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技術 物理量決定装置、物理量決定方法および物理量決定プログラム

出願人 三菱電機株式会社
発明者 伍井啓恭
出願日 2016年11月18日 (2年8ヶ月経過) 出願番号 2018-550964
公開日 2019年6月24日 (1ヶ月経過) 公開番号 WO2018-092268
状態 特許登録済
技術分野 検索装置 空調制御装置
主要キーワード 曲線度 物理単位 制御コマ 挿入パターン 感性表現 接続表現 温度パラメータ 分布推定
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年6月24日)のものです。
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図面 (20)

課題・解決手段

物理決定装置(1)は、入力文から感性表現を分離する感性表現分離部(103)と、感性表現分離部(103)により分離された感性表現に対応する快適表現を生成する快適表現生成部(105)と、複数の例文を記憶している例文記憶部(110)と、例文記憶部(110)を参照して、感性表現分離部(103)により分離された感性表現を含む例文に基づく物理量の分布、および快適表現生成部(105)により生成された快適表現を含む例文に基づく物理量の分布を推定する分布推定部(120)と、分布推定部(120)により推定された2つの分布に基づき入力文に適合する物理量を決定する物理量決定部(112)とを備える。

概要

背景

機器を制御することによりユーザの要求を満たすためには、従来、その機器の制御装置をユーザが操作する必要があった。この場合、制御に要する物理量をユーザが理解している必要がある。例えば、ユーザが「部屋が寒い」と感じる場合、ユーザはエアコンリモートコントローラのボタンを操作して暖房機能を動作させ、部屋の温度を上げる必要がある。この際、ユーザは、リモートコントローラのボタン操作により、快適な温度を数値で設定する必要がある。しかし、このような操作は、ユーザにとって自然で直観的な操作とは言い難い。そこで、このような煩雑な操作をすることなしに、自然なユーザの要求をもとに機器を制御する方法として、感性表現を用いたユーザインタフェースが提案されている。このユーザインタフェースは、従来のボタン操作および項目選択操作のみではなく、人間の用いる曖昧な言葉表情およびしぐさといった人間のとる自然な動作に基づく直観的な操作を実現可能にしている。

例えば、特許文献1に係る発明では、商品検索において、暖かいか冷たいか、男性的か女性的か、安定か不安定か、対称的か非対称的か、および単純か複雑かなどのように、ユーザが商品を特定するのに用いる感性表現に着目している。この特許文献1では、商品の画像情報から求まる境界線画素数ホール数曲線度色数および色分布などの物理量と、前述した感性表現との相関関係を、ユーザに対するアンケート調査等を通じた統計的手法で予め求めておくことで、感性表現を用いて画像を検索可能な画像検索装置が提案されている。

概要

物理量決定装置(1)は、入力文から感性表現を分離する感性表現分離部(103)と、感性表現分離部(103)により分離された感性表現に対応する快適表現を生成する快適表現生成部(105)と、複数の例文を記憶している例文記憶部(110)と、例文記憶部(110)を参照して、感性表現分離部(103)により分離された感性表現を含む例文に基づく物理量の分布、および快適表現生成部(105)により生成された快適表現を含む例文に基づく物理量の分布を推定する分布推定部(120)と、分布推定部(120)により推定された2つの分布に基づき入力文に適合する物理量を決定する物理量決定部(112)とを備える。

目的

この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、感性表現から物理量を精度よく得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

入力文から感性表現を分離する感性表現分離部と、前記感性表現分離部により分離された前記感性表現に対応する快適表現を生成する快適表現生成部と、物理量とそれに対する感性表現とを含む例文を複数、および物理量とそれに対する快適表現とを含む例文を複数記憶している例文記憶部と、前記例文記憶部を参照して、前記感性表現分離部により分離された前記感性表現を含む例文に基づく物理量の分布、および前記快適表現生成部により生成された前記快適表現を含む例文に基づく物理量の分布を推定する分布推定部と、前記分布推定部により推定された2つの分布に基づき前記入力文に適合する物理量を決定する物理量決定部とを備える物理量決定装置

請求項2

前記快適表現生成部は、前記感性表現分離部により分離された前記感性表現に対応する物理量が取り得る数値範囲を生成し、前記分布推定部は、前記快適表現生成部により生成された前記数値範囲における分布を推定することを特徴とする請求項1記載の物理量決定装置。

請求項3

前記快適表現生成部は、前記感性表現分離部により分離された前記感性表現に対応する物理量の物理単位を生成し、前記分布推定部は、前記快適表現生成部により生成された前記物理単位に対応する物理量の例文を用いて分布を推定することを特徴とする請求項1記載の物理量決定装置。

請求項4

前記分布推定部は、推定した物理量の分布を平滑化することを特徴とする請求項1記載の物理量決定装置。

請求項5

前記物理量決定部は、前記分布推定部により推定された2つの分布および予め設定されたユーザプロファイルに基づき前記入力文に適合する物理量を決定することを特徴とする請求項1記載の物理量決定装置。

請求項6

前記例文記憶部に記憶されている例文が、ある数値範囲の物理量とそれに対する感性表現とを含む例文である場合、またはある数値範囲の物理量とそれに対する快適表現とを含む例文である場合、前記分布推定部は、前記ある数値範囲の物理量それぞれを用いて分布を推定することを特徴とする請求項1記載の物理量決定装置。

請求項7

前記物理量決定部により決定された前記物理量を用いて機器を制御する制御部を備えることを特徴とする請求項1記載の物理量決定装置。

請求項8

感性表現分離部が、入力文から感性表現を分離するステップと、快適表現生成部が、前記感性表現分離部により分離された前記感性表現に対応する快適表現を生成するステップと、分布推定部が、物理量とそれに対する感性表現とを含む例文を複数、および物理量とそれに対する快適表現とを含む例文を複数記憶している例文記憶部を参照して、前記感性表現分離部により分離された前記感性表現を含む例文に基づく物理量の分布、および前記快適表現生成部により生成された前記快適表現を含む例文に基づく物理量の分布を推定するステップと、物理量決定部が、前記分布推定部により推定された2つの分布に基づき前記入力文に適合する物理量を決定するステップとを備える物理量決定方法

請求項9

コンピュータに、入力文から感性表現を分離する感性表現分離手順と、前記感性表現分離手順で分離された前記感性表現に対応する快適表現を生成する快適表現生成手順と、物理量とそれに対する感性表現とを含む例文を複数、および物理量とそれに対する快適表現とを含む例文を複数記憶している例文記憶部を参照して、前記感性表現分離手順で分離された前記感性表現を含む例文に基づく物理量の分布、および前記快適表現生成手順で生成された前記快適表現を含む例文に基づく物理量の分布を推定する分布推定手順と、前記分布推定手順で推定された2つの分布に基づき前記入力文に適合する物理量を決定する物理量決定手順とを実行させるための物理量決定プログラム

技術分野

0001

この発明は、機器制御のための物理量を決定する物理量決定装置、物理量決定方法および物理量決定プログラムに関するものである。

背景技術

0002

機器を制御することによりユーザの要求を満たすためには、従来、その機器の制御装置をユーザが操作する必要があった。この場合、制御に要する物理量をユーザが理解している必要がある。例えば、ユーザが「部屋が寒い」と感じる場合、ユーザはエアコンリモートコントローラのボタンを操作して暖房機能を動作させ、部屋の温度を上げる必要がある。この際、ユーザは、リモートコントローラのボタン操作により、快適な温度を数値で設定する必要がある。しかし、このような操作は、ユーザにとって自然で直観的な操作とは言い難い。そこで、このような煩雑な操作をすることなしに、自然なユーザの要求をもとに機器を制御する方法として、感性表現を用いたユーザインタフェースが提案されている。このユーザインタフェースは、従来のボタン操作および項目選択操作のみではなく、人間の用いる曖昧な言葉表情およびしぐさといった人間のとる自然な動作に基づく直観的な操作を実現可能にしている。

0003

例えば、特許文献1に係る発明では、商品検索において、暖かいか冷たいか、男性的か女性的か、安定か不安定か、対称的か非対称的か、および単純か複雑かなどのように、ユーザが商品を特定するのに用いる感性表現に着目している。この特許文献1では、商品の画像情報から求まる境界線画素数ホール数曲線度色数および色分布などの物理量と、前述した感性表現との相関関係を、ユーザに対するアンケート調査等を通じた統計的手法で予め求めておくことで、感性表現を用いて画像を検索可能な画像検索装置が提案されている。

先行技術

0004

特開平8−249351号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ユーザが感性表現を用いて機器を制御できれば、日常使われる言葉で直観的な制御が可能となる。しかしながら、特許文献1に係る発明では、商品の画像情報から求まる物理量と感性表現との相関関係を求めるために、事前のアンケート調査によりサンプル画像の感性表現をテキストとして収集しておく必要があった。物理量と感性表現との相関関係を精度よく求めるには、多くのサンプル画像を用意するとともに多くの被験者に多数のアンケートを実施する必要があり、コストおよび時間がかかる。上述したような「部屋が寒い」という要求は、ユーザが不満を感じている状態を感性表現で提示しているのであり、ユーザが要求する設定温度の数値を示しているわけではない。そのため、広範囲温度パラメータの中から「部屋」という文脈にあった適切な設定温度を精度よく得るためには、従来のようにアンケート調査を実施するなど、大量のテキストを意図的に作成して学習する必要がある。しかし、その方法ではコストおよび時間がかかりすぎて、感性表現から物理量を精度よく得ることは実現困難であるという課題があった。

0006

この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、感性表現から物理量を精度よく得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

この発明に係る物理量決定装置は、入力文から感性表現を分離する感性表現分離部と、感性表現分離部により分離された感性表現に対応する快適表現を生成する快適表現生成部と、物理量とそれに対する感性表現とを含む例文を複数、および物理量とそれに対する快適表現とを含む例文を複数記憶している例文記憶部と、例文記憶部を参照して、感性表現分離部により分離された感性表現を含む例文に基づく物理量の分布、および快適表現生成部により生成された快適表現を含む例文に基づく物理量の分布を推定する分布推定部と、分布推定部により推定された2つの分布に基づき入力文に適合する物理量を決定する物理量決定部とを備えるものである。

発明の効果

0008

この発明によれば、感性表現を含む例文に基づく物理量の分布と快適表現を含む例文に基づく物理量の分布とに基づき、入力文に適合する物理量を決定するようにしたので、感性表現から物理量を精度よく得ることができる。

図面の簡単な説明

0009

この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置の構成例を示すブロック図である。
この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置のハードウェア構成の一例を示すハードウェア構成図である。
この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置のハードウェア構成の別の例を示すハードウェア構成図である。
この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置の動作を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置の感性表現分離部の動作を示すフローチャートである。
図6Aは、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置の感性表現分離部が分離した感性表現と非感性表現の一例、図6Bは、感性表現記憶部に記憶されている感性表現の一例を示す図である。
この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置の快適表現生成部の動作を示すフローチャートである。
図8Aは、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置の快適表現記憶部に記憶されている快適表現および物理単位の一例、図8Bは、数値範囲の一例を示す図である。
この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置の分布推定部の動作を示すフローチャートである。
図10Aは、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置の物理単位挿入部が生成する物理単位挿入パターンの一例、図10Bは、物理量表現の一例を示す図である。
この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置の換言処理部が記憶している換言情報の一例を示す図である。
この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置の換言処理部が生成する言い換え表現の一例を示す図である。
図13Aおよび図13Bは、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置のパターン組合生成部が生成するラティス表現の例を示す図である。
図14Aおよび図14Bは、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置のパターン組合生成部が生成する物理量表現パターンの例を示す図である。
図15Aおよび図15Bは、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置の照合部が計数する照合カウントの例を示す図である。
この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置の尤度計算部が生成するヒストグラムの一例を示す図である。
この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置の物理量決定部が生成するヒストグラムの一例を示す図である。
この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置の制御部の動作を示すフローチャートである。
図15Aにおける部屋の温度と前接カウントとから作成されたヒストグラムを示す図である。
この発明の理解を助けるための参考例として、空調機風向きの角度を対象として作成されたヒストグラムを示す図である。
この発明の実施の形態2に係る物理量決定装置の尤度計算部が生成するヒストグラムの一例を示す図である。
この発明の実施の形態2に係る物理量決定装置の物理量決定部が生成するヒストグラムの一例を示す図である。
この発明の実施の形態3に係る物理量決定装置の物理量決定部に予め設定されているユーザプロファイルの一例を示す図である。
この発明の実施の形態4に係る物理量決定装置の換言処理部が生成する言い換え表現の一例を示す図である。
この発明の実施の形態4に係る物理量決定装置の照合部が計数した一時的照合カウントの例を示す図である。

実施例

0010

以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置1の構成例を示すブロック図である。物理量決定装置1は、入力されたテキストデータの中に含まれる感性表現に基づいて物理量を決定し、その物理量を用いて機器114を制御するものである。実施の形態1に係る物理量決定装置1は、音声入力部100と、音声認識部101と、感性表現記憶部102と、感性表現分離部103と、快適表現記憶部104と、快適表現生成部105と、物理単位挿入部106と、換言処理部107と、パターン組合生成部108と、照合部109と、例文記憶部110と、尤度計算部111と、物理量決定部112と、制御部113とを備える。分布推定部120は、物理単位挿入部106と、換言処理部107と、パターン組合生成部108と、照合部109と、尤度計算部111とにより構成される。

0011

図2図3は、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置1のハードウェア構成例を示すハードウェア構成図である。物理量決定装置1における音声入力部100は、マイクロホン10である。物理量決定装置1における音声認識部101、感性表現分離部103、快適表現生成部105、物理単位挿入部106、換言処理部107、パターン組合生成部108、照合部109、尤度計算部111、および物理量決定部112の各機能は、処理回路により実現される。即ち、物理量決定装置1は、上記各機能を実現するための処理回路を備える。処理回路は、専用のハードウェアとしての処理回路12であってもよいし、メモリ21に格納されるプログラムを実行するプロセッサ20であってもよい。

0012

図2に示すように、処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路12は、例えば、単一回路複合回路プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application−Specific IntegratedCircuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。音声認識部101、感性表現分離部103、快適表現生成部105、物理単位挿入部106、換言処理部107、パターン組合生成部108、照合部109、尤度計算部111、および物理量決定部112の機能を複数の処理回路12で実現してもよいし、各部の機能をまとめて1つの処理回路12で実現してもよい。

0013

図3に示すように、処理回路がプロセッサ20である場合、音声認識部101、感性表現分離部103、快適表現生成部105、物理単位挿入部106、換言処理部107、パターン組合生成部108、照合部109、尤度計算部111、および物理量決定部112の各機能は、ソフトウェアファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ21に格納される。プロセッサ20は、メモリ21に格納されたプログラムを読みだして実行することにより、各部の機能を実現する。即ち、物理量決定装置1は、プロセッサ20により実行されるときに、後述する図4のフローチャートで示されるステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ21を備える。また、このプログラムは、音声認識部101、感性表現分離部103、快適表現生成部105、物理単位挿入部106、換言処理部107、パターン組合生成部108、照合部109、尤度計算部111、および物理量決定部112の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。

0014

ここで、プロセッサ20とは、CPU(Central Processing Unit)、処理装置演算装置マイクロプロセッサ、またはマイクロコンピュータ等のことである。
メモリ21は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、またはフラッシュメモリ等の不揮発性もしくは揮発性半導体メモリであってもよいし、ハードディスクまたはフレキシブルディスク等の磁気ディスクであってもよいし、CD(Compact Disc)またはDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクであってもよい。

0015

なお、音声認識部101、感性表現分離部103、快適表現生成部105、物理単位挿入部106、換言処理部107、パターン組合生成部108、照合部109、尤度計算部111、および物理量決定部112の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、物理量決定装置1における処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。

0016

物理量決定装置1における感性表現記憶部102、快適表現記憶部104、および例文記憶部110は、ハードディスクドライブ11である。ハードディスクドライブ11は、感性表現、快適表現、および例文の情報に加え、後述する物理単位および数値範囲等の情報も記憶する。

0017

物理量決定装置1における制御部113は、空調機14を制御するリモートコントローラ(以下、リモコン)22または制御回路13である。空調機14は、部屋の温度を制御する。この空調機14は、機器114の一例である。機器114は、物理量を制御する機器であり、空調機14に限らず、風呂水温を制御する給湯器等であってもよい。

0018

次に、物理量決定装置1の動作を説明する。
図4は、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置1の動作を示すフローチャートである。以下の説明では、例としてユーザが「部屋が寒い」と発話し、この発話音声が音声入力部100に入力されたものとする。また、物理量決定装置1の制御対象である機器114は、図2および図3の空調機14であるものとする。

0019

ステップST100において、音声認識部101は、音声入力部100に入力された音声を音声認識し、認識文「部屋が寒い」を得る。音声認識部101は、得られた認識文を入力文として感性表現分離部103へ出力する。音声認識部101による認識文を得る処理には、周知の方法(例えば、鹿野清宏ら、「音声認識システム」、オーム社、2001年5月15日、p.53〜111)が適用される。

0020

ステップST200において、感性表現分離部103は、音声認識部101から入力文を受け取る。感性表現分離部103は、感性表現記憶部102を参照して、入力文「部屋が寒い」から感性表現「寒い」と非感性表現「部屋」とを分離する。ステップST200の詳細については、図5感情表現分離サブルーチンで述べる。

0021

ステップST300において、快適表現生成部105は、快適表現記憶部104を参照して、感性表現分離部103により分離された感性表現「寒い」に対応する快適表現「快適」を生成する。また、快適表現生成部105は、感性表現分離部103により分離された感性表現「寒い」に対応する物理量が取り得る数値範囲として、最小値「0」および最大値「40」を生成してもよい。さらに、快適表現生成部105は、感性表現分離部103により分離された感性表現「寒い」に対応する物理量の物理単位「℃」を生成してもよい。ステップST300の詳細については、図7の快適表現生成サブルーチンで述べる。

0022

ステップST400において、分布推定部120は、例文記憶部110を参照して、快適表現生成部105により生成された快適表現を含む例文の分布、および感性表現分離部103により分離された感性表現を含む例文の分布を推定する。また、分布推定部120は、快適表現生成部105により生成された数値範囲における分布を推定してもよい。さらに、分布推定部120は、快適表現生成部105により生成された物理単位に対応する物理量の例文を用いて分布を推定してもよい。ステップST400の詳細については、図9の分布推定サブルーチンで述べる。

0023

ステップST500において、物理量決定部112は、分布推定部120により推定された2つの分布に基づき、入力文「部屋が寒い」に適合する物理量「22℃」を決定する。ステップST500の詳細については、図9の分布推定サブルーチン説明時に述べる。

0024

ステップST600において、制御部113は、物理量決定部112により決定された物理量を用いて機器114を制御する。ステップST600の詳細については、図18
の機器制御サブルーチンで述べる。
このように構成することで、ユーザが満足する快適な状態になるような機器制御を実現できる。

0025

次に、ステップST200の感性表現分離サブルーチンについて説明する。
図5は、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置1の感性表現分離部103の動作を示すフローチャートである。図6Aは、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置1の感性表現分離部103が分離した感性表現と非感性表現の一例である。図6Bは、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置1の感性表現記憶部102に記憶されている感性表現の一例を示す図である。

0026

ステップST201において、感性表現分離部103は、入力文「部屋が寒い」を形態素解析し、図6Aに示す単語の表記品詞とをペアとした形態素列を得て、形態素解析結果1001としてメモリに記憶する。このメモリは、図2および図3におけるハードディスクドライブ11またはメモリ21である。これ以降も、メモリは、図2および図3におけるハードディスクドライブ11またはメモリ21を指すこととする。
感性表現分離部103による形態素解析結果を得る処理には、周知の方法(例えば、長尾真、「自然言語処理」、岩波書店、1996年4月26日、p.118〜137)が適用される。

0027

ステップST202において、感性表現分離部103は、感性表現記憶部102に記憶されている感性表現1002を列ごとに参照して、形態素解析結果1001の形態素と同一であるか否かを判定することによって該当か非該当かをチェックする。
感性表現1002は、図6Bのように、感性表現の表記と品詞とがペアとなっている。例えば、形態素解析結果1001の形態素番号3「寒い」(形容詞)は、感性表現1002の「寒い」(形容詞)と表記も品詞も一致するため、感性表現と判定される。一方、形態素解析結果1001の形態素番号1「部屋」(名詞)と形態素番号2「が」(助詞)は、感性表現1002のいずれとも一致しないため、非感性表現と判定される。

0028

ステップST203において、感性表現分離部103は、形態素解析結果1001の形態素が感性表現1002に該当する場合、その形態素を感性表現としてメモリに記憶し、形態素解析結果1001の形態素が感性表現1002に該当しない場合、その形態素を非感性表現としてメモリに記憶する。

0029

次に、ステップST300の快適表現生成サブルーチンについて説明する。
図7は、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置1の快適表現生成部105の動作を示すフローチャートである。図8Aは、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置1の快適表現記憶部104に記憶されている快適表現および物理単位の一例を示す図である。図8Bは、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置1の快適表現記憶部104に記憶されている数値範囲の一例を示す図である。

0030

ステップST301において、快適表現生成部105は、快適表現記憶部104に記憶されている快適表現1003を参照して、感性表現分離部103がメモリに記憶した感性表現「寒い」(形容詞)と一致する「寒い」(形容詞)を検索し、検索した「寒い」(形容詞)に対応する快適表現「快適」(名詞)を読み出し、メモリに記憶する。
快適表現1003は、図8Aのように、感性表現の表記と品詞、快適表現の表記と品詞、および物理単位の表記と品詞が一組となっている。感性表現とは、人が外界から受ける印象を表現した、「寒い」および「暑い」等の文字列である。快適表現とは、感性表現として表される感性が快適な様を表現した、「快適」および「心地よい」等の文字列である。

0031

ステップST302において、快適表現生成部105は、快適表現記憶部104に記憶されている快適表現1003を参照して、感性表現分離部103がメモリに記憶した感性表現「寒い」(形容詞)と一致する「寒い」(形容詞)を検索し、検索した「寒い」(形容詞)に対応する物理単位「℃」(記号)を読み出し、メモリに記憶する。

0032

ステップST303において、快適表現生成部105は、快適表現記憶部104に記憶されている数値範囲1004を参照して、感性表現分離部103がメモリに記憶した感性表現「寒い」(形容詞)および非感性表現「部屋」(名詞)に対応する数値範囲を検索し、検索した数値範囲の最小値「0」および最大値「40」を読み出し、メモリに記憶する。
数値範囲1004は、図8Bのように、非感性表現の表記と品詞、感性表現の表記と品詞、快適表現の表記と品詞、物理単位の表記と品詞、および数値範囲の最小値と最大値が一組となっている。数値範囲は、ユーザが機器114の制御に通常用いる物理量の範囲として設計者が予め設定した値であり、機器114である空調機14が制御可能な気温範囲、または、機器114である給湯器が制御可能な水温範囲などである。
なお、ステップST302およびステップST303の処理は必須ではなく、省略が可能である。

0033

次に、ステップST400の分布推定サブルーチンについて説明する。
図9は、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置1の分布推定部120の動作を示すフローチャートである。

0034

ステップST401において、物理単位挿入部106は、感性表現分離部103が分離した感性表現および快適表現生成部105が生成した物理単位などに基づき、感性表現に物理単位を挿入した物理量表現を生成する。
図10Aは、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置1の物理単位挿入部106が生成する物理単位挿入パターン1005の一例を示す図である。図10Bは、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置1の物理単位挿入部106が生成する物理量表現1006の一例を示す図である。物理単位挿入部106は、図10Aのように、非感性表現と感性表現との間を物理量、物理単位および接続表現で埋めるための物理単位挿入パターン1005を生成し、メモリに記憶する。物理単位挿入パターン1005の接続表現には、「で」(助詞)が予め入力されている。物理単位挿入部106は、感性表現分離部103が分離した非感性表現の形態素列「部屋」(名詞)および「が」(助詞)をメモリから読み出し、物理単位挿入パターン1005の非感性表現に入力する。物理単位挿入部106は、快適表現生成部105が生成した物理単位「℃」(記号)をメモリから読み出し、物理単位挿入パターン1005の物理単位に入力する。物理単位挿入部106は、感性表現分離部103が分離した感性表現「寒い」(形容詞)をメモリから読み出し、物理単位挿入パターン1005の感性表現に入力する。物理量は空欄とする。これにより、感性表現に物理単位を挿入した物理量表現1006が生成される。

0035

ステップST402において、換言処理部107は、物理量表現1006を言い換えた言い換え表現を生成する。
図11は、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置1の換言処理部107が記憶している換言情報1007の一例を示す図である。図12は、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置1の換言処理部107が生成する言い換え表現1008の一例を示す図である。換言処理部107は、図11のような換言情報1007を予め記憶している。換言情報1007は、温度記述において、同じ意味で別の表現となる形態素の情報である。例えば、漢字表記「寒い」(形容詞)は、かな表記の「さむい」(形容詞)に置き換えられることを示している。特に、「部屋」(名詞)は、実際には“部屋の温度”を指しているので、換言として「気温」(名詞)が記憶されている。「風呂」(名詞)は、現実では“風呂の水の温度”を指しているが、ユーザは“水があつい”などとは言わず換喩の「風呂」を用いるため、換言としては「お風呂」(名詞)が記憶されている。換言処理部107は、この換言情報1007を用いて、物理単位が挿入された物理量表現1006の各形態素に対して換言した形態素を付与し、図12の言い換え表現1008を生成する。例えば「部屋が ℃で寒い」という物理量表現1006に対して、「気温が 度はさむい」という言い換え表現1008が生成される。換言処理部107が換言処理を行うことによって、同じ意味であるのに表記が異なるために後述の照合部109でカウントされないことを防ぎ、照合部109の計数の精度を向上させることができる。

0036

ステップST403において、パターン組合生成部108は、言い換え表現1008に基づき、ラティス表現を生成する。
図13Aおよび図13Bは、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置1のパターン組合生成部108が生成するラティス表現1009およびラティス表現1010の例を示す図である。パターン組合生成部108は、言い換え表現1008の品詞情報を削除し、形態素列を連結して文字列(ストリング)にする。また、パターン組合生成部108は、言い換え表現1008のうちの空欄であった物理量については、快適表現生成部105が生成した数値範囲の最小値から最大値までの1きざみの物理量を文字列にする。なお、物理量のきざみ幅は1以外の値でもよい。これにより、図13Aの感性表現のラティス表現1009が生成される。
また、パターン組合生成部108は、快適表現についても同様の処理手順図13Bに示すラティス表現1010を生成する。パターン組合生成部108がパターン生成処理を行うことによって、言い換えを含む表現を網羅した文字列を、後述する照合部109ですべて計数することができる。

0037

さらに、パターン組合生成部108は、ラティス表現1009,1010の同じ列の文字列を入れ替えたすべての組み合わせを生成することで、物理量表現パターンを生成する。
図14Aおよび図14Bは、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置1のパターン組合生成部108が生成する物理量表現パターン1011および物理量表現パターン1012の例を示す図である。パターン組合生成部108は、感性表現のラティス表現1009の第1行「部屋が0℃で寒い」における物理量「0」をキーとして、非感性表現と物理量と物理単位の文字列を接続した文字列を前接パターン、接続表現と感性表現の文字列を接続した文字列を後接パターンとする。パターン組合生成部108は、前接パターンと後接パターンを物理量の温度別にメモリに記憶して、図14Aに示す物理量表現パターン1011を得る。パターン組合生成部108は、感性表現のラティス表現1009の第2行以降についても同様の処理手順で物理量表現パターンを生成する。
また、パターン組合生成部108は、快適表現のラティス表現1010についても同様の処理手順で図14Bに示す物理量表現パターン1012を生成する。

0038

ステップST404において、照合部109は、物理量表現パターン1011,1012と例文記憶部110が記憶している例文とを文字列照合し、一致した数を計数してメモリに記憶する。例文記憶部110には、すでに蓄積されていて、新たに入手または作成する必要のない、機械的に収集が可能なテキストデータが、例文として大量に記憶されている。例文として、例えば「部屋が10℃で寒い」のように、物理量とそれに対する感性表現とを含むテキストデータ、および、例えば「部屋が25度℃で快適」のように、物理量とそれに対する快適表現とを含むテキストデータが存在する。例文として、例えばインターネット上にある膨大なテキストデータを利用可能であり、ラティス表現である必要はない。
図15Aおよび図15Bは、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置1の照合部109が計数した照合カウント1013,1014の例を示す図である。照合部109は、図15Aに示すように、感性表現の物理量表現パターン1011における前接パターンと例文記憶部110の例文とが一致した数を前接カウント、後接パターンを含めた全体の文字列と例文記憶部110の例文とが一致した数を全体カウントとして、照合カウント1013をメモリに記憶する。
また、照合部109は、快適表現の物理量表現パターン1012についても同様の処理手順で、図15Bに示す照合カウント1014をメモリに記憶する。

0039

ステップST405において、尤度計算部111は、照合カウント1013,1014を用いて尤度を算出し、物理量と尤度とに関するヒストグラムを生成する。
図16は、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置1の尤度計算部111が生成するヒストグラム1015の一例を示す図である。尤度計算部111は、感性表現の物理量表現パターン1011および快適表現の物理量表現パターン1012のそれぞれについて、式(1)を用いて温度tの尤度Ltを算出する。式(1)において、eは後接パターン、ntは温度tの前接パターンである。尤度Ltは、温度tごとに全体カウント÷前接カウントで得られる。尤度計算部111は、温度を横軸、尤度を縦軸としたヒストグラム1015を生成する。ヒストグラム1015において、破線は温度に対する感性表現「寒い」の尤度の分布であり、実線は温度に対する快適表現「快適」の尤度の分布である。

0040

ステップST405の後、ステップST500において、物理量決定部112は、ヒストグラム1015を用いて、入力文に適合する物理量を決定する。具体的には、物理量決定部112は、ヒストグラム1015の感性表現「寒い」の尤度と快適表現「快適」の尤度とを1つにまとめて最適値Lctを算出し、温度に対する最適値Lctの分布に基づいて入力文に適合する物理量を決定して機器114へ出力する。最適値Lctは、式(2)により算出される。式(2)において、Latは快適表現「快適」の尤度、Lbtは感性表現「寒い」の尤度である。

0041

図17は、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置1の物理量決定部112が生成するヒストグラム1016の一例を示す図である。ヒストグラム1016は、温度が横軸、寒さを考慮した尤度、つまり最適値Lctが縦軸である。物理量決定部112は、このヒストグラム1016において最尤の22℃を、入力文「部屋が寒い」に適合する物理量として決定する。このようにすることで、ユーザが「寒い」と発話していることを考慮して、ユーザが満足する快適な温度に制御できるようになる。

0042

次に、ステップST600の機器制御サブルーチンについて説明する。
図18は、この発明の実施の形態1に係る物理量決定装置1の制御部113の動作を示すフローチャートである。

0043

ステップST601において、制御部113は、物理量決定部112により決定された物理量「22℃」を、制御コマンドとして機器114に送信し、機器114を制御する。機器114である空調機14は、現在の室温を計測し、室温が22℃より低ければ暖房運転を開始し、22℃より高ければ冷房運転を開始する。

0044

ステップST602において、機器114は、室温が適温である22℃になったか否かを確認する。機器114は、室温が22℃になっておらず不適であればステップST601へ戻り、室温が22℃の適温になっていれば機器制御サブルーチンを終了する。

0045

以上のように、実施の形態1に係る物理量決定装置1は、入力文から感性表現を分離する感性表現分離部103と、感性表現分離部103により分離された感性表現に対応する快適表現を生成する快適表現生成部105と、物理量とそれに対する感性表現とを含む例文を複数、および物理量とそれに対する快適表現とを含む例文を複数記憶している例文記憶部110と、例文記憶部110を参照して、感性表現分離部103により分離された感性表現を含む例文に基づく物理量の分布、および快適表現生成部105により生成された快適表現を含む例文に基づく物理量の分布を推定する分布推定部120と、分布推定部120により推定された2つの分布に基づき入力文に適合する物理量を決定する物理量決定部112とを備える構成である。感性表現を含む例文に基づく物理量の分布と快適表現を含む例文に基づく物理量の分布とに基づき物理量を決定するため、感性表現から物理量を精度よく得ることができる。また、アンケート調査などを実施してコストと時間をかけて意図的に作成したテキストデータではなく、作成にコストのかからない入手容易な大量のテキストデータを例文として用いることができる。

0046

また、実施の形態1によれば、快適表現生成部105は、感性表現分離部103により分離された感性表現に対応する物理量が取り得る数値範囲を生成し、分布推定部120は、快適表現生成部105により生成された数値範囲における分布を推定する構成である。これにより、照合部109が感性表現の物理量表現パターン1011および快適表現の物理量表現パターン1012と例文記憶部110の例文とを照合する際に、照合すべきパターン数または文法規模を小さくすることができ、計算量を削減できる。

0047

また、実施の形態1によれば、快適表現生成部105は、感性表現分離部103により分離された感性表現に対応する物理量の物理単位を生成し、分布推定部120は、快適表現生成部105により生成された物理単位に対応する物理量の例文を用いて分布を推定する構成である。これにより、照合部109が感性表現の物理量表現パターン1011および快適表現の物理量表現パターン1012と例文記憶部110の例文とを照合する際に、照合すべきパターン数または文法の規模を小さくすることができ、計算量を削減できる。

0048

また、実施の形態1によれば、物理量決定装置1は、物理量決定部112により決定された物理量を用いて機器114を制御する制御部113を備える構成である。これにより、感性表現から得た精度のよい物理量を用いて、ユーザの満足する快適な状態に機器114を制御することができる。

0049

実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る物理量決定装置1は、図1に示した実施の形態1に係る物理量決定装置1と図面上の構成が同じであるため、以下では図1を援用する。

0050

上記実施の形態1によれば、尤度計算部111は、例えば1きざみの物理量ごとに尤度を算出していた。すると尤度の極大値散在する場合があり、その場合に物理量決定の信頼性が低下する可能性がある。これは、人間が数を数える際に、物理単位に応じて数える基準となる値に偏りがあることに起因する。これを説明するために、図19に、図15Aにおける部屋の温度と前接カウントとから作成されたヒストグラム1017を示す。図19に示すように、人間は温度を数える場合に、0、5、10、15と、5℃おきに数えることが多く、偏りがあることがわかる。他方、図20に、空調機14の風向きの角度を対象として、上記同様に作成されたヒストグラム1018を示す。図20に示すように、人間が角度を数える場合には、15、30、45、60と、15度おきに極大値が出現しており、15度おきに数えることがわかる。

0051

実施の形態1では、分布推定部120の尤度計算部111が、式(1)を用いて1℃ずつ尤度Ltを算出して、図16のヒストグラム1015を作成していた。
実施の形態2では、分布推定部120の尤度計算部111が、推定した物理量の分布を平滑化する。具体的には、尤度計算部111は、式(1)を用いて1℃ずつ尤度Ltを算出し、算出した尤度Ltから窓長を5とした場合の単純移動平均を算出することによって分布を平滑化した後、平滑化した尤度を用いてヒストグラムを作成する。
図21は、この発明の実施の形態2に係る物理量決定装置1の尤度計算部111が生成するヒストグラム1019の一例を示す図である。ヒストグラム1019の横軸は温度、縦軸は平滑化尤度である。また、ヒストグラム1019において、破線は温度に対する感性表現「寒い」の平滑化尤度の分布であり、実線は温度に対する快適表現「快適」の平滑化尤度の分布である。

0052

物理量決定部112は、尤度計算部111が平滑化した後の感性表現「寒い」の尤度と快適表現「快適」の尤度とを用いて、式(2)に従い最適値Lctを算出する。
図22は、この発明の実施の形態2に係る物理量決定装置1の物理量決定部112が生成するヒストグラム1020の一例を示す図である。ヒストグラム1020は、温度が横軸、寒さを考慮した平滑化尤度、つまり最適値Lctが縦軸である。物理量決定部112は、このヒストグラム1020において最尤の20℃を、入力文「部屋が寒い」に適合する物理量として決定する。

0053

以上のように、実施の形態2によれば、分布推定部120は、推定した物理量の分布を平滑化する構成である。このように構成することで、図22に示すように尤度の極大値が散在することを防ぎ、物理量決定の信頼性を向上させることができる。これにより、物理単位に応じて数える基準となる値に偏りが生じることを抑制でき、より高精度に尤度を推定でき、ひいてはより精度よく物理量を決定することが可能である。

0054

実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る物理量決定装置1は、図1に示した実施の形態1に係る物理量決定装置1と図面上の構成が同じであるため、以下では図1を援用する。

0055

実施の形態3では、物理量決定部112が物理量を決定する際、感性表現を含む例文に基づく物理量の分布と快適表現を含む例文に基づく物理量の分布とに加えて、予め設定されたユーザプロファイルも使用する。

0056

ここでは、上記実施の形態2の図21に示したヒストグラム1019を例に用いて、実施の形態3を説明する。
図23は、この発明の実施の形態3に係る物理量決定装置1の物理量決定部112に予め設定されているユーザプロファイル1021の一例を示す図である。例えば、ユーザプロファイル1021に示す「暑がり」、「ふつう」および「寒がり」のうちの1つの情報が、物理量決定部112に設定されているものとする。物理量決定部112は、ヒストグラム1019の温度に対する感性表現「寒い」の平滑化尤度の分布と、温度に対する快適表現「快適」の平滑化尤度の分布と、ユーザプロファイル1021とを用いて、入力文に適合するとともにユーザの特性に合わせた物理量を決定する。具体的には、物理量決定部112は、予め設定されたユーザプロファイル1021が「ふつう」の場合には、上記実施の形態1,2と同様の処理手順で物理量を決定する。物理量決定部112は、予め設定されたユーザプロファイル1021が「暑がり」の場合には、快適表現「快適」の平滑化尤度が感性表現「寒い」の平滑化尤度を上回る条件「Lat>Lbtの最小値」を満たす「18℃」を、物理量として決定する。物理量決定部112は、予め設定されたユーザプロファイル1021が「寒がり」の場合には、感性表現「寒い」の平滑化尤度が最小になる条件「Lbtが最小になる最低温度」を満たす「25℃」を、物理量として決定する。

0057

なお、図23に例示したユーザプロファイル1021は、感性表現「寒い」に関するものであり、別の感性表現(例えば、「暑い」)については別のユーザプロファイルを用いればよい。
また、物理量決定部112が物理量を決定する際に、実施の形態2記載の平滑化尤度を用いたが、実施の形態1記載の平滑化前の尤度を用いてもよい。

0058

以上のように、実施の形態3によれば、物理量決定部112は、分布推定部120により推定された2つの分布および予め設定されたユーザプロファイルに基づき入力文に適合する物理量を決定する構成である。このように構成することで、ユーザの細かい嗜好に応じた物理量を精度よく決定して機器114を制御することができる。

0059

実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る物理量決定装置1は、図1に示した実施の形態1に係る物理量決定装置1と図面上の構成が同じであるため、以下では図1を援用する。

0060

上記実施の形態1〜3では、例文記憶部110の例文として、例えばインターネット上にあるテキストデータを利用する構成にした。このようなテキストデータの中には、一つの物理量を含む例文だけでなく、例えば「部屋が0℃〜2℃で寒い」のようなある数値範囲の物理量を含む例文も存在する。後者のような例文が例文記憶部110に記憶されている場合、照合部109において正確なカウントができずに精度が低下する可能性がある。

0061

そこで、実施の形態4では、例文記憶部110に記憶されている例文がある数値範囲の物理量とそれに対する感性表現とを含む例文である場合、またはある数値範囲の物理量とそれに対する快適表現とを含む例文である場合、分布推定部120の尤度計算部111は、ある数値範囲の物理量それぞれを用いて分布を推定する。
尤度計算部111は、「部屋が0℃〜2℃で寒い」という例文の場合、最小値「0」を物理量1、最大値「2」を物理量2として、式(3)を用いて尤度を算出する。式(3)においてq1が物理量1、q2が物理量2である。また、尤度計算部111は、物理量q1〜q2以外の、数値範囲の表現が無い物理量については、実施の形態1における式(1)を用いて尤度を計算する。

0062

以下、具体例を示す。
実施の形態4では、例文記憶部110に記憶されている例文がある数値範囲の物理量とそれに対する感性表現とを含む例文である場合、またはある数値範囲の物理量とそれに対する快適表現とを含む例文である場合、換言処理部107とパターン組合生成部108が以下に示す手順によって、追加の例文を生成する。照合部109は、例文記憶部110に記憶されている例文だけでなく上記追加の例文も参照して、感性表現および快適表現との一致数を計数し、尤度計算部111が尤度を算出する。

0063

図24は、この発明の実施の形態4に係る物理量決定装置1の換言処理部107が生成する言い換え表現1022の一例を示す図である。まず、換言処理部107が言い換え表現を生成する際に上述の物理量1である<q1>および物理量2である<q2>を生成し、図24の言い換え表現1022を生成する。パターン組合生成部108は、言い換え表現1022に基づき、物理量表現パターンを生成する。上記「部屋が0℃〜2℃で寒い」という例文の場合、<q1>と<q2>に一致する物理量をもとに「部屋が0℃で寒い」、「部屋が1℃で寒い」、および「部屋が2℃で寒い」という温度1度きざみの3つの例文が生成される。なお、物理量のきざみ幅は1以外の値でもよい。

0064

図25は、この発明の実施の形態4に係る物理量決定装置1の照合部109が計数した一時的照合カウント1023の例を示す図である。照合部109は、上述のようにして換言処理部107およびパターン組合生成部108が生成した「部屋が0℃で寒い」、「部屋が1℃で寒い」、および「部屋が2℃で寒い」という例文と、感性表現の物理量表現パターン1011とを文字列照合し、一致した数を計数し、図25の一時的照合カウント1023を得る。これにより、「部屋が0℃〜2℃で寒い」という例文中に現れない「部屋が1℃で寒い」という例文と感性表現および快適表現とを照合してカウントすることができる。そして、尤度計算部111は、図15Aに示した照合カウント1013の全体カウントに一時的照合カウント1023の全体カウントを足したカウント数、および式(3)を用いて尤度を算出し、温度に対する尤度のヒストグラムを生成する。これにより、精度よく尤度を算出することができ、ひいてはより精度よく物理量を決定することが可能である。

0065

ここでは、例文がある数値範囲の物理量とそれに対する感性表現とを含む例を示したが、例文がある数値範囲の物理量とそれに対する快適表現とを含む場合も同様の手順により、ある数値範囲の物理量それぞれについての例文が生成される。

0066

以上のように、実施の形態4によれば、例文記憶部110に記憶されている例文が、ある数値範囲の物理量とそれに対する感性表現とを含む例文である場合、またはある数値範囲の物理量とそれに対する快適表現とを含む例文である場合、分布推定部120は、ある数値範囲の物理量それぞれを用いて分布を推定する構成である。このように構成することで、例文に数値範囲の表現があっても、物理量を精度よく決定して機器114を制御することができる。

0067

なお、実施の形態1〜4では、日本語を対象とした物理量決定装置1を説明したが、物理量決定装置1が対象とする言語は日本語に限定されるものではない。
また、実施の形態1〜4では、ユーザの発話を音声認識した認識文を入力文として用いる例を説明したが、入力文は認識文に限定されるものではない。例えば、テキストデータが入力文として物理量決定装置1に入力される構成であれば、音声入力部100および音声認識部101は省略可能である。
また、実施の形態1〜4では、物理量決定装置1が制御部113を備える例を説明したが、制御部113は省略可能である。例えば、物理量決定装置1は、物理量決定部112により決定された物理量を空調機等へ出力し、空調機等は物理量決定装置1が出力した物理量を用いて温度等の制御を行う構成であってもよい。

0068

上記以外にも、この発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、または各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。

0069

この発明に係る物理量決定装置は、感性表現から物理量を決定するようにしたので、空調機または給湯器等の機器を制御するための物理量決定装置などに用いるのに適している。

0070

1物理量決定装置、10マイクロホン、11ハードディスクドライブ、12処理回路、13制御回路、14空調機、20プロセッサ、21メモリ、22リモコン、100音声入力部、101音声認識部、102感性表現記憶部、103 感性表現分離部、104 快適表現記憶部、105 快適表現生成部、106物理単位挿入部、107換言処理部、108パターン組合生成部、109 照合部、110例文記憶部、111尤度計算部、112 物理量決定部、113 制御部、114機器、120分布推定部、1001形態素解析結果、1002 感性表現、1003 快適表現、1004数値範囲、1005 物理単位挿入パターン、1006物理量表現、1007換言情報、1008言い換え表現、1009,1010ラティス表現、1011,1012 物理量表現パターン、1013,1014照合カウント、1015〜1020ヒストグラム、1021ユーザプロファイル、1022 言い換え表現、1023 一時的照合カウント。

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