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技術 打楽器

出願人 ヤマハ株式会社
発明者 橋本隆二永井教崇安部万律
出願日 2017年10月26日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2018-548963
公開日 2019年10月3日 (7ヶ月経過) 公開番号 WO2018-084057
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 共鳴板 ティンパニ パイプクランプ ドラムヘッド 各貫通穴 軸方向視 鉛直上方向 逃げ穴
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (18)

課題・解決手段

既存の打楽器音質を向上させることができる打楽器を提供する。ドラム1(打楽器)のシェル2の内周面には、複数の5A〜5Dが設けられている。錘5A〜5Dは、シェル2の周方向に4回の回転対称となる各位置に配置されている。錘5A〜5Dは、シェル2の外周面に設けられた隣り合うラグ3の間に配置されている。錘5A〜5Dは、これらの位置において、シェル2の内周面に固定されている。錘5A〜5Dの各々の質量は、これら錘5A〜5Dの総質量が、錘が固定されていないシェルの質量の25%から200%の範囲内に収まるように決定されている。

概要

背景

非特許文献1には、打楽器としてのバスドラムなどにおいて多目的に使用可能なウエイトが示されている。非特許文献1のウエイトは、約4kgの板状のである。このウエイトは、例えば、バスドラムの略円筒状胴部シェル)内に置かれる。

また、バスドラムのシェル内に布団毛布などを入れ、その布団等の上に板錘などを置くミュージシャンもいる。この板錘として非特許文献1のウエイトを使用することもできる。この態様では、その布団等の一部がドラムヘッドに接触するため、ドラム音ミュートすることができる。また、布団等の上に板錘などを置くことで、ドラムヘッドの振動に起因して布団等がドラムヘッドから離れるのを防止することができる。

また、従来、ドラムの音色を変更または向上させるためにシェルに別部品を取り付けることも行われる。例えば、非特許文献2では、シェル内面ラグ取付穴ステンレス製共鳴板を取り付けることで、共鳴板の独特な形状によりシェル内部の音の反射を複雑にして特徴的な音色を実現できる。また、特許文献1では、シェル内面に羽状プレートを取り付けることでシェル内部の反射音を調節し、ドラムの共振特性を向上させている。

概要

既存の打楽器の音質を向上させることができる打楽器を提供する。ドラム1(打楽器)のシェル2の内周面には、複数の錘5A〜5Dが設けられている。錘5A〜5Dは、シェル2の周方向に4回の回転対称となる各位置に配置されている。錘5A〜5Dは、シェル2の外周面に設けられた隣り合うラグ3の間に配置されている。錘5A〜5Dは、これらの位置において、シェル2の内周面に固定されている。錘5A〜5Dの各々の質量は、これら錘5A〜5Dの総質量が、錘が固定されていないシェルの質量の25%から200%の範囲内に収まるように決定されている。

目的

米国特許公開2010/0083812号公報




“WT40”、[online]、YAMAHA、[2016年10月5日検索]、インターネット<URL:http://jp.yamaha.com/products/musical-instruments/drums/accessories/weights/>
リフレクション・プレートPR-670/4”、[online]、パール楽器製造株式会社〔平成29年1月23日検索〕、インターネット<URL:http://www.pearlgakki.com/drum/PR_670_4.php>






近年、バスドラムやスネアドラムなどの各種のドラムにおいて、ドラムの音を高音質にすることが望まれている

効果

実績

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請求項1

が固定された略円筒状胴部を有することを特徴とする打楽器

請求項2

前記錘の数は複数であることを特徴とする請求項1に記載の打楽器。

請求項3

前記複数の錘は前記胴部の周方向に間を空けて固定されていることを特徴とする請求項2に記載の打楽器。

請求項4

前記複数の錘は前記胴部の周方向に回転対称となる位置に固定されていることを特徴とする請求項3に記載の打楽器。

請求項5

前記複数の錘は前記胴部の周方向に隣り合うラグの間に固定されていることを特徴とする請求項3または4に記載の打楽器。

請求項6

前記胴部に固定される錘の総質量は、錘が固定されていない胴部の質量の25%から200%の範囲内であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の打楽器。

請求項7

前記胴部に取り付けられる機能部品と、前記機能部品を前記胴部に対して取り付けるための締結部材と、を有し、前記錘は、前記締結部材により前記機能部品が前記胴部に対して取り付けられた状態で、前記機能部品及び前記締結部材のいずれかまたは双方に対して固定状態となることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の打楽器。

請求項8

前記締結部材により前記機能部品を前記胴部に対して取り付けることにより、前記錘が前記機能部品及び前記締結部材のいずれかまたは双方に対して固定状態となるように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の打楽器。

請求項9

前記錘は、前記締結部材により前記機能部品と共締め状態で前記胴部に固定状態とされることを特徴とする請求項8に記載の打楽器。

請求項10

1つの前記機能部品に対応する前記締結部材は少なくとも1つのボルトであり、前記錘は、前記ボルトが通る穴を有し、前記錘は、前記穴の軸線方向視における形状が円形で且つ、前記穴の軸心に関して回転対称であることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の打楽器。

請求項11

前記錘は、少なくとも前記締結部材を挟む前記胴部の円周方向における2点で前記胴部に当接することを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載の打楽器。

請求項12

1つの前記機能部品に対応する前記締結部材は少なくとも1つのボルトであり、前記錘は、前記ボルトが通る穴を有し、前記錘は、前記穴の軸線方向視における形状が滴形であり、その長手方向が前記胴部の中心軸方向に沿うように配置されることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の打楽器。

請求項13

前記錘は前記胴部に向けて突出する突起部を有し、前記穴を通るボルトによって前記機能部品に対して固定状態となる際、前記突起部は前記胴部に当接することを特徴とする請求項12に記載の打楽器。

請求項14

前記胴部に対して固定状態とされる前記錘は少なくとも1つであり、前記胴部に対して固定状態とされる前記錘の総質量は、前記錘が1つも固定されていない状態の前記胴部の質量の25%より大きいことを特徴とする請求項7から13のいずれか1項に記載の打楽器。

請求項15

前記機能部品はラグであることを特徴とする請求項7から14のいずれか1項に記載の打楽器。

請求項16

前記錘は磁力を有し、前記胴部、前記機能部品及び前記締結部材の少なくとも1つは鉄を含み、前記錘は前記磁力によって前記胴部、前記機能部品及び前記締結部材の少なくとも1つに固定状態とされることを特徴とする請求項7から15のいずれか1項に記載の打楽器。

技術分野

0001

本発明は、バスドラムなどの打楽器ドラム)に関する。

背景技術

0002

非特許文献1には、打楽器としてのバスドラムなどにおいて多目的に使用可能なウエイトが示されている。非特許文献1のウエイトは、約4kgの板状のである。このウエイトは、例えば、バスドラムの略円筒状胴部シェル)内に置かれる。

0003

また、バスドラムのシェル内に布団毛布などを入れ、その布団等の上に板錘などを置くミュージシャンもいる。この板錘として非特許文献1のウエイトを使用することもできる。この態様では、その布団等の一部がドラムヘッドに接触するため、ドラム音ミュートすることができる。また、布団等の上に板錘などを置くことで、ドラムヘッドの振動に起因して布団等がドラムヘッドから離れるのを防止することができる。

0004

また、従来、ドラムの音色を変更または向上させるためにシェルに別部品を取り付けることも行われる。例えば、非特許文献2では、シェル内面ラグ取付穴ステンレス製共鳴板を取り付けることで、共鳴板の独特な形状によりシェル内部の音の反射を複雑にして特徴的な音色を実現できる。また、特許文献1では、シェル内面に羽状プレートを取り付けることでシェル内部の反射音を調節し、ドラムの共振特性を向上させている。

0005

米国特許公開2010/0083812号公報

先行技術

0006

“WT40”、[online]、YAMAHA、[2016年10月5日検索]、インターネット<URL:http://jp.yamaha.com/products/musical-instruments/drums/accessories/weights/>
リフレクション・プレートPR-670/4”、[online]、パール楽器製造株式会社〔平成29年1月23日検索〕、インターネット<URL:http://www.pearlgakki.com/drum/PR_670_4.php>

発明が解決しようとする課題

0007

近年、バスドラムやスネアドラムなどの各種のドラムにおいて、ドラムの音を高音質にすることが望まれている。高音質なドラム音とは、例えば、低音がくきりとした音のことであると考えられる。

0008

ここで、非特許文献1のウエイトをバスドラムのシェル内に置くことで、ドラム音の音質を良くすることができる、と言われている。しかし、非特許文献1のウエイトを1つだけ使用しても、ドラム音の音質を良くする効果は必ずしも十分なものではなかった。

0009

そこで、非特許文献1のウエイトを使用してドラム音の音質を良くしようとする場合、多くのウエイトをシェル内に置く。しかし、多くのウエイトをシェル内に置くと、バスドラムが重くなりすぎてバスドラムの取り扱いがし難くなる。また、多くのウエイトを取り扱うのは煩わしい。

0010

また、非特許文献2や特許文献1では、音色を特徴的なものに変えることができるが、低音をくっきりさせるような音質の向上を期待できない。なお、音質を向上させる上で、特別な加工をドラムに施したり専用の機構を設けたりすると既存のドラムに適用できなくなるため、汎用性を確保する工夫が求められる。

0011

本発明は上述した従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、既存の打楽器の音質を向上させることができる打楽器を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

上記目的を達成するために、本発明によれば、錘が固定された略円筒状の胴部を有することを特徴とする打楽器が提供される。

0013

好ましい態様において、本打楽器の錘の数は複数であり、本打楽器は、複数の錘が胴部の周方向に間を空けて固定されていることを特徴とする。

0014

さらに好ましい態様において、本打楽器は、胴部に取り付けられる機能部品と、機能部品を胴部に対して取り付けるための締結部材と、を有し、錘は、締結部材により機能部品が胴部に対して取り付けられた状態で、機能部品及び締結部材のいずれかまたは双方に対して固定状態となることを特徴とする。

発明の効果

0015

本発明によれば、聴感上、低音がくっきりとした高音質なドラム音が得られる。この理由は、以下のように推測することができる。この発明によるドラムでは、シェルに錘が固定されている。このため、本ドラムでは、シェルと錘とが一体となっており、シェル全体の質量が一般のシェルに比べて増えている。ここで、ドラムに演奏操作打撃)が行われると、ドラムヘッドの振動に応じてシェルも振動する。シェルは、静止した状態から振動を開始する際、慣性によって静止した状態を維持しようとする。シェルの質量が増加するほど、静止した状態をより維持しようとする。このことから、シェルの質量が増えている本ドラムでは、ドラム音の基音付近周波数帯におけるシェルの振動が抑制される。シェルの振動が抑制されると、演奏操作によってドラムに与えられたエネルギーが、シェルの振動によってあまり消費されないようになる一方、ドラムヘッドの振動によってより多く消費されることとなる。このため、本ドラムによれば、基音付近の周波数帯において、ドラムヘッドが良く振動することとなり、基音が良く伸びるようになる。基音が良く伸びると、低音がくっきりとした音になる。従って、本ドラムによれば、高音質なドラム音を得ることができる。

0016

非特許文献1のウエイトをシェル内に置く態様では、シェルとウエイトとが一体となっていないため、シェルを静止した状態に維持させようとするウエイトの作用が必ずしも十分ではない、と推測することができる。例えば、ウエイトは、シェルとウエイトとが鉛直上方向に動く際には、シェルを静止した状態に維持させようとすることができるが、シェルとウエイトとが鉛直下方向に動く際には、シェルを静止した状態に維持させようとすることができないからである。このため、非特許文献1のウエイトをシェル内に置く態様では、ドラム音の基音付近の周波数帯におけるシェルの振動が十分に抑制されず、ドラム音の音質を良くする効果が十分に発揮されていなかった。

0017

これに対し、本ドラムでは、上述のようにシェルと錘とが一体となっている。これにより、例えば、本ドラムの錘は、シェルと錘とが鉛直上方向へ動く際および鉛直下方向へ動く際のいずれにおいても、シェルを静止した状態に維持させようとする。このため、本ドラムでは、非特許文献1のウエイトをシェル内に置く態様に比べ、基音付近の周波数帯におけるシェルの振動が十分に抑制される。従って、本ドラムによれば、非特許文献1のウエイトをシェル内に置く態様に比べ、基音がさらに良く伸びるようになり、より高音質なドラム音を得ることができる。また、本ドラムによれば、非特許文献1のウエイトに比べ、錘の質量を減らすことが可能となる。

0018

また、演奏操作に応じて振動するシェルには、ある瞬間においてシェルの内側方向に移動する部分とシェルの外側方向に移動する部分とが、シェルの周方向に沿って交互に現れる。そのシェルの周方向に沿った繰り返し回数は、シェルの振動モードの次数が高くなるほど多くなる。本ドラムでは、複数の錘がシェルの周方向に間を空けて固定されている。シェルの周方向に間を空けることで、シェルの周方向に沿って繰り返し現れるシェルの内側方向に移動する部分や外側方向に移動する部分(すなわちシェルの振動モードにおけるシェルの振動の腹)に、それぞれ錘を固定することができる。このようなシェルの振動の腹では、一旦振動が開始されると、慣性によって振動が維持される。その部分の質量が増加するほど、その振動がより維持される。このことから、複数の錘がシェルの周方向に分散して固定された本ドラムでは、ドラム音の所定の周波数帯(具体的には、基音よりも高次倍音の周波数帯)におけるシェルの振動が持続する。シェルの振動が持続すると、演奏操作によってドラムに与えられたエネルギーが、シェルを振動させるのに多く消費されるようになる一方、ドラムヘッドの振動によってはあまり消費されないようになる。このため、本ドラムによれば、基音よりも高次の倍音の周波数帯において、ドラムヘッドの振動が減少することとなり、基音よりも高次の倍音の伸びが減少するようになる。従って、本ドラムによれば、基音が良く伸びるとともに、基音よりも高次の倍音の伸びが減少するため、基音がよりくっきりと目立つ、より高音質なドラム音を得ることができる。

0019

非特許文献1のウエイトをシェル内に置く態様では、ウエイトがシェル内における地面側にのみ配置されることとなるため、ウエイトがシェルの周方向に分散されておらず、高次の倍音の伸びは減少しない、と推測することができる。これに対し、本ドラムでは、上述のように高次の倍音の伸びを減少させることができる。この点からも、本ドラムによれば、非特許文献1のウエイトをシェル内に置く態様に比べ、より高音質なドラム音を得ることができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明の第1実施形態であるドラム1の構成を示す正面図である。
本発明の第2実施形態であるドラム1Aの構成を示す正面図である。
ドラムの正面図である。
従来のラグ付近の断面図である。
本実施の形態におけるラグ付近の断面図である。
本実施の形態におけるラグ及び錘の分解図である。
本実施の形態におけるシェルの内周側から見たボルト及び錘の図である。
変形例の錘の断面図である。
変形例の錘の断面図である。
変形例の錘の断面図である。
変形例のボルトの側面図である。
変形例のラグ付近の断面図である。
変形例のラグの斜視図である。
他の変形例の錘の斜視図である。
他の変形例の錘の側面図である。
他の変形例のラグの平面図である。
他の変形例のラグの側面図である。

実施例

0021

以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。

0022

まず、本発明の第1の実施形態である打楽器としてのドラムについて説明する。図1は、本発明の第1実施形態であるドラム1の構成を示す正面図である。ドラム1は、バスドラムである。ドラム1は、両端が開口している円筒状の胴部(シェル)2と、8個のラグ3A〜3Hと、2本のレッグ4と、4個の錘5A〜5Dとを有する。ラグ3A〜3Hを区別しないときは、ラグ3と表記し、錘5A〜5Dを区別しないときは、錘5と表記する。図1には、ドラムヘッドをシェル2の開口端に取り付ける前の状態が示されている。図1ではドラムヘッドを省略したが、ドラム1は、ドラムヘッドがシェル2の開口端に張られて使用される。

0023

シェル2の開口端の開口径は、例えば、22インチである。シェル2は、開口端を含む平面が地面に対して鉛直に立つような姿勢(換言すると、開口端に張られるドラムヘッドの法線が地面に対して水平になるような姿勢)で設置される。この際、シェル2は、外周面の一部から延びる棒状のレッグ4によって支持される。

0024

ラグ3は、シェル2の外周面に設けられている。図1に示すように、シェル2の外周面において、ラグ3Aは上側の右寄りに配置され、ラグ3Bは右側の上寄りに配置され、ラグ3Cは右側の下寄りに配置され、ラグ3Dは下側の右寄りに配置され、ラグ3Eは下側の左寄りに配置され、ラグ3Fは左側の下寄りに配置され、ラグ3Gは左側の上寄りに配置され、ラグ3Hは上側の左寄りに配置されている。各ラグ3A〜3Hは、シェル2の周方向に約45度間隔で設けられている。各ラグ3A〜3Hには、ドラムヘッドの張力を調整するためのチューニングピン(不図示)が組み合わされる。

0025

錘5は、比重が比較的に大きな材料をブロック状に加工した部材である。例えば、錘5は、シェル2の内径に比べて長さが十分に短い円柱状をなしている。なお、錘5の具体的な形状は、この例に限らない。例えば、錘5の形状は、直方体などであっても良い。錘5の材質は、例えば、鉄であるが、ステンレス鋼真鍮亜鉛などであっても良い。

0026

錘5は、シェル2の周方向に互いに間を空けて分散して配置されており、シェル2の内周面に固定されている。図1に示すように、シェル2の内周面において、錘5Aは、シェル2の周方向に隣り合うラグ3Hとラグ3Aとの間に配置されており、錘5Bは、隣り合うラグ3Bとラグ3Cとの間に配置されており、錘5Cは、隣り合うラグ3Dとラグ3Eとの間に配置されており、錘5Dは、隣り合うラグ3Fとラグ3Gとの間に配置されている。このように、各錘5A〜5Dは、シェル2の周方向に4回の回転対称となる位置に(換言すると、シェル2の周方向に90度間隔で)それぞれ設けられている。また、錘5は、隣り合う2つのラグ3の区間におけるシェル2の周方向のちょうど中間に配置されている。

0027

シェル2は、その開口端に張られたドラムヘッドの振動に応じて振動する。シェル2の振動は、複数の振動モードの重ね合わせで表現される。錘5は上述したように配置されるが、これは、シェル2の振動モードを考慮して決定された。すなわち、錘5は、錘5が無いとした場合のシェルの所定の振動モードにおける振動レベルが当該シェルの他の位置に比べて高い位置およびその近傍に配置されている。

0028

錘5は、上述したようにシェル2の内周面に固定されている。例えば、シェル2には、ボルト(不図示)が挿入される貫通穴(不図示)が設けられている。この貫通穴には、シェル2の外側から内側に向かってボルトが挿入されている。錘5には、ねじ溝(不図示)が設けられている。このねじ溝には、貫通穴に挿入されたボルトにおけるシェル2の内側に突出した部分が螺合する。ボルトは、その頭部と錘5との間にシェル2を挟んで、しっかりと締め付けられている。このようにして、錘5は、シェル2に固定されている。なお、シェル2への錘5の固定方法は、この例に限らない。また、錘5の形状が円柱状の場合、その錘5の軸方向の一端側がシェル2の内周面に固定されている。

0029

錘5の各々は、概ね同じ質量を有する。例えば、錘5の1個当たりの質量は、約1kgである。また、シェル2に固定される錘5の総質量は、錘5が固定されていないシェル(すなわち一般的なシェル)の質量の25%から200%の範囲内であるのが好ましい。バスドラムの一般的なシェルの質量は、約4kgである。このことから、シェル2に固定される錘5の総質量は、一般的なシェルの質量の25%である約1kgから、一般的なシェルの質量の200%である約8kgの範囲内であるのが好ましい。錘5の1個当たりの質量が約1kgである場合、錘5の総質量は、約4kgであり、約1kg〜約8kgの範囲内に収まっている。以上が、ドラム1の構成である。

0030

ドラム1では、シェル2に錘5が固定されている。このため、ドラム1では、シェル2と錘5とが一体となっており、シェル2全体の質量が一般のシェルに比べて増えている。ここで、ドラム1に演奏操作(打撃)が行われると、ドラムヘッドの振動に応じてシェル2も振動する。シェル2は、静止した状態から振動を開始する際、慣性によって静止した状態を維持しようとする。シェル2の質量が増加するほど、静止した状態をより維持しようとする。このことから、シェル2の質量が増えているドラム1では、ドラム音の基音付近の周波数帯におけるシェル2の振動が抑制される。シェル2の振動が抑制されると、演奏操作によってドラム1に与えられたエネルギーが、シェル2の振動によってあまり消費されないようになる一方、ドラムヘッドの振動によってより多く消費されることとなる。このため、ドラム1によれば、基音付近の周波数帯において、ドラムヘッドが良く振動することとなり、基音が良く伸びるようになる。基音が良く伸びると、低音がくっきりとした音になる。

0031

また、演奏操作に応じて振動するシェル2には、ある瞬間においてシェル2の内側方向に移動する部分とシェル2の外側方向に移動する部分とが、シェル2の周方向に沿って交互に現れる。そのシェル2の周方向に沿った繰り返し回数は、シェル2の振動モードの次数が高くなるほど多くなる。ドラム1では、複数の錘5がシェル2の周方向に間を空けて固定されている。シェル2の周方向に間を空けることで、シェル2の周方向に沿って繰り返し現れるシェル2の内側方向に移動する部分や外側方向に移動する部分(すなわちシェル2の振動モードにおけるシェル2の振動の腹)に、それぞれ錘5を固定することができる。このようなシェル2の振動の腹では、一旦振動が開始されると、慣性によって振動が維持される。その部分の質量が増加するほど、その振動がより維持される。このことから、複数の錘5がシェル2の周方向に分散して固定されたドラム1では、ドラム音の所定の周波数帯(具体的には、基音よりも高次の倍音の周波数帯)におけるシェル2の振動が持続する。シェル2の振動が持続すると、演奏操作によってドラムに与えられたエネルギーが、シェル2を振動させるのに多く消費されるようになる一方、ドラムヘッドの振動によってはあまり消費されないようになる。このため、ドラム1によれば、ドラム音の所定の周波数帯(具体的には、基音よりも高次の倍音の周波数帯)において、ドラムヘッドの振動が減少することとなり、ドラム音の所定の周波数帯の音(具体的には、基音よりも高次の倍音)の伸びが減少するようになる。

0032

ドラム1では、シェル2の振動モードを考慮した位置、すなわち、シェル2の周方向に4回の回転対称となる位置に錘5が固定されている。これにより、ドラム1では、基音よりも高次の倍音の周波数帯におけるシェル2の振動を効率よく持続させることができる。このため、ドラム1では、基音よりも高次の倍音の伸びをより良く減少させることができる。

0033

また、ドラム1では、錘5の総質量が一般的なシェルの質量の25%から200%の範囲内になるように、錘5の総質量および1個当たりの錘5の質量が決定されている。シェル2に分散配置する錘5の質量をこのような質量にすると、基音よりも高次の倍音の伸びをより良く減少させることができる。

0034

以上のように、本実施形態のドラム1によれば、基音が良く伸びるとともに、基音よりも高次の倍音の伸びが少ない音が生じる。すなわち、ドラム1によれば、一般のドラムに比べ、低音(すなわち基音)がよりくっきりと目立つ、より高音質なドラム音を得ることができる。

0035

また、ドラム1では、シェル2の内周面に錘5が固定されているため、シェル2の外側からシェル2を見たときに錘5が目立たない。このため、ドラム1では、一般的なドラムとほぼ同様の外観を維持することができる。

0036

次に、本発明の第2の実施形態であるドラムについて説明する。図2は、本発明の第2実施形態であるドラム1Aの構成を示す正面図である。ドラム1Aは、錘5A〜5Dに加え、錘5E〜5Hを有する点において第1実施形態のドラム1と異なる。錘5E〜5Hは、錘5A〜5Dと同様のものである。本実施形態においても、錘5A〜5Hを区別しないときは、錘5と表記する。

0037

ドラム1Aでは、8個の錘5がシェル2の周方向に沿って分散して配置されてシェル2の内周面に固定されている。錘5A〜5Dは、ドラム1のそれと同様の位置に配置されている。一方、図2に示すように、シェル2の内周面において、錘5Eは、シェル2の周方向に隣り合うラグ3Aとラグ3Bとの間に配置されており、錘5Fは、隣り合うラグ3Cとラグ3Dとの間に配置されており、錘5Gは、隣り合うラグ3Eとラグ3Fとの間に配置されており、錘5Hは、隣り合うラグ3Gとラグ3Hとの間に配置されている。このように、本実施形態の各錘5A〜5Hは、シェル2の周方向に8回の回転対称となる位置に(換言すると、シェル2の周方向に45度間隔で)それぞれ設けられている。

0038

このように、ドラム1Aは、ドラム1に比べ、シェル2に固定される錘5の数が増えたものであり、錘5をシェル2の周方向に細かく分散配置したものである。

0039

本実施形態の錘5の1個当たりの質量は、例えば、約0.5kgである。ドラム1Aでは、錘5の数が8個であるため、この場合のドラム1Aにおける錘5の総質量は、約4kgである。このように、ドラム1Aにおいても、シェル2に固定される錘5の総質量は、錘5が固定されていないシェルの総質量の25%から200%の範囲内に収まっている。

0040

本実施形態のドラム1Aでは、第1実施形態のドラム1と同様に、複数の錘5がシェル2の周方向に分散して固定されているため、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。

0041

また、ドラム1Aでは、ドラム1に比べ、シェル2の周方向に沿った錘5の分布がより均一になっている。これにより、ドラム1Aでは、ドラム1に比べ、基音に近い倍音から基音から離れた高次の倍音までの広い範囲で、シェル2の振動が持続すると推測される。このため、ドラム1Aでは、基音よりも高次の倍音の伸びを広い周波数帯においてより良く減少させることができる。従って、ドラム1Aによれば、ドラム1に比べ、より高音質なドラム音を得ることができる。

0042

また、ドラム1Aでは、ラグ3の数と錘5の数が同じであり、錘5がシェル2の周方向に隣り合うラグ3のちょうど中間に配置されている。すなわち、ドラム1Aでは、シェル2の周方向に沿って、ラグ3と錘5とが交互に配置されている。これにより、ドラム1Aのシェル2は、ドラム1に比べ、所定の質量を有する部材(ラグ3および錘5)をシェル2の周方向に沿ってより均一に有することとなる。このため、ドラム1Aでは、ドラム1に比べ、シェル2が振動して変形する際の影響がシェル2の周方向に沿ってより均一になると推測される。

0043

以上、本発明の第1および第2実施形態について説明したが、本発明には各種の変形例が考えられる。例えば、次の通りである。
(1)第1および第2実施形態のドラム1および1Aでは、シェル2の周方向に回転対称となる位置に錘5が固定されていた。しかし、錘5は、シェル2の周方向に回転対称となるように固定されていなくても良い。複数の錘5がシェル2の周方向に間を空けて固定されていれば、所定の周波数帯におけるシェル2の振動の持続を期待することができるからである。
(2)第1実施形態のドラム1では、シェル2に4個の錘5が固定され、第2実施形態のドラム1Aでは、シェル2に8個の錘が固定されていた。しかし、錘5の数は、この例に限らない。また、錘5の数は、複数に限らず、1個であっても良い。シェル2に少なくとも1個の錘5が固定されていれば、基音が良く伸びる音を得ることができるからである。ただし、シェル2に固定される錘5の数が1個の場合、所定の周波数帯におけるシェル2の振動の持続を期待できない。このため、シェル2に1個の錘を固定する態様に比べ、シェル2に複数の錘5を固定する態様の方が好ましい。また、錘5の数は、シェル2の振動モードを考慮すれば、奇数よりも偶数(より正確には2以上の偶数)であるのが好ましい。
(3)第1および第2実施形態のドラム1および1Aでは、シェル2の内周面に錘5が固定されていた。しかし、錘5は、シェル2の外周面に固定されていても良い。
(4)第1および第2実施形態のドラム1および1Aは、バスドラムであった。しかし、本発明の適用先は、バスドラムに限らない。本発明は、フロアタムやタムタムやスネアドラムなどの各種のドラムに適用可能である。すなわち、これら各種のドラムにおいて、複数の錘をシェルの周方向に分散して固定することで、第1および第2実施形態と同様の効果が得られる。これら各種のドラムにおいても、錘の総質量を当該ドラムのシェルの質量の25%から200%の範囲内に収めるのが好ましい。例えば、フロアタムに適用する場合には、フロアタムのシェルの質量を基準に錘の総質量を決定する。錘の総質量をこのように決定することで、本発明をバスドラム以外のドラムに適用した場合であっても、第1および第2実施形態と同様の効果を適切に得ることができる。

0044

次に、本発明の第3の実施形態であるドラムについて説明する。図3は、本発明の第3の実施の形態に係るドラムの正面図である。このドラム10も、一例としてバスドラムとして構成される。ドラム10は、両端が開口している円筒状のシェル11を有する。シェル11の開口端にドラムヘッド13が張られている。シェル11は、外周面に設けられた2つの脚取付部29を介して、棒状のレッグ12によって支持される。それにより、シェル11は、その開口端を含む平面が地面に対して略鉛直に立つような姿勢(換言すると、ドラムヘッド13の法線が地面に対して水平になるような姿勢)で使用される。

0045

シェル11の外周面11bには複数のラグ20が配設される。ラグ20は、シェル11の円周方向に等間隔に約45度間隔で設けられ、全8個配置される。各ラグ20には、ドラムヘッド13の張力を調整するためのチューニングピン(不図示)が組み合わされる。ラグ20は、シェル11に取り付けられるとドラムとしての機能(ここではドラムヘッド13の張力調整機能)を果たす機能部品の例示である。シェル11の内周面11aには、錘30が、ラグ20に対応して全8個配設される。各錘30は、シェル11の肉部を挟んで対応するラグ20の反対側に配置される。従って、錘30は、シェル11の周方向に互いに間を空けて分散して配置される。錘30の材質は例えば鉄であるが、ステンレス鋼や真鍮や亜鉛などであっても良い。

0046

次に、ラグ20及び錘30の取り付け構造を説明する。8組のラグ20及び錘30の構成は共通であるので、代表して1組について図4A図4Dを用いて説明する。比較のために錘30を設けない従来のラグ20の取り付け構造を図4Aに示す。図4A図4Bはそれぞれ、従来、本実施形態におけるラグ20付近の断面図である。これらの図は、シェル11の中心軸方向に垂直な断面を示している。

0047

まず、従来(図4A)の構成では、ラグ20はシェル11に対して外周側からプレート23を介して取り付けられ、ラグ20は、内周側から螺合されるボルト24でシェル11に締結固定される。

0048

図4Cは、本実施形態におけるラグ20及び錘30の分解図である。図4Dは、シェル11の内周側から見たボルト24及び錘30の図である。本実施形態では、従来に対し、ドラム10が錘30を有する点が異なり、その他の構成は従来の既存のドラムと変わりはない。ラグ20、プレート23及びボルト24の構成は従来のものと同様である。ボルト24は頭部26、フランジ27及び軸部25を有する(図4C)。なお、錘30を設けることに対応して、ボルト24の軸部25の長さや、フランジ27の有無を従来とは異ならせてもよい。

0049

ラグ20は、チューニングピンが螺合されるネジ穴21を有し、さらに、ボルト24が螺合されるネジ穴22を有する(図4C)。シェル11への取り付け状態において、ネジ穴21はシェル11の中心軸方向に略平行で、ネジ穴22はシェル11の内径方向(ボルト24の軸部25の軸心C方向)に略平行である。錘30は、締結用の貫通穴31を有する円筒状に形成される。プレート23、シェル11には、それぞれ、締結用の貫通穴23a、11cが形成される。

0050

ラグ20及び錘30の取り付けにおいては、作業者は、シェル11の外周面11bの側にプレート23、ラグ20を位置させ、シェル11の内周面11aの側に錘30を位置させる。そして、シェル11の内周面11aの側からボルト24の軸部25を、錘30の貫通穴31、シェル11の貫通穴11c、プレート23の貫通穴23aに通し、ラグ20のネジ穴22に螺合する。これにより、錘30がラグ20と共締め状態でシェル11に対して固定される。

0051

従来と比べると、本実施形態では、ラグ20をボルト24でシェル11に締結する際に、ボルト24のフランジ27とシェル11の内周面11aとの間に錘30を介在させる点が異なるだけである。作業工程としては1つのボルト24の螺着作業であり、従来と変わりはない。

0052

錘30は円筒状であるので、シェル11への固定状態(図4B図4D)において、ボルト24の軸部25の軸方向視(貫通穴31の軸線方向視でもある)における形状が円形で且つ、軸部25の軸心C(貫通穴31の軸心でもある)に関して回転対称である。従って、作業者は、錘30の円周方向の向きを気にする必要がない。しかも、錘30は、外形及び貫通穴31の内径が一様である。従って、2つの端面のいずれをシェル11の内周面11aに対向させるかを気にする必要がない。これらにより、作業が容易となる。

0053

また、シェル11への固定状態(図4B図4D)において、錘30は、ボルト24の軸部25の軸心Cを挟むシェル11の円周方向における2点(当接点P1、P2)でシェル11の内周面11aに当接する。これにより、錘30のシェル11に対する固定状態が安定する。従って、ドラム10の使用時(打撃演奏によるシェル11の振動時)には、錘30がシェル11と別個変位することなく、シェル11と一体となって変位する。

0054

ドラム10においては、シェル11と錘30とが一体となっており、シェル11全体の質量が従来の(既存の)のシェルに比べて増えている。ここで、ドラム10に演奏操作(打撃)が行われると、ドラムヘッド13の振動に応じてシェル11も振動する。シェル11は、静止した状態から振動を開始する際、慣性によって静止した状態を維持しようとする。シェル11の質量が増加するほど、静止した状態をより維持しようとする。このことから、シェル11の質量が増えているドラム10では、ドラム音の基音付近の周波数帯におけるシェル11の振動が抑制される。シェル11の振動が抑制されると、演奏操作によってドラム10に与えられたエネルギーが、シェル11の振動によってあまり消費されないようになる一方、ドラムヘッド13の振動によってより多く消費されることとなる。このため、ドラム音の所定の周波数帯(具体的には、基音よりも高次の倍音の周波数帯)において、ドラムヘッド13の振動が減少することとなり、ドラム音の所定の周波数帯の音(具体的には、基音よりも高次の倍音)の伸びが減少するようになる。その結果、基音付近の周波数帯において、ドラムヘッド13が良く振動し、基音が良く伸びるようになる。基音が良く伸びると、低音がくっきりとした音になる。

0055

ところで、シェル11に固定される8個の錘30の総質量は、錘30が1つも固定されていない状態のシェル11(すなわち一般的なシェル)の質量の25%から200%の範囲内であるのが好ましい。バスドラムの一般的なシェルの質量は約4kgである。このことから、シェル11に固定される複数の錘30の総質量は、一般的なシェルの質量の25%である約1kgより大きく、一般的なシェルの質量の200%である約8kgより小さいのが好ましい。シェル11に分散配置される錘30の総質量をこのような設定にすると、基音よりも高次の倍音の伸びをより効果的に減少させることができ、低音がくっきりとする。

0056

本実施形態のドラム10によれば、ボルト24によりシェル11にラグ20が取り付けられた状態で、錘30がシェル11に対して相対的に固定状態となるので、基音を伸ばすことができる。錘30の取り付けは、既存のドラムの製造工程またはドラムを購入したユーザにおいて実現可能である。従って、既存のドラムの音質を向上させることができる。特に、ボルト24によりラグ20をシェル11に対して取り付ける作業を実施することにより、錘30がシェル11に対して固定されるので、錘30の取り付けのために作業工程が複雑化することがない。しかも、錘30は、ボルト24によりラグ20と共締め状態でシェル11に固定されるので、専用の取り付け機構を設ける必要がなく、既存のドラムに容易に適用できる。

0057

また、1つのラグ20に対応する締結部材は1つのボルト24であり、錘30は、固定状態において、ボルト24の軸方向視における形状が円形で且つ、ボルト24の軸心Cに関して回転対称である。これにより、錘30を固定する際に向きを気にする必要がなく作業が容易となる。

0058

また、錘30は、ボルト24の軸心Cを挟むシェル11の円周方向における2つの当接点P1、P2でシェル11に当接するので、シェル11に対する固定状態が安定し、音質向上効果が高まる。また、シェル11に固定される錘30の総質量は、錘30が1つも固定されていない状態のシェル11の質量の25%より大きいので、基音が良く伸びる。

0059

なお、錘の形状や配設の態様について各種の変形例が考えられる。これらの変形例について図5A図5C図6A図6C図7A図7B図8A図8Bで説明する。

0060

図5A図5B図5Cは、変形例の錘の断面図である。図5Aに示す錘32は、一方の端面側に傾斜面を有している。また、錘32は、締結用の貫通穴32aと、貫通穴32aより大きい逃げ穴32bを有する。錘30と同様に、錘32は、ボルト24の軸方向視における形状が円形で且つ軸心Cに関して回転対称である。なお、ボルト24はフランジ27を有する必要はなく、フランジ27を廃止したボルト24を用いた場合、頭部26が逃げ穴32bに埋まる。

0061

なお、1つのラグ20に複数の錘が対応するようにしてもよい。例えば、図5Bに示すように、2つの錘32を組み合わせて錘群とし、1つのボルト24の螺着操作によって錘群がシェル11を固定してもよい。貫通穴32aがある側の端面同士を当接させれば、錘群のいずれの端面をシェル11に対向させるべきかを気にする必要がない。

0062

また、組み合わせる錘の形状は同じでなくてもよい。例えば、図4C等で示した錘30を両側から錘32で挟むように組み合わせてもよい(図5C)。この場合も、組み合わせた錘群のいずれの端面をシェル11に対向させるべきかを気にする必要がない。なお、適用される錘は3つ以上存在してもよい。そして、複数の錘のうち任意に選択した1つ以上の錘を、ラグ20及びボルト24のいずれかまたは双方に対して固定状態とするようにしてもよい。

0063

図6Aは、変形例のボルト24の側面図である。錘を別個に設けるのではなく、図6Aに示すように、ボルト24の一部、例えば頭部26と軸部25との間に錘33を一体に形成してもよい。これによれば、ボルト24でラグ20を締結するという従来と同様の作業により錘33をシェル11に固定することができる。

0064

図6Bは、ラグ20付近の断面図である。錘30を、シェル11の外周面11bに対向させ、ラグ20と外周面11bとの間に介在するように、ボルト24により錘30及びラグ20を共締め状態でシェル11に固定してもよい。プレート23は設けてもよいが必須でない。図6Cは、ラグ20の斜視図である。ラグ20の内部に錘を内装してもよい。作業者は、ラグ20の内部の保持部28に錘を保持させた状態で、従来と同様の態様でラグ20をボルト24でシェル11に締結する。なお、ラグ20に装着可能な錘を複数種類用意し、任意に選択した錘を内装してもよい。あるいは錘をラグ20に装着するか装着しないかも選択可能である。

0065

なお、このほか、ボルト24の頭部を磁性体で構成すると共に、錘を磁石で構成し、磁力によって錘をボルト24に固着できるようにしてもよい。その場合、ボルト24の頭部における錘が当接する面積を広くとり、安定した固着状態となるようにしてもよい。

0066

なお、錘のシェル11に対する固定状態を安定させる観点からは、ボルト24の軸心Cを挟むシェル11の円周方向における2点で錘がシェル11に当接するようにすればよい。従って、シェル11との当接は線当接や面当接でもよく、錘30の形状も円柱状に限らず、直方体等であってもよい。

0067

図7Aは、他の変形例の錘の斜視図である。図7Bは、他の変形例の錘の側面図である。図8Aは、他の変形例のラグの平面図である。図8Bは、他の変形例のラグの側面図である。図7A及び図7Bに示す錘70は、図8A及び図8Bに示すラグ80と対で用いられる。

0068

ドラム10ではドラムヘッド13が透明膜で構成される場合があり、この場合、観客からドラムヘッド13を介してシェル11の内周面11aに配設された各錘70を眺めることができる。

0069

ところで、シェル11の肉部を挟んで対となる錘70の反対側に配置されるラグ80は、ボルト24の軸部25の軸方向視において、シェル11の中心軸方向に沿って形状が絞られるものが用いられることが多い。このとき、錘70としてラグ80と類似の形状を有するものを用いると、デザイン統一性の観点から観客に好印象を与えることができる。そこで、錘70として、ボルト24の軸部25の軸方向視における形状が滴形であり、その長手方向がシェル11の中心軸方向に沿うように配置され、さらに、シェル11の中心軸方向に沿って形状が絞られるものを用いるのが好ましい。

0070

錘70は厚み方向に貫通する貫通穴71を有し、ラグ80は締結用のネジ穴81を有し、シェル11の肉部を挟んで錘70の貫通穴71と、ラグ80のネジ穴81とを対向させた際、シェル11の内周面11aの側からボルト24の軸部25を、錘70の貫通穴71に通し、ラグ80のネジ穴81に螺合させる。これにより、錘70がラグ80と共締め状態でシェル11に対して固定される。

0071

また、錘70はシェル11の内周面11aに向けて突出する突起部72を有し、錘70がラグ80と共締めされる際、突起部72がシェル11の内周面11aに当接する。このとき、錘70をラグ80と共締めする力が突起部72に集中して作用するため、突起部72には内周面11aに対する大きな摩擦力が作用する。これにより、錘70の移動、特に、ボルト24を中心とする回転移動を防止し、錘70の長手方向がシェル11の中心軸方向からずれて見栄えが悪化するのを防止することができる。

0072

また、上述したように、ボルト24の頭部を磁性体で構成すると共に、錘30を磁石で構成してもよいが、ボルト24の頭部を磁性体で構成することなく、錘30のみを磁石で構成してもよい。この場合、例えば、シェル11、ラグ20及びボルト24の少なくとも1つを部分的に鉄で構成することにより、磁力によって錘30をシェル11に対して直接的又は間接的に固定することができる。このとき、錘30のシェル11に対する固定へボルト24の締結力を用いてもよく、若しくは、用いなくてもよい。

0073

なお、本発明が適用される打楽器は、バスドラムに限らず、スネアドラム、フロアタムやタムタム等、他のドラムであってもよく、さらには、略円錐状のシェルを有するティンパニであってもよい。また、シェルに取り付けられる機能部品は、シェルに取り付けられると何らかの機能、例えばドラムとしての機能を果たすものであればよく、ラグ20に限らない。例えば、脚取付部29(図3)であってもよいし、あるいは、パイプクランプであってもよい。また、機能部品を締結する締結部材はボルトに限らず、リベット等であってもよい。

0074

なお、錘は、締結部材により機能部品がシェルに対して取り付けられた状態で、機能部品及び締結部材のいずれかまたは双方に対して固定状態となることで、実質的にシェルに対して固定されればよい。また、上述した本実施の形態では、錘30が1つの締結用の貫通穴31を有するのみであったが、錘が複数の締結用の貫通穴を有してもよく、この場合、締結部材としての複数のボルトの各々の軸部が各貫通穴挿通されてラグに設けられた複数のネジ穴のそれぞれと螺合する。

0075

以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。

0076

本出願は、2016年11月2日に出願された日本出願第2016−214856号及び2017年3月2日に出願された日本出願第2017−039294号に基づく優先権を主張するものであり、当該日本出願に記載された全内容を本出願に援用する。

0077

1,1A,10…ドラム、2,11…シェル、3A〜3H,20,80…ラグ(機能部品)、4…レッグ、5A〜5H,30,32,33,70…錘、11a…内周面、11b…外周面、24…ボルト(締結部材)、25…軸部

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