図面 (/)

技術 抗マラリア活性を有する新規ピリミジン誘導体

出願人 カルナバイオサイエンス株式会社学校法人北里研究所
発明者 澤匡明朝光優子宇野佑子大村智乙黒一彦岩月正人石山亜紀穗苅玲
出願日 2017年10月25日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-547739
公開日 2019年9月19日 (6ヶ月経過) 公開番号 WO2018-079629
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 研究科 多環式飽和炭化水素基 濃度段階 ファンシ 塗末標本 ジクロロ体 ネズミマラリア原虫 アルテミシニン誘導体
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

課題・解決手段

本発明は、式(I):(式中、 環Aは、R1、R2およびR3で置換されていてもよい、N原子を1個以上有する6員のヘテロアリール基であり; Zは、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基または置換されていてもよいヘテロアリール基であり;および R1、R2およびR3は、各々独立して、水素原子ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいシクロアルキルオキシ基、置換されていてもよいヘテロシクロアルキルオキシ基、置換されていてもよいフェノキシ基、置換されていてもよいアミノ基、ニトロ基およびヒドロキシ基からなる群から選択される)で示される化合物またはその薬学的に許容される塩である、新規2,4,6−置換ピリミジン誘導体を提供する。

概要

背景

マラリア熱帯から亜熱帯に広く分布する原虫感染症であり、ヒトに寄生するマラリア原虫類の中で、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)による感染は、マラリア感染者の約80%を占め、重症の場合には死に至る非常に危険な感染症である。また、最近の地球規模での温暖化により、マラリアの流行は、熱帯から亜熱帯の開発途上国のみならず温帯地域に位置する先進国へと拡大傾向の様相を呈している。

ヒトに寄生するマラリア原虫類に対しては、1930年〜1960年代に開発された古典薬と称されるクロロキンファンシダールピリメサミンとスルファドキシンとの合剤)などが従来から用いられており、その後1980年以降に開発された生薬青蒿の有効成分であるアルテミシニン誘導体も使用されている。

しかしながら、クロロキン、ファンシダールに対する薬剤耐性マラリア原虫、更にはこれらの薬剤を含めた多剤に対する耐性マラリア原虫が出現しており、後に開発されたアルテミシニン誘導体においても耐性原虫の出現が報告されている。

そのような既存の薬剤に対する耐性原虫の出現を受けて、マラリア原虫類に有効な抗マラリア薬の開発が世界中で試みられている。しかしながら、抗マラリア薬の開発では、in vitroにおいて抗マラリア活性が確認されても、in vivoにおいてその活性が確認できないものや毒性が確認されるものが多く、薬剤耐性株に有効でかつin vivoで抗マラリア活性が確認できる薬剤はほとんど見出されていない。
これまでに、ピリミジン−2,4,5−置換誘導体非特許文献1および特許文献1)やピリミジン−2,4,6−置換誘導体(非特許文献2)が抗マラリア活性物質として報告されているが、本発明の化合物の構造を有する化合物は知られていない。

概要

本発明は、式(I):(式中、 環Aは、R1、R2およびR3で置換されていてもよい、N原子を1個以上有する6員のヘテロアリール基であり; Zは、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基または置換されていてもよいヘテロアリール基であり;および R1、R2およびR3は、各々独立して、水素原子ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいシクロアルキルオキシ基、置換されていてもよいヘテロシクロアルキルオキシ基、置換されていてもよいフェノキシ基、置換されていてもよいアミノ基、ニトロ基およびヒドロキシ基からなる群から選択される)で示される化合物またはその薬学的に許容される塩である、新規2,4,6−置換ピリミジン誘導体を提供する。

目的

本発明は、既存の抗マラリア薬に耐性を示すマラリア原虫類に対しても抗マラリア活性を示す新規化合物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

下式(I):(式中、環Aは、R1、R2およびR3で置換されていてもよい、N原子を1個以上有する6員のヘテロアリール基であり;Zは、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基または置換されていてもよいヘテロアリール基であり;およびR1、R2およびR3は、各々独立して、水素原子ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいシクロアルキルオキシ基、置換されていてもよいヘテロシクロアルキルオキシ基、置換されていてもよいフェノキシ基、置換されていてもよいアミノ基、ニトロ基およびヒドロキシ基からなる群から選択される)で示される化合物またはその薬学的に許容される塩。

請求項2

環Aが、置換されていてもよい、N原子を1個有する6員のヘテロアリール基である、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。

請求項3

環Aが、置換されていてもよい、N原子を2個有する6員のヘテロアリール基である、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。

請求項4

式:が、からなる群から選択されるヘテロアリール基である、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。

請求項5

請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を含む、医薬組成物

請求項6

請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、マラリア原虫類感染症治療剤

技術分野

0001

本発明は、新規ピリミジン誘導体、具体的には2,4,6−置換ピリミジン誘導体に関する。また、本発明は、マラリア原虫類増殖抑制作用を有しており、マラリア原虫類の感染症治療、予防および/または伝播阻止に有用であり得る。

背景技術

0002

マラリア熱帯から亜熱帯に広く分布する原虫感染症であり、ヒトに寄生するマラリア原虫類の中で、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)による感染は、マラリア感染者の約80%を占め、重症の場合には死に至る非常に危険な感染症である。また、最近の地球規模での温暖化により、マラリアの流行は、熱帯から亜熱帯の開発途上国のみならず温帯地域に位置する先進国へと拡大傾向の様相を呈している。

0003

ヒトに寄生するマラリア原虫類に対しては、1930年〜1960年代に開発された古典薬と称されるクロロキンファンシダールピリメサミンとスルファドキシンとの合剤)などが従来から用いられており、その後1980年以降に開発された生薬青蒿の有効成分であるアルテミシニン誘導体も使用されている。

0004

しかしながら、クロロキン、ファンシダールに対する薬剤耐性マラリア原虫、更にはこれらの薬剤を含めた多剤に対する耐性マラリア原虫が出現しており、後に開発されたアルテミシニン誘導体においても耐性原虫の出現が報告されている。

0005

そのような既存の薬剤に対する耐性原虫の出現を受けて、マラリア原虫類に有効な抗マラリア薬の開発が世界中で試みられている。しかしながら、抗マラリア薬の開発では、in vitroにおいて抗マラリア活性が確認されても、in vivoにおいてその活性が確認できないものや毒性が確認されるものが多く、薬剤耐性株に有効でかつin vivoで抗マラリア活性が確認できる薬剤はほとんど見出されていない。
これまでに、ピリミジン−2,4,5−置換誘導体非特許文献1および特許文献1)やピリミジン−2,4,6−置換誘導体(非特許文献2)が抗マラリア活性物質として報告されているが、本発明の化合物の構造を有する化合物は知られていない。

0006

国際公開第2015/165660号パンフレット

先行技術

0007

Shahul Hameed P. et al., Nat. Commun. 6:6715, 2015.
Xianming Deng, et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 20: 4027-4031, 2010

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、既存の抗マラリア薬に耐性を示すマラリア原虫類に対しても抗マラリア活性を示す新規化合物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、2,4,6−置換ピリミジン誘導体として、式(I)で表される化合物およびその薬学的に許容される塩(以下、「本発明の化合物」と称することもある)が、マラリア原虫類の増殖抑制作用を有することを見出し、本発明を完成させた。本発明によれば、ヒト感染性マラリア原虫類、例えば、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、三日熱マラリア原虫(P. vivax)、四日熱マラリア原虫(P. malariae)、卵形マラリア原虫(P. ovale)およびサルマラリア原虫(P. knowlesi)の感染症を治療、予防および/または伝播阻止することができる。

0010

すなわち、本発明は、以下の態様の発明を提供するものである。
[1]下式(I):



(式中、
環Aは、R1、R2およびR3で置換されていてもよい、N原子を1個以上有する6員のヘテロアリール基であり;
Zは、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基または置換されていてもよいヘテロアリール基であり;および
R1、R2およびR3は、各々独立して、水素原子ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいシクロアルキルオキシ基、置換されていてもよいヘテロシクロアルキルオキシ基、置換されていてもよいフェノキシ基、置換されていてもよいアミノ基、ニトロ基およびヒドロキシ基からなる群から選択される)
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩。

0011

[2] 環Aが、置換されていてもよい、N原子を1個有する6員のヘテロアリール基である、[1]記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。

0012

[3] 環Aが、置換されていてもよい、N原子を2個有する6員のヘテロアリール基である、[1]記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。

0013

[4] 式:



が、



からなる群から選択されるヘテロアリール基である、[1]記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。

0014

[5]下式(I):



(式中、
環Aは、R1、R2およびR3で置換されていてもよい、N原子を1個以上有する6員のヘテロアリール基であり;
Zが、式:



(式中、
R4およびR5は、各々独立して、水素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、−C0−4アルキレン−CO−C1−6アルキル基、−C1−4アルキレン−O−C1−6アルキル基、−C1−4アルキレン−NH−C1−6アルキル基、−C1−4アルキレン−NH−CO−C1−6アルキル基、−C1−4アルキレン−NH−COO−C1−6アルキル基、−C1−4アルキレン−N(同一または異なるC1−6アルキル基)2、−C0−4アルキレン−COOH、−C0−4アルキレン−COO−C1−6アルキル基、−C0−4アルキレン−CH=NH、−C0−4アルキレン−CH=N−C1−6アルキル基、−C0−4アルキレン−SO2H、−C0−4アルキレン−SO2−C1−6アルキル基、−C0−4アルキレン−5員もしくは6員のへテロシクロアルキル基、−C0−4アルキレン−C6−10アリール基、または−C0−4アルキレン−5員もしくは6員のヘテロアリール基(ここで、アルキル基、アルケニル基、へテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基およびアルキレンは、各々独立して、置換可能な炭素原子上で、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、C3−8シクロアルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基シアノ基、ニトロ基、アミノ基、モノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ基カルボキシル基、C1−4アシル基およびC1−4アシルアミノ基からなる群から選択される1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)であるか、
あるいは、R4およびR5は、それらが結合するN原子と一緒になって、3〜12員のヘテロシクロアルキル基または5〜6員のヘテロアリール基を形成し;
R6は、水素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C3−8シクロアルキル基、3〜8員のヘテロシクロアルキル基またはC6−10アリール基であり、ここで各基は、各々独立して、置換可能な位置で、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、C3−8シクロアルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、モノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ基、カルボキシル基、C1−4アシル基およびC1−4アシルアミノ基からなる群から選択される1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)
であり;および
R1、R2およびR3は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、アミノ基、モノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、、C3−6シクロアルキル基、C3−6シクロアルキルオキシ基、3〜6員のヘテロシクロアルキル基、3〜6員のヘテロシクロアルキルオキシ基、フェノキシ基およびC1−4アシルアミノ基からなる群から選択され、ここで各基は、各々独立して、置換可能な位置で、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C1−6ハロアルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、C3−6シクロアルキル基、フェニル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、モノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ基、カルボキシル基、C1−4アシル基、C1−4アシルアミノ基および5員または6員のへテロシクロアルキル基からなる群から選択される1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい)
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩。

0015

[6] Zが、アミノ基、C1−6アルコキシ基、



からなる群から選択される基であり、ここで各基は、置換可能な位置で、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C1−6ヒドロキシアルキル基、C1−6アルコキシ基、アミノ基、モノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ基、カルボキシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、5員または6員のヘテロシクロアルキル基、フェニル基、ベンジル基および5員または6員のヘテロアリール基からなる群から選択される1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい、[1]〜[5]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。

0016

[7] 式:



が、



であり、
R1、R2およびR3の2つが、水素原子であり、その残りが、ピリジン環の2、4、5または6位に結合し、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C3−6シクロアルキルオキシ基、3〜6員のヘテロシクロアルキルオキシ基またはフェノキシ基であり、ここで、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C3−6シクロアルキルオキシ基、3〜6員のヘテロシクロアルキルオキシ基およびフェノキシ基は、置換可能な位置で、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C1−6アルコキシ基、フェニル基、アミノ基、モノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ基およびカルボキシル基からなる群から選択される1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい、[4]〜[6]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。

0017

[8] 式:



が、



であり、
R1、R2およびR3の1つが、水素原子であり、その残りが、ピリジン環の4位および6位または5位および6位に結合し、C1−6アルキル基またはC3−6シクロアルキル基から独立して選択され、ここで、各基は、各々独立して、置換可能な位置で、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、モノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ基およびカルボキシル基からなる群から選択される1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい、[4]〜[6]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。

0018

[9] 式:



が、



であり、
R1、R2およびR3の2つが、水素原子であり、その残りが、ピリジン環の3、4、5または6位に結合し、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ニトロ基、C1−6アルコキシ基またはC3−6シクロアルキル基であり、ここで、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基およびC3−6シクロアルキル基は、置換可能な位置で、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基、アミノ基、モノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ基、カルボキシル基および5員または6員のへテロシクロアルキル基からなる群から選択される1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい、[4]〜[6]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。

0019

[10] 式:



が、



であり、
R1、R2およびR3が、各々独立して、ピリジン環の4位、5位および6位に結合し、ハロゲン原子、C1−6アルキル基およびC3−6シクロアルキル基からなる群から選択され、ここで、C1−6アルキル基およびC3−6シクロアルキル基は、各々独立して、置換可能な位置で、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、モノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ基およびカルボキシル基からなる群から選択される1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい、[4]〜[6]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。

0020

[11] 式:



が、



であり、
R1、R2およびR3が、水素原子である、[4]〜[6]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。

0021

[12] [1]〜[11]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を含む、医薬組成物

0022

[13] [1]〜[11]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、マラリア原虫類の感染症治療剤

0023

[14]治療が必要な患者に、治療上の有効量の[1]〜[11]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを特徴とする、マラリア原虫類の感染症の治療方法

0024

[15]マラリア原虫類の感染症の治療に使用する、[1]〜[11]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。

0025

[16]マラリア原虫類の感染症の治療剤を製造するための、[1]〜[11]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。

0026

[17] [1]〜[11]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、マラリア原虫類の増殖阻害剤

0027

[18]治療が必要な患者に、治療上の有効量の[1]〜[11]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを特徴とする、マラリア原虫類の増殖阻害方法。

発明の効果

0028

本発明の化合物は、マラリア原虫類の増殖抑制作用を有しており、ヒト感染性マラリア原虫類の感染症の新規な治療剤、予防剤および/または伝播阻止剤として有用である。さらに、クロロキンおよびファンシダールなどの既存の抗マラリア薬に耐性を示すマラリア原虫類の感染症の治療剤、予防剤および/または伝播阻止剤としても有用である。また、マラリア原虫の増殖阻害剤として、実験用または研究用の試薬で使用することができる。

0029

本明細書における用語について以下に説明する。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子塩素原子臭素原子またはヨウ素原子を意味する。中でも好ましくは、フッ素原子、塩素原子または臭素原子である。

0030

アルキル」または「アルキレン」とは、所定数の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の、それぞれ一価または二価飽和炭化水素基を意味する。これらは、置換可能な位置で、所望により本発明に含まれる1以上の置換基で置換されていてもよい。好ましいアルキルはC1−6アルキル、C1−4アルキル、低級アルキルが挙げられる。例えば、「C1−6アルキル」は、炭素数1から6のアルキル基を示し、「低級アルキル」とは、炭素数1から4のアルキル基を示す。また、「C0アルキレン」は、単結合を意味し、「C1−4アルキレン」は、炭素数1から4で2価の置換基、例えば、メチレンエチレンプロピレンおよびブチレンなどを意味する。アルキルの例として、限定されるものではないが、メチルエチルプロピルイソプロピルブチルイソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチルネオペンチルヘキシルなどが挙げられる。

0031

アルケニル」とは、1以上の炭素炭素二重結合を含有する、所定数の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の不飽和炭化水素基を意味する。これらは、置換可能な位置で、所望により本発明に含まれる1以上の置換基で置換されていてもよい。好ましいアルケニルは、C2−6アルケニル、C2−4アルケニルが挙げられる。例えば、「C2−6アルケニル」は、炭素数2から6のアルケニルを示す。アルケニルの例として、限定されるものではないが、エテニルプロペニルブテニルペンテニルヘキセニルなどが挙げられる。

0032

ハロアルキル」とは、1個以上の水素原子がハロゲン原子によって置き換えられている、所定数の炭素原子を有する上記に定義のアルキル基を意味する。例えば、「C1−6ハロアルキル」は、炭素数が1から6のハロアルキルを示す。置き換えられている水素原子の数は、1個から、最大で親アルキル基に他に存在しうる水素原子の総数の範囲まで及びうる。ハロゲン原子を複数有する場合は、同一または異なるハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロアルキルの例として、限定されるものではないが、クロロメチルトリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルなどが挙げられる。

0033

ヒドロキシアルキル」とは、所定数の炭素原子を有する上記に定義のアルキル基が結合している、ヒドロキシ基を意味する。これらは、アルキル部分が所望により本発明に含まれる1以上の置換基で置換されていてもよい。好ましいヒドロキシアルキルはC1−6ヒドロキシアルキル、C1−4ヒドロキシアルキルが挙げられる。例えば、「C1−6ヒドロキシアルキル」は、炭素数1から6のヒドロキシアルキルを示す。ヒドロキシアルキルの例として、限定されるものではないが、ヒドロキシメチルヒドロキシエチルなどが挙げられる。

0034

アルコキシ」とは、所定数の炭素原子を有する上記に定義のアルキル基が酸素原子を介して結合している基を意味する。これらは、アルキル部分が所望により本発明に含まれる1以上の置換基で置換されていてもよい。好ましいアルコキシは、C1−6アルコキシ、C1−4アルコキシが挙げられる。例えば、「C1−6アルコキシ」は、炭素数が1から6のアルコキシ(−O−C1−6アルキル)を示す。アルコキシの例として、限定されるものではないが、メトキシエトキシプロポキシイソプロポキシブチルオキシペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどが挙げられる。

0035

ハロアルコキシ」とは、1個以上の水素原子がハロゲン原子によって置き換えられている、所定数の炭素原子を有する上記に定義のアルコキシを意味する。例えば、「C1−6ハロアルコキシ」は、炭素数が1から6のハロアルコキシを示す。置き換えられている水素原子の数は、1個から、最大で親アルキル基に他に存在しうる水素原子の総数の範囲まで及びうる。ハロゲン原子を複数有する場合は、同一または異なるハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロアルコキシの例として、限定されるものではないが、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシなどが挙げられる。

0036

シクロアルキル」とは、3個以上の炭素原子を有する単環式または多環式飽和炭化水素基を意味する。これらは、置換可能な位置で、所望により本発明に含まれる1以上の置換基で置換されていてもよい。好ましいシクロアルキルは、C3−10シクロアルキル、C3−8シクロアルキル、C3−6シクロアルキルが挙げられる。例えば、「C3−8シクロアルキル」とは、炭素数3から8のシクロアルキルを示す。シクロアルキルの例として、限定されるものではないが、シクロプロピルシクロブチルシクロペンチルシクロキシルシクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられる。多環式飽和炭化水素基としては、二環式飽和炭化水素基または三環式飽和炭化水素基が挙げられ、例えば、デカヒドロナフタレンビシクロ[2.1.0]ペンタントリシクロ[3.2.1.02,7]オクタンなどが挙げられる。

0037

ヘテロシクロアルキル」とは、環炭素の少なくとも1個が窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選択されるヘテロ原子で置き換えられている、上記に定義のシクロアルキルを意味する。これらは、置換可能な位置で、所望により本発明に含まれる1以上の置換基で置換されていてもよい。また、窒素および硫黄原子は、所望により酸化されてもよく、窒素原子は、所望により四級化されてもよい。二環式基をもたらす縮合環は、炭素原子のみを含有していてもよく、飽和、部分的飽和、または不飽和であってもよい。好ましいヘテロシクロアルキルは、3〜10員のヘテロシクロアルキル、3〜8員のヘテロシクロアルキル、3〜6員のヘテロシクロアルキルが挙げられる。例えば、「3〜8員のヘテロシクロアルキル」とは、窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含む、3〜8員のシクロアルキルを示す。ヘテロシクロアルキルの例として、限定されるものではないが、アジリジンアゼチジンピロリジンピペリジンピペラジンモルホリンチオモルホリンホモピペリジン、テトラヒドロフランテトラヒドロピランオキサゾリジノン、2−アザスピロ[4.4]ノナン、8−オキサ−2−アザスピロ[4.5]デカンヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール、2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタンテトラヒドロ−2H−[1.4]ジオキシノ[2,3−c]ピロールなどが挙げられる。

0038

アリール」とは、芳香族環に結合する1個の水素原子が除外された、6個以上の炭素原子を有する単環または二環芳香族炭化水素基を意味する。これらは、置換可能な位置で、所望により本発明に含まれる1以上の置換基で置換されていてもよい。好ましいアリールは、C6−10アリールが挙げられる。アリールの例として、限定されるものではないが、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。

0039

ヘテロアリール」とは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、単環または二環の芳香族複素環基を意味する。これらは、置換可能な位置で、所望により本発明に含まれる1以上の置換基で置換されていてもよい。好ましいヘテロアリールは、3〜10員のヘテロアリール、3〜6員のヘテロアリール、5〜6員のヘテロアリールが挙げられる。例えば、「5〜6員のヘテロアリール」は、窒素原子、硫黄原子または酸素原子から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、5〜6員の単環式複素環基を示す。ヘテロアリールの例として、限定されるものではないが、チオフェンフラン、ピロール、イミダゾールピラゾールチアゾールオキサゾールイソチアゾールイソオキサゾールピリジン、ピリミジン、ピラジンピリダジントリアジンインドールプリンキノリンイソキノリンなどが挙げられる。

0040

アシル」とは、水素原子、上記に定義のアルキル、シクロアルキル、シクロへテロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基が結合している、カルボニル基(−C(=O))を意味する。好ましいアシルは、C1−7アシル、C1−4アシルが挙げられる。例えば、「C1−4アシル」とは、炭素数1から3のアルキル基が結合しているカルボニル基を示す。アシルの例として、限定されるものではないが、ホルミルアセチルプロパノイル、プチリル、イソブチリル、ピバロイルシクロペンタンカルボニルベンゾイルなどが挙げられる。

0041

アシルアミノ」とは、上記に定義のアシル基が結合している、アミノ基を意味する。好ましいアシルアミノは、C1−7アシルアミノ、C1−4アシルアミノが挙げられる。例えば、「C1−4アシルアミノ」とは、炭素数1から4のアシル基が結合しているアミノ基を示す。アシルアミノの例として、限定されるものではないが、アセチルアミノプロピオニルアミノなどが挙げられる。

0042

「モノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ」とは、1個または2個の水素原子が1〜6個の炭素原子を有する上記に定義のアルキル基によって置き換えられている、アミノ基を意味する。アルキル基によって2個置換される場合は、同一または異なるアルキル基で置換されていてもよい。モノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノの例として、限定されるものではないが、メチルアミノエチルアミノジメチルアミノジエチルアミノなどが挙げられる。

0043

アルコキシカルボニル」とは、上記に定義のアルコキシ基が結合している、カルボニル基を意味する。好ましいアルコキシカルボニルは、C1−6アルコキシカルボニル、C1−4アルコキシカルボニルが挙げられる。例えば、「C1−6アルコキシカルボニル」とは、炭素数1から6のアルコキシ基が結合しているカルボニル基を示す。アルコキシカルボニルの例として、限定されるものではないが、メトキシカルボニルエトキシカルボニル、プロポキシカルボニルブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルなどが挙げられる。

0044

「置換されていてもよい」とは、基の置換可能な位置が置換されていない場合(無置換)と置換されている場合を含む。「無置換」とは、基の置換可能な位置が全て水素原子であることを意味する。置換されている場合は、可能であれば複数の置換基で置換されていてもよく、その置換基は同一であっても異なっていてもよい。置換される置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、モノ−もしくはジ−アルキルアミノ基、カルバモイル基、カルボキシル基、モルホリニル基ホルミル基アセチル基、メシル基、ベンゾイル基、アシルアミノ基、ベンジル基、アリール基、ヘテロアリール基などが挙げられる。

0045

「薬学的に許容される塩」とは、式(I)で表される本発明の化合物と薬学的に許容される酸または塩基により形成される塩を意味する。式(I)で表される本発明の化合物がアミノ基などの塩基性官能基を有する場合、各種の酸と塩を形成することができる。酸付加塩の例として、塩酸塩臭化水素酸塩ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩リン酸塩などの無機酸塩シュウ酸塩マロン酸塩マレイン酸塩フマル酸塩乳酸塩リンゴ酸塩クエン酸塩酒石酸塩安息香酸塩トリフルオロ酢酸塩酢酸塩メタンスルホン酸塩p−トルエンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩などの有機酸塩、およびグルタミン酸塩アスパラギン酸塩などの酸性アミノ酸塩が挙げられる。
式(I)で表される本発明の化合物が酸性官能基を有する場合、各種の塩基と塩を形成することができる。塩基付加塩の例として、ナトリウム塩カリウム塩などのアルカリ金属塩カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、低級アルキルアミン塩低級アルコールアミン塩などの有機アミン塩リジンアルギニンオルニチンなどとの塩基性アミノ酸塩およびアンモニウム塩が挙げられる。
これらの塩は、式(I)で表される本発明の化合物を酸または塩基と混合した後、再結晶などの常法により得ることができる。
本発明の化合物は、分子内塩水和物および/または溶媒和物の形で存在することもあるので、これらの分子内塩、水和物および/または溶媒和物もまた本発明の化合物に包含される。溶媒和物としてはエタノール溶媒和物などが挙げられる。

0046

「治療」とは、哺乳動物、特にヒトにおけるマラリア原虫類の感染症の治癒および/または改善を意味する。例えば、(a)マラリア原虫類の感染症を予防すること;(b)マラリア感染の伝播を阻止すること;および(c)マラリア原虫類の感染症を緩和および/または軽減することなども含まれる。

0047

「患者」とは、ヒトおよび動物、例えば、イヌネコウマなどを意味する。その中でも、ヒトが好ましい。

0048

「治療上の有効量」とは、未治療対象と比べて、疾患、障害および/または副作用の改善、治癒、予防および/または軽減をもたらす量、あるいは疾患および/または障害の進行速度の遅延をもたらす量を意味する。該用語は、その範囲内に、正常な生理的機能を促進するのに有効な量も含む。式(I)で表される本発明の化合物ならびにその薬学的に許容される塩の治療上の有効量を、化合物原体として投与することが可能である。特に限定するものではないが、通常、式(I)で表される化合物として、1日当たり約1〜1000mg/kg(体重)の範囲が有効である。
かかる有効量として、本発明の化合物単独の量、本発明の化合物の組み合わせの量および/または他の抗マラリア薬と組み合わせた本発明の化合物の量が挙げられる。

0049

環Aの好ましい態様は、R1、R2およびR3で置換されていてもよい、N原子を1個以上有する6員のヘテロアリール基である。環Aのより具体的な態様は、



からなる群から選択されるヘテロアリール基である。

0050

Zの好ましい態様は、アミノ基、C1−6アルコキシ基、



からなる群から選択される基であり、各基は、置換可能な位置で、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、ヒドロキシ基、C1−6ヒドロキシアルキル基、C1−6アルコキシ基、アミノ基、モノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ基、カルボキシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、5員または6員のヘテロシクロアルキル基、フェニル基、ベンジル基および5員または6員のヘテロアリール基からなる群から選択される1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい。

0051

R1〜R3の好ましい態様は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ基、C3−6シクロアルキル基、C3−6シクロアルキルオキシ基、3〜6員のヘテロシクロアルキルオキシ基またはフェノキシ基であり、ここで、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C3−6シクロアルキル基、C3−6シクロアルキルオキシ基、3〜6員のヘテロシクロアルキルオキシ基およびフェノキシ基は、各々独立して、置換可能な位置で、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、モノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ基カルボキシル基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C1−6アルコキシ基およびフェニル基からなる群から選択される1つまたは同一もしくは異なる2つ以上の基で置換されていてもよい。R1〜R3のより好ましい態様は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、メチル基エチル基イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基ヒドロキシメチル基エトキシメチル基、プロポキシメチル基、2−(ピロリジン−1−イル)エチル基、メトキシ基エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基イソブトキシ基、ネオペンチルオキシ基ジフルオロメトキシ基、トリフルオロエトキシ基、2−(ジメチルアミノ)エトキシ基、アリルオキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−(tert−ブトキシ)エトキシ基、2−モルホリノエトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基シクロプロピル基シクロブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、(1−メチルピペリジン−4−イル)オキシ基、(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ基またはフェノキシ基である。

0052

式(I)で表される本発明の化合物またはその中間体は、当業者にとって公知の方法で分離、精製することができる。例えば、抽出、分配再沈殿カラムクロマトグラフィー(例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィーイオン交換カラムクロマトグラフィー若しくは分取液体クロマトグラフィー)または再結晶などが挙げられる。

0053

式(I)で表される本発明の化合物は、1個または場合によりそれ以上の不斉炭素原子を有する場合があり、また幾何異性軸性キラリティを生じることがあるので、数種の光学または立体異性体として存在することがある。本発明においては、これらの光学または立体異性体、それらの混合物およびラセミ体は本発明の式(I)で表される化合物に包含される。

0054

本発明の化合物(I)は、例えば、置換基の種類によって、異性体が存在する場合がある。本明細書において、それらの異性体の一形態のみの化学構造で記載することがあるが、本発明には、構造上生じ得るすべての異性体(幾何異性体光学異性体互変異性体など)も含有し、異性体単体、またはそれらの混合物も包含される。
また、式(I)で表される本発明の化合物のいずれか1つまたは2つ以上の1Hを2H(D)に変換した重水素変換体も式(I)で表される化合物に包含される。
結晶として得られる式(I)で表される本発明の化合物およびその薬学的に許容される塩には、結晶多形が存在する場合があり、その結晶多形も本発明に包含される。

0055

本発明の化合物およびその薬学的に許容される塩は、例えば以下の方法によって製造することができる。なお、以下に示した製造法において、定義した基が実施方法の条件下で変化するか、または当該方法を実施するのに不向きな場合、有機合成化学通常用いられる方法、例えば、官能基の保護、脱保護[T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition, John Wiley & Sons, Inc., 1999]などの手段を付すことにより容易に製造することができる。また、必要に応じて置換基導入などの反応工程の順序を変えることもできる。

0056

本明細書において使用される略語および記号の意味は次の通りである。
THF:テトラヒドロフラン
NMP:N−メチルピロリドン
2−PrOH:2−プロパノール
IEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMFジメチルホルムアミド
TEA:トリエチルアミン
MeOH:メタノール
EtOH:エタノール
CHCl3:クロロホルム
CDCl3:重クロロホルム
DCM:ジクロロメタン
RuPhos:2−ジシクロへキシルホスフィノ−2’,6’−ジイソプロポキシビフェニル
BrettPhos: 2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−3,6−ジメトキシ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル
Xantphos:4,5−ビスジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン
Pd(dba)2:ビス(ジベンジリデンアセトンパラジウム(0)

0057

[本発明の化合物の製法
式(I)で表される本発明の化合物は、例えばスキーム1によって製造することができる。
[スキーム1]



(式中、環A、R1、R2、R3およびZは前記と同義である。)
化合物(I)は、クロロ体(II)とイミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−アミンを用いて、Buchwald/Hartwig型反応などのクロスカップリング反応でよく知られている条件を用いて製造することができる。すなわち、トルエン、THFやジオキサンなどの不活性な溶媒中、Pd(dba)2などのパラジウム触媒ナトリウムtert−ブトキシド炭酸カリウム炭酸セシウムなどの塩基と、RuPhos、BrettPhos、Xantphosなどのリガンドを用いて反応を行う。イミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−アミンは、クロロ体(II)に対し当量または過剰量用いることが好ましく、より好ましくは1当量から10当量である。反応は0℃から200℃の間で数分間から数日間、好ましくは20℃から150℃の間で、1時間から36時間反応させることにより合成することができる。もしくは、マイクロウェーブ合成装置を用い、例えば60℃から150℃の温度条件下で、数分から数時間反応させることによっても合成することができる。

0058

スキーム1の原料として用いられるクロロ体(II)は、例えばスキーム2に表す方法によって製造することができる。
[スキーム2]



(式中、環A、R1、R2、R3およびZは前記と同義である。)
化合物(II)は、ジクロロ体(III)と0.8〜5モル当量、好ましくは0.8〜1モル当量の化合物(IV)を溶媒中、加熱反応させることによって得ることができる。反応は必要に応じて、塩酸などの酸触媒、あるいは塩基を加えることができ、溶媒は、反応に不活性なものであればいずれでもよく、特に限定されるものではないが、例えば、極性溶媒、好ましくはDMFやTHFなどを用いることができる。また、化合物(IV)が液体かつ反応点アルコール性水酸基の場合は、化合物(IV)自体を溶媒として用いることもできる。反応は室温〜溶媒の還流条件下において、3〜24時間撹拌することで実施することができる。

0059

スキーム2の原料の一つである化合物(IV)は、市販品であるか、または公知の方法もしくはそれに準じた方法により製造することができる。
スキーム2の原料として用いられるジクロロ体(III)は、例えばスキーム3に表す方法によって製造することができる。
[スキーム3]



(式中、環A、R1、R2およびR3は前記と同義である。)
ジクロロ体(III)は、4,6−ジクロロ−2−(メチルスルホニル)ピリミジン(V)とアミン(VI)を反応させることにより製造することができる。すなわち、ジクロロ体(III)は、4,6−ジクロロ−2−(メチルスルホニル)ピリミジン(V)と0.5〜5モル当量、好ましくは1.2〜2.0モル当量のアミン(VI)を溶媒中で反応させることによって得ることができる。反応は必要に応じて、塩酸などの酸触媒、あるいは塩基を加えることができ、溶媒は反応に不活性なものであればいずれでもよく、特に限定されるものではないが、例えば、極性溶媒、好ましくはTHF、ジオキサンなどを用いることができる。反応は−78℃〜溶媒の還流条件下において、1〜24時間反応させることで実施することができるが、好ましくは−78〜−70℃条件下0.5〜2時間反応させることにより実施することができる。
スキーム3の原料の一つであるアミン(VI)は市販品として、または公知の方法もしくはそれに準じた方法により得ることができる。
ジクロロ体(III)は、スキーム3の4,6−ジクロロ−2−(メチルスルホニル)ピリミジン(V)の代わりに、2,4,6−トリクロロピリミジンを用い、同様な方法によっても製造することができる。

0060

スキーム1の原料として用いられるクロロ体(II)は、例えばスキーム4に表す方法によっても製造することができる。
[スキーム4]



(式中、環A、R1、R2、R3およびZは前記と同義である。)
クロロ体(II)は、化合物(VII)とアミン(VI)を反応させることにより製造することができる。すなわち、クロロ体(II)は、化合物(VII)と0.5〜2モル当量、好ましくは0.8〜1.5モル当量のアミン(VI)を溶媒中で反応させることによって得ることができる。反応は必要に応じて、塩酸などの酸触媒、あるいは塩基を加えることができ、溶媒は反応に不活性なものであればいずれでもよく、特に限定されるものではないが、例えば、極性溶媒、好ましくはEtOH、2−PrOHのアルコール溶媒、もしくはジオキサンやTHFなどを用いることができる。反応は−40℃〜溶媒の還流条件下において、1〜24時間反応させることで実施することができるが、好ましくは室温〜溶媒の還流条件下1〜16時間反応させることにより実施することができる。
スキーム4の原料として用いられる化合物(VII)は市販品として、または公知の方法もしくはそれに準じた方法により得ることができる。

0061

なお、上記の方法を適宜組み合わせ、有機合成化学で通常用いられる方法(例えば、アミノ基のアルキル化反応アルキルチオ基スルホキシド基もしくはスルホン基へ酸化する反応、アルコキシ基をヒドロキシル基、もしくはその逆へ変換する反応)を実施することにより、所望の位置に所望の官能基を有する本発明の化合物を得ることができる。

0062

[本発明の化合物の用途]
本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩は、経口投与非経口投与または局所的投与に適した従来の薬学製剤(医薬組成物)の形態に調製することができる。

0063

経口投与のための製剤は、錠剤顆粒粉末カプセルなどの固形剤、およびシロップなどの液体製剤を含む。これらの製剤は従来の方法によって調製することができる。固形剤は、ラクトースコーンスターチなどのデンプン微結晶性セルロースなどの結晶セルロースヒドロキシプロピルセルロースカルシウムカルボキシメチルセルロースタルクステアリン酸マグネシウムなどのような従来の薬学的担体を用いることによって調製することができる。カプセルは、このように調製した顆粒または粉末をカプセルに包むことによって調製することができる。シロップは、ショ糖、カルボキシメチルセルロースなどを含む水溶液中で、本発明の化合物(I)またはその薬学的に許容される塩を溶解または懸濁することによって調製することができる。

0064

非経口投与のための製剤は、点滴注入などの注入物を含む。注入製剤もまた従来の方法によって調製することができ、等張化剤(例えば、マンニトール塩化ナトリウムグルコースソルビトールグリセロールキシリトールフルクトースマルトースマンノース)、安定化剤(例えば、亜硫酸ナトリウムアルブミン)、防腐剤(例えば、ベンジルアルコール、p−オキシ安息香酸メチル)中に適宜組み入れることができる。

0065

本発明の化合物(I)またはその薬学的に許容される塩の用量は、疾患の重症度、患者の年齢および体重、投薬形態などに従って変化させることができるが、通常は成人において1日あたり1mg〜1,000mgの範囲であり、それは経口経路または非経口経路によって、1回、または2回もしくは3回に分割して投与することができる。

0066

また、本発明の化合物(I)またはその薬学的に許容される塩は、クロロキンやファンシダール等の既存の抗マラリア剤に耐性を示すマラリア原虫による感染症の感染治療、予防、伝播阻止としても有用である。またマラリア原虫増殖阻害剤として、実験用、研究用の試薬として用いることもできる。

0067

以下に実施例および試験例などを挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。

0068

化合物の同定は水素核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)およびマススペクトル(MS)により行った。1H−NMRは、特に指示のないかぎりは400MHzで測定されたものであり、また化合物および測定条件によっては交換水素が明瞭に観測されない場合がある。なお、br.は幅広シグナルブロード)を意味する。

0069

HPLC分取クロマトグラフィーは、市販のODSカラムを用い、特に記載のない限りは水/メタノール(ギ酸を含む)を溶出液としてグラジェントモードにて分取した。

0070

参考例1
4−クロロ−N−(6−エトキシピリジン−3−イル)−6−モルホリノピリミジン−2−アミンの製造



(第1工程)
5−アミノ−2−エトキシピリジン(0.5g、3.6mmol)のTHF溶液(5mL)を−78℃に冷却したのち、ナトリウムビス(トリメチルシリルアミドのTHF溶液(2M、3mL、6.0mmol)を加え、10分間撹拌した。反応溶液に4,6−ジクロロ−2−(メチルスルホニル)ピリミジン(0.548g、2.4mmol)のTHF溶液(5mL)を滴下し、さらに1時間撹拌した。原料の消失を確認したのち、酢酸と水を加え、50%酢酸エチルヘキサンで抽出した。得られた有機層無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去して得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、4,6−ジクロロ−N−(6−エトキシピリジン−3−イル)ピリミジン−2−アミン(0.325g)を得た。
1H-NMR(CDCl3) δ(ppm): 8.25 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.84 (dd, J = 2.9, 8.8 Hz, 1H), 7.00 (br. s, 1H), 6.77 - 6.74 (m, 2H), 4.35 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 1.40 (t, J = 7.1 Hz, 3H);LCMS(m/z) 285.1 [M+H]+.

0071

(第2工程)
4,6−ジクロロ−N−(6−エトキシピリジン−3−イル)ピリミジン−2−アミン(0.325g、1.14mmol)のDMF溶液(5mL)を0℃に冷却し、炭酸水素ナトリウム(0.191g、2.28mmol)とモルホリン(0.092g、1.05mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。原料の消失を確認したのち、水を加えて、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去して得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標記化合物(0.28g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ(ppm): 9.36 (br. s, 1H), 8.36 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.87 (dd, J = 2.7, 9.1Hz, 1H), 6.74 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.32 (s, 1H), 4.24 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 3.65 - 3.56 (m, 8H), 1.29 (t, J = 6.9 Hz, 3H);LCMS(m/z) 336.2 [M+H]+.

0072

参考例2
4−クロロ−6−モルホリノ−N−(ピリジン−4−イル)ピリミジン−2−アミンの製造



4−(2,6−ジクロロ−4−ピリミジル)モルホリン(1.0g、4.27mmol)及び4−アミノピリジン(0.321g、3.41mmol)の2−PrOH溶液(10mL)に濃塩酸触媒量添加し、90℃で16時間撹拌した。析出した固体を濾取し、2−PrOH、MeOH、及び酢酸エチルで順に洗浄し、白色の粗生成物を得た。得られた固体を10%MeOH/DCMに溶かし、水で洗浄した。得られた水層減圧下で濃縮し、得られた固体をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、TEA/MeOH/DCM)で精製し、標記化合物(0.8g)を得た。
1H-NMR(CD3OD) δ(ppm): 9.22 - 9.18 (m, 2H), 7.20 - 6.88 (m, 4H), 3.75 - 3.65 (m, 8H);LCMS(m/z) 292.4 [M+H]+.

0073

実施例7
N2−(6−エトキシピリジン−3−イル)−N4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−イル)−6−モルホリノピリミジン−2,4−ジアミンの製造



参考例1の化合物(0.2g、0.598mmol)、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−アミン(0.119g、0.898mmol)、およびナトリウムtert−ブトキシド(0.115g、1.19mmol)のジオキサン溶液(7mL)を脱気し、Brettphos palladacycle G1(0.048g、0.05mmol)とRuphos(0.028g、0.05mmol)を添加した。さらに反応溶液を5分間窒素を吹き込んで脱気し、マイクロウェーブ反応装置を用いて、110℃で30分間反応させた。原料の消失を確認したのち、反応混合物セライト濾過し、さらに10%MeOH/DCMで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、得られた固体をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/DCM)で精製し、標記化合物(0.05g)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ(ppm): 9.16 (s, 1H), 8.90 (br. s, 1H), 8.38 - 8.33 (m, 2H), 8.10 - 8.05 (m, 1H), 8.01 (dd, J = 2.7, 9.1 Hz, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.05 - 7.00 (m, 1H), 6.78 - 6.70 (m,1H), 5.56 (s, 1H), 4.25 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.70 - 3.67 (m, 4H), 3.45 - 3.43 (m, 4H), 1.29 (t, J = 6.9 Hz, 3H);LCMS(m/z) 433.3 [M+H]+.

0074

実施例1〜6、8〜222
以下の実施例化合物[表1−1]〜[表1−40]は、それぞれ対応する原料(市販品、または市販化合物から公知の方法もしくはそれに準じた方法により誘導体化した化合物)を用い、上述の実施例7記載の方法に従い、必要に応じて、有機合成化学で通常用いられる方法を適宜組み合わせて製造した。
また、各々の化合物の物理化学データを[表2−1]〜[表2−41]に示した。

0075

0076

試験例1:in vitroにおける抗マラリア活性試験
本発明の化合物の抗マラリア活性の評価は、東京大学大学院医学研究科教授より分与された、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)の薬剤耐性株であるK1株および薬剤感受性株であるFCR3株を用いて、これらのマラリア原虫に対する化合物のin vitroにおける抗マラリア活性を乙黒らの方法(Otoguro, K., Kohana, A., Manabe, C., Ishiyama,A., Ui, H., Shiomi, K., Yamada, H. & Omura, S.: Potent antimalarial activity of polyether antibiotic, X-206. J. Antibiot., 54: 658-663, (2001))に従って測定した。

0077

試験原虫の培養については、TragerとJensenの方法(Trager, W. and Jensen, J.: Human malaria parasites in continuous culture, Science, 193: 673-677, (1976))を若干改変し、維持、継代を行ったものを用いた。すなわち、培養シャーレ内で、10%ヒト血漿を添加したRPMI1640培地新鮮ヒト赤血球を用いて継代した原虫感染赤血球希釈し(ヘマトクリット値:2〜5%、原虫感染赤血球率:0.25〜1%)、37℃にて3%O2−4%CO2−93%N2の混合ガス下で培養を行い、2〜3日毎に培地交換と新鮮な赤血球を添加して連続培養を行った。

0078

薬剤感受性試験は、Desjardinsらの方法(Desjardins, R. E., Canfield, C. J., Haynes, D. E. and Chulay, J. D.: Quantitative assessment of antimalarial activity in vitro by a semiautomated microdilution technique. Antimicrob. Agents Chemother., 16: 710-718 (1979))を改変して行った。具体的には、96穴プレートの各ウェルに前培養した原虫浮遊液(ヘマトクリット値:2%、原虫感染赤血球率:0.5又は1%)190μLと最終濃度12.5〜0.0001μMとなるような濃度段階希釈した被験化合物の溶液(5%DMSO溶液)10μLを添加し、混和後、前述の混合ガス下で72時間培養を行った。

0079

原虫増殖の測定はMaklerらの方法(Makler, M. T., Rise, J. M., Williams, J. A., Bancroft, J. E., Piper, R. C., Gibbins, B. L. and Hinrichs, D. J.: Parasite lactate dehydrogenase as an Assay for Plasmodium falciparum drug sensitivity, Am. J. Med. Hyg., 48: 739-741 (1993))を改変し、Malstat試薬(Flow社、米国)にて原虫の乳酸脱水素酵素(p−LDH)を比色定量する方法を用いた。

0080

すなわち、培養72時間後に96穴プレートを直接−20℃下で18時間凍結後、37℃下で融解することにより、原虫感染赤血球を溶血させ、かつ原虫を破壊させて粗酵素液を調製した。新たな96穴プレートの各ウェルにMalstat試薬100μLと粗酵素液20μLを添加、混和し、15分間室温にて反応後、ニトロブルーテトラゾリウム(nitroblue tetrazolium)2mg/mL:フェナジンエトサルフェート(phenazine ethosulfate)0.1mg/mL=1:1溶液20μLを各ウェルに添加し、遮光条件下、室温にて2時間反応させた。

0081

反応により生じたブルーフォルマザン(blue formazan)生成物マイクロプレートリーダー(Labosystems社、フィンランド国)を用いて、測定波長655nmでの吸光度を測定することにより、原虫の増殖の有無を比色定量した。化合物の50%原虫増殖阻止濃度(IC50値)は化合物濃度作用曲線より求めた。

0082

(評価結果)
本発明の化合物は、in vitro抗マラリア活性試験において、強い抗マラリア活性を示した。本発明の代表化合物の培養熱帯熱マラリア原虫に対する抗マラリア活性を[表3−1]〜[表3−8]に示す。抗マラリア活性は、IC50値が、0.1μM未満を***印、0.1μM以上1μM未満を**印、1μM以上10μM未満を*印で示した。また試験が未実施の場合はNT(Not Tested)印で示した。

0083

本発明の化合物は、薬剤耐性株であるK1株および薬剤感受性のFCR3株に対して同程度の強い抗マラリア活性を示し、この結果は、本発明の化合物が、マラリア原虫類の増殖抑制に対して優れた有効性を有することを示している。

0084

試験例2:in vivoにおける抗マラリア活性試験
本発明の化合物のネズミマラリア原虫P. bergheiN株(薬剤感受性株)感染実験モデルに対するin vivoでの治療効果を前述の乙黒ら(2001)の方法およびPetersらの方法(Peters, W., Portus, J. H. and Robinson, B. L.: The chemotherapy of rodent malaria. XXII. The value of drug-resistant strains of P. berghei in Screening for blood schizonticidal activity. Ann. Trop. Med. Parasitol., 69: 155-171, (1975))を若干改変して測定した。ネズミマラリア原虫P. berghei N株は、Dr.W.Peters(Northwick Park Institute for Medical Research, Meddlesex, 英国)より分与を受けた。
供試動物としてはICRマウス(日本チャールス・リバー社)の雄、体重18〜20gの一群3匹を用いた。in vivo passageにて維持・継代した原虫を2×106個の寄生虫感染赤血球を調整し、尾静脈接種にて感染させた。治療実験は1日間suppressive testで行った。感染日を0日目として、感染2時間後に被験化合物溶液(溶媒:3%DMSO/0.5%メチルセルロース400溶液もしくは懸濁液)を腹腔内(i.p.)に1〜3回投与し、4日目に尾静脈より血液塗末標本を作成し、原虫感染赤血球率(parasitaemia)を観察し、化合物非投与群感染率より治療効果(阻害%)を判定した。有意差検定はDunnett検定で行った。

0085

本発明の代表化合物のin vivo抗マラリア活性を表4に示す。

実施例

0086

本発明の化合物は、ネズミマラリア原虫P. bergheiN株感染実験モデルに対して、各々3または10mg/kg単回または2回i.p.投与で薬剤無添加対照群と比べ有意に原虫感染赤血球率の50%抑制効果を示し、感染治療効果が認められた。この結果は、本発明の化合物の50%有効投与量(ED50値)は3〜10mg/kg近辺と考えられ、マラリア原虫類の感染治療薬として低用量で優れた有効性を有することを示している。

0087

本発明の化合物は、ヒト感染性マラリア原虫類、例えば、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫およびサルマラリア原虫の感染症の治療剤、予防剤および/または伝播阻止剤として有用である。さらに、クロロキンやファンシダールなどの既存の抗マラリア薬に耐性を示すマラリア原虫による感染症の治療、予防および伝播阻止においても有用である。また、マラリア原虫の増殖阻害剤として、実験用または研究用の試薬で使用することができる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

この 技術と関連性が強い技術

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い法人

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い人物

該当するデータがありません

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ