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技術 無線型生体信号通信端末、無線型生体信号通信システム、及び無線型生体信号モニタリングシステム

出願人 国立大学法人東京医科歯科大学TDK株式会社
発明者 川端茂徳牛尾修太澁谷朝彦
出願日 2017年9月22日 (3年2ヶ月経過) 出願番号 2018-540315
公開日 2019年10月3日 (1年1ヶ月経過) 公開番号 WO2018-056398
状態 未査定
技術分野 診断用測定記録装置
主要キーワード 非接触計測 加算平均化処理 バッテリ駆動式 サンプル取得 電気センサ 加算平均波 生体信号データ サンプリング制御
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題・解決手段

本発明は、消費電力量を小さく抑えた無線生体信号通信端末を提供する。 本発明の通信端末(1)は、生体信号を検出するセンサ部(11)と、設定されたサンプリング周波数にしたがって生体信号をA/D変換し、生体信号データにするA/D変換部(12)と、A/D変換された複数の生体信号データを記録する記録部(13)と、所定期間内に記録部(13)に記録された複数の生体信号データを処理する制御部(14)と、制御部(14)の処理結果を外部装置無線送信する無線モジュール部(15)及びアンテナ(16)と、これらの装置を駆動させる電力を供給する電力供給部(17)とを備える。無線モジュール部(15)は、制御部(14)によって生体信号データが処理された場合に駆動し、制御部(14)の処理結果を外部装置に無線送信する。他方、複数の生体信号データの処理が未処理又は処理中である場合、無線モジュール部(15)は、未駆動であり、外部装置へのデータの無線送信を実行しない。

概要

背景

手術操作による脊髄神経障害を回避するため、医師は、脊椎・脊髄等の手術中において、脊髄・神経機能モニタリングする。このモニタリングにおいて、モニタリング装置は、15分に一回程度、患者頭蓋周期的な電気刺激を複数回(3回〜10回程度)加え、患者の四肢筋電位を検出する。そして、モニタリング装置は、複数回検出した筋電位を加算平均処理し、加算平均処理した結果の波形経頭蓋刺激誘発電位)をモニタに表示する。医師は、モニタに表示された波形を確認し、脊髄機能の診断をする。

筋電位を検出するため、医師は、患者の体に生体電極を貼りつけ、リード線を介して生体電極と筋電計とを接続することを要する。しかしながら、生体電極と筋電計との接続に際しては、配線の取り回しが煩雑で、準備に時間がかかる(例えば、2人で1時間)といった課題を有する。また、患者の体に多くの生体電極を貼りつけることは、感染症の危険性を増大させるため、管理の徹底が重要となる。

配線の問題の解決策として、スポーツ運動解析の用途では、無線機能を搭載した自発筋電位モニタリングシステムが市販されている。しかしながら、このシステムに内蔵されている電池の消耗が早く、連続使用できる時間は、2時間程度に留まる。手術中においては最大8時間程度の連続したモニタリングが必要で、電池の交換充電をすることはできないため、このシステムを手術中における神経モニタリングに利用するのは、難しい。

消費電力を低くする手法として、心臓に配置された電極を介して検出された心電信号デジタル信号に変換するA/D変換部と、該A/D変換部により変換された心電信号の特徴を抽出する特徴抽出部と、該特徴抽出部により抽出された心電信号の特徴に基づいて前記A/D変換部のサンプリング周波数を変更するサンプリング制御部と、前記A/D変換部により変換された心電信号を記憶する記憶部とを備える心電信号検出装置が提案されている(特許文献1参照)。

この装置によると、特徴抽出部が、心電信号のピーク位置や、ピーク間隔ピークレベル等といった特定の心電信号の特徴を抽出すると、サンプリング制御部がその特徴に応じてサンプリング周波数を変更する。心電信号が変化する重要な特徴部分については高いサンプリング周波数によってサンプリングを行い、不要な特徴部分については低いサンプリング周波数によってサンプリングを行うことで、正確な心電波形を得ながらデータ量を削減することができる。特にバッテリ駆動式の場合には、バッテリの消耗を抑えて、長時間にわたる検出を行うことができるとされている。

概要

本発明は、消費電力量を小さく抑えた無線生体信号通信端末を提供する。 本発明の通信端末(1)は、生体信号を検出するセンサ部(11)と、設定されたサンプリング周波数にしたがって生体信号をA/D変換し、生体信号データにするA/D変換部(12)と、A/D変換された複数の生体信号データを記録する記録部(13)と、所定期間内に記録部(13)に記録された複数の生体信号データを処理する制御部(14)と、制御部(14)の処理結果を外部装置無線送信する無線モジュール部(15)及びアンテナ(16)と、これらの装置を駆動させる電力を供給する電力供給部(17)とを備える。無線モジュール部(15)は、制御部(14)によって生体信号データが処理された場合に駆動し、制御部(14)の処理結果を外部装置に無線送信する。他方、複数の生体信号データの処理が未処理又は処理中である場合、無線モジュール部(15)は、未駆動であり、外部装置へのデータの無線送信を実行しない。

目的

したがって、医療現場における無線型の生体信号通信においては特にバッテリ切れを回避する必要があり、他のアプローチからバッテリの消耗を抑える手法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

生体信号を検出する生体信号検出手段と、設定されたサンプリング周波数にしたがって前記生体信号をA/D変換し、生体信号データにするA/D変換手段と、サンプリング周波数にしたがってA/D変換された複数の生体信号データを記録する記録手段と、所定期間内に前記記録手段に記録された複数の前記生体信号データを処理する処理手段と、前記処理手段によって処理された結果を外部装置無線送信する無線送信手段と、前記生体信号検出手段、前記A/D変換手段、前記記録手段、前記処理手段、及び前記無線送信手段を駆動させる電力を供給する電力供給手段とを備え、前記無線送信手段は、前記処理手段によって前記生体信号データが処理された場合に駆動して前記処理手段によって処理された結果を前記外部装置に無線送信し、前記処理手段による複数の前記生体信号データの処理が未処理である場合又は処理中である場合は、未駆動であり、前記外部装置へのデータの無線送信を実行しない、無線型生体信号通信端末

請求項2

前記生体信号データは、前記生体信号の波形データであり、前記処理手段は、複数の前記波形データを加算平均処理して加算平均波形データを生成する、請求項1に記載の無線型生体信号通信端末。

請求項3

前記サンプリング周波数を切り換え切換手段をさらに備える、請求項1又は2に記載の無線型生体信号通信端末。

請求項4

前記生体信号検出手段は、電気センサ磁気センサ加速度センサ、及びこれらの組合せを含む、請求項1から3のいずれかに記載の無線型生体信号通信端末。

請求項5

請求項1から4に記載の無線型生体信号通信端末と、前記外部装置とを有し、前記外部装置は、前記無線送信手段から送信される、前記処理手段によって処理された結果を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された結果を表示する表示手段とを備える、無線型生体信号通信ステム

請求項6

周期的な電気刺激を1周期内に複数回発生させる電気刺激発生手段と、複数回の前記電気刺激に基づく生体信号を毎回検出する生体信号検出手段と、設定されたサンプリング周波数にしたがって前記生体信号を毎回A/D変換し、複数の生体信号データにするA/D変換手段と、サンプリング周波数にしたがってA/D変換された複数の生体信号データを毎回記録する記録手段と、前記電気刺激の1周期内に前記記録手段に記録された複数の前記生体信号データをまとめて処理する処理手段と、前記処理手段によって処理された結果を無線送信する無線送信手段と、前記無線送信手段から送信される、前記処理手段によって処理された結果を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された結果を表示する表示手段と、前記生体信号検出手段、前記A/D変換手段、前記記録手段、前記処理手段、及び前記無線送信手段を駆動させる電力を供給する電力供給手段とを備え、前記電力供給手段は、前記処理手段によって処理された結果の無線送信中は前記無線送信手段に電力を供給し、前記生体信号検出手段による検出中、前記A/D変換手段による変換中、前記記録手段による記録中、及び前記処理手段による処理中は前記無線送信手段に電力を供給しない、無線型生体信号モニタリングシステム

技術分野

0001

本発明は、無線生体信号通信端末、無線型生体信号通信ステム、及び無線型生体信号モニタリングシステムに関する。

背景技術

0002

手術操作による脊髄神経障害を回避するため、医師は、脊椎・脊髄等の手術中において、脊髄・神経機能モニタリングする。このモニタリングにおいて、モニタリング装置は、15分に一回程度、患者頭蓋周期的な電気刺激を複数回(3回〜10回程度)加え、患者の四肢筋電位を検出する。そして、モニタリング装置は、複数回検出した筋電位を加算平均処理し、加算平均処理した結果の波形経頭蓋刺激誘発電位)をモニタに表示する。医師は、モニタに表示された波形を確認し、脊髄機能の診断をする。

0003

筋電位を検出するため、医師は、患者の体に生体電極を貼りつけ、リード線を介して生体電極と筋電計とを接続することを要する。しかしながら、生体電極と筋電計との接続に際しては、配線の取り回しが煩雑で、準備に時間がかかる(例えば、2人で1時間)といった課題を有する。また、患者の体に多くの生体電極を貼りつけることは、感染症の危険性を増大させるため、管理の徹底が重要となる。

0004

配線の問題の解決策として、スポーツ運動解析の用途では、無線機能を搭載した自発筋電位モニタリングシステムが市販されている。しかしながら、このシステムに内蔵されている電池の消耗が早く、連続使用できる時間は、2時間程度に留まる。手術中においては最大8時間程度の連続したモニタリングが必要で、電池の交換充電をすることはできないため、このシステムを手術中における神経モニタリングに利用するのは、難しい。

0005

消費電力を低くする手法として、心臓に配置された電極を介して検出された心電信号デジタル信号に変換するA/D変換部と、該A/D変換部により変換された心電信号の特徴を抽出する特徴抽出部と、該特徴抽出部により抽出された心電信号の特徴に基づいて前記A/D変換部のサンプリング周波数を変更するサンプリング制御部と、前記A/D変換部により変換された心電信号を記憶する記憶部とを備える心電信号検出装置が提案されている(特許文献1参照)。

0006

この装置によると、特徴抽出部が、心電信号のピーク位置や、ピーク間隔ピークレベル等といった特定の心電信号の特徴を抽出すると、サンプリング制御部がその特徴に応じてサンプリング周波数を変更する。心電信号が変化する重要な特徴部分については高いサンプリング周波数によってサンプリングを行い、不要な特徴部分については低いサンプリング周波数によってサンプリングを行うことで、正確な心電波形を得ながらデータ量を削減することができる。特にバッテリ駆動式の場合には、バッテリの消耗を抑えて、長時間にわたる検出を行うことができるとされている。

先行技術

0007

特開2010−094236号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、サンプリング周波数の変更だけでは消費電力量の低減に限度があり、不十分である。実際、無線型心電図モニタ送受信機に関して、送信機バッテリ切れに起因する医療事故が多く発生している。具体的には、最近の約10年間で、無線型心電図モニタに関連した事故が15件発生しており、その1/3(5件)もが送信機のバッテリ切れによるものであったとの医療事故報告がなされている。したがって、医療現場における無線型の生体信号通信においては特にバッテリ切れを回避する必要があり、他のアプローチからバッテリの消耗を抑える手法を提供することで、消費電力量をよりいっそう小さくできる余地がある。また、生体電極を貼りつける必要のない、生体磁気による非接触計測とした場合には、無線機能との組み合わせによって一層安全で準備時間の短い術中モニタリングを実現できる。

0009

本発明は、消費電力量をよりいっそう小さくすることの可能な無線型生体信号通信端末を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、処理手段によって生体信号データが処理された場合に無線送信手段を駆動して処理手段によって処理された結果を外部装置に無線送信し、処理手段による生体信号データの処理が未処理である場合又は処理中である場合は、無線送信手段を未駆動にし、外部装置へのデータの無線送信を実行しないことで、消費電力量を最小限に抑えられることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。

0011

(1)本発明は、生体信号を検出する生体信号検出手段と、設定されたサンプリング周波数にしたがって前記生体信号をA/D変換し、生体信号データにするA/D変換手段と、サンプリング周波数にしたがってA/D変換された複数の生体信号データを記録する記録手段と、所定期間内に前記記録手段に記録された複数の前記生体信号データを処理する処理手段と、前記処理手段によって処理された結果を外部装置に無線送信する無線送信手段と、前記生体信号検出手段、前記A/D変換手段、前記記録手段、前記処理手段、及び前記無線送信手段を駆動させる電力を供給する電力供給手段とを備え、前記無線送信手段は、前記処理手段によって前記生体信号データが処理された場合に駆動して前記処理手段によって処理された結果を前記外部装置に無線送信し、前記処理手段による複数の前記生体信号データの処理が未処理である場合又は処理中である場合は、未駆動であり、前記外部装置へのデータの無線送信を実行しない、無線型生体信号通信端末である。

0012

(2)また、本発明は、前記生体信号データが前記生体信号の波形データであり、前記処理手段が複数の前記波形データを加算平均処理して加算平均波形データを生成する、(1)に記載の無線型生体信号通信端末である。

0013

(3)また、本発明は、前記サンプリング周波数を切り換え切換手段をさらに備える、(1)又は(2)に記載の無線型生体信号通信端末である。

0014

(4)また、本発明は、前記生体信号検出手段が、電気センサ磁気センサ加速度センサ、及びこれらの組合せを含む、(1)から(3)のいずれかに記載の無線型生体信号通信端末である。

0015

(5)また、本発明は、(1)から(4)に記載の無線型生体信号通信端末と、前記外部装置とを有し、前記外部装置は、前記無線送信手段から送信される、前記処理手段によって処理された結果を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された結果を表示する表示手段とを備える、無線型生体信号通信システムである。

0016

(6)また、本発明は、周期的な電気刺激を1周期内に複数回発生させる電気刺激発生手段と、複数回の前記電気刺激に基づく生体信号を毎回検出する生体信号検出手段と、設定されたサンプリング周波数にしたがって前記生体信号を毎回A/D変換し、複数の生体信号データにするA/D変換手段と、サンプリング周波数にしたがってA/D変換された複数の生体信号データを毎回記録する記録手段と、前記電気刺激の1周期内に前記記録手段に記録された複数の前記生体信号データをまとめて処理する処理手段と、前記処理手段によって処理された結果を無線送信する無線送信手段と、前記無線送信手段から送信される、前記処理手段によって処理された結果を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された結果を表示する表示手段と、前記生体信号検出手段、前記A/D変換手段、前記記録手段、前記処理手段、及び前記無線送信手段を駆動させる電力を供給する電力供給手段とを備え、前記電力供給手段は、前記処理手段によって処理された結果の無線送信中は前記無線送信手段に電力を供給し、前記生体信号検出手段による検出中、前記A/D変換手段による変換中、前記記録手段による記録中、及び前記処理手段による処理中は前記無線送信手段に電力を供給しない、無線型生体信号モニタリングシステムである。

発明の効果

0017

本発明によれば、消費電力量をよりいっそう小さくすることの可能な無線型生体信号通信端末及び無線型生体信号通信システムを提供できる。また、生体信号データをバッテリで無線送信する術中モニタリングに使用しても安全性を確保し得る無線型生体信号モニタリングシステムを提供できる。

図面の簡単な説明

0018

本実施形態に係る無線型生体信号通信端末1の構成を示すブロック図である。
A/D変換部12によって生成された波形データを模式化した図である。
患者に加えられた電気刺激によって生じた生体信号を模式化した図である。

実施例

0019

以下、本発明を、具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。

0020

<無線型生体信号通信端末1>図1は、本実施形態に係る無線型生体信号通信端末1の構成を示すブロック図である。無線型生体信号通信端末1は、生体信号検出手段として機能し、生体信号を検出するセンサ部11と、A/D変換手段として機能し、設定されたサンプリング周波数にしたがって生体信号をA/D変換し、生体信号データにするA/D変換部12と、記録手段として機能し、サンプリング周波数にしたがってA/D変換された複数の生体信号データを記録する記録部13と、処理手段として機能し、所定期間内に記録手段に記録された複数の生体信号データを処理する制御部14と、無線送信手段として機能し、制御部14によって処理された結果を、図示しない外部装置に無線送信する無線モジュール部15及びアンテナ16と、電力供給手段として機能し、センサ部11、A/D変換部12、記録部13、制御部14、及び無線モジュール部15を駆動させる電力を供給する電力供給部17とを備える。

0021

そして、無線モジュール部15は、制御部14によって生体信号データが処理された場合に駆動して制御部14によって処理された結果を外部装置に無線送信する。他方、無線モジュール部15は、制御部14による複数の生体信号データの処理が未処理である場合又は処理中である場合は、未駆動であり、外部装置へのデータの無線送信を実行しない。

0022

〔センサ部11〕 センサ部11は、生体センサであれば特に限定されない。例えば、センサ部11は、電気センサ、磁気センサ、加速度センサ、電流センサ角度センサ圧電センサ、及びこれらの組合せを含むものであってよい。

0023

〔A/D変換部12〕 A/D変換部12は、設定されたサンプリング周波数にしたがって、センサ部11から出力されるアナログ信号(生体信号)をデジタル信号(生体信号データ)に変換する。

0024

図示は省略するが、無線型生体信号通信端末1は、センサ部11が検出した生体信号を増幅するアンプを備えていてもよい。この場合、A/D変換部12は、アンプにより増幅された生体信号を、設定されたサンプリング周波数でサンプリングしてデジタル信号に変換するようになっている。

0025

図示は省略するが、無線型生体信号通信端末1は、クロックを備える。クロックは、サンプリング周波数の基本となるクロック信号を発生する。

0026

サンプリング周波数の設定値は、対象となる生体信号から波形データを好適に生成できる程度であれば、特に限定されない。

0027

図2は、脊髄・神経機能のモニタリングの一例として患者に周期的な電気刺激を加えた(図2では、この刺激周期を1秒(刺激周波数1Hz)とした)場合におけるA/D変換部12の作用に相当し、A/D変換部12によって生成された波形データを模式化したものである。図2横軸は、生体信号の測定を開始してから経過する時間を示す。図2縦軸は、対象となる生体信号の測定値の大きさを示す。

0028

刺激周期が1秒である場合、A/D変換部12は、1秒のうち、術中モニタリングに必要な例えば100ミリ秒の間だけ、センサ部11によって検出された生体信号のA/D変換を実行し、残りの900ミリ秒の間は、生体信号のA/D変換を実行しない。そして、1秒ごとに、A/D変換の実行、不実行を繰り返す。

0029

そのため、図2に示すように、1秒のうち、100ミリ秒の間だけ波形が表われ、残りの900ミリ秒については、波形が表われない。

0030

言い換えると、刺激周期が1秒である場合、1秒のうち、100ミリ秒の間だけ、A/D変換部12は、比較的に多くの電力を消費し、1秒のうち、900ミリ秒の間については、A/D変換部12は、電力をほとんど消費しない。そのため、通常、刺激周期が短いほど、また、A/D変換の実行時間が長いほど、術中モニタリングに要する消費電力が増える。さらには、サンプリング周波数が高いほど、サンプリングに要する消費電力が増えるだけでなく、生成される生体信号の波形データ量が多くなり、その送信に要する消費電力も増える。そこで、消費電力量を少なく抑えるため、術中モニタリングに問題のない範囲で、刺激周期を長く、A/D変換の実行時間を短く、サンプリング周波数を低くすることが好ましい。

0031

〔記録部13〕 記録部13には、無線型生体信号通信端末1の各部の処理を実行するプログラムが記録されているほか、設定されたサンプリング周波数にしたがってA/D変換された複数の生体信号データが記録される。

0032

例えば、図2に示すように、刺激周期1秒(刺激周波数1Hz)で単発的な電気刺激を加え、1周期内に1回だけ生体信号を検出するとすれば、生体信号データは、1秒につき1回記録される。なお、図2は説明の容易のために簡略化したもので、通常は、1周期内に複数回の電気刺激が加えられ、生体信号を毎回検出して生体信号データが複数回記録される。

0033

〔制御部14〕 制御部14は、処理手段として機能する。制御部14は、記録部13に記録されたプログラムにしたがって、無線型生体信号通信端末1の各部の処理を実行する。例えば、制御部14は、所定期間内に、記録部13に記録された複数の生体信号データを処理する。

0034

制御部14が行う演算処理方法は、特に制限されないが、加算平均処理、移動平均処理、ウイナーフィルター処理ローパスフィルタLPF)、ハイパスフィルタHPF)、バンドパスフィルタ(BPF)、バンド阻止フィルタBEF)等が挙げられる。中でも、環境磁気等をはじめとしたノイズを低減し易いことから、演算処理方法は、複数の波形データを加算平均処理して加算平均波形データを生成する加算平均処理であることが好ましい。

0035

生体信号データを処理する所定期間の長さは、特に限定されるものでなく、加算平均処理、移動平均処理、ウイナーフィルター処理等の演算処理を好適に実行できる程度であれば、特に限定されない。

0036

なお、電力供給部17の消費電力を少なく抑える観点から、生体信号のモニタリングの精度を損ねない範囲で、制御部14が複数の生体信号データを処理する頻度は、できるだけ少ない方が好ましく、上記所定期間の長さは、できるだけ短い方が好ましい。

0037

〔無線モジュール部15〕 無線モジュール部15は、制御部14によって処理された結果を、図示しない外部装置に無線で送信する。無線モジュール部15は、制御部14によって処理された結果を電波信号変調する変調器と、この電波信号を外部装置に送信するアンテナ16等を有する。

0038

〔電力供給部17〕 電力供給部17は、A/D変換部12、記録部13、制御部14、及び無線モジュール部15に電力を供給することができれば、一次電池二次電池等、特に制限されない。例えば、リチウム電池等の小型軽量電池が好ましく用いられる。

0039

本実施形態では、無線モジュール部15は、制御部14によって生体信号データが処理された場合に駆動して、制御部14によって処理された結果を外部装置に無線送信する。他方、制御部14による複数の生体信号データの処理が未処理である場合又は処理中である場合、無線モジュール部15は、未駆動であり、外部装置へのデータの無線送信を実行しない。

0040

従来の無線型生体信号通信端末は、無線モジュール部を常に起動し、心電信号や、サンプリング周波数に関する情報を、常時、外部に送信していた。そのため、特許文献1に記載のように、心電信号が変化する重要な特徴部分については高いサンプリング周波数によってサンプリングを行い、不要な特徴部分については低いサンプリング周波数によってサンプリングを行っていたとしても、電力供給部が消費する消費電力量を抑えるには、限界があった。

0041

本実施形態に記載の無線型生体信号通信端末1は、制御部14を用いて、複数の生体信号データの演算処理を実行し、無線モジュール部15は、この演算処理の実行後に、演算処理の結果だけをまとめて外部装置に無線送信する。そして、まとめてデータを送信した後は、外部装置に無線送信しないことで、無駄な電力消費量を低減する。すなわち、無線型生体信号通信端末1は、常時送信型ではない。

0042

本実施形態によると、消費電力量をよりいっそう小さくすることの可能な無線型生体信号通信端末1を提供できる。

0043

以下、図3を参照しながら、具体的な実施形態について説明する。図3は、患者に加えられた電気刺激による生体信号を模式化したものである。図3の横軸は、生体信号の測定を開始してから経過する時間を示す。図3の縦軸は、対象となる生体信号の測定値の大きさを示す。図3に示すように、本実施形態では、刺激周期Tが1秒(刺激周波数1Hz)で、刺激周期T内で生体へ複数回電気刺激が加えられるものとし、生体信号の波形データ(生体信号データ)の取得等を行う最初の100ミリ秒をセンサ部11等による計測時間Aとし、残りの900ミリ秒を非計測時間Bとした。

0044

計測時間A(100ミリ秒)において、A/D変換部12は、刺激周期T(1秒)ごとに、術中モニタリングに必要な生体信号データを取得する間だけ、センサ部11によって検出された生体信号をA/D変換し、記録部12は、A/D変換された生体信号データを記録する。そして、このA/D変換とデータ記録は、複数回加えられる繰返し刺激ごとに実行される。その後、制御部14は、記録された複数の生体信号データの加算平均処理を行う。この計測時間Aにおいては、生体信号データが未処理又は処理中の段階であって、無線モジュール部15による無線送信は行われない。

0045

具体的には、この計測時間Aは、サンプル取得時間a、サンプル取得時間b、及び処理時間cを含む。サンプル取得時間aは、加算平均化処理する箇所に対し、生体信号の検出、A/D変換、データ記録を行う時間であり、生体信号データが未処理の段階である。サンプル取得時間aにおいては、必要に応じて、A/D変換部12のサンプリング周波数を切り換えてもよく、例えば、高周波化することにより、より精度の高い生体信号データの取得が可能である。サンプル取得時間bは、生体信号の検出、A/D変換、データ記録を行っている時間であり、生体信号データが未処理の段階である。このサンプル取得時間bは、繰返し刺激の周期よりもサンプル取得時間aを短くした場合に生じる時間であり、元々加算平均化処理が不要な箇所であるから、できる限り短くする(本来的には0秒とする)ことが好ましい。また、サンプル取得時間bが生じる場合、A/D変換のサンプリング周波数を高くする必要はない。なお、図3ではサンプル取得時間aとサンプル取得時間bを1回しか示していないが、繰返し刺激の回数だけそれぞれ存在する。

0046

処理時間cは、サンプル取得時間aとサンプル取得時間bにおいて記録が行われた複数の生体信号データ(繰返し刺激の回数に応じて記録された複数の生体信号データ)の加算平均化処理を行う時間である。この処理時間cの間は、生体信号データが処理中の段階となる。

0047

一方、非計測時間Bは、送信時間dを含む。送信時間dは、処理時間cで加算平均処理された生体信号データを無線モジュール部15によって外部装置に無線送信を実行する時間である。この送信時間dは、生体信号データ量に応じた時間となる。サンプル取得時間a、サンプル取得時間b及びA/D変換のサンプリング周波数によって生体信号データ量は変動する。

0048

このように、刺激周期Tが1秒である場合、サンプル取得時間a(生体信号データが未処理の段階)、サンプル取得時間b(生体信号データが未処理の段階)及び処理時間c(生体信号データが処理中の段階)からなる計測時間A(100ミリ秒)は、無線モジュール部15に電力が供給されず、無線送信が実行されない。また、非計測時間Bにおいても、生体信号データが処理された後の送信時間dの間だけ無線モジュール部15に電力が供給されて無線送信が実行され、それ以外の時間は無線送信が実行されない。そのため、無線モジュール部15の起動時間を最小限にすることができ、無駄な電力消費を抑制することができる。

0049

なお、通常、A/D変換部12に設定されたサンプリング周波数が高いほど、サンプリングに要する消費電力が増える。そこで、消費電力量を少なく抑えるため、サンプリング周波数の設定値は、対象となる生体信号から波形データを好適に生成できる範囲で、できるだけ小さい方が好ましい。

0050

例えば、術中モニタリングの経頭蓋刺激筋誘発電位測定であれば、サンプリング周波数を5,000Hz程度にすることを要する。他方、持続筋電図モニタリング(Free runEMG測定)であれば、サンプリング周波数は、1,000Hz程度で足りる。

0051

そこで、無線型生体信号通信端末1は、サンプリング周波数の設定値を切り換える切換手段たるサンプリング周波数切換部(図示せず)をさらに備えることが好ましい。サンプリング周波数切換部を用いることで、術中モニタリングの経頭蓋刺激筋誘発電位測定から持続筋電図モニタリング(Free runEMG測定)に切り換える際、サンプリング周波数の設定値を低くすることができる。それにより、A/D変換部12の消費電力を少なくすることができるだけでなく、生体信号データの量が削減されて無線モジュール部15が駆動する時間をより少なく抑えることができ、結果として、電力供給部17の電力消費量をより少なく抑えられる。

0052

<無線型生体信号通信システム> 本実施形態の無線型生体信号通信システムは、上記した無線型生体信号通信端末1と、外部装置(図示せず)とを有する。

0053

〔外部装置〕 図示は省略するが、外部装置は、受信手段として機能し、無線型生体信号通信端末1の無線モジュール部15からアンテナ16を介して送信されたデータを受信する受信部と、受信部により受信されたデータを記憶するメモリと、メモリに記憶されたデータに基づいて波形を復元する波形復元部と、波形復元部により復元された心電波形をディスプレイ等に表示する表示部とを含んで構成される。

0054

<無線型生体信号モニタリングシステム> 本実施形態の無線型生体信号モニタリングシステムは、上記した無線型生体信号通信システムにおいて、周期的な電気刺激を1周期内に複数回発生させる電気刺激発生手段を備える。そのため、医師は、脊椎・脊髄等の手術中に、電気刺激に応じた生体信号データの状況を確認し、脊髄等の機能を診断することができる。

0055

<発明の効果>スポーツの運動解析の用途では、無線機能を搭載した自発筋電位モニタリングシステムが市販されている。しかしながら、このシステムに内蔵されている電池の消耗が早く、連続使用できる時間は、2時間程度に留まっていた。そのため、最大8時間程度の連続したモニタリングが必要で、電池の交換や充電をすることができないような手術中の生体信号のモニタリングに利用することは難しかった。

0056

本実施形態によると、無線モジュール部15が駆動する頻度が最小限に抑えられているため、電力供給部17がリチウム電池をはじめとした汎用の小型軽量電池であっても、無線型生体信号通信端末1を長時間連続駆動することができる。したがって、本実施形態に記載の発明は、手術中における脊髄・神経機能等のモニタリングのように、数分に一回程度、患者に周期的な電気刺激を複数回加えて生体信号データを取得する必要がある特殊な環境で特に有効なものであり、バッテリ切れによる無線送信の中断事故を防ぐことができる。また、生体電極を貼りつける必要のない、生体磁気による非接触での生体信号の検出に適用した場合には、本実施形態の無線型生体信号通信端末1と組み合わせることによって、一層安全で準備時間の短い術中モニタリングを実現できる。さらにまた、本発明は、スポーツの運動解析の用途等にも利用できる点で、汎用性が高い。

0057

1無線型生体信号通信端末11センサ部 12AD変換部 13 記録部 14 制御部 15無線モジュール部 16アンテナ17電力供給部

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