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課題・解決手段

本発明は、安価であり、かつ高い効果を奏すると共に副作用の少ないがん治療予防方法を提供することを目的とする。 がんの治療又は寛解に使用するための、尿のアルカリ化剤ビタミンCとを含む組み合わせ医薬、あるいは尿のアルカリ化剤とビタミンCとメトホルミンとを含む組み合わせ医薬。

概要

背景

近年、抗ヒトPD−1モノクローナル抗体(ニボルマブ)を有効成分とする免疫チェックポイント阻害薬商品名:オプジーボ(登録商標))を利用したがん免疫療法が、様々ながん治療において高い効果を有することが確認・報告されており、従来の殺細胞性抗がん剤やがん分子標的薬を利用した治療法に次ぐ、新たながん治療法として注目されている。

その一方で、オプジーボの薬剤費が非常に高額である(一年間の一人当たりの薬剤費が2,000万円を超える)ことから、患者や国・自治体医療保険財政にとって大きな負担となっている。また、急速な高齢化医療の高度化に伴って、医療費は今後も増大していくことが見込まれている。

そのため、安価にかつ高い効果をもたらすがんの治療・予防方法が切望されている。

通常、正常細胞の細胞内pH(以下、「pHi」と記載)は、6.9〜7.2程度であり、その細胞外pH(以下、「pHe」と記載)は7.3〜7.4程度となっており、正常細胞のpHeはpHiと比べてアルカリ性となっている。一方、がん細胞のpHiは、7.1〜7.6程度であるところ、pHeは6.2〜6.9となっており、がん細胞のpHeはpHiと比べて酸性となっている。すなわち、がん細胞のpHi及びpHeのpH勾配は、正常細胞のそれとは逆転している。

がん細胞は正常細胞と比べて、解糖系亢進し、乳酸プロトン水素イオン)の産生が増大しており、産生された乳酸はモノカルボン酸トランスポーター(MCT)により、またプロトンはNa+/H+交換輸送体1(NHE−1)、Na+依存性HCO3−/Cl−交換器、H+/乳酸共輸送器により、積極的に細胞外へと排出される。この結果、がん細胞のpHeはpHiと比べて酸性化する。

pHiが高く、NHE−1の活性が増大した細胞においては、細胞の悪性化、細胞増殖がん遺伝子発現増殖因子の活性化、解糖系の亢進、DNA合成促進、細胞周期亢進、アポトーシス誘導の低下、細胞遊走、血管新生、がん転移薬剤耐性が高まり得ることが基礎研究にて報告されている(非特許文献1)。

また、がん細胞においては、NHE−1が活性化され、偽足の形成及び偽足先端へのタンパク質分解酵素を含むライソゾーム集合が促される。NHE−1のさらなる活性化により、がん細胞がアメーバー様に変貌し、また限局したライソゾームからのタンパク質分解酵素の分泌が促進され、がん細胞の組織外への浸潤を容易にする。このため、がん細胞の増殖が助長され得ることが基礎研究にて報告されている(非特許文献2)。

そして、ヒトの肺がん細胞のpHiが7.0から7.4に上昇した場合に、抗がん剤への薬剤耐性が著しく高まり、ドキソルビシン塩酸塩(商品名:アドリアマイシン(登録商標))に対する抵抗性が2,000倍も高くなったことが基礎研究にて報告されている(非特許文献3)。

非特許文献4には、血漿中の炭酸水素ナトリウム濃度緩慢に上昇させることにより、がん細胞のpHeを酸性側からアルカリ側に傾けることが可能であり、その結果として、がん細胞の増殖や浸潤を抑制できる可能性があることが基礎研究の結果に基づいて報告されている。

ヒト大腸がんでは、その半数以上においてKRAS遺伝子BRAF遺伝子に変異が認められ、変異を有する大腸がんにおいては、上皮増殖因子受容体(EGFR)に作用するがん分子標的薬(例えば、セツキシマブ(商品名:アービタクス(登録商標))を用いた治療に抵抗を示すこと知られている。一方、KRAS遺伝子やBRAF遺伝子に変異を有する大腸がんの細胞は、高濃度ビタミンCと接触すると死滅することが、基礎研究にて報告されている(非特許文献5)。

また、ビグアナイド系糖尿病治療薬であるメトホルミンが、がん細胞の増殖を抑制し得、術後補助療法化学予防療法等の他の治療法と組み合わせて用い得るとの報告が有る(非特許文献6)。

さらに、糖尿病の患者を対象に、メトホルミンを服用していた場合とメトホルミンを服用しなかった場合とで膵臓がんの発生リスクを較べたところ、メトホルミンを服用していた場合に膵臓がんの発生リスクが62%低減すると結果が報告されている(非特許文献7)。

しかしながら、これまでに、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ化剤及びビタミンCの組み合せ、また、その組み合せにメトホルミンをさらに加えた組み合せを用いた治療が、がん患者を治療・寛解するのに有効であることを示す臨床的エビデンスは存在しない。

概要

本発明は、安価であり、かつ高い効果を奏すると共に副作用の少ないがんの治療・予防方法を提供することを目的とする。 がんの治療又は寛解に使用するための、尿のアルカリ化剤とビタミンCとを含む組み合わせ医薬、あるいは尿のアルカリ化剤とビタミンCとメトホルミンとを含む組み合わせ医薬。

目的

本発明は、安価であり、かつ高い効果を奏すると共に、副作用の少ないがんの治療・寛解方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

がん治療又は寛解に使用するための、尿のアルカリ化剤ビタミンCとを含む組み合わせ医薬

請求項2

請求項3

炭酸水素ナトリウムが3〜15g/日の用量にて経口投与される、請求項2に記載の医薬。

請求項4

ビタミンCが25〜50g/日の用量にて非経口投与される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬。

請求項5

さらに、メトホルミンを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬。

請求項6

メトホルミンが250mg〜500mg/日の用量にて経口投与される、請求項5に記載の医薬。

請求項7

さらに、抗がん剤を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬。

請求項8

がんが進行及び/又は末期のがんである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬。

請求項9

がんの治療又は寛解に使用するための、ビタミンCと併用投与される尿のアルカリ化剤を含む医薬組成物

請求項10

がんの治療又は寛解に使用するための、尿のアルカリ化剤と併用投与されるビタミンCを含む医薬組成物。

請求項11

がんの治療又は寛解に使用するための、尿のアルカリ化剤及びビタミンCと併用投与されるメトホルミンを含む医薬組成物。

請求項12

尿のアルカリ化剤が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムからなる群から選択される一又は二以上を含む、請求項9〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物。

請求項13

炭酸水素ナトリウムが3〜15g/日の用量にて経口投与される、請求項12に記載の医薬組成物。

請求項14

ビタミンCが25〜50g/日の用量にて非経口投与される、請求項9〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物。

請求項15

メトホルミンが250mg〜500mg/日の用量にて経口投与される、請求項11に記載の医薬組成物。

請求項16

抗がん剤と併用投与される請求項9〜15のいずれか1項に記載の医薬組成物。

請求項17

がんが進行及び/又は末期のがんである、請求項9〜16のいずれか1項に記載の医薬組成物。

請求項18

がんの治療又は寛解の方法において、ビタミンCと共に、使用するための尿のアルカリ化剤。

請求項19

尿のアルカリ化剤が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムからなる群から選択される一又は二以上を含む、請求項18に記載の尿のアルカリ化剤。

請求項20

炭酸水素ナトリウムが3〜15g/日の用量にて経口投与される、請求項19に記載の尿のアルカリ化剤。

請求項21

ビタミンCが25〜50g/日の用量にて非経口投与される、請求項18〜20のいずれか1項に記載の尿のアルカリ化剤。

請求項22

前記方法において、さらに抗がん剤と共に、使用するための請求項18〜21のいずれか1項に記載の尿のアルカリ化剤。

請求項23

がんが進行及び/又は末期のがんである、請求項18〜22のいずれか1項に記載の尿のアルカリ化剤。

請求項24

がんの治療又は寛解の方法において、尿のアルカリ化剤と共に、使用するためのビタミンC。

請求項25

25〜50g/日の用量にて非経口投与される、請求項24に記載のビタミンC。

請求項26

尿のアルカリ化剤が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムからなる群から選択される一又は二以上を含む、請求項24又は25に記載のビタミンC。

請求項27

炭酸水素ナトリウムが3〜15g/日の用量にて経口投与される、請求項26に記載のビタミンC。

請求項28

前記方法において、さらに抗がん剤と共に、使用するための請求項24〜27のいずれか1項に記載のビタミンC。

請求項29

がんが進行及び/又は末期のがんである、請求項24〜28のいずれか1項に記載のビタミンC。

請求項30

がんの治療又は寛解の方法において、尿のアルカリ化剤及びビタミンCと共に、使用するためのメトホルミン。

請求項31

250mg〜500mg/日の用量にて経口投与される、請求項30に記載のメトホルミン。

請求項32

ビタミンCが25〜50g/日の用量にて非経口投与される、請求項30又は31に記載のメトホルミン。

請求項33

尿のアルカリ化剤が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムからなる群から選択される一又は二以上を含む、請求項30〜32のいずれか1項に記載のメトホルミン。

請求項34

炭酸水素ナトリウムが3〜15g/日の用量にて経口投与される、請求項33に記載のメトホルミン。

請求項35

前記方法において、さらに抗がん剤と共に、使用するための請求項30〜34のいずれか1項に記載のメトホルミン。

請求項36

がんが進行及び/又は末期のがんである、請求項30〜35のいずれか1項に記載のメトホルミン。

請求項37

がんの治療又は寛解のための方法であって、がん患者に尿のアルカリ化剤とビタミンCとを投与することを含む、方法。

請求項38

尿のアルカリ化剤が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムからなる群から選択される一又は二以上を含む、請求項37に記載の方法。

請求項39

炭酸水素ナトリウムが3〜15g/日の用量にて経口投与される、請求項38に記載の方法。

請求項40

ビタミンCが25〜50g/日の用量にて非経口投与される、請求項37〜39のいずれか1項に記載の方法。

請求項41

さらに、メトホルミンを投与することを含む、請求項37〜40のいずれか1項に記載の方法。

請求項42

メトホルミンが250mg〜500mg/日の用量にて経口投与される、請求項41に記載の方法。

請求項43

さらに、抗がん剤を投与することを含む、請求項37〜42のいずれか1項に記載の方法。

請求項44

がんが進行及び/又は末期のがんである、請求項37〜43のいずれか1項に記載の方法。

請求項45

がん患者に尿のアルカリ化剤とビタミンCとを投与することを含むがんの治療又は寛解のための方法において使用するための医薬の製造における、尿のアルカリ化剤及び/又はビタミンCの使用。

請求項46

前記方法において、さらにメトホルミンを投与することを含む、請求項45に記載の使用。

請求項47

がん患者に尿のアルカリ化剤とビタミンCとメトホルミンとを投与することを含むがんの治療又は寛解のための方法において使用するための医薬の製造における、メトホルミンの使用。

請求項48

尿のアルカリ化剤が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムからなる群から選択される一又は二以上を含む、請求項45〜47のいずれか1項に記載の使用。

請求項49

炭酸水素ナトリウムが3〜15g/日の用量にて経口投与される、請求項48に記載の使用。

請求項50

ビタミンCが25〜50g/日の用量にて非経口投与される、請求項45〜49のいずれか1項に記載の使用。

請求項51

メトホルミンが250mg〜500mg/日の用量にて経口投与される、請求項46又は47に記載の使用。

請求項52

前記方法において、さらに抗がん剤を投与することを含む、請求項45〜51のいずれか1項に記載の使用。

請求項53

がんが進行及び/又は末期のがんである、請求項45〜52のいずれか1項に記載の使用。

技術分野

0001

本発明は、がん治療又は寛解のための尿のアルカリ化剤ビタミンCの組み合せの使用に関する。
また、本発明は、がんの治療又は寛解のための尿のアルカリ化剤とビタミンCとメトホルミンの組み合せの使用に関する。

背景技術

0002

近年、抗ヒトPD−1モノクローナル抗体(ニボルマブ)を有効成分とする免疫チェックポイント阻害薬商品名:オプジーボ(登録商標))を利用したがんの免疫療法が、様々ながん治療において高い効果を有することが確認・報告されており、従来の殺細胞性抗がん剤やがん分子標的薬を利用した治療法に次ぐ、新たながん治療法として注目されている。

0003

その一方で、オプジーボの薬剤費が非常に高額である(一年間の一人当たりの薬剤費が2,000万円を超える)ことから、患者や国・自治体医療保険財政にとって大きな負担となっている。また、急速な高齢化医療の高度化に伴って、医療費は今後も増大していくことが見込まれている。

0004

そのため、安価にかつ高い効果をもたらすがんの治療・予防方法が切望されている。

0005

通常、正常細胞の細胞内pH(以下、「pHi」と記載)は、6.9〜7.2程度であり、その細胞外pH(以下、「pHe」と記載)は7.3〜7.4程度となっており、正常細胞のpHeはpHiと比べてアルカリ性となっている。一方、がん細胞のpHiは、7.1〜7.6程度であるところ、pHeは6.2〜6.9となっており、がん細胞のpHeはpHiと比べて酸性となっている。すなわち、がん細胞のpHi及びpHeのpH勾配は、正常細胞のそれとは逆転している。

0006

がん細胞は正常細胞と比べて、解糖系亢進し、乳酸プロトン水素イオン)の産生が増大しており、産生された乳酸はモノカルボン酸トランスポーター(MCT)により、またプロトンはNa+/H+交換輸送体1(NHE−1)、Na+依存性HCO3−/Cl−交換器、H+/乳酸共輸送器により、積極的に細胞外へと排出される。この結果、がん細胞のpHeはpHiと比べて酸性化する。

0007

pHiが高く、NHE−1の活性が増大した細胞においては、細胞の悪性化、細胞増殖がん遺伝子発現増殖因子の活性化、解糖系の亢進、DNA合成促進、細胞周期亢進、アポトーシス誘導の低下、細胞遊走、血管新生、がん転移薬剤耐性が高まり得ることが基礎研究にて報告されている(非特許文献1)。

0008

また、がん細胞においては、NHE−1が活性化され、偽足の形成及び偽足先端へのタンパク質分解酵素を含むライソゾーム集合が促される。NHE−1のさらなる活性化により、がん細胞がアメーバー様に変貌し、また限局したライソゾームからのタンパク質分解酵素の分泌が促進され、がん細胞の組織外への浸潤を容易にする。このため、がん細胞の増殖が助長され得ることが基礎研究にて報告されている(非特許文献2)。

0009

そして、ヒトの肺がん細胞のpHiが7.0から7.4に上昇した場合に、抗がん剤への薬剤耐性が著しく高まり、ドキソルビシン塩酸塩(商品名:アドリアマイシン(登録商標))に対する抵抗性が2,000倍も高くなったことが基礎研究にて報告されている(非特許文献3)。

0010

非特許文献4には、血漿中の炭酸水素ナトリウム濃度緩慢に上昇させることにより、がん細胞のpHeを酸性側からアルカリ側に傾けることが可能であり、その結果として、がん細胞の増殖や浸潤を抑制できる可能性があることが基礎研究の結果に基づいて報告されている。

0011

ヒト大腸がんでは、その半数以上においてKRAS遺伝子BRAF遺伝子に変異が認められ、変異を有する大腸がんにおいては、上皮増殖因子受容体(EGFR)に作用するがん分子標的薬(例えば、セツキシマブ(商品名:アービタクス(登録商標))を用いた治療に抵抗を示すこと知られている。一方、KRAS遺伝子やBRAF遺伝子に変異を有する大腸がんの細胞は、高濃度のビタミンCと接触すると死滅することが、基礎研究にて報告されている(非特許文献5)。

0012

また、ビグアナイド系糖尿病治療薬であるメトホルミンが、がん細胞の増殖を抑制し得、術後補助療法化学予防療法等の他の治療法と組み合わせて用い得るとの報告が有る(非特許文献6)。

0013

さらに、糖尿病の患者を対象に、メトホルミンを服用していた場合とメトホルミンを服用しなかった場合とで膵臓がんの発生リスクを較べたところ、メトホルミンを服用していた場合に膵臓がんの発生リスクが62%低減すると結果が報告されている(非特許文献7)。

0014

しかしながら、これまでに、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ化剤及びビタミンCの組み合せ、また、その組み合せにメトホルミンをさらに加えた組み合せを用いた治療が、がん患者を治療・寛解するのに有効であることを示す臨床的エビデンスは存在しない。

先行技術

0015

S.Harguindey et al.,Biochimica et Biophysica Acta 1756(2005):1−24
Rosa A.Cardone et al.,Nature Reviews,Cancer 5(2005):786−795
H.G.Keizer et al.,J.Natl.Cancer Inst.81(1989):706−709
Ariosto S.Silva et al.,Cancer Research 69(2009):2677−2684
Jihye Yun et al.,Science 350(2015):1391−1396
Shumei Meng,J Endocrinol Diabetes Obes 2(2014):1030
Sai−Ching J.Yeung,Gastroenterology 137(2009):482−488

発明が解決しようとする課題

0016

上述のとおり、急速な高齢化や医療の高度化に伴って、医療費はますます増大しており、患者や国・自治体の医療保険財政にとって大きな負担となっている。

0017

また、今日、様々な抗がん剤が開発され臨床応用されているものの、その中には重篤副作用を伴うものが多く、このような治療手段はがん患者には耐え難い重篤な副作用をもたらす場合が殆どである。

0018

そこで本発明は、安価であり、かつ高い効果を奏すると共に、副作用の少ないがんの治療・寛解方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0019

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、尿のアルカリ化剤とビタミンCとの併用投与、ならびに尿のアルカリ化剤とビタミンCとメトホルミンとの併用投与が、がん患者の治療・寛解に有用であることを見出した。また、尿のアルカリ化剤とビタミンCとの組み合わせ、あるいは尿のアルカリ化剤とビタミンCとメトホルミンとの組み合わせに加えて、抗がん剤を常量より遥かに低い用量で併用投与することによってがん患者の治療・寛解に効果的であることを見出した。本発明はこれらの知見に基づく。

0020

すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
[1]がんの治療又は寛解に使用するための、尿のアルカリ化剤とビタミンCとを含む組み合わせ医薬
[2] 尿のアルカリ化剤が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム炭酸カルシウムクエン酸ナトリウムクエン酸カリウム酢酸ナトリウム乳酸ナトリウム乳酸カリウム酸化マグネシウム水酸化マグネシウム水酸化アルミニウムケイ酸アルミニウムからなる群から選択される一又は二以上を含む、[1]の医薬
[3] 炭酸水素ナトリウムが3〜15g/日の用量にて経口投与される、[2]の医薬。
[4] ビタミンCが25〜50g/日の用量にて非経口投与される、[1]〜[3]のいずれかの医薬。
[5] さらに、メトホルミンを含む[1]〜[4]のいずれかの医薬。
[6] メトホルミンが250mg〜500mg/日の用量にて経口投与される、[5]の医薬。
[7] さらに、抗がん剤を含む[1]〜[6]のいずれかの医薬。
[8] がんが進行及び/又は末期のがんである、[1]〜[7]のいずれかの医薬。
[9] がんの治療又は寛解に使用するための、ビタミンCと併用投与される尿のアルカリ化剤を含む医薬組成物
[10] がんの治療又は寛解に使用するための、尿のアルカリ化剤と併用投与されるビタミンCを含む医薬組成物。

0021

[11]がんの治療又は寛解に使用するための、尿のアルカリ化剤及びビタミンCと併用投与されるメトホルミンを含む医薬組成物。
[12] 尿のアルカリ化剤が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムからなる群から選択される一又は二以上を含む、[9]〜[11]のいずれかの医薬組成物。
[13] 炭酸水素ナトリウムが3〜15g/日の用量にて経口投与される、[12]の医薬組成物。
[14] ビタミンCが25〜50g/日の用量にて非経口投与される、[9]〜[13]のいずれかの医薬組成物。
[15] メトホルミンが250mg〜500mg/日の用量にて経口投与される、[11]の医薬組成物。
[16]抗がん剤と併用投与される[9]〜[15]のいずれかの医薬組成物。
[17] がんが進行及び/又は末期のがんである、[9]〜[16]のいずれかの医薬組成物。
[18] がんの治療又は寛解の方法において、ビタミンCと共に、使用するための尿のアルカリ化剤。
[19] 尿のアルカリ化剤が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムからなる群から選択される一又は二以上を含む、[18]の尿のアルカリ化剤。
[20] 炭酸水素ナトリウムが3〜15g/日の用量にて経口投与される、[19]の尿のアルカリ化剤。

0022

[21]ビタミンCが25〜50g/日の用量にて非経口投与される、[18]〜[20]のいずれかの尿のアルカリ化剤。
[22] 前記方法において、さらに抗がん剤と共に、使用するための[18]〜[21]のいずれかの尿のアルカリ化剤。
[23]がんが進行及び/又は末期のがんである、[18]〜[22]のいずれかの尿のアルカリ化剤。
[24] がんの治療又は寛解の方法において、尿のアルカリ化剤と共に、使用するためのビタミンC。
[25] 25〜50g/日の用量にて非経口投与される、[24]のビタミンC。
[26] 尿のアルカリ化剤が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムからなる群から選択される一又は二以上を含む、[24]又は[25]のビタミンC。
[27] 炭酸水素ナトリウムが3〜15g/日の用量にて経口投与される、[26]のビタミンC。
[28] 前記方法において、さらに抗がん剤と共に、使用するための[24]〜[27]のいずれかのビタミンC。
[29] がんが進行及び/又は末期のがんである、[24]〜[28]のいずれかのビタミンC。
[30] がんの治療又は寛解の方法において、尿のアルカリ化剤及びビタミンCと共に、使用するためのメトホルミン。

0023

[31] 250mg〜500mg/日の用量にて経口投与される、[30]のメトホルミン。
[32]ビタミンCが25〜50g/日の用量にて非経口投与される、[30]又は[31]のメトホルミン。
[33] 尿のアルカリ化剤が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムからなる群から選択される一又は二以上を含む、[30]〜[32]のいずれかのメトホルミン。
[34] 炭酸水素ナトリウムが3〜15g/日の用量にて経口投与される、[33]のメトホルミン。
[35] 前記方法において、さらに抗がん剤と共に、使用するための[30]〜[34]のいずれかのメトホルミン。
[36]がんが進行及び/又は末期のがんである、[30]〜[35]のいずれかのメトホルミン。
[37] がんの治療又は寛解のための方法であって、がん患者に尿のアルカリ化剤とビタミンCとを投与することを含む、方法。
[38] 尿のアルカリ化剤が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムからなる群から選択される一又は二以上を含む、[37]の方法。
[39] 炭酸水素ナトリウムが3〜15g/日の用量にて経口投与される、[38]の方法。
[40] ビタミンCが25〜50g/日の用量にて非経口投与される、[37]〜[39]のいずれかの方法。

0024

[41] さらに、メトホルミンを投与することを含む、[37]〜[40]のいずれかの方法。
[42] メトホルミンが250mg〜500mg/日の用量にて経口投与される、[41]の方法。
[43] さらに、抗がん剤を投与することを含む、[37]〜[42]のいずれかの方法。
[44]がんが進行及び/又は末期のがんである、[37]〜[43]のいずれかの方法。
[45] がん患者に尿のアルカリ化剤とビタミンCとを投与することを含むがんの治療又は寛解のための方法において使用するための医薬の製造における、尿のアルカリ化剤及び/又はビタミンCの使用。
[46] 前記方法において、さらにメトホルミンを投与することを含む、[45]の使用。
[47] がん患者に尿のアルカリ化剤とビタミンCとメトホルミンとを投与することを含むがんの治療又は寛解のための方法において使用するための医薬の製造における、メトホルミンの使用。
[48] 尿のアルカリ化剤が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムからなる群から選択される一又は二以上を含む、[45]〜[47]のいずれかの使用。
[49] 炭酸水素ナトリウムが3〜15g/日の用量にて経口投与される、[48]の使用。
[50] ビタミンCが25〜50g/日の用量にて非経口投与される、[45]〜[49]のいずれかの使用。

0025

[51]メトホルミンが250mg〜500mg/日の用量にて経口投与される、[46]又は[47]の使用。
[52] 前記方法において、さらに抗がん剤を投与することを含む、[45]〜[51]のいずれかの使用。
[53]がんが進行及び/又は末期のがんである、[45]〜[52]のいずれかの使用。

発明の効果

0026

本発明によれば、安価であり、かつ高い効果を奏すると共に副作用の少ないがんの治療・寛解方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0027

図1は、切除不能進行膵臓がんの患者の、炭酸水素ナトリウム及びビタミンCの投与前後における血清中腫瘍マーカー(CA19−9)レベル(U/ml)の測定結果を示すグラフ図である。
図2は、再発した膵臓がん(膵体部がん)の患者の、炭酸水素ナトリウム及びビタミンC、ならびにジェムザール(登録商標)及びメトホルミンの投与前後における血清中の腫瘍マーカー(CA19−9)レベル(U/ml)の測定結果を示すグラフ図である。
図3−1は、非小細胞肺がん腺がん)の患者の、炭酸水素ナトリウム及びビタミンC、ならびにアリムタ(登録商標)及びアバスチン(登録商標)の投与前後における血清中の腫瘍マーカー(CEA)レベル(ng/ml)、ならびに尿pH値の測定結果を示すグラフ図である。
図3−2は、非小細胞肺がん(腺がん)の患者の、炭酸水素ナトリウム及びビタミンC、ならびにアリムタ(登録商標)及びアバスチン(登録商標)の投与前後における、胸腔部を示すCT画像である。白矢印は胸腔内点在する転移癌を示す。
図4−1は、悪性胸膜中皮腫の患者の、炭酸水素ナトリウム及びビタミンC、ならびにアリムタ(登録商標)の投与前後における尿pH値の測定結果を示すグラフ図である。
図4−2は、悪性胸膜中皮腫の患者の、炭酸水素ナトリウム及びビタミンC、ならびにアリムタ(登録商標)の投与前後における、胸部レントゲン写真である。白矢印は右肺内に点在する悪性胸膜中皮腫を示す。
図5−1は、膵臓がん(膵体部がん)の患者の、炭酸水素ナトリウム及びビタミンC、ならびにジェムザール(登録商標)の投与前後における尿pH値の測定結果を示すグラフ図である。
図5−2は、膵臓がん(膵体部がん)の患者の、炭酸水素ナトリウム及びビタミンC、ならびにジェムザール(登録商標)の投与前後における、肝臓及び膵体部を示すCT画像である。白矢印は膵臓がんを、黒矢印は肝臓に点在する転移癌を示す。
図6−1は、膵臓がん(膵体部がん)の患者の、炭酸水素ナトリウム及びビタミンC、ならびにジェムザール(登録商標)及びメトホルミンの投与前後における尿pH値、HbA1c値及びCRP値の測定結果、ならびにN/L比を示すグラフ図である。
図6−2は、膵臓がん(膵体部がん)の患者の、炭酸水素ナトリウム及びビタミンC、ならびにジェムザール(登録商標)の投与前後における、血清中の腫瘍マーカーであるCA19−9レベル(U/ml)及びCEAレベル(ng/ml)の測定結果を示すグラフ図である。
図6−3は、膵臓がん(膵体部がん)の患者の、炭酸水素ナトリウム及びビタミンC、ならびにジェムザール(登録商標)の投与前後における、肝臓及び膵体部を示すCT画像である。
図7は、本発明方法により治療した進行膵臓がんの患者の治療の開始後2年間の延命率を示すグラフ図である。

0028

本発明は、がん患者に尿のアルカリ化剤及びビタミンCの組み合わせ、あるいは、尿のアルカリ化剤、ビタミンC及びメトホルミンの組み合わせ、ならびに必要に応じて、さらに抗がん剤を投与することを含む、がんの治療又は寛解のための方法、ならびに当該方法にて用いられる医薬又は組み合わせ医薬に関する。

0029

本発明において「尿のアルカリ化剤」とは、投与された対象におけるがん細胞外のpHeをアルカリ化する、及び/又はpHiを酸性化する作用を有するものを意味する。当該作用を有するか否かは、投与された対象における尿のpH値に基づいて判定することが可能であり、投与された対象における尿のpH値がアルカリ側に傾く、及び/又はアルカリに維持される場合に、投与された化合物は当該作用を有すると判断することができる。当該判断は、投与開始後又は継続的な投与の後(例えば、投与から1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、もしくは6ヶ月後)に採取された尿のpH値を測定することによって行うことできる。本発明において「尿のアルカリ化」とは、pH値が7を越える、好ましくは7.5以上、より好ましくは8以上を意味する。

0030

本発明において利用可能な「尿のアルカリ化剤」としては、生体内において重炭酸イオン(HCO3−)を生じる化合物や、制酸作用を有する化合物が挙げられ、このような作用を有する化合物としては、炭酸塩炭酸水素塩クエン酸塩酢酸塩乳酸塩酸化物塩水酸化物塩ケイ酸塩等が挙げられるが、これらに限定はされない。塩の例としては、アルカリ金属塩ナトリウム塩カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩カルシウム塩等)、マグネシウム塩アルミニウム塩等が挙げられる。

0031

本発明に利用可能な「尿のアルカリ化剤」としてより具体的には、炭酸水素ナトリウム(重曹)、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、好ましくは炭酸水素ナトリウムである。

0032

本発明において「尿のアルカリ化剤」には、上記より選択される一又は複数の化合物を含めることができる。

0033

本発明の「尿のアルカリ化剤」は、従来公知の手法に従って工業的に合成されたものであってもよいし、あるいは食用又は医薬品用として市販されるものを利用してもよい。

0034

本発明において「ビタミンC」とは、L−アスコルビン酸(以下、「アスコルビン酸」と記載する)、ならびにその塩、そのエステル及びその誘導体を意味する。より具体的には、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸モノステアレート、アスコルビン酸モノパルミテート、アスコルビン酸モノオレエート等が挙げられ、好ましくはアスコルビン酸である。

0035

本発明の「ビタミンC」は、従来公知の手法に従って工業的に合成されたものであってもよいし、あるいは食用又は医薬品用として市販されるものを利用してもよい。

0036

本発明において「メトホルミン」とは、下記構造式



で表される化合物又はその塩が挙げられる。「塩」は薬学的に許容可能な塩であればよく、例えば、酸付加塩塩基性付加塩等が挙げられる。「酸付加塩」としては、例えば、塩酸塩硫酸塩、硝酸塩リン酸塩、炭酸塩、酢酸塩等が挙げられ(これらに限定はされない)、「塩基性付加塩」としては、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩等)、マグネシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる(これらに限定はされない)。好ましくは、本発明において「メトホルミン」はメトホルミン塩酸塩である。

0037

また、本発明の「メトホルミン」は、従来公知の手法に従って工業的に合成されたものであってもよいし、あるいは2型糖尿病に効能・効果を有する医薬品として市販されるものを利用してもよい。

0038

本発明において「抗がん剤」とは、がんの治療や寛解の方法において使用される既存の抗がん剤や分子標的薬を含み、このような「抗がん剤」には例えば、テガフール、テガフール・ウラシル配合剤、テガフール・ギメラシルオテラシルカリウム配合剤(商品名:ティーエスワン(登録商標))、フルオロウラシルゲムシタビン(商品名:ジェムザール(登録商標))、エノシタビンカルモフールドキシフルリジンシタラビン、シタラビンオクホスファートメルカプトプリンフルダラビンカペシタビンメトトレキサートクラドリビンペメトレキセド(商品名:アリムタ(登録商標))、ヒドロキシカルバミドシクロホスファミドチオテパイホスファミドブスルファンダカルバジンメルファランラニムスチンニムスチンテモゾロミドカルボプラチンシスプラチンオキサリプラチンネダプラチン、ドキソルビシンアクラルビシンイダルビシンアクチノマイシンDダウノルビシンジノスタチンスチマラマーブレオマイシンマイトマイシンCピラルビシンエピルビシンペプロマイシンアムルビシンビンカアルカロイドタキサントポイソメラーゼ阻害薬ソラフェニブエルロチニブアキシチニブエベロリムススニチニブイマチニブラパチニブリツキシマブダサチニブボルテゾミブタミバロテンゲフィチニブイブツモマブ、ニロチニブテムシロリムストラスツズマブパニツムマブトレチノインゲムツズマブオゾガマイシンクリゾチニブ、アファニブベバシズマブ(商品名:アバスチン(登録商標))、パクリタキセル(商品名:アブラキサン(登録商標))等が挙げられるが、これらに限定はされない。

0039

本発明において「がん」には、固形がん及び血液がん(例えば、白血病悪性リンパ腫多発性骨髄腫等)が含まれるが、好ましくは固形がんである。固形癌には血液がんを除く全ての固形癌(すなわち、上皮細胞がん及び非上皮細胞がん)が含まれる。このような固形癌としては、脳腫瘍神経膠腫下垂体腺腫聴神経鞘腫、ぶどう膜悪性黒色腫髄膜腫咽頭がん喉頭がん、舌がん甲状腺がん乳がん肺がん胸腺腫胸腺がん、中皮腫食道がん胃がん、大腸がん、肝細胞がん胆管がん、膵臓がん、腎細胞がん膀胱がん前立腺がん腎盂尿管がん、陰茎がん精巣睾丸腫瘍子宮がん卵巣がん外陰がん、皮膚がん、悪性黒色腫(皮膚)、基底細胞がん、皮膚がん前駆症表皮内がん有棘細胞がん菌状息肉症、悪性骨腫瘍骨肉腫)、軟部肉腫軟骨肉腫、悪性線維性組織球種、ならびに、これらの転移癌等が挙げられるが、これらに限定はされない。

0040

また、好ましくは本発明において「がん」とは、KRAS遺伝子及び/又はBRAF遺伝子に変異を有するがんである。KRAS遺伝子は、EGFRからの増殖シグナルを下流に伝達する役割を有する約21kDaの低分子GTP結合タンパク質をコードする遺伝子である。大腸癌では、45〜50%の割合でKRAS遺伝子に変異が認められ、そのうち約70%がコドン12の変異であり、約30%がコドン13の変異であることが公知である(Yamazaki K et al.:ESMO 2010:abst #595P)。本発明においても、KRAS遺伝子の変異としてコドン12及び/又は13の変異を利用することができる。KRAS遺伝子に変異を有する場合には抗EGFR抗体薬による治療効果が十分に得られないことが知られている(Amado RG et al.:J Clin Oncol.26(10):1626−1634,2008;Karapetis CS et al.:N Engl J Med.359(17):1757−1765,2008;Dahabreh IJ et al.:Ann Intern Med.154(1):37−49,2011)。BRAF遺伝子は、Ras−Raf−MAP経路を構成するセリンスレオニンキナーゼをコードする遺伝子である。大腸癌では、5〜10%の割合でKRAS遺伝子に変異が認められ、そのうち約90%がコドン600の変異であることが公知である(Clancy C et al.:Colorectal Dis.15(12):e711−718,2013;SmithCGet al.:Clin Cancer Res.19(15):4104−4113,2013)。本発明においても、BRAF遺伝子の変異としてコドン600の変異を利用することができる。BRAF遺伝子に変異を有する場合には抗EGFR抗体薬による治療効果が十分に得られないことが知られている。各遺伝子の変異の検出は、従来公知の遺伝子検査法(例えば、ダイレクトシークエンス法、Allele−SpecificPCRassay法等)を用いることができる。

0041

また、好ましくは本発明において「がん」とは、難治性のがんが挙げられ、このような癌には進行がんステージ2〜4)及び/又は末期がん(ステージ4)の癌が含まれる。例えば、本発明において治療又は寛解可能ながんとしては、進行及び/又は末期の膵臓がん、肺がん、胸膜中皮腫等が挙げられるが、これらに限定はされない。

0042

本発明において、尿のアルカリ化剤及びビタミンCは、がん患者に対して併用投与される。

0043

本発明において「併用投与」とは、各成分を同時に投与する場合だけではなく、治療期間にわたって各成分を、それぞれ所定の間隔で、順次投与する場合(併用療法)も含まれる。併用投与される各成分の投与経路や投与手段は同一であってもよいし、異なっていてもよい。

0044

尿のアルカリ化剤の投与量及び投与経路は、がんの種類や重篤度、患者の年齢、体重、状態等などの要因に応じて変化し得るが、投与された患者における尿のpH値がアルカリ側に傾く、及び/又はアルカリに維持されるのに十分な量を任意の投与経路(経口投与、又は非経口投与)を用いて投与することができる。

0045

例えば、尿のアルカリ化剤が炭酸水素ナトリウムである場合、3〜15g、好ましくは3〜9gから選択される量を1日に1回〜5回(例えば、2回もしくは3回)に分けて、毎日、隔日もしくは数日おきに経口投与することができる。例えば、1日あたり3g、6gもしくは9gの炭酸水素ナトリウムを1回又は2回に分けて、毎日経口投与することができる。

0046

ビタミンCの投与量及び投与経路は、がんの種類や重篤度、患者の年齢、体重、状態等などの要因に応じて変化し得、任意の投与量及び投与経路を採用し得る。例えば、10〜50g/日、好ましくは25〜50g/日から選択される量にてビタミンCを、毎週1日、1月に2〜3日、隔週1日、もしくは1月に1日、非経口投与することができる。「非経口投与」としては、静脈内注射皮下注射皮内注射筋肉内注射等を挙げることができる。例えば、25g/日にてビタミンCを毎週1日、1月に2〜3日、隔週1日、もしくは1月に1日、静脈内注射することができる。あるいは、静脈内におけるビタミンC量が上記非経口投与された場合に匹敵する用量にて、ビタミンCを経口投与してもよい。

0047

本発明においては、尿のアルカリ化剤及びビタミンCに加えて、メトホルミンをさらに併用投与することができる。ここで「併用投与」とは、上記定義のとおりである。

0048

メトホルミンの投与量及び投与経路は、がんの種類や重篤度、患者の年齢、体重、状態等などの要因に応じて変化し得、任意の投与量及び投与経路を採用し得る。例えば、100mg〜500mg/日、好ましくは250mg〜500mg/日から選択される量のメトホルミンを、1日に1回〜数回(2回もしくは3回)に分けて、毎日、隔日もしくは数日おきに経口投与することができる。例えば、250mgのメトホルミンを1日に2回又は3回に分けて、毎日経口投与することができる。

0049

なお、メトホルミンが併用投与されるがん患者は、糖尿病(2型糖尿病)に罹患していてもよいし、していなくてもよく、がん患者は糖尿病患者に限定されない。

0050

併用投与される尿のアルカリ化剤及びビタミンC、ならびにメトホルミンは、それぞれ別々の医薬(又は医薬組成物)の形態で提供されてもよいし、あるいは組み合わせ医薬の形態で提供されてもよい。

0051

別々の医薬(又は医薬組成物)として提供される場合には、当該医薬(又は医薬組成物)は上記併用投与にて用いられることが意図されるものであり、その添付文書の「効能・効果」を示す欄、又は「用法・用量」を示す欄において、上記併用投与にて用いられることを記載することができる。例えば、尿のアルカリ化剤を含む医薬(又は医薬組成物)であれば、その添付文書にがんの治療又は寛解のために「ビタミンCと併用する」又は「ビタミンC及びメトホルミンと併用する」旨を記載することができ、ビタミンCを含む医薬(又は医薬組成物)であれば、その添付文書にがんの治療又は寛解のために「尿のアルカリ化剤と併用する」又は「尿のアルカリ化剤及びメトホルミンと併用する」旨を記載することができ、メトホルミンを含む医薬(又は医薬組成物)であれば、その添付文書にがんの治療又は寛解のために「尿のアルカリ化剤及びビタミンCと併用する」旨を記載することができる。

0052

組み合わせ医薬は、各成分を同一の組成物中に含む配合剤の形態であってもよいし、あるいは各成分がそれぞれ別々に準備され、併用投与に適した単一のパッケージとして製造・包装流通される形態(すなわち、キット製剤)としてもよい。

0053

上記医薬(又は医薬組成物)及び組み合わせ医薬においては、上記成分に加えてさらに、医薬の製造において通常用いられている、賦形剤結合剤崩壊剤滑沢剤等を含めることができ、企図される投与経路に適した剤型として製造することができる。

0054

賦形剤としては、例えば、糖(単糖二糖類シクロデキストリン及びアルギン酸等の多糖類)、金属塩カオリンケイ酸ポリエチレングリコール及びこれらの混合物等が挙げられる。

0056

崩壊剤としては、例えば、乾燥デンプンアルギン酸ナトリウムカンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類ラウリル硫酸ナトリウムステアリン酸モノグリセリドデンプン乳糖及びこれらの混合物等が挙げられる。

0057

滑沢剤としては、例えば、精製タルクステアリン酸塩ホウ砂、ポリエチレングリコール及びこれらの混合物等が挙げられる。

0058

必要に応じて、さらに医薬の製造において通常用いられている希釈剤安定化剤等張化剤pH調整剤緩衝剤溶解補助剤懸濁化剤着色剤矯味剤矯臭剤コーティング剤保存剤防腐剤抗酸化剤等も適宜含めることができる。

0059

例えば、経口投与に適した剤形としては、錠剤丸剤カプセル剤顆粒剤粉剤シロップ剤懸濁剤等が挙げられる。固形の剤形を有するものは、必要に応じてコーティングを施すことができる(例えば、糖衣錠ゼラチン被包錠、腸溶錠等)。

0060

また、非経口投与に適した剤形として、注射剤点滴剤等が挙げられる。これらの剤形は、凍結乾燥化し保存し得る状態で提供され、用時、水や生埋的食塩水等を含む緩衝液等で溶解して適当な濃度に調製した後に使用されるものであってもよい。

0061

さらに、本発明においては、尿のアルカリ化剤及びビタミンC、あるいは尿のアルカリ化剤、ビタミンC及びメトホルミンに加えて、抗がん剤をさらに併用投与することができる。ここで「併用投与」とは、上記定義のとおりである。

0062

本発明において利用される抗がん剤は、がんの種類や重篤度、患者の年齢、体重、状態等などの要因に応じて、一又は複数種を適宜選択することができる。

0063

抗がん剤は、投与された患者の免疫機能を維持又は顕著に(例えば、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、又はそれ以上の割合で)低下させない用法・用量にて用いることができる。患者の免疫機能の変動は、末梢血中の好中球数顆粒球数単球数、リンパ球数血小板数等の一又は複数の値に基づいて判定することができる。

0064

尿のアルカリ化剤及びビタミンC、あるいは尿のアルカリ化剤、ビタミンC及びメトホルミンと併用投与される抗がん剤は、当該抗がん剤をそれ単独で用いる場合と比べて、90%、80%、70%、60%、50%、40%又はそれ以下の量に減じた用量にて、ならびに/あるいは、減じた投与期間及び/又は拡大した休薬期を有する用法にて投与することができる。これによって、抗がん剤の投与により引き起こされ得る副作用(例えば、骨髄抑制溶血性貧血播種性血管内凝固症候群劇症肝炎脱水症状腸炎間質性肺炎口内炎消化管潰瘍消化管出血、消化管穿孔急性腎不全皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症精神神経障害急性膵炎横紋筋融解症嗅覚脱失など、これらに限定されない)の発症を抑制または遅延することができる。

0065

併用投与される抗がん剤は、尿のアルカリ化剤及びビタミンCやメトホルミンとは、それぞれ別々の医薬(又は医薬組成物)の形態で提供されてもよいし、あるいはその他の成分と共に配合剤やキット製剤等の組み合わせ医薬の形態で提供されてもよい。

0066

別々の医薬(又は医薬組成物)として提供される場合には、当該抗がん剤の添付文書の「効能・効果」を示す欄、又は「用法・用量」を示す欄において、上記併用投与にて用いられることを記載することができる。すなわち、当該抗がん剤は、その添付文書にがんの治療又は寛解のために「尿のアルカリ化剤及びビタミンCと併用する」あるいは「尿のアルカリ化剤、ビタミンC及びメトホルミンと併用する」旨を記載することができる。

0067

本発明によれば、上記併用投与がなされたがん患者における、細胞の悪性化、細胞の増殖、がん遺伝子の発現、増殖因子の活性化、解糖系の亢進、DNA合成の促進、細胞周期の亢進、アポトーシス誘導の低下、細胞の遊走、血管新生、がん転移、薬剤耐性等のがんの悪性化、増殖、転移に関連する一又は複数の機構阻害又は抑制することが可能であり、それによってがんを鎮静化し、治療又は寛解することができる。特に、難治性(進行性及び/又は末期)のがんにおいてその効果は顕著に認められ、その生存率を大きく高めることができる。

0068

また、本発明にて用いられる尿のアルカリ化剤及びビタミンCは比較的安価に製造・販売されるものであり、また併用投与されるメトホルミン及び抗がん剤は、従来の治療方法に用いられていたよりも減じた量にて利用されるものである。このため本発明によれば、患者の経済的負担や、国・自治体の医療保険財政の負担を軽減することができる。

0069

以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0070

[実施例1]
切除不能進行膵臓がん(Stage IVb)の患者(男性、78

0071

患者(男性、78歳)は2016年2月に、切除不能進行膵臓がん(Stage IVb)であり、肝転移と腹部リンパ節転移を伴うことが確定診断された。

0072

2016年3月より、食用の炭酸水素ナトリウム(重曹)3g/回を毎日2回服用し、又、ビタミンCを25g/日にて毎月1日、静脈内投与した。

0073

その結果、2016年6月末より尿のpHがアルカリ化(pH=8.0)され、その後もアルカリ性に維持された。

0074

また、血清中の腫瘍マーカー(CA19−9)レベルは、炭酸水素ナトリウム及びビタミンCの投与前が1309(U/ml)(2016年3月)であったのに対して、投与から2ヵ月後(2016年5月)には0(U/ml)となり、その後も低く維持された(図1)。

0075

さらに、膵臓原発巣は3cmから1cmに縮小し、肝臓における転移巣も縮小した。

0076

炭酸水素ナトリウム及びビタミンCの投与により、劇的な治療効果が認められたため、抗がん剤の使用には至らなかった。

0077

[実施例2]
再発した膵臓がん(膵体部がん)(Stage IVa)の患者(男性、67歳)

0078

患者(男性、67歳)は、2016年6月末に膵体尾部外科切除、D2郭清及び横行結腸間膜の外科切除を受けたが、その数ヶ月後に再発した膵臓がん(膵体部がん)(Stage IVa,cT4N1M0(膵臓がん取り扱い規約))を有する旨診断された。当該患者は、糖尿病にも罹患している。

0079

2016年8月中旬からティーエスワン(登録商標)(大鵬薬品工業株式会社)の内服を始めたが、副作用(皮疹)のため、速やかに投与が中止された。

0080

2016年10月中旬にジェムザール(登録商標)(日本イーライリリー株式会社)を通常の投与量の80%まで減量した量(800mg/m2)にて、隔週で静脈内投与を開始したが、2016年12月中旬のMRI検査により、腹膜播種の疑い有りと診断され、腫瘍マーカー(CA19−9)のレベルも大きく増大した。

0081

そこで2017年2月中旬からは、ジェムザール(800mg/m2)の隔週での静脈内投与と共に、炭酸水素ナトリウム(3g/日)を毎日服用し、又、ビタミンCを25g/日にて毎週1日静脈内投与した。また、メトホルミン塩酸塩を通常の50%まで減量した量(250mg/日)にて毎日投与した。

0082

その結果、2017年2月をピークとして腫瘍マーカー(CA19−9)のレベル(U/ml)が劇的に低下した(図2)。さらに、患者の尿pHはアルカリ性に、血中のHbA1c値は正常人の範囲に、それぞれ維持された。一方で、副作用は認められなかった。

0083

[実施例3]
非小細胞肺がん(腺がん)(Stage IV)の患者(男性、80歳)

0084

患者(男性、80歳)は、がん性胸膜炎右上葉3cmの腫瘤、右胸水、多発肺結節腰椎L1転移が認められる、非小細胞肺がん(腺がん)(cT2aN3M1b,Stage IV)を有し(手術歴なし)、また、EGFRの制御に係る分子標的薬の効果は期待できないと判断された。

0085

2016年10月下旬に骨転移の治療目的で腰椎に放射線照射(3.5x8fr)を行い、その後2016年12月末からアリムタ(登録商標)(日本イーライリリー株式会社)(500mg/m2)とアバスチン(登録商標)(中外製薬株式会社)(15mg/kg)を4週間隔で繰り返し投与した。

0086

さらに、2017年1月下旬には、骨病変の改善目的でランマーク(ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体)の投与を行った。

0087

しかしながら、病変改善が認められず、腫瘍マーカー(CEA)のレベル(ng/ml)が上がり続けた。

0088

そこで、2017年2月からはさらに、炭酸水素ナトリウム(9g/日)の毎日の服用、及び高用量のビタミンC(25g/日)の毎週1日静脈内投与を行った。

0089

その結果、直ちに尿pHのアルカリ化(pH=8.0)が認められ、腫瘍マーカー(CEA)のレベルが劇的に低下した(およそ210ng/mlからおよそ55ng/mlへと低下)。(図3−1)。さらに、CT検査の結果では胸水の減少と胸腔内に点在していた転移の消失が確認された(図3−2、矢印)。一方で、副作用は認められなかった。

0090

[実施例4]
悪性胸膜中皮腫の患者(男性、67歳)

0091

患者(男性、67歳)は2015年3月に、CT、PET及び生検により右肺に悪性胸膜中皮腫を有することが確定診断された。患者は建築士で、建築工事中にアスベスト吸入した可能性があり、同じく建築士であった患者の兄は、悪性胸膜中皮腫により死亡している。

0092

2016年1月より、アリムタ(登録商標)とカルボプラチンの併用投与を3週間間隔で受けていた。

0093

2017年1月からは、アリムタ単剤投与(4週間隔)に切り替えると共に、炭酸水素ナトリウム(9g/日)の毎日の服用、及び高用量のビタミンC(25g/日、1〜2日/月)の静脈内投与を行った。

0094

その結果、尿pHのアルカリ化が維持され(図4−1)、また胸部レントゲン検査において悪性胸膜中皮腫の改善が認められた(図4−2)。一方で、副作用は認められなかった。

0095

[実施例5]
膵臓がん(膵体部がん)(Stage IVb)の患者(女性、66歳)

0096

患者(女性、66歳)は、肝転移が認められる膵体部がん(cT4N0M1,Stage IVb)と確定診断された。

0097

2015年3月末よりジェムザール(登録商標)(日本イーライリリー株式会社)とアブラキサン(登録商標)(大鵬薬品工業株式会社)の併用療法(毎週で3回投与、1週休薬からなる4週間で1サイクル)を受けていたが、下肢浮腫手足の酷い痺れが認められたため併用療法を中止した。

0098

そこで、2016年3月からは、アブラキサン(登録商標)の併用を止め、ジェムザール(登録商標)の投与量を通常の80%まで減量した量(800mg/m2)にて、毎週で2回投与、1週休薬からなる3週間で1サイクルの投与レジメンに切り替え、合わせて、炭酸水素ナトリウムの服用(3g/日を毎日2回)、及び高用量のビタミンC(25g/日、2〜3日/月)の静脈内投与を行った。

0099

その結果、尿pHのアルカリ化(pH=8.0)が認められ(図5−1)、さらに、CT検査の結果では膵体部腫瘍は縮小し(図5−2、白矢印)、肝転移はほぼ消失した(図5−2、黒矢印)。一方で、副作用は認められなかった。

0100

[実施例6]
膵臓がん(膵体部がん)(Stage IVb)の患者(男性、54歳)

0101

患者(男性、54歳)は2016年11月末に試験開腹し、腹膜播種(Douglas播種)を伴う膵体部がん(Stage IVb)と確定診断された。当該患者は、糖尿病にも罹患している。

0102

2016年12月初旬より、炭酸水素ナトリウムの服用(3g/日を毎日2回)、及び高用量のビタミンC(25g/日、2〜3日/月)の静脈内投与を行い、合わせて、メトホルミン塩酸塩錠を通常の50%まで減量した量(250mg/日)にて投与した。また、ジェムザール(登録商標)(日本イーライリリー株式会社)を通常の投与量の80%まで減量した量(800mg/m2)にて、隔週で静脈内投与した。

0103

その結果、尿pHのアルカリ化が維持され、血中のHbA1c値は正常人の範囲まで低下した(図6−1)。また、CRP値及びN/L比は共に低く維持された(図6−1)。さらに、腫瘍マーカーであるCA19−9及びCEAのレベルはいずれも低下した(図6−2)。そして、CT検査の結果、投与前後で明確な違い(例えば、腹水の増大等)は認められず、腹膜播種の悪化は認められなかった(図6−3)。また、副作用は認められなかった。

0104

[実施例7]
延命効果

0105

2016年度に公益財団法人のがん研究振興財団が発刊した「がんの統計」によれば、Stage IVの進行膵臓がんの患者において5年生存は殆ど望めない(数%以下)とされている。

0106

進行膵臓がんの患者(確定診断後又は術後再発例後、前治療の有無に拘わらず、がん患者に優しい治療を求めた進行膵臓がんの患者(Stage IIIb 3例、Stage IV 30例)を対象に、炭酸水素ナトリウムの服用及び高用量のビタミンCの静脈内投与を、加えて必要に応じて、リンパ球数の変動を指標に、患者の免疫能を落とさない程度の抗がん剤の投与を行った結果、Stage IIIbの3例の進行膵臓がん患者のうち2例が、又、Stage IVの30例の進行膵臓がん患者のうち6例が、腫瘍マーカーの大幅な低下や、CT検査にて腫瘍の顕著な縮小が確認された他、患者の状態も頗る改善されたことが認められた。

0107

そこで、炭酸水素ナトリウムの服用、及び高用量のビタミンCの静脈内投与、加えて必要に応じて、リンパ球数の変動を指標にした、患者の免疫能を落とさない程度の抗がん剤の投与、による治療効果の持続性延命効果)について、本治療の開始後2年にわたって分析した。

0108

その結果、33例の患者のうち、65%の生存が確認された(図7)。尚、本治療の対象となったStage IVの膵臓がんの患者のうち、腫瘍マーカーの大幅な低下やCT検査にて腫瘍の顕著な縮小が認められた8例の患者の中には、上記実施例の1、2、5、6に記載の患者も含まれる。

実施例

0109

上述のとおり、炭酸水素ナトリウム及びビタミンCの併用投与、ならびにさらにメトホルミンを加えての併用投与が、がんの治療、特に進行性及び/又は末期のがんの治療に有効であることが明らかとなった。当該併用投与を用いることによって抗がん剤の投与量を減じることが可能となり、副作用が少なく、かつがん患者に優しい治療を提供することが可能となる。

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