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技術 ジアミン、重合体、液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子

出願人 日産化学株式会社
発明者 相馬早紀森本佳道
出願日 2017年10月4日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2018-543941
公開日 2019年8月8日 (2ヶ月経過) 公開番号 WO2018-066607
状態 未査定
技術分野 1,3-ジアゾール系化合物 液晶3-2(配向部材) 含窒素連結基の形式による高分子化合物一般
主要キーワード 電極要素間 各電極要素 押し込み圧 スリットコータ法 フリッカーレベル ローラー回転数 駆動初期 エチレングリコールジアセタート
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (1)

下記式[1]で表される構造を有するジアミンとする。

化1

(式[1]中、Y1及びY2は、それぞれ独立して単結合、−O−、−S−、−COO−又は−OCO−であり、R1及びR2は、それぞれ独立して−H、−OH、=O又は一価有機基であり、R3及びR4は、それぞれ独立して炭素原子数1〜3のアルキレン基である。また、ベンゼン環の任意の水素原子は、一価の有機基に置換されていてもよい。)

概要

背景

現在、液晶表示素子パーソナルコンピュータ携帯電話テレビジョン受像機等の表示部として幅広く用いられている。液晶表示素子は、例えば素子基板カラーフィルタ基板との間に挟持された液晶層、液晶層に電界印加する画素電極及び共通電極、液晶層の液晶分子配向性を制御する液晶配向膜、画素電極に供給される電気信号スイッチングする薄膜トランジスタ(TFT)等を備えている。これらのうち、液晶配向膜は、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸(「ポリアミック酸」ともいう)や、そのイミド化物であるポリイミド溶液からなるポリイミド系の液晶配向剤を、基板に塗布して成膜することで作製されている。

近年、液晶表示素子の高性能化、大面積化表示デバイス省電力化等が進み、それに加えて、様々な環境下で使用されるようになり、液晶配向膜に求められる特性も厳しいものになっている。そこで、ポリアミック酸やポリイミドの構造の変更、特性の異なるポリアミック酸やポリイミドのブレンド添加剤を加える等の種々の手法により、液晶配向性電気特性等の改善の他、プレチルト角コントロール等が行われている。

液晶配向膜の特性を向上させる手法の一例として、ポリアミック酸の原料である、新規構造を有するジアミンの適用が提案されている。例えば、特許文献1には、新規構造を有するジアミンと脂肪族テトラカルボン酸誘導体とを含有する液晶配向剤が開示されており、この液晶配向剤を用いることで、電圧保持率に優れ、且つ電荷蓄積を低減することが可能な液晶表示素子を提供することができる。

しかしながら、液晶表示素子の高性能化に伴い、液晶配向膜に要求される特性も厳しくなってきており、従来の技術のみでは全ての要求特性満足することは難しい。

概要

下記式[1]で表される構造を有するジアミンとする。 (式[1]中、Y1及びY2は、それぞれ独立して単結合、−O−、−S−、−COO−又は−OCO−であり、R1及びR2は、それぞれ独立して−H、−OH、=O又は一価有機基であり、R3及びR4は、それぞれ独立して炭素原子数1〜3のアルキレン基である。また、ベンゼン環の任意の水素原子は、一価の有機基に置換されていてもよい。)

目的

例えば、特許文献1には、新規構造を有するジアミンと脂肪族テトラカルボン酸誘導体とを含有する液晶配向剤が開示されており、この液晶配向剤を用いることで、電圧保持率に優れ、且つ電荷蓄積を低減することが可能な液晶表示素子を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記式[1]で表されることを特徴とするジアミン。(式[1]中、Y1及びY2は、それぞれ独立して単結合、−O−、−S−、−COO−又は−OCO−であり、R1及びR2は、それぞれ独立して−H、−OH、=O又は一価有機基であり、R3及びR4は、それぞれ独立して炭素原子数1〜3のアルキレン基である。また、ベンゼン環の任意の水素原子は、一価の有機基に置換されていてもよい。)

請求項2

下記式[2]で表される構造を有するジアミンを含むジアミン成分から得られることを特徴とする重合体。(式[2]中、Y1は、単結合、−O−、−S−、−COO−又は−OCO−であり、R1及びR2は、それぞれ独立して−H、−OH、=O又は一価の有機基であり、R3は、炭素原子数1〜3のアルキレン基であり、*は、他の基に結合する部位を表す。また、ベンゼン環の任意の水素原子は、一価の有機基に置換されていてもよい。)

請求項3

下記式[3]で表される構造を有するジアミンを含むジアミン成分から得られることを特徴とする請求項2に記載の重合体。(式[3]中、Y1及びY2は、それぞれ独立して単結合、−O−、−S−、−COO−又は−OCO−であり、R1及びR2は、それぞれ独立して−H、−OH、=O又は一価の有機基であり、R3及びR4は、それぞれ独立して炭素原子数1〜3のアルキレン基であり、*は、他の基に結合する部位を表す。また、ベンゼン環の任意の水素原子は、一価の有機基に置換されていてもよい。)

請求項4

下記式[4]で表される構造単位を含むポリイミド前駆体及びそのイミド化合物であるポリイミドから選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の重合体。(式[4]中、X1は、テトラカルボン酸誘導体由来四価の有機基であり、W1は、式[2]又は式[3]で表される構造を有するジアミン由来の二価の有機基である。R5及びR6は、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、A1及びA2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルキニル基を表す。)

請求項5

請求項2〜請求項4の何れか一項に記載の重合体と有機溶媒とを含有する液晶配向剤

請求項6

請求項5に記載の液晶配向剤から得られることを特徴とする液晶配向膜

請求項7

請求項6に記載の液晶配向膜を具備することを特徴とする液晶表示素子

技術分野

0001

本発明は、新規ジアミン液晶表示素子に用いる重合体液晶配向剤及び液晶配向膜、並びに液晶表示素子に関する。

背景技術

0002

現在、液晶表示素子はパーソナルコンピュータ携帯電話テレビジョン受像機等の表示部として幅広く用いられている。液晶表示素子は、例えば素子基板カラーフィルタ基板との間に挟持された液晶層、液晶層に電界印加する画素電極及び共通電極、液晶層の液晶分子配向性を制御する液晶配向膜、画素電極に供給される電気信号スイッチングする薄膜トランジスタ(TFT)等を備えている。これらのうち、液晶配向膜は、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸(「ポリアミック酸」ともいう)や、そのイミド化物であるポリイミド溶液からなるポリイミド系の液晶配向剤を、基板に塗布して成膜することで作製されている。

0003

近年、液晶表示素子の高性能化、大面積化表示デバイス省電力化等が進み、それに加えて、様々な環境下で使用されるようになり、液晶配向膜に求められる特性も厳しいものになっている。そこで、ポリアミック酸やポリイミドの構造の変更、特性の異なるポリアミック酸やポリイミドのブレンド添加剤を加える等の種々の手法により、液晶配向性電気特性等の改善の他、プレチルト角コントロール等が行われている。

0004

液晶配向膜の特性を向上させる手法の一例として、ポリアミック酸の原料である、新規構造を有するジアミンの適用が提案されている。例えば、特許文献1には、新規構造を有するジアミンと脂肪族テトラカルボン酸誘導体とを含有する液晶配向剤が開示されており、この液晶配向剤を用いることで、電圧保持率に優れ、且つ電荷蓄積を低減することが可能な液晶表示素子を提供することができる。

0005

しかしながら、液晶表示素子の高性能化に伴い、液晶配向膜に要求される特性も厳しくなってきており、従来の技術のみでは全ての要求特性満足することは難しい。

先行技術

0006

国際公開第2010/053128号

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、このような事情に鑑み、液晶表示素子の特性の向上を図るための新規のジアミン、液晶表示素子に用いる重合体、液晶配向剤及び液晶配向膜、並びに液晶表示素子を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、鋭意研究を行った結果、特定のジアミンを用いることにより得られた重合体を液晶表示素子に適用した際に、特に駆動初期フリッカー(ちらつき)を低減することについて極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。なお、後述する本発明のジアミンは、文献未載の新規化合物である。

0009

上記目的を達成する本発明のジアミンは、下記式[1]で表されることを特徴とする。

0010

0011

(式[1]中、Y1及びY2は、それぞれ独立して単結合、−O−、−S−、−COO−又は−OCO−であり、R1及びR2は、それぞれ独立して−H、−OH、=O又は一価有機基であり、R3及びR4は、それぞれ独立して炭素原子数1〜3のアルキレン基である。また、ベンゼン環の任意の水素原子は、一価の有機基に置換されていてもよい。)

0012

上記目的を達成する本発明の重合体は、下記式[2]で表される構造を有するジアミンを含むジアミン成分から得られることを特徴とする。

0013

0014

(式[2]中、Y1は、単結合、−O−、−S−、−COO−又は−OCO−であり、R1及びR2は、それぞれ独立して−H、−OH、=O又は一価の有機基であり、R3は、炭素原子数1〜3のアルキレン基であり、*は、他の基に結合する部位を表す。また、ベンゼン環の任意の水素原子は、一価の有機基に置換されていてもよい。)

0015

また、上記重合体は、下記式[3]で表される構造を有するジアミンを含むジアミン成分から得られることが好ましい。

0016

0017

(式[3]中、Y1及びY2は、それぞれ独立して単結合、−O−、−S−、−COO−又は−OCO−であり、R1及びR2は、それぞれ独立して−H、−OH、=O又は一価の有機基であり、R3及びR4は、それぞれ独立して炭素原子数1〜3のアルキレン基であり、*は、他の基に結合する部位を表す。また、ベンゼン環の任意の水素原子は、一価の有機基に置換されていてもよい。)

0018

また、上記重合体は、下記式[4]で表される構造単位を含むポリイミド前駆体及びそのイミド化合物であるポリイミドから選択される少なくとも一種であることが好ましい。

0019

0020

(式[4]中、X1は、テトラカルボン酸誘導体由来四価の有機基であり、W1は、式[2]又は式[3]で表される構造を有するジアミン由来の二価の有機基である。R5及びR6は、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、A1及びA2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルキニル基を表す。)

0021

上記目的を達成する本発明の液晶配向剤は、重合体と有機溶媒とを含有することを特徴とする。

0022

上記目的を達成する本発明の液晶配向膜は、上記液晶配向剤から得られることを特徴とする。

0023

上記目的を達成する本発明の液晶表示素子は、上記液晶配向膜を具備することを特徴とする。

発明の効果

0024

本発明によれば、液晶表示素子の特性の向上を図るための新規のジアミン、液晶表示素子に用いる重合体、液晶配向剤及び液晶配向膜、並びに液晶表示素子を提供することができる。

0025

以下、本発明をより詳細に説明する。
<ジアミン>
本発明のジアミンは、下記式[1]で表されるものである。

0026

0027

(式[1]中、Y1及びY2は、それぞれ独立して単結合、−O−、−S−、−COO−又は−OCO−であり、R1及びR2は、それぞれ独立して−H、−OH、=O又は一価の有機基であり、R3及びR4は、それぞれ独立して炭素原子数1〜3のアルキレン基である。また、ベンゼン環の任意の水素原子は、一価の有機基に置換されていてもよい。)

0028

式[1]において、一価の有機基としては、炭化水素基ヒドロキシル基カルボキシル基、ヒドロキシル基、チオール基又はカルボキシル基を含む炭化水素基;エーテル結合エステル結合アミド結合等の結合基によって連結された炭化水素基;ケイ素原子を含有する炭化水素基;ハロゲン化炭化水素基アミノ基;アミノ基がt−ブトキシカルボニル基等のカルバメート系の保護基によって保護された不活性基等が挙げられる。なお、炭化水素基は、直鎖、分岐鎖及び環状鎖の何れでもよく、また、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でもよい。また、炭化水素基の水素原子の一部は、カルボキシル基、ヒドロキシル基、チオール基、ケイ素原子、ハロゲン原子等に置き換えられてもよく、エーテル結合、エステル結合、アミド結合等の結合基によって連結されていてもよい。

0029

また、炭素原子数1〜3のアルキレン基は、直鎖、分岐鎖及び環状鎖の何れでもよい。具体的には、メチレン基エチレン基、n−プロピレン基イソプロピレン基、シクロプロピレン基、1−メチル−シクロプロピレン基、2−メチル−シクロプロピレン基、1,1−ジメチル−n−プロピレン基、1,2−ジメチル−n−プロピレン基、2,2−ジメチル−n−プロピレン基、1−エチル−n−プロピレン基、1,2−ジメチル−シクロプロピレン基、2,3−ジメチル−シクロプロピレン基、1−エチル−シクロプロピレン基、2−エチル−シクロプロピレン基、1,1,2−トリメチル−n−プロピレン基、1,2,2−トリメチル−n−プロピレン基、1−エチル−1−メチル−n−プロピレン基、1−エチル−2−メチル−n−プロピレン基、2−n−プロピル−シクロプロピレン基、1−イソプロピル−シクロプロピレン基、2−イソプロピル−シクロプロピレン基、1,2,2−トリメチル−シクロプロピレン基、1,2,3−トリメチル−シクロプロピレン基、2,2,3−トリメチル−シクロプロピレン基、1−エチル−2−メチル−シクロプロピレン基、2−エチル−1−メチル−シクロプロピレン基、2−エチル−2−メチル−シクロプロピレン基及び2−エチル−3−メチル−シクロプロピレン基等が挙げられる。

0030

なお、一価の有機基や炭素原子数1〜3のアルキレン基は、用途に応じて種々選択することができる。

0031

式[1]で表されるジアミンの具体例としては下記式[5−1]〜式[5−13]で表されるジアミンが例示できるが、これらに限定されない。

0032

0033

なお、式[5−3]中、Bocは下記に表される基(tert−ブトキシカルボニル基)を示す。

0034

0035

<ジアミンの合成方法
次に、本発明のジアミンの主な合成方法について説明する。なお、以下で説明した方法は合成例であり、これに限定されない。

0036

本発明のジアミンは、下記反応式に示すように、ジニトロ化合物還元してニトロ基をアミノ基に変換することで、得ることができる。なお、下記反応式においては、ベンゼン環及び飽和炭化水素部の水素原子がフッ素原子等のハロゲン原子やアミノ基以外の一価の有機基で置換されていないジアミンを例として、記載している。

0037

0038

(上記反応式中、Y1及びY2は、それぞれ独立して単結合、−O−、−S−、−COO−又は−OCO−であり、R1及びR2は、それぞれ独立して−H、−OH、=O又は一価の有機基であり、R3及びR4は、それぞれ独立して炭素原子数1〜3のアルキレン基である。また、ベンゼン環の任意の水素原子は、一価の有機基に置換されていてもよい。)

0039

ジニトロ化合物を還元する方法は特に制限はなく、パラジウム炭素酸化白金ラネーニッケル白金黒ロジウムアルミナ硫化白金炭素等を触媒として用い、酢酸エチルトルエンテトラヒドロフランジオキサンアルコール系等の溶媒中、水素ガスヒドラジン塩化水素等によって還元を行う方法が例示できる。必要に応じてオートクレープ等を用いて加圧下で行ってもよい。一方で、ベンゼン環や飽和炭化水素部の水素原子を置換する置換基の構造に不飽和結合部位を含む場合、パラジウムカーボンや白金カーボン等を用いるとこの不飽和結合部位が還元されてしまい、飽和結合となってしまう虞があるため、還元鉄や錫、塩化錫等の遷移金属を触媒として用いた還元条件が好ましい。

0040

上記反応は、塩基存在下にて行なうことができる。用いる塩基は合成可能なものであれば特に限定はないが、炭酸カリウム炭酸ナトリウム炭酸セシウムナトリウムアルコキシドカリウムアルコキシド水酸化ナトリウム水酸化カリウム水素化ナトリウム等の無機塩基ピリジンジメチルアミノピリジントリメチルアミントリエチルアミントリブチルアミン等の有機塩基等が挙げられる。また、場合によっては、ジベンジリデンアセトンパラジウムやジフェニルフォスフィノフェロセンパラジウムのようなパラジウム触媒銅触媒等を併用すると、収率を向上させることができる。

0041

このようにして得られた本発明のジアミンは、ポリアミック酸やポリアミック酸エステル等のポリイミド前駆体、ポリイミド、ポリウレアポリアミド等(これらを纏めて「重合体」という)の原料として用いることができる。この重合体は、例えば、所定の有機溶媒に溶解して液晶配向剤として用いることができるが、その用途に限定されない。以下、その構造中に、式[1]で表されるジアミンを含む重合体について説明する。

0042

<重合体>
本発明の重合体は、上述した本発明のジアミン又はその派生物(後述する)を用いて得られるものであり、ジアミン成分由来の下記式[2]で表される構造を有するものである。

0043

0044

(式[2]中、Y1は、単結合、−O−、−S−、−COO−又は−OCO−であり、R1及びR2は、それぞれ独立して−H、−OH、=O又は一価の有機基であり、R3は、炭素原子数1〜3のアルキレン基であり、*は、他の基に結合する部位を表す。また、ベンゼン環の任意の水素原子は、一価の有機基に置換されていてもよい。)

0045

このような重合体のジアミン成分由来の式[2]で表される構造としては、下記式[3]で表される構造を有するものが好ましい。

0046

0047

(式[3]中、Y1及びY2は、それぞれ独立して単結合、−O−、−S−、−COO−又は−OCO−であり、R1及びR2は、それぞれ独立して−H、−OH、=O又は一価の有機基であり、R3及びR4は、それぞれ独立して炭素原子数1〜3のアルキレン基であり、*は、他の基に結合する部位を表す。また、ベンゼン環の任意の水素原子は、一価の有機基に置換されていてもよい。)

0048

ここで、上記本発明のジアミンの派生物としては、上記ジアミンを2つ以上連結させた構造や、上記ジアミンを上記Y1やY2を介して連結した構造を有するジアミンを挙げることができる。また、ジアミン成分由来の構造は、式[2]の構造の他、他のジアミン由来の構造(後述する)を含んでもよい。

0049

なお、式[2]及び式[3]における一価の有機基や炭素原子数1〜3のアルキレン基としては、式[1]と同様のものが挙げられる。

0050

また、本発明の重合体は、液晶配向剤としての使用の観点から、下記式[4]で表される構造単位を含むポリイミド前駆体及びそのイミド化合物であるポリイミドから選択される少なくとも一種であることが好ましい。

0051

0052

(式[4]中、X1は、テトラカルボン酸誘導体由来の四価の有機基であり、W1は、式[2]又は式[3]で表される構造を有するジアミン由来の二価の有機基である。R5及びR6は、水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、A1及びA2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルキニル基を表す。)

0053

式[4]において、炭素原子数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基エチル基、n−プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基イソペンチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基等が挙げられ、炭素原子数2〜5のアルケニル基としては、例えば、ビニル基アリル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基等が挙げられ、炭素原子数2〜5のアルキニル基としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニルプロパルギル)基、3−ブチニル基、ペンチニル基等が挙げられる。これらの中で、加熱時のイミド化反応の進行のし易さの観点から、R5及びR6は水素原子、メチル基又はエチル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましく、液晶配向性の観点から、A1及びA2は水素原子又はメチル基が好ましい。

0054

X1は、テトラカルボン酸誘導体由来の四価の有機基であれば、その構造は特に限定されるものではない。また、X1は、重合体の溶媒への溶解性や液晶配向剤の塗布性、液晶配向膜とした場合における液晶の配向性、電圧保持率、蓄積電荷等、必要とされる特性の程度に応じて適宜選択され、同一重合体中に1種類であってもよく、2種類以上が混在していてもよい。

0055

X1は、テトラカルボン酸二無水物だけでなく、そのテトラカルボン酸誘導体であるテトラカルボン酸テトラカルボン酸ジハライド化合物、テトラカルボン酸ジアルキルエステル化合物又はテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライド化合物を用いることもできる。テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体としては、下記式[6]で示されるテトラカルボン酸二無水物又はその誘導体から選ばれる少なくとも1つを用いることがより好ましい。

0056

0057

式[6]において、V1は、脂環式構造を有する四価の有機基であり、その構造は特に限定されない。具体例としては、下記式[V1−1]〜式[V1−44]が挙げられる。

0058

0059

0060

0061

0062

0063

0064

式[V1−1]〜式[V1−4]において、R7〜R27は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数2〜6のアルキニル基、フッ素原子を含有する炭素原子数1〜6の1価の有機基又はフェニル基であり、同一でも異なってもよい。液晶配向性の観点から、R7〜R27は、水素原子、ハロゲン原子、メチル基又はエチル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。

0065

式[V1−1]の具体的な構造としては、下記式[V1−1−1]〜式[V1−1−6]で表される構造が挙げられる。液晶配向性及び光反応感度の観点から、下記式[V1−1−1]で表される構造が特に好ましい。

0066

0067

式[4]において、W1は、式[2]又は式[3]で表される構造を有するジアミン由来の二価の有機基であれば、その構造は特に限定されるものではなく、2種類以上が混在していてもよい。また、W1は、本発明で使用されるジアミン成分の構造に対応し、式[1]で表される構造を有する特定のジアミン(例えば、下記式[W1−1]〜式[W1−13]で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のジアミン)を含有している。

0068

0069

なお、式[W1−3]中、Bocは下記に表される基(tert−ブトキシカルボニル基)を示す。

0070

0071

ただし、W1の全てが、上記ジアミンに対応した構造となっている必要は必ずしもない。W1の一部に、上記ジアミン以外のジアミン(その他のジアミン)に対応した構造が含まれていてもよい。その他のジアミンに対応した構造(以下、「構造W2」とする)としては、下記式[7]で表される通りに一般式化することができる。なお、下記式[7]におけるA1及びA2としては、式[4]と同様のものが挙げられる。

0072

0073

また、式[7]で表される構造W2を例示すると、下記式[W2−1]〜式[W2−173]で表される通りである。

0074

0075

0076

0077

0078

0079

0080

0081

0082

0083

0084

0085

0086

0087

0088

0089

0090

0091

0092

0093

0094

なお、式[W2−168]、式[W2−169]、式[W2−172]及び式[W2−173]中のBoc基は、下記に表されるtert−ブトキシカルボニル基を表している。

0095

0096

式[4]で表される構造単位を含むポリイミド前駆体が、式[7]で表される構造単位を同時に含む場合、式[4]で表される構造単位は、式[4]と式[7]の合計に対して10モル%以上であることが好ましく、より好ましくは20モル%以上であり、特に好ましくは30モル%以上である。

0097

本発明の重合体であるポリイミド前駆体やポリイミドの分子量は、当該重合体を含有した液晶配向剤から液晶配向膜が得られた場合に、その塗膜(液晶配向膜)の強度、塗膜形成時の作業性、及び塗膜の均一性を考慮して、GPC(Gel Permeation Chromatography)法で測定した重量平均分子量が2,000〜500,000であることが好ましく、5,000〜300,000であることがより好ましく、10,000〜100,000であることが更に好ましい。

0098

<重合体の製造方法>
次に、本発明の重合体の主な製造方法について説明する。なお、以下で説明した方法は製造例であり、これに限定されない。

0099

例えば、式[4]で表される構造単位を含む重合体が、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸である場合において、かかる重合体は、テトラカルボン酸誘導体であるテトラカルボン酸二無水物とジアミン成分との反応により得られる。この反応により、ポリアミック酸を得るにあたっては、公知の合成方法を用いることができる。その合成方法は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分とを有機溶媒中で反応させる方法である。かかる方法は、有機溶媒中で比較的容易に進行し、且つ副生成物が発生しない点で有利である。

0100

上記反応に用いる有機溶媒としては、生成したポリアミック酸(重合体)が溶解するものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタムジメチルスルホキシドテトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホンヘキサメチルスルホキシドγ−ブチロラクトンイソプロピルアルコールメトキシメチルペンタノールジペンテンエチルアミルケトンメチルノニルケトンメチルエチルケトンメチルイソアミルケトン、メチルイソプロピルケトンメチルセルソルブ、エチルセルソルブ、メチルセロソルブアセテートエチルセロソルブアセテートブチルカルビトール、エチルカルビトールエチレングリコールエチレングリコールモノアセテートエチレングリコールモノイソプロピルエーテルエチレングリコールモノブチルエーテルプロピレングリコールプロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテルジプロピレングリコールモノメチルエーテルジエチレングリコールジエチレングリコールモノアセテートジエチレングリコールジメチルエーテルジプロピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノエチルエーテルジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートトリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノールジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジイソブチレンアミルアセテート、ブチルブチレート、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロへキセン、プロピルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、n−へキサンn−ペンタンn−オクタンジエチルエーテルシクロヘキサノンエチレンカーボネートプロピレンカーボネート乳酸メチル乳酸エチル酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテルピルビン酸メチルピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、ジグライム4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−エトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド等が挙げられる。これらは、単独で使用しても混合して使用してもよい。また、ポリアミック酸(重合体)を溶解させない溶媒であっても、生成したポリアミック酸が析出しない範囲で、上記有機溶媒に混合して使用してもよい。特に、有機溶媒中の水分は、重合反応阻害し、更には生成したポリアミック酸を加水分解させる原因となるので、有機溶媒はなるべく脱水乾燥させたものを用いることが好ましい。

0101

テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分とを有機溶媒中で反応させる際には、ジアミン成分を有機溶媒に分散又は溶解させた溶液を撹拌させ、テトラカルボン酸二無水物をそのまま、又は有機溶媒に分散若しくは溶解させて添加する方法、テトラカルボン酸二無水物を有機溶媒に分散又は溶解させた溶液にジアミン成分を添加する方法、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分とを交互に添加する方法等が挙げられ、これらの何れかの方法を用いてもよい。また、テトラカルボン酸二無水物又はジアミン成分が複数種の化合物からなる場合は、予め混合した状態で反応させてもよく、個別に順次反応させてもよく、更に個別に反応させた低分子量体混合反応させ高分子量体としてもよい。

0102

その際の重縮合の温度は−20℃〜150℃の任意の温度を選択することができるが、好ましくは−5℃〜100℃の範囲である。また、重縮合反応は任意の濃度で行うことができるが、濃度が低すぎると高分子量の重合体を得ることが難しくなり、濃度が高すぎると反応液粘性が高くなり過ぎて均一な撹拌が困難となるので、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分の反応溶液中での合計濃度は、好ましくは1質量%〜50質量%、より好ましくは5質量%〜30質量%とする。反応初期高濃度で行い、その後、有機溶媒を追加してもよい。

0103

ポリアミック酸の重合反応においては、テトラカルボン酸二無水物の合計モル数と、ジアミン成分の合計モル数の比(テトラカルボン酸二無水物の合計モル数/ジアミン成分の合計モル数)は、0.8〜1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応同様、このモル比が1.0に近いほど生成するポリアミック酸の分子量は大きくなる。

0104

式[4]で表される構造単位を含む重合体が、ポリアミック酸エステルである場合においては、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドとジアミン成分との反応や、テトラカルボン酸ジエステルとジアミン成分を適当な縮合剤や塩基の存在下にて反応させることにより得ることができる。或いは、上記の方法で予めポリアミック酸を合成し、高分子反応を利用してアミック酸中のカルボン酸エステル化することでも得ることができる。

0105

具体的には、例えば、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドとジアミンとを、塩基と有機溶剤の存在下で−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜50℃において、30分〜24時間、好ましくは1時間〜4時間反応させることによって、ポリアミック酸エステルを合成することができる。

0106

塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等が使用できるが、反応が穏和に進行するためピリジンが好ましい。塩基の添加量は、除去が容易な量で、且つ高分子量体が得やすいという観点から、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドに対して、2倍モル〜4倍モルであることが好ましい。

0107

また、テトラカルボン酸ジエステルとジアミン成分を、縮合剤存在下にて重縮合する場合、塩基として、トリフェニルホスファイトジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩、N,N’−カルボニルジイミダゾールジメトキシ−1,3,5−トリアジニルメチルモルホリニウム、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾリルホスホン酸ジフェニル、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンー2−イル)4−メトキシモルホリウムクロリドn−水和物等を使用することができる。

0108

また、上記縮合剤を用いる方法において、ルイス酸を添加剤として加えることで反応が効率的に進行する。ルイス酸としては、塩化リチウム臭化リチウム等のハロゲン化リチウムが好ましい。ルイス酸の添加量は、反応させるジアミン又はテトラカルボン酸ジエステルに対して0.1倍モル量〜1.0倍モル量であることが好ましい。

0109

上記の反応に用いる溶媒は、上記にて示したポリアミック酸を合成する際に用いられる溶媒と同様の溶媒で行なうことができるが、モノマー及びポリマーの溶解性からN−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンが好ましく、これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。合成時の濃度は、重合体の析出が起こりにくく、且つ高分子量体が得やすいという観点から、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドやテトラカルボン酸ジエステル等のテトラカルボン酸誘導体とジアミン成分の反応溶液中での合計濃度が1質量%〜30質量%が好ましく、5質量%〜20質量%がより好ましい。また、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドの加水分解を防ぐため、ポリアミック酸エステルの合成に用いる溶媒はできるだけ脱水されていることがよく、窒素雰囲気中で、外気混入を防ぐのが好ましい。

0110

式[4]で表される構造単位を含む重合体が、ポリイミドである場合においては、式[2]又は式[3]で表される2価の基を主鎖に有するものであり、上記ポリアミック酸を脱水閉環させることにより得られる。このポリイミドにおいて、アミド酸基脱水閉環率イミド化率)は、必ずしも100%である必要はなく、用途や目的に応じて任意に調整することができる。

0111

ポリアミック酸をイミド化させる方法としては、ポリアミック酸の溶液をそのまま加熱する熱イミド化や、ポリアミック酸の溶液に触媒を添加する触媒イミド化等が挙げられる。

0112

ポリアミック酸を溶液中で熱イミド化させる場合の温度は、100℃〜400℃、好ましくは120℃〜250℃であり、イミド化反応により生成する水を系外に除きながら行うことが好ましい。

0113

ポリアミック酸の触媒イミド化は、ポリアミック酸の溶液に、塩基性触媒酸無水物とを添加し、−20℃〜250℃、好ましくは0℃〜180℃で撹拌することにより行うことができる。塩基性触媒の量はアミド酸基の0.5モル倍〜30モル倍、好ましくは2モル倍〜20モル倍であり、酸無水物の量はアミド酸基の1モル倍〜50モル倍、好ましくは3モル倍〜30モル倍である。塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン等を挙げることができ、中でもピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。酸無水物としては、無水酢酸無水トリメリット酸無水ピロメリット酸等を挙げることができ、中でも無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。触媒イミド化によるイミド化率は、触媒量と反応温度、反応時間を調節することにより制御することができる。

0114

また、上述のように、ポリアミック酸エステルを高温で加熱し、脱アルコールを促し閉環させることによっても、ポリイミドを得ることができる。

0115

なお、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル等のポリイミド前駆体や、ポリイミドの反応溶液から、生成したポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミドを回収する場合には、反応溶液を貧溶媒投入して沈殿させればよい。沈殿に用いる貧溶媒としてはメタノールアセトンヘキサン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンエタノール、トルエン、ベンゼン、水等を挙げることができる。貧溶媒に投入して沈殿させたポリイミド前駆体やポリイミドは濾過して回収した後、常圧或いは減圧下で、常温或いは加熱して乾燥することができる。また、沈殿回収したポリイミド前駆体やポリイミドを、有機溶媒に再溶解させ、再沈殿回収する操作を2〜10回繰り返すと、重合体中の不純物を少なくすることができる。この際の貧溶媒として、例えば、アルコール類ケトン類炭化水素等が挙げられ、これらの内から選ばれる3種類以上の貧溶媒を用いると、より一層精製の効率が上がるので好ましい。

0116

このようにして得られた本発明の重合体は、所定の有機溶媒に溶解して液晶配向剤として用いることができる。この液晶配向剤は、液晶表示素子において、液晶層の液晶分子の配向性を制御する液晶配向膜に用いるものである。以下、本発明の重合体を含有する液晶配向剤について説明する。

0117

<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、上記ジアミン成分由来の式[2]で表される構造を有するジアミンを含むジアミン成分から得られる重合体を含有するものである。また、この液晶配向剤は、上記ジアミン成分由来の式[3]で表される構造を有する重合体を含有することが好ましい。また、この重合体は、式[4]で表される構造単位を含むポリイミド前駆体及びそのイミド化合物であるポリイミドから選択される少なくとも一種であることが好ましい。

0118

ただし、本発明の液晶配向剤において含有する重合体は、全てが本発明の重合体であってもよく、また、本発明に記載の効果を奏する限度において、本発明の重合体のうち、異なる構造の2種以上を含有してもよい。或いは、本発明の重合体に加えて、その他の重合体、即ち式[2]又は式[3]で表される二価の基を有さない重合体を含有してもよい。その他の重合体の種類としては、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリオルガノシロキサンセルロース誘導体ポリアセタールポリスチレン又はその誘導体、ポリスチレンフェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタアクリレート等を挙げることができる。

0119

本発明の液晶配向剤がその他の重合体を含有する場合、全重合体成分に対する本発明の重合体の割合は、5質量%以上であることが好ましく、その一例として5質量%〜95質量%が挙げられる。本発明の重合体の割合は、液晶配向剤や液晶配向膜の特性に応じて、適宜選択することができる。

0120

本発明の液晶配向剤は、液晶配向膜を作製するために用いられるものであり、均一な薄膜を形成させるという観点から、一般的には塗布液の形態をとる。本発明の液晶配向剤においても前記した重合体成分と、この重合体成分を溶解させる有機溶媒とを含有する塗布液であることが好ましい。その際、液晶配向剤中の重合体の濃度は、形成させようとする塗膜の厚みの設定によって適宜変更することができる。均一で欠陥のない塗膜を形成させるという点からは、1質量%以上であることが好ましく、溶液の保存安定性の点からは、10質量%以下とすることが好ましい。特に好ましい重合体の濃度は、2質量%〜8質量%である。

0121

本発明の液晶配向剤に含有される有機溶媒は、重合体を溶解させる有機溶媒であれば特に限定されない。その具体例として、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等を挙げることができる。中でも、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンを用いることが好ましい。なお、ここで例示された有機溶媒は、単独で使用しても、混合して使用してもよい。更に、重合体を溶解させない溶媒であっても、生成した重合体が析出しない範囲で、有機溶媒に混合して使用してもよい。

0122

また、液晶配向剤に含有される有機溶媒は、上記のような溶媒に加えて液晶配向剤を塗布する際の塗布性や塗膜の表面平滑性を向上させる溶媒を併用した混合溶媒を使用することが一般的であり、本発明の液晶配向剤においてもこのような混合溶媒は好適に用いられる。併用する有機溶媒の具体例を下記に挙げるが、これらの例に限定されるものではない。

0123

例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール2−ブタノールイソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノールイソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール2−ヘプタノール3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノールシクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、1,2−ブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルジエチレングリコールジブチルエーテル2−ペンタノン3−ペンタノン、2−ヘキサノン2−ヘプタノン4−ヘプタノン、3−エトキシブチルアセタート、1−メチルペンチルアセタート、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、2−(メトキシメトキシ)エタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、1−(ブトキシエトキシプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、2−(2−エトキシエトキシエチルアセタート、ジエチレングリコールアセタート、トリエチレングリコールトリエチレングリコールモノメチルエーテルトリエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステル等の溶媒を挙げることができる。

0124

また、上述の溶媒の他に、例えば、下記式[S−1]〜式[S−3]で示される溶媒を用いることができる。

0125

0126

式[S−1]及び式[S−2]において、R28及びR29は、炭素原子数1〜3のアルキル基を示す。炭素原子数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。また、式[S−3]において、R30は、炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。炭素原子数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。

0127

併用する有機溶媒の中でも、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノブチルエーテル又はジプロピレングリコールジメチルエーテルを用いることが好ましい。このような溶媒の種類及び含有量は、液晶配向剤の塗布装置塗布条件塗布環境等に応じて適宜選択される。

0128

また、これらの溶媒は、液晶配向剤に含まれる溶媒全体の20質量%〜99質量%であることが好ましい。中でも、20質量%〜90質量%が好ましい。より好ましいのは、20質量%〜70質量%である。

0129

本発明の液晶配向剤は、本発明の効果を損なわない範囲において、重合体成分及び有機溶媒以外の成分を追加的に含有してもよい。このような追加成分としては、液晶配向膜と基板との密着性や液晶配向膜とシール材との密着性を高めるための密着助剤、液晶配向膜の強度を高めるための架橋剤、液晶配向膜の誘電率や電気抵抗を調整するための誘電体導電物質等が挙げられる。これら追加成分の具体例としては、液晶配向剤に関する公知の文献に種々開示されているとおりであるが、あえてその一例を示すなら、国際公開第2015/060357号の段落[0105]〜段落[0116]に開示されている成分等が挙げられる。

0130

<液晶配向膜>
本発明の液晶配向膜は、上述した液晶配向剤から得られるものである。液晶配向剤から液晶配向膜を得る方法の一例を挙げるなら、塗布液形態の液晶配向剤を基板に塗布し、乾燥し、焼成して得られた膜に対してラビング処理法又は光配向処理法で配向処理を施す方法が挙げられる。

0131

本発明の液晶配向剤を塗布する基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板窒化珪素基板と共に、アクリル基板ポリカーボネート基板等のプラスチック基板等を用いることもできる。その際、液晶を駆動させるためのITO電極等が形成された基板を用いると、プロセスの簡素化の点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならば、シリコンウエハー等の不透明な物でも使用でき、この場合の電極にはアルミニウム等の光を反射する材料も使用することができる。

0132

液晶配向剤の塗布方法は、特に限定されないが、工業的には、スクリーン印刷オフセット印刷フレキソ印刷インクジェット法等が一般的である。その他の塗布方法としては、ディップ法ロールコータ法スリットコータ法スピンナー法、スプレー法等があり、目的に応じてこれらを用いてもよい。

0133

液晶配向剤を基板上に塗布した後の焼成は、ホットプレート熱風循環炉赤外線炉等の加熱手段により50℃〜300℃、好ましくは80℃〜250℃で行い、溶媒を蒸発させて、塗膜(液晶配向膜)を形成させることができる。焼成後に形成される塗膜の厚みは、厚すぎると液晶表示素子の消費電力の面で不利となり、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、好ましくは5nm〜300nm、より好ましくは10nm〜100nmである。液晶を水平配向傾斜配向させる場合は、焼成後の塗膜をラビング又は偏光紫外線照射等で処理する。

0134

液晶配向剤を基板上に塗布した後は、ホットプレート、熱循環型オーブン、IR(赤外線)型オーブン等の加熱手段により、溶媒を蒸発させ、焼成する。液晶配向剤を塗布した後の乾燥、焼成工程は、任意の温度と時間を選択することができる。通常は、含有される溶媒を十分に除去するために、50℃〜120℃で1分〜10分焼成し、その後、150℃〜300℃で、5分〜120分焼成する条件が挙げられる。

0135

本発明の液晶配向膜は、IPS方式FFS方式等の横電界方式の液晶表示素子の液晶配向膜として好適であり、特に、FFS方式の液晶表示素子の液晶配向膜として有用である。

0136

<液晶表示素子>
本発明の液晶表示素子は、上述した液晶配向膜を具備するものであり、上述の液晶配向剤から得られる液晶配向膜付きの基板を得た後、既知の方法で液晶セルを作製し、該液晶セルを使用して素子としたものである。一例を挙げるならば、対向するように配置された2枚の基板と、基板間に設けられた液晶層と、基板と液晶層との間に設けられ本発明の液晶配向剤により形成された液晶配向膜とを有する液晶セルを具備する液晶表示素子である。

0137

本発明の液晶表示素子に用いる基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されないが、通常は、基板上に液晶を駆動するための透明電極が形成された基板である。具体例としては、上述の液晶配向膜で記載した基板と同様のものを挙げることができる。

0138

また、液晶配向膜は、この基板上に本発明の液晶配向剤を塗布した後焼成することにより形成されるものであり、詳しくは上述した通りである。

0139

本発明の液晶表示素子の液晶層を構成する液晶材料は特に限定されず、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましく、ポジ型液晶材料やネガ型液晶材料の何れを用いてもよい。具体的には、例えばメルク社製のMLC−2003、MLC−6608、MLC−6609、MLC−3019、MLC−2041、MLC−7026−100等を用いることができる。

0140

具体的には、透明なガラス製の基板を準備し、一方の基板の上にコモン電極を、他方の基板の上にセグメント電極を設ける。これらの電極は、例えばITO電極とすることができ、所望の画像表示ができるようパターニングされている。次いで、各基板の上に、コモン電極とセグメント電極を被覆するようにして絶縁膜を設ける。絶縁膜は、例えば、ゾルゲル法によって形成されたSiO2−TiO2からなる膜とすることができる。次に、前記のような条件で、各基板の上に液晶配向膜を形成する。

0141

次いで、液晶配向膜を形成した2枚の基板のうちの一方の基板上の所定の場所に例えば紫外線硬化性のシール材を配置し、更に液晶配向膜面上の所定の数カ所に液晶を配置した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせて圧着することにより液晶を液晶配向膜前面に押し広げた後、基板の全面に紫外線を照射してシール材を硬化することで液晶セルを得る。

0142

或いは、基板の上に液晶配向膜を形成した後の工程として、一方の基板上の所定の場所にシール材を配置する際に、外部から液晶を充填可能な開口部を設けておき、液晶を配置しないで基板を貼り合わせた後、シール材に設けた開口部を通じて液晶セル内に液晶材料を注入し、次いで、この開口部を接着剤封止して液晶セルを得る。液晶材料の注入には、真空注入法でもよいし、大気中で毛細管現象を利用した方法でもよい。

0143

上記の何れの方法においても、液晶セル内に液晶材料が充填される空間を確保する為に、一方の基板上に柱状の突起を設けるか、一方の基板上にスペーサー散布するか、シール材にスペーサーを混入するか、又はこれらを組み合わせる等の手段を取ることが好ましい。

0144

次に、偏光板の設置を行う。具体的には、2枚の基板の液晶層とは反対側の面に一対の偏光板を貼り付けることが好ましい。

0145

なお、本発明の液晶配向膜及び液晶表示素子は、本発明の液晶配向剤を用いている限り上記の記載に限定されるものでは無く、その他の公知の手法で作製されたものであってもよい。液晶配向剤から液晶表示素子を得るまでの工程は、例えば、特開2015−135393号公報の段落[0074]〜段落[0081]等の他、数多くの文献でも開示されている。

0146

以上のようにして、本発明の液晶配向剤を用いて作製された液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなり、大画面で高精細液晶テレビ等に好適に利用することができる。

0147

以下に本発明の製造方法の詳細について、原料の組成配合比率を検討した実験方法及びその結果並びに典型的な製造方法である実施例等を挙げて説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。

0148

なお、化合物や溶媒の略号、及び特性評価の方法は、以下の通りである。

0149

0150

0151

<有機溶媒>
NMP :N−メチル−2−ピロリドン
NEP:N−エチル−2−ピロリドン
BL:γ−ブチロラクトン
BCS :ブチルセロソルブ
PB :プロピレングリコールモノブチルエーテル
DME :ジプロピレングリコールジメチルエーテル
DAA :4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン
DEDG:ジエチレングリコールジエチルエーテル
DIBK:2,6−ジメチル−4−ヘプタノン
DIPE:ジイソプロピルエーテル
IBC:2,6−ジメチル−4−ヘプタノール
Pd/C:パラジウムカーボン
DMSO:ジメチルスルオキシド
THF :テトラヒドロフラン

0152

<添加剤>
LS−4668:3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
LS−3150:3−アミノプロピルトリエトキシシラン

0153

<1H−NMRの測定>
装置:Varian NMR system 400NB(400MHz)(Varian社製)、及びJMTC−500/54/SS(500MHz)(JEOL社製)
測定溶媒:CDCl3(重水素化クロロホルム),DMSO−d6(重水素化ジメチルスルホキシド
基準物質TMSテトラメチルシラン)(δ:0.0ppm,1H)及びCDCl3(δ:77.0ppm,13C)

0154

<ポリイミド前駆体及びイミド化重合体分子量測定
常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(GPC−101)(昭和電工社製)、及びカラム(KD−803,KD−805)(Shodex社製)を用いて、以下の条件で測定した。
カラム温度:50℃
溶離液:N,N’−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H2O)が30mmol/L(リットル)、リン酸無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:TSK標準ポリエチレンオキサイド(分子量;約900,000、150,000、100,000、及び30,000、東ソー社製)及びポリエチレングリコール(分子量;約12,000、4,000、及び1,000、ポリマーラボラトリー社製)

0155

粘度測定
後述する合成例及び比較合成例において、ポリアミック酸溶液の粘度は、E型粘度計VE−22H(東機産業社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE−1(1°34’、R24)で測定した。

0156

ジアミン化合物(DA−1)の合成>

0157

0158

2L(リットル)の四つ口フラスコにBNPU(50g,140mmol)、炭酸カリウム(44.4g,320mmol)、及びNMP(1000g)を仕込み、羽撹拌下に50℃にまで昇温し、40%グリオキサール水溶液(46.7g,320mmol)を10分掛け滴下し、12時間撹拌した。HPLC高速液体クロマトグラフィ)にて原料が残存していたため、更に炭酸カリウム(44.4g,320mmol)、及び40%グリオキサール水溶液(46.7g,320mmol)を加え、12時間撹拌して化合物[A]を得た。原料消失を確認後、塩を濾過し、硫酸を(15g)を滴下し、溶液を酸性とした後、70℃にて24時間撹拌した。HPLCにて反応終了を確認した後、メタノール(1000g)、純水(1000g)加え、5℃に冷却後1時間撹拌した。析出した結晶減圧濾過し、メタノール(100g)で洗浄した後、乾燥し、粉末結晶(化合物[B])を得た(収量41.7g,収率76%)。

0159

1H−NMR(DMSO−d6):8.18−8.10(4H,m),7.56−7.50(2H,m),7.45−7.39(2H,m),3.95(2H,s),3.62−3.55(4H,m),2.97−2.91(4H,m)

0160

0161

得られた化合物[B](35g、87.8mmol)、5質量%Pd/C(50%含水型)、特性白鷺活性炭(3.5g)、及びジオキサン(350g)の混合物を、水素加圧条件下に60℃で8時間撹拌した。反応終了後、触媒をろ過した後、濃縮を行い、2−プロパノール(350g)を加え、5℃にて1時間撹拌した。析出した結晶を減圧濾過し、2−プロパノール(70g)で洗浄した後、乾燥し、粉末結晶DA−1を得た(収量27g,収率92%)。

0162

1H−NMR(DMSO−d6):6.87−6.84(2H,m),6.81−6.77(2H,m),6.51−6.46(4H,m),4.90(4H,s),3.79(2H,s),3.45−3.38(4H,m),2.62−2.57(4H,m)

0163

[合成例1]
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mLの四つ口フラスコに、得られたDA−1(3.38g,10.0mmol)を加えた後、NMP28.8gを加え、窒素送りながら撹拌し溶解させた。この溶液を撹拌しながら、CA−1(0.87g,4.0mmol)、CA−2(1.08g,5.5mmol)、及びNMPを9.6g加えた後、更に50℃条件下にて12時間撹拌することで下記表1に示すポリアミック酸溶液(PAA−A1)を得た。

0164

[合成例2〜合成例5]
下記表1に示す、ジアミン成分、テトラカルボン酸成分、及びNMP(N−メチル−2−ピロリドン)を使用し、それぞれ、反応温度にせしめた他は、合成例1と同様に実施することにより、下記表1に示すポリアミック酸溶液(PAA−A2)及びポリアミック酸溶液(PAA−B1)〜(PAA−B3)を得た。

0165

0166

[実施例1〜10及び比較例1,2]
合成例1〜合成例5で得られたポリアミック酸溶液を、得られる液晶配向剤中の溶媒が下記表2及び下記表3に示す組成になるように、撹拌しながら、溶媒及び添加剤を加え、更に室温で2時間撹拌することにより、それぞれ液晶配向剤を得た。

0167

0168

0169

なお、表2及び表3の※1〜※3は、以下に示す通りである。
※1:全ての重合体100重量部に対する各重合体の導入量(重量部)を示す。
※2:全ての重合体100重量部に対する各添加剤の導入量(重量部)を示す。
※3:液晶配向剤100質量部に対する溶媒の導入量(重量部)を示す。

0170

ラビング法による液晶表示素子の作製>
30mm×35mmの大きさで、厚さが0.7mmの電極付きのガラス基板を準備した。基板上には第1層目として対向電極を構成する、ベタ状パターンを備えたIZO電極が形成されている。第1層目の対向電極の上には第2層目として、CVD法により成膜されたSiN(窒化珪素)膜が形成されている。第2層目のSiN膜膜厚は500nmであり、層間絶縁膜として機能する。第2層目のSiN膜の上には、第3層目としてIZO膜をパターニングして形成された櫛歯状の画素電極が配置され、第1画素及び第2画素の2つの画素を形成している。各画素のサイズは、縦10mmで横5mmである。このとき、第1層目の対向電極と第3層目の画素電極とは、第2層目のSiN膜の作用により電気的に絶縁されている。

0171

第3層目の画素電極は、特開2014−77845号公報に記載の図(図3)に示される、中央部分が屈曲したくの字形状電極要素を複数配列して構成された櫛歯状の形状を有する。各電極要素の短手方向の幅は3μmであり、電極要素間の間隔は6μmである。各画素を形成する画素電極が、中央部分の屈曲したくの字形状の電極要素を複数配列して構成されているため、各画素の形状は長方形状ではなく、電極要素と同様に中央部分で屈曲する、太字のくの字に似た形状を備える。そして、各画素は、その中央の屈曲部分を境にして上下に分割され、屈曲部分の上側の第1領域と下側の第2領域を有する。

0172

各画素の第1領域と第2領域とを比較すると、それらを構成する画素電極の電極要素の形成方向が異なるものとなっている。すなわち、後述する液晶配向膜のラビング方向を基準とした場合、画素の第1領域では画素電極の電極要素が+10°の角度(時計回り)をなすように形成され、画素の第2領域では画素電極の電極要素が−10°の角度(時計回り)をなすように形成されている。また、各画素の第1領域と第2領域とでは、画素電極と対向電極との間の電圧印加によって誘起される液晶の、基板面内での回転動作インプレーン・スイッチング)の方向が互いに逆方向となるように構成されている。

0173

次に、液晶配向剤を1.0μmのフィルターで濾過した後、上記電極付き基板対向基板として裏面にITO膜が成膜されており、且つ高さ4μmの柱状のスペーサーを有するガラス基板のそれぞれにスピンコートした。次いで、80℃のホットプレート上で5分間乾燥後、230℃で20分間焼成し、各基板上に膜厚60nmのポリイミド膜を得た。このポリイミド膜面に、ロール径120mm、ローラー回転数500rpm、ステージ移動速度30mm/sec、ラビング布押し込み圧0.3mmの条件で、レーヨン布によりラビング処理を施した後、純水中にて1分間超音波照射を行い、80℃で10分間乾燥した。

0174

上記液晶配向膜付きの2種類の基板を用いて、それぞれのラビング方向が逆平行になるように組み合わせ、液晶注入口を残して周囲をシールし、セルギャップが3.8μmの空セルを作製した。この空セルに液晶(メルク社製、MLC−3019)を常温で真空注入した後、注入口を封止してアンチパラレル配向の液晶セルとした。得られた液晶セルは、FFSモード液晶表示素子を構成する。その後、液晶セルを120℃で1時間加熱し、一晩放置してから評価に使用した。

0175

<駆動直後のフリッカーレベルの評価>
作製した液晶セルを偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に設置し、電圧無印加の状態でLEDバックライト点灯させておき、透過光輝度が最も小さくなるように、液晶セルの配置角度を調整した。次に、この液晶セルに周波数30Hzの交流電圧を印加しながらV−Tカーブ(電圧−透過率曲線)を測定し、相対透過率が23%となる交流電圧を駆動電圧として算出した。

0176

フリッカーレベルの測定では、点灯させておいたLEDバックライトを一旦消灯して72時間遮光放置した後に、LEDバックライトを再度点灯し、バックライト点灯開始と同時に相対透過率が23%となる周波数30Hzの交流電圧を印加して、液晶セルを60分間駆動させてフリッカー振幅を追跡した。フリッカー振幅は、2枚の偏光板及びその間の液晶セルを通過したLEDバックライトの透過光を、フォトダイオード及びI−V変換アンプを介して接続されたデータ収集データロガースイッチユニット34970A(Agilent technologies社製)で読み取った。フリッカーレベルは下記式[8]で算出した。
フリッカーレベル(%)={フリッカー振幅/(2×z)}×100 ・・・[8]

0177

式[8]において、zは相対透過率が23%となる周波数30Hzの交流電圧で駆動した際の輝度をデータ収集/データロガースイッチユニット34970Aで読み取った値である。

0178

フリッカーレベルの評価は、LEDバックライトの点灯及び交流電圧の印加を開始した時点から60分間が経過するまでに、フリッカーレベルが3%未満を維持した場合に、「○」(駆動開始直後にフリッカーシフトが起こり難い)と定義して評価を行った。60分間でフリッカーレベルが3%以上に達した場合には、「×」(駆動開始直後にフリッカーシフトが起こり易い)と定義して評価した。

0179

そして、上述した方法に従うフリッカーレベルの評価は、液晶セルの温度が23℃の状態の温度条件下で行った。

0180

<評価結果>
上記実施例1、2、及び比較例1、2の各液晶配向剤を使用する液晶表示素子に関し、上記で実施した残像消去時間の評価、及び駆動直後のフリッカーレベルの評価の結果を下記表4に示す。

0181

実施例

0182

表4に見られるように、実施例1及び実施例2の液晶配向剤を使用する液晶表示素子は、駆動開始直後にフリッカーシフトが起こり難いことが判る。

0183

本発明のジアミンにより得られた液晶配向剤を用いて作製した液晶表示素子は、駆動開始直後のフリッカーシフトを低減した液晶表示デバイスとすることができ、TN(Twisted Nematic)液晶表示素子、STN液晶表示素子TFT液晶表示素子、VA液晶表示素子、IPS液晶表示素子、OCB(Optically self−Compensated Birefringence)液晶表示素子等、種々の方式による表示素子に好適に用いられる。

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