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技術 石炭成型燃料の製造方法および石炭成型燃料

出願人 宇部興産株式会社
発明者 山田記央虫合一浩工藤宏昭本郷孝寺田隆彦
出願日 2017年10月27日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-547783
公開日 2019年9月19日 (6ヶ月経過) 公開番号 WO2018-079713
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 中間貯蔵装置 角丸多角形 最大指示値 屋外貯蔵 板状成型体 接触機器 角丸四角形 温度調整媒体
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

低コストで所望の強度を有する石炭成型燃料の製造方法および石炭成型燃料が提供される。石炭成型燃料の製法方法は、石炭1を破砕する破砕工程10と、破砕工程10で破砕された石炭2を乾燥させる乾燥工程20と、乾燥工程20で乾燥した石炭3を粉砕して石炭粒子4を得る粉砕工程30と、粉砕工程30で得られた石炭粒子4を板状に成型して、成型体100を含む中間成型体5を得る成型工程40と、成型工程40で得られた前記中間成型体5に含まれる粉末を除去する工程50と、を有する。粉砕工程30で得られる石炭粒子4の平均粒子径は10〜60μmである。成型工程40で得られ、篩工程50で粉末が除去された成型体100を石炭成型燃料とする。

概要

背景

従来、石炭原料とする燃料を得る技術として、低品位炭を油と混合してスラリーとし、このスラリーを加熱することにより石炭を脱水し、含水量を低下させた後に粉砕及び成型して固体燃料を得る技術が特許文献1に開示されている。特許文献2(WO2015/098935号公報)には、バインダー等を用いずに石炭のみを原料として石炭粒子を成型して得られる石炭成型燃料とその製造方法が開示されている。

概要

低コストで所望の強度を有する石炭成型燃料の製造方法および石炭成型燃料が提供される。石炭成型燃料の製法方法は、石炭1を破砕する破砕工程10と、破砕工程10で破砕された石炭2を乾燥させる乾燥工程20と、乾燥工程20で乾燥した石炭3を粉砕して石炭粒子4を得る粉砕工程30と、粉砕工程30で得られた石炭粒子4を板状に成型して、成型体100を含む中間成型体5を得る成型工程40と、成型工程40で得られた前記中間成型体5に含まれる粉末を除去する工程50と、を有する。粉砕工程30で得られる石炭粒子4の平均粒子径は10〜60μmである。成型工程40で得られ、篩工程50で粉末が除去された成型体100を石炭成型燃料とする。

目的

本出願の主要な発明の1つは、低コストで所望の強度を有する石炭成型燃料の製造方法および石炭成型燃料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

石炭破砕する破砕工程と、前記破砕工程で破砕された前記石炭を乾燥させる乾燥工程と、前記乾燥工程で乾燥した前記石炭を粉砕して石炭粒子を得る粉砕工程と、前記粉砕工程で得られた前記石炭粒子を板状に成型して、成型体を含む中間成型体を得る成型工程と、前記成型工程で得られた前記中間成型体に含まれる粉末を除去する工程と、を有し、前記粉砕工程で得られる前記石炭粒子の平均粒子径は10〜60μmであって、前記成型工程で得られ、前記篩工程で前記粉末が除去された前記成型体を石炭成型燃料とすることを特徴とする石炭成型燃料の製造方法。

請求項2

請求項1に記載の石炭成型燃料の製造方法において、前記粉砕工程から前記成型工程に前記石炭粒子を供給するのに供給手段を用い、前記供給手段はスクリュ式の供給手段であることを特徴とする石炭成型燃料の製造方法。

請求項3

請求項1または2に記載の石炭成型燃料の製造方法において、バインダーを添加しないことを特徴とする石炭成型燃料の製造方法。

請求項4

請求項1から3のいずれか一項に記載の石炭成型燃料の製造方法において、前記成型工程は、回転する2つのロール間に前記石炭粒子を供給することを含み、前記2つのロールのうち少なくとも一方の表面は凹凸を有することを特徴とする石炭成型燃料の製造方法。

請求項5

請求項4に記載の石炭成型燃料の製造方法において、前記2つのロール間のクリアランスは3mm以下であることを特徴とする石炭成型燃料の製造方法。

請求項6

請求項1から5のいずれか一項に記載の石炭成型燃料の製造方法において、前記破砕工程を第1破砕工程とし、かつ、前記成型工程を第1成型工程としたとき、前記第1成型工程の後に、前記第1成型工程で得られた前記板状成型体である中間成型体を破砕する第2破砕工程と、前記第2破砕工程の後に、前記中間成型体を再度成型する第2成型工程と、をさらに有し、少なくとも前記第1成型工程では、水平供給型のコンパクタを用いることを特徴とする石炭成型燃料の製造方法。

請求項7

石炭粒子の成型体から得られた石炭成型燃料であって、前記石炭粒子の平均粒子径が10〜60μmであり、水分が5〜20wt%、見掛密度が1.2〜1.4g/cm3、かさ密度が0.4〜0.6であり、かつ、平滑な成型面転写された平滑面、および破断面、の2種類の表面を有する第1破断片と、凹凸を有する成型面が転写された凹凸面、および破断面、の2種類の表面を有する第2破断片と、前記平滑面、前記凹凸面、および破断面、の3種類の表面を有する第3破断片と、表面は破断面のみである第4破断片と、のうちいずれか1種以上の混合物であることを特徴とする石炭成型燃料。

請求項8

請求項7に記載の石炭成型燃料において、前記第3破断片は、前記平滑面と前記凹凸面とが互いに対向する第3A破断片と、前記平滑面と前記凹凸面とが同一面内で隣接し、かつ、その対向面は破断面である第3B破断片と、を有し、前記第3A破断片における前記平滑面と前記凹凸面との厚みは4.0〜13.0mmであることを特徴とする石炭成型燃料。

請求項9

請求項7に記載の石炭成型燃料において、前記第1破断片は、前記平滑面同士が互いに対向する第1A破断片と、前記平滑面の対向面が前記破断面である第1B破断片と、を有し、前記第1A破断片における前記平滑面同士の厚みは2〜10mmであることを特徴とする石炭成型燃料。

請求項10

改質炭を所定の養生条件で保持する改質炭の養生方法であって、前記所定の養生条件は、温度−5〜40℃、相対湿度5〜95%で、200日以上であることを特徴とする改質炭の養生方法。

請求項11

請求項10に記載の改質炭の養生方法において、養生前の改質炭の水中浸漬水分をWA、養生後の改質炭の水中浸漬水分をWBとすると、WB/WA=0.70〜0.90であることを特徴とする改質炭の養生方法。

請求項12

請求項10または請求項11に記載の改質炭の養生方法において、前記改質炭は、石炭粒子を圧縮成型して得られた成型体であって、養生前の改質炭の圧縮方向厚みをTA、養生後の改質炭の圧縮方向厚みをTBとすると、TB/TA=1.0〜1.2であることを特徴とする改質炭の養生方法。

請求項13

請求項10ないし請求項12のいずれか1項に記載の改質炭の養生方法において、前記改質炭は、石炭粒子を成型して得られ、前記石炭粒子は、平均粒子径10〜60μm、水分5〜20%であって、養生前の前記改質炭の見掛密度は1.2〜1.4g/cm3であることを特徴とする改質炭の養生方法。

請求項14

改質炭を所定の養生条件で保持する改質炭の養生方法であって、前記所定の養生条件は、温度60〜120℃、15〜60分であることを特徴とする改質炭の養生方法。

請求項15

請求項14に記載の改質炭の養生方法において、養生前の水中浸漬水分をWA、養生後の水中浸漬水分をWBとすると、WB/WA=0.60〜0.95であることを特徴とする改質炭の養生方法。

請求項16

請求項14または請求項15に記載の改質炭の養生方法において、養生前の水中浸漬膨張率をEA、養生後の水中浸漬膨張率をEBとすると、EB/EA=0.60〜0.99であることを特徴とする改質炭の養生方法。

請求項17

請求項14ないし請求項16のいずれか1項に記載の改質炭の養生方法において、前記改質炭は、石炭粒子を圧縮成型して得られた成型炭であって、養生前の圧縮方向厚みをTA、養生後の圧縮方向厚みをTBとすると、TB/TA=1.000〜1.025であることを特徴とする改質炭の養生方法。

請求項18

請求項14ないし請求項17のいずれか1項に記載の改質炭の養生方法において、前記改質炭は、石炭粒子を成型して得られ、前記石炭粒子は、平均粒子径10〜60μm、水分5〜20%であって、養生前の前記改質炭の見掛け密度は1.20〜1.40g/cm3であることを特徴とする改質炭の養生方法。

請求項19

石炭を破砕する第1破砕工程と、前記第1破砕工程で破砕された石炭を乾燥する乾燥工程と、前記乾燥工程で乾燥された石炭を粉砕し、平均粒子径10〜60μmの石炭粒子を得る粉砕工程と、水分含有量が5〜20wt%の前記石炭粒子を成型し、第1成型体を得る第1成型工程と、前記第1成型体を破砕して第2破砕物を生成する第2破砕工程と、前記第2破砕物を再度成型して、見掛密度1.2〜1.4g/cm3の第2成型体を生成する第2成型工程と、を有する石炭成型燃料の製造方法であって、前記第1成型工程では、水平供給型の成型機が用いられることを特徴とする石炭成型燃料の製造方法。

請求項20

請求項19に記載の石炭成型燃料の製造方法であって、前記粉砕工程で得られた前記石炭粒子の一部を、前記第1成型工程を経由せずに前記第2破砕工程へ供給し、前記第2破砕工程では、前記第1成型体と、前記石炭粒子の一部を混合して破砕することを特徴とする、石炭成型燃料の製造方法。

請求項21

鉛直上方から供給された石炭粒子を成型するとともに、成型された石炭成型体を鉛直下方側に排出する鉛直給排型の成型機によって成型される石炭成型体の製造方法であって、前記石炭粒子は、単位重量あたり初期容積をVo、N回タッピング時の容積をVN、かさ減り度をC=(Vo−VN)/Voとすると、式(1):N/C=(1/ab)+(1/a)Nにおいて、条件(1):a≦0.29条件(2):20≦1/b≦60をいずれも満たすことを特徴とする石炭成型体の製造方法。

請求項22

請求項21に記載の石炭成型体の製造方法において、石炭を破砕する第1破砕工程と、前記第1破砕工程で破砕された石炭を乾燥する乾燥工程と、前記乾燥工程で乾燥された石炭を粉砕し、微粉炭を得る粉砕工程と、前記微粉炭を成型し、第1成型体を得る第1成型工程と、前記第1成型体を破砕し、塊状物を生成する第2破砕工程と、前記塊状物を再度成型し、第2成型体を生成する第2成型工程と、を有し、前記塊状物は、前記微粉炭の集合体であって、前記石炭粒子に相当し、前記第2成型工程では、前記鉛直給排型の成型機が適用されること、を特徴とする石炭成型体の製造方法。

請求項23

請求項22に記載の石炭成型体の製造方法において、前記微粉炭は、平均粒子径が10〜60μm、全水分が5〜20wt%であって、前記第2成型体の見掛密度は、1.2〜1.4g/cm3であること、を特徴とする石炭成型体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、石炭粉砕後成型した石炭成型燃料の製造方法および石炭成型燃料に関する。

背景技術

0002

従来、石炭を原料とする燃料を得る技術として、低品位炭を油と混合してスラリーとし、このスラリーを加熱することにより石炭を脱水し、含水量を低下させた後に粉砕及び成型して固体燃料を得る技術が特許文献1に開示されている。特許文献2(WO2015/098935号公報)には、バインダー等を用いずに石炭のみを原料として石炭粒子を成型して得られる石炭成型燃料とその製造方法が開示されている。

先行技術

0003

特開2011−111529号公報
WO2015/098935号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、特許文献1に記載の技術では、石炭を油と混合してスラリーを作製することから、石炭以外の材料が必要となり、このことがコストアップを招いていた。また、成型後の固体燃料をハンドリングする際に固体燃料が崩れない程度の一定の強度が固体燃料に求められるが、特許文献1には固体燃料の強度について記載されていない。特許文献2もこの問題を解決していないことに加えて、後述する各種の問題がある。

0005

本出願の主要な発明の1つは、低コストで所望の強度を有する石炭成型燃料の製造方法および石炭成型燃料を提供することを目的とする。その他の目的は各パートで説明する。

課題を解決するための手段

0006

本発明の各態様は以下のとおりである。

0007

<第1の態様(パートA)>
石炭を破砕する破砕工程と、
前記破砕工程で破砕された前記石炭を乾燥させる乾燥工程と、
前記乾燥工程で乾燥した前記石炭を粉砕して石炭粒子を得る粉砕工程と、
前記粉砕工程で得られた前記石炭粒子を板状に成型して、成型体を含む中間成型体を得る成型工程と、
前記成型工程で得られた前記中間成型体に含まれる粉末を除去する工程と、
を有し、
前記粉砕工程で得られる前記石炭粒子の平均粒子径は10〜60μmであって、
前記成型工程で得られ、前記篩工程で前記粉末が除去された前記成型体を石炭成型燃料とすること
を特徴とする石炭成型燃料の製造方法。

0008

石炭粒子の成型体から得られた石炭成型燃料であって、
前記石炭粒子の平均粒子径が10〜60μmであり、
水分が5〜20wt%、見掛密度が1.2〜1.4g/cm3、かさ密度が0.4〜0.6であり、かつ、
平滑な成型面転写された平滑面、および破断面、の2種類の表面を有する第1破断片と、
凹凸を有する成型面が転写された凹凸面、および破断面、の2種類の表面を有する第2破断片と、
前記平滑面、前記凹凸面、および破断面、の3種類の表面を有する第3破断片と、
表面は破断面のみである第4破断片と、
のうちいずれか1種以上の混合物であること
を特徴とする石炭成型燃料。

0009

<第2の態様(パートB)>
改質炭を所定の養生条件で保持する改質炭の養生方法であって、
前記所定の養生条件は、温度−5〜40℃、相対湿度5〜95%で、200日以上であること
を特徴とする改質炭の養生方法。

0010

<第3の態様(パートC)>
改質炭を所定の養生条件で保持する改質炭の養生方法であって、
前記所定の養生条件は、温度60〜120℃、15〜60分であること
を特徴とする改質炭の養生方法。

0011

<第4の態様(パートD)>
石炭を破砕する第1破砕工程と、
前記第1破砕工程で破砕された石炭を乾燥する乾燥工程と、
前記乾燥工程で乾燥された石炭を粉砕し、平均粒子径10〜60μmの石炭粒子を得る粉砕工程と、
水分含有量が5〜20wt%の前記石炭粒子を成型し、第1成型体を得る第1成型工程と、
前記第1成型体を破砕して第2破砕物を生成する第2破砕工程と、
前記第2破砕物を再度成型して、見掛密度1.2〜1.4g/cm3の第2成型体を生成する第2成型工程と、
を有する石炭成型燃料の製造方法であって、
前記第1成型工程では、水平供給型の成型機が用いられること
を特徴とする石炭成型燃料の製造方法。

0012

<第5の態様(パートE)>
鉛直上方から供給された石炭粒子を成型するとともに、成型された石炭成型体を鉛直下方側に排出する鉛直給排型の成型機によって成型される石炭成型体の製造方法であって、
前記石炭粒子は、単位重量あたり初期容積をVo、N回タッピング時の容積をVN、かさ減り度をC=(Vo−VN)/Voとすると、
式(1):N/C=(1/ab)+(1/a)N
において、
条件(1):a≦0.29
条件(2):20≦1/b≦60
をいずれも満たすことを特徴とする石炭成型体の製造方法。

発明の効果

0013

本発明の1態様によれば、低コストで所望の強度を有する石炭成型燃料を提供することができる。その他の態様に関わる効果については、各パートにおいて説明する。

図面の簡単な説明

0014

本発明の実施形態1による石炭成型燃料の製造工程を示す図である。
成型工程で好適に用いることのできるブリケットマシンの模式図である。
ブリケットマシンのロール表面に形成されるロールポケットの一例の平面図である。
図1−3Aに示すロールポケットの断面形状を示す図である。
ブリケットマシンのロール表面に形成される溝の配列パターンの例を示す図である。
第1破断片の断面を模式的に示す図である。
第2破断片の断面を模式的に示す図である。
第3破断片の断面を模式的に示す図である。
第4破断片の断面を模式的に示す図である。
種々の破断片の混合物である成型体100の写真である。
本発明の実施形態2による石炭成型燃料の製造工程を示す図である。
実施例1−1および実施例1−2の成型工程で用いたブリケットマシンのロール表面に形成されたロールポケット(形状A)の断面形状を示す図である。
図1−8Aに示すロールポケット(形状A)の平面形状を示す図である。
実施例1−1および実施例1−2において、成型工程で用いたブリケットマシンのロール表面に形成されたロールポケット(形状B)の断面形状を示す図である。
図1−9Aに示すロールポケット(形状B)の平面形状を示す図である。
実施例1−1および実施例1−2において、石炭の自然発熱指数を求めるのに使用した試験装置の構成を示す図である。
実施形態B1における改質炭(製品100)の製造工程を示す図である。
実施形態B2における改質炭(製品200)の製造工程を示す図である。
成型工程で好適に用いることのできるブリケットマシンの模式図である。
実施例の成型工程で用いたブリケットマシンのロール表面に形成されたロールポケット(形状A)の断面形状を示す図(a)と平面形状を示す図(b)である。
実施例の成型工程で用いたブリケットマシンのロール表面に形成されたロールポケット(形状B)の断面形状を示す図(a)と平面形状を示す図(b)である。
実施例における、養生日数水中浸漬7日目の水分との関係を示す図である。
実施例における、養生日数と水中浸漬前の成型体の厚みとの関係を示す図である。
実施例における、養生日数と水中に7日間浸漬した後の成型体の膨張率との関係を示す図である。
パートCの発明の一形態に係る改質炭の製造方法を示す図である。
ブリケットマシンの構成を模式的に示す図である。
ロール表面に形成される凹部(ポケット)の形状と、成型された成型体の形状を模式的に示す図である。
実施形態D1における石炭成型燃料の製造工程を示す図である。
実施形態D2における石炭成型燃料の製造工程を示す図である。
成型工程で好適に用いることのできるコンパクタの模式図である。
成型工程で好適に用いることのできるブリケットマシンの模式図である。
実施例および参考例において、石炭の自然発熱指数を求めるのに使用した試験装置の構成を示す図である。
実施例D1の第2破砕物と、参考例D1の第2破砕物の積算篩通過率を示す図である。
パートEの発明の一実施形態による石炭成型体の製造工程を示す図である。
成型工程で好適に用いることのできるブリケットマシンの模式図である。
ブリケットマシンのロール表面に形成されるロールポケットの一例の平面図である。
図5−3Aに示すロールポケットの断面形状を示す図である。
ブリケットマシンのロール表面に形成される溝の配列パターンの一例を示す図である。
パートFの発明の実施形態F1による石炭成型燃料の製造工程を示す図である。
図6−1に示す成型工程で用いることのできる回転式成型機の一例の模式図である。
回転式成型機のロール表面に形成されるロールポケットの一例の平面図である。
図6−2Aに示すロールポケットの断面形状を示す図である。
回転式成型機のロール表面に形成される溝の配列パターンの一例を示す図である。
図6−1に示す成型工程で用いることのできる回転式成型機の他の例の模式図である。
図6−1に示す成型工程で用いることのできるピストン式圧縮成型機の一例の模式図である。
パートFの発明の実施形態F2による石炭成型燃料の製造工程を示す図である。
実施例F2および3における引張強度測定方法を説明する図である。
実施例F2および3における、成型工程入口温度と引張強度との関係を示すグラフである。
実施例F2および3における、成型工程入口温度と見掛密度との関係を示すグラフである。
実施例F5における、全水分と浸漬水分との関係を示すグラフである。

0015

本出願は、主要な発明として第1の態様から第6の態様(必要に応じて、パートAの発明等という)に係る発明を開示しており、これらをパートA〜パートFに分けて説明する。説明は、パートごとに独立しているが、そのパートの発明の趣旨に矛盾しない限り、他のパートの開示事項を参照してもよい。パートA〜パートFの発明は、独立した発明を構成するが、パートA〜パートFの発明から選ばれる2つ以上の発明の特徴を合わせて有することが可能である。符合については、パートごとに異なる部材や要素を示している場合がある。パートAにおいて、「本発明」はパートAの発明を意味する。

0016

<<パートA>>
本発明は、石炭を粉砕後成型した石炭成型燃料の製造方法および石炭成型燃料に関する。

0017

パートAの主要な開示事項は次のとおりである。尚、符合は開示内容を限定するものではない。

0018

(1)石炭1を破砕する破砕工程10と、
前記破砕工程10で破砕された石炭2を乾燥させる乾燥工程20と、
前記乾燥工程20で乾燥した石炭3を粉砕して石炭粒子4を得る粉砕工程30と、
前記粉砕工程30で得られた前記石炭粒子4を板状に成型して、成型体100を含む中間成型体5を得る成型工程40と、
前記成型工程40で得られた前記中間成型体5に含まれる粉末を除去する篩工程50と、
を有し、
前記粉砕工程30で得られる前記石炭粒子4の平均粒子径は10〜60μmであって、
前記成型工程40で得られ、前記篩工程50で前記粉末が除去された前記成型体100を石炭成型燃料とすること
を特徴とする石炭成型燃料の製造方法。

0019

この製造方法によれば、成型圧を低減することができるので、低コストに石炭成型燃料を製造することができる。

0020

(2) 上記(1)に記載の石炭成型燃料の製造方法において、
前記成型工程40では、成型手段および前記成型手段へ前記石炭粒子4を供給する供給手段を有する成型機を用い、
前記供給手段はスクリュ式の供給手段であること
を特徴とする石炭成型燃料の製造方法。

0021

スクリュ式の供給手段を用いると、簡便に石炭粒子を成型手段に供給することができる。また、場所によって供給圧力にばらつきが生じる結果、板状成型体に強度の分布を生じるが、成型後弱い部分が崩壊するため、残存する強度の高い部分を石炭成型燃料として得ることができる。

0022

(3) 上記(1)または(2)に記載の石炭成型燃料の製造方法において、
バインダーを添加しないこと
を特徴とする石炭成型燃料の製造方法。

0023

この製造方法によれば、バインダーを用いなくても、所望の強度を有する石炭成型燃料を、低コストで効率的に製造することができる。

0024

(4) 上記(1)から(3)のいずれかに記載の石炭成型燃料の製造方法において、
前記成型工程40は、回転する2つのロール41間に前記石炭粒子4を供給することを含み、
前記2つのロール41のうち少なくとも一方の表面は凹凸を有すること
を特徴とする石炭成型燃料の製造方法。

0025

この製造方法によれば、供給された石炭粒子がロールより滑り落ちることを、より確実に抑制して、成型効率を向上することができる。

0026

(5) 上記(4)に記載の石炭成型燃料の製造方法において、
前記2つのロール41間のクリアランスは3mm以下であること
を特徴とする石炭成型燃料の製造方法。

0027

この製造方法によれば、クリアランスを適切に設定することで、板状成型体の密度強度低下、収率低下を抑制することができる。

0028

(6) 上記(1)から(5)のいずれかに記載の石炭成型燃料の製造方法において、
前記破砕工程10を第1破砕工程10とし、かつ、前記成型工程40を第1成型工程40としたとき、
前記第1成型工程40の後に、前記第1成型工程40で得られた前記成型体である中間成型体5を破砕する第2破砕工程10aと、
前記第2破砕工程10aの後に、前記第2破砕工程10aで破砕された前記中間成型体5を再度成型する第2成型工程40aと、
をさらに有し、
少なくとも前記第1成型工程40では、水平供給型のコンパクタを用いること
を特徴とする石炭成型燃料の製造方法。

0029

この製造方法によれば、成型効率をより向上させることができる。

0030

(7)石炭粒子4の成型体100;200から得られた石炭成型燃料であって、
前記石炭粒子4の平均粒子径が10〜60μmであり、
水分が5〜20wt%、見掛密度が1.2〜1.4g/cm3、かさ密度が0.4〜0.6であり、かつ、
平滑な成型面が転写された平滑面、および破断面、の2種類の表面を有する第1破断片と、
凹凸を有する成型面が転写された凹凸面、および破断面、の2種類の表面を有する第2破断片と、
前記平滑面、前記凹凸面、および破断面、の3種類の表面を有する第3破断片と、
表面は破断面のみである第4破断片と、
のうちいずれか1種以上の混合物であること
を特徴とする石炭成型燃料。

0031

この石炭成型燃料は、低い成型圧で製造することができるので、所望の機械的強度を有し、かつ低コストの燃料として利用することができる。

0032

(8) 上記(7)に記載の石炭成型燃料において、
前記第3破断片は、
前記平滑面と前記凹凸面とが互いに対向する第3A破断片と、
前記平滑面と前記凹凸面とが同一面内で隣接し、かつ、その対向面は破断面である第3B破断片と、
を有し、
前記第3A破断片における前記平滑面と前記凹凸面との厚みは4.0〜13.0mmであること
を特徴とする石炭成型燃料。

0033

この石炭成型燃料は、バインダーを添加することなく、かつ成型圧を過度に高めること無く成型できるハンドリング可能な石炭成型燃料である。

0034

(9) 上記(7)に記載の石炭成型燃料において、
前記第1破断片は、
前記平滑面同士が互いに対向する第1A破断片と、
前記平滑面の対向面が前記破断面である第1B破断片と、
を有し、前記第1A破断片における前記平滑面同士の厚みは2〜10mmであること
を特徴とする石炭成型燃料。

0035

この石炭成型燃料は、バインダーを添加することなく、かつ成型圧を過度に高めること無く成型できるハンドリング可能な石炭成型燃料である。

0036

(10) 上記(7)から(9)のいずれかに記載の石炭成型燃料において、
GIが40以上であること
を特徴とする石炭成型燃料。

0037

パートAの発明によれば、低コストで所望の強度を有する石炭成型燃料を提供することができる。以下、パートAの発明の実施形態を説明する。

0038

[実施形態1]
図1−1を参照すると、本発明の実施形態1による石炭成型燃料の製造工程が示されている。実施形態1では、石炭成型燃料の製造工程は、破砕工程10、乾燥工程20、粉砕工程30、成型工程40および篩工程50を有し、原料となる石炭1を破砕した後、乾燥させ、乾燥させた石炭を粉砕して石炭粒子4を得る。この石炭粒子4を板状に成型加工し、中間成型体5を得る。中間成型体5は、板状の成型体100および石炭の粉末を含んでおり、この中間成型体5から粉末を除去することにより得られた成型体100を、石炭成型燃料とする。中間成型体5に含まれる粉末は、成型工程40において成型されずに成型機を通過した石炭粒子4、および中間成型体5のハンドリング等によって受けた外力で中間成型体5が割れた際に生じた石炭の微細欠片を含む。

0039

原料となる石炭1としては、水分が25wt%以上の褐炭または亜瀝青炭を用いることができる。好ましくは水分30wt%以上の褐炭を用いることができる。石炭成型燃料の一連の製造工程において、原料として用いられるものは石炭のみであり、バインダー等の添加物は使用されない。バインダー等の添加物の使用はコストアップの要因となる。しかし、本形態ではバインダーを添加せず石炭のみを用いるため、低コストで石炭成型燃料を得ることができる。

0040

破砕工程10では、ジョークラッシャまたはハンマークラッシャ等の適宜の破砕手段を用いて、この石炭1を破砕して、破砕済みの石炭2を得る。得られた破砕済みの石炭2は、乾燥工程20に供給される。破砕工程10では、後の粉砕工程30で用いるボールミル等に投入できる大きさまで石炭1が粉砕されればよく、特に限定されないが、破砕済みの石炭2の大きさは、最大粒子径が、好ましくは70mm以下、より好ましくは50mm以下、さらに好ましくは20mm以下であり、特に好ましくは平均粒子径が1mm〜20mmである。ここで、破砕工程10により破砕された石炭の平均粒子径は、JIS M 8801−4の「5.粒度試験方法」に基づいて測定し、各篩目開きの通過篩質量百分率を求め、通過篩質量百分率が50%となる粒子径を平均粒子径とする。

0041

乾燥工程20では、破砕済みの石炭2を、間接乾燥機等の適宜の乾燥機を用いて乾燥させ、乾燥済みの石炭3を得る。得られた乾燥済みの石炭3は、粉砕工程30に供給される。間接乾燥機としては、例えばスチームチューブドライヤを用いることができる。固体燃料の製造では、大量処理が要求されるため、伝熱面積が大きく大量の乾燥処理が可能なスチームチューブドライヤは、乾燥工程20で用いる乾燥機として好適である。

0042

粉砕工程30では、適宜の粉砕機により乾燥済みの石炭3を粉砕して石炭粒子4を得る。得られた石炭粒子4は、成型工程40に供給される。粉砕機としては、乾式粉砕または乾燥粉砕方式の粉砕機を好ましく用いることができ、その中でも特に、微粉砕が可能であり、かつ、大量処理に適したボールミルやローラミルを好ましく用いることができる。固体燃料の製造では、乾燥工程20と同様、粉砕工程30においても大量処理が要求されるからである。

0043

粉砕工程30で得られる石炭粒子4の平均粒子径は、10〜60μmであり、好ましくは10〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。石炭粒子4の平均粒子径は、レーザー回折散乱法によって得られる粒度分布メディアン径で与えられる。なお、本明細書において、「石炭粒子」とは、粉砕工程30により粉砕された石炭粒子4を意味する。

0044

粉砕工程30において得られる石炭粒子4の平均粒子径を上記の範囲とすることにより、成型工程40において微細な石炭粒子4を成型する際に型(例えばロールポケット)への充填率が増大し、後述する成型体100の密度を向上させて所望の強度を得ることができる。

0045

なお、ボールミルおよびローラミルは、粉砕と同時に乾燥をも行えるため、粉砕工程30においてボールミルあるいはローラミルによる乾燥を行うこともできる。ただし、ボールミルおよびローラミルでの乾燥能力では破砕された石炭2を十分に乾燥させることは困難であるため、本形態では粉砕工程30の前に乾燥工程20を設けて、十分に乾燥した石炭粒子4を得ている。

0046

成型工程40では、成型機により石炭粒子4を板状に成型することを含む。成型機は、原料を加圧成型する成型手段と、成型手段へ原料を供給する供給手段とを有する。このような成型機としては、例えば、ブリケットマシンを用いることができる。図1−2に、成型工程40において好適に用いることのできるブリケットマシンの模式図を示す。図1−2に示すブリケットマシンは、垂直供給方式のブリケットマシンであり、成型手段である一対のロール41と、一対のロール41の上方に配置されて、一対のロール41の間に原料である石炭粒子4を供給する供給手段42と、を有する。供給手段42は、石炭粒子4が供給されるホッパおよびホッパ内の石炭粒子4を下方へ送るスクリュフィーダ等を有している。一対のロール41は、それぞれ適宜の駆動手段で駆動される回転軸を有している。回転軸は、水平方向に延び、かつ、水平方向に間隔をあけて互いに平行に配置されている。また、一対のロール41は隙間をあけて配置されている。ロール41の上方からこの隙間に供給された石炭粒子4を、ロール41の回転駆動によって加圧しながら下方へ送ることで、石炭粒子4の加圧により形成された板状の成型体100および加圧されずにロール41間から漏れた石炭粒子4などを含む中間成型体5が得られる。

0047

一対のロール41間の隙間(クリアランス)は、広すぎると、ロール41間からの石炭粒子4の漏れや圧力分散が発生しやすくなり、得られる成型体100の密度および強度の低下、並びに収率低下につながる。よって、ロール41間の隙間は3mm以下であることが好ましい。ロール41間の隙間を3mm以下とすることで、十分な強度が確保された板状の成型体を得ることができる。ロール41同士のクリアランスにより、得られる成型体100は板状となる。

0048

また、一対のロール41のうち少なくとも一方のロール41の表面には、凹凸が形成されていることが好ましい。これにより、ロール41間に供給された石炭粒子4がロール41の表面から滑り落ちるのが抑制され、石炭粒子4をロール41間に良好に保持することができる。また、凹凸を形成することにより、凹部内にも石炭粒子4が充填されるため、単位時間当たりの処理量を多くすることができる。なお、ロール41の表面に凹凸を有する場合、得られる成型体100の表面形状は、ロール41の表面の凹凸が転写される。

0049

ロール41の表面に形成される凹凸の形態は特に限定されず、例えば、ロールポケット(凹部)、溝およびこれらの組み合わせであってよい。また、ロールポケットは2つのロール41の両方に設けてもよいし、片方だけに設けてもよい。凹凸がロールポケットで形成される場合、ロールポケットの形状は任意であって、例えば楕円であってもよい。

0050

凹凸がロールポケットで形成される場合、ロールポケットの形状は任意とすることができる。ロールポケットの例を図に示す。図1−3A、3Bは、楕円形の開口部を有するロールポケットを両側のロールに形成した例であり、これにより両面アーモンド形状の凸部を有する成型体100が得られる。

0051

表A1に、図示したロールポケットの各部の好ましい寸法(設計値)および寸法範囲を示す。

0052

0053

また、凹凸が溝で形成される場合、溝の幅、深さ、配列等は任意とすることができる。溝はロール41の軸方向に対し平行、直交であってもよいし、傾斜していてもよい。図1−4に、ロール41の軸方向Aに平行な複数の溝を配列した例を示す。

0054

成型工程40によって得られた中間成型体5は篩工程50を経て粉末が除去され、残った成型体100を石炭成型燃料として得る。篩工程50では、振動篩機を用いることができる。振動篩機としては、円形篩機トロンメル篩機などを使用で、それらの中でも特に、連続・大量処理できるものが好ましい。

0055

得られた成型体100の見掛密度1.2〜1.4g/cm3であり、かさ密度は0.4〜0.6である。成型体100の水分は、5〜20wt%、好ましくは8〜18wt%、より好ましくは10〜17wt%である。この水分は、石炭粒子4の水分に由来するものである。ここで、見掛密度は、JIS Z 8807の「8.液中ひょう量法による密度及び比重の測定方法」に基づいて測定した値である。

0056

かさ密度は、容積が既知である2〜5L程度の円筒型容器試料すり切り充填し、充填した試料の質量および容器の容積から、下記式1にて算出した。なお、容器に投入する際、極力試料を圧密させないように充填した。
かさ密度=充填した試料の質量÷容器の容積 (式1)

0057

水分は、JIS M 8820−0の「石炭類の全水分測定方法」に基づいて測定した値である。また、成型体100は、HGIが40以上であることが好ましい。

0058

石炭粒子4由来の水分は成型工程40において結合材役割を果たすため、成型体100の水分を上記の範囲に調整することにより、別途結合材やバインダー等を添加することなく効率的な成型が可能となる。なお、成型工程40に用いる石炭粒子4の水分含有量が、5〜20wt%であることが好ましく、8〜18wt%であることがより好ましく、10〜17wt%であることがさらに好ましい。

0059

本形態では、石炭粒子4の平均粒子径が10〜60μmと微細であるため、成型時にブリケットマシンのロールポケットや溝への石炭粒子4の充填率が増加する。これにより成型体100の密度が向上し、成型体100の強度アップに寄与する。また、石炭1に含まれる水分を結合材として使用し、好適な水分範囲である5〜20wt%にするとともに、成型体100の密度を規定することにより、さらに好ましくは成型体100のサイズおよび重量も規定し、成型体100の圧壊強度極大となる領域に調整することが可能となる、よって、石炭成型燃料として成型体100を用いる際に、運搬時の粉化を低減してハンドリング性を向上させることができる。また、粉砕した後に成型することで比表面積も低下し、石炭成型燃料の貯蔵時の発火を低減することができる。さらに、この成型体100を得る製造プロセスでは全て公知の機械・装置を用いており、また、熱水等も必要としないため、コスト低減を図ることができる。

0060

上述のとおり本形態ではバインダーを用いずに成型体100を得る。石炭粒子4の粒子径と水分、および成型体100の密度を上記の範囲に規定することにより、別途バインダーを添加することなく、低コストで成型体100の強度を所望の値とすることができる。

0061

ここで、成型工程40において用いる成型機がスクリュ式の供給手段を有する場合など、成型手段へ石炭粒子4を供給する際に、場所によって石炭粒子4の供給圧力分布にばらつきが生じる。この供給圧力分布のばらつきは成型体100の機械的強度に影響を及ぼし、成型後の処理、ハンドリング、運搬、貯蔵等によって受ける外力により、成型体100が弱い部分で複数の断片に割れてしまうことがある。しかし、石炭成型燃料は火力発電所にて再度微粉砕されるため、ブリケットのようにすべての成型体100が一様な形状である必要はなく、ハンドリング可能な程度の形状を保っていればランダムな形状が混在していてもよい。

0062

また、ハンドリングなどによって成型体100が割れたとしても、その割れた断片は、石炭粒子4を板状としてではなくブリケットとして成型した場合と比較して高い機械的強度を有する塊として存在する。しかも、成型工程40において石炭粒子4を板状に成型することにより、ブリケットなど一様な形状とする場合に比べて成型圧を低減することができる。成型圧を低減できるということは、より少ないエネルギーで成型することができるということであり、結果的に低コストの石炭成型燃料を得ることができる。一方、ハンドリング中に割れることなく一様な形状を維持しうる強度を有する成型体100を得ることも可能である。しかし、そのためには高い成型圧で成型したり原料にバインダーを添加したりすることが必要になり、結果的に石炭成型燃料のコストアップを招く。

0063

上より、石炭粒子4を板状に成型した成型体100の断片は、十分な機械的強度を有し、かつ、低コストの燃料として利用することができ、したがって、篩工程50を経た、石炭成型燃料として用いられる成型体100は、その破断片の混合物であるといえる。

0064

より詳しくは、篩工程50を経て石炭成型燃料として得られた成型体100は、以下の第1〜第4破断片のうちいずれか1種以上の混合物である。第1〜第4破断片を図1−5A〜図1−5Dに示し、それらの混合物である成型体100を図1−6に示す。平滑面、凹凸面、破断面については後述する。

0065

第1破断片:図1−5Aに示すように、平滑な成型面が転写された平滑面101および破断面103の2種類の表面を有する。
第2破断片:図1−5Bに示すように、凹凸を有する成型面が転写された凹凸面102および破断面103の2種類の表面を有する。
第3破断片:図1−5Cに示すように、上記平滑面101、上記凹凸面102および破断面103の3種類の表面を有する。
第4破断片:図1−5Dに示すように、表面は破断面103のみである。

0066

また、第3破断片は、
平滑面101と凹凸面102とが互いに対向する第3A破断片と、
平滑面101と凹凸面102とが同一平面内で隣接し、かつ、その対向面が破断面である第3B破断片と、
を有していてもよい。この場合、第3A破断片は、平滑面と凹凸面との厚みが4.0〜13.0mmであることが好ましい。

0067

第3A破断片の厚みは、成型体100の最大厚みを反映している。厚みがこの範囲を超えると、石炭成型燃料としての機械的強度が確保できなくなるおそれがあり、また、厚みがこの範囲よりも薄いと、成型効率が低下する。この範囲内であれば、バインダーを添加することなく、かつ、成型圧を過度に高めることなくハンドリング可能な成型体100を得ることができる。

0068

また、第1破断片は、
平滑面101同士が互いに対向する第1A破断片と、
平滑面101の対向面が破断面103である第1B破断片と、
を有していてもよい。この場合、第1A破断片は、平滑面101同士の厚みが2〜10mmであることが好ましい。

0069

第1A破断片の厚みは、成型体100のうち凹凸が形成されていない成型手段で挟まれた部分の厚み、例えば、成型手段が、表面が平滑な一対のロールを有している場合はそのロールのクリアランスに対応する。厚みがこの範囲を超えると、石炭成型燃料としての機械的強度が確保できなくなるおそれがあり、また、厚みがこの範囲よりも薄いと、成型効率が低下する。この範囲内であれば、バインダーを添加することなく、かつ、成型圧を過度に高めることなくハンドリング可能な成型体100を得ることができる。

0070

ここで、「平滑面」とは、成型工程40における成型の際に、成型手段の表面、例えばロールの表面のうち凹凸が形成されていない部位が加圧されることによって成型された面を意味する。「凹凸面」とは、成型工程40における成型の際に、成型手段の表面、例えばロールの表面のうち凹凸が形成された部分が加圧されることによって成型された面を意味する。「破断面」とは、「平滑面」とも「凹凸面」とも異なる面であって、成型工程40における成型の際に成型手段の表面と接触しておらず、成型体100の割れによって露出した面、あるいはロールを通過する際にロールからの成型圧が掛かっていない面(ロールを通過する石炭粒子4の集合体における、ロールの軸方向両端側の面)、あるいは一旦成型されたロールポケット由来の凸面のうち強度不十分で脱落した面(剥がれた面)を意味する。

0071

[実施形態2]
図1−7を参照すると、本発明の実施形態2による石炭成型燃料の製造工程が示されている。基本的な製造手順は実施形態1と同じであるが、実施形態2は、実施形態1における成型工程40の後段に第2破砕工程10aを設け、さらにその後段に第2成型工程40aをも設ける点で実施形態1と異なる。

0072

したがって、実施形態2では、実施形態1と共通の破砕工程および成型工程を、それぞれ第1破砕工程10および第1成型工程40として、上記第2破砕工程10aおよび第2成型工程40aと区別する。また、第1成型工程40で得られたものを第1中間成型体5とする。実施形態2における第1中間成型体5(2〜5mm篩にて微粉を除去したもの)の密度は、実施形態1における成型体100の密度と比べて低いことが好ましい。第1中間成型体5には板状の成型体のほかに成型されずにロール間を通過した石炭粒子4や圧縮不十分につき崩壊した成型体が含まれており、前記石炭粒子4や崩壊した成型体を除く第1中間成型体5の見掛密度が1.00g/cm3〜1.25g/cm3であることが好ましい。第1中間成型体5から石炭粒子4や圧縮不十分につき崩壊した成型体を除去する際は、2〜5mmの篩目を用いることが好ましい。前記圧壊強度は10〜800Nであることが好ましい。また、第1成型工程40に用いる石炭粒子4の水分含有量が、5〜20wt%であることが好ましく、8〜16wt%であることがより好ましく、10〜17wt%であることがさらに好ましい。

0073

実施形態2の第1成型工程40では、原料を水平方向に供給する水平供給方式の成型機であるコンパクタを好ましく用いることができる。コンパクタもブリケットマシンと同様、原料を成型する成型手段と、成型手段に原料を供給する供給手段とを有する。成型手段は、例えば一対のロールを有することができ、このロール間に原料を供給することで、原料はロールの回転に伴ってロール間で加圧成型される。ただし、水平供給方式のコンパクタでは、2つのロールが上下に配置される。第1成型工程40において水平供給方式のコンパクタを用いることで、得られる第1中間成型体5の収率、すなわち成型効率が向上する。

0074

第2破砕工程10aでは、破砕機により第1中間成型体5を破砕し、第1中間成型体5の破砕物6(以降、破砕物6と記載)を得る。破砕機は、第1破砕工程10で用いたものと同様であってよい。なお、破砕物6は、粒子径が好ましくは0.1〜1.0mm、より好ましくは0.15〜0.9mm、さらに好ましくは0.2〜0.8mmである。また、破砕物6の最大粒子径は、後述の成型体200の粒子径の縦横2辺のうち短いほうの長さ以下であることが好ましい。破砕物6が上記平均粒子径の範囲および最大粒子径の範囲になるように第2破砕工程10aを調整することで、第2成型工程40aにおける成型時に、ブリケットマシンにおけるロールポケットへの破砕物6の充填率を向上させることができる。この結果として得られる、第2中間成型体7は、実施形態1の最終製品(石炭成型燃料)である成型体100と比べて優れた品質(圧壊強度および見掛密度)を示す。なお、実施形態2において、第1成型工程40と第2成型工程40aで使用するロールポケットのサイズ(粒子径)は同一でなくてもよい。

0075

第2成型工程40aでは、成型機により破砕物6を成型して第2中間成型体7を得る。第2中間成型体7は、実施形態1における中間成型体5と同様、板状の成型体200および石炭の粉末を含んでおり、篩工程50を経てこの第2中間成型体7から粉末を除去することにより得られた成型体200を、石炭成型燃料とする。

0076

第2成型工程40aで用いられる成型機としては、実施形態1で説明したような垂直供給方式の成型機であるブリケットマシンを用いることができる。あるいは、第1成型工程40と同様、水平供給方式のコンパクタを第2成型工程40aで用いることもできる。

0077

成型体200の粒子径は5〜40mmであることが好ましい。また、成型体200の見掛密度は1.2〜1.4g/cm3である。成型体200の重量は0.2〜20gであることが好ましい。成型体200の水分含有量は5〜20wt%、好ましくは8〜18wt%、さらに好ましくは10〜17wt%である。

0078

以上のように、実施形態2では、一度成型した第1中間成型体5を第2破砕工程10aで再度破砕し、第2成型工程40aにおいて改めて成型する。第1中間成型体5は第1成型工程40によって既にある程度密度が高められた状態であり、破砕物6も同程度の密度を有する。したがって、破砕物6を再度成型することで、第1中間成型体5よりもさらに密度を向上させた成型体を含む第2中間成型体7を得ることが可能となる。

0079

また、破砕された石炭粒子4の平均粒子径は10〜60μmであり、そのままではブリケットマシン内での流動性が悪く、成型しづらい場合もある。一方、一度成型した第1中間成型体5を再度破砕して得られた破砕物6であれば、第1成型工程40によりある程度密度が高められているため、ブリケットマシン内での流動性が向上し、第2成型工程40aにおける成型がスムーズに行われる。これにより、第1中間成型体5よりもさらに密度の高い成型体200が得られることとなり、この成型体200を石炭成型燃料とすることによって、貯蔵・運搬時の粉化がさらに低減され、ハンドリング性を向上させた石炭成型燃料を得ることができる。

0080

なお、実施形態1において最終的に得られる成型体100および実施形態2において最終的に得られる成型体200の水分含有量を調整する水分調整工程を設けてもよい。水分調整工程は、篩工程の後に設けることが好ましい。水分調整工程により、製品の発塵および自然発熱を防止することができる。

0081

水分調整工程においては、ベルトコンベア上を搬送される成型体100、200に対し散水を行い、好適な水分範囲を得る方法がある。また、篩工程を経た成型体100、200を山立て(山状に堆積させてパイルを形成)後、給水ポンプおよびスプリンクラを含む散水設備によって、山立てした成型体100、200の水分を好適範囲に調整する方法であってもよい。

0082

成型体100、200の水分調整工程の後の水分は、好ましくは10〜30wt%であり、より好ましくは10wt%以上25wt%未満である。なお、実施形態2においても、実施形態1と同様にバインダーを添加することなく、低コストで成型体200の強度を所望の値とすることが可能となっている。

0083

パートAの記載にかかわる主要な要素の符合の説明は次のとおりである。

0084

10破砕工程(第1破砕工程)
10a 第2破砕工程
20 乾燥工程
30粉砕工程
40成型工程(第1成型工程)
40a 第2成型工程
41ロール
42 供給手段
50篩工程
100、200 成型体

0085

<<パートB>>
パートBで開示される発明は、改質炭の養生方法に関する。

0086

特許文献1(特開2011−111529号公報)には、低品位炭を油と混合してスラリーとし、このスラリーを加熱することにより石炭を脱水し、含水量を低下させた後に粉砕・成型して固体燃料を得る技術が開示されている。特許文献2(WO2015/098935号公報)には、バインダー等を用いずに石炭のみを原料として石炭粒子を成型して得られる石炭成型燃料とその製造方法が開示されている。

0087

しかしながら上記特許文献1(特開2011−111529号公報)にあっては、油と混合してスラリーを作成する必要があり、コストアップを招いていた。また成型後の固体燃料をハンドリングする際に一定以上の強度が求められるが、特許文献1では強度について記載されていない。特許文献2(WO2015/098935号公報)の石炭成型燃料は、バインダー等を用いる場合に比べてコスト削減はできたものの、製品価値である発熱量は屋外貯蔵時の製品水分に依存することから、貯蔵時の降雨等による吸水量が低下するよう、さらなる改善が求められていた。

0088

パートBの発明は、浸漬水分が低い改質炭を簡便に製造する方法を提供することを目的とする。

0089

パートBの主要な開示事項は、次のとおりである。

0090

(1)改質炭を所定の養生条件で保持する改質炭の養生方法であって、
前記所定の養生条件は、温度−5〜40℃、相対湿度5〜95%で、200日以上であること
を特徴とする改質炭の養生方法。

0091

この方法によれば、浸漬水分が低い改質炭を簡便な方法により提供することができる。

0092

(2) 上記(1)に記載の改質炭の養生方法において、
養生前の改質炭の水中浸漬水分をWA、養生後の改質炭の水中浸漬水分をWBとすると、WB/WA=0.70〜0.90であること
を特徴とする改質炭の養生方法。

0093

この方法によれば、浸漬水分が低い改質炭を簡便な方法により提供することができる。

0094

(3) 上記(1)または上記(2)に記載の改質炭の養生方法において、
前記改質炭は、石炭粒子を圧縮成型して得られた成型体であって、養生前の改質炭の圧縮方向厚みをTA、養生後の改質炭の圧縮方向厚みをTBとすると、TB/TA=1.0〜1.2であること
を特徴とする改質炭の養生方法。

0095

この方法によれば、養生効果による水中浸漬膨張率の低下が十分であるため好ましい。

0096

(4) 上記(1)ないし上記(3)のいずれか1項に記載の改質炭の養生方法において、
前記改質炭は、石炭粒子を成型して得られ、
前記石炭粒子は、平均粒子径10〜60μm、水分5〜20%であって、
養生前の前記改質炭の見掛密度は1.2〜1.4g/cm3であること
を特徴とする改質炭の養生方法。

0097

上記(1)ないし上記(3)の発明は、上記の特性を有する改質炭に適用することができる。

0098

パートBの発明によると、浸漬水分が低い改質炭を簡便な方法により提供することができる。以下、パートBの発明を説明する。

0099

[養生工程]
パートBの発明は、改質炭を所定の養生条件で保持する改質炭の養生方法に関する。養生条件は、温度−5〜40℃、相対湿度5〜95%で、200日以上であることが好ましく、温度0〜40℃、雰囲気相対湿度25〜95%、200日以上であることがより好ましい。この条件下で改質炭を養生する工程(以下、「養生工程85」とも記載する。図2−1及び図2−2参照。)を含むことにより、改質炭の吸水が抑制されて水中浸漬水分(単に、「浸漬水分」とも記載する)が養生前に比べて低下し、改質炭の品質が改善する。

0100

養生方法は特に限定されず、上記養生条件を満たす環境下に改質炭を置けばよいが、密閉養生気乾養生、封緘養生湿空養生蒸気養生、およびオートクレーブ養生等が挙げられ、密閉養生が好ましい。これらのうち、2種以上の養生方法を組み合わせてもよい。養生を行っている間、改質炭は静置していることが好ましいが、改質炭が粉化しない程度に振動攪拌等の外力が加わってもよい。養生を行っている間、改質炭同士が接触していても接触していなくてもよい。

0101

パートBの発明の養生方法において、養生前の改質炭の水中浸漬水分をWA、養生後の改質炭の水中浸漬水分をWBとすると、WB/WA=0.70〜0.90であることが好ましい。WB/WAがこの範囲内にあれば養生による効果が十分であると考えられる。

0102

浸漬水分は、以下の方法により測定することができる。改質炭を水中に浸漬し、浸漬開始から7日間経過した時点で改質炭を回収し、表面に付着した水分をウエス等の布で除去した後、JIS M 8820−2000(石炭類及びコークス類−ロットの全水分測定方法)に記載の石炭類の全水分測定方法にて計測して得た全水分を浸漬水分とする。浸漬水分が低いほど貯蔵時の降雨等による吸水量が低下するため、製品価値である発熱量が高くなるので品質の高い改質炭といえる。

0103

パートBの発明では石炭粒子を成型して改質炭を得ており、したがってパートBの発明においては成型直後(複数の成型工程を有する場合は最終の成型工程の直後)から1日以内であって、上記養生工程85に至る前の改質炭(後述の実施形態B1の成型体5、または実施形態B2の第2成型体7)を「養生前」と定義する。

0104

改質炭(実施形態B1の成型体5、または実施形態B2の第2成型体7)に対して上記養生条件下で養生を行うことにより、養生後の水中浸漬膨張率が養生前の水中浸漬膨張率より低下し、貯蔵中の水分上昇緩和し、より発熱量の高い改質炭を得ることができる。パートBの発明の一態様として、養生前の改質炭の水中浸漬膨張率をEA、養生後の水中浸漬膨張率をEBとすると、EB/EA=0.60〜0.80であるのが好ましい。ここで、水中浸漬膨張率は、下記式(1):

0105

により算出することができる。

0106

パートBの発明の一態様として、改質炭(実施形態B1の成型体5、または実施形態B2の第2成型体7)は、石炭粒子を圧縮成型して得られた成型炭であって、養生前の圧縮方向厚みをTA、養生後の圧縮方向厚みをTBとすると、TB/TA=1.0〜1.2であることが好ましい。本明細書において、「圧縮方向厚み」とは、石炭粒子を圧縮成型する際に圧縮力が加わる方向の厚みのことをいう。養生前後の厚みの比(TB/TA)が該範囲内にあると、養生効果による水中浸漬膨張率の低下が十分であるため好ましい。

0107

パートBの発明の一態様として、改質炭(実施形態B1の成型体5、または実施形態B2の第2成型体7)は、石炭粒子を成型して得られ、石炭粒子は、平均粒子径10〜60μm、水分5〜20%であって、養生前の改質炭(実施形態B1の成型体5、または実施形態B2の第2成型体7)の見掛密度は1.2〜1.4g/cm3であることが好ましく、1.25〜1.4g/cm3であることがより好ましい。石炭粒子がこのような物性を有することにより、水分を結合材として成型炭とすることができ、養生前の改質炭(実施形態B1の成型体5、または実施形態B2の第2成型体7)の見掛密度が該範囲内にあると改質炭のハンドリングがしやすい。

0108

[実施形態B1]
図2−1に、実施形態B1として改質炭の製造工程の一例を示す。実施形態B1における製造工程は、破砕工程10、乾燥工程20、粉砕工程30、成型工程40を有し、原料となる石炭1を破砕した後乾燥させ、乾燥させた石炭を粉砕して石炭粒子4を得る。この石炭粒子4を成型することにより得られた成型体5を改質炭とし、この成型体5を、上述の養生工程85にて養生する。

0109

原料となる石炭1は、好ましくは褐炭および/または亜瀝青炭であり、より好ましくは水分25wt%以上の褐炭または亜瀝青炭であり、さらに好ましくは水分30wt%以上の褐炭である。原料として用いられるものは石炭1のみであり、バインダーや添加物等は使用されない。バインダー等の添加物の使用はコストアップ要因となるが、本実施形態の成型炭はバインダーを添加せず石炭のみを用いるため、低コストで成型炭を得ることができる。

0110

<破砕工程>
破砕工程10ではこの石炭1をジョークラッシャまたはハンマークラッシャで破砕して破砕済みの石炭2を得、乾燥工程20に移行する。破砕工程10では、後の粉砕工程30で用いるボールミル等に投入できる大きさまでに石炭1が破砕されればよく、特に限定はされないが、破砕済みの石炭2の最大粒子径が、好ましくは70mm以下、より好ましくは50mm以下、さらに好ましくは20mm以下であり、平均粒子径が1mm〜20mm程度であることが好ましい。なお、石炭の水分量は、JIS M 8820−2000 (石炭類及びコークス類−ロットの全水分測定方法)に記載の石炭類の全水分測定方法にて計測できる。また、第1破砕工程10により破砕された石炭2の平均粒子径は、JISM8801−2004「5.粒度試験方法」に基づき測定し、各篩目開きの通過篩質量百分率を求め、通過篩質量百分率が50%となる粒子径とする。

0111

<乾燥工程>
乾燥工程20では破砕済みの石炭2を間接乾燥機により乾燥させ、乾燥済みの石炭3を得て粉砕工程30に移行する。間接乾燥機としては例えばスチームチューブドライヤを用いてもよい。固体燃料の製造では大量処理が要求されるため、伝熱面積が大きく大量に乾燥処理可能なスチームチューブドライヤを用いることが好適である。

0112

<粉砕工程>
粉砕工程30では粉砕機により乾燥済みの石炭3の粉砕が行われ、石炭粒子4を得て成型工程40に移行する。粉砕機は乾式粉砕または乾燥粉砕方式であり、例えば微粉砕が可能で大量処理に適したボールミル、ローラミルが用いられる。乾燥機同様に固体燃料の製造では大量処理が要求されるため、大量処理に適した粉砕機が好適である。この粉砕工程30において、石炭粒子4の平均粒子径を好ましくは10〜60μm、より好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは10〜30μmとする。平均径10μm未満に粉砕するには大きな粉砕動力が必要であり、工業プロセスでの製造が困難であることからボールミル粉砕後の平均径は10μm以上が好ましい。本明細書において、粉砕工程30により粉砕された石炭粒子4の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって得られる粒度分布のメディアン径とする。なお、本明細書において、「石炭粒子」と記載したときは、粉砕工程30により粉砕された石炭粒子4を意味するものとする。

0113

この粉砕工程30において石炭粒子4の平均粒子径を上記の範囲とすることにより、成型工程40において微細な石炭粒子4を成型する際に成型の金型(ロールポケット)への充填率が増大し、後述の成型体5の密度を向上させて所望の強度を得ることができる。

0114

なお、ボールミル、ローラミルは粉砕と同時に乾燥をも行えるため、粉砕工程30においてもボールミル、ローラミルによる乾燥を行ってもよいが、ボールミル、ローラミルでの乾燥能力では不十分であるため、粉砕工程30の前に乾燥工程20を設けて必要な乾燥能力を確保するのが好ましい。

0115

<成型工程>
成型工程40では成型機により石炭粒子4を成型し、得られた成型体5を改質炭とする。成型機は、原料を加圧成型する成型手段と、成型手段へ原料を供給する供給手段とを有する。成型機としては、例えば、ブリケットマシンを用いることができる。

0116

図2−3に、成型工程40において好適に用いることのできるブリケットマシンの模式図を示す。図2−3に示すブリケットマシンは、垂直供給方式のブリケットマシンであり、成型手段である一対のロール41と、一対のロール41の上方に配置されて、一対のロール41の間に原料である石炭粒子4を供給する供給手段42と、を有する。供給手段42は、石炭粒子4が供給されるホッパおよびホッパ内の石炭粒子4を下方へ送るスクリュフィーダ等を有している。一対のロール41は、それぞれ適宜の駆動手段で駆動される回転軸を有している。回転軸は、水平方向に延び、かつ、水平方向に間隔をあけて互いに平行に配置されている。また、一対のロール41は隙間をあけて配置されている。ロール41の上方からこの隙間に供給された石炭粒子4を、ロール41の回転駆動によって加圧しながら下方へ送ることで、石炭粒子4の加圧により形成された板状の成型体5が得られる。

0117

一対のロール41間の隙間(クリアランス)は、広すぎると、ロール41間からの石炭粒子4の漏れや圧力分散が発生しやすくなり、得られる成型体5の密度および強度の低下、並びに収率低下につながる。よって、ロール41間の隙間は3mm以下であることが好ましい。ロール41間の隙間を3mm以下とすることで、十分な強度が確保された板状の成型体を得ることができる。

0118

また、一対のロール41のうち少なくとも一方のロール41の表面には、凹凸が形成されていることが好ましい。これにより、ロール41間に供給された石炭粒子4がロール41の表面から滑り落ちるのが抑制され、石炭粒子4をロール41間に良好に保持することができる。また、凹凸を形成することにより、凹部内にも石炭粒子4が充填されるため、単位時間当たりの処理量を多くすることができる。なお、ロール41の表面に凹凸を有する場合、得られる成型体5の表面形状は、ロール41の表面の凹凸が転写される。

0119

ロール41の表面に形成される凹凸の形態は特に限定されず、例えば、ロールポケット(凹部)、溝およびこれらの組み合わせであってもよい。

0120

凹凸がロールポケットで形成される場合、ロールポケットの形状は任意とすることができる。

0121

また成型体5の見掛密度は1.2〜1.4g/cm3が好ましく、1.25〜1.4g/cm3であるのがさらに好ましい。また成型体5の重量は0.2〜20gであるのが好ましい。また成型体5の水分は好ましくは5〜20wt%、より好ましくは8〜18wt%、さらに好ましくは10〜17wt%である。この水分は石炭粒子4の水分に由来するものである。なお、見掛密度はJIS Z 8807の「8.液中ひょう量法による密度及び比重の測定方法」に基づき測定できる。

0122

石炭粒子4由来の水分は成型工程40において結合材の役割を果たすため、成型体5の水分を上記の範囲に調整することにより、別途結合材やバインダー等を添加することなく効率的な成型が可能となる。なお、成型工程40に用いる石炭粒子4の水分含有量が、5〜20wt%であることが好ましく、8〜18wt%であることがより好ましく、10〜17wt%であることがさらに好ましい。

0123

実施形態B1では、石炭粒子4の平均粒子径が10〜60μmと微細であるため、成型時にブリケットマシンにおけるロールポケットへの充填率が増加する。これにより成型体5の密度が向上し、成型体5の強度アップに寄与する。また、石炭1に含まれる水分を結合材として活用し、好適な水分範囲である5〜20wt%にするとともに、成型体5の密度を規定することにより、さらに好ましくは成型体5のサイズおよび重量も規定し、成型体5の圧壊強度(JIS Z 8841−1993の「3.1 圧壊強度試験方法」に基づき測定できる)が極大となる領域に調整することが可能となる。よって、成型体5を用いる際に、運搬時の粉化を低減してハンドリング性を向上させることができる。また粉砕した後に成型することで比表面積も低下し、貯蔵時の発火を低減することができる。さらに、この成型体5を得る製造プロセスでは全て公知の機械・装置を用いており、また熱水等も必要としないため、コスト低減を図ることができる。

0124

なお、上述のとおり実施形態B1ではバインダーを用いていない。石炭粒子4の粒子径と水分、及び成型体5の密度を上記の範囲に規定することにより、別途バインダーを添加することなく、低コストで成型体5を得ることができる。

0125

<養生工程>
成型工程40で得られた成型体5につき上述の養生工程85にて養生を行い、実施形態B1における養生後の改質炭(以降、製品100とも記載する)を得る。なお成型工程40と養生工程85との間に研磨工程や篩工程等を設けてもよい。

0126

[実施形態B2]
図2−2に、実施形態B2として改質炭の製造工程の他の例を示す。基本構成は実施形態B1と同様であるが、実施形態B2では実施形態B1における成型工程40の後段に第2破砕工程10aを設け、さらにその後段に第2成型工程40aを設ける点で実施形態B1と異なる。実施形態B2における養生前の改質炭は第2成型体7であって、この第2成型体7を養生工程85にて養生し、養生後の改質炭(以降、製品200とも記載)を得るものである。

0127

以降、実施形態B2においては、破砕工程10、成型工程40をそれぞれ第1破砕工程10、第1成型工程40として区別する。また、第1成型工程40で得られた成型体5は第1成型体5とする。

0128

<第1破砕工程、乾燥工程、粉砕工程>
実施形態B1の破砕工程10、乾燥工程20、粉砕工程30と同様である。

0129

<第1成型工程>
第1成型工程40では粉砕工程30で得られた石炭粒子4を成型し、第1成型体5を得る。実施形態B2における第1成型体5の密度は、実施形態B1における成型体5の密度と比べ低いことが好ましく、見掛密度が1.00g/cm3〜1.25g/cm3であることが好ましい。見掛密度の低い第1成型体5を得る方法としては、例えば、成型機のロール上部の押込スクリュ回転数低下ロール回転数増加、ロール支持圧(ロール間圧力)の低下、ロールポケット容積増加ロールギャップ増加などの方法が挙げられ、これらを複合させてもよい。圧壊強度は10〜800Nであることが好ましい。また、第1成型工程40に用いる石炭粒子4の水分含有量が、5〜20wt%であることが好ましく、8〜18wt%であることがより好ましく、10〜17wt%であることがさらに好ましい。

0130

第1成型工程40においては、水平供給方式の成型機(例えばコンパクタ)を用いてもよいし、垂直供給方式の成型機(例えばブリケットマシン)を用いてもよい。

0131

<第2破砕工程>
第2破砕工程10aでは、破砕機により第1成型体5を破砕し、第1成型体破砕物6を得て第2成型工程40aに移行する。破砕機は第1破砕工程10で用いたものと同様である。なお第1成型体破砕物6の平均径は、好ましくは0.1〜1.0mm、より好ましくは0.15〜0.9mm、さらに好ましくは0.2〜0.8mmである。また、第1成型体破砕物6の最大粒子径は、後述の第2成型体7の粒子径の縦横2辺の短いほうの長さ以下であることが好ましい。第1成型体破砕物6が前記平均径の範囲および最大粒子径の範囲になるように第2破砕工程10aを調整することで、前記の第2成型工程40aの成型時に、ブリケットマシンにおけるロールポケットへの充填率を向上させることができる。この結果として得られる、第2成型体7は実施形態B1における成型体5と比べ優れた品質(圧壊強度および見掛密度)を示す。なお、実施形態B2において、第1成型工程40と第2成型工程40aで使用するロールポケットサイズのポケットサイズは同一であっても異なっていてもよい。第1成型体破砕物6の平均粒子径は、上述の石炭2と同様の方法で測定できる。

0132

<第2成型工程>
第2成型工程40aでは、成型機により第1成型体破砕物6を成型して第2成型体7を得る。第2成型工程40aは、上述の実施態様1で記載した成型工程40と同様に行うことができる。

0133

第2成型工程40aにおいては、垂直供給方式の成型機(例えばブリケットマシン)を用いる。

0134

第2成型体7の粒子径は5〜40mmであるのが好ましい。また第2成型体7の見掛密度は1.2〜1.4g/cm3である。また第2成型体7の重量は0.2〜20gであるのが好ましい。第2成型体7の水分含有量は好ましくは5〜20wt%、より好ましくは8〜18wt%、さらに好ましくは10〜17wt%である。

0135

実施形態B2では、一度成型した第1成型体5を第2破砕工程10aで再度破砕し、改めて第2成型工程40aにおいて成型する。第1成型体5は第1成型工程40によって既にある程度密度が高められた状態であり、第1成型体破砕物6も同程度の密度を有する。したがって、第1成型体破砕物6を再度成型することで、第1成型体5よりもさらに密度を向上させた第2成型体7を得ることができる。

0136

また、粉砕された石炭粒子4の平均粒子径は10〜60μmであり、そのままでは成型機内での流動性が悪く、成型しづらい場合もある。一方、一度成型した第1成型体5の破砕物6であれば、第1成型工程40によりある程度密度が高められているため成型機内での流動性が向上しており、第2成型工程40aにおける成型がスムーズに行われる。これにより、第1成型体5よりもさらに密度の高い第2成型体7が得られることとなり、貯蔵・運搬時の粉化がさらに低減され、第2成型体7及び製品200のハンドリング性を向上させることができる。

0137

<養生工程>
第2成型工程40aで得られた第2成型体7(養生前の改質炭)を上述の養生工程85にて養生を行い、実施形態B2における製品200(養生後の改質炭)を得る。なお第2成型工程40aと養生工程85との間に研磨工程や篩工程を設けてもよい。研磨や篩にかけることにより、第2成型体7のうち相対的に低強度の部分を削り落とし、相対的に高強度な部分を残すことで、強度を向上させるものである。なお篩工程では、例えば篩目はロールポケットの縦寸法と横寸法の平均寸法の半分程度の目開きの篩を用いてもよい。

0138

パートBの発明では、上記のように得られた改質炭にさらに養生工程を施すことにより、浸漬水分が低下して強度が増加し、ハンドリング性がより向上した石炭成型燃料を提供することができる。

0139

<水分調整工程>
なお、実施形態B1および実施形態B2においてそれぞれ得られる、成型体5および第2成型体7の水分含有量を調整する水分調整工程を設けてもよい。水分調整工程は、成型工程40(または第2成型工程40a)と養生工程85の間であってもよいし、養生工程85の後であってもよい。水分調整工程により、製品の発塵および自然発熱を防止することができる。

0140

水分調整工程においては、例えば実施形態B1の成型工程40(または実施形態B2の第2成型工程40a)の後に、ベルトコンベアを配し、かつベルトコンベア上部に給水ポンプおよびスプレーノズルで構成される散水設備を配し、ベルトコンベアによって搬送される成型体5(または第2成型体7)に対し、成型体5(または第2成型体7)の水分が好適範囲になるように散水する方法がある。また、成型体5(または第2成型体7)を山立て(山状に堆積させてパイルを形成)後、給水ポンプおよびスプリンクラによって構成される散水設備によって山立てした成型体の水分を好適範囲になるように調整する方法であってもよい。加えて、成型体5(または第2成型体7)を水中浸漬することで水分を調整してもよい。

0141

パートBの記載にかかわる主要な要素の符合の説明は次のとおりである。
1石炭
2破砕済みの石炭
3乾燥済みの石炭
4石炭粒子
5成型体(第1成型体)
6 第1成型体破砕物
7 第2成型体
10 破砕工程(第1破砕工程)
20 乾燥工程
30粉砕工程
40成型工程(第1成型工程)
10a 第2破砕工程
40a 第2成型工程
85養生工程
100製品
200 製品

0142

<<パートC>>
パートCで開示される発明は、改質炭の養生方法に関する。

0143

従来、石炭を粉砕・成型して固体燃料を得ることが行われており、例えば特許文献2(WO2015/098935)には、ボールミル等で石炭を粉砕して得た石炭粒子4を成型機で成型して固形燃料(石炭成型燃料)を製造する方法が開示されている。

0144

ところで、石炭成型燃料は、屋外にて輸送・貯蔵されることが想定され、降雨や散水等に晒されるため、発熱量は石炭成型燃料の吸水性等に左右される。よって、石炭成型燃料の価値を高めるためには吸水性の定量的な指標である水中浸漬水分が低減されていることが望ましい。特許文献2(WO2015/098935)では、一連の工程で石炭成型燃料を製造したのちに水中浸漬水分の低減を目的とした養生工程を実施することについては何ら言及されていない。

0145

パートCの発明は、水中浸漬水分の低減に寄与する改質炭の養生方法を提供することを目的とする。

0146

パートCの主要な開示事項は、次のとおりである。

0147

(1)改質炭を所定の養生条件で保持する改質炭の養生方法であって、
前記所定の養生条件は、温度60〜120℃、15〜60分であること
を特徴とする改質炭の養生方法。

0148

この方法によれば、水中浸漬水分が低下した石炭成型燃料を提供することができる。

0149

(2) 上記(1)に記載の改質炭の養生方法において、
養生前の水中浸漬水分をWA、養生後の水中浸漬水分をWBとすると、WB/WA=0.60〜0.95であること
を特徴とする改質炭の養生方法。

0150

この方法によれば、水中浸漬水分が低下した石炭成型燃料を提供することができる。

0151

(3) 上記(1)または上記(2)に記載の改質炭の養生方法において、
養生前の水中浸漬膨張率をEA、養生後の水中浸漬膨張率をEBとすると、EB/EA=0.60〜0.99であること
を特徴とする改質炭の養生方法。

0152

この方法によれば、養生効果による水中浸漬膨張率の低下が十分であるため好ましい。

0153

(4) 上記(1)ないし上記(3)のいずれか1項に記載の改質炭の養生方法において、
前記改質炭は、石炭粒子を圧縮成型して得られた成型炭であって、養生前の圧縮方向厚みをTA、養生後の圧縮方向厚みをTBとすると、TB/TA=1.000〜1.025であること
を特徴とする改質炭の養生方法。

0154

この方法によれば、養生効果による水中浸漬膨張率の低下が十分であるため好ましい。

0155

(5) 上記(1)ないし上記(4)のいずれか1項に記載の改質炭の養生方法において、
前記改質炭は、石炭粒子を成型して得られ、
前記石炭粒子は、平均粒子径10〜60μm、水分5〜20%であって、
養生前の前記改質炭の見掛け密度は1.20〜1.40g/cm3であること
を特徴とする改質炭の養生方法。

0156

上記(1)ないし上記(4)の発明は、上記の特性を有する改質炭に適用することができる。

0157

語句の説明)
本明細書において、「a〜b」と表記した場合、その範囲はa以上b以下であることを意図する。

0158

以下、パートCの発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図3−1は、パートCの発明の一形態に係る改質炭の製造方法を示す図である。図3−1に示すように、この例の改質炭の製造方法は、第1破砕工程10、乾燥工程20、粉砕工程30、第1成型工程40、第2破砕工程10a、第2成型工程40a、篩工程70、および加熱養生工程85を有している。

0159

以下、それぞれの工程について、順に説明する。なお、図3−1では、各工程はブロックとして示され、各ブロックに向けて引かれた矢印の付近に「1」、「2」のように符号を付している。これらの符号は、それぞれの時点における所定状態の石炭を示している。以下、石炭をこれらの符号を用いて説明するが、特に必要の無い場合には符号を用いずに説明するものとする。

0160

(第1破砕工程:10)
破砕工程10は、供給された原料としての石炭1を破砕する工程である。破砕には、ジョークラッシャまたはハンマークラッシャを利用可能である。この工程における破砕の程度は、石炭の最大粒子径が好ましくは70mm以下、より好ましくは50mm以下、より好ましくは20mm以下、さらに好ましくは平均粒子径が1mm〜20mm程度となるようなものであってもよい。

0161

原料である石炭は、褐炭および/または亜瀝青炭である。具体的には、全水分25wt%以上の褐炭または亜瀝青炭であってもよいし、全水分30wt%以上の褐炭であってもよい。

0162

石炭の全水分は、JIS M 8820−2000 (石炭類及びコークス類−ロットの全水分測定方法)に記載の石炭類の全水分測定方法にて計測可能である。石炭の平均粒子径は、JISM8801−2004「5.粒度試験方法」に基づき測定し、各篩目開きの通過篩質量百分率を求め、通過篩質量百分率が50%となる粒子径を求めることで決定可能である。

0163

なお、石炭1に関し、原料として用いられるものは石炭のみであり、バインダーや添加物等は使用されないことが一形態において好ましい。

0164

(乾燥工程:20)
乾燥工程20は、上記工程を経た石炭2を乾燥させる工程である。乾燥は、間接乾燥機を用いて実施されるものであってもよい。間接乾燥機としては例えばスチームチューブドライヤを利用可能である。送風乾燥機を用いてもよい。

0165

(粉砕工程:30)
粉砕工程30は、上記工程を経た石炭3を粉砕機で粉砕する工程である。粉砕機としては、乾式粉砕または乾燥粉砕方式のいずれもあってもよい。ボールミルやローラミルを利用するものであってもよい。粉砕の程度は、平均粒子径を好ましくは10〜60μm、より好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは10〜30μmとするようなものであってもよい。平均粒子径が10μm未満となるような粉砕を実施してもよいが、この場合、粉砕に大きな粉砕動力が必要であり工業プロセスでの製造が困難となる傾向がある。よって、ボールミル等を用いた平均粒子径10μm以上の粉砕がプロセスの容易性効率性等の観点から好ましい。

0166

なお、粉砕された石炭の平均粒子径については、JIS M 8801−2004「5.粒度試験方法」に基づき測定し、各篩目開きの通過篩質量百分率を求め、通過篩質量百分率が50%となる粒子径を平均粒子径とする。粉砕工程30により粉砕された石炭粒子4の平均粒子径はレーザー回折・散乱法によって得られる粒度分布のメディアン径である。本明細書において、「石炭粒子4」と記載したときは、粉砕工程30により粉砕された石炭4の粒子を意味するものとする。

0167

石炭粒子4は、次いで金型で成型されることとなる(詳細後述)。石炭粒子4の平均粒子径が上述したような範囲となっていることは、金型のロールポケットへの充填率を高めることができる点で有利である。これにより、成型される成型体の密度が向上し、強度の増加を図りやすいものとなる。

0168

ボールミルやローラミルの利点について付言すれば、これらは、粉砕と同時に乾燥も実施できるという点で有利である。もっとも、本実施形態では、これらによる乾燥能力を補うために、粉砕工程30の前に、別途、乾燥工程20を設けている。

0169

(第1成型工程:40)
本実施形態の製造方法は2つの成型工程を含んでいる。1つ目である第1成型工程40は、上記工程を経た石炭4を成型機で成型する工程である。

0170

成型機は、原料を加圧成型する成型手段および成型手段へ原料を供給する供給手段を備えるものであり、具体的には、図3−2のようなブリケットマシンを利用してもよい。このブリケットマシンは垂直供給方式のものであり、原料供給部40Bと、その下方の成型部40Aとを備えている。

0171

原料供給部40Bは、一例で、ホッパ42とその内部に配置されたスクリュフィーダ等(不図示)を有している。ホッパ42に石炭粒子4が供給され、スクリュフィーダを回転駆動させることで、ホッパ42内の石炭粒子4が下方へと送られて、ホッパ42の下端部から排出されその下方の成型部40Aに供給されるようになっている。

0172

成型部40Aは、一例で、一対のロール41と、その駆動手段等を有している。限定されるものではないが、各ロール41は、水平方向に延びた回転軸を中心として回転するように構成されていてもよい。回転軸は、水平方向に間隔をあけ、互いに略平行に配置されている。ロール41は、円筒を横向きにしたような形状である。直径が250mm、軸方向長さが50mm程度のものを用いてもよい。二本のロール41は、石炭粒子4が圧縮されながら通過する程度の隙間をあけて互いに平行に配置されている。ロール41どうしの間にホッパ42からの石炭粒子4を供給し、回転させることで、石炭粒子4が成型されて成型体5が得られる。

0173

成型体5の形状は、ロール41の表面に形成する凹部等(詳細下記)の形状に依存するものであるが、一例で板状であってもよい。

0174

ロール41間の隙間は、広すぎるとロール間からの石炭粒子4の漏れや圧力分散が発生しやすくなる。これらは、成型体の密度低下および強度低下、および収率低下につながりうる。よって、本実施形態では、ロール間の隙間は3mm以下であることが一例として好ましい。これによれば、十分な強度が確保された板状の成型体を得ることができる。

0175

一対のロール41のうち少なくとも一方の表面には、凹凸が形成されていることも好ましい。これにより、ロール間に供給された石炭粒子4がロールの表面から滑り落ちるのが防止される。その結果、石炭粒子4をロール間に良好に保持することが可能となる。凹凸が形成されている場合、凹部内にも石炭粒子4が充填されるため、単位時間当たりの処理量を多くすることができる。

0176

なお、成型体の形状は、当然ながら、ロール表面の凹部形状が転写される。ロールの表面の凹部形状は特に限定されず、例えば、ロールポケット(凹部)、溝およびこれらの組み合わせであってよい。凹部だけでなく凹凸状としてもよい。

0177

成型体5の具体的な形状の一例としては、図3−3(b)のような略楕円体であってもよい。成型のために、ロール41の表面に、上記成型体5を半割したような形状の凹部が設けられていてもよい(図3−3(a)参照)。凹部はロール表面に複数並んで形成されていてもよい。

0178

2つのロール間の隙間は1.0mm程度であってもよい。ロール線圧は、0.5〜5t/cmに維持してもよい。後述する成型体5の物性が好適範囲となるようにロールおよびスクリュフィーダの回転数が調整されるものであってもよい。

0179

(成型体5の物性の一例)
成型体5は見掛密度が1.00g/cm3〜1.25g/cm3であることが好ましく、圧壊強度は10〜800Nであることが好ましい。また、成型体5の全水分は5〜20wt%であることが好ましく、8〜18wt%であることがより好ましく、10〜17wt%であることがさらに好ましい。この全水分は石炭粒子4の全水分に由来するものである。見掛密度はJIS Z 8807の「8.液中ひょう量法による密度及び比重の測定方法」に基づき測定できる。

0180

石炭粒子4由来の全水分は成型工程において結合材の役割を果たす。よって、成型体の全水分を上記の範囲に調整することにより、別途結合材やバインダー等を添加することなく効率的な成型が可能となる。

0181

(石炭粒子4の物性の一例)
石炭粒子4(石炭4)の全水分は、5〜20wt%であることが好ましく、8〜18wt%であることがより好ましく、10〜17wt%であることがさらに好ましい。上記実施形態では、一例で石炭粒子4の粒子径が10〜60μmと微細である。よって、成型時にブリケットマシンにおけるロールポケットへの充填率が増加する。

0182

石炭1に含まれる水分を結合材として活用し、好適な全水分の範囲である5〜20wt%にするとともに、成型体5の密度を規定することにより、成型体7の圧壊強度が極大となる領域に調整することが可能となる。圧壊強度は、例えばJIS Z 8841−1993の「3.1 圧壊強度試験方法」に基づき測定できる。

0183

(第2破砕工程:10a)
第2破砕工程10aは、上記工程で得た成型体5を再び粉砕する工程である。破砕機としては、第1破砕工程10で用いたものと同様のものを利用してもよい。

0184

ここでの粉砕の程度は、一例で、平均粒子径が好ましくは0.1〜1.0mm、より好ましくは0.15〜0.9mm、さらに好ましくは0.2〜0.8mmとなる程度であってもよい。

0185

(第2成型工程:40a)
第2の成型工程40aでは、一例で、第1成型工程40と同様の成型機を用いて成型を実施するものであってもよい。この第2成型工程40aにより得られる成型体7の物性の一例を以下に示す。

0186

(成型体7の物性の一例)
成型体7の見掛密度は、一例で、1.20〜1.4g/cm3が好ましく、1.25〜1.4g/cm3がさらに好ましい。見掛密度は、上記成型体5と同様にJIS Z 8807の「8.液中ひょう量法による密度及び比重の測定方法」に基づき測定できる。

0187

成型体7の1つ当りの重量は、0.2〜20gが好ましい。成型体7の全水分は、好ましくは5〜20wt%、より好ましくは8〜18wt%、さらに好ましくは10〜17wt%である。

0188

(篩工程:70)
篩工程70は、上記工程を経た石炭の成型体7を篩にかける工程である。篩作業は、例えば、目開き2.0〜5.0mm程度の篩を用いるものであってもよい。

0189

(加熱養生工程:85)
加熱養生工程85は、上記工程で篩の上に残った石炭8(成型体)を所定条件下で養生する工程である。

0190

養生条件としては、石炭を、例えば60〜120℃、好ましくは80〜120℃の温度範囲で加熱する。加熱時間は、例えば15〜60分、好ましくは15〜55分であることが好ましい。石炭は、密封状態で処理されてもよいし、開放状態で処理されてもよい。

0191

パートCの記載にかかわる主要な要素の符合の説明は次のとおりである。

0192

40A成型部
40B原料供給部
41ロール
42 ホッパ

0193

<<パートD>>
パートDで開示される発明は、石炭を粉砕後成型する石炭成型燃料の製造方法に関する。

0194

特許文献1(特開2011−111529号公報)には、低品位炭を油と混合してスラリーとし、このスラリーを加熱することにより石炭を脱水し、含水量を低下させた後に粉砕・成型して固体燃料を得る技術が開示されている。特許文献2(WO2015/098935号公報)には、バインダー等を用いずに石炭のみを原料として石炭粒子を成型して得られる石炭成型燃料とその製造方法が開示されている。

0195

しかしながら上記特許文献1にあっては、油と混合してスラリーを作成する必要があり、コストアップを招いていた。また成型後の固体燃料をハンドリングする際に一定以上の強度が求められるが、特許文献1では強度について記載されていない。特許文献2の石炭成型燃料については、コスト削減および製造効率の向上の観点からさらなる改善が求められていた。

0196

パートDの発明は上記問題を解決するためになされたものであり、低コストで所望の強度を有する石炭成型燃料を提供することを目的とする。

0197

パートDの主要な開示事項は、次のとおりである。

0198

(1)石炭を破砕する第1破砕工程と、
前記第1破砕工程で破砕された石炭を乾燥する乾燥工程と、
前記乾燥工程で乾燥された石炭を粉砕し、平均粒子径10〜60μmの石炭粒子を得る粉砕工程と、
水分含有量が5〜20wt%の前記石炭粒子を成型し、第1成型体を得る第1成型工程と、
前記第1成型体を破砕して第2破砕物を生成する第2破砕工程と、
前記第2破砕物を再度成型して、見掛密度1.2〜1.4g/cm3の第2成型体を生成する第2成型工程と、
を有する石炭成型燃料の製造方法であって、
前記第1成型工程では、水平供給型の成型機が用いられること
を特徴とする石炭成型燃料の製造方法。

0199

この方法は、成型効率がよく、低コストで所望の強度を有する石炭成型燃料を提供できる。

0200

(2) 上記(1)に記載の石炭成型燃料の製造方法であって、
前記粉砕工程で得られた前記石炭粒子の一部を、前記第1成型工程を経由せずに前記第2破砕工程へ供給し、
前記第2破砕工程では、前記第1成型体と、前記石炭粒子の一部を混合して破砕すること
を特徴とする、石炭成型燃料の製造方法。

0201

この方法によれば、製造工程におけるエネルギーおよびコストをさらに低減することができる。

0202

パートDの発明によると、低コストで所望の強度を有する石炭成型燃料を提供できる。以下、パートDの発明を説明する。

0203

[実施形態D1]
図4−1に、パートDの発明の実施形態D1として、石炭成型燃料の製造工程の一例を示す。実施形態D1における製造工程は、第1破砕工程10、乾燥工程20、粉砕工程30、第1成型工程40、第2破砕工程10a、および第2成型工程40aを有し、第1成型工程40において水平供給型の成型機(一例としてコンパクタ400)を用いる。図4−1に示すように、第2成型工程40aの後にさらに篩工程70を有してもよい。なお、以下の説明では、コンパクタ400を用いる場合を記載するが、第1成型工程で用いられる水平供給型の成型機はこれに限定されない。

0204

実施形態D1の石炭成型燃料の製造方法は、以下のとおりである。原料となる石炭1を第1破砕工程10により破砕して第1破砕物2を得た後、乾燥工程20により乾燥させ、乾燥させた石炭3を粉砕工程30により粉砕して石炭粒子4を得る。続いて、この石炭粒子4を第1成型工程40においてコンパクタ400により成型することにより第1成型体5を得る。さらに、第1成型体5を第2破砕工程10aにより破砕して第2破砕物6を得、これを第2成型工程40aにより成型して第2成型体7を得る。さらに篩工程70を経て、粒径の小さい微粉炭を除いた成型体100を得てもよい。第2成型体7または成型体100を石炭成型燃料とすることができる。

0205

原料となる石炭1は、好ましくは褐炭および/または亜瀝青炭であり、より好ましくは水分25wt%以上の褐炭または亜瀝青炭であり、さらに好ましくは水分30wt%以上の褐炭である。原料として用いられるものは石炭1のみであり、バインダーや添加物等は使用されない。バインダー等の添加物の使用はコストアップ要因となるが、パートDの発明の石炭成型燃料はバインダーを添加せず石炭のみを用いるため、低コストで所望の強度を得ることができる。破砕工程10ではこの石炭1をジョークラッシャまたはハンマークラッシャで破砕して第1破砕物2を得、乾燥工程20に移行する。第1破砕工程10では、後の粉砕工程30で用いるボールミル等に投入できる大きさまでに石炭1が破砕されればよく、特に限定はされないが、破砕済みの石炭2の最大粒子径が、好ましくは70mm以下、より好ましくは50mm以下、さらに好ましくは20mm以下であり、平均粒子径が1mm〜20mm程度であることが好ましい。なお、石炭の水分量は、JIS M 8820−2000(石炭類及びコークス類−ロットの全水分測定方法)に記載の石炭類の全水分測定方法にて計測できる。また、破砕された石炭(第1破砕物2)の平均粒子径は、JIS M 8801−2004「5.粒度試験方法」に基づき測定し、各篩目開きの通過篩質量百分率を求め、通過篩質量百分率が50%となる粒子径とする。

0206

乾燥工程20では第1破砕物2を好ましくは間接乾燥機により乾燥させ、乾燥済みの石炭3を得て粉砕工程30に移行する。間接乾燥機としては例えばスチームチューブドライヤを用いてもよい。固体燃料の製造では大量処理が要求されるため、伝熱面積が大きく大量に乾燥処理可能なスチームチューブドライヤを用いることが好適である。

0207

粉砕工程30では粉砕機により乾燥済みの石炭3の粉砕が行われ、石炭粒子4を得て第1成型工程40に移行する。粉砕機は乾式粉砕または乾燥粉砕方式であり、例えば微粉砕が可能で大量処理に適したボールミル、ローラミルが用いられる。乾燥機同様に固体燃料の製造では大量処理が要求されるため、大量処理に適した粉砕機が好適である。この粉砕工程30において、石炭粒子4の平均粒子径を好ましくは10〜60μm、より好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは10〜30μmとする。本明細書において、粉砕工程30により粉砕された石炭粒子4の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって得られる粒度分布のメディアン径とする。平均径10μm未満に粉砕するには大きな粉砕動力が必要であり、工業プロセスでの製造が困難であることからボールミル粉砕後の平均径は10μm以上が好ましい。なお、本明細書において、「石炭粒子」と記載したときは、粉砕工程30により粉砕された石炭粒子4(後述する実施形態D2においては、石炭粒子4−1および4−2)を意味するものとする。

0208

この粉砕工程30において石炭粒子4の平均粒子径を上記の範囲とすることにより、成型工程40において微細な石炭粒子4を成型する際に成型の金型(ロールポケット)への充填率が増大し、後述の第2成型体7または成型体100の密度を向上させて所望の強度を得ることができる。

0209

なお、ボールミル、ローラミルは粉砕と同時に乾燥をも行えるため、粉砕工程30においてもボールミル、ローラミルによる乾燥を行ってもよいが、ボールミル、ローラミルでの乾燥能力では不十分であるため、粉砕工程30の前に乾燥工程20を設けて必要な乾燥能力を確保するのが好ましい。

0210

第1成型工程40では成型機としてコンパクタ400を用いて石炭粒子4を成型し、第1成型体5を得る。コンパクタ400は、原料を成型する成型手段と、成型手段に原料を供給する供給手段とを有する。コンパクタ400としては、原料を水平方向に供給する水平供給方式が好ましく、水平供給方式のローラコンパクタがより好ましい。図4−3に、第1成型工程40において好適に用いることのできるローラコンパクタの模式図の一例を示す。図4−3に示すコンパクタ400は、水平供給方式であり、成型手段である一対のロール41と、一対のロール41の間に原料である石炭粒子4を供給する供給手段42と、を有する。2つのロールは上下に配置され、供給手段42は、原料の供給口(ホッパ等)43と石炭粒子4を水平方向に送るスクリュフィーダ等を有している。一対のロール41は、それぞれ適宜の駆動手段で駆動される回転軸を有している。回転軸は、水平方向に延び、かつ、水平方向に間隔をあけて互いに平行に配置されている。また、一対のロール41は隙間をあけて配置されている。水平方向からロール41のロール間の隙間に供給された石炭粒子4をロール41の回転駆動によって加圧しながら水平方向へ送ることで石炭粒子4の加圧により形成された板状の第1成型体5が得られる。第1成型工程40において水平供給方式のコンパクタ400を用いることで、微細な石炭粒子4がこぼれにくく、ロールの隙間に石炭粒子4を効率的に供給することができ、成型効率が向上する。

0211

垂直給排方式の成型機では、上方から供給される粉体をロールで加圧した後下方に排出するため、ロールに噛み込まれた空気が上方に逃げて粉体の供給が不連続となり、成型効率が低下するおそれがある。これに対し水平給排方式の成型機ではロールに噛み込まれた空気はロール上方に逃げるのみであり粉体側に逆流することがない。したがって第1成型工程40では水平給排方式のするコンパクタを用いることで、垂直供給方式の成型機に比べて成型効率を高めることができる。

0212

一対のロール41間の隙間(クリアランス)は、広すぎると、ロール41間からの石炭粒子4の漏れや圧力分散が発生しやすくなり、得られる第1成型体5の密度および強度の低下、並びに収率低下につながる。よって、ロール41間の隙間は3mm以下であることが好ましい。ロール41間の隙間を3mm以下とすることで、十分な強度が確保された板状の成型体を得ることができる。コンパクタ400のロール41間の線圧は、特に限定されないが、0.5〜3t/cmであるのが好ましい。

0213

また、一対のロール41のうち少なくとも一方のロール41の表面には、凹凸が形成されていることが好ましい。これにより、ロール41間に供給された石炭粒子4がロール41の表面から滑り落ちるのが抑制され、石炭粒子4をロール41間に良好に保持することができる。また、凹凸を形成することにより、凹部内にも石炭粒子4が充填されるため、単位時間当たりの処理量を多くすることができる。なお、ロール41の表面に凹凸を有する場合、得られる第1成型体5の表面形状は、ロール41の表面の凹凸が転写される。

0214

ロール41の表面に形成される凹凸の形態は特に限定されず、例えば、ロールポケット(凹部)、溝およびこれらの組み合わせであってよい。

0215

第1成型体5のサイズは縦横高さの最大長が5〜40mmであるのが好ましい。また第1成型体5の見掛密度は1.00g/cm3〜1.25g/cm3であることが好ましい。見掛密度はJIS Z 8807の「8.液中ひょう量法による密度及び比重の測定方法」に基づき測定できる。また第1成型体5の水分は5〜20wt%、好ましくは8〜18wt%、さらに好ましくは10〜17wt%である。この水分は石炭粒子4の水分に由来するものである。

0216

石炭粒子4由来の水分は第1成型工程40において結合材の役割を果たすため、第1成型体5の水分を上記の範囲に調整することにより、別途結合材やバインダー等を添加することなく効率的な成型が可能となる。なお、第1成型工程40に用いる石炭粒子4の水分含有量が、5〜20wt%であることが好ましく、8〜18wt%であることがより好ましく、10〜17wt%であることがさらに好ましい。また、第1成型体5の圧壊強度(JIS Z 8841−1993の「3.1 圧壊強度試験方法」に基づき測定できる)。

0217

石炭粒子4の粒子径が10〜60μmと微細であるため、第1成型工程におけるコンパクタ400のロールポケットまたは溝への充填率が増加する。これにより第1成型体5の密度が向上し、第1成型体5の強度アップに寄与する。また、石炭1に含まれる水分を結合材として活用し、石炭粒子4の水分含有量を好ましくは5〜20wt%にすると第1成型体5の圧壊強度が極大となる領域に調整することができる。

0218

続いて、第2破砕工程10aでは、破砕機により第1成型体5を破砕し、第2破砕物6を得て第2成型工程40aに移行する。なお、第1成型工程40により、第1成型体5とともに加圧されずにロール間から漏れた石炭粒子4も得られるが、第2破砕工程10aでは、この第1成型体と漏れた石炭粒子4との混合物を破砕してもよい。破砕機は第1破砕工程10で用いたものと同様であってもよい。第2破砕物6は、平均径が好ましくは0.1〜1.0mm、より好ましくは0.15〜0.9mm、さらに好ましくは0.2〜0.8mmである。また、第2破砕物6の最大粒子径は、後述の第2成型体7の粒子径の縦横2辺の短いほうの長さ以下であることが好ましい。第2破砕物6が前記平均径の範囲および最大粒子径の範囲になるように第2破砕工程10aを調整することで、第2成型体7の成型時に、ブリケットマシン等の成型機におけるロールポケットへの充填率を向上させことができる。

0219

第2成型工程40aでは、成型機により第2破砕物6を成型して第2成型体7を得る。成型機は、原料を加圧成型する成型手段と、成型手段へ原料を供給する供給手段とを有する。第2成型工程40aで用いる成型機としては、例えばブリケットマシンまたはコンパクタを用いることが好ましく、ブリケットマシンを用いることがより好ましい。第2成型工程40aにおいて、ブリケットマシンを用いることにより経済性に優れる。また、第2成型工程40aで用いる成型機は垂直供給方式であっても水平供給方式であってもよく、垂直供給方式であるのが好ましい。なお、第1成型工程40で用いる成型機と第2成型工程40aで使用する成型機の、種類およびロールポケット等のサイズは、同一であっても異なっていてもよい。

0220

図4−4に、第2成型工程40aにおいて好適に用いることのできるブリケットマシン600の模式図を示す。図4−4に示すブリケットマシン600は、垂直供給方式であり、成型手段である一対のロール61と、一対のロール61の上方に配置されて、一対のロール61の間に原料である第2破砕物6を供給する供給手段62と、を有する。供給手段62は、第2破砕物6が供給されるホッパおよびホッパ内の第2破砕物6を下方へ送るスクリュフィーダ等を有している。一対のロール61は、それぞれ適宜の駆動手段で駆動される回転軸を有している。回転軸は、水平方向に延び、かつ、水平方向に間隔をあけて互いに平行に配置されている。また、一対のロール61は隙間をあけて配置されている。ロール61の上方からこの隙間に供給された第2破砕物6を、ロール61の回転駆動によって加圧しながら下方へ送ることで、第2破砕物6の加圧により形成された板状の第2成型体7が得られる。

0221

ブリケットマシン600の一対のロール61は、上述の第1成型工程40におけるコンパクタ400中のロール41と同様であってよく、ロールポケットおよび/または溝により凹凸が形成されているのが好ましい。ブリケットマシン600のロール61間の線圧は、特に限定されないが、5〜10t/cmであるのが好ましい。

0222

第2成型体7の粒子径は5〜40mmであるのが好ましい。また第2成型体7の見掛密度は1.2〜1.4g/cm3であるのが好ましい。第2成型体7の水分含有量は好ましくは5〜20wt%、より好ましくは8〜18wt%、さらに好ましくは10〜17wt%である。

0223

上記のとおり、本実施形態では、一度成型した第1成型体5を第2破砕工程10aで再度破砕し、改めて第2成型工程40aにおいて成型する。第1成型体5は第1成型工程40によって既にある程度密度が高められた状態であり、第2破砕物6も同程度の密度を有する。したがって、第1成型体破砕物6を再度成型することで、第1成型体5よりもさらに密度を向上させた第2成型体7を得ることが可能となる。

0224

また、粉砕された石炭粒子4の平均粒子径は10〜60μmであり、そのままでは成型機内での流動性が悪く、成型しづらい場合もある。一方、一度成型した第1成型体5の破砕物6であれば、第1成型工程40によりある程度密度が高められているため成型機内での流動性が向上しており、第2成型工程40aにおける成型がスムーズに行われる。これにより、第1成型体5よりもさらに密度の高い第2成型体7が得られることとなり、この第2成型体7を石炭成型燃料とすることによって、貯蔵・運搬時の粉化が低減され、ハンドリング性を向上させた石炭成型燃料を得ることができる。

0225

なお、上述のとおり本実施形態ではバインダーを用いていない。石炭粒子4の粒子径と水分、及び第2成型体の密度を上記の範囲に規定することにより、別途バインダーを添加することなく、低コストで第2成型体の強度を所望の値とすることができるものである。また、本実施形態の製造方法においては、粉砕した後に成型することで比表面積も低下し、貯蔵時の発火を低減することができる。さらに、第2成型体を得るまでの製造プロセスでは全て公知の機械・装置を用いており、また熱水等も必要としないため、コスト低減を図ることができる。

0226

[実施形態D2]
図4−2に、実施形態D2の石炭成型燃料の製造工程の一例を示す。実施形態D2においては、実施形態D1の製造工程に加え、粉砕工程30で得られた石炭粒子4の一部(石炭粒子4−2)を、第1成型工程40を経由せずに第2破砕工程10aへ供給するバイパス経路(以下、単に「バイパス経路」とも記載する)を有する。

0227

実施形態D2の石炭成型燃料の製造方法は、まず、実施形態D1と同様に、第1破砕工程10、乾燥工程20、粉砕工程30を行う。粉砕工程30で得られた石炭粒子のうち、一部の石炭粒子4−1は第1成型工程40にて成型されて第1成型体5となり、別の一部の石炭粒子4−2は、第1成型工程40を経ずに石炭粒子の形状のまま第2破砕工程10aに供給される。第2破砕工程10aにおいては、第1成型体5と石炭粒子4−2との混合物を破砕して第2破砕物6を得、これを第2成型工程40aにより成型して第2成型体7を得る。さらに篩工程70を経て、粒径の小さい微粉炭を除いた成型体100を得てもよい。第2成型体7または成型体100を石炭成型燃料とすることができる。

0228

実施形態D2の第2破砕工程10aでは、石炭粒子4−1から第1成型工程により成型された第1成型体5と、第1成型工程40を経ない石炭粒子4−2との混合物が破砕される。第1成型体5には、第1成型工程40において、コンパクタ400で加圧されずにロール間から漏れた石炭粒子4−1が含まれていてもよい。第2破砕工程10aにおける、第1成型体5(ロール間から漏れた石炭粒子4−1も含む)と、バイパス経路による石炭粒子4−2との混合比は特に限定されないが、90:10〜60:40(重量比)が好ましく、90:10〜70:30(重量比)がより好ましい。混合比が該範囲内にあると第2破砕物6の平均粒子径が第1の実施形態と同様の好適範囲(平均径が好ましくは0.1〜1.0mm、より好ましくは0.15〜0.9mm、さらに好ましくは0.2〜0.8mm)に調整しやすい。この第2破砕物6を用いることにより、実施形態D2の第2成型工程40aは、実施形態D1の第2成型工程と同等の動力で行うことができ、かつ、十分な品質の第2成型体7を得ることができる。

0229

本願発明者らの詳細な検討により、実施形態D2(バイパス経路を有する形態)とバイパス経路を有さない形態とを比べると、実施形態D2で第2破砕工程10aの装置条件を調整することで(例えば、破砕機の回転数等を小さくする)、バイパス経路を有さない形態と同程度の平均粒径の第2破砕物6が得られることがわかった。よって、バイパス経路を有することにより、第2破砕工程10aにおける破砕機の動力を軽減できる。さらに、バイパス経路を有することにより石炭粒子の一部は第1成型工程40を経由しないことから、第1成型工程40におけるコンパクタ400の動力を軽減したりコンパクタ400のサイズを小さくしたりすることができる。したがって、バイパス経路を有することにより、製造工程におけるエネルギーおよびコストの低減が可能となる。

0230

実施形態D2の第2破砕工程10aは、実施形態D1の第2破砕工程と同様の破砕機を用いて行うことができる。第2破砕物6は、平均径が好ましくは0.1〜1.0mm、より好ましくは0.15〜0.9mm、さらに好ましくは0.2〜0.8mmである。また、第2破砕物6の最大粒子径は、第2成型体7の粒子径の縦横2辺の短いほうの長さ以下であることが好ましい。第2破砕物6が前記平均径の範囲および最大粒子径の範囲になるように第2破砕工程10aを調整することで、第2成型体7の成型時に、ブリケットマシン等の成型機におけるロールポケットへの充填率を向上させることができる。実施形態D2の第2成型工程40aは、実施形態D1の第2成型工程40aと同様に行うことで第2成型体7を得ることができる。

0231

石炭成型燃料の製造方法の一態様として、実施形態D1または実施形態D2の第2成型工程40aの後に、篩工程70を設けて、粒径の小さい石炭粒子を除いてもよい。篩により微粉が除去されるとともに、第2成型体7同士が篩上で接触することにより、強度の弱い部分が研磨されて高強度な部分が残存する。これにより第2成型体7の強度が向上する。

0232

温度調整
なお、実施形態D1および実施形態D2の第2成型工程40aに供給される石炭6を所定の温度に調整してもよい。所定の温度とは50〜100℃であり、石炭6を常温で第2成型工程へ供給するのに比べ、第2成型体7の品質(見掛密度向上や浸漬水分低下)が改善する。品質改善原理は明らかになっていないが、原料の軟化による充填性の向上や原料の活性化エネルギーの低下などが要因と推察される。

0233

温度調整方法においては、第2成型工程40aに供給される石炭6が前記所定の温度になっていればよく、粉砕工程30から第2破砕工程10aの間の各装置および各装置を結ぶ搬送装置装置外周から直接温度調整してもよい。また、搬送装置を空気輸送方式として作動用ガスの温度および流量を調整して石炭温度を調整してもよい。また、粉砕工程30の作動用ガスの温度及び流量を調整して石炭6の温度を調整してもよい。

0234

空気輸送方式を用いる場合は、粉塵爆発リスク・発火リスク低減を目的として燃焼排ガス等O2濃度が10%以下の作動用ガスを用いてもよい。また、前記温度調整により石炭6の全水分が低下して成形時の好ましい水分範囲から外れることが懸念される場合は、それを見越して乾燥工程20から排出される石炭3の水分を高めにしてもよい。

0235

パートDの記載にかかわる主要な要素の符合の説明は次のとおりである。
1石炭
2 第1破砕物
3乾燥済みの石炭
4,4−1,4−2石炭粒子
5 第1成型体
6 第2破砕物
7 第2成型体
10 第1破砕工程
20 乾燥工程
30粉砕工程
40 第1成型工程
10a 第2破砕工程
40a 第2成型工程
70篩工程
100 成型体

0236

<<パートE>>
パートEで開示される発明は、石炭を粉砕した後成型した石炭成型体の製造方法に関する。

0237

従来、石炭成型体を得る技術として、特許文献2(WO2015/098935号公報)に、粉砕した石炭を成型して第1成型体を得た後、この第1成型体を破砕し、再度成型して第2成型体とし、これによって所望の強度を有する石炭燃料を得る方法が記載されている。特許文献2によれば、第1成型体および第2成型体の成型には、成型体の型となるポケットが表面に形成された一対のロールと、一対のロール間に原料を供給するスクリュとを有する成型機(ブリケットマシン)が好適に用いられる。一対のロールの少なくとも一方の表面には、成型体の型となるポケットが形成されており、スクリュによりロール間に供給された原料は、ポケット内に充填され、ポケット内で加圧され、これによって成型体が得られる。

0238

成型機としては、鉛直上方から原料を供給し、成型された成型体を鉛直下方側に排出する鉛直給排型の成型機が一般的である。鉛直給排型の成型機で粉末状の原料を高圧成型すると、スクリュの攪拌により原料中に空気が同伴して原料が浮遊し、それによってロール間への原料の供給が不十分となり、成型が不安定になることがあった。

0239

パートEの発明は、鉛直給排型の成型機を用いた石炭成型体の製造方法において、安定した品質で成型体を製造する、石炭成型体の製造方法を提供することを目的とする。

0240

パートEの主要な開示事項は、次のとおりである。

0241

(1) 鉛直上方から供給された石炭粒子を成型するとともに、成型された石炭成型体を鉛直下方側に排出する鉛直給排型の成型機によって成型される石炭成型体の製造方法であって、
前記石炭粒子は、単位重量あたりの初期容積をVo、N回タッピング時の容積をVN、かさ減り度をC=(Vo−VN)/Voとすると、
式(1):N/C=(1/ab)+(1/a)N
において、
条件(1):a≦0.29
条件(2):20≦1/b≦60
をいずれも満たすことを特徴とする石炭成型体の製造方法。

0242

この製造方法によれば、安定した品質で石炭成型体を製造することができる。

0243

(2) 上記(1)に記載の石炭成型体の製造方法において、
石炭を破砕する第1破砕工程と、
前記第1破砕工程で破砕された石炭を乾燥する乾燥工程と、
前記乾燥工程で乾燥された石炭を粉砕し、微粉炭を得る粉砕工程と、
前記微粉炭を成型し、第1成型体を得る第1成型工程と、
前記第1成型体を破砕し、塊状物を生成する第2破砕工程と、
前記塊状物を再度成型し、第2成型体を生成する第2成型工程と、
を有し、
前記塊状物は、前記微粉炭の集合体であって、前記石炭粒子に相当し、
前記第2成型工程では、前記鉛直給排型の成型機が適用されること、
を特徴とする石炭成型体の製造方法。

0244

上記各工程を有する製造方法において、(1)記載の鉛直給排型の成型機を適用することがより効果的である。

0245

(3) 上記(2)に記載の石炭成型体の製造方法において、
前記微粉炭は、平均粒子径が10〜60μm、全水分が5〜20wt%であって、
前記第2成型体の見掛密度は、1.2〜1.4g/cm3であること、
を特徴とする石炭成型体の製造方法。

0246

この製造方法によれば、上記記載の微粉炭を使用して、上記の見掛密度を有する第2成型体を製造することができる。

0247

パートEの発明によれば、安定した品質で石炭成型体を製造することができる。以下、パートDの発明を説明する。

0248

図5−1を参照すると、パートEの発明の一実施形態による石炭成型体の製造工程が示されている。本形態では、石炭成型体の製造工程は、第1破砕工程10、乾燥工程20、粉砕工程30、第1成型工程40、第2破砕工程10a、第2成型工程40aおよび篩工程70を有している。原料となる石炭1は、第1破砕工程10で破砕されて破砕物2とされた後、乾燥工程20で乾燥されて乾燥物3とされ、さらに乾燥物3が粉砕工程30で粉砕されて微粉炭4が得られる。この微粉炭4は、第1成型工程40で第1成型体5として成型された後、第2破砕工程10aで再度破砕され、これによって石炭粒子に相当する塊状物である第2破砕物6が得られる。得られた塊状物は、微粉炭4の成型によって得られた第1成型体5を破砕したものであるので、微粉炭4の集合体ということができる。その後、第2成型工程40aで、第2破砕物6から第2成型体7が得られ、さらに篩工程70によって第2成型体7から粉末が除去され、これによって石炭成型体100が得られる。得られた石炭成型体100は、石炭成型燃料として好適に用いることができる。

0249

なお、篩工程70は、パートEの発明において必須の工程ではなく、第2成型工程40aで得られた第2成型体7を石炭成型体100とすることもできる。

0250

原料となる石炭1としては、水分が25wt%以上の褐炭または亜瀝青炭を用いることができる。好ましくは水分30wt%以上の褐炭を用いることができる。石炭成型体の一連の製造工程において、原料として用いられるものは石炭のみであり、バインダー等の添加物は使用されない。バインダー等の添加物の使用は、コストアップの要因となる。しかし、本形態では、バインダーを添加せず石炭のみを用いるため、低コストで石炭成型体を得ることができる。

0251

第1破砕工程10では、ジョークラッシャまたはハンマークラッシャ等の適宜の破砕手段を用いて、この石炭1を破砕して、破砕済みの石炭である第1破砕物2を得る。第1破砕工程10では、後の粉砕工程30で用いるボールミル等の粉砕手段に投入できる大きさまで石炭が破砕されればよく、特に限定されないが、第1破砕物2の大きさは、最大粒子径が、好ましくは70mm以下、より好ましくは50mm以下、さらに好ましくは20mm以下であり、特に好ましくは平均粒子径が1mm〜20mmである。ここで、第1破砕工程10により破砕された石炭の平均粒子径は、JIS M 8801−4の「5.粒度試験方法」に基づいて測定し、各篩目開きの通過篩質量百分率を求め、通過篩質量百分率が50%となる粒子径を平均粒子径とする。

0252

得られた第1破砕物2は、乾燥工程20に供給される。乾燥工程20では、第1破砕物2を、間接乾燥機等の適宜の乾燥機を用いて乾燥させ、乾燥物3を得る。間接乾燥機としては、例えばスチームチューブドライヤを用いることができる。石炭成型体100が好適に用いられる固体燃料の製造では、大量処理が要求されるため、伝熱面積が大きく大量の乾燥処理が可能なスチームチューブドライヤは、乾燥工程20で用いる乾燥機として好適である。

0253

得られた乾燥物3は、粉砕工程30に供給される。粉砕工程30では、適宜の粉砕機により乾燥物3を粉砕して微粉炭4を得る。粉砕機としては、乾式粉砕または乾式粉砕方式の粉砕機を用いることができ、その中でも特に、微粉砕が可能であり、かつ、大量処理に適したボールミルやローラミルを好ましく用いることができる。固体燃料の製造では乾燥工程20と同様、粉砕工程30においても大量処理が要求されるからである。

0254

粉砕工程30で得られる微粉炭4の平均粒子径は、10〜60μmであり、好ましくは10〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。微粉炭4の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって得られる粒度分布のメディアン径で与えられる。なお、本明細書において、「微粉炭」とは、粉砕工程30において得られた微粉炭4を意味する。

0255

粉砕工程30で得られる微粉炭4の平均粒子径を上記の範囲とすることにより、第1成型工程40において微細な微粉炭4を成型する際に型(例えばロールポケット)への充填率が増大し、後述する石炭成型体100の密度を向上させて所望の強度を得ることができる。

0256

なお、ボールミルおよびローラミルは、粉砕と同時に乾燥をも行えるため、粉砕工程30においてボールミルあるいはローラミルによる乾燥を行うこともできる。ただし、ボールミルおよびローラミルでの乾燥能力では、第1破砕工程10で得られた破砕物2を十分に乾燥させることは困難であるため、本形態では粉砕工程30の前に乾燥工程20を設けて、十分に乾燥した微粉炭4を得ている。

0257

得られた微粉炭4は、第1成型工程40に供給される。第1成型工程40では、成型機により微粉炭4を板状に成型することを含む。成型機は、原料(本形態では微粉炭4)を加圧成型する成型手段と、成型手段へ原料を供給する供給手段とを有する。このような成型機としては、例えば、ブリケットマシンを用いることができる。

0258

図5−2に、第1成型工程40において好適に用いることのできるブリケットマシンの模式図を示す。図5−2に示すブリケットマシンは、鉛直上方から供給された微粉炭4を成型するとともに、成型された第1成型体5を鉛直下方側へ排出する鉛直給排型のブリケットマシンである。ブリケットマシンは、成型手段である一対のロール41と、一対のロール41の上方に配置されて、一対のロール41の間に原料である微粉炭4を供給する供給手段42と、を有する。供給手段42は、微粉炭4が供給されるホッパ、およびホッパ内の微粉炭4を下方へ送るスクリュフィーダ等を有している。一対のロール41は、それぞれ適宜の駆動手段で駆動される回転軸を有している。回転軸は、水平方向に延び、かつ、一対のロール41が水平方向に隙間をあけて互いに平行に配置されるように配置されている。ロール41の隙間に上方から供給された微粉炭4を、ロール41の回転駆動によって加圧しながら下方へ送ることで、微粉炭4が加圧成型された第1成型体5が得られる。

0259

一対のロール41間の隙間(クリアランス)は、広すぎると、ロール41からの微粉炭4の漏れや圧力分散が発生しやすくなり、得られる第1成型体5の密度および強度の低下、並びに収率低下につながる。よって、ロール41間の隙間は3mm以下であることが好ましい。ロール41間の隙間を3mm以下とすることで、十分な強度が確保された板状の第1成型体5を得ることができる。

0260

また、一対のロール41のうち少なくとも一方のロール41の表面には、凹凸が形成されていることが好ましい。これにより、ロール41間に供給された微粉炭4がロール41の表面から滑り落ちるのが抑制され、微粉炭4をロール41間に良好に保持し、加圧することができる。また、凹凸を形成することにより、凹部内にも微粉炭4が充填されるため、単位時間当たりの処理量を多くすることができる。なお、ロール41の表面に凹凸を有する場合、得られる第1成型体5の表面形状には、ロール41の表面の凹凸が転写される。

0261

ロール41の表面に形成される凹凸の形態は特に制限されず、例えば、ロールポケット(凹部)、溝およびこれらの組み合わせであってよい。

0262

凹凸がロールポケットで形成される場合、ロールポケットの形状は任意とすることができる。ロールポケットの形状の一例を図5−3Aおよび図5−3Bに示す。図示した例は、片側のロールのみに略楕円形のロールポケット形成した例であり、これにより、片側平面アーモンド形状の凸部を有する第1成型体5が得られる。ロールポケットは、両側のロールに形成してもよいし、また、ロールポケットの平面形状は角丸多角形、円形、あるいは長円形などであってもよい。ロールポケットの各部の寸法(縦長さa、横長さb、深さc)、およびロール41間の隙間d(第1成型体5の、凹凸が形成されていない表面の部分で形成された厚さ)の好ましい寸法範囲を表E1に示す。

0263

0264

また、凹凸が溝で形成される場合、溝の幅、深さ、配列等は任意とすることができる。例えば、図5−4に示すように、ロール41の軸方向Aに平行な複数の溝および周方向Bに平行な複数の溝を格子状に配列したものとすることができる。また、この他にも、ロール41の軸方向Aに平行な複数の溝を配列したもの、およびロール41の軸方向Aおよび周方向Bに対して斜めの複数の溝を交差して配列したものなども可能である。溝の幅(ロール41の表面において溝の長さの方向に垂直な方向の長さ)は、好ましくは0.5〜5mmである。溝の深さは、好ましくは0.5〜2mmである。

0265

第1成型工程40で得られる第1成型体5は、見掛密度が1.00g/cm3〜1.25g/cm3であることが好ましく、圧壊強度が10〜800Nであることが好ましい。また、第1成型工程40で用いられる微粉炭4の全水分は、5〜20wt%であることが好ましく、8〜18wt%であることがより好ましく、10〜17wt%であることがさらに好ましい。

0266

第1成型工程40では、原料を水平方向に供給し、成型された第1成型体5を水平方向に排出する水平給排型の成型機、例えばコンパクタを用いることもできる。水平給排型のコンパクタも、鉛直給排型のブリケットマシンと同様、原料を成型する成型手段と、成型手段に原料を供給する供給手段とを有する。成型手段は、例えば、一対のロールを有することができ、一対のロールは、ロール間に原料が供給されることで、原料がロールの回転に伴ってロール間で加圧成型されるように配置される。ただし、水平給排型のコンパクタでは、2つのロールが上下に配置される。第1成型工程40において水平給排型のコンパクタを用いることで、得られる第1成型体5の収率、すなわち成型効率を向上させることができる。

0267

第1成型工程40で得られた第1成型体5は、第2破砕工程10aに供給される。第2破砕工程10aでは、破砕機により第1成型体5を破砕し、塊状物である第2破砕物6を得る。第2破砕物6は、微粉炭の集合体であり、この微粉炭は、粉砕工程30で得られた微粉炭4に相当する。したがって、微粉炭は、平均粒子径が10〜60μmであることが好ましく、また、全水分が5〜20wt%であることが好ましい。

0268

第2破砕工程10aで用いる破砕機は、第1破砕工程10で用いたものと同様であってよい。第2破砕物6は、平均粒子径が好ましくは0.1〜1.0mm、より好ましくは0.15〜0.9mm、さらに好ましくは0.2〜0.8mmである。また、第2破砕物6の最大粒子径は、後述の第2成型体7の粒子径の縦横2辺のうち短い方の長さ以下であることが好ましい。第2破砕物6が上記平均粒子径の範囲および最大粒子径の範囲になるように第2破砕工程10aを調整することで、第2成型工程10aにおける成型時に、成型機における型への第2破砕物6の充填率を向上させることができる。この結果として得られる第2成型体7は第1成型体5と比較して優れた品質(圧壊強度および見掛密度)を有する。なお、第1成型工程40および第2成型工程40aにおいて成型機としてブリケットマシンを用いる場合、ロール表面に形成されるロールポケットのサイズ(粒子径)は、第1成型工程40と第2成型工程40aとで同一であってもよいし同一でなくてもよい。

0269

第2成型工程40aでは、成型機により第2破砕物6を成型して第2成型体7が得られるが、第2成型体7は、ロール間で加圧成型されずにロール間から落下した第2破砕物6および十分に加圧成型されずに第2成型体7から脱落した第2破砕物6も含むこともある。これらの第2破砕物6は、好ましくは第2成型工程40aの後に設けられる篩工程70で除去されて、これにより石炭成型体100が得られる。篩工程70では、振動篩機を用いることができる。振動篩機としては、円形篩機、トロンメル篩機などを使用でき、それらの中でも特に、連続・大量処理できるものが好ましい。

0270

第2成型工程40aで用いる成型機としては、第1成型工程40と同様、鉛直給排型の成型機、例えばブリケットマシンを用いることができる。

0271

一般に、スクリュ式の供給手段を有する鉛直給排型の成型機では、スクリュによる原料である第2破砕物6の撹拌によって、第2破砕物6中に空気が同伴する。第2破砕物6中に同伴する空気の量は、スクリュ回転数が高くなるほど増加する傾向にある。空気を同伴した第2破砕物6がロール間に供給されると、ロールによる第2破砕物6の圧縮に伴い、第2破砕物6から空気が押し出される。押し出された空気は上向きに流れるが、第2破砕物6の供給方向は下向きであるため、空気の発生量が多いと第2破砕物6のフラッシングのような現象が起きる。これにより、ロール間への原料の継続的供給が十分に行われず、第2成型体7が断続的に排出されるなど、安定した品質(圧壊強度および見掛密度)で第2成型体7が成型され難くなる。

0272

これを回避するためには、
(i)第2破砕物6そのものの密度を高くする(重くする)こと、および
(ii)ロール間への第2破砕物6の充填率を高くすること、
などが考えられる。しかし、(i)の場合は、第2破砕物6そのものの密度を高くしすぎると、得られる第2成型体7の品質に影響を及ぼす。また、(ii)の場合、第2破砕物6の粒子径を小さくすることによって充填率を高くする方法があるが、第2破砕物6の粒子径を小さくすることによって、第2破砕物6のフラッシングが発生しやすくなり、逆効果となる場合がある。

0273

そこで、本発明者らが検討を重ねた結果、原料の流動性を特定の指数で表したとき、その指数が、鉛直給排型の成型機の安定した運転相関があることが分かった。すなわち、第2破砕物6の単位重量当たりの初期容積をVo、N回タッピング後の容積をVNとし、タッピング後のかさ減り度C=(Vo−VN)/Voとしたとき、
式(1):N/C=(1/ab)+(1/a)N
において、
条件(1):a≦0.29
条件(2):20≦1/b≦60
をいずれも満たすことである。これらの条件(1)および(2)を満たすように、鉛直給排型の成型機に供給する原料の特性を調整することによって、成型機による成型において生じる空気の流れに起因する原料の不安定な供給を抑制し、成型機の安定的な運転による効率的な成型を行うことができる。

0274

上記式(1)は、川の式と呼ばれ、粉体の圧縮・流動特性を精度良く示すことが知られている。川北の式において、「a」は流動性指数であり、この数値が小さいほど流動性が良いとされる。また、「1/b」は付着力指数であり、この数値が小さいほど付着力が弱いとされる。

0275

ここで、パートEの発明では、成型機が安定的に運転されているか否かは、以下のように判断する。

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