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技術 塗工白板紙

出願人 日本製紙株式会社
発明者 稲田周平神代宗信吉松丈博大庭大典高橋和也
出願日 2017年10月20日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-545779
公開日 2019年9月5日 (6ヶ月経過) 公開番号 WO2018-074604
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 白色ムラ スプレー塗工方式 マクロレベル 低減度合い 白色度差 王研平滑度 合成系接着剤 クランプ圧
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題・解決手段

原紙および2層以上の顔料塗工層を備える塗工白板紙であって、前記顔料塗工層が輪塗工層であり、クランプ圧2000kPaの条件におけるPPSラフネスが1.3μm超3.0μm以下である、塗工白板紙。当該塗工白板紙はイン擦れが低減され、かつ白色ムラが少ない。

概要

背景

白板紙は、食料品医薬品、化粧品などの容器として使用されることが多く、特に塗工白板紙においては、視覚化の面から外観性印刷適性等の向上に対する要求が高まっている。塗工白板紙は印刷後に打ち抜き等の加工を行うが、後加工工程等において紙同士が重なりあうことが多いため、その際に印字擦れて印刷面が汚染されるいわゆるインキ擦れが発生することが問題となっている。このようなインキ擦れを解消するために、一般的には印刷面をニス引きなどによって保護する手法がとられているが、工程が増えることにより作業効率が悪化してしまうなどの問題があるため、印刷所での作業負担の増えない対策が求められている。これに対して、これまでに例えば特許文献1および2には、特定の平均粒子径を有する板状顔料を全顔料に対して65重量%を超える割合で含有する塗工層ブレード塗工して設けた白板紙が提案されている。

また、外観性で求められる品質としては白色ムラが挙げられる。白色ムラとは、微小面積における白色度標準偏差と定義される。白色度が高くても白色ムラが劣る場合、面感が悪く、また印刷物の特に網点部においてムラがさらに強調されるため、印刷物としての価値が劣る。白色ムラは、原紙の白色度と塗工層の白色度の差が大きい場合、塗工層の塗工ムラが劣ると特に顕著となる。そこで、塗工層と原紙の白色度を近づけて白色ムラを低減させるために、カーテン塗工方式で設けられた顔料塗工層不透明度を50%以上にし、多層原紙の最表層とその直下層白色度差を12%より大きくする方法や、塗工顔料に黒染料を配合して、原紙の白色度と塗工層の白色度を6%以内にするなどの方法が提案されている(特許文献3、4)。

この他にも、上述の古紙パルプ多配合の紙を使用しながら、効率よくチリを目立たなくし、白色度や印刷適正を向上させる技術として、表面に塗被する塗工量を多くする、隠蔽性の高い二酸化チタン構造化カオリンプラスチックピグメント等の有機顔料を多量に配合する方法が提案されている(特許文献5、6)。

概要

原紙および2層以上の顔料塗工層を備える塗工白板紙であって、前記顔料塗工層が輪郭塗工層であり、クランプ圧2000kPaの条件におけるPPSラフネスが1.3μm超3.0μm以下である、塗工白板紙。当該塗工白板紙はインキ擦れが低減され、かつ白色ムラが少ない。

目的

本発明はインキ擦れを低減させた白色ムラの少ない塗工白板紙を提供する

効果

実績

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請求項1

原紙および顔料塗工層を備える塗工白板紙であって、前記顔料塗工層が輪塗工層であり、クランプ圧2000kPaの条件におけるPPSラフネスが1.3μm超3.0μm以下である、塗工白板紙。

請求項2

前記顔料塗工層中の顔料の総量100重量部中、カオリンまたはクレーの合計量が25重量部以下である、請求項1記載の塗工白板紙。

請求項3

前記輪郭塗工層がカーテン塗工層である、請求項1または2に記載の塗工白板紙。

請求項4

アピアランスアナライザーによって測定されるDAV2値が50以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の塗工白板紙。

請求項5

白紙光沢度が45〜60%である、請求項1〜4のいずれかに記載の塗工白板紙。

技術分野

0001

本発明は輪郭塗工層を有する塗工白板紙に関する。

背景技術

0002

白板紙は、食料品医薬品、化粧品などの容器として使用されることが多く、特に塗工白板紙においては、視覚化の面から外観性印刷適性等の向上に対する要求が高まっている。塗工白板紙は印刷後に打ち抜き等の加工を行うが、後加工工程等において紙同士が重なりあうことが多いため、その際に印字擦れて印刷面が汚染されるいわゆるインキ擦れが発生することが問題となっている。このようなインキ擦れを解消するために、一般的には印刷面をニス引きなどによって保護する手法がとられているが、工程が増えることにより作業効率が悪化してしまうなどの問題があるため、印刷所での作業負担の増えない対策が求められている。これに対して、これまでに例えば特許文献1および2には、特定の平均粒子径を有する板状顔料を全顔料に対して65重量%を超える割合で含有する塗工層をブレード塗工して設けた白板紙が提案されている。

0003

また、外観性で求められる品質としては白色ムラが挙げられる。白色ムラとは、微小面積における白色度標準偏差と定義される。白色度が高くても白色ムラが劣る場合、面感が悪く、また印刷物の特に網点部においてムラがさらに強調されるため、印刷物としての価値が劣る。白色ムラは、原紙の白色度と塗工層の白色度の差が大きい場合、塗工層の塗工ムラが劣ると特に顕著となる。そこで、塗工層と原紙の白色度を近づけて白色ムラを低減させるために、カーテン塗工方式で設けられた顔料塗工層不透明度を50%以上にし、多層原紙の最表層とその直下層白色度差を12%より大きくする方法や、塗工顔料に黒染料を配合して、原紙の白色度と塗工層の白色度を6%以内にするなどの方法が提案されている(特許文献3、4)。

0004

この他にも、上述の古紙パルプ多配合の紙を使用しながら、効率よくチリを目立たなくし、白色度や印刷適正を向上させる技術として、表面に塗被する塗工量を多くする、隠蔽性の高い二酸化チタン構造化カオリンプラスチックピグメント等の有機顔料を多量に配合する方法が提案されている(特許文献5、6)。

先行技術

0005

特開2008−95274号公報
特開2011−117122号公報
特開2009−41131号公報
特開平1−97295号公報
特開平6−166991号公報
特開2003−306892号公報

発明が解決しようとする課題

0006

従来、インキ擦れを解消するために塗工層の顔料形状を最適化することが試みられてきたが、インキ擦れの低減度合いは未だ十分満足するレベルではない。また、白色ムラに関しても、高価な資材設備を使用する必要があったり、白色度の低減を伴うなど課題があった。かかる事情を鑑み、本発明はインキ擦れを低減させた白色ムラの少ない塗工白板紙を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

発明者らは、輪郭塗工による均一な顔料塗工層を設け、板紙表面に繊維レベルの凹凸を形成することで、前記課題が解決できることを見出した。すなわち、前記課題は以下の本発明により解決される。
(1)原紙および顔料塗工層を備える塗工白板紙であって、
前記顔料塗工層が輪郭塗工層であり、
クランプ圧2000kPaの条件におけるPPSラフネスが1.3μm超3.0μm以下である、塗工白板紙。
(2)前記顔料塗工層中の顔料の総量100重量部中、カオリンまたはクレーの合計量が25重量部以下である、(1)記載の塗工白板紙。
(3)前記輪郭塗工層がカーテン塗工層である、(1)または(2)に記載の塗工白板紙。
(4)アピアランスアナライザーによって測定されるDAV2値が50以下である、(1)〜(3)のいずれかに記載の塗工白板紙。
(5)白紙光沢度が45〜60%である、(1)〜(4)のいずれかに記載の塗工白板紙。

発明の効果

0008

本発明によりインキ擦れを低減させた白色ムラの少ない塗工白板紙を提供できる。

0009

以下、本発明を詳細に説明する。本発明において「X〜Y」はその端値、すなわちXおよびYを含む。「XまたはY」は、X、Yのいずれか、あるいはその両方を意味する。

0010

1.塗工白板紙
(1)原紙
本発明で使用される原紙は、一般に塗工白板紙の分野で使用されているものであれば限定されないが、古紙パルプまたは化学パルプが配合されていることが好ましい。古紙パルプとしては、上質紙中質紙新聞紙チラシ雑誌などの選別古紙段ボール古紙やこれらが混合している無選別古紙原料とする脱墨古紙パルプまたは脱墨しない古紙パルプを使用でき、化学パルプとしてはクラフトパルプ亜硫酸パルプなどを使用できる。古紙パルプまたは化学パルプ以外のパルプは特に制限されず、サーモメカニカルパルプ加圧砕木パルプなどの機械パルプケミカルサーモメカニカルパルプなどの半化学パルプが使用できる。古紙パルプの配合量は、全パルプ中50重量%以上、好ましくは80重量%以上とできる。

0011

原紙は多層抄き原紙であることが好ましい。本発明では、多層抄きの原紙において、顔料を塗工する側の最表層を表層、塗工面から反対側に向かって2層目表下層、それ以外を他層という。他層のうち、最裏面を裏層、それ以外を中層ともいう。また、中層を構成する層を、塗工する面から数えて3層目、4層目ということもある。例えば、3層抄き以上の原紙の場合、中層に白色度の低いパルプを用いて、表層、裏層にそれより白色度が高いパルプを用いることもできるし、すべての層のパルプを同じものとして複数層重ねることもできる。表層のパルプは化学パルプを用いた場合は白色度や白色ムラが優れたものとなり、古紙パルプを用いた場合はコストの面で優位であるが、これらに限定されない。本発明によれば、例え低白色度の古紙パルプを多く用いた原紙を使用したとしても、輪郭塗工層により原紙を均一に被覆することができるため、白色ムラが低減された塗工白板紙を得ることができる。表下層および中層は主として古紙パルプで構成されることが好ましい。特に中層には古紙パルプを100重量%使用することが好ましく、そのうち80重量%以上を脱墨しない古紙パルプとしてもよい。

0012

原紙には填料が内添されてもよい。かかる填料としては特に限定されないが、例えば、ケイソウ土タルク、カオリン、焼成カオリンデラミネーティドカオリン、重質炭酸カルシウム軽質炭酸カルシウム炭酸マグネシウム炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛酸化ケイ素非晶質シリカ亜硫酸カルシウム石膏ホワイトカーボン水酸化アルミニウム水酸化カルシウム水酸化マグネシウム水酸化亜鉛製紙スラッジ脱墨フロスからの再生無機粒子等の無機填料、尿素ホルマリン樹脂ポリスチレン樹脂塩化ビニル樹脂メラミン樹脂フェノール樹脂プラスチック微小中空粒子などの有機填料、さらには古紙やブロークに含まれている填料を、単独もしくは適宜2種類以上組み合わせて使用できる。原紙の上記填料の含有割合原紙灰分)は限定されず適宜選択される。原紙灰分が低いほど剛度が向上し、原紙灰分が高い程柔軟性が向上するため、例えば剛度の高い原紙を得たい場合は10重量%未満とし、しなやかな原紙を得たい場合は10重量%以上とすることができる。

0013

また、目的とする品質に合わせて原紙層凝集助剤紙力増強剤色味付け染料または顔料、サイズ剤を使用できる。また、抄紙時の操業性を向上させるために、歩留り向上剤濾水向上剤消泡剤を適宜用いることができる。

0014

原紙の抄紙方法は特に限定されず、トップワイヤー等を含む長網抄紙機オントップフォーマー、ギャップフォーマー丸網抄紙機、長網抄紙機と丸網抄紙機を併用した板紙抄紙機ヤンキードライヤーマシン、これらを組み合わせたハイブリッド型抄紙機等を用いて行うことができ、2層以上を抄き合わせて原紙としてもよい。抄紙時のpHは、酸性中性アルカリ性のいずれでもよいが、中性またはアルカリ性が好ましい。抄紙速度は、特に限定されない。原紙の坪量は150〜700g/m2であることが好ましい。また、本発明により塗工紙を製造する場合は、原紙をソフトキャレンダチルドカレンダなどにより、塗工工程の前に、予め平滑化しておいてもよい。本発明の輪郭塗工方式によれば、例え原紙に予め平滑化処理を施したとしても、原紙表面の微細な凹凸を顔料塗工層の凹凸に反映させることができるため、本発明で得られる塗工白板紙は、たとえ原紙に平滑化処理を行ったとしても接触型塗工方式よりもインキ擦れを低減した塗工白板紙となる。

0015

(2)顔料塗工層
本発明の塗工白板紙は顔料塗工層を備える。顔料塗工層とはいわゆる白色顔料を含む塗工層である。顔料塗工層の数は限定されず、単層でもよく、2層、3層、4層としても本発明の効果を得ることができるが、隠蔽性やコスト等を考慮すると2層または3層であることが好ましく、より好ましくは2層である。

0016

顔料としては公知のものを使用でき、具体的には、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、デラミネーティッドカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、非晶質シリカ、亜硫酸カルシウム、石膏、ホワイトカーボン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、製紙スラッジ、脱墨フロスからの再生無機粒子等の無機填料、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、プラスチック微小中空粒子などの有機填料などを使用できる。

0017

ただし、顔料の総量100重量部中カオリンまたはクレーの合計量は好ましくは25重量部以下、より好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは15重量部以下である。すなわち顔料の総量中、カオリンまたはクレーの合計量は25重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましく、15重量%以下であることがさらに好ましい。顔料の総量とは各顔料塗工層に含まれる顔料の合計量である。カオリンまたはクレーはアスペクト比が高く、高アスペクト比顔料と呼ばれることもある。高アスペクト比顔料としては、タルク、クレー、カオリン、焼成カオリン、デラミネーティッドカオリン等の板状顔料が挙げられる。従来はこのような板状顔料を使用して塗工層表面を平滑化して、すなわちミクロレベルで平滑にしてインキ擦れを低減することが試みられていた。一方、本発明においては輪郭塗工による顔料塗工層を設け、繊維によって形成された原紙表面の粗さを顔料塗工層に反映させて塗工層表面を粗化して、すなわちマクロレベルで粗化して印刷面との接点を減少させる。このため、本発明では板状顔料の量を低減させてもインキ擦れを低減できると考えられる。また、高アスペクト比の顔料を多く含む顔料塗工層は割れが発生することがあるため、顔料塗工層の割れの抑制のためにも、高アスペクト比顔料、特にカオリンまたはクレーの配合比率は低いことが好ましい。また、その他の顔料としては、白色度の高い炭酸カルシウムを用いることが好ましく、炭酸カルシウムとしては軽質炭酸カルシウムや重質炭酸カルシウムを用いることができる。

0018

例えば、2層の顔料塗工層を設ける場合、各層中の顔料を合計した総量中、カオリンまたはクレーの合計量が25重量%以下であれば、カオリンまたはクレーの量は表層と下層で同じであってもよいし異なっていてもよい。例えば、表層のカオリンまたはクレーの配合率を30重量%以下、下層のカオリンまたはクレーの配合率を5重量%以下とする等、表層におけるカオリンまたはクレーの量を下層よりも多くすることができる。また、下層に炭酸カルシウムを多く配合することで本発明の塗工白板紙に隠蔽性を付与し、表層にカオリンまたはクレーを配合することでミクロレベルの平滑性を付与することができる。

0019

顔料塗工層は公知の接着剤を含んでいてもよい。接着剤としては塗工紙用に従来から用いられているものを使用できる。接着剤の例としては、スチレンブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体ポリビニルアルコール無水マレイン酸共重合体、およびアクリル酸メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤カゼイン大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類酸化澱粉陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等のエーテル化澱粉デキストリン等の澱粉類カルボキシメチルセルロースヒドロキシエチルセルロースヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等の通常の塗工紙用接着剤が挙げられる。接着剤は、1種類以上を適宜選択して使用できるが、少なくともスチレン・ブタジエン系共重合体を含有することが好ましい。

0020

顔料と接着剤の配合比率は、所望の顔料塗工液が得られる範囲で適宜調整される。通常、固形分比率で、顔料100重量部に対し、接着剤5〜30重量部の範囲で含有することが好ましく、8〜20重量部とすることがさらに好ましい。接着剤の量が5重量部より少ないと、塗工層強度が弱くなってしまい、紙粉が発生したり、印刷強度が劣ることなどがある。また、接着剤の量が30重量部より多いと、塗工層中顔料粒子間の空隙が接着剤で満たされ塗工層の光散乱性が劣るため、不透明度が劣る、インキの吸収性が劣る、コストが高くなる等が生じうる。

0021

本発明の各塗工層を形成する塗工液には、顔料と接着剤の他に、必要に応じて、分散剤粘性改良剤保水剤、消泡剤、耐水化剤蛍光染料着色染料着色顔料界面活性剤pH調整剤カチオン性樹脂アニオン性樹脂紫外線吸収剤金属塩など、通常の塗工紙用顔料に配合される各種助剤を適宜使用できる。

0022

顔料塗工層の総量は限定されないが、片面あたり10〜35g/m2程度であることが好ましく、15〜30g/m2程度であることがより好ましい。

0023

前記顔料塗工層は輪郭塗工層である。輪郭塗工層とは、原紙の輪郭をなぞるように設けられた均一な塗工層であり、原紙表面の凹凸をほぼ再現している塗工層である。輪郭塗工層は、輪郭塗工方式の塗工装置で形成され、例えばカーテン塗工方式、エアナイフ塗工方式スプレー塗工方式接触型輪郭塗工方式などの塗工装置などによって形成できるがこれらに限定されない。カーテン塗工方式で塗工層を設けるカーテン塗工については後で詳述する。顔料塗工層が複数存在する場合、すべての顔料塗工層は輪郭塗工層であることが好ましい。

0024

(3)クリア塗工層
本発明の塗工白板紙は、原紙層と顔料塗工層の間に、上述の顔料塗工層に用いられる各種接着剤や、各種助剤から成るクリア塗工層を有していてもよい。ただし、顔料塗工層表面に原紙層表面の凹凸を反映させる観点から、クリア塗工層を設ける場合、その塗工量は少ないことが好ましく、具体的には0.1〜5g/m2程度であることが好ましい。クリア塗工層は輪郭塗工層である必要はない。

0025

(4)裏面
本発明の塗工白板紙は、一方の面に輪郭塗工による顔料塗工層を有していればよいが、他方の面(便宜上「裏面」ともいう)にクリア塗工層もしくは顔料塗工層を設けてもよい。他方の面に塗工層を設けることで、剛度を向上させる、またはカールを抑制することができる。裏面塗工層は、必要に応じて、公知の顔料やバインダー、および、分散剤、粘性改良剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、蛍光染料、着色染料、着色顔料、界面活性剤、pH調整剤、カチオン性樹脂、アニオン性樹脂、紫外線吸収剤、金属塩などを含んでいてよい。裏面のクリアもしくは顔料塗工層は輪郭塗工である必要はなく、ブレード塗工などの公知の方法で設けてよい。その塗工量は、特に制限されないが、一般的に片面あたり固形分で0.1〜5g/m2である。

0026

(5)特性
1)平滑性
本発明の塗工白板紙は、原紙レベルの凹凸を反映した適度な平滑性を有することが好ましい。平滑性は表面の凹凸度合指標であり、王研式平滑度や、PPSラフネス、KEYENCE社のワンショット3D測定マイクロスコープなどを用いた画像処理によって求めた塗工層表面の高さ分布などにより測定されるが、これらに限定されない。平滑性が高すぎると、紙同士の接触面積が大きくなりインキ擦れが悪化してしまったり、光沢度上がりすぎてしまうため、本発明のインキ擦れの低減効果や、適切な白紙光沢度を得ることが困難になる。また、平滑性が低すぎると印刷面感搬送性の悪化を招く可能性がある。

0027

1−1)PPSラフネス
本発明の塗工白板紙は、クランプ圧2000kPaの条件におけるPPSラフネスが1.3μm超3.0μm以下である。上限は、好ましくは2.5μm以下、さらに好ましくは2.3μm以下である。PPSラフネスはISO8791に準じて測定される塗工白板紙の表面の粗度を表す指標である。PPSラフネスが前記範囲である塗工白板紙は、原紙表面の繊維レベルの凹凸を反映しており、これによってインキ擦れが低減される。PPSラフネスが1.3μm以下だと、平滑性が高くなってしまいインキ擦れが発生する可能性がある。PPSラフネスは、数値が高すぎると塗工紙表面の凹凸が大きくなり、白紙光沢度の低下や、印刷面感の悪化を引き起こす傾向がある。2.3μmより高いとその可能性が高くなり、3.0μmより高いとその傾向がより顕著となるため、これらの観点からPPSラフネスは1.3μm超2.3μm以下が好ましい。

0028

また、原紙の2000kPaの条件におけるPPSラフネスは5〜15μmである。上限は好ましくは、14μm以下、さらに好ましくは12μm以下であり、下限は好ましくは6μm以上、さらに好ましくは8μm以上である。前述の通り、本発明の塗工白板紙は輪郭塗工により顔料塗工層を設けるため、原紙の凹凸が塗工白板紙の凹凸に反映され、インク擦れを低減することができる。そのため、原紙のPPSラフネスが上記範囲内であると、輪郭塗工層を設けた後の塗工白板紙表面に、十分な凹凸が形成され、インキ擦れを低減した塗工白板紙を得ることができる。

0029

1−2)画像処理により求めた高さ分布のD50値
本発明の塗工白板紙は、画像処理により求めた塗工層表面の高さ分布のD50値が5以上、25%以下であることが好ましい。当該D50も塗工白板紙の表面の粗度を表す指標であり、D50がこの範囲にあるとインキ擦れが低減される。塗工層表面の高さ分布を画像処理により求める装置としては、例えば(株)KEYENCE社製のワンショット3D測定マイクロスコープ(商品名:VR−3100)等が挙げられる。

0030

2)DAV2値
本発明の塗工白板紙は、DAV2値が50以下であることが好ましい。DAV2値はデュポン社製アピアランスアナライザーを用いて測定される、塗工紙表面のもやもや感を表す指標である。この値が低いほどもやもや感が低いことを示す。DAV2値が50より高いと、もやもや感が高く、箱などの容器として使用された際に、外観性の観点から問題となる場合がある。

0031

3)白紙光沢度
本発明の塗工白板紙は、白紙光沢度が45〜60%であることが好ましい。本発明の白紙光沢度はJIS−P8142にしたがって測定される光沢度の指標である。

0032

4)白色度
本発明の塗工白板紙の白色度は75〜85%であることが好ましく、原紙の白色度は60〜75%であることが好ましい。原紙の白色度が上記範囲であると、白色度に優れた塗工白板紙を得ることができる。ただし、本発明によれば、輪郭塗工により原紙被覆性の高い顔料塗工層を設けることができるため、例え低白色度の原紙を用いたとしても、白色ムラが少なく、白色度の高い塗工白板紙を得ることができる。白色度は、JIS P8148「紙、板紙及びパルプ−ISO白色度拡散青色光反射率)の測定方法」に従い測定される。

0033

5)坪量
本発明の塗工白板紙の坪量は、特に限定されないが、150〜800g/m2程度が好ましい。

0034

(6)効果発現メカニズム
本発明の塗工白板紙は、優れた耐インキ擦れ性を有する。この理由は限定されないが、本発明の塗工白板紙は全顔料塗工層が輪郭塗工により設けられるため、ブレード塗工等の接触型塗工方式のみで設けられた塗工層とは異なり、塗工白板紙表面の凹凸が原紙層の繊維レベルでの凹凸が塗工層表面にも反映される。そのため、紙を重ねた際の紙同士の接触面積が少なく、印字部分に当該表面が擦れたとしても印字部分を表面で掻き取ることが生じにくいためと考えられる。さらに、輪郭塗工層は層の均一性に優れるため、白色ムラも低減できる。

0035

2.製造方法
本発明の塗工白板紙は、原紙上に輪郭塗工方式の塗工装置を用いて2層以上の顔料塗工層を設けて製造することが好ましい。輪郭塗工は、原紙等の基材の凹凸に沿った均一な膜厚な塗工層を設ける塗工方式である。輪郭塗工方式は、繊維レベルの凹凸を反映した塗工層が形成されるため、得られた塗工紙は、原紙の隠蔽性が高い、ブレード塗工方式と比較して平滑性光沢度が低い等の特徴をもつ。輪郭塗工方式の塗工方法としては、カーテン塗工、エアナイフ塗工スプレー塗工、各種接触型輪郭塗工などが挙げられるが、本発明の輪郭塗工は、カーテン塗工であることが好ましい。カーテン塗工とは、前計量方式の塗工方法であり、塗工量に合わせて流量などを調節した塗工液をカーテン状流下させて膜を形成し、その膜に原紙を通すことにより原紙上に塗工層を設ける塗工方式である。そのため、原紙上の凹凸を塗工層表面に再現しやすい。また、カーテン塗工は、ブレードによる掻き落としがなく、カーテン膜として形成された塗工層がそのまま原紙に載せられるため、塗工層の空隙が多く、光散乱性や白色度の点でも好ましい。

0036

カーテン塗工には公知の装置を使用することができる。カーテン塗工装置の形状として公知であるものは、ダイから塗工液を下向きに吐出することにより直接カーテン膜を形成するスロット型カーテン塗工装置と、ダイから塗工液を上向きに吐出し、ダイ上の斜面で塗工液の膜を形成しつつ流動していき、その後ダイを離れて自由落下することによりカーテン膜を形成するスライド型カーテン塗工装置がある。本発明においてはいずれの装置を使用してもよいが、スロット型を用いて2層以上のカーテン膜を同時に形成して多層塗工することが好ましい。塗工速度も特に限定されず、100〜600m/分程度とすることができる。

0037

塗工液の固形分濃度は、58重量%以上が好ましく、62重量%以上がより好ましい。固形分が58重量%より低いと、塗工液の原紙への過剰な浸透により塗工紙の品質が低下することがある。一方、固形分濃度の上限は特に制限されないが、送液性等を考慮すると、75重量%以下が好ましく、70重量%以下がより好ましい。

0038

[実施例1]
(原紙1)
LBKP100重量%のパルプを使用して坪量33g/m2の表層、脱墨古紙パルプ80重量%、脱墨しない雑誌古紙パルプ20重量%を配合して坪量36g/m2の表下層、脱墨しない雑誌古紙パルプ100重量%のパルプを使用して坪量44g/m2の中層、中層と同様のパルプを使用して4〜7層目をそれぞれ抄造して抄き合わせ、プレス乾燥処理を行い坪量294g/m2の塗工白板紙原紙を得た。本発明では、多層抄きの原紙において、顔料を塗工する側の最表層を表層、塗工面から反対側に向かって2層目を表下層、最裏面を裏層、それ以外を中層という。

0039

(塗工液A)
紡錘状軽質炭酸カルシウム(D50=0.5μm、D75/D25=2.5)100重量部からなる顔料スラリーを調製した後、顔料100重量部に対して、スチレン・ブタジエン共重合ラテックス18重量部、界面活性剤0.2重量部を添加した。さらに水を添加して、30℃、60rpmにおけるB型粘度が1000mPa・sになるように調整し、固形分濃度62重量%、静的表面張力38mN/mの塗工液Aを得た。

0040

(塗工液B)
重質炭酸カルシウム(D50=0.7μm、D75/D25=3.8)70重量部、デラミネーティッドカオリン(平均アスペクト比50)25重量部、酸化チタン5重量部からなる顔料スラリーを調整した後、顔料100重量部に対して、スチレン・ブタジエン共重合ラテックス14重量部、界面活性剤0.2重量部を添加した。さらに水を添加して60rpmにおけるB型粘度が1000mPa・sになるように調整し、固形分濃度68重量%、静的表面張力は30mN/mの塗工液Bを得た。

0041

(塗工)
原紙1の片面に上記塗工液Bが最表層になるよう、塗工液AおよびBをスロット型カーテン塗工装置にて同時2層塗工を行い、乾燥した。カーテン塗工層は、塗工液Aの層をプレ塗工層、塗工液Bの層をトップ塗工層とした。塗工量は、乾燥後の重量でプレ塗工層が20g/m2、トップ塗工層が5g/m2であり、塗工白板紙の坪量は316.3g/m2であった。塗工速度は、オンマシンにより抄紙と一貫して行ったため、抄紙速度と同じく300m/minであった。

0042

仕上げ処理
得られた塗工白板紙をカレンダー処理することにより、塗工白板紙を得た。処理速度は、オンマシンにより抄紙、塗工と一貫して行ったため、抄紙速度および塗工速度と同じく300m/minであった。

0043

[実施例2]
原紙1の片面に上記塗工液Bをスロット型カーテン塗工装置にて単層塗工を行った以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得て評価した。塗工量は、乾燥後の重量で25g/m2であり、塗工白板紙の坪量は316.5g/m2であった。

0044

[比較例1]
(塗工液C)
デラミネーティッドカオリン(平均アスペクト比50)35重量部、重質炭酸カルシウム(D50=0.7μm、D75/D25=3.8)65重量部からなる顔料スラリーを調製した後、顔料100重量部に対して、尿素リン酸澱粉3重量部、スチレン・ブタジエン共重合ラテックス12重量部を添加した。さらに水を添加して、30℃、60rpmにおけるB型粘度が1000mPa・sになるように調整し、固形分濃度65重量%、静的表面張力30mN/mの塗工液Cを得た。

0045

(塗工液D)
デラミネーティッドカオリン(平均アスペクト比50)25重量部、クレー(平均アスペクト比25)25重量部、重質炭酸カルシウム(D50=0.7μm、D75/D25=3.8)5重量部、紡錘状軽質炭酸カルシウム(D50=0.5μm、D75/D25=2.5)38重量部、酸化チタン7重量部からなる顔料スラリーを調製した後、顔料100重量部に対して、尿素リン酸澱粉5重量部、スチレン・ブタジエン共重合ラテックス14.5重量部を添加した。さらに水を添加して、30℃、60rpmにおけるB型粘度が1000mPa・sになるように調整し、固形分濃度62重量%、静的表面張力30mN/mの塗工液Dを得た。

0046

実施例1において、原紙1の4〜7層目の坪量配分を調整して295g/m2とした原紙に、プレ塗工層として、塗工液Cをバー塗工にて塗工し、乾燥工程を経た後に、トップ塗工層として塗工液Dをベントブレード塗工方式にて塗工した。塗工量は、乾燥後の重量でプレ塗工層が8g/m2、トップ塗工層が12g/m2であり、塗工白板紙の坪量は315.1g/m2であった。塗工層の構成以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。

0047

[比較例2]
カレンダー処理を実施しなかった以外は実施例1と同様にして塗工白板紙を得て評価した。塗工白板紙の坪量は318.5g/m2であった。

0048

[比較例3]
比較例1で用いた原紙の上に塗工液Dをベントブレード塗工方式にて塗工し、プレ塗工層を形成した。次いで、上記塗工液Bが最表層になるよう、塗工液AおよびBをスロット型カーテン塗工装置にて同時2層塗工を行い、乾燥した。塗工量は、乾燥後の重量でプレ塗工層が10g/m2、中間塗工層が10g/m2、トップ塗工層が5g/m2であり塗工白板紙の坪量は317.9g/m2であった。

0049

このようにして調製した塗工白板紙を以下のとおりに評価した。結果を表1に示す。
(1)坪量:JIS P 8124に準じて測定した。
(2)紙厚:JIS P 8118に準じて測定した。
(3)密度:JIS P 8118に準じて坪量と紙厚から求めた。
(4)王研平滑度:JIS P 8155に準じて測定した。
(5)PPSラフネス:ISO8791に準じて測定したPPS表面粗さ。ソフトバッキングで測定した。
(6)白紙光沢度:JIS−P8142に基づいて測定した。
(7)白色度:JIS P8148に準じて測定した。
(8)インキ擦れ:ローランド社製オフセット枚葉印刷機(4色)にてオフセット枚葉用インキ(東洋インキ製NEX−M)を用い、印刷速度8000枚/hrでベタ部のインキ着肉濃度が1.80となる様に印刷したあと、JIS P8111に基づき24時間調湿し、学振型摩擦堅牢度試験機により、墨ベタ印刷部が白紙部に合わさるように500gfの荷重をかけて1回擦り合わせ、白紙部に転移したインキをインキ擦れとして目視評価した。
A:良好
B:不良
(9)DAV2:デュポン社製アピアランスアナライザーを用い、塗工紙表面のもやもや感を評価した。値が大きいほど塗工紙の表面にもやもや感があり、白紙面感が劣る。
(10)印刷面感
目視にて評価した。
A:良好
B:不良

0050

実施例

0051

本発明の塗工白板紙は、優れた耐インキ擦れ性を有する。

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