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技術 空気流量測定装置

出願人 日立オートモティブシステムズ株式会社
発明者 余語孝之斎藤直生星加浩昭三木崇裕
出願日 2017年9月26日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2018-553679
公開日 2019年7月11日 (3ヶ月経過) 公開番号 WO2018-100854
状態 未査定
技術分野 体積流量の測定(II);質量流量の測定
主要キーワード 分断構造 特性影響 接着角度 総合誤差 主パラメータ 合成樹脂製材料 樹脂モール 出力ズレ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

被計測気体の流れの乱れを抑制し、かつ、吸入空気と共に流入する水滴による特性影響を低減することが可能な空気流量測定装置を実現する。流量検出部602が実装される回路基板400の空気が流れる上流側の端縁800に、端縁800を分断する半円形切欠き構造である分断部801が形成され。被計測気体30と共に流入した水滴を分断部801に捕獲し、流量検出部602に到達することを抑制することができる。

概要

背景

内燃機関吸入空気等の汚染物を含む空気の流量を測定する空気流量測定装置が知られている。

特許文献1には、熱式空気流量計が記載されている。特許文献1に記載の技術において、汚損物流量検出部への付着を防止するため、流量検出部は、副通路内被計測気体の流れ方向に沿って配置される露出面に露出して設けられており、露出面には流量検出部の周囲を取り囲むように段差が形成され、段差によって囲まれる内側領域が段差の外側領域よりも突出するように構成されている。

概要

被計測気体の流れの乱れを抑制し、かつ、吸入空気と共に流入する水滴による特性影響を低減することが可能な空気流量測定装置を実現する。流量検出部602が実装される回路基板400の空気が流れる上流側の端縁800に、端縁800を分断する半円形切欠き構造である分断部801が形成され。被計測気体30と共に流入した水滴を分断部801に捕獲し、流量検出部602に到達することを抑制することができる。

目的

本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被計測気体の流れの乱れを抑制し、かつ、吸入空気と共に流入する水滴による特性影響を低減することが可能な空気流量測定装置を実現することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

被計測気体の流量を検出する流量検出部を有する基板と、被計測気体の一部を取り込む通路が形成され、上記流量検出部が上記通路内に配置されるように上記基板を固定するハウジングと、を備え、上記基板は、上記流量検出部に対して上記被計測気体の流れの上流側の端縁に、該端縁の一部を分断する分断部を有することを特徴とする空気流量測定装置

請求項2

請求項1に記載の空気流量測定装置において、上記分断部は、上記被計測気体の流れの上流側で、水が集中する位置に形成されることを特徴とする空気流量測定装置。

請求項3

請求項2に記載の空気流量測定装置において、上記分断部は、上記通路を形成する上記ハウジングの壁面と上記基板の端縁との境界付近に形成されることを特徴とする空気流量測定装置。

請求項4

請求項2に記載の空気流量測定装置において、上記分断部は、切欠きであることを特徴とする空気流量測定装置。

請求項5

請求項4に記載の空気流量測定装置において、上記流量検出部に対して上記被計測気体の流れの下流側の端縁にも、切欠きが形成されていることを特徴とする空気流量測定装置。

請求項6

請求項4又は5に記載の空気流量測定装置において、上記切欠きは半円形状であることを特徴とする空気流量測定装置。

請求項7

請求項4又は5に記載の空気流量測定装置において、上記切欠きは三角形状であることを特徴とする空気流量測定装置。

請求項8

請求項4又は5に記載の空気流量測定装置において、上記切欠きは四角形状であることを特徴とする空気流量測定装置。

請求項9

請求項4又は5に記載の空気流量測定装置において、上記切欠きは五角形以上の多角形状であることを特徴とする空気流量測定装置。

請求項10

請求項2に記載の空気流量測定装置において、上記分断部は、上記通路内を流れる水滴を上記流量検出部から遠ざける形状であることを特徴とする空気流量測定装置。

請求項11

請求項10に記載の空気流量測定装置において、上記分断部は、上記通路内を流れる水滴を捕獲する水滴捕獲部であることを特徴とする空気流量測定装置。

請求項12

請求項1に記載の空気流量測定装置において、上記基板は、上記ハウジングに一体成形により固定されていることを特徴とすることを特徴とする空気流量測定装置。

技術分野

0001

本発明は、空気流量測定装置に関する。

背景技術

0002

内燃機関吸入空気等の汚染物を含む空気の流量を測定する空気流量測定装置が知られている。

0003

特許文献1には、熱式空気流量計が記載されている。特許文献1に記載の技術において、汚損物流量検出部への付着を防止するため、流量検出部は、副通路内被計測気体の流れ方向に沿って配置される露出面に露出して設けられており、露出面には流量検出部の周囲を取り囲むように段差が形成され、段差によって囲まれる内側領域が段差の外側領域よりも突出するように構成されている。

先行技術

0004

特開2014−185868号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1に記載された流量検出部は、段差によって取り囲まれることで、段差外側領域にカーボンを含むオイルミスト等の汚損物をきとめ、汚損物の付着を防止している。

0006

しかし、特許文献1に記載された技術では、流量検出部が実装される平面上に段差が設けられるため、流量検出部の気体の流れを大きく乱してしまい、流量検出に対するノイズが発生する可能性がある。

0007

また、汚損物を堰きとめることは可能であるが、吸入空気と共に流入した水滴については、流量検出部まで到達する可能があり、流量検出精度を低下させる懸念がある。

0008

本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被計測気体の流れの乱れを抑制し、かつ、吸入空気と共に流入する水滴による特性影響を低減することが可能な空気流量測定装置を実現することである。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、上記目的を達成するため、次のように構成される。

0010

空気流量測定装置において、被計測気体の流量を検出する流量検出部を有する基板と、被計測気体の一部を取り込む通路が形成され、上記流量検出部が上記通路内に配置されるように上記基板を固定するハウジングとを備え、上記基板は、上記流量検出部に対して上記被計測気体の流れの上流側の端縁に、該端縁の一部を分断する分断部を有する。

発明の効果

0011

本発明によれば、被計測気体の流れの乱れを抑制し、かつ、吸入空気と共に流入する水滴による特性影響を低減することが可能であり、簡単な構造で高い計測精度の空気流量測定装置を実現することができる。

0012

なお、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。

図面の簡単な説明

0013

本発明に係る空気流量測定装置の一実施例を電子燃料噴射方式内燃機関制御システムに適用した概略システム図である。
空気流量測定装置の正面図である。
空気流量測定装置の背面図である。
空気流量測定装置の左側面図である。
空気流量測定装置の右側面図である。
空気流量測定装置の平面図である。
空気流量測定装置の底面図である。
空気流量測定装置から表カバーおよび裏カバーを取り外した状態の正面図である。
空気流量測定装置から表カバーおよび裏カバーを取り外した状態の背面図である。
空気流量測定装置から表カバーおよび裏カバーを取り外した状態の左側面図である。
空気流量測定装置から表カバーおよび裏カバーを取り外した状態の右側面図である。
図8のA−A線断面図である。
第2副通路の他の形態を示す図である。
第2副通路の他の形態を示す図である。
表カバーの外観を示す図である。
裏カバーの外観を示す図である。
回路基板の正面図である。
回路基板の右側面図である。
回路基板の背面図である。
空気流量測定装置の回路図である。
空気流量測定装置の回路構成の他の例を説明する図である。
空気流量測定装置から表カバーを取り外したハウジングの形状を示す正面図である。
図22に示した例の変形例を示す図である。
分断部の形状の変形例を示す図である。
分断部の形状の変形例を示す図である。
分断部の形状の変形例を示す図である。

0014

本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。

0015

発明を実施するための形態は、実際の製品として要望されている種々の課題を解決しており、特に車両の吸入空気の物理量を検出する検出装置として使用するために望ましい色々な課題を解決し、種々の効果を奏している。

0016

以下の実施例で、同一の参照符号は、図番が異なっていても同一の構成を示しており、同じ作用効果を成す。また、既に説明済みの構成について、図に参照符号のみを付し、説明を省略する場合がある。

0017

1.内燃機関制御システムに本発明に係る物理量検出装置である空気流量測定装置を使用した一実施例
図1は、本発明に係る空気流量測定装置の一実施例を電子燃料噴射方式の内燃機関制御システムに適用した概略システム図である。

0018

図1において、エンジンシリンダ112とエンジンピストン114を備える内燃機関110の動作に基づき、吸入空気が被計測気体30としてエアクリーナ122から吸入され、主通路124である例えば吸気ディスロットルボディ126、吸気マニホールド128を介してエンジンシリンダ112の燃焼室に導かれる。

0019

燃焼室に導かれる吸入空気である被計測気体30の物理量は、本発明の一実施例に係る空気流量測定装置300で検出され、その検出された空気量(物理量)に基づいて燃料噴射弁152より燃料が供給され、吸入空気30と共に混合気の状態で燃焼室に導かれる。

0020

なお、本実施例では、燃料噴射弁152は内燃機関の吸気ポートに設けられ、吸気ポートに噴射された燃料が吸入空気である被計測気体30と共に混合気を成形し、吸気弁116を介して燃焼室に導かれ、燃焼して機械エネルギを発生する。

0021

燃焼室に導かれた燃料および空気は、燃料と空気の混合状態を成しており、点火プラグ154の火花着火により、爆発的に燃焼し、機械エネルギを発生する。燃焼後の気体は排気弁118から排気管に導かれ、排気ガス24として排気管から車外に排出される。燃焼室に導かれる吸入空気である被計測気体30の流量は、車両のアクセルペダルの操作に基づいてその開度が変化するスロットルバルブ132により制御される。燃焼室に導かれる吸入空気の流量に基づいて燃料供給量が制御され、運転者はスロットルバルブ132の開度を制御して燃焼室に導かれる吸入空気の流量を制御することにより、内燃機関が発生する機械エネルギを制御することができる。

0022

1.1内燃機関制御システムの制御の概要
エアクリーナ122から取り込まれ、主通路124を流れる吸入空気である被計測気体30の流量、温度、湿度、圧力などの物理量が空気流量測定300により検出され、この空気流量測定装置300から吸入空気の流量(物理量)を表す電気信号制御装置200に入力される。

0023

また、スロットルバルブ132の開度を計測するスロットル角度センサ144の出力が制御装置200に入力され、さらに内燃機関のエンジンピストン114や吸気弁116や排気弁118の位置や状態、さらに内燃機関の回転速度を計測するために、回転角度センサ146の出力が、制御装置200に入力される。排気ガス24の状態から燃料量と空気量との混合比の状態を計測するために、酸素センサ148の出力が制御装置200に入力される。

0024

制御装置200は、空気流量測定装置300の出力である吸入空気の流量と、回転角度センサ146の出力に基づき計測された内燃機関の回転速度とに基づいて、燃料噴射量や点火時期演算する。これら演算結果に基づいて、燃料噴射弁152から供給される燃料量、および点火プラグ154により点火される点火時期が制御される。

0025

燃料供給量や点火時期は、実際にはさらに空気流量測定装置300で検出される温度やスロットル角度の変化状態エンジン回転速度の変化状態、酸素センサ148で計測された空燃比の状態に基づいて、きめ細かく制御されている。制御装置200は、さらに内燃機関のアイドル運転状態において、スロットルバルブ132をバイパスする空気量をアイドルエアコントロールバルブ156により制御し、アイドル運転状態での内燃機関の回転速度を制御する。

0026

1.2空気流量測定装置の検出精度向上の重要性と空気流量測定装置の搭載環境
内燃機関の主要な制御量である燃料供給量や点火時期はいずれも空気流量測定装置300の出力を主パラメータとして演算される。従って、空気流量測定装置300の検出精度の向上や、経時変化の抑制、信頼性の向上が、車両の制御精度の向上や信頼性の確保に関して重要である。

0027

特に近年、車両の省燃費に関する要望が非常に高く、また排気ガス浄化に関する要望が非常に高い。これらの要望に応えるには、空気流量測定装置300により検出される吸入空気20の流量の検出精度の向上が極めて重要である。また、空気流量測定装置300が高い信頼性を維持していることも大切である。

0028

空気流量測定装置300が搭載される車両は、温度や湿度の変化が大きい環境で使用される。空気流量測定装置300は、その使用環境における温度や湿度の変化への対応や、塵埃汚染物質などへの対応も、考慮されていることが望ましい。

0029

また、空気流量測定装置300は、内燃機関からの発熱の影響を受ける吸気管に装着される。このため、内燃機関の発熱が主通路124である吸気管を介して空気流量測定装置300に伝わる。空気流量測定300は、被計測気体と熱伝達を行うことにより被計測気体の流量を検出するので、外部からの熱の影響をできるだけ抑制することが重要である。

0030

車に搭載される空気流量測定装置300は、以下で説明するように、単に発明が解決しようとする課題の欄に記載された課題を解決し、発明の効果の欄に記載された効果を奏するのみでなく、以下で説明するように、上述した色々な課題を十分に考慮し、製品として求められている色々な課題を解決し、色々な効果を奏している。

0031

空気流量測定装置300が解決する具体的な課題や奏する具体的な効果は、以下の実施例の記載の中で説明する。

0032

2.空気流量測定装置300の構成
2.1 空気流量測定装置300の外観構造
図2図7は、空気流量測定装置300の外観を示す図であり、図2は空気流量測定装置300の正面図、図3は空気流量測定装置300の背面図、図4は空気流量測定装置300の左側面図、図5は空気流量測定装置300の右側面図、図6は空気流量測定装置300の平面図、図7は空気流量測定装置300の底面図である。

0033

図2図7において、空気流量測定装置300は、ハウジング302と、表カバー303と、裏カバー304とを備えている。ハウジング302は、合成樹脂製材料モールド成形することによって構成されており、空気流量測定装置300を主通路124である吸気ボディに固定するためのフランジ311と、フランジ311から突出して外部機器との電気的な接続を行うためのコネクタを有する外部接続部321と、フランジ311から主通路124の中心に向かって突出するように延びる計測部331を有している。

0034

計測部331には、ハウジング302をモールド成形する際にインサート成形により回路基板400が一体に設けられている(図8図9を参照)。回路基板400には、主通路124を流れる被計測気体30の流量を検出するための少なくとも一つの検出部と、検出部で検出した信号を処理するための回路部が設けられている。検出部は、被計測気体30に晒される位置に配置され、回路部は、表カバー303によって密閉された回路室に配置される。

0035

計測部331の表面と裏面には副通路溝が設けられており、表カバー303及び裏カバー304との協働により第1副通路305が形成される。計測部331の先端部には、吸入空気などの被計測気体30の一部を第1副通路305に取り込むための第1副通路入口305aと、第1副通路305から被計測気体30を主通路124に戻すための第1副通路出口305bが設けられている。第1副通路305の通路途中には、回路基板400の一部が突出しており、その突出部分には検出部である流量検出部602(図8を参照)が配置されて、被計測気体30の流量を検出するようになっている。

0036

第1副通路305よりもフランジ311寄りの計測部331の中間部には、吸入空気などの被計測気体30の一部をセンサ室Rsに取り入れるための第2副通路306が設けられている。第2副通路306は、計測部331と裏カバー304との協働により形成される。第2副通路306は、被計測気体30を取り込むために上流側外壁336に開口する第2副通路入口306aと、第2副通路306から被計測気体30を主通路124に戻すために下流側外壁338に開口する第2副通路出口306bを有している。

0037

第2副通路306は、計測部331の背面側に形成されたセンサ室Rsに連通している。センサ室Rsには、回路基板400の裏面に設けられた検出部である圧力センサ421A、421Bと湿度センサ422が配置されている(図19参照)。

0038

2.2空気流量測定装置300の外観構造に基づく効果
空気流量測定装置300は、フランジ311から主通路124の中心方向に向かって延びる計測部331の中間部に第2副通路入口306aが設けられ、計測部331の先端部に第1副通路入口305aが設けられている。したがって、主通路124の内壁面近傍ではなく、内壁面から離れた中央部に近い部分の気体を第1副通路305及び第2副通路306にそれぞれ取り込むことができる。

0039

従って、空気流量測定装置300は、主通路124の内壁面から離れた部分の気体の物理量を測定することができ、熱や内壁面近傍の流速低下に関係する空気流量の計測誤差を低減できる。

0040

計測部331は、主通路124の外壁から中央に向かう軸に沿って長く伸びる形状を成しているが、厚さ幅は、図4及び図5に記載の如く、狭い形状を成している。即ち、空気流量測定装置300の計測部331は、側面の幅が薄く正面が略長方形の形状を成している。これにより、空気流量測定装置300は、十分な長さの第1副通路305を備えることができ、被計測気体30に対しては流体抵抗を小さい値に抑えることができる。

0041

このため、空気流量測定装置300は、流体抵抗を小さい値に抑えられると共に高い精度で被計測気体30の流量を計測することが可能である。

0042

2.3フランジ311の構造と効果
フランジ311には、主通路124と対向する下面312に、窪み313が複数個設けられており、主通路124との間の熱伝達面を低減し、空気流量測定装置300が熱の影響を受け難くしている。空気流量測定装置300は、主通路124に設けられた取り付け孔から内部に計測部331が挿入され、主通路124にフランジ311の下面312が対向する。

0043

主通路124は、例えば吸気ボディであり、主通路124が高温に維持されていることが多い。逆に、寒冷地での始動時には、主通路124が極めて低い温度であることが考えられる。このような主通路124の高温あるいは低温の状態が種々の物理量の計測に影響を及ぼすと、計測精度が低下する。

0044

フランジ311は、下面312に窪み313を有しており、主通路124に対向する下面312と主通路124との間に空間が成形されている。したがって、空気流量測定装置300に対する主通路124からの熱伝達を低減し、熱による測定精度の低下を防止できる。

0045

フランジ311のねじ孔314は、空気流量測定装置300を主通路124に固定するためのもので、これらのねじ孔314の周囲の主通路124に対向する面が主通路124から遠ざけられるように、各ねじ孔314の周囲の主通路124に対向する面と主通路124との間に空間が成形されている。このようにすることで、空気流量測定装置300に対する主通路124からの熱伝達を低減し、熱による測定精度の低下を防止できる構造をしている。

0046

2.4外部接続部321の構造
外部接続部321は、フランジ311の上面に設けられてフランジ311から被計測気体30の流れ方向下流側に向かって突出するコネクタ322を有している。コネクタ322には、制御装置200との間を接続する通信ケーブルを差し込むための差し込み穴322aが設けられている。差し込み穴322a内には、図5に示すように、内部に4本の外部端子323が設けられている。外部端子323は、空気流量測定装置300の計測結果である物理量の情報を出力するための端子および空気流量測定装置300が動作するための直流電力を供給するための電源端子となる。

0047

コネクタ322は、フランジ311から被計測気体30の流れ方向下流側に向かって突出し、流れ方向下流側から上流側に向かって差し込む形状を有しているが、この形状に限定されるものではなく、例えばフランジ311の上面から垂直に突出して、計測部331の延出方向に沿って差し込む形状を有していてもよく、種々の変更が可能である。

0048

3.ハウジング302の全体構造とその効果
3.1 全体構造
次に、ハウジング302の全体構造について図8図12を用いて説明する。図8図12は、空気流量測定装置300から表カバー303および裏カバー304を取り外したハウジング302の状態を示す図であり、図8はハウジング302の正面図、図9はハウジング302の背面図、図10はハウジング302の右側面図、図11はハウジング302の左側面図、図12図8のA−A線断面図である。

0049

ハウジング302は、フランジ311から計測部331が主通路124の中心に向かって延びる構造を成している。計測部331の基端側には回路基板400がインサート成形されている。回路基板400は、計測部331の表面と裏面との中間位置で計測部331の面に沿って平行に配置されて、ハウジング302に一体にモールドされており、計測部331の基端側を厚さ方向一方側と他方側とに区画している。

0050

計測部331の表面側には、回路基板400の回路部を収容する回路室Rcが形成され、裏面側には、圧力センサ421と湿度センサ422を収容するセンサ室Rsが形成されている。回路室Rcは、表カバー303をハウジング302に取り付けることにより密閉され、外部から完全に隔離される。一方、裏カバー304をハウジング302に取り付けることにより、第2副通路306と、第2副通路306を介して計測部331の外部に連通する室内空間であるセンサ室Rsを形成する。

0051

回路基板400の一部は、計測部331の回路室Rcと第1副通路305との間を仕切仕切壁335から第1副通路305内に突出しており、その突出した部分の計測用流路面430に流量検出部602が設けられている。

0052

3.2 副通路溝の構造
計測部331の長さ方向先端側には、第1副通路305を成形するための副通路溝が設けられている。第1副通路305を形成するための副通路溝は、図8に示される表側副通路溝332と、図9に示される裏側副通路溝334を有している。表側副通路溝332は、図8に示すように、計測部331の下流側外壁338に開口する第1副通路出口305bから上流側外壁336に向かって移行するに従って漸次計測部331の基端側であるフランジ311側に湾曲し、上流側外壁336の近傍位置で、計測部331を厚さ方向に貫通する開口部333に連通している。

0053

開口部333は、上流側外壁336と下流側外壁338との間に亘って延びるように、主通路124の被計測気体30の流れ方向に沿って形成されている。

0054

裏側副通路溝334は、図9に示すように、上流側外壁336から下流側外壁338に向かって移行し、上流側外壁336と下流側外壁338との中間位置で二股に分かれて、一方は、排出通路としてそのまま一直線状に延在して下流側外壁338の排出口305cに開口し、他方は、下流側外壁338に移行するに従って漸次計測部331の基端側であるフランジ311側に湾曲し、下流側外壁338の近傍位置で、開口部333に連通している。

0055

裏側副通路溝334は、主通路124から被計測気体30が流入する入口溝を形成し、表側副通路溝332は、裏側副通路溝334から取り込んだ被計測気体30を主通路124に戻す出口溝を形成する。表側副通路溝332と裏側副通路溝334はハウジング302の先端部に設けられているので、主通路124の内壁面から離れた部分の気体を、言い換えると主通路124の中央部分に近い部分を流れている気体を被計測気体30として取り込むことができる。主通路124の内壁面近傍を流れる気体は、主通路124の壁面温度の影響を受け、吸入空気20などの主通路124を流れる気体の平均温度と異なる温度を有することが多い。

0056

また、主通路124の内壁面近傍を流れる気体は、主通路124を流れる気体の平均流速より遅い流速を示すことが多い。実施例の物理量検出装置300ではこのような影響を受けに難いので、計測精度の低下を抑制できる。

0057

図9に示すように、主通路124を流れる被計測気体30の一部が第1副通路入口305aから裏側副通路溝334内に取り込まれ、裏側副通路溝334内を流れる。そして、被計測気体30に含まれている質量の大きな異物は一部の被計測気体と共に分岐からそのまま一直線状に延在する排出通路に流れ込み、下流側外壁338の排出口305cから主通路124に排出される。

0058

裏側副通路溝334は、進むにつれて深くなる形状をしており、被計測気体30は裏側副通路溝334に沿って流れるにつれ計測部331の表側に徐々に移動する。特に裏側副通路溝334は開口部333の手前で急激に深くなる急傾斜部334aが設けられていて、質量の小さい空気の一部は急傾斜部334aに沿って移動し、開口部333内で回路基板400の計測用流路面430側を流れる。一方、質量の大きい異物は、急激な進路変更が困難なため、計測用流路面裏面431側を流れる。

0059

図8に示すように、開口部333で表側に移動した被計測気体30は、回路基板400の計測用流路面430に沿って流れ、計測用流路面430に設けられた流量検出部602との間で熱伝達が行われ、流量の計測が行われる。開口部333から表側副通路溝332に流れてきた空気は共に表側副通路溝332に沿って流れ、下流側外壁338に開口する第1副通路出口305bから主通路124に排出される。

0060

被計測気体30に混入しているごみなどの質量の大きい物質慣性力が大きいので、溝の深さが急激に深まる急傾斜部334a(図9に示す)の部分の表面に沿って溝の深い方向に急激に進路を変えることは困難である。このため質量の大きい異物は計測用流路面裏面431の方を移動し、異物が流量検出部602の近くを通るのを抑制できる。この実施例では気体以外の質量の大きい異物の多くが、計測用流路面430の背面である計測用流路面裏面431を通過するように構成しているので、油分やカーボン、ごみなどの異物による汚れの影響を低減でき、計測精度の低下を抑制できる。

0061

すなわち、主通路124の流れの軸を横切る軸に沿って被計測気体30の進路を急に変化させる形状を有しているので、被計測気体30に混入する異物の影響を低減できる。

0062

3.3 第2副通路とセンサ室の構造と効果
第2副通路306は、被計測気体30の流れ方向に沿うように、フランジ311と平行に第2副通路入口306aと第2副通路出口306bとの間に亘って一直線状に形成されている。第2副通路入口306aは、上流側外壁336の一部を切り欠いて形成され、第2副通路出口306bは、下流側外壁338の一部を切り欠いて形成されている。

0063

具体的には、図9図10に示すように、仕切壁335の上面に連続して沿う位置において、計測部331の裏面側から上流側外壁336の一部と下流側外壁338の一部を切り欠いて形成されている。第2副通路入口306aと第2副通路出口306bは、回路基板400の裏面と面一になる深さ位置まで切り欠かれている。第2副通路306は、回路基板400の基板本体401(図19に示す)の裏面に沿って被計測気体30が通過するので、基板本体401を冷却するクーリングチャンネルとして機能する。回路基板400は、LSIやマイコンなどの熱を持つものが多く、これらの熱を基板本体401の裏面に伝達し、第2副通路306を通過する被計測気体30によって放熱することができる。

0064

第2副通路306よりも計測部331の基端側にセンサ室Rsが設けられている。第2副通路入口306aから第2副通路306に流れ込んだ被計測気体30の一部は、センサ室Rsに流れ込み、センサ室Rs内の圧力センサ421と、湿度センサ422によってそれぞれ圧力と相対湿度が検出される。センサ室Rsは、第2副通路306よりも計測部331の基端側に配置されているので、第2副通路306を通過する被計測気体30の動圧の影響を小さくすることができる。したがって、センサ室Rs内における圧力センサ421の検出精度を向上させることができる。

0065

そして、センサ室Rsが第2副通路306よりも計測部331の基端側に配置されているので、例えば計測部331の先端側が下方に向かう姿勢状態吸気通路に取り付けられている場合に、第2副通路306に被計測気体30と共に流れ込んだ汚損物や水滴が圧力センサ421やその下流に配置されている湿度センサ422に付着するのを抑制できる。

0066

特に、本実施例では、センサ室Rs内において、比較的外形の大きい圧力センサ421が上流側に配置され、比較的外形の小さい湿度センサ422が圧力センサ421の下流側に配置されているので、被計測気体30と共に流れ込んだ汚損物や水滴は、圧力センサ421に付着し、湿度センサ422への付着が抑制される。従って、汚損物や水滴に対して耐性が低い湿度センサ422を保護することができる。

0067

圧力センサ421(421A、421B)と湿度センサ422は、流量検出部602と比較して被計測気体30の流れに影響を受けにくく、特に湿度センサ422は、被計測気体30における水分の拡散ベルさえ確保できればよいので、一直線状の第2副通路306に隣接したセンサ室Rsに設けることができる。これに対して、流量検出部602は、ある一定以上の流速を要し、また、塵埃や汚損物を遠ざける必要や、脈動に対する影響も考慮する必要がある。したがって、流量検出部602は、ループ状周回する形状を有する第1副通路305に設けられている。

0068

図13図14は、第2副通路の他の形態を示す図である。

0069

この形態では、上流側外壁336と下流側外壁338を切り欠くかわりに、上流側外壁336と下流側外壁338に貫通孔337を設けることにより、第2副通路入口306aと第2副通路出口306bを形成している。上述の図9図12に示す第2副通路のように、上流側外壁336と下流側外壁338をそれぞれ切り欠いて第2副通路入口306aと第2副通路出口306bを形成すると、かかる位置において上流側外壁336の幅と下流側外壁338の幅が局所的に狭くなっているので、モールド成形時の熱ひけ等により、切り欠きを起点として、計測部331が、略くの字状に歪むおそれがある。本形態によれば、切り欠きのかわりに貫通孔を設けているので、計測部331が、略くの字状に折れ曲がるのを防ぐことができる。

0070

したがって、ハウジング302に歪みにより被計測気体30に対する検出部の位置や向きが変わって検出精度に影響を与えるのを防ぐことができ、個体差がなく常に一定の検出精度を確保できる。

0071

3.4表カバー303と裏カバー304の形状と効果
図15は表カバー303の外観を示す図であり、図15の(a)は正面図、図15の(b)は、図15(a)のB−B線断面図である。図16は裏カバー304の外観を示す図であり、図16の(a)は正面図、図16の(b)は図16の(a)のB−B線断面図である。

0072

図15および図16において、表カバー303や裏カバー304は、ハウジング302の表側副通路溝332と裏側副通路334を塞ぐことにより、第1副通路305を作る。また、表カバー303は、密閉された回路室Rcを作り、裏カバー304は、計測部331の裏面側の凹部を塞いで第2副通路306と、第2副通路306に連通するセンサ室Rsを作る。

0073

図15の(b)に示すように、表カバー303は、流量検出部602に対向する位置に突起部356を備えており、図8に示した計測用流路面430との間に絞りを作るのに使用される。このため、成形精度が高いことが望ましい。表カバー303や裏カバー304は、金型熱可塑性樹脂注入する樹脂モールド工程により作られるので、高い成形精度で作ることができる。

0074

表カバー303と裏カバー304には、計測部331から突出する複数の固定ピン350(図8図9に示す)がそれぞれ挿入される複数の固定穴351が設けられている。表カバー303と裏カバー304は、計測部331の表面と裏面にそれぞれ取り付けられ、その際に、固定穴351に固定ピン350が挿入されて位置決めがなされる。

0075

そして、表側副通路溝332と裏側副通路溝334の縁に沿ってレーザ溶接等により接合され、同様に、回路室Rc及びセンサ室Rsの縁に沿ってレーザ溶接等により接合される。

0076

3.5回路基板400のハウジング302による固定構造と効果
次に、回路基板400のハウジング302への樹脂モールド工程による固定について説明する。副通路を成形する副通路溝の所定の場所、例えば本実施例では、表側副通路溝332と裏側副通路溝334のつながりの部分である開口部333に、回路基板400の流量検出部602が配置されるように、回路基板400がハウジング302に一体にモールドされている。

0077

ハウジング302の計測部331には、回路基板400のベース部402の外周縁部をハウジング302に樹脂モールドにより埋設して固定する部分が、固定部372、373(図8図9)として設けられている。固定部372、373は、回路基板400のベース部402の外周縁部を表側と裏側から挟み込んで固定している。

0078

ハウジング302は、樹脂モールド工程にて製造する。この樹脂モールド工程で、回路基板400をハウジング302の樹脂内に内蔵して、ハウジング302内に樹脂モールドにより固定する。このようにすることで、流量検出部602が被計測気体30との間で熱伝達を行って流量を計測するための副通路、例えば表側副通路溝332や裏側副通路溝334の形状との関係である位置関係や方向の関係などを、極めて高い精度で維持することができ、回路基板400毎に生じる誤差やばらつきを非常に小さい値に抑え込むことが可能となる。結果として回路基板400の計測精度を大きく改善できる。例えば従来の接着剤を使用して固定する方式に比べて、飛躍的に計測精度を向上できる。

0079

空気流量測定装置300は量産により生産されることが多く、ここに厳密に計測しながら接着剤で接着する方法には、計測精度の向上に関して限界がある。しかし、本実施例のように被計測気体30を流す副通路を成形する樹脂モールド工程にて副通路を成形すると同時に回路基板400を固定することで、計測精度のばらつきを大幅に低減でき、空気流量測定装置300の計測精度を大幅に向上することが可能となる。

0080

例えば、図8図12に示す例でさらに説明すると、表側副通路溝332と裏側副通路溝334と流量検出部602との間に関係を、規定の関係となるように高い精度で回路基板400をハウジング302に固定できる。

0081

このことにより、量産される空気流量測定装置300においてそれぞれ、各回路基板400の流量検出部602と第1副通路305との位置関係や形状などの関係を、非常に高い精度で、定常的に得ることが可能となる。

0082

回路基板400の流量検出部602が固定配置された第1副通路305は、例えば表側副通路溝332と裏側副通路溝334とが非常に高い精度で成形できるので、これらの副通路溝332、334から第1副通路305を成形する作業は、表カバー303や裏カバー304でハウジング302の両面を覆う作業である。この作業は大変シンプルで、計測精度を低下させる要因が少ない作業工程である。また表カバー303や裏カバー304成形精度の高い樹脂モールで工程により生産される。従って回路基板400の流量検出部602と規定の関係で設けられる副通路を高い精度で完成することが可能である。このような方法により、計測精度の向上に加え、高い生産性が得られる。

0083

これに対して、従来技術は、副通路を製造し、次に副通路に計測部を接着剤で接着することにより、熱式流量計を生産していた。このように接着剤を使用する方法は、接着剤の厚みのばらつきが大きく、また接着位置接着角度が製品毎にばらつく。このため計測精度を上げることには限界があった。さらにこれらの作業を量産工程で行う場合に、計測精度の向上が大変難しくなる。

0084

本発明に係る実施例では、回路基板400を樹脂モールドにより固定すると共に同時に樹脂モールドで第1副通路305を成形するための副通路溝を成形する。このようにすることにより、副通路溝の形状、および副通路溝に極めて高い精度で流量検出部602を固定できる。

0085

流量の計測に関係する部分、例えば流量検出部602や流量検出部602が取り付けられる計測用流路面430(図8)は、回路基板400の表面に設けられる。流量検出部602と計測用流路面430は、ハウジング302を成形する樹脂から露出させる。すなわち、流量検出部602と計測用流路面430を、ハウジング302を成形する樹脂で覆わないようにする。回路基板400の流量検出部602や計測用流路面430を、そのままハウジング302の樹脂モールド後も利用し、空気流量測定装置300の流量計測に使用する。このようにすることで計測精度が向上する。

0086

本発明に係る実施例では、回路基板400をハウジング302に一体成形することにより、第1副通路305を有するハウジング302に回路基板400を固定しているので、回路基板400をハウジング302に確実に固定できる。特に、回路基板400の突出部403が仕切壁335を貫通して第1副通路305に突出する構成を有しているので、第1副通路305と回路室Rcとの間のシール性が高く、第1副通路305から回路室Rcに被計測気体30が漏れ入るのを防ぎ、回路基板400の回路部品配線等が被計測気体30と接触して腐蝕するのを防ぐことができる。

0087

4.回路基板400の外観
4.1流量検出部602を備える計測用流路面430の成形
図17図19に回路基板400の外観を示す。なお、回路基板400の外観上に記載した斜線部分は、樹脂モールド工程でハウジング302を成形する際に樹脂により回路基板400が覆われて固定される固定面432および固定面434を示す。

0088

図17は、回路基板の正面図、図18は、回路基板の右側面図、図19は、回路基板の背面図である。

0089

回路基板400は、基板本体401を有しており、基板本体401の表面に回路部とセンシング素子である流量検出部602が設けられ、基板本体401の裏面にセンシング素子である圧力センサ421と湿度センサ422が設けられている。基板本体401は、ガラスエポキシ樹脂製の材料により構成されており、セラミック材料の基板と比較してハウジング302を成形している熱可塑性樹脂の熱膨張係数近似した値を有している。

0090

したがって、ハウジング302にインサート成形した際に熱膨張係数の差による応力を低減でき、回路基板400の歪みを小さくすることができる。

0091

基板本体401は、一定厚さを有する平板形状を有しており、略四角形状のベース部402と、ベース部402の一辺から突出してベース部402よりも一回り小さな略四角形状の突出部403とを有する、平面視略T字形状をなしている。ベース部402の表面には、回路部が設けられている。回路部は、図示していない回路配線の上に、LSI414、マイコン415、電源レギュレータ416、抵抗コンデンサなどのチップ部品417などの電子部品が実装されて構成されている。電源レギュレータ416は、マイコン415やLSI414などの他の電子部品と比較して発熱量が多いので、回路室Rcにおいて比較的上流側に配置されている。LSI414は、金線ワイヤを含むように全体が合成樹脂材419で封止されており、インサート成形する際の回路基板400の取り扱い性を向上させている。

0092

図17に示すように、基板本体401の表面には、LSI414が嵌入される凹部402aが形成されている。この凹部402aは、基板本体401にレーザ加工を施すことによって形成できる。ガラスエポキシ樹脂製の基板本体401は、セラミック製の基板本体と比較して加工が容易であり、凹部402を容易に設けることができる。凹部402は、LSI414の表面が基板本体401の表面と面一になる深さを有している。このようにLSI414の表面と基板本体401の表面の高さを一致させることによって、LSI414と基板本体401との間を金線ワイヤで結ぶワイヤボンディングが容易になり、回路基板400の製造が容易になる。LSI414は、例えば、図17に示すように、基板本体401の表面に直接設けることもできる。かかる構造の場合、LSI414を被覆する合成樹脂材419がより大きく突出することになるが、基板本体401に凹部402を形成する加工が不要になり、製造を簡単化できる。

0093

突出部403は、回路基板400をハウジング302にインサート成形した際に、第1副通路305内に配置され、突出部403の表面である計測用流路面430が被計測気体30の流れ方向に沿って延びる。突出部403の計測用流路面430には、流量検出部602が設けられている。流量検出部602は、被計測気体30と熱伝達を行い、被計測気体30の状態、例えば被計測気体30の流速を計測し、主通路124を流れる流量を表す電気信号を出力する。流量検出部602が高精度で被計測気体30の状態を計測するには、計測用流路面430の近傍を流れる気体が層流であり乱れが少ないことが望ましい。このため流量検出部602の表面と計測用流路面430の面とが面一、もしくは差が所定値以下であることが望ましい。

0094

計測用流路面430の表面には、図17に示すように、凹部403aが凹設されており、流量検出部602が嵌入されている。この凹部403aもレーザ加工を施すことによって形成できる。凹部403aは、流量検出部602の表面が計測用流路面430の表面と面一になる深さを有している。流量検出部602とその配線部分は、合成樹脂材418で被覆されており、塩水の付着により電食が生ずるのを防いでいる。

0095

基板本体401の裏面には、図19に示すように、2つの圧力センサ421A、421Bと、1つの湿度センサ422が設けられている。2つの圧力センサ421A、421Bは、上流側と下流側に分かれて一列に配置されている。そして、圧力センサ421Bの下流側に湿度センサ422が配置されている。これら2つの圧力センサ421A、421Bと、1つの湿度センサ422は、センサ室Rs内に配置されている。

0096

回路基板400は、基板本体401の裏面側に第2副通路306が配置されている。したがって、第2副通路306を通過する被計測気体30によって、基板本体401全体を冷却することができる。

0097

4.2温度検出部451の構造
図17図18に示すように、ベース部402の上流側の端辺で且つ突出部403側の角部には、温度検出部451が設けられている。温度検出部451は、主通路124を流れる被計測気体30の物理量を検出するための検出部の一つを構成するものであり、回路基板400に設けられている。

0098

回路基板400は、第2副通路306の第2副通路入口306aから被計測気体30の上流に向かって突出する突出部450を有しており、温度検出部451は、突出部450でかつ回路基板400の裏面に設けられたチップ型温度センサ453を有している。温度センサ453とその配線部分は、合成樹脂材で被覆されており、塩水の付着により電食が生ずるのを防いでいる。

0099

例えば、図9に示すように、第2副通路入口306aが設けられている計測部331の中央部では、ハウジング302を構成する計測部331内の上流側外壁336が下流側に向かって窪んでおり、窪み形状の上流側外壁336から回路基板400の突出部450(図17に示す)が上流側に向かって突出している。突出部450の先端は、上流側外壁336の最も上流側の面よりも凹んだ位置に配置されている。温度検出部451は、回路基板400の背面、すなわち、第2副通路306側に面するように突出部450に設けられている。

0100

温度検出部451の下流側に、第2副通路入口306aが形成されているので、第2副通路入口306aから第2副通路306に流れ込む被計測気体30は、温度検出部451に接触してから第2副通路入口306aに流れ込み、温度検出部451に接触した際に温度が検出される。温度検出部451に接触した被計測気体30は、そのまま第2副通路入口306aから第2副通路306に流れ込み、第2副通路306を通過して第2副通路出口306bから主通路123に排出される。

0101

4.4樹脂モールド工程による回路基板400の固定とその効果
図19において斜線で示す部分は、樹脂モールド工程において、ハウジング302に回路基板400を固定するために、樹脂モールド工程で使用する熱可塑性樹脂で回路基板400を覆うための、固定面432(図17)および固定面434を示している。計測用流路面430および計測用流路面430に設けられている流量検出部602と副通路の形状との関係が、規定に関係となるように、高い精度で維持されることが重要である。

0102

樹脂モールド工程において、副通路を成形すると共に同時に副通路を成形するハウジング302に回路基板400を固定するので、副通路と計測用流路面430および流量検出部602との関係を極めて高い精度で維持できる。すなわち、樹脂モールド工程において回路基板400をハウジング302に固定するので、副通路を備えたハウジング302を成形するための金型内に、回路基板400を高い精度で位置決めして固定することが可能となる。この金型内に高温の熱可塑性樹脂を注入することで、副通路が高い精度で成形されると共に、回路基板400が高い精度で固定される。

0103

したがって、回路基板400毎に生じる誤差やばらつきを非常に小さい値に抑え込むことが可能となる。結果として回路基板400の計測精度を大きく改善できる。

0104

5.空気流量測定装置300の回路構成
5.1 空気流量測定装置300の回路構成の全体
図20は空気流量測定装置300の回路図である。空気流量計測装置300は、流量検出回路601と、温湿度検出回路701を有している。

0105

流量検出回路601は、発熱体608を有する流量検出部602と処理部604とを備えている。処理部604は、流量検出部602の発熱体608の発熱量を制御すると共に、流量検出部602の出力に基づいて流量を表す信号を、端子662を介してマイコン415に出力する。

0106

上記処理を行うために、処理部604は、Central Processing Unit(以下CPUと記す)612と入力回路614、出力回路616、補正値計測値と流量との関係を表すデータを保持するメモリ618、一定電圧をそれぞれ必要な回路に供給する電源回路622を備えている。電源回路622には車載バッテリなどの外部電源から、端子664と図示していないグランド端子を介して直流電力が供給される。

0107

流量検出部602には被計測気体30を熱するための発熱体608が設けられている。電源回路622から、発熱体608の電流供給回路を構成するトランジスタ606のコレクタに電圧V1が供給され、CPU612から出力回路616を介して上記トランジスタ606のベースに制御信号が加えられ、この制御信号に基づいて上記トランジスタ606から端子624を介して発熱体608に電流が供給される。発熱体608に供給される電流量はCPU612から出力回路616を介して発熱体608の電流供給回路を構成するトランジスタ606に加えられる制御信号により制御される。

0108

処理部604は、発熱体608で熱せられることにより被計測気体30の温度が当初の温度より所定温度、例えば100℃だけ高くなるように発熱体608の発熱量を制御する。

0109

流量検出部602は、発熱体608の発熱量を制御するための発熱制御ブリッジ640と、流量を計測するための流量検知ブリッジ650とを有している。発熱制御ブリッジ640の一端には、電源回路622から一定電圧V3が端子626を介して供給され、発熱制御ブリッジ640の他端はグランド端子630に接続されている。また流量検知ブリッジ650の一端には、電源回路622から一定電圧V3が端子625を介して供給され、流量検知ブリッジ650の他端はグランド端子630に接続されている。

0110

発熱制御ブリッジ640は、熱せられた被計測気体30の温度に基づいて抵抗値が変化する測温抵抗体である抵抗642を有しており、抵抗642と抵抗644、抵抗646、抵抗648はブリッジ回路を構成している。抵抗642と抵抗646の交点Aおよび抵抗644と抵抗648との交点Bの電位差が端子627および端子628を介して入力回路614に入力され、CPU612は交点Aと交点B間の電位差が所定値、この実施例ではゼロボルトになるようにトランジスタ606から供給される電流を制御して発熱体608の発熱量を制御する。

0111

図20に記載の流量検出回路601は、被計測気体30の元の温度に対して一定温度、例えば常に100℃、高くなるように発熱体608で被計測気体30を加熱する。この加熱制御を高精度に行えるように、発熱体608で温められた被計測気体30の温度が当初の温度に対して一定温度、例えば常に100℃、高くなったときに、上記交点Aと交点B間の電位差がゼロボルトとなるように発熱制御ブリッジ640を構成する各抵抗の抵抗値が設定されている。従って、流量検出回路601では、CPU612は交点Aと交点B間の電位差がゼロボルトとなるよう発熱体608への供給電流を制御する。

0112

流量検知ブリッジ650は、抵抗652と抵抗654、抵抗656、抵抗658の4つの測温抵抗体で構成されている。これら4つの測温抵抗体は被計測気体30の流れに沿って配置されており、抵抗652と抵抗654は発熱体608に対して被計測気体30の流路における上流側に配置され、抵抗656と抵抗658は発熱体608に対して被計測気体30の流路における下流側に配置されている。また、計測精度を上げるために抵抗652と抵抗654は発熱体608までの距離が互いに略同じくなるように配置されており、抵抗656と抵抗658は発熱体608までの距離が互いに略同じくなるように配置されている。

0113

抵抗652と抵抗656との交点Cと、抵抗654と抵抗658との交点Dとの間の電位差が端子631と端子632を介して入力回路614に入力される。計測精度を高めるために、例えば被計測気体30の流れがゼロの状態で、交点Cと交点Dとの間の電位差がゼロとなるように流量検知ブリッジ650の各抵抗が設定されている。従って、交点Cと交点Dとの間の電位差が、例えばゼロボルトの状態では、CPU612は被計測気体30の流量がゼロとの計測結果に基づき、主通路124の流量がゼロを意味する電気信号を端子662から出力する。

0114

被計測気体30が図20の矢印方向に流れている場合、上流側に配置されている抵抗652や抵抗654は、被計測気体30によって冷却され、被計測気体30の下流側に配置されている抵抗656と抵抗658は、発熱体608により暖められた被計測気体30により温められ、これら抵抗656と抵抗658の温度が上昇する。このため、流量検知ブリッジ650の交点Cと交点Dとの間に電位差が発生し、この電位差が端子631と端子632を介して、入力回路614に入力される。CPU612は流量検知ブリッジ650の交点Cと交点Dとの間の電位差に基づいて、メモリ618に記憶されている電位差と主通路124の流量との関係を表すデータを検索し、主通路124の流量を求める。

0115

このようにして求められた主通路124の流量を表す電気信号が端子662を介して出力される。なお、図20に示す端子664および端子662は新たに参照番号を記載しているが、先に説明した図17に示す接続端子412に含まれている。

0116

上記メモリ618には、上記交点Cと交点Dとの電位差と主通路124の流量との関係を表すデータが記憶されており、さらに回路基板400の生産後に、気体の実測値に基づいて求められた、ばらつきなどの測定誤差の低減のための補正データが記憶されている。

0117

温湿度検出回路701は、温度センサ453と湿度センサ422から検出信号を入力するアンプ・A/D等の入力回路と、出力回路と、補正値や温度と絶対湿度との関係を表すデータを保持するメモリと、一定電圧をそれぞれ必要な回路に供給する電源回路622を備えている。流量検出回路601と温湿度検出回路701から出力された信号は、マイコン415に入力される。マイコン415は、流量計算部、温度計算部、及び絶対湿度計算部を有しており、信号に基づいて被計測気体30の物理量である、流量、温度、絶対湿度を算出し、ECU200に出力する。

0118

空気流量測定装置300と制御装置(ECU)200との間は通信ケーブルで接続されており、SENT、LIN、CANなどの通信規格によりディジタル信号を用いた通信が行われている。本実施例では、マイコン415からLINドライバ420に信号が入力され、LINドライバ420からLIN通信が行われる。空気流量測定装置300のLINドライバ420から制御装置(ECU)200に出力される情報は、単一または2線の通信ケーブルを用いてディジタル通信重畳して出力される。

0119

マイコン415の絶対湿度計算部は、相対湿度センサ422から出力された相対湿度の情報と温度情報に基づいて絶対湿度を計算し、その絶対湿度を誤差に基づいて補正する処理を行う。絶対湿度計算部により計算された補正後の絶対湿度は、ECUである制御装置200で種々のエンジン運転制御に用いられる。また、制御装置200は、総合誤差の情報を直接種々のエンジン運転制御に用いることもできる。

0120

なお、上述の図20に示す実施例では、空気流量測定装置300がLINドライバ420を有しており、LIN通信を行う場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図21に示すように、レギュレータ416は有するがLIN通信を用いずに、マイコン415と直接通信を行ってもよい。

0121

6.回路基板400の構造
図22は、空気流量測定装置300から表カバー303を取り外したハウジング302の形状を示す正面図である。

0122

ハウジング302の副通路305の入り口305aから流入する被計測気体30は、水滴を含んでいることもあり、被計測気体30は水滴と共に副通路内305を通り流量検出部602に到達する。流量検出部602は発熱体の発熱量を制御するための発熱制御ブリッジと、流量を計測するための流量検知ブリッジと、を有しているため、水滴が付着するとブリッジバランス崩れ特性が変動してしまうという問題がある。

0123

流量検出部602に到達する水滴が少ない場合は、出力ノイズとして表れ、到達する水滴が多い場合は、検出流量が実流量に対しズレが発生するため、流量検出精度が悪化する。

0124

流量検出部602を実装した回路基板400の端縁800の、被計測気体30が流量検出部602より先に到達する側の部分には、端縁800を分断する分断部801が形成されている。副通路305を通った被計測気体30は分断部801によって発生する渦によって、被計測気体30と共に流入した水滴を流量検出部602から遠ざける方向に流すことが出来、流量検出部602まで到達する水滴の量を抑制することが出来る。

0125

ハウジング302の副通路305の入り口305aから水滴が流入すると、副通路305の外壁を通り、回路基板400と副通路305の外周の端縁800部に水滴が集中する。分断部801が形成されていない場合、端縁800部に集中した水滴は大きな水滴となり、流量検出部602に向かって流れてしまう。端縁800に分断部801が形成されていると、回路基板400に到達した水滴は、分断部801によって発生する渦により、流量検出部602から遠ざかる方向に流れ、流量検出部602まで到達する水滴の量を抑制することが出来る。

0126

回路基板400はハウジング302を成形する際、ハウジング302にインサートされ、ハウジング302によって固定されている。回路基板400に形成した分断構造部801を金型で固定することで、副通路305の外周と分断構造801の端縁をほぼ一致させることが出来るため、被計測気体30と共に流入した水滴をより流量検出部602から遠ざける方向に流すことが出来る。

0127

図23は、物理量検出装置300から表カバー304を取り外したハウジング302の形状を示す正面図であり、図22に示した例の変形例を示す図である。

0128

図23において、図22に示した分断部801の他に、流量検出部602を実装した回路基板400の下流側の端縁を分断する分断部802が形成されている。空気流量測定装置300は、搭載される内燃機関によっては、内燃機関からの吹き返しも大きく、吹き返しにも水滴が含まれていることがあるため、下流側にも分断部802を形成することで、出力ノイズや、出力ズレを抑制することが出来る。分断部801、802は、水滴捕獲部と定義することができる。

0129

図24から図26は、分断部801の形状の変形例を示す図である。分断部801は、図22及び図23に示した半円形状のみでは無く、三角形状、四角形状、五角形状等の多角形状でもよく、端縁800に分断部801が存在すると、回路基板400に到達した水滴は、分断部801によって発生する渦により、流量検出部602から遠ざかる方向に流れ、流量検出部602まで到達する水滴の量を抑制することが出来る。

0130

これら三角形状、四角形状、多角形状の分断部は、図23に示したように、上流側と下流側との形成することもできる。

0131

以上のように、本発明の一実施例によれば、流量検出部602が実装される回路基板400の空気が流れる上流側の端縁800に、端縁800を分断する半円形の切欠き構造である分断部801が形成されているため、被計測気体30と共に流入した水滴を分断部801に捕獲し、流量検出部602に到達することを抑制することができる。

0132

つまり、被計測気体の流れの乱れを抑制し、かつ、吸入空気と共に流入する水滴による特性影響を低減することが可能な空気流量測定装置を実現することができる。

0133

分断部801は、例えば、流量検出部602が実装される基板の横幅が約10.8mmであれば、半径約1、5mmの半円形状の切欠きでよく、被計測気体30の流れの乱れも抑制することができる。さらに、半円形状の切欠きの場合、その半径は、約0.5mmから回路基板400の先端部への長さ方向限界点までの寸法が可能である。

0134

なお、回路基板400は、ハウジング302に一体にモールドされる例(一体成形される例)を説明したが、回路基板400とハウジング302とは一体ではなく、別体として構成することもできる。

0135

また、分断部801は、第1副通路305を形成するハウジング302の壁面と基板400の端縁との境界部分付近に形成したが、基板400の端部800の中央付近に形成してもよいし、先端側に形成してもよい。

実施例

0136

また、分断部801は、第1副通路305内を流れる水滴を、流量検出部602から遠ざける形状であれば、例えば、基板400の端面に形成された溝、複数の凹部等の上述した形状以外の形状であってもよい。

0137

30・・・被計測気体、124・・・主通路、300・・・空気流量測定装置、302・・・ハウジング、305・・・第1副通路、400・・・回路基板、404、405、406・・・貫通孔、407、408・・・切り欠き部、421A、421B・・・圧力センサ、422・・・湿度センサ、602・・・流量検出部、801・・・分断部

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