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技術 車両内装部材用水性塗料、車両内装部材および車両内装部材の製造方法

出願人 AGC株式会社
発明者 江畑志郎セドリックチンヤンシェン尾知修平齋藤俊鷲見直子
出願日 2017年10月30日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2018-547824
公開日 2019年9月19日 (7ヶ月経過) 公開番号 WO2018-079774
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード カルボジイミド系硬化剤 化学式量 低汚染化 EOV ABS樹脂 アリロキシエトキシカルボニル 遠心乾燥 クロス状
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題・解決手段

本発明の課題は、日焼け止め剤に対する耐汚染性に優れた車両内装部材水性塗料、これを用いて形成された硬化膜を有する車両内装部材およびその製造方法の提供である。 本発明の車両内装部材用水性塗料は、フルオロオレフィンに基づく単位およびカルボキシ基を有する単位を含む含フッ素重合体と、カルボジイミド系硬化剤アミン系硬化剤オキサゾリン硬化剤およびエポキシ系硬化剤からなる群より選択される少なくとも1種の硬化剤と、水と、を含み、上記含フッ素重合体の酸価が5mgKOH/g以上である。

概要

背景

車両内装部材(例えば、ダッシュボードインストルメントパネル)、センターコンソールドアトリムセンタークラスタースイッチパネルシフトノブ等)は、その表面の保護、加飾または手触りの向上等を目的として、塗料硬化させた硬化膜を有する場合がある。かかる塗料は、車両内装部材を構成する車両内装基材上に直接塗布したり、車両内装基材に貼付して使用される樹脂フィルムに塗布したりして用いられる。
特許文献1には、ヒドロキシ基を有する含フッ素重合体と、イソシアナート硬化剤と、難燃剤と、を含む塗料を自動車内装部材に使用することが開示されている。また、特許文献2には、自動車内装部材の日焼け止め剤に対する耐汚染性を向上すべく、アクリル変性ポリカーボネート樹脂と、ポリイソシアナート化合物と、ウレタン樹脂微粉末と、を含む硬化性樹脂組成物が、かかる塗料として開示されている。

概要

本発明の課題は、日焼け止め剤に対する耐汚染性に優れた車両内装部材用水性塗料、これを用いて形成された硬化膜を有する車両内装部材およびその製造方法の提供である。 本発明の車両内装部材用水性塗料は、フルオロオレフィンに基づく単位およびカルボキシ基を有する単位を含む含フッ素重合体と、カルボジイミド系硬化剤アミン系硬化剤オキサゾリン系硬化剤およびエポキシ系硬化剤からなる群より選択される少なくとも1種の硬化剤と、水と、を含み、上記含フッ素重合体の酸価が5mgKOH/g以上である。

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、日焼け止め剤に対する耐汚染性に優れた車両内装部材用水性塗料、これを用いて形成された硬化膜を有する車両内装部材およびその製造方法の提供を課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

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請求項1

フルオロオレフィンに基づく単位およびカルボキシ基を有する単位を含む含フッ素重合体と、カルボジイミド系硬化剤アミン系硬化剤オキサゾリン硬化剤およびエポキシ系硬化剤からなる群より選択される少なくとも1種の硬化剤と、水と、を含み、前記含フッ素重合体の酸価が5mgKOH/g以上である、車両内装部材用の水性塗料

請求項2

前記カルボキシ基を有する単位が、カルボキシ基を有する単量体に基づく単位である、請求項1に記載の水性塗料。

請求項3

前記カルボキシ基を有する単位が、ヒドロキシ基を有する単量体に基づく単位のヒドロキシ基がカルボキシ基を有する基に変換されてなる単位である、請求項1に記載の水性塗料。

請求項4

前記含フッ素重合体の酸価が5〜100mgKOH/gである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性塗料。

請求項5

前記硬化剤が、カルボジイミド系硬化剤またはオキサゾリン系硬化剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性塗料。

請求項6

前記含フッ素重合体が、ヒドロキシ基を有する単量体に基づく単位をさらに含み、前記含フッ素重合体の水酸基価が、20mgKOH/g以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性塗料。

請求項7

前記含フッ素重合体の水酸基価が、20〜300mgKOH/gである、請求項6に記載の水性塗料。

請求項8

イソシアナート系硬化剤をさらに含む、請求項6または7に記載の水性塗料。

請求項9

前記イソシアナート系硬化剤が水分散性のイソシアナート系硬化剤である、請求項8に記載の水性塗料。

請求項10

前記含フッ素重合体のフッ素含有量が10〜70質量%である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の水性塗料。

請求項11

車両内装基材と、前記車両内装基材上に配置された請求項1〜10のいずれか1項に記載の水性塗料を用いて得られる硬化膜と、を有する、車両内装部材。

請求項12

車両内装基材上に、請求項1〜10のいずれか1項に記載の水性塗料を塗布し乾燥して塗膜を形成し、前記塗膜を硬化させて硬化膜を形成する、車両内装部材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、車両内装部材水性塗料、車両内装部材および車両内装部材の製造方法に関する。

背景技術

0002

車両内装部材(例えば、ダッシュボードインストルメントパネル)、センターコンソールドアトリムセンタークラスタースイッチパネルシフトノブ等)は、その表面の保護、加飾または手触りの向上等を目的として、塗料硬化させた硬化膜を有する場合がある。かかる塗料は、車両内装部材を構成する車両内装基材上に直接塗布したり、車両内装基材に貼付して使用される樹脂フィルムに塗布したりして用いられる。
特許文献1には、ヒドロキシ基を有する含フッ素重合体と、イソシアナート硬化剤と、難燃剤と、を含む塗料を自動車内装部材に使用することが開示されている。また、特許文献2には、自動車内装部材の日焼け止め剤に対する耐汚染性を向上すべく、アクリル変性ポリカーボネート樹脂と、ポリイソシアナート化合物と、ウレタン樹脂微粉末と、を含む硬化性樹脂組成物が、かかる塗料として開示されている。

先行技術

0003

特開2015−232064号公報
特開2016−84432号公報

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1および2には、有機溶剤主溶剤とする溶剤型塗料が開示されているが、車両内および環境中における有機溶剤の揮発を低減する観点から、水を主溶剤とする水性塗料のニーズが高まっている。
そこで、本発明者らは、日焼け止め剤による汚染の発生を抑制すべく、特許文献1に記載される塗料を水性塗料として調製して、その硬化膜を評価した結果、日焼け止め剤に対する耐汚染性について、改善の余地があることを知見した。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、日焼け止め剤に対する耐汚染性に優れた車両内装部材用水性塗料、これを用いて形成された硬化膜を有する車両内装部材およびその製造方法の提供を課題とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、酸価が5mgKOH/g以上の含フッ素重合体と、カルボキシ基と反応しうる特定の硬化剤と、を含む水性塗料を用いることで、所望の効果が得られることを見出し、本発明に至った。

0006

[1]フルオロオレフィンに基づく単位およびカルボキシ基を有する単位を含む含フッ素重合体と、カルボジイミド系硬化剤アミン系硬化剤オキサゾリン系硬化剤およびエポキシ系硬化剤からなる群より選択される少なくとも1種の硬化剤と、水と、を含み、前記含フッ素重合体の酸価が5mgKOH/g以上である、車両内装部材用の水性塗料。
[2]前記カルボキシ基を有する単位が、カルボキシ基を有する単量体に基づく単位である、[1]の水性塗料。
[3]前記カルボキシ基を有する単位が、ヒドロキシ基を有する単量体に基づく単位のヒドロキシ基がカルボキシ基を有する基に変換されてなる単位である、[1]の水性塗料。
[4]前記含フッ素重合体の酸価が5〜100mgKOH/gである、[1]〜[3]のいずれかの水性塗料。
[5]前記硬化剤が、カルボジイミド系硬化剤またはオキサゾリン系硬化剤である、[1]〜[4]のいずれかの水性塗料。

0007

[6]前記含フッ素重合体が、ヒドロキシ基を有する単量体に基づく単位をさらに含み、
前記含フッ素重合体の水酸基価が、20mgKOH/g以上である、[1]〜[5]のいずれかの水性塗料。
[7]前記含フッ素重合体の水酸基価が、20〜300mgKOH/gである、[6]の水性塗料。
[8]イソシアナート系硬化剤をさらに含む、[6]または[7]の水性塗料。
[9]前記イソシアナート系硬化剤が水分散性のイソシアナート系硬化剤である、[8]の水性塗料。
[10]前記含フッ素重合体のフッ素含有量が10〜70質量%である、[1]〜[9]のいずれかの水性塗料。

0008

[11]車両内装基材と、前記車両内装基材上に配置された[1]〜[10]のいずれかの水性塗料を用いて得られる硬化膜と、を有する、車両内装部材。
[12]車両内装基材上に、[1]〜[10]のいずれかの水性塗料を塗布し乾燥して塗膜を形成し、前記塗膜を硬化させて硬化膜を形成する、車両内装部材の製造方法。

発明の効果

0009

以下に示すように、本発明によれば、日焼け止め剤に対する耐汚染性に優れた車両内装部材用水性塗料、これを用いて形成された硬化膜を有する車両内装部材およびその製造方法を提供できる。

0010

本発明における用語の意味は以下の通りである。
「単位」とは、単量体が重合して直接形成された、上記単量体1分子由来する原子団と、上記原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。「単量体に基づく単位」は、以下、単に「単位」ともいう。なお、重合体が含む全単位に対する、それぞれの単位の含有量モル%)は、重合体の製造に際して使用する成分の仕込み量から決定できる。
酸価および水酸基価は、それぞれ、JIS K 0070−3(1992)の方法に準じて、テトラヒドロフラン溶液に、一定量の樹脂を溶解させ、フェノールフタレイン指示薬として、KOH/エタノール溶液にて滴定し、測定される値である。
「数平均分子量」および「重量平均分子量」は、ポリスチレン標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される値である。「数平均分子量」は「Mn」ともいい、「重量平均分子量」は「Mw」ともいう。
「フッ素含有量」とは、含フッ素重合体の全質量に対するフッ素原子の割合(質量%)を意味する。フッ素含有量は、含フッ素重合体を核磁気共鳴スペクトル法により分析して求められる。
固形分」とは、塗料が溶媒分散媒を含む場合に、塗料から溶媒や分散媒を除いた部分である。

0011

本発明の車両内装部材用水性塗料(以下、「本水性塗料」ともいう。)は、フルオロオレフィンに基づく単位およびカルボキシ基を有する単量体に基づく単位を含む含フッ素重合体と、カルボジイミド系硬化剤、アミン系硬化剤、オキサゾリン系硬化剤およびエポキシ系硬化剤からなる群より選択される少なくとも1種の硬化剤(以下、「特定の硬化剤」ともいう。)と、を含み、含フッ素重合体の酸価が5mgKOH/g以上である、水性塗料である。
特定の硬化剤と、含フッ素重合体のカルボキシ基とが架橋反応することで、本水性塗料から硬化膜が得られ、その硬化膜は、ヒドロキシ基を有する含フッ素重合体とイソシアナート系硬化剤を含み、カルボキシ基を有する単量体に基づく単位を含む含フッ素重合体および特定の硬化剤を含まない従来の水性塗料から得られる硬化膜と比較して、日焼け止め剤の付着または浸透をより抑制できる。その理由は、必ずしも明確ではないが、以下のように考えられる。
従来の水性塗料においては、塗布乾燥後かつヒドロキシ基とイソシアナート基の架橋反応が進行する前に、残存した水とイソシアナート基の反応が進行してしまい、含フッ素重合体との架橋に必要なイソシアナート基が不足して、強固で緻密な硬化膜が得られない場合がある。また、副生する炭酸ガスによる発泡膜欠陥の原因となる懸念がある。本発明における特定の硬化剤(特に、カルボジイミド系硬化剤およびオキサゾリン系硬化剤)は水との反応性に乏しいため、こうした懸念がなく、強固で緻密な硬化膜が得られる。よって、本水性塗料を用いて得られる硬化膜(以下、「本硬化膜」ともいう。)は、日焼け止め剤に対する耐汚染性に優れると推測される。
本発明において「日焼け止め剤に対する耐汚染性に優れる」とは、日焼け止め剤を硬化膜に付着させた後、硬化膜の外観の変化が少ないこと、および、硬化膜の耐久性に優れること、を意味する。なお、日焼け止め剤としては、コパトーン登録商標)等が挙げられる。以下において、「日焼け止め剤に対する耐汚染性」のことを、単に「耐汚染性」と略記する。

0012

本発明における含フッ素重合体は、フルオロオレフィンに基づく単位(以下、「単位A1」ともいう。)およびカルボキシ基を有する単位(以下、「単位A2」ともいう。)を含む。
フルオロオレフィンは、水素原子の1個以上がフッ素原子で置換されたオレフィンである。
フルオロオレフィンにおいては、フッ素原子で置換されていない水素原子の1個以上が塩素原子で置換されていてもよい。
フルオロオレフィンとしては、CH2=CF2、CF2=CF2、CF2=CFCF3およびCHF=CHCF3が好ましく、本硬化膜の耐候性の点から、CF2=CF2およびCF2=CFClがより好ましい。
フルオロオレフィンは、2種以上を併用してもよい。
単位A1の含有量は、本硬化膜の耐候性の点から、含フッ素重合体が含む全単位に対して、20〜70モル%が好ましく、30〜70モル%がより好ましく、40〜60モル%が特に好ましい。

0013

単位A2のカルボキシ基と、本発明の水性塗料に含まれる後述するカルボジイミド系硬化剤、アミン系硬化剤、オキサゾリン系硬化剤およびエポキシ系硬化剤からなる群より選択される少なくとも1種の硬化剤と、が架橋反応して、塗膜の硬化を促進する。
単位A2のカルボキシ基は、カルボキシ基を有する単量体(以下、「単量体a2」とも記す。)とフルオロオレフィン等とを共重合させて含フッ素重合体中に導入されてもよいし、後述する単位A3を含む含フッ素重合体を製造した後、単位A3中のヒドロキシ基をカルボキシ基含有基に変換することにより導入されてもよい。
単位A3を単位A2に変換する方法の具体例としては、単位A3のヒドロキシ基と、酸無水物基を有する化合物(例えば、無水コハク酸無水フタル酸等の多価カルボン酸無水物)と、を反応させる方法が挙げられる。この場合、単位A3は、ヒドロキシアルキルビニルエーテルに基づく単位が好ましい。

0014

単量体a2の具体例としては、不飽和カルボン酸(3−ブテン酸、4−ペンテン酸、2−ヘキセン酸、3−ヘキセン酸、5−ヘキセン酸、2−ヘプテン酸、3−ヘプテン酸、6−ヘプテン酸、3−オクテン酸、7−オクテン酸、2−ノネン酸、3−ノネン酸、8−ノネン酸、9−デセン酸、10−ウンデセン酸アクリル酸メタクリル酸ビニル酢酸クロトン酸桂皮酸等)、飽和カルボン酸ビニルエーテル(ビニルオキシ吉草酸、3−ビニルオキシプロピオン酸、3−(2−ビニルオキシブトキシカルボニル)プロピオン酸、3−(2−ビニルオキシエトキシカルボニル)プロピオン酸等)、飽和カルボン酸アリルエーテルアリルオキシ吉草酸、3−アリルオキシプロピオン酸、3−(2−アリロキシブトキシカルボニル)プロピオン酸、3−(2−アリロキシエトキシカルボニル)プロピオン酸等)、飽和多価カルボン酸モノビニルエステルアジピン酸モノビニルコハク酸モノビニル、フタル酸ビニル、ピロメリット酸ビニル等)、不飽和ジカルボン酸イタコン酸マレイン酸フマル酸等)、不飽和カルボン酸モノエステルイタコン酸モノエステルマレイン酸モノエステル、フマル酸モノエステル等)が挙げられる。
また、単量体a2としては、後述する単量体a3と、上記酸無水物基を有する化合物と、を反応させて得られる酸変性体(単量体)も使用できる。
単量体a2は、2種以上併用してもよい。
単位A2の含有量は、耐汚染性の点から、含フッ素重合体が含む全単位に対して、1〜20モル%が好ましく、3〜15モル%がより好ましい

0015

含フッ素重合体は、ヒドロキシ基を有する単量体(以下、「単量体a3」ともいう。)に基づく単位(以下、「単位A3」とも記す。)をさらに含むことが好ましい。これにより、本硬化膜の硬化性をより向上できるので、本硬化膜の耐汚染性をより向上できる。特に、硬化剤として後述するイソシアナート系硬化剤を含む場合には、本硬化膜の耐汚染性がより一層向上する。

0016

単量体a3の具体例としては、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシシクロアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエステル、ヒドロキシシクロアルキルビニルエステル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル、ヒドロキシアルキルアリルエステルアクリル酸ヒドロキシアルキルエステルメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられ、より具体的には、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチル)ビニルエーテル、ヒドロキシエチルアリルエーテル、アクリル酸ヒドロキシエチルメタクリル酸ヒドロキシエチルが挙げられる。これらの中でも、共重合性に優れ、本硬化膜の耐候性がより優れる点から、ヒドロキシアルキルビニルエーテルが好ましい。
単量体a3は、2種以上を併用してもよい。
単位A3の含有量は、耐汚染性の観点から、含フッ素重合体が含む全単位に対して、1〜25モル%が好ましく、2〜20モル%が特に好ましい。

0017

含フッ素重合体は、さらに、フッ素原子および架橋性基をいずれも含まず、炭素数3〜6の分岐を有するアルキル基、または、炭素数4〜12の1価の環式炭化水素基を有する単量体(以下、「単量体a4」ともいう。)に基づく単位(以下、「単位A4」ともいう。)を含むことが好ましい。これにより、本硬化膜の耐候性が向上する。
なお、本明細書における「架橋性基」には、上述したカルボキシ基およびヒドロキシ基の他に、後述する「他の架橋性基」も含まれる。
上記分岐を有するアルキル基は、iso−プロピル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルペンチル基、または、1−エチル−プロピル基が好ましく、tert−ブチル基がより好ましい。
上記環式炭化水素基は、シクロブチル基、シクロヘプチル基、シクロヘキシル基等の単環式飽和炭化水素基、4−シクロヘキシルシクロヘキシル基等の複環式飽和炭化水素基、1−デカヒドロナフチル基、2−デカヒドロナフチル基等の多環式飽和炭化水素基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基等の架橋環式飽和炭化水素基、スピロ[3.4]オクチル基等のスピロ炭化水素基フェニル基ベンジル基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。

0018

単量体a4の具体例としては、ビニルエーテル、アリルエーテル、アルキルビニルエステル、アルキルアリルエステルアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルであって、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基またはフェニル基を側鎖に有する単量体が挙げられ、より具体的には、シクロヘキシルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエステル、安息香酸ビニルエステル等が挙げられる。
単量体a4は、2種以上を併用してもよい。
含フッ素重合体が単位A4を含む場合、単位A4の含有量は、本硬化膜の耐候性がより向上する観点から、含フッ素重合体が含む全単位に対して、50モル%以下が好ましく、3〜45モル%が特に好ましい。

0019

含フッ素重合体は、さらに、カルボキシ基およびヒドロキシ基以外の架橋性基(以下、「他の架橋性基」ともいう。)を有する単量体(以下、「単量体a5」ともいう。)に基づく単位(以下、「単位A5」ともいう。)をさらに含んでもよい。
他の架橋性基としては、アミノ基、加水分解性シリル基アルコキシシリル基等)等が挙げられる。

0020

単量体a5の具体例としては、アミノ基を有する単量体(アミノビニルエーテル、アリルアミンアミノメチルスチレンビニルアミンアクリルアミドメタクリルアミドビニルアセトアミドビニルホルムアミド等)、アルコキシシリル基を有する単量体(アルコキシシリル基含有アクリル酸エステル、アルコキシシリル基含有メタクリル酸エステル、ビニルシラン、アルコキシシリル基含有ビニルエーテル等)が挙げられる。
単量体a5は、2種以上を併用してもよい。
含フッ素重合体が単位A5を含む場合、単位A5の含有量は、含フッ素重合体が含む全単位に対して、50モル%以下が好ましい。

0021

含フッ素重合体は、単位A1〜単位A5以外の単位を、さらに含んでいてよい。このような単位としては、フッ素原子、架橋性基、炭素数3〜6の分岐を有するアルキル基、および、炭素数4〜12の1価の環式炭化水素基を有さない単量体(以下、単量体a6ともいう。)に基づく単位(以下、「単位A6」ともいう。)が挙げられる。

0022

単量体a6としては、フッ素原子、架橋性基、炭素数3〜6の分岐を有するアルキル基、および、炭素数4〜12の1価の環式炭化水素基を有さない、ビニルエーテル、アリルエーテル、アルキルビニルエステル、アルキルアリルエステル、オレフィン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等が挙げられ、より具体的には、アルキルビニルエーテルノニルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテルn−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル等)、アルキルアリルエーテル(エチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル等)、カルボン酸酢酸酪酸、ピバリン酸、安息香酸、プロピオン酸等)のビニルエステル、カルボン酸(酢酸、酪酸、ピバリン酸、安息香酸、プロピオン酸等)のアリルエステル、エチレンプロピレンイソブチレン等が挙げられる。
単量体a6は、2種以上を併用してもよい。
含フッ素重合体が単位A6を含む場合、単位A6の含有量は、含フッ素重合体が含む全単位に対して、50モル%以下が好ましい。

0023

本発明における含フッ素重合体は、含フッ素重合体が含む全単位に対して、単位A1、単位A2、単位A3、他の単位(単位A4、単位A5および単位A6)の含有量が、それぞれこの順に、20〜70モル%、1〜20モル%、1〜25モル%、0〜50モル%であるのが好ましい。

0024

含フッ素重合体の酸価は、5mgKOH/g以上であり、10mgKOH/g以上が好ましい。酸価が5mgKOH/g以上であることで、含フッ素重合体と特定の硬化剤との反応性が良好となり、含フッ素重合体の架橋密度がより向上するので、本硬化膜の耐汚染性がより優れる。
含フッ素重合体の酸価の上限値は、特に限定されないが、100mgKOH/g以下が好ましく、80mgKOH/g以下がより好ましい。
含フッ素重合体の酸価は、5〜100KOH/gであることが好ましく、10〜80mgKOH/gであることが特に好ましい。

0025

含フッ素重合体が単位A3を含む場合、含フッ素重合体の水酸基価は、20mgKOH/g以上が好ましく、40mgKOH/g以上がより好ましく、80mgKOH/g以上が特に好ましい。水酸基価が20mgKOH/g以上であることで、基材との密着性が良好となる。また、後述するイソシアナート系硬化剤を併用する態様において、含フッ素重合体の架橋密度がより向上するので、本硬化膜の耐汚染性がより優れる。
含フッ素重合体の水酸基価の上限値は、特に限定されないが、300mgKOH/g以下が好ましく、250mgKOH/g以下がより好ましい。
含フッ素重合体の水酸基価は、20〜300mgKOH/gであることが好ましく、40〜250mgKOH/gであることが特に好ましい。

0026

含フッ素重合体のMnは、5000〜200000が好ましく、6000〜180000がより好ましい。
含フッ素重合体のフッ素含有量は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。また、フッ素含有量は、70質量%以下が好ましい。含フッ素重合体のフッ素含有量が10質量%以上であれば、本硬化膜の耐候性がより優れる。含フッ素重合体のフッ素含有量が70質量%以下であれば、本硬化膜の表面平滑性が優れる。
含フッ素重合体のフッ素含有量は、10〜70質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることが特に好ましい。

0027

本水性塗料における含フッ素重合体の含有量は、本水性塗料中の全固形分に対して、10〜90質量%が好ましく、20〜85質量%がより好ましい。含フッ素重合体の含有量が上記範囲内にあることで、本硬化膜の耐汚染性および耐候性がより優れる。

0028

本発明における硬化剤は、カルボジイミド系硬化剤、アミン系硬化剤、オキサゾリン系硬化剤およびエポキシ系硬化剤からなる群より選択される少なくとも1種の硬化剤(以下、「特定の硬化剤」ともいう。)である。なお、硬化剤は、含フッ素重合体のカルボキシ基と反応しうる官能基(カルボジイミド系硬化剤であればカルボジイミド基、アミン系硬化剤であればアミノ基、オキサゾリン系硬化剤であればオキサゾリン基、エポキシ系硬化剤であればエポキシ基。)を、1分子中に2以上有する化合物であり、硬化剤と、含フッ素重合体が含む架橋性基とが反応することで、含フッ素重合体が架橋し、塗膜が硬化する。硬化剤は、架橋性基と反応し得る基を、通常2〜30有する。

0029

特定の硬化剤は、より強固で緻密な硬化膜が得られ、耐汚染性がより優れる観点から、カルボジイミド系硬化剤およびオキサゾリン系硬化剤が好ましい。
特定の硬化剤の含有量は、水性塗料中の含フッ素重合体100質量部に対して、0.1〜50.0質量部が好ましく、1.0〜40.0質量部がより好ましい。特定硬化剤の含有量が上記範囲内であることで、含フッ素重合体の架橋が良好に進行する。
特定の硬化剤は、2種以上を併用してもよい。

0030

カルボジイミド系硬化剤の具体例としては、ジカルボジイミド(N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド等)、ポリカルボジイミドポリ(1,6−ヘキサメチレンカルボジイミド)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシルカルボジイミド)、ポリ(1,3−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(ナフタレンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン)ポリカルボジイミド、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン)ポリカルボジイミド、ポリ(1,5−ジイソプロピルベンゼン)ポリカルボジイミド、ポリ(トリエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等)が挙げられる。

0031

カルボジイミド系硬化剤は、例えば、有機ジイソシアナート化合物の脱二酸化炭素を伴う縮合反応によりイソシアナート末端ポリカルボジイミドを形成した後、さらにイソシアナート基との反応性を有する官能基を持つ化合物を付加して製造したカルボジイミド化合物であることが好ましい。
有機ジイソシアナート化合物としては、芳香族ジイソシアナート化合物、脂肪族ジイソシアナート化合物、脂環族ジイソシアナート化合物、および、これらの混合物等が挙げられる。中でも、有機ジイソシアナート化合物としては、脂肪族ジイソシアナート化合物、脂環族ジイソシアナート化合物およびこれらを含む混合物が好ましい。
カルボジイミド系硬化剤は、本硬化膜の耐汚染性の点から、具体的には下式で表される化合物が好ましい。

0032

0033

式(B1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に、1価の有機基を表し、pは、2〜30の整数を表す。
R1およびR2を表す1価の有機基としては、アルキル基(好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数2〜20のエーテル性酸素原子を含むアルキル基)、R3−(OCmH2m)q−、および、R3−O−(CmH2mO)q−が挙げられる。R3はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。mは、1〜3の整数を表す。qは、1〜40の整数を表す。なお、qが2以上の場合、−(CmH2mO)q−におけるmの値は、同一であっても異なっていてもよい。

0034

カルボジイミド系硬化剤における、カルボジイミド当量(カルボジイミド基1モル当たり化学式量)は、含フッ素重合体との反応性と、硬化膜の硬化性の点から、200〜600が好ましく、250〜500が好ましい。

0035

アミン系硬化剤としては、メラミン樹脂グアナミン樹脂スルホアミド樹脂、尿素樹脂アニリン樹脂等が挙げられる。塗膜の硬化速度を上げる場合には、メラミン樹脂が好ましい。
メラミン樹脂としては、具体的には、アルキルエーテル化メラミン樹脂等が挙げられ、中でも、メトキシ基およびブトキシ基の少なくとも一方の基で置換されたメラミン樹脂が好ましい。

0036

オキサゾリン系硬化剤としては、2−オキサゾリン基を有する付加重合性オキサゾリン、この付加重合性オキサゾリンの重合体が挙げられ、具体的には、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−メチレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−トリメチレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス(2−オキサゾリニルシクロヘキサンスルフィド、ビス(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド、オキサゾリン環含有重合体が挙げられる。
オキサゾリン系硬化剤としては、市販品を用いてもよく、日本触媒社製のエポクロスWS−500、WS−700、K−2010、K−2020、K−2030(以上、全て商品名)等が挙げられる。

0037

オキサゾリン系硬化剤における、オキサゾリン当量(オキサゾリン基1モル当たりの化学式量)は、含フッ素重合体との反応性と、硬化膜の硬化性の点から、50〜800が好ましく、100〜600がより好ましく、200〜300が特に好ましい。

0038

エポキシ系硬化剤としては、ビスフェノール型エポキシ化合物(A型、F型、S型等)、ジフェニルエーテルエポキシ化合物ハイドロキノン型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、フルオレン型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールA含核ポリオール型エポキシ化合物、ポリプロピレングリコール型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物グリオキザール型エポキシ化合物、脂環型エポキシ化合物、脂環式多官能エポキシ化合物複素環型エポキシ化合物(トリグリシジルイソシアヌレート等)が挙げられ、具体的には、トリグリシジルイソシアヌレートのグリシジル基部分にメチレン基を導入した「TM239」(日産化学社製)、トリメリット酸グリシジルエステルとテレフタル酸グリシジルエステルの混合物である「PT−910」(Ciba社製)等が挙げられる。

0039

本水性塗料における含フッ素重合体が、単位A3をさらに含み、その水酸基価が20mgKOH/g以上である場合、含フッ素重合体の架橋反応をより促進しつつ、高弾性の硬化膜を得る観点から、本発明の水性塗料は、さらにイソシアナート系硬化剤を含むことが好ましい。
イソシアナート系硬化剤としては、イソシアナート基を有する硬化剤、および、ブロック化イソシアナート基(加熱等によりイソシアナート基を形成する基)を有する硬化剤(以下、「ブロック化イソシアナート系硬化剤」ともいう。)が挙げられる。
また、イソシアナート系硬化剤は、本水性塗料における水との反応を抑制するために、ブロック化イソシアナート系硬化剤や水分散性イソシアナート系硬化剤であることが好ましい。水分散性イソシアナート系硬化剤は、親水性基を有するイソシアナート系硬化剤であって、水に分散された場合に表面が親水性基によって覆われた分散粒子を形成して、良好な水分散性を維持しながら分散粒子内部のイソシアナート基を水との接触から保護した、イソシアナート系硬化剤である。水分散性イソシアナート系硬化剤は、乾燥により水が失われるに従って粒子形状が失われてイソシアナート基が含フッ素重合体のヒドロキシ基等と接触できるようになり、ヒドロキシ基等と反応する。ブロック化イソシアナート系硬化剤もまた水分散性のブロック化イソシアナート系硬化剤であることが好ましい。

0040

イソシアナート系硬化剤を形成するポリイソシアナート化合物としては、イソホロンジイソシアナート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート(HMDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアナート、ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ポリイソシアナートヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアナート、リジンジイソシアナート等の脂肪族ポリイソシアナート、および、これらの化合物の変性体(ビウレット体イソシアヌレート体アダクト体等)が挙げられる。
アダクト体は、ポリイソシアナートと活性水素を有する低分子化合物とを反応させて得られる、イソシアナート基を有する化合物である。活性水素を有する低分子化合物としては、水、多価アルコールポリアミンアルカノールアミン等が挙げられる。具体的には、エチレングリコールプロピレングリコールトリメチロールプロパングリセリンソルビトールエチレンジアミンエタノールアミンジエタノールアミン等が挙げられる。活性水素を有する低分子化合物としては、特に多価アルコールが好ましい。

0041

ブロック化イソシアナート系硬化剤は、ポリイソシアナート化合物とブロック剤とを反応させて製造できる。
ブロック剤としては、アルコール類メタノールエタノールベンジルアルコール等)、フェノール類フェノールクレゾーン等)、ラクタム類カプロラクタムブチロラクタム等)、オキシム類シクロヘキサノンオキシムメチルエチルケトオキシム等)が挙げられる。

0042

本水性塗料におけるイソシアナート系硬化剤の含有量は、本水性塗料中の含フッ素重合体100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましく、1〜40質量部がより好ましい。この場合、含フッ素重合体の架橋が良好に進行する。

0043

本水性塗料は、硬化触媒を含んでもよい。
硬化触媒は、上述した硬化剤を用いた際の架橋反応を促進する化合物であり、硬化剤の種類に応じて、公知の硬化触媒から選択できる。通常、硬化触媒の含有量は、硬化剤の添加量100質量部に対して、0.00001〜0.01質量部が好ましい。

0044

本水性塗料は、水のみか、水と水溶性有機溶剤混合液を含む。本水性塗料中の水の含有量は、特に制限されないが、本水性塗料の全質量に対して、30〜85質量%が好ましく、35〜75質量%がより好ましい。
水溶性有機溶剤の具体例としては、tert−ブタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールジプロピレングリコールモノメチルエーテルおよびトリプロピレングリコールが挙げられる。
本水性塗料が水溶性有機溶剤を含む場合、水溶性有機溶剤の含有量は、水の100質量部に対して、1〜40質量部が好ましい。

0045

本水性塗料は、必要に応じて上記以外の成分を含有してもよい。上記以外の成分としては、紫外線吸収剤(各種の有機系紫外線吸収剤無機系紫外線吸収剤等)、光安定剤ヒンダードアミン光安定剤等)、つや消し剤超微粉合成シリカ等)、レベリング剤表面調整剤(硬化膜の表面平滑性を向上させる。)、樹脂、界面活性剤脱ガス剤可塑剤充填剤熱安定剤増粘剤分散剤帯電防止剤防錆剤シランカップリング剤防汚剤低汚染化処理剤等が挙げられる。
本水性塗料の製造方法は、特に限定されず、例えば、有機溶剤を含む溶媒中で上述した単量体を重合させたのち、有機溶剤を減圧留去しながら水を添加して、含フッ素重合体が水中に粒子状に分散している含フッ素水性分散液を得て、得られた含フッ素水性分散液と、上述した各成分とを、ディスパー等の撹拌機を用いて混合して製造する方法が挙げられる。上記含フッ素水性分散液は、水中で上述した単量体を重合させて得てもよい。

0046

本発明の車両内装部材の製造方法は、車両内装基材上に、本水性塗料を塗布し、乾燥して塗膜を形成し、次いで塗膜を硬化させて硬化膜を形成する方法である。塗膜の硬化は、後述の硬化処理によって適時実施されればよい。
これにより、車両内装基材と、車両内装基材上に配置された本硬化膜と、を有する車両内装部材が得られる。このようにして得られた車両内装部材は、上記水性塗料の硬化膜を有するため、耐汚染性に優れる。
車両内装部材としては、例えば、ダッシュボード(インストルメントパネル)、センターコンソール、ドアトリム、センタークラスター、スイッチパネル、シフトノブ等が挙げられる。

0047

本水性塗料の塗布は、上記車両内装基材に直接行ってもよいし、上記車両内装基材に貼付して使用される樹脂フィルムに行ってもよい。なお、後者の場合、本発明の車両内装部材の製造方法においては、さらに、硬化膜が形成された樹脂フィルムが上記車両内装基材に貼付される。

0048

車両内装基材を構成する材料としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂メタクリル樹脂アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体ABS樹脂)、ポリスチレン、ポリプロピレン、および、ポリエステル樹脂ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT))等が挙げられる。
樹脂フィルムを構成する材料としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ABS樹脂、ポリオレフィン樹脂ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリハロゲン化ビニル樹脂(ポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリアミド樹脂ナイロン6ナイロン66MXDナイロンメタキシレンジアミン−アジピン酸共重合体)等)、置換基を有するオレフィンの重合体(ポリ酢酸ビニルポリビニルアルコール等)、EVA(エチレン−ビニルアルコール共重合体)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等の共重合体が挙げられる。樹脂フィルムは、これらの材料を2種以上を併用してもよい。

0049

本水性塗料の塗布方法としては、例えば、スポンジコート法スプレーコート法カーテンコート(フローコート)、ロールコート法キャスト法ディップコート法スピンコート法ダイコート法静電塗装法静電吹付法、静電浸漬法流動浸漬法、等が挙げられる。
乾燥方法としては、例えば、自然乾燥真空乾燥遠心乾燥加熱乾燥等が挙げられる。中でも、後述の硬化処理を兼ねられる点から、加熱乾燥が好ましい。
加熱乾燥する場合の加熱温度は、塗膜を充分に硬化させる点から、15〜45℃が好ましく、20〜40℃がより好ましい。加熱乾燥する場合の乾燥時間は、15分〜14日が好ましく、30分〜10日がより好ましい。
塗膜の硬化処理方法としては、例えば加熱処理が挙げられる。この場合の加熱温度は、硬化膜に気泡等が発生しにくい点から、40℃〜200℃が好ましく、45℃〜150℃がより好ましい。加熱時間は、1分〜3時間が好ましく、3分〜2時間がより好ましい。
特に、本水性塗料が、特定の硬化剤に加えて、水分散性イソシアナート系硬化剤を含む場合、水分散性イソシアナート系硬化剤が有するイソシアナート基と、水と、の反応を抑制する点から、本塗膜を充分に乾燥するのが好ましい。

0050

本硬化膜の膜厚は、5〜150μmが好ましく、10〜100μmが特に好ましい。本硬化膜の膜厚が5μm以上であれば、本硬化膜の耐汚染性により優れ、150μm以下であれば、車両内装部材を軽量化できる。

0051

本発明の車両内装部材は、上記車両内装基材と、上記車両内装基材上に配置された本硬化膜と、を有する。本発明の車両内装部材は、本硬化膜を有するため、耐汚染性に優れる。本発明の車両内装部材は、例えば、上述した車両内装部材の製造方法によって製造できる。

0052

以下、例を挙げて本発明を詳細に説明する。ただし本発明はこれらの例に限定されない。なお、後述する表中における各成分の配合量は、質量基準を示す。
また、例1〜例4は実施例であり、例5〜例7は比較例である。

0053

[水性分散液の製造に使用した材料]
CTFE:クロロトリフルオロエチレン
HVE:シクロヘキシルビニルエーテル
EVE:エチルビニルエーテル
HBVE:ヒドロキシブチルビニルエーテル
2−EHVE:2−エチルヘキシルビニルエーテル
CHMVE:(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチル)ビニルエーテル
CM−15EOVE:CH2=CHOCH2−cycloC6H10−CH2O(CH2CH2O)nH、n:15、平均分子量830(上記CHMVEのエチレンオキシド付加物
PBPV:パーブチルピバレート
APS過硫酸アンモニウム
NL−100:ポリオキシエチレンアルキルエーテルHLB:13.8)(ノニオン性界面活性剤
N−2320:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(HLB:16.5)(ノニオン性界面活性剤)
SLS:ラウリル硫酸ナトリウムアニオン性界面活性剤)(日光ケミカルズ(株)社製)

0054

[水性塗料の製造に使用した材料]
E−05:カルボジイミド系硬化剤(上記式(B1)に示すカルボジイミドの一態様である)、商品名「カルボジライトE−05」、カルボジイミド当量300(日清紡ケミカル社製)
V−10:カルボジイミド系硬化剤(上記式(B1)に示すカルボジイミドの一態様である)、商品名「カルボジライト V−10」、カルボジイミド当量410(日清紡ケミカル社製)
SW−12G:カルボジイミド系硬化剤(上記式(B1)に示すカルボジイミドの一態様である)、商品名「カルボジライト SW−12G」、カルボジイミド当量465(日清紡ケミカル社製)
WS−700:オキサゾリン系硬化剤、商品名「エポクロスWS−700」、オキサゾリン当量220(日本触媒社製)
Bayhydur3100:水分散性イソシアナート系硬化剤、商品名「Bayhydur3100」、NCO含有量17.4%(Bayer社製)
CS−12:造膜助剤、商品名「CS−12」(Eastman Chemical社製)
BYK348:消泡剤、商品名「BYK348」(BYK社製)

0055

[製造例1](含フッ素重合体A−1の水性分散液DA−1の製造)
オートクレーブ中に、キシレン(623g)、エタノール(156g)、EVE(113g)、CHVE(193g)、HBVE(237g)、炭酸カリウム(11g)、PBPV(3.5g)、およびCTFE(628g)を導入して徐々に昇温し、温度65℃に維持しながら反応を続けた。10時間後、反応器を冷却して反応を停止し、キシレンとエタノールを減圧留去により除去し、含フッ素重合体を得た。

0056

得られた含フッ素重合体を、メチルエチルケトンに溶解させて固形分60質量%とし、このうち300質量部に、無水コハク酸の20質量%アセトン溶液(16.1質量部)、および触媒としてトリエチルアミン(0.072質量部)を加え、70℃で6時間反応させて、エステル化した。反応液赤外吸収スペクトルを測定したところ、反応前に観測された無水コハク酸の特性吸収(1850cm−1、1780cm−1)が反応後では消失しており、カルボン酸(1710cm−1)およびエステル(1735cm−1)の吸収が観測された。

0057

次に、エステル化後の反応液に、トリエチルアミンの3.26質量部を加え、室温で20分撹拌してカルボキシ基の一部を中和し、次いでイオン交換水の180部を徐々に加えた。その後、アセトンおよびメチルエチルケトンを減圧留去した。さらに、イオン交換水の約90質量部を加えて、含フッ素重合体A−1を含む含フッ素水性分散液DA−1(固形分40質量%)を得た。
含フッ素重合体A−1は、CTFE単位、CHVE単位、EVE単位、HBVE単位、HBVE単位に由来するカルボキシ基を有する単位が、この順に、50モル%、15モル%、15モル%、17モル%、3モル%であり、含フッ素重合体A1の酸価は15mgKOH/gであり、水酸基価が85mgKOH/gであり、フッ素含有量が25.6質量%であった。

0058

[製造例2](含フッ素重合体A−2の水性分散液DA−2の製造))
オートクレーブ中に、CHVE(203.9g)、EVE(154.2g)、CHMVE(161.8g)、CM−15EOVE(39.6g)、イオン交換水(969.1g)、N−2320(55.6g)、炭酸カリウム(K2CO3)(1.7g)、SLS(1.1g)、およびCTFE(553.3g)を仕込み、0.4重量%のAPS水溶液(50g)を連続添加し、温度50℃に維持しながら反応を続けた。24時間後、反応器を冷却して反応を停止して、含フッ素重合体A−2を含む含フッ素水性分散液DA−2(固形分50質量%)を得た。
含フッ素重合体A−2は、CTFE単位、CHVE単位、EVE単位、CHMVE単位、CM−15EOVE単位が、この順に、50モル%、17モル%、22.5モル%、10モル%、0.5モル%であり、含フッ素重合体A−2の水酸基価は55mgKOH/gであり、フッ素含有量は24.3gであった。

0059

[製造例3](含フッ素重合体A−3の水性分散液DA−3の製造))
オートクレーブ中に、CHVE(338.2g)、2−EHVE(187.2g)、CHMVE(27.7g)、CM−15EOVE(16.9g)、イオン交換水(927.5g)、NL−100(52.2g)、炭酸カリウム(K2CO3)(2.6g)、SLS(1.0g)および、CTFE(473.0g)を仕込み、0.4重量%のAPS水溶液(50g)を連続添加し、50℃に維持しながら反応を続けた。24時間後、反応器を冷却して反応を停止して、含フッ素重合体A−3を含む含フッ素水性分散液DA−3(固形分50質量%)を得た。
含フッ素重合体A−3は、CTFE単位、CHVE単位、2−EHVE単位、CHMVE単位、CM−15EOVE単位が、この順に、50モル%、33モル%、14.75モル%、2モル%、0.25モル%であり、含フッ素重合体A−3の水酸基価は10mgKOH/gであり、フッ素含有量は22.2質量%であった。

0060

[水性塗料の製造]
後述する第1表に示す配合量(質量部)となるように、第1表に示す各成分を混合して、各例の水性塗料を得た。

0061

評価試験
試験片の作製>
各例で得られた水性塗料を、アルミニウム板(JIS H4000 A5052P、板厚0.8mm、アロジン#1000にて表面処理済み)にアプリケータバーコーター)で塗布した後、25℃にて30分乾燥して塗膜を得て、次いで80℃にて30分硬化処理して硬化膜を得て、アルミニウム板上に水性塗料の硬化膜(膜厚50μm)が形成された積層体を得た。なお、実施例4における水性塗料の塗膜の硬化処理条件は、160℃で10分間とした。
得られた積層体の硬化膜上に、日焼け止め剤(大正製薬株式会社発売コパトーン(登録商標)UVカットミルクIII)を均一に塗布した。塗布量は1.0g/100cm2とした。そして、日焼け止め剤を塗布した積層体を、電気炉炉内温度80℃)に8時間放置した。その後、少量の中性洗剤を用いて、硬化膜の表面を十分洗浄して日焼け止め剤を落とし、23℃で乾燥させて、試験片を得た。
得られた試験片を用いて、以下の手順で試験片の硬化膜の外観および耐久性(クロスカット鉛筆硬度)について各試験を実施して、これらの評価を硬化膜の耐汚染性の評価とした。

0062

<外観>
試験片の硬化膜の外観を目視にて確認し、以下の基準にしたがって硬化膜の外観を評価した。
○:硬化膜に、フクレワレが認められず、白濁なく、薬品に侵された形跡がみられない。
△:硬化膜に、フクレ、ワレは認められないが、硬化膜全体面積の10%未満に白濁や薬品に侵された形跡がある。
×:硬化膜に、フクレ、ワレが認められ、さらに、硬化膜全体面積の10%以上に白濁や薬品に侵された形跡がある。

0063

<耐久性(クロスカット)>
試験片の硬化膜に、カッターナイフで×印状(クロス状)の切り跡をつけた。その後、硬化膜のクロス状の切り跡にテープ(ニチバンセロテープ(登録商標))を貼り付けた後、垂直方向にテープを急激に引っ張り、硬化膜からテープを引き剥がした。このときの硬化膜の剥がれ具合について、以下の基準にしたがって評価した。
○:硬化膜に剥がれが見られなかった。
△:テープの貼り付け部分の一部の箇所において、硬化膜の剥がれが見られた。
×:テープの貼り付け部分の全部において、硬化膜の剥がれが見られた。

0064

<耐久性(鉛筆硬度)>
試験片の硬化膜の硬度を、JIS K 5600−5−4:引っかき硬度(鉛筆法)に準ずる試験方法で評価した。評価基準は以下の通りである。
○:硬化膜の鉛筆硬度が、日焼け止め剤の塗布前における硬化膜の鉛筆硬度(初期値)と比較して、差異がなかった。
△:硬化膜の鉛筆硬度が、日焼け止め剤の塗布前における硬化膜の鉛筆硬度(初期値)と比較して、1ランク低下した。
×:硬化膜の鉛筆硬度が、日焼け止め剤の塗布前における硬化膜の鉛筆硬度(初期値)と比較して、2ランク以上低下した。

0065

<評価結果>
以上の評価試験の結果を下記第1表に示す。なお、表中の数値は、質量部を表し、括弧内の数値は固形分質量を表す。

0066

実施例

0067

第1表に示すように、例1〜4の水性塗料を用いて得られた硬化膜は、日焼け止め剤に対する耐汚染性に優れることが示された。
これに対して、例5の水性塗料は、特定硬化剤を含まないため、得られる硬化膜の耐汚染性(特に、外観)が劣ることが示された。
例6の水性塗料は、カルボキシ基を有する単位を含まない含フッ素重合体を含み、特定硬化剤を含まないため、得られる硬化膜の耐汚染性(特に耐久性)が劣ることが示された。
例7の水性塗料は、カルボキシ基を有する単位を含まない含フッ素重合体を含み、硬化剤を含まないため、得られる硬化膜の耐汚染性が劣ることが示された。
なお、2016年10月31日に出願された日本特許出願2016−213483号の明細書、特許請求の範囲および要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

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