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技術 銅繊維不織布

出願人 株式会社巴川製紙所
発明者 奥村勝弥土田実津田統村松大輔
出願日 2017年9月22日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2018-540319
公開日 2019年6月24日 (8ヶ月経過) 公開番号 WO2018-056405
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 狭小箇所 抄造スラリー 筒状金網 フェルトシート 被圧縮体 圧縮回数 塑性変形率 高圧ジェット水流
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年6月24日)のものです。
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図面 (16)

課題・解決手段

銅繊維間に結着部を有し、圧縮応力とひずみとの関係において、塑性変形を示す第一の領域と、第一の領域よりも圧縮応力が高い領域で現れる、弾性変形を示す第二の領域とを具備する銅繊維不織布。あるいは、銅繊維間に結着部を有し、圧縮応力とひずみとの関係において、弾性変形を示す領域を有し、前記弾性変形を示す領域は、変曲部aよりも前の弾性変形領域、変曲部a、変曲部aよりも後ろの弾性変形領域を有する、銅繊維不織布。

概要

背景

従来から銅繊維は、シート形状に加工され、その導電性殺菌性通気性等の特性を生かしてフィルタ用途、電磁波シールド用途等に利用され、またはその利用が検討されている。

このようなフィルタ用途として、縦方向重合部を溶接している内側の筒状金網と、金属繊維フェルトシートを内側の筒状金網に所定の厚みに巻き付け、且つ耐熱性樹脂含浸・乾燥させたフィルタ本体と、縦方向の重合部を溶接している外側の筒状金網とで構成し、濾取すべき高温ガス中不純物の大きさに応じてフィルタ本体の密度と厚みを調整する筒状の金属フィルタが提案されている(例えば、特許文献1)。

前記フィルタ本体の製造には、ニードルパンチおよびプレス等での加工が想定されており、フィルタ本体の素材としては、塑性変形可能な金属繊維を使用することが好ましいことが提案されている。このような金属繊維として、銅繊維についても使用可能とされている。

また、押圧部材濾過部材との間に弾性部材を設置することで濾過部材の破損等を防止し得るシール構造フィルタ装置が提案されており、弾性部材として使用できる金属の例示として、ニッケルクロムあるいはこれらの合金ステンレス鋼チタン合金が提案されている(例えば、特許文献2)。

概要

銅繊維間に結着部を有し、圧縮応力とひずみとの関係において、塑性変形を示す第一の領域と、第一の領域よりも圧縮応力が高い領域で現れる、弾性変形を示す第二の領域とを具備する銅繊維不織布。あるいは、銅繊維間に結着部を有し、圧縮応力とひずみとの関係において、弾性変形を示す領域を有し、前記弾性変形を示す領域は、変曲部aよりも前の弾性変形領域、変曲部a、変曲部aよりも後ろの弾性変形領域を有する、銅繊維不織布。

目的

したがって、金属であるにもかかわらず、金属が一般的に有する特性とは異なる特性であるところの、最初に塑性変形が生じ、次に、弾性変形が生じるという特性を有する素材や、弾性変形領域内で、例えば圧縮応力に対してのひずみが変化する素材等が望まれていた

効果

実績

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請求項1

銅繊維間に結着部を有し、圧縮応力とひずみとの関係において、塑性変形を示す第一の領域と、前記第一の領域よりも圧縮応力が高い領域で現れる、弾性変形を示す第二の領域とを具備する、銅繊維不織布。

請求項2

前記弾性変形を示す第二の領域に圧縮応力に対するひずみの変曲部aを有する、請求項1に記載の銅繊維不織布。

請求項3

銅繊維間に結着部を有し、圧縮応力とひずみとの関係において、弾性変形を示す領域を有し、前記弾性変形を示す領域は、変曲部aよりも前の弾性変形領域、変曲部a、変曲部aよりも後ろの弾性変形領域を有する、銅繊維不織布。

技術分野

0001

本発明は、銅繊維間が結着されて成る銅繊維不織布に関する。
本願は、2016年9月26日に、日本に出願された特願2016−187232号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

0002

従来から銅繊維は、シート形状に加工され、その導電性殺菌性通気性等の特性を生かしてフィルタ用途、電磁波シールド用途等に利用され、またはその利用が検討されている。

0003

このようなフィルタ用途として、縦方向重合部を溶接している内側の筒状金網と、金属繊維フェルトシートを内側の筒状金網に所定の厚みに巻き付け、且つ耐熱性樹脂含浸・乾燥させたフィルタ本体と、縦方向の重合部を溶接している外側の筒状金網とで構成し、濾取すべき高温ガス中不純物の大きさに応じてフィルタ本体の密度と厚みを調整する筒状の金属フィルタが提案されている(例えば、特許文献1)。

0004

前記フィルタ本体の製造には、ニードルパンチおよびプレス等での加工が想定されており、フィルタ本体の素材としては、塑性変形可能な金属繊維を使用することが好ましいことが提案されている。このような金属繊維として、銅繊維についても使用可能とされている。

0005

また、押圧部材濾過部材との間に弾性部材を設置することで濾過部材の破損等を防止し得るシール構造フィルタ装置が提案されており、弾性部材として使用できる金属の例示として、ニッケルクロムあるいはこれらの合金ステンレス鋼チタン合金が提案されている(例えば、特許文献2)。

先行技術

0006

特開平9−276636号公報
特開2004−305964号公報

発明が解決しようとする課題

0007

金属に応力を加えると、最初に弾性変形が生じ、次に、塑性変形が生じることが一般的に知られている。「弾性変形」とは、物体外力を加えて変形させ、その後、外力を取り去ると元の形状に戻る場合の変形をいう。一方、「塑性変形」とは、物体に外力を加えて変形させ、その後、外力を取り去っても残る変形をいう。
しかし、金属が有する導電性、耐久性及び靭性等に注目し、金属を素材等として使用すると、上述した特性、すなわち、最初に弾性変形が生じ、次に、塑性変形が生じるという特性に支配されてしまっていた。また、前記弾性変形は、例えば圧縮応力に比例してひずみを蓄えるというものであった。したがって、金属であるにもかかわらず、金属が一般的に有する特性とは異なる特性であるところの、最初に塑性変形が生じ、次に、弾性変形が生じるという特性を有する素材や、弾性変形領域内で、例えば圧縮応力に対してのひずみが変化する素材等が望まれていた。とりわけ、狭小箇所への配置性等、形状の自由度を考慮した場合、上記特性を有したシート状の素材が望まれていた。

0008

しかしながら、特許文献1では、未結着の金属繊維から成るフィルタ本体を使用している。また、特許文献1では塑性変形可能な金属繊維を用いると記載されているが、その意図については明確な記載が無く、弾性変形についての記載も無い。

0009

特許文献2は、支持体2Bと弾性部材の圧縮弾性率を利用して、シール性を高めようとする提案であり、塑性変形に関する記載は無い。また、弾性変形領域内でひずみが変化することに関する記載もない。更には、特許文献2には、銅繊維に関する記述示唆も無いが、これは、弾性部材用途において、銅繊維が強度、耐食性耐熱性、靭性を満足し得る金属として好適ではないからである。

0010

これらに対して、本発明の銅繊維不織布は、銅繊維間に結着部を有し、圧縮応力とひずみとの関係において、塑性変形を示す第一の領域と、前記第一の領域よりも圧縮応力が高い領域で現れる、弾性変形を示す第二の領域とを具備する。
又は、銅繊維間に結着部を有し、圧縮応力とひずみとの関係において、弾性変形を示す領域を有し、弾性変形を示す領域は、変曲部aよりも前の弾性変形領域、変曲部a、変曲部aよりも後ろの弾性変形領域を有する。
本発明は、これらにより高い形状追従性を有しながらも、クッション性をも有する銅繊維不織布を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは鋭意検討した結果、銅繊維間に結着部を設けることで、圧縮応力とひずみとの関係において、塑性変形を示す第一の領域と、前記第一の領域よりも圧縮応力が高い領域に、弾性変形を示す第二の領域を有することを見出した。あるいは、銅繊維間に結着部を設けることで、圧縮応力とひずみとの関係において、弾性変形を示す領域を有し、弾性変形を示す領域は、変曲部aよりも前の弾性変形領域、変曲部a、変曲部aよりも後ろの弾性変形領域を有することを見出し、本銅繊維不織布を発明するに至った。

0012

すなわち、本発明は、下記の通りである。
(1)銅繊維間に結着部を有し、圧縮応力とひずみとの関係において、塑性変形を示す第一の領域と、前記第一の領域よりも圧縮応力が高い領域で現れる、弾性変形を示す第二の領域とを具備する、銅繊維不織布。

0013

(2)前記弾性変形を示す第二の領域に圧縮応力に対するひずみの変曲部aを有する、(1)に記載の銅繊維不織布。

0014

(3)銅繊維間に結着部を有し、圧縮応力とひずみとの関係において、弾性変形を示す領域を有し、前記弾性変形を示す領域は、変曲部aよりも前の弾性変形領域、変曲部a、変曲部aよりも後ろの弾性変形領域を有する、銅繊維不織布。

発明の効果

0015

本発明の銅繊維不織布は、圧縮応力とひずみとの関係において、塑性変形を示す第一の領域と、前記第一の領域よりも圧縮応力が高い領域で現れる、弾性変形を示す第二の領域を有する。あるいは、本発明の銅繊維不織布は、弾性変形を示す領域を有し、前記弾性変形を示す領域は、変曲部aよりも前の弾性変形領域、変曲部a、変曲部aよりも後ろの弾性変形領域を有する。これにより、形状追従性を有しながらも、適度なクッション性をも発揮することができる。

0016

すなわち、本発明の銅繊維不織布が圧縮応力を受けた場合、第一の領域である塑性変形、変曲部aよりも前の弾性変形領域によって、圧縮対象物の形状に追従し、第二の領域である弾性変形、変曲部aよりも後ろの弾性変形領域によって、本発明の銅繊維不織布は、良好なクッション性をも発揮することが出来る。

図面の簡単な説明

0017

銅繊維不織布のSEM断面を示す写真である。
銅繊維同士が結着している様子を示す写真である。
本発明の銅繊維不織布の圧縮応力とひずみの関係を測定した際のグラフである。(一実施形態)
本発明に係わる弾性変形を示す領域、(弾性変形を示す第二の領域)を詳細に説明するためのグラフである。
本発明の別の実施形態の銅繊維不織布の圧縮応力とひずみの関係を測定した際のグラフである。
本発明の別の実施形態の銅繊維不織布の圧縮応力とひずみの関係を測定した際のグラフである。
本発明の別の実施形態の銅繊維不織布の圧縮応力とひずみの関係を測定した際のグラフである。
本発明の別の実施形態の銅繊維不織布の圧縮応力とひずみの関係を測定した際のグラフである。
本発明の別の実施形態の銅繊維不織布の圧縮応力とひずみの関係を測定した際のグラフである。
銅板の圧縮応力とひずみの関係を測定した際のグラフである。
本発明の銅繊維不織布のクッション性を確認するためのプレス装置の概略図である。
プレス装置にセットされる被圧縮体の詳細を説明するための概略図である。
実施例1の銅繊維不織布のプレス試験後感圧シートの状態を示す写真である。
実施例5の銅繊維不織布のプレス試験後の感圧シートの状態を示す写真である。
比較例1の銅箔のプレス試験後の感圧シートの状態を示す写真である。

0018

以下、本発明の銅繊維不織布について詳細に説明するが、本発明の銅繊維不織布の実施形態はこれに限られるものではない。

0019

本明細書において、不織布とは繊維がランダム交絡したシート状物を指し、銅繊維不織布とは、少なくとも銅からなる繊維を含む不織布をいう。本発明の銅繊維不織布は、銅繊維のみから構成されていても良いし、銅繊維以外を有していても良い。銅繊維間の結着部とは、銅繊維が物理的に固定されている部位をいう。銅繊維同士は直接固定されていても良いし、前記銅繊維の金属成分とは異なる金属成分を有する第二の金属成分によって固定されていても良いし、銅繊維の一部同士が金属成分以外の成分によって固定されていても良い。これらのうち、銅繊維不織布に良好な形状追従性とクッション性を与え易い点において、銅繊維同士が直接固定されていることが好ましい。図1は、銅繊維を用いて作製した銅繊維単独から成る不織布のSEM断面を示す写真である。また、図2は、銅繊維間が結着している様子の一例を示した写真である。

0020

前記第二の金属成分としては、特に限定されないが、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム青銅黄銅、ニッケル、クロムなどが例示でき、金、白金、銀、パラジウムロジウムイリジウムルテニウムオスミウム等の貴金属であっても良い。

0021

前記金属成分以外の成分としては、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)樹脂ポリビニルアルコ−ル(PVA)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンポリ塩化ビニル樹脂アラミド樹脂ナイロンアクリル系樹脂やこれらの繊維状物等の結着性担持性を有する有機物等を結着部を含む部分において使用することが出来る。

0022

本発明に係わる銅繊維の平均繊維径は、不織布形成に支障が無い範囲で任意に設定可能であるが、好ましくは1μm〜70μmであり、更に好ましくは15μm〜30μmである。1μm未満であると、不織布とする際に銅繊維がいわゆるダマになりやすくなる傾向があり、70μmを越えると、銅繊維の剛性繊維交絡の妨げに働く恐れがある。また、銅繊維の断面形状は円形楕円形略四角形不定形等いずれであっても良いが、好ましくは少なくとも円形断面の銅繊維を含む。円形断面の銅繊維は、例えば、角柱断面を有する繊維よりも、応力に対して曲がり(曲部)が生じやすく、かつ応力を受ける箇所に対して、銅繊維の曲がり度合いに差が生じ難いため、曲がり度合いも均質化する傾向がある。曲部を有する銅繊維同士が適度に交絡することで、形状追従性、クッション性を高めやすくなる傾向がある。ここで円形断面とは、真円断面である必要はなく、通常の銅繊維不織布の生産を実施する上で受ける応力において、適度な曲部を生じ易い程度の円断面形状であれば良い。尚、本明細書における「平均繊維径」とは、顕微鏡撮像された銅繊維不織布の任意の場所における垂直断面に基づき銅繊維の断面積を算出し(例えば、公知ソフトにて)、前記断面積と同一面積を有する円の直径を算出することにより導かれた面積径の平均値(例えば、20個の繊維の平均値)である。

0023

本発明に係わる銅繊維の繊維長は、1mm〜50mmの範囲であることが好ましく、更に好ましくは、3mm〜20mmの範囲である。平均繊維長が前記範囲内であると、例えば、抄造によって本発明の銅繊維不織布を作製する場合に、いわゆる銅繊維のダマを生じにくく、分散を適度に調整しやすくなる効果が期待できると共に、銅繊維同士の交絡によるシート強度向上効果をも発揮しやすくなる。本明細書における「平均繊維長」とは、顕微鏡で例えば、20本を測定し、測定値を平均した値である。また、「抄造」とは、原料をすいて紙等を製造することをいう。

0024

銅繊維不織布の厚みは、任意の厚みに調整可能であるが、例えば50μm〜1.5mmの範囲であることが好ましく、150μm〜350μmがより好ましい。尚、本明細書における「シートの厚み」とは、空気による端子落下方式の膜厚計(例えば、ミツトヨ社製:デジマチクインジケータID−C112X)で例えば、銅繊維不織布の任意の数測定点を測定した場合のそれらの平均値をいう。

0025

本発明の銅繊維不織布の占積率は、5〜60%の範囲であれば良く、5%〜40%が好ましく、10%〜25%がより好ましい。占積率が5%未満の場合には、繊維量不足するため、形状追従性やクッション性が低下する恐れがあり、60%を越えると銅繊維不織布が剛直になり、形状追従性やクッション性が低下する恐れがある。本明細書における占積率とは、銅繊維不織布の体積に対して繊維が存在する部分の割合で、銅繊維不織布の坪量と厚み、及び銅繊維の真密度から以下の式により算出される。(銅繊維のみから銅繊維不織布が構成される場合)
占積率(%)=(銅繊維不織布の坪量/(銅繊維不織布の厚み×銅繊維の真密度)×100

0026

以下、本発明の銅繊維不織布が作製後に外力を受けていない場合について説明する。

0027

本発明の銅繊維不織布は、圧縮開放サイクル圧縮試験を行うことにより、応力−ひずみ曲線から塑性変形と弾性変形を確認することが出来る。すなわち、一回目の圧縮・開放の動作により本発明の銅繊維不織布は塑性変形し、2回目の圧縮時には銅繊維不織布の厚みが減じているため、ひずみのスタート(圧縮プローブスタート位置)が未圧縮時よりも下がる。(例えば図3のグラフでは、横軸の起点が未圧縮の銅繊維不織布の塑性変形開始点となっているため、2回目以降のひずみがプラス数値として表示されている。)本明細書では、圧縮試験において、既圧縮時(2回目または3回目の圧縮時)のひずみスタート値(圧縮プローブスタート位置)を境として、低ひずみ側を塑性変形領域(塑性変形を示す第一の領域)とし、塑性変形領域以降(高ひずみ側)のひずみを弾性変形領域(弾性変形を示す第二の領域、又は弾性変形を示す領域)と定義している。尚、低ひずみ側の塑性変形領域は、塑性変形のみで構成される必要はなく、低ひずみ側の塑性変形領域には、塑性変形に加え弾性変形が存在してもよい。

0028

図3は、本明細書の実施例1に記載した本発明の銅繊維不織布の、圧縮応力とひずみの関係を測定した際のグラフである。グラフ中、1回目〜3回目は圧縮回数を示し、1回目が初回圧縮時の測定値、次いで2回目圧縮時の測定値、更に3回目圧縮時の測定値をプロットしている。これによると、本発明の銅繊維不織布は、塑性変形を示す第一の領域A、前記第一の領域よりも圧縮応力が高い領域で現れる弾性変形を示す第二の領域Bを有していることが判る。すなわち、図10の銅板の測定値には、塑性変形を示す第一の領域Aが無いことに対して、図3等に示す本発明の銅繊維不織布には、第一の領域として塑性変形が出現し、その後第二の領域として弾性変形が出現する。

0029

更には、弾性変形を示す第二の領域Bは、圧縮応力に対してのひずみに変曲部aを有することが好ましい。「変曲部a」とは、応力−ひずみ曲線において、接線の傾きが急激に変化する部分をいう。図4は、本発明に係わる弾性変形を示す第二の領域(弾性変形を示す領域)を詳細に説明するためのグラフであり、データ値図3と同一である。図4に示す変曲部aよりも前の弾性変形を示す領域B1(領域Aと変曲部aの間)は、いわゆるバネ弾性領域と解され、変曲部aよりも後ろの弾性変形を示す領域B2は金属内部に歪を溜め込むいわゆる歪弾性領域であると解される。すなわち、本発明の銅繊維不織布は、弾性変形を示す第二の領域B(弾性変形を示す領域)に、変曲部aよりも前の弾性変形を示す領域B1と変曲部aよりも後ろの弾性変形を示す領域B2を有する。これにより、形状追従性とクッション性を更に高め易いという効果を奏する。尚、図10の銅板の測定値には、変曲部a及び、変曲部aよりも前の弾性変形を示す領域B1が存在しない。

0030

次に、本発明の銅繊維不織布が作製後、既に外力を受けている場合について説明する。

0031

本発明の銅繊維不織布が作製後、外力(例えば、圧縮応力等)を既に受けている場合には、前記塑性変形を示す第一の領域は基本的に消失している(図4の例で言えば、1回目の圧縮・開放のサイクルが終わった段階)。しかしながら、本発明の銅繊維不織布は、塑性変形を示す領域が存在しないとしても、前記の通り弾性変形を示す領域に、変曲部aよりも前の弾性変形領域、変曲部a、変曲部aよりも後ろの弾性変形領域を有する。これにより、一般的な金属よりも優れた形状追従性とクッション性を示すことが出来る。また、本発明の銅繊維不織布は、既に外力を受けた後である場合にも、その作製時には、塑性変形を示す第一の領域が存在した筈である。

0032

本明細書における圧縮応力とひずみとの関係を測定する方法は引張・圧縮応力測定試験機を使用して行う。まず、30mm角試験片を準備する。ミツトヨ製、デジマチックインジケータID−C112Xを用いて、準備した試験片の厚みを圧縮試験前の厚みとして測定する。このマイクロメーターは空気によってプローブの上げ下げを行うことができ、また、その速度も任意に調節することができる。試験片は微量の応力により潰れやすい状態であるため、測定プローブを降ろす際にはなるべくプローブの自重のみが試験片にかかるようにゆっくり降ろす。且つ、プローブを当てる回数は1度のみとする。このとき測定した厚みを「試験前厚み」とする。

0033

続いて、試験片を用いて圧縮試験を行う。1kNのロードセルを用いる。圧縮試験に使用する冶具は、ステンレス製の直径100mmの圧縮プローブを使用する。圧縮速度は1mm/minとし、試験片の圧縮・開放動作を続けて3回行う。これにより本発明の銅繊維不織布他の塑性変形、弾性変形を確認することが出来る。

0034

加えて、圧縮試験により得られた応力−ひずみ曲線から、応力に対する実際のひずみを計算し、以下の式にしたがって塑性変形量を算出することが出来る。
塑性変形量=(1回目の立ち上がり部のひずみ)−(2回目の立ち上がり部のひずみ)
このとき、立ち上がり部とは、2.5Nのときのひずみのことを指す。
試験後の試験片の厚みを前述と同様の方法で測定を行い、これを「試験後の厚み」とする。

0035

また、本発明の銅繊維不織布は、塑性変形率所望範囲内であることが好ましい。塑性変形率とは、銅繊維不織布の塑性変形の程度を示す。塑性変形率(例えば、0MPa〜1MPaまで荷重を徐々に増加させながら加えた際の塑性変形率)は以下のように規定される。
塑性変形量(μm)=T0−T1
塑性変形率(%)=(T0−T1)/T0×100
上記T0は、荷重を加える前の銅繊維不織布の厚みであり、
上記T1は、荷重を加え、解放した後の銅繊維不織布の厚みである。
本発明の銅繊維不織布は、第一の領域として塑性変形を生じるもの、あるいは弾性変形を示す領域に、変曲部aよりも前の弾性変形領域、変曲部a、変曲部aよりも後ろの弾性変形領域を有するものであればよい。第一の領域として塑性変形を生じる場合には、塑性変形率は、1%〜90%であることが好ましく、4%〜75%であることがさらに好ましく、30%〜60%であることが特に好ましく、47%〜60%であることが最も好ましい。1%以上であることで、塑性変形に起因する形状追従性を好適に確保でき好ましい。一方、90%以下であることで塑性変形し過ぎず、弾性変形の余地を残すことで、弾性変形に起因するクッション性を確保できるため好ましい。

0036

本発明の銅繊維不織布の伸び率は、3%〜20%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、3%〜10%、更に好ましくは5%〜10%である。3%未満であると、追従対象物面等が平坦でない場合等に、形状追従性が低下する恐れがある。20%を越えると、不織布の形態安定性が低下する恐れがある。

0037

本発明の銅繊維不織布の引張強度は、2N/mm〜20N/10mmであることが好ましく、より好ましくは、2N/10mm〜10N/10mm、更に好ましくは5N/10mm〜10N/10mmである。2N/10mm未満であると使用様態によっては、銅繊維不織布が破断する恐れがあり、20N/10mmを越えると形状追従性が低下する恐れがある。

0038

本発明の銅繊維不織布のクラークこわさ(JIS P 8143:2009)は、3〜15であることが好ましく、3〜12がより好ましく、6〜12が更に好ましい。クラークこわさが3以下であっても良いが、銅繊維不織布のハンドリングの点で、シワ等が生じやすくなる恐れがある。また、クラークこわさが15以上であると、追従対象物の形状、径等によっては座屈を生じる恐れがある。クラークこわさ試験機法は、自重たわみの指標となる測定法であり、測定値の大きさは、試料のいわゆるコシの強さを表す。従って、シート状物の測定値が一定範囲であれば、しなやかさとコシのバランスが取れ、例えば、曲部を有する追従対象物への追従性に優れるものと言える。

0039

本発明の銅繊維焼結不織布のシート抵抗値には特に限定がないが、好ましくは0.8mΩ/□〜1.5mΩ/□である。シート抵抗値は、例えばvan der Pauw法で求めることが出来る。

0040

(銅繊維不織布の作製)
本発明の銅繊維不織布を得る方法としては、銅繊維または銅繊維を主体としたウェブ圧縮成形する方法や、銅繊維または銅繊維を主体とする原料を湿式抄造法で抄紙すること等により、得ることが出来る。

0041

圧縮成形により、本発明の銅繊維不織布を得る場合には、カード法エアレイド法等により得られた銅繊維または銅繊維を主体とするウェブを圧縮成形することが出来る。この時、繊維間の結合を付与するために繊維間にバインダーを含浸させてもよい。かかるバインダーとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル系接着剤エポキシ系接着剤ウレタン系接着剤などの有機系バインダーの他に、コロイダルシリカ水ガラスケイ酸ソーダなどの無機質接着剤を用いることができる。バインダーを含浸する代わりに、繊維の表面に熱接着性樹脂を予め被覆しておき、銅繊維または銅繊維を主体とする集合体を積層した後に加圧加熱圧縮しても良い。

0042

また、銅繊維等を水中に分散させて、これを抄き上げる湿式抄造法により本発明の銅繊維不織布を作製することも出来る。具体的には、銅繊維または銅繊維を主体としたスラリーを調製し、これに填料分散剤増粘剤消泡剤紙力増強剤サイズ剤凝集剤着色剤定着剤等を適宜添加出来る。また、銅繊維以外の繊維状物としてポリエチレンテレフタレ−ト(PET)樹脂、ポリビニルアルコ−ル(PVA)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル樹脂、アラミド樹脂、ナイロン、アクリル系樹脂等の加熱溶融により結着性を発揮する有機繊維等をスラリー中に添加することも出来る。例えば焼結によって銅繊維間に結着部を設ける場合には、銅繊維間に有機繊維等の存在が無い方が、結着部を確実に設けやすく(結着点数を増加させやすく)、塑性変形を示す第一の領域と、前記第一の領域よりも圧縮応力が高い領域で現れる、弾性変形を示す第二の領域、加えて弾性変形を示す領域に、変曲部aよりも前の弾性変形領域、変曲部a、変曲部aよりも後ろの弾性変形領域をより得易い。そのため、本発明の銅繊維不織布に形状追従性とクッション性を与えやすくなる点において、銅繊維間に有機繊維等の存在が無い方が好ましい。

0043

上記のように有機繊維等の存在無くして、銅繊維を抄造する場合、水と銅繊維の真密度差、銅繊維の過交絡により、いわゆるダマ等の凝集物を生じやすい。このため、適宜増粘剤等を使用することが好ましい。また、攪拌ミキサー中のスラリーは、真密度の大きな銅繊維がミキサー底面に沈降しやすい傾向にある。このため、銅繊維比率が比較的安定している底面付近を除いたスラリーを抄造スラリーとして用いることが好ましい。このような操作を実施することにより、面内バラツキ等の小さい、より緻密な形状追従性とクッション性を銅繊維不織布に付与しやすくする効果を奏する。

0044

次に前記スラリーを用いて、抄紙機にて湿式抄造を実施する。抄紙機としては、円網抄紙機長網抄紙機、短網抄紙機、傾斜型抄紙機、これらの中から同種又は異種の抄紙機を組み合わせてなるコンビネーション抄紙機などを用いることができる。エアードライヤーシリンダードライヤーサクションドラムドライヤー赤外方式ドライヤー等を用いて、抄紙後の湿紙脱水・乾燥し、シートを得ることができる。

0045

また、脱水時には、脱水の水流量(脱水量)を抄造網の面内、幅方向等で均一化することが好ましい。水流量を一定にすることで、脱水時の乱流等が抑えられ、銅繊維が抄造網へ沈降する速度が均一化されるため、均質性の高い銅繊維不織布を得易くなる。脱水時の水流量を一定にするためには、抄造網下の水流の障害となる可能性のある構造物を排除する等の方策を取ることができる。これにより、面内バラツキ等の小さい、より緻密な形状追従性とクッション性を銅繊維不織布に付与しやすくする効果を奏する。

0046

湿式抄造法を用いる際には、網上の水分を含んだシートを形成している銅繊維または銅繊維を主体とした成分を互いに交絡させる繊維交絡処理工程を経て製造されることが好適である。ここで、繊維交絡処理工程としては、例えば、湿体シート面に高圧ジェット水流噴射する繊維交絡処理工程を採用するのが好ましい。具体的には、シートの流れ方向に直交する方向に複数のノズルを配列し、この複数のノズルから同時に高圧ジェット水流を噴射することにより、シート全体に亘って銅繊維または銅繊維を主体とする繊維同士を交絡させることが可能である。前記工程を経た後、湿体シートは、ドライヤー工程を経て巻取り等される。

0047

前記工程により作製された本発明の銅繊維不織布は、例えば銅繊維同士を結着させる前にプレス(加圧)工程を実施しても良い。結着前にプレス工程を実施することによって、その後の結着工程に於いて結着部を確実に設けやすく(結着点数を増加させやすく)、塑性変形を示す第一の領域と、前記第一の領域よりも圧縮応力が高い領域で現れる、弾性変形を示す第二の領域、加えて弾性変形を示す領域に、変曲部aよりも前の弾性変形領域、変曲部a、変曲部aよりも後ろの弾性変形領域をより得易い。そのため、本発明の銅繊維不織布に形状追従性とクッション性を与えやすくなる点において、結着前にプレス工程を実施することが好ましい。また、プレスは加熱下で実施しても、非加熱下で実施しても良いが、本発明の銅繊維不織布が加熱溶融により結着性を発揮する有機繊維等を含んでいる場合には、その溶融開始温度以上での加熱が有効であり、銅繊維単独又は、第二の金属成分を含んで構成される場合には、加圧のみでも良い。更に加圧時の圧力は、銅繊維不織布の厚みを考慮して適宜設定すれば良いが、例えば厚み170μm程度の銅繊維不織布の場合、線圧300kg/cm未満、好ましくは250kg/cm未満で実施することで、本発明の銅繊維不織布に形状追従性とクッション性を与え易くなるため好ましい。また、このプレス工程により、銅繊維不織布の占積率を調整することも出来る。

0048

このように調整された銅繊維不織布の銅繊維同士を結着させる方法は、銅繊維不織布を焼結する方法、化学エッチングにより結着する方法、レーザー溶着する方法、IH加熱を利用して結着する方法、ケミカルボンド法サーマルボンド法等を用いることが出来る。塑性変形を示す第一の領域と、前記第一の領域よりも圧縮応力が高い領域で現れる、弾性変形を示す第二の領域、加えて弾性変形を示す領域に、変曲部aよりも前の弾性変形領域、変曲部a、変曲部aよりも後ろの弾性変形領域をより得易く、本発明の銅繊維不織布に形状追従性とクッション性を与え易くなるという点において、上記の方法のうち、銅繊維不織布を焼結する方法が好ましい。図2は、銅繊維を焼結により結着させた銅繊維不織布の断面をSEM観察した図である。

0049

銅繊維不織布を焼結させるには、真空中または非酸化雰囲気中で銅繊維の融点以下の温度で焼結する焼結工程を含むことが好ましい。焼結工程を経た銅繊維不織布は有機物が焼失しており、このように銅繊維のみから成るシートの銅繊維同士の接点が結着することで、より良好な形状追従性とクッション性を金属繊維シートに与えることが可能となる。

0050

更に、焼結された銅繊維不織布は、焼結後にプレス(加圧)工程を実施することで更に均質性を高めることができる。繊維がランダムに交絡した銅繊維不織布は、厚み方向に圧縮されることで厚み方向だけではなく、面方向にも繊維のシフトが生じる。これにより、焼結時には空隙だった場所にも銅繊維が配置しやすくなる効果が期待でき、その状態は銅繊維の有する塑性変形特性によって維持される。これにより、面内バラツキ等の小さい、より緻密な形状追従性とクッション性を銅繊維不織布に付与しやすくする効果を奏する。プレス(加圧)時の圧力は、銅繊維不織布の厚みを考慮して適宜設定すれば良い。

0051

(銅繊維不織布の用途)
次に、本発明の銅繊維不織布の用途について説明する。本発明の銅繊維不織布は、特に限定されるものではないが、例えば、全音響透過材としてマイクロホン風防や、電磁波抑制等を目的とした電子回路基板に用いる電磁波ノイズ対策部材、半導体発熱対策として半導体チップ接合用半田中に用いる銅繊維不織布伝熱材等、これらに留まらず建材、車両、航空機船舶用部材等の放熱、加熱、電磁波対策用途等に幅広く使用することができる。

0052

(実施例1)
繊維の直径が18.5μm、繊維長が10mm、断面形状が略円環状の銅繊維を水中に分散し、増粘剤を適宜添加して抄造スラリーとした。この抄造スラリーを用いて、坪量300g/m2を目安に抄き網上に投入し、脱水、乾燥して銅繊維不織布を得た。その後、同不織布を、常温で線圧240kg/cmでプレス後水素ガス75%、窒素ガス25%の雰囲気中で1020℃、40分間加熱し、実施例1の銅繊維不織布を得た。得られた銅繊維不織布の厚みは166.9μm、占積率は19.4%であった。
実施例1の銅繊維不織布の圧縮応力とひずみの関係を測定した際のグラフを図3図4に示す。

0053

(実施例2)
厚みを213.8μm、占積率を15.8%に調整したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の銅繊維不織布を得た。
実施例2の銅繊維不織布の圧縮応力とひずみの関係を測定した際のグラフを図5に示す。

0054

(実施例3)
厚みを332.8μm、占積率を10.3%に調整したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の銅繊維不織布を得た。
実施例3の銅繊維不織布の圧縮応力とひずみの関係を測定した際のグラフを図6に示す。

0055

(実施例4)
繊維の直径が30μm、繊維長が10mmの銅繊維を用いて、厚み149μm、占積率24%に調整したこと以外は、実施例1と同様にして実施例4の銅繊維不織布を得た。
実施例4の銅繊維不織布の圧縮応力とひずみの関係を測定した際のグラフを図7に示す。

0056

(実施例5)
繊維の直径が40μm、繊維長が10mmの銅繊維を用いて、厚み177μm、占積率18.8%に調整したこと以外は、実施例1と同様にして実施例5の銅繊維不織布を得た。
実施例5の銅繊維不織布の圧縮応力とひずみの関係を測定した際のグラフを図8に示す。

0057

(実施例6)
繊維の直径が50μm、繊維長が10mmの銅繊維を用いて、厚み179μm、占積率20.4%に調整したこと以外は、実施例1と同様にして実施例6の銅繊維不織布を得た。
実施例6の銅繊維不織布の圧縮応力とひずみの関係を測定した際のグラフを図9に示す。

0058

(比較例1)
厚み40μmの粗面加工銅箔を準備した。この銅箔の占積率は80%であった。
比較例1の銅箔の圧縮応力とひずみの関係を測定した際のグラフを図10に示す。

0059

シート厚の測定)
実施例で得られた銅繊維不織布、比較例の銅箔の厚みは、ミツトヨ製デジマチックインジケータID−C112Xを用いて、直径15mmの測定端子にて測定した。得られたシートの厚み9点を測定し、その平均値を厚みとした。

0060

シート寸法の測定)
実施例で得られた銅繊維不織布、比較例の銅箔の短辺と長辺の寸法は、JIS1級の金尺を用いて測定した。

0061

(占積率)
実施例で得られた銅繊維不織布は以下の通り算出した。
占積率(%)=(銅繊維不織布の坪量/(銅繊維不織布の厚み×銅繊維の真密度)×100
比較例の銅箔の占積率は以下の通り算出した。
占積率(%)=シートのかさ密度材質真比重×100

0062

塑性/弾性変形の確認)
実施例、比較例で準備したシート状物(銅繊維不織布等)の圧縮応力とひずみとの関係を以下に示す方法で測定した。
前記シート状物を30mm角に裁断し、引張・圧縮応力測定試験機(エー・アンドディー社製、製品名:RTC−1210A)にセットする。圧縮試験前のシート状物の厚みは、前記シート厚の測定方法を用いて測定した値である。シート状物は微量の応力でも潰れてしまう可能性があるため、測定プローブを降ろす際にはなるべくプローブの自重のみがシート状物にかかるようにゆっくりと降下させる。且つ、プローブを当てる回数は1度のみとする。このように測定した厚みを「試験前厚み」とする。
続いて、シート状物を用いて圧縮試験を行う。1kNのロードセルを用いる。圧縮試験に使用する冶具は、ステンレス製の直径100mmの圧縮プローブを使用する。圧縮速度は1mm/minとし、シート状物の圧縮・開放動作を続けて3回行う。これによりシート状物の塑性変形、弾性変形を確認することが出来る。試験により得られた「応力-ひずみ曲線チャート」から、応力に対する実際のひずみを計算し、以下の式にしたがって塑性変形量と塑性変形率を算出する。
塑性変形量(μm)=T0−T1
塑性変形率(%)=(T0−T1)/T0×100
上記T0は、荷重を加える前の銅繊維不織布の厚みであり、
上記T1は、荷重を加え、解放した後の銅繊維不織布の厚みである。
試験後の試験片の厚みを前述と同様の方法で測定を行い、これを「試験後の厚み」とする。試験後の厚み測定は、試験終了から3時間後に実施した。

0063

(伸び率の測定)(引張強度の測定)
JIS P8113に準拠し、試験片の面積を15mm×180mmとなるように調整し、引張速度30mm/minにて、実施例の銅繊維不織布、比較例の銅箔の伸び率、引張強度を測定した。

0064

(プレス試験)
実施例、比較例で準備したシート状物(銅繊維不織布等)の形状追従性、クッション性を以下に示す方法で確認した。
前記シート状物を100mm×150mmに裁断し、図12に示すように、上からSUS板9(厚み1mm)、弾性体11(厚み1mm)、鏡面SUS板10(厚み1mm)、樹脂板12(厚み0.97mm)、シート状物13(銅繊維不織布等)、感圧シート14(厚み0.18mm)、鏡面SUS板10(厚み1mm)、弾性体11(厚み1mm)、SUS板9(厚み1mm)の順に重ね合わせて被圧縮体7を形成した。次に、被圧縮体を図11に示す、電源4及びヒータ5を備えたプレス装置3の固定板6と可動板8の間にセットして、120℃、0.5MPa、2minの条件で熱プレスを施した後、0.5MPa、3minの条件で水冷プレスを実施した。その後、圧力を開放して、感圧シート14の変色度合いを観察・評価した。
感圧シート14は、プレスケール低圧用(富士フィルム製、2シートタイプ)を使用した。
評価基準は以下の通りである。
◎:圧力を感知していない白色部がほぼ見られない。
○:低感知を示す白色部が若干見受けられるが、面内感圧差が明確ではない。
×:低感知を示す白色部が顕著で、面内感圧差が顕著。
図13は実施例1、図14は実施例5、図15は比較例1のプレス試験後の感圧シートの写真である。

0065

(クラークこわさ試験)
実施例、比較例で準備したシート状物(銅繊維不織布等)の形状追従性をJIS P 8143:2009のクラークこわさ試験機法で確認した。

0066

表1に実施例の銅繊維不織布、比較例の銅板の塑性変形、弾性変形の有無、プレス試験結果、クラークこわさ等について示す。
表2に実施例の銅繊維不織布、比較例の銅板の物性値等について示す。

0067

0068

実施例

0069

以上、本発明の銅繊維不織布は、実施例に示す通り、プレス試験における結果から面内圧力差を均一にする効果を有しており、クラークこわさ試験機法においても銅箔よりもしなやかさを有していることが判る。すなわち、本発明の銅繊維不織布は、圧縮応力とひずみとの関係において、塑性変形を示す第一の領域と、前記第一の領域よりも圧縮応力が高い領域で現れる、弾性変形を示す第二の領域を有する、又は弾性変形を示す領域を有し、前記弾性変形を示す領域は、変曲部aよりも前の弾性変形領域、変曲部a、変曲部aよりも後ろの弾性変形領域を有する。これにより、高い形状追従性と適度なクッション性を発揮することができる。

0070

高い形状追従性を有しながらも、クッション性をも有する銅繊維不織布を提供することができる。

0071

1銅繊維
2結着部
A塑性変形を示す第一の領域
B弾性変形を示す第二の領域(弾性変形を示す領域)
B1変曲部aよりも前の弾性変形領域
B2 変曲部aよりも後ろの弾性変形領域
a 変曲部
3プレス装置
4電源
5ヒータ
6固定板
7被圧縮体
8可動板
9SUS板
10 鏡面SUS板
11弾性体
12樹脂板
13シート状物
14 感圧シート

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