図面 (/)

技術 油圧緩衝器用外筒、及びこの油圧緩衝器用外筒の成形方法

出願人 KYB株式会社
発明者 群馬英人仲井朝美
出願日 2018年3月22日 (2年7ヶ月経過) 出願番号 2019-506954
公開日 2019年12月19日 (11ヶ月経過) 公開番号 WO2018-174130
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック等の射出成形 流体減衰装置 プラスチック等の成形用の型 型の被覆による成形、強化プラスチック成形
主要キーワード 破断トルク ブレイディング アウターケース アウトサート 連続強化繊維 炭素繊維強化 編み込み 連続強化繊維束
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年12月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題・解決手段

生産性が良好な、油圧緩衝器外筒、及びこの油圧緩衝器用外筒の成形方法を提供する。 油圧緩衝器用外筒は中間体(20)及びアウターケース本体(10A)を備えている。中間体(20)は連続強化繊維を筒状に編み込んだ(テキスタイル加工した)ものである。アウターケース本体(10A)は中間体(20)に含浸させつつ、中間体(20)の外側に凹凸を形成する熱可塑性樹脂であるポリアミド樹脂成形されている。テキスタイル加工とは、繊維を組んだり、織ったり、編んだりして、平坦あるいは筒状の布や等を製造する加工である。

概要

背景

特許文献1は、炭素繊維強化プラスティック(plastic)で形成した回転軸を有するモータ(motor)が開示されている。このモータの回転軸は、回転軸を形成する炭素繊維繊布の炭素繊維の伸びる方向を回転軸が伸びる方向に対して所定の角度に傾けている。これにより、このモータは炭素繊維強化プラスティックで形成した回転軸のねじれ破断トルクを所望の強度にすることができる。これにより、このモータは金属製の回転軸に替えて炭素繊維強化プラスティックにすることができるため、金属製の回転軸を用いる場合に比べて重量を軽量にすることができる。

概要

生産性が良好な、油圧緩衝器外筒、及びこの油圧緩衝器用外筒の成形方法を提供する。 油圧緩衝器用外筒は中間体(20)及びアウターケース本体(10A)を備えている。中間体(20)は連続強化繊維を筒状に編み込んだ(テキスタイル加工した)ものである。アウターケース本体(10A)は中間体(20)に含浸させつつ、中間体(20)の外側に凹凸を形成する熱可塑性樹脂であるポリアミド樹脂成形されている。テキスタイル加工とは、繊維を組んだり、織ったり、編んだりして、平坦あるいは筒状の布や等を製造する加工である。

目的

本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、生産性が良好な、油圧緩衝器用外筒、及びこの油圧緩衝器用外筒の成形方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

連続強化繊維を筒状にテキスタイル加工した筒状体と、前記筒状体に含浸させつつ、前記筒状体の外側に凹凸を形成する熱可塑性樹脂成形された成形体と、を備えていることを特徴とする油圧緩衝器外筒

請求項2

前記筒状体は連続強化繊維を組紐状にテキスタイル加工したことを特徴とする請求項1記載の油圧緩衝器用外筒。

請求項3

連続強化繊維と熱可塑性樹脂成分とを混繊した混繊糸マンドレル外周面に沿って筒状に編み込み、筒状をなした中間体を形成する中間体形成工程と、前記中間体を内部に配置した金型に熱可塑性樹脂を射出し、前記中間体と一体化しつつ、前記中間体の外側に凹凸を形成する成形体を形成する射出成形工程と、を備えていることを特徴とする油圧緩衝器用外筒の成形方法

請求項4

前記射出成形工程は、前記金型に射出された熱可塑性樹脂が有する熱によって前記中間体の熱可塑性樹脂成分が加熱されて融解することを特徴とする請求項3に記載の油圧緩衝器用外筒の成形方法。

請求項5

前記中間体形成工程と前記射出成形工程との間に、前記中間体を加熱して熱可塑性樹脂成分を融解して冷却し固化中間体を得る固化工程を備えていることを特徴とする請求項4に記載の油圧緩衝器用外筒の成形方法。

請求項6

前記中間体形成工程と前記固化工程との間に、前記中間体より熱伝導率の大きい被覆材を前記中間体の外周面に密着して前記中間体を覆う被覆工程を備えていることを特徴とする請求項5に記載の油圧緩衝器用外筒の成形方法。

請求項7

前記中間体形成工程と前記射出成形工程との間に、前記中間体を加熱して熱可塑性樹脂成分を融解して冷却し固化中間体を得る固化工程を備えていることを特徴とする請求項3に記載の油圧緩衝器用外筒の成形方法。

請求項8

前記中間体形成工程と前記固化工程との間に、前記中間体より熱伝導率の大きい被覆材を前記中間体の外周面に密着して前記中間体を覆う被覆工程を備えていることを特徴とする請求項7に記載の油圧緩衝器用外筒の成形方法。

技術分野

0001

本発明は油圧緩衝器外筒、及びこの油圧緩衝器用外筒の成形方法に関するものである。

背景技術

0002

特許文献1は、炭素繊維強化プラスティック(plastic)で形成した回転軸を有するモータ(motor)が開示されている。このモータの回転軸は、回転軸を形成する炭素繊維繊布の炭素繊維の伸びる方向を回転軸が伸びる方向に対して所定の角度に傾けている。これにより、このモータは炭素繊維強化プラスティックで形成した回転軸のねじれ破断トルクを所望の強度にすることができる。これにより、このモータは金属製の回転軸に替えて炭素繊維強化プラスティックにすることができるため、金属製の回転軸を用いる場合に比べて重量を軽量にすることができる。

先行技術

0003

特開2012−257413号公報

発明が解決しようとする課題

0004

このモータの回転軸は、モールド(mold)用樹脂に浸された炭素繊維繊布を加熱圧縮プレス(press))して成形している。つまり、このモータの回転軸は熱硬化性樹脂を用いて成形されている。熱硬化性樹脂を用いて炭素繊維繊布を固化する場合、真空中で長時間かけて加熱圧縮(プレス)する必要がある。このため、このモータの回転軸は生産性が良好でない。また、熱硬化性樹脂を外側に複雑な凹凸を有する油圧緩衝器用外筒の成形に用いる場合、複雑な凹凸に合わせて加熱圧縮(プレス)することが難しい。このため、熱硬化性樹脂を油圧緩衝器用外筒の成形に用いることは難しい。

0005

本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、生産性が良好な、油圧緩衝器用外筒、及びこの油圧緩衝器用外筒の成形方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明の油圧緩衝器用外筒は筒状体及び成形体を備えている。筒状体は連続強化繊維を筒状にテキスタイル(textile)加工したものである。成形体は筒状体に含浸させつつ、筒状体の外側に凹凸を形成する熱可塑性樹脂で成形されている。

0007

なお、テキスタイル加工とは、繊維を組んだり、織ったり、編んだりして、平坦あるいは筒状の布や等を製造する加工である。

0008

本発明の筒状体は連続強化繊維をテキスタイル加工され得る。

0009

本発明の油圧緩衝器用外筒の成形方法は、中間体形成工程、及び射出成形工程を備え得る。中間体形成工程は連続強化繊維と熱可塑性樹脂成分とを混繊した混繊糸マンドレル(mandrel)の外周面に沿って筒状に編み込み、筒状をなした中間体を形成する。射出成形工程は中間体を内部に配置した金型に熱可塑性樹脂を射出し、中間体と一体化しつつ、中間体の外側に凹凸を形成する成形体を形成する。

0010

本発明の射出成形工程は、金型に射出された熱可塑性樹脂が有する熱によって中間体の熱可塑性樹脂成分が加熱されて融解し得る。

0011

本発明の油圧緩衝器用外筒の成形方法は中間体形成工程と射出成形工程との間に固化工程を備え得る。固化工程は中間体を加熱して熱可塑性樹脂成分を融解して冷却し固化中間体を得る。

0012

本発明の油圧緩衝器用外筒の成形方法は、中間体形成工程と固化工程との間に、被覆工程を備え得る。被覆工程は中間体より熱伝導率の大きい被覆材を中間体の外周面に密着して中間体を覆う。

図面の簡単な説明

0013

実施形態の油圧緩衝器用外筒であるアウターケース(outer case)を示す断面図である。
実施形態の油圧緩衝器用外筒であるアウターケースを用いた緩衝装置を示す模式図である。
実施形態の中間体の成形方法を示す概略図である。
実施形態の油圧緩衝器用外筒であるアウターケースを成形する金型と、金型内成形空間に配置された固化中間体、第1金具、及び第2金具とを示す断面図である。

実施例

0014

<実施形態>
油圧緩衝器用外筒であるアウターケース10は、図1に示すように、アウターケース本体10A、ばね受け部10B、ナックルブラケット(knuckle bracket)10Cを備えている。このアウターケース10は車両(図示せず)と車両の車輪(図示せず)との間に介装される緩衝装置50であるストラット(strut)式サスペンション(suspension)のアウターケース10として用いることができる(図2参照。)。

0015

成形体であるアウターケース本体10Aは円筒状をなして一方向に伸びている。アウターケース本体10Aはポリアミド(polyamide)等の熱可塑性樹脂を射出成形して形成する。アウターケース本体10Aは一端が開口し他端が閉鎖されている。また、アウターケース本体10Aは開口した一端に金属製の第1金具10Dが設けられている。第1金具10Dはインサート(insert)成形、あるいは、アウトサート(outsert)成形、又は、その他の接合締結方法によってアウターケース本体10Aに連結されている。第1金具10Dは円筒状をなしており、一端と他端とが開口して連通している。また、第1金具10Dは他端部の外径が一端部の外径より小さい。第1金具10Dは他端部の外周がアウターケース本体10Aの一端部の内周に当接して、アウターケース本体10Aの一端に連通して設けられている。

0016

また、アウターケース本体10Aは筒状体である中間体20が設けられている。ここで中間体20とは、連続強化繊維である炭素繊維と熱可塑性樹脂成分とを含んだ混繊糸20Aを一端と他端とが連通して開口した円筒状に編み込み(テキスタイル加工して)形成されたものである。つまり、筒状体である中間体20は炭素繊維を筒状に編み込んだものである。熱可塑性樹脂成分はポリアミド等の熱可塑性樹脂を繊維状に成形したものである。熱可塑性樹脂成分はアウターケース本体10Aを形成する熱可塑性樹脂と同様の材質である。中間体20は内径が円筒状のアウターケース本体10Aの内径より僅かに大きい。また、中間体20は外径が円筒状のアウターケース本体10Aの外径より僅かに小さい。また、中間体20は長手方向の寸法が円筒状のアウターケース本体10Aの長手方向の寸法より僅かに小さい。中間体20はインサート成形によってアウターケース本体10A内に設けられている。中間体20はアウターケース本体10Aを形成する熱可塑性樹脂によって周りを覆われている。これにより、このアウターケース10は、中間体20を設けない場合に比べて剛性等の力学的性質を良好にすることができる。

0017

ばね受け部10Bはアウターケース本体10Aの長手方向の中間部の外周面から外方向に鍔状に突出して設けられている。ばね受け部10Bはポリアミド等の熱可塑性樹脂を用いて射出成形で形成されており、アウターケース本体10Aと一体的に形成されている。

0018

ナックルブラケット10Cはアウターケース本体10Aの他端部に一対が設けられている。ナックルブラケット10Cはポリアミド等の熱可塑性樹脂を用いて射出成形で形成されており、アウターケース本体10Aと一体的に形成されている。これらナックルブラケット10Cは互いに平面状に形成され対向した平面部10Fを有している。これらナックルブラケット10Cは平面状の平面部10Fが伸びる方向がアウターケース本体10Aの長手方向に平行である。こうして、アウターケース本体10Aは中間体20の外側にばね受け部10Bやナックルブラケット10Cを形成する熱可塑性樹脂で成形されている。なお、ばね受け部10B、及びナックルブラケット10Cは凹凸を例示するものである。

0019

また、これらナックルブラケット10Cはそれぞれに2つずつ第2金具10Eが設けられている。これら第2金具10Eはインサート成形によってナックルブラケット10Cに設けられている。第2金具10Eは円筒状をなしており一端と他端とが開口して連通している。これら第2金具10Eは円筒状の中心軸が伸びる方向をナックルブラケット10Cの平面状の平面部10Fに対して垂直方向に向けて、一対のナックルブラケット10Cのそれぞれに設けられている。また、一対のナックルブラケット10Cはそれぞれに設けられた2つの第2金具10Eの円筒状の中心軸が互いに一直線上に配置されている。また、これら第2金具10Eは円筒状の内側に熱可塑性樹脂が充填されておらず、一端と他端とが開口して連通している。こうして、このアウターケース10が形成されている。

0020

図2にこのアウターケース10を用いた緩衝装置50の一例を示す。この緩衝装置50はアウターケース10、ピストンロッド(piston rod)11、及び懸架ばね12を有している。ピストンロッド11は円柱状をなして、アウターケース本体10Aに対して伸縮自在にアウターケース本体10Aの開口した一端からアウターケース本体10A内に挿入されている。また、ピストンロッド11はアウターケース本体10Aの開口した一端から突出した先端にアッパーマウント(upper mount)(図示せず)が設けられている。アッパーマウントはアウターケースの鍔状をなしたばね受け部10Bに対向したばね受け面(図示せず)が設けられている。

0021

懸架ばね12は圧縮コイルばねである。懸架ばね12はピストンロッド11、及びアウターケース本体10Aに挿通されて設けられている。懸架ばね12はアウターケース10のばね受け部10Bとアッパーマウントのばね受け面とに挟まれて設けられている。こうしてこのアウターケース10を用いた緩衝装置50が構成されている。

0022

この緩衝装置50はアッパーマウントを車両側に連結し、アウターケース10の一対のナックルブラケット10Cの対向した平面部10Fの間に車両の車輪に設けられたナックル(knuckle)(図示せず)を配置し連結して、車両と車両の車輪との間に介装することができる。

0023

次に、アウターケース10の形成方法を、図3(A)〜(D)、及び図4を参照しつつ説明する。

0024

先ず、図3(A)に示すように、連続強化繊維と熱可塑性樹脂成分とを混繊した混繊糸20Aをマンドレル30の外周面に沿って筒状に編み込み、筒状をなした中間体20を形成する(中間体製造工程。)。

0025

先ず、混繊糸20Aをブレイディング(braiding)装置(図示せず)に組み込む。ここで、ブレイディング装置とは公知の装置であり、一方向に長く形成され、外形円形状をなしたマンドレル30、及び組糸である混繊糸20Aを巻き付けて保持する複数の糸巻き(図示せず)を有している。これら糸巻きはそれぞれがマンドレル30の外周面に対して所定の距離を設けて、マンドレル30の外周面を囲むようにマンドレル30の外周面の周方向に並んで配置されている(図示せず)。このブレイディング装置は複数の糸巻きのそれぞれに巻き付けられた混繊糸20Aを用いてマンドレル30の外周面に沿って混繊糸20Aを編み込み、筒状の組紐である中間体20を製造することができる(図3(A)参照。)。つまり、筒状体である中間体20は炭素繊維を筒状の組紐状に編み込んだものである。

0026

次に、中間体形成工程と後述する固化工程との間に、中間体20より熱伝導率の大きい被覆材31を中間体20の外周面に密着して中間体20を覆う(被覆工程。)。詳しくは、図3(B)に示すように、マンドレル30の外周面に沿って編み込まれた中間体20の外周面に被覆材31を巻き付ける。被覆材31は所定の幅を有し、一方向に長く伸びた帯状をなしている。被覆材31はステンレス(stainless steel)等の金属で形成されている。このとき、被覆材31は中間体20の外周面に螺旋状に巻き付ける。また、被覆材31は螺旋状に隣り合う間に隙間が発生しないように、中間体20の外周面を被覆する。こうして被覆工程を終了する。また、帯状の被覆材31に代えて、円筒を軸方向で半割した形状をなした一対の被覆材でマンドレルの外周面に沿って編み込まれた中間体20の外周面を覆い、中間体20を圧縮しても良い。

0027

次に、被覆材31に覆われた中間体20を加熱して熱可塑性樹脂成分を融解して冷却して固化中間体21を得る(固化工程。)。図3(C)に示すように、マンドレル30の外周面に円筒状に編みこまれ、外周面に被覆材31が巻きつけられた中間体20をヒーター(heater)32に投入する。詳しくは、このヒーター32は一方向に長く形成され、長手方向に対する直角方向の断面形状が円弧状をなしている。このヒーター32は円弧状の内径が中間体20の外周面に巻きつけられた被覆材31の外径より大きい。このヒーター32内にマンドレル30の外周面に円筒状に編みこまれ、外周面に被覆材31が巻きつけられた中間体20をヒーター32の長手方向に沿って投入する。すると、ヒーター32内に投入された中間体20の熱可塑性樹脂成分が融解し、融解した熱可塑性樹脂成分が被覆材31から外側に食み出すことなく中間体20の炭素繊維に含浸する。そして、所定の時間を経た後、マンドレル30の外周面に円筒状に編みこまれ、外周面に被覆材31が巻きつけられた中間体20をヒーター32から取り出して冷却する。これにより、融解して中間体20の炭素繊維に含浸した熱可塑性樹脂成分が再び固化する。こうして固化工程を終了する。

0028

そして、中間体20の外周面に巻きつけられた被覆材31を中間体20の外周面から巻き取って取り外し、マンドレル30を中間体20から抜き取る。こうして、円筒状の形を保ちつつ固化した中間体20である固化中間体21を得ることができる。なお、固化中間体21から取り外した被覆材31、及びマンドレル30は繰り返し使用することができる。

0029

そして、こうして得られた固化中間体21、第1金具10D、及び第2金具10Eを金型40内の成形空間41に配置する。詳しくは、図4に示すように、金型40を開き、金型40内の成形空間41に設けられた円柱状のコアピン(core pin)40Aに第1金具10D、及び固化中間体21を挿通して配置する。このとき、固化中間体21の一端と第1金具10Dの他端とが互いに当接している。また、第1金具10Dの内径とコアピン40Aの外径とはほぼ同一である。つまり、第1金具10Dは内周面がコアピン40Aの外周面に当接している。また、固化中間体21は内径がコアピン40Aの外径より僅かに大きい。これにより、固化中間体21は内周面がコアピン40Aの外周面に接触しないように配置することができる。そして、金型40内の成形空間41に第2金具10Eを配置して、金型40を閉める。このとき、固化中間体21は外周面が金型40内の成形空間41を形成する壁面に接触しないように金型40内の成形空間41に配置されている。

0030

次に、固化中間体21、第1金具10D、及び第2金具10Eを内部に配置した金型40内の成形空間41に熱可塑性樹脂を射出し、固化中間体21と一体化しつつ、固化中間体21の外側に凹凸を形成するアウターケース本体10Aを形成する(射出成形工程。)。詳しくは、固化中間体21、第1金具10D、及び第2金具10Eを内部に配置した金型40内の成形空間41に熱可塑性樹脂を射出する。そして、金型40内の成形空間41に射出された熱可塑性樹脂は、固化中間体21の外周面及び内周面の全体を覆う。

0031

このとき、固化中間体21の熱可塑性樹脂成分が金型40内の成形空間41に射出された熱可塑性樹脂の熱によって再び融解する。つまり、金型40内の成形空間41に射出された熱可塑性樹脂が有する熱によって固化中間体21の熱可塑性樹脂成分が加熱されて融解する。すると、固化中間体21の外周面及び内周面付近の熱可塑性樹脂成分が、金型40内の成形空間41に射出された熱可塑性樹脂と融着する。また、固化中間体21に熱可塑性樹脂成分が含浸していない領域がある場合、金型40内の成形空間41に射出された熱可塑性樹脂は固化中間体21の熱可塑性樹脂成分が含浸していない領域に含浸する。そして、射出した熱可塑性樹脂が金型40内の成形空間41の隅々まで充填された後、保圧、冷却を実行して、金型40を開き、アウターケース10を金型40内の成形空間41から取り出す。こうして射出成形工程を終了する。このアウターケース10は固化中間体21の外周面及び内周面付近の熱可塑性樹脂成分が金型40内の成形空間41に射出された熱可塑性樹脂と融着しているため、固化中間体21と金型40内の成形空間41に射出された熱可塑性樹脂とが剥離し難い。

0032

このように、この油圧緩衝器用外筒は加熱されて溶解した熱可塑性樹脂が連続強化繊維に含浸して成形されている。加熱されて溶解した熱可塑性樹脂は冷却することによって短時間で固化することができる。また、熱可塑性樹脂は加熱圧縮(プレス)が不要であり、金型40内の成形空間41に射出して成形することができるため、所望の形状を容易に得ることができる。このため、この油圧緩衝器用外筒は熱可塑性樹脂を用いることによって、複雑な凹凸を容易に設けることができる。

0033

したがって、本発明の油圧緩衝器用外筒は生産性が良好である。

0034

また、この筒状体は連続強化繊維を組紐状に編み込んでいる。組物は組糸(繊維束)を互いに交差させることにより作製される。組糸の交差角度は任意に変更することができる。つまり、この筒状体は、組物構造を様々に変更することによって、筒状体自体の力学的特性を変更することができる。

0035

また、この油圧緩衝器用外筒の成形方法は、中間体形成工程、及び射出成形工程を備えている。中間体形成工程は連続強化繊維と熱可塑性樹脂成分とを混繊した混繊糸20Aをマンドレル30の外周面に沿って筒状に編み込み、筒状をなした中間体20を形成する。射出成形工程は中間体20を成形空間41に配置した金型40の成形空間41に熱可塑性樹脂を射出し、中間体20と一体化しつつ、中間体20の外側に凹凸を形成するアウターケース本体10Aを形成する。このため、この油圧緩衝器用外筒の成形方法は予め所望の外径に形成した中間体20を金型40内の成形空間41に配置することができる。これにより、この油圧緩衝器用外筒の成形方法は金型40内の成形空間41において、中間体20が配置される位置を容易に調節することができる。また、この油圧緩衝器用外筒の成形方法は加熱されて溶解した熱可塑性樹脂が連続強化繊維に含浸して成形することができる。加熱されて溶解した熱可塑性樹脂は冷却することによって短時間で固化することができる。

0036

したがって、この油圧緩衝器用外筒の成形方法は容易に所望の機械的特性を有した油圧緩衝器用外筒を成形することができ、生産性が良好である。

0037

また、この射出成形工程は、金型40内の成形空間41に射出された熱可塑性樹脂が有する熱によって中間体20の熱可塑性樹脂成分が加熱されて融解する。このため、この油圧緩衝器用外筒の成形方法は熱可塑性樹脂成分が融解すると、中間体の連続強化繊維に含浸しつつ、金型40内の成形空間41に射出された熱可塑性樹脂と融着することができる。これにより、この油圧緩衝器用外筒の成形方法は力学的特性がより良好な油圧緩衝器用外筒を成形することができる。

0038

また、この油圧緩衝器用外筒の成形方法は中間体形成工程と射出成形工程との間に固化工程を備えている。固化工程は中間体20を加熱して熱可塑性樹脂成分を融解して冷却し固化中間体21を得る。このため、この油圧緩衝器用外筒の成形方法は予め中間体の熱可塑性樹脂成分を融解させることができるため、連続強化繊維に融解した熱可塑性樹脂成分を良好に含浸させることができる。このため、この油圧緩衝器用外筒の成形方法は、力学的特性がより良好な油圧緩衝器用外筒を成形することができる。

0039

また、この油圧緩衝器用外筒の成形方法は、中間体形成工程と固化工程との間に、被覆工程を備えている。被覆工程は中間体20より熱伝導率の大きい被覆材31を中間体20の外周面に密着して中間体20を覆う。このため、被覆工程は被覆材31に張力を付与しながら中間体20の外周面に密着させて覆うことによって、中間体20の連続強化繊維束間の隙間を密着させることができ、内部欠陥となる空隙を抑えることができるため、力学的性質をより良好にすることができる。また、被覆材31で中間体20を被覆することで、加熱する際に中間体20から溶け出した熱可塑性樹脂成分の欠落を防ぐことができる。さらに、この被覆材31は中間体20より熱伝導率が大きいため、固化工程において中間体20の全体にわたり熱を均一に加えることができ、中間体20の熱可塑性樹脂成分をなく融解でき、融解した熱可塑性樹脂成分が連続強化繊維束間中により良好に含浸させることができ、力学的特性がより良好な油圧緩衝器用外筒を成形することができる。

0040

<他の実施形態>
以下、上記実施形態から変更可能な他の実施形態を簡単に説明する。
(1)実施形態では、筒状体として緩衝装置のアウターケースを開示しているが、これに限らず、筒状をなした部材であれば種類を問わない。
(2)実施形態では、炭素繊維と熱可塑性樹脂成分とを混繊した混繊糸を組紐状に編み込んで形成しているが、これに限らず、混繊糸を不織布状に絡み合わせて筒状体を形成しても良い。また、混繊糸を組んだり、織ったり、編んだりして筒状体を形成しても良い。
(3)実施形態では、熱可塑性樹脂、及び熱可塑性樹脂成分にポリアミド樹脂を用いているが、これに限らず、熱可塑性樹脂、及び熱可塑性樹脂成分に他の熱可塑性樹脂を用いても良く、これら樹脂を複合的に用いても良い。
(4)実施形態では、被覆材にステンレスを用いているが、これに限らず、被覆材に他の金属を用いても良い。
(5)実施形態では、連続強化繊維に炭素繊維を用いているが、これに限らず、連続強化繊維にガラス(glass)繊維やアラミド(aramid)繊維等の他の繊維を用いても良く、これら繊維を複合的に用いても良い。
(6)実施形態では、第1金具を設けているが、これに限らず、第1金具を設けなくても良く、第1金具が設けられる空間に熱可塑性樹脂や連続強化繊維等を充填して形成しても良い。
(7)実施形態では、筒状体の周方向に設けられるばね受け部、及びナックルブラケットを凹凸の例示としてあげているが、周方向に限らず、筒状体の軸方向に凹凸を形成してもよい。筒状体の軸方向に設けられる凹凸として取り付けアイを形成してもよい。

0041

10A…アウターケース本体(成形体)、20…中間体(筒状体)、30…マンドレル、31…被覆材、21…固化中間体(中間体)

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 黒沢建設株式会社の「 バネ式制震ダンパー」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】巨大地震時に積層ゴム免震装置の過大変形を防止すると共に、速やかな変形復元機能を付与して積層ゴムの損傷を防ぐことができるバネ式制震ダンパーを提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係るバネ... 詳細

  • ダイキョーニシカワ株式会社の「 樹脂注入成形品およびその製造方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】コア材が厚肉部を有する樹脂注入成形品において、コア材の厚肉部で突出した部分がマトリックス樹脂の圧力により潰れるのを抑制する。【解決手段】マトリックス樹脂(29)が繊維シート状物(27)に含浸さ... 詳細

  • 株式会社フジタの「 粘性ダンパ」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】大きさが異なる振動に対応して減衰力を可変させることで振動エネルギーを確実に吸収する。【解決手段】内部にシリコンオイルが封入されたシリンダ20と、シリンダ20の内部に挿通されたピストンロッド30... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ