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技術 消弧板、消弧板の製造方法、および開閉器

出願人 三菱電機株式会社
発明者 松本紀久
出願日 2018年1月15日 (2年11ヶ月経過) 出願番号 2018-522703
公開日 2019年6月27日 (1年6ヶ月経過) 公開番号 WO2018-216259
状態 特許登録済
技術分野 開閉器の消弧装置 消弧付高圧スイッチで吹付け手段のないもの
主要キーワード 分断機 酸化シリコン粉末 実行面積 重量構成比 成型プレス 電界強度比 操作コイル 端子螺子
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年6月27日)のものです。
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図面 (6)

課題・解決手段

本発明に係る消弧板は、開閉接点間で発生するアーク電流を消弧するために用いられる消弧板であって、消弧板の表面は、凸部と、隣接する凸部間に形成される凹部とで構成される凹凸部を有し、かつ、凸部と凹部が異なった材料で構成されている。アーク電流の分断性能と消弧性能の双方を向上させることのできるとともに、消弧板の応用製品において、高性能な消弧機能による消弧室省スペース化を実現できる。

概要

背景

遮断器または電磁開閉器のような開閉器において、接点開極時に接点間に発生するアーク放電消滅させる消弧装置が用いられている。消弧装置には、アークを効率的に消弧するための消弧板が設けられている。そして、接点間に発生したアークを、コイル等で印加した電磁力によって引き延ばして誘導することで、アークを消弧板に接触させる機構が設けられている(例えば、特許文献1〜3参照)。

発生したアークが消弧板に接触した際に、アークが冷却され、電源電圧よりもアーク電圧が高くなる。これにより、アーク電流が抑制され、その結果として、アークが消弧される。消弧板のアーク消弧性能が低下すれば、アーク電流によって遮断器が損傷を受けるおそれがある。そのため、アークの冷却性能が高く、消弧性に優れた消弧板が求められている。

概要

本発明に係る消弧板は、開閉接点間で発生するアーク電流を消弧するために用いられる消弧板であって、消弧板の表面は、凸部と、隣接する凸部間に形成される凹部とで構成される凹凸部を有し、かつ、凸部と凹部が異なった材料で構成されている。アーク電流の分断性能と消弧性能の双方を向上させることのできるとともに、消弧板の応用製品において、高性能な消弧機能による消弧室省スペース化を実現できる。

目的

本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、アーク電流の分断性能と消弧性能の双方を向上させることのできる消弧板、消弧板の製造方法、および消弧板を適用した開閉器、開閉装置を得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

開閉接点間で発生するアーク電流消弧するために用いられる消弧板であって、前記消弧板の表面は、凸部と、隣接する前記凸部間に形成される凹部とで構成される凹凸部を有し、かつ、前記凸部と前記凹部が異なった材料で構成されている消弧板。

請求項2

前記凹凸部は、算術平均粗さに相当するRa値が50μm以上で形成されている請求項1に記載の消弧板。

請求項3

前記凸部は、酸化シリコンを主成分として構成され、前記凹部は、焼結助材としての酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウムを含んで構成される請求項1または2に記載の消弧板。

請求項4

前記焼結助材に対する前記酸化シリコンの粒経比は、10倍以上である請求項3に記載の消弧板。

請求項5

請求項1から4のいずれか1項に記載の消弧板の製造方法であって、主成分となる酸化シリコンと、酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウムを含む焼結助材と、成形助材とを混合攪拌する攪拌工程と、前記攪拌工程により混合攪拌されることで生成された材料を、表面に凹凸部を有する金型により成型プレスし、表面に凸部および凹部を有する板状の消弧板を成形するプレス工程と、前記凸部が主として前記酸化シリコンで構成され、前記凹部が主として前記焼結助材で構成される条件を用いて、前記板状の消弧板を焼結乾燥させることで、最終製品である消弧板を生成する焼結乾燥工程とを有する消弧板の製造方法。

請求項6

前記焼結乾燥工程において、前記板状の消弧板の内部に多孔質体を形成することで、前記酸化シリコンの粒径半径に相当する凸形状を前記凸部として形成する請求項5に記載の消弧板の製造方法。

請求項7

請求項1から4のいずれか1項に記載の消弧板と、固定鉄心と、電磁石により可動することで前記固定鉄心と吸着または離反する可動鉄心と、前記可動鉄心と一体的に摺動するクロスバーと、前記クロスバーを摺動させる筐体摺動部と、前記クロスバーの摺動に連動し、前記クロスバーの摺動方向の中心軸に対し、相対する位置に設けられた一対の可動接点と、前記可動接点と対向する位置に設けられた固定接点とを備えた開閉器であって、前記消弧板は、前記可動接点と前記固定接点の接触面に対して垂直方向に前記凹凸部を有するように配置される開閉器。

請求項8

請求項1から4のいずれか1項に記載の消弧板と、固定接点を有する固定接触子と、可動接点を有する可動接触子と、前記固定接点と前記可動接点との開閉動作を行う開閉機構部と、前記固定接点と前記可動接点との開離時に前記固定接触子と前記可動接触子との間で発生したアークを伸張させるための磁界を発生させる磁石とを備えた開閉装置であって、前記消弧板は、前記磁石により伸張させた前記アークに対して、鉛直方向に前記凹凸部を有するように配置される開閉装置。

技術分野

0001

本発明は、アーク消滅させるための消弧板およびその製造方法、およびその消弧板を適用した開閉器に関する。

背景技術

0002

遮断器または電磁開閉器のような開閉器において、接点開極時に接点間に発生するアーク放電を消滅させる消弧装置が用いられている。消弧装置には、アークを効率的に消弧するための消弧板が設けられている。そして、接点間に発生したアークを、コイル等で印加した電磁力によって引き延ばして誘導することで、アークを消弧板に接触させる機構が設けられている(例えば、特許文献1〜3参照)。

0003

発生したアークが消弧板に接触した際に、アークが冷却され、電源電圧よりもアーク電圧が高くなる。これにより、アーク電流が抑制され、その結果として、アークが消弧される。消弧板のアーク消弧性能が低下すれば、アーク電流によって遮断器が損傷を受けるおそれがある。そのため、アークの冷却性能が高く、消弧性に優れた消弧板が求められている。

先行技術

0004

特開平6−20549号公報
昭58−121524号公報
2008−186643号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、従来技術には以下のような課題がある。
特許文献1の消弧板は、酸化アルミニウムなどのセラミックが1400℃以上1600℃以下の高温焼結されているため、機械的強度は優れている。しかしながら、この特許文献1の消弧板は、消弧板の表面に凸形状がない。このため、アーク電流に対する分断性能が低く、消弧性能が劣る可能性がある。

0006

また、特許文献2の消弧板は、アルミナシリカなどの金属酸化物と、ムライトフォルステライトなどの特殊陶磁器粉末とを混合焼結したものである。しかしながら、特許文献2の消弧板も、消弧板の表面に凸形状がない。このため、アーク電流に対する分断性能が低く、消弧性能が劣る可能性がある。

0007

これに対して、特許文献3の消弧板は、成形加工により消弧板の表面に凹凸状の起伏を設け、アークに曝される実行面積を拡大することにより、消弧性能を高めている。しかしながら、特許文献3の消弧板は、高分子材料による成型品で構成されている。このため、消弧板の凸部と凹部が同一材料で形成されていることで、消弧性能が劣る可能性がある。

0008

以上のように、いずれの従来技術も、消弧性能が劣る課題を有していた。

0009

本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、アーク電流の分断性能と消弧性能の双方を向上させることのできる消弧板、消弧板の製造方法、および消弧板を適用した開閉器、開閉装置を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明に係る消弧板は、開閉接点間で発生するアーク電流を消弧するために用いられる消弧板であって、消弧板の表面は、凸部と、隣接する凸部間に形成される凹部とで構成される凹凸部を有し、かつ、凸部と凹部が異なった材料で構成されているものである。

0011

また、本発明に係る消弧板の製造方法は、主成分となる酸化シリコンと、酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウムを含む焼結助材と、成形助材とを混合攪拌する攪拌工程と、攪拌工程により混合攪拌されることで生成された材料を、表面に凹凸部を有する金型により成型プレスし、表面に凸部および凹部を有する板状の消弧板を成形するプレス工程と、凸部が主として酸化シリコンで構成され、凹部が主として焼結助材で構成される条件を用いて、板状の消弧板を焼結乾燥させることで、最終製品である消弧板を生成する焼結乾燥工程とを有するものである。

0012

また、本発明に係る開閉器は、本発明に係る消弧板と、固定鉄心と、電磁石により可動することで固定鉄心と吸着または離反する可動鉄心と、可動鉄心と一体的に摺動するクロスバーと、クロスバーを摺動させる筐体摺動部と、クロスバーの摺動に連動し、クロスバーの摺動方向の中心軸に対し、相対する位置に設けられた一対の可動接点と、可動接点と対向する位置に設けられた固定接点とを備えた開閉器であって、消弧板は、可動接点と固定接点の接触面に対して垂直方向に凹凸部を有するように配置されるものである。

0013

さらに、本発明に係る開閉装置は、本発明に係る消弧板と、固定接点を有する固定接触子と、可動接点を有する可動接触子と、固定接点と可動接点との開閉動作を行う開閉機構部と、固定接点と可動接点との開離時に固定接触子と可動接触子との間で発生したアークを伸張させるための磁界を発生させる磁石とを備えた開閉装置であって、消弧板は、磁石により伸張させたアークに対して、鉛直方向に凹凸部を有するように配置されるものである。

発明の効果

0014

本発明によれば、異なった材料で構成された凸部と凹部を表面に有するように、消弧板が形成されている。この結果、アーク電流の分断性能と消弧性能の双方を向上させることのできる消弧板、消弧板の製造方法、および消弧板を適用した開閉器、開閉装置を得ることができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の実施の形態1における電磁開閉器を横方向から見た断面図である。
本発明の実施の形態1における算術平均粗さRaを説明するための図である。
本発明の実施の形態2で製作した消弧板の断面図である。
本発明の実施の形態3におけるアーク電界特性を示した図である。
本発明の実施の形態4における遮断器の開極状態を概略図で示す断面図である。

実施例

0016

以下、本発明に係る消弧板、消弧板の製造方法、開閉器、および開閉装置の好適な実施の形態について、図面を用いて説明する。

0017

実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における電磁開閉器を横方向から見た断面図である。図1を用いて、本実施の形態1に係る電磁開閉器100の各構成を説明する。取付台1は、絶縁物で成形されている。固定鉄心2は、取付台1に固定され、Eの字状にケイ素鋼板を積層して構成されている。操作コイル3は、山状の固定鉄心2の凹部にそれぞれ配置されている。

0018

筐体4は、取付台1に固定され、取付台1と同じく絶縁物で成形されている。なお、筐体4は、後述するクロスバー9の頭部摺動部aと対向する筐体頭部摺動部4aを有している。可動鉄心5は、固定鉄心2と同じくEの字状にケイ素鋼板が積層されている。また、可動鉄心5と固定鉄心2とのEの字状のそれぞれの凸部分鉄心は、対向して配置されている。引き外しばね6は、それぞれ操作コイル3と可動鉄心5との間に配置されている。なお、固定鉄心2と可動鉄心5とは、電磁石により吸着、離反する。

0019

固定接触子7は、筐体4に取付けられており、電源側固定接触子7aと負荷側固定接触子7bとを有している。また、固定接触子7は、電源側固定接触子7aに接合された電源側固定接点70a、および負荷側固定接触子7bに接合された負荷側固定接点70bが設けられている。端子ねじ8は、電磁開閉器100を外部回路に接続するために使用される。

0020

クロスバー9は、絶縁物で形成されており、電源側固定接触子7aと負荷側固定接触子7bとの間に配置され、かつ、可動鉄心5を保持している。また、クロスバー9は、クロスバー頭部摺動部9aおよびクロスバー壁摺動部9bを有している。角窓10は、クロスバー9に設けられており、押さえばね11を挿入するためのものである。可動接触子12は、クロスバー9の角窓10に挿入された押さえばね11で保持されている。

0021

また、クロスバー9を基準として、クロスバー9より上方の可動接触子12には、電源側可動接点12aが接合される。一方、クロスバー9より下方の可動接触子12には、負荷側可動接点12bが接合される。この可動接触子12の可動接点12a、12bは、固定接触子7の固定接点70a、70bにそれぞれ対向して設けられている。

0022

そして、電流が流れる状態において、電源側可動接点12aと電源側固定接点70a、および負荷側可動接点12bと負荷側固定接点70bは、それぞれ接触する。さらに、電磁開閉器100の三相交流各相に対応するために、固定接触子7と可動接触子12とは、3組が設けられている。

0023

アークカバー13は、電源側の固定接点70aと可動接点12a、および負荷側の固定接点70bと可動接点12bが離反時に発生させるアークが外部へ排出されることを防ぐために、筐体4の上面を覆って設置されている。

0024

図1の右側に示した矢印は、重力方向を意味している。また、接点の配置において、クロスバー9の摺動方向の中心軸に対し、上方側は、電源側であり、下方側は、負荷側である。また、上述のとおり、クロスバー9は、可動鉄心5と固定鉄心2とが吸着、離反する方向に、可動鉄心5とともに、一体的に摺動する構造である。

0025

また、上述のとおり、電源側可動接点12aと負荷側可動接点12bとは、クロスバー9の摺動方向の中心軸に対し相対する位置に設けられており、クロスバー9の摺動に連動して可動する構造である。電源側可動接点12aと負荷側可動接点12bとは、一対の可動接点である。

0026

さらに、一対の可動接点12a、12bが可動することにより、電源側可動接点12aと電源側固定接点70a、および負荷側可動接点12bと負荷側固定接点70bは、それぞれ接触する構造である。電源側固定接点70aと負荷側固定接点70bとは、一対の固定接点である。

0027

本実施の形態1では、電源側可動接点12aと電源側固定接点70aとの間の電流を遮断した場合に両接点間に発生したアークを冷却するための消弧板14aが、アークカバー13の内側に設置されている。同様に、負荷側可動接点12bと負荷側固定接点70bとの間の電流を遮断した場合に両接点間に発生したアークを冷却するための消弧板14bが、アークカバー13の内側に設置されている。

0028

ここで、アークカバー13の内側に設置された消弧板14a、14bの表面には、発生したアークを消弧板で分断し易くするための凸形状が設けられている。また、永久磁石15a、15bが、消弧室内に設けられており、磁石の磁力線によりアークを伸張し、消弧板14a、14bにアークを導く機能を有する。

0029

電源側可動接点12aと電源側固定接点70aとの間に発生したアークは、永久磁石15aの磁力線によりローレンツ力が作用し、アークが伸張されるとともに、消弧板14aに導かれる。消弧板14aに到達したアークは、消弧板14aの表面で分断されるともに、消弧板14aの表面および内部で冷却され、消失する。

0030

同様に、負荷側可動接点12bと負荷側固定接点70bとの間に発生したアークは、永久磁石15bの磁力線によりローレンツ力が作用し、アークが伸張されるとともに、消弧板14bに導かれる。消弧板14bに到達したアークは、消弧板14bの表面で分断されるともに、消弧板14bの表面および内部で冷却され、消失する。

0031

次に、消弧板の製造方法について説明する。
全体重量構成比で、酸化シリコン粉末を60%、焼結助材としての酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウムをともに20%として混合攪拌したものに、成形助材として、PVA(樹脂ポリビニルアルコール)を純水により体積比で10%に希釈したものを加えて、乳鉢で混合攪拌する。

0032

ここで、酸化シリコン粉末は、中心粒径が100μm程度のものを使用し、酸化マグネシウムと酸化アルミニウムは、中心粒径が1μm程度のものを使用している。

0033

次に、離型材としてオレイン酸を塗布した金型に、混合攪拌した材料を所望量計り取り、圧縮プレスすることにより板状に加工する。ここでは、50mm×50mmのサイズの金型に対して、混合材料を10g計り取り、金型全体に10tの力でプレスすることにより、約3mm厚の板状に加工した焼結前の消弧板を成形した。ここで、金型表面には、凸部および凹部を有する消弧板を形成するために、凹凸部が設けられている。

0034

次に、アルミナボート上に焼結前の消弧板を搭載し、電気炉内で室温から5℃/minで1400℃まで昇温した後、1400℃の温度で3hr焼結した後、約5℃/minで室温付近まで降温することで、表面に凸部が形成された消弧板を得ることができる。

0035

ここでは、消弧板を形成するための主原料である珪砂材料の中心粒径と焼結助材との中心粒径との比を10倍以上としている。10倍以上の中心粒径比とすることで、主原料である珪砂材料の中心粒径の半径に相当する高さ分の凸部を形成することができる。今回の主原料と焼結助材との配合比は、セラミックス材料であるコーディライトとほぼ同様な配合比となっている。

0036

一般的に焼結温度を1500℃まで上昇させることで、珪砂材料中の酸化シリコンと、焼結助材の酸化マグネシウムあるいは酸化アルミニウムとの相互拡散反応が起こり、コーディライト焼結体が形成されはじめる。このように、酸化マグネシウムあるいは酸化アルミニウムとの相互拡散反応が起こると、消弧板表面は、平均化され、凹凸部が形成されなくなる。

0037

しかしながら、本実施形態のように、焼結温度を、1400℃を中心として、1350℃〜1450℃までの範囲とすると、コーディライト焼結体が形成されない。このため、比較的ポーラスな焼結体を得ることができる。これは、珪砂材料中の酸化シリコンと、焼結助材の酸化マグネシウムあるいは酸化アルミニウムとの焼結反応が十分に促進されないためである。すなわち、酸化マグネシウムあるいは酸化アルミニウムの焼結体に対して、酸化シリコンが原料粒径をほぼ保持したままの状態で焼結するためである。

0038

このような形成方法により、消弧板の凸部は、主として酸化シリコンで構成され、凹部は、主として酸化マグネシウムあるいは酸化アルミニウムにより構成されるようになる。このように、消弧板の表面をそれぞれ異なった材料群分散配置することにより、アークを消弧する機能面での分担を行うことができるようになる。

0039

すなわち、消弧板の表面に多数分布する凸部を主として構成する酸化シリコン部分で、アークの分断機能を分担する。その一方で、消弧板の表面に多数分布する凹部を主として構成する酸化マグネシウムあるいは酸化アルミニウム部分で、アークを冷却する機能を分担することができるようになる。ここで、凸部を形成する酸化シリコンでは、熱伝導率が1〜2(W/m・k)であり、凹部を形成する酸化マグネシウムでは、熱伝導率が45〜60(W/m・k)、酸化アルミニウムでは、熱伝導率が20〜30(W/m・k)であり、凸部を形成する材料よりも凹部を形成する材料の方が、熱伝導率が高い。これにより、凹部でのアークの冷却効果を高めることが期待できる。

0040

また、凹部の熱伝導率が高いことで、その内部に内包する空孔部分にアークの放熱が伝達される。この結果、空孔部分でもアーク冷却を実施し易くする効果が期待できる。このような機能分担をすることで、アークの消弧機能を高め、従来よりも短時間でのアーク消失を行うことができる消弧板を得ることができる。なお、空孔部分については、図3を用いて、後述する。

0041

ここで仮に、アークを分断する機能を担う凸部とアークを冷却する機能を担う凹部とが同一材料で構成されている場合、分断機能と冷却機能との中間的な性能を有する材料を選定せざるを得なくなる。そのため、凸部の消耗が激しくアークの分断機能の劣化が早くなるという問題、あるいは凹部が冷めにくくなりアークの冷却機能が低いといった問題があり、全体として消弧性能が低くなる。

0042

本実施の形態1で説明した方法で製造した消弧板を、上述した電磁開閉器に組み込むことができる。このような構成を有する電磁開閉器は、消弧板の表面に形成した凸形状により、可動接点と固定接点との間で発生したアークの分断性能を高めることができる。

0043

さらに、このような構成を有する電磁開閉器は、消弧板の表面に形成した凹部により、アークを素早く冷却し消弧することができる消弧板を得ることができる、この結果、従来構造の消弧板に比べて、高い消弧性能を得ることができる。

0044

以上のように、実施の形態1に係る消弧板の特徴を整理すると、以下のようになる。
本実施の形態1に係る消弧板は、珪砂材に焼結助材と成形助材を添加し、焼結乾燥させて製造されている。その際、焼結助材に対する珪砂材の粒径比が10倍以上(例えば、10μm/100μmで、凸部のRa=約50μm)であり、かつ1400℃以下で焼結することにより、多孔質体の消弧板を形成するとともに、消弧板表面に凸形状を形成することができる。

0045

ここで、Raとは、一般的な算術平均粗さを表している。図2は、本発明の実施の形態1における算術平均粗さRaを説明するための図である。算術平均粗さRaは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、この抜き取り部分の平均線の方向にX軸を取り、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、下式(1)によって求められる値である。

0046

0047

特に、凸部は、珪砂材中に含まれる酸化シリコンで構成されており、凹部は主として焼結助材で構成されている。さらに、凸部と凹部が主として異なった材料で構成されているという特徴を有している。

0048

また、発生するアーク電流を接点に対して水平方向に誘導することにより、接点に対して垂直方向に設けられた消弧板でのアーク電流の消弧を実現する構造を有する。焼結助材の具体例としては、酸化マグネシウム、酸化アルミナであり、成形助材の具体例としては、PVA(樹脂:ポリビニルアルコール)が挙げられる。

0049

この結果、アーク電流に対する消弧性能を高め、かつ消弧板表面に設けた多数の凸形状がアーク電流を分断することができる。さらに、凹部を主として構成する酸化マグネシウムあるいは酸化アルミナによりアークが素早く冷却されることで、短時間でのアーク消失を実現する。

0050

さらに、従来のように、消弧板を多段で構成する必要がなく、1枚の板状で形成しても十分な消弧性能を有する。この結果、高性能な消弧機能による消弧室の省スペース化を実現できる。

0051

実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2における消弧板の製造方法ついて説明する。
全体重量構成比で、酸化シリコンを重量比で80%以上含む珪砂材料を主成分として60%、焼結助材としての酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウムをともに20%として混合攪拌したものに、成形助材として、PVA(樹脂:ポリビニルアルコール)を純水により体積比で10%に希釈したものを加えて、乳鉢で混合攪拌する。

0052

ここで、珪砂材は、その粒度分布が50〜150μmで、中心粒径が100μm程度のものを使用し、酸化マグネシウムと酸化アルミニウムは、中心粒径が1μm程度のものを使用している。

0053

次に、離型材としてオレイン酸を塗布した金型に、混合攪拌した材料を所望量計り取り、圧縮プレスすることにより板状に加工する。ここでは、50mm×50mmのサイズの金型に対して、混合材料を10g計り取り、金型全体に10tの力でプレスすることにより、約3mm厚の板状に加工した焼結前の消弧板を成形した。

0054

次に、アルミナボート上に焼結前の消弧板を搭載し、電気炉内で室温から5℃/minで1400℃まで昇温した後、1400℃の温度で3hr焼結した後、約5℃/minで室温付近まで降温することで、表面に凸部が形成された消弧板を得ることができる。

0055

ここでは、消弧板を形成するための主原料である珪砂材料と焼結助材との中心粒径比を10倍以上としている。10倍以上の中心粒径比とすることで、主原料である珪砂材料の中心粒径の半径に相当する高さ分の凸部を形成することができる。今回の主原料と焼結助材との配合比は、セラミックス材料であるコーディライトとほぼ同様な配合比となっている。

0056

一般的に焼結温度を1500℃まで上昇させることで、珪砂材料中の酸化シリコンと、焼結助材の酸化マグネシウムあるいは酸化アルミニウムとの相互拡散反応が起こり、コーディライト焼結体が形成されはじめる。

0057

しかしながら、本実施の形態2のように、焼結温度を1400℃程度までにすると、コーディライト焼結体が形成されないため、比較的ポーラスな焼結体を得ることができる。これは、珪砂材料中の酸化シリコンと、焼結助材の酸化マグネシウムあるいは酸化アルミニウムとの焼結反応が十分に促進されないためである。すなわち、酸化マグネシウムあるいは酸化アルミニウムの焼結体に対して、酸化シリコンが原料の粒径をほぼ保持したままの状態で焼結するためである。

0058

本実施の形態2で説明した方法で製造した消弧板を上述した電磁開閉器に組み込むことができる。このような構成を有する電磁開閉器は、消弧板の表面に形成した凸形状により、可動接点と固定接点との間で発生したアークの分断性能を高めることができる。

0059

また、図3は、本発明の実施の形態2で製作した消弧板21の断面図である。図3に示すように、本実施の形態2における消弧板21は、製造工程において、多くの空孔22が内在している。消弧板21の内部の空孔は、アークの冷却効果が高いことが一般的に知られている。また、消弧板21の表面には、表面凸部23が形成されている。表面凸部23は、半径50μm程度の半球状に相当し、表面凸部23同士の互いのピッチは、約150μm程度で形成されている。

0060

表面凸部23の半径は、珪砂材中に含まれる酸化シリコンの中心粒径により決定される。本実施の形態2で用いた珪砂材中に含まれる表面凸部23の半径は、は、約100μmである。このため、酸化シリコンの中心粒径の半径に相当する約50μmの凸部を消弧板21の表面に形成することができる。

0061

これは、消弧板を形成するための主原料である珪砂材料と焼結助材との中心粒径比を10倍以上としているために、消弧板を焼結する際の焼き縮みにより、珪砂材中に含まれる酸化シリコンが半球状に表面に突出する効果を利用している。

0062

また、表面凸部同士の互いの概ねのピッチ間隔は、珪砂材料と焼結助材との混合比により決定される。本実施の形態2では、珪砂材料:焼結助材=6:4としたことで、表面凸部同士の互いの概ねのピッチ間隔を約150μm程度に設定している。ただし、珪砂材料と焼結助材との混合比は、消弧板の機械的強度あるいはポーラス構造にも影響する。このため、混合比を大きく変更することは難しい。

0063

さらに、消弧板内部の空孔22についても、珪砂材料と焼結助材との混合比、中心粒径比、および焼結温度により決定される。本実施の形態2で製作した消弧板21は、体積比で約5〜10%程度の空孔部分を含んでいる。

0064

すなわち、消弧板21の表面に多数分布する凸部を主として構成する酸化シリコン部分でアークの分断機能を分担する。その一方で、消弧板21の表面に多数分布する凹部を主として構成する酸化マグネシウムあるいは酸化アルミニウム部分で、アークを冷却する機能を分担することができるようになる。

0065

さらに、その内側に内包された空孔部分22は、凹部を構成する酸化マグネシウムあるいは酸化アルミニウム部分よりも素早くアークを冷却し、消弧することができる。この結果、従来構造の消弧板に比べて、高い消弧性能を得ることができる。

0066

実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3における消弧板の製造方法ついて説明する。
全体重量構成比で、酸化シリコンを重量比で80%以上含む珪砂材料(ここでは、酸化シリコンの重量比95%のものを用いている)を主成分として60%、焼結助材として酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウムをともに20%として混合攪拌したものに、成形助材として、PVA(樹脂:ポリビニルアルコール)を純水により体積比で10%に希釈したものを加えて、乳鉢で混合攪拌する。

0067

ここで、珪砂材は、粒度分布が50〜150μmで中心粒径が100μm程度のもの、粒度分布が75〜450μmで中心粒径が200μm程度のもの、粒度分布が200〜1200μmで中心粒径が500μm程度のもの、の3種類を使用する。また、酸化マグネシウムと酸化アルミニウムは、中心粒径が1μm程度のものを使用して消弧板の製造を試みた。

0068

次に、離型材としてオレイン酸を塗布した金型に、混合攪拌した材料を所望量計り取り、圧縮プレスすることにより板状に加工する。ここでは、50mm×50mmのサイズの金型に対して、混合材料を10g計り取り、金型全体に10tの力でプレスすることにより、約3mm厚の板状に加工した焼結前の消弧板を成形した。

0069

次に、アルミナボート上に焼結前の消弧板を搭載し、電気炉内で室温から5℃/minで1400℃まで昇温した後、1400℃の温度で3hr焼結した後、約5℃/minで室温付近まで降温することで、表面に凸部が形成された消弧板を3種類得た。

0070

今回形成した消弧板では、それぞれの消弧板表面の表面粗さが異なっており、算術平均粗さに相当するRa値で、それぞれ約50μm、100μm、250μmのものが得られている。

0071

次に、得られた消弧板を、先の実施の形態1で説明したような電磁開閉器に組み込んでアーク電化特性を評価した。図4は、本発明の実施の形態3におけるアーク電界特性を示した図であり、この図4に示すような結果が得られた。このアーク電界特性は、消弧板の主成分である珪砂材と焼結助材の粒経比が1のときの特性を1としたときの、強度比と、珪砂材と焼結助材の粒経比との関係を示している。

0072

図4から、珪砂材の主成分酸化シリコンの粒径と焼結助材との粒経比が10倍以上となった場合に、粒経比が1の場合の電界特性の150%以上となり、その後、徐々にアーク電界強度比飽和傾向を示すことが確認された。

0073

このことから、消弧板の主成分である珪砂材と焼結助材の粒経比を10倍以上とすることで、アークの遮断性能が高めることができることがわかった。言い換えれば、消弧板の表面粗さがRa値で約50μm以上とすることで、アークの遮断性能を高めることができる。従って、金型表面に設けられる凹凸部としては、Ra値が50μm以上であることが望ましい。

0074

実施の形態4.
以下、本発明の実施の形態4について説明する。
図5は、本発明の実施の形態4における遮断器の開極状態を概略図で示す断面図である。遮断器(開閉装置)200は、図5に示すように、固定接点31aを有する固定接触子31と、可動接点32aを有する可動接触子32と、固定接点31aおよび可動接点32aの開閉動作を行う開閉機構部203と、を備えている。

0075

また、遮断器200は、固定接点31aと可動接点32aとの開離時に、固定接触子31と可動接触子32との間に発生したアークAを伸張させるための磁界を発生させる磁石34を備えている。また、固定接点31aと可動接点32aとの接触面と垂直方向に、本実施の形態4で製造した消弧板35を設置する。

0076

次に、消弧板35の製造方法について説明する。
全体重量構成比で、酸化シリコンを重量比で80%以上含む珪砂材料を主成分として60%、焼結助材として酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウムをともに20%として混合攪拌したものに、成形助材として、PVA(樹脂:ポリビニルアルコール)を純水により体積比で10%に希釈したものを加えて、乳鉢で混合攪拌する。

0077

ここで、珪砂材は、粒度分布が50〜150μmで中心粒径が100μm程度のものを使用し、酸化マグネシウムと酸化アルミニウムは、中心粒径が1μm程度のものを使用している。

0078

次に、離型材としてオレイン酸を塗布した金型に、混合攪拌した材料を所望量計り取り、圧縮プレスすることにより板状に加工する。ここでは、50mm×50mmのサイズの金型に対して、混合材料を10g計り取り、金型全体に10tの力でプレスすることにより、約3mm厚の板状に加工した焼結前の消弧板を成形した。

0079

次に、アルミナボート上に焼結前の消弧板を搭載し、電気炉内で室温から5℃/minで1400℃まで昇温した後、1400℃の温度で3hr焼結した後、約5℃/minで室温付近まで降温することで、表面に凸部が形成された消弧板を得ることができる。

0080

ここでは、消弧板を形成するための主原料である珪砂材料と焼結助材との中心粒径比を10倍以上としている。10倍以上の中心粒径比とすることで、主原料である珪砂材料の中心粒径の半径に相当する高さ分の凸部を形成することができる。今回の主原料と焼結助材との配合比は、セラミックス材料であるコーディライトとほぼ同様な配合比となっている。

0081

ここで、仮に焼結温度を1500℃まで上昇させることで、珪砂材料中の酸化シリコンと、焼結助材の酸化マグネシウムあるいは酸化アルミニウムとの相互拡散反応が起こり、コーディライト焼結体が形成されはじめる。

0082

しかしながら本実施の形態4のように、焼結温度を1400℃程度までにすると、コーディライト焼結体が形成されないため、比較的ポーラスな焼結体を得ることができる。これは、珪砂材料中の酸化シリコンと、焼結助材の酸化マグネシウムあるいは酸化アルミニウムとの焼結反応が十分に促進されないためである。すなわち、酸化マグネシウムあるいは酸化アルミニウムの焼結体に対して、酸化シリコンが原料の粒径をほぼ保持したままの状態で焼結するためである。

0083

本実施の形態4で説明した方法で製造した消弧板を、上述した遮断器に組み込むことができる。このような構成を有する遮断器は、消弧板の表面に形成した凸形状により、可動接点と固定接点との間で発生したアークの分断性能を高めることができる。

0084

すなわち、消弧板35の表面に多数分布する凸部を主として構成する酸化シリコン部分でアークの分断機能を分担する。その一方で、消弧板35の表面に多数分布する凹部を主として構成する酸化マグネシウムあるいは酸化アルミニウム部分で、アークを冷却する機能を分担することができるようになる。

0085

さらに、その内側に内包されたポーラス構造は、凹部を構成する酸化マグネシウムあるいは酸化アルミニウム部分よりも素早くアークを冷却し、消弧することができる。この結果、従来構造の消弧板に比べて、高い消弧性能を得ることができる。

0086

1取付台、2固定鉄心、3操作コイル、4筐体、4a 筐体頭部摺動部、5可動鉄心、6 引き外しばね、7固定接触子、7a電源側固定接触子、7b負荷側固定接触子、8端子螺子、9クロスバー、9a クロスバー頭部摺動部、9b クロスバー壁摺動部、10角窓、11押さえばね、12可動接触子、12a電源側可動接点、12b負荷側可動接点、13アークカバー、14a、14b消弧板、15a、15b永久磁石、21 消弧板、22空孔、23 表面凸部(硅砂材)、24焼結助材、31 固定接触子、31a固定接点、32 可動接触子、32a 可動接点、34磁石、35 消弧板、70a 電源側固定接点、70b 負荷側固定接点、100電磁開閉器(開閉器)、200開閉装置。

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