載しない場合に、貫通孔14を遮蔽するように第1面A1上に配置される。
0040
遮蔽板12は、貫通孔14を遮蔽する遮蔽領域12aと、遮蔽領域12aを囲み、貫通孔14の内周縁14aに当接する当接領域12bとを有する。
0041
遮蔽板12は、例えば、第1収納ケースH1と同じ材質で形成されている。遮蔽板12は、第1収納ケースH1と異なる材質で形成されていてもよい。
0042
(配線基板10)
配線基板10は、電力変換装置100の端子と電子部品あるいは電子部品同士を電気的に接続する複数の配線10Ya、10Ca、10Cb、10Ra、10Rb、10Fa、10a、10bおよび複数の電極10Y、10M、10R、10Fが設けられた基板である。なお、図3では、配線基板10に設けられた配線および電極を簡略化して表現している。図4に示すように、配線基板10は、第1収納ケースH1内に配置されており、第1収納ケースH1の第1面A1に対向する第3面A3と、第3面A3の反対側の第4面A4とを有する。
0043
(電子部品、端子)
入力端子TINは、配線基板10の第4面A4上に配置されている。図3に示すように、入力端子TINは、配線基板10の配線10Yaを介して整流回路Yの入力に接続されている。入力端子TINには、入力電圧VINが供給される。
0044
第1の電子部品の一例である整流回路Yは、第1収納ケースH1の第1面A1上の第1凹部S1bに配置されている。図7に示すように、整流回路Yは、入力電圧VIN、整流電圧、又は制御信号を入出力するための複数の端子YTを有する。これらの端子YTは、配線基板10の電極10Yにはんだ材等によって電気的に接続されている。整流回路Yは、封止部材11とは異なる封止樹脂によってモールドされている。整流回路Yは、制御部CONにより制御され、入力電圧VINを整流して出力する。
0045
平滑化キャパシタCは、配線基板10の第4面A4上に配置されている。図3に示すように、平滑化キャパシタCは、配線基板10の配線10Caおよび電極10Yを介して整流回路Yの出力に接続されている。平滑化キャパシタCは、整流回路Yが出力した電圧を平滑化し、平滑化した電圧を出力する。
0046
第1の電子部品の一例であるモジュールMは、第1収納ケースH1の第1面A1上の第2凹部S2bに整流回路Yに隣接して配置されている。図7に示すように、モジュールMは、整流電圧、交流電圧、又は制御信号を入出力するための複数の端子MTを有する。これらの端子MTは、配線基板10の電極10Mにはんだ材等によって電気的に接続されている。モジュールMは、封止部材11とは異なる封止樹脂によってモールドされている。図3に示すように、モジュールMは、配線基板10の配線10Cbを介して平滑化キャパシタCの出力に接続されている。モジュールMは、制御部CONにより制御され、平滑化キャパシタCが平滑化した電圧(すなわち、整流回路Yが整流した電圧)を変換して出力する。
0047
第1の電子部品の一例であるリアクタRは、第1収納ケースH1の第1面A1上の第3凹部S3bにモジュールMに隣接して配置されている。図7に示すように、リアクタRは、モジュールMが出力した電圧が入力され、調整した電圧を出力するための複数の端子RTを有する。これらの端子RTは、配線基板10の電極10Rにはんだ材等によって電気的に接続されている。図3に示すように、リアクタRは、配線基板10の配線10Raおよび電極10Mを介してモジュールMの出力に接続されている。リアクタRは、モジュールMが出力した電圧を調整して出力する。リアクタRの出力(出力用の端子RT、電極10R)は、配線基板10の配線10Rbと配線基板10の第4面A4上に配置された第1のキャパシタC1Fとを介して、ノイズフィルタFの入力に接続されている(図3)。
0048
ノイズフィルタFは、一部が配線基板10の第3面A3上に配置され、他の一部が配線基板10の第4面A4上に配置されている。図3に示される例において、ノイズフィルタFのうち、第2の電子部品の一例である巻線部品Wは第3面A3上に配置され、第2のキャパシタC2Fは、第4面A4上に配置されている。ノイズフィルタFの巻線部品Wは、リアクタRおよび第1のキャパシタC1Fで構成されるLCフィルタFXが出力した電圧をフィルタリングする過程でキャパシタC1F、C2Fとの間で電圧を入出力するための複数の端子WTを有する。これらの端子WTは、配線基板10の電極10Fにはんだ材等によって電気的に接続されている。ノイズフィルタFは、LCフィルタFXが出力した電圧をフィルタリングして出力する。
0049
出力端子TOUTは、配線基板10の第4面A4上に配置されている。図3に示すように、出力端子TOUTは、配線基板10の配線10Faを介してノイズフィルタFの出力に接続されている。出力端子TOUTは、ノイズフィルタFから供給された電圧を出力電圧VOUTとして出力する。
0050
制御部CONは、配線基板10の第4面A4上に配置されている。図3に示すように、制御部CONは、配線10aおよび電極10Yを介して整流回路Yに制御信号を入出力することで、整流回路Yの動作を制御するようになっている。また、制御部CONは、配線10bおよび電極10Mを介してモジュールMに制御信号を入出力することで、モジュールMの動作を制御するようになっている。
0051
(封止部材11)
封止部材11は、第1収納ケースH1の第1面A1上で、整流回路Y、モジュールM、およびリアクタR(第1の電子部品)を封止する。また、電力変換装置100に巻線部品W(第2の電子部品)を搭載する場合、封止部材11は、更に、第1面A1上で巻線部品Wを封止する。封止部材11は、樹脂を含有する。
0052
また、封止部材11は、配線基板10および配線基板10の第4面A4上の制御部CONを封止する。
0053
また、封止部材11は、入力端子TIN、平滑化キャパシタC、ノイズフィルタFおよび出力端子TOUTのそれぞれと配線基板10との接続部分を封止する。
0054
以下、上述した構成を有する電力変換装置100の組立方法(製造方法)について、第2の電子部品を搭載する場合と搭載しない場合とに分けて説明する。
0055
(第2の電子部品を搭載する場合)
第2の電子部品の一例として、巻線部品Wを搭載する場合、図8に示すように、配線基板10の第3面A3上に巻線部品Wを接続する。なお、配線基板10の第4面A4上には、入力端子TIN、平滑化キャパシタC、第1のキャパシタC1F、第2のキャパシタC2Fおよび出力端子TOUTを接続する。
0056
そして、図9に示すように、第1収納ケースH1の貫通孔14に、第2収納ケースH2の収納部H2aを挿入して、貫通孔14の内周縁14aに第2収納ケースH2の当接部H2bを当接させる。
0057
貫通孔14の内周縁14aに第2収納ケースH2の当接部H2bを当接させた後、例えば、ねじ止め等の固定方法によって貫通孔14の内周縁14aに第2収納ケースH2の当接部H2bを固定することで、第1収納ケースH1に第2収納ケースH2を接合する。また、図9に示すように、第1凹部S1bに整流回路Y(第1の電子部品)を配置し、第2凹部S2bにモジュールM(第1の電子部品)を配置し、第3凹部S3bにリアクタR(第1の電子部品)を配置する。
0058
その後、巻線部品Wが配置された配線基板10の第3面A3を第1収納ケースH1の第1面A1に対向させた状態で、第1収納ケースH1の第1面A1上に配線基板10を配置する。
0059
第1面A1上に配線基板10を配置した後、電子部品Y、M、Rの端子YT、MT、RTと配線基板10の電極10Y、10M、10Rとをはんだ材等によって電気的に接続する。
0060
その後、例えば、樹脂ポッティング等の方法で、第2収納ケースH2内の巻線部品W、第1収納ケースH1の第1面A1上の電子部品Y、M、R、配線基板10、および配線基板10上の電子部品または電子部品と配線基板10との接続部分が封止されるように、封止部材11を形成する。以上のようにして、図4に示した電力変換装置100が得られる。
0061
(第2の電子部品を搭載しない場合)
巻線部品Wを搭載しない場合、配線基板10の第3面A3上に巻線部品Wを接続しない。配線基板10の第4面A4上には、入力端子TIN、平滑化キャパシタC、第1のキャパシタC1F、第2のキャパシタC2Fおよび出力端子TOUTを接続する。なお、モジュールで電力変換される電圧のノイズのレベルが小さい場合には、第1のキャパシタC1F、第2のキャパシタC2Fを接続しなくてもよい。
0062
本実施形態では、巻線部品Wを搭載しない場合においても、巻線部品Wを搭載する場合と同様に、貫通孔14が設けられた同じ第1収納ケースH1を用いることができる。ただし、巻線部品Wを搭載しない場合、貫通孔14が第2収納ケースH2で塞がれないので、封止部材11の流出を防ぐために貫通孔14を塞ぐ必要がある。
0063
このため、巻線部品Wを搭載しない場合は、遮蔽板12を用いて貫通孔14を遮蔽する。すなわち、図10に示すように、第1収納ケースH1の貫通孔14の内周縁14aに、遮蔽板12の当接領域12bを当接させて、遮蔽板12の遮蔽領域12aで貫通孔14を遮蔽する。
0064
貫通孔14の内周縁14aに遮蔽板12の当接領域12bを当接させた後、例えば、ねじ止め等の固定方法によって内周縁14aに当接領域12bを固定することで、遮蔽板12を第1収納ケースH1に接合する。
0065
その後は、巻線部品Wを搭載する場合と同様に、第1収納ケースH1の第1面A1上に配線基板10を配置し、電子部品、配線基板および接続部分を封止するように封止部材11を設けることで、図5に示した電力変換装置100が得られる。
0066
以下、本実施形態によってもたらされる作用について説明する。
0067
本実施形態によれば、貫通孔14を通して第1収納ケースH1の第2面A2から突出する第2収納ケースH2と、貫通孔14を遮蔽する遮蔽板12とを選択的に第1収納ケースH1に設けることができる。これにより、第2の電子部品(例えば、巻線部品W)を搭載する場合には、第2収納ケースH2内に第2の電子部品を収納し、第2の電子部品を搭載しない場合には、遮蔽板12で貫通孔14を遮蔽することができる。すなわち、本実施形態によれば、第2の電子部品の搭載の有無にかかわらず共通の第1収納ケースH1を用いることができる。したがって、本実施形態によれば、収納ケースのコストを削減することができるので、電子部品のレイアウトの選択に対応しつつ電力変換装置100の製造コストを削減することができる。
0068
もし、第2の電子部品を搭載する場合に確実に対応し、なおかつ、第2の電子部品の搭載の有無にかかわらず共通の収納ケースを用いるために、第2の電子部品の収納スペースが確保された共通の収納ケースを用いる場合、第2の電子部品を搭載しない態様を選択する場合において、第2の電子部品の収納スペースが空洞となる。この場合、空洞を埋めるように封止部材11が充填されることになるため、封止部材11の使用量が多くなってしまう。これに対して、本実施形態においては、第2の電子部品を搭載しない場合には、第2の電子部品の収納スペースを有しない扁平な遮蔽板12で貫通孔14を遮蔽することができるので、封止部材11の使用量を抑えることができる。これにより、電力変換装置100の製造コストを更に削減することができる。
0069
また、本実施形態によれば、貫通孔14の内周縁14aに第2収納ケースH2の当接部H2bを当接させる簡便な作業によって、第1収納ケースH1の第1面A1上に第2収納ケースH2を配置することができる。また、貫通孔14の内周縁14aに遮蔽板12の当接領域12bを当接させる簡便な作業によって、第1収納ケースH1の第1面A1上に遮蔽板12を配置することができる。
0070
また、本実施形態によれば、整流回路YやモジュールMなどの第1の電子部品よりも厚みが厚い第2の電子部品を、第2面A2から突出する第2収納ケースH2の内部に確実に収納することができる。
0071
以上のように、本発明の一態様に係る電力変換装置100は、入力電圧VINを電力変換した出力電圧VOUTを出力する電力変換装置100であって、第1面A1および第1面A1の反対側の第2面A2を有し、部分的に第1面A1から第2面A2まで貫通する貫通孔14が設けられた第1収納ケースH1と、第1面A1上に配置された少なくとも1つの第1の電子部品Y、M、Rと、を備える。また、電力変換装置100は、貫通孔14を通して第2面A2から突出するように第1収納ケースH1に接合される第2収納ケースH2および第2収納ケースH2内に収納される第2の電子部品Wと、貫通孔14を遮蔽するように第1面A1上に配置される遮蔽板12と、から選択した何れか1つを備える。
0072
このように、貫通孔14を通して第2面A2から突出する第2収納ケースH2と、貫通孔14を遮蔽する遮蔽板12とを選択的に第1収納ケースH1に設けることができるので、第2の電子部品Wを搭載する場合には、第2収納ケースH2内に第2の電子部品Wを収納し、第2の電子部品Wを搭載しない場合には、遮蔽板12で貫通孔14を遮蔽することができる。すなわち、第2の電子部品Wの搭載の有無にかかわらず、共通の第1収納ケースH1を用いることができる。これにより、収納ケースのコストを削減することができるので、電子部品のレイアウトの選択に対応しつつ製造コストを削減することができる。
0073
なお、上述した実施形態においては、複数の第1の電子部品として、整流回路Y、モジュールおよびリアクタRを例示した。しかしながら、第1の電子部品は、整流回路Y、モジュールおよびリアクタRに限定されるものではない。また、上述した実施形態においては、第2の電子部品として、ノイズフィルタFの巻線部品Wを例示した。しかしながら、第2の電子部品は、巻線部品Wに限定されるものではない。
0074
上述した実施形態は、あくまで一例であって、発明の範囲を限定するものではない。発明の要旨を逸脱しない限度において、上述した実施形態に対して種々の変更を行うことができる。変更された実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。