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技術 ポリイミドおよびそれを用いたフレキシブルデバイス

出願人 宇部興産株式会社
発明者 中山知則三浦則男小濱幸徳久野信治
出願日 2017年10月27日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2018-547778
公開日 2019年9月19日 (7ヶ月経過) 公開番号 WO2018-079707
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード レーザー剥離 イソブチルシクロヘキサ フレキシブルデバイス 窒素ガス導入 ジメタノナフタレン 紫外線域 最高加熱温度 フルオレン二無水物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月19日)のものです。
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課題・解決手段

本発明は、テトラカルボン酸成分ジアミン成分とから得られるポリイミドであって、厚み10μmのフィルムにおける黄色度が3未満であり、50℃から200℃までの線膨張係数が55ppm/K以下であり、厚み10μmのフィルムにおける波長365nmの光透過率が70%以上、かつ、波長308nmの光透過率が0.1%未満である、ポリイミドに関する。

概要

背景

従来、液晶表示素子有機EL表示素子を用いたフラットパネルディスプレイなどの電子デバイスにはガラス基板が用いられてきたが、ガラスは軽量化のために薄膜化すると強度が不足して壊れやすいという問題がある。そこで、軽量化や薄膜化が容易な樹脂材料、例えば、ポリイミドフィルムをガラスの代替材料にしようという検討がなされており、種々の基板用ポリイミドフィルムが提案されている(例えば、特許文献1〜3等)。

しかしながら、ディスプレイ装置表示デバイス)の基板には種々の特性が求められ、提案されているポリイミドフィルムも更なる改善が望まれていた。

概要

本発明は、テトラカルボン酸成分ジアミン成分とから得られるポリイミドであって、厚み10μmのフィルムにおける黄色度が3未満であり、50℃から200℃までの線膨張係数が55ppm/K以下であり、厚み10μmのフィルムにおける波長365nmの光透過率が70%以上、かつ、波長308nmの光透過率が0.1%未満である、ポリイミドに関する。

目的

しかしながら、ディスプレイ装置(表示デバイス)の基板には種々の特性が求められ、提案されているポリイミドフィルムも更なる改善が望まれていた

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
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請求項1

テトラカルボン酸成分ジアミン成分とから得られるポリイミドであって、厚み10μmのフィルムにおける黄色度が3未満であり、50℃から200℃までの線膨張係数が55ppm/K以下であり、厚み10μmのフィルムにおける波長365nmの光透過率が70%以上、かつ、波長308nmの光透過率が0.1%未満である、ポリイミド。

請求項2

前記テトラカルボン酸成分の90モル%以上が、脂環式構造を有する化合物である、請求項1に記載のポリイミド。

請求項3

前記脂環式構造を有する化合物が、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物ジシクロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、及びN,N’−(1,4−フェニレンビス(1,3−ジオキソオクタヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシアミド)よりなる群から選ばれる1種以上の化合物である、請求項2に記載のポリイミド。

請求項4

前記ジアミン成分の20〜100モル%が、下記化学式(1)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミド。(式中、Aは水素炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、Arは下記の群から選ばれる2価の基である。)(式中、Bは水素、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。)

請求項5

前記ジアミン成分の20〜100モル%が、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシビフェニル、及び4,4’−([1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−クオーターフェニル]−4’’,6’−ジイルビスオキシ))ジアニリンよりなる群から選ばれる1種以上の芳香族化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリイミド。

請求項6

ガラス転移温度(Tg)が250℃以上であり、厚み10μmのフィルムにおける、厚さ方向の位相差(Rth)が500nm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリイミド。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリイミドから主としてなるポリイミドフィルム

請求項8

請求項7に記載のポリイミドフィルムを基板として用いたフレキシブルデバイス

請求項9

請求項7に記載のポリイミドフィルムをキャリア基板上に形成する工程、前記ポリイミドフィルム上に回路を形成する工程、及び、前記回路が表面に形成されたポリイミドフィルムを前記キャリア基板から剥離する工程を含むことを特徴とするフレキシブルデバイスの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、透明性に優れたポリイミド、およびそれを用いたフレキシブルデバイスに関する。

背景技術

0002

従来、液晶表示素子有機EL表示素子を用いたフラットパネルディスプレイなどの電子デバイスにはガラス基板が用いられてきたが、ガラスは軽量化のために薄膜化すると強度が不足して壊れやすいという問題がある。そこで、軽量化や薄膜化が容易な樹脂材料、例えば、ポリイミドフィルムをガラスの代替材料にしようという検討がなされており、種々の基板用ポリイミドフィルムが提案されている(例えば、特許文献1〜3等)。

0003

しかしながら、ディスプレイ装置表示デバイス)の基板には種々の特性が求められ、提案されているポリイミドフィルムも更なる改善が望まれていた。

先行技術

0004

特開2007−231224号公報
国際公開第2013/179727号
国際公開第2014/162733号

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、特に、液晶ディスプレイ有機ELディスプレイ電子ペーパー等の表示デバイスの基板として、また、薄膜太陽電池受光素子等の受光デバイスの基板や、タッチセンサータッチパネルの基板などとして好適に用いることができるポリイミド、およびポリイミドフィルムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明は以下の項に関する。
1.テトラカルボン酸成分ジアミン成分とから得られるポリイミドであって、
厚み10μmのフィルムにおける黄色度が3未満であり、
50℃から200℃までの線膨張係数が55ppm/K以下であり、
厚み10μmのフィルムにおける波長365nmの光透過率が70%以上、かつ、波長308nmの光透過率が0.1%未満である、ポリイミド。
2. 前記テトラカルボン酸成分の90モル%以上が、脂環式構造を有する化合物である、前記項1に記載のポリイミド。
3. 前記脂環式構造を有する化合物が、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物ジシクロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、及びN,N’−(1,4−フェニレンビス(1,3−ジオキソオクタヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシアミド)よりなる群から選ばれる1種以上の化合物である、前記項2に記載のポリイミド。
4. 前記ジアミン成分の20〜100モル%が、下記化学式(1)で表される化合物である、前記項1〜3のいずれかに記載のポリイミド。

0007

(式中、Aは水素炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、Arは下記の群から選ばれる2価の基である。)

0008

(式中、Bは水素、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。)
5. 前記ジアミン成分の20〜100モル%が、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシビフェニル、及び4,4’−([1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−クオーターフェニル]−4’’,6’−ジイルビスオキシ))ジアニリンよりなる群から選ばれる1種以上の芳香族化合物である、前記項1〜4のいずれかに記載のポリイミド。
6.ガラス転移温度(Tg)が250℃以上であり、
厚み10μmのフィルムにおける、厚さ方向の位相差(Rth)が500nm以下である、前記項1〜5のいずれかに記載のポリイミド。

0009

7. 前記項1〜6のいずれかに記載のポリイミドから主としてなるポリイミドフィルム。
8. 前記項7に記載のポリイミドフィルムを基板として用いたフレキシブルデバイス。
9. 前記項7に記載のポリイミドフィルムをキャリア基板上に形成する工程、
前記ポリイミドフィルム上に回路を形成する工程、及び、
前記回路が表面に形成されたポリイミドフィルムを前記キャリア基板から剥離する工程
を含むことを特徴とするフレキシブルデバイスの製造方法。

発明の効果

0010

本発明によれば、特に、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー等の表示デバイスの基板として、また、薄膜太陽電池の受光素子等の受光デバイスの基板や、タッチセンサー、タッチパネルの基板などとして好適に用いることができるポリイミド、およびポリイミドフィルムを提供することができる。

0011

前記のような表示デバイス(ディスプレイ装置)において、ポリイミド基板を通して素子が表示する像を観察するためには、可視光域光透過性が高いポリイミドを基板に用いることが必要である。また、ガラスなどのキャリア基板上でディスプレイ装置を製造する方法を採用する場合、キャリア基板上にポリイミド基板(ポリイミドフィルム)を形成した後、ポリイミド基板上に(直接または他の層を介して)紫外線硬化樹脂層を形成することがあり、用いるポリイミドには紫外線域の光透過性が高いことも求められる。一方で、レーザー光照射によって、キャリア基板からポリイミド基板を分離する手法を採用するためには、用いるポリイミドがレーザー光を吸収することも必要である。

0012

本発明のポリイミドは、可視光域の光透過性が高く、具体的には、厚み10μmのフィルムにおける黄色度(YI)が3未満である。黄色度(YI)がこの範囲内であれば、通常、ディスプレイ装置の基板に必要とされる透明性を確保することができる。

0013

さらに、本発明のポリイミドは、50℃から200℃までの線膨張係数が55ppm/K以下である。ポリイミドフィルムを表示デバイス、受光デバイスなどの電子デバイスの基板に用いる場合、ポリイミドフィルムの上に必要な回路を形成するが、ポリイミドフィルムの線熱膨張係数が大きいと、このプロセスで、基板の反りが大きくなり、問題になることがある。そのため、問題なく、良好な特性の電子デバイスを製造するには、通常、50℃から200℃までの線膨張係数が55ppm/K以下であることが必要である。

0014

また、本発明のポリイミドは、特定波長域紫外線のみを透過し、特に、波長365nm以上の領域における光透過性が高く、かつ、波長308nmの紫外線を吸収する。具体的には、厚み10μmのフィルムにおける波長365nmの光透過率が70%以上であり、かつ、波長308nmの光透過率が0.1%未満である。ポリイミドの波長308nmの光透過率が0.1%未満であれば、レーザー光の照射によって、ガラスなどのキャリア基板からポリイミド基板を分離することができる。一方で、厚み10μmのフィルムにおける波長365nmの光透過率が70%以上であれば、波長365nm付近から、それより長波長の光(紫外線も含む)はポリイミドを透過するため、ポリイミド基板上に紫外線硬化樹脂層を形成することができる。

0015

したがって、このポリイミドは、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー等の表示デバイスの基板として好適に用いることができる。さらに、このポリイミドは、表示デバイス以外の基板、例えば、薄膜太陽電池の受光素子等の受光デバイスなどのフレキシブルデバイスの基板としても好適に用いることができる。また、タッチセンサー、タッチパネルの基板としても好適に用いることができる。

0016

本発明のポリイミドは高い透明性を有し、膜厚10μmのフィルムのとき、ASTME313に準拠して測定した黄色度(YI)が3未満であり、好ましくは2.8以下、さらに好ましくは2.6以下、さらに好ましくは2.4以下である。また、より高い透明性が求められる実施態様においては、膜厚10μmのフィルムにおける黄色度(YI)が2.3以下、さらに好ましくは2.2以下、さらに好ましくは2.0以下であることが好ましい。

0017

また、本発明のポリイミドは線膨張係数(CTE)が比較的低く制御されており、膜厚10μmのフィルムで測定したとき、50〜200℃の線膨張係数が55ppm/K以下であり、好ましくは50ppm/K以下であることが好ましい。また、ある実施態様においては、50〜200℃の線膨張係数が45ppm/K以下、さらに好ましくは40ppm/K以下、さらに好ましくは35ppm/K以下であることが好ましいことがある。

0018

また、本発明のポリイミドは、膜厚10μmのフィルムのとき、波長365nmの光透過率が70%以上であり、好ましくは72%以上、さらに好ましくは75%以上である。また、ある実施態様においては、膜厚10μmのフィルムにおける波長365nmの光透過率が78%以上、さらに好ましくは80%以上であることが好ましいことがある。波長365nmの光透過率が低いと、ポリイミドフィルム上に(直接または他の層を介して)紫外線硬化樹脂層を形成することが難しい場合があり、フレキシブルデバイスの製造工程に制限が生じる可能性がある。

0019

さらに、本発明のポリイミドは、膜厚10μmのフィルムのとき、波長308nmの光透過率が0.1%未満であり、好ましくは0.09%以下である。また、ある実施態様においては、膜厚10μmのフィルムにおける波長308nmの光透過率が0.08%未満、さらに好ましくは0.06%未満であることが好ましいことがある。波長308nmの光透過率が高いと、すなわち、ポリイミドの波長308nmの光の吸収が不十分であると、この波長のレーザー光を用いてキャリア基板からポリイミドフィルムを分離することが難しい場合がある。

0020

また、本発明のポリイミドは、厚さ方向の位相差(Rth)が小さいことが好ましく、例えば、膜厚10μmのフィルムのとき、厚さ方向の位相差(Rth)が500nm以下、さらには300nm以下であることが好ましい。なお、厚さ方向の位相差(Rth)は以下で定義される。

0021

Rth(nm)=[(nx+ny)/2−nz]×d
(nx、ny、nzはそれぞれポリイミドフィルムのX軸、Y軸、Z軸の屈折率を表し、dはポリイミドフィルムの厚さを表す。ここで、X軸は面内で最大の屈折率を示す方向であり、Y軸は面内でX軸と直交する方向であり、Z軸はこれらの軸と直交する厚さ方向である。)

0022

さらに、本発明のポリイミドは、ガラス転移温度(Tg)が高いことが好ましく、例えば、ガラス転移温度(Tg)が250℃以上、さらには280℃以上であることが好ましい。ある実施態様においては、ガラス転移温度(Tg)が300℃以上、さらには320℃以上、さらには350℃以上であることが好ましいことがある。

0023

上記の物性値測定方法の詳細については、後述の実施例で説明する。

0024

本発明のポリイミドは、テトラカルボン酸成分(テトラカルボン酸成分には、テトラカルボン酸二無水物等のテトラカルボン酸誘導体も含まれる)とジアミン成分とから得られ、テトラカルボン酸成分およびジアミン成分は、芳香族化合物と脂環式構造を有する化合物からなる群から選ばれる化合物を主成分とすることが好ましい。芳香族化合物を多く含むことは着色の原因となる場合があり、特に、テトラカルボン酸成分は脂環式構造を有する化合物を主成分とすることが好ましい。すなわち、テトラカルボン酸成分の80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上が脂環式構造を有する化合物であることが好ましい。

0025

また、ある実施態様においては、本発明のポリイミドは、テトラカルボン酸成分とジアミン成分の合計200モル%中、脂環式構造を有する化合物の割合が110〜190モル%であることが好ましいことがある。

0026

テトラカルボン酸成分として用いることができる脂環式構造を有する化合物としては、例えば、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(1,3−ジオキソオクタヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシアミド)、4,4’−メチレンビスシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、4,4’−オキシビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、4,4’−チオビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、4,4’−スルホニルビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、4,4’−(ジメチルシランジイル)ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、4,4’−(テトラフルオロプロパン−2,2−ジイル)ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、オクタヒドロペンタレン−1,3,4,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、6−(カルボキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5−トリカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタ−5−エン−2,3,7,8−テトラカルボン酸二無水物、トリシクロ[4.2.2.02,5]デカン−3,4,7,8−テトラカルボン酸二無水物、トリシクロ[4.2.2.02,5]デカ−7−エン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、9−オキサトリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン−3,4,7,8−テトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数の化合物を組み合わせて使用することもできる。

0027

本発明においては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(1,3−ジオキソオクタヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシアミド)から選ばれる化合物を用いることが好ましい。

0028

テトラカルボン酸成分として用いることができる芳香族化合物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルフルオレン二無水物、1,4−ジフルオロピロメリット酸二無水物、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシテトラフルオロベンゼン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、m−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビスカルボキシフェニルジメチルシラン二無水物、ビスジカルボキシフェノキシジフェニルスルフィド二無水物、スルホニルジフタル酸二無水物、イソプロピリデンジフェノキシビスフタル酸二無水物などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数の化合物を組み合わせて使用することもできる。これらの芳香族化合物は、前記の脂環式構造を有する化合物と組み合わせて用いることができる。

0029

本発明のポリイミドは、例えば、好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上が脂環式構造を有する化合物であるテトラカルボン酸成分と、下記化学式(1)で表される化合物1種以上を含むジアミン成分とから得ることができる。この場合、ジアミン成分の20〜100モル%が、下記化学式(1)で表される化合物であることが好ましい。

0030

(式中、Aは水素、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、Arは下記の群から選ばれる2価の基である。)

0031

(式中、Bは水素、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。)
炭素数6〜12のアリール基としては、置換または無置換のフェニル基、さらに好ましくは無置換のフェニル基が好ましい。

0032

化学式(1)において、Aは水素であることが好ましく、Arは下記化学式(2)で表される2価の基であることが好ましい。

0033

(式中、Bは水素、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。)
化学式(2)において、Bは水素、または炭素数6〜12のアリール基であることが好ましく、水素、または置換または無置換のフェニル基であることがさらに好ましい。

0034

組み合わせて用いるテトラカルボン酸成分、及びその他のジアミン成分にもよるが、Bが水素である前記化学式(1)で表される化合物の場合は、ジアミン成分中の当該化合物の含有量は20〜90モル%であることが好ましい。また、芳香族ジアミン成分を組み合わせて用いる場合は、ジアミン成分中の、Bが水素である前記化学式(1)で表される化合物の含有量は35〜90モル%であることが好ましいこともある。一方、Bがアリール基、好ましくは置換または無置換のフェニル基である前記化学式(1)で表される化合物の場合、ジアミン成分中の当該化合物の含有量は20〜100モル%、さらに好ましくは30〜100モル%であることが好ましく、芳香族ジアミン成分を組み合わせて用いる場合も、ジアミン成分中の、Bがアリール基である前記化学式(1)で表される化合物の含有量は、通常、この範囲が好ましい。

0035

化学式(1)で表される化合物として、例えば、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−([1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイルビス(オキシ))ビス(2−フェノキシアニリン)、4−((4’−(4−アミノフェノキシ)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)オキシ)−2−フェノキシアニリン、4,4’−([1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−クオーターフェニル]−4’’,6’−ジイルビス(オキシ))ジアニリン、4,4’−(ナフタレン−1,5−ジイルビス(オキシ))ジアニリン、4,4’−(ナフタレン−1,6−ジイルビス(オキシ))ジアニリン、4,4’−(ナフタレン−1,4−ジイルビス(オキシ))ジアニリンなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数の化合物を組み合わせて使用することもできる。

0036

本発明においては、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−([1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−クオーターフェニル]−4’’,6’−ジイルビス(オキシ))ジアニリンから選ばれる化合物を用いることが好ましい。この場合、組み合わせて用いるテトラカルボン酸成分、及びその他のジアミン成分にもよるが、ジアミン成分中の4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルおよび/または4,4’−([1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−クオーターフェニル]−4’’,6’−ジイルビス(オキシ))ジアニリンの含有量が20〜100モル%であることが好ましい。また、ジアミン成分中の4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルの含有量は20〜90モル%であることが好ましいことがあり、35〜90モル%であることが好ましいこともある。

0037

ジアミン成分として用いることができる、その他の芳香族化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミンm−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、m−トリジン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−メチレンジアニリン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、5−アミノ−2−(4−アミノフェニルベンゾイミダゾール、4,4’−ジアミノベンズアニリド、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス[(4−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,3’−ビス((アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)ジフェニル)スルホン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)ジフェニル)スルホン、オクタフルオロベンジジン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’’−ジアミノターフェニル、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−アニリノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−ジフェニルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(3−アミノアニリノ)−6−アニリノ−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数の化合物を組み合わせて使用することもできる。

0038

ジアミン成分として用いることができる脂環式構造を有する化合物としては、例えば、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロキシルアミン)、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、1,4−ジアミノ−2−メチルシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−2−エチルシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−2−n−プロピルシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−2−イソプロピルシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−2−n−ブチルシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−2−イソブチルシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−2—sec—ブチルシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−2−tert−ブチルシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロへキサン、1,3−ジアミノシクロブタン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ジアミノビシクロヘプタン、ジアミノメチルビシクロヘプタン、ジアミノオキシビシクロヘプタン、ジアミノメチルオキシビシクロヘプタン、イソホロンジアミン、ジアミノトリシクロデカン、ジアミノメチルトリシクロデカン、ビス(アミノシクロへキシル)メタン、ビス(アミノシクロヘキシル)イソプロピリデン6,6’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、6,6’−ビス(4-アミノフェノキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダンなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数の化合物を組み合わせて使用することもできる。

0039

その他のジアミン成分としては、例えば、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミン、ダイマージアミン(長鎖不飽和脂肪酸二量体であるダイマー酸還元アミノ化して得られるジアミン)なども挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数の化合物を組み合わせて使用することもできる。

0040

ただし、本発明のポリイミドは、これらのテトラカルボン酸成分とジアミン成分とから得られるものに限定されるものではない。

0041

本発明のポリイミドは、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを反応させることによってポリアミック酸を調製し、このポリアミック酸をイミド化することにより得られる。具体的には、例えば、少なくともポリアミック酸と溶媒とを含むポリアミック酸溶液組成物基材に塗布し、加熱処理によって溶媒を除去するとともにイミド化(脱水閉環)することによってポリイミドフィルムが得られる。

0042

本発明で用いるポリアミック酸は、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを溶媒中で反応させることによって、ポリアミック酸溶液として得ることができる。この反応では、通常、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを略等モル用いる。具体的には、テトラカルボン酸成分とジアミン成分のモル比[テトラカルボン酸成分/ジアミン成分]は、好ましくは0.90〜1.10程度、より好ましくは0.95〜1.05程度である。反応は、イミド化を抑制するために、例えば100℃以下、好ましくは80℃以下の比較的低温で行なわれる。限定するものではないが、通常、反応温度は25℃〜100℃、好ましくは40℃〜80℃、より好ましくは50℃〜80℃であり、反応時間は0.1〜24時間程度、好ましくは2〜12時間程度であることが好ましい。反応温度及び反応時間を前記範囲内とすることによって、効率よく高分子量のポリアミック酸の溶液組成物を得ることができる。なお、反応は、空気雰囲気下でも行うことができるが、通常は不活性ガス雰囲気下、好ましくは窒素ガス雰囲気下で好適に行われる。

0043

ポリアミック酸を調製する際に使用する溶媒としては、特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルイソブチルアミドN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル2−ピロリドンN−ビニル−2−ピロリドン等のアミド溶媒γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン等の環状エステル溶媒、エチレンカーボネートプロピレンカーボネート等のカーボネート溶媒、トリエチレングリコール等のグリコール系溶媒m−クレゾール、p−クレゾール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール等のフェノール系溶媒アセトフェノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンスルホランジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、テトラメチル尿素などが挙げられる。使用する有機溶剤は、1種類であっても、2種類以上の混合物であってもよい。

0044

本発明において、ポリアミック酸の対数粘度は、特に限定されないが、30℃での濃度0.5g/dLのN,N−ジメチルアセトアミド溶液における対数粘度が0.2dL/g以上、好ましくは0.4dL/g以上であることが好ましい。対数粘度が0.2dL/g以上では、ポリアミック酸の分子量が高く、得られるポリイミドの機械強度耐熱性に優れる。

0045

本発明で用いるポリアミック酸溶液組成物は、ポリアミック酸に起因する固形分濃度が、特に限定されるものではないが、ポリイミド前駆体と溶媒との合計量に対して、好ましくは5質量%〜45質量%、より好ましくは7質量%〜40質量%、さらに好ましくは9質量%〜30質量%であることが好適である。固形分濃度が5質量%より低いと、生産性、及び使用時の取り扱いが悪くなることがある。固形分濃度が45質量%より高いと、溶液の流動性がなくなることがある。

0046

また、ポリアミック酸溶液組成物の30℃における溶液粘度は、特に限定されないが、好ましくは1000Pa・sec以下、より好ましくは0.1〜500Pa・sec、さらに好ましくは0.1〜300Pa・sec、特に好ましくは0.1〜200Pa・secであることが取り扱い上好適である。溶液粘度が1000Pa・secを超えると、流動性がなくなり、金属やガラスなどの支持体への均一な塗布が困難となることがある。溶液粘度が0.1Pa・secよりも低いと、金属やガラスなどの支持体への塗布時にたれやハジキなどが生じることがあり、また高い特性のポリイミド、或いはポリイミドフィルム、ポリイミドフレキシブルデバイス用基板等を得ることが難しくなることがある。

0047

ポリアミック酸溶液組成物は、シリカを含んでいてもよい。シリカは動的光散乱法で測定した粒子径が100nm以下、より好ましくは1〜60nm、特に好ましくは1〜50nm、さらに10〜30nmのものであることが好ましい。また、シリカの含有量は、テトラカルボン酸成分とジアミン成分の合計量100質量部に対して、例えば1〜100質量部、より好ましくは5〜90質量部、特に好ましくは10〜90質量部である。

0048

シリカは、有機溶媒コロイダルシリカを分散させてなるコロイド溶液としてポリアミック酸溶液に添加し、混合することが好ましい。コロイダルシリカの溶媒としては、特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルエチレングリコールイソプロパノールメタノールメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンキシレンn−ブタノールプロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。コロイダルシリカの溶媒は、所望の物性が得られるように、ポリアミック酸溶液の溶媒に応じて選択することが好ましく、通常、ポリアミック酸溶液との相溶性が高い溶媒であることが好ましい。なお、使用する有機溶媒は、1種類であっても、2種類以上の混合物であってもよい。

0049

ポリアミック酸溶液組成物は、脱水剤イミド化触媒を含んでいてもよい。脱水剤としては無水酢酸などが挙げられ、イミド化触媒としては1,2−ジメチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物イソキノリンなどの窒素原子を含有した複素環化合物トリエチルアミントリエタノールアミンなどの塩基性化合物などが挙げられる。

0050

なお、ポリアミック酸溶液組成物は、上記以外の添加成分を含んでいてもよい。

0051

上述のポリアミック酸溶液組成物を基材に塗布し、加熱処理によって溶媒を除去するとともにイミド化(脱水閉環)することによってポリイミドフィルムが得られる。加熱処理条件は、特に限定されないが、50℃〜150℃の温度範囲で乾燥した後、最高加熱温度が300℃〜500℃、好ましくは350℃〜450℃で加熱処理することが好ましい。また、ポリアミック酸溶液組成物を基材に塗布し、乾燥した後、得られたポリイミド前駆体組成物(ポリアミック酸溶液組成物)の膜を基材上から剥離して、その膜の端部を固定した状態で、あるいは膜の端部を固定せずに加熱処理して、イミド化することによっても、ポリイミドフィルムを得ることができる。なお、加熱処理は空気雰囲気下でも行うことができるが、通常は不活性ガス雰囲気下、好ましくは窒素ガス雰囲気下で好適に行われる。

0052

本発明のポリイミドフィルムは、前記のような本発明のポリイミドから主としてなり、必要に応じて、シリカ等の無機粒子フィラー)や、その他のポリイミドフィルムに一般的に使用されている各種添加剤などを含有することができる。本発明のポリイミドフィルムの厚さは、用途などに応じて適宜選択することができる。

0053

本発明のフレキシブルデバイスは、前記のような本発明のポリイミドフィルムを基板として用いたものであり、次のようにして製造することができる。

0054

まず、ポリアミック酸溶液組成物をキャリア基板上に流延し、加熱処理によりイミド化することによってポリイミドフィルムを形成する。キャリア基板に制限はないが、一般に、ソーダライムガラスホウ珪酸ガラス無アルカリガラス等のガラス基板が使用される。ポリアミック酸溶液組成物のガラス基材上への流延方法は特に限定されないが、例えばスピンコート法スクリーン印刷法バーコーター法、電着法などの従来公知の方法が挙げられる。加熱処理条件は、特に限定されないが、50℃〜150℃の温度範囲で乾燥した後、最高加熱温度が300℃〜500℃、好ましくは350℃〜450℃で処理することが好ましい。

0055

形成するポリイミドフィルムの厚さは、通常、1〜30μmであることが望ましい。厚さが1μm未満である場合、ポリイミドフィルムが十分な機械的強度を保持できず、フレキシブルデバイス基板などとして使用するとき、応力に耐えきれず破壊されることがある。また、ポリイミドフィルムの厚さが30μmを超えて厚くなると、フレキシブルデバイスの薄型化が困難となってしまう。フレキシブルデバイスとして十分な耐性を保持しながら、より薄膜化するには、ポリイミド樹脂膜の厚さは、2〜10μmであることがより望ましい。

0056

以上のようにして形成したポリイミドフィルムの上に、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーなどの表示デバイス、太陽電池、CMOSなどの受光デバイスなどに必要な回路を形成する。この工程はデバイスの種類により異なる。例えば、TFT液晶ディスプレイデバイスを製造する場合には、ポリイミドフィルム上にアモルファスシリコンのTFTを形成する。TFTは、ゲート金属層窒化ケイ素ゲート誘電体層、ITI画素電極を含む。この上に、さらに液晶ディスプレイに必要な構造を、公知の方法によって形成することもできる。

0057

次いで、回路等を表面に形成したポリイミドフィルムをキャリア基板から剥離する。剥離方法に特に制限はなく、例えばキャリア基板側からレーザー等を照射することで剥離を行うことができる。レーザー光照射による剥離は、波長308nmのレーザー光を照射することが好適である。本発明のポリイミドフィルムは波長308nmの光透過率が非常に低く、すなわち、光の吸収に優れているため、波長308nmのレーザー光を照射することによって容易にポリイミドフィルムをキャリア基板から剥離することができる。このようにして本発明のフレキシブルデバイスを得ることができる。

0058

本発明におけるフレキシブルデバイスとしては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーといった表示デバイス、太陽電池、CMOSなどの受光デバイスを挙げることが出来る。また、タッチセンサー、タッチパネルを挙げることも出来る。本発明は、特に、薄型化かつフレキシブル性を付与したいデバイスへの適用に好適である。

0059

以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0060

実施例で使用した化合物の略号は以下のとおりである。
CpODA:ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物
DNDA:デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物
H−PMDA:1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物
CBDA:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
HTAC(PPD):N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(1,3−ジオキソオクタヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシアミド)
H−BPDA:ジシクロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物
FDA:4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピレン)ジフタル酸二無水物
1,4−CHDA:1,4−ジアミノシクロヘキサン
APB:4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル
AFL:9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン
DABAN:4,4’−ジアミノベンズアニリド
4−APBP−DP:4,4’−([1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−クオーターフェニル]−4’’,6’−ジイルビス(オキシ))ジアニリン
PPD:p−フェニレンジアミン
m−TD:m−トリジン
ODA:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
FMB:2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル

0061

実施例で用いた特性の測定方法を以下に示す。

0062

(光透過率)
分光光度計U−2910(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、ポリイミドフィルムの波長365nm、および波長308nmにおける光透過率を測定した。

0063

(黄色度)
分光光度計U−2910(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、ASTME313に準拠して、ポリイミドフィルムの黄色度(YI)を測定した。

0064

レーザー剥離強度)
ガラス板上にポリアミック酸溶液組成物を塗布してイミド化することにより得られた、ガラスとポリイミドフィルムの積層体試験サンプルとした。レーザー剥離試験機(Light Machinery製 IPEX−860)を用いて試験サンプルのガラス板側からレーザーを照射し、レーザーのエネルギーを100mJ/cm2から徐々に増加させ、フィルムが剥離するエネルギーを測定した。

0065

(線膨張係数(CTE)およびガラス転移温度(Tg))
膜厚10μmのポリイミドフィルムを幅4mmの短冊状に切り取って試験片とし、TMA/SS6100(エスアイアイナノテクノロジー株式会社製)を用い、チャック間長15mm、荷重2g、昇温速度20℃/minで400℃まで昇温した。得られたTMA曲線から、50℃から200℃までの線膨張係数を求めた。また、TMA曲線の変曲点より、Tgを算出した。

0066

(厚さ方向の位相差)
位相差測定装置KOBRA−WR(王子計測機器株式会社製)を用いて、測定波長590nm、入射角40°で厚さ方向の位相差(Rth)を測定した。

0067

〔実施例1〕
攪拌機窒素ガス導入排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン430gを加え、1,4−CHDA2.2773g(0.0199モル)、BAPB29.3934g(0.0798モル)、CpODA38.3293g(0.0997モル)を加え、30℃で撹拌して、ポリアミック酸溶液を得た。

0068

このポリアミック酸溶液を、基材のガラス板上にバーコーターによって塗布し、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minにて50℃から350℃まで昇温し、350℃にて5分間加熱処理し、ガラス板上に厚さが10μmのポリイミドフィルムを形成した。

0069

得られたポリイミドフィルムをガラス板から剥離して各特性の測定を行った。その結果を表1に示す。

0070

〔実施例2〕
溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン430g、1,4−CHDA4.9104g(0.0430モル)、BAPB23.7668g(0.0645モル)、CpODA41.3228g(0.1075モル)を用いた以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。各特性の測定結果を表1に示す。

0071

〔実施例3〕
溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン430g、1,4−CHDA7.9896g(0.0700モル)、BAPB17.1868g(0.0466モル)、CpODA44.8236g(0.1166モル)を用いた以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。各特性の測定結果を表1に示す。

0072

〔実施例4〕
溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン430g、1,4−CHDA11.6388g(0.1019モル)、BAPB9.3888g(0.0255モル)、CpODA48.9724g(0.1274モル)を用いた以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。各特性の測定結果を表1に示す。

0073

〔実施例5〕
溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン430g、1,4−CHDA4.9255g(0.0431モル)、BAPB19.8667g(0.0539モル)、BAFL3.7575g(0.0108モル)、CpODA41.4502g(0.1078モル)を用いた以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。各特性の測定結果を表1に示す。

0074

〔実施例6〕
溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン440g、1,4−CHDA3.4576g(0.0303モル)、BAPB26.0326g(0.0707モル)、DNDA30.5098g(0.1009モル)を用い、370℃で熱処理した以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。各特性の測定結果を表1に示す。

0075

〔実施例7〕
溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン440g、1,4−CHDAを3.9807g(0.0349モル)と、BAPB29.9707g(0.0813モル)、H−PMDA26.0487g(0.1162モル)を用いた以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。各特性の測定結果を表1に示す。

0076

〔実施例8〕
溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン450g、1,4−CHDA2.6809g(0.0235モル)、BAPB20.1847g(0.0548モル)、CpODA24.0649g(0.0626モル)、CBDA3.0695g(0.0157モル)を用いた以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。各特性の測定結果を表1に示す。

0077

〔実施例9〕
溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン440g、1,4−CHDA2.7022g(0.0237モル)、BAPB20.3452g(0.0552モル)、HTAC(PPD)36.9526g(0.0789モル)を用いた以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。各特性の測定結果を表1に示す。

0078

〔実施例10〕
溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン440g、1,4−CHDA3.4343g(0.0301モル)、BAPB25.8573g(0.0702モル)、H−BPDA30.7083g(0.1003モル)を用いた以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。各特性の測定結果を表1に示す。

0079

〔実施例11〕
溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン430g、4−APBP−DP40.3094g(0.0774モル)、CpODA29.6906g(0.0774モル)を用い、390℃で熱処理した以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。各特性の測定結果を表2に示す。

0080

〔実施例12〕
溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン430g、4−APBP−DP26.1108g(0.0502モル)、PPD5.4245g(0.0502モル)、CpODA38.4648g(0.1003モル)を用い、370℃で熱処理した以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。各特性の測定結果を表2に示す。

0081

〔実施例13〕
溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン430g、4−APBP−DP20.2719g(0.0389モル)、m−TD12.3990g(0.0584モル)、CpODA37.3291g(0.0973モル)を用い、390℃で熱処理した以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。各特性の測定結果を表2に示す。

0082

〔実施例14〕
溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン430g、4−APBP−DP29.9264g(0.0575モル)、BAFL8.5837g(0.0246モル)、CpODA31.4898g(0.0821モル)を用い、370℃で熱処理した以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。各特性の測定結果を表2に示す。

0083

〔実施例15〕
溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン410g、4−APBP−DP42.9053g(0.0824モル)、BAPB7.5912g(0.0206モル)、CpODA39.5034g(0.1030モル)を用い、370℃で熱処理した以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。各特性の測定結果を表2に示す。

0084

〔比較例1〕
溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン410g、TFMB37.7002g(0.1177モル)、6FDA52.2998g(0.1177モル)を用い、370℃で熱処理した以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。各特性の測定結果を表2に示す。

0085

〔比較例2〕
溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン410g、ODA42.4650g(0.2120モル)、H−PMDA47.5350g(0.2120モル)を用いた以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。各特性の測定結果を表2に示す。このポリイミドフィルムは、レーザーのエネルギーを300mJ/cm2まで増加しても、フィルムを剥離できなかった。

0086

実施例

0087

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