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技術 ガラスフィルム−樹脂複合体

出願人 日東電工株式会社
発明者 村重毅稲垣淳一細川和人仲井宏太菅野敏広
出願日 2017年10月24日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-547685
公開日 2019年9月19日 (5ヶ月経過) 公開番号 WO2018-079545
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 短辺両端 補強用樹脂 競合関係 概念断面図 物理的意味 ガラスロール 薄ガラス 電着コーティング
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図面 (4)

課題・解決手段

長尺状(例えば、長さ500m以上)のガラスロールを得ることが可能なガラスフィルム樹脂複合体を提供する。 ガラスフィルムと、該ガラスフィルムの少なくとも一方の面に接着剤を介して積層された樹脂テープとを有するガラスフィルム−樹脂複合体であって、 該樹脂テープの幅l(mm)が、下記数式(1)を満たすことを特徴とする、ガラスフィルム−樹脂複合体。(式中、aは1.10以上である補強係数(mm*(μm)1/2)を表し、Egはガラスフィルムのヤング率(GPa)を表し、Epは樹脂テープのヤング率(GPa)を表し、tgはガラスフィルムの厚み(μm)を表し、tpは樹脂テープの厚み(μm)を表す。)

概要

背景

近年、液晶表示素子有機ELを用いた表示・照明素子、さらに太陽電池は、搬送性収納性デザイン性の観点から軽量、薄型化が進んでおり、またロール・ツー・ロールプロセスによる連続生産に向けた開発も進んでいる。

そうした中、これらの素子等に用いられるガラスに可撓性を持たせる方法として、極薄(例えば、厚みが200μm以下)の薄ガラス(以下「ガラスフィルム」ともいう。)の使用が提案されている。ガラスフィルムは可撓性を有しており、ロール状に巻き取ることができるため、ロール・ツー・ロールプロセスでの加工が可能である。これまで、ロール・ツー・ロールプロセスを用いて、ガラスフィルムに偏光板透明電極などを加工する方法などについての開示がある。
例えば、米国特許第8525405号明細書は、ロール・ツー・ロールプロセスを用いて可撓性ガラス層を備えるディスプレイを作製する方法を開示している。

ところで、ガラスフィルムは曲げによる引張応力に弱く、端部(エッジ)から割れることが知られている。そのため、ガラスフィルムの加工方法についての多くの検討がなされている。
例えば、特開2015−504397号公報は、ガラスフィルムの湾曲または巻取りを可能にするのに十分な程度にガラスフィルムのエッジ品質をよくする(平均表面粗さを2nm以下とする)ことで、エッジからのクラックの形成をできる限りまたは完全に防止するガラスフィルムを提供することを開示している。
さらに、特許4326635号公報は、ガラスロールの構造において薄板ガラスに不要な負荷が作用し難く、取り扱い時の破損や損傷のおそれを少なくし、安全な搬送を目的とした薄板ガラスロールの提供を目的として、薄板ガラスが剥離可能な樹脂フィルムとともにロール状に巻回された薄板ガラスロールを開示している。
しかしながら、これら従来の技術をもってしても、クラックの発生に伴うガラスの破損を完全に防止するには至っていない。

また、ロールへの曲げ接触により、表面に応力が掛った際、ガラスフィルムの端部を起点として割れるなど、ロール搬送に関しても課題が残る。
そこで、ガラスフィルムの片面若しくは両面、又は幅方向両端部に樹脂フィルムを貼合せることで、端部(エッジ)にクラックが発生するのを防止したり、発生したクラックの伸展を防止したりする方法が提案されている。
例えば、特許5754530号公報は、ガラスが極めて薄いものであっても十分な搬送性、ハンドリング性及び加工性を備えたガラス・樹脂複合体の製造方法を提供することを目的として、ガラスリボン光硬化型樹脂フィルム圧着し、紫外線照射して硬化せしめることで樹脂層を形成することを開示している。

さらに、国際公開第2015/118985号パンフレットは、ガラスシート同士のブロッキング防止等のために、ガラスシートの片面に樹脂塗膜が形成されたガラスロールを開示している。
国際公開第2015/174216号パンフレットは、ガラスシートに樹脂層を接着した複合体において、曲げ変形や端部の切断等を行って、ガラスシートの端部やその近傍に割れが生じても、その割れが有効領域に伝播するのを抑制するために、ガラスシートの有効領域の外側に犠牲溝を形成することを開示している。
特開2015−214468号公報は、ガラスシートに180°ピール剥離強度が1N/25mm以上の接着力ヤング率が100MPa以上、厚さが1〜100μmの樹脂層を接着することでガラスシートの割れの伝播を抑制しながら切断することを開示している。
特表2013−500923号公報は、ガラスリボンのハンドリング、搬送を容易にするために、ガラスリボンの端部を、既成フィルム等の可撓性材料によってコーティングすること、またその際、コーティングとガラスを接着剤で接着させてもよいことを開示している。

しかしながら、ロール・ツー・ロールプロセスを用いて高効率的に加工を施すのに必要な長尺状のガラスフィルム、例えば長さ500m以上(望ましくは長さ1000m以上)のガラスフィルムは未だ流通しておらず、実現できていないのが実情である。

概要

長尺状(例えば、長さ500m以上)のガラスロールを得ることが可能なガラスフィルム−樹脂複合体を提供する。 ガラスフィルムと、該ガラスフィルムの少なくとも一方の面に接着剤を介して積層された樹脂テープとを有するガラスフィルム−樹脂複合体であって、 該樹脂テープの幅l(mm)が、下記数式(1)を満たすことを特徴とする、ガラスフィルム−樹脂複合体。(式中、aは1.10以上である補強係数(mm*(μm)1/2)を表し、Egはガラスフィルムのヤング率(GPa)を表し、Epは樹脂テープのヤング率(GPa)を表し、tgはガラスフィルムの厚み(μm)を表し、tpは樹脂テープの厚み(μm)を表す。)

目的

例えば、特開2015−504397号公報は、ガラスフィルムの湾曲または巻取りを可能にするのに十分な程度にガラスフィルムのエッジ品質をよくする(平均表面粗さを2nm以下とする)ことで、エッジからのクラックの形成をできる限りまたは完全に防止するガラスフィルムを提供する

効果

実績

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請求項1

ガラスフィルムと、該ガラスフィルムの少なくとも一方の面に接着剤を介して積層された樹脂テープとを有するガラスフィルム−樹脂複合体であって、該樹脂テープの幅l(mm)が、下記数式(1)を満たすことを特徴とする、ガラスフィルム−樹脂複合体。(式中、aは1.10以上である補強係数(mm*(μm)1/2)を表し、Egはガラスフィルムのヤング率(GPa)を表し、Epは樹脂テープのヤング率(GPa)を表し、tgはガラスフィルムの厚み(μm)を表し、tpは樹脂テープの厚み(μm)を表す。)

請求項2

前記ガラスフィルムが、ガラスリボンであることを特徴とする、請求項1記載のガラスフィルム−樹脂複合体。

請求項3

前記樹脂テープが、前記ガラスリボンの幅方向両端部近傍のそれぞれに互いに離間した状態で、複数本積層されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のガラスフィルム−樹脂複合体。

請求項4

前記樹脂テープが、前記ガラスフィルムの少なくとも一方の面に剥離性を伴わない接着剤で積層されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラスフィルム−樹脂複合体。

請求項5

前記樹脂テープの幅lが60mm以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラスフィルム−樹脂複合体。

請求項6

前記接着剤の弾性率が1GPa以上であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラスフィルム−樹脂複合体。

請求項7

前記ガラスフィルムの厚みtgが200μm以下であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のガラスフィルム−樹脂複合体。

請求項8

長尺状のガラスロールを製造するのに用いられることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のガラスフィルム−樹脂複合体。

技術分野

0001

本発明は、ガラスフィルム樹脂複合体に関する。特に、本発明は、長尺状(例えば、長さ500m以上)のガラスロールを得ることが可能なガラスフィルム−樹脂複合体に関する。

背景技術

0002

近年、液晶表示素子有機ELを用いた表示・照明素子、さらに太陽電池は、搬送性収納性デザイン性の観点から軽量、薄型化が進んでおり、またロール・ツー・ロールプロセスによる連続生産に向けた開発も進んでいる。

0003

そうした中、これらの素子等に用いられるガラスに可撓性を持たせる方法として、極薄(例えば、厚みが200μm以下)の薄ガラス(以下「ガラスフィルム」ともいう。)の使用が提案されている。ガラスフィルムは可撓性を有しており、ロール状に巻き取ることができるため、ロール・ツー・ロールプロセスでの加工が可能である。これまで、ロール・ツー・ロールプロセスを用いて、ガラスフィルムに偏光板透明電極などを加工する方法などについての開示がある。
例えば、米国特許第8525405号明細書は、ロール・ツー・ロールプロセスを用いて可撓性ガラス層を備えるディスプレイを作製する方法を開示している。

0004

ところで、ガラスフィルムは曲げによる引張応力に弱く、端部(エッジ)から割れることが知られている。そのため、ガラスフィルムの加工方法についての多くの検討がなされている。
例えば、特開2015−504397号公報は、ガラスフィルムの湾曲または巻取りを可能にするのに十分な程度にガラスフィルムのエッジ品質をよくする(平均表面粗さを2nm以下とする)ことで、エッジからのクラックの形成をできる限りまたは完全に防止するガラスフィルムを提供することを開示している。
さらに、特許4326635号公報は、ガラスロールの構造において薄板ガラスに不要な負荷が作用し難く、取り扱い時の破損や損傷のおそれを少なくし、安全な搬送を目的とした薄板ガラスロールの提供を目的として、薄板ガラスが剥離可能な樹脂フィルムとともにロール状に巻回された薄板ガラスロールを開示している。
しかしながら、これら従来の技術をもってしても、クラックの発生に伴うガラスの破損を完全に防止するには至っていない。

0005

また、ロールへの曲げ接触により、表面に応力が掛った際、ガラスフィルムの端部を起点として割れるなど、ロール搬送に関しても課題が残る。
そこで、ガラスフィルムの片面若しくは両面、又は幅方向両端部に樹脂フィルムを貼合せることで、端部(エッジ)にクラックが発生するのを防止したり、発生したクラックの伸展を防止したりする方法が提案されている。
例えば、特許5754530号公報は、ガラスが極めて薄いものであっても十分な搬送性、ハンドリング性及び加工性を備えたガラス・樹脂複合体の製造方法を提供することを目的として、ガラスリボン光硬化型樹脂フィルム圧着し、紫外線照射して硬化せしめることで樹脂層を形成することを開示している。

0006

さらに、国際公開第2015/118985号パンフレットは、ガラスシート同士のブロッキング防止等のために、ガラスシートの片面に樹脂塗膜が形成されたガラスロールを開示している。
国際公開第2015/174216号パンフレットは、ガラスシートに樹脂層を接着した複合体において、曲げ変形や端部の切断等を行って、ガラスシートの端部やその近傍に割れが生じても、その割れが有効領域に伝播するのを抑制するために、ガラスシートの有効領域の外側に犠牲溝を形成することを開示している。
特開2015−214468号公報は、ガラスシートに180°ピール剥離強度が1N/25mm以上の接着力ヤング率が100MPa以上、厚さが1〜100μmの樹脂層を接着することでガラスシートの割れの伝播を抑制しながら切断することを開示している。
特表2013−500923号公報は、ガラスリボンのハンドリング、搬送を容易にするために、ガラスリボンの端部を、既成フィルム等の可撓性材料によってコーティングすること、またその際、コーティングとガラスを接着剤で接着させてもよいことを開示している。

0007

しかしながら、ロール・ツー・ロールプロセスを用いて高効率的に加工を施すのに必要な長尺状のガラスフィルム、例えば長さ500m以上(望ましくは長さ1000m以上)のガラスフィルムは未だ流通しておらず、実現できていないのが実情である。

先行技術

0008

米国特許第8525405号明細書
特開2015−504397号公報
特許4326635号公報
特許5754530号公報
国際公開第2015/118985号パンフレット
国際公開第2015/174216号パンフレット
特開2015−214468号公報
特表2013−500923号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、長尺状(例えば、長さ500m以上)のガラスロールを得ることが可能なガラスフィルム−樹脂複合体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ガラスフィルムと、ガラスフィルムの少なくとも一方の面に接着剤を介して積層された樹脂テープとを有するガラスフィルム−樹脂複合体において、樹脂テープの幅l(mm)と、ガラスフィルムのヤング率Eg(GPa)、樹脂テープのヤング率Ep(GPa)、ガラスフィルムの厚みtg(μm)、及び樹脂テープの厚みtp(μm)との間の関係を示す補強係数a(mm*(μm)1/2)が所定の大きさを有する場合に、ガラスフィルムの端部(エッジ)に形成されたクラックを起点とする破壊伝搬が樹脂テープ内で留まるようにすることが可能となり、上記課題を解決することができることを見出し、本発明に到ったものである。

0011

本発明者らはまず、ガラス補強用樹脂テープとガラスフィルムとの力学的な競合関係が、ガラスフィルムを屈曲させた際の破壊もしくは破壊の抑制の主要因であると仮定した。ガラス補強用樹脂テープについては、弾性率、厚み、及び幅が、一方、ガラスについては、弾性率、及び厚みが、それぞれこの力学的な競合関係に影響すると考えられる。これらのパラメータ物理的に独立な定数であって独立項として扱うことができるため、積で表現し、定数aで結びつけ、近似的に規定することのできる関係式を導いた。特定の理論に拘束されるものではないが、導かれた関係式の物理的意味合いは、次のように考えることができる。すなわち、ガラスフィルムの弾性率や厚みが高まると、ガラスに生じる表面の曲げ応力は増加するため、ガラス補強用樹脂テープの幅も広い方が好ましいことになる。一方、ガラス補強用樹脂テープの弾性率や厚みは、ガラスの破壊を防止する方向に働くと予想されるため、破壊の境界となるガラス補強用樹脂テープの幅は、実質的に狭くなる方向になる。ガラスフィルムの厚みの影響は、1/2乗として評価することにより、近似の精度が向上する。

0012

すなわち、本発明は、ガラスフィルムと、該ガラスフィルムの少なくとも一方の面に接着剤を介して積層された樹脂テープとを有するガラスフィルム−樹脂複合体であって、
該樹脂テープの幅l(mm)が、下記数式(1)を満たすことを特徴とする、ガラスフィルム−樹脂複合体である。

0013

(式中、aは1.10以上である補強係数(mm*(μm)1/2)を表し、Egはガラスフィルムのヤング率(GPa)を表し、Epは樹脂テープのヤング率(GPa)を表し、tgはガラスフィルムの厚み(μm)を表し、tpは樹脂テープの厚み(μm)を表す。)

0014

また、本発明のガラスフィルム−樹脂複合体において、前記ガラスフィルムは、ガラスリボンとすることができる。
また、本発明のガラスフィルム−樹脂複合体において、前記樹脂テープが、前記ガラスリボンの幅方向両端部近傍のそれぞれに互いに離間した状態で、複数本積層されているようにすることができる。
また、本発明のガラスフィルム−樹脂複合体において、前記樹脂テープが、前記ガラスフィルムの少なくとも一方の面に剥離性を伴わない接着剤を積層されているようにすることができる。
また、本発明のガラスフィルム−樹脂複合体において、前記樹脂テープの幅lが60(mm)以下であるようにすることができる。
また、本発明のガラスフィルム−樹脂複合体において、前記接着剤の弾性率が1GPa以上であるのが好ましい。
さらに、本発明のガラスフィルム−樹脂複合体において、前記ガラスフィルムの厚みtgが200μm以下であるのが好ましい。
さらには、本発明のガラスフィルム−樹脂複合体は、長尺状のガラスロールを製造するのに用いられることが好ましい。

発明の効果

0015

本発明のガラスフィルム−樹脂複合体によれば、ガラスフィルムの端部(エッジ)に形成されたクラックを起点とする破壊伝搬が樹脂テープ内で留まるようにすることができるため、長尺状(例えば、長さ500m以上)のガラスロールを得ることが可能となる。

図面の簡単な説明

0016

本発明のガラスフィルム−樹脂複合体の一形態の概念断面図である。
本発明のガラスフィルム−樹脂複合体の他の一形態の概念断面図である。
本発明のガラスフィルム−樹脂複合体の別の一形態の概念断面図である。

発明を実施するための最良の形態

0017

本発明のガラスフィルム−樹脂複合体の一形態の概念断面図を示す図1を参照して、本発明によるガラスフィルム−樹脂複合体は、ガラスフィルム1と、ガラスフィルムの少なくとも一方の面に接着剤2を介して積層された樹脂テープ3とを有するガラスフィルム−樹脂複合体である。
そして、本発明によるガラスフィルム−樹脂複合体は、樹脂テープの幅l(mm)と、ガラスフィルムのヤング率Eg(GPa)、樹脂テープのヤング率Ep(GPa)、ガラスフィルムの厚みtg(μm)、及び樹脂テープの厚みtp(μm)との間の関係を示す補強係数a(mm*(μm)1/2)が所定の大きさを有するものである。

0018

(ガラスフィルム)
本発明のガラスフィルム−樹脂複合体用のガラスフィルムとしては、任意の適切な製造方法で得られたものが用いられ得る。代表的には、ガラスフィルムは、シリカアルミナ等の主原料と、芒硝酸化アンチモン等の消泡剤と、カーボン等の還元剤とを含む混合物を、1400℃〜1600℃の温度で溶融し、薄板状に成形した後、冷却して作製される。
ガラスフィルムの成形方法は、例えば、スロットダウンドロー法フュージョン法フロート法等が挙げられる。これらのうちフュージョン法によって成形したガラスフィルムは、フロート法によって成形した場合のように表面が錫等で汚染されていないので研磨処理を行う必要がなく、また表面の平滑性及び薄型化を確保することができる。これらの観点から、フュージョン法を用いるのが好ましい。
本発明のガラスフィルム−樹脂複合体に使用するガラスフィルムは、樹脂テープの幅l(mm)、ヤング率Ep(GPa)、厚みtp(μm)との関係で、所定の補強係数a(mm*(μm)1/2)が所定の大きさを有するものとなるような、ヤング率Eg(GPa)及び厚みtg(μm)を有するものである。
ガラスフィルムのヤング率Egは、通常70GPa程度であるが、好ましくは50〜120GPa、より好ましくは60〜80GPa、さらに好ましくは65〜75GPaである。
ガラスフィルムの厚みtgは、好ましくは200μm以下であり、より好ましくは10μm〜200μmであり、さらに好ましくは20μm〜150μmであり、特に好ましくは30μm〜100μmである。なお、「ガラスフィルムの厚み」とは、樹脂テープが積層される部分の厚みである。
ガラスフィルムの幅は、好ましくは50mm〜2000mmであり、より好ましくは100mm〜1500mmである。

0019

ガラスフィルムは、好ましくは長尺状のガラスリボンである。長尺状である場合、その長さは、好ましくは100m以上であり、より好ましくは500m以上である。
本発明のガラスフィルム−樹脂複合体の他の一形態の概念断面図を示す図2aを参照して、ガラスフィルム1が長尺状のガラスリボンである場合に、樹脂テープ3を、ガラスリボンの幅方向両端部近傍のそれぞれに互いに離間した状態で、複数本積層することができる。これにより、ガラスリボンの幅方向両端部に形成されたクラックを起点とする破壊伝搬が樹脂テープ内で留まるようにすることができるため、長尺状(例えば、長さ500m以上)のガラスロールを得ることができる。
樹脂テープ3をガラスフィルム1に積層する際、ガラスフィルム1の一方の面のみに積層することとしてもよく(図2a参照)、ガラスフィルム1の両方の面に積層することとしてもよい(図2b参照)。

0020

(樹脂テープ)
本発明のガラスフィルム−樹脂複合体用の樹脂テープは、任意の適切な樹脂材料から構成され得る。樹脂テープを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンポリ塩化ビニルポリエチレンテレフタレートポリ塩化ビニリデンポリプロピレンポリビニルアルコールポリエステルポリカーボネートポリスチレンポリアクリロニトリルエチレン酢酸ビニル共重合体エチレンビニルアルコール共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体ナイロンセロファンシリコーン樹脂等が挙げられる。また、後述する接着剤の層との密着性を高めるため、樹脂テープの表面に予め易接着層となるプライマ層を設けるか、またはコロナ処理プラズマ処理などの表面改質事前に行ってもよい。プライマ層を構成する成分としては、樹脂テープあるいは接着剤の層と十分な接着性を有するものであれば特に限定されないが、ポリエステル樹脂ポリカーボネート樹脂エポキシ樹脂アルキッド樹脂アクリル樹脂尿素樹脂ウレタン樹脂などを好適に用いることができる。特にポリエステルからなるフィルム基材を用いる場合は、接着性の点から、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂から選ばれる樹脂を用いることがより好ましく、また、異なる2種の樹脂、例えばポリエステル樹脂とウレタン樹脂、ポリエステル樹脂とアクリル樹脂、アクリル樹脂とウレタン樹脂を組み合わせて用いてもよい。
本発明のガラスフィルム−樹脂複合体に使用する樹脂テープは、そのヤング率Ep(GPa)及び厚みtp(μm)と、樹脂テープにより補強しようとするガラスフィルムのヤング率Eg(GPa)及び厚みtg(μm)を考慮して、次の数式(1)で表される樹脂テープの幅l(mm)が、補強係数a(mm*(μm)1/2)が1.10以上となるようなものである。これにより、ガラスフィルムの端部でクラックが発生したとしても、かかるクラックが伸展するのを、樹脂テープにより抑制することができる。

0021

(式中、aは1.10以上である補強係数(mm*(μm)1/2)を表し、Egはガラスフィルムのヤング率(GPa)を表し、Epは樹脂テープのヤング率(GPa)を表し、tgはガラスフィルムの厚み(μm)を表し、tpは樹脂テープの厚み(μm)を表す。)

0022

樹脂テープの幅l(複数本ある場合は、1本当たりの幅)は、数式(1)を満たす限り特に制限されず、適切な幅とされるが、ガラスフィルムを効率的に得る観点からは、好ましくは60mm以下であり、より好ましくは50mm以下であり、さらに好ましくは30μm以下であり、さらに好ましくは20μm以下であり、特に好ましくは10μm以下である。また、ガラスフィルムの幅にも依るものの、樹脂テープの幅(複数本ある場合は、1本当たりの幅)は、ガラスフィルムの幅に対して、好ましくは1%〜10%であり、より好ましくは1%〜5%である。また、ガラスフィルムの全面を補強する場合、樹脂テープの幅は、ガラスフィルムの幅に対して、好ましくは80%〜110%であり、より好ましくは90%〜100%である。ガラスフィルムがガラスリボンである場合の好ましい樹脂テープの幅lについては、上に記載した通りである。
樹脂テープの厚みtpは、数式(1)を満たす限り特に制限されず、好ましくは2μm〜200μmであり、より好ましくは10μm〜150μmであり、さらに好ましくは20μm〜100μmである。
樹脂テープの長さは、ガラスフィルムの長さに応じて、任意の適切な長さとされ得る。
数式(1)において採用する補強係数a(mm*(μm)1/2)は、1.10以上であり、好ましくは1.30以上である。

0023

(接着剤)
本発明のガラスフィルム−樹脂複合体において、ガラスフィルムの上に樹脂テープを積層するために使用する接着剤の層を構成する材料としては、例えば、エポキシ系接着剤ゴム系接着剤アクリル系接着剤シリコーン系接着剤ウレタン系粘着剤等やこれらの混合物が挙げられる。使用できる接着材料として、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルビニルアルコールなどの混合物がある。エポキシ樹脂、ポリビニルブチラールポリメタクリル酸エステル環化ゴムエチルセルロースビニル共重合体などがあり、ガラスフィルムとの接着性が良好である。また、接着材料の特性として、可視波長域光学的に透明なものを用いることが特に好ましい。接着剤の層の硬化には光硬化熱硬化またはこれらの複合により硬化させることが好ましい。
接着剤の弾性率は、好ましくは1GPa以上であり、好ましくは2〜10GPaである。
接着剤の厚みは、好ましくは1μm〜50μmであり、より好ましくは10μm〜30μmである。
本発明のガラスフィルム−樹脂複合体において、樹脂テープが、ガラスフィルムの少なくとも一方の面に剥離性を伴わない接着剤を介して積層されていることが好ましい。これにより、樹脂テープの幅が小さくてもクラックの伸展を抑制できるため、樹脂テープをガラスフィルムに貼り付ける(圧着する)ときにガラスフィルム表面にクラックが発生するリスクを低減することができる。

0024

(ガラスフィルム−樹脂複合体の製法
本発明のガラスフィルム−樹脂複合体を製造する場合、例えば、まずガラスフィルムと樹脂テープとを貼り合せる前に、ガラスフィルム又は樹脂テープ上に接着剤を塗布する。好ましくは、長尺状の樹脂テープを送り出し、樹脂テープ上に接着剤を塗布し、ガラスフィルムと樹脂テープとの貼り合せを行う。塗布方法としては、エアドクターコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティングスロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、電着コーティングディップコーティングダイコーティング等のコーティング法フレキソ印刷等の凸版印刷法ダイレクトグラビア印刷法、オフセットグラビア印刷法等の凹版印刷法オフセット印刷法等の平版印刷法スクリーン印刷法等の孔版印刷法等の印刷法が挙げられる。硬化性の接着剤を用いる場合、ガラスフィルムと樹脂テープとを貼り合せた後、接着剤の層を硬化させ得る。硬化方法としては、例えば、紫外光照射および/または加熱処理により硬化させる方法が挙げられる。紫外光照射の照射条件は、代表的には、照射積算光量が100mJ/cm2〜2000mJ/cm2であり、好ましくは200mJ/cm2〜1000mJ/cm2である。

0025

以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0026

(ガラス補強用樹脂テープの作製)
ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィン、ポリプロピレンなる樹脂を用いて、丸刃スリットにより、異なる幅l(3,5,10,20,25または50mm)と厚みtp(25または100μm)との組合せを有する、長さ100mmのガラス補強用の樹脂テープを作製した。
この樹脂テープのヤング率は、樹脂テープ作製に使用したポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィン、ポリプロピレンなる樹脂を用いて、厚み50μm、幅2cm、長さ15cmの短冊樹脂サンプルを作製し、オートグラフ島津製作所社製、AG−I)を用いて、25℃における短冊状樹脂サンプルの長手方向の伸びと応力とを測定することにより決定した。試験条件は、チャック間距離を10cm、引っ張り速度を10mm/minとした。短冊状樹脂サンプルについて得られたヤング率の値と、上記それぞれの樹脂テープの寸法から、樹脂テープのヤング率Ep(GPa)を算出した。

0027

(ガラスフィルムの用意)
サイズ100mm×60mmであって、厚みtgが50または100μmであるガラスフィルム(日本電気硝子社製;OA10)を用意した。このガラスフィルムのヤング率Eg(GPa)を、共振法により特定した。

0028

(接着剤の準備)
エポキシ系樹脂セロサイド2021P、ダイセル化学工業社製)、エポキシ系樹脂(EHPE3150、ダイセル化学工業社製)、オキセタン系樹脂アロンオキセタンOXT−221、東亜合成社製)、エポキシ基末端カップリング剤KBM−403 信越化学工業社製)、及び重合開始剤サンアプロ株式会社製CPI101A サンアプロ株式会社製)を、60:10:20:4:2の割合で混合して、紫外線硬化性の接着剤を準備した。

0029

実施例1〜22
(ガラスフィルム−樹脂複合体試験片の作製)
用意したガラスフィルムと、上記のように作製した樹脂テープとを用いて、次式において、補強係数a(mm*(μm)1/2)が1.10以上となるような組合せを用意した。

0030

(式中、aは補強係数(mm*(μm)1/2)を表し、Egはガラスフィルムのヤング率(GPa)を表し、Epは樹脂テープのヤング率(GPa)を表し、tgはガラスフィルムの厚み(μm)を表し、tpは樹脂テープの厚み(μm)を表す。)

0031

ガラスフィルムの片面に、ガラス補強用樹脂テープを、準備した接着剤を介して貼りつけた。ガラス補強用樹脂テープの貼り付け位置は、ガラスの長辺とテープの長手方向を平行とし、長辺端部から20mmの位置とした。上記接着剤を、厚みが5μmとなるようにガラスフィルムの片面に塗布し、その上にガラス補強用樹脂テープを貼りつけ、高圧水銀ランプにより紫外光を照射(波長:365nm、強度:1000mJ/cm2以上)することにより接着剤を硬化させて、ガラスフィルムにガラス補強用樹脂テープを接着して、ガラスフィルム−樹脂複合体試験片を作製した。

0032

(ガラスフィルム−樹脂複合体試験片の補強効果の評価)
作製したガラスフィルム−樹脂複合体試験片について、ガラス補強用樹脂テープによるガラスフィルムの補強効果を、次のように評価した。
すなわち、外径インチのロールに、ガラス補強用樹脂テープを外面とし、ロールの曲面に沿って、ガラスフィルム−樹脂複合体試験片の短辺両端をテープ固定した。この状態で、ガラスフィルムの長辺端部中央に、突起物により微小クラックを形成した。これにより、ガラス補強用樹脂テープに向かって、ガラスフィルムの曲面に対し垂直方向に、ガラスの破壊伝搬が生じる。そして、ガラスのクラックが破壊伝搬によりガラス補強用樹脂テープを貫通するか、テープ内で留まるかを目視評価し、テープを貫通しガラスが破断したものを○、貫通を阻止したものを×で表記した。

0033

比較例1〜13
上記式において、補強係数a(mm*(μm)1/2)が1.10未満となるような、ガラスフィルムとガラス補強テープとの組合せを用いたことを除き、実施例と同様に、ガラスフィルム−樹脂複合体試験片を作製し、試験片について補強効果を評価した。

0034

実施例及び比較例で得られたガラスフィルム−樹脂複合体試験片、及び試験片について測定された評価結果を、表1に示す。

0035

0036

結果から明らかであるように、本発明によれば、ガラスフィルムに形成されたクラックを起点とする破壊伝搬が樹脂テープ内で留まるようにすることができるため、本発明をガラスリボンに対して適用することにより、長尺状(例えば、長さ500m以上)のガラスロールを得ることが可能となる。

0037

1ガラスフィルム
2接着剤
3 樹脂テープ

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