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技術 感光性樹脂組成物および感光性樹脂版原版

出願人 東レ株式会社
発明者 井戸健二野呂陽平高橋瞭介
出願日 2017年11月2日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2017-560623
公開日 2019年10月3日 (4ヶ月経過) 公開番号 WO2018-088336
状態 未査定
技術分野
  • -
主要キーワード アナログ版 投入比率 クッションテープ 印刷欠点 インキ堆積 独立点 感光性樹脂シート 機会損失
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題・解決手段

イオン性を有する官能基を含む樹脂(A)、光重合開始剤(B)、光重合性モノマー(C)、および樹脂(A)と対イオンを形成しうるイオン性官能基を有するフッ素含有化合物(D)を含む感光性樹脂組成物。 従来の製版工程に操作の追加をすることなく、印刷工程や印刷後の版洗浄工程でも版面防汚性持続可能な感光性樹脂凸版原版経済的に提供でき、網絡みによる印刷欠点が大きく低減できる版を提供する。

概要

背景

近年の印刷技術の発展は目覚しく、特にフレキソ印刷はあらゆるメディアに印刷可能であることで応用の幅が広く、段ボール紙器、ラベルをはじめ、軟包装用途やエレクトロニクス用途にも使用されている。また、環境への配慮から、従来有機溶剤を用いて現像していた処理に代わり、水で現像可能な水現像フレキソ版も登場している。

フレキソ印刷に代表される凸版は、インキを凸状レリーフ頂点に塗布し、被印刷体圧着することでインキ転移させることで印刷を行う。このような方式で印刷を行う為に、印圧時にレリーフ頂部、特に網点頂部に塗布されたインキが網点斜面部にはみ出たり、凹部に入り込む現象が発生する場合が有る。はみ出たインキは網点を形成する版面上に濡れ広がることで、本来点状に印刷されるべき領域で印刷物中に網点同士がインキでつながり網絡みと呼ばれる印刷欠点となる問題があった。特にフレキソ印刷用インキの粘度はレタープレス用インキと比較して低粘度である為に網絡みの現象が発生し易い。また、印刷版上に濡れ広がったインキを拭き取る作業時間が機会損失を生み、生産性低下を招く二次的な問題点もあった。

これらの問題を解決する為に、種々の方法が提案されている。

特許文献1、特許文献2では、刷毛塗りや、ディッピングスピンコートなどによって凸版上にフッ素化合物を塗布する方法が提案されている。

特許文献3では、フッ素塩素及びケイ素からなる群から選択される元素を含有した重合性材料組成中の他の重合性モノマーと共重合できる疎水性化合物を含んだ水現像性版が提供されている。

特許文献4では、レリーフを形成させる露光工程と光硬化反応を完了させる後露光工程の間で、ノニオン系のフッ素/シリコーン材料現像液中に配合するなどして版材に接触させ、後の露光により版面の撥インキ性を付与及び固定化する技術が提案されている。

概要

イオン性を有する官能基を含む樹脂(A)、光重合開始剤(B)、光重合性モノマー(C)、および樹脂(A)と対イオンを形成しうるイオン性官能基を有するフッ素含有化合物(D)を含む感光性樹脂組成物。 従来の製版工程に操作の追加をすることなく、印刷工程や印刷後の版洗浄工程でも版面防汚性持続可能な感光性樹脂凸版原版経済的に提供でき、網絡みによる印刷欠点が大きく低減できる版を提供する。

目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、従来の製版工程に操作の追加をすることなく、印刷工程や印刷後の版洗浄工程でも版面防汚性が持続可能な感光性樹脂凸版原版を経済的に提供でき、網絡みによる印刷欠点が大きく低減できる版を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

イオン性を有する官能基を含む樹脂(A)、光重合開始剤(B)、光重合性モノマー(C)、および樹脂(A)と対イオンを形成しうるイオン性官能基を有するフッ素含有化合物(D)を含む感光性樹脂組成物

請求項2

樹脂(A)が少なくとも一部がケン化されたポリビニルアルコールであり、イオン性を有する官能基を含む請求項1に記載の感光性樹脂組成物。

請求項3

樹脂(A)に含まれるイオン性を有する官能基がカルボキシル基及び/又はカルボン酸塩を含む官能基である請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。

請求項4

フッ素化合物(D)に含まれるイオン性官能基が、4級アンモニウム基を含む官能基である請求項1から3いずれかに記載の感光性樹脂組成物。

請求項5

フッ素化合物(D)が、単分子である請求項1から4いずれかに記載の感光性樹脂組成物。

請求項6

請求項1から5いずれかに記載の感光性樹脂組成物を用いてなる感光性樹脂版原版

請求項7

請求項6に記載の感光性樹脂版原版を用いてなる凸版印刷用印刷版

請求項8

請求項7に記載の凸版印刷用印刷版にフレキソ印刷用インキを塗布する工程を含む印刷物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は感光性樹脂凸版材料に関する。より詳しくは印刷時の網絡み防止に効果的な感光フレキソ版に関する。

背景技術

0002

近年の印刷技術の発展は目覚しく、特にフレキソ印刷はあらゆるメディアに印刷可能であることで応用の幅が広く、段ボール紙器、ラベルをはじめ、軟包装用途やエレクトロニクス用途にも使用されている。また、環境への配慮から、従来有機溶剤を用いて現像していた処理に代わり、水で現像可能な水現像フレキソ版も登場している。

0003

フレキソ印刷に代表される凸版は、インキを凸状レリーフ頂点に塗布し、被印刷体圧着することでインキ転移させることで印刷を行う。このような方式で印刷を行う為に、印圧時にレリーフ頂部、特に網点頂部に塗布されたインキが網点斜面部にはみ出たり、凹部に入り込む現象が発生する場合が有る。はみ出たインキは網点を形成する版面上に濡れ広がることで、本来点状に印刷されるべき領域で印刷物中に網点同士がインキでつながり網絡みと呼ばれる印刷欠点となる問題があった。特にフレキソ印刷用インキの粘度はレタープレス用インキと比較して低粘度である為に網絡みの現象が発生し易い。また、印刷版上に濡れ広がったインキを拭き取る作業時間が機会損失を生み、生産性低下を招く二次的な問題点もあった。

0004

これらの問題を解決する為に、種々の方法が提案されている。

0005

特許文献1、特許文献2では、刷毛塗りや、ディッピングスピンコートなどによって凸版上にフッ素化合物を塗布する方法が提案されている。

0006

特許文献3では、フッ素塩素及びケイ素からなる群から選択される元素を含有した重合性材料組成中の他の重合性モノマーと共重合できる疎水性化合物を含んだ水現像性版が提供されている。

0007

特許文献4では、レリーフを形成させる露光工程と光硬化反応を完了させる後露光工程の間で、ノニオン系のフッ素/シリコーン材料現像液中に配合するなどして版材に接触させ、後の露光により版面の撥インキ性を付与及び固定化する技術が提案されている。

先行技術

0008

特許第3506797号公報
特開2007−299567号公報
特開平6−186740号公報
特許第5731128号公報

発明が解決しようとする課題

0009

特許文献1、特許文献2では、製版工程後に液体材料を均一に塗布するのは困難であり、かつ塗布や乾燥など印刷まで要する時間が長くなり、機会損失を生む問題がある。特許文献3では、水現像性版で使用される樹脂中で良好に分散できない為、組成物中から成分が析出したり、相溶性が悪いことによって組成物の曇りが発生し、その為に架橋に要する紫外光散乱することにより画像再現性が低下するという問題がある。特許文献4は、従来の製版工程と同様の操作で防汚性を付与できる点で優れているが、該材料を含む現像液が、製版終了後に廃液として大量廃棄することを考慮に入れると経済的に不利であるという問題がある。

0010

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、従来の製版工程に操作の追加をすることなく、印刷工程や印刷後の版洗浄工程でも版面防汚性が持続可能な感光性樹脂凸版原版を経済的に提供でき、網絡みによる印刷欠点が大きく低減できる版を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

すなわち本発明は次の構成を有する。

0012

イオン性を有する官能基を含む樹脂(A)、光重合開始剤(B)、光重合性モノマー(C)、および樹脂(A)と対イオンを形成しうるイオン性官能基を有するフッ素含有化合物(D)を含む感光性樹脂組成物である。

発明の効果

0013

本発明によれば、印刷工程において、インキが網点間に濡れ広がることにより起因する版面汚れが防止され、印刷物に網点絡みがない良好な印刷物を、持続的に提供できる。また、他の技術で見られる、版面汚れを防止する材料を網点形成後に接触させる工程を含まないので、安価に防汚効果を得ることができる。

0014

以下、本発明の実施の形態を説明する。

0015

本発明は、イオン性を有する官能基を含む樹脂(A)、光重合開始剤(B)、光重合性モノマー(C)、および樹脂(A)と対イオンを形成しうるイオン性官能基を有するフッ素含有化合物(D)を含む感光性樹脂組成物である。

0016

本発明において、樹脂(A)は、イオン性を有する官能基を含む樹脂である。基本となる樹脂としては、環境負荷や健康被害を考慮して水を用いた現像ができるという観点から、水溶性樹脂を用いるのが好ましい。これらの水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコールポリアミドポリビニルピロリドンポリエーテル水溶性ポリエステル等が挙げられるが、特に水に対する溶解性や加工のし易さからポリビニルアルコールが好ましい。水現像可能な樹脂であるポリビニルアルコールでは、ケン化度によって溶解性にバリエーションを持たせることができるが、完全ケン化では分子内水素結合によって水溶液原液として加工する困難性や樹脂自体の剛直性から、少なくとも一部ケン化されたポリビニルアルコール、つまり部分ケン化ポリビニルアルコールであることが好ましい。ケン化度については、水現像性という観点からケン化度50モル%以上99モル%以下であることが好ましく、より好ましくは60モル%以上90モル%以下である。ケン化度の測定方法としては、対象の部分ケン化ポリビニルアルコール3%水溶液に、過剰の0.5mol/l水酸化ナトリウム水溶液で完全ケン化処理を施した後、0.5mol/l塩酸滴定により完全ケン化に要した水酸化ナトリウムの量を測定することでケン化度を算出できる。

0017

樹脂(A)に含まれるイオン性を有する官能基としては、カルボキシル基スルホニル基、4級アンモニウム基ホスホニウム基スルホニウム基、およびそれらの誘導体などが挙げられる。これらのイオン性を有する官能基は、樹脂の側鎖に結合していてもよいし、主鎖の一部として構成されていてもよい。これらの官能基の中で、反応のバリエーションが豊富であることによる樹脂合成あるいは変性のしやすさからカルボキシル基が特に好ましい。すなわち、本発明において、樹脂(A)に含まれるイオン性を有する官能基がカルボキシル基及び/又はカルボン酸塩を含む官能基であることが好ましく、言い換えれば、樹脂(A)はカルボキシル基及び/又はカルボン酸塩で変性された官能基を有する樹脂であることが好ましい。前述のポリビニルアルコールにこれらのイオン性官能基を導入する方法としては、例えば特開平11−65115号公報に記載の方法があり、すなわち部分ケン化ポリ酢酸ビニル酸無水物とを反応させ、部分ケン化ポリ酢酸ビニルの水酸基を起点としてカルボキシル基をポリマー側鎖に導入する方法である。このような反応では、酸無水物の投入比率や加工時間を変えることで容易にカルボキシル基の量を調整することができる。

0018

また、本発明の感光性樹脂組成物において、樹脂(A)と対イオンを形成しうるイオン性官能基を有するフッ素含有化合物(D)が含まれる。前述の樹脂(A)において形成されたイオンと対イオンを形成させることで、静電相互作用によりフッ素化合物が感光性樹脂組成物中に固定され、防汚性が持続させることができる。具体的には、樹脂に含まれるイオンがカルボキシル基のようなアニオン性を呈するのであれば、4級アンモニウム基、ホスホニウム基、スルホニウム基のようなカチオン性官能基を有するフッ素化合物を用いる。一方、樹脂に含まれるイオンがカチオン性であれば、スルホニル基やカルボキシル基のようなアニオン性官能基を有するフッ素化合物を用いる。前述のように樹脂(A)として、調整のし易いカルボキシル基を導入する場合、工業的に最も汎用で安価に準備できる4級アンモニウム基が特に好ましい組み合わせである。すなわち、本発明では、フッ素化合物(D)が、4級アンモニウムイオンを含む官能基、言い換えれば4級アンモニウムイオンを発生し得る4級アンモニウム基を含む官能基を有することが好ましい。

0019

これらのイオン性フッ素化合物は、特に単分子であることが好ましい。単分子であるとは、すなわち同一モノマーによる繰り返し単位を含まない化合物である。フッ素化合物がオリゴマーポリマーのような高分子化合物になると、長い分子鎖が移動するのに制約がかかる為、後の版表面にフッ素化合物が配向しづらくなることで界面活性作用が薄れる。このようなフッ素化合物は市販品として入手でき、カチオン性であれば、4級アンモニウム基を含む“フタジェント”(登録商標)300、“フタージェント”310、“フタージェント”320((株)ネオス製)やアニオン性であれば、スルホン酸塩を含む“フタージェント”100、110、150(いずれも商品名、(株)ネオス製)が挙げられる。このようなフッ素化合物の添加量としては、防汚効果の発現に必要な量と、泡立ちによる加工性低下の観点から、全感光性樹脂固形分100重量部に対して、0.3重量部以上5.0重量部以下が好ましく、さらには0.3重量部以上3.0重量部以下が好ましい。

0020

本発明において、光重合開始剤(B)としては、重合性炭素−炭素不飽和基を光によって重合を開始させることができるものであれば光重合開始剤として使用できる。なかでも、光吸収によって、自己分解水素引き抜きによってラジカルを生成する機能を有するものが好ましく用いられる。例えば、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン類アントラキノン類ベンジル類、アセトフェノン類ジアセチル類などが挙げられる。露光時に光硬化反応が十分進行し、また未露光部については露光部からの散乱光の影響を過度に受けない為に、光重合開始剤の配合量としては全感光性樹脂組成物固形分100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲が好ましく、0.5〜10重量部が更に好ましい。

0021

本発明において、光重合性モノマー(C)とは、光によって重合反応が開始する炭素−炭素不飽和基を有するモノマーである。その具体的な例としては、次のようなものが挙げられるが、これに限定されるものではない。2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸グリシジルメタクリレート反応物、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸メタクリル酸の反応物、2−ヒドロキシエチルアクリレートとメタクリル酸の反応物、エチレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸とメタクリル酸の反応物、ポリエチレングリコールモノメタクリレートポリエチレングリコールジメタクリレートなどが挙げられる。光重合性モノマー(C)の配合量としては、全感光性樹脂組成物固形分100重量部に対して1重量部以上50重量部以下が好ましく、より好ましくは1重量部以上30重量部以下である。該配合量とすることで樹脂組成物に感光性が付与され、光硬化後に印刷版として適当な硬さを得ることができる。

0022

なお、本発明の感光性樹脂組成物は、樹脂(A)として、カルボキシル基及び/またはカルボン酸塩で変性された官能基を有するポリビニルアルコール、フッ素含有化合物(D)として、4級アンモニウム基を含む官能基を有するフッ素含有化合物を共に含むものが、各々の材料調整の容易性の理由により、特に好ましい。

0023

本発明の感光性樹脂組成物に相溶性、柔軟性を高めるための相溶助剤としてエチレングリコールジエチレングリコールトリエチレングリコールグリセリン及びその誘導体、トリメチロールプロパン及びその誘導体、トリメチロールエタンおよびその誘導体、ペンタエリスリトールおよびその誘導体などの多価アルコール類を添加することも可能である。これらの多価アルコール類は、感光性樹脂組成物全体に対して、60重量部以下であることか好ましい。

0024

本発明の感光性樹脂組成物の熱安定性を上げる為に、従来公知の重合禁止剤を添加することができる。好ましい重合禁止剤としては、フェノール類ハイドロキノン類カテコール類ヒドロキシアミン誘導体などが挙げられる。これらの配合量は、全感光性樹脂組成物に対して、0.001〜5重量部の範囲で使用することができる。

0025

また、他の成分として必要に応じて、染料顔料界面活性剤消泡剤紫外線吸収剤香料などを添加することができる。

0026

次に、本発明の感光性樹脂版原版について説明する。

0027

一般的に印刷版原版は寸法安定な支持体上に感光性樹脂層が積層される構成を有する。本発明で記載された感光性樹脂組成物を支持体上に積層させ、露光、現像、乾燥工程を通過することで画像様凹凸が形成されたレリーフ層として用いることができ、印刷版として各種印刷に使用することができる。

0028

寸法安定性のある支持体としてはポリエステルなどのプラスチックシートスチールステンレスアルミニウムなどの金属板を使用することができる。支持体の厚さは特に限定されないが、取扱性、柔軟性の観点から100〜350μmの範囲が好ましい。100μm以上であれば支持体としての取扱性が向上し、350μm以下であれば印刷原版としての柔軟性が向上する。また、支持体と感光性樹脂層との接着性を向上させる目的で、支持体は易接着処理されていることが好ましい。易接着処理の方法としては、サンドブラストなどの機械的処理コロナ放電などの物理的処理、コーティングなどによる化学的処理などが例示できるが、コーティングにより易接着層を設けることが接着性の観点から好ましい。

0029

感光性樹脂層は、本発明の感光性樹脂組成物から形成される。感光性樹脂層の厚さは、十分なレリーフ深度を有し印刷適性を向上させる観点から、0.3mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましい。一方、露光に用いられる活性光線を底部まで十分に到達させて画像再現性をより向上させる観点から、5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましい。

0030

本発明の感光性樹脂版原版は、表面保護異物等の付着防止の観点から、感光性樹脂層上にカバーフィルムを有することが好ましい。感光性樹脂層はカバーフィルムと直接接していてもよいし、感光性樹脂層とカバーフィルムの間に1層または複数の層を有していてもよい。感光性樹脂層とカバーフィルムの間の層としては、例えば、感光性樹脂層表面の粘着を防止する目的で設けられる粘着防止層などが挙げられる。

0031

カバーフィルムの材質は特に限定されないが、ポリエステル、ポリエチレンなどのプラスチックシートが好ましく使用される。カバーフィルムの厚さは特に限定されないが、10〜150μmの範囲が取扱性、コストの観点から好ましい。またカバーフィルム表面は、原画フィルム密着性向上を目的として粗面化されていてもよい。

0032

本発明の感光性樹脂版原版は、感光性樹脂層の上にさらに感熱マスク層を有してもよい。感熱マスク層は、紫外光を事実上遮断し、描画時には赤外レーザー光を吸収し、その熱により瞬間的に一部または全部が昇華または融除するものが好ましい。これによりレーザー照射部分と未照射部分の光学濃度に差が生じ、従来の原画フィルムと同様の機能を果たすことができる。

0033

次に、本発明の感光性樹脂組成物およびそれを用いた感光性樹脂版原版の製造方法について説明するがこれに限定するものではない。

0034

イオン性を有する官能基を含む樹脂(A)を水/アルコール混合溶媒加熱溶解した後に、光重合開始剤(B)、光重合性モノマー(C)および対イオンを形成しうるイオン性官能基を有するフッ素含有化合物(D)の化合物、および必要に応じて可塑剤その他の添加剤等を添加し、撹拌して十分に混合し、感光性樹脂組成物溶液を得る。

0035

得られた感光性樹脂組成物溶液を、必要により易接着層を有する支持体に流延し、乾燥して感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を形成する。その後、必要により粘着防止層を塗布したカバーフィルムを感光性樹脂層上に密着させることで、感光性樹脂版原版を得ることができる。また、乾燥製膜により感光性樹脂シートを作製し、支持体とカバーフィルムで感光性シートを挟み込むようにラミネートすることでも感光性樹脂版原版を得ることができる。

0036

上記記載の感光性樹脂版原版を用いて、凸版印刷用印刷版を得ることができる。

0037

製版方法については、公知の方法が使用できる。

0038

すなわち感光性樹脂版原版が感熱マスク層を具備しない場合(以下アナログ版と呼ぶ)、なお、カバーフィルムを具備するときはこれを剥離した感光性樹脂層上にネガティブまたはポジティブの原画フィルムを密着させ、紫外線照射することによって、感光性樹脂層を光硬化させる。また、感光性印刷原版が感熱マスク層を具備するいわゆるCTP版の場合は、カバーフィルムを剥離し、レーザー描画機を用いて原画フィルムに相当する像の描画を実施した後、紫外線照射することによって、感光性樹脂層を光硬化させる。紫外線照射は、通常300〜400nmの波長を照射できる高圧水銀灯超高圧水銀灯メタルハライドランプキセノン灯カーボンアーク灯ケミカル灯などを用いて行う。特に微細細線独立点再現性が要求される場合は、カバーフィルムの剥離前に支持体側から短時間露光裏露光)することも可能である。

0039

次に、感光性樹脂版原版を現像液に浸漬し、未硬化部分をブラシで擦りだして除去するブラシ式現像装置により、基板上にレリーフ像を形成する。また、ブラシ式現像装置の他にスプレー式現像装置を使用することも可能である。現像時の液温は15〜40℃が好ましい。レリーフ像形成後、50〜70℃において10分間程度乾燥し、必要に応じてさらに大気中ないし真空中で活性光線処理して感光性樹脂版を得ることができる。

0040

本発明の印刷物の製造方法として、上記記載の凸版印刷用印刷版にフレキソ印刷用インキを塗布する工程を含ませる製造方法が挙げられる。フレキソ印刷用インキとしては例えば、市販のPHA((株)T&K TOKA製)、“FLASH DRY”(登録商標、東洋インキ(株)製)、“UVAFLEX” (登録商標)Y77(Zeller+Gmelin社製)などが挙げられる。これらのフレキソ印刷用インキの組成としては例えば顔料、アクリルオリゴマー等の樹脂、アクリレートモノマー重合開始剤などが含まれる。本発明の印刷物の製造方法では、インキが網点間に濡れ広がる版面汚れが防止され、印刷物に網点絡みがない良好な印刷物を持続的に提供できる。また、他の技術で見られる、版面汚れを防止する材料を網点形成後に接触させる工程を含まないので、安価に防汚効果を得ることができる。

0041

なお、本発明の感光性樹脂組成物は、凸版印刷用、特にフレキソ印刷用に用いることが最も適しているが、平版印刷用凹版印刷用、孔版印刷用フォトレジストとして使用することも可能である。

0042

以下、本発明を実施例で詳細に説明する。

0043

[イオン性を有する官能基を含む樹脂(A)の合成例]
日本合成化学工業(株)製の部分ケン化ポリビニルアルコール“ゴーセノール”(登録商標)“KL−05”(ケン化度78.5〜82.0モル%)をアセトン中で膨潤させ、無水コハク酸1.0モル%を添加し、60℃で6時間撹拌して分子鎖にカルボキシル基を付加させた。このポリマーをアセトンで洗浄して未反応の無水コハク酸を除去乾燥した。酸価を測定したところ、10.0mgKOH/gであった。この操作で得られた樹脂を以降(樹脂1)とする。

0044

[易接着層を有する支持体の作製]
バイロン”(登録商標)31SS飽和ポリエステル樹脂トルエン溶液東洋紡(株)製)260重量部および“PS−8A”(ベンゾインエチルエーテル和光純薬工業(株)製)2重量部の混合物を、70℃で2時間加熱後、30℃に冷却し、エチレングリコールジグリシジルエーテルジメタクリレート7重量部を加えて、2時間混合した。さらに、“コロネート”(登録商標)3015E(多価イソシアネート樹脂の酢酸エチル溶液、東ソー(株)製)25重量部および“EC−1368”(工業用接着剤、住友スリエム(株)製)14重量部を添加して混合し、易接着層用塗工液1を得た。

0045

“ゴーセノール”(登録商標)KH−17(ケン化度78.5〜81.5モル%のポリビニルアルコール、日本合成化学工業(株)製)50重量部を“ソルミクス”(登録商標)H−11(アルコール混合物、日本アルコール(株)製)200重量部および水200重量部の混合溶媒中70℃で2時間混合した後、“ブレンマー”(登録商標)G(グリシジルメタクリレート、日油(株)製)1.5重量部を添加して1時間混合し、さらに(ジメチルアミノエチルメタクリレート)/(2−ヒドロキシエチルメタクリレート重量比2/1の共重合体共栄社化学(株)製)3重量部、“イルガキュア”(登録商標)651(ベンジルメチルケタール、BASF社製)5重量部、“エポキシエステル70PA”(プロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、共栄社化学(株)製)21重量部およびエチレングリコールジグリシジルエーテルジメタクリレート20重量部を添加して90分間混合し、50℃に冷却後、“メガファック”(登録商標)F−556(DIC(株)製)を0.1重量部添加して30分間混合して易接着層用塗工液2を得た。

0046

厚さ125μmの“ルミラー”(登録商標)T60(ポリエステルフィルム、東レ(株)製)上に易接着層用塗工液1を乾燥後膜厚が40μmになるようにバーコーターで塗布し、180℃のオーブンで3分間加熱して溶媒を除去した後、その上に易接着層用塗工液2を乾燥膜厚が30μmとなるようにバーコーターで塗布し、160℃のオーブンで3分間加熱して、易接着層を有する支持体を得た。

0047

[アナログ版用のカバーフィルムの作製]
表面粗さRaが0.1〜0.6μmとなるように粗面化された厚さ100μmの“ルミラー”S10(ポリエステルフィルム、東レ(株)製)に、“ゴーセノール”AL−06(ケン化度91〜94モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール、日本合成化学工業(株)製)を乾燥膜厚が1μmとなるように塗布し、100℃で25秒間乾燥し、アナログ版用のカバーフィルム(I−1)を得た。

0048

[製版方法]
製版にはバッチ式露光現像機“トミフレックス”(富博産業(株)製)を用いて以下のように実施した。得られた感光性樹脂版原版のカバーフィルムを剥離し、剥離した面にネガフィルム塩化ビニルフィルムによって真空密着させた後、積算光量が16,000mJ/cm2程度になるように露光させ、その後25℃に温度調整した水道水で60秒現像した。その後、60℃10分間オーブンにて乾燥させることで、感光性樹脂版を得た。

0049

評価方法]
各実施例および比較例における評価は、次の方法で行った。

0050

(1)接触角測定
版表面のインキの濡れ広がりやすさについて、インキに対する接触角として評価した。版表面ベタ部にフレキソインキ(“UVフレキソ紅PHA−LO3”((株)T&K TOKA製)を室温下で1μL着滴させ、着滴後50秒後の接触角を接触角計DMe−201”(協和界面科学(株)製)にて測定し、これを対インキ接触角とした。網絡みの原因である版表面網点間のインキの濡れ広がりは、インキに対する接触角が低いほどより濡れ広がる傾向にあるため、インキに対する接触角の値は高いほど好ましい。本実施例では、インキに対する接触角が40°以上であれば好ましく、42°以上であればさらに好ましいと判断した。

0051

(2)実印刷評価
網絡みの原因が版面上に濡れ広がったインキであるという観点から、実際の印刷機を用いた評価としては版面上のインキ堆積面積率代替指標として評価を以下の条件で実施した。

0052

インキとしては“UVフレキソ紅PHA−LO3”((株)T&K TOKA製)を用い、1000LPIのアニロックスロールを具備したフレキソ印刷機で60m/minの速さでアート紙に印刷した。版を版胴に密着させるクッションテープとしては0.38μm厚の“tesa softprint”(登録商標)52017(tesa社製)を使用した。評価する感光性樹脂版には、150LPIの網点濃度30%の画像が形成されたものを使用し、10,000m印刷後にインキ堆積面積率、すなわち、版網点間凹部の総面積に対してインキが堆積した面積比率で評価した。インキ堆積しないものを5点、インキ堆積面積率が30%以下のものを3点、インキ堆積面積率が30%より大きいものを1点と評価し、5点を合格とした。

0053

[実施例1]
攪拌ヘラおよび冷却管を取り付けた3つ口フラスコ中に、イオン性を有する官能基を含む樹脂(A)成分として樹脂1を40重量部、光重合開始剤(B)成分としてベンジルジメチルケタール1.3重量部、可塑剤としてトリメチロールプロパン30重量部を添加し、“ソルミックス”(登録商標)H−11(アルコール混合物、日本アルコール(株)製)50重量部および水50重量部の混合溶媒を混合した後、攪拌しながら80℃で2時間加熱し、(A)、(B)成分を溶解させた。70℃に冷却した後、光重合性モノマー(C)成分としてグリシジルメタクリレート8.0重量部、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(“ブレンマー”(登録商標)AE400/日油(株)製)10重量部、ポリエチレングリコールジメタクリレート(“ブレンマー”AD400/日油(株)製)10重量部を添加し、樹脂(A)と対イオンを形成しうるイオン性官能基を有するフッ素含有化合物(D)成分としてフッ素含有級アンモニウム塩化合物“フタージェント320”((株)ネオス製)、及びその他の成分を添加し、30分攪拌し、感光性樹脂組成物1用の組成物溶液1を得た。

0054

(A)、(B)、(C)、(D)構成成分の内容を表1、表2に示す。

0055

0056

0057

得られた感光性樹脂組成物溶液1を、前記易接着層を有する支持体に流延し、60℃で2.5時間乾燥した。このとき乾燥後の版厚(ポリエステルフィルム+感光性樹脂層)が1.14mmとなるよう調製した。このようにして得られた感光性樹脂層上に、水/エタノール=50/50(重量比)の混合溶剤を塗布し、表面に前記アナログ版用のカバーフィルムを圧着し、感光性樹脂版原版を得た。得られた感光性樹脂版原版を用いて、前記方法により製版後、印刷版の特性を評価した結果を表2に示す。対インキ接触角は51°と高い値を示し、印刷での版面インキ堆積面積率評価では5点であった。また、インキ絡みも見られなかった。

0058

[実施例2]
感光性樹脂組成物の成分(D)をフッ素含有4級アンモニウム塩化合物“フタージェント310”((株)ネオス製)に変更した以外は実施例1と同様にして感光性樹脂層および感光性樹脂版原版を作製した。評価結果を表2に示す。インキ堆積面積率評価は5点であった。

0059

[実施例3]
感光性樹脂組成物の成分(D)をフッ素含有4級アンモニウム塩化合物“フタージェント300”((株)ネオス製)に変更した以外は実施例1と同様にして感光性樹脂層および感光性樹脂版原版を作製した。インキ堆積面積率評価は5点であった。

0060

[比較例1]
感光性樹脂組成物の成分(A)をカルボン酸変性していないノニオン性の部分ケン化ポリビニルアルコール“KL−05”(ケン化度78.5〜82.0モル%、日本合成化学工業(株)製)に変更した以外は実施例1と同様にして感光性樹脂層および感光性樹脂版原版を作製した。対インキ接触角は40°を下回り、インキ堆積面積率評価の点数も1点であった。

0061

[比較例2]
感光性樹脂組成物の成分(D)を添加しない点以外は実施例1と同様にして感光性樹脂層および感光性樹脂版原版を作製した。インキ堆積面積率評価は1点であった。

0062

[比較例3]
感光性樹脂組成物の成分(A)がアニオン性であるのに対し、成分(D)をフッ素含有スルホン酸塩化合物“フタージェント100”((株)ネオス製)に変更した以外は実施例1と同様にして感光性樹脂層および感光性樹脂版原版を作製した。成分(A)と成分(D)とが同じイオン性の組み合わせでは、インキ堆積面積率評価が3点であり不合格であった。

0063

[比較例4]
感光性樹脂組成物の成分(A)がアニオン性であるのに対し、成分(D)をノニオン性であるエチレンオキサイドユニット含有フッ素系界面活性剤“フタージェント251”((株)ネオス製)に変更した以外は実施例1と同様にして感光性樹脂層および感光性樹脂版原版を作製した。成分(D)がノニオン性では撥インキ性の維持効果は見られず、対インキ接触角としては低い値を示した。またインキ堆積面積率評価も1点であった。

0064

[比較例5]
感光性樹脂組成物の成分(A)がアニオン性であるのに対し、成分(D)をノニオン性である末端エポキシ変性含有フッ素系化合物、3−(パーフルオロヘキシルプロペン−1,2オキシド、“FAEP−6”(ユニマテック(株)製)に変更した以外は実施例1と同様にして感光性樹脂層および感光性樹脂版原版を作製した。成分(D)の末端反応性基であるエポキシであっても撥インキ性効果が維持されることなく、インキ堆積面積率評価は1点であった。

実施例

0065

[比較例6]
感光性樹脂組成物の成分(A)がアニオン性であるのに対し、成分(D)をノニオン性ポリマーであるフッ素系化合物、“LE−605”(共栄社化学(株)製)に変更した以外は実施例1と同様にして感光性樹脂層および感光性樹脂版原版を作製した。対インキ接触角の数値は低く、撥インキ性の効果は見られなかった。また、インキ堆積面積率評価は1点であった。

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