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技術 アクチュエータを駆動する方法、アクチュエータ、およびアクチュエータを製造する方法

出願人 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明者 林直毅田頭健司金子由利子平岡牧
出願日 2018年5月23日 (1年3ヶ月経過) 出願番号 2018-552087
公開日 2019年7月25日 (1ヶ月経過) 公開番号 WO2019-021604
状態 特許登録済
技術分野 特殊な電動機、発電機 特殊原動機
主要キーワード より縮み レーザー変位 非コイル状 圧着ペンチ 近赤外線放射 非弾性体 マッサージ機器 フォーク型
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年7月25日)のものです。
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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、アクチュエータ(1)を駆動する方法であって、以下の工程(a)および工程(b)を具備する:(a)アクチュエータ(1)に張力印加する工程、ここで、アクチュエータ(1)は繊維(110)およびコード(120)を具備し、繊維(110)は、その長軸周りに沿って捩じられており、繊維(110)は、円筒状のコイルの形状を有するように折り畳まれており、繊維(110)は、加熱によりコイルの中心軸方向に沿って縮み、かつ放熱により復元し、繊維(110)は、結晶性高分子から形成されており、繊維(110)の一端は、コード(120)の一端に固定されており、繊維(110)の他端は、コード(120)の他端に固定されており、コード(120)は、繊維(110)の自然長よりも長く、張力は、繊維(110)の長さがコード(120)の長さと等しくなるように、コイルの中心軸方向に沿って印加され、かつ(b)繊維(110)を加熱して、繊維(110)を収縮させる工程。これにより、毎回、予め定められた収縮率でアクチュエータ(1)は加熱時に収縮する。

概要

背景

特許文献1は、コイル状および非コイル状ナノファイバー撚糸およびポリマーファイバーねじりおよび引張アクチュエータを開示している。

非特許文献1は、直鎖状低密度ポリエチレンから形成されているコイル状ポリマー繊維を開示している。非特許文献1によれば、当該コイル状ポリマー繊維は、加熱により縮み、かつ放熱により復元する。非特許文献1は、加熱前にその軸方向に沿って張力がコイル状ポリマー繊維に印加され、その印加される張力の大きさによって、加熱時におけるコイル状ポリマー繊維の収縮率(すなわち、加熱により収縮したコイル状ポリマー繊維の長さ/放熱により復元されたアクチュエータ本体の長さ)が異なることを開示している。

特許文献2は、軸方向に収縮可能なアクチュエータを開示している。

特許文献3は、形状記憶合金アクチュエータおよびマッサージ器を開示している。特許文献3の段落番号0020においては、棒状部材係合部の距離を与圧付与方向に規制する非弾性体からなるコード状ストッパー部材がアクチュエータに設けられていることが開示されている。

概要

本発明は、アクチュエータ(1)を駆動する方法であって、以下の工程(a)および工程(b)を具備する:(a)アクチュエータ(1)に張力を印加する工程、ここで、アクチュエータ(1)は繊維(110)およびコード(120)を具備し、繊維(110)は、その長軸周りに沿って捩じられており、繊維(110)は、円筒状のコイルの形状を有するように折り畳まれており、繊維(110)は、加熱によりコイルの中心軸方向に沿って縮み、かつ放熱により復元し、繊維(110)は、結晶性高分子から形成されており、繊維(110)の一端は、コード(120)の一端に固定されており、繊維(110)の他端は、コード(120)の他端に固定されており、コード(120)は、繊維(110)の自然長よりも長く、張力は、繊維(110)の長さがコード(120)の長さと等しくなるように、コイルの中心軸方向に沿って印加され、かつ(b)繊維(110)を加熱して、繊維(110)を収縮させる工程。これにより、毎回、予め定められた収縮率でアクチュエータ(1)は加熱時に収縮する。

目的

本発明の目的は、毎回、予め定められた収縮率で加熱時に収縮するアクチュエータを駆動する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

アクチュエータを駆動する方法であって、以下の工程(a)前記アクチュエータに張力印加する工程、ここで、前記アクチュエータは繊維およびコードを具備し、前記繊維は、その長軸周りに沿って捩じられており、前記繊維は、円筒状のコイルの形状を有するように折り畳まれており、前記繊維は、加熱により前記コイルの中心軸方向に沿って縮み、かつ放熱により復元し、前記繊維は、結晶性高分子から形成されており、前記繊維の一端は、前記コードの一端に固定されており、前記繊維の他端は、前記コードの他端に固定されており、前記コードは、前記繊維の自然長よりも長く、ここで、前記自然長は、放熱により復元され、かつ前記張力が印加されていない前記繊維の長さであり、前記張力は、前記繊維の長さが前記コードの長さと等しくなるように、前記コイルの前記中心軸方向に沿って印加され、かつ(b)前記繊維を加熱して、前記繊維を収縮させる工程を具備する、方法。

請求項2

請求項1に記載の方法であって、前記コードの長さは、張力が予め印加された前記繊維が加熱されたときの前記繊維の収縮率に基づいて、調整されている、方法。

請求項3

請求項1に記載の方法であって、前記コードの長さは、以下の数式(I)で示される前記繊維の収縮率Dから得られる前記繊維の長さL0に基づいて調整されており、L0=L1/D(I)ここで、L0は前記繊維の加熱前に所定値の張力Tが、前記コイルの前記中心軸方向に沿って印加されたときの前記繊維の長さを示し、かつL1は前記所定値の張力Tを維持しながら、前記繊維を加熱して前記繊維が収縮したときの前記繊維の長さを示す、方法。

請求項4

請求項1に記載の方法であって、前記繊維の加熱前における(1)前記コイルの前記中心軸方向に沿って前記繊維に印加される所定値の張力Tおよび(2)前記所定値の張力Tが前記コイルの前記中心軸方向に沿って印加されたときの前記繊維の長さL0、前記繊維の加熱時における(3)前記所定値の張力Tを維持しながら、前記繊維が収縮したときの前記繊維の長さL1、(4)収縮率D=L1/L0、前記コードの長さは、(1)から(4)が対応づけられた表に基づいて、前記収縮率Dが得られる前記コイルの長さL0と等しい長さに調整されている、方法。

請求項5

請求項1に記載の方法であって、前記繊維は、直鎖状低密度ポリエチレンからなり、かつ以下の数式(I)が充足される:D/d<1(I)ここで、Dは、前記円筒状のコイルの平均直径を表し、かつdは、前記繊維の直径を表す、方法。

請求項6

請求項1に記載の方法であって、前記工程(b)において、前記繊維は、摂氏30度を超えて摂氏70度以下の温度に加熱される、方法。

請求項7

請求項1に記載の方法であって、さらに以下の工程(c)前記工程(b)の後に、前記繊維を冷却して復元する工程を具備する、方法。

請求項8

請求項7に記載の方法であって、前記工程(c)において、前記繊維は、摂氏30度以下の温度まで冷却される、方法。

請求項9

請求項7に記載の方法であって、前記工程(b)および前記工程(c)が繰り返される、方法。

請求項10

請求項1に記載の方法であって、以下の数式(II)7MPa≦(前記張力/前記繊維の断面積)≦30MPa(II)が充足される、方法。

請求項11

請求項1に記載の方法であって、以下の数式(III)7MPa≦(前記張力/前記繊維の断面積)≦12MPa(III)が充足される、方法。

請求項12

請求項1に記載の方法であって、前記コードは、前記繊維の自然長の112.5%以上かつ153.5%以下の長さを有する、方法。

請求項13

請求項1に記載の方法であって、前記コードは、前記繊維の自然長の112.5%以上かつ121.4%以下の長さを有する、方法。

請求項14

アクチュエータであって、以下を具備する:繊維、およびコード、ここで、前記繊維は、その長軸の周りに沿って捩じられており、前記繊維は、円筒状のコイルの形状を有するように折り畳まれており、前記繊維は、加熱により前記コイルの中心軸方向に沿って縮み、かつ放熱により復元し、前記繊維は、結晶性高分子から形成されており、前記繊維の一端は、前記コードの一端に固定されており、前記繊維の他端は、前記コードの他端に固定されており、かつ前記コードは、前記繊維の自然長よりも長く、ここで、前記自然長は、放熱により復元され、かつ前記張力が印加されていない前記繊維の長さである、アクチュエータ。

請求項15

請求項14に記載のアクチュエータであって、前記コードの長さは、張力が予め印加された前記繊維が加熱されたときの前記繊維の収縮率に基づいて、調整されている、アクチュエータ。

請求項16

請求項14に記載のアクチュエータであって、前記繊維は、直鎖状低密度ポリエチレンからなり、かつ以下の数式(II)D/d<1(II)ここで、Dは、前記円筒状のコイルの平均直径を表し、かつdは、前記繊維の直径を表す、が充足される、アクチュエータ。

請求項17

請求項14に記載のアクチュエータであって、前記コードは、前記繊維の自然長の112.5%以上かつ153.5%以下の長さを有する、アクチュエータ。

請求項18

請求項14に記載のアクチュエータであって、前記コードは、前記繊維の自然長の112.5%以上かつ121.4%以下の長さを有する、アクチュエータ。

請求項19

請求項14に記載のアクチュエータであって、前記繊維を加熱することが可能な加熱装置をさらに具備する、アクチュエータ。

請求項20

繊維およびコードを具備するアクチュエータを製造する方法であって、以下の工程(a)前記繊維に所望される収縮率に応じて決定された長さを有する前記コードを得る工程、ここで、前記繊維は、その長軸の周りに沿って捩じられており、前記繊維は、円筒状のコイルの形状を有するように折り畳まれており、前記繊維は、加熱により前記コイルの中心軸方向に沿って縮み、かつ放熱により復元し、前記コードの長さは、加熱前に予め前記繊維に印加された張力および加熱中の前記繊維の収縮率の関係を参照して決定され、前記繊維の収縮率は、加熱により収縮した前記繊維の長さの放熱により復元された前記繊維の長さに対する比に等しく、かつ、前記コードは、放熱により復元された前記繊維よりも長く、かつ(b)前記コードの両端を前記繊維の両端に固定することにより、前記アクチュエータを得る工程、を具備する、方法。

技術分野

0001

本発明は、アクチュエータを駆動する方法、アクチュエータ、およびアクチュエータを製造する方法に関する。

背景技術

0002

特許文献1は、コイル状および非コイル状ナノファイバー撚糸およびポリマーファイバーねじりおよび引張アクチュエータを開示している。

0003

非特許文献1は、直鎖状低密度ポリエチレンから形成されているコイル状ポリマー繊維を開示している。非特許文献1によれば、当該コイル状ポリマー繊維は、加熱により縮み、かつ放熱により復元する。非特許文献1は、加熱前にその軸方向に沿って張力がコイル状ポリマー繊維に印加され、その印加される張力の大きさによって、加熱時におけるコイル状ポリマー繊維の収縮率(すなわち、加熱により収縮したコイル状ポリマー繊維の長さ/放熱により復元されたアクチュエータ本体の長さ)が異なることを開示している。

0004

特許文献2は、軸方向に収縮可能なアクチュエータを開示している。

0005

特許文献3は、形状記憶合金アクチュエータおよびマッサージ器を開示している。特許文献3の段落番号0020においては、棒状部材係合部の距離を与圧付与方向に規制する非弾性体からなるコード状ストッパー部材がアクチュエータに設けられていることが開示されている。

0006

国際公開第2014/022667号
米国特許第4733603号明細書
特開2005−155388号公報
特許第6111438号公報

先行技術

0007

Maki Hiraoka et. al. ”Power−efficient low−temperature woven coiled fibre actuator for wearable applications” Scientific Reports volume 6, Article number: 36358 (2016)

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の目的は、毎回、予め定められた収縮率で加熱時に収縮するアクチュエータを駆動する方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

本発明に係るアクチュエータを駆動する方法は、以下を具備する: アクチュエータを駆動する方法であって、以下を具備する: (a)前記アクチュエータに張力を印加する工程、 ここで、 前記アクチュエータは繊維およびコードを具備し、 前記繊維は、その長軸周りに沿って捩じられており、 前記繊維は、円筒状のコイルの形状を有するように折り畳まれており、 前記繊維は、加熱により前記コイルの中心軸方向に沿って縮み、かつ放熱により復元し、 前記繊維は、結晶性高分子から形成されており、 前記繊維の一端は、前記コードの一端に固定されており、 前記繊維の他端は、前記コードの他端に固定されており、 前記コードは、前記繊維の自然長よりも長く、 ここで、前記自然長は、放熱により復元され、かつ前記張力が印加されていない前記繊維の長さであり、 前記張力は、前記繊維の長さが前記コードの長さと等しくなるように、前記コイルの前記中心軸方向に沿って印加され、かつ (b)前記繊維を加熱して、前記繊維を収縮させる工程。

発明の効果

0010

本発明によるアクチュエータの使用時には、コイル状ポリマー繊維に張力が印加される。加熱前のコイル状ポリマー繊維の伸びは当該張力に依存する。コイル状ポリマー繊維の収縮率もまた、当該張力に依存する。

0011

張力がコイル状ポリマー繊維にそのコイルの中心軸方向に沿って印加されたときに、コードはストッパーとして機能し、コイル状ポリマー繊維の長さはコードの長さに等しくなる。そのため、加熱前に一定の張力がコイル状ポリマー繊維に毎回、印加される。したがって、毎回、加熱時に同一の収縮率でコイル状ポリマー繊維は収縮する。その結果、アクチュエータは、毎回、加熱時に常に同一の収縮量変位する。

0012

一方、コードがない場合には、加熱前にコイル状ポリマー繊維に印加される張力は毎回異なる可能性がある。したがって、毎回、加熱時に同一の収縮率でコイル状ポリマー繊維は収縮するとは限らない。その結果、アクチュエータは、毎回、加熱時に常に同一の収縮量で変位するとは限らない。

0013

本発明は、毎回、予め定められた収縮率で加熱時に収縮するアクチュエータを駆動する方法を提供する。

図面の簡単な説明

0014

図1は、第1実施形態によるアクチュエータ1の模式図を示す。
図2Aは、天井170に一端が固定された繊維110の模式図を示す。
図2Bは、重り180が他端に取り付けられた繊維110の模式図を示す。
図2Cは、加熱時の繊維110の模式図を示す。
図3は、張力および収縮率の間の関係の一例を示すグラフである。
図4Aは、天井170に一端が固定されたアクチュエータ1の模式図を示す。
図4Bは、張力400が印加されたアクチュエータ1の模式図を示す。
図4Cは、加熱時のアクチュエータ1の模式図を示す。
図5は、第2実施形態によるアクチュエータ1の模式図を示す。
図6は、第3実施形態によるマッサージ機器6の模式図を示す。
図7Aは、加熱前における、マッサージ機器6が太腿800に取り付けられた状態の模式図を示す。
図7Bは、加熱時における、マッサージ機器6が太腿800に取り付けられた状態の模式図を示す。
図8は、第4実施形態によるマッサージ機器6の模式図を示す。
図9Aは、捩られておらず、かつ折りたたまれていない繊維9111aの模式図を示す。
図9Bは、図9Aの9B−9B線における、繊維9111aの断面を示す模式図である。
図10Aは、TMA装置における加熱前の繊維110の状態を示す模式図である。
図10Bは、TMA装置における加熱時の繊維110の状態を示す模式図である。
図11は、サイクル特性の評価において用いられた試験装置の模式図を示す。
図12は、特許文献4における、捩られており、かつ折りたたまれた繊維9111cの模式図を示す。
図13Aは、張力が印加されていない結晶性高分子の模式図を示す。
図13Bは、張力が印加された結晶性高分子の模式図を示す。

実施例

0015

(第1実施形態) 以下、本発明の実施形態が図面を参照しながら詳細に説明される。

0016

図1は、第1実施形態によるアクチュエータ1の模式図を示す。第1実施形態によるアクチュエータ1は、繊維110、コード120、第1固定端子130a、および第2固定端子130bを具備する。(アクチュエータ1の製造方法) 以下、本発明によるアクチュエータ1の製造方法が説明される。

0017

繊維110の製造方法の詳細は、本特許出願に先行する特許文献4を参照せよ。特許文献4(すなわち、特許第6111438号)、特許文献4に対応する米国特許出願15/245,145、中国特許出願201680000857.0、および欧州特許出願16767126.2は本願に参照として援用される。繊維110は、非特許文献1に開示されている。本明細書において用いられる用語「繊維110」は、当該特許文献4において用いられる用語「繊維」に対応する。

0018

コード120は、以下のようにして、用意される。

0019

まず、図2Aに示されるように、繊維110の一端が天井170に固定される。なお、繊維110は結晶性高分子からなる。

0020

次に、図2Bに示されるように、重り180が繊維110の他端に取り付けられる。これにより、張力T1が繊維110に印加される。この時の繊維110の長さL11が測定される。

0021

次に、図2Cに示されるように、ヒーター301を用いて繊維110が加熱されると、繊維110が収縮する。このときの繊維110の長さL21が測定される。ヒーター301としては、例えば、近赤外線放射を利用したヒーターまたは温風をコイルに吹き付ける温風機を用いることができる。

0022

繊維110の長さL21に基づいて収縮率D1(すなわち、L21/L11)が算出される。

0023

このようにして、張力T1および収縮率D1の間の関係が調べられる。

0024

同様に、張力T1とは異なる複数の張力(T2、T3、T4、・・・)のそれぞれに関して、張力および収縮率の間の関係が調べられる。

0025

以上により、張力および収縮率の間の関係が把握される。表1はその関係の一例を示す。

0026

0027

図3は、張力および収縮率の間の関係の一例を示すグラフである。

0028

繊維110の収縮率は、図3に示されるように、ある張力(図3ではT3)において極小値を持つと考えられる。これは、張力が小さすぎる場合または張力が大きすぎる場合は、繊維110の収縮率が大きいと考えられるからである。ここで、「繊維110の収縮率が大きい」とは、加熱前の張力が印加された繊維110の長さに対する、加熱時の繊維110の収縮量が小さいことを意味する。

0029

張力が小さすぎる場合、コイルの形状を有する繊維110のコイル間の隙間が狭い。このため、繊維110の加熱時に繊維110が収縮する余地が乏しく、繊維110の収縮率が大きいと考えられる。

0030

図13Aは、張力が印加されていない繊維110内の結晶性高分子の模式図を示す。繊維110は、結晶性高分子からなる。結晶性高分子は、結晶性高分子の結晶1301、および結晶1301同士を繋いでいる非晶成分である高分子鎖1302からなる。繊維110は、高分子鎖1302の熱運動駆動源として収縮する。図13Aに示されるように、張力が印加されていない状態では、高分子鎖1302は弛んでいる。

0031

図13Bは、過大な張力(図3ではT6)が印加された繊維110内の結晶性高分子の模式図を示す。張力が大きすぎる場合、結晶1301同士を繋いでいる高分子鎖1302の弛みがなくなり、高分子鎖1302が張られた状態になる。これにより、高分子鎖1302の運動が制限され、繊維110の収縮率が大きいと考えられる。

0032

次に、表1を参照して、予め定められた収縮率(すなわち、所望の収縮率)に応じてコード120の長さが決定される。例えば、収縮率D1が所望の収縮率として選択される場合、十分な長さのコード120を切断して、長さがL11のコード120が用意される。以上のようにして、張力が予め印加された前記繊維110が加熱されたときの繊維110の収縮率に基づいて、長さが調整されたコード120が得られる。

0033

次に、第1固定端子130aおよび第2固定端子130b(例えば、丸形圧着端子)を用いて、コード120の両端は繊維110の両端に固定される。

0034

以上により、図1に示されるアクチュエータ1が得られる。

0035

(繊維110) 繊維110の詳細は、本特許出願に先行する特許文献4を参照せよ。

0036

当該特許文献4に開示されているように、繊維110は、直鎖状低密度ポリエチレンから形成されているコイル状ポリマー繊維から構成され得る。

0037

コイルの形状を有する繊維110は、加熱によりコイルの中心軸に沿って縮み、かつ、放熱により復元する。言い換えれば、繊維110は可逆的に伸縮可能である。一例として、10MPaの応力をその一端に印加された繊維110が摂氏90度に加熱されると、繊維110は、23%ほど縮む。繊維110が室温まで冷却されると、繊維110は元の長さになるように復元する。特許文献4にも開示されているように、繊維110は、例えば、摂氏30度以上摂氏100度以下の温度に加熱され得る。特許文献4の開示内容とは異なり、本発明においては、捩ることによりコイルの形状を有する繊維110を作製できる限り、コイル状ポリマー繊維の材質として、直鎖状低密度ポリエチレン以外の結晶性高分子も用いることができる。例えば、コイル状ポリマー繊維の材質は、ポリエチレン(例えば、低密度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレン)、ナイロン(例えば、ナイロン6、ナイロン6,6、またはナイロン12)、またはポリエステルでもよい。

0038

(コード120) コード120は、繊維110に隣接して設けられる。

0039

コード120は、繊維110の自然長よりも長い。ここで、繊維110の自然長とは、放熱により復元され、かつ張力が印加されていない繊維の長さを意味する。上述のように、コード120の長さは、張力が予め印加された繊維110が加熱されたときの繊維110の収縮率に基づいて、調整されている。

0040

コード120は、張力の印加または加熱によって、ほぼ伸縮しない材料から構成される。ここで、「ほぼ伸縮しない」とは、コード120の伸縮量が、繊維110の伸縮量と比較して、無視できる程度に小さいことを意味する。コード120として、例えば、電線金属線、または糸が挙げられる。

0041

(第1固定端子130aおよび第2固定端子130b) 第1固定端子130aは、繊維110の一端をコード120の一端に固定するために用いられる。同様に、第2固定端子130bは、繊維110の他端をコード120の他端に固定するために用いられる。

0042

第1固定端子130aおよび第2固定端子130bとして、例えば、フォーク型圧着端子または丸形の圧着端子が用いられ得る。(アクチュエータ1の駆動方法) まず、図4Aに示されるように、第1固定端子130aが天井170に固定される。

0043

次に、図4Bに示されるように、繊維110の長さがコード120の長さに等しくなるように、アクチュエータ1に張力400が繊維110のコイルの中心軸方向に沿って繊維110に印加される。このとき、コード120は張られている。なお、図4Bは、長さがL11のコード120が用いられる場合を示している。すなわち、表1によれば、図4Bは、所望の収縮率としてD1が選択される場合を示している。

0044

次に、図4Cに示されるように、ヒーター301により繊維110が加熱され、繊維110はコイルの中心軸方向に沿って収縮する。このとき、コード120は緩む。表1によれば、このときの繊維110の長さはL21であり、所望の収縮率D1が得られる。

0045

そして、加熱を止めると、繊維110は放熱によりコイルの中心軸方向に沿って伸び、図4Bに示される元通りの形状に戻る。言い換えると、繊維110は放熱により復元する。

0046

これらの収縮および復元は繰り返され得る。

0047

以上のように、繊維110の長さがコード120の長さと等しくなるように、繊維110の加熱前に繊維110を伸張することで、加熱前に一定の張力が繊維110に毎回、印加される。したがって、毎回、加熱時に同一の収縮率で繊維110は収縮する。その結果、アクチュエータ1は、毎回、加熱時に常に同一の変位量で変位する。

0048

なお、加熱前の繊維110の長さがコード120の長さとほぼ等しければ、すなわち、コード120がわずかながら緩んでいても、おおよそ所望の収縮率で繊維110の加熱時に繊維110が収縮する。ここで、「コード120がわずかながら緩んでいる」とは、コイルの中心軸方向のコード120の長さが、コード120が張られているときの長さの98%以上であり、かつ、コード120が張られているときのその長さよりも小さいことを意味する。

0049

言うまでもないが、アクチュエータ1がコード120を具備しない場合、引張り応力が小さすぎ、または、引張り応力が大きすぎたりし、加熱前に繊維110に印加される張力は毎回異なる可能性がある。したがって、毎回、加熱時に同一の収縮率で繊維110は収縮するとは限らない。その結果、アクチュエータ1は、毎回、加熱時に常に同一の収縮量で変位するとは限らない。(第2実施形態)図5は、第2実施形態によるアクチュエータ1の模式図を示す。第2実施形態によるアクチュエータ1は、さらに加熱装置を有する。

0050

加熱装置は、電熱線501および電源502を具備する。

0051

電熱線501は、繊維110の外周部に接するように螺旋状に繊維110に巻きつけられている。

0052

電熱線501は、例えば、金属または導電性ポリマーからなる。電熱線の形状の例は、糸または薄い板である。電熱線501の強度を高めるために、伸ばすことのできる樹脂、例えば、熱可塑性樹脂からなるフィルムを用いて電熱線501の側面がコートされ得る。

0053

電源502は、電熱線501に電力を供給するために用いられる。電力を供給することにより電熱線501は発熱する。これにより繊維110が加熱される。(第3実施形態) 第3実施形態では、第2実施形態によるアクチュエータ1を具備するマッサージ機器6が説明される。

0054

図6は、第3実施形態によるマッサージ機器6の模式図を示す。

0055

マッサージ機器6は、第2実施形態によるアクチュエータ1および連結器601を具備する。

0056

連結器601は一対の連結部を具備する。連結器601として、例えば、面ファスナーが用いられ得る。この場合、一方の連結部601aは、多数のフック状の突起を表面に有するフック表面を有し、かつ他方の連結部601bは、多数のループ状の突起を表面に有するループ表面を有する。フック表面をループ表面に押し付けることで、一方の連結部601aが他方の連結部601bに連結される。一方の連結部601aに対する他方の連結部601bの連結箇所の調整が可能である。

0057

第1固定端子130aは、一方の連結部601aに、例えば、図示しないボルトおよびナットを用いて接続されている。同様に第2固定端子130bは、他方の連結部601bに接続されている。

0058

マッサージ機器6は、一方の連結部601aを他方の連結部601bに連結させることにより人体に装着される。装着の際に、繊維110の長さがコード120の長さと等しくなるように繊維110を伸長させることで、加熱前に一定の張力が繊維110に毎回、印加される。したがって、毎回、加熱時に同一の収縮率で繊維110は収縮する。その結果、アクチュエータ1は、毎回、加熱時に常に同一の収縮量で変位する。

0059

図7Aおよび図7Bは、マッサージ機器6の使用態様を示す。なお、図7Aおよび図7Bにおいては、マッサージ機器6は、6本のアクチュエータ1を具備する。また、図7Aおよび図7Bにおいては、コード120、第1固定端子130a、第2固定端子130b、電熱線501、および電源502は省略されている。

0060

図7Aは、加熱前における、マッサージ機器6が太腿800に取り付けられた状態を示す。加熱により、各アクチュエータ1の繊維110が収縮する。その結果、図7Bに示されるように、太腿800の内側に向かって太腿800を締め付ける力が発生する。

0061

なお、加熱前の繊維110の長さがコード120の長さとほぼ等しければ、すなわち、コード120がわずかながら緩んでいても、おおよそ所望の収縮率でコイルの加熱時に繊維110が収縮する。また、マッサージ機器6は太腿800以外の部位、例えば、ふくらはぎにも取り付けられうる。

0062

マッサージ機器6を人体に装着する度に、所望の張力をアクチュエータ1に印加することが必要であるが、アクチュエータ1がコード120を具備しない場合、加熱前に繊維110に印加される張力は毎回異なる可能性がある。これは、張力が印加されたときの加熱前のアクチュエータ1の長さが一定にならないためである。したがって、毎回、加熱時に同一の収縮率で繊維110は収縮するとは限らない。その結果、アクチュエータ1は、毎回、加熱時に常に同一の収縮量で変位するとは限らない。(第4実施形態)図8は、第4実施形態によるマッサージ機器6の模式図を示す。第4実施形態によるマッサージ機器6は、3本のアクチュエータ1を具備することを除いては、第3実施形態によるマッサージ機器6と同様の構成を有する。なお、図8においては、電熱線501および電源502は省略されている。この場合、例えば、1本のコード120が張られていて、他の2本のコード120がわずかながら弛んでいる状態でも、おおよそ所望の収縮率を得ることができる。

0063

なお、各アクチュエータ1がコード120を具備する必要はなく、マッサージ機器6は少なくとも1本のコード120を具備すればよい。

0064

(実施例) 以下、本発明が実施例を参照しながら、より詳細に説明される。(実施例)(実験例1A)<繊維110の作製> 特許文献4(すなわち、特許第6111438号)の開示内容に従って、本発明者らはコイルの形状を有する繊維9111c(図12参照)を得た。なお、以下において、繊維9111cは繊維110とも称される。繊維110の自然長、すなわち、長さL3は、100mmであった。コイル化前の繊維110の断面積、すなわち、繊維9111aの中心軸9111LA方向に垂直な断面(図9Aおよび図9B参照)の面積Sは0.0113mm2であった。<引張応力および収縮率の間の関係の把握> 繊維110の収縮量がThermomechanical Analysis(TMA)装置を用いて測定された。

0065

具体的には、まず、図10Aに示されるように、TMA装置のチャック部401および402のそれぞれに繊維110の一端および他端が固定され、繊維110に3.5gの荷重、すなわち、3MPaの引張り応力が印加された状態になるまで、張力発生部404によって、チャック部401およびプローブ403を介して繊維110に引張り応力が印加された。この時の繊維110の長さL11は、105.3mmであった。

0066

なお、本明細書では、引張り応力は、以下の数式(I)によって定義される。

0067

引張り応力(Pa)=F/S (I)ここで、Fは繊維110に印加される張力を示し、Sはコイル化前の繊維110の断面積(図10B参照)を示す。

0068

次に、繊維110はヒーター405により加熱された。1200秒間の加熱により、繊維110の温度は30℃から70℃へと変化した。

0069

図10Bに示されるように、加熱により繊維110は収縮した。加熱時の繊維110の最大の収縮量ΔLは変位検出部406により測定された。収縮量ΔLは5.26mmであった。ここで、収縮量ΔLは、以下の数式(II)で定義される。

0070

収縮量ΔL=L11−L21 (II)ここで、L11は引張り応力が印加された加熱前の繊維110の長さを示し、L21は加熱時の繊維110の長さを示す。アクチュエータ1の収縮率は0.95であった。(実験例1B) 7MPaの引張り応力(すなわち、8.1gの荷重)が実験例1Aによる繊維110に印加されたこと以外は、実験例1Aと同様の実験が行われた。

0071

7MPaの引張り応力が加熱前の繊維110に印加された時の繊維110の長さは112.5mmであった。繊維110が加熱された時の収縮量ΔLは7.87mmであり、繊維110の収縮率は0.93であった。(実験例1C) 10MPaの引張り応力(すなわち、11.5gの荷重)が実験例1Aによる繊維110に印加されたこと以外は、実験例1Aと同様の実験が行われた。

0072

10MPaの引張り応力が加熱前の繊維110に印加された時の繊維110の長さは117.9mmであった。繊維110が加熱された時の収縮量ΔLは10.61mmであり、繊維110の収縮率は0.91であった。(実験例1D) 12MPaの引張り応力(すなわち、13.8gの荷重)が実験例1Aによる繊維110に印加されたこと以外は、実験例1Aと同様の実験が行われた。

0073

12MPaの引張り応力が加熱前の繊維110に印加された時の繊維110の長さは121.4mmであった。繊維110が加熱された時の収縮量ΔLは12.14mmであり、繊維110の収縮率は0.90であった。(実験例1E) 14MPaの引張り応力(すなわち、16.2gの荷重)が実験例1Aによる繊維110に印加されたこと以外は、実験例1Aと同様の実験が行われた。

0074

14MPaの引張り応力が加熱前の繊維110に印加された時の繊維110の長さは125mmであった。繊維110が加熱された時の収縮量ΔLは10.62mmであり、繊維110の収縮率は0.915であった。(実験例1F) 30MPaの引張り応力(すなわち、34.6gの荷重)が実験例1Aによる繊維110に印加されたこと以外は、実験例1Aと同様の実験が行われた。

0075

30MPaの引張り応力が加熱前の繊維110に印加された時の繊維110の長さは153.5mmであった。繊維110が加熱された時の収縮量ΔLは10.43mmであり、繊維110の収縮率は0.932であった。(実験例1G) 40MPaの引張り応力(すなわち、46.1gの荷重)が実験例1Aによる繊維110に印加されたこと以外は、実験例1Aと同様の実験が行われた。

0076

40MPaの引張り応力が加熱前の繊維110に印加された時の繊維110の長さは171.4mmであった。繊維110が加熱された時の収縮量ΔLは8.57mmであり、繊維110の収縮率は0.95であった。(実験例1H) 50MPaの引張り応力(すなわち、57.6gの荷重)が実験例1Aによる繊維110に印加されたこと以外は、実験例1Aと同様の実験が行われた。

0077

50MPaの引張り応力が加熱前の繊維110に印加された時の繊維110の長さは189.3mmであった。繊維110が加熱された時の収縮量ΔLは7.57mmであり、繊維110の収縮率は0.96であった。

0078

実験例1A〜1Hの実験結果が、表2に示される。

0079

0080

表2に示されるように、加熱前にアクチュエータ1に印加する引張り応力の大きさにより、加熱時のアクチュエータ1の収縮率は異なった。

0081

具体的には、表2に示されるように、引張り応力が小さすぎる場合(すなわち、実験例1Aの場合)または引張り応力が大きすぎる場合(すなわち、実験例1Gおよび1Hの場合)は、収縮率は0.95程度と高い値に留まった。すなわち、加熱前の繊維110の長さに対する加熱時の繊維110の収縮量の割合は小さかった。一方、引張り応力が7MPa〜30MPaの場合(すなわち、実験例1B〜1Fの場合)、収縮率は0.95より低かった。すなわち、加熱前の繊維110の長さに対する加熱時の繊維100の収縮量の割合は大きかった。

0082

以上のようにして、引張り応力および収縮率の間の関係が把握された。<コード120の作製> コード120として、電線(潤工社から購入)が用いられた。

0083

コード120の長さは、上述の引張り応力および収縮率の間の関係を参照して、以下のように決定された。一例として、0.90の収縮率が所望の収縮率として選択された。表2を参照して、この収縮率に対応する加熱前の繊維の長さL11(すなわち、121.4mm)がコード120の長さとして決定された。

0084

十分な長さの電線を切断することにより、長さL11と等しい長さ(すなわち、121.4mm)を有するように調整されたコード120が作製された。

0085

以上のようにして、張力が予め印加された繊維110が加熱されたときの繊維110の収縮率に基づいて、長さが調整されたコード120が得られた。<繊維110およびコード120の固定> 第1固定端子130aとして丸形の第1圧着端子が用いられた。第2固定端子130bとして丸形の第2圧着端子が用いられた。繊維110の一端およびコード120の一端が揃うように第1圧着端子のワイヤーバレル部131aは圧着ペンチを用いてかしめられ、繊維110の一端およびコード120の一端は固定された。同様に、繊維110の他端およびコード120の他端は第2圧着端子を用いて固定された。

0086

以上のようにして、アクチュエータ1が得られた。<アクチュエータ1の収縮率の確認> 加熱前に繊維110の長さがコード120の長さ(すなわち、121.4mm)と等しくなるように繊維110に引張り応力がアクチュエータ1に印加されたこと以外は、実験例1Aと同様に、アクチュエータ1の収縮量が測定され、その収縮率が算出された。収縮量ΔLは12.14mmであり、アクチュエータ1の収縮率は0.90であった。この結果は、表2に示される実験例1Dの結果に一致した。

0087

このように、本実施例によるアクチュエータ1の加熱前に繊維110の長さがコード120の長さと等しくなるように所定の張力を印加することで、加熱時に所望の収縮率でアクチュエータ1を変位させることができた。

0088

アクチュエータ1がマッサージ機器6に適用される場合、より高いマッサージの効果を得るには、アクチュエータ1の収縮率は0.95より低いことが望ましい。

0089

以上から、0.95より低い収縮率を得るには、所望の引張り応力(すなわち、上述の実験では7MPa以上かつ30MPa以下)をアクチュエータ1に印加することが必要である。

0090

実験例1A〜1Hにおいて、上述のように、自然長が100mmである繊維110が用いられた。従って、表2によれば、7MPa以上かつ30MPa以下の引張り応力を印加するには、繊維110の自然長の112.5%以上かつ153.5%以下の長さを有するコード120を用いればよい。<サイクル特性の確認> 実験例1C、1D、および1Eのアクチュエータ1のそれぞれのサイクル特性が、以下の動作試験によって確認された。(実験例1Cのアクチュエータ1)図11は、サイクル特性の評価において用いられた試験装置の模式図を示す。

0091

第1固定端子130aは天井170に固定された。第2固定端子130bには、11.5gの重り180が取り付けられた。重り180により、図11に示されるように、コード120は張られ、繊維110に10MPaが印加された。アクチュエータ1の側には、繊維110の加熱に用いられるコーツヒーター1201(坂口伝熱株式会社より購入、商品名「NSP01」)、および繊維110の冷却に用いられるファン1202が配置された。試験装置の周囲には、外部の影響、例えば、空気の流れの影響を低減するために囲い(図示なし)が設けられた。また、繊維110の近傍の温度を測定するために、加熱により伸縮しない繊維(図示なし)を繊維110の近傍に設け、その繊維に対して熱電対(安立計器株式会社より購入、商品名「SF−K−100−ANP」、図示なし)が取り付けられた。

0092

次に、繊維110の加熱および冷却のサイクルが1万回繰り返された。

0093

具体的には、まず、コーツヒーター1201により繊維110は4.8秒間加熱された。コーツヒーター1201の熱源域は130mmであるため、繊維110の全体をほぼ均一に加熱することができる。加熱により、繊維110の近傍の温度は、30℃から70℃へと変化した。

0094

次に、加熱後、コーツヒーター1201はエアーシリンダー(図示なし)によって繊維110から離れる方向に移動され、ファン1202の風によって繊維110は冷却された。冷却時間は15秒であった。冷却により、繊維の近傍の温度は70℃から30℃へと変化した。

0095

これらの加熱および冷却が交互に1万回繰り返された。動作試験中、レーザー変位系190(株式会社キーエンスより購入、商品名「IL−100」)を用いて、重り180の下面にレーザー光照射することにより繊維110の収縮量がモニターされた。

0096

上述の動作試験の後、繊維110の長さは100.3mmであった。動作試験前の繊維110の自然長L3(すなわち、100mm)に対する、動作試験後の繊維110の長さの変化率は0.3%であった。(実験例1Dのアクチュエータ) 13.8gの重り180が用いられたこと、すなわち、繊維110に12MPaが印加されたこと以外は、上述の動作試験と同様に実験が行われた。その結果、繊維110の長さは101mmであった。動作試験後の繊維110の長さの変化率は1%であった。(実験例1Eのアクチュエータ) 16.2gの重り180が用いられたこと、すなわち、繊維110に14MPaが印加されたこと以外は、上述の動作試験と同様に実験が行われた。その結果、繊維110の長さは104mmであった。動作試験後の繊維110の長さの変化率は4%であった。

0097

動作試験の結果が、表3に示される。

0098

0099

実験例1Cおよび実験例1Dのアクチュエータ1の全長の変化率は1%以下であり、それらのサイクル特性、すなわち耐久性は優れている。一方、実験例1Eのアクチュエータ1の全長の変化率は4%もあり、その耐久性は劣っている。

0100

なお、実験例1A、1B、および、1F〜1Hのアクチュエータ1は、動作試験に供されていない。引張り応力が大きいほど、全長の変化率は大きいと考えられる。このため、実験例1Cの結果から実施例1Aおよび1Bのアクチュエータ1の全長の変化率は0.3%以下であると推測される。また、実験例1Eの結果から実施例1F〜1Hのアクチュエータ1の全長の変化率は4%以上であると推測される。

0101

以上から、アクチュエータ1の耐久性の観点からは引張り応力は12MPa以下であることが望ましい。さらに、低い収縮率と優れた耐久性を両立するには、引張り応力は7MPa以上かつ12MPa以下であることが望ましい。

0102

実験例1A〜1Hにおいて、上述のように、自然長が100mmである繊維110が用いられた。従って、表3によれば、7MPa以上かつ12MPa以下の引張り応力を印加するには、繊維110の自然長の112.5%以上かつ125%以下の長さを有するコードを用いればよい。

0103

本発明によるアクチュエータは、人工筋肉として用いられ得る。本発明によるアクチュエータを備える製品の例としては、人体に装着することが可能なマッサージ機器が挙げられる。

0104

このマッサージ機器は、以下を具備する:アクチュエータ、 一対の連結部を具備する連結器、および加熱装置、ここで、前記アクチュエータは繊維およびコードを具備し、 前記繊維は、その長軸の周りに沿って捩じられており、 前記繊維は、円筒状のコイルの形状を有するように折り畳まれており、 前記繊維は、加熱により前記コイルの中心軸方向に沿って縮み、かつ放熱により復元し、 前記繊維は、結晶性高分子から形成されており、 前記繊維の一端は、前記コードの一端に固定されており、 前記繊維の他端は、前記コードの他端に固定されており、 前記コードは、前記繊維の自然長よりも長く、 ここで、前記自然長は、放熱により復元され、かつ、前記張力が印加されていない前記繊維の長さであり、 前記アクチュエータの一端は、前記一対の連結部の一方に接続されており、 前記アクチュエータの他端は、前記一対の連結部の他方に接続されており、 前記一対の連結部の一方に対する、前記一対の連結部の他方の連結箇所は調整可能であり、 前記繊維に前記張力を印加し、前記繊維の長さが前記コードの長さと等しくなるように前記繊維を伸長させ、前記一対の連結部の一方が前記一対の連結部の他方に連結されることにより、前記マッサージ機器は前記人体に装着され、かつ、 前記張力が印加された前記繊維は、前記加熱装置によって加熱されることにより縮む。

0105

1アクチュエータ6マッサージ機器110 繊維111a 1本のコイル状ポリマー繊維111b 他のコイル状ポリマー繊維120 コード130a 第1固定端子130b 第2固定端子131a,131bワイヤーバレル部170天井180重り301ヒーター400張力401,402チャック部403プローブ404 張力発生部405 ヒーター406変位検出部501電熱線502電源601連結器601a,601b 連結部800太腿1201 コーツヒーター1202ファン1301結晶1302 高分子鎖

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