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技術 電池制御装置

出願人 日立オートモティブシステムズ株式会社
発明者 赤津実幸大川圭一朗中尾亮平
出願日 2017年9月27日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2018-547212
公開日 2019年9月12日 (6ヶ月経過) 公開番号 WO2018-079164
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 電熱シート 組み合わせ演算 個体差情報 固体部材 過温度状態 入力温度 変化形態 数珠つなぎ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

SOCv推定誤差の影響による電池劣化を抑制することができる電池制御装置の提供。 電池制御装置は、電池の温度および電圧値に基づいて充電率SOCvを算出するSOCv演算部151と、電池の電流値に基づいて充電率SOCiを算出するSOCi演算部152と、を備え、充電率SOCvおよび充電率SOCiに基づく充電率SOCに基づいて、前記電池の充放電を制御する。そして、前記温度は、電池の複数位置において計測された複数の温度を含み、SOCv演算部151は、電池の高温側の第1温度に基づいて電池のSOC演算を行う第1モードと、電池の低温側の第2温度に基づいて電池のSOC演算を行う第2モードとを、前記第2温度の高低に基づいて切り替える。

概要

背景

電池電圧に基づく充電率SOCvの推定は、電池閉回路電圧CCV電池電流I、電池温度Tなどの電池状態パラメータから現在の電池開回路電圧OCVを算出し、OCV−SOC電池特性マップにより、充電率SOCvを求める方法が一般的である。特許文献1には、電池内に温度分布がある場合のバッテリ残容量算出方法が記載されており、特許文献1に記載の発明では、電池温度と自己放電量の関係に基づき、高温側温度と低温側温度の温度差によって自己放電量によるSOC補正値を算出し、SOC誤差を低減している。

概要

SOCv推定誤差の影響による電池劣化を抑制することができる電池制御装置の提供。 電池制御装置は、電池の温度および電圧値に基づいて充電率SOCvを算出するSOCv演算部151と、電池の電流値に基づいて充電率SOCiを算出するSOCi演算部152と、を備え、充電率SOCvおよび充電率SOCiに基づく充電率SOCに基づいて、前記電池の充放電を制御する。そして、前記温度は、電池の複数位置において計測された複数の温度を含み、SOCv演算部151は、電池の高温側の第1温度に基づいて電池のSOC演算を行う第1モードと、電池の低温側の第2温度に基づいて電池のSOC演算を行う第2モードとを、前記第2温度の高低に基づいて切り替える。

目的

効果

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請求項1

電池の温度および電圧値に基づいて第1電池充電状態を算出する第1SOC演算部と、電池の電流値に基づいて第2電池充電状態を算出する第2SOC演算部と、を備え、前記第1電池充電状態および前記第2電池充電状態に基づく第3電池充電状態に基づいて、前記電池の充放電を制御する電池制御装置であって、前記温度は、前記電池の複数位置において計測された複数の温度を含み、前記第1SOC演算部は、前記電池の高温側の第1温度に基づいて前記電池のSOC演算を行う第1モードと、前記電池の低温側の第2温度に基づいて前記電池のSOC演算を行う第2モードとを、前記第2温度の高低に基づいて切り替える、電池制御装置。

請求項2

請求項1に記載の電池制御装置において、前記第2温度が電池の内部抵抗変化率に基づいて設定された閾値温度より低い場合には前記第1モードに切り替え、前記第2温度が閾値温度以上の場合には前記第2モードに切り替える、電池制御装置。

請求項3

請求項1または請求項2に記載の電池制御装置において、前記第1温度は、前記電池と熱授受を行う媒体の温度である、電池制御装置。

請求項4

請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電池制御装置において、前記第1SOC演算部は、前記第1温度と前記第2温度との差が所定値より大きい場合に前記第2温度の高低に基づく切り替えを行い、前記差が所定値以下の場合には前記第2モードに切り替える、電池制御装置。

請求項5

請求項2に記載の電池制御装置において、前記第1SOC演算部は、前記第2温度がSOC演算精度に関する閾値温度より低い場合には、前記第1温度と前記第2温度との差が所定値より小さい場合に、前記第1温度に基づいて前記電池のSOC演算を行い、前記差が所定値以上の場合に、前記第2温度に前記所定値以下の補正量を加算した温度に基づいて前記電池のSOC演算を行う、電池制御装置。

請求項6

請求項1に記載の電池制御装置において、前記第1SOC演算部は、前記第2温度が第1閾値以下の場合には前記第1モードに切り替え、前記第2温度が第2閾値以上の場合には前記第2モードに切り替え、前記第2温度が前記第1閾値よりも大きく前記第2閾値よりも小さい場合には、重みWを用いた「W×(第1温度)+(1−W)×(第2温度)」の式で算出される第3温度に基づいて前記電池のSOC演算を行い、前記第3温度に基づいてSOC演算を行う際には、前記第2温度の温度上昇に伴って重みWを1から0へと減少させる、電池制御装置。

請求項7

請求項3に記載の電池制御装置において、前記媒体が温度上昇している暖機状態であることを示す暖機状態信号が入力され、前記第1SOC演算部は、前記第2温度の高低による切り替えに代えて、前記暖機状態信号を受信すると前記第1モードに切り替え、前記暖機状態信号の非受信時には前記第2モードに切り替える、電池制御装置。

請求項8

請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の電池制御装置において、前記第2温度は、前記複数の温度の平均値、または、前記複数の温度から前記第1温度を除いた平均値である、電池制御装置。

技術分野

0001

本発明は、電池制御装置に関する。

背景技術

0002

電池電圧に基づく充電率SOCvの推定は、電池閉回路電圧CCV電池電流I、電池温度Tなどの電池状態パラメータから現在の電池開回路電圧OCVを算出し、OCV−SOC電池特性マップにより、充電率SOCvを求める方法が一般的である。特許文献1には、電池内に温度分布がある場合のバッテリ残容量算出方法が記載されており、特許文献1に記載の発明では、電池温度と自己放電量の関係に基づき、高温側温度と低温側温度の温度差によって自己放電量によるSOC補正値を算出し、SOC誤差を低減している。

先行技術

0003

特開2012−026869号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、温度分布がある電池では、入力温度一意に定めることができないので、例えば、代表温度を一点に定めて内部抵抗推定を行うと、実際の内部抵抗値からの誤差が必ず発生することになる。このときの内部抵抗推定誤差が大きく、この内部抵抗推定値を用いて演算されるSOCの推定誤差が増大した場合、電池の使用範囲を逸脱した制御が行われるおそれがある。

課題を解決するための手段

0005

本発明の一態様によると、電池制御装置は、電池の温度および電圧値に基づいて第1電池充電状態を算出する第1SOC演算部と、電池の電流値に基づいて第2電池充電状態を算出する第2SOC演算部と、を備え、前記第1電池充電状態および前記第2電池充電状態に基づく第3電池充電状態に基づいて、前記電池の充放電を制御する電池制御装置であって、前記温度は、前記電池の複数位置において計測された複数の温度を含み、前記第1SOC演算部は、前記電池の高温側の第1温度に基づいて前記電池のSOC演算を行う第1モードと、前記電池の低温側の第2温度に基づいて前記電池のSOC演算を行う第2モードとを、前記第2温度の高低に基づいて切り替える。

発明の効果

0006

本発明によれば、SOCv推定誤差の影響による電池劣化を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0007

図1は、電池システムの構成を示すブロック図である。
図2は、電池状態推定部を示すブロック図である。
図3は、単電池等価回路図である。
図4は、単電池における開回路電圧OCVと電池充電率SOCとの関係を示す図である。
図5は、SOCv演算部の構成を説明するブロック図である。
図6は、温度センサの配置を示す図である。
図7は、第1の実施の形態における温度選択部の構成を示すブロック図である。
図8は、モード切替判定部の動作を説明する図である。
図9は、モード切替判定部の処理フローを示すフローチャートである。
図10は、第1の実施の形態における第1モード温度Tmode1と電池温度(第2モード温度)Tmodo2の時間推移を示す図である。
図11は、内部抵抗真値Rtrと内部抵抗推定値R_l,R_hとの大小関係を説明する図である。
図12は、入力温度TinがTin_l(<Ttr)であった場合の開回路電圧推定値を説明する図である。
図13は、入力温度TinがTin_h(>Ttr)であった場合の開回路電圧推定値を説明する図である。
図14は、SOCchgestとSOCchgtr1およびSOCchgtr2との関係、SOCdisestとSOCdistr1およびSOCdistr2との関係を説明する図である。
図15は、図9に示す処理の変形例を示すフローチャートである。
図16は、冷却モードの場合における第1モード温度Tmode1および第2モード温度Tmode2の時間推移を示す図である。
図17は、第2の実施の形態における温度選択部のブロック図である。
図18は、第2の実施の形態におけるモード切替判定部の処理フローを示すフローチャートである。
図19は、第3の実施の形態における温度選択部のブロック図である。
図20は、第3の実施の形態におけるモード切替判定部の処理フローを示すフローチャートである。
図21は、第3の実施の形態における入力温度Tinの時間推移を示すグラフである。
図22は、第4の実施の形態における温度選択部のブロック図である。
図23は、W生成器で生成される重みWの一例を示す図である。
図24は、暖機における入力温度Tinの時間推移を示すグラフである。
図25は、第5の実施の形態における温度選択部のブロック図である。

実施例

0008

以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
−第1の実施の形態−
図1は本発明の第1の実施の形態を示す図であり、電池システムの構成を示すブロック図である。電池システム100は外部の供給対象電力供給するシステムであり、供給対象としては電気自動車ハイブリッド自動車電車産業用機器等が想定される。図1では、ハイブリッド自動車の走行用モータジェネレータ410に電力を供給する場合を示した。

0009

電池システム100は、リレー300、310を介してインバータ400に接続される。インバータ400は電池システム100から電力をモータジェネレータ410に供給する。インバータ400及びモータジェネレータ410はモータ/インバータ制御部420にて制御される。車両制御部200は、電池システム100で得られる電池情報、インバータ400及びモータジェネレータ410からの情報、図示しないエンジンからの情報等に基づいて駆動力の配分等を決定する。

0010

電池システム100は、複数の単電池111から構成される組電池110と、単電池111の状態を監視する複数の単電池制御部121を備える計測部120と、組電池110に流れる電流を検知する電流検知部130と、組電池110の総電圧を検知する電圧検知部140と、組電池110の制御を行う電池状態推定部150と、組電池110、単電池111および単電池群112の電池特性に関する情報を格納する記憶部180とを備える。

0011

組電池110を構成する複数の単電池111は、所定の単位数グループグループ分けされている。図1で示す例では、複数の単電池111は2つの単電池群112a、112bにグループ分けされている。単電池群112a、112bは、電気的に直列接続されている。

0012

なお、単電池111は、リチウムイオン2次電池など充電可能な電池である。単電池111としては、その他に、ニッケル水素電池鉛電池電気2重層キャパシタなどの蓄電池、および蓄電機能を備えたデバイスが想定される。ここでは、単電池111として単体電池を考えているが、単電池111を、複数電池を多直ないし並列接続したモジュール構造に置き換えた構成でも良い。

0013

また、図1に示す例では、組電池110として2つの単電池群112a、112bが直列接続された構成を示したが、これに限定されず、所定の数の単電池群を直列に接続しても良いし、並列に接続しても良い。また、用途に応じて直列・並列の様々な個数の組み合わせで構成しても良い。

0014

計測部120は、組電池110を構成する各単電池111の状態を監視するものであり、複数の単電池群112a、112bに対応して、同数の単電池制御部121a、121bが設けられている。単電池群112aには単電池制御部121aが割り当てられ、単電池群112bには単電池制御部121bが割り当てられている。各単電池制御部121a、121bは、それぞれに割り当てられた単電池群112a、112bからの電力を受けて動作する。各単電池制御部121a、121bは、それぞれに割り当てられた単電池群112a、112bの電池電圧や電池温度を監視する。

0015

電池状態推定部150には、電流検知部130から送信される組電池110に流れる電流値、電圧検知部140から送信される組電池110の総電圧値が入力される。また、電池状態推定部150は、信号通信部160により計測部120との間で信号の送受信を行い、単電池111の電池電圧や電池温度、さらには単電池111が過充電もしくは過放電であるかの診断結果や、計測部120に通信エラーが発生した場合に出力される異常信号を、計測部120から受信する。電池状態推定部150は入力された情報に基づいて電池状態推定等の処理を行い、その処理結果は、計測部120や車両制御部200に送信される。

0016

なお、信号通信部160には、フォトカプラ等の絶縁素子170が設けられている。上述のように計測部120は組電池110から電力をうけて動作するが、電池状態推定部150は車載補機用のバッテリ(例えば12V系バッテリ)を電源として用いるので、電池状態推定部150と計測部120の動作電源基準電位が異なる。そのため、信号通信部160に絶縁素子170を設けている。絶縁素子170は、計測部120を構成する回路基板実装しても良いし、電池状態推定部150を構成する回路基板に実装しても良い。なお、システム構成によっては、前記絶縁素子170を省略することも可能である。

0017

単電池制御部121a、121bは、それぞれが監視する単電池群112a、112bの電位の高い順に従って直列に接続されている。単電池制御部121aの出力と単電池制御部121bの入力との間には絶縁素子170を設けていないが、これは、単電池制御部121a、121bには、異なる動作基準電位同士においても通信可能な仕組みが設けられているからである。ただし、単電池制御部121aと単電池制御部121bとの間の通信に対して電気的絶縁が必要な場合には、絶縁素子170を設ける必要がある。

0018

電池状態推定部150が送信した信号は、絶縁素子170が設けられた信号通信部160により単電池制御部121aに入力される。単電池制御部121bからの出力信号は絶縁素子170が設けられた信号通信部160により電池状態推定部150の入力部に伝送される。このように、電池状態推定部150と単電池制御部121a、121bとは信号通信部160によりループ状に接続されている。このような接続および通信方式デイジーチェーン接続と呼ばれるが、数珠つなぎ接続やづる接続等と呼ぶ場合もある。

0019

記憶部180には、組電池110、単電池111および単電池群112に関して、内部抵抗特性、満充電時の容量、分極抵抗特性、劣化特性個体差情報、電池開回路電圧OCVと電池の充電率SOCの対応関係(OCV−SOCマップ)などの情報が格納される。なお、図1に示す例では、記憶部180を電池状態推定部150と計測部120の外部に配置する構成としたが、記憶部180を電池状態推定部150または計測部120に設ける構成としても良い。

0020

(電池状態推定部150について)
図2は、電池状態推定部150を示すブロック図である。電池状態推定部150は、SOCv演算部151と、SOCi演算部152と、組み合わせ演算部153とを備える。SOCv演算部151には、組電池110を構成する単電池111の電圧(各単電池111の平均電圧)、組電池110に流れる電流、組電池110で得られる温度が入力される。ここで、入力される単電池111の電圧は、組電池110に含まれる複数の単電池111の電圧の、平均電圧である。SOCv演算部151は、電池電圧に基づく電池の充電率SOCvを演算して出力する。なお、SOCv演算部151の詳細については後述する。

0021

SOCi演算部152には、組電池110に流れる電流が入力される。SOCi演算部152は、組電池110に流れる電流を時間積算して得られる電流積算量を算出し、その電流積算量をSOCi演算結果の前回値に対して加減算を行うことで電池の充電率SOCiを求め、演算された充電率SOCiを出力する。

0022

組み合わせ演算部153は、SOCv演算部151の出力である充電率SOCvとSOCi演算部152の出力である充電率SOCiから、より確からしい最終的な電池の充電率SOCを演算し出力する。

0023

一般に、SOCv演算部151で算出される充電率SOCvは、組電池110に流れる電流がゼロか、定電流が一定時間以上継続した場合など、電流が安定した場合にSOC推定誤差が小さく、逆に、電流の変動が激しい場合や電池温度が低温の場合にはSOC推定誤差が大きくなりやすいという特徴がある。一方、SOCi演算部152で算出される充電率SOCiは、電流が大きくかつ急峻な変動がない場合はSOC推定誤差が小さく、逆に、電流値が小さくて電流検知部130の測定精度などの影響を受けやすい場合にはSOC推定誤差が大きくなりやすいという特徴がある。

0024

そのため、組み合わせ演算部153は、上述した充電率SOCvおよび充電率SOCiの特徴に対し、重みにより最終的な充電率SOCへの影響度を調節している。このようにすることで、SOC推定精度を向上させることができる。

0025

(SOCv演算部151の基本動作
次に、SOCv演算部151の動作について説明する。図3は、単電池111の等価回路図である。単電池111は、分極抵抗成分Rpと分極容量成分Cの並列接続対、内部抵抗R、および単電池111の開回路電圧OCVの、直列接続によって表すことができる。図3において、Vpは分極電圧であり、分極抵抗成分Rpと分極容量成分Cの並列接続対の両端電圧に相当する。単電池111に電流Iを印加すると電池の閉回路電圧CCVは、式(1)のように表すことができる。
CCV=OCV+R・I+Vp …(1)

0026

充電率SOCvの算出には開回路電圧OCVが用いられるが、計測部120は直接に開回路電圧OCVを測定することができない。そこで、次式(2)のように、測定された閉回路電圧CCVからR・I(IRドロップ分)と分極電圧Vpを差し引くことで開回路電圧OCVを求める。
OCV=CCV−R・I−Vp …(2)

0027

上述したように、内部抵抗Rと分極電圧Vpに関する電池特性情報は、予め記憶部180に格納されている。なお、内部抵抗Rと分極電圧Vpは、単電池111、単電池群112および組電池110の充電状態や温度によって異なるので、計測部120、電流検知部130および電圧検知部140などで得られる電池情報を入力とし、充電状態や温度の組み合わせに応じた個別の値として記憶部180に格納されている。本実施の形態では、内部抵抗Rは、温度と内部抵抗との対応関係を定義する内部抵抗マップから得られるとしている。内部抵抗Rの算出に使用される温度の詳細については後述する。

0028

図4は、単電池111における開回路電圧OCVと充電率SOCとの関係を示す図である。図4に示す開回路電圧OCVと充電率SOCとの対応関係は電池特性により定まるものであり、OCV−SOCマップとして記憶部180に格納されている。図3のSOCv演算部151は、計測部120で得られる閉回路電圧CCVから式(2)を用いてOCVを算出し、算出された開回路電圧OCVと図4のOCV−SOCマップから対応する充電率SOCvを算出する。

0029

図3及び図4では、単電池111の充電率SOCvを求める方法について説明したが、組電池110や単電池群112における平均的な充電率SOCvを求める場合においても同様の手法が適用できる。本実施の形態におけるSOCv演算部151では、組電池110における平均的な閉回路電圧CCVを入力とし、OCV−SOCマップを用いて組電池110の平均的な充電率SOCvを演算し出力する。

0030

(SOCv演算部151の構成)
図5は、SOCv演算部151の構成を説明するブロック図である。SOCv演算部151は、図3のOCV−SOC関係に従うOCV−SOCマップMAP1と開回路電圧OCVとから、組電池110の平均的な充電率SOCvを算出する。ここでの開回路電圧OCVは、組電池110の平均的な開回路電圧OCVである。この開回路電圧OCVは、式(2)に基づく演算ブロックEQ1において算出される。演算ブロックEQ1に、電圧検知部140で検出された閉回路電圧CCVと、乗算器MP1からのR・Iドロップと、マップMAP2からの分極電圧Vpとを入力すると、開回路電圧OCVが出力される。

0031

単電池111、単電池群112、組電池110または電池の直近には、電池温度をモニタするための温度センサが複数ないし単数設けられている。図6は、本実施の形態における温度センサの配置を示す図である。一般に、電池は高温ないし低温になると電池性能が低下することが知られている。そのため、電池性能を引き出すために、電池を暖機あるいは冷却して電池の温度調整を行うことが広く行われている。

0032

図6に示す例では、組電池110の底面に熱授受部材600が接続されており、組電池110と熱授受部材600との熱授受により、組電池110を暖機または冷却する構成としている。なお、本実施の形態では、組電池110は固体部材である熱授受部材600と直接接続されているが、熱授受が可能な物質であるならば、流体気体または液体)でもよく、形状はどのようなものでもよい。また、組電池110と熱授受部材600の間に熱授受を容易にするための部材(例えば、電熱シートグリスなど)を挟んでもよい。

0033

組電池110及び熱授受部材600には複数の温度センサS1〜S4が取り付けられており、複数の位置の温度T1〜T4を取得することができる。本実施の形態では、組電池110の所定位置に温度センサS1〜S3が取り付けられ、熱授受部材600の所定位置に温度センサS4が取り付けられているが、温度センサ個数および位置は図5に示す構成に限定されない。なお、本実施の形態では、温度T4は組電池110に温度分布が発生した場合に、電池の高温側温度を表すことに適していることが予め判明しているものとする。そのため、本実施の形態では温度センサS4を熱授受部材600に配置しているが、例えば、組電池110において熱授受部材600に接触している部分や、その部分の近傍に温度センサS4を配置するようにしても良い。

0034

図5に戻って、SOCv演算部151の温度選択部500には、温度センサで検出された電池温度が入力される。図5に示す例では、電池に関する4つの温度T1〜T4が入力される。温度選択部500は、入力された温度T1〜T4に基づいて、電池の温度を代表する温度として内部抵抗マップMAP3に入力される入力温度Tinを出力する。なお、温度選択部500における入力温度Tinの設定の詳細については後述する。

0035

温度選択部500から出力された入力温度Tinを内部抵抗マップMAP3に入力することで、入力温度Tinに対応する内部抵抗推定値Rが得られる。内部抵抗マップMAP3は、図8に示すような電池の内部抵抗と温度の関係から得られるマップである。図8において、横軸は温度、縦軸は内部抵抗である。電流検知部130で検出された組電池110を流れる電流の電流値Iと、内部抵抗マップMAP3から出力された内部抵抗推定値Rとは乗算器MP1により乗算され、R・Iドロップが得られる。このR・Iドロップが演算ブロックEQ1に入力される。また、演算ブロックEQ1に入力される分極電圧Vpは、電流検知部130で得られる電池電流Iを入力とし分極電圧Vpを算出するマップMAP2より得られる。

0036

(温度選択部500)
図7は、本実施の形態における温度選択部500の構成を示すブロック図である。温度選択部500は、第1モード演算部510、第2モード演算部520、モード切替判定部530およびスイッチSW1を備えている。第1モード演算部510には熱授受部材600に配置された温度センサS4からの温度T4が入力され、第2モード演算部520には組電池110に配置された温度センサS1〜S3からの温度T1〜T3が入力される。第1モード演算部510は、入力された温度T4を第1モード温度Tmode1として出力する。第2モード演算部520は、入力された温度T1〜T3の平均温度を、組電池110の温度を代表する第2モード温度Tmode2として出力する。以下では、第2モード温度Tmode2を電池温度と呼称する場合もある。モード切替判定部530は、入力された電池温度Tmode2に基づいて後述するようにスイッチSW1を切り換え、第1モード温度Tmode1または電池温度Tmode2のいずれか一方を、入力温度TinとしてスイッチSW1から出力させる。

0037

上述のように、本実施の形態では、熱授受部材600の温度T4を第2モード演算部520における平均温度算出に含めなかったが、温度T4も第2モードに入力して温度T1〜T4の平均温度を第2モード温度Tmode2としても良い。これは、温度センサS1〜S3の取り付け位置の影響から、温度T1〜T3のみを用いて組電池110の平均温度を演算すると、組電池110の平均温度としてふさわしくない場合に有用である。例えば、組電池110に発生する温度分布のうち、非常に低い温度を取得する位置に温度センサS1〜S3が配置されていた場合、温度差の影響などが考慮されず、得られる平均温度は実際の組電池110の平均温度より著しく低くなってしまうことが考えられるからである。

0038

なお、上述したように、温度T4は組電池110に温度分布が発生した場合に、電池の高温側温度を表すことに適していることが予め判明しているので、組電池110に温度分布が発生した場合に、第1モード温度Tmode1として電池の高温側温度が出力されることになる。

0039

次に、図8を用いてモード切替判定部530の動作について説明する。図8は、単電池111における内部抵抗Rと単電池111の温度との関係(すなわち、内部抵抗マップMAP3)を表したグラフである。内部抵抗と温度との関係は、図8に示すように、指数関数的なカーブによって表すことができる。単電池111の温度が高温になるほど内部抵抗Rは小さくなり、温度が低温になるほど内部抵抗Rは大きくなる。また、内部抵抗Rの変化率(ΔR/ΔT)に関しては、単電池111の温度が高温になるほど内部抵抗Rの変化率(ΔR/ΔT)は小さくなり、温度が低温になるほど内部抵抗Rの変化率(ΔR/ΔT)は大きくなる。

0040

また、本実施の形態で用いる組電池110、単電池群112、単電池111においては、内部抵抗Rと温度との関係は同様の傾向を示している、すなわち、組電池110及び単電池群112における複数単電池111の平均温度と複数単電池111の平均内部抵抗についても、図8のグラフを用いて同様に説明することができる。

0041

上述した図5におけるSOCv演算部151の説明では、基本動作として単電池111の充電率SOCvを求める方法について説明したが、組電池110や単電池群112における平均的な充電率SOCvを求める方法においても同様の手法が適用できる。本実施の形態で用いるSOCv演算部151は、組電池110における平均的な開回路電圧CCVを入力とし、OCV−SOCマップを用いて平均的な充電率SOCvを演算し出力している。そのため、本実施の形態では、図8の横軸の温度は、第2モード演算部520から出力される電池温度(第2モード温度)Tmode2が対応している。

0042

図8では、温度領域を、所定温度Tth1を境界として低温側の第1モード温度領域と、高温側の第2モード温度領域とに分割する。モード切替判定部530は、電池温度Tmode2が第1モード温度領域の場合は、入力温度Tinとして第1モード演算部510から出力される第1モード温度Tmode1がスイッチSW1から出力されるように、スイッチSW1を切り替える。一方、電池温度Tmode2が第2モード温度領域の場合は、モード切替判定部530は、入力温度Tinとして第2モード演算部520から出力される電池温度(第1モード温度)Tmode2がスイッチSW1から出力されるように、スイッチSW1を切り替える。

0043

第1モード温度領域と第2モード温度領域とに分割する所定温度Tth1は、次のように決定される。図8に示すように、内部抵抗Rの変化率(ΔR/ΔT)は、電池の温度が低温になるほど大きくなる。このことは、電池温度Tmode2が常温又は高温である場合には、電池温度Tmode2にある程度誤差があっても内部抵抗R推定を高精度に行うことが可能であることを示している。逆に、電池温度Tmode2が低温である場合には、電池温度Tmode2の誤差による内部抵抗R推定誤差が大きくなり、内部抵抗R推定が困難であることを示している。すなわち、低温の場合ほど、SOC推定誤差が原因でSOC使用範囲を逸脱する電池使用状況が、発生し易いことを示している。

0044

以上のことから、電池温度Tmode2に対する内部抵抗Rの変化率である(ΔR/ΔT)に関して所定値dRth1を導入し、次式(3)を満たす温度範囲を第1モード温度領域とし、次式(4)を満たす範囲を第2モード温度領域とする。この所定値dRth1に対応する電池温度における所定温度Tth1は、一意的に求めることができる。
(ΔR/ΔT)>dRth1 …(3)
(ΔR/ΔT)≦dRth1 …(4)

0045

図9は、内部抵抗Rの変化量に基づくモード切替判定部530の処理フローを示す図である。ステップS10では、第2モード演算部520から入力された電池温度Tmodo2における変化率(ΔR/ΔT)を求め、求めた変化率(ΔR/ΔT)が式(3)の条件を満たしているか否かを判定する。なお、図1の記憶部180には、電池温度と変化率(ΔR/ΔT)との対応関係を示すマップが予め記憶されおり、そのマップを用いて変化率(ΔR/ΔT)を求める。式(3)の条件を満たしている場合には、ステップS10からステップS20へ進んで、第1モード演算部510から出力された第1モード温度Tmode1が入力温度Tinとして出力されるように、スイッチSW1を切り換える。一方、式(3)の条件を満たさない場合には、ステップS30へ進んで、第2モード演算部520から出力される電池温度(第2モード温度)Tmode2が入力温度Tinとして出力されるように、スイッチSW1を切り換える。

0046

なお、図9に示す処理では、ステップS10のように入力された電池温度Tmodo2から変化率(ΔR/ΔT)を求め、その変化率(ΔR/ΔT)と所定値dRth1との大小比較を行ったが、図15に示す処理フローのように、電池温度Tmode2と入力温度Tinとの大小を比較するようにしても良い。図15では、ステップS15でTmode2<Tth1か否かを判定し、Tmode2<Tth1を満足する場合にはステップS20へ進み、Tmode2≧Tth1を満足する場合にはステップS30へ進む。

0047

すなわち、Tmode2≧Tth1の場合には、内部抵抗Rを算出する際の温度(入力温度Tin)に電池温度Tmode2を採用しても、内部抵抗Rを精度良く算出することができるので、SOC推定誤差を小さく抑えることができる。そのため、入力温度Tinとして電池温度Tmode2が出力されるようにスイッチSW1を切り換える。

0048

一方、Tmode2<Tth1の場合には内部抵抗の変化率(ΔR/ΔT)が大きいので、入力温度Tinとして電池温度Tmode2を使用すると、SOC推定誤差が大きくなる。その結果、SOCの真値が推奨されるSOC範囲を逸脱するおそれがあるので、本実施の形態では電池の高温側温度を表している温度T4(=第1モード温度Tmode1)を使用することで、そのような不具合の発生を防止するようにしている。温度T4を使用することについての詳細説明は後述する。なお、本実施の形態では、上述したように、温度T4は組電池110に温度分布が発生した場合に、電池の高温側温度を表すことに適していることが予め判明している。

0049

図10は、第1の実施の形態における第1モード温度Tmode1、電池温度(第2モード温度)Tmodo2および入力温度Tinの時間推移を示す図である。ここでは、熱授受部材600が暖機システムとして機能する場合について説明する。図10において、符号Tmode1を付した曲線は第1モード演算部510から出力される第1モード温度Tmode1(=T4)の時間推移を示し、符号Tmode2を付した曲線は第2モード演算部520から出力され電池温度(第2モード温度)Tmode2の時間推移を示している。一点鎖線で示す曲線は、入力温度Tinの時間推移を示している。

0050

暖機開始時(t=0)には、温度T1〜T4(図6参照)はほぼ同一温度となっているので、温度T4である第1モード温度Tmode1と温度T1〜T3の平均温度である電池温度Tmode2とは同一温度になっている。暖気開始後は、時間の経過と共に第1モード温度Tmode1と電池温度Tmode2との温度差ΔT1は増加する。これは、暖機開始とともに熱授受部材600は加熱され急激に温度上昇するが、組電池110は、まだ十分に熱伝達されない状態にあることを示している。

0051

しかしながら、暖機開始から十分時間が経過すると、徐々に電池温度Tmode2は第1モード温度Tmode1に近づいて行く。これは、暖機継続によって熱授受部材600の熱が組電池110に対して十分伝わっていくことを示している。最終的には、第1モード温度Tmode1と電池温度Tmode2とは、ほぼ同程度の温度になると想定される。

0052

上述したように、電池温度Tmode2が所定温度Tth1に対してTmode2<Tth1である場合には、スイッチSW1からは第1モード温度Tmode1が入力温度Tinとして出力される。そのため、Tmode2=Tth1となる時刻t1までは、曲線Tinは曲線Tmode1と一致する。一方、t≧t1ではTmode2≧Tth1が満足されるので、曲線Tinは曲線Tmode2と一致する。

0053

温度推定誤差の影響)
ところで、SOC推定誤差が大きな状況においては、SOC推定値がSOC真値に対して大きい方にずれる場合と小さい方にずれる場合とがあり、ずれる方向によって組電池劣化を招きやすいか否かが異なる。暖機時のように、熱授受部材600の熱により組電池110の内部に温度分布ないし温度差が発生する状況では、組電池110の温度真値を取得することは困難であり、内部抵抗推定に用いられる入力温度Tinは、組電池110の温度真値Ttrに対して次式(5)、(6)に示す大小関係の何れかになると想定される。
(入力温度Tin)<(温度真値Ttr) …(5)
(温度真値Ttr)<(入力温度Tin) …(6)

0054

これを、図8に示した温度と内部抵抗との関係を示すグラフ(内部抵抗マップMAP3に相当する)に示すと、図11のようになる。式(5)の関係にある入力温度TinをTin_lとすると、入力温度Tin_lにおける内部抵抗推定値R_lと内部抵抗真値Rtrとの大小関係は式(7)のようになる。また、式(6)のような関係にある入力温度TinをTin_hとすると、入力温度Tin_hにおける内部抵抗推定値R_hと内部抵抗真値Rtrとの大小関係は式(8)のようになる。
(内部抵抗真値Rtr)<(内部抵抗推定値R_l) …(7)
(内部抵抗推定値R_h)<(内部抵抗真値Rtr) …(8)

0055

(Tin<Ttrの場合の開回路電圧)
まず、図12を用いて、入力温度TinがTin_l(<Ttr)であった場合の開回路電圧推定値について説明する。図12(a)は充放電時の電流値を示す図であり、図12(b)は充放電時の閉回路電圧CCVの挙動を示す図である。式(2)で示したように、計測された閉回路電圧CCVからI・Rドロップと分極電圧Vpを差し引くことによって、開回路電圧OCVを算出することができる。ただし、分極電圧Vpは温度による内部抵抗変化の影響を受けないので、ここでは省略することとする。

0056

充電開始により、充電時の閉回路電圧CCVchgは上昇する。このとき、充電期間tchgの間の開回路電圧推定値OCVchgest1は式(9)によって求まる。また、放電期間tdisの間の開回路電圧推定値OCVdisest1は式(10)によって求まる。なお、上述したように分極電圧Vpについては省略した。
OCVchgest1=OCVchg−R_l×I …(9)
OCVdisest1=OCVdis−R_l×I …(10)

0057

式(7)に示したように、内部抵抗推定値R_lは内部抵抗真値Rtrよりも大きいので、開回路電圧真値OCVchgtrと開回路電圧推定値OCVchgest1との間には、次式(11)のような大小関係が成立する。一方、放電時においては図12(a)に示すようにI<0なので、(−R_l×I)>(−Rtr×I)>0となり、開回路電圧真値OCVdistrと開回路電圧推定値OCVdisest1との間には、次式(12)のような大小関係が成立する。
OCVchgest1 < OCVchgtr …(11)
OCVchgest1 > OCVchgtr …(12)

0058

(Tin>Ttrの場合の開回路電圧)
次に、入力温度TinがTin_h(>Ttr)であった場合について図13を用いて説明する。図13(a)は充放電時の電流値を示す図であり、図13(b)は充放電時の閉回路電圧CCVの挙動を説明する図である。充電開始により、閉回路電圧CCVchgは上昇する。このとき、充電期間tchgの間の開回路電圧推定値OCVchgest2は次式(13)によって求まる。また、放電期間tdisの間の開回路電圧推定値OCVdisest2は次式(14)によって求まる。
OCVchgest2=CCVchg−R_h×I …(13)
OCVdisest2=CCVdis−R_h×I …(14)

0059

式(8)に示したように、内部抵抗推定値R_hは内部抵抗真値Rtrよりも小さいので、開回路電圧真値OCVchgtrと開回路電圧推定値OCVchgest2との間には、次式(15)のような大小関係が成立する。一方、放電時においては図13(a)に示すようにI<0なので、(−Rtr×I)>(−R_h×I)>0となり、開回路電圧真値OCVdistrと開回路電圧推定値OCVdisest2との間には、次式(16)のような大小関係が成立する。
OCVchgtr < OCVchgest2 …(15)
OCVdistr > OCVdisest2 …(16)

0060

開回路電圧OCVと充電率SOCとの間には図4に示すような関係があるので、開回路電圧OCVの推定値と真値との間に上述のような関係がある場合、充電率SOCの推定値と真値との間には、次式(17)〜(20)に示すような関係があることがわかる。ここで、充電中に求まる充電率SOCの推定値をSOCchgestと表し、放電中に求まる推定値をSOCdisestと表す。それに対して、Tin<Ttrの場合における充電中および放電中のSOC真値をSOCchgtr1およびSOCdistr1と表し、Tin>Ttrの場合における充電中および放電中のSOC真値をSOCchgtr2およびSOCdistr2と表すことにする。
(Tin<Ttrの場合)
SOCchgest<SOCchgtr1 …(17)
SOCdisest>SOCdistr1 …(18)
(Tin>Ttrの場合)
SOCchgest>SOCchgtr2 …(19)
SOCchgest<SOCdistr2 …(20)

0061

図14は、SOCchgestとSOCchgtr1およびSOCchgtr2との関係、SOCdisestとSOCdistr1およびSOCdistr2との関係を説明する図である。図14(a)は充放電電流推移を示す図であり、図14(b)は充電中および放電中のSOC推定値とSOC真値との関係を示す図である。SOC真値には、電池性能を維持する観点から、取るべきSOC使用範囲(以下では単に範囲と呼ぶ)SOCrngが定められている。SOC制御においては、SOC真値をこの範囲SOCrng内に納めることが求められる。

0062

図14の充電期間tchgを見ると、充電率SOCの推定値SOCchgestは時間経過と共に上昇する。このとき、Tin<Ttrの場合の真値SOCchgtr1は常に推定値SOCchgestより大きい値になるため、期間tc1においては、推定値SOCchgestが範囲SOCrng内であるにもかかわらず、真値SOCchgtr1は範囲SOCrngの上限SOCthmaxを超えてしまうことになる。また、推定値SOCdisestが減少する放電期間tdisにおいは、Tin<Ttrの場合の真値SOCdistr1は常に推定値SOCdisestより小さい値になるため、期間td1においては、推定値SOCdisestが範囲SOCrng内であるにもかかわらず、真値SOCdistr1は範囲SOCrngの下限SOCthminを下回ってしまうことになる。

0063

このように、入力温度Tinが温度真値Ttrより低温である場合(Tin<Ttrの場合)は、SOC真値がSOC使用範囲を逸脱してしまう状態が発生する可能性がある。一方、入力温度Tinが温度真値Ttrより高温である場合(Tin>Ttrの場合)には、充放電中の推定値SOCchgestおよびSOCdisestが範囲SOCrng内にある限り、真値SOCchgtr2およびSOCdistr2は常に範囲SOCrng内に収まっている。

0064

本実施の形態では、前述した図9または図15の処理のように、温度T1〜T3の平均温度である電池温度(第2モード温度)Tmode2が所定温度Tth1以上の場合には電池温度Tmode2を入力温度Tinに採用する。この場合、内部抵抗Rを高精度に推定できるので、SOCv演算部151で算出される充電率SOCvの推定誤差も小さく、SOC推定値と真値との差が非常に小さい。その結果、SOC真値が図14(b)の範囲SOCrngから大きく逸脱するおそれがない。

0065

一方、電池温度Tmode2が所定温度Tth1よりも低温の場合には、組電池110内の高温側温度として熱授受部材600で得られた温度T4(=Tmode1)を入力温度Tinに採用するようにした(図10参照)。その場合、温度T4(=Tmode1)は平均温度である電池温度Tmode2と乖離しているのでSOC推定誤差の発生は避けられないが、Tin=T4とすることで、入力温度Tinは真値Ttrに対してTin>Ttrの状況となる。その結果、図14において説明したように、充電率SOCの真値(SOCchgtr2、SOCdistr2)が要求される範囲SOCrng内に収まるような制御が実現される。それにより、SOC使用範囲逸脱による組電池110、単電池群112及び単電池111の電池性能劣化を抑制する制御が可能となる。

0066

なお、電池温度が過温度状態になって熱授受部材600で冷却するような冷却モードの場合には、熱授受部材600の温度T4である第1モード温度Tmode1、および、電池の平均温度である第2モード温度Tmode2は、図16に示すような時間推移を示す。この場合、電池を冷却しすぎないような制御が行われるので、第2モード温度Tmode2は所定温度Tth1よりも高い温度で推移することになる。そのため、冷却モードの場合には図15のステップS15においてNOと判定されて、入力温度Tin=Tmode2のように制御される。すなわち、本実施の形態で説明した切替動作は、冷却モードにおいても不都合なく動作する。

0067

−第2の実施の形態−
図17は、第2の実施の形態における温度選択部500のブロック図である。温度選択部500は、第1モード演算部510、第2モード演算部520、モード切替判定部530、スイッチSW1および減算器DF1を備えている。温度選択部500には、組電池110の温度として取得した温度T1〜T4が入力される。温度T1〜T4は、組電池110の温度を取得するために取り付けられた温度であれば、組電池110に直接取り付けられていない温度センサからの値でも良い。なお、以下の説明では、熱授受部材600を設けない場合を想定しているが、もちろん、熱授受部材600を設ける構成であってもよい。温度T1〜T4には、熱授受部材600の温度を必要に応じて含ませても良い。

0068

第1モード演算部510および第2モード演算部520には温度T1〜T4が入力される。なお、第1モード演算部510および第2モード演算部520に入力される温度の数は4に限定されず、また、第1モード演算部510および第2モード演算部520に入力される温度の組み合わせは、図17の場合と異なっていても良い。第1モード演算部510は、入力された温度T1〜T4の内の最も高い温度を第1モード温度Tmode1として出力する。第2モード演算部520は、入力された温度T1〜T4の平均値(平均温度)を第2モード温度Tmode2として出力する。

0069

減算器DF1は、入力された第1モード温度Tmode1および第2モード温度Tmode2の差分ΔTdf1を演算する。差分ΔTdf1は、次式(21)のように表される。
ΔTdf1=Tmode1−Tmode2 …(21)

0070

モード切替判定部530には、第1モード演算部510から出力された第1モード温度Tmode1と、減算器DF1で算出された差分ΔTdf1とが入力される。モード切替判定部530は、第1モード温度Tmode1および差分ΔTdf1に基づいて、スイッチSW1の切り替えを行う。

0071

図18は、モード切替判定部530の処理フローを示すフローチャートである。ステップS110では、最大温度と平均温度との差分ΔTdf1が所定値Tdfaよりも大きくなったか否か、すなわち、組電池110内に温度分布が大きくなったか否かを判定する。ステップS110でΔTdf1>Tdfaと判定されるとステップS10へ進み、ΔTdf1≦Tdfaと判定されるとステップS30へ進む。ΔTdf1≦Tdfaの場合には、組電池110内の温度分布は小さいとし、ステップS30において、入力温度Tinとして第2モード温度Tmode2(平均温度)が出力されるようにスイッチSW1を切り換える。

0072

一方、ステップS110からステップS10へ進んだ場合には、すなわち、組電池110内に温度分布が大きくなった場合には、第1の実施の形態の場合と同様に、第2モード温度Tmode2における内部抵抗Rの変化率(ΔR/ΔT)が所定値dRth1を上回っているか否かを判定する。そして、(ΔR/ΔT)>dRth1の場合には、ステップS20へ進んで、第1モード温度Tmode1(最大温度)が入力温度Tinとして出力されるようにスイッチSW1を切り替える。(ΔR/ΔT)≦dRth1の場合には、ステップS30へ進んで、第2モード温度Tmode2(平均温度)が入力温度Tinとして出力されるようにスイッチSW1を切り替える。

0073

以上のように、第2の実施の形態では、組電池110内の温度差が大きくなった場合にのみ、第1の実施の形態と同様の平均温度(第2モード温度Tmode2)と高温側温度(第1モード温度Tmode1)との切り替えを行うようにした。例えば、暖機が行われている場合には、一般的に最大温度と平均温度との差分ΔTdf1が大きくなるので、ステップS110においてYESと判定されてステップS10へ進む。

0074

一方、暖機や冷却などがなく組電池110内の温度差が小さい場合には、平均温度である電池温度Tmode2は比較的低温になっている。そのような場合、本来は高温側温度Tmode1を入力温度Tinとして採用すべきであるが、乖離した高温側温度を採用するとSOCv演算の精度悪化を招く。そのため、図18に示すようにステップS110からステップS30へ進んで、入力温度Tinとして平均温度である電池温度Tmode2を出力するのが好ましい。

0075

−第3の実施の形態−
図19は、第3の実施の形態における温度選択部500のブロック図である。第1の実施の形態の場合と同様に、第1モード演算部510は入力された高温側の温度T4を第1モード温度Tmode1として出力し、第2モード演算部520は入力された温度T1〜T3の平均温度を第2モード温度Tmode2として出力する。第1の実施の形態の場合と同様に電池温度Tmode2と呼ぶことにする。第1モード温度Tmode1および電池温度Tmode2は減算器DF1に入力され、減算器DF1からそれらの差分ΔTdf1(=Tmode1−Tmode2)が出力される。

0076

図20は、第3の実施の形態におけるモード切替判定部530の処理フローを示すフローチャートである。第1の実施の形態の場合と同様に、ステップS10では(ΔR/ΔT)>dRth1か否かを判定する。(ΔR/ΔT)>dRth1を満足する場合にはステップS16へ進み、(ΔR/ΔT)>dRth1を満足する場合にはステップS30へ進む。ステップS30へ進んだ場合には、第2モード演算部520から出力される電池温度Tmode2が入力温度Tinとして出力されるように、スイッチSW1を切り換える。

0077

一方、ステップS16へ進んだ場合には、温度差ΔTdf1と所定値Tdfbとを比較し、ΔTdf1<Tdfbを満足するか否かを判定する。ΔTdf1<Tdfbを満足する場合には、ステップS20へ進んで第1モード温度Tmode1が入力温度Tinとして出力されるように、スイッチSW1を切り換える。逆に、ΔTdf1<Tdfbを満足しない場合には、ステップS25へ進んで、入力温度TinとしてTmodo2+Tbを出力する。ここで、所定値Tbの値としては、例えば、温度差ΔTdf1の判定基準である所定値Tdfbと同一値とする。

0078

図21は、第3の実施の形態における入力温度Tinの時間推移を示すグラフである。図21では、TbをTb=Tdfbと設定した場合について示した。暖機が開始されると組電池110に温度分布が発生し、第1モード温度Tmode1と電池温度Tmode2との温度差ΔTdf1が大きくなり始める。電池温度Tmode2が(ΔR/ΔT)≦dRth1となる所定温度Tth1以上となるまでは、ステップS10においてYESと判定されてステップS16の処理が実行される。暖機開始直後はΔTdf1<Tdfb以下であるため、ステップS16からステップS20に進む。その結果、入力温度TinはTin=Tmode1と設定され、曲線L1のように推移する。

0079

その後、温度差ΔTdf1が大きくなってΔTdf1≧Tdfbとなると、ステップS16でNOと判定されてステップS25が実行される。その結果、入力温度Tinは、Tin=Tmode2+Tbと設定されて曲線L1から曲線L2に移行し、電池温度Tmode2と同様の上昇傾向で推移することになる。その後、第1モード温度Tmode1と電池温度Tmode2との温度差ΔTdf1が小さくなってΔTdf1<Tdfbとなると、再びステップS16からステップS20に進むようになる。その結果、入力温度TinはTin=Tmode1と設定されて、曲線L2からTmode1のラインと一致する曲線L3へ移行することになる。

0080

その後、電池温度Tmode2がさらに上昇して(ΔR/ΔT)≦dRth1となる所定温度Tth1以上となると、ステップS10でNOと判定されてステップS30が実行される。その結果、入力温度TinはTin=Tmode2と設定され、入力温度Tinは曲線L3からTmode2のラインと一致する曲線L4へ移行する。

0081

以上のように、第3の実施の形態では、暖機開始でTmode1のラインと一致する曲線L1のように入力温度Tinは変化するが、組電池110内の温度差ΔTdf1が所定値Tdfbよりも大きくなった場合には、入力温度TinをTmode2+Tbに制限する。このように制御することで、組電池110が局所的に急激に加温されて一部分だけ極端に高温となり、組電池110内の大部分は低温のままであるような状況に対して、過敏に反応して高温側温度Tmode1を入力温度Tinに採用するのを抑制することができる。

0082

また、TbをTdfbと同一の値とすることにより、図21の曲線L1から曲線L2への移行時、および、曲線L2から曲線L3への移行時に、入力温度Tinに急峻な変化が発生しない。その結果、内部抵抗Rの急峻な変化によるSOCv演算精度の悪化を抑制することができる。

0083

−第4の実施の形態−
図22は、第4の実施の形態における温度選択部500のブロック図である。第4の実施の形態では、第1モード演算部510の出力Tmode1と第2モード演算部520の出力Tmode2とを重みWを用いて組み合わせ、それを入力温度Tinとするようにした。本実施の形態においても、第1モード演算部510は入力された高温側の温度T4を第1モード温度Tmode1として出力する。また、第2モード演算部520は、入力された温度T1〜T3の平均温度を電池温度Tmode2として出力する。

0084

W生成器114によって生成された重みW(0≦W≦1)は、乗算器MP2および減算器DF2に入力される。減算器DF2は1から重みWを減算し、その減算結果(1−W)を乗算器MP3に入力する。第1モード演算部510から出力された第1モード温度Tmode1は乗算器MP2において重みWと乗算され、W×Tmode1が得られる。第2モード演算部520から出力された電池温度Tmode2は乗算器MP3において(1−W)と乗算され、(1−W)×Tmode2が得られる。演算結果のW×Tmode1および(1−W)×Tmode2は加算器ADによって加算され、その加算結果が入力温度Tinとして出力される。すなわち、入力温度Tinは次式(22)によって表される。式(22)に示すように入力温度Tinは第1モード温度Tmode1と電池温度Tmode2との組み合わせによって得られ、重みWによって組み合わせの度合いを調節することができる。
Tin=W×Tmode1+(1−W)×Tmode2 …(22)

0085

図23は、W生成器114で生成される重みWの一例を示す図である。横軸は組電池110の平均温度である電池温度Tmode2を示し、縦軸は重みWを示す。W生成器114は電池温度Tmode2の値に応じて図23に示すような重みWを生成する。Tth11およびTth12は重みWの変化形態を変更するタイミングである温度閾値であって、ここではTth11を低温側基準温度と呼び、Tth12を高温側基準温度と呼ぶことにする。Tmode2≦Tth11の場合にはTin=Tmode1と設定される第1モード(W=1)となり、Tmode2≧Tth12の場合にはTin=Tmode2と設定される第2モード(W=0)となり、Tth11<Tmode2<Tth12の場合には重みWを0<W<1に設定する第3モードとなる。第3モードでは、電池温度Tmode2が低温側基準温度Tth11に近づくほどW=1に収束し、電池温度Tmode2が高温側基準温度Tth12に近づくほどW=0に収束するように重みWを設定する。図22に示す例では、第3モードにおいては、電池温度Tmode2の上昇に伴ってWを1から0へと直線的に減少させるようにした。

0086

Wが1か0のみを取る場合、Wを1と0の間にて切り替えた際に、入力温度TinはTmode1とTmode2との間で急峻に切り替わることとなる。そのため、重みWの切り替えの瞬間にSOCv推定値の精度悪化を招くおそれがある。そこで、本実施の形態では、第1モードと第2モードとの間に重みWが0<W<1の間で変化する第3のモードを設けるようにした。

0087

図24は、暖機時の入力温度Tinの時間推移を示すグラフである。暖機開始時は、組電池110の平均温度である電池温度Tmode2はTmode2≦Tth11の状態であり、重みWは1に設定され、入力温度Tinは第1モード温度Tmode1に設定される(Tin=Tmode1)。

0088

次に、電池温度Tmode2がTth11<Tmode2<Tth12の場合を考える。このとき、入力温度TinはTin=W×Tmode1+(1−W)×Tmode2に設定される。重みWは、0<W<1で動くため、入力温度Tinは下記の式(23)および式(24)を満足している。さらに、暖機により組電池110が十分加温された場合、電池温度Tmode2が上昇してTmode2>Tth12となるので、W=0がW生成器114から出力され入力温度TinはTin=Tmode2となる。
Tmode1>Tin>Tmode2 …(23)
Tth11<Tin<Tth12 …(24)

0089

このように、重みWを0と1との間で切り替える入力温度TinをTmode1とTmode2との間で切り替える際に、上述のような第3モードを導入することにより、シームレスな温度切り替えを可能にすることができる。その結果、入力温度Tinのモード切替時に発生する内部抵抗R推定誤差が発生するのを防止でき、SOCv推定精度の悪化を抑制することができる。

0090

—第5の実施の形態—
図25は、第5の実施の形態における温度選択部500のブロック図である。上述した第1の実施の形態では、組電池110の平均温度である第2モード温度(電池温度)Tmode2と所定温度Tth1の大小関係を比較し、入力温度Tinとして第1モード温度Tmode1を用いるか第2モード温度(電池温度)Tmode2を用いるかを判定していた。本実施の形態では、例えば上位の車両制御部200から暖機状態信号SHを取得し、モード切替判定部530は、その暖機状態信号SHに基づいてスイッチSW1の切替制御を行うようにした。

0091

モード切替判定部530は、入力された暖機状態信号SHに基づいてスイッチSW1の切換制御を行う。第1の実施の形態と同様に、第1モード演算部510は入力された高温側の温度T4を第1モード温度Tmode1として出力し、第2モード演算部520は、入力された温度T1〜T3の平均温度を第2モード温度(電池温度)Tmode2として出力する。

0092

暖機状態信号SHが暖機中を示す状態にある場合には、モード切替判定部530は、入力温度Tinとして第1モード温度Tmode1が出力されるようにスイッチSW1を切り替える。逆に、暖機状態信号SHが暖機中でない状態を示すときは、モード切替判定部530は、入力温度Tinとして第2モード温度(電池温度)Tmode2が出力されるようにスイッチSW1を切り替える。

0093

なお、上述した例では、暖機状態信号SHが電池システム100の外側に設けられた車両制御部200から入力されるとしたが、暖機状態信号SHを出力する機能は、電池システム100の内外いずれに設けても構わない。一つの暖機状態信号SHに基づいて暖機中か否かを判定したが、複数の信号を組み合わせて暖機中を判断してもよい。

0094

上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(C1)電池制御装置である電池状態推定部150は、図2に示すように、電池の温度Tおよび電圧値Vに基づいて充電率SOCvを算出するSOCv演算部151と、電池の電流値Iに基づいて充電率SOCiを算出するSOCi演算部152と、を備え、充電率SOCvおよび充電率SOCiに基づく充電率SOCに基づいて、電池の充放電を制御する。

0095

そして、温度Tは、図6に示すように電池の複数位置において計測された複数の温度T1〜T4を含み、SOCv演算部151は、電池の高温側の第1モード温度Tmode1に基づいてSOC演算を行う第1モードと、電池の低温側の第2モード温度Tmode2に基づいてSOC演算を行う第2モードとを、第2モード温度Tmode2の高低に基づいて切り替える。このように、SOC演算を内部抵抗推定誤差が大きい場合に適用される第1モード、および内部抵抗推定誤差が小さい場合に適用される第2モードを設定し、電池の高低すなわち内部抵抗の推定誤差の程度に応じて、モードを切り替えるようにした。

0096

それによって、図14(b)に示すSOC推定値に対するSOC真値が、図14(b)の真値SOCchgtr1、SOCdistr1のように範囲SOCrngを逸脱するのを防止でき、真値SOCchgtr2、SOCdistr2のように範囲SOCrng内に収まるような制御が実現される。その結果、SOC使用範囲逸脱による組電池110、単電池群112及び単電池111の電池性能劣化を防止することができる。

0097

(C2)第2モード温度Tmode2の高低に基づいて切り替える方法としては、例えば、電池の内部抵抗の変化率ΔR/ΔTに基づいて、閾値(dRth1)に対応する第2モード温度Tmode2の閾値温度(Tth1)を設定し、図15のように、低温側の第2モード温度Tmode2がSOC演算精度に関する閾値温度(Tth1)より低い場合には第1モードに切り替え、第2モード温度Tmode2が閾値温度(Tth1)以上の場合には第2モードに切り替える。また、図9のように、内部抵抗の変化率ΔR/ΔTが閾値(dRth1)よりも大きいか否かでモードの切り替えを行うようにしても良い。

0098

(C3)また、図6の熱授受部材600のように暖機により高温になることが予め分かっている場合には、電池と熱授受を行う熱授受部材600の温度T4を第1モード温度Tmode1に設定することで、複数の温度から高温側の第1モード温度Tmode1を選択する処理を省くことができる。熱授受を行う媒体としては図6のような電池と接触して設けられた熱授受部材600だけでなく、電池を流体中に浸して暖機するような構成における流体などでも良い。

0099

(C4)さらに、第1モード温度Tmode1と第2モード温度Tmode2との差が所定値より小さい場合、例えば、暖機が行われていない場合には、組電池110の場所による温度差が小さくなる。そのような場合には、入力温度Tinとして第2モード温度Tmode2を出力するのが好ましい。

0100

(C5)また、図20に示すように、(ΔR/ΔT)>dRth1の場合、すなわち、第2モード温度Tmode2がSOC演算精度に関する閾値温度(Tth1)より低い場合には、第1モード温度Tmode1と第2モード温度Tmode2との差ΔTdf1が所定値Tdfbより小さい場合に、第1モード温度Tmode1に基づいてSOC演算を行い、差ΔTdf1が所定値Tdfb以上の場合に、第2モード温度Tmode2に所定値Tdfb以下の補正量(Tb)を加算した温度に基づいてSOC演算を行う。図20では、補正量(Tb)を所定値Tdfbと等しい値としているので、入力温度TinをTmode2+Tbのように設定している。ここで、Tmode2+Tbを第1モード温度Tmode1を用いて表現すると、Tmode1−(ΔTdf1−Tb)となる。

0101

このように制御することで、組電池110が局所的に急激に加温されて一部分だけ極端に高温となり、組電池110内の大部分は低温のままであるような状況に対して、過敏に反応して高温側の第1モード温度Tmode1を入力温度Tinに採用するのを抑制するようにしている。

0102

(C6)また、図23,24に示すように、第2モード温度Tmode2が第1の閾値(Tth11)よりも大きく第2の閾値(Tth12)よりも小さい場合には、重みWを用いた「W×(Tmode1)+(1−W)×(Tmode2)」の式で算出される温度Tinに基づいてSOC演算を行い、温度Tinに基づいてSOC演算を行う際には、第2モード温度Tmode2の温度上昇に伴って重みWを1から0へと減少させるようにしても良い。SOC演算に用いる温度Tinをこのように設定することにより、シームレスな温度切り替えを可能にすることができ、入力温度Tinのモード切替時に発生する内部抵抗R推定誤差が発生するのを防止でき、SOCv推定精度の悪化を抑制することができる。

0103

(C7)図25に示すように、熱授受部材600が温度上昇している暖機状態であることを示す暖機状態信号SHが温度選択部500に入力される構成の場合には、第2モード温度Tmode2の高低による切り替えに代えて、暖機状態信号SHを受信すると第1モードに切り替え、暖機状態信号SHの非受信時には第2モードに切り替えるようにしても良い。

0104

(C8)第2モード温度Tmode2には、複数の温度の平均値、または、複数の温度から前記第1モード温度Tmode1を除いた平均値が採用される。例えば、図6に示すように温度T4が熱授受部材600であって、暖機において組電池110事態の温度と大きく乖離している場合には、図7に示すように温度T4を除く温度T1〜T3の平均温度を第2モード温度Tmode2とするのが好ましい。

0105

上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではなく、それらを組み合わせても良い。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。

0106

100…電池システム、110…組電池、111…単電池、114…W生成器、120…計測部、121,121a,121b…単電池制御部、130…電流検知部、140…電圧検知部、150…電池状態推定部、151…SOCv演算部、152…SOCi演算部、153…組み合わせ演算部、180…記憶部、200…車両制御部、400…インバータ、410…モータジェネレータ、510…第1モード演算部、520…第2モード演算部、530…モード切替判定部、600…熱授受部材、SH…暖機状態信号、SW1…スイッチ、Tmode1…第1モード温度、Tmode2…第2モード温度

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