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技術 T細胞集団の改変方法

出願人 国立大学法人大阪大学神戸天然物化学株式会社
発明者 杉山治夫藤木文博閨正博河野晋哉
出願日 2017年11月8日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-550232
公開日 2019年10月3日 (5ヶ月経過) 公開番号 WO2018-088439
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 波形面積 三塩化チタン溶液 メモリー型 シリコナイズ ピコリンボラン 免疫力増強 存在確認 スラリー洗浄
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年10月3日)のものです。
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図面 (6)

課題・解決手段

本発明は、式(I)で示される化合物、それを含むレチノイド代謝経路阻害剤メモリー細胞の割合を増大させるための剤、癌または感染症の予防および/または治療剤、癌の免疫療法補助剤免疫力増強剤、ならびに式(I)の化合物を用いるメモリーT細胞の割合が増大したT細胞集団作成方法を提供する。

概要

背景

免疫療法とは、一般に、患者の免疫系を種々の方法によって活性化すること、あるいは患者の体外で活性化された免疫細胞を患者の体内に導入すること等により、疾患を治療する方法をいう。免疫療法としては、免疫細胞療法ペプチドワクチン療法、サイトカイン療法、抗体療法等、様々な方法がこれまでに開発されている。

近年、癌遺伝子産物WT1由来部分ペプチド(WT1ペプチド)を用いて免疫細胞(特に抗原提示細胞やT細胞)を刺激することにより、腫瘍特異的細胞傷害性T細胞(CTL)の誘導ヘルパーT細胞の活性化を達成し得ることが見出され(特許文献1〜4および非特許文献1)、WT1ペプチドワクチンによる癌免疫療法として実用化に向けた研究が進められている。

しかし、上記WT1ペプチドワクチンのように臨床試験において有効性が示されている免疫療法は数少ない。また、免疫療法は患者における免疫の状態(免疫抑制、免疫細胞の分化ステージおよび活性)によっては効果が十分に得られない場合もあり、免疫療法の効果を高める方法の開発が望まれている。

本発明者らは、レチノイド代謝経路またはレチノイン酸シグナル伝達系を調節することにより、T細胞集団におけるメモリーT細胞の割合を増大させ、対象における免疫応答を増強し得ることを見出している(特許文献5)。

概要

本発明は、式(I)で示される化合物、それを含むレチノイド代謝経路の阻害剤、メモリーT細胞の割合を増大させるための剤、癌または感染症の予防および/または治療剤、癌の免疫療法の補助剤免疫力増強剤、ならびに式(I)の化合物を用いるメモリーT細胞の割合が増大したT細胞集団の作成方法を提供する。

目的

また、免疫療法は患者における免疫の状態(免疫抑制、免疫細胞の分化ステージおよび活性)によっては効果が十分に得られない場合もあり、免疫療法の効果を高める方法の開発が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

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請求項1

式(I):[式中、Aは5員環または6員環、------は一重結合または二重結合、mは0〜2の整数、nは0〜2の整数、R1はC1−6アルキル基置換されていてもよい−NH2、−OH、=O、=NOH、−NHC(O)−R13、−NHC(O)NH−R14、または−OC(O)−R15、R2は−C1−6アルキル基、C1−6アルキル基で置換されていてもよい−C2−6アルケニル基、C1−6アルキル基で置換されていてもよい−C(O)OH、C1−6アルキル基で置換されていてもよい−NHC(O)OH、またはC1−6アルキル基で置換されていてもよい−C(O)NH2、R3は−H、=O、または−C1−6アルキル基、R4は非存在、−H、または−C1−6アルキル基、R5はOHで置換されていてもよい−C1−6アルキル基、またはC1−6アルキル基で置換されていてもよい−C(O)OH、R6は−H、または−C1−6アルキル基、R7は−H、または−C1−6アルキル基、R8は−H、または−C1−6アルキル基、R9は−H、または−C1−6アルキル基、R10は−H、または−C1−6アルキル基、R11は−H、または−C1−6アルキル基、R12は−H、または−C1−6アルキル基R13はC1−6アルキル基、C1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基、カルボキシ基で置換されていてもよいC2−6アルケニル基、またはモルホリノ基、R14はC1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基、C1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、またはC1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基および/またはフェニル基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、R15はC1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいピロリジノ基、C1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいピペリジノ基、またはC1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基である]で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物。

請求項2

環Aが6員環、------が一重結合または二重結合mが2nが2R1がメチル基で置換されていてもよい−NH2、−OH、=O、=NOH、−NHC(O)−R13、−NHC(O)NH−R14、または−OC(O)−R15、R2が−メチル基、−C(−メチル基)=CH2、メチル基で置換されていてもよい−C(O)OH、メチル基で置換されていてもよい−NHC(O)OH、または−C(O)NH2、R3が=O、R4が非存在、R5が−メチル基、R6が−メチル基、R7が−メチル基、R8が−H、R9が−H、R10が−メチル基、R11が−メチル基、R12が−H、R13がメチル基、メチル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基、カルボキシ基で置換されていてもよいエチレン基、またはモルホリノ基R14がメチル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基、エチル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいメチル基、またはメチル基で置換されていてもよいカルボキシ基およびフェニル基で置換されていてもよいエチル基、R15がメチル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいピロリジノ基、メチル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいピペリジノ基、またはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基である請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物。

請求項3

(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート(化合物番号1(RDHI−012))、(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-メチル 10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート(化合物番号2(RDHI−013))、2-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イルカルバモイル)安息香酸(化合物番号3(RDHI−014))、2-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aR,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,12a,14b-オクタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イルカルバモイル)安息香酸(化合物番号4(RDHI−015))、(Z)-4-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イルアミノ)-4-オキソブト-2-エノイックアシッド(化合物番号5(RDHI016))、(Z)-4-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aR,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イルアミノ)-4-オキソブト-2-エノイックアシッド(化合物番号6(RDHI017))、1-(3S,4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イル2-メチルピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(化合物番号7(RDHI−021))、1-(3S,4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イル 2-メチルピペリジン-1,2-ジカルボキシラート(化合物番号8(RDHI−022))、(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル 10-(3-(2-(メトキシカルボニル)フェニル)ウレイド)-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート(化合物番号9(RDHI−023))、(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル 10-(3-(2-エトキシ-2-オキソエチル)ウレイド)-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート(化合物番号10(RDHI−024))、(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル 10-(3-((S)-1-メトキシ-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)ウレイド)-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート(化合物番号11(RDHI−025))、2-(3-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イル)ウレイド)安息香酸化合物番号12(RDHI−026))、2-(3-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イル)ウレイド)酢酸(化合物番号13(RDHI−027))、(2S)-2-(3-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イル)ウレイド)-3-フェニルプロパン酸(化合物番号14(RDHI−028))、2-(((3S,4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニルアミノ)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イルオキシ)カルボニル)安息香酸(化合物番号15(RDHI−031))、(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド(化合物番号16(RDHI−032))、(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-アセトアミド-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド(化合物番号17(RDHI−033))、および(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-ベンズアミド-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド(化合物番号18(RDHI−034))からなる群より選択される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物。

請求項4

(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート(化合物番号1(RDHI−012))、(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-メチル 10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート(化合物番号2(RDHI−013))、(Z)-4-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イルアミノ)-4-オキソブト-2-エノイックアシッド(化合物番号5(RDHI−016))、(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル 10-(3-(2-(メトキシカルボニル)フェニル)ウレイド)-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート(化合物番号9(RDHI−023))、(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル 10-(3-(2-エトキシ-2-オキソエチル)ウレイド)-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート(化合物番号10(RDHI−024))、(2S)-2-(3-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イル)ウレイド)-3-フェニルプロパン酸(化合物番号14(RDHI−028))、(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド(化合物番号16(RDHI−032))、(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-アセトアミド-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド(化合物番号17(RDHI−033))、および(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-ベンズアミド-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド(化合物番号18(RDHI−034))からなる群より選択される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を含む、レチノイド代謝経路阻害剤

請求項6

請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を含む、メモリー細胞の割合を増大させるための剤。

請求項7

請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を含む、癌または感染症の予防および/または治療剤

請求項8

請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を含む、癌の免疫療法補助剤

請求項9

請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を含む、免疫力増強剤

請求項10

請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物をT細胞集団に添加することを含む、メモリーT細胞の割合が増大したT細胞集団の作成方法

技術分野

0001

本発明は、免疫細胞、特にT細胞分化を調節し、T細胞の集団改変する方法に関する。詳細には、本発明は、T細胞の集団中のメモリーT細胞の割合を増大させる化合物、およびそれを用いるT細胞の集団中のメモリーT細胞の割合を増大させる方法等に関する。

背景技術

0002

免疫療法とは、一般に、患者の免疫系を種々の方法によって活性化すること、あるいは患者の体外で活性化された免疫細胞を患者の体内に導入すること等により、疾患を治療する方法をいう。免疫療法としては、免疫細胞療法ペプチドワクチン療法、サイトカイン療法、抗体療法等、様々な方法がこれまでに開発されている。

0003

近年、癌遺伝子産物WT1由来部分ペプチド(WT1ペプチド)を用いて免疫細胞(特に抗原提示細胞やT細胞)を刺激することにより、腫瘍特異的細胞傷害性T細胞(CTL)の誘導ヘルパーT細胞の活性化を達成し得ることが見出され(特許文献1〜4および非特許文献1)、WT1ペプチドワクチンによる癌免疫療法として実用化に向けた研究が進められている。

0004

しかし、上記WT1ペプチドワクチンのように臨床試験において有効性が示されている免疫療法は数少ない。また、免疫療法は患者における免疫の状態(免疫抑制、免疫細胞の分化ステージおよび活性)によっては効果が十分に得られない場合もあり、免疫療法の効果を高める方法の開発が望まれている。

0005

本発明者らは、レチノイド代謝経路またはレチノイン酸シグナル伝達系を調節することにより、T細胞集団におけるメモリーT細胞の割合を増大させ、対象における免疫応答を増強し得ることを見出している(特許文献5)。

0006

国際公開2003/106682号公報
国際公開2005/095598号公報
国際公開2007/097358号公報
国際公開2012/046730号公報
国際公開2016/104486号公報

先行技術

0007

Oka Y et al., Immunogenetics. 2000 Feb;51(2):99-107

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、レチノイド代謝経路またはレチノイン酸シグナル伝達系を調節することにより、T細胞集団におけるメモリーT細胞の割合を増大させ、対象における免疫応答を増強し得る化合物を検索することを目的とした。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、レチノイド代謝経路またはレチノイン酸シグナル伝達系を調節することにより、T細胞集団におけるメモリーT細胞の割合を増大させ、対象における免疫応答を増強し得る化合物を検索したところ、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物が、レチノイド代謝経路を阻害することにより、T細胞集団におけるメモリーT細胞の割合を増大させ、対象における免疫応答を増強し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。

0010

すなわち、本発明は下記のものを提供する:
(1)式(I):



[式中、Aは5員環または6員環、
------は一重結合または二重結合
mは0〜2の整数
nは0〜2の整数、
R1はC1−6アルキル基置換されていてもよい−NH2、−OH、=O、=NOH、−NHC(O)−R13、−NHC(O)NH−R14、または−OC(O)−R15、
R2は−C1−6アルキル基、C1−6アルキル基で置換されていてもよい−C1−6アルケニル基、C1−6アルキル基で置換されていてもよい−C(O)OH、C1−6アルキル基で置換されていてもよい−NHC(O)OH、またはC1−6アルキル基で置換されていてもよい−C(O)NH2、
R3は−H、=O、または−C1−6アルキル基、
R4は非存在、−H、または−C1−6アルキル基、
R5はOHで置換されていてもよい−C1−6アルキル基、またはC1−6アルキル基で置換されていてもよい−C(O)OH、
R6は−H、または−C1−6アルキル基、
R7は−H、または−C1−6アルキル基、
R8は−H、または−C1−6アルキル基、
R9は−H、または−C1−6アルキル基、
R10は−H、または−C1−6アルキル基、
R11は−H、または−C1−6アルキル基、
R12は−H、または−C1−6アルキル基
R13はC1−6アルキル基、C1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基、カルボキシ基で置換されていてもよいC2−6アルケニル基、またはモルホリノ基、
R14はC1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基、C1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、またはC1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基および/またはフェニル基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
R15はC1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいピロリジノ基、C1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいピペリジノ基、またはC1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基である]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物。
(2)環Aが6員環、
------が一重結合または二重結合、
mが2、
nが2、
R1がメチル基で置換されていてもよい−NH2、−OH、=O、=NOH、−NHC(O)−R13、−NHC(O)NH−R14、または−OC(O)−R15、
R2が−メチル基、−C(−メチル基)=CH2、メチル基で置換されていてもよい−C(O)OH、メチル基で置換されていてもよい−NHC(O)OH、または−C(O)NH2、
R3が=O、
R4が非存在、
R5が−メチル基、
R6が−メチル基、
R7が−メチル基、
R8が−H、
R9が−H、
R10が−メチル基、
R11が−メチル基、
R12が−H、
R13がメチル基、メチル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基、カルボキシ基で置換されていてもよいエチレン基、またはモルホリノ基
R14がメチル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基、エチル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいメチル基、またはメチル基で置換されていてもよいカルボキシ基およびフェニル基で置換されていてもよいエチル基、
R15がメチル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいピロリジノ基、メチル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいピペリジノ基、またはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基
である(1)記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物。
(3)化合物番号1(RDHI012):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート
化合物番号2(RDHI013):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-メチル 10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート、
化合物番号3(RDHI014):2-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イルカルバモイル)安息香酸
化合物番号4(RDHI015):2-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aR,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,12a,14b-オクタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イルカルバモイル)安息香酸、
化合物番号5(RDHI016):(Z)-4-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イルアミノ)-4-オキソブト-2-エノイックアシッド
化合物番号6(RDHI017):(Z)-4-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aR,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イルアミノ)-4-オキソブト-2-エノイックアシッド、
化合物番号7(RDHI021):1-(3S,4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イル2-メチルピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
化合物番号8(RDHI022):1-(3S,4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イル 2-メチルピペリジン-1,2-ジカルボキシラート、
化合物番号9(RDHI023):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル 10-(3-(2-(メトキシカルボニル)フェニル)ウレイド)-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート、
化合物番号10(RDHI024):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル 10-(3-(2-エトキシ-2-オキソエチル)ウレイド)-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート、
化合物番号11(RDHI025):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル 10-(3-((S)-1-メトキシ-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)ウレイド)-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート、
化合物番号12(RDHI026):2-(3-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イル)ウレイド)安息香酸、
化合物番号13(RDHI027):2-(3-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イル)ウレイド)酢酸
化合物番号14(RDHI028):(2S)-2-(3-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イル)ウレイド)-3-フェニルプロパン酸
化合物番号15(RDHI031):2-(((3S,4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニルアミノ)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イルオキシ)カルボニル)安息香酸、
化合物番号16(RDHI032):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド
化合物番号17(RDHI033):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-アセトアミド-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド、および
化合物番号18(RDHI034):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-ベンズアミド-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド
からなる群より選択される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物。
(4)化合物番号1(RDHI−012):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル 10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート、
化合物番号2(RDHI−013):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-メチル 10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート、
化合物番号5(RDHI−016):(Z)-4-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イルアミノ)-4-オキソブト-2-エノイックアシッド、
化合物番号9(RDHI−023):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル 10-(3-(2-(メトキシカルボニル)フェニル)ウレイド)-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート、
化合物番号10(RDHI−024):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル 10-(3-(2-エトキシ-2-オキソエチル)ウレイド)-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート、
化合物番号14(RDHI−028):(2S)-2-(3-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イル)ウレイド)-3-フェニルプロパン酸、
化合物番号16(RDHI−032):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド、
化合物番号17(RDHI−033):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-アセトアミド-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド、
化合物番号18(RDHI−034):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-ベンズアミド-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド
からなる群より選択される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を含む、レチノイド代謝経路の阻害剤
(6)(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を含む、メモリーT細胞の割合を増大させるための剤。
(7)(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を含む、癌または感染症の予防および/または治療剤
(8)(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を含む、癌の免疫療法の補助剤
(9)(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を含む、免疫力増強剤
(10)(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物をT細胞集団に添加することを含む、メモリーT細胞の割合が増大したT細胞集団の作成方法
さらに本発明は以下のものを提供する。
(11)レチノイド代謝経路の阻害剤の製造における(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物の使用。
(12)メモリーT細胞の割合を増大させるための剤の製造における(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物の使用。
(13)癌または感染症の予防および/または治療剤の製造における(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物の使用。
(14)癌の免疫療法の補助剤の製造における(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物の使用。
(15)免疫力増強剤の製造における(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物の使用。
さらに本発明は以下のものを提供する。
(16)レチノイド代謝経路を阻害するための(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物の使用。
(17)メモリーT細胞の割合を増大させるための(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物の使用。
(18)癌または感染症の予防および/または治療のための(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物の使用。
(19)癌の免疫療法を補助するための(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物の使用。
(20)免疫力増強のための(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物の使用。
さらに本発明は以下のものを提供する。
(21)レチノイド代謝経路を阻害することを必要とする対象におけるレチノイド代謝経路の阻害方法であって、(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を該対象に投与することを含む方法。
(22)メモリーT細胞の割合を増大させることを必要とする対象におけるメモリーT細胞の割合の増大方法であって、(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を該対象に投与することを含む方法。
(23)癌または感染症の予防および/または治療を必要とする対象における癌または感染症の予防および/または治療方法であって、(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を該対象に投与することを含む方法。
(24)癌の免疫療法の補助を必要とする対象における癌の免疫療法の補助方法であって、(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を該対象に投与することを含む方法。
(25)免疫力増強を必要とする対象にける免疫力増強方法であって、(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を該対象に投与することを含む方法。
さらに本発明は以下のものを提供する。
(26)レチノイド代謝経路の阻害用キットであって、(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を含むキット。
(27)メモリーT細胞の割合を増大させるためのキットであって、(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を含むキット。
(28)癌または感染症の予防および/または治療のためのキットであって、(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を含むキット。
(29)癌の免疫療法のためのキットであって、(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を含むキット。
(30)免疫力を増強させるためのキットあって、(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を含むキット。

発明の効果

0011

本発明において見出された化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物は、T細胞集団におけるメモリーT細胞の割合の増大を介して、対象における抗原に対する免疫応答を増強し得る。したがって、本発明のメモリーT細胞割合増大方法、癌/感染症の予防/治療剤、癌免疫療法補助剤、免疫力増強剤、T細胞集団作成方法および該方法により作成されるT細胞集団等は、癌および感染症を含む種々の疾患の予防/治療のために用いることができる。また、これらを癌および感染症を含む種々の疾患に対する免疫療法と組み合わせることにより、該免疫療法の効果を高めることができる。

図面の簡単な説明

0012

図1は、本発明の化合物によるRDH10酵素活性阻害効果を示すグラフである。化合物は出願人における整理番号(RDHI−No.)で示す。
図2は、本発明の化合物によりメモリーT細胞の増幅と、エフェクターT細胞の減少を示すグラフである。化合物は出願人における整理番号(RDHI−No.)で示す。
図3は、本発明の化合物のインビボでの効果を調べる実験の手順を示すスキームである。
図4は、本発明の化合物によるインビボでの腫瘍増殖抑制効果を経時的に示すグラフである。化合物は出願人における整理番号(RDHI−No.)で示す。
図5は、本発明の化合物によるインビボでのCD45.1+OT−1細胞(OVA特異的CD8+細胞)の増幅を示すフローサイトメトリーの結果を示す図である。化合物は出願人における整理番号(RDHI−No.)で示す。
図6は、図5に示すOT‐I細胞におけるCD62LおよびCD127の発現強度をフローサイトメトリーで解析した結果を示すグラフである。化合物は出願人における整理番号(RDHI−No.)で示す。

0013

T細胞は、未分化な状態のナイーブT細胞から、様々な機能をもったT細胞のサブセットへと分化する。分化したT細胞のうち、免疫応答において大きな役割を果たすものがCD4陽性T細胞(ヘルパーT細胞)およびCD8陽性T細胞(キラーT細胞)である。CD4陽性T細胞およびCD8陽性T細胞のいずれも、分化の段階によってメモリー細胞セントラルメモリー細胞およびエフェクターメモリー細胞)およびエフェクター細胞(エフェクター細胞およびターミナルエフェクター細胞)に分類することができる。なお、本明細書において、CD抗原発現の陽性を「+」、陰性を「−」の記号で表す。例えば、CD4陽性T細胞は、CD4+T細胞と表す。

0014

これらのT細胞サブセットは、細胞が発現する表面抗原、産生するサイトカインやインターフェロン等を同定することにより決定できる。例えば、CD4+T細胞およびCD8+T細胞は、表面抗原CD127およびCD62Lの発現によって、セントラルメモリー細胞(CD127+、CD62L+)、エフェクターメモリー細胞(CD127+、CD62L−)、エフェクター細胞(CD127−、CD62L+)またはターミナルエフェクター細胞(CD127−、CD62L−)のいずれかに分類することができる。刺激されたT細胞は、セントラルメモリー細胞、エフェクターメモリー細胞、エフェクター細胞、ターミナルエフェクター細胞の順に分化する。これらの細胞のうち、セントラルメモリー細胞は最も高い増殖能を有し、最もIL−2産生量が多い。ターミナルエフェクター細胞に向かって分化が進むにつれてIL−2産生量が減少し、IFN−γ産生量が増加し、かつ、アポトーシスを起こしやすくなる。メモリーT細胞の特徴として、アポトーシスを起こしにくいこと、および強い増殖能を有することが挙げられる。したがって、本発明の方法によるT細胞集団におけるメモリーT細胞の割合の増大は、より強い免疫の達成に寄与する。

0015

本発明において、メモリーT細胞の割合の増大は、レチノイド代謝経路を阻害する化合物を用いて行われる。詳細には、レチノイド代謝経路を阻害することにより、T細胞集団におけるメモリーT細胞、特にセントラルメモリーT細胞の割合を増大させるものである。本明細書において、レチノイド代謝経路の阻害とは、レチノールβ-カロテン等のビタミンA(レチノイド)またはプロビタミンA(レチノイド前駆体)からレチノイン酸が生成される代謝経路中のいずれかの反応を阻害することをいう。本発明の一つの態様において、レチノイド代謝経路の阻害物質は、レチノールをレチナールへ変換する反応、レチナールをレチノイン酸へ変換する反応、β-カロテンをレチナールへ変換する反応、β-カロテンをβ-アポカロテナールへ変換する反応、およびβ-アポカロテナールをレチナールおよびレチノイン酸へ変換する反応のいずれか1つ以上を阻害するものである。

0016

レチノイド代謝経路の阻害物質は、レチノイド代謝経路中のいずれかの反応を触媒する酵素(以下、「レチノイド代謝酵素」とも称する)、例えば、レチノールデヒドロゲナーゼ、レチナールオキシダーゼレチナールデヒドロゲナーゼ、β−カロテン−15,15’−モノオキシゲナーゼ1(BCMO1)、β−カロテンオキシゲナーゼ2(BCO2)等の発現または作用を阻害するものである。一つの好ましい態様において、レチノイド代謝経路の阻害物質はレチノールデヒドロゲナーゼの阻害物質であり、より好ましくは配列番号1のアミノ酸配列からなるレチノールデヒドロゲナーゼ10(該酵素をコードするDNAの配列を配列番号2として示す)またはそのホモログの阻害物質である。ここで、レチノールデヒドロゲナーゼ10のホモログとは、配列番号1のアミノ酸配列と80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質、あるいは配列番号1のアミノ酸配列において1個または数個、例えば1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質をいう。

0017

本発明において、レチノイド代謝経路の阻害物質は、以下に示す式(I)で示される化合物ならびにその医薬上許容される塩および溶媒和物である。式(I)で示される化合物ならびにその医薬上許容される塩および溶媒和物を、レチノイド代謝酵素に結合する抗体またはその抗原結合性断片(例えばFab、F(ab’)2等)またはScFvなど、あるいはレチノイド代謝酵素をコードする遺伝子の発現を抑制する分子(例えばsiRNA、shRNA、miRNA、stRNAおよびアンチセンスRNA等)、あるいはレチノイン酸シグナル伝達系阻害剤などと併用してもよい。

0018

本発明において、メモリーT細胞の割合の増大は、レチノイド代謝経路を阻害する化合物をT細胞集団に添加することによって行われる。そのような添加は、インビトロで行われるものであってもよく、インビボで行われるものであってもよい。インビトロにおける添加の例としては、T細胞集団を培養している培地へ該調節剤を添加することが挙げられる。インビボにおける添加の例としては、対象の体内へ該調節剤を注入することが挙げられる。

0019

本発明におけるレチノイド代謝経路の阻害物質は、レチノールデヒドロゲナーゼの作用を阻害する化合物であり、好ましくはレチノールデヒドロゲナーゼ10(配列番号1)の作用を阻害する化合物(以下、「RDH10阻害剤」とも称する)である。一つの態様において、RDH10阻害剤は、以下の式(I)で表される構造を有する化合物レチノールデヒドロゲナーゼの作用を阻害する化合物であり、好ましくはレチノールデヒドロゲナーゼ10(配列番号1)の作用を阻害する化合物(以下、「RDH10阻害剤」とも称する)である。RDH10阻害剤は、以下の式(I)で表される構造を有する化合物またはその塩であってもよい。

0020

したがって、本発明は、1の態様において、式(I)



[式中、Aは5員環または6員環、------は一重結合または二重結合、mは0〜2の整数、nは0〜2の整数、R1はC1−6アルキル基で置換されていてもよい−NH2、−OH、=O、=NOH、−NHC(O)−R13、−NHC(O)NH−R14、または−OC(O)−R15、R2は−C1−6アルキル基、C1−6アルキル基で置換されていてもよい−C2−6アルケニル基、C1−6アルキル基で置換されていてもよい−C(O)OH、C1−6アルキル基で置換されていてもよい−NHC(O)OH、またはC1−6アルキル基で置換されていてもよい−C(O)NH2、R3は−H、=O、または−C1−6アルキル基、R4は非存在、−H、または−C1−6アルキル基、R5はOHで置換されていてもよい−C1−6アルキル基、またはC1−6アルキル基で置換されていてもよい−C(O)OH、R6は−H、または−C1−6アルキル基、R7は−H、または−C1−6アルキル基、R8は−H、または−C1−6アルキル基、R9は−H、または−C1−6アルキル基、R10は−H、または−C1−6アルキル基、R11は−H、または−C1−6アルキル基、R12は−H、または−C1−6アルキル基、R13はC1−6アルキル基、C1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基、カルボキシ基で置換されていてもよいC2−6アルケニル基、またはモルホリノ基、R14はC1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基、C1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、またはC1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基および/またはフェニル基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、R15はC1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいピロリジノ基、C1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいピペリジノ基、またはC1−6アルキル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基である]で示される化合物ならびにその医薬上許容される塩および溶媒和物を提供する。

0021

式(I)で示される化合物のなかでも、環Aが6員環、------が一重結合または二重結合、mが2、nが2、R1がメチル基で置換されていてもよい−NH2、−OH、=O、=NOH、−NHC(O)−R13、−NHC(O)NH−R14、または−OC(O)−R15、R2が−メチル基、−C(−メチル基)=CH2、メチル基で置換されていてもよい−C(O)OH、メチル基で置換されていてもよい−NHC(O)OH、または−C(O)NH2、R3が=O、R4が非存在、R5が−メチル基、R6が−メチル基、R7が−メチル基、R8が−H、R9が−H、R10が−メチル基、R11が−メチル基、R12が−H、R13がメチル基、メチル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基、カルボキシ基で置換されていてもよいエチレン基、またはモルホリノ基、R14がメチル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基、エチル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいメチル基、またはメチル基で置換されていてもよいカルボキシ基およびフェニル基で置換されていてもよいエチル基、R15がメチル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいピロリジノ基、メチル基で置換されていてもよいカルボキシ基で置換されていてもよいピペリジノ基、またはカルボキシ基で置換されていてもよいフェニル基であるものが好ましい。

0022

式(I)の化合物は、特に断らない限り、構造異性体立体異性体を問わず、すべての種類の異性体を包含する。式(I)で示される化合物ならびにその医薬上許容される塩および溶媒和物は、レチノイド代謝経路を阻害することによって、T細胞集団におけるメモリーT細胞の割合を増加させることができる。

0023

式(I)で示される化合物は、公知の方法にて合成することができる。例えば、18α−または18β−グリチルレチン酸出発材料として、公知の方法にて本発明の化合物を合成することができる。

0024

本発明の化合物の塩も本発明に包含される。当該塩は、本発明によって提供される式(I)で示される化合物を用いて、常法にしたがって製造することができる。

0025

具体的には、上記式(I)の化合物が、アミノ基、ピリジル基等の塩基性基を有している場合には、当該化合物を酸で処理することにより、酸付加塩に変換することができる。

0027

また、本発明の化合物が、例えばカルボキシル基等の酸性基を有している場合には、当該化合物を塩基で処理することにより、塩基付加塩に変換することができる。

0028

そような塩基付加塩としては、例えばナトリウムカリウム等のアルカリ金属塩カルシウムマグネシウム等のアルカリ土類金属塩アンモニウム塩グアニジントリエチルアミンジシクロヘキシルアミン等の有機塩基による塩が挙げられるが、これらに限定されない。

0029

さらに本発明の化合物は、遊離化合物またはその塩の任意の溶媒和物として存在してもよい。そのような本発明の化合物の溶媒和物の例としては水和物が挙げられるが、これに限定されない。

0030

本明細書において、「本発明の化合物」という場合には、特に断らないかぎり、式(I)の化合物、ならびにそれらの塩および溶媒和物を包含するものとする。

0031

本発明の化合物は可能性のある異性体として存在してもよい。例えば、幾何(シスまたはトランス)異性体、光学異性体エナンチオマーアンチポード)、ラセミ体として存在してもよく、それらの混合物として存在してよい。前記の可能性のある異性体またはそれらの混合物は、本発明の範囲内である。

0032

本明細書において、「C1−6アルキル基」とは、炭素数1個、2個、3個、4個、5個または6個の直鎖または分岐を有するアルキル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基イソプロピル基ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基イソアミル基ネオペンチル基、イソペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基等が挙げられるが、これらに限定されない。

0033

明細書中のその他の用語は、当該分野において通常使用されている意味を有するものとする。

0034

本発明の式(I)で示される好ましい化合物の具体例としては、表1に示される化合物ならびにその医薬上許容される塩および溶媒和物が挙げられるが、これらに限定されない。表2は、表1の化合物のIUPAC名を示す。

0035

0036

表1に挙げた化合物のなかで、より好ましいRDH10酵素活性阻害剤としては、
化合物番号1(RDHI012):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート、
化合物番号2(RDHI013):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-メチル 10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート、
化合物番号3(RDHI014):2-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イルカルバモイル)安息香酸、
化合物番号4(RDHI015):2-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aR,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,12a,14b-オクタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イルカルバモイル)安息香酸、
化合物番号5(RDHI016):(Z)-4-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イルアミノ)-4-オキソブト-2-エノイックアシッド、
化合物番号6(RDHI017):(Z)-4-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aR,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イルアミノ)-4-オキソブト-2-エノイックアシッド、
化合物番号7(RDHI021):1-(3S,4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イル2-メチルピロリジン-1,2-ジカルボキシラート、
化合物番号8(RDHI022):1-(3S,4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イル 2-メチルピペリジン-1,2-ジカルボキシラート、
化合物番号9(RDHI023):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル 10-(3-(2-(メトキシカルボニル)フェニル)ウレイド)-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート、
化合物番号10(RDHI024):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル 10-(3-(2-エトキシ-2-オキソエチル)ウレイド)-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート、
化合物番号11(RDHI025):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル 10-(3-((S)-1-メトキシ-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)ウレイド)-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート、
化合物番号12(RDHI026):2-(3-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イル)ウレイド)安息香酸、
化合物番号13(RDHI027):2-(3-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イル)ウレイド)酢酸、
化合物番号14(RDHI028):(2S)-2-(3-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イル)ウレイド)-3-フェニルプロパン酸、
化合物番号15(RDHI031):2-(((3S,4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニルアミノ)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イルオキシ)カルボニル)安息香酸、
化合物番号16(RDHI032):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド、
化合物番号17(RDHI033):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-アセトアミド-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド、および
化合物番号18(RDHI034):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-ベンズアミド-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド
からなる群より選択される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは水和物が挙げられる。

0037

表1に挙げた化合物のなかで、さらに好ましいRDH10酵素活性阻害剤としては、
化合物番号−1(RDHI−012):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート、
化合物番号2(RDHI−013):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-メチル 10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート、
化合物番号5(RDHI−016):(Z)-4-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イルアミノ)-4-オキソブト-2-エノイックアシッド、
化合物番号9(RDHI−023):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル 10-(3-(2-(メトキシカルボニル)フェニル)ウレイド)-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート、
化合物番号10(RDHI−024):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル 10-(3-(2-エトキシ-2-オキソエチル)ウレイド)-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート、
化合物番号14(RDHI−028):(2S)-2-(3-((4aR,6aR,6bS,8aS,11S,12aS,14aR,14bS)-11-(メトキシカルボニル)-4,4,6a,6b,8a,11,14b-ヘプタメチル-14-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,14,14a,14b-イコサヒドロピセン-3-イル)ウレイド)-3-フェニルプロパン酸、
化合物番号16(RDHI−032):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド、
化合物番号17(RDHI−033):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-アセトアミド-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド、
化合物番号18(RDHI−034):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-ベンズアミド-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド
およびその医薬上許容される塩および溶媒和物が挙げられる。

0038

表1に挙げた化合物のなかで、さらにより好ましいRDH10酵素活性阻害剤としては、
化合物番号1(RDHI−012):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bS)-メチル10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート、
化合物番号2(RDHI−013):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-メチル 10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシラート、
化合物番号16(RDHI−032):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-アミノ-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド、
化合物番号17(RDHI−033):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-アセトアミド-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド、
化合物番号18(RDHI−034):(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,12aS,12bR,14bR)-10-ベンズアミド-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボキシアミド
およびその医薬上許容される塩および溶媒和物が挙げられる。

0039

癌および/または感染症の予防および/または治療剤
本発明の癌および/または感染症の予防および/または治療剤は、レチノイド代謝経路の阻害物質を有効成分として含むものである。レチノイド代謝経路の阻害により、T細胞集団におけるメモリーT細胞の割合が増大する。一つの好ましい態様において、本発明の癌および/または感染症の予防および/または治療剤は、免疫療法、特に癌抗原ペプチドを用いる免疫療法による癌の治療効果を増大させるものである。癌免疫療法に用いる癌抗原ペプチドとしては、これらに限定されないが、各種のWT1ペプチド、例えばヒトWT1332(配列番号:3、国際公開2012/046730号等に記載)、MAGE−A4278−299(配列番号4)、サバイビン97−111(配列番号5)、ならびにそれらと同等の活性を有する変異ペプチド等が挙げられる。

0040

また、レチノイド代謝経路の阻害は、メモリーT細胞の割合の増大のみならず、T細胞の数自体の増加をももたらす。したがって、レチノイド代謝経路またはレチノイン酸シグナル伝達系の調節剤は、感染症の予防(例えばワクチン)および治療(例えば免疫療法)における補助剤としても有効である。

0041

本発明の癌/感染症の予防/治療剤の適用対象となる癌は、特に限定されず、癌腫肉腫造血器腫瘍等を含む。一つの好ましい態様において、該剤の適用対象は、WT1遺伝子を発現する各種の癌ないし腫瘍、例えば、白血病骨髄異形成症候群多発性骨髄腫悪性リンパ腫などの造血器腫瘍、ならびに胃癌大腸癌肺癌乳癌胚細胞癌、肝癌皮膚癌膀胱癌前立腺癌子宮癌子宮頸癌卵巣癌脳腫瘍などの固形癌ないし固形腫瘍である。

0042

本発明の癌/感染症の予防/治療剤の適用対象となる感染症は、特に限定されない。これは、レチノイド代謝経路の阻害物質により、T細胞数の増加とメモリーT細胞割合の増大を介して、感染症の種類を問わず強い免疫がもたらされるためである。一つの態様において、該剤の適用対象は、細菌、ウイルス原生動物等による感染症であり得る。

0043

免疫力増強剤
上述の通り、レチノイド代謝経路の阻害物質は、メモリーT細胞の割合の増大およびT細胞の数自体の増加をもたらす。したがって、レチノイド代謝経路の阻害物質は、非特異的に対象の免疫力を向上させる免疫力増強剤の有効成分として用いることができる。

0044

上で説明した本発明の癌および/または感染症の予防および/または治療剤、癌免疫療法補助剤および免疫力増強剤などの剤は、有効成分であるレチノイド代謝経路の阻害物質以外に、例えば、担体賦形剤などを含んでいてもよい。本発明の癌および/または感染症の予防および/または治療剤、癌免疫療法補助剤および免疫力増強剤の投与方法は、疾患の種類、対象の状態、標的部位などの条件に応じて適宜選択することができる。当該方法としては、例えば、皮内投与、皮下投与筋肉内投与静脈内投与経鼻投与経口投与などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の癌および/または感染症の予防および/または治療剤、癌免疫療法補助剤および免疫力増強剤に含まれる上記有効成分の量、これらの剤の剤形投与回数などは、疾患の種類、対象の状態、標的部位などの条件に応じて適宜選択することができる。

0045

T細胞集団の作成方法
本発明のT細胞集団作成方法は、レチノイド代謝経路の阻害物質をT細胞集団へ添加することにより、通常用いられるT細胞の培養法と比較してメモリーT細胞の割合が増大したT細胞集団を得るものである。該方法において、レチノイド代謝経路の阻害物質のT細胞集団への添加は、インビトロまたはインビボで行い得るものであるが、好ましくはインビトロで行われるものである。インビトロにおける添加の例としては、T細胞集団を培養している培地へレチノイド代謝経路の阻害物質を添加することが挙げられる。インビボにおける添加の例としては、対象の体内へレチノイド代謝経路の阻害物質を投与することが挙げられる。

0046

本発明のT細胞集団作成方法によって作成されるT細胞集団は、種々の疾患、好ましくは癌または感染症の予防および/または治療、特に癌または感染症の免疫療法において、該予防および/または治療の効果を増大させるために使用することができる。

0047

治療方法およびキット
本発明の癌および/または感染症の予防および/または治療方法、ならびに癌および/または感染症の予防および/または治療用キットは、レチノイド代謝経路の阻害物質と、癌または感染症の予防および/または治療、特に癌または感染症の免疫療法における他の有効成分とを併用するものである。かかる有効成分としては、例えば、癌抗原、感染症の病原体もしくは該病原体の抗原、これらの抗原もしくは病原体により刺激または活性化された免疫細胞等が挙げられる。

0048

癌抗原とは、癌細胞または腫瘍細胞特異的に発現する表面抗原(いわゆる腫瘍特異抗原)および該抗原の部分ペプチドを意味し、例えば癌遺伝子WT1の産物であるWT1タンパク質、該タンパク質の部分ペプチドであるWT1332等のWT1ペプチドが挙げられる。感染症の病原体としては、細菌、真菌、ウイルス、原生動物等が挙げられる。病原体の抗原としては、細菌、真菌、ウイルス等の表面に発現するタンパク質、糖タンパク質および糖鎖等、ならびに細菌または真菌の細胞壁およびその構成成分(リポ多糖など)が挙げられる。抗原もしくは病原体により刺激または活性化される免疫細胞としては、抗原提示細胞(例えば樹状細胞マクロファージおよびB細胞)、および該抗原提示細胞によって活性化されるT細胞等が挙げられる。

0049

本発明の癌および/または感染症の予防および/または治療剤、癌免疫療法補助剤および免疫力増強剤は、種々の疾患、好ましくは癌または感染症の予防および/または治療、特に癌または感染症の免疫療法における有効成分と併用し得る。かかる有効成分としては、上記した癌抗原、感染症の病原体もしくは該病原体の抗原、これらの抗原もしくは病原体により刺激または活性化された免疫細胞等が挙げられる。

0050

本発明のメモリーT細胞割合増大方法、癌および/または感染症の予防および/または治療剤、癌免疫療法補助剤、免疫力増強剤、癌および/または感染症の予防および/または治療用キット、癌および/または感染症の予防および/または治療方法、感染症予防および/または治療方法および免疫力増強方法を適用し得る対象は、免疫系、特に獲得免疫系を有する動物、即ち脊椎動物であれば特に限定されない。かかる対象としては、例えばヒト、マウスラットイヌネコウサギウマウシヒツジブタヤギサル等が挙げられる。一つの好ましい態様において、かかる対象はヒトである。

0051

本発明の癌および/または感染症の予防および/または治療方法、感染症予防および/または治療方法および免疫力増強方法において、対象に投与するレチノイド代謝経路の阻害物質の有効量、ならびに癌抗原、感染症の病原体もしくは該病原体の抗原、またはこれらの抗原もしくは病原体により刺激または活性化された免疫細胞の有効量は、疾患の種類、対象の状態、標的部位などの条件に応じて、また、当業者に周知の方法(各種の非臨床および/または臨床試験を含む)を用いて、適宜決定することができる。本発明の癌および/または感染症の予防および/または治療方法、感染症予防および/または治療方法および免疫力増強方法において用い得る癌抗原、感染症の病原体もしくは該病原体の抗原、これらの抗原もしくは病原体により刺激または活性化された免疫細胞の例は、上述した通りである。

0052

本発明のレチノイド代謝経路の阻害物質を、レチノイン酸シグナル伝達系の阻害物質(例えば、レチノイン酸受容体アンタゴニスト、レチノイン酸受容体のドミナントネガティブ変異体タンパク質、レチノイン酸受容体をコードする遺伝子の発現を抑制するRNA分子、該RNA分子を生じさせる核酸分子、および該核酸分子を含むベクターなど)などと併用してもよい。

0053

以下に実施例を示して本発明を具体的かつ詳細に説明するが、実施例は本発明を限定するものと解してはならない。

0054

実施例1:化合物番号−1 RDHI−012(α)の合成

18α−グリチルレチン酸メチルエステル2の合成

18α−グリチルレチン酸1(2g)をメタノール(20mL)に溶解し、氷冷下、TMSジアゾメタン(9.56mL)を滴下して室温で20分撹拌した。さらに室温下、TMSジアゾメタン(14.56mL)を滴下し、室温で3時間撹拌後、酢酸を加え、減圧濃縮した。濃縮固体n−ヘキサン酢酸エチル=1/1でスラリー洗浄後、ろ取し、減圧乾燥することにより、化合物2を得た(1.78g)。

化合物3の合成

化合物2(1.78g)をジメチルスルホキシド(27mL)および塩化メチレン(27mL)に溶解し、トリエチルアミン(2.56 mL)、ピリジン三酸化硫黄コンプレックス(1.75g)を加えて、室温で2時間撹拌した。反応液を氷冷し、水を加えて酢酸エチルで抽出後、有機層を水および飽和食塩水洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮して得られた固体をジイソプロピルエーテルでスラリー洗浄し、減圧乾燥することにより、化合物3を得た(1.56g)。

化合物4の合成

化合物3(1.56g)にピリジン(18mL)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(1.01g)を加え、50℃で45分加熱した。放冷後、1M塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を2M塩酸および飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮して得られた固体をジイソプロピルエーテルでスラリー洗浄し、減圧乾燥することにより、化合物4を得た(1.42g)。

化合物番号−1(RDHI−012)(α)の合成

化合物4(1.42g)にメタノール(70mL)、酢酸アンモニウム(3.6g)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.71g)を加え、氷冷下、20%三塩化チタン溶液(7.76mL)を加え、室温で終夜撹拌した。さらに20%三塩化チタン溶液(7.76mL)を加え、室温で終夜撹拌した。反応液に2M水酸化ナトリウム水溶液をpHが約10になるまで加え、クロロホルムを加えてセライトろ過した。ろ液の有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=6/1)で精製し、化合物番号−1(RDHI−012)(α)を得た(1.01g)。
1H-NMR(CDCl3) δ 0.76 (3H, s), 0.81 (3H, s), 0.90 (1H, d, J = 3.6Hz), 0.96 (3H, s), 1.00 (1H, tt, J = 2.4Hz, 13.6Hz), 1.13 - 1.21 (11H, m), 1.30 - 1.56 (9H, m), 1.56 - 1.72 (2H, m), 1.83 (2H, dt, J = 4.4Hz, 14.0Hz), 1.90 (1H, dd, J = 2.8Hz, 4.4Hz), 1.93 (1H, dd, J = 2.8Hz, 4.8Hz), 1.98 - 2.10 (3H, m), 2.33 (1H, d, J = 8.4Hz), 2.36 (1H, s), 2.76 (1H, dt, J = 4.0Hz, 13.6Hz), 3.69 (3H, s), 5.66 (1H, s)
Calcd for C31H49NO3 : 483.37, Found : 484.43, [M+H], (positive-ESI)

0055

実施例2:化合物番号−2 RDHI−013(β)の合成

18β−グリチルレチン酸メチルエステル6の合成

18β−グリチルレチン酸5(5g)をメタノール(40mL)に溶解し、氷冷下、TMSジアゾメタン(10.6mL)を滴下して室温で2時間撹拌した。さらに室温下、TMSジアゾメタン(10.6mL)を滴下し、室温で1時間撹拌後、酢酸を加え、減圧濃縮した。濃縮固体をn−ヘキサン/酢酸エチル=1/1でスラリー洗浄後、ろ取し、減圧乾燥することにより、化合物6を得た(2.3g)。

化合物7の合成

化合物6(0.50g)をジメチルスルホキシド(7.6mL)および塩化メチレン(7.6mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.72mL)、ピリジン−三酸化硫黄コンプレックス(0.49g)を加えて、室温で4時間撹拌した。反応液を氷冷し、水を加えて酢酸エチルで抽出後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮して得られた固体をジイソプロピルエーテルでスラリー洗浄し、減圧乾燥することにより、化合物7を得た(0.40g)。

化合物8の合成

化合物7(0.40g)にピリジン(4.5mL)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(0.26g)を加え、50℃で1時間加熱した。放冷後、2M塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を2M塩酸および飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮して得られた固体をジイソプロピルエーテルでスラリー洗浄し、減圧乾燥することにより、化合物8を得た(0.35g)。

化合物番号−2 RDHI−013(β)の合成

化合物8(0.30g)にメタノール(15mL)、酢酸アンモニウム(0.75g)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.81g)を加え、氷冷下、20%三塩化チタン溶液(1.62mL)を加え、室温で1時間撹拌した。さらに20%三塩化チタン溶液(1.62mL)を加え、室温で終夜撹拌した。反応液に2M水酸化ナトリウム水溶液をpHが約10になるまで加え、クロロホルムを加えてセライトろ過した。ろ液の有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=6/1)で精製し、化合物番号−2 RDHI−013(β)を得た(0.17g)。
1H-NMR(CDCl3) δ 0.76 (3H, s), 0.81 (3H, s), 0.91 (1H, d, J = 6.4Hz), 0.97 (3H, s), 1.00 (1H, tt, J = 2.4Hz, 13.6Hz), 1.13 - 1.24 (11H, m), 1.30 - 1.54 (9H, m), 1.58 - 1.72 (2H, m), 1.83 (2H, dt, J = 4.4Hz, 14.0Hz), 1.90 (1H, dd, J = 2.8Hz, 4.4Hz), 1.94 (1H, dd, J = 2.8Hz, 4.4Hz), 1.98 - 2.03 (2H, m), 2.07 (1H, dd, J = 3.6Hz, 12.0Hz), 2.36 (2H, s), 2.76 (1H, dt, J = 3.6Hz, 13.2Hz), 3.69 (3H, s), 5.66 (1H, s)
Calcd for C31H49NO3 : 483.37, Found : 484.43, [M+H], (positive-ESI)

0056

実施例3:化合物番号−3 RDHI−014(α)の合成

化合物番号−1(RDHI−012)(α)(100mg)にフタル酸無水物(34mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(38mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)を加えて氷冷した。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(44mg)およびジイソプロピルエチルアミン(40mg)を加えて室温で2時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製し、化合物番号−3 RDHI−014(α)を得た(0.90mg)。
1H-NMR(CDCl3) δ 0.82 (3H, s), 0.84 (3H, s), 0.80 - 0.90 (2H, m), 1.03 (3H, s), 0.99 - 1.15 (2H, m), 1.16 (3H, s), 1,16 (3H, s), 1.23 (3H, s), 1.40 (3H, s), 1.10 - 1.50 (8H, m), 1.50 - 1.75 (2H, m), 1.84 (2H, dt, J = 4.4Hz, 13.6Hz), 1.91 - 2.10 (3H, m), 2.43 (1H, s), 2.85 (1H, dt, J = 3.6Hz, 13.6Hz), 3.69 (3H, s), 3.75 (1H, dd, J = 4.4Hz, 12.0Hz), 5.68 (1H, s), 7.69 (1H, dt, J = 1.2Hz, 7.6Hz), 7.77 (1H, dt, J = 1.2Hz, 7.6Hz), 7.95 (2H, ddt, J = 0.8Hz, 7.6Hz, 14.8Hz)
Calcd for C39H53NO6 : 631.39, Found : 632.57, [M+H], (positive-ESI)

0057

実施例4:化合物番号−4 RDHI−015(β)の合成

化合物番号−2(RDHI−013)(β)(100mg)にN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)を加え、フタル酸無水物(34mg)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(87mg)およびジイソプロプエチルアミン(53mg)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1〜1/1)で精製し、化合物
番号−4 RDHI−015(β)を得た(110mg)。
1H-NMR(CDCl3) δ 0.82 (3H, s), 0.84 (3H, s), 0.80 - 0.90 (2H, m), 1.03 (3H, s), 0.99 - 1.15 (2H, m), 1.16 (3H, s), 1,16 (3H, s), 1.23 (3H, s), 1.40 (3H, s), 1.10 - 1.50 (8H, m), 1.50 - 1.75 (2H, m), 1.84 (2H, dt, J = 4.4Hz, 13.6Hz), 1.91 - 2.10 (3H, m), 2.43 (1H, s), 2.85 (1H, dt, J = 3.6Hz, 13.6Hz), 3.69 (3H, s), 3.75 (1H, dd, J = 4.4Hz, 12.0Hz), 5.68 (1H, s), 7.69 (1H, dt, J = 1.2Hz, 7.6Hz), 7.77 (1H, dt, J = 1.2Hz, 7.6Hz), 7.95 (2H, ddt, J = 0.8Hz, 7.6Hz, 14.8Hz)
Calcd for C39H53NO6 : 631.39, Found : 632.57, [M+H], (positive-ESI)

0058

実施例5:化合物番号−5 RDHI−016(α)の合成

化合物番号−1 (RDHI−012)(α)(100mg)にマレイン酸無水物(22mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(38mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)を加えて氷冷した。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(44mg)およびジイソプロピルエチルアミン(40mg)を加えて室温で3時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出後、水および飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1〜メタノール)で精製し、化合物番号−5 RDHI−016(α)を得た(60mg)。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 0.76 (3H, s), 0.80 (3H, s), 0.81 (3H, s), 0.81 - 1.02 (2H, m), 1.06 (3H, m), 1.11 (3H, s), 1.02 - 1.30 (5H, m), 1.38 (3H, s), 1.30 - 1.50 (6H, m), 1.50 - 1.60 (2H, m), 1.73 (2H, d, J = 9.2Hz), 1.60 -1.90 (3H, m), 2.02 (1H, t, J = 13.2Hz), 2.11 (1H, t, J = 9.2Hz), 2.41 (1H, s), 2.52 - 2.70 (1H, m), 3.51 (1H, s), 5.44 (2H, d, J = 2.8Hz), 6.03 (1H, d, J = 13.2Hz)
Calcd for C35H51NO6 : 581.37, Found : 582.47, [M+H], (positive-ESI)

0059

実施例6:化合物番号−6 RDHI−017(β)の合成

化合物番号−2 RDHI−013(β)(100mg)にマレイン酸無水物(22mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(38mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)を加えて氷冷した。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(44mg)およびジイソプロピルエチルアミン(40mg)を加えて室温で4時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出後、水および飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた固体をヘキサン/酢酸エチル=1/1でスラリー洗浄することにより、化合物番号−6 RDHI−017(β)を得た(67mg)。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 0.76 (3H, s), 0.79 (3H, s), 0.82 (3H, s), 0.89 - 0.98 (2H, m), 1.04 (3H, s), 1.07 (3H, s), 1.11 (3H, s), 1.18 (2H, t, J = 6.8Hz), 1.39 (3H, s), 1.32 - 1.50 (6H, m), 1.54 (2H, d, J = 10.4Hz), 1.73 (2H, d, J = 9.6Hz), 1.59 - 1.88 (3H, m), 2.11 (2H, t, J = 10.8Hz), 2.43 (1H, s), 2.65 (1H, m), 3.64 (1H, s), 5.32 (1H, s), 6.23 (1H, d, J = 9.2Hz), 6.47 (1H, d, J = 6.0Hz)
Calcd for C35H51NO6 : 581.37, Found : 582.47, [M+H], (positive-ESI)

0060

実施例7:化合物番号−7 RDHI−021(α)の合成

化合物2(40mg)にテトラヒドロフラン(2mL)、トリホスゲン(98mg)および活性炭(3.2mg)を加え、終夜撹拌した。反応液を濾過して活性炭を除き、ろ液を減圧濃縮した。濃縮物にN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)、L−プロリンメチルエステル塩酸塩(16mg)およびトリエチルアミン(25mg)を加えて室温で4.5時間撹拌した。反応液に5%クエン酸水を加え、酢酸エチルで抽出後、水および飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1〜1/1)およびODSカラムによるHPLC分取(水[0.05%TFA]/アセトニトリル[0.05%TFA]=90/10〜1/99)で精製することにより、化合物番号−7 RDHI−021(α)を得た(22mg)。
Calcd for C38H57NO7 : 639.41, Found : 640.51, [M+H], (positive-ESI)

0061

実施例8:化合物番号−8 RDHI−022(α)の合成

化合物2(40mg)にテトラヒドロフラン(2mL)、トリホスゲン(98mg)および活性炭(3.2mg)を加え、終夜撹拌した。反応液を濾過して活性炭を除き、ろ液を減圧濃縮した。濃縮物にN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)、ピペリジン−2−カルボン酸メチル(14mg)およびトリエチルアミン(17μL)を加えて室温で3.5時間撹拌した。反応液に5%クエン酸水を加え、酢酸エチルで抽出後、水および飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた固体をODSカラムによるHPLC分取(水/アセトニトリル=90/10〜1/99)で精製することにより、化合物番号−8 RDHI−022(α)を得た(21mg)。
Calcd for C39H59NO7 : 653.43, Found : 654.56, [M+H], (positive-ESI)

0062

実施例9:化合物番号−9 RDHI−023(α)の合成

化合物番号−1(RDHI−012)(α)(50mg)にテトラヒドロフラン(1mL)および2−イソシアナト安息香酸メチル(18mg)を加えて室温で終夜撹拌した。反応液に水(1mL)を加え、減圧濃縮し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製して化合物番号−9 RDHI−023(α)を得た(15mg)。
Calcd for C40H56N2O6 : 660.41, Found : 661.74, [M+H], (positive-ESI)

0063

実施例10:化合物番号−10 RDHI−024(α)の合成

化合物番号−1(RDHI−012)(α)(50mg)にテトラヒドロフラン(1mL)およびイソシアナト酢酸エチル(13mg)を加えて室温で終夜撹拌した。反応液に水(1mL)を加え、減圧濃縮し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1〜1/1)で精製して化合物番号−10 RDHI−024(α)を得た(17mg)。
Calcd for C36H56N2O6 : 612.41, Found : 613.64, [M+H], (positive-ESI)

0064

実施例11:化合物番号−11 RDHI−025(α)の合成

化合物番号−1(RDHI−012)(α)(50mg)にテトラヒドロフラン(1mL)および(S)−2−イソシアナト−3−フェニルプロピオン酸メチル(21mg)を加えて室温で終夜撹拌した。反応液に水(1mL)を加え、減圧濃縮し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1〜0/1)で精製して化合物番号−11 RDHI−025(α)を得た(28mg)。
Calcd for C42H60N2O6 : 688.45, Found : 689.82, [M+H], (positive-ESI)

0065

実施例12:化合物番号−12 RDHI−026(α)の合成

化合物番号−9 RDHI−023(α)(46mg)にメタノール(1mL)および5M水酸化ナトリウム水溶液(56μL)を加えて40℃で終夜撹拌した。さらに5M水酸化ナトリウム水溶液(56μL)を加えて40℃で終夜撹拌した。反応液に3M塩酸を加えて減圧濃縮し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製して化合物番号−12 RDHI−026(α)を得た(43mg)。
Calcd for C39H54N2O6 : 646.40, Found : 647.69, [M+H], (positive-ESI)

0066

実施例13:化合物番号−13 RDHI−027(α)の合成

化合物番号−10 RDHI−024(α)(42mg)にメタノール(3mL)および5M水酸化ナトリウム水溶液(111μL)を加えて40℃で終夜撹拌した。反応液に3M塩酸を加えて減圧濃縮し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/2〜0/1)で精製して化合物番号−13 RDHI−027(α)を得た(12mg)。
Calcd for C34H52N2O6 : 584.38, Found : 585.62, [M+H], (positive-ESI)

0067

実施例14:化合物番号−14 RDHI−028(α)の合成

化合物番号−11 RDHI−025(α)(62mg)にメタノール(3mL)および5M水酸化ナトリウム水溶液(146μL)を加えて40℃で終夜撹拌した。反応液に3M塩酸および水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/2〜0/1)で精製して化合物番号−14 RDHI−028(α)を得た(64mg)。
Calcd for C41H58N2O6 : 674.43, Found : 675.71, [M+H], (positive-ESI)

0068

実施例15:化合物番号−15 RDHI−031(α)の合成

化合物10の合成

18α−グリチルレチン酸1(100mg)にトルエン(2.5mL)、トリエチルアミン(33mg)およびジフェニルリン酸アジド(88mg)を加えて105℃で20分撹拌した。反応液にメタノールを加えて室温で終夜撹拌し、反応液を減圧濃縮した。濃縮物に水を加えて酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた固体をヘキサンでスラリー洗浄することにより化合物10を得た(96mg)。

化合物番号−15 RDHI−031(α)の合成

化合物10(90mg)にテトラヒドロフラン(7mL)、フタル酸無水物(35mg)およびN,N−ジメチル4−アミノピリジン(3mg)を加えて室温で終夜撹拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製した。さらに水およびエタノールでスラリー洗浄し、化合物番号−15 RDHI−031(α)を得た(93mg)。
Calcd for C39H53NO7 : 647.38, Found : 648.55, [M+H], (positive-ESI)

0069

実施例16:化合物番号−16 RDHI−032 (β) の合成

化合物 11の合成

18β−グリチルレチン酸5(1.50g)をN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、HOBt・H2O(537.4mg)を加え、氷冷下、EDC・HCl(672.9mg)を加え、室温で1時間撹拌した。さらに室温下、7Mアンモニア/メタノール(6.8mL)を加え、室温で終夜撹拌した。水および酢酸エチルにてスラリー洗浄後、ろ取し、減圧乾燥することにより、化合物11を得た(1.61g)。

化合物12の合成

化合物11(1.50g)をジメチルスルホキシド(23mL)に溶解し、トリエチルアミン(2.2mL)、ピリジン−三酸化硫黄コンプレックス(1.52g)を加えて、室温で3時間半撹拌し、その後、30℃で4日撹拌した。水および酢酸エチルにてスラリー洗浄後、ろ取し、減圧乾燥することにより、化合物12を得た(1.39g)。

化合物13の合成

化合物12(1.39g)にピリジン(15mL)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(0.93g)を加え、50℃で1時間加熱した。放冷後、1M塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧乾燥することにより、化合物13を得た(0.76g)。

化合物番号−16 RDHI−032(β)の合成

上記工程(3)で得られた化合物c(0.76g)にメタノール(40mL)、酢酸アンモニウム(1.98g)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(394.6mg)を加え、氷冷下、20%三塩化チタン溶液(4.12g)を加え、室温で4時間撹拌した。さらに20%三塩化チタン溶液(4.12g)を加え、室温で終夜撹拌した。反応液に2M水酸化ナトリウム水溶液をpHが約10になるまで加え、クロロホルムを加えてセライトろ過した。ろ液の有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮することにより、化合物番号−16 RDHI−032(β)を得た(0.42g)。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 0.66 (3H, s), 0.70 (2H, d, J = 12.4Hz), 0.74 (3H, s), 0.90 (3H, s), 1.03 - 1.12 (11H, m), 1.23 - 1.42 (9H, m), 1.56 (5H, m), 1.75 -1.87 (2H, m), 1.98 (2H, m), 2.20 (1H, dd, J = 4.4Hz, 10.0Hz), 2.33 (1H, s), 2.58 (1H, d, J = 12.4Hz), 5.47 (1H, s), 6.77 (1H, s), 7.13 (1H, s), 8.32 (1H, s)
Calcd for C30H48N2O2 : 468.37, Found : 469.24, [M+H], (positive-ESI)

0070

実施例17:化合物番号−17 RDHI−033(β)の合成

化合物番号−16 RDHI−032(β)(100mg)にN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)、酢酸(13.2μL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(38.3mg)を加え、氷冷下、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(44.1mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(55.7μL)を加え、室温で終夜撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧乾燥することにより、得られた固体を逆相分取で精製し、化合物番号−17 RDHI−033(β)を得た(66.2mg)。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 0.74 (6H, s), 0.77 (2H, s), 0.87 (3H, s), 0.93 - 1.15 (11H, m), 1.29 - 1.43 (9H, m), 1.55 (2H, m), 1.75 (2H, s), 1.82 (3H, s), 1.87 (3H, s), 2.08 (2H, s), 2.41 (1H, s), 2.62 (1H, d, J = 13.2Hz), 3.49 (1H x 5/7, d, J = 8.0Hz), 3.63 (1H x 2/7, d, J = 3.6Hz), 5.48 (1H, m), 6.77 (1H, s), 7.13 (1H, s), 7.41 (1H x 5/7, d, J = 8.4Hz), 7.65 (1H x2/7, d, J = 9.6Hz)
Calcd for C32H50N2O3 : 510.38, Found : 511.65, [M+H], (positive-ESI)

0071

実施例18:化合物番号−18 RDHI−034(β)の合成

化合物番号−16 RDHI−032(β)(100mg)にN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)、安息香酸(28.1mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(38.3mg)を加え、氷冷下、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(44.1mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(55.7μL)を加え、室温で1時間半撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧乾燥することにより、得られたオイルを逆相分取で精製し、化合物番号−18 RDHI−034(β)を得た(55.5mg)。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 0.75 (3H, s), 0.84 (5H, s), 0.95 (3H, s), 1.04 - 1.18 (11H, m), 1.30 - 1.39 (9H, m), 1.59 (2H, m), 1.71 - 1.88 (5H, m), 2.10 (2H, d, J = 8.8Hz), 2.43 (1H, s), 2.68 (1H, d, J = 9.2Hz), 3.81 (1H, t, J = 8.8Hz), 5.50 (1H, s), 6.78 (1H, s), 7.14 (1H, s), 7.45 -7.51 (5H x 1/2, m), 7.81 - 7.89 (5H x 1/2, m)
Calcd for C37H52N2O3 : 572.40, Found : 573.64, [M+H], (positive-ESI)

0072

実施例19:化合物番号−19 RDHI−035(α)の合成

18α−グリチルレチン酸1より化合物番号−16 RDHI−032(β)と同様の方法により化合物番号−19 RDHI−035(α)を合成した(25.1mg)。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 0.66 (3H, s), 0.70 (2H, d, J = 12.4Hz), 0.74 (3H, s), 0.90 (3H, s), 1.03 - 1.12 (11H, m), 1.23 - 1.42 (9H, m), 1.56 (5H, m), 1.75 -1.87 (2H, m), 1.98 (2H, m), 2.20 (1H, dd, J = 4.4Hz, 10.0Hz), 2.33 (1H, s), 2.58 (1H, d, J = 12.4Hz), 5.47 (1H, s), 6.77 (1H, s), 7.13 (1H, s)
Calcd for C30H48N2O2 : 468.37, Found : 469.49, [M+H], (positive-ESI)

0073

実施例20:化合物番号−20 RDHI−039(α)の合成

化合物番号−1 (RDHI−012)(α)(75mg)にジオキサン(1.5mL)、水(0.75mL)および濃塩酸(0.75mL)を加えて密閉し、95℃で終夜撹拌した。反応液を濃縮し、アセトニトリルでスラリー洗浄して化合物番号−20 RDHI−039(α)を得た(46mg)。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 0.65 (3H, s), 0.72 (1H, s), 0.77 (1H, s), 0.78 (3H, s), 0.85 - 0.92 (3H, m), 1.01 (3H, s), 1.05 (3H, s), 1.10 (3H, s), 1.16 (3H, s), 1.22 - 1.47 (5H, m), 1.34 (3H, s), 1.50 - 1.56 (2H, m), 1.61 - 1.69 (2H, m), 1.75 - 1.79 (1H, m), 1.89 - 1.91 (1H, m), 1.99 - 2.10 (1H, m), 2.27 - 2.33 (2H, m), 2.73 - 2.83 (1H, m), 2.90 - 3.01 (1H, m), 3.08 - 3.17 (1H, m), 5.35 (1H, s), 7.83 (2H, s)
Calcd for C30H47NO3(Free base) : 469.71, Found : 470.45, [M+H], (positive-ESI)

0074

実施例21:化合物番号−21 RDHI−040(β)の合成

化合物番号−2より化合物番号−20 RDHI−039(α)と同様の方法により化合物番号−21 RDHI−040(β)を合成した(54mg)。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 0.65 (3H, s), 0.72 (1H, s), 0.75 - 0.78 (1H, m), 0.78 (3H, s), 1.01 (3H, s), 1.05 (3H, s), 1.10 (3H, s), 1.16 (3H, s), 1.19 - 1.49 (5H, m), 1.35 (3H, s), 1.49 - 1.59 (2H, m), 1.59 - 1.72 (2H, m), 1.73 - 1.84 (1H, m), 1.84 - 1.96 (1H, m), 1.98 - 2.13 (1H, m), 2.25 - 2.37 (2H, m), 2.72 - 2.85 (2H, m), 2.88 - 3.02 (1H, m), 5.35 (1H, s), 7.79 (2H, s), 12.18 (1H, s)
Calcd for C30H47NO3 : 469.71(Free base), Found : 470.45, [M+H], (positive-ESI)

0075

実施例22:化合物番号−22 RDHI−041(α)の合成

化合物番号−1(RDHI−012)(α)(50mg)をジクロロメタン(2.0mL)に溶解し、トリエチルアミン(12.5mg)および4−モルフォリニルカルボニルクロライド(18.5mg)を加えて室温で終夜撹拌した。反応液にクロロホルムを加え、水、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、粗体を得た。粗体をODSカラムによるHPLC分取(水[0.05%TFA]/アセトニトリル[0.05%TFA]=90/10〜1/99)で精製することにより、化合物番号−22 RDHI−041(α)を得た(45mg)。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 0.73 (3H, s), 0.75 (3H, s), 0.77 (3H, s), 0.81 - 0.90 (2H, m), 1.04 (3H, s), 1.05 (3H, s), 1.11 (3H, s), 1.13 - 1.30 (2H, m), 1.30 - 1.59 (6H, m), 1.38 (3H, s), 1.59 - 1.79 (4H, m), 1.83 (1H, d, J = 12.8Hz), 2.00 (1H, t, J = 8.4Hz), 2.10 (1H, dt, J = 4.0Hz, 12.8Hz), 2.40 (1H, s), 2.61 (1H, d, J = 13.2Hz), 3.15 - 3.49 (8H, m), 3.53 (1H, t, J = 5.2Hz), 3.64 (3H, s), 5.43 (1H, s), 5.83 (1H, d, J = 9.2Hz)
Calcd for C36H56N2O5 : 596.85, Found : 597.63, [M+H], (positive-ESI)

0076

実施例23:化合物番号−23 RDHI−042(β)の合成

化合物番号−2より化合物番号−22 RDHI−041(α)と同様の方法により化合物番号−23 RDHI−042(β)を合成した(44mg)。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 0.73 (3H, s), 0.75 (3H, s), 0.77 (3H, s), 0.81 - 0.90 (2H, m), 1.04 (3H, s), 1.05 (3H, s), 1.11 (3H, s), 1.13 - 1.30 (2H, m), 1.30 - 1.59 (6H, m), 1.38 (3H, s), 1.59 - 1.79 (4H, m), 1.83 (1H, d, J = 12.8Hz), 2.00 (1H, t, J = 8.0Hz), 2.10 (1H, dt, J = 4.4Hz, 8.8Hz), 2.40 (1H, s), 2.61 (1H, d, J = 13.2Hz), 3.15 - 3.49 (8H, m), 3.53 (1H, t, J = 5.6Hz) , 3.64 (3H, s), 5.43 (1H, s), 5.82 (1H, d, J = 9.2Hz)
Calcd for C36H56N2O5 : 596.85, Found : 597.63, [M+H], (positive-ESI)

0077

実施例24:化合物番号−24 RDHI−043(α)の合成

化合物番号−1(RDHI-012)(α)(75mg)をメタノール(1.5mL)に溶解し、酢酸(0.150mL)、37%ホルムアルデヒド水溶液(0.0302mL)および2−ピコリンボラン(49.7mg)を加えて室温で終夜撹拌した。反応液を濃縮後、飽和重曹水を加え、生じた固体を水および酢酸エチルで洗浄し、化合物番号−24 RDHI−043(α)を得た(58mg)。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 0.75 (3H, s), 0.79 - 1.01 (5H, m), 1.05 (3H, s), 1.08 (3H, s), 1.11 (3H, s), 1.12 - 1.28 (5H, m), 1.29 - 1.60 (6H, m), 1.35 (3H, s), 1.60 -1.90 (5H, m), 1.72 (2H, d, J = 8.8Hz), 2.01 (1H, t, J = 7.2Hz), 2.10 (1H, dt, J = 3.2Hz, 10.0Hz), 2.36 (1H, s), 2.67 (3H, t, J = 2.4Hz), 2.71 - 2.80 (1H, m), 2.83 (3H, d, J = 3.2Hz), 2.95 - 3.05 (1H, m), 3.64 (3H, s), 5.45 (1H, s)
Calcd for C33H53NO3 : 511.79, Found : 512.51, [M+H], (positive-ESI)

0078

実施例25:化合物番号-25 RDHI-044(β)の合成

化合物番号−2 より化合物番号−24 RDHI−043(α)と同様の方法により化合物番号−25 RDHI−044(β)を合成した(37mg)。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 0.75 (3H, s), 0.79 - 1.00 (2H, m), 1.02 (3H, s), 1.04 (3H, s), 1.08 (3H, s), 1.11 (3H, s), 1.12 -1.29 (5H, m), 1.29 - 1.60 (6H, m), 1.35 (3H, s), 1.60 -1.88 (5H, m), 1.72 (2H, d, J = 9.2Hz), 2.01 (1H, t, J = 8.4Hz), 2.05 - 2.15 (1H, m), 2.35 (1H, s), 2.67 (3H, t, J = 2.0Hz), 2.71 - 2.79 (1H, m), 2.79 - 2.92 (3H, m), 2.95 - 3.06 (1H, m), 3.64 (3H, s), 5.44 (1H, s)
Calcd for C33H53NO3 : 511.79, Found : 512.51, [M+H], (positive-ESI)

0079

実施例26:化合物番号-26 RDHI-045(α)の合成

化合物番号-20(RDHI-039)(α)(60mg)にジオキサン(1.0mL)、1M水酸化ナトリウム水溶液(0.18mL)およびフタル酸無水物(19.5mg)を加えて室温で1時間撹拌した。反応液を1M塩酸で約pH3に調整した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、粗体を得た。粗体をODSカラムによるHPLC分取(水[0.05%TFA]/アセトニトリル[0.05%TFA]=90/10〜1/99)で精製することにより、化合物番号-26 RDHI-045(α)を得た(64.4mg)。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 0.61 (3H, s), 0.73 (3H, s), 0.85 - 0.92 (2H, m), 0.90 (3H, s), 1.02 - 1.32 (2H, m), 1.06 (3H, s), 1.12 (3H, s), 1.17 (3H, s), 1.32 - 1.45 (9H, m), 1.49 - 1.61 (3H, m), 1.61 - 1.73 (3H, m), 1.74 - 1.85 (1H, m), 1.85 - 1.97 (1H, m), 2.00 - 2.15 (1H, m), 2.24 - 2.35 (1H, m), 2.38 (1H, s), 3.69 (1H, dt, J = 4.4Hz, 12.0Hz), 5.35 (1H, s), 5.42 (1H, s), 7.35 (1H, d, J = 7.2Hz), 7.48 (1H, dt, J = 1.6Hz, 7.2Hz), 7.56 (1H, dt, J = 2.0Hz, 7.6Hz), 7.76 (1H, dd, J = 2.0Hz, 8.0Hz), 7.89 (1H, d, J = 10.0Hz)
Calcd for C38H51NO6 : 617.83, Found : 618.81, [M+H], (positive-ESI)

0080

実施例27:化合物番号-27 RDHI-046(β)の合成

化合物番号−21(RDHI−040)(β)(40mg)にジオキサン(1.0mL)、1M水酸化ナトリウム水溶液(0.239mL)およびフタル酸無水物(12.9mg)を加えて室温で3時間撹拌した。反応液を1M塩酸で約pH3に調整した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、粗体を得た。粗体をODSカラムによるHPLC分取(水[0.05%TFA]/アセトニトリル[0.05%TFA]=90/10〜1/99)で精製することにより、化合物番号−27 RDHI−046(β)を得た(22mg)。
1H-NMR(DMSO-d6) δ 0.66 (3H, s), 0.76 (3H, s), 0.90 (2H, d, J = 7.2 Hz), 0.93 (3H, s), 1.01 - 1.27 (2H, m), 1.05 (3H, s), 1.12 (3H, s), 1.17 (3H, s), 1.32 - 1.45 (9H, m), 1.45 - 1.60 (3H, m), 1.60 - 1.72 (3H, m), 1.74 - 1.84 (1H, m), 1.88 - 2.01 (1H, m), 2.03 - 2.13 (1H, m), 2.25 - 2.36 (1H, m), 2.38 (1H, s), 3.63 - 3.75 (1H, m), 5.35 (1H, s), 5.39 (1H, s), 7.35 (1H, d, J = 7.6Hz), 7.47 (1H, dt, J = 1.2Hz, 7.6Hz), 7.54 (1H, dt, J = 1.2Hz, 7.6Hz), 7.76 (1H, dd, J = 2.4Hz, 7.6Hz), 7.89 (1H, d, J = 10.0Hz)
Calcd for C38H51NO6 : 617.83, Found : 618.58, [M+H], (positive-ESI)

0081

実施例28:本発明の化合物によるレチノールデヒドロゲナーゼ10(RDH10)酵素活性の阻害
(1)RDH10阻害活性測定方法
(a)ミクロソーム画分におけるRDH10の存在確認
293T細胞株(1×106個)および活性化ヒトCD4+T細胞(1×107個)をPBSでよく洗浄した後、600μlの0.25Mスクロース・0.1Mリン酸Naバッファー(pH7.4)に懸濁させた。細胞懸濁液をホモジナイズし10000g、10分、4℃の条件で遠心した後、上清を100000g、1時間、4℃の条件で遠心することでミクロソーム画分を得た。ミクロソーム画分は20μlの0.1Mリン酸Naバッファー(pH7.4)に懸濁しウェスタンブロットに用いた。
ミクロソーム画分に含まれるRDH10タンパクは、SDS-PAGEで分離した後、PVDFメンブレン転写ブロッキングを行ったのち、一次抗体として抗−RDH10抗体(ab87586)、二次抗体として抗−ウサギIgG−HRP抗体と反応させ、Luminata Forte Western HRP Substrate(ミリポア社製)を用いて検出した。

0082

(b)RDH10酵素活性の測定
反応用バッファー(90mMリン酸カリウムバッファー,pH7.4,40mM KCl)にall−transレチノール、BSAおよび補酵素としてNADニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)をそれぞれ終濃度10μM、10μMおよび1mMになるように加えた。この混合液を200μlずつシリコナイズチューブに取り、293TおよびRDH10発現293Tから分離したミクロソーム画分を10μlずつ別々のチューブに加え、37℃、15分反応させた。反応を停止させるためにメタノールを200μl加えたのち、ヘキサンを用いてレチノイドを抽出・濃縮した。濃縮したレチノイドを150μlのアセトニトリルに溶解後、HPLCを用いて分離、波長350nmの紫外光吸収を検出することで、基質(all−transレチノール)と生成物(all−transレチナール)を検出した。また、予め、標準サンプル(all−transレチノールおよびall−transレチナール)をHPLCで分離し、各標準サンプルの保持時間を決定した。HPLCの溶媒はアセトニトリル:50mM酢酸アンモニウム=75:25。分離カラムはSyhergi 4μm Hydro-RP 80A(Phenomenex社製)を用いた。また、流速は2.0ml/分で行った。一定時間あたりの生成物量をHPLCのチャートから読み取ることによりRDH10酵素活性を算出した。

0083

(c)本発明の化合物によるRDH10酵素活性の阻害
反応用バッファー(90mMリン酸カリウムBuffer,pH7.4,40mM KCl)にall−transレチノール、BSAおよび補酵素としてNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)をそれぞれ終濃度10μM、10μMおよび1mMになるように加えた。この混合液を200μlずつシリコナイズドチューブに取り、RDH10発現293Tから分離したミクロソーム画分を10μlずつ別々のチューブに加えた。それぞれのチューブにDMSOに溶解したRDH10阻害剤を終濃度20μMになるように添加し、また、コントロールのチューブにはDMSOを同量添加した。37℃、15-30分反応させメタノールを200μl加えたのち、ヘキサンを用いてレチノイドを抽出・濃縮した。濃縮したレチノイドを150μlのアセトニトリルに溶解後、HPLCを用いて分離、波長350nmの紫外光吸収を検出することで、基質(all−transレチノール)と生成物(all−transレチナール)を検出した。また、予め、標準サンプル(all−transレチノールおよびall−transレチナール)をHPLCで分離し、各標準サンプルの保持時間を決定した。HPLCの溶媒はアセトニトリル:50mM酢酸アンモニウム=75:25。分離カラムはSyhergi 4μm Hydro-RP 80A(Phenomenex社製)を用いた。流速は2.0ml/分で行った。
酵素活性は、反応していない基質(all−transレチノール)の波形面積に対する生成物(all−transレチナール)の波形面積で求め、コントロールにおける酵素活性に対する相対値図1に示す。エラーバーはSD(標準偏差)を示す。
本発明の化合物はRDH10酵素活性阻害することが確認された。なかでも化合物番号−1(RDHI−012)、2(RDHI−013)、5(RDHI−016)、9(RDHI−023)、10(RDHI−024)、14(RDHI−028)、16(RDHI−032)、17(RDHI−033)、18(RDHI−034)の化合物が比較的強いRDH酵素活性阻害作用を示し、特に化合物番号1(RDHI−012)および2(RDHI−013)の化合物が強力なRDH10酵素活性阻害作用を示した。また、化合物RDHI−041および042についてもRDH10酵素活性阻害作用が見られた。

0084

実施例29:インビトロでの本発明の化合物の効果
健常人由来CD4+CD45RO+T細胞(1×105個)を抗−CD3抗体(2μg/ml)、抗−CD28抗体(2μg/ml)、IL−2(20IU/ml)、およびRDH10阻害剤(化合物番号−16(RDHI−032)、化合物番号17(RDHI−033)および化合物番号−18(RDHI−034))(各20μM)の存在下で培養した。また、RDH10阻害剤のコントロールとしてDMSOを用いた。培養開始から7日後に、細胞を回収し、PBSで洗浄したのち、IL−2を添加していない新鮮培養液に再浮遊させ、さらに1日培養した。その後、フローサイトメトリーを用いて、T細胞におけるCD62LおよびCD127の発現を解析した。培養液は終濃度10% AB serum添加X−VIVO 15を用いた。
結果を図2に示す。RDH10阻害剤(化合物番号−16(RDHI−032)、化合物番号17(RDHI−033)および化合物番号−18(RDHI−034))はいずれもメモリーT細胞(CD62L+CD127+T細胞)を増幅させ、その結果、エフェクターT細胞(CD62L−CD127−T細胞)が減少した。また、化合物RDHI−014、016、017、025、026、035、036、038、039、040、041、042、046についてもメモリー細胞を増幅させる傾向が見られた。

0085

実施例30:インビボでの本発明の化合物の効果
C57BL/6Jマウス(B6マウス)にOVA(ニワトリ卵白アルブミン(ovalbumin))を発現するマウス癌細胞株EG7(2×106個)を皮下に注入し、腫瘍を形成させた。5日後に、腫瘍を形成されたマウスに3Gy放射線照射したのち、CD45.1陽性OT-IトランスジェニックマウスよりOVA抗原に特異的なT細胞受OTCD8+T細胞(OT-1細胞)を分離し、これを2×105個、尾静脈より移入した。翌日から隔日で計3回、RDH10阻害剤(化合物番号−1(RDHI−012)および化合物番号−2(RDHI-013))を各100μg/マウスで尾静脈より投与した。RDH10阻害剤は、予めDMSOで100μg/50μlでストックしておき、そこへPBSを150μl加え、計200μlとしマウスに投与した。これらの手順を図3にまとめた。
上記実験において、経時的に腫瘍体積を測定した。20日目での末梢血におけるOT-1細胞(OVA特異的CD8+T細胞)の頻度を測定した。さらにメモリーT細胞のマーカーである細胞表面抗原分子(CD62L、CD127)の発現強度を解析した。

0086

腫瘍を移植してからの腫瘍体積の平均値経時的変化図4に示す。エラーバーは標準誤差を示す。腫瘍体積は、長径×短径×高さ/2で求めた。腫瘍移植後12日目までは腫瘍体積が増加したが、その後、RDH10阻害剤(化合物番号−1(RDHI-012)および化合物番号-2(RDHI-013))を投与した動物における腫瘍体積が減少し、移植21日目には腫瘍体積が数十分の1ないし数百分の1となった。これらの結果から、RDH10阻害剤(化合物番号−1(RDHI-012)および化合物番号−2(RDHI-013))は、インビボにおいて腫瘍の増殖を抑制することが確認された。

0087

腫瘍移植後20日目に、末梢血に含まれる移入したOT-I細胞の頻度をフローサイトメトリーで解析した。OT-I細胞は、CD45.1陽性であるため、宿主であるB6マウス(CD45.2陽性)由来T細胞と明確に区別できた。代表的な結果を図5に示す。これらの結果から、RDH10阻害剤(化合物番号-1(RDHI-012)および化合物番号−2(RDHI-013))は、インビボにおいてCD45.1+OT-1細胞(OVA特異的CD8+細胞)を増幅させることが確認された。

実施例

0088

図5に示すOT-I細胞におけるCD62LおよびCD127の発現強度をフローサイトメトリーで解析した。それぞれの発現強度の平均値と標準誤差を図6に示す。これらの結果から、RDH10阻害剤(化合物番号-1(RDHI-012)および化合物番号−2(RDHI-013))は、インビボにおいて増幅されたCD45.1+OT-1細胞(OVA特異的CD8+細胞)でのメモリー型T細胞の分子マーカーであるCD62LとCD127の発現を亢進させることが確認された。

0089

本発明により、レチノイド代謝経路の阻害物質を用いてT細胞集団におけるメモリーT細胞の割合を増大させる方法、該阻害物質を含む癌または感染症の予防および/または治療剤、該阻害物質を含む癌の免疫療法の補助剤、該阻害物質を含む免疫力増強剤等が提供される。これらは、医薬品等の分野、例えば、癌および感染症を含む種々の疾患の予防および/または治療のための医薬の開発および製造、ならびに該疾患の治療方法、特に免疫療法の開発等の分野において利用可能である。

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