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技術 ガルバノミラー、ガルバノミラーを用いたガルバノスキャナ、ガルバノミラーを用いたレーザ加工機及びガルバノミラーの製造方法

出願人 三菱電機株式会社
発明者 久米将実熊田輝彦伊藤洋平小林広紀
出願日 2017年4月12日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2017-548316
公開日 2019年4月18日 (2ヶ月経過) 公開番号 WO2018-189828
状態 特許登録済
技術分野 機械的光制御・光スイッチ 機械的光走査系 レンズ以外の光学要素 レーザービームプリンタ FAXの走査装置
主要キーワード 薄肉加工 ポーラス形状 加工位置ずれ ニアネット形状 ワイヤー放電加工機 SiC材 ベリリウム合金 ロウ剤
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年4月18日)のものです。
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図面 (9)

課題・解決手段

ガルバノミラー(10)は、鏡面を有するミラーサーフェイス部(10A)と、鏡面の裏面側に接合される背面補強部(12)とを有し、ミラーサーフェイス部(10A)を単結晶SiCウェハにより構成し、背面補強部(12)をC/SiC材により形成する。 これにより、ミラーサーフェイス部の剛性を高めるとともに、ミラーサーフェイス部を薄くし、ミラーサーフェイス部の背面補強部を軽量化する。 これにより、ガルバノミラーの共振周波数を高め、高速に移動させても、高精度で歪みにくいガルバノミラーを得る。

概要

背景

近年、電子機器に搭載される基板高集積化が進み、加工機高精度化高速化が要求されている。基板を加工するレーザ加工機では、レーザビームガルバノミラー走査させている。このガルバノミラーの駆動には、ガルバノスキャナが使用されている。したがって、加工を高速化するためには、このガルバノスキャナによるガルバノミラーの駆動を高速化する必要がある。

従来のガルバノスキャナは、ハウジングに固定されたステータと、回転可能に支持されたロータシャフトと、ロータシャフトに取り付けられたガルバノミラーとを有している。そして、ステータが有するコイルに発生した磁力により、永久磁石を有するロータシャフトが回転されて、ガルバノミラーが回転駆動される。なお、ガルバノミラーの回転は、モータなどの回転電機と異なり、基準位置に対して±数十度の範囲内で揺動するものである。

連続して被加工物穿孔を行うレーザ加工では、ガルバノミラーでレーザを走査するために、ロータシャフトの回転を加速と停止を繰り返し行うため、高速に動作させると駆動電流周波数が高くなる。このため、永久磁石に渦電流が流れて渦損が発生し、永久磁石の温度が高くなる。永久磁石の温度が高くなると、熱減磁が発生して磁石特性劣化し、ガルバノスキャナの動作に支障が生じる。

ガルバノスキャナを高速動作させると、ガルバノミラーが固定されたロータシャフトに大きな負荷が加わる。そのため、動作速度を速くすると、ロータシャフトのねじれが増大し、ガルバノミラーに位置ずれが生じる、また、ガルバノミラー自体も高速で動作させると変形するためミラー反射面が歪んで、レーザの走査のずれが大きくなり加工精度が劣化してしまう。

このため、ガルバノミラーの材料に、低比重剛性の高いベリリウム合金を使用し、さらに、ガルバノミラーの固定部に切れ込みを入れて、ねじ止めによる応力がミラー面に伝達されることを軽減している(例えば特許文献1参照)。また、共振光学装置において、炭素繊維強化樹脂を用いてミラーをロッド一体成形することにより、ミラーの支持部を軽量化して、高速な振幅を可能とするものが知られている(例えば特許文献2参照)。

概要

ガルバノミラー(10)は、鏡面を有するミラーサーフェイス部(10A)と、鏡面の裏面側に接合される背面補強部(12)とを有し、ミラーサーフェイス部(10A)を単結晶SiCウェハにより構成し、背面補強部(12)をC/SiC材により形成する。 これにより、ミラーサーフェイス部の剛性を高めるとともに、ミラーサーフェイス部を薄くし、ミラーサーフェイス部の背面補強部を軽量化する。 これにより、ガルバノミラーの共振周波数を高め、高速に移動させても、高精度で歪みにくいガルバノミラーを得る。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

鏡面を有するミラーサーフェイス部と、前記鏡面の裏面側に接合される背面補強部とを有するガルバノミラーであって、前記ミラーサーフェイス部は、単結晶ウェハにより構成される、ガルバノミラー。

請求項2

前記背面補強部は、C/SiC材により構成される、請求項1に記載のガルバノミラー。

請求項3

前記単結晶ウェハが、単結晶SiCウェハである、請求項1に記載のガルバノミラー。

請求項4

前記単結晶ウェハが、単結晶サファイヤウェハである、請求項1に記載のガルバノミラー。

請求項5

前記ミラーサーフェイス部と前記背面補強部とは、炭化ケイ素により一体に接合される、請求項1から4のいずれか1項に記載のガルバノミラー。

請求項6

前記ミラーサーフェイス部と前記背面補強部とは、ロウ付けにより一体に接合される、請求項1から4のいずれか1項に記載のガルバノミラー。

請求項7

請求項1から6のいずれか1項に記載のガルバノミラーを用いた、ガルバノスキャナ

請求項8

請求項1から6のいずれか1項に記載のガルバノミラーを用いた、レーザ加工機

請求項9

ミラーサーフェイス部と背面補強部とからなるガルバノミラーの製造方法であって、単結晶ウェハの一方の面を鏡面加工する工程と、前記単結晶ウェハの他方の面をメタライズして、前記ミラーサーフェイス部を形成する工程と、PAN系炭素繊維と、ピッチ系炭素繊維と、フェノール樹脂と、黒鉛を混合して炭素繊維強化樹脂を形成する工程と、前記炭素繊維強化樹脂を熱処理して炭素化する工程と、前記炭素化した前記炭素繊維強化樹脂に、金属シリコン含浸させて、C/SiC化を行う工程と、前記C/SiC化させた前記炭素繊維強化樹脂を、前記背面補強部の形状に加工する工程と、前記背面補強部の、前記ミラーサーフェイス部と接合する面をメタライズする工程と、前記ミラーサーフェイス部と、前記背面補強部とを接合する工程と、を有するガルバノミラーの製造方法。

請求項10

前記単結晶ウェハに、単結晶SiCウェハを用いる、請求項9に記載のガルバノミラーの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、レーザビーム走査させるガルバノスキャナに用いられる、ガルバノミラー、ガルバノミラーを用いたガルバノスキャナ、ガルバノミラーを用いたレーザ加工機及びガルバノミラーの製造方法に関するものである。

背景技術

0002

近年、電子機器に搭載される基板高集積化が進み、加工機高精度化高速化が要求されている。基板を加工するレーザ加工機では、レーザビームをガルバノミラーで走査させている。このガルバノミラーの駆動には、ガルバノスキャナが使用されている。したがって、加工を高速化するためには、このガルバノスキャナによるガルバノミラーの駆動を高速化する必要がある。

0003

従来のガルバノスキャナは、ハウジングに固定されたステータと、回転可能に支持されたロータシャフトと、ロータシャフトに取り付けられたガルバノミラーとを有している。そして、ステータが有するコイルに発生した磁力により、永久磁石を有するロータシャフトが回転されて、ガルバノミラーが回転駆動される。なお、ガルバノミラーの回転は、モータなどの回転電機と異なり、基準位置に対して±数十度の範囲内で揺動するものである。

0004

連続して被加工物穿孔を行うレーザ加工では、ガルバノミラーでレーザを走査するために、ロータシャフトの回転を加速と停止を繰り返し行うため、高速に動作させると駆動電流周波数が高くなる。このため、永久磁石に渦電流が流れて渦損が発生し、永久磁石の温度が高くなる。永久磁石の温度が高くなると、熱減磁が発生して磁石特性劣化し、ガルバノスキャナの動作に支障が生じる。

0005

ガルバノスキャナを高速動作させると、ガルバノミラーが固定されたロータシャフトに大きな負荷が加わる。そのため、動作速度を速くすると、ロータシャフトのねじれが増大し、ガルバノミラーに位置ずれが生じる、また、ガルバノミラー自体も高速で動作させると変形するためミラー反射面が歪んで、レーザの走査のずれが大きくなり加工精度が劣化してしまう。

0006

このため、ガルバノミラーの材料に、低比重剛性の高いベリリウム合金を使用し、さらに、ガルバノミラーの固定部に切れ込みを入れて、ねじ止めによる応力がミラー面に伝達されることを軽減している(例えば特許文献1参照)。また、共振光学装置において、炭素繊維強化樹脂を用いてミラーをロッド一体成形することにより、ミラーの支持部を軽量化して、高速な振幅を可能とするものが知られている(例えば特許文献2参照)。

先行技術

0007

特許第3531554号公報
特開平11−183822号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、特許文献1では、ガルバノミラーの固定部近傍の張りに、切り込みを入れているため、固定部の剛性が低下して、高速駆動時加工位置ずれが発生するおそれがある。また、特許文献2は、共振を利用しているため、速度を変化させる装置には適用できない。

0009

本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、高速に移動させても、高精度で歪みにくいガルバノミラーを得るものである。

課題を解決するための手段

0010

本発明に係るガルバノミラーは、鏡面を有するミラーサーフェイス部と、鏡面の裏面側に接合される背面補強部とを有し、ミラーサーフェイス部を、単結晶SiCウェハにより構成する。

発明の効果

0011

本発明は、ミラーサーフェイス部を薄くし、さらに軽量化することにより、ガルバノミラーの共振周波数を高めている。これにより、高速に揺動させても高精度で歪みにくいガルバノミラーを得ることができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の実施の形態1のガルバノミラーを用いたレーザ加工機の模式図である。
実施の形態1によるガルバノミラーを背面から見た斜視図である。
実施の形態1におけるガルバノミラーの背面図である。
実施の形態1におけるガルバノミラーの側面図である。
実施の形態1のガルバノミラーを用いたガルバノスキャナを示す模式図である。
実施の形態1のガルバノミラーの製造プロセスを示す図である。
実施の形態1のガルバノミラーと従来例及び比較例のガルバノミラーの特性を比較した図である。
図7の各ガルバノミラーの共振周波数を比較した図である。

実施例

0013

以下、本発明のガルバノミラー及びガルバノミラーの製造方法の好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。

0014

実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1におけるガルバノミラー10を用いたレーザ加工機1の模式図である。図1に示すように、レーザ加工機1は、レーザ発振器300と、ガルバノミラー10を有する2台のガルバノスキャナ100A及び100Bと、fθレンズ400を有している。

0015

レーザ加工機1は、レーザ発振器300から、ガルバノスキャナ100Aのガルバノミラー10に向けて、レーザビーム300Aを照射する。ガルバノスキャナ100Aは、ガルバノミラー10を揺動させて、ガルバノミラー10により反射させたレーザビーム300Aを、ガルバノスキャナ100Bのガルバノミラー10に向けて照射する。

0016

ガルバノスキャナ100Bのガルバノミラー10は、ガルバノミラー10を往復回転駆動させて、ガルバノミラー10により反射させたレーザビーム300Aを、fθレンズ400に向けて照射する。fθレンズ400に入光したレーザビーム300Aは、被加工物200上にスポットSを形成する。レーザビーム300AのスポットSは、各ガルバノミラー10の往復回転移動に伴って、被加工物200の上を2次元方向に移動し、被加工物200に穿孔、切断などの加工を施す。

0017

次に、ガルバノミラー10について説明する。図2は、実施の形態1によるガルバノミラー10の背面側を示す斜視図である。また、図3は、ガルバノミラー10の背面図であり、図4は、ガルバノミラー10の側面図である。

0018

図2図4に示すように、実施の形態1によるガルバノミラー10は、ミラーサーフェイス部10Aと、背面補強部12とを有している。ミラーサーフェイス部10Aは、レーザビーム300Aを反射する鏡面Rを有している。背面補強部12は、主骨格12Aと、主骨格12Aから延出する複数の副骨格12Bと、主骨格12Aの基部側に形成されたロータ接合部12Cとを有している。背面補強部12は、主骨格12A及び複数の副骨格12Bにより、ミラーサーフェイス部10Aを鏡面Rの裏面側から補強して、鏡面Rの振動、歪み、じれを抑制している。

0019

図2及び図3に示すように、複数の副骨格12Bは、主骨格12Aから、斜めに延出しており、主骨格12Aから離れるにしたがって、主骨格12Aの先端側に向かうように形成されている。そして、複数の副骨格12Bは、幅及び高さが、主骨格12Aから離れるにしたがって、小さくなるように形成されている。このような形状にすることにより、背面補強部12を軽量化している。

0020

なお、複数の副骨格12Bは、幅及び高さのいずれか一方が、主骨格12Aから離れるにしたがって、小さくなるように形成してもよい。また、複数の副骨格12Bは、主骨格12Aから垂直な方向に延出させてもよい。ただし、複数の副骨格12Bは、主骨格12Aから離れるにしたがって、主骨格12Aの基部側に向かうように形成すると、補強効果が弱くなるため好ましくない。また、副骨格12Bは、ミラーサーフェイス部10Aの周辺端部まで延出させなくともよい。

0021

ガルバノミラー10のミラーサーフェイス部10Aは、鏡面研磨した単結晶ウェハを、ガルバノミラー10の形状にトリミングして得る。一方、背面補強部12は、炭素繊維ミルド繊維と粉末樹脂黒鉛粉末とを混合して得られた材料を、平面に研削加工して形成される。このようにして得られたミラーサーフェイス部10Aと背面補強部12とを一体に接合することにより、ガルバノミラー10が得られる。なお、ガルバノミラー10の製造方法の詳細については、後述する。

0022

このように、実施の形態1によるガルバノミラー10は、ミラーサーフェイス部10Aと、ミラーサーフェイス部10Aを背面から補強する背面補強部12とを有している。そして、背面補強部12に、主骨格12Aと、主骨格12Aから延出する複数の副骨格12Bと有している。これにより、ガルバノミラー10が往復回転移動された場合に、ミラーサーフェイス部10Aの鏡面Rの振動、歪み、捻じれを抑制することができる。

0023

次に、ガルバノスキャナ100について説明する。図5は、ガルバノスキャナ100の断面図である。図5に示すように、ガルバノスキャナ100は、ハウジング20と、ロータシャフト21と、ガルバノミラー10とを有している。ロータシャフト21は、ハウジング20に一対のベアリング23によって回転可能に支持されている。また、ガルバノミラー10は、ロータシャフト21の一端側に接続されており、ロータシャフト21の他端側には、エンコーダ板24が取付けられている。ロータシャフト21は、永久磁石22を内蔵している。そして、ハウジング20の内壁には、ロータシャフト21の周囲を覆うように、コイル25が取付けられている。

0024

ロータシャフト21は、例えば、C/SiC(Carbon/Siliconcarbide)複合材料によって形成される。また、永久磁石22は、例えばネオジム焼結磁石により形成され、接着剤によってロータシャフト21に固定されている。エンコーダ板24は、図示しないセンサヘッドと協動して、ガルバノミラー10の角度変位フィードバック制御するためのロータリエンコーダを構成している。なお、ロータリエンコーダに代えて、レゾルバを用いてもよい。

0025

次に、ガルバノミラー10の製造方法の詳細について、図6を用いて説明する。図6は、この発明の実施の形態1に係るガルバノミラー10の製造プロセスのフローを示している。

0026

図6に示すように、ガルバノミラー10の製造プロセスは、ミラーサーフェイス部10Aを形成するプロセスAと、背面補強部12を形成するプロセスBと、ミラーサーフェイス部10Aと背面補強部12とを一体化するプロセスCとからなる。以下、プロセスAからプロセスCまでを順番に説明する。

0027

プロセスAでは、まず、単結晶SiCのインゴットスライスしたウェハを用意する(A1)。例えば、厚さ350μmのCree社製4H−Ntypeを使用する。

0028

次に、ウェハの、ミラーサーフェイス部10Aの鏡面Rとなる面を、ポリッシュ仕上げして、表面粗度を10nm rms(二乗平均平方根(Root Mean Square))以下、平面度をλ/2(λ=633nm)に仕上げる(A2)。

0029

次に、ワイヤー放電加工機を用いて、ウェハをミラーサーフェイス部10Aの形状にトリミング加工する(A3)。トリミング加工は、レーザ加工法ダイヤモンドツールによる研削加工によって行ってもよいが、ミラーサーフェイス部10Aにチッピングクラックなどのダメージが発生しないように注意する必要がある。

0030

次に、ウェハの鏡面Rとなる面の裏面側を、蒸着又はスパッタによりメタライズする(A4)。メタライズで使用する材質は、拡散接合が可能な母材あるいは固溶体を形成する材質が好ましい。ここでは、金属シリコンを使用したスパッタにより、厚さ1μmの成膜を行う。メタライズで使用する材質は、Cu、Au、Ni、Pt、Ag、Ti、Alでもよい。以上によりミラーサーフェイス部10Aが形成され、プロセスAは終了する。

0031

プロセスBでは、まず、PAN系炭素繊維のミルド繊維と、ピッチ系炭素繊維のミルド繊維と、粉末フェノール樹脂及び黒鉛粉末との4種類の原料を、定められた比率で配合し、均質に混合させる(B1)。

0032

次に、混合した原料を成形用モールド充填し、加熱及び加圧して、粉体成形及び硬化を行い、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)のブロックを形成する(B2)。CFRPブロック成形温度は、120℃から170℃の範囲が好ましい。また、成形後のCFRPブロックのかさ比重が0.85〜0.95となるように、成形圧力を設定するとよい。

0033

次に、CFRPのブロックを、窒素又はアルゴンなどの不活性雰囲気中で、700℃から1000℃の温度で熱処理して炭化させ、C/C(Carbon Fiber Reinforced−Carbon matrix−composite)のブロックを得る(B3)。このB3の炭素化工程では、少なくとも600℃以上で熱処理をする必要があり、好ましくは800℃以上がよい。

0034

次に、C/Cのブロックに形状加工を行い、ミラーサーフェイス部10Aを補強する背面補強部12を得る(B4)。この形状加工において、背面補強部12の最終形状にあわせた形状に加工する。C/Cのブロックは、ミルド繊維で強化された、ポーラス形状を有する複合材料である。C/Cのブロックは加工性が良く、十分な強度を有しているため、SUS及びアルミ材と比較して、加工が簡単であり、十分な精度を得ることができる。なお、通常のセラミックス材は硬くて脆いため、加工性が悪く、微細で複雑な構造の加工には不向きである。

0035

次に、加工した背面補強部12に、1600℃程度の温度で溶融させた金属シリコンを含浸させ、炭素と金属シリコンを反応させてC/SiC化させた背面補強部12を得る(B5)。

0036

次に、背面補強部12の、ミラーサーフェイス部10Aとの接合面を平面に加工して、仕上げを行う(B6)。C/Cのブロックの状態で最終形状に加工して、接合面の平面加工だけをC/SiC化した後に行っているのは、C/SiC化した後のほうが、C/Cの状態のときより、硬くてもろいため、加工性が悪くなるためである。そのため、寸法精度が必要な部分以外は、C/SiC化する前の加工性の良いC/Cの状態のときに加工を行う。

0037

次に、背面補強部12の、ミラーサーフェイス部10Aとの接合面をメタライズする(B7)。メタライズに使用する材質は、ミラーサーフェイス部10Aのメタライズプロセス(A4)と同様に、拡散接合が可能な母材あるいは固溶体を形成する材質が好ましい。ミラーサーフェイス部10Aのメタライズに金属シリコンを用いたので、ここでは、ミラーサーフェイス部10Aとは異なるAuを選定して、背面補強部12の接合面に、スパッタにより0.1μmの成膜を行う。異なる材質を選定してメタライズを行うのは、ミラーサーフェイス部10Aと背面補強部12とを、共晶現象を利用して、より低温で一体化させるためである。

0038

以上により背面補強部12が形成され、プロセスBは終了する。この後、プロセスAで得られた単結晶SiCからなるミラーサーフェイス部10Aと、プロセスBで得られたC/SiC製の背面補強部12とを、プロセスCで一体化させる。

0039

プロセスCでは、まず、単結晶SiCからなるミラーサーフェイス部10Aの接合面と、背面補強部12の接合面とを合わせた状態で、不活性雰囲気の電気炉内で加圧及び加熱する拡散接合により一体化させる(C1)。加熱する温度は、次のコーティング工程で、ミラーサーフェイス部10Aと背面補強部12のそれぞれに用いられるコーティング材組合せにより異なる。例えば、背面補強部12のコーティング材がAuで、ミラーサーフェイス部10Aのコーティング材がSiの場合、AuとSiの体積比率が4:1の時に、共晶化する温度が363℃程度まで低下することが知られている。よって、この場合には、450℃程度まで加熱して一体化させる。

0040

次に、ミラーサーフェイス部10Aの鏡面Rに、Au又はAgなどによる増反射コーティングを行う(C2)。以上により、ガルバノミラー10が形成され、プロセスCは終了する。

0041

なお、実施の形態1のガルバノミラー10の製造方法では、拡散接合により、ミラーサーフェイス部10Aと背面補強部12とを一体化させていたが、これに限るものではない。例えば、一体化のプロセスには、ロウ付けを用いてもよい。ロウ付けによって接合する場合には、ロウ剤整合付近に配置した状態で、ロウ剤が溶融する温度まで加熱処理を行う。

0042

このように、実施の形態1によるガルバノミラー10の製造方法によれば、ガルバノミラー10の背面補強部12にC/SiC材を用いることにより、ニアネット形状で、C/SiC化が可能となる。これにより、加工時間の短縮が可能となり、金属並みの薄肉加工が可能となる。よって、金属部品からの置き換えも可能となる。

0043

さらに、単結晶SiCウェハで形成したミラーサーフェイス部10Aは、単独で鏡面加工することができるため、背面補強部12と一体化した後に鏡面仕上げをする必要がない。よって、従来のガルバノミラーのミラーサーフェイス部より薄く、軽いミラーサーフェイス部10Aを形成することが可能となり、ガルバノミラー10が軽量化されて、高速駆動が可能となる。

0044

また、ミラーサーフェイス部10Aの材料である単結晶SiCと、背面補強部12の材料であるC/SiCは、主組成がいずれもSiCであるため、熱膨張率などの物性が類似している。これにより、ミラーサーフェイス部10Aと背面補強部12とを熱処理プロセスによって接合する場合に、接合前後でほとんど変形を生じることがない。よって、鏡面精度の高いガルバノミラー10を得ることができる。

0045

ガルバノミラー10は、駆動速度を速くしていくと、ある特定の速度において、振動の振幅が大きくなる共振現象が発生する。この共振現象が発生するときの振動の周波数を共振周波数又は固有周波数という。共振周波数は、ガルバノミラー10の構造と比剛性ヤング率/比重)の関係によって定まるものである。共振現象が生じると、ガルバノミラー10は駆動速度に追随できなくなる。このため、ガルバノミラー10は、共振周波数以下の速度で駆動させる必要がある。したがって、ガルバノミラー10の共振周波数が高いほど、ガルバノミラー10は高速で駆動させることができることになる。

0046

図7は、実施の形態1によるガルバノミラー10(No.1)及び4つの比較例のガルバノミラーNo.2〜No.5の特性を、従来品のガルバノミラーC1,C2と比較した結果である。なお、実施の形態1によるガルバノミラー10(No.1)は、SiCでミラーサーフェイス部10Aが構成され、C/SiCで背面補強部12が構成されている。また、4つの比較例のガルバノミラーNo.2〜No.5は、それぞれ、Al,Si3N4,B4C,Al2O3の単一材料で、ミラーサーフェイス部と背面補強部が構成されている。そして、従来品のガルバノミラーC1には、BeCuの単一材料により、ミラーサーフェイス部と背面補強部が構成されているものを用い、従来品のガルバノミラーC2には、焼結工程により製造されるSiC材の単一材料により、ミラーサーフェイス部と背面補強部が構成されているものを用いた。

0047

図7において、「◎」は「従来品より良い」、「○」は「従来品よりやや良い」、「△」は「従来品と同等」、「▲」は「従来品よりやや悪い」、「×」は「従来品より悪い」という結果を示している。図7における「鏡面精度」は、各ガルバノミラーを、永久磁石22を組み込んだロータシャフト21に組み付けた後に確認した。また、図7における「共振周波数」は、ロータシャフト21を高速で駆動して測定した。

0048

図8は、図7の各ガルバノミラーの共振周波数の測定値を比較したものである。図8において、横軸のC1及びC2は従来品のガルバノミラー、1は実施の形態1のガルバノミラー10(No.1)、2〜5は比較例のガルバノミラーNo.2〜No.5を示している。なお、図8縦軸は、各ガルバノミラーの共振周波数Fを、従来品のガルバノミラーC1の共振周波数を1とした相対比較値で示している。

0049

図7及び図8に示すように、実施の形態1のガルバノミラー10(No.1)は、共振周波数Fについて、従来品のガルバノミラーC1,C2及び比較例のガルバノミラーNo.2〜No.5より向上することが確認できた。よって、実施の形態1のガルバノミラー10(No.1)は、高速駆動が可能であることが確認できた。さらに、図7に示すように、実施の形態1のガルバノミラー10(No.1)は、鏡面精度及び加工性についても、従来品のガルバノミラーC1,C2及び比較例のガルバノミラーNo.2〜No.5より向上することが確認できた。また、加工コストにおいては、従来品のガルバノミラーC1,C2及び比較例のガルバノミラーNo.2〜No.5と同等以上であることが確認できた。

0050

図8に示すように、SiCのみを用いて形成された従来例のガルバノミラー10(C2)よりも、SiCを用いて形成されたミラーサーフェイス部10Aと、C/SiCを用いて形成された背面補強部12とを接合した実施の形態1のガルバノミラー10の方が、共振周波数Fが高い。これは、SiCを用いて形成されたミラーサーフェイス部10Aに、C/SiCを用いて形成した背面補強部12を接合することにより、SiCのみで形成した場合よりも、比剛性が高くなったものである。

0051

なお、実施の形態1では、ミラーサーフェイス部10AにSiCを用いて形成されたウェハを用いていたが、これに限るものではない。例えば、SiCに代えて、サファイヤ(Al2O3)、二酸化チタン(TiO2)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化アルミ(AlN)、炭窒化チタン(TiCN)、炭化ホウ素(B4C)、ベリリウム(Be)、シリコン(Si)からなるウェハを用いてもよい。

0052

1レーザ加工機、10ガルバノミラー、10Aミラーサーフェイス部、12 背面補強部、12A主骨格、12B 副骨格、12Cロータ接合部、20ハウジング、21ロータシャフト、22永久磁石、23ベアリング、24エンコーダ板、25コイル、100,100A,100Bガルバノスキャナ、200被加工物、300レーザ発振器、300Aレーザビーム、400fθレンズ、R 鏡面、Sスポット。

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