図面 (/)

技術 測定対象物質を測定するためのキット、方法及び試薬

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 知久浩之吉岡知昭渡辺康介浜田和博佐々木晃逸
出願日 2018年3月29日 (2年8ヶ月経過) 出願番号 2019-510174
公開日 2020年1月9日 (11ヶ月経過) 公開番号 WO2018-181799
状態 未査定
技術分野 生物学的材料の調査,分析
主要キーワード 実験水準 測定形態 乖離幅 測定診断 無機物質粉末 非測定物 金蒸着膜 近似線
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年1月9日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (10)

課題・解決手段

本発明の課題は、非特異吸着による偽陽性の問題を防止し、発生するノイズの増加を抑え、低濃度から高濃度にわたる広範囲濃度域において測定対象物質の高精度の測定を実現することができるキット、方法及び試薬を提供することである。本発明によれば、第一の結合物質で修飾された、標識を有する第一の粒子と、第二の結合物質で修飾された、標識を有しない第二の粒子と、上記第一の粒子及び上記第二の粒子を流すための流路と、上記測定対象物質と特異的な結合性を有する第三の結合物質、又は上記第一の結合物質に対して結合性を有する物質を有する基板と、を含む測定対象物質を測定するためのキットであって、上記の標識を有する第一の粒子は、下記式(1)で示される少なくとも一種化合物と粒子とを含有する発光性標識粒子であるキットが提供される。式(1)中の各記号は、本明細書に記載した意味を示す。

概要

背景

タンパク質酵素又は無機化合物などを定量するための高感度かつ容易な測定法として蛍光検出法が広く用いられている。蛍光検出法は、特定波長の光により励起されて蛍光を発する測定対象物質を含むと考えられる試料に上記特定波長の励起光照射した際に発する蛍光を検出することによって測定対象物質の存在を確認する方法である。測定対象物質が蛍光体でない場合には、例えば、測定対象物質と特異的に結合する物質蛍光色素で標識した物質を、試料に接触させ、その後上記と同様にして、励起光を照射した際に発する蛍光を検出することにより、測定対象物質の存在を確認することができる。

上記のような蛍光検出法において、微量に存在する測定対象物質を検出するための感度を向上させるため、プラズモン共鳴による電場増強の効果を利用する方法が知られている。この方法では、プラズモン共鳴を生じさせるため、透明な支持体上の所定領域に金属層を設けたセンサチップを用意し、支持体と金属膜との界面に対して支持体の金属層形成面と反対の面側から、全反射角以上の所定の角度で励起光を入射さる。かかる励起光の照射により金属層に表面プラズモンが発生するが、この表面プラズモンの発生による電場増強作用によって、蛍光を増強させることによりシグナルノイズ比(S/N比)が向上し高感度な測定が可能となる。表面プラズモン励起による蛍光検出法(以下、「SPF法」とする)は、落射励起による蛍光検出法(落射蛍光法とも称する)に対して、信号増強度が約10倍得られ、高感度に測定することができる。

特許文献1には、スルホン化ハイブリッドフタロシアニン誘導体と抗体との複合体、並びにスルホン化ハイブリッドフタロシアニン誘導体とリガンド同族体との複合体が記載されており、上記複合体を用いてイムノアッセイ及び核酸アッセイを行うことが記載されている。

特許文献2には、特定の構造を有する色素化合物、及びそれを用いた安価で変換効率の良い光電気変換素子及び太陽電池が記載されている。また、特許文献3には、少なくとも活性層と一対の電極とを含む有機薄膜太陽電池素子であって、活性層が、添加剤p型半導体化合物及びn型半導体化合物を含有し、添加剤は、所定の構造で表されるジベンゾピロメテンホウ素キレート化合物を含む、有機薄膜太陽電池素子が記載されている。

また、免疫測定方法では、被検物質を含む陽性となる被検試料だけでなく、被検物質を含まない陰性の被検試料に対しても反応し、陽性となる被検試料が存在し、偽陽性を示す問題が従来から認識されている。このような擬陽性を示す原因は明確にはなっていないが、血清中に含まれる何らかの因子が存在して非特異反応を起こすことが原因の一つではないかと考えられている。

非特異反応を抑制する技術として、特許文献4には、免疫学的測定方法、特に、凝集を利用した免疫学的測定方法において、0.3〜2.0μmの感作粒子非特異的免疫反応を阻止するために、非特異的免疫反応の原因物質反応性を有する物質を結合した0.2μm以下の超微粒子を使用することが記載されている。特許文献5には、0.4μm以上の感作粒子を用いた免疫凝集反応により被検物質を検出する方法において、ブロッキングに使用する粒子として0.01μm〜0.5μmの不溶性担体粒子を用いることが記載されている。また、特許文献6には、非特異反応の抑制を目的として、特異的に反応する粒子よりも小さい粒子に非測定物質と免疫学的に反応しない抗体、又は抗原を固定したものを添加する方法が記載されている。さらに、特許文献7には、被測定物質に対して免疫学的に反応する抗体あるいは抗原を平均粒子径0.05〜0.5μmの担体担持した免疫測定粒子を使用する免疫測定方法に用いられる非特異反応抑制剤であって、被測定物質に対して免疫学的に反応しない抗体又は抗原を有機溶媒存在下で担持した不溶性担体からなり、不溶性担体の平均粒子径が担体の平均粒子径よりも小さいことを特徴とする非特異反応抑制剤が記載されている。特許文献8には、蛍光分光技術を使用した免疫検出方法において、外径1μm以下の粒子により非特異反応の影響を抑止することが記載されている。また、特許文献9には、誘電体プレートの一面に、誘電体プレートに隣接する金属層を含む積層構造からなるセンサ部を備えるセンサチップを用い、センサ部に試料を接触させることにより、試料に含有される被検出物質の量に応じた量の、蛍光標識と蛍光標識に標識された結合物質とからなる蛍光標識結合物質を、センサ部上に結合させ、センサ部に励起光を照射することにより、センサ部上に増強した光電場を発生せしめ、増強した光電場により、蛍光標識を励起し、励起に起因して生じる光の量に基づいて、被検出物質の量を検出する検出方法において、蛍光標識として、複数の第1の蛍光色素分子と、複数の第1の蛍光色素分子から生じる蛍光を透過する透光材料からなりかつ複数の第1の蛍光色素分子を包含する第1の粒子とから構成される蛍光物質を用い、センサ部に対する蛍光標識結合物質の非特異的吸着性により蛍光標識結合物質がセンサ部に吸着することを防ぐためのブロッキング剤として、第1の蛍光色素分子を含まずかつ結合物質の特異的結合性を有さないブロッキング物質であって、蛍光標識結合物質の非特異的吸着性と同等の非特異的吸着性を有するブロッキング物質を用いることを特徴とする検出方法が記載されている。また、特許文献10は、粒子サイズを規定した乾燥粒子を用いて非特異吸着を抑制する免疫測定法が開示されている。

概要

本発明の課題は、非特異吸着による偽陽性の問題を防止し、発生するノイズの増加を抑え、低濃度から高濃度にわたる広範囲濃度域において測定対象物質の高精度の測定を実現することができるキット、方法及び試薬を提供することである。本発明によれば、第一の結合物質で修飾された、標識を有する第一の粒子と、第二の結合物質で修飾された、標識を有しない第二の粒子と、上記第一の粒子及び上記第二の粒子を流すための流路と、上記測定対象物質と特異的な結合性を有する第三の結合物質、又は上記第一の結合物質に対して結合性を有する物質を有する基板と、を含む測定対象物質を測定するためのキットであって、上記の標識を有する第一の粒子は、下記式(1)で示される少なくとも一種の化合物と粒子とを含有する発光性標識粒子であるキットが提供される。式(1)中の各記号は、本明細書に記載した意味を示す。

目的

本発明は、生体試料中の測定対象物質の測定において、非特異吸着による偽陽性の問題を防止し、発生するノイズの増加を抑え、低濃度から高濃度にわたる広範囲の濃度域において測定対象物質の高精度の測定を実現することができるキット、方法及び試薬を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

測定対象物質と特異的な結合性を有する第一の結合物質で修飾された、標識を有する第一の粒子と、前記測定対象物質と特異的な結合性を有しない第二の結合物質で修飾された、標識を有しない第二の粒子と、前記第一の粒子及び前記第二の粒子を流すための流路と、前記測定対象物質と特異的な結合性を有する第三の結合物質、又は前記第一の結合物質に対して結合性を有する物質を有する基板と、を含む測定対象物質を測定するためのキットであって、前記の標識を有する第一の粒子は、下記式(1)で示される少なくとも一種化合物と粒子とを含有する発光性標識粒子である、測定対象物質を測定するためのキット。式(1)中、m1及びm2はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、m1及びm2の何れかは少なくとも1以上である。Mは半金属原子又は金属原子を表す。R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子アルキル基アリール基ヘテロ環基エテニル基エチニル基アシル基アルコキシ基アリールオキシ基アルキルチオ基、又はアリールチオ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。Y1及びY2はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、エテニル基、又はエチニル基を表し、これらは置換基を有していてもよく、Y1及びY2は互いに連結して環を形成してもよい。Ar1及びAr2はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香環を表す。X1及びX2はそれぞれ独立にアリール基、ヘテロ環基又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。m1が2以上である場合、複数のX1は同じ基でもそれぞれ異なる基でもよく、m2が2以上である場合、複数のX2は同じ基でもそれぞれ異なる基でもよい。

請求項2

前記式(1)で表される化合物が、下記式(2)で表される化合物である、請求項1に記載のキット。式(2)中、Y1及びY2はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はアルコキシ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。R3は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、又はアシル基を表し、これらは置換基を有していてもよい。Ar3及びAr4はそれぞれ独立にアリール基又はヘテロ環基を表し、これらは置換基を有していてもよい。R4〜R11はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。R4〜R11のうち少なくとも一つはアリール基、ヘテロ環基、又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。

請求項3

R4〜R7のうち少なくとも一つはアリール基、ヘテロ環基、又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよく、R8〜R11のうち少なくとも一つはアリール基、ヘテロ環基、又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい、請求項2に記載のキット。

請求項4

R4〜R11の少なくとも1つ以上が、置換基を有していてもよいアリール基である、請求項2又は3に記載のキット。

請求項5

R4〜R11の少なくとも1つ以上が、下記式(3)で表される基である、請求項2から4の何れか一項に記載のキット。式(3)中、R201〜R205は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基であり、R201及びR205の少なくとも一方は水素原子以外の基である。R201とR202は互いに連結して環を形成してもよく、R202とR203は互いに連結して環を形成してもよく、R203とR204は互いに連結して環を形成してもよく、R204とR205は互いに連結して環を形成してもよい。

請求項6

Y1及びY2がフッ素原子である、請求項1から5の何れか一項に記載のキット。

請求項7

前記第一の粒子及び第二の粒子がラテックス粒子である、請求項1から6の何れか一項に記載のキット。

請求項8

前記の標識を有する第一の粒子は、前記式(1)で表される少なくとも一種のエネルギードナー化合物と、前記式(1)で表される少なくとも一種のエネルギーアクセプター化合物と、粒子とを含有する、発光性の標識粒子である、請求項1から7の何れか一項に記載のキット。

請求項9

エネルギードナー化合物とエネルギーアクセプター化合物のモル比が1:10〜10:1である、請求項8に記載のキット。

請求項10

ドナー化合物アクセプター化合物ストークスシフトが40nm以上である、請求項8又は9に記載のキット。

請求項11

前記第一の粒子に対する前記第二の粒子の質量比が1〜6である、請求項1から10の何れか一項に記載のキット。

請求項12

前記第一の粒子及び前記第二の粒子が、70nm以上500nm以下の平均粒子径を有する、請求項1から11の何れか一項に記載のキット。

請求項13

前記測定対象物質と特異的な結合性を有する第一の結合物質が抗体である、請求項1から12の何れか一項に記載のキット。

請求項14

(i)(a)測定対象物質と特異的な結合性を有する第一の結合物質で修飾された、標識を有する第一の粒子と、(b)前記測定対象物質と特異的な結合性を有しない第二の結合物質で修飾された、標識を有しない第二の粒子と、(c)前記測定対象物質を含む被検試料液と、を混合して、混合液を得る工程と、(ii)前記工程(i)で得た混合液を、基板上に適用する工程と、(iii)前記測定対象物質と特異的な結合性を有する第三の結合物質、又は前記第一の結合物質に対して結合性を有する物質を有する、前記基板上の反応部位において、前記測定対象物質又は前記第一の結合物質を捕捉する工程と、(iv)前記反応部位上に捕捉された前記測定対象物質又は前記第一の結合物質を検出する工程と、を含み、前記標識を有する第一の粒子は、下記式(1)で示される少なくとも一種の化合物と粒子とを含有する発光性の標識粒子である、測定対象物質の測定方法。式(1)中、m1及びm2はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、m1及びm2の何れかは少なくとも1以上である。Mは半金属原子又は金属原子を表す。R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、又はアリールチオ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。Y1及びY2はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、エテニル基、又はエチニル基を表し、これらは置換基を有していてもよく、Y1及びY2は互いに連結して環を形成してもよい。Ar1及びAr2はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香環を表す。X1及びX2はそれぞれ独立にアリール基、ヘテロ環基又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。m1が2以上である場合、複数のX1は同じ基でもそれぞれ異なる基でもよく、m2が2以上である場合、複数のX2は同じ基でもそれぞれ異なる基でもよい。

請求項15

前記式(1)で表される化合物が、下記式(2)で表される化合物である、請求項14に記載の方法。式(2)中、Y1及びY2はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はアルコキシ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。R3は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、又はアシル基を表し、これらは置換基を有していてもよい。Ar3及びAr4はそれぞれ独立にアリール基又はヘテロ環基を表し、これらは置換基を有していてもよい。R4〜R11はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。R4〜R11のうち少なくとも一つはアリール基、ヘテロ環基、又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。

請求項16

R4〜R7のうち少なくとも一つはアリール基、ヘテロ環基、又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよく、R8〜R11のうち少なくとも一つはアリール基、ヘテロ環基、又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい、請求項15に記載の方法。

請求項17

R4〜R11の少なくとも1つ以上が、置換基を有していてもよいアリール基である、請求項15又は16に記載の方法。

請求項18

R4〜R11の少なくとも1つ以上が、式(3)で表される基である、請求項15から17の何れか一項に記載の方法。式(3)中、R201〜R205は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基であり、R201及びR205の少なくとも一方は水素原子以外の基である。R201とR202は互いに連結して環を形成してもよく、R202とR203は互いに連結して環を形成してもよく、R203とR204は互いに連結して環を形成してもよく、R204とR205は互いに連結して環を形成してもよい。

請求項19

Y1及びY2がフッ素原子である、請求項14から18の何れか一項に記載の方法。

請求項20

前記第一の粒子及び第二の粒子がラテックス粒子である、請求項14から19の何れか一項に記載の方法。

請求項21

前記標識を有する第一の粒子は、前記式(1)で表される少なくとも一種のエネルギードナー化合物と、前記式(1)で表される少なくとも一種のエネルギーアクセプター化合物と、粒子とを含有する、発光性の標識粒子である、請求項14から20の何れか一項に記載の方法。

請求項22

エネルギードナー化合物とエネルギーアクセプター化合物のモル比が1:10〜10:1である、請求項21に記載の方法。

請求項23

ドナー化合物とアクセプター化合物のストークスシフトが40nm以上である、請求項21又は22に記載の方法。

請求項24

前記第一の粒子に対する前記第二の粒子の質量比が1〜6である、請求項14から23の何れか一項に記載の測定対象物質の測定方法。

請求項25

前記第一の粒子及び前記第二の粒子が、70nm以上500nm以下の平均粒子径を有する、請求項14から24の何れか一項に記載の測定方法。

請求項26

前記測定対象物質と特異的な結合性を有する第一の結合物質が抗体である、請求項14から25の何れか一項に記載の測定対象物質の測定方法。

請求項27

前記標識を有する第一の粒子が、蛍光ラテックス粒子であり、前記第二の粒子がラテックス粒子である、請求項14から26の何れか一項に記載の測定対象物質の測定方法。

請求項28

工程(iv)において、前記反応部位上に捕捉された測定対象物質又は前記第一の結合物質を表面プラズモン蛍光法により検出する、請求項14から27の何れか一項に記載の測定対象物質の測定方法。

請求項29

請求項1から13の何れか一項に記載のキットを用いて行う、請求項14から28の何れか一項に記載の測定対象物質の測定方法。

請求項30

(a)測定対象物質と特異的な結合性を有する第一の結合物質で修飾され、70nm以上500nm以下の平均粒子径を有し、標識を有する第一の粒子と、(b)前記測定対象物質と特異的な結合性を有しない第二の結合物質で修飾され、70nm以上500nm以下の平均粒子径を有し、標識を有しない第二の粒子とを含む、測定対象物質測定試薬であって、前記の標識を有する第一の粒子は、下記式(1)で示される少なくとも一種の化合物と粒子とを含有する発光性の標識粒子である、測定対象物質測定試薬。式(1)中、m1及びm2はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、m1及びm2の何れかは少なくとも1以上である。Mは半金属原子又は金属原子を表す。R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、又はアリールチオ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。Y1及びY2はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、エテニル基、又はエチニル基を表し、これらは置換基を有していてもよく、Y1及びY2は互いに連結して環を形成してもよい。Ar1及びAr2はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香環を表す。X1及びX2はそれぞれ独立にアリール基、ヘテロ環基又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。m1が2以上である場合、複数のX1は同じ基でもそれぞれ異なる基でもよく、m2が2以上である場合、複数のX2は同じ基でもそれぞれ異なる基でもよい。

請求項31

前記第一の粒子に対する前記第二の粒子の質量比が1〜6である、請求項30に記載の測定対象物質測定試薬。

請求項32

前記測定対象物質と特異的な結合性を有する第一の結合物質が抗体である、請求項30又は31に記載の測定対象物質測定試薬。

請求項33

前記標識を有する第一の粒子が、蛍光ラテックス粒子であり、前記第二の粒子がラテックス粒子である、請求項30から32の何れか一項に記載の測定対象物質測定試薬。

技術分野

0001

本発明は、測定対象物質を測定するためのキット、測定対象物質を測定する方法、及び測定対象物質測定試薬に関する。

背景技術

0002

タンパク質酵素又は無機化合物などを定量するための高感度かつ容易な測定法として蛍光検出法が広く用いられている。蛍光検出法は、特定波長の光により励起されて蛍光を発する測定対象物質を含むと考えられる試料に上記特定波長の励起光照射した際に発する蛍光を検出することによって測定対象物質の存在を確認する方法である。測定対象物質が蛍光体でない場合には、例えば、測定対象物質と特異的に結合する物質蛍光色素で標識した物質を、試料に接触させ、その後上記と同様にして、励起光を照射した際に発する蛍光を検出することにより、測定対象物質の存在を確認することができる。

0003

上記のような蛍光検出法において、微量に存在する測定対象物質を検出するための感度を向上させるため、プラズモン共鳴による電場増強の効果を利用する方法が知られている。この方法では、プラズモン共鳴を生じさせるため、透明な支持体上の所定領域に金属層を設けたセンサチップを用意し、支持体と金属膜との界面に対して支持体の金属層形成面と反対の面側から、全反射角以上の所定の角度で励起光を入射さる。かかる励起光の照射により金属層に表面プラズモンが発生するが、この表面プラズモンの発生による電場増強作用によって、蛍光を増強させることによりシグナルノイズ比(S/N比)が向上し高感度な測定が可能となる。表面プラズモン励起による蛍光検出法(以下、「SPF法」とする)は、落射励起による蛍光検出法(落射蛍光法とも称する)に対して、信号増強度が約10倍得られ、高感度に測定することができる。

0004

特許文献1には、スルホン化ハイブリッドフタロシアニン誘導体と抗体との複合体、並びにスルホン化ハイブリッドフタロシアニン誘導体とリガンド同族体との複合体が記載されており、上記複合体を用いてイムノアッセイ及び核酸アッセイを行うことが記載されている。

0005

特許文献2には、特定の構造を有する色素化合物、及びそれを用いた安価で変換効率の良い光電気変換素子及び太陽電池が記載されている。また、特許文献3には、少なくとも活性層と一対の電極とを含む有機薄膜太陽電池素子であって、活性層が、添加剤p型半導体化合物及びn型半導体化合物を含有し、添加剤は、所定の構造で表されるジベンゾピロメテンホウ素キレート化合物を含む、有機薄膜太陽電池素子が記載されている。

0006

また、免疫測定方法では、被検物質を含む陽性となる被検試料だけでなく、被検物質を含まない陰性の被検試料に対しても反応し、陽性となる被検試料が存在し、偽陽性を示す問題が従来から認識されている。このような擬陽性を示す原因は明確にはなっていないが、血清中に含まれる何らかの因子が存在して非特異反応を起こすことが原因の一つではないかと考えられている。

0007

非特異反応を抑制する技術として、特許文献4には、免疫学的測定方法、特に、凝集を利用した免疫学的測定方法において、0.3〜2.0μmの感作粒子非特異的免疫反応を阻止するために、非特異的免疫反応の原因物質反応性を有する物質を結合した0.2μm以下の超微粒子を使用することが記載されている。特許文献5には、0.4μm以上の感作粒子を用いた免疫凝集反応により被検物質を検出する方法において、ブロッキングに使用する粒子として0.01μm〜0.5μmの不溶性担体粒子を用いることが記載されている。また、特許文献6には、非特異反応の抑制を目的として、特異的に反応する粒子よりも小さい粒子に非測定物質と免疫学的に反応しない抗体、又は抗原を固定したものを添加する方法が記載されている。さらに、特許文献7には、被測定物質に対して免疫学的に反応する抗体あるいは抗原を平均粒子径0.05〜0.5μmの担体担持した免疫測定粒子を使用する免疫測定方法に用いられる非特異反応抑制剤であって、被測定物質に対して免疫学的に反応しない抗体又は抗原を有機溶媒存在下で担持した不溶性担体からなり、不溶性担体の平均粒子径が担体の平均粒子径よりも小さいことを特徴とする非特異反応抑制剤が記載されている。特許文献8には、蛍光分光技術を使用した免疫検出方法において、外径1μm以下の粒子により非特異反応の影響を抑止することが記載されている。また、特許文献9には、誘電体プレートの一面に、誘電体プレートに隣接する金属層を含む積層構造からなるセンサ部を備えるセンサチップを用い、センサ部に試料を接触させることにより、試料に含有される被検出物質の量に応じた量の、蛍光標識と蛍光標識に標識された結合物質とからなる蛍光標識結合物質を、センサ部上に結合させ、センサ部に励起光を照射することにより、センサ部上に増強した光電場を発生せしめ、増強した光電場により、蛍光標識を励起し、励起に起因して生じる光の量に基づいて、被検出物質の量を検出する検出方法において、蛍光標識として、複数の第1の蛍光色素分子と、複数の第1の蛍光色素分子から生じる蛍光を透過する透光材料からなりかつ複数の第1の蛍光色素分子を包含する第1の粒子とから構成される蛍光物質を用い、センサ部に対する蛍光標識結合物質の非特異的吸着性により蛍光標識結合物質がセンサ部に吸着することを防ぐためのブロッキング剤として、第1の蛍光色素分子を含まずかつ結合物質の特異的結合性を有さないブロッキング物質であって、蛍光標識結合物質の非特異的吸着性と同等の非特異的吸着性を有するブロッキング物質を用いることを特徴とする検出方法が記載されている。また、特許文献10は、粒子サイズを規定した乾燥粒子を用いて非特異吸着を抑制する免疫測定法が開示されている。

先行技術

0008

特表平10−508897号公報
特開2014−196283号公報
特開2012−199541号公報
特開昭60−256057号公報
特開2000−221196号公報
特開平11−337551号公報
特開2007−127438号公報
特開2010−19553号公報
特開2010−112748号公報
特開2015−072249号公報

発明が解決しようとする課題

0009

上記の通り、簡易的な測定方法で高感度に測定が可能な方法としてはSPF法が知られているが、非常に微量な測定対象物質の測定に対しては十分に満足のいくものではなかった。検出法の中で、抗体でサンドイッチできないような低分子を測定する競合法においては、測定対象物質の濃度が低い領域の検出感度を上げるためには反応系中の蛍光標識濃度を低く抑える必要があるが、その場合測定対象物質の高濃度域側における蛍光強度不足し、高濃度域では、誤差が非常に大きくなるため測定対象物質が精度よく測定できない問題があった。

0010

また、特許文献4から8に記載のように、試料中に存在する非特異的免疫反応原因物質による偽陽性が問題となる特定の試料があり、非特異的免疫反応原因物質と相互作用する物質を付与した微粒子を用いて、技要請の問題を回避することが開示されているが、特許文献4、5、6及び7に記載の方法では、凝集法による測定は低感度であり非常に微量な測定対象物質の検出には使用できない問題があった。また、特許文献4に開示された免疫測定法は、洗浄工程や、遠心分離操作が必要であり、簡便な測定方法ではないという欠点を有していた。

0011

特許文献8には、蛍光分光技術を使用した免疫検出方法において、外径1μm以下の粒子により非特異反応の影響を抑止することが記載されているが、非常に簡易な測定ではなかった。また、特許文献9及び10は共に、流路を用いた簡易的な免疫測定法を開示し、蛍光法を用いた測定方法として検体を測定しているが、測定対象物質の濃度が低い領域の検出感度を上げる技術に関しては開示していない。

0012

更に感度を上げて微量の検出物質を検出可能とすることで、非特異吸着による偽陽性の問題に限らず、ノイズも増加してしまうという問題がある。

0013

本発明は、生体試料中の測定対象物質の測定において、非特異吸着による偽陽性の問題を防止し、発生するノイズの増加を抑え、低濃度から高濃度にわたる広範囲濃度域において測定対象物質の高精度の測定を実現することができるキット、方法及び試薬を提供することを解決すべき課題とした。

課題を解決するための手段

0014

本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、測定対象物質と特異的な結合性を有する第一の結合物質で修飾された、標識を有する第一の粒子と、上記測定対象物質と特異的な結合性を有しない第二の結合物質で修飾された、標識を有しない第二の粒子と、上記第一の粒子及び上記第二の粒子を流すための流路と、上記測定対象物質と特異的な結合性を有する第三の結合物質、又は上記第一の結合物質に対して結合性を有する物質を有する基板と、を含む測定対象物質を測定するためのキットにおいて、標識を有する第一の粒子として、高い量子収率及び高い輝度を示す特定の標識粒子を用いることによって、上記課題を解決できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される。

0015

<1>測定対象物質と特異的な結合性を有する第一の結合物質で修飾された、標識を有する第一の粒子と、
上記測定対象物質と特異的な結合性を有しない第二の結合物質で修飾された、標識を有しない第二の粒子と、
上記第一の粒子及び上記第二の粒子を流すための流路と、
上記測定対象物質と特異的な結合性を有する第三の結合物質、又は上記第一の結合物質に対して結合性を有する物質を有する基板と、
を含む測定対象物質を測定するためのキットであって、
上記の標識を有する第一の粒子は、下記式(1)で示される少なくとも一種の化合物と粒子とを含有する発光性の標識粒子である、測定対象物質を測定するためのキット。



式(1)中、m1及びm2はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、m1及びm2の何れかは少なくとも1以上である。Mは半金属原子又は金属原子を表す。R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子アルキル基アリール基ヘテロ環基エテニル基エチニル基アシル基アルコキシ基アリールオキシ基アルキルチオ基、又はアリールチオ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。Y1及びY2はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、エテニル基、又はエチニル基を表し、これらは置換基を有していてもよく、Y1及びY2は互いに連結して環を形成してもよい。Ar1及びAr2はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香環を表す。X1及びX2はそれぞれ独立にアリール基、ヘテロ環基又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。m1が2以上である場合、複数のX1は同じ基でもそれぞれ異なる基でもよく、m2が2以上である場合、複数のX2は同じ基でもそれぞれ異なる基でもよい。

0016

<2> 上記式(1)で表される化合物が、下記式(2)で表される化合物である、<1>に記載のキット。



式(2)中、Y1及びY2はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はアルコキシ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。R3は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、又はアシル基を表し、これらは置換基を有していてもよい。Ar3及びAr4はそれぞれ独立にアリール基又はヘテロ環基を表し、これらは置換基を有していてもよい。R4〜R11はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。R4〜R11のうち少なくとも一つはアリール基、ヘテロ環基、又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。
<3> R4〜R7のうち少なくとも一つはアリール基、ヘテロ環基、又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよく、R8〜R11のうち少なくとも一つはアリール基、ヘテロ環基、又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい、<2>に記載のキット。
<4> R4〜R11の少なくとも1つ以上が、置換基を有していてもよいアリール基である、<2>又は<3>に記載のキット。

0017

<5> R4〜R11の少なくとも1つ以上が、下記式(3)で表される基である、<2>から<4>の何れか一に記載のキット。



式(3)中、R201〜R205は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基であり、R201及びR205の少なくとも一方は水素原子以外の基である。R201とR202は互いに連結して環を形成してもよく、R202とR203は互いに連結して環を形成してもよく、R203とR204は互いに連結して環を形成してもよく、R204とR205は互いに連結して環を形成してもよい。
<6> Y1及びY2がフッ素原子である、<1>から<5>の何れか一に記載のキット。
<7> 上記第一の粒子及び第二の粒子がラテックス粒子である、<1>から<6>の何れか一に記載のキット。
<8> 上記の標識を有する第一の粒子は、上記式(1)で表される少なくとも一種のエネルギードナー化合物と、上記式(1)で表される少なくとも一種のエネルギーアクセプター化合物と、粒子とを含有する、発光性の標識粒子である、<1>から<7>の何れか一に記載のキット。
<9> エネルギードナー化合物とエネルギーアクセプター化合物のモル比が1:10〜10:1である、<8>に記載のキット。
<10>ドナー化合物アクセプター化合物ストークスシフトが40nm以上である、<8>又は<9>に記載のキット。
<11> 上記第一の粒子に対する上記第二の粒子の質量比が1〜6である、<1>から<10>の何れか一に記載のキット。
<12> 上記第一の粒子及び上記第二の粒子が、70nm以上500nm以下の平均粒子径を有する、<1>から<11>の何れか一に記載のキット。
<13> 上記測定対象物質と特異的な結合性を有する第一の結合物質が抗体である、<1>から<12>の何れか一に記載のキット。

0018

<14> (i)(a)測定対象物質と特異的な結合性を有する第一の結合物質で修飾された、標識を有する第一の粒子と、
(b)上記測定対象物質と特異的な結合性を有しない第二の結合物質で修飾された、標識を有しない第二の粒子と、
(c)上記測定対象物質を含む被検試料液と、
を混合して、混合液を得る工程と、
(ii)上記工程(i)で得た混合液を、基板上に適用する工程と、
(iii)上記測定対象物質と特異的な結合性を有する第三の結合物質、又は上記第一の結合物質に対して結合性を有する物質を有する、上記基板上の反応部位において、上記測定対象物質又は上記第一の結合物質を捕捉する工程と、
(iv)上記反応部位上に捕捉された上記測定対象物質又は上記第一の結合物質を検出する工程と、
を含み、
上記標識を有する第一の粒子は、下記式(1)で示される少なくとも一種の化合物と粒子とを含有する発光性の標識粒子である、測定対象物質の測定方法。



式(1)中、m1及びm2はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、m1及びm2の何れかは少なくとも1以上である。Mは半金属原子又は金属原子を表す。R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、又はアリールチオ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。Y1及びY2はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、エテニル基、又はエチニル基を表し、これらは置換基を有していてもよく、Y1及びY2は互いに連結して環を形成してもよい。Ar1及びAr2はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香環を表す。X1及びX2はそれぞれ独立にアリール基、ヘテロ環基又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。m1が2以上である場合、複数のX1は同じ基でもそれぞれ異なる基でもよく、m2が2以上である場合、複数のX2は同じ基でもそれぞれ異なる基でもよい。

0019

<15> 上記式(1)で表される化合物が、下記式(2)で表される化合物である、<14>に記載の方法。



式(2)中、Y1及びY2はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はアルコキシ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。R3は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、又はアシル基を表し、これらは置換基を有していてもよい。Ar3及びAr4はそれぞれ独立にアリール基又はヘテロ環基を表し、これらは置換基を有していてもよい。R4〜R11はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。R4〜R11のうち少なくとも一つはアリール基、ヘテロ環基、又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。
<16> R4〜R7のうち少なくとも一つはアリール基、ヘテロ環基、又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよく、R8〜R11のうち少なくとも一つはアリール基、ヘテロ環基、又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい、<15>に記載の方法。
<17> R4〜R11の少なくとも1つ以上が、置換基を有していてもよいアリール基である、<15>又は<16>に記載の方法。
<18> R4〜R11の少なくとも1つ以上が、式(3)で表される基である、<15>から<17>の何れか一に記載の方法。



式(3)中、R201〜R205は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基であり、R201及びR205の少なくとも一方は水素原子以外の基である。R201とR202は互いに連結して環を形成してもよく、R202とR203は互いに連結して環を形成してもよく、R203とR204は互いに連結して環を形成してもよく、R204とR205は互いに連結して環を形成してもよい。
<19> Y1及びY2がフッ素原子である、<14>から<18>の何れか一に記載の方法。
<20> 上記第一の粒子及び第二の粒子がラテックス粒子である、<14>から<19>の何れか一に記載の方法。

0020

<21> 上記標識を有する第一の粒子は、上記式(1)で表される少なくとも一種のエネルギードナー化合物と、上記式(1)で表される少なくとも一種のエネルギーアクセプター化合物と、粒子とを含有する、発光性の標識粒子である、<14>から<20>の何れか一に記載の方法。
<22> エネルギードナー化合物とエネルギーアクセプター化合物のモル比が1:10〜10:1である、<21>に記載の方法。
<23>ドナー化合物とアクセプター化合物のストークスシフトが40nm以上である、<21>又は<22>に記載の方法。
<24> 上記第一の粒子に対する上記第二の粒子の質量比が1〜6である、<14>から<23>の何れか一に記載の測定対象物質の測定方法。
<25> 上記第一の粒子及び上記第二の粒子が、70nm以上500nm以下の平均粒子径を有する、<14>から<24>の何れか一に記載の測定方法。
<26> 上記測定対象物質と特異的な結合性を有する第一の結合物質が抗体である、<14>から<25>の何れか一に記載の測定対象物質の測定方法。
<27> 上記標識を有する第一の粒子が、蛍光ラテックス粒子であり、上記第二の粒子がラテックス粒子である、<14>から<26>の何れか一に記載の測定対象物質の測定方法。
<28> 工程(iv)において、上記反応部位上に捕捉された測定対象物質又は上記第一の結合物質を表面プラズモン蛍光法により検出する、<14>から<27>の何れか一に記載の測定対象物質の測定方法。
<29> <1>から<13>の何れか一に記載のキットを用いて行う、<14>から<28>の何れか一に記載の測定対象物質の測定方法。

0021

<30> (a)測定対象物質と特異的な結合性を有する第一の結合物質で修飾され、70nm以上500nm以下の平均粒子径を有し、標識を有する第一の粒子と、(b)上記測定対象物質と特異的な結合性を有しない第二の結合物質で修飾され、70nm以上500nm以下の平均粒子径を有し、標識を有しない第二の粒子とを含む、測定対象物質測定試薬であって、
上記の標識を有する第一の粒子は、下記式(1)で示される少なくとも一種の化合物と粒子とを含有する発光性の標識粒子である、測定対象物質測定試薬。



式(1)中、m1及びm2はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、m1及びm2の何れかは少なくとも1以上である。Mは半金属原子又は金属原子を表す。R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、又はアリールチオ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。Y1及びY2はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、エテニル基、又はエチニル基を表し、これらは置換基を有していてもよく、Y1及びY2は互いに連結して環を形成してもよい。Ar1及びAr2はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香環を表す。X1及びX2はそれぞれ独立にアリール基、ヘテロ環基又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。m1が2以上である場合、複数のX1は同じ基でもそれぞれ異なる基でもよく、m2が2以上である場合、複数のX2は同じ基でもそれぞれ異なる基でもよい。
<31> 上記第一の粒子に対する上記第二の粒子の質量比が1〜6である、<30>に記載の測定対象物質測定試薬。
<32> 上記測定対象物質と特異的な結合性を有する第一の結合物質が抗体である、<30>又は<31>に記載の測定対象物質測定試薬。
<33> 上記標識を有する第一の粒子が、蛍光ラテックス粒子であり、上記第二の粒子がラテックス粒子である、<30>から<32>の何れか一に記載の測定対象物質測定試薬。

発明の効果

0022

本発明のキット、方法及び試薬によれば、非特異吸着による偽陽性の問題を防止し、発生するノイズの増加を抑え、低濃度から高濃度にわたる広範囲の濃度域において生体試料中の測定対象物質の高精度の測定を実現することができる。

図面の簡単な説明

0023

図1は、化合物D−1の1HNMRスペクトルを示す。
図2は、化合物D−2の1H NMRスペクトルを示す。
図3は、化合物D−3の1H NMRスペクトルを示す。
図4は、化合物D−4の1H NMRスペクトルを示す。
図5は、化合物D−5の1H NMRスペクトルを示す。
図6は、化合物D−6の1H NMRスペクトルを示す。
図7は、化合物D−7の1H NMRスペクトルを示す。
図8は、センサチップの概略図を示す。
図9は、センサチップの分解図を示す。

0024

以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。

0025

[測定対象物質を測定するためのキット]
本発明による測定対象物質を測定するためのキットは、
測定対象物質と特異的な結合性を有する第一の結合物質で修飾された、標識を有する第一の粒子と、
上記定対象物質と特異的な結合性を有しない第二の結合物質で修飾された、標識を有しない第二の粒子と、
上記第一の粒子及び上記第二の粒子を流すための流路と、
上記測定対象物質と特異的な結合性を有する第三の結合物質、又は上記第一の結合物質に対して結合性を有する物質を有する基板と、
を含む測定対象物質を測定するためのキットであって、
上記の標識を有する第一の粒子は、下記式(1)で示される少なくとも一種の化合物と粒子とを含有する発光性の標識粒子である。

0026

本発明においては、測定対象物質と特異的な結合性を有しない第二の結合物質で修飾された、標識を有しない第二の粒子を使用する。上記の特徴により、測定対象物質の非特異反応を抑制することができ、これにより偽陽性を回避でき、高感度を達成することができる。

0027

生体試料
本発明では、生体試料中の測定対象物質を測定することができる。
生体試料としては、測定対象物質を含む可能性のある試料である限り、特に限定されるものではなく、例えば、生物学的試料、特には動物(例えば、ヒト、イヌネコウマなど)の体液(例えば、血液、血清血漿髄液涙液、尿、鼻水、又は喀痰)若しくは排泄物(例えば、糞便)、臓器組織粘膜や皮膚などを挙げることができる。

0028

(測定対象物質)
測定対象物質としては、特に限定されないが、例えば、サイロキシン(T4)、トリヨードサイロニン(T3)、エストラジオール(E2)、アルドステロン対称性ジメチルアルギニン(SDMA)、胆汁酸コルチゾールコレステロールコルチコステロンプロゲステロンテストステロンエストロゲンビタミン類クレアチニンアミノ酸βカロチン、クレアチニン、ジゴキシンテオフィリン葉酸炎症マーカー敗血症マーカーなどのタンパク質などが挙げられる。

0029

プロゲステロンは、卵巣胎盤から分泌され、黄体機能や妊娠に関係する性ホルモンである。月経周期異常、不妊症診断に利用される。また、交配時期の卵巣遺残確認にも使用される。

0030

<粒子>
本発明における粒子(第一の粒子及び第二の粒子)の材質及び形態は特に限定されず、例えば、ポリスチレンビーズなどの有機高分子粒子、又はガラスビーズ等の無機粒子を用いることができる。粒子の材質の具体例としては、スチレンメタクリル酸グリシジルメタアクリレートブタジエン塩化ビニル酢酸ビニルアクリレート、メチルメタクリレートエチルメタクリレートフェニルメタクリレート、又はブチルメタクリレートなどのモノマー重合させたホモポリマー、並びに2種以上のモノマーを重合させたコポリマーなどが挙げられ、上記のホモポリマー又はコポリマーを均一に懸濁させたラテックスでもよい。また、粒子としては、その他の有機高分子粉末無機物質粉末微生物血球細胞膜片リポソームマイクロカプセルなどが挙げられる。粒子としては、ラテックス粒子が好ましい。

0031

ラテックス粒子を使用する場合、ラテックスの材質の具体例としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸塩共重合体メタクリル酸重合体アクリル酸重合体アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体ポリ酢酸ビニルアクリレートなどが挙げられる。ラテックスとしては、単量体としてスチレンを少なくとも含む共重合体が好ましく、スチレンと、アクリル酸又はメタクリル酸との共重合体が特に好ましい。ラテックスの作製方法は特に限定されず、任意の重合方法により作製することができる。但し、本発明の発光性の標識粒子に抗体を標識して使用する場合には、界面活性剤が存在すると抗体固定化が困難となるため、ラテックスの作製には、無乳化剤乳化重合、即ち界面活性剤などの乳化剤を用いない乳化重合が好ましい。

0032

(第一の結合物質)
本発明で用いる第一の結合物質は、測定対象物質と結合性を有する物質である。第一の結合物質としては、抗原、抗体、又はこれらの複合体を使用できるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、第一の結合物質は抗体である。第一の結合物質が抗体である場合は、測定対象物質と結合性を有する抗体として、例えば、その測定対象物質によって免疫された動物の血清から調製する抗血清や、抗血清から精製された免疫グロブリン画分、その測定対象物質によって免疫された動物の脾臓細胞を用いる細胞融合によって得られるモノクローナル抗体、あるいは、それらの断片[例えば、F(ab’)2、Fab、Fab’、又はFv]などを用いることができる。これらの抗体の調製は、常法により行なうことができる。さらに、その抗体がキメラ抗体などの場合のように、修飾を加えられたものでもよいし、また市販の抗体でも、動物血清又は培養上清から公知の方法により調製した抗体でも使用可能である。

0033

例えば、測定対象物質がプロゲステロンである場合、第一の結合物質としては、プロゲステロンに結合性を有する(好ましくは、プロゲステロンを特異的に認識する)抗プロゲステロン抗体を使用する。

0034

抗プロゲステロン抗体の作製方法の一つを例に挙げて以下に説明する。
プロゲステロンと、牛血清アルブミン(Bovine Serum Albumin、以下BSAと略す)と、縮合剤を混合してプロゲステロン-BSA結合体を作製することができる。結合体をマウス免疫感作抗原として用いて、数回、マウス背部皮下に免疫する。この場合、完全アジュバント(Complete Freund‘s Adjuvant:CFA)、及び/又は不完全アジュバント(Incomplete Freund‘s Adjuvant:IFA)を適宜選択して免疫感作抗原と混合して使用することができる。完全アジュバントとは、免疫を刺激する物質であって、パラフィンアラセルの混合物である。不完全アジュバントとは、完全アジュバントに死滅したミコバクテリア又は結核菌死菌を加え、抗原性をさらに増強させたものである。数週間で数回、適宜免疫感作を行った後にマウスから採血抗体価の測定を実施する。抗体価の十分な上昇が認められた場合に腹腔内に抗原を投与し、数日後に脾臓摘出する。こうして免疫マウスより摘出した脾臓細胞を、変異株骨髄腫細胞ミエローマ)と融合させることで、抗体産生能力を備えた融合細胞を作製することができる。この融合細胞の中から目的とする抗原に対する抗体産生細胞のみを選択し、さらにその細胞株だけを増殖するために限界希釈を行う。希釈後の細胞の培養(クローニング)を行うことができる。このようにして得られる融合細胞株を、マウスの腹腔内に注射して、腹水型の抗体産生細胞を増殖させることによってモノクローナル抗体を腹水中に産生することが可能となり、これらの抗体を回収することで、目的の抗体を入手することができる。

0035

(標識を有する第一の粒子)
本発明で使用される標識を有する第一の粒子は、下記式(1)で表される少なくとも一種の化合物と粒子とを含有する発光性の標識粒子であり、蛍光標識粒子とも表記する。

0036

式(1)中の各記号の意味は、本明細書中に定義した通りである。

0037

通常の色素化合物は、粒子への取り込み量を増やすと会合の影響を受け、量子収率が低下していくことが知られている(これを濃度消光とも言う)。特に、吸収波長が650nm以上である長波長蛍光色素化合物は粒子に取り込まれると濃度消光しやすく、量子収率を維持することは困難である。

0038

本発明で使用する式(1)で表される化合物は、アリール基又はアミノ基等の特定置換基の導入により分子同士の会合を抑制し、これにより濃度消光を抑制し、高い量子収率を達成している。さらに、本発明で使用する式(1)で表される化合物は、高輝度(化合物量×ε×量子収率)を実現することができる。ここで、εはモル吸光係数である。本発明の化合物によれば、特に長波長領域において輝度の高い発光性の標識粒子(好ましくは蛍光粒子、より好ましくは蛍光ナノ粒子)を製造することができる。なお、発光性の標識粒子が蛍光粒子である場合、輝度とは、蛍光強度のことである。

0039

本明細書において、半金属原子とは、金属と非金属の中間の性質を示す物質を示し、ホウ素原子ケイ素原子ゲルマニウム原子、及びアンチモン原子が挙げられ、ホウ素原子が好ましい。

0040

本明細書において、金属原子としては、銅、コバルト、鉄、アルミニウム亜鉛等が挙げられる。

0041

本明細書において、アルキル基とは、直鎖、分岐鎖、環状又はこれらの組み合わせの何れでもよく、直鎖又は分岐鎖アルキル基炭素数は好ましくは1〜36であり、より好ましくは1〜18であり、さらに好ましくは1〜12であり、特に好ましくは1〜6である。環状のアルキル基としては、例えば炭素数3〜8のシクロアルキルなどが挙げられる。アルキル基の具体例としては、メチル基エチル基、n−プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基n−ヘキシル基、n−ヘプチル基n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、及びシクロヘキシル基などが挙げられる。

0042

本明細書において、アリール基とは、炭素数が6〜48のアリール基が好ましく、炭素数が6〜24のアリール基がより好ましく、炭素数が6〜14のアリール基がさらに好ましく、例えば、フェニル基ナフチル基アントリル基ピレニル基フェナントレニル基ビフェニル基フルオレニル基などが挙げられる。

0043

本明細書において、ヘテロ環基としては、好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族、単環もしくは縮環のヘテロ環基の何れでもよい。ヘテロ環基は、好ましくは、環構成原子炭素原子窒素原子及び硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子及び硫黄原子の何れかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。ヘテロ環基としては、例えば、フリル基ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基ピリジル基ピリミジニル基キノリル基イソキノリル基アクリジニル基、フェナントリニル基プテリジニル基、ピラジニル基、キノキサリニル基、ピリミジニル基、キナリル基、ピリダジニル基シンノリニル基、フタラジニル基、トリアジニル基オキサゾリル基ベンゾオキサゾリル基チアゾリル基ベンゾチアゾリル基イミダゾリル基ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基インダゾリル基イソオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、フリル基、チエニル基、ピロリル基インドリル基イミダゾピリジニル基カルバゾリル基等が挙げられる。

0044

本明細書において、アシル基としては、好ましくは炭素数2〜15の直鎖、又は分岐アルカノイル基であり、例えば、アセチル基プロピオニル基ブチリル基イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、ベンゾイル基などが挙げられる。

0045

本明細書において、アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1〜20のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基エトキシ基プロポキシ基、n−ブトキシ基ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基などが挙げられる。
本明細書において、アリールオキシ基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリールオキシ基であり、例えば、フェノキシ基ナフトキシ基アントリルオキシ基などが挙げられる。

0046

アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。

0047

本明細書において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。

0048

本明細書において、芳香環とは、ベンゼン環ナフタレン環アントラセン環フェナンスレン環ピレン環ペリレン環及びテリレン環等の芳香族炭化水素環インデン環、アズレン環ピリジン環ピラジン環ピリミジン環ピラゾール環、ピラゾリジン環、チアゾリジン環、オキサゾリジン環ピラン環、クロメン環、ピロール環ピロリジン環ベンゾイミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環トリアジン環ジアゾール環、インドリン環チオフェン環チエノチオフェン環フラン環オキサゾール環、オキサジアゾール環チアジン環、チアゾール環インドール環ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ナフトチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、ピラジン環、キノリン環及びキナゾリン環等のヘテロ芳香環;並びにフルオレン環及びカルバゾール環等の縮合型芳香環等が挙げられ、炭素数5〜16の芳香環(芳香環及び芳香環を含む縮合環)が好ましい。
なお、芳香環は置換基を有していてもよく、「芳香環」との用語は、置換基を有する芳香環、及び置換基を有さない芳香環の両方を意味する。芳香環が有する置換基としては、後記する置換基群Aに記載の置換基が挙げられる。

0049

本明細書において、アミノ基としては、アミノ基;モノ又はジメチルアミノ基、モノ又はジエチルアミノ基並びにモノ又はジ(n−プロピル)アミノ基等のアルキル置換アミノ基;モノ又はジフェニルアミノ基並びにモノ又はジナフチルアミノ基等の芳香族残基で置換されたアミノ基;モノアルキルモノフェニルアミノ基等のアルキル基と芳香族残基が一つずつ置換したアミノ基;ベンジルアミノ基、アセチルアミノ基フェニルアセチルアミノ基等が挙げられる。ここで芳香族残基とは、芳香環から水素原子1個を除いた基を意味し、芳香環は本明細書中上記した通りである。

0050

R1、R2及びR3が表すアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、又はアリールチオ基は置換基を有していてもよく、上記置換基としては、下記の置換基群Aに記載の置換基が挙げられる。

0051

置換基群A:
スルファモイル基シアノ基イソシアノ基、チオシアナト基イソチオシアナト基ニトロ基ニトロシル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基アミド基アルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルバモイル基、アシル基、アルデヒド基カルボニル基、アリール基、アルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、エテニル基、エチニル基、シリル基、及びトリアルキルシリル基トリメチルシリル基等)。

0052

Y1及びY2が表すアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、エテニル基、又はエチニル基は置換基を有していてもよく、上記置換基としては、置換基群Aに記載の置換基が挙げられる。
X1及びX2が表すアリール基、ヘテロ環基又はアミノ基は置換基を有していてもよく、上記置換基としては、置換基群Aに記載の置換基が挙げられる。

0053

<式(1)で表される化合物>
式(1)中、m1及びm2はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、m1及びm2の何れかは少なくとも1以上である。好ましくは、m1及びm2は共に1以上である。m1及びm2は同一でも異なる整数でもよいが、好ましくは同一の整数である。好ましくは、m1及びm2はそれぞれ独立に1又は2であり、より好ましくは、m1及びm2は共に1又は2であり、特に好ましくはm1及びm2は共に1である。

0054

式(1)中、Mは半金属原子又は金属原子を表し、好ましくは半金属原子を表し、特に好ましくは、ホウ素原子を示す。

0055

式(1)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、又はアリールチオ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。
好ましくは、R1及びR2はそれぞれ独立に、アリール基又はヘテロ環基であり、これらは置換基を有していてもよい。
R1及びR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよいが、好ましくは同一である。
好ましくは、R1及びR2は、連結して環を形成することはない。
好ましくは、R3は、水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基であり、これらは置換基を有していてもよい。より好ましくは、R3は、水素原子である。

0056

式(1)中、Y1及びY2はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、エテニル基、又はエチニル基を表し、これらは置換基を有していてもよく、Y1及びY2は互いに連結して環を形成してもよい。
好ましくは、Y1及びY2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基を表し、これらは置換基を有していてもよく、Y1及びY2は互いに連結して環を形成してもよい。
より好ましくは、Y1及びY2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子である。
さらに好ましくは、Y1及びY2はフッ素原子である。
Y1及びY2はそれぞれ同一でも異なっていてもよいが、好ましくは同一である。

0057

式(1)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香環を表す。
好ましくは、Ar1及びAr2は、置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。

0058

式(1)中、X1及びX2はそれぞれ独立にアリール基、ヘテロ環基又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。m1が2以上である場合、複数のX1は同じ基でもそれぞれ異なる基でもよく、m2が2以上である場合、複数のX2は同じ基でもそれぞれ異なる基でもよい。
好ましくは、X1及びX2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
より好ましくは、X1及びX2は、それぞれ独立に、フェニル基、ナフチル基、又はアントリル基を表し、これらは置換基を有していてもよい。
好ましくは、m1が2以上である場合、複数のX1は同じ基である。
好ましくは、m2が2以上である場合、複数のX2は同じ基である。
式(1)で表される化合物は、分子内に、カルボン酸基リン酸基スルホ酸基などの酸性基を有さないことが好ましい。

0059

<式(2)で表される化合物について>
式(1)で表される化合物の好ましい例としては、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。

0060

0061

式(2)中、Y1及びY2はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はアルコキシ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。
好ましくは、Y1及びY2はそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。
特に好ましくは、Y1及びY2はフッ素原子である。

0062

式(2)中、R3は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、又はアシル基を表し、これらは置換基を有していてもよい。
好ましくは、R3は、水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基であり、これらは置換基を有していてもよい。
より好ましくは、R3は、水素原子である。

0063

式(2)中、Ar3及びAr4はそれぞれ独立にアリール基又はヘテロ環基を表し、これらは置換基を有していてもよい。上記置換基としては、置換基群Aに記載の置換基が挙げられる。

0064

式(2)中、R4〜R11はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。R4〜R11のうち少なくとも一つはアリール基、ヘテロ環基、又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。上記置換基としては、置換基群Aに記載の置換基が挙げられる。

0065

式(2)中、好ましくは、R4〜R7のうち少なくとも一つはアリール基、ヘテロ環基、又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよく、R8〜R11のうち少なくとも一つはアリール基、ヘテロ環基、又はアミノ基を表し、これらは置換基を有していてもよい。上記置換基としては、置換基群Aに記載の置換基が挙げられる。

0066

式(2)中、より好ましくは、R4〜R11の少なくとも1つ以上が、置換基を有していてもよいアリール基である。
さらに好ましくは、R4〜R7の少なくとも1つ以上が、置換基を有していてもよいアリール基であり、R8〜R11の少なくとも1つ以上が、置換基を有していてもよいアリール基である。

0067

式(2)中、さらに好ましくは、R4〜R11の少なくとも1つ以上が、式(3)で表される基である、特に好ましくは、R4〜R7の少なくとも1つ以上が式(3)で表される基であり、R8〜R11の少なくとも1つ以上が式(3)で表される基である。

0068

0069

式(3)中、R201〜R205は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基であり、R201及びR205の少なくとも一方は水素原子以外の基である。R201とR202は互いに連結して環を形成してもよく、R202とR203は互いに連結して環を形成してもよく、R203とR204は互いに連結して環を形成してもよく、R204とR205は互いに連結して環を形成してもよい。

0070

別の好ましい態様によれば、R4〜R11の少なくとも1つ以上が、式(4)で表される基である。さらに好ましくは、R4〜R7の少なくとも1つ以上が、式(4)で表される基であり、R8〜R11の少なくとも1つ以上が、式(4)で表される基である。



式(4)中、R101は、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、又はアシル基を表し、これらは置換基を有していてもよい。Ar101はアリール基、又はヘテロ環基を表し、これらは置換基を有していてもよい。Ar101とR201は互いに連結して環を形成してもよい。

0071

式(2)で表される化合物は、分子内に、カルボン酸基、リン酸基、スルホ酸基などの酸性基を有さないことが好ましい。

0072

<式(1)で表される化合物の具体例>
式(1)で表される化合物の具体例を以下に記載する。Meはメチル基を示し、Buはn−ブチル基を示し、Phはフェニル基を示す。

0073

0074

0075

0076

0077

0078

0079

0080

0081

標識を有する第一の粒子は、記式(1)で表される少なくとも一種のエネルギードナー化合物と、上記式(1)で表される少なくとも一種のエネルギーアクセプター化合物と、粒子とを含有する、発光性の標識粒子でもよい。即ち、本発明においては、選択された化合物がそれぞれエネルギードナー化合物とエネルギーアクセプター化合物となるように、式(1)で表される化合物の中からエネルギードナー化合物(ドナーとも略記する)とエネルギーアクセプター化合物(アクセプターとも略記する)の組み合わせを選択して使用してもよい。

0082

上記に示した化合物E−1〜E−65についての、ドナーとアクセプターの組み合わせの具体例を以下に記載する。

0083

0084

エネルギードナー化合物とエネルギーアクセプター化合物の選択に関しては、吸収が短波長の化合物がエネルギードナー化合物であり、吸収が長波長の化合物がエネルギーアクセプター化合物であり、エネルギードナー化合物の発光とエネルギーアクセプター化合物の吸収が少しでも重なっている場合には、発光性の標識粒子において使用できる可能性がある。エネルギーアクセプター化合物の吸収の極大波長が、エネルギードナー化合物の吸収の波長より10〜100nm程度長波長側にある場合が好ましい。エネルギーアクセプター化合物の吸収の極大波長が、エネルギードナー化合物の吸収の波長より10〜50nm長波長側にある場合がより好ましい。

0085

エネルギードナー化合物の発光が吸収のどの程度長波長に出るか(ストークスシフトの大きさ)は化合物によって異なるため、一概には言えないが、式(1)で表される化合物では吸収極大波長+30nm程度に発光の極大があり、そこから+100nm程度までは発光スペクトルが存在するため、その付近に吸収を持つアクセプター化合物を併用することによりエネルギー移動の系が実現できることが想定される。

0086

なお、各化合物の吸収波長に関しては、化合物を合成して測定するだけでなく、Gaussian等による計算から予測することも可能であり、計算値の関係から、エネルギードナー化合物とエネルギーアクセプター化合物の組み合わせを推定することもできる。

0087

本発明においては、ストークスシフトの大きさが、好ましくは25nm以上であり、より好ましくは30nm以上であり、より一層好ましく35nm以上であり、さらに好ましく40nm以上であり、さらに一層好ましくは45nm以上であり、特に好ましくは50nm以上である。ストークスシフトの大きさの上限は特に限定されないが、一般的には、150nm以下である。

0088

<式(1)で表される化合物の使用量>
本発明で用いる粒子(即ち、式(1)で表される化合物を添加する前の粒子)に対する式(1)で表される化合物の総量は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、好ましくは0.1質量%〜20質量%であり、より好ましくは0.2質量%〜20質量%であり、さらに好ましくは0.3質量%〜15質量%であり、特に好ましくは0.5質量%〜10質量%である。

0089

一種類の式(1)で表される化合物を使用する場合には、本発明で用いる粒子に対する式(1)で表される化合物の含有量は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、好ましくは0.1質量%〜10質量%であり、より好ましくは0.2質量%〜7質量%であり、さらに好ましくは0.3質量%〜5質量%であり、特に好ましくは0.4質量%〜4質量%である。

0090

エネルギードナー化合物とエネルギーアクセプター化合物の組み合わせを使用する場合には、エネルギードナー化合物とエネルギーアクセプター化合物のモル比は、1:10〜20:1であることが好ましく、1:10〜10:1であることがより好ましく、1:5〜10:1であることが更に好ましい。

0091

エネルギードナー化合物として式(1)で表される少なくとも一種の化合物を使用し、エネルギーアクセプター化合物として、式(1)で表される少なくとも一種の化合物を使用する場合においては、エネルギードナー化合物として二種以上の式(1)で表される化合物を使用してもよく、またエネルギーアクセプター化合物として二種以上の式(1)で表される化合物を使用してもよい。上記の場合、使用される式(1)で表される化合物の合計量が、上記の範囲内となることが好ましい。

0092

<式(1)で表される化合物の製造方法>
式(1)で表される化合物は、例えば、以下に示す合成スキームにより製造することができる。

0093

上記合成スキームにおけるR1及びX1の定義は、式(1)におけるR1及びX1の定義と同義である。
化合物A−10と化合物A−20とのMacromolecules 2010、43、193−200に記載の方法に従って反応させることにより、化合物A−30を合成することができる。次いで、化合物A−30、式:X1−B(OH)2で表される化合物、及びフッ化セシウム(CsF)をジメトキシエタンDME)と水の混合溶液に加え、真空引き、窒素置換を繰り返して脱気を行う。酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)、及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’、6’−ジメトキシビフェニル(Sphos)を加え、昇温し、還流下、所定の時間(例えば、2〜24時間)反応させることにより、化合物D−10を製造することができる。

0094

化合物D−10は、式(1)で表される化合物の定義の範囲内である。化合物D−10以外の式(1)で表される化合物についても、化合物A−10、化合物A−20、及び式:X1−B(OH)2で表される化合物の何れか一種以上の化合物を、対応する化合物に置き換えることによって、製造することができる。

0095

<式(1)で表される化合物の蛍光特性
化合物の吸収極大波長とは、特定波長領域の光が吸収される場合に、その吸収波形ピークを示す時の波長である。
化合物の発光極大波長とは、吸収スペクトルにおいて吸光度が最も大きくなる波長のことを表す。
化合物のモル吸光係数とは、1 cmの厚みをもつ1 mol/lの溶液中を光が通過したときの光の強さの比の逆数で、単位はl/(mol・cm)である。

0096

式(1)で表される化合物の吸収極大波長は、好ましくは600nm〜900nmであり、より好ましくは620nm〜800nmであり、さらに好ましくは630nm〜750nmである。
式(1)で表される化合物の発光極大波長は、好ましくは650nm〜900nmであり、より好ましくは670nm〜800nmである。
式(1)で表される化合物のモル吸光係数は、好ましくは0.80×105mol-1cm-1〜1.50×105mol-1cm-1であり、より好ましくは0.85×105mol-1cm-1〜1.50×105mol-1cm-1であり、さらに好ましくは1.0×105mol-1cm-1〜1.50×105mol-1cm-1である。

0097

化合物の吸収極大波長、発光極大波長及びモル吸光係数は、市販の蛍光分光光度計を使用して測定することができ、例えば、島津製作所製の蛍光分光光度計RF−5300PCを使用して測定することができる。

0098

化合物の量子収率とは、化合物が吸収した光子数に対する蛍光として発光した光子数の割合のことである。
式(1)で表される化合物が示す量子収率は、好ましくは0.50以上であり、より好ましくは0.60以上であり、さらに好ましくは0.70以上である。量子収率の上限は特に限定されないが、一般的には、1.0以下である。

0099

本化合物の量子収率は、市販の量子収率測定装置を使用して測定することができ、例えば、浜松ホトクス社製の絶対PL量子収率測定装置C9920−02を使用して測定することができる。

0100

<発光性の標識粒子>
本発明における発光性の標識粒子は、式(1)で表される化合物を含むことにより、高い量子収率と高い輝度を示す。
発光性の標識粒子の励起極大波長とは、励起スペクトルで蛍光強度の最も大きい波長である。発光性の標識粒子の蛍光極大波長とは、蛍光スペクトルで蛍光強度の最も大きい波長のことである。また、励起スペクトルとは、蛍光標識強度の励起波長依存性を示し、蛍光スペクトルは、蛍光強度の蛍光波長依存性を示す。
発光性の標識粒子の励起極大波長は、好ましくは640nm〜900nmであり、より好ましくは640nm〜800nmであり、さらにより好ましくは650nm〜750nmである。
発光性の標識粒子の蛍光極大波長は、好ましくは660nm〜900nmであり、より好ましくは660nm〜800nmであり、さらに好ましくは670nm〜750nmである。
発光性の標識粒子の蛍光強度とは、ある測定条件で測定した際の蛍光の強度のことであり、測定条件に依存するため一般的には相対的な比較をするために用いられる。

0101

発光性の標識粒子の励起極大波長、蛍光極大波長、及び蛍光強度は、市販の蛍光分光光度計を使用して測定することができ、例えば、島津製作所製の蛍光分光光度計RF−5300PCを使用して測定することができる。

0102

発光性の標識粒子の量子収率とは、発光性の標識粒子が吸収した光子数に対する蛍光として発光した光子数の割合のことである。
発光性の標識粒子が示す量子収率は、好ましくは0.25以上であり、より好ましくは0.30以上であり、さらに好ましくは0.40以上である。量子収率の上限は特に限定されないが、一般的には、1.0以下である。
発光性の標識粒子の量子収率は、市販の量子収率測定装置を使用して測定することができ、例えば、浜松ホトニクス社製の絶対PL量子収率測定装置C9920−02を使用して測定することができる。

0103

<発光性の標識粒子の製造方法>
発光性の標識粒子の製造方法は特に限定されないが、式(1)で表される少なくとも一種の化合物と粒子とを混合することによって製造することができる。例えば、ラテックス粒子などの粒子に、式(1)で表される化合物を添加することによって、発光性の標識粒子を作製することができる。より具体的には、水及び水溶性有機溶剤テトラヒドロフランメタノール等)の何れか一種以上を含む粒子の溶液に、式(1)で表される化合物を含む溶液を添加して攪拌することにより、発光性の標識粒子を製造することができる。

0104

本発明においては、上記した本発明の発光性の標識粒子を含む分散液を調製してもよい。
分散液は、本発明の発光性の標識粒子を分散媒に分散することにより製造することができる。分散媒としては、水、有機溶媒、又は水と有機溶媒との混合物等が挙げられる。有機溶媒としては、メタノール、エタノールイソプロパノール等のアルコール、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒などを使用することができる。
分散液における発光性の標識粒子の固形分濃度は特に限定されないが、一般的には0.1〜20質量%であり、好ましくは0.5〜10質量%であり、より好ましくは1〜5質量%である。

0105

(第一の結合物質による発光性の標識粒子の修飾)
第一の結合物質を発光性の標識粒子に固定化する方法は、例えば、特開2000−206115号公報やThermo Fisher 社FluoSpheres(登録商標)ポリスチレンマイクロスフィアF8813に添付のプロトコールなどに記載されており、免疫凝集反応用試薬を調製する公知の方法がいずれも使用可能である。また、結合物質として抗体を粒子に固定化する原理として、物理吸着及び共有結合による化学結合のいずれの原理も採用可能である。抗体を粒子に固定させた後に抗体が被覆されていない粒子表面を覆うブロッキング剤(即ち、第一のブロッキング剤)としては、例えば、アルブミン(BSAなど)、スキムミルクカゼイン大豆由来成分由来成分、又はポリエチレングリコールなど、並びに上記物質又は上記物質と性質が同じである物質を含む市販の免疫反応用ブロッキング剤などが使用可能である。これらのブロッキング剤は、必要に応じて熱や酸・アルカリ等により部分変性などの前処理を施すことも可能である。さらに、第一のブロッキング剤としては、測定対象物質と結合性を有しない抗体(グロブリン)、あるいはテストエリアに使用しないタンパク質(Protein A、Protein G)などを使用することもできる。

0106

抗体を粒子に固定化する具体的な方法を、以下に例示する。粒子の固形分濃度が0.1〜10質量%になるよう分散させた液に、0.01〜20mg/mLの濃度に調整した抗体溶液を添加して、混合する。温度4〜50℃の条件下で5分間〜48時間撹拌を継続する。次いで遠心分離その他の方法により粒子と溶液を分離して、溶液に含まれている、粒子に結合しなかった抗体を十分に除去する。その後、粒子を緩衝液にて洗浄する操作を0〜10回繰り返す。粒子と抗体とを混合して、粒子に抗体を結合させる操作を実施した後に、抗原抗体反応関与しない成分、好ましくはタンパク質、より好ましくはグロブリン、アルブミン、ブロクエース(登録商標)、スキムミルク及びカゼインなどのブロッキング剤を使用して粒子表面の抗体が結合していない部分を保護することが望ましい。

0107

抗原や抗体等を粒子に固定化する際に、安定化剤を必要に応じて添加可能である。安定化剤とは、ショ糖多糖類などの合成高分子あるいは天然高分子など、抗原や抗体を安定化するものであれば特に制限されず、Immunoassay Stabilizer(Advanced Biotechnologies Inc (ABI社))などの市販の安定化剤も使用可能である。

0108

第一の結合物質を有する標識粒子は本発明のキットに含まれており、キットの一部である容器、たとえばカップに含まれている態様が好ましい。この場合、生体試料を、標識粒子を含む容器に注入して混合、攪拌することにより、生体試料中の測定対象物質と第一の結合物質とを結合させることができる。

0109

(第二の結合物質)
本発明における標識を有しない第二の粒子は、測定対象物質と特異的な結合性を有しない第二の結合物質で修飾されている。第二の結合物質としては、例えば、結合物質(抗体)、あるいは結合物質(抗体)に対して結合するタンパク質(Protein A、Protein G)など、測定対象物質と特異的な結合性を有しない化合物であり、且つ、第一の結合物質に対して親和性を有しない化合物であれば特に限定されず、いずれの化合物でも好ましく用いることができる。例えば、第二の結合物質が抗体である場合には、その測定対象物質によって免疫された動物の血清から調製する抗血清、抗血清から精製された免疫グロブリン画分、その測定対象物質によって免疫された動物の脾臓細胞を用いる細胞融合によって得られるモノクローナル抗体、あるいは、それらの断片[例えば、F(ab’)2、Fab、Fab’、又はFv]などを用いることができる。これらの抗体の調製は、常法により行なうことができる。さらに、その抗体がキメラ抗体などの場合のように、修飾を加えられたものでもよいし、また市販の抗体でも、動物血清や培養上清から公知の方法により調製した抗体でも使用可能である。

0110

抗体などの第二の結合物質を粒子に固定化する方法は、例えば、特開2000−206115号公報やモレキュラープローブ社FluoSpheres(登録商標)ポリスチレンマイクロスフィアF8813に添付のプロトコールなどに記載されており、免疫凝集反応用試薬を調製する公知の方法がいずれも使用可能である。また、結合物質として抗体を粒子に固定化する原理として、物理吸着及び共有結合による化学結合のいずれの原理も採用可能である。抗体を粒子に固定させた後に抗体が被覆されていない粒子表面を覆うブロッキング剤として、公知の物質、例えば、BSAやスキムミルク、カゼイン、大豆由来成分、魚由来成分、ポリエチレングリコールなどや、これらの物質やこれらと性質が同じである物質を含む市販の免疫反応用ブロッキング剤などが使用可能である。これらのブロッキング剤は、必要に応じて熱や酸・アルカリ等により部分変性などの前処理を施すことも可能である。

0111

(第一の粒子及び第二の粒子)
第一の粒子と第二の粒子の使用比率については、第一の粒子に対する第二の粒子の質量比が1〜6であることが好ましく、2〜6であることが更に好ましい。

0112

第一の粒子及び第二の粒子の平均粒子径は特に限定れないが、一般的には70nm〜500nmであり、好ましくは70nm〜400nmであり、より好ましくは70nm〜300nmであり、さらに好ましくは100nm〜200nmであり、更に一層好ましくは100nm以上190nm以下であり、特に好ましくは130nm以上180nm以下である。

0113

平均粒子径の測定方法としては、光学顕微鏡法共焦点レーザー顕微鏡法、電子顕微鏡法原子間力顕微鏡法、静的光散乱法レーザー回折法、動的光散乱法、遠心沈降法、電気パルス計測法、クロマトグラフィー法超音波減衰法等が知られており、それぞれの原理に対応した装置が市販されている。これらの測定方法のうち、粒子径範囲及び測定の容易さから、動的光散乱法を用いて蛍光粒子の平均粒径を測定することが好ましい。動的光散乱を用いた市販の測定装置としては、ナノトラックUPA(日機装(株))、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550((株)堀場製作所)、濃厚粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株))等が挙げられる。本発明では、平均粒径は、25℃にて、粘度0.8872CP、水の屈折率1.330の条件で測定したメジアン径(d=50)として求めるものとする。

0114

本発明で用いる第一の粒子(標識を有する粒子)及び第二の粒子は、乾燥状態で保存し、測定時に測定対象物質を含む生体試料と混合することによって使用してもよい。第一の粒子及び第二の粒子を溶液状態で保存した場合、粒子同士が凝集や融着することにより大サイズ化し、測定精度が変化する場合があるので、このような場合には、第一の粒子及び第二の粒子は乾燥状態で保存することができる。乾燥状態で保存した粒子は、乾燥粒子とも言う。乾燥粒子とは、水分を含まない標識物質を含む粒子の固形分の質量に対する水分の質量(含水量)として、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下の水分の質量になるまで、含有する水分量を除去した状態の粒子をいう。乾燥を行う手段としては特に制限はなく、例えば、除湿剤を使用した乾燥方法減圧乾燥方法凍結乾燥方法などの公知の乾燥手段を用いることができる。本発明においては、第一の粒子及び第二の粒子を別々に乾燥して乾燥粒子を得てもよいし、第一の粒子と第二の粒子を、溶液状態で所望の質量比で混合した後に乾燥して乾燥粒子を得てもよい。

0115

(基板)
本発明では、高感度な測定を達成するために、後述する表面プラズモン蛍光(SPF)検出を行う測定法を採用することが好ましい。この場合における基板としては、表面に金属膜を有する基板を使用することが好ましい。金属膜を構成する金属としては、表面プラズモン共鳴が生じ得るようなものであれば特に限定されない。好ましくは金、銀、銅、アルミニウム、又は白金等の自由電子金属が挙げられ、特に金が好ましい。金を使用する場合、後記する検出領域は、金膜上にある。上記の金属は単独又は組み合わせて使用することができる。また、上記基板への付着性を考慮して、基板と金属からなる層との間にクロム等からなる介在層を設けてもよい。金属膜の膜厚は任意であるが、例えば、1nm以上500nm以下であるのが好ましく、特に10nm以上200nm以下であるのが好ましい。500nmを超えると、媒質の表面プラズモン現象を十分検出することができない。また、クロム等からなる介在層を設ける場合、その介在層の厚さは、0.1nm以上、10nm以下であることが好ましい。

0116

金属膜の形成は常法によって行えばよく、例えば、スパッタ法蒸着法、イオンプレーティング法電気めっき法、又は無電解めっき法等によって行うことができるが、基板材質と金属膜との混合層を設けて、金属膜の密着性を良くするためには、スパッタ法により金属膜を作製することが好ましい。この場合、基板材質と金属膜との混合層の厚さは十分な密着性が確保できれば特に制限はないが、10nm以下が好ましい。

0117

金属膜は好ましくは基板上に配置されている。ここで、「基板上に配置される」とは、金属膜が基板上に直接接触するように配置されている場合のほか、金属膜が基板に直接接触することなく、他の層を介して配置されている場合をも含む。本発明で使用することができる基板の材質としては例えば、一般的な光学ガラスの一種であるBK7(ホウ珪酸ガラス)等の光学ガラス、あるいは合成樹脂、具体的にはポリメチルメタクリレートポリエチレンテレフタレートポリカーボネート、又はシクロオレフィンポリマーなどのレーザー光に対して透明な材料からなるものが使用できる。このような基板は、好ましくは、偏光に対して異方性を示さずかつ加工性の優れた材料が望ましい。

0118

SPF検出のための基板の好ましい態様としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)に金膜を蒸着した基板などを挙げることができる。

0119

基板は、測定対象物質と特異的な結合性を有する第三の結合物質、又は第一の結合物質と結合性を有する物質を有する検出領域を備えている。

0120

(測定対象物質と特異的な結合性を有する第三の結合物質)
本発明においては、基板上に、測定対象物質と特異的な結合性を有する第三の結合物質、又は第一の結合物質に対して結合性を有する物質を固定化して反応部位を形成する。反応部位上に固定化する結合物質の好ましい例は、抗原、抗体、又はこれらの複合体であるが、これらに限定されるものではない。例えば、結合物質が抗体である場合は、測定対象物質に対して特異性を有する抗体として、例えば、その測定対象物質によって免疫された動物の血清から調製する抗血清、抗血清から精製された免疫グロブリン画分、その測定対象物質によって免疫された動物の脾臓細胞を用いる細胞融合によって得られるモノクローナル抗体、あるいは、それらの断片[例えば、F(ab’)2、Fab、Fab’、又はFv]などを用いることができる。これらの抗体の調製は、常法により行なうことができる。さらに、その抗体がキメラ抗体などの場合のように、修飾を加えられたものでもよいし、また市販の抗体でも、動物血清や培養上清から公知の方法により調製した抗体でも使用可能である。なお、測定対象物質が抗原であり、第一の結合物質及び第三の結合物質がともに抗体である場合は、第一の結合物質及び第三の結合物質は同じ抗原に対する抗体となるが、第一の結合物質及び第三の結合物質が認識するエピトープはそれぞれ異なるものである。
また、第一の結合物質に対して結合性を有する物質としては、測定対象物質そのもの、又は測定対象物質と類似な部位を持ち測定対象物質と同様の第一の結合物質に対するエピトープを持つ物質を挙げることができる。

0121

抗体は、その動物種サブクラス等によらず使用できる。例えば、本発明に用いることが可能な抗体は、マウス、ラットハムスターヤギウサギヒツジウシニワトリなど免疫反応が起こり得る生物由来する抗体、具体的には、マウスIgG、マウスIgM、ラットIgG、ラットIgM、ハムスターIgG、IgMウサギIgG、ウサギIgM、ヤギIgG、ヤギIgM、ヒツジIgG、ヒツジIgM、ウシIgG、ウシIgM、トリIgY等であり、ポリクローナルもしくはモノクローナルの両方に適用可能である。断片化抗体は、少なくとも1つの抗原結合部位を持つ、完全型抗体から導かれた分子であり、具体的にはFab、F(ab’)2等である。これらの断片化抗体は、酵素あるいは化学的処理によって、もしくは遺伝子工学的手法を用いて得られる分子である。

0122

抗体などの第三の結合物質、又は第一の結合物質に対して結合性を有する物質を基板に固定化する方法は、例えば、Nunc社の提供するTech Notes Vol. 2-12などに記載されており、一般的なELISA(Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay:酵素結合免疫吸着法)試薬を調製する公知の方法がいずれも使用可能である。また、基板上に自己組織化単分子膜(SAM:Self-Assembled Monolayer)などを配することによる表面修飾を施しても良く、第三の結合物質として抗体を使用する場合、抗体を基板に固定化する原理としては、物理吸着及び共有結合による化学結合のいずれの原理も採用可能である。抗体を基板に固定させた後に抗体が被覆されていない基板表面を覆うブロッキング剤として、公知の物質、例えば、BSAやスキムミルク、カゼイン、大豆由来成分、魚由来成分、ポリエチレングリコールなどや、これらの物質やこれらと性質が同じである物質を含む市販の免疫反応用ブロッキング剤などが使用可能である。これらのブロッキング剤は、必要に応じて熱や酸・アルカリ等により部分変性などの前処理を施すことも可能である。

0123

(検出領域<テストエリア>)
本発明においては、基板上に生体試料中の測定対象物質の有無を検出するテストエリアを設けることができる。このテストエリアでは、例えば測定対象物質である抗原を捕まえて、抗原に結合した標識の量を検出し定量することで、抗原を定量することが可能となる。あるいは、抗原に結合した標識のみを結合できないようにし、抗原に結合していない標識のみを捕獲して、抗原の結合した標識の量を算出する方法により、抗原を定量することが可能となる。この検出方法は競合法と呼ばれているが、ここでは、競合法に関する基板について説明する。

0124

基板のテストエリアには、標識粒子上に存在する結合物質(例えば抗体)と反応するサイトを有することが好ましい。本発明の好ましい一態様としては、生体試料中に存在する抗原を、基板のテストエリア上に有する態様が好ましい。この場合、抗原とBSAを縮合剤の存在下で反応させて、抗原・BSA結合体を作製し、この結合体をテストエリア上に吸着させることでテストエリアを作製することが可能となる。測定対象物質である抗原−BSA結合体は、緩衝液に溶解させて、基板上に点着して、一定時間放置した後、上清吸引し、乾燥させるなどの方法で基板上のテストエリアに結合させることが可能である。

0125

参照領域コントロールエリア>)
本発明では、測定環境、特に測定温度の影響を極力抑えるために、基板上にコントロールエリアを有し、テストエリアの情報を、コントロールエリアの情報で規格化することによって、環境依存性を非常に低く抑えることが可能となる。コントロールエリアとしては、使用する生体試料の中に存在する測定対象物質の量に依存せず、すべての標識と結合することが可能なように設計されていることが好ましい。標識粒子上に存在する抗体すべてに相互作用する抗体を有することが好ましい。このように設計することによって、テストエリアの情報をコントロールエリアの情報で規格化することにより、例えば、低温環境で、生体試料の流れや、反応速度が影響を受けた場合でも、規格化によってその影響をキャンセルして、常に精度よく、測定環境に影響されない結果を得ることが可能になる。

0126

コントロールエリアに存在させる好ましい抗体としては、標識粒子上に存在する結合物質(例えば、抗体)を認識する機能をもち、その抗体がマウス由来であれば、抗マウス抗体であることが好ましく、標識粒子上の抗体が、ヤギ由来であれば、抗ヤギ抗体であることが好ましい。これらコントロールエリア上の抗体は、緩衝液に溶解させて、基板上に点着して、一定時間放置した後、上清を吸引し、乾燥させるなどの方法で基板に結合させることが可能である。

0127

(ブロッキング剤)
例えば、競合法において、測定対象物質を含まない陰性となる生体試料だけでなく、測定対象物質を含む陽性となる生体試料に対しても反応して陰性となる生体試料が存在しており、高値乖離の問題の解決が課題として認識されている。このような擬陰性を示す原因は明確にはなっていないが、抗体に覆われていない標識粒子表面と、検出領域(テストエリア)との非特異的な相互作用により、本来結合してほしくない標識粒子が存在することが原因の一つではないかと考えられている。また、テストエリア上に存在する物質と同じ物質が標識粒子表面上に存在する場合にも、遊離した抗体などが生体試料中に存在する場合には、その抗体が、テストエリア上に存在する物質と、標識粒子表面上の物質のどちらにも結合することで、測定対象物質を含む陽性となる生体試料を測定した場合においても陰性として検出される場合がある。
一般的に、固相表面(例えば標識粒子表面、基板の金膜表面)、への非特異吸着抑制のためにBSAでのブロッキングが用いられている。

0128

測定対象物質と結合性を有する免疫グロブリン以外の免疫グロブリンとして具体的には、測定対象物質とは異なる抗原によって免疫された動物の血清から調製する抗血清、抗血清から精製された免疫グロブリン画分、その測定対象物質によって免疫された動物の脾臓細胞を用いる細胞融合によって得られるモノクローナル抗体、あるいは、それらの断片[例えば、F(ab’)2、Fab、Fab’、又はFv]などを用いることが可能である。これらの抗体の調製は、常法により行なうことができる。さらに、その抗体がキメラ抗体などの場合のように、修飾を加えられたものでもよいし、また市販の抗体でも、動物血清や培養上清から公知の方法により調製した抗体も使用可能である。

0129

(抗体)
本発明において、抗体は、その動物種やサブクラス等によらず使用できる。例えば、本発明に用いることが可能な抗体は、マウス、ラット、ハムスター、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ウシ、ニワトリなど免疫反応が起こり得る生物に由来する抗体、具体的には、マウスIgG、マウスIgM、ラットIgG、ラットIgM、ハムスターIgG、ハムスターIgM、ウサギIgG、ウサギIgM、ヤギIgG、ヤギIgM、ヒツジIgG、ヒツジIgM、ウシIgG、ウシIgM、トリIgY等であり、ポリクローナル又はモノクローナルのどちらも使用可能である。断片化抗体は、少なくとも1つの抗原結合部位を持つ、完全型抗体から導かれた分子であり、具体的にはFab、F(ab’)2等である。これらの断片化抗体は、酵素あるいは化学的処理によって、もしくは遺伝子工学的手法を用いて得られる分子である。

0130

(キットの他の要素)
本発明のキットは、測定対象物質を測定する方法に用いられるものであり、測定対象物質が胆汁酸である場合には、胆汁酸測定診断用のキットであり、測定対象物質がプロゲステロンである場合には、プロゲステロン測定診断用のキットである。本発明において、測定対象物質の測定を実施するに当たり、第二の結合物質を固定した基板と、蛍光粒子などの標識粒子を保持した部材を含むセンサチップを含むものであるが、表面プラズモン励起装置、及び蛍光測定デバイスなどの、測定対象物質の測定に使用される各種の器材又は装置を含めてもよい。さらに、キットの要素として、既知量の測定対象物質を含む試料、取扱説明書などを含めてもよい。

0131

[測定対象物質を測定する方法]
本発明による生体試料中の測定対象物質を測定する方法は、
生体試料を、測定対象物質と結合性を有する第一の結合物質を有する標識粒子と反応させる反応工程と、
上記測定対象物質又は上記第一の結合物質の何れかと結合性を有する第二の結合物質を有する基板に、上記反応工程で得られた反応産物を接触させて、標識粒子を基板上に捕捉させる捕捉工程と、
上記測定対象物質に関連した標識情報を取得する、標識情報取得工程と、
を含む方法であり、上記標識粒子は、式(1)で示される少なくとも一種の化合物と粒子とを含有する発光性の標識粒子である。

0132

本発明においては、測定対象物質の量に関連した標識情報を取得する測定対象物質関連標識情報取得工程により、測定対象物質を測定する。
本発明における測定は、測定対象物質の量の測定である限り、最も広い概念として解釈される。測定方法の具体的な実施態様としては、競合法及びサンドイッチ法が挙げられるが、競合法が好ましい。

0133

競合法の一例として、プロゲステロンを定量する場合を以下に説明する。プロゲステロン以外の物質を定量する場合も、同様に実施することができる。
競合法では、先ず、プロゲステロン・アルブミン結合体が固定化されているプロゲステロン免疫測定用基板に、プロゲステロンを含む生体試料及び抗プロゲステロン抗体標識蛍光粒子を接触させる。その生体試料中にプロゲステロンが存在しない場合には、抗プロゲステロン抗体標識蛍光粒子と、基板上のプロゲステロン(即ち、プロゲステロン・アルブミン結合体中のプロゲステロン)とにより、基板上で抗原抗体反応が起こる。一方、生体試料中にプロゲステロンが存在する場合には、生体試料中のプロゲステロンと抗プロゲステロン抗体標識蛍光粒子との間で抗原抗体反応が起こり、抗プロゲステロン抗体標識蛍光粒子と、基板上のプロゲステロン(即ち、プロゲステロン・アルブミン結合体中のプロゲステロン)との間の抗原抗体反応が阻害される。上記の反応が終了した後、基板上のアルブミンに結合しなかった抗プロゲステロン抗体標識蛍光粒子を除去する。次いで基板上の免疫複合体(即ち、抗プロゲステロン抗体標識蛍光粒子と、基板上のプロゲステロン・アルブミン結合体中のプロゲステロンとの複合体)の形成の度合いを蛍光強度として検出することにより、生体試料中のプロゲステロンの濃度などを測定することができる。

0134

競合法における蛍光の測定形態は、プレートリーダー測定、あるいはフロー測定のいずれかの測定を採用することが可能であり、例えば、以下の方法により測定することができる。予め、プロゲステロン濃度が異なるプロゲステロン量既知の試料を複数用意し、この試料及び抗プロゲステロン抗体標識蛍光粒子を予め混合する。この混合液を、プロゲステロン・アルブミン結合体が固定化されている領域に接触させる。プロゲステロン・アルブミン結合体が固定化されている領域からの蛍光信号を、特定の時間間隔で混合液が結合体に接触している間、複数の蛍光信号として測定する。この複数の蛍光信号から、各プロゲステロン濃度において、蛍光量時間変化(傾き)を求める。この時間変化をY軸、プロゲステロン濃度をX軸としてプロットし、最小二乗法等の適宜ふさわしいフィッティング方法を用いて、蛍光量の時間変化に対するプロゲステロン濃度の関係式を取得する。このように取得した関係式に基づき、検査目的とする生体試料を用いた蛍光量の時間変化の結果を用いて、生体試料に含まれるプロゲステロン量を定量することができる。

0135

このプロゲステロン量の定量は、短時間で行うことが好ましい。具体的には、10分以内に行われることが好ましく、8分以内がより好ましく、更には6分以内で行われることが好ましい。この定量時間には、最小二乗法等の適宜ふさわしいフィッティング方法を用いて予め取得した蛍光量の時間変化とプロゲステロン濃度との関係式を利用して、試料及び抗プロゲステロン抗体標識蛍光粒子を、プロゲステロン・アルブミン結合体が固定化されている検出領域に接触させてから、検査目的とする生体試料を用いた蛍光量の時間変化の結果を基に生体試料に含まれるプロゲステロン量を換算する時間が含まれていることが好ましい。

0136

サンドイッチ法では、特に限定されるものではないが、例えば、以下の手順により測定対象物質を測定することができる。測定対象物質を含む可能性のある生体試料と、測定対象物質と結合性を有する第一の結合物質を有する蛍光粒子とを、基板上で接触させる。生体試料に測定対象物質が存在する場合には、測定対象物質と蛍光粒子と基板との間で結合反応(抗原抗体反応など)が生じる。その結果、生体試料中に測定対象物質が存在する場合には、基板に結合した第二の結合物質と、測定対象物質と、第一の結合物質を有する蛍光粒子とからなる免疫複合体が形成される。サンドイッチ法では、第二の結合物質と、測定対象物質と、第一の結合物質を有する蛍光粒子との反応が終了した後、上記免疫複合体を形成しなかった、第一の結合物質を有する蛍光粒子を除去し、洗浄する。次いで免疫複合体の形成の度合いを蛍光強度として検出することにより、測定対象物質の濃度などを測定することができる。なお、蛍光強度と測定対象物質の濃度は、正の相関関係がある。

0137

(流路)
本発明の好ましい態様においては、測定対象物質を含む可能性のある生体試料と、標識を有する第一の粒子と、第二の粒子とを混合した混合液は、基板上に適用し、流路に展開することができる。流路とは、生体試料と、標識を有する第一の粒子と、第二の粒子とを反応部位まで流下する通路であれば、特に制限はない。好ましい流路の態様としては、標識を有する第一の粒子及び第二の粒子を含む生体試料液を点着する点着口、第三の結合物質が固定化された反応部位としての金属薄膜、及び金属薄膜を超えて流路が存在し、生体試料が、金属薄膜上を通過できる構造を有するものである。好ましくは、金属薄膜に対して、点着口とは反対側に、吸引口が設けることができる。

0138

(表面プラズモン蛍光測定)
本発明における蛍光などの標識の検出方法としては、特に限定されないが、例えば、蛍光強度を検出することができる機器、具体的には、マイクロプレートリーダー、又は表面プラズモン励起による蛍光検出(SPF)を行うためのバイオセンサーなどを用いて蛍光強度を検出することが好ましい。好ましくは、表面プラズモン共鳴による蛍光検出により、測定対象物質の量に関連した標識情報を取得することができる。

0139

なお、蛍光の測定の形態は、プレートリーダー測定でもよいし、フロー測定でもよい。表面プラズモン励起による蛍光検出法(SPF法)は、落射励起による蛍光検出法(落射蛍光法)よりも高感度に測定することができる。

0140

表面プラズモン蛍光(SPF)バイオセンサーとしては、例えば、特開2008−249361号公報に記載されているような、所定波長の励起光を透過させる材料から形成された光導波路と、この光導波路の一表面に形成された金属膜と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを光導波路に通し、上記光導波路と金属膜との界面に対して表面プラズモンを発生させる入射角で入射させる光学系と、上記表面プラズモンによって増強されたエバネッセント波によって励起されることによって発生する蛍光を検出する蛍光検出手段とを備えたセンサーを用いることができる。

0141

本発明の蛍光粒子を用いた表面プラズモン励起による蛍光検出(SPF)系は、好ましくは、基板上の金属膜上に固定化された測定対象物質の量に依存した蛍光物質からの蛍光を検出するアッセイ方法であり、例えば、溶液中での反応の進行により、光学的な透明度の変化を濁度として検出する、いわゆるラテックス凝集法とは異なる方法である。ラテックス凝集法は、ラテックス試薬中の抗体感作ラテックスと生体試料中の抗原が、抗体反応により結合し凝集する。この凝集塊は時間と共に増大し、この凝集塊に近赤外光を照射して得られた単位時間当たりの吸光度変化から、抗原濃度定量化する方法である。本発明では、ラテックス凝集法に比べて、非常に簡便な測定対象物質の検出方法を提供できる。

0142

(規格化)
さらに本発明の方法は、標識粒子の量に関連した標識情報を取得する、標識粒子関連標識情報取得工程;及び測定対象物質の量に関連した標識情報を取得する測定対象物質関連標識情報取得工程で取得した標識情報を、標識粒子関連標識情報取得工程で取得した標識情報により規格化する、規格化工程を含む方法でもよい。

0143

ここで、生体試料と、測定対象物質と結合性を有する第一の結合物質を有する標識粒子とを含む混合液を、検出領域(テストエリア)と参照領域(コントロールエリア)とを有する基板に接触させて検出領域と参照領域上に表面プラズモンを発生させ、放出された蛍光の強度を測定する工程のうち、検出領域上で発生する表面プラズモンによる蛍光の強度を測定する工程が、測定対象物質の量に関連した標識情報を取得する測定対象物質関連標識情報取得工程であり、参照領域上で発生する表面プラズモンによる蛍光の強度を測定する工程が、標識粒子関連標識情報取得工程である。この2つの工程で取得した蛍光強度の単位時間における増加速度蛍光シグナル値の変化率として求め、検出領域のシグナル値の変化率を参照領域のシグナル値の変化率で除する工程が規格化工程である。

0144

(測定対象物質測定試薬)
さらに本発明によれば、(a)測定対象物質と特異的な結合性を有する第一の結合物質で修飾され、70nm以上500nm以下の平均粒子径を有し、標識を有する第一の粒子と、(b)上記測定対象物質と特異的な結合性を有しない第二の結合物質で修飾され、70nm以上500nm以下の平均粒子径を有し、標識を有しない第二の粒子とを含む、測定対象物質測定試薬であって、上記の標識を有する第一の粒子は、式(1)で示される少なくとも一種の化合物と粒子とを含有する発光性の標識粒子である、測定対象物質測定試薬が提供される。上記した測定対象物質測定試薬を用いて、本発明による測定対象物質の測定方法を実施することができる。

0145

以下に、本発明の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。

0146

用語は以下の意味を示す。
MS:質量分析(mass spectrometry)
ESI:エレクトロスプレーイオン化(electrospray ionization)
MR核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance)
Me:メチル基
Et:エチル基
Bu:n−ブチル基
PLフォトルミネッセンス
THF:テトラヒドロフラン

0147

<実施例1>
1.平均粒子径220nmラテックス粒子の調製
スチレン(和光純薬社製)30g(288mmol)とアクリル酸(和光純薬社製)2g(24mmol)を超純水330mLに懸濁させ、85℃に昇温し、過硫酸カリウム(KPS)(和光純薬社製)1gを25mLに溶解させた水溶液を添加し、85℃、250rpmで6時間攪拌した。その後、10,000rpmで6時間遠心分離を3回行い、ラテックス粒子を得た。最後に、得られたラテックス粒子を超純水に再分散させた。固形分濃度が2質量%となるように、純水を添加して希釈液を調製した。粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株))を用いて、温度25℃で測定したメジアン径(d=50)として求めたところ、ラテックス粒子の平均粒子径は220nmであった。

0148

2−1.平均粒子径150nmラテックス粒子の調製
スチレン(和光純薬社製)30g(288mmol)とアクリル酸(和光純薬社製)3g(42mmol)を超純水440mLに懸濁させ、95℃に昇温し、過硫酸カリウム(KPS)(和光純薬社製)1gを10mLに溶解させた水溶液を添加し、95℃、250rpmで6時間攪拌した。その後、10,000rpmで6時間遠心分離を3回行い、ラテックス粒子を得た。最後に、得られたラテックス粒子を超純水に再分散させた。固形分濃度が2質量%となるように、純水を添加して希釈液を調製した。粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株))を用いて、温度25℃で測定したメジアン径(d=50)として求めたところ、ラテックス粒子の平均粒子径は150nmであった。

0149

2−2.平均粒子径100nmラテックス粒子の調製
平均粒子径150nmのラテックス粒子の製造において、昇温時の温度を適宜調整した以外は平均粒子径150nmのラテックス粒子の製造と同様にして、平均粒子径100nmのラテックス粒子を調製した。平均粒子径は1.と同様に測定した。

0150

3.比較用蛍光ラテックス粒子の調製
上記のように作製したラテックス粒子の固形分濃度2質量%の水分散液100mLにメタノール100mLを加え、10分間、室温で攪拌した。一方、別途用意した蛍光色素(比較化合物:特許3442777号公報記載の化合物5)を60分間かけてゆっくりラテックス溶液滴下した。滴下完了後エパポレーターで有機溶媒を減圧留去した後、遠心分離とPBS水溶液への再分散を3回繰り返し、精製を行うことで、平均粒子径が、220nm、150nm、100nmの3種類の比較用蛍光ラテックス粒子を調製した。

0151

4.抗プロゲステロン抗体で修飾した比較用蛍光ラテックス粒子の調製
抗プロゲステロン抗体で修飾した比較用蛍光粒子を、以下の通り調製した。
2質量%(固形分濃度)蛍光ラテックス粒子水溶液(平均粒子径150nm)375μLに、50mMのMES(2−モルホリノエタノスルホン酸同仁化学研究所社製)緩衝液(pH6.0)を117μL、10mg/mLのWSC(水溶性カルボジイミド:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミドハイドロクロライド)水溶液を5μL加え、室温で15分間攪拌した。その後、0.5mg/mLの抗プロゲステロンモノクローナル抗体(GeneTex社製)を182.4μL添加し、室温で1.5時間撹拌した。2mol/LのGlycine(和光純薬社製)水溶液を37.5μL添加し、15分間撹拌した後、遠心分離(15,000rpm、4℃、30分)にて、蛍光ラテックス粒子を沈降させた。上清液を取り除き、PBS(Phosphate Buffered Salineリン酸緩衝生理食塩水;和光純薬社製)溶液(pH7.4)を750μL加え、超音波洗浄機により蛍光ラテックス粒子を再分散させた。さらに遠心分離(15,000rpm、4℃、15分)を行い、上清液を除いた後、1質量%BSAを含むPBS (pH7.4)溶液750μLを加え、蛍光ラテックス粒子を再分散させることで、抗プロゲステロン抗体結合蛍光ラテックス粒子の1質量%溶液を得た。平均粒子径220nm、100nmの蛍光ラテックス粒子のプロゲステロン抗体修飾も上記と同様に行った。

0152

5.蛍光標識をしない粒子の調製
5−1.抗T4抗体で修飾したラテックス粒子の調製
2質量%(固形分濃度)ラテックス粒子水溶液(平均粒子径150nm)250μLに、50mMのMESバッファー(pH6.0)溶液250μLを加え、5mg/mLの抗T4モノクローナル抗体(Medix社 Anti−Thyroxineモノクローナル抗体(6901))100μLを添加し、室温で15分間攪拌した。その後、10mg/mLのEDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)水溶液を5μL加え、室温で2時間撹拌した。2mol/LのGlycine(和光純薬社製)水溶液を25μL添加して30分間撹拌した後、遠心分離(15,000rpm、4℃、15分)を行い、ラテックス粒子を沈降させた。その後上清を取り除き、PBS溶液(pH7.4)を500μL加え、超音波洗浄機によりラテックス粒子を再分散させた。再度、遠心分離(15,000rpm、4℃、15分)を行って上清を除いた後、1質量%BSAを含むPBS(pH7.4)溶液500μLを加えて、ラテックス粒子を再分散させることで、抗T4抗体結合蛍光ラテックス粒子の2質量%溶液を調製した。平均粒子径220nm、100nmのラテックス粒子の抗T4抗体修飾も同様に行った。

0153

5−2.抗hCG抗体で修飾したラテックス粒子の調製
5−1.で調製した抗T4抗体で修飾したラテックス粒子の調製と同様にして、抗hCG抗体(Medix社 Anti−hCG betaモノクローナル抗体(5008))を用いて、平均粒子径220nm、150nm、100nmのラテックス粒子の抗hCG抗体修飾を行い、抗hCG抗体結合蛍光ラテックス粒子の1質量%溶液を調製した。

0154

6.高輝度蛍光ラテックス粒子の調製
6−1.化合物D−1、D−7の作製
(化合物D−1の合成)

0155

化合物D−1は上記のスキームに従って合成した。化合物A−1はBioorganic&Medicinal Chemistry 2004、12、2079−2098に記載の方法に従って合成した。化合物A−2はAlfaAesar社の市販品を使用した。化合物A−1と化合物A−2を出発原料としてMacromolecules 2010、43、193−200に記載の方法にしたがって化合物A−3を合成した。化合物A−3は質量分析により同定した。
MS(ESI+)m/z:797.0([M+H]+)

0156

上記で合成した化合物A−3を用いて、化合物D−1を以下の通り合成した。
化合物A−3(600mg、0.75mmol)、2,4,6−トリメチルフェニルボロン酸(494mg、3.01mmol)、及びフッ化セシウム(1.14g、7.50mmol)をジメトキシエタン(DMEと略記する:30mL)と水(3mL)の混合溶液に加え、真空引き、窒素置換を繰り返して脱気を行った。そこに、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2と略記する。34mg、0.15mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’、6’−ジメトキシビフェニル(Sphos、123mg、0.30mmol)を加え、昇温した。還流下、12時間反応させた後、放冷し、水を加え抽出を行った。有機層飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過、濃縮粗体を得た。得られた粗体をシリカゲルカラム(50容量%クロロホルムヘキサン)で精製し、化合物D−1(396mg、収率67%)を得た。得られた化合物D−1は1HNMRスペクトル、及び質量分析により同定した。
MS(ESI+)m/z:781.1([M+H]+)

0157

(化合物D−2の合成)
化合物D−2は、2,4,6−トリメチルフェニルボロン酸の代わりに1−ナフタレンボロン酸を用いたこと以外は化合物D−1と同様の方法で合成した。得られた化合物D−2は1HNMRスペクトル、及び質量分析により同定した。1H NMRスペクトルは図2に示す。
MS(ESI+)m/z:797.3([M+H]+)

0158

(化合物D−3の合成)
化合物D−3は、2,4,6−トリメチルフェニルボロン酸の代わりに9−アントラセンボロン酸を用いたこと以外は化合物D−1と同様の方法で合成した。得られた化合物D−3は1HNMRスペクトル、及び質量分析により同定した。1H NMRスペクトルは図3に示す。
MS(ESI+)m/z:897.3([M+H]+)

0159

(化合物D−4の合成)
化合物D−4は、化合物A−2の代わりにp−メトキシベンゾヒドラジンを用いたこと以外は化合物D−1と同様の方法で合成した。得られた化合物D−4は1HNMRスペクトル、及び質量分析により同定した。1H NMRスペクトルは図4に示す。
MS(ESI+)m/z:741.3([M+H]+)

0160

(化合物D−5の合成)
化合物D−5は、化合物A−2の代わりにp−メトキシベンゾヒドラジンを用い、2,4,6−トリメチルフェニルボロン酸の代わりに2,4−ジメトキシフェニルボロン酸を用いたこと以外は化合物D−1と同様の方法で合成した。得られた化合物D−5は1HNMRスペクトル、及び質量分析により同定した。1H NMRスペクトルは図5に示す。
MS(ESI+)m/z:777.3([M+H]+)

0161

(化合物D−6の合成)
化合物D−6は、化合物A−2の代わりにp−メトキシベンゾヒドラジンを用い、2,4,6−トリメチルフェニルボロン酸の代わりに2,4−ジブトキシフェニルボロン酸を用いたこと以外は化合物D−1と同様の方法で合成した。得られた化合物D−6は1HNMRスペクトル、及び質量分析により同定した。1H NMRスペクトルは図6に示す。
MS(ESI+)m/z:945.5([M+H]+)

0162

(化合物D−7の合成)
化合物D−7は、化合物A−2の代わりに化合物A−6を用いたこと以外は化合物D−1と同様の方法で合成した。得られた化合物D−7は1HNMRスペクトル、及び質量分析により同定した。
MS(ESI+)m/z:841.4([M+H]+)

0163

化合物A−6は下記スキームに従って、以下の通り合成した。

0164

化合物A−4(15.0g、74,2mmol)をメタノール(MeOHとも表記する。200mL)に加え、そこに硫酸(7.27g、74.2mmol)を滴下した。加熱還流させて5時間反応させ、放冷した後に析出した固体をろ過し、メタノールで洗浄することで化合物A−5(14.7g、収率92%)を得た。
化合物A−5(6.00g、27.7mmol)をエタノール(EtOHとも表記する。140mL)に加え、ヒドラジン一水和物(8.32g、166mmol)を滴下した。加熱還流させて9時間反応させ、放冷した後に析出した固体をろ過し、メタノールで洗浄することで化合物A−6(3.60g、収率60%)を得た。

0165

化合物D1〜D7の構造を以下に示す。

0166

0167

0168

6−2.高輝度蛍光ラテックス粒子の調製
2で調製した固形分濃度が2質量%の150nmの平均粒子径のラテックス粒子の分散液(ラテックス分散液25mL、固形分500mg)に対してTHF(5mL)を滴下して10分攪拌した。そこに、化合物D−1 50μmol/g、D−7 9μmol/gを含むTHF溶液(2.5mL)を15分間かけて滴下した。化合物の滴下終了後、30分攪拌した後、減圧濃縮してTHFを除去した。その後、遠心分離して粒子を沈殿させた後、超純水を加えて再度分散させることで固形分濃度2%の高輝度蛍光ラテックス粒子の分散液−1を作製した。また、220nm、100nmの平均粒子径のラテックス粒子の分散液に対しても同様に化合物を滴下して、平均粒子径の異なる高輝度蛍光ラテックス粒子を作製した。更に、化合物D−1 12μmol/gのみ、又はD−7 12μmol/gのみを含むTHF溶液をそれぞれ作製し、3種類の平均粒子径の異なるラテックス粒子に対しても同様の作業を行ってそれぞれの化合物を含む粒子を作製した。

0169

6−3.抗プロゲステロン抗体で修飾した高輝度蛍光ラテックス粒子の調製
6−2.で調製した固形分濃度が2質量%の高輝度蛍光ラテックス粒子の分散液—1を用いて4.と同様の作業を実施し、平均粒子径150nmの抗プロゲステロン抗体で修飾した高輝度蛍光ラテックス粒子分散液−1を調製した。更に、6−2.で調製した、平均粒子径220nmと平均粒子径100nmのラテックス粒子の分散液、滴下した化合物を変更したラテックス粒子の分散液、に対しても同様にして、抗プロゲステロン抗体で修飾した高輝度蛍光ラテックス粒子の分散液を調製した。

0170

7−1.蛍光ラテックス粒子と、蛍光標識をしない粒子の乾燥粒子の作製
超純水280μL、12.5質量%スクロース水溶液427μL、20質量%BSA水溶液133μL、1質量%抗プロゲステロン抗体修飾蛍光ラテックス粒子(平均粒子径150nm)80μL、5−1.で調製した1質量%抗T4抗体修飾ラテックス粒子(平均粒子径150nm)80μLを混合した。ポリプロピレンプライムポリマー社製、プライムポリプランダムPPグレード)を基体としたカップを準備し、15μL点着した。その後、スーパードライ乾燥機(TOYOリビング社、ウルトラスーパードライ00シリーズ)を用いて、12時間かけて含水量を25%以下となるまで乾燥させ、表2の本発明3に使用した乾燥粒子を作製した。表2の比較例1、2、実施例1〜9に示すように、他の実験水準に使用した乾燥粒子については、ラテックス粒子の平均粒子径、使用量、及び蛍光標識をしない粒子の抗体の種類を適宜変更して、乾燥粒子を作製した。表2に記載した、無標識粒子のマウス抗体の種類1、2については以下の抗体を使用した。

0171

(マウス抗体の種類)
1:Medix社Anti−Thyroxineモノクローナル抗体(6901)
2:Medix社Anti−hCGbetaモノクローナル抗体(5008)

0172

7−2.化合物(D−1/D−7)を変更した蛍光ラテックス粒子と、蛍光標識をしない粒子の乾燥粒子の作製
7−1.と同様にして、化合物をD−1/D−7から、D−1のみ、D−7のみ、あるいは比較化合物に変更した乾燥粒子を、表2の比較例3〜17、実施例10〜27に示すように、ラテックス粒子の平均粒子径、使用量、及び蛍光標識をしない粒子の抗体の種類を適宜変更して、蛍光ラテックス粒子と、蛍光標識をしない粒子の乾燥粒子を作製した。

0173

8.基板の作製
8−1.プロゲステロン−BSA結合体のクエン酸緩衝液の溶液の調製
プロゲステロン−BSA結合体(BIO−RAD社製)150μgを、50mmol/L濃度のクエン酸緩衝液1mL(pH5.2、150mmol/L NaCl)に添加して溶解させ、クエン酸緩衝液の溶液を得た。

0174

8−2.抗マウス抗体の作製
マウス由来のグロブリン(LAMPIRE Biological Laboratories社製、カタログ番号7404302、Mouse Gamma Globulin Salt Fractionation、500mg)を準備し、完全フロイントアジュバント(CFA)と混合したエマルジョン初回投与し、2〜4回目の免疫には不完全アジュバント(IFA)と混合したエマルジョンを投与する方法で、ヤギへ免疫感作(皮下免疫)を2週間隔で4回免疫を行った。その後、ELISA測定を行って抗体価の上昇を確認した後に全採血を行い、遠心分離により抗血清を得た。その後、Protein Aカラム(Thermo scientific社製Pierce ProteinA Columns、カタログ番号20356)により精製し、目的の抗マウス抗体を取得した。

0175

8−3.プロゲステロン−BSA結合体固定基板の調製
ポリメチルメタクリレート(PMMA)の基体(三菱レイヨン(株)社製、アクペット(登録商標)VH)を準備し、マグネトロンスパッタ法により、検出領域と参照領域の2箇所に、それぞれ厚さ45nmの金膜を片面に幅4mm、長さ3mmとなるように作製して基板を構成するためのチップを作製した。このチップの検出領域の金膜面上に、8−1.で調製したプロゲステロン−BSA結合体のクエン酸緩衝液による溶液を点着して乾燥させ、プロゲステロン−BSA結合体を固定化した基板を作製した。また、それぞれの基板の参照領域には、8−2.で作製した抗マウス抗体を含む液(濃度:50μg/mL in 50mmol/L MES緩衝液pH6,150mmol/L NaCl)を点着して、乾燥させた。

0176

9.基板の洗浄及びブロッキング
上記のように調製した基板をセンサチップの流路に取り付ける前に、予め調製した洗浄用溶液(0.05質量%Tween20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウラート、和光純薬社製)を含むPBS溶液(pH7.4))を300μL用いて3回繰り返し洗浄した。洗浄終了後金蒸着膜上の抗体の未吸着部分のブロッキングを行うため、1質量%カゼイン(Thermo Scientific社製)を含むPBS溶液(pH7.4)を300μL添加し、1時間、室温で静置した。上記の洗浄用溶液で洗浄後、安定化剤としてImmunoassay Stabilizer(ABI社製)300μLを添加し、室温で30分間放置し、溶液を除去して乾燥機を用いて水分を完全に取り除いた。

0177

10.センサチップの作製
特開2010−190880号公報の第2の実施形態の構成となるように、作製した基板を流路に封入し、流路型センサチップを作製した。その概略図を図8及び図9に示した。図8は、センサチップ1の概略図であり、図9は、センサチップ1の分解図である。センサチップ1は、上部部材2、中間部材3及び基板4から構成されている。上部部材2には、第一の容器5及び第二の容器6が設けられている。なお、第一の容器5及び第二の容器6を併せて、容器群7と称する。基板4には、流路10が形成されており、流路10の上には、検出領域8及び参照領域9が形成されている。

0178

11.被検試料の準備
検量線評価用に、各種濃度(0.00ng/mL、0.5ng/mL、2.0ng/mL、15.0ng/mL、30.0ng/mL、45.0ng/mL)のプロゲステロンを含む試料を用意した。
また、性能評価用に、イヌ血清として山ラベスから購入した東洋ビーグル犬の血清を使用し、被検試料(検体)No. 1〜11を用意した。

0179

12.蛍光粒子を用いたプロゲステロンの免疫測定
11.で準備した被検試料(イヌ血清)100μLと、塩化マグネシウム44μmolを充分に混合して、混合試料を作製した。7−1.及び7−2.で調製した、カップ内の乾燥粒子を、25℃50%RHの環境下で15日間保存した。ここに、上記の混合試料を装置内で点着し、10分間攪拌しながら混合して、混合液1を得た。次に、9.で作製した、基板を封入した流路型センサチップに、得られた混合液1を所定量点着した。点着後、ポンプ吸引を行いながら混合液1を10μL/minの速度で流下させた。プロゲステロン−BSA結合体を固定した金膜上の蛍光強度の単位時間における増加速度を蛍光シグナル値として求め、検出領域のシグナル値を参照領域のシグナル値で除することで規格化を行った。また、プロゲステロン濃度0の試料を用意して同様にして金膜上の蛍光強度の単位時間における増加速度を蛍光シグナル値として求め、プロゲステロンを含まない試料からのシグナル値の規格化を行った。

0180

13.検量線の作成
文献「The Immunoassay Handbook Third Edition Edited by David Wild (2005)」に競合法の検量線として、シグモイド関数の4パラメータロジスティック曲線モデルが適用できることが記載されており、この方法に従って、近似線を得る方法として一般的に知られている最小二乗法を用いて、12.で測定した各プロゲステロン濃度における蛍光シグナナル値の各点の最近傍を通る4パラメータロジスティック曲線を求め、検量線とした。

0181

以上のようにして求めた検量線から、各プロゲステロン濃度の試料の測定値を算出した。

0182

測定精度の性能は検量線の規格を満たすかどうかで判定した。検量線は2箇所で規格を決定した。一つ目はプロゲステロンの低濃度域の検量線の傾きであり、逆数を取って、2.0以下であることを規格とした。二つ目はプロゲステロンの高濃度域の測定点の検量線からの乖離(ズレ)であり、4%以内を規格とした。これらの規格の範囲内では、測定値の変動係数が10%以内を実現でき、且つ、正確度が10%以内であることが実現できるので、低濃度域から高濃度域の全領域にわたって非常に精度の高い測定が可能となる。

0183

規格を決定した低濃度域のプロゲステロンの濃度は、臨床的意義のあるプロゲステロンの最小濃度である0.5ng/mLにおける検量線の傾きを求めた。また、規格を決定した高濃度域については、プロゲステロン濃度が30.0ng/mLと45.0ng/mLのそれぞれの検量線からの乖離(ズレ)を求め、平均値を算出して評価した。結果を表2にまとめた。

0184

14.対照機による測定
免疫測定で、当業者により広く使用されている大型機であるシーメンスIMMULYZE1000全自動免疫化学発光測定装置により、取り扱い説明書に従い、被検試料中の被検物質の測定を行った。本発明は、対照機で測定した測定値を基準にし、迅速で簡便に精度の高い測定が可能となる発明であり、対照機の測定値との差が小さいことを基準とした。対照機の測定値との差を以下の基準で評価し、表2に示した。

0185

大型機との乖離幅(%)の計算式

0186

15.粒子蛍光強度(相対値)の測定
上記で固形分濃度2質量%の蛍光ラテックス分散液を超純水で200倍に希釈し、蛍光分光光度計RF−5300PC(島津製作所製)の励起光を658nmに設定し、測定を行った。蛍光ラテックス分散液の蛍光強度が測定範囲を超えるほど高い場合には、蛍光強度の極大値測定可能な範囲まで超純水で希釈を行った。4.で作製した比較用蛍光ラテックス粒子の分散液の発光スペクトルの蛍光強度の積分値に対する、蛍光ラテックス粒子の分散液の発光スペクトルの蛍光強度の積分値を粒子蛍光強度(相対値)とした。算出に用いた計算式を以下に示す。

0187

蛍光強度(相対値)= (蛍光ラテックス粒子分散液の発光スペクトルの蛍光強度の積分値)/(4.で作製した比較用蛍光ラテックス粒子分散液の発光スペクトルの蛍光強度の積分値)

0188

結果を表2に示した。

0189

評価基準
低濃度域の検量線傾きの逆数は、2.0以下の場合の判定をAとし、2.0より大きい場合の判定をBとした。
高濃度域での検量線からのズレは、4%以下の場合の判定をAとし、4%より大きい場合の判定をBとした。
大型機との乖離幅(%)は、5.0%未満の判定をAとし、5.0%以上の判定をBとした。

0190

0191

表2の結果から、蛍光標識をしない無標識粒子を使用することで、対照となる大型機での測定値との乖離幅が小さくなり、測定精度が向上することが確認された。また、粒子蛍光強度(相対値)が低い1.0の粒子においては、粒子濃度が高いと低濃度域の検量線傾きが取れなくなり、粒子濃度が低いと高濃度域での検量線からのズレが大きくなったため、測定範囲全般で高精度に測定できる条件がなかった。これに対し本発明の高輝度粒子では、測定範囲全般で高精度に測定できることがわかり、本発明の効果が確認された。

0192

<実施例2>
実施例1と同様にして、平均粒子径100nmの蛍光強度の高い本発明の化合物を用いた蛍光ラテックス粒子あるいは、比較化合物を用いた蛍光ラテックス粒子と、平均粒子径100nmの蛍光標識をしない粒子を使用した場合に、プロゲステロン濃度を測定した結果を表3に示した。

0193

0194

表3の結果から、平均粒子径100nmの比較化合物を用いた蛍光ラテックス粒子と、平均粒子径100nmの蛍光標識をしない粒子を使用した場合には、プロゲステロン濃度が高い被検試料では、高濃度域での検量線からのズレが大きくなり、プロゲステロン濃度が高い被検試料の場合に、対照機との測定値の差が大きくなり実用に堪えない結果が確認されたが、平均粒子径100nmの粒子蛍光強度の高い本発明の化合物を用いた蛍光ラテックス粒子と、平均粒子径100nmの蛍光標識をしない粒子を使用した場合に、プロゲステロン濃度が低い被検試料からプロゲステロン濃度が高い被検試料にわたり、全ての被検試料において対照機との測定値の差が小さいことが確認された。

0195

<実施例3>
実施例2と同様にして、平均粒子径220nmの蛍光強度の高い本発明の化合物を用いた蛍光ラテックス粒子あるいは、比較化合物を用いた蛍光ラテックス粒子と、平均粒子径220nmの蛍光標識をしない粒子を使用した場合に、プロゲステロン濃度を測定した結果を表4に示した。

0196

実施例

0197

表4の結果から、平均粒子径220nmの比較化合物を用いた標識粒子と、平均粒子径220nmの蛍光標識をしない粒子を使用した場合には、プロゲステロン濃度が高い被検試料では、高濃度域での検量線からのズレが大きくなり、プロゲステロン濃度が高い被検試料の場合に、対照機との測定値の差が大きくなり実用に堪えない結果が確認されたが、平均粒子径220nmの粒子蛍光強度の高い本発明の化合物を用いた標識粒子と、平均粒子径220nmの蛍光標識をしない粒子を使用した場合に、プロゲステロン濃度が低い被検試料からプロゲステロン濃度が高い被検試料にわたり、全ての被検試料において対照機との測定値の差が小さいことが確認された。

0198

1センサチップ
2 上部部材
3中間部材
4基板
5 第一の容器
6 第二の容器
7容器群
8 検出領域
9参照領域
10 流路

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ