図面 (/)

技術 加飾フィルム

出願人 デンカ株式会社
発明者 下木場裕一西野広平野口哲央松本真典
出願日 2017年10月26日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2018-548971
公開日 2019年9月19日 (7ヶ月経過) 公開番号 WO2018-084068
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 鏡面プレート フィルム上下 マレイン酸無水物単位 溶剤添加量 マルチダイ 建築用壁材 射出成形プラスチック 重合開始剤添加量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題・解決手段

外観、透明性、表面硬度、寸法安定性、及び衝撃強度に優れた加飾フィルムを提供する。(I)スチレン系共重合体26〜80質量%と(II)メタクリル樹脂20〜74質量%からなる樹脂組成物層(a)が、ポリカーボネート樹脂層(b)の少なくとも一方の面に積層されており、樹脂組成物ポリカーボネート樹脂のJIS K7206に準拠して求めたビカット軟化温度の差が0〜40℃以内であり、樹脂組成物層(a)とポリカーボネート層(b)の層比が3/97〜9/91である加飾フィルム。

概要

背景

自動車内装材外装材建築用壁材窓枠携帯電話タブレット端末パソコン家電雑貨等には、各用途に合った射出成形用プラスチック材料が使用されているが、意匠性装飾性を表わす為に塗装を実施する場合や射出成形プラスチック材料に直接フィルムを貼り合わせる又は転写させるといった加飾技術が用いられている。塗装する場合は、揮発性有機化合物を使用する為に環境負荷が大きく、また重ね塗装が必要となる場合には、作業工程数が増加し生産効率が悪くなるという課題がある。

そのような課題を解決する為、射出成形品に直接フィルムを貼り合わせる又は転写させるといった加飾技術が用いられている。加飾技術としては、インモールド成形インモールド転写インサートモールド真空ラミネートなど多岐に渡る技術が開発されている。加飾に用いられるフィルム原料としては、メタクリル樹脂ポリカーボネート樹脂ポリエステル樹脂などがある。

メタクリル樹脂は、耐擦傷性耐候性、透明性、発色性に優れているが、耐熱性吸湿性、強度に課題が残る。ポリカーボネート樹脂は、耐熱性、低吸湿性、強度に優れるが、耐表面傷付き性、耐光性に課題が残る。メタクリル樹脂とポリカーボネート樹脂のそれぞれの欠点を補いかつ特長を活かす為、例えば低吸湿性、強度に優れるポリカーボネート樹脂層表層に、透明性と耐表面傷付き性、耐光性、発色性に優れるメタクリル樹脂とを積層させた加飾フィルムが用いられている。

しかしながら、この積層させた加飾フィルムを射出成形品に貼り合わせ又は転写する際、熱を加えて実施するが、高耐熱なポリカーボネート樹脂と耐熱性の低いメタクリル樹脂との耐熱温度差(加工温度の違い)による影響でクラックや反りなどが発生し、外観不良の発生やフィルム厚みが不均一になってしまうという課題がある。また、メタクリル樹脂は吸湿性が高い為、フィルムとして反りが発生し易いといった課題もある。

概要

外観、透明性、表面硬度、寸法安定性、及び衝撃強度に優れた加飾フィルムを提供する。(I)スチレン系共重合体26〜80質量%と(II)メタクリル樹脂20〜74質量%からなる樹脂組成物層(a)が、ポリカーボネート樹脂層(b)の少なくとも一方の面に積層されており、樹脂組成物とポリカーボネート樹脂のJIS K7206に準拠して求めたビカット軟化温度の差が0〜40℃以内であり、樹脂組成物層(a)とポリカーボネート層(b)の層比が3/97〜9/91である加飾フィルム。

目的

本発明は、外観、透明性、表面硬度、寸法安定性、及び衝撃強度に優れた加飾フィルムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

(I)スチレン系共重合体26〜80質量%と(II)メタクリル樹脂20〜74質量%からなる樹脂組成物層(a)が、ポリカーボネート樹脂層(b)の少なくとも一方の面に積層されており、樹脂組成物ポリカーボネート樹脂のJISK7206に準拠して求めたビカット軟化温度の差が0〜40℃以内であり、樹脂組成物層(a)とポリカーボネート層(b)の層比が3/97〜9/91である加飾フィルム

請求項2

(I)スチレン系共重合体が、芳香族ビニル単量体単位45〜85質量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位5〜45質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位10〜30質量%からなり、JISK7206に準拠して求めたビカット軟化温度が115℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の加飾フィルム。

請求項3

(I)スチレン系共重合体が、JISK7209に準拠して求めた飽和吸水率が1.0%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の加飾フィルム。

請求項4

(I)スチレン系共重合体と(II)メタクリル樹脂の合計100質量部に対して、(III)グラフト共重合体5〜35質量部含有してなる請求項1〜3の何れか1つに記載の加飾フィルム。

技術分野

0001

本発明は、外観、透明性、表面硬度、寸法安定性、及び衝撃強度に優れた加飾フィルムに関するものである。

背景技術

0002

自動車内装材外装材建築用壁材窓枠携帯電話タブレット端末パソコン家電雑貨等には、各用途に合った射出成形用プラスチック材料が使用されているが、意匠性装飾性を表わす為に塗装を実施する場合や射出成形プラスチック材料に直接フィルムを貼り合わせる又は転写させるといった加飾技術が用いられている。塗装する場合は、揮発性有機化合物を使用する為に環境負荷が大きく、また重ね塗装が必要となる場合には、作業工程数が増加し生産効率が悪くなるという課題がある。

0003

そのような課題を解決する為、射出成形品に直接フィルムを貼り合わせる又は転写させるといった加飾技術が用いられている。加飾技術としては、インモールド成形インモールド転写インサートモールド真空ラミネートなど多岐に渡る技術が開発されている。加飾に用いられるフィルム原料としては、メタクリル樹脂ポリカーボネート樹脂ポリエステル樹脂などがある。

0004

メタクリル樹脂は、耐擦傷性耐候性、透明性、発色性に優れているが、耐熱性吸湿性、強度に課題が残る。ポリカーボネート樹脂は、耐熱性、低吸湿性、強度に優れるが、耐表面傷付き性、耐光性に課題が残る。メタクリル樹脂とポリカーボネート樹脂のそれぞれの欠点を補いかつ特長を活かす為、例えば低吸湿性、強度に優れるポリカーボネート樹脂層表層に、透明性と耐表面傷付き性、耐光性、発色性に優れるメタクリル樹脂とを積層させた加飾フィルムが用いられている。

0005

しかしながら、この積層させた加飾フィルムを射出成形品に貼り合わせ又は転写する際、熱を加えて実施するが、高耐熱なポリカーボネート樹脂と耐熱性の低いメタクリル樹脂との耐熱温度差(加工温度の違い)による影響でクラックや反りなどが発生し、外観不良の発生やフィルム厚みが不均一になってしまうという課題がある。また、メタクリル樹脂は吸湿性が高い為、フィルムとして反りが発生し易いといった課題もある。

先行技術

0006

特開2014−30985号公報
特開2014−34112号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、外観、透明性、表面硬度、寸法安定性、及び衝撃強度に優れた加飾フィルムを提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、以下を要旨とするものである。
(1)(I)スチレン系共重合体26〜80質量%と(II)メタクリル樹脂20〜74質量%からなる樹脂組成物層(a)が、ポリカーボネート樹脂層(b)の少なくとも一方の面に積層されており、樹脂組成物とポリカーボネート樹脂のJIS K7206に準拠して求めたビカット軟化温度の差が0〜40℃以内であり、樹脂組成物層(a)とポリカーボネート層(b)の層比が3/97〜9/91である加飾フィルム。
(2)(I)スチレン系共重合体が、芳香族ビニル単量体単位45〜85質量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位5〜45質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位10〜30質量%からなり、JIS K7206に準拠して求めたビカット軟化温度が115℃以上であることを特徴とする(1)に記載の加飾フィルム。
(3)(I)スチレン系共重合体が、JIS K7209に準拠して求めた飽和吸水率が1.0%以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の加飾フィルム。
(4)(I)スチレン系共重合体と(II)メタクリル樹脂の合計100質量部に対して、(III)グラフト共重合体5〜35質量部含有してなる請求項1〜3の何れか1つに記載の加飾フィルム。

発明の効果

0009

外観、透明性、表面硬度、寸法安定性、及び衝撃強度に優れた加飾フィルムを提供することが出来る。

0010

<用語の説明>
本願明細書において、例えば、「A〜B」なる記載は、A以上でありB以下であることを意味する。

0011

以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。

0012

(I)スチレン系共重合体とは、芳香族ビニル単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位を有する共重合体のことであり、例えばスチレンメチルメタクリレート無水マレイン酸共重合体がある。

0013

芳香族ビニル単量体単位としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンなどの各スチレン系単量体由来する単位が挙げられる。これらの中でも好ましくはスチレン単位である。これら芳香族ビニル単量体単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。

0014

(メタ)アクリル酸エステル単量体単位としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートn−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートジシクロペンタニルメタクリレート、イソボルニルメタクリレートなどの各メタクリル酸エステル単量体、およびメチルアクリレートエチルアクリレートn−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレートなどの各アクリル酸エステル単量体に由来する単位が挙げられる。これらの中でも好ましくはメチルメタクリレート単位である。これら(メタ)アクリル酸エステル単量体単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。

0015

不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位としては、マレイン酸無水物イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物アコニット酸無水物などの各無水物単量体に由来する単位が挙げられる。これらの中でも好ましくはマレイン酸無水物単位である。不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位は、1種でもよく、2種類以上の併用であってもよい。

0016

なお(I)スチレン系共重合体は、芳香族ビニル単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位、および不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位以外の、共重合可能ビニル単量体の単位を共重合体中に発明の効果を阻害しない範囲で含んでもよく、好ましくは5質量%以下である。共重合可能なビニル単量体の単位としては、アクリロニトリルメタクリロニトリルなどのシアン化ビニル単量体アクリル酸メタクリル酸などのビニルカルボン酸単量体、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのN−アルキルマレイミド単量体、N−フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−クロルフェニルマレイミドなどのN−アリールマレイミド単量体などの各単量体に由来する単位が挙げられる。共重合可能なビニル単量体の単位は、2種類以上の併用であってもよい。

0017

(I)スチレン系共重合体の構成単位は、好ましくは芳香族ビニル単量体単位45〜85質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位5〜45質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位10〜30質量%であり、さらに好ましくは芳香族ビニル単量体単位50〜80質量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位8〜38質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位12〜25質量%である。

0018

芳香族ビニル単量体単位が45質量%以上であれば、低吸湿性、熱安定性成形加工性が向上し、50質量%以上であれば、さらに低吸湿性、熱安定性、成形加工性が向上する。芳香族ビニル単量体単位が85質量%以下であれば、耐傷付き性が向上し、80質量%以下であれば、さらに耐傷付き性が向上する。

0019

(メタ)アクリル酸エステル単量体単位が5質量%以上であれば、耐傷付き性が良好となり、8質量%以上であれば、さらに耐傷付き性が良好となる。(メタ)アクリル酸エステル単量体単位が45質量%以下であれば、低吸湿性、熱安定性、成形加工性が向上し、38質量%以下であれば、さらに低吸湿性、熱安定性、成形加工性が向上する。

0020

不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が10質量%以上であれば、耐熱性が向上し、12質量%以上であれば、さらに耐熱性が向上する。不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が30質量%以下であれば、熱安定性と成形加工性が向上し、25質量%以下であれば、さらに熱安定性と成形加工性が向上する。

0021

(I)スチレン系共重合体は、JIS K7206に準拠し、荷重50N、昇温速度50℃/時間で求めたビカット軟化温度が115℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは125℃以上である。ビカット軟化温度が高いほど耐熱性が良好となり、メタクリル樹脂に配合した際の耐熱付与効果が大きくなる。

0022

(I)スチレン系共重合体は、JIS K7209に準拠して求めた飽和吸水率が1.0%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.8%以下である。飽和吸水率が低いほど低吸湿性となり、メタクリル樹脂に配合した際の吸湿変形を抑制する効果が大きくなる。

0023

(I)スチレン系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、10万〜30万であることが好ましく、さらに好ましくは14万〜25万である。重量平均分子量(Mw)が10万より小さいと強度が低くなり、30万を超えると成形加工性が悪くなる。(I)スチレン系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、重合工程での重合温度重合開始剤の種類及び添加量連鎖移動剤の種類及び添加量、重合時に使用する溶媒の種類及び量等によって制御することができる。なお、重量平均分子量(Mw)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定されるポリスチレン換算の値であり、下記記載の測定条件における測定値である。
装置名:SYSTEM−21 Shodex(昭和電工社製)
カラムPLgelMIXED−Bを3本直列
温度:40℃
検出:示差屈折率
溶媒:テトラヒドロフラン
濃度:2質量%
検量線標準ポリスチレン(PS)(PL社製)を用いて作製した。

0024

(I)スチレン系共重合体のASTMD1003に基づき測定した2mm厚みの全光線透過率は、88%以上であることが好ましく、さらに好ましくは89%以上であり、特に好ましくは90%以上である。2mm厚みの全光線透過率が88%以上であれば、メタクリル樹脂に配合して得られる樹脂組成物の透明性が良好となる。なお、全光線透過率は射出成形機(東機械社製IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度230℃、金型温度40℃の成形条件成形された縦90mm、横55mm、厚み2mmの鏡面プレートを、ASTM D1003に準拠し、ヘーズメーター(日本電色工業社製NDH−1001DP型)を用いて測定した値である。

0025

(I)スチレン系共重合体の製造方法について説明する。重合様式においては特に限定はなく、溶液重合塊状重合等公知の方法で製造できるが、溶液重合がより好ましい。溶液重合で用いる溶剤は、副生成物が出来難く、悪影響が少ないという観点から非重合性であることが好ましい。溶剤の種類としては、特に限定されるものではないが、例えば、アセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンアセトフェノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン等のエーテル類トルエンエチルベンゼンキシレンクロロベンゼン等の芳香族炭化水素などが挙げられるが、単量体や共重合体の溶解度、溶剤回収のし易さの観点から、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが好ましい。溶剤の添加量は、得られる共重合体量100質量部に対して、10〜100質量部が好ましく、さらに好ましくは30〜80質量部である。10質量部以上であれば、反応速度および重合液粘度を制御する上で好適であり、100質量部以下であれば、所望の重量平均分子量(Mw)を得る上で好適である。

0026

重合プロセスは回分式重合法、半回分式重合法、連続重合法のいずれの方式であっても差し支えないが、所望の分子量範囲と透明性を得る上で回分式重合法が好適である。

0027

重合方法は特に限定されないが、簡潔プロセスによって生産性良く製造することが可能であるという観点から、好ましくはラジカル重合法である。重合開始剤としては特に限定されるものではないが、例えばジベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテートジクミルパーオキサイド、エチル−3,3−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブチレート等の公知の有機過酸化物アゾビスイソブチロニトリルアゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスメチルプロピオニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル等の公知のアゾ化合物を用いることができる。これらの重合開始剤は2種以上を併用することも出来る。これらの中でも10時間半減期温度が、70〜110℃である有機過酸化物を用いるのが好ましい。

0028

(I)スチレン系共重合体は、ASTMD1003に基づき測定した2mm厚みの全光線透過率が88%以上であると好ましい。この条件を満たす共重合体が得られれば、その重合手順に特に制限はないが、全光線透過率が88%以上の透明性を有する共重合体を得るためには、共重合組成分布が小さくなるように重合しなければならない。芳香族ビニル単量体と不飽和ジカルボン酸無水物単量体とが強い交互共重合性を有することから、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体の重合速度に対応するように不飽和ジカルボン酸無水物単量体を連続的に分添する方法が好適である。重合速度のコントロールについては、重合温度、重合時間、および重合開始剤添加量とで調整することが出来る。重合開始剤を連続分添すると、より重合速度をコントロールし易くなるので好ましい。

0029

さらに、重量平均分子量(Mw)が10万〜30万の共重合体を得る方法については、重合温度、重合時間、および重合開始剤添加量の調整に加えて、溶剤添加量および連鎖移動剤添加量を調整することで得ることが出来る。連鎖移動剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンや2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等の公知の連鎖移動剤を用いることができる。

0030

重合終了後、重合液には必要に応じて、ヒンダードフェノール系化合物ラクトン系化合物リン系化合物イオウ系化合物などの耐熱安定剤、ヒンダードアミン系化合物ベンゾトリアゾール系化合物等の耐光安定剤滑剤可塑剤着色剤帯電防止剤鉱油等の添加剤を加えても構わない。その添加量は全単量体単位100質量部に対して0.2質量部未満であることが好ましい。これらの添加剤は単独で用いても、2種類以上を併用しても構わない。

0031

重合液から(I)スチレン系共重合体を回収する方法については、特に限定はなく、公知の脱揮技術を用いることが出来る。例えば、重合液を二軸脱揮押出機ギヤーポンプを用いて連続的にフィードし、重合溶剤未反応モノマー等を脱揮処理する方法が挙げられる。なお、重合溶剤や未反応モノマー等を含む脱揮成分は、コンデンサー等を用いて凝縮させて回収し、凝縮液蒸留塔にて精製することで、重合溶剤は再利用することが可能である。

0032

(II)メタクリル樹脂とは、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を有する重合体であり、例えば、ポリメチルメタクリレートがあり、市販されている一般的なものを使用することが出来る。また本発明においては、さらにスチレン系単量体単位を有することができ、スチレン系単量体単位は20質量%以下で用いることができる。

0033

(II)メタクリル樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲で安定剤や可塑剤、滑剤、酸化防止剤紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤などを配合してもよい。

0034

(I)スチレン系共重合体を(II)メタクリル樹脂に配合することで、(II)メタクリル樹脂の耐熱性を向上させる効果と吸湿性を抑制する効果を付与することが出来る。

0035

(I)スチレン系共重合体と(II)メタクリル樹脂からなる樹脂組成物の配合比率は、(I)スチレン系共重合体26〜80質量%と(II)メタクリル樹脂20〜74質量%であり、好ましくは(I)スチレン系共重合体30〜70質量%と(II)メタクリル樹脂30〜70質量%であり、さらに好ましくは(I)スチレン系共重合体35〜65質量%と(II)メタクリル樹脂35〜65質量%である。上記の配合比率であれば、外観、透明性、表面硬度、寸法安定性、及び衝撃強度のバランスに優れる。

0036

(I)スチレン系共重合体と(II)メタクリル樹脂に対して、さらに(III)グラフト共重合体を含有させてもよい。

0037

(III)グラフト共重合体とは、ジエン系ゴム共重合体と1種類以上のモノマー単量体単位からなるコアシェル型のグラフト共重合体のことであり、例えばポリブタジエン−スチレン−メチルメタクリレートグラフト共重合体があり、市販されている一般的なものを使用することが出来る。

0038

本発明の加飾フィルムは、(I)スチレン系共重合体と(II)メタクリル樹脂の合計100質量部に対して、(III)グラフト共重合体5〜35質量部を含有させることが出来る。(III)グラフト共重合体が5質量部以上であれば、衝撃強度に優れ、グラフト共重合体が35質量部以下であれば、外観、透明性、表面硬度、寸法安定性のバランスに優れる。

0039

樹脂組成物を得る方法については、特に限定はなく、公知の溶融混練技術を用いることが出来る。好適に使用できる溶融混練装置としては、単軸押出機、噛合形方向回転または噛合形異方向回転二軸押出機、非または不完全噛合形二軸押出機等のスクリュー押出機バンバリーミキサーコニーダー及び混合ロール等がある。

0040

樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で安定剤や可塑剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤などを配合してもよい。

0041

ポリカーボネート樹脂とは、モノマー単位同士の接合部がカーボネート基(−O−(C=O)−O−) で構成される樹脂のことであり、市販されている一般的なものを使用することが出来る。

0042

ポリカーボネート樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲で安定剤や可塑剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤などを配合してもよい。

0043

加飾フィルムとは、例えば自動車内装材や外装材、建築用壁材や窓枠、携帯電話やタブレット端末、パソコン、家電、雑貨等の筐体部などに使用される射出成形用プラスチック材料に対して、直接貼り合わせ又は転写させることで意匠性や装飾性、耐擦傷性などの機能を付与するフィルムのことである。

0044

本発明の加飾フィルムは、(I)スチレン系共重合体26〜80質量%と(II)メタクリル樹脂20〜74質量%からなる樹脂組成物層(a)が、ポリカーボネート樹脂層(b)の少なくとも一方の面に積層されたものである。

0045

本発明の加飾フィルムは、樹脂組成物とポリカーボネート樹脂のJIS K7206に準拠し、荷重50N、昇温速度50℃/時間で求めたビカット軟化温度の差が0〜40℃以内であり、好ましくは0〜35℃以内である。ビカット軟化温度の差が0〜40℃以内であれば、良外観で均一な厚みを持つ加飾フィルムを得ることが出来る。

0046

本発明の加飾フィルムは、樹脂組成物層(a)とポリカーボネート樹脂層(b)のa/b層比が3/97〜9/91であると、外観、透明性、表面硬度、寸法安定性、及び衝撃強度のバランスに優れるために好ましく、さらに好ましくは6/94〜9/91である。a/b層比が6/94〜9/91であると、加飾フィルムの表面硬度が特に優れる。

0047

本発明の加飾フィルムを得る方法については、特に限定はなく、公知の溶融共押出成形技術を用いることが出来る。好適に使用できる溶融共押出成形としては、フィードブロック方式またはマルチダイ方式等がある。

0048

本発明の加飾フィルムは、樹脂組成物層(a)がポリカーボネート樹脂層(b)の少なくとも一方の面に積層されたものであるが、さらに樹脂組成物層(a)やポリカーボネート樹脂層(b)、図柄が印刷された層、金属物または金属酸化物蒸着させた薄膜層粘着層接着層、プライマー層などの多数の層を積層させた多層構成でも構わない。

0049

本発明の加飾フィルムには、本発明の効果を阻害しない範囲で硬化被膜処理(ハードコート)を実施した方が好ましい。

0050

本発明の加飾フィルムを用いた加飾成形方法については、特に限定はなく、公知の加飾技術を用いることが出来る。例えば、インモールド成形、インモールド転写、インサートモールド、真空ラミネート等がある。

0051

以下、本発明をさらに詳しく説明するため実施例を挙げる。しかし、本発明はこれら実施例等になんら限定されるものではない。

0052

<スチレン系共重合体(A−1)の製造例>
マレイン酸無水物が20質量%濃度となるようにメチルイソブチルケトンに溶解させた20%マレイン酸無水物溶液と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートが2質量%となるようにメチルイソブチルケトンに希釈した2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを事前に調製し、重合に使用した。撹拌機を備えた120リットルオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液2.8kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート10.4kg、t−ドデシルメルカプタン38gを仕込み気相部を窒素ガス置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.1kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を375g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま2.1kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で25.2kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状のスチレン系共重合体(A−1)を得た。得られたスチレン系共重合体(A−1)をC−13NMR法により組成分析を行い、GPC装置にて重量平均分子量(Mw)の測定を行った。さらに射出成形機(東芝機械社製IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度230℃、金型温度40℃の成形条件で縦90mm、横55mm、厚み2mmの鏡面プレートを射出成形し、ASTMD1003に準拠し、ヘーズメーター(日本電色工業社製NDH−1001DP型)を用いて2mm厚みの全光線透過率を測定した。組成分析結果、分子量測定結果、および全光線透過率測定結果を表1に示す。

0053

<スチレン系共重合体(A−2)の製造例>
25%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液はA−1の同様に調整した。攪拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、25%マレイン酸無水物溶液1.9kg、スチレン11.9kg、メチルメタクリレート2.5kg、t−ドデシルメルカプタン11gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて92℃まで昇温した。昇温後92℃を保持しながら、25%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。25%マレイン酸無水物溶液は、分添開始4時間目までが2.25kg/時、4時間目から7時間目までが1.73kg/時、7時間目から10時間目までが0.86kg/時、10時間目から13時間目までが0.17kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で17.28kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は、分添開始から7時間目までが0.15kg/時、7時間目から13時間目までが0.24kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で2.49kg添加した。重合温度は、分添開始から7時間目までは92℃を保持し、その後4℃/時の昇温速度で6時間かけて116℃まで昇温し、さらに116℃を1時間保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状のスチレン系共重合体(A−2)を得た。得られたスチレン系共重合体(A−2)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。

0054

<スチレン系共重合体(A−3)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液はA−1の同様に調整した。攪拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液1.5kg、スチレン16.8kg、メチルメタクリレート1.6kg、t−ドデシルメルカプタン10gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて92℃まで昇温した。昇温後92℃を保持しながら、20%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。20%マレイン酸無水物溶液は、分添開始4時間目までが2.05kg/時、4時間目から7時間目までが1.65kg/時、7時間目から10時間目までが0.83kg/時、10時間目から13時間目までが0.13kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で16.03kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は、分添開始から7時間目までが0.15kg/時、7時間目から13時間目までが0.24kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で2.49kg添加した。重合温度は、分添開始から7時間目までは92℃を保持し、その後4℃/時の昇温速度で6時間かけて116℃まで昇温し、さらに116℃を1時間保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状のスチレン系共重合体(A−3)を得た。得られたスチレン系共重合体(A−3)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。

0055

<スチレン系共重合体(A−4)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液はA−1の同様に調整した。攪拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液2.5kg、スチレン19.8kg、メチルメタクリレート18kg、t−ドデシルメルカプタン38gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて92℃まで昇温した。昇温後92℃を保持しながら、20%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。20%マレイン酸無水物溶液は、分添開始4時間目までが1.85kg/時、4時間目から7時間目までが1.55kg/時、7時間目から10時間目までが0.8kg/時、10時間目から13時間目までが0.1kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で14.75kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は、分添開始から7時間目までが0.15kg/時、7時間目から13時間目までが0.24kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で2.49kg添加した。重合温度は、分添開始から7時間目までは92℃を保持し、その後4℃/時の昇温速度で6時間かけて116℃まで昇温し、さらに116℃を1時間保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状のスチレン系共重合体(A−4)を得た。得られたスチレン系共重合体(A−4)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。

0056

<スチレン系共重合体(A−5)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液はA−1の同様に調整した。攪拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液1.3kg、スチレン15.7kg、メチルメタクリレート6.1kg、t−ドデシルメルカプタン21gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて93℃まで昇温した。昇温後93℃を保持しながら、20%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。20%マレイン酸無水物溶液は、分添開始4時間目までが1.85kg/時、4時間目から7時間目までが1.45kg/時、7時間目から10時間目までが0.78kg/時、10時間目から13時間目までが0.09kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で14.36kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は、分添開始から7時間目までが0.16kg/時、7時間目から13時間目までが0.25kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で2.62kg添加した。重合温度は、分添開始から7時間目までは93℃を保持し、その後4℃/時の昇温速度で6時間かけて117℃まで昇温し、さらに117℃を1時間保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状のスチレン系共重合体(A−5)を得た。得られたスチレン系共重合体(A−5)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。

0057

<スチレン系共重合体(A−6)の製造例>
25%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液はA−1の同様に調整した。攪拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、25%マレイン酸無水物溶液2.5kg、スチレン8.7kg、メチルメタクリレート5.7kg、t−ドデシルメルカプタン7gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて92℃まで昇温した。昇温後92℃を保持しながら、25%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。25%マレイン酸無水物溶液は、分添開始4時間目までが2.5kg/時、4時間目から7時間目までが1.9kg/時、7時間目から10時間目までが0.9kg/時、10時間目から13時間目までが0.2kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で19kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は、分添開始から7時間目までが0.12kg/時、7時間目から13時間目までが0.22kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で2.16kg添加した。重合温度は、分添開始から7時間目までは92℃を保持し、その後4℃/時の昇温速度で6時間かけて116℃まで昇温し、さらに116℃を1時間保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状のスチレン系共重合体(A−6)を得た。得られたスチレン系共重合体(A−6)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。

0058

0059

メタクリル樹脂は、三菱レイヨン社製「アクペットVH001」(MFR:2g/10min、ガラス転移温度:108℃)を使用した。

0060

ポリカーボネート樹脂は、帝人社製「パンライトL−1250」(MFR:8g/10min、ガラス転移温度:150℃)を使用した。

0061

グラフト共重合体は、三菱レイヨン社製「メタブレンC−223A」を使用した。

0062

<実施例・比較例>
前記製造例で記したスチレン系共重合体(A−1〜6)とメタクリル樹脂、グラフト共重合体を表2〜表3で示した割合で混合した後、二軸押出機(東芝機械社製TEM−35B)にて、シリンダー温度230℃で溶融混練し樹脂組成物を得た。この樹脂組成物とポリカーボネート樹脂とを、それぞれ単軸押出機(東芝機械社製SE−65CA)を用いたフィードブロック方式(500mm幅Tダイ)にて、樹脂組成物側のシリンダー温度260℃、ポリカーボネート樹脂側のシリンダー温度270℃で溶融共押出成形を行い、厚さ100μm±5μmである二層構成積層フィルムを作製した。この際、樹脂組成物層(a)とポリカーボネート樹脂層(b)の層比(各層の厚さの比)が表2〜表3に記載した値となるよう調整した。各種評価結果を表2〜表3に示す。

0063

(ビカット軟化温度)
JIS K7206に準拠し、荷重50N、昇温速度50℃/時間の条件でビカット軟化温度を測定した。樹脂組成物とポリカーボネート樹脂のビカット軟化温度の差が0〜40℃以内を合格とした。

0064

(全光線透過率、およびHaze(曇り度))
フィルムを縦90mm、横90mmに切削後、ASTMD1003に準拠し、ヘーズメーター(日本電色工業社製NDH−1001DP型)を用いて、全光線透過率およびHazeを測定した。全光線透過率88%以上、およびHaze3.0%以下を合格とした。

0065

鉛筆硬度
フィルムを縦90mm、横90mmに切削後、樹脂組成物層(a)が上層、ポリカーボネート樹脂層(b)が下層となるように静置し、JIS K 5600−5−4:1999(荷重750g、角度45℃)に準拠し、鉛筆ひっかき硬度試験器(コーテック社製KT−VF2380)を用いて鉛筆硬度を測定した。鉛筆硬度H以上を合格とした。

0066

(外観)
フィルムを縦90mm、横90mmに切削したサンプル50個を目視にて観察し、着色、気泡焼けコンタミブツなどの外観不良が発生したサンプル数を数えることによって、外観評価を行った。評価基準は以下の通りで、◎と○を合格とした。
◎:外観不良のサンプル数が0個
○:外観不良のサンプル数が1〜2個
△:外観不良のサンプル数が2〜5個
×:外観不良のサンプル数が6個以上

0067

(反り量)
フィルムを縦90mm、横90mmに切削後、環境試験機エスペック社製PL−3KPH)にて温度85℃、湿度85%の条件下で72時間静置させた。その後、平坦ガラス基板上に試験後の積層フィルムを下に凸となる様に置き、積層フィルムの各頂点4箇所とガラス基板面との隙間、および積層フィルム各辺の中央部(各辺を2等分する位置)4箇所とガラス基板面との隙間を計測し(計8箇所計測)、その平均値を反り量とした。反り量1mm以下を合格とした。

0068

落下衝撃試験
縦50mm、横50mmにフィルム30枚を切削後、内径40mmのリングフィルム上下を挟み込み、クリップで固定した。その後、30cmの高さから、直径11mm、重さ5.45gの鉄球をフィルム上部へ落下させる落下衝撃試験を実施した。評価基準は以下の通りで、◎と○を合格とした。
◎:ヒビワレが発生したフィルム数が0枚
○:ヒビ、ワレが発生したフィルム数が1〜2枚
△:ヒビ、ワレが発生したフィルム数が2〜5枚
×:ヒビ、ワレが発生したフィルム数が6枚以上

0069

0070

実施例

0071

実施例では、外観、透明性、表面硬度、寸法安定性、及び衝撃強度に優れた積層フィルムを得ることが出来た。一方、比較例では外観、透明性、表面硬度、寸法安定性、及び衝撃強度のうち、いずれかの物性が劣るものであった。

0072

本発明によれば、樹脂組成物層が、ポリカーボネート樹脂層の少なくとも一方の面に積層されたフィルムは、外観、透明性、表面硬度、寸法安定性、及び衝撃強度に優れており、自動車内装材や外装材、建築用壁材や窓枠、携帯電話やタブレット端末、パソコン、家電、雑貨等の加飾フィルムに好適に使用することが出来る。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

この 技術と関連性が強い技術

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い法人

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い人物

該当するデータがありません

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ