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技術 耐火扉構造

出願人 株式会社シェルタージャパン
発明者 矢野昭彦
出願日 2017年10月12日 (1年2ヶ月経過) 出願番号 2018-511174
公開日 2018年10月11日 (2ヶ月経過) 公開番号 WO2018-070467
状態 特許登録済
技術分野 特殊ウィング 戸・窓の密封・換気・特殊装置 異常な外部の影響に耐えるための建築物
主要キーワード スペース材 バネ支持体 取り換え作業 レール支持板 溝型形状 形状記憶合金バネ 気密扉 耐火扉
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題・解決手段

津波及び津波火災に対応できる耐火扉構造を提供する。 耐火扉構造10は枠体1と耐火扉2で構成されている片引戸である。耐火扉2は、枠体1にスライド可能に取り付けられた引戸形式の1枚の扉である。耐火扉2は2層構造であり、内扉板21と、水充填体22と、スペース材24と、外扉板23と、外縁板25で構成されている。水充填体22は複数の角筒体で構成されており、内部に充填水Wが充填されている。火炎熱で周辺の温度が上昇したとき、充填水Wの潜熱効果で耐火扉2の温度上昇が抑制される。耐火扉2には、シェルター200と耐火扉2の間に生じる隙間を封止する封止板52及び/又は耐火パッキン72が設けられている。 これにより、火炎によって発生するガス侵入を抑制することができる。

概要

背景

津波対策火災対策は、従来は別々の防災課題であると考えられてきたが、2011年に発生した東日本大震災では、津波によって火災が引き起こされた事実が確認されている。津波という大量の水が存在する中で火災が発生するという事象は想定し難いことではあるが、次に示す原因が考えられている。すなわち、石油タンクや津波などによって流された船舶や車から漏れ出した燃料重油灯油ガスなど)にその他の漂流物衝突して着火し、津波の浸水域漂流したことで、火災が拡大したと考えられる。

東日本大震災で引き起こされた津波火災は、極めて特殊事象が積み重なって例外的に発生した事象ではなく、他の津波災害でも常に発生する可能性を秘めたものである。したがって、地震災害対処するためには、併せて津波、及び津波火災対策を講じておく必要がある。

こうした地震などの災害時に自ら救命するための対策として、様々なシェルターが提案されている。

特許文献1では、平時においては、公民館図書館などの公共施設として利用可能とし、津波が襲来した場合には、容易に浮上し避難場所を確保できる浮体大人数緊急避難シェルターが開示されている。外部と通行する入り口は、水密扉気密扉の2重構造となっている。

特許文献2では、通常の生活に使用する個人住宅として利用できるとともに、津波が襲来したとき、人間等が避難可能なシェルターの津波対策用の扉が開示されている。具体的には、開口部周辺の壁面を扉押圧機構によってシールする引き戸式の扉である。

特許文献3では、衝撃的水圧に耐える引き戸式の扉を備えた鉄筋コンクリート製のシェルターが開示されている。引き戸式の扉は軽量V型リブフレームを密に短辺方向に配したものであり、加えて入水防止装置具備している。

特開2015−020603号公報
特開2013−015796号公報
特開2013−160037号公報

概要

津波及び津波火災に対応できる耐火扉構造を提供する。 耐火扉構造10は枠体1と耐火扉2で構成されている片引戸である。耐火扉2は、枠体1にスライド可能に取り付けられた引戸形式の1枚の扉である。耐火扉2は2層構造であり、内扉板21と、水充填体22と、スペース材24と、外扉板23と、外縁板25で構成されている。水充填体22は複数の角筒体で構成されており、内部に充填水Wが充填されている。火炎熱で周辺の温度が上昇したとき、充填水Wの潜熱効果で耐火扉2の温度上昇が抑制される。耐火扉2には、シェルター200と耐火扉2の間に生じる隙間を封止する封止板52及び/又は耐火パッキン72が設けられている。 これにより、火炎によって発生するガスの侵入を抑制することができる。

目的

本発明の課題は、地震、津波、及び津波火災に対して高い安全性を有する引き戸式の耐火扉構造を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

シェルターに設けられた枠体と、前記枠体にスライド可能に設けられた二層構造耐火扉と、空気抜き弁と、を備え、前記二層構造の一方の層は、水と空気で満たされた水充填層であり、前記空気抜き弁は、一方の端部が前記水充填層内の空気で満たされた空間に貫入し、他方の端部が外部空間に突出して設けられていることを特徴とする耐火扉構造。

請求項2

前記水充填層は、列状に分割されていることを特徴とする請求項1に記載の耐火扉構造。

請求項3

前記二層構造の他方の層は、空気で満たされている空気層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐火扉構造。

請求項4

前記耐火扉が閉まった状態で、前記シェルターと前記耐火扉との間に生じる隙間を、所定の温度になったとき、封止する封止機構をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐火扉構造。

請求項5

前記封止機構は、前記耐火扉に回動可能に固定された封止板と、一端部が前記封止板に接続し他端部が前記耐火扉に固定されたアクチュエータを有し、前記アクチュエータは、所定の温度になったとき前記封止板を変位させ前記隙間を封止することを特徴とする請求項4に記載の耐火扉構造。

請求項6

前記アクチュエータは、前記封止板を変位させるための形状記憶合金バネを含むことを特徴とする請求項5に記載の耐火扉構造。

請求項7

前記封止板と前記アクチュエータは、前記耐火扉の外部空間側に設けられ、前記枠体と前記耐火扉の外扉板との間に生じる隙間、及び前記シェルターの外壁と前記耐火扉の戸尻部との間に生じる隙間を封止することを特徴とする請求項5又は6に記載の耐火扉構造。

請求項8

前記封止機構は、耐火シートを丸めた耐火パッキンを有し、前記耐火パッキンは、所定の温度となったとき膨張することによって前記隙間を封止することを特徴とする請求項4に記載の耐火扉構造。

請求項9

前記耐火パッキンは、取付け面の反対側に開口空間が形成された収納容器に保持されていることを特徴とする請求項8に記載の耐火扉構造。

請求項10

前記耐火パッキンは、前記耐火扉の内扉板に、前記耐火扉が閉じた状態で前記シェルターに形成された出入口の外周部に対向するように環状に設けられることを特徴とする請求項8又は9に記載の耐火扉構造。

技術分野

0001

本発明は、津波及び津波火災に対応できる耐火扉構造に関する。

背景技術

0002

津波対策と火災対策は、従来は別々の防災課題であると考えられてきたが、2011年に発生した東日本大震災では、津波によって火災が引き起こされた事実が確認されている。津波という大量の水が存在する中で火災が発生するという事象は想定し難いことではあるが、次に示す原因が考えられている。すなわち、石油タンクや津波などによって流された船舶や車から漏れ出した燃料重油灯油ガスなど)にその他の漂流物衝突して着火し、津波の浸水域漂流したことで、火災が拡大したと考えられる。

0003

東日本大震災で引き起こされた津波火災は、極めて特殊事象が積み重なって例外的に発生した事象ではなく、他の津波災害でも常に発生する可能性を秘めたものである。したがって、地震災害対処するためには、併せて津波、及び津波火災対策を講じておく必要がある。

0004

こうした地震などの災害時に自ら救命するための対策として、様々なシェルターが提案されている。

0005

特許文献1では、平時においては、公民館図書館などの公共施設として利用可能とし、津波が襲来した場合には、容易に浮上し避難場所を確保できる浮体大人数緊急避難シェルターが開示されている。外部と通行する入り口は、水密扉気密扉の2重構造となっている。

0006

特許文献2では、通常の生活に使用する個人住宅として利用できるとともに、津波が襲来したとき、人間等が避難可能なシェルターの津波対策用の扉が開示されている。具体的には、開口部周辺の壁面を扉押圧機構によってシールする引き戸式の扉である。

0007

特許文献3では、衝撃的水圧に耐える引き戸式の扉を備えた鉄筋コンクリート製のシェルターが開示されている。引き戸式の扉は軽量V型リブフレームを密に短辺方向に配したものであり、加えて入水防止装置具備している。

0008

特開2015−020603号公報
特開2013−015796号公報
特開2013−160037号公報

発明が解決しようとする課題

0009

特許文献1では、外部と通行する入り口は、水密扉と気密扉の2重構造とし、水密扉は常時開放状態とする使用態様が開示されている。水密扉は重量があり、開閉に多大な労力を要するためである。このような使用態様で地震が来た場合、重量のある水密扉の丁番か破損し、水密扉として機能しない可能性がある。すなわち、開閉式の扉では重い重量の扉を回動させる丁番が弱点となる。特許文献2で開示されている扉構造機構が複雑でありコストダウンすることができない。特許文献3で開示されている扉構造は、火災に対する対策が十分に検討されていない。

0010

本発明の課題は、地震、津波、及び津波火災に対して高い安全性を有する引き戸式の耐火扉構造を提供することである。

課題を解決するための手段

0011

上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、耐火扉構造であって、シェルターに設けられた枠体と、枠体にスライド可能に設けられた二層構造の耐火扉と、空気抜き弁を備え、二層構造の一方の層は、水と空気で満たされた水充填層であり、空気抜き弁は、一方の端部が水充填層内の空気で満たされた空間に貫入し、他方の端部が外部空間に突出して設けられていることを特徴とする。

0012

この構成によれば、耐火扉構造は、枠体にスライド可能に設けられた引き戸式の扉であることから、地震荷重を枠体全体で受ける構造となっている。そのため、開閉式の扉構造に比べて耐地震荷重性能を高めることができる。

0013

耐火扉は二層構造になっており一方の層の内部に比熱容量の大きな水が貯留されているので、津波火災が発生した場合でも、火炎熱を吸収することができる。

0014

火炎熱等により水充填層内の水が気化した場合でも、発生した蒸気は、空気抜き弁を経由して外部空間に排出されるので、内部の圧力の上昇を抑制することができる。

0015

さらに、水が気化し蒸気に変化するとき、潜熱効果が働くので、冷却効果が期待できる。その結果、耐火扉の温度上昇を抑制することができる。

0016

請求項2に係る発明は、請求項1に記載の耐火扉構造において、水充填層は、列状に分割されていることを特徴とする。

0017

この構成によれば、水充填層は列状に分割されているので、耐火扉の開閉時に生じる水のスロッシングを低減することができ、扉を円滑に開閉することができる。

0018

さらに、何らかの原因で列状に分割されている水充填層の一部の列が破損したとしても他の列の水充填層で火炎による熱を吸収することができ、また潜熱効果が期待できる。

0019

請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る耐火扉構造において、二層構造の他方の層は、空気で満たされている空気層であることを特徴とする。

0020

この構成によれば、二層構造の他方の層は、空気が満たされているので断熱効果が期待できる。これにより、シェルター内の温度上昇を抑制することができる。

0021

請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐火扉構造において、耐火扉が閉まった状態で、シェルターと耐火扉との間に生じる隙間を、所定の温度になったとき、封止する封止機構をさらに備えることを特徴とする。

0022

この構成によれば、所定の温度になったとき、シェルターと耐火扉との間に生じる隙間を封止する封止機構を備えるので、シェルター内への火炎の侵入を防止することができる。

0023

請求項5に係る発明は、請求項4に記載の耐火扉構造において、封止機構は、耐火扉に回動可能に固定された封止板と、一端部が封止板に接続し他端部が耐火扉に固定されたアクチュエータを有し、アクチュエータは、所定の温度になったとき封止板を変位させ隙間を封止することを特徴とする。

0024

この構成によれば、封止機構は、耐火扉に回動可能に固定された封止板と、一端部が封止板に接続し他端部が耐火扉に固定されたアクチュエータを有するので、耐火扉に封止板とアクチュエータを取り付けることによって簡単に隙間を封止することができる。

0025

請求項6に係る発明は、請求項5に記載の耐火扉構造において、アクチュエータは、封止板を変位させるための形状記憶合金バネを含むことを特徴とする。

0026

この構成によれば、アクチュエータは、形状記憶合金バネを含む構造、すなわちパッシブ型のアクチュエータであるので、センサモータ及び電力等で構成される複雑な構造を用いることなく所定の温度で封止板を変位させることができる。

0027

請求項7に係る発明は、請求項5又は6に記載の耐火扉構造において、封止板とアクチュエータは、耐火扉の外部空間側に設けられ、枠体と耐火扉の外扉板との間に生じる隙間、及びシェルターの外壁と耐火扉の戸尻部との間に生じる隙間を封止することを特徴とする。

0028

この構成によれば、封止板とアクチュエータは、耐火扉の外部空間側に設けられているので、取付け保守点検、及び取り換え作業を簡単に行うことができる。

0029

請求項8に係る発明は、請求項4に記載の耐火扉構造において、封止機構は、耐火シートを丸めた耐火パッキンを有し、耐火パッキンは、所定の温度となったとき膨張することによって隙間を封止することを特徴とする。

0030

この構成によれば、封止機構は、耐火シートを丸めた耐火パッキンを有するので、耐火性能を具備することができる。

0031

請求項9に係る発明は、請求項8に記載の耐火扉構造において、耐火パッキンは、取付け面の反対側に開口空間が形成された収納容器に保持されていることを特徴とする。

0032

この構成によれば、耐火パッキンは、収納容器に保持されているので、耐火パッキンの耐久性を向上させることができる。また、耐火パッキンを保持する収納容器は、取付け面の反対側に開口空間が形成されているので、耐火パッキンを取付け面の反対側にのみ膨張させることができる。その結果、封止効果を高めることができる。

0033

請求項10に係る発明は、請求項8又は9に記載の耐火扉構造において、耐火パッキンは、耐火扉の内扉板に、耐火扉が閉じた状態でシェルターに形成された出入口の外周部に対向するように環状に設けられていることを特徴とする。

0034

この構成によれば、耐火パッキンは耐火扉の内扉板に、耐火扉が閉じた状態で出入口の外周部に対向するように環状に設けられているので、内扉板とシェルターとの間に生じる隙間を封止することができる。また、耐火扉の外部空間側に突出して設ける必要はなく、津波等による破損を免れ得る。

図面の簡単な説明

0035

(a)は、耐火扉が閉じた状態を説明する正面図である。(b)は、耐火扉が開いた状態を説明する正面図である。
封止板及び耐火パッキンの取付け状態を説明する側面断面図である。
同、平面断面図である。
スペース金具を説明する図である。
(a)は常温状態でのアクチュエータの状態を説明する図である。(b)は形状記憶合金バネが変態温度以上となった状態を説明する図である。
(a)は、耐火パッキンの取付け状態を説明する側面断面図である。(b)は、耐火パッキンの取付け状態を説明する正面図である。

実施例

0036

以下、本発明の実施形態における耐火扉構造10について、図面を参照し、説明する。この耐火扉構造10は、シェルター200の出入口100に設けられる。

0037

図1に示す通り耐火扉構造10は、枠体1と耐火扉2で構成されている片引戸である。耐火扉2は、枠体1にスライド可能に取り付けられた引戸形式の1枚の扉である。枠体1は、外部空間101側から避難空間102方向を視るとコ字形をしており、耐火扉2が閉じられた状態で出入口100が外部側空間と遮断され、開かれた状態で出入口100が外部空間101と連接されるように設けられている。枠体1は、上下方向に延びる縦枠11と、縦枠11の下部に連結し水平方向に延びる下枠12と、縦枠11の上部に連結し水平方向に延びる上枠13で構成されている。

0038

縦枠11は断面視L字形の鋼板であり、シェルター200の外面から垂直に延び、耐火扉2の出入口100方向に向かって屈曲してシェルター200の外面に平行に延びている。縦枠11とシェルター200で形成される溝部は、耐火扉2が閉じられた状態で、耐火扉2の戸先部を収納している。

0039

下枠12は断面視L字形の鋼板であり、シェルター200から垂直に延び、上枠13方向に向かって屈曲してシェルター200の外面に平行に延びている。図2に示す通り、シェルター200の外面と下枠12で形成される溝部に、耐火扉2がスライドする際の方向を誘導するための誘導板47が収納されている。また、下枠12の自由端の端部には、耐火扉2の枠外への飛び出しを防止するためのストッパー(図示せず)が設けられている。

0040

誘導板47は、凹部が形成されており、この凹部に下側縁板251のほぼ全長渡り突設されたガイド板48がスライド可能に収納されている。これにより、耐火扉2は面外方向ぶれることなくスムーズにスライドすることができる。

0041

誘導板47と下側縁板251の隙間は、許容される最大設置誤差を考慮しても接触しない最小の間隔とすることが好ましい。耐火扉2のスムーズなスライドを確保するとともに、その隙間をできる限り小さくするためである。これにより、火炎、及び火炎によって発生するガスの侵入を抑制することができる。

0042

上枠13は断面視L字形の鋼板であり、シェルター200から垂直に延び、下枠12方向に向かって屈曲してシェルター200の外面に平行に延びている。図2に示す通り、シェルター200と上枠13で形成される溝部に、耐火扉2を吊り下げながら走行させる走行装置40が収納されている。また、上枠13の自由端の端部には、耐火扉2の枠外への飛び出しを防止するためのストッパー(図示せず)が設けられている。

0043

走行装置40は、ローラ41a、bと、走行レール42a、bと、ハンガー43と、レール支持板44a、bで構成されている。

0044

ハンガー43は断面視T字形をしており、戸尻側、中央部、及び戸先側の3か所で耐火扉2を吊り下げている。T字形のハンガー43の先端部にローラ41a、bが回転可能に取り付けられている。このローラ41a、bはレール支持板44a、bに固定された走行レール42a、b上に走行可能に載せられている。

0045

ローラ41a、bの外径は、シェルター200と、上枠13とレール支持板44a、bで囲まれる空間に収容可能で、可能な限り大きいほうが好ましい。これにより輪圧を抑え、スライドに要する力を低減でき、耐火扉2を円滑にスライドすることができる。

0046

レール支持板44a、bと上側縁板252の隙間は、許容される最大設置誤差を考慮しても接触しない最小の間隔とすることが好ましい。耐火扉2のスムーズなスライドを確保するとともに、その隙間をできる限り小さくするためである。これにより、火炎、及び火炎によって発生するガスの侵入を抑制することができる。

0047

図2、3に示す通り耐火扉2は、内扉板21と、水充填体22と、スペース材24と、外扉板23と、外縁板25で構成されている。

0048

内扉板21は、矩形平板であり、所定の津波荷重等に耐える強度を有している。内扉板21は、鋼板を加工したものであることが好ましい。

0049

水充填体22は複数の角筒体で構成されている。この角筒体は、内扉板21の外部空間101側の全面に、隙間なく、列をなして固定されている。角筒体の上面及び下面は上側縁板252及び下側縁板251に固着しており、内部は閉空間(水充填層)を形成している。この閉空間のほぼ全体に充填水Wが貯留されており、その上部に若干の充填空気Aが存在している。複数の角筒体に存在している充填空気Aを連通させるため、角筒体が相互に接触する面の上端部に切欠き部221が設けられている。角筒体は角型鋼管パイプを加工したものであることが好ましい。

0050

水充填体22の外部空間側の上端部、中間部、下端部にスペース材24が取り付けられている。スペース材24は両端が閉塞板(図示せず)で塞がれた角筒体であり、角型鋼管パイプを加工したものであることが好ましい。なお、溝形鋼H形鋼を加工したものであってもよい。

0051

スペース材24の外部空間側面にスペース金具27を介して外扉板23が固定されている。外扉板23は、鋼板を加工したものであることが好ましい。スペース金具27は、図4に示す通り、円筒形内面にねじを切ったスペース金具本体271と固定ボルト272で構成されており、スペース材24に固定されている。

0052

外縁板25は、下側縁板251と、上側縁板252と、戸尻側縁板253と、戸先側縁板254で構成されている。外縁板25の一方の端は外扉板23に固定されている。

0053

戸尻側縁板253と、戸先側縁板254の中間部はスペース材金具27を介して水充填体22及び、スペース材24に固定されている。一方の端(避難空間側の端)は自由端となっており、他方の端(外部空間側の端)は外扉板23の外縁に固定されている。

0054

以上説明した通り、耐火扉2は、その内部が避難空間102側と外部空間101側に仕切られた二層構造となっている。また、避難空間102側の層は充填水Wと充填空気Aで満たされており、外部空間101側の層は空気が満たされている構造となっている。

0055

さらに、本構成では戸尻側縁板253と、内扉板21及び水充填体22の間に隙間が形成されている。同様に、戸先側縁板254との間にも隙間が形成されている。この隙間により耐火扉2の内部の空気を外部に排出できるとともに、外部からの空気を取り込むことも可能となる。これにより、温度上昇に伴う圧力の上昇を抑制することができ、耐火扉2の変形を防止することができる。

0056

なお、避難空間102側の内部空間を、空気が満たされる層とし、外部空間101側の内部空間を充填水Wと充填空気Aで満たされる層としてもよい。

0057

外扉板23に、3個の空気抜き弁28が取り付けられている。空気抜き弁28は、充填水Wが火炎熱等で加熱され気化することによって生じる水蒸気を外部空間101に排出するためのものである。これにより、角筒体内部の圧力上昇を抑制することができる。蒸気取り入れ口(一方の端部)は、充填空気Aに貫入しており、蒸気排出口(他方の端部)は外扉板23から突出し大気に接している。

0058

封止機構は、火炎熱で周囲の温度が上昇し所定の温度になったとき、耐火扉2と枠体1の間に生じた隙間を封止するためのものである。以下に、封止機構の種々の例を説明する。

0059

封止機構例1
図5に示す通り、封止機構例1は、固定板51と、封止板52と、固定板51と封止板52を回転可能に連結する丁番53と、アクチュエータ61で構成されている。

0060

図2、3に示す通り、固定板51及び封止板52は、戸尻側縁板253の避難空間102側の端部、及び耐火扉2の外表面に枠体1に沿って配設されている。固定板51及び封止板52は、鋼板を加工したものであることが好ましい。

0061

固定板51は耐火扉2に固定されている。封止板52は、固定板51に丁番53を介して回転可能に取り付けられ、さらに後述するアクチュエータ61を介して固定板51に固定されている。

0062

固定板51と封止板52のなす角度は90度〜100度であることが好ましい。さらに好ましくは90度〜95である。これによりアクチュエータ61からの推力を封止板52に効果的に伝達することができる。

0063

アクチュエータ61は固定板51の両端部及び中間部の合計3か所に設けられているとともに、封止板52にボールジョイント58を介して接続されている。

0064

アクチュエータ61のメカニズムを、図5に基づいて説明する。

0065

アクチュエータ61は、バネ支持体56と、バネ支持体56を貫通して設けられている封止軸57と、封止軸57の外周に沿って設けられている形状記憶合金バネ54及びバイアスバネ55と、形状記憶合金バネ54とバイアスバネ55を仕切る仕切り板59とで構成されている。

0066

バネ支持体56は、断面視溝型形状をしており、中間部(溝型の底面)は固定板51に固定されている。溝型の立ち上がり部に縦方向に長い長孔(図示せず)が形成され、この長孔に封止軸57が貫通して設けられている。

0067

封止軸57の一端はボールジョイント58を介して封止板52に回転可能に固定されている。封止軸57の他端は自由端となっている。また、長手方向の中央近傍に仕切り板59が固定されている。

0068

形状記憶合金バネ54は、バネ支持体56に収納されており、封止軸57の外周に螺旋状に巻かれており、封止軸57の軸方向に沿って設けられている。形状記憶合金バネ54の一端はバネ支持体56凹部の一方の立ち上がり部に固定されており、他端は仕切り板59に固定されている。

0069

バイアスバネ55は、バネ支持体56に収納されており、封止軸57の外周に螺旋状に巻かれており、封止軸57の軸方向に沿って形状記憶合金バネ54に対向して設けられている。バイアスバネ55の一端はバネ支持体56溝型の他方の立ち上がり部に固定されており、他端は仕切り板59に固定されている。

0070

形状記憶合金バネ54と、バイアスバネ55は、変位量が一定となるように圧縮して押し合う形で、バネ支持体56に収納されている。バイアスバネ55は、周囲の温度に影響を受けず変位に比例した力を生じる。それに対し、形状記憶合金バネ54は周囲の温度により生じる力が変化する。

0071

図5(a)は、常温状態でのアクチュエータ61の状態を示している。この状態で、バイアスバネ55と形状記憶合金バネ54に生じる力は釣り合っている。

0072

図5(b)は、高温状態でのアクチュエータ61の状態を示している。温度が上昇し変態温度を超えると、形状記憶合金バネ54は、引っ張り力を生じるため延びる方向に変形し、バイアスバネ55を圧縮させる。これにより、封止軸57は変位し、封止軸57に押された封止板52は、固定板51となす角度が拡大する方向に変位する。この結果、シェルター200と耐火扉2の間に生じた隙間を封止することができる。

0073

また、再度温度が下がり変態温度以下になると、形状記憶合金バネ54に生じる引っ張り力は減少し、バイアスバネ55に押され、図5(a)の状態に戻る。

0074

形状記憶合金バネ54の変態温度は、太陽熱等で上昇が見込まれる温度以上で、かつ早期に火炎熱を感知できる温度であることが好ましい。

0075

本実施形態では、封止板52の断面は単純な板状であるが、断面視L形としてもよい。こうすることにより、封止させるアクチュエータ61の変位量を減少できるとともに、固定板51と封止板52のなす角度を90度に近づけることができる。

0076

封止機構例2
封止機構例2は、凹部が形成された収納容器73と、耐火パッキン72で構成されている。図2、3、6に示す通り、凹部が形成された収納容器73は、内扉板21の表面に、外周域に沿って環状に取り付けられている。この凹部によって、内扉板21の取付け面の反対側(取り付け面に対向する面の側)、すなわちシェルター200側に開口空間が形成される。また、収納容器73の凹部に耐火パッキン72が収納されている。

0077

耐火パッキン72は、耐火シートを巻いて収納容器73の凹部先端の高さよりも低い状態で収容されている。耐火パッキン72は温度上昇に伴って凹部の開口空間の方向に膨張し、所定の温度以上になると、収納容器73の高さよりも突出し、シェルター200の外面に接触する。その結果、耐火扉2とシェルター200との間に生じた隙間を封止することができる。

0078

耐火シートは、主にアラミド繊維フッ素繊維炭素繊維膨張黒鉛繊維、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)繊維、ポリイミド繊維、及びポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維を網組等したシート、並びに織布の繊維にアルミ溶着し、その上に劣化を防ぐ樹脂コーティングしたデュポン社のタイベック登録商標シルバーシートが挙げられる。耐火シートを丸めたものを耐火パッキン72として用いることで、温度上昇に対して膨張可能な構造となる。

0079

なお、本実施形態では耐火パッキン72を、凹部が形成された収納容器73で保持しているが、これに限定されるものではなく例えば、耐火パッキン72を板状の保持部材で形成される凹部に保持してもよい。また、耐火パッキンは、内扉板21の表面に、外周域に沿って環状に取り付けられているが、出入口100の外周域に沿って環状に取り付けてもよい。

0080

以上の実施形態は、本発明の実施のための好ましい実施形態の例示である。本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において各種の改変をなしても、本発明の技術的範囲に属することは勿論である。

0081

例えば、封止機構として、例1、例2をそれぞれ個別に挙げたが、これらを同時に封止機構として適用してもよい。また、封止機構例2で示した耐火パッキン72の内側領域に、水密パッキンを併設してもよい。これにより水密パッキンは火炎から保護されるので、津波、及び津波火災時において耐火扉構造10の水密性能を向上させることができる。

0082

1枠体
2耐火扉
10 耐火扉構造
11縦枠
12下枠
13上枠
21内扉板
22 水充填体
23外扉板
24スペース材
25 外縁板
251 下側縁板
252 上側縁板
253戸尻側縁板
254戸先側縁板
28空気抜き弁
40走行装置
41a、bローラ
42a、b走行レール
43ハンガー
44a、bレール支持板
51固定板
52封止板
53丁番
54形状記憶合金バネ
55バイアスバネ
56バネ支持体
57封止軸
58ボールジョイント
59仕切り板
61アクチュエータ
72耐火パッキン
73収納容器
100出入口
101 外部空間
102避難空間
200シェルター
W充填水
A 充填空気

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