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技術 プリント配線板及び半導体パッケージ

出願人 日立化成株式会社
発明者 斉藤猛中村幸雄佐々木亮太染川淳生登坂祐治清水浩内村亮一
出願日 2017年11月9日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-550266
公開日 2019年10月3日 (4ヶ月経過) 公開番号 WO2018-088493
状態 未査定
技術分野
  • -
主要キーワード 垂直変位量 真空加圧プレス Eガラス 標準点 測定平均値 Cガラス 粉落ち量 最高保持温度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年10月3日)のものです。
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図面 (2)

課題・解決手段

プリプレグ硬化物1枚の両面に、それぞれ異なる金属量の回路パターンが形成されているにも関わらず、そりが効果的に抑制されたプリント配線板、及び該プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージを提供する。前記プリント配線板は、具体的には、繊維基材及び樹脂組成物を含有してなるプリプレグの硬化物を含有し、且つ前記プリプレグの硬化物1枚の両面に、それぞれ異なる金属量の回路パターンが形成されたプリント配線板であって、前記プリプレグが、前記繊維基材の表裏それぞれに、異なる熱硬化収縮率を有する樹脂組成物からなる層を有し、これらの層のうち、熱硬化収縮率が小さい方の樹脂組成物からなる層が、金属量の少ない回路パターンが形成されている側に存在する、プリント配線板である。

概要

背景

日常生活において使用される身の周りの品々は、簡便化、効率化及び省力化の観点から電子化が進んでおり、電子機器に使用される電子部品は、使用上の利便性の観点等から、より一層の軽量化及び小型化が求められている。そのため、電子部品に使用されるプリント配線板においても、薄型化及び小型化され、回路パターン細密化及び絶縁層の厚みの薄型化が進んでいる。価格及び作業性の観点から、搭載する部品も小さくなり、また狭ピッチ化されるため、実装時のプリント配線板のそりが大きな問題となり得る。そのため、従来は、リフローはんだ付け前後での基材熱膨張を、実装するチップの熱膨張と差を小さくする目的で、基材が含有する樹脂層ガラス転移温度を高めたり、該樹脂層の低熱膨張率化を行ったりすることによって、そりの低減を行ってきた。

ところで、プリント配線板の回路パターンは千差万別である。積層板の両面に、金属箔エッチングメッキ又はスパッタ等の手法によって回路パターンを形成するが、その結果、積層板の表裏に存在する金属量に差が発生することが多い。絶縁樹脂の積層板の両面で金属量が異なると、それが原因でそりが発生し易くなる。そのため、片面金属張積層板において、金属層とは反対側の表層熱収縮率を、基板層の熱収縮率の30〜90%とすることにより、そりを小さくする方法(特許文献1参照)、及び剛直な支持板に予め固定して加工する方法(特許文献2参照)等が提案されている。

概要

プリプレグ硬化物1枚の両面に、それぞれ異なる金属量の回路パターンが形成されているにも関わらず、そりが効果的に抑制されたプリント配線板、及び該プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージを提供する。前記プリント配線板は、具体的には、繊維基材及び樹脂組成物を含有してなるプリプレグの硬化物を含有し、且つ前記プリプレグの硬化物1枚の両面に、それぞれ異なる金属量の回路パターンが形成されたプリント配線板であって、前記プリプレグが、前記繊維基材の表裏それぞれに、異なる熱硬化収縮率を有する樹脂組成物からなる層を有し、これらの層のうち、熱硬化収縮率が小さい方の樹脂組成物からなる層が、金属量の少ない回路パターンが形成されている側に存在する、プリント配線板である。

目的

本発明の課題は、プリプレグの硬化物1枚の両面に、それぞれ異なる金属量の回路パターンが形成されているにも関わらず、そりが効果的に抑制されたプリント配線板、及び該プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

繊維基材及び樹脂組成物を含有してなるプリプレグ硬化物を含有し、且つ前記プリプレグの硬化物1枚の両面に、それぞれ異なる金属量の回路パターンが形成されたプリント配線板であって、前記プリプレグが、前記繊維基材の表裏それぞれに、異なる熱硬化収縮率を有する樹脂組成物からなる層を有し、これらの層のうち、熱硬化収縮率が小さい方の樹脂組成物からなる層が、金属量の少ない回路パターンが形成されている側に存在する、プリント配線板。

請求項2

前記プリプレグにおいて、前記繊維基材の表裏それぞれに有する異なる熱硬化収縮率を有する樹脂組成物からなる層が、異なる種類の樹脂組成物からなる層である、請求項1に記載のプリント配線板。

請求項3

前記繊維基材の表裏それぞれに有する層を構成する樹脂組成物の熱硬化収縮率の差が0.3%以上である、請求項1又は2に記載のプリント配線板。

請求項4

両面の回路パターンの金属量の差が15体積%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプリント配線板。

請求項5

前記プリプレグが下記式(1)及び下記式(2)を満たす、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプリント配線板。0.12<{(a1+a2)/2}/B<0.32(1)0.8≦a1/a2≦1.25 (2)(上記式中、a1は、繊維基材の一方の面上に存在する樹脂組成物の硬化後の平均厚みであり、a2は、繊維基材の他方の面上に存在する樹脂組成物の硬化後の平均厚みである。Bは、繊維基材の平均厚みである。)

請求項6

プリプレグの厚みが30〜170μmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプリント配線板。

請求項7

前記両面に有する回路パターンの一方の金属量と他方の金属量との差によって生じる応力が、前記樹脂組成物の熱硬化収縮率の相違によって生じる応力で相殺されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のプリント配線板。

請求項8

IPC−TM−650のセクション2.4.22.1Cに記載の測定方法に従って測定したそり量が60mm以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のプリント配線板。

請求項9

請求項1〜8のいずれか1項に記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージ

技術分野

0001

本発明は、プリント配線板及び半導体パッケージに関する。

背景技術

0002

日常生活において使用される身の周りの品々は、簡便化、効率化及び省力化の観点から電子化が進んでおり、電子機器に使用される電子部品は、使用上の利便性の観点等から、より一層の軽量化及び小型化が求められている。そのため、電子部品に使用されるプリント配線板においても、薄型化及び小型化され、回路パターン細密化及び絶縁層の厚みの薄型化が進んでいる。価格及び作業性の観点から、搭載する部品も小さくなり、また狭ピッチ化されるため、実装時のプリント配線板のそりが大きな問題となり得る。そのため、従来は、リフローはんだ付け前後での基材熱膨張を、実装するチップの熱膨張と差を小さくする目的で、基材が含有する樹脂層ガラス転移温度を高めたり、該樹脂層の低熱膨張率化を行ったりすることによって、そりの低減を行ってきた。

0003

ところで、プリント配線板の回路パターンは千差万別である。積層板の両面に、金属箔エッチングメッキ又はスパッタ等の手法によって回路パターンを形成するが、その結果、積層板の表裏に存在する金属量に差が発生することが多い。絶縁樹脂の積層板の両面で金属量が異なると、それが原因でそりが発生し易くなる。そのため、片面金属張積層板において、金属層とは反対側の表層熱収縮率を、基板層の熱収縮率の30〜90%とすることにより、そりを小さくする方法(特許文献1参照)、及び剛直な支持板に予め固定して加工する方法(特許文献2参照)等が提案されている。

先行技術

0004

特開平07−241957号公報
特開2011−29410号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、特許文献1に記載の方法は、プリプレグを多数積層して用いる場合には実施し易いが、薄い金属張積層板、特にプリプレグが1枚のみの金属張積層板の場合には採用し難しい。また、特許文献2の方法であれば加工途中では問題は発生しないが、最終的に支持板から剥離した際にそりが発生してしまう場合があるという問題がある。
そこで、本発明の課題は、プリプレグの硬化物1枚の両面に、それぞれ異なる金属量の回路パターンが形成されているにも関わらず、そりが効果的に抑制されたプリント配線板、及び該プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージを提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、回路パターンの形成後に生じる表裏の金属量の差が原因で発生する応力に着目し、この応力を相殺する手段をプリプレグに講じることによって、プリプレグ1枚の硬化物の両面に、それぞれ異なる金属量の回路パターンが形成された場合にも、そりが効果的に抑制され得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。

0007

すなわち、本発明は、次の[1]〜[9]を提供する。
[1]繊維基材及び樹脂組成物を含有してなるプリプレグの硬化物を含有し、且つ前記プリプレグの硬化物1枚の両面に、それぞれ異なる金属量の回路パターンが形成されたプリント配線板であって、
前記プリプレグが、前記繊維基材の表裏それぞれに、異なる熱硬化収縮率を有する樹脂組成物からなる層を有し、これらの層のうち、熱硬化収縮率が小さい方の樹脂組成物からなる層が、金属量の少ない回路パターンが形成されている側に存在する、プリント配線板。
[2]前記プリプレグにおいて、前記繊維基材の表裏それぞれに有する異なる熱硬化収縮率を有する樹脂組成物からなる層が、異なる種類の樹脂組成物からなる層である、上記[1]に記載のプリント配線板。
[3]前記繊維基材の表裏それぞれに有する層を構成する樹脂組成物の熱硬化収縮率の差が0.3%以上である、上記[1]又は[2]に記載のプリント配線板。
[4]両面の回路パターンの金属量の差が15体積%以上である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のプリント配線板。
[5]前記プリプレグが下記式(1)及び下記式(2)を満たす、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のプリント配線板。
0.12<{(a1+a2)/2}/B<0.32 (1)
0.8≦a1/a2≦1.25 (2)
(上記式中、a1は、繊維基材の一方の面上に存在する樹脂組成物の硬化後の平均厚みであり、a2は、繊維基材の他方の面上に存在する樹脂組成物の硬化後の平均厚みである。Bは、繊維基材の平均厚みである。)
[6]プリプレグの厚みが30〜170μmである、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のプリント配線板。
[7]前記両面に有する回路パターンの一方の金属量と他方の金属量との差によって生じる応力が、前記樹脂組成物の熱硬化収縮率の相違によって生じる応力で相殺されている、上記[1]〜[6]のいずれかに記載のプリント配線板。
[8]IPC−TM−650のセクション2.4.22.1Cに記載の測定方法に従って測定したそり量が60mm以下である、上記[1]〜[7]のいずれかに記載のプリント配線板。
[9]上記[1]〜[8]のいずれかに記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージ。

発明の効果

0008

本発明によれば、プリプレグの硬化物1枚の両面に、それぞれ異なる金属量の回路パターンが形成されているにも関わらず、そりが効果的に抑制されたプリント配線板、及び該プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージを提供することができる。

図面の簡単な説明

0009

本発明で使用し得るプリプレグを説明するための模式的断面図である。

0010

以下、本発明について詳述するが、本明細書における記載事項を任意に組み合わせた態様も本発明に含まれる。
[プリント配線板]
本発明のプリント配線板は、繊維基材及び樹脂組成物を含有してなるプリプレグの硬化物を含有し、且つ前記プリプレグの硬化物1枚の両面に、それぞれ異なる金属量の回路パターンが形成されたプリント配線板であって、
前記プリプレグが、前記繊維基材の表裏それぞれに、異なる熱硬化収縮率を有する樹脂組成物からなる層を有し、これらの層のうち、熱硬化収縮率が小さい方の樹脂組成物からなる層が、金属量の少ない回路パターンが形成されている側に存在する、プリント配線板である。
ここで、本発明において「金属量」とは、回路パターンの形成後に、1つの面に残存する金属の体積の合計量を意味する。

0011

上記プリント配線板では、プリプレグの硬化物1枚の両面に、それぞれ異なる金属量の回路パターンが形成されており、この金属量の差によって応力が生じるため、従来であれば大きな反りが発生する傾向にあった。しかし、本発明では、繊維基材の表裏それぞれに、異なる熱硬化収縮率を有する樹脂組成物からなる層を有しているため、この熱硬化収縮率の相違によって応力が生じる。そして、異なる熱硬化収縮率を有する樹脂組成物からなる層のうち、熱硬化収縮率が小さい方の樹脂組成物からなる層を、金属量の少ない回路パターンが形成されている側に存在させることによって、前出の2つの応力を相殺し、プリント配線板のそりの効果的な低減に繋がっていると考えられる。
つまり、本発明のプリント配線板は、前記両面に有する回路パターンの一方の金属量と他方の金属量との差によって生じる応力が、前記樹脂組成物の熱硬化収縮率の相違によって生じる応力で相殺されており、そのためにそりが効果的に低減されているものと考える。

0012

本発明のプリント配線板は、金属張り積層板の両面に回路パターンを形成して得られる。該金属張積層板は、繊維基材及び樹脂組成物を含有してなるプリプレグの硬化物を含有し、且つ前記プリプレグの硬化物1枚の両面に金属箔を有する金属張積層板である。
金属張積層板の両面に回路パターンを形成する方法としては、特に限定されるものではないが、サブトラクティブ法フルアディティブ法セミアディティブ法SAP:Semi Additive Process)又はモディファイドセミアディティブ法(m−SAP:modified Semi Additive Process)等の公知の方法が挙げられる。

0013

金属張積層板の金属箔の金属としては、銅、金、銀、ニッケル白金モリブデンルテニウムアルミニウムタングステン、鉄、チタンクロム、又はこれらの金属元素のうちの少なくとも1種を含む合金であることが好ましい。合金としては、銅系合金アルミニウム系合金鉄系合金が好ましい。銅系合金としては、銅−ニッケル合金等が挙げられる。鉄系合金としては、鉄−ニッケル合金(42アロイ)等が挙げられる。これらの中でも、金属としては、銅、ニッケル、42アロイがより好ましく、入手容易性及びコストの観点からは、銅がさらに好ましい。金属箔の厚みとしては、特には制限されないが、3〜210μmであってもよく、好ましくは5〜140μmである。
なお、回路形成用の金属箔でなく、セミアディティブ法等で行う無電解銅めっきに対応した樹脂層を有する金属箔を配置してもよい。該樹脂層が含有する樹脂組成物は、後述の樹脂組成物と同じように説明され、後述の樹脂組成物と同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。該樹脂組成物は、特に制限されるものではないが、エポキシ樹脂を含有することが好ましい。該エポキシ樹脂については、後述の説明と同様に説明される。

0014

本発明のプリント配線板は、IPC−TM−650のセクション2.4.22.1Cに記載の測定方法に従って最大垂直変位量を測定したそり量が60mm以下であり、好ましいものでは50mm以下となり、より好ましいものでは35mm以下となる。該そり量は小さいほど好ましいため、そり量の下限値に特に制限はないが、本発明のプリント配線板では、該そり量の下限値は20mm又は25mmとなる傾向にある。

0015

本発明のプリント配線板では、前記プリプレグの硬化物1枚の両面の回路パターンの金属量の差が15体積%以上であっても、又は20体積%以上であっても、さらには25体積%以上であっても、そりが小さく抑制される。一般的に、前記金属量の差が15体積%以上であると歪が発生し易い傾向にあり、ひいてはプリント配線板のそりが生じ易くなるため、該金属量の差が15体積%以上であるとき、本発明の効果が顕著に現れるといえる。なお、前記プリプレグの硬化物1枚の両面の回路パターンの金属量の差の上限値に特に制限はないが、そり抑制の観点から、好ましくは60体積%以下、より好ましくは50体積%以下、さらに好ましくは40体積%以下、特に好ましくは30体積%以下である。
ここで、「金属量の差」は、例えばプリプレグの上下に同一体積の金属箔を用いて回路パターンを形成する場合、金属量の多い方の回路パターンが回路パターン形成前の金属箔のA体積%に相当するとし、金属量の少ない方の回路パターンが回路パターン形成前の金属箔のB体積%に相当するとしたとき、A−Bによって求められる。

0016

前記プリプレグは、上記の通り、前記繊維基材の表裏それぞれに、異なる熱硬化収縮率を有する樹脂組成物からなる層を有するものである。ここで、繊維基材の「表裏」という文言は、繊維基材のどちらの一面を表又は裏としてもよいものであって、この点において何ら制限されるものではない。
繊維基材の表裏それぞれの樹脂組成物の種類が異なる態様とすることによって、両者が異なる熱硬化収縮率を有する樹脂組成物とすることも好ましく、また、無機充填材等の含有量を変更する態様によって、両者が異なる熱硬化収縮率を有する樹脂組成物とすることも好ましい。なお、「樹脂組成物の種類が異なる」とは、樹脂組成物中の成分のうちの少なくとも1つの種類が異なっていることを言う。
繊維基材の表裏それぞれの樹脂組成物の熱硬化収縮率を異ならせることによって、回路パターンの形成後に生じる表裏の金属量の差が原因で発生する応力を相殺することができる。樹脂組成物の種類については特に制限されるものではなく、種々の樹脂組成物の組み合わせを採用できるが、前記繊維基材の表裏の樹脂組成物の熱硬化収縮率の差が、0.3%以上となるように組み合わせることが好ましく、0.3〜0.6%となるように組み合わせることがより好ましく、0.4〜0.6%となるように組み合わせることがさらに好ましく、0.4〜0.55%となるように組み合わせることが特に好ましい。

0017

<プリプレグ>
本発明のプリント配線板の製造に使用し得るプリプレグは、下記式(1)及び下記式(2)を満たすプリプレグであることが好ましい。
0.12<{(a1+a2)/2}/B<0.32 (1)
0.8≦a1/a2≦1.25 (2)

0018

上記式(1)及び式(2)中、a1は、繊維基材の一方の面上に存在する樹脂組成物の硬化後の平均厚みであり、a2は、繊維基材の他方の面上に存在する樹脂組成物の硬化後の平均厚みである。Bは、繊維基材の平均厚みである(図1参照)。
該a1、a2及びBの値の求め方は必ずしも制限されるものではないが、本発明においては、下記方法に従って測定した値を採用する。
(a1、a2及びBの測定方法)
プリプレグを乾燥機中に吊り下げ、乾燥機の温度を20℃から160℃まで5℃/時で昇温し、160℃で30分保持したサンプルを、JIS B 7524(2008年)[リーフ形状:A型]に従って測定した厚みが0.01mmのシクネステープと揃えて容器に入れる。
次いで、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂100質量部とトリメチルテトラミン10質量部を撹拌してから上記容器へ注ぎ込む。真空度700mmHg(93.3kPa)で3分間真空脱気した後、40℃で60分、そして60℃で90分硬化させる。硬化後、容器から硬化物を取り出し、切断及び機械研磨を実施して断面を露出させる。該断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、繊維基材の一方の面上に存在する樹脂組成物の厚み、繊維基材の他方の面上に存在する樹脂組成物の厚み、及び繊維基材の厚みを測定する。
測定は明らかな傷、打痕、折れが無い部分10点を測定し、それらの平均値を求めて、それぞれa1(実測値)、a2(実測値)及びB(実測値)を得、下記補正を行って得られるa1(補正値)、a2(補正値)及びB(補正値)を、それぞれ上記式(1)及び(2)中のa1、a2及びBとして利用する。
補正方法
前記厚み0.01mmのシクネステープについても走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、上記と同様にして厚みについて10点を測定し、それらの平均値を求める。その測定平均値と0.01mmを用いて、下記式(3)によって補正係数αを求める。求めた補正係数αを、a1(実測値)、a2(実測値)及びB(実測値)それぞれに乗じることによって、a1(補正値)、a2(補正値)及びB(補正値)とする。
α=0.01mm/シクネステープの厚みの測定平均値 (3)
a1(補正値)=a1(実測値)×α
a2(補正値)=a2(実測値)×α
B(補正値)=B(実測値)×α
上記補正は、プリプレグが測定面に対して直角に切断及び機械研磨が行われなかった場合に、実測値が真の値とずれるため、そのずれを補正することを目的としたものである。
なお、前記シクネステープは、東京シクネス株式会社から入手可能である。

0019

前記ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂は、下記式(I)によって表すことができる。




式(I)中、n1は0〜3の整数であり、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0〜1の整数である。
前記ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂のエポキシ当量は、150〜500g/eqであることが好ましく、150〜400g/eqであることがより好ましく、150〜250g/eqであることがさらに好ましい。ここで、エポキシ当量は、エポキシ基あたりの樹脂の質量(g/eq)であり、JIS K 7236(2009年)に規定された方法に従って測定することができ、以下、同様である。具体的には、株式会社三菱ケミカルアナリテック製の自動滴定装置GT−200型」を用いて、200mlビーカーにエポキシ樹脂2gを量し、メチルエチルケトン90mlを滴下し、超音波洗浄器溶解後、氷酢酸10ml及び臭化セチルトリメチルアンモニウム1.5gを添加し、0.1mol/Lの過塩素酸酢酸溶液滴定することにより求められる。
前記ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂としては市販品を用いることができ、市販品としては、「jER登録商標)815」(三菱ケミカル株式会社製)等が挙げられる。

0020

繊維基材の平均厚みBは、好ましくは5〜120μm、より好ましくは5〜100μm、さらに好ましくは10〜100μmであり、10〜50μmであってもよく、10〜30μmであってもよい。

0021

前記式(1)は、繊維基材の表裏に存在する樹脂組成物の硬化後の平均厚みの平均値[(表の平均厚みa1+裏の平均厚みa2)/2]が、繊維基材の平均厚み(B)に対してどの程度の比率となっているのかの目安となる。ここで、表裏は特に限定されるものではなく、いずれを表と考えてもよく、以下、同様である。
プリプレグ全体に対して、繊維基材の表裏に存在する樹脂組成物の硬化後の平均厚みの平均値の割合が所定値以上である場合に、繊維基材の表裏に存在する樹脂組成物の硬化収縮基板のそりに大きく影響するため、その課題が生じる条件として、式(1)の{(a1+a2)/2}/Bの値が0.12超となっている。つまり、これを満たす場合に、そりを効果的に低減する必要性が生じ、本発明の効果がより一層、有益になる。また、0.32未満であることにより、プリプレグからの粉落ち量が低減される。
本発明で使用するプリプレグは、特に制限されるものではないが、下記式(2’)を満たすことが好ましい。
0.9≦a1/a2≦1.15 (2’)

0022

前記式(2)及び前記式(2’)は、繊維基材の一方(表)の面上に存在する樹脂組成物の硬化後の平均厚みと、繊維基材の他方(裏)の面上に存在する樹脂組成物の硬化後の平均厚みの比率を特定しており、それぞれの平均厚みの差が小さいことを意味している。

0023

以下、該プリプレグが含有する繊維基材及び樹脂組成物について説明する。
〔繊維基材〕
繊維基材としては、各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている周知のものが使用できる。繊維基材の材質としては、紙、コットンリンターのような天然繊維ガラス繊維及びアスベスト等の無機物繊維セルロースアラミドポリイミドポリビニルアルコールポリエステルテトラフルオロエチレン及びアクリル等の有機繊維;これらの混合物などが挙げられる。これらの中でも、難燃性の観点から、ガラスクロスが好ましい。ガラスクロスとしては、EガラスCガラスDガラス、Sガラス等を用いたガラスクロス又は短繊維有機バインダー接着したガラスクロス;ガラス繊維とセルロース繊維とを混沙したもの等が挙げられる。より好ましくは、Eガラスを使用したガラスクロスである。
これらの繊維基材は、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット又はサーフェシングマット等の形状を有する。なお、材質及び形状は、目的とする成形物の用途及び性能により選択され、1種を単独で使用してもよいし、必要に応じて、2種以上の材質及び形状を組み合わせることもできる。
2種以上の繊維基材の材質及び形状は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。なお、2種以上の繊維基材を用いる場合、前記繊維基材の平均厚みBは、2種以上の繊維基材の平均厚みの合計値である。
繊維基材は、特に制限されるものではないが、薄型化の観点から、1層からなる繊維基材であることが好ましい。ここで、1層からなる繊維基材とは、絡み合っている繊維のみからなる繊維基材を意味しており、絡み合いの無い繊維基材が存在する場合には、多層からなる繊維基材に分類される。

0024

〔樹脂組成物〕
樹脂組成物は、プリプレグ中で繊維基材に付着しており、繊維基材内部に入り込んでいるものもあり、繊維基材の表面上に存在する樹脂組成物もある。本発明において、「繊維基材の表裏」の樹脂組成物からなる層は、繊維基材の表面上に存在する樹脂組成物を指し、それらの樹脂組成物の硬化後の厚みは、図1中のa1及びa2で示される厚みとなる。
樹脂組成物は熱硬化性樹脂を含有することが好ましい。また、該熱硬化性樹脂の他に、必要に応じて、硬化剤硬化促進剤、無機充填材、有機充填材カップリング剤レベリング剤酸化防止剤難燃剤難燃助剤揺変性付与剤増粘剤チキソ性付与剤可撓性材料界面活性剤光重合開始剤等を含有していてもよく、これらからなる群から選択される少なくとも1つを含有することが好ましい。
以下、樹脂組成物が含有し得る各成分について順に説明する。

0025

(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂としては、任意の温度領域で、樹脂の溶融粘度を樹脂の硬化度により変えることができる熱硬化性樹脂が好ましい。該熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂ポリイミド樹脂シアネート樹脂イソシアネート樹脂ベンゾオキサジン樹脂オキセタン樹脂アミノ樹脂不飽和ポリエステル樹脂アリル樹脂ジシクロペンタジエン樹脂シリコーン樹脂トリアジン樹脂メラミン樹脂等が挙げられる。また、特にこれらに制限されず、公知の熱硬化性樹脂を使用できる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。これらの中でも、成形性及び電気絶縁性の観点から、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂が好ましい。

0026

エポキシ樹脂としては、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂フェノールノボラック型エポキシ樹脂ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールT型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂トリフェニル型エポキシ樹脂、テトラフェニル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレンジオールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、エチレン性不飽和基骨格に有するエポキシ樹脂、脂環式型エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、エポキシ樹脂として、難燃性の観点から、ハロゲン化エポキシ樹脂を用いてもよい。エポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、絶縁信頼性及び耐熱性の観点から、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量に特に制限はないが、耐熱性の観点から、好ましくは60〜400g/mol、より好ましくは70〜300g/mol、さらに好ましくは80〜250g/molである。

0027

エポキシ樹脂の市販品としては、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂である「EPICLON(登録商標)N−660」(DIC株式会社製)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂である「EPICLON(登録商標)N−770」(DIC株式会社製)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である、「EPICLON(登録商標)840S」(DIC株式会社製)、「jER828EL」、「YL980」(以上、三菱ケミカル株式会社製)等が挙げられる。

0028

ここで、エポキシ樹脂としては、特に制限されるわけではないが、柔軟性を付与する観点から、1分子中に2個以上のエポキシ基を有すると共に、炭素数3以上のアルキレングリコール由来する構造単位を主鎖に有するエポキシ樹脂であってもよい。また、柔軟性をより向上させる観点からは、炭素数3以上のアルキレングリコールに由来する構造単位は、2個以上連続して繰り返していてもよい。
炭素数3以上のアルキレングリコールとしては、炭素数4以上のアルキレングリコールが好ましい。該炭素数の上限は、限定されないが、15以下が好ましく、10以下がより好ましく、8以下がさらに好ましい。
また、エポキシ樹脂として、難燃性の観点から、ハロゲン化エポキシ樹脂を用いてもよい。

0029

ポリイミド樹脂としては、マレイミド化合物等が挙げられる。マレイミド化合物としては、1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有する化合物又はその変性体が好ましい。マレイミド化合物の重量平均分子量(Mw)は、有機溶媒への溶解性の観点及び機械強度の観点から、好ましくは400〜5,000、より好ましくは500〜3,000、さらに好ましくは700〜1,500である。
マレイミド化合物としては、複数のマレイミド基のうちの任意の2個のマレイミド基の間に脂肪族炭化水素基を有するマレイミド化合物であるか、又は、複数のマレイミド基のうちの任意の2個のマレイミド基の間に芳香族炭化水素基を含有するマレイミド化合物[以下、芳香族炭化水素基含有マレイミドと称する]が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、誘電特性、ガラス転移温度、熱膨張係数及び成形性の観点から、芳香族炭化水素基含有マレイミドが好ましい。芳香族炭化水素基含有マレイミドは、任意に選択した2つのマレイミド基の組み合わせのいずれかの間に芳香族炭化水素基を含有していればよい。

0030

マレイミド化合物としては、下記一般式(II)で表される芳香族炭化水素基含有マレイミド、又はその変性体であることが好ましい。




(式中、R1及びR2は、各々独立に、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子を示す。X1は、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基、−O−、−C(=O)−、−S−、−S−S−又はスルホニル基を示す。m及びnは、各々独立に、0〜4の整数である。)

0031

R1及びR2が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基としては、メチル基エチル基、n−プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。該脂肪族炭化水素基としては、耐熱性、誘電特性、ガラス転移温度、熱膨張係数及び成形性の観点から、好ましくは炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはメチル基、エチル基である。
R1及びR2が示すハロゲン原子としては、フッ素原子塩素原子臭素原子ヨウ素原子等が挙げられる。
X1が示す炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基、1,2−ジメチレン基、1,3−トリメチレン基、1,4−テトラメチレン基、1,5−ペンタメチレン基等が挙げられる。該アルキレン基としては、耐熱性、誘電特性、ガラス転移温度、熱膨張係数及び成形性の観点から、好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基であり、より好ましくはメチレン基である。
X1が示す炭素数2〜5のアルキリデン基としては、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基ブチリデン基、イソブチリデン基、ペンチリデン基、イソペンチリデン基等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、誘電特性、ガラス転移温度、熱膨張係数及び成形性の観点から、イソプロピリデン基が好ましい。
X1としては、上記選択肢の中でも、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましい。さらに好ましいものは前述の通りである。

0032

前記マレイミド化合物の変性体としては、酸性置換基を有するモノアミン化合物及びジアミン化合物で変性されたマレイミド化合物であることがより好ましい。
酸性置換基を有するモノアミン化合物の酸性置換基としては、水酸基カルボキシ基スルホン酸基等が挙げられ、水酸基が好ましい。
酸性置換基を有するモノアミン化合物としては、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、o−アミノベンゼンスルホン酸m−アミノベンゼンスルホン酸、p−アミノベンゼンスルホン酸、3,5−ジヒドロキシアニリン、3,5−ジカルボキシアニリン等が挙げられる。これらの中でも、溶解性及び反応性の観点からは、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸、3,5−ジヒドロキシアニリンが好ましく、耐熱性の観点からは、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノールが好ましい。酸性置換基を有するモノアミン化合物としては、以上の中から、m−アミノフェノールを選択してもよい。

0033

前記ジアミン化合物としては、少なくとも2個のベンゼン環を有するジアミン化合物が好ましく、2つのアミノ基の間に少なくとも2個のベンゼン環を直鎖状に有するジアミン化合物がより好ましく、下記一般式(III)で表されるジアミン化合物がさらに好ましい。




(式中、X2は、単結合、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基、−O−、スルホニル基、−C(=O)−、フルオレニレン基又はフェニレンジオキシ基である。R3及びR4は、各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基又はスルホン酸基を示す。v及びwは、各々独立に、0〜4の整数である。)

0034

X2が示す炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基プロピレン基、プロピリデン基等が挙げられる。該アルキレン基としては、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましく、メチレン基がより好ましい。
X2が示す炭素数2〜5のアルキリデン基としては、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、イソブチリデン基、ペンチリデン基、イソペンチリデン基等が挙げられる。該アルキリデン基としては、イソプロピリデン基が好ましい。
X2としては、単結合、炭素数1〜5のアルキレン基、−O−が好ましく、単結合がより好ましい。
R3及びR4が示す炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。該アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
R3及びR4が示す炭素数1〜5のアルコキシ基としては、メトキシ基エトキシ基プロポキシ基等が挙げられる。該アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
R3及びR4が示すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
v及びwは、各々独立に、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0又は1、さらに好ましくは1である。

0035

ジアミン化合物としては、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノ−1,1’−ビフェニルo−トリジン)、2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノ−1,1’−ビフェニル等が挙げられる。これらの中でも、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノ−1,1’−ビフェニル(o−トリジン)が好ましい。

0036

(硬化剤)
硬化剤としては、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合は、フェノール系硬化剤シアネート系硬化剤、酸無水物系硬化剤アミン系硬化剤活性エステル基含有化合物等のエポキシ樹脂用硬化剤などが挙げられる。なお、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂以外の樹脂である場合、その熱硬化性樹脂用の硬化剤として公知のものを用いることができる。硬化剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0037

前記フェノール系硬化剤としては、特に制限されないが、クレゾールノボラック型硬化剤、ビフェニル型硬化剤、フェノールノボラック型硬化剤、ナフチレンエーテル型硬化剤、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤等が好ましく挙げられる。
フェノール系硬化剤の水酸基当量に特に制限はないが、架橋密度の観点から、好ましくは80〜150g/eq、より好ましくは80〜130g/eq、さらに好ましくは90〜120g/eqである。
フェノール系硬化剤の市販品としては、KA−1160、KA−1163、KA−1165(いずれもDIC株式会社製)等のクレゾールノボラック型硬化剤;MEH−7700、MEH−7810、MEH−7851(いずれも明和化成株式会社製)等のビフェニル型硬化剤;PHENOLITE(登録商標)TD2090(DIC株式会社製)等のフェノールノボラック型硬化剤;EXB−6000(DIC株式会社製)等のナフチレンエーテル型硬化剤;LA3018、LA7052、LA7054、LA1356(いずれもDIC株式会社製)等のトリアジン骨格含有フェノール系硬化剤などが挙げられる。

0038

前記シアネート系硬化剤としては、特に制限はないが、ビスフェノールAジシアネートポリフェノールシアネート〔オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)〕、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアネートフェニル)エーテル等が挙げられる。
前記酸無水物系硬化剤としては、特に制限はないが、無水フタル酸テトラヒドロ無水フタル酸ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸メチルヘキサヒドロ無水フタル酸メチルナジック酸無水物水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物無水トリメリット酸無水ピロメリット酸等が挙げられる。
前記アミン系硬化剤としては、特に制限はないが、トリエチレンテトラミンテトラエチレンペンタミンジエチルアミノプロピルアミン等の脂肪族アミンメタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の芳香族アミンなどが挙げられる。
また、硬化剤としては、ユリア樹脂等も用いることができる。

0039

熱硬化収縮率を大きくする場合には、立体障害の大きい硬化剤を用いることが好ましく、例えば、フェノールノボラック樹脂クレゾールノボラック樹脂、又は、アミノトリアジン構造を有するフェノールノボラック樹脂もしくはクレゾールノボラック樹脂等を用いるのが好ましい。
樹脂組成物が硬化剤を含有する場合、その含有量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは10〜150質量部、より好ましくは10〜100質量部、さらに好ましくは10〜50質量部である。
なお、樹脂組成物が硬化剤を含有する場合、その含有量は、官能基当量を用いて表してもよく、また、そうすることが好ましい。具体的には、(熱硬化性樹脂の質量/官能基当量)≒(硬化剤の質量/熱硬化性樹脂と反応し得る官能基当量)×定数Cとなるように硬化剤を含有させることが好ましい。定数Cは、硬化剤の官能基の種類によって変化し、該官能基がフェノール性水酸基の場合には0.8〜1.2が好ましく、アミノ基の場合には0.2〜0.4が好ましく、活性エステル基の場合には0.3〜0.6が好ましい。
熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合には、前記式は、(エポキシ樹脂の質量/エポキシ基当量)≒(硬化剤の質量/エポキシ基と反応し得る官能基当量)×定数Cとなる。

0040

(硬化促進剤)
硬化促進剤としては、前記熱硬化性樹脂の硬化に用いられる一般的な硬化促進剤を使用することができる。例えば、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、硬化促進剤としては、イミダゾール化合物及びその誘導体リン系化合物第三級アミン化合物;第四級アンモニウム化合物等が挙げられる。硬化反応促進の観点から、イミダゾール化合物及びその誘導体が好ましい。イミダゾール化合物の誘導体としては、イミダゾリン化合物であってもよいし、又は、アクリロニトリルイソシアネートメラミンアクリレート等で第二級アミノ基をマスク化して潜在性を持たせたイミダゾール化合物等であってもよい。

0041

イミダゾール化合物及びその誘導体の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−1−メチルイミダゾール、1,2−ジエチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−エチル−2−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−エチル−4'−メチルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジン等のイミダゾール化合物;2−メチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン等のイミダゾリン化合物;前記イミダゾール化合物(好ましくは1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート)とトリメリト酸との付加反応物;前記イミダゾール化合物とイソシアヌル酸との付加反応物;前記イミダゾール化合物(好ましくは2−エチル−4−メチルイミダゾール)とジイソシアネート化合物(好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネート)との付加反応物;前記イミダゾール化合物と臭化水素酸との付加反応物などが挙げられる。イミダゾール化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、硬化促進剤としては、2−エチル−4−メチルイミダゾール、イミダゾール化合物とジイソシアネート化合物との付加反応物が好ましく、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールとヘキサメチレンジイソシアネートとの付加反応物がより好ましい。

0042

樹脂組成物が硬化促進剤を含有する場合、その含有量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.05〜20質量部、より好ましくは0.05〜10質量部、さらに好ましくは0.1〜4質量部である。

0043

(無機充填材)
無機充填材により、熱膨張率の低減及び塗膜強度を向上させることができる。また、不透過性及び耐摩耗性を向上させることもできる。他にも、樹脂組成物の増量を目的として含有させることもある。
無機充填材としては、シリカ酸化アルミニウムジルコニアムライトマグネシア等の酸化物水酸化アルミニウム水酸化マグネシウムハイドロタルサイト等の水酸化物窒化アルミニウム窒化珪素窒化ホウ素等の窒化系セラミックスタルクモンモリロナイトサポナイト等の天然鉱物などが挙げられ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく使用される。これらの中でも、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウムが好ましく、シリカ、水酸化アルミニウムがより好ましい。

0044

前記シリカとしては、湿式法で製造され含水率の高い沈降シリカと、乾式法で製造され結合水等をほとんど含まない乾式法シリカが挙げられる。乾式法シリカとしては、さらに、製造法の違いにより、破砕シリカフュームドシリカ溶融シリカ溶融球状シリカ)が挙げられる。
無機充填材は、耐湿性を向上させるためにシランカップリング剤等の表面処理剤表面処理されていてもよく、分散性を向上させるために疎水性化処理されていてもよい。

0045

無機充填材は、目的に応じて適宜選択できる。微細配線を形成し易くする観点から、無機充填材の比表面積は、好ましくは1〜50m2/g、より好ましくは1〜30m2/g、さらに好ましくは1〜15m2/gである。無機充填材の比表面積は、当業者が通常行う測定方法で求めることができ、例えば、BET法により測定することができる。BET法は、粉体粒子表面に、吸着占有面積の分かった分子を液体窒素の温度で吸着させ、その量から試料の比表面積を求める方法である。比表面積分析で、最もよく利用されているのが、窒素等の不活性気体によるBET法である。

0046

無機充填材の平均一次粒子径は、好ましくは0.1〜50μm、より好ましくは0.1〜30μm、さらに好ましくは0.1〜10μmである。ここで、「平均一次粒子径」とは、凝集した粒子平均径、つまり二次粒子径ではなく、凝集していない単体での平均粒子径を指す。当該一次平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計で測定して求めることができる。また、該平均一次粒子径は、粒子の全体積を100%として粒子径による累積度数分布曲線を求めたとき、体積50%に相当する点の粒子径である。

0047

樹脂組成物が無機充填材を含有する場合、その含有量としては、樹脂組成物の全成分中(但し、有機溶剤を除く。)、1〜65質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましく、25〜50質量%がさらに好ましい。65質量%以下であれば、樹脂組成物の粘度を低く抑えられ、作業性が良好となる。
なお、無機充填材は、樹脂成分と比べて比重が小さい物から大きい物まで幅広く存在するため、前記含有量(質量%)は、比重を加味した「体積%」へ換算して表してもよい。つまり、無機充填材の含有量は、添加目的によっても異なるが、0.1〜65体積%が好ましいと言える。着色及び不透過目的では0.1体積%以上であれば十分効果を発揮できる傾向にある。一方、増量目的で添加するときは、65体積%以下に抑えることによって、樹脂成分配合時の粘度が高くなり過ぎず、作業性が低下するのを抑制し易い傾向にある。同様の観点から、無機充填材の含有量は、より好ましくは10〜60体積%、さらに好ましくは25〜50体積%である。

0048

(有機溶剤)
取り扱いを容易にする観点から、樹脂組成物へ有機溶剤を含有させてもよい。本明細書では、有機溶剤を含有する樹脂組成物を樹脂ワニスと称することがある。但し、特性上の問題が無ければ、各成分を粉末状にして混合する粉体混合を採用してもよいし、懸濁化等による水溶液化を採用してもよし、硬化反応が著しく進行しない温度及び樹脂成分が液状化する温度において各成分を直接混合する方法を採用してもよい。
前記有機溶剤としては、特に制限されないが、メタノールエタノールプロパノールブタノール、メチルセロソルブブチルセロソルブプロピレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテルジプロピレングリコールモノメチルエーテルジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンブタノンシクロヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン等のケトン系溶剤酢酸エチル酢酸ブチルプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤トルエンキシレンメシチレン等の芳香族系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の窒素原子含有溶剤ジメチルスルホキシド等の硫黄原子含有溶剤などが挙げられる。これらの中でも、溶解性及び塗布後の外観の観点から、ケトン系溶剤が好ましく、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンがより好ましく、メチルエチルケトンがさらに好ましい。
有機溶剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0049

有機溶剤の含有量は、塗布容易性の観点から、例えば、樹脂組成物の不揮発分固形分とも称する。)が好ましくは20〜85質量%、より好ましくは40〜80質量%となるように有機溶剤の使用量を調節する。

0050

(樹脂組成物の調製方法
樹脂組成物(樹脂ワニス)の調製方法に特に制限はなく、従来公知の調製方法を採用できる。
例えば、前記有機溶剤中に、前記各成分を加えた後、各種混合機を用いて混合及び攪拌することにより調製することができる。混合機としては、超音波分散方式、高圧衝突分散方式高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、自転公転式分散方式等の混合機が挙げられる。

0051

(プリプレグの製造方法)
プリプレグの製造方法に特に制限はなく、公知のプリプレグの製造方法を採用することができる。例えば、樹脂組成物を繊維基材に含浸又は塗布した後、加熱等により半硬化(Bステージ化)させることにより製造することができる。
半硬化(Bステージ化)させる際の加熱温度は、溶剤除去の工程と同時に行うため、有機溶剤の除去効率が良好である有機溶剤の沸点以上の温度が好ましく、具体的には、好ましくは80〜200℃、より好ましくは140〜180℃である。なお、本発明においては、半硬化(Bステージ化)させて得られたプリプレグをさらに硬化(Cステージ化)させたものを、プリプレグの硬化物と称する。

0052

また、プリプレグの別の製造方法としては、例えば、樹脂組成物を離型フィルムに塗布した後、加熱等により半硬化(Bステージ化)させて樹脂組成物をフィルム状に形成し、該樹脂フィルムを繊維基材にラミネートする方法が挙げられる。前記式(2)を満たし易いという観点から、当該方法の方が好ましい。
樹脂組成物の塗布は、ダイコーターコンマコーターバーコーターキスコーターロールコーター等の公知の塗工機を用いることができる。これらの塗工機は、所望する樹脂フィルムの厚さによって適宜選択すればよい。
ラミネートの方法としては、ロールラミネート真空ラミネート法等により減圧下で繊維機材にラミネートする方法などが挙げられる。ロールラミネートの加圧ロール条件は、例えば、加熱温度が50〜150℃、圧力が0.1〜1.0MPa/m、ラミネート速度が0.5〜4m/分である。真空ラミネーターの条件は、例えば、加熱温度が50〜150℃、真空時間が5〜40秒、加圧時間が10〜120秒、圧力が0.1〜0.5MPaの範囲である。

0053

離型フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレンポリビニルフルオレート、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)等の有機フィルム;銅、アルミニウム、及びこれら金属の合金のフィルムか、これら有機フィルム又は金属フィルムの表面に離型剤離型処理を行ったフィルムなどが挙げられる。これらの離型フィルムは、離型剤によって離型処理されたものであってもよい。

0054

プリプレグの厚さは、内層回路の厚さ等に応じて適宜調整すればよいが、成形性及び作業性の観点から、10〜700μmが好ましく、10〜500μmがより好ましく、20〜250μmがさらに好ましく、30〜170μmが特に好ましく、30〜130μmが最も好ましい。

0055

[半導体パッケージ]
本発明は、前記プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージも提供する。本発明の半導体パッケージは、前記プリント配線板の所定の位置に半導体チップメモリ等の半導体素子を搭載し、封止樹脂等によって半導体素子を封止することによって製造できる。

0056

次に、下記の実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は本発明を制限するものではない。
なお、各例で作製した銅張積層板のプリプレグ部位の厚みの測定方法、各例で用いた樹脂組成物の熱硬化収縮率の測定方法、各例で作製したプリプレグの作業性の評価方法、及び、各例で作製した銅張積層板を用いて回路パターンを形成した後のそり量の測定方法は、以下の通りである。

0057

(1.銅張積層板から銅箔を除いた積層体の厚み)
各例で作製した銅張積層板の銅箔をエッチング除去し、プリプレグ部位を得た。次いで、マイクロメータ(株式会社ミツトヨ製、商品名:高精度デジマチクマクロメータMDH−25M)を用いて、銅張積層板から銅箔を除いた積層体の厚みを測定した。

0058

(2.樹脂組成物の熱硬化収縮率)
各例で作製した樹脂フィルムから樹脂粉取りを行った。なお、粉サイズを揃えるため、#100メッシュのふるいで通過した樹脂粉を使用した。
250mm×150mm×5mmの形状に型加工したテフロン(登録商標)に樹脂粉を入れ、真空雰囲気下、150℃で3分間保持して樹脂粉を溶融し、樹脂板とした。
冷却後、樹脂板に200mm間隔の標準点を形成し、距離(W0)を寸法測定装置(株式会社ミツトヨ製、商品名:非接触画像測定機QVH606)で測定した。その後、各例の加熱処理最高保持温度に調整した乾燥機中で各例の保持時間分熱処理を行った。室温まで冷却後、標準点間の距離(W1)を測定し、標準点間の距離の変化量を下記計算式から求め、これを熱硬化収縮率とした。
変化量(%)={(W1−W0)/W0}×100

0059

(3.プリプレグの作業性)
各例で使用するプリプレグの作業性について、プリプレグのハンドリング時の粉落ち性によって評価した。
具体的には、清浄シートの上で、各例で使用したプリプレグを1枚、シート上に置き、持ち上げてから表裏を置き換えるという作業を3回繰り返して行い、清浄なシートの上に脱落した樹脂を計量して、プリプレグの作業性の指標とした。粉落ち量が少ないほど、プリプレグの作業性に優れていることを示す。

0060

(4.そり量)
まず、金属張積層板から500mm角試験片切り出した。前記金属箔の一方に対して、サブトラクティブ法によって、金属箔の表面積の70%を占めるように直径5mmの水玉模様の回路パターン1を形成し、前記金属箔の他方に対して、金属箔の表面積の50%を占めるように直径5mmの水玉模様の回路パターン2を形成することによって、試験基板を作製した。回路パターン1の金属量と、回路パターン2の金属量との差は、20体積%である。
この試験基板を用いて、IPC−TM−650のセクション2.4.22.1Cに記載の測定方法に従って最大垂直変位量を測定し、これをそり量とした。

0061

さらに、繊維基材の一方の面上に存在する樹脂組成物の硬化後の平均厚みa1、繊維基材の他方の面上に存在する樹脂組成物の硬化後の平均厚みa2及び繊維基材の平均厚みBについて、下記測定方法に従って測定し、{(a1+a2)/2}/Bと、a1/a2を求め、表1に示した。
(a1、a2及びBの測定方法)
プリプレグを乾燥機中に吊り下げ、乾燥機の温度を20℃から160℃まで5℃/時で昇温し、160℃で30分保持したサンプルを、JIS B 7524(2008年)[リーフ形状:A型]に従って測定した厚みが0.01mmのシクネステープ(東京シクネス株式会社製)と揃えて容器に入れた。
次いで、注型用樹脂の材料として、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂「jER(登録商標)815」(三菱ケミカル株式会社製)100質量部とトリメチルテトラミン(和光純薬工業株式会社製)10質量部を撹拌してから上記容器へ注ぎ込んだ。真空度700mmHg(93.3kPa)で3分間真空脱気した後、40℃で60分、そして60℃で90分硬化させた。硬化後、容器から硬化物を取り出し、切断及び機械研磨を実施して断面を露出させた。該断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、繊維基材の一方の面上に存在する樹脂組成物の厚み、繊維基材の他方の面上に存在する樹脂組成物の厚み、及び繊維基材の厚みを測定した。
測定は明らかな傷、打痕、折れが無い部分10点を測定し、それらの平均値を求めて、それぞれa1(実測値)、a2(実測値)及びB(実測値)を得、下記補正を行って得られるa1(補正値)、a2(補正値)及びB(補正値)を、それぞれ上記式(1)及び(2)中のa1、a2及びBとして利用した。
−補正方法−
前記厚み0.01mmのシクネステープについても走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、上記と同様にして厚みについて10点を測定し、それらの平均値を求める。その測定平均値と0.01mmを用いて、下記式(3)によって補正係数αを求める。求めた補正係数αを、a1(実測値)、a2(実測値)及びB(実測値)それぞれに乗じることによって、a1(補正値)、a2(補正値)及びB(補正値)とした。
α=0.01mm/シクネステープの厚みの測定平均値 (3)
a1(補正値)=a1(実測値)×α
a2(補正値)=a2(実測値)×α
B(補正値)=B(実測値)×α

0062

実施例1
以下に示す手順でプリプレグi及び銅張積層板iを作製した。
(1−1−1.樹脂ワニスAの作製)
下記成分をメチルエチルケトンに溶解し、固形分濃度75質量%の樹脂ワニスAを調製した。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、商品名:jER(登録商標)828、エポキシ当量約190g/eq)20質量部
・クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、商品名:YDCN−704、エポキシ当量210g/eq)50質量部
・クレゾールノボラック樹脂(IDC株式会社製、商品名:KA−1165、水酸基当量119g/eq)120質量部
・硬化促進剤(四国化成株式会社製、商品名:キュアゾール(登録商標)2E4MZ)6質量部

0063

(1−1−2.樹脂フィルムAの作製)
上記で得られた樹脂ワニスAを、580mm幅PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:G2)に、塗布幅525mmで、乾燥後の厚みが30μmになるように塗布した。
次いで、有機溶剤の除去及び樹脂の熱硬化を行うため、140℃の熱風式乾燥機にて加熱硬化を行いIPC−TM−650のNo.2.3.18の試験方法で測定したゲルタイムが130±10秒になるように硬化度を調整し、樹脂フィルムA(厚み30μm)を得た。

0064

(1−2−1.樹脂ワニスBの作製)
下記成分をメチルエチルケトンに溶解し、固形分濃度75質量%の樹脂ワニスBを調製した。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、商品名:jER(登録商標)828、エポキシ当量約190g/eq)20質量部
・クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、商品名:YDCN−704、エポキシ当量210g/eq)50質量部
・フェノールノボラック樹脂(IDC株式会社製、商品名:TD−2090、水酸基当量105g/eq)130質量部
・硬化促進剤(四国化成株式会社製、商品名:キュアゾール(登録商標)2E4MZ)6質量部

0065

(1−2−2.樹脂フィルムBの作製)
前記樹脂フィルムAの作製において、樹脂ワニスAの代わりに樹脂ワニスBを用いたこと以外は同様に操作を行い、樹脂フィルムB(厚み30μm)を得た。

0066

(1−3.プリプレグiの作製)
ガラスクロス(日東紡績株式会社製、坪量:105g/m2、クロス厚み:96μm、IPCスタイル:2116)の表裏に前記樹脂フィルムA及びBをそれぞれ配置し、真空ラミネーター(株式会社名機製作所製、商品名:MVLP−500)を用いて、加熱温度100℃、真空引き20秒、加圧時間30秒、圧力0.2MPaのラミネート条件で接着し、両面に異なる樹脂組成物層を有するプリプレグiを作製した。

0067

(1−4.銅張積層板iの作製)
1枚のプリプレグiの両側に銅箔(日本電解株式会社製、商品名:YGP−35)を配置して、真空加圧プレスを用いて、真空雰囲気下、圧力2.5MPa、昇温速度3℃/分、最高保持温度185℃、保持時間90分間、冷却時間30分間の条件で積層を行い、銅張積層板iを作製した。

0068

実施例2
以下に示す手順でプリプレグii及び銅張積層板iiを作製した。
(2−1−1.樹脂ワニスCの作製)
o−トリジン35.8gと、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン469.5gと、m−アミノフェノール35.7g及びジメチルアセトアミド360.0gを容器に入れ、100℃で2時間反応させて、分子中にビフェニル骨格を有したポリイミド化合物含有溶液(固形分濃度:60質量%)を得た。
得られたポリイミド化合物含有溶液50質量部(固形分濃度:60質量%)と下記成分とをメチルエチルケトンに溶解し、固形分濃度65質量%の樹脂ワニスCを調製した。
・フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名:EPICLON(登録商標)N−770、エポキシ当量188g/eq)30質量部
・クレゾールノボラック樹脂(DIC株式会社製、商品名:PHENOLITE(登録商標)KA−1165、水酸基当量119g/eq)20質量部
・水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製、商品名:HP−360)30質量部
・溶融シリカ(株式会社アドマテクス製、平均一次粒子径0.5μm、BET比表面積6.8m2/g)90質量部
イミダゾール誘導体(第一工業製薬株式会社製、商品名:G8009L)0.3質量部

0069

(2−1−2.樹脂フィルムCの作製)
上記樹脂ワニスCを、580mm幅のPETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:G2)に、塗布幅525mmで、乾燥後の厚みが20μmになるように調整して塗布した。
次いで、有機溶剤の除去及び樹脂の熱硬化を行うため、150℃の熱風式乾燥機にて加熱硬化を行いIPC−TM−650のNo.2.3.18の試験方法で測定したゲルタイムが150±10秒になるように硬化度を調整し、樹脂フィルムC(厚み20μm)を得た。

0070

(2−2−1.樹脂ワニスDの作製)
o−トリジン35.8gと、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン469.5gと、m−アミノフェノール35.7g及びジメチルアセトアミド360.0gを容器に入れ、100℃で2時間反応させて、分子中にビフェニル骨格を有したポリイミド化合物含有溶液(固形分濃度:60質量%)を得た。
得られたポリイミド化合物含有溶液50質量部(固形分濃度:60質量%)と下記成分とをメチルエチルケトンに溶解し、固形分濃度65質量%の樹脂ワニスDを調製した。
・フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名:EPICLON(登録商標)N−770、エポキシ当量188g/eq)30質量部
・クレゾールノボラック樹脂(DIC株式会社製、商品名:PHENOLITE(登録商標)KA−1165、水酸基当量119g/eq)20質量部
・水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製、商品名:HP−360)40質量部
・溶融シリカ(株式会社アドマテックス製、平均一次粒子径0.5μm、BET比表面積6.8m2/g)120質量部
・イミダゾール誘導体(第一工業製薬株式会社製、商品名:G8009L)0.3質量部

0071

(2−2−2.樹脂フィルムDの作製)
前記樹脂フィルムCの作製において、樹脂ワニスCの代わりに樹脂ワニスDを用いたこと以外は同様に操作を行い、樹脂フィルムD(厚み20μm)を得た。

0072

(2−3.プリプレグiiの作製)
ガラスクロス(日東紡績株式会社製、坪量:24g/m2、クロス厚み:24μm、IPCスタイル:1037)の表裏に前記樹脂フィルムC及びDをそれぞれ配置し、ロールラミネートした。ロールラミネートの加圧ロール条件は、ロール温度100℃、線圧0.2MPa、速度2.0m/分とした。
このとき、熱硬化性樹脂のガラスクロスと向き合う面をハロゲンヒータウシ電機株式会社製、商品名:UH−USF−CL−700)で加熱し、加圧ロールから30mm手前で表面温度が120℃になるように調整した。また、ガラスクロス自体もハロゲンヒータで加熱し、加圧ロールから30mm手前で表面温度が135℃になるように調整して接着し、両面に熱硬化収縮率の異なる樹脂組成物層を有するプリプレグiiを作製した。

0073

(2−4.銅張積層板iiの作製)
1枚のプリプレグiiの両側に銅箔(古河電工株式会社製、商品名:GTS−12)を配置し、真空加圧プレスを用いて、真空雰囲気下、圧力3MPa、昇温速度4℃/分、最高保持温度240℃、保持時間90分間、冷却時間30分間の条件で積層を行い、銅張積層板iiを作製した。

0074

実施例3
(樹脂フィルムC’の作製)
実施例2において、樹脂ワニスCを、乾燥後の厚みが30μmになるように調整したこと以外は同様に操作を行い、樹脂フィルムC’(厚み30μm)を得た。
(プリプレグiiiの作製)
実施例2におけるプリプレグiiの作製において、樹脂フィルムCの代わりに樹脂フィルムC’を用いたこと以外は同様にして操作を行い、プリプレグiiiを作製した。
(銅張積層板iiiの作製)
次いで、実施例2における銅張積層板iiの作製において、プリプレグiiの代わりにプリプレグiiiを用いたこと以外は同様にして操作を行い、銅張積層板iiiを作製した。

0075

比較例1
(プリプレグivの作製)
実施例1におけるプリプレグiの作製において、樹脂フィルムBを用いず、樹脂フィルムAをガラスクロスの両面に配置したこと以外は同様にして操作を行い、プリプレグivを作製した。
(銅張積層板ivの作製)
次いで、実施例1における銅張積層板iの作製において、プリプレグiの代わりにプリプレグivを用いたこと以外は同様にして操作を行い、銅張積層板ivを作製した。

0076

比較例2
(プリプレグvの作製)
実施例2におけるプリプレグiiの作製において、樹脂フィルムDを用いず、樹脂フィルムCをガラスクロスの両面に配置したこと以外は同様にして操作を行い、プリプレグvを作製した。
(銅張積層板vの作製)
次いで、実施例2における銅張積層板iiの作製において、プリプレグiiの代わりにプリプレグvを用いたこと以外は同様にして操作を行い、銅張積層板vを作製した。

0077

参考例1
(プリプレグviiの作製)
まず、実施例1におけるプリプレグiの作製において、樹脂フィルムAを用いず、樹脂フィルムBをガラスクロスの両面に配置したこと以外は同様にして操作を行い、プリプレグviを作製した。
こうして得られたプリプレグviと、比較例1で作製したプリプレグiiiとを1枚ずつ重ね合わせることにより、プリプレグviiを作製した。
(銅張積層板viiの作製)
次いで、実施例1における銅張積層板iの作製において、プリプレグiの代わりにプリプレグviiを用いたこと以外は同様にして操作を行い、銅張積層板viiを作製した。

0078

各例で作製した銅張積層板のプリプレグの厚み、各例で用いた樹脂組成物の熱硬化収縮率、各例で作製したプリプレグの作業性、及び、各例で作製した銅張積層板を用いて回路パターンを形成した後のそり量について、前記測定方法に従って測定した結果を表1に示す。

実施例

0079

表1より、実施例1では、比較例1と比べて、回路パターン形成後のそりが大幅に小さくなっている。また、実施例2及び3でも、比較例2と比べて、回路パターン形成後のそりが大幅に小さくなっている。このように、従来は、常識的にプリプレグの表裏の樹脂組成物を全く同じ構成にしていたが、想定する回路パターンの形成に応じて、プリプレグの表裏の樹脂組成物の熱硬化収縮率を変えることによって、回路パターン形成後のそりを大幅に低減できることがわかった。
また、実施例2は、実施例3と比べて、より一層、そりが低減しており、且つ粉落ち量が大幅に少なく、ハンドリング性が良い。このことは、プリプレグが前記式(1)及び(2)の両方を満たすプリプレグであるとき、そりがより一層低減され易く、ハンドリング性が良いことを示している。
なお、参考例1が示す様に、そりを低減するためには、通常はプリプレグを2枚以上重ねるなどして厚みを大きくする必要があるが、薄型化の観点からは好ましくない。

0080

a1繊維基材の一方の面上に存在する樹脂組成物の硬化後の平均厚み
a2 繊維基材の他方の面上に存在する樹脂組成物の硬化後の平均厚み
B 繊維基材の平均厚み

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