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技術 防曇性積層体

出願人 三井化学株式会社
発明者 塙貴行岡崎光樹
出願日 2017年8月25日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2018-535794
公開日 2019年6月24日 (3ヶ月経過) 公開番号 WO2018-038270
状態 未査定
技術分野 積層体(2) 付加系(共)重合体、後処理、化学変成 マクロモノマー系付加重合体
主要キーワード 吸水型 簡易計算 材料表 スタッブ 塗工サンプル 吸水膨張 親水モノマー 航空機材
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図面 (1)

課題・解決手段

本発明は、本発明者らが先に提案した親水基が表面に偏析した架橋樹脂からなる親水性材料にさらに高い防曇性を付与することを主な課題とする。本発明の積層体は、基材上に、吸水層(B)と親水層(A)とがこの順に設けられており、前記親水層(A)が、アニオン性カチオン性、またはノニオン性の親水基を有する架橋樹脂からなり、かつその親水層(A)における親水基の傾斜度(親水層(A)表面の親水基強度/親水層(A)の厚さ1/2地点の親水基強度)が1.1以上であり、前記吸水層(B)が、単位質量(g)に当たりの吸水率が5〜500wt%の範囲の架橋樹脂からなる。

概要

背景

近年、プラスチックなどの有機材料、及びガラスなどの無機材料から形成される基材曇り汚れに対する改善要求が高まってきている。

曇りの問題を解決する方法として、反応性界面活性剤アクリル系オリゴマーを含む防曇塗料により、親水性吸水性を向上する方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。また、汚れの問題を解決する手段として、材料表面の親水性を向上させることによって、外壁等に付着した外気疎水性物質などの汚れを散水または降雨により浮き上がらせて除去する方法が提案されている(例えば、非特許文献2及び3参照。)。

また、基材の表面に架橋重合性モノマー組成物を塗布し紫外線照射量コントロールして不完全重合した架橋ポリマーを形成させ、次いで親水性モノマーを塗布し再び紫外線照射することにより親水モノマーを架橋ポリマーの表面にブロック重合またはグラフト重合させることにより得られる親水性材料が提案されている(特許文献1および特許文献2)。

しかしながら、上記の単純な基材表面に親水性モノマーをブロック重合またはグラフト重合させる方法によって得られる親水性材料には、親水性基が表面にしか存在しないため、耐久性が低く長期間の使用に耐えない問題を抱えていた。

さらにアニオン性親水基を有する化合物エタノールアミン類などを用いて得られる親水性材料(特許文献3)、および中和されていないアニオン性親水基を有する化合物と無機コロイドゾルなどを用いて得られる親水性材料(特許文献4)が提案されている。しかしながら、エタノールアミンを用いる方法によって得られる親水性材料には、エタノールアミン自身が膜内部に残存することにより表面がべたついたり親水化されにくいなどの問題があり、一方、中和されていないアニオン性親水基を有する化合物を用いる方法によって得られる親水性材料では、親水性化されにくく透明性も低下し易いなどの問題を有していた。

本発明者らは、上記問題を解決する手段として、特定のアニオン性親水基が膜内部から膜表面へ傾斜(偏析)し、表面付近にアニオン性親水基が高濃度で存在する積層体を先に提案している(特許文献5〜11)。

これらの方法によれば、上記の問題を解決して、親水性、防曇性防汚性耐擦傷性、および透明性に優れる架橋樹脂からなる膜および積層体が得られる。しかしながら、眼鏡ゴーグル窓ガラス、鏡、ディスプレイヘッドランプ等の一般的に防曇性が要求される透明部材用途の中でも、一部に極めて高い防曇性が要求される場面があり、本発明者らの提案の架橋樹脂からなる膜および積層体をもってしてもその極めて高い防曇性が要求される場面に充分応えられない場合があった。

例えば、防曇材料として一般的な吸水型防曇層を表面(外気に触れる面)に用いる場合、水分を吸収している間はらず良好であるが、浴室使用のように大量の水分がその表面に継続的に供給される状況ではすぐ飽和して吸水できなくなり比較的短時間で防曇性を失うことはよく知られている。一方本発明者らが提案した親水性材料を表面に用いた場合、結露等によって水分が付着しても濡れ広がるため光の散乱を抑えることにより防曇性を付与することができる。このような親水性材料は、様々な用途(眼鏡、ゴーグル、窓ガラス、鏡、ディスプレイ、ヘッドランプ等)で長時間使用できるが、水分が付着し始めるごく初期における防曇性(以下、「初期防曇性」)が充分でない場合があった。この初期防曇性の問題についても本発明者らの提案(特許文献12)により改善されている。

しかし、この初期防曇性を半永久的に維持することが難しい場合があった。例えば、表面を布等で拭くことにより防曇性が低下し、結露等によって水分が付着してしまう場合、さらには付着した水分が表面に濡れ広がったとしても不均一な水膜が形成された結果、例えば眼鏡等に用いた場合に視認性を低下させる場合があった。さらに、透明材料に施されるハードコート並みに高い耐擦傷性も要求される場面もあり、強い表面(ハードコート並みの耐擦傷性)と高い防曇性(初期および長時間)の両方を要求される用途への適用に依然として改良すべき点が残っていた。

概要

本発明は、本発明者らが先に提案した親水基が表面に偏析した架橋樹脂からなる親水性材料にさらに高い防曇性を付与することを主な課題とする。本発明の積層体は、基材上に、吸水層(B)と親水層(A)とがこの順に設けられており、前記親水層(A)が、アニオン性カチオン性、またはノニオン性の親水基を有する架橋樹脂からなり、かつその親水層(A)における親水基の傾斜度(親水層(A)表面の親水基強度/親水層(A)の厚さ1/2地点の親水基強度)が1.1以上であり、前記吸水層(B)が、単位質量(g)に当たりの吸水率が5〜500wt%の範囲の架橋樹脂からなる。

目的

本発明は、本発明者らが先に提案した親水基が表面に偏析した架橋樹脂からなる親水性材料にさらに高い防曇性を付与することを主な課題とする

効果

実績

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請求項1

基材上に、吸水層(B)と親水層(A)とがこの順に設けられており、前記親水層(A)が、アニオン性カチオン性、またはノニオン性親水基を有する架橋樹脂からなり、かつその親水層(A)における親水基の傾斜度(親水層(A)表面の親水基強度/親水層(A)の厚さ1/2地点の親水基強度)が1.1以上であり、前記吸水層(B)が、単位質量(g)当たりの吸水率が5〜500wt%の範囲の架橋樹脂からなる積層体

請求項2

前記吸水層(B)が、下記一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物の架橋樹脂からなる請求項1記載の積層体。(式(1)中、Bは下記一般式(B)で表される重合性官能基を含む有機基を表し、Aは下記一般式(A−1)〜(A−18)で表される有機基のうちのいずれかを表し、aは有機基Bが有機基Aに結合する数を表し、2〜103の範囲にある。)(式(B)中、R,R'およびR''はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、bは0または1を表し、nは0〜100の整数を表し、**は、有機基Aに結合する末端を示す。)(式(A−1)中、mは1〜20の整数を表し、R1およびR2は独立して水素原子またはメチル基を表し、mが2以上の場合R1同士およびR2同士はそれぞれ同一でも異なってもよく、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)(式(A−2)中、lは1〜100の整数を表し、R1〜R4は独立して水素原子またはメチル基を表し、lが2以上の場合R1同士およびR2同士はそれぞれ同一でも異なってもよく、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)(式(A−3)中、lは1〜100の整数を表し、R1〜R6は独立して水素原子またはメチル基を表し、lが2以上の場合R1同士、R2同士、およびR3同士はそれぞれ同一でも異なってもよく、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)(式(A−4)中、lは1〜100の整数を表し、R1〜R8は独立して水素原子またはメチル基を表し、lが2以上の場合R1同士、R2同士、R3同士、およびR4同士はそれぞれ同一でも異なってもよく、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)(式(A−5)中、kは0〜3の整数を表し、R#はそれぞれ独立にCH2、CH*またはCHCH2O*を表し、CH*は有機基Bに結合するCH基を表し、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)(式(A−6)中、m0100は0〜100の整数を表し、V1およびV2はそれぞれ独立してOHまたはO*を表し、m0100が2以上の場合V2同士は同一でも異なってよく、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)(式(A−7)中、m010は0〜10の整数を表し、V1およびV2はそれぞれ独立してOHまたはO*を表し、W1およびW2はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、OHまたはO*を表し、m010が2以上の場合V2同士およびW2同士はそれぞれ同一でも異なってもよく、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)(式(A−8)中、R1およびR2は独立して水素原子またはメチル基を表し、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)(式(A−9)中、n26は2〜6の整数を表し、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)(式(A−10)中、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)(式(A−11)中、n28は2〜8の整数を表し、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)(式(A−12)中、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)(式(A−13)中、n26は2〜6の整数を表し、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)(式(A−14)中、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)(式(A−15)中、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)(式(A−16)中、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)(式(A−17)中、*−は有機基Bに結合する末端を表す。)(式(A−18)中、NH*は有機基Bに結合するNH基を表す。)

請求項3

前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される(メタアクリレートである請求項2記載の積層体。(式(2)中、kは0〜3の整数を表し、R1〜R6は独立に水素原子またはメチル基を表し、m1およびn1は独立して0〜100の整数を表す。)

請求項4

前記吸水層(B)が、前記一般式(1)で表される化合物と、直径10μm以下の無機微粒子とを含む重合性組成物の架橋樹脂からなる請求項2または3に記載の積層体。

請求項5

前記親水層(A)と前記吸水層(B)との線膨張率差が0〜300×10-6/Kの範囲である請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。

請求項6

前記親水層(A)と前記吸水層(B)との線膨張率差が0〜160×10-6/Kの範囲である請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。

請求項7

用途が光学物品である請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体。

請求項8

前記光学物品が、光学フィルム光ディスク光学レンズ眼鏡レンズメガネサングラスコンタクトレンズゴーグルヘルメットシールドヘッドランプテールランプからなる群より選ばれるいずれかである請求項7に記載の積層体。

技術分野

0001

本発明は、親水性防曇性を有する積層体に関する。

背景技術

0002

近年、プラスチックなどの有機材料、及びガラスなどの無機材料から形成される基材曇り汚れに対する改善要求が高まってきている。

0003

曇りの問題を解決する方法として、反応性界面活性剤アクリル系オリゴマーを含む防曇塗料により、親水性、吸水性を向上する方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。また、汚れの問題を解決する手段として、材料表面の親水性を向上させることによって、外壁等に付着した外気疎水性物質などの汚れを散水または降雨により浮き上がらせて除去する方法が提案されている(例えば、非特許文献2及び3参照。)。

0004

また、基材の表面に架橋重合性モノマー組成物を塗布し紫外線照射量コントロールして不完全重合した架橋ポリマーを形成させ、次いで親水性モノマーを塗布し再び紫外線照射することにより親水モノマーを架橋ポリマーの表面にブロック重合またはグラフト重合させることにより得られる親水性材料が提案されている(特許文献1および特許文献2)。

0005

しかしながら、上記の単純な基材表面に親水性モノマーをブロック重合またはグラフト重合させる方法によって得られる親水性材料には、親水性基が表面にしか存在しないため、耐久性が低く長期間の使用に耐えない問題を抱えていた。

0006

さらにアニオン性親水基を有する化合物エタノールアミン類などを用いて得られる親水性材料(特許文献3)、および中和されていないアニオン性親水基を有する化合物と無機コロイドゾルなどを用いて得られる親水性材料(特許文献4)が提案されている。しかしながら、エタノールアミンを用いる方法によって得られる親水性材料には、エタノールアミン自身が膜内部に残存することにより表面がべたついたり親水化されにくいなどの問題があり、一方、中和されていないアニオン性親水基を有する化合物を用いる方法によって得られる親水性材料では、親水性化されにくく透明性も低下し易いなどの問題を有していた。

0007

本発明者らは、上記問題を解決する手段として、特定のアニオン性親水基が膜内部から膜表面へ傾斜(偏析)し、表面付近にアニオン性親水基が高濃度で存在する積層体を先に提案している(特許文献5〜11)。

0008

これらの方法によれば、上記の問題を解決して、親水性、防曇性、防汚性耐擦傷性、および透明性に優れる架橋樹脂からなる膜および積層体が得られる。しかしながら、眼鏡ゴーグル窓ガラス、鏡、ディスプレイヘッドランプ等の一般的に防曇性が要求される透明部材用途の中でも、一部に極めて高い防曇性が要求される場面があり、本発明者らの提案の架橋樹脂からなる膜および積層体をもってしてもその極めて高い防曇性が要求される場面に充分応えられない場合があった。

0009

例えば、防曇材料として一般的な吸水型防曇層を表面(外気に触れる面)に用いる場合、水分を吸収している間はらず良好であるが、浴室使用のように大量の水分がその表面に継続的に供給される状況ではすぐ飽和して吸水できなくなり比較的短時間で防曇性を失うことはよく知られている。一方本発明者らが提案した親水性材料を表面に用いた場合、結露等によって水分が付着しても濡れ広がるため光の散乱を抑えることにより防曇性を付与することができる。このような親水性材料は、様々な用途(眼鏡、ゴーグル、窓ガラス、鏡、ディスプレイ、ヘッドランプ等)で長時間使用できるが、水分が付着し始めるごく初期における防曇性(以下、「初期防曇性」)が充分でない場合があった。この初期防曇性の問題についても本発明者らの提案(特許文献12)により改善されている。

0010

しかし、この初期防曇性を半永久的に維持することが難しい場合があった。例えば、表面を布等で拭くことにより防曇性が低下し、結露等によって水分が付着してしまう場合、さらには付着した水分が表面に濡れ広がったとしても不均一な水膜が形成された結果、例えば眼鏡等に用いた場合に視認性を低下させる場合があった。さらに、透明材料に施されるハードコート並みに高い耐擦傷性も要求される場面もあり、強い表面(ハードコート並みの耐擦傷性)と高い防曇性(初期および長時間)の両方を要求される用途への適用に依然として改良すべき点が残っていた。

0011

特開2001−98007号公報
特開2011−229734号公報
特開昭55−90516号公報
特開2005−187576号公報
国際公開第2007/064003号公報
国際公開第2013/014733号公報
国際公開第2015/178248号公報
国際公開第2015/087810号公報
国際公開第2013/054877号公報
国際公開第2014/168122号公報
国際公開第2016/017619号公報
国際公開第2013/187311号公報

先行技術

0012

東亜合成研究年報、TREND1999年 2月号、39〜44頁
高分子,44(5),307頁
未来材料,2(1),36−41頁

発明が解決しようとする課題

0013

本発明は、本発明者らが先に提案した親水基が表面に偏析した架橋樹脂からなる親水性材料にさらに高い防曇性を付与することを主な課題とする。

課題を解決するための手段

0014

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、親水基が表面に偏析した架橋樹脂からなり高い擦傷性を有する親水層(A)の下層(親水性硬化物と基材の間)に新たに高い吸水性を有する架橋樹脂からなる吸水層(B)を積層すると、驚くべきことに、曇りの原因である表面付近の水分(水蒸気)が上記親水層(A)を通過して吸水層(B)で吸水されることを見出すことにより、優れた耐擦傷性を維持したまま防曇性を飛躍的に向上させるに至った。また架橋樹脂からなる親水層(A)と基材の間に積層される吸水層(B)の架橋構造を適切に設計することにより吸水及び熱などによる吸水層(B)自身の膨張破壊および界面剥離を制御して良好な外観を維持できることも見出した。さらに驚くべきことに、本発明の積層体を用いると耐衝撃性をも向上できることをも見出すことにより、透明性、耐擦傷性、防曇性、および衝撃性に優れる積層体が得られる本発明に到達した。

0015

すなわち、本発明は以下の[1]〜[7]に関する。

0016

[1]
基材上に、吸水層(B)と親水層(A)とがこの順に設けられており、
前記親水層(A)が、アニオン性カチオン性、またはノニオン性の親水基を有する架橋樹脂からなり、かつその親水層(A)における親水基の傾斜度(親水層(A)表面の親水基強度/親水層(A)の厚さ1/2地点の親水基強度)が1.1以上であり、
前記吸水層(B)が、単位質量(g)当たりの吸水率が5〜500wt%の範囲の架橋樹脂からなる積層体。

0017

[2]
前記吸水層(B)が、下記一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物の架橋樹脂からなる前記[1]記載の積層体。

0018

0019

(式(1)中、Bは下記一般式(B)で表される重合性官能基を含む有機基を表し、Aは下記一般式(A−1)〜(A−18)で表される有機基のうちのいずれかを表し、aは有機基Bが有機基Aに結合する数を表し、2〜103の範囲にある。)

0020

0021

(式(B)中、R,R'およびR''はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、bは0または1を表し、nは0〜100の整数を表し、**は、有機基Aに結合する末端を示す。)

0022

0023

(式(A−1)中、mは1〜20の整数を表し、R1およびR2は独立して水素原子またはメチル基を表し、mが2以上の場合R1同士およびR2同士はそれぞれ同一でも異なってもよく、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)

0024

0025

(式(A−2)中、lは1〜100の整数を表し、R1〜R4は独立して水素原子またはメチル基を表し、lが2以上の場合R1同士およびR2同士はそれぞれ同一でも異なってもよく、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)

0026

0027

(式(A−3)中、lは1〜100の整数を表し、R1〜R6は独立して水素原子またはメチル基を表し、lが2以上の場合R1同士、R2同士、およびR3同士はそれぞれ同一でも異なってもよく、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)

0028

0029

(式(A−4)中、lは1〜100の整数を表し、R1〜R8は独立して水素原子またはメチル基を表し、lが2以上の場合R1同士、R2同士、R3同士、およびR4同士はそれぞれ同一でも異なってもよく、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)

0030

0031

(式(A−5)中、kは0〜3の整数を表し、R#はそれぞれ独立にCH2、CH*またはCHCH2O*を表し、CH*は有機基Bに結合するCH基を表し、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)

0032

0033

(式(A−6)中、m0100は0〜100の整数を表し、V1およびV2はそれぞれ独立してOHまたはO*を表し、m0100が2以上の場合V2同士は同一でも異なってよく、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)

0034

0035

(式(A−7)中、m010は0〜10の整数を表し、V1およびV2はそれぞれ独立してOHまたはO*を表し、W1およびW2はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、OHまたはO*を表し、m010が2以上の場合V2同士およびW2同士はそれぞれ同一でも異なってもよく、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)

0036

0037

(式(A−8)中、R1およびR2は独立して水素原子またはメチル基を表し、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)

0038

0039

(式(A−9)中、n26は2〜6の整数を表し、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)

0040

0041

(式(A−10)中、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)

0042

0043

(式(A−11)中、n28は2〜8の整数を表し、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)

0044

0045

(式(A−12)中、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)

0046

0047

(式(A−13)中、n26は2〜6の整数を表し、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)

0048

0049

(式(A−14)中、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)

0050

(式(A−15)中、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)

0051

0052

(式(A−16)中、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。)

0053

0054

(式(A−17)中、*−は有機基Bに結合する末端を表す。)

0055

0056

(式(A−18)中、NH*は有機基Bに結合するNH基を表す。)
[3]
前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される(メタアクリレートである前記[2]記載の積層体。

0057

0058

(式(2)中、kは0〜3の整数を表し、R1〜R6は独立に水素原子またはメチル基を表し、m1およびn1は独立して0〜100の整数を表す。)
[4]
前記吸水層(B)が、
前記一般式(1)で表される化合物と、直径10μm以下の無機微粒子とを含む重合性組成物の架橋樹脂からなる前記[2]または[3]に記載の積層体。

0059

[5]
前記親水層(A)と前記吸水層(B)との線膨張率差が0〜300×10-6/Kの範囲である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の積層体。

0060

[6]
前記親水層(A)と前記吸水層(B)との線膨張率差が0〜160×10-6/Kの範囲である前記[1]〜[4]のいずれか記載の積層体。

0061

[7]
用途が光学物品である前記[1]〜[6]のいずれかに記載の積層体。
[8]
前記光学物品が、光学フィルム光ディスク光学レンズ眼鏡レンズメガネサングラスコンタクトレンズ、ゴーグル、ヘルメットシールド、ヘッドランプ、テールランプからなる群より選ばれるいずれかである前記[7]に記載の積層体。

発明の効果

0062

本発明によれば、親水性のみならず防曇性にも優れる積層体を提供することができる。

図面の簡単な説明

0063

図1は実施例において、親水基濃度の傾斜度(Sa/Da)を測定するための試料調製の方法を示す略図である。

0064

〔積層体〕
本発明の積層体は、基材上に、吸水層(B)と親水層(A)とがこの順に設けられた構造を有する。すなわち、本発明の積層体は、基材と、吸水層(B)と、親水層(A)とをこの順番で含む構造を有する。

0065

<親水層(A)>
本発明の積層体を構成する親水層(A)は、アニオン性、カチオン性、またはノニオン性の親水基を有する架橋樹脂からなる。この親水層(A)において、親水層(A)表面の親水基強度と、親水層(A)の厚さ1/2地点の親水基強度との比が1.1以上である。ここで、本発明では、当該比は、1.2以上が好ましく、1.3以上がより好ましい。なお、本明細書では、このような比を「親水基の傾斜度」と呼ぶことにする。

0066

親水基
上記アニオン性親水基としては、例えば、スルホ基カルボキシル基リン酸基、O−硫酸基(−O−SO3-)、およびN−硫酸基(−NH−SO3-)などが挙げられる。これらアニオン性親水基の中でも、スルホ基、カルボキシル基、およびリン酸基が好ましい。ここで、本発明においては、これらのアニオン性親水基のうち、スルホ基、及びリン酸基が特に好ましい。

0067

ここで、上記アニオン性親水基は、遊離酸の形態を有していてもよいし、あるいは、適当なカチオンとの塩の形態を有していてもよい。このようなカチオンとして、アンモニウムイオンアルカリ金属イオン、及びアルカリ土類金属イオンが挙げられる。

0068

一方、上記カチオン性親水基としては、例えば、4級アンモニウム基ベタイン基、およびアミンオキシド基などが挙げられる。これらカチオン性親水基の中でも、4級アンモニウム基およびベタイン基が好ましく、本発明においては、4級アンモニウム基が特に好ましい。

0069

ノニオン性親水基としては、例えば、水酸基エーテル基などが挙げられる。これらノニオン性親水基の中でも、水酸基が好ましい。

0070

ここで、上記水酸基としては、本発明の効果を奏する限り、アルコール性水酸基フェノール性水酸基のいずれであってもよいが、アルコール性水酸基が好ましい。なお、上記アニオン性親水基の中には、スルホ基、リン酸基およびカルボキシル基などのように形式上『−OH』で表される部分構造が含まれる場合があるが、本発明においては、このように上記アニオン性親水基の一部となっている『−OH』は、『水酸基』とは見なさない。

0071

親水層(A)の例
本発明において、アニオン性、カチオン性、またはノニオン性の親水基の傾斜度(親水膜表面の親水基強度/親水膜中心の親水基強度)が1.1以上である架橋樹脂からなる親水層(A)であればいずれの架橋樹脂からなる親水層(A)でも構わない。それらの架橋樹脂中の親水基が表面方向に傾斜(偏析)した親水層(A)の中では、国際公開第2007/064003号公報(特許文献5)記載の組成物硬化して得られる架橋樹脂からなる親水層(A)、国際公開第2013/014733号公報(特許文献6)の組成物を硬化して得られる架橋樹脂からなる親水層(A)、国際公開第2015/178248号公報(特許文献7)の組成物を硬化して得られる架橋樹脂からなる親水層(A)、国際公開第2015/087810号公報(特許文献8)の組成物を硬化して得られる架橋樹脂からなる親水層(A)、国際公開第2013/054877号公報(特許文献9)の組成物を硬化して得られる架橋樹脂からなる親水層(A)、国際公開第2014/168122号公報(特許文献10)の組成物を硬化して得られる架橋樹脂からなる親水層(A)、および国際公開第2016/017619号公報(特許文献11)の組成物を硬化して得られる架橋樹脂からなる親水層(A)のいずれかが好ましい。

0072

上記特許文献5〜11の組成物を硬化して得られる親水基が傾斜(偏析)した架橋樹脂からなる親水層(A)は、該親水層(A)が得られる組成物の2種以上を混合して単層で積層してしてもよく、あるいは組成物1種のみを単層で積層してもよく、組成物2種以上を各々1層ずつ積層して多層にしてもよい。

0073

親水基が傾斜(偏析)した硬化樹脂からなる親水層(A)における親水基の種別としては、アニオン性親水基、カチオン性親水基、またはノニオン性親水基のいずれかまたは2種以上組み合わさっても良いが、より親水性が高くなり易い親水基としてアニオン性親水基またはカチオン性親水基が好ましく、それらの中ではアニオン性親水基が最も好ましい。アニオン性親水基としては、カルボキシル基、リン酸基、およびスルホ基が好ましく、これらの中ではスルホ基が最も好ましい。

0074

本発明者らの提案の中でより好ましい形態を挙げるならば、例えば、親水性モノマーを組成物に用いる国際公開第2007/064003号公報(特許文献5)および国際公開第2015/087810号公報(特許文献8)から得られる親水層(A)、親水ポリマーを組成物に用いる国際公開第2013/054877号公報(特許文献9)、国際公開第2014/168122号公報(特許文献10)、および国際公開第2016/017619号公報(特許文献11)から得られる親水層(A)が挙げられる。さらに好ましくは、親水ポリマーを組成物に用いる国際公開第2014/168122号公報(特許文献10)および国際公開第2016/017619号公報(特許文献11)から得られる親水層(A)である。

0075

親水層(A)の形成方法
上記のような親水層(A)は、アニオン性、カチオン性、またはノニオン性の親水基を有する架橋樹脂に対応する重合性組成物を、適当な表面に塗布し、重合硬化させることにより得ることができる。ここで、重合性組成物は、当該組成物に含まれる分子間で架橋反応を引き起こし、その結果として液体状態から固体状態移行し、硬化樹脂を与える。

0076

本発明の1つの典型的な態様では、この重合性組成物には、特許文献5〜8に記載されているように、アニオン性、カチオン性、またはノニオン性の親水基と(メタ)アクリロイル基など重合性炭素炭素二重結合を有する官能基とを有する化合物と、重合性炭素−炭素二重結合を有する官能基を2以上有する化合物とが含まれている。この態様では、重合硬化は、UV照射などの放射線照射、あるいは、加熱によって行うことができる。この場合、重合性組成物には、重合硬化に先立ち、従来公知の光重合開始剤または熱重合開始剤が適宜添加されていても良い。

0077

本発明の別の典型的な態様では、この重合性組成物には、特許文献9〜11に記載されているように、親水基とエポキシ基とを有する重合体と、シラノール基またはシラノール基を生成可能な官能基とが含まれていている。この態様では、重合硬化は、前記重合体に含まれるエポキシ基とシラノール基との反応による架橋反応を通じて行われる。ここで、「シラノール基を生成可能な官能基」として、Si−O−R(Rはアルキル基)、Si−X(Xはハロゲン原子)等を含む官能基が挙げられ、加水分解反応によりシラノール基を与える。シラノール基またはシラノール基を生成可能な官能基は、特許文献9に記載されているように、親水基とエポキシ基とを有する重合体とは別のシラン化合物に存在していても良く、特許文献10,11に記載されているように、親水基とエポキシ基とを有する重合体の中に含まれていても良く、あるいは、当該「別のシラン化合物」と、親水基とエポキシ基とを有する重合体との両方に含まれていてもよい。ここで、前記「親水基とエポキシ基とを有する重合体」は、親水基と重合性炭素−炭素二重結合を有する官能基とを有する化合物と、エポキシ基と重合性炭素−炭素二重結合を有する官能基とを有する化合物とを含む混合物を共重合させることにより得ることができる。このとき、特許文献10,11に記載されているように、この混合物に、シラノール基または「シラノール基を生成可能な官能基」と重合性炭素−炭素二重結合を有する官能基とを有する化合物も含ませた状態で共重合を行ってもよく、この場合、親水基と、エポキシ基と、シラノール基または「シラノール基を生成可能な官能基」とを有する重合体が得られることになる。

0078

いずれの態様においても、上記重合性組成物には溶剤が含まれていることが好ましく、この溶剤には、SP値溶解パラメータσ)が、好ましくは8.4(cal/cm3)1/2以上、より好ましくは9.0(cal/cm3)1/2以上の溶剤が含まれていることが望ましい。重合性組成物に溶剤が含まれる場合、上記塗布の後、上記重合硬化の前に、溶剤除去の工程が行われることが好ましい。

0079

なお、本明細書において、これらのような重合性組成物は、後述する吸水層(B)用の重合性組成物との区別のため「親水層(A)用の重合性組成物」と呼ばれることがある。

0080

親水基が傾斜した(すなわち、親水膜表面の親水基強度/親水膜中心の親水基強度が1.1以上である)架橋樹脂からなる親水層(A)を形成する方法について、代表的な方法を以下に記載する。

0081

上記親水層(A)は、例えば、エポキシ基およびアルコキシシリル基から選ばれる少なくとも1つの基とスルホ基とを有する共重合体からなる層を架橋することにより得ることができる。

0082

かかる共重合体としては、典型的には、下記一般式(2a)および(3a)で表される構成単位の少なくとも1つの構成単位と下記一般式(1a)で表される構成単位とを含む共重合体(i)が挙げられる。

0083

0084

上記式(1a)、(2a)および(3a)中、a+b+c=1の場合の、a、b、およびcは各構成単位の構成単位比を示し、a=0〜1、b=0〜1、c=0〜1であり、
A1は、単結合炭素数1〜10である2価の炭化水素基、下記式(1−1)で表される基、または下記式(1−2)で表される基を示し、A2は、単結合、炭素数1〜10である2価の炭化水素基、下記式(2−1)で表される基、または下記式(2−2)で表される基を示し、A3は、単結合、炭素数1〜10である2価の炭化水素基、下記式(3−1)で表される基、または下記式(3−2)で表される基を示し、
R1、R2、およびR3はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を示し、R4はそれぞれ、水素原子、メチル基、エチル基プロピル基、またはブチル基を示し、R10は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基エトキシ基プロポキシ基、またはブトキシ基を示し、
Mは水素原子、アルカリ金属イオン、1/2価のアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、またはアミンイオンを示し;
下記式(1−1)、(1−2)、(2−1)、(2−2)、(3−1)、および(3−2)において、nおよびn2は独立して1〜10の整数であり、n1は0〜10の整数であり、mは1〜6の整数であり、m1は0〜6の整数であり、lは0〜4の整数であり、R5およびR6は独立して水素原子またはメチル基を示し、*はSO3Mと結合する側の端部、**はエポキシ基と結合する側の端部、***はSi原子と結合する側の端部を示す。

0085

0086

上記共重合体(i)の中でも、上記一般式(1a)および(2a)で表される構成単位を含む共重合体(i1)、上記一般式(1a)、(2a)、および(3a)で表される構成単位を含む共重合体(i3)が好ましい一態様である。

0087

上記共重合体(i)としては、下記一般式(4a)および(5a)で表される構成単位を含む共重合体(i1−1)、下記一般式(4a)、(5a)および(6a)で表される構成単位を含む共重合体(i3−1)がさらに好ましい一態様である。

0088

0089

上記式(4a)、(5a)および(6a)中、a+b+c=1の場合の、a、b、およびcは各構成単位の構成単位比を示し、a=0〜1、b=0〜1、c=0〜1であり、
nは1〜10の整数であり、n1は0〜10の整数であり、
R1、R2、R3、R5、およびR6はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を示し、R4はそれぞれ水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、またはブチル基を示し、R10は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、またはブトキシ基を示し、
Mは水素原子、アルカリ金属イオン、1/2価のアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、またはアミンイオンを示す。

0090

上記共重合体(i)は例えば、下記式(2’a)で表される化合物および下記式(3’a)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物と、下記式(1’a)で表される化合物とを共重合することにより得られる。

0091

0092

上記式(1'a)中、R1、A1、およびMは上記式(1a)のものと同義である。

0093

0094

上記式(2'a)中、R2およびA2は上記式(2a)のものと同義である。

0095

0096

上記式(3'a)中、R3、R4、R10およびA2は上記式(3a)のものと同義である。

0097

上記式(1’a)で示される化合物の中でも、(メタ)アクリルアミド基を有するスルホン酸系化合物が好ましく、下記一般式(4’a)で示される化合物がより好ましい。

0098

0099

上記式(4'a)中、R1、R5、R6、M、およびn1は上記式(4a)のものと同義である。

0100

上記式(2’a)で示される化合物の中でも、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するエポキシ化合物が好ましく、下記一般式(5’a)で示される化合物がより好ましい。

0101

0102

上記式(5'a)中、R2、およびnは上記式(5a)のものと同義である。

0103

上記式(3’a)で示される化合物の中でも、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するジアルコキシシラン化合物が好ましく、下記一般式(6’a)で示される化合物がより好ましい。

0104

0105

上記式(6'a)中、R3、R4、R10、およびnは上記式(6a)のものと同義である。

0106

上記式(4'a)で表される化合物としては、1−(メタ)アクリルアミドメタンスルホン酸、1−(メタ)アクリルアミド−メタンスルホン酸カリウム、2−(メタ)アクリルアミド−エタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−エタンスルホン酸ナトリウム、2−(メタ)アクリルアミド−プロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−プロパンスルホン酸カリウム、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸((メタ)アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸)、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸ナトリウム塩、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸カリウム塩、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸ルビジウム塩、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸カルシウム塩、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸マグネシウム塩、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル−プロピルスルホン酸アンモニウム塩、3−(メタ)アクリルアミド−プロパンスルホン酸カリウム塩等の(メタ)アクリロイルアミド基を有するスルホン酸化合物などが挙げられる。

0107

上記式(5'a)で表される化合物としては、例えば、グリシジル−(メタ)アクリレート、エポキシ−(メタ)アクリレート、2−グリシジルオキシエチル−(メタ)アクリレート、3−グリシジルオキシ−プロピル−(メタ)アクリレート、4−グリシジルオキシ−ブチル−(メタ)アクリレート、6−グリシジルオキシ−ヘキシル−(メタ)アクリレート、5−グリシジルオキシ−3−オキサペンチル−(メタ)アクリレート、3−グリシジルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピル−(メタ)アクリレート、2,3−ビス(グリシジルオキシ)−プロピル−(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル−(メタ)アクリレート、{4−グリシジルオキシフェニル}−{(4−(メタ)アクリロイルオキシ−3−ヒドロキシ−1−オキサブチル)フェニル}−2,2−プロパン、7−グリシジルオキシ−6,6−ジメチル−2−ヒドロキシ−4−オキサヘプチル−(メタ)アクリレートなどが挙げられる。

0108

上記式(6'a)で表される化合物としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ−エチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシ−プロピル−トリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシ−ブチル−トリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシ−ヘキシル−トリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシ−デシル−トリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシ−プロピル−トリエトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシ−プロピル−トリプロポキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシ−プロピル−トリブトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシ−プロピル−メチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシ−プロピル−エチルジエトキシシランなどが挙げられる。

0109

上記共重合体(i)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリメチルメタクリレート換算重量平均分子量(Mw)は、500〜3,000,000の範囲であることが好ましい。

0110

また、上記親水層(A)は、下記一般式(7a)で示されるアミノ樹脂(ii)、下記一般式(11a)で表されるシラン化合物(iii)、および無機粒子(iv)から選ばれる少なくとも1つと、上記共重合体(i)とを含む組成物からからなる層を架橋することにより調製できる。

0111

0112

上記式(7a)中、R30は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシメチル基、または炭素数1〜10のアルコキシメチル基を示し、R40は、水酸基、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、q190は1〜90の整数であり、MCは下記一般式(8a)〜(10a)のいずれかで表される母核を表し、#2は下記一般式式(8a)〜(10a)中の#1と結合する結合手であり、#1と#2との数は同一であり;
下記式(8a)において、q030はそれぞれ0〜30の整数であり、q030は互いに同一でも異なっていてもよく、R30およびR40は式(7a)中の定義と同一であり、
下記式(9a)において、q050は0〜50の整数であり、Xは酸素原子または硫黄原子を示し、R30およびR40は式(7a)中の定義と同一であり、
下記式(10a)において、q050は0〜50の整数である。

0113

0114

0115

0116

0117

上記式(11a)中、X1およびX2は、それぞれ独立して、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基、またはハロゲン原子を示し、
R11〜R14は、それぞれ独立して、水酸基、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ビニル基アリル基フェニル基、2−フェニル−エチル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、またはハロゲン原子を示し、qは0〜10000の整数である。

0118

上記無機粒子(iv)としては、例えば、銀粒子銅粒子酸化銅粒子シリカ粒子中空シリカ粒子アルミナ粒子酸化鉄粒子酸化コバルト粒子、二酸化ジルコニア粒子二酸化チタン粒子酸化アンチモン粒子等が挙げられる。これら無機粒子は分散性を良好にする目的で表面をアルキル基または(メタ)アクリロイル基を有する有機基等で修飾された無機粒子も含まれる。また、後記セクション「吸水層(B)」中のサブセクション「重合性組成物の組成」に記載の「無機微粒子」もまた、上記無機粒子(iv)として挙げられる。上記無機粒子(iv)として当該「無機微粒子」が含まれる場合についての説明は、後記セクション「吸水層(B)」中のサブセクション「重合性組成物の組成」で後述する。

0119

上記硬化物が、アミノ樹脂(ii)および共重合体(i)を含む組成物から得られたものである場合には、その組成物に含まれる、共重合体(i)とアミノ樹脂(ii)との重量比(i)/(ii)は、99/1〜1/99の範囲であることが好ましい。

0120

上記硬化物が、アミノ樹脂(ii)、無機粒子(iv)、および共重合体(i)を含む組成物から得られたものである場合には、その組成物に含まれる、共重合体(i)、アミノ樹脂(ii)および無機粒子(iv)の合計重量100重量部に対して、共重合体(i)5〜98重量部、アミノ樹脂(ii)1〜70重量部、および無機粒子(iv)1〜90重量部が含まれることが好ましい。

0121

上記硬化物が、シラン化合物(iii)と共重合体(i)を含む組成物から得られたものである場合には、その組成物に含まれる、共重合体(i)の重量とシラン化合物(iii)とのSiO2換算重量との比(i)/(ii)は、99.9/0.1〜0.1/99.9の範囲にあることが好ましく、99/1〜1/99の範囲がより好ましく、90/10〜10/90の範囲がであればさらに好ましい。

0122

共重合体(i)の架橋樹脂または、アミノ樹脂(ii)、シラン化合物(iii)、および無機粒子(iv)から選ばれる少なくとも1つと共重合体(i)とを含む組成物の架橋樹脂は、例えば、共重合体(i)または上記組成物を加熱(すなわち熱硬化)することにより調製できる。

0123

また、共重合体(i)または上記組成物としては、さらに溶解パラメーターσが9.0(cal/cm3)1/2以上の溶剤を含む混合物として用いることが好ましい一態様である。このような溶剤を含む混合物からなる塗膜を吸水層(B)の上に設けた後、その塗膜から溶剤を除去して、加熱することにより、親水基がより表面に偏析した親水層(A)が得られる。

0124

上記溶剤としては、例えば、メタノールエタノール1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール(1−アミルアルコール)などの1級アルコール;および
1−メトキシ2−プロパノールメトキシプロパノール)、2−メトキシ−1−エタノール(メトキシエタノール)、2−イソプロポキシ−1−エタノール等のアルコキシアルコールが挙げられる。

0125

溶解パラメーター(SP値)は以下に示す簡易計算法によって容易に計算することができる。

0126

溶解パラメーターσの計算式
1)1mol当たりの蒸発潜熱
Hb=21×(273+Tb) (単位:cal/mol),Tb:沸点(℃)
2)25℃での1mol当たりの蒸発潜熱
H25=Hb×{1+0.175×(Tb−25)/100} (単位:cal/mol),Tb:沸点(℃)
3)分子間結合エネルギーE=H25−596 (単位:cal/mol)
4)溶剤1ml(cm3)当たりの分子間結合エネルギー
E1=E×D/Mw (単位:cal/cm3),D:密度(g/cm3),MW:分子量
5)溶解パラメーター(SP値) σ=(E1)1/2 (単位:cal/cm3)1/2

0127

上記親水層(A)の厚さは、用途により適宜決め得るが、通常0.0001〜500μm、好ましくは0.05〜500μm、より好ましくは0.1〜300μm、さらに好ましくは0.5〜100μm、さらにより好ましくは1〜50μm、特に好ましくは2〜30μmの範囲である。

0128

<吸水層(B)>
本発明の積層体を構成する吸水層(B)は、単位質量(g)当たりの吸水率が5〜500wt%の範囲の架橋樹脂からなる。この吸水層(B)は、上記親水層(A)と後述する基材との間に位置している。本明細書において、「吸水率」とは、縦0.5〜1.5cm、横4.5〜5.5cm、厚さ0.3〜1.0cmの樹脂片初期重量をα、25℃の蒸留水に浸漬させ24時間後の重量(吸水後の重量)βとした際の(β—α)/α×100)によって定義される吸水率を指す。

0129

この吸水層(B)は、驚くべきことに表面付近の水分を表面の親水層(A)を通過させて吸水することによって防曇性を向上させるものである。このことから、本発明の積層体が、後述する「その他の層」をさらに含む場合、吸水層(B)は親水層(A)と基材の間のいずれかの層に位置していれば良いが、表面からの吸水能力を高めてより防曇性を向上させるためには出来るだけ表面の親水層(A)に近い方が好ましく、親水層(A)に直に接していることが最も好ましい。

0130

また、防曇性を高めるためには吸水層(B)の吸水力が高ければ高いほど好ましく、具体的には、吸水層(B)を構成する架橋樹脂の単位質量(g)に当たりの吸水率が10〜300wt%の範囲にあることが好ましく、20〜200wt%の範囲にあることがさらに好ましく、30〜150wt%の範囲にあることが最も好ましい。

0131

また、本発明においては、吸水層(B)は、親水層(A)との線膨張率差がある程度小さいことが好ましい。ここで吸水層(B)がリニアポリマー等の架橋樹脂でない場合には、吸水膨張によって吸水層(B)自身が壊れたり、あるいは上層の親水層(A)との線膨張率差が大きくなることによって親水層(A)にクラックが入ったりする場合があり好ましくない傾向がある。これに対して吸水層(B)が架橋樹脂の場合は上記のような破壊あるいはクラックが起きにくく好ましい。それらの架橋樹脂からなる吸水層(B)の中では親水層(A)との線膨張率差が0×10-6/K以上300×10-6/K以下の範囲の架橋樹脂からなる吸水層(B)が、親水層(A)におけるクラックの発生が少なく好ましい傾向にある。ここで、前記線膨張率差の上限値は、好ましくは、250×10-6/K、より好ましくは200×10-6/K、さらに好ましくは160×10-6/Kである。また、これらの吸水層(B)は、単層でも2層以上の多層であってもよい。

0132

なお、親水層(A)におけるクラックの発生を最小限に抑えるためには、後述するように、本発明の積層体が、後記バッファー層(C)を親水層(A)と吸水層(B)との間に有することも好ましい。

0133

吸水層(B)として好ましく用いられる架橋樹脂は、例えば、ポリウレタン樹脂ポリチオウレタン樹脂ポリウレア樹脂ポリエポキシ樹脂ポリチオエポキシ樹脂ポリフェノール樹脂ポリメラミン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリメタクリル樹脂ポリオレフィン樹脂等の一般的な架橋樹脂が挙げられるが、これらの架橋樹脂の中ではポリアクリル樹脂およびポリメタクリル樹脂が好ましい傾向にある。
ここでポリアクリルとポリメタクリルを合わせてポリ(メタ)アクリル、アクリレートとメタクリレートとを合わせて(メタ)アクリレートとも以下では表記する。

0134

これらの(メタ)アクリル樹脂の中では、(メタ)アクリレート基を2個以上有し且つその分子内にエーテル基および水酸基を有する化合物を含む架橋重合性組成物を硬化して得られる(メタ)アクリレート樹脂が好ましい。(メタ)アクリレート基を2個以上有し且つその分子内にエーテル基および水酸基を有する化合物としては、一般式(1)で表される化合物が好ましい。換言すると、本発明の好適な態様において、吸水層(B)は、下記一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物(以下、「吸水層(B)用の重合性組成物」と呼ばれる場合がある。)の架橋樹脂からなることが好ましい。

0135

0136

式(1)中、Bは下記一般式(B)で表される重合性官能基を含む有機基を表し、Aは下記一般式(A−1)〜(A−18)で表される有機基のうちのいずれかを表し、aは有機基Bが有機基Aに結合する数を表し、2〜103の範囲にある。

0137

0138

式(B)中、R,R'およびR''はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、bは0または1を表し、nは0〜100の整数を表し、**は、有機基Aに結合する末端を示す。ここで、前記nは、1〜100の整数がより好ましく、5〜80の整数がさらに好ましく、10〜50の整数がよりさらに好ましい。

0139

0140

式(A−1)中、mは1〜20の整数を表し、R1およびR2は独立して水素原子またはメチル基を表し、mが2以上の場合R1同士およびR2同士はそれぞれ同一でも異なってもよく、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。ここで、前記mは、2〜10の整数が好ましく、2〜6の整数であればさらに好ましい。上記Aが一般式(A−1)で表される有機基である場合、式(1)で表される化合物の例として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンチグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ}−エタン、1,2−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ}−プロパン、1,3−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ}−プロパン、1,4−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ}−ブタン、ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ}−ネオペンタン、1,6−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ}−ヘキサン、1,8−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ}−オクタン、1,10−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ}−デカン、1,11−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ}−ドデカン、1,12−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ}−ウンデカンおよび1,20−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ}−エイコサンなどが挙げられる。

0141

0142

式(A−2)中、lは1〜100の整数を表し、R1〜R4は独立して水素原子またはメチル基を表し、lが2以上の場合R1同士およびR2同士はそれぞれ同一でも異なってもよく、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。式(A−2)中の前記lは、1〜50の範囲が好ましく、1〜30の範囲がより好ましく、0〜20の範囲であればさらに好ましい。上記Aが一般式(A−2)で表される有機基である場合、式(1)で表される化合物の例として、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘプタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ウンデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリコサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,5−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ}−3−オキサヘプタン、1,8−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ}−3,6−ジオキサオクタン、1,11−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ}−3,6,9−トリオキサウンデカン、ジ(1,2−プロピレングリコール)ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}、トリ(1,2−プロピレングリコール)ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}などが挙げられる。

0143

0144

式(A−3)中、lは1〜100の整数を表し、R1〜R6は独立して水素原子またはメチル基を表し、lが2以上の場合R1同士、R2同士、およびR3同士はそれぞれ同一でも異なってもよく、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。式(A−3)中の前記lは、1〜50の範囲が好ましく、1〜30の範囲がより好ましく、1〜20の範囲であればさらに好ましい。上記Aが一般式(A−3)で表される有機基である場合、式(1)で表される化合物の例として、ジ(1,3−プロピレングリコール)ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}、トリ(1,3−プロピレングリコール)ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}、テトラ(1,3−プロピレングリコール)ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}、ノナ(1,3−プロピレングリコール)ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}、テトラデカ(1,3−プロピレングリコール)ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}、トリアコンタ(1,3−プロピレングリコール)ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}、ヘクタ(1,3−プロピレングリコール)ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}、エトキシ化ドデカプロピレングリコールジメタクリレート、エトキシ化ドデカプロピレングリコールジアクリレートなどが挙げられる。

0145

0146

式(A−4)中、lは1〜100の整数を表し、R1〜R8は独立して水素原子またはメチル基を表し、lが2以上の場合R1同士、R2同士、R3同士、およびR4同士はそれぞれ同一でも異なってもよく、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。式(A−4)中の前記lは、1〜50の範囲が好ましく、1〜30の範囲がより好ましく、1〜20の範囲であればさらに好ましい。上記Aが一般式(A−4)で表される有機基である場合、式(1)で表される化合物の例として、ジ(1,4−ブチレングリコール)ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}、トリ(1,4−ブチレングリコール)ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}、テトラ(1,4−ブチレングリコール)ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}、ノナ(1,4−ブチレングリコール)ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}、テトラデカ(1,4−ブチレングリコール)ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}、トリアコンタ(1,4−ブチレングリコール)ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}、ヘクタ(1,4−ブチレングリコール)ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}、ポリテトラメチレングリコールジアクリレートなどが挙げられる。

0147

0148

式(A−5)中、kは0〜3の整数を表し、R#はそれぞれ独立にCH2、CH*またはCHCH2O*を表し、CH*は有機基Bに結合するCH基を表し、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。前記kは、1〜3の範囲が好ましく、1〜2の範囲がより好ましく、1が最も好ましい。上記Aが一般式(A−5)で表される有機基である場合、式(1)で表される化合物の例として、2−アクリロキシデカエトキシ-6-アクリロキシ-1,4,7−トリオキサシクロノナン、2−アクリロキシウンデカエトキシ-6-アクリロキシ-1,4,7−トリオキサシクロノナン、2−アクリロキシドデカエトキシ-6-アクリロキシ-1,4,7−トリオキサシクロノナン、2−アクリロキシトリデカンエトキシ-6-アクリロキシ-1,4,7−トリオキサシクロノナン、2−アクリロキシテトラデカンエトキシ-6-アクリロキシ-1,4,7−トリオキサシクロノナン、2−アクリロキシペンタデカンエトキシ-6-アクリロキシ-1,4,7−トリオキサシクロノナン、2−アクリロキシヘキサデカンエトキシ-6-アクリロキシ-1,4,7−トリオキサシクロノナン、2−アクリロキシヘプタデカンエトキシ-6-アクリロキシ-1,4,7−トリオキサシクロノナン、2−アクリロキシオクタデカンエトキシ-6-アクリロキシ-1,4,7−トリオキサシクロノナン、2−アクリロキシノナデカンエトキシ-6-アクリロキシ-1,4,7−トリオキサシクロノナン、2−アクリロキシイコサンエトキシ-6-アクリロキシ-1,4,7−トリオキサシクロノナン、2−アクリロキシヘンイコサンエトキシ-6-アクリロキシ-1,4,7−トリオキサシクロノナン、2−メタクリロキシペンタデカンエトキシ-6-メタクリロキシ-1,4,7−トリオキサシクロノナンなどが挙げられる。本発明では、このような化合物のうち、特に好ましいものとして、下記一般式(2)で表される(メタ)アクリレートが挙げられる。

0149

0150

式(2)中、kは0〜3の整数を表し、R1〜R6は独立に水素原子またはメチル基を表し、m1およびn1は独立して0〜100の整数を表す。

0151

なお、上記式(2)で表される(メタ)アクリレートは、本願で用いられる吸水層(B)以外にも、柔軟性を要求される材料や材料内部に効果的に空間を形成させる際に用いることができる。

0152

0153

式(A−6)中、m0100は0〜100の整数を表し、V1およびV2はそれぞれ独立してOHまたはO*を表し、m0100が2以上の場合V2同士は同一でも異なってよく、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。前記m0100は、0〜30の範囲が好ましく、0〜10の範囲がより好ましく、0〜5の範囲であればさらに好ましい。上記Aが一般式(A−6)で表される有機基である場合、式(1)で表される化合物の例として、グリセリン−1,3−ジ(メタ)アクリレート、(2,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−プロピルオキシ)ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、(2,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−プロピルオキシ)トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(2,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−プロピルオキシ)テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、(2,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−プロピルオキシ)オクタエチレングリコール(メタ)アクリレート、(2,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−プロピルオキシ)テトラデカエチレングリコール(メタ)アクリレート、(2,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−プロピルオキシ)テトラコンタエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジグリセリン−1,7−ジ(メタ)アクリレート、ジグリセリン−1,2,7−トリ(メタ)アクリレート、トリグリセリン−1,11−ジ(メタ)アクリレート、テトラグリセリン−1,15−ジ(メタ)アクリレート、ペンタグリセリン−1,19−ジ(メタ)アクリレート、ヘキサグリセリン−1,23−ジ(メタ)アクリレート、デカグリセリン−1,39−ジ(メタ)アクリレート、トリアコンタグリセリン−1,119−ジ(メタ)アクリレート、ヘクタグリセリン−1,399−ジ(メタ)アクリレート、グリセリン−1,2,3−トリス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}、ジグリセリン−1,2,7−トリス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}、トリグリセリン−1,2,11−トリス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}、トリグリセリン−1,6,11−トリス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}、トリグリセリン−1,2,6,11−テトラキス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルエーテル}、1-(アクリロキシ-テトラコサンエトキシ)−2,3−ジアクリロキシプロパン、1-(アクリロキシ-ペンタコサンエトキシ)−2,3−ジアクリロキシプロパン、1-(アクリロキシ-ヘキサコサンエトキシ)−2,3−ジアクリロキシプロパン、1-(アクリロキシ-ヘプタコサンエトキシ)−2,3−ジアクリロキシプロパン、1-(アクリロキシ-オクタコサンエトキシ)−2,3−ジアクリロキシプロパン、1-(アクリロキシ-ノナコサンエトキシ)−2,3−ジアクリロキシプロパン、1,2,3−トリ(アクリロキシ-ポリエトキシ)プロパン、1-(メタクリロキシ-ヘプタコサンエトキシ)−2,3−ジメタアクリロキシプロパンなどが挙げられる。

0154

0155

式(A−7)中、m010は0〜10の整数を表し、V1およびV2はそれぞれ独立してOHまたはO*を表し、W1およびW2はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、OHまたはO*を表し、m010が2以上の場合V2同士およびW2同士はそれぞれ同一でも異なってもよく、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。前記m010は、0〜8の範囲が好ましく、0〜6の範囲がより好ましく、0〜4の範囲であればさらに好ましい。上記Aが一般式(A−7)で表される有機基である場合、式(1)で表される化合物の例として、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレートエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどが挙げられる。

0156

0157

式(A−8)中、R1およびR2は独立して水素原子またはメチル基を表し、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。上記Aが一般式(A−8)で表される有機基である場合、式(1)で表される化合物の例として、2,2-ビス-[4−(アクリロキシ-ポリエトキシ)フェニル]-プロパン、2,2-ビス-[4−(アクリロキシ-ポリエトキシ)フェニル]-プロパンなどが挙げられる。

0158

0159

式(A−9)中、n26は2〜6の整数を表し、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。前記n26は、2〜4の整数が好ましく、2〜3の整数であればより好ましく、2であれば最も好ましい。上記Aが一般式(A−9)で表される有機基である場合、式(1)で表される化合物の例として、1,2-ビス{3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシ-プロピルオキシ}ベンゼンなどが挙げられる。

0160

0161

式(A−10)中、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。上記Aが一般式(A−10)で表される有機基である場合、式(1)で表される化合物の例として、エトキシ化ベンゼンジメタノールジアクリレートなどが挙げられる。

0162

0163

式(A−11)中、n28は2〜8の整数を表し、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。前記n28は、2〜4の整数が好ましく、2〜3の整数であればより好ましく、2であれば最も好ましい。上記Aが一般式(A−11)で表される有機基である場合、式(1)で表される化合物の例として、2,6−ジ-(アクリロキシ-テトラエトキシ)ナフタレン、1,5−ジ-(アクリロキシ−テトラエトキシ)ナフタレンなどが挙げられる。

0164

0165

式(A−12)中、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。上記Aが一般式(A−12)で表される有機基である場合、式(1)で表される化合物の例として、9,9-ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどが挙げられる。

0166

0167

式(A−13)中、n26は2〜6の整数を表し、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。前記n26は、2〜4の整数が好ましく、2〜3の整数であればより好ましく、2であれば最も好ましい。上記Aが一般式(A−13)で表される有機基である場合、式(1)で表される化合物の例として、1,2-ビス{3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシ-プロピルオキシ}シクロヘキサンなどが挙げられる。

0168

0169

式(A−14)中、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。上記Aが一般式(A−14)で表される有機基である場合、式(1)で表される化合物の例として、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジメタクリレートなどが挙げられる。

0170

0171

式(A−15)中、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。上記Aが一般式(A−15)で表される有機基である場合、式(1)で表される化合物の例として、エトキシ化ノルボルナンジメタノールジアクリレートなどが挙げられる。

0172

0173

式(A−16)中、O*は有機基Bに結合する酸素原子を表す。上記Aが一般式(A−16)で表される有機基である場合、式(1)で表される化合物の例として、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレートトリシクロデカンジメタノールジアクリレートなどが挙げられる。

0174

0175

式(A−17)中、*−は有機基Bに結合する末端を表す。上記Aが一般式(A−17)で表される有機基である場合、式(1)で表される化合物の例として、トリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられる。

0176

0177

式(A−18)中、NH*は有機基Bに結合するNH基を表す。上記Aが一般式(A−18)で表される有機基である場合、式(1)で表される化合物の例として、N,N´−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}−ウレア、N,N´−ビス{(メタ)アクリロイルオキシエチル}−ウレアなどが挙げられる。

0178

重合性組成物の組成
本発明で吸水層(B)を構成する架橋樹脂に対応する重合性組成物(すなわち、「吸水層(B)用の重合性組成物」)の具体的な組成は、単位質量(g)当たりの吸水率が5〜500wt%の範囲の架橋樹脂を与えることができる限り、特に限定はない。ただ、本発明の典型的な態様において、この重合性組成物は、上記一般式(1)で表される化合物を含む。この重合性組成物を構成する上記一般式(1)で表される化合物は、1種単独であっても、2種以上の組み合わせであってもよい。これら化合物は、公知の方法、または公知の方法に準ずる方法により製造できるが、市販品として入手することもできる。

0179

上記一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物を硬化して吸水層(B)を形成するに際し、該重合性組成物中に一般式(1)で表される化合物以外のオプション成分が含まれていても良い。このようなオプション成分の典型例として、一般式(1)で表される化合物以外の重合性化合物(以下、「その他の重合性化合物」)および無機微粒子が挙げられる。

0180

「その他の重合性化合物」の例として、一般式(1)で表される化合物以外の(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。そのような(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、または4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレートとヘキサメチレンジイソシアナート及びイソホロンジイソシアナート等に代表されるポリイソシアナート化合物とのウレタン反応物などが挙げられる。

0181

「その他の重合性化合物」の別の例として、シラン化合物が挙げられる。そのようなシラン化合物としては、アルコキシシラン化合物およびそのオリゴマーが挙げられる。アルコキシシラン化合物およびそのオリゴマーとして、例えばテトラエトキシシランテトラメトキシシランオリゴマー (Mw 500〜700)、テトラメトキシシランオリゴマー (Mw : 1100〜1300)が挙げられる。ただ、本発明で用いることができるシラン化合物は、アルコキシシラン化合物およびそのオリゴマーに限られるものでなく、アルコキシシラン化合物およびそのオリゴマーのいずれにも該当しないシラン化合物(以下、「その他のシラン化合物」)であってもよい。本発明の典型的な態様では、そのような「その他のシラン化合物」は、シランカップリング剤として知られている化合物であり、具体的には、1分子中に、複数の反応性官能基を含み、且つ、当該複数の反応性官能基のうちの1以上は加水分解性シリル基である化合物である。ここで、加水分解性シリル基とは、加水分解によりシラノール基を与える官能基であり、例えば、アルコキシシリル基、ハロゲン化シリル基などが挙げられる。ここで、「その他のシラン化合物」が2以上の加水分解性シリル基を含む場合、これらの加水分解性シリル基は同じであってもよく、あるいは、互いに異なっていても良い。一方、前記「その他のシラン化合物」は、加水分解性シリル基に該当しない第2の反応性官能基を含んでいても良い。ここで、第2の反応性官能基の例として、ビニル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、グリシジル基アミノ基、メルカプト基等が挙げられる。ここで、「その他のシラン化合物」が2以上の第2の反応性官能基を含む場合、これらの第2の反応性官能基は同じであってもよく、あるいは、互いに異なっていても良い。そのような「その他のシラン化合物」の例として、ビニルトリクロロシランビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピル−メチル−ジメトキシシラン、4−スチリルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチル−ジメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル−メチル−ジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル−トリエトキシシラン、3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、3−アミノプロピル−トリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ブチリデンプロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、3−ウレイドプロピル−トリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル−トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル−メチル−ジメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピルテトラスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン、N,N‘−ビス(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N,N‘−ビス(トリエトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N,N’,N’’−トリス(トリメトキシシリルプロピル)−イソシアヌレート、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。これら「その他のシラン化合物」の中でも、エポキシ基を有するシラン化合物、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピル−メチル−ジメトキシシランなどが比較的に好ましく用いられる。

0182

上記一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物における「その他の重合性化合物」の配合量は、一般式(1)で表される化合物と、「その他の重合性化合物」と、オプションの無機微粒子との合計重量に対して、0.1〜50wt%の範囲にあることが好ましく、1〜30wt%の範囲にあることがより好ましい。

0183

また、上記重合性組成物には、直径10μm以下、より好ましくは5.0μm以下の無機微粒子がさらに含まれていても良い。つまり、この態様において、吸水層(B)を構成する架橋樹脂には、当該無機微粒子が含まれることになる。重合性組成物が、このような無機微粒子を含むと、得られる吸水層(B)と親水層(A)との線膨張率差を小さくすることができ、この線膨張率差を上述した範囲内に抑えることも可能である。このような吸水層(B)は、クラックの発生が少なく好ましい。

0185

吸水層(B)に無機微粒子を添加する場合、透明性を確保する上では無機微粒子の直径は小さいことが好ましい。具体的には、無機微粒子の直径は、200nm以下が好ましく、150nm以下であればより好ましく、100nm以下であればさらに好ましく、50nm以下が最も好ましい。ただし、透明性を要しない用途に本発明の積層体を用いる場合において、無機微粒子の直径を200nmより大きくすることを妨げるものではない。

0186

無機微粒子の種類は目的に応じて適時選択され特に限定されないが、例えば硬度向上および耐摩耗性の付与等に於いてはシリカ粒子等が比較的に好ましく用いられ、例えば屈折率の向上等に於いては、酸化アルミニウム(屈折率=1.62)、酸化チタン(屈折率=2.5〜2.7)、酸化イットリウム(屈折率=1.82)、酸化ジルコニウム(屈折率=2.15)、酸化セリウム(屈折率=2.1〜2.5)、酸化ネオジム(屈折率=2.0)、酸化ハフニウム(屈折率=1.91〜2.15)、酸化ニオブ(屈折率=2.2〜2.3)、酸化アンチモン(屈折率=2.04)、酸化ランタン(屈折率=1.88)、酸化タンタル(屈折率=2.16)、酸化マグネシウム(屈折率=1.72)等が用いられる傾向にある。

0187

上記一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物における無機微粒子の配合量は、一般式(1)で表される化合物と、上述の「その他の重合性化合物」と、無機微粒子との合計重量に対して、99〜0.1wt%の範囲にあることが好ましく、90〜1 wt%の範囲にあることがより好ましく、80〜10wt%の範囲にあることがさらに好ましい。

0188

なお、上記一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物における、上記一般式(1)で表される化合物の使用量は、一般式(1)で表される化合物と、上述の「その他の重合性化合物」と、上述の無機微粒子との合計重量に対して、1〜100wt%の範囲が好ましく、10〜100wt%の範囲であればより好ましく、20〜100wt%の範囲であればさらに好ましく、30〜100wt%の範囲が最も好ましい。

0189

以上の通り、本発明の好適な態様では、「吸水層(B)用の重合性組成物」に上述の無機微粒子が含まれる。ただ、上述の無機微粒子は、「吸水層(B)用の重合性組成物」に含める代わりに、あるいは、「吸水層(B)用の重合性組成物」に含めるとともに、上記「親水層(A)用の重合性組成物」にも好適に含まれうる。このような場合でも、得られる吸水層(B)と親水層(A)との線膨張率差を小さくすることができ、この線膨張率差を上述した範囲内に抑えることも可能である。このような親水層(A)または吸水層(B)は、クラックの発生が少なく好ましい。親水層(A)に添加されうる上記無機微粒子の好適な直径、具体的な化合物、および、上記「親水層(A)用の重合性組成物」への配合量は、上記吸水層(B)に添加されうる上記無機微粒子についてそれぞれ上述したものと同様とすることができる。

0190

さらに上記一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物は、上述の「その他の重合性化合物」および上述の無機微粒子を除くその他のオプション成分として、各種添加剤を含んでいても良い。このような添加剤として、例えば、赤外線吸収剤触媒内部離型剤酸化防止剤重合禁止剤色素バインダー界面活性剤分散剤レベリング剤ブルーイング剤、溶剤等の様々な化合物が挙げられる。

0191

これらの添加剤は、1種単独もしくは2種類以上組み合わせて添加してもよい。

0192

添加量は添加剤の種類によって大きく異なる。例えば、赤外線吸収剤、触媒、内部離型剤、酸化防止剤、重合禁止剤、色素、バインダー、界面活性剤、分散剤、レベリング剤、ブルーイング剤の添加量は、一般式(1)で表される化合物と、上述の「その他の重合性化合物」と、上述の無機微粒子との合計重量を100重量部として、各々0.000001〜10重量部の範囲であり、好ましくは0.00001〜3重量部の範囲であり、さらに好ましくは0.0001〜1重量部の範囲である。

0193

例えば、溶剤は、通常重合性組成物を希釈して塗布する場合に用いられ、種類は限定されないが、硬化して吸水層(B)を形成する重合性組成物の各成分が分離しない溶剤が好ましい。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノールイソプロパノールn−ブタノールイソブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチル−ヘキサノール2−メトキシエタノール2−エトキシエタノール、2−n−プロポキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−n−プロポキシ−2−プロパノール、1−イソプロポキシ−2−プロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール類ジエチルエーテルテトラヒドロフランジオキサン等のエーテル類アセトニトリル等のニトリル類酢酸エチル酢酸−n−プロピル、酢酸−n−ブチル等のエステル類アセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、および水が挙げられる。これら中では、アルコール類、水、およびアルコールと水の混合溶剤が好ましい。これらの溶剤は単独でも2種以上を混同して用いても良い。

0194

これら溶剤の添加量は、一般式(1)で表される化合物と、上述の「その他の重合性化合物」と、上述の無機微粒子との合計重量を100重量部として、0.1重量部〜3000重量部の範囲であり、好ましくは1重量部〜1000重量部の範囲であり、さらに好ましくは5重量部〜500重量部の範囲である。

0195

吸水層(B)の形成方法
上記の重合性組成物から本発明の吸収層(B)を形成する際には、典型的には該重合性組成物を基材に塗布しその組成物を基材上で重合硬化させる。

0196

上記塗布は、従来公知の方法により適宜行うことができる。そのような塗布方法の例として、スピンコート法ディップコート法スプレーコート法流し塗り法、刷毛塗り法グラビアコート法リバースロールコート法ナイフコート法、キスコート法などが挙げられる。

0197

ここで、上記重合性組成物が上記溶剤を含む場合、基材等に組成物を塗布後、後述する重合を行う前に、加熱等により溶剤を充分除去することが好ましい。塗布後、重合硬化直前に残存する溶剤については、残存量が多いと基材との密着性が低下する傾向にある。このため上記の重合性組成物中の残存溶剤は少ない方が好ましい傾向にある。したがって、重合硬化に先立ち、溶剤除去を行うことが好ましい。

0198

即ち、残溶剤量は、一般式(1)で表される化合物と、上述の「その他の重合性化合物」と、上述の無機微粒子との合計重量を100重量部として、通常30重量部以下、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下、さらに好ましくは5重量部以下、最も好ましくは3重量部以下である。

0199

残溶剤を加熱により減らす場合、通常は室温〜200℃の範囲、好ましくは30〜150℃の範囲、さらに好ましくは40〜120℃の範囲である。

0200

例えば、スピンコートの回転等に伴う風によって溶剤を除去する場合、基本的に回転をしていれば溶剤は除去されていくが、好ましくは風速0.5m/秒(直径100mmの基材で100rpm相当)〜30m/秒(同6000rpm)の範囲、より好ましくは風速2.5m/秒(同500rpm相当)〜25m/秒(同5000rpm)の範囲、さらに好ましくは風速5m/秒(同1000rpm相当)〜15m/秒(同3000rpm)の範囲である。

0201

上記の重合性組成物からの溶剤除去のための時間は適時決定すればよいが、生産性を考慮した場合、短時間の方が好ましい傾向にある。例えば、通常30分以下、好ましくは10分以下、好ましくは5分以下、より好ましくは3分以下、さらに好ましくは2分以下の時間で乾燥すればよい。溶剤除去の際の雰囲気大気でも窒素等の不活性ガスでも構わないが、雰囲気の湿度が低い方が得られる親水性架橋樹脂(例えば積層体)の外観が悪化(ゆず肌、透明性低下など)しないなど好ましい傾向にある。具体的には、雰囲気の湿度は80%以下が好ましく、65%以下がより好ましく、55%以下がさらに好ましい。

0202

上記重合性組成物を基材に塗布した後は、その組成物を重合硬化させる。ここで、組成物を基材に塗布した後に上記溶媒除去が行われたときには、重合硬化は、この溶媒除去の後に行われる。

0203

この重合硬化は、典型的には、放射線照射または加熱によって行うことができる。

0204

ここで、放射線照射、例えば、紫外線(UV)照射により、上記重合性組成物を重合硬化させる場合には、前もって、上記重合性組成物に光重合開始剤を添加する。

0205

放射線を用いて上記重合性組成物を重合する場合、放射線としては波長領域が0.0001〜800nm範囲のエネルギー線を用いることができる。上記放射線は、α線β線γ線X線電子線、紫外線、可視光等に分類されおり、上記重合性組成物の組成に応じて適宜選択して使用できる。これら放射線の中でも紫外線が好ましく、紫外線の出力ピークは、好ましくは200〜450nmの範囲、より好ましくは230〜445nmの範囲、さらに好ましくは240〜430nm範囲、特に好ましくは250〜400nmの範囲である。上記出力ピークの範囲の紫外線を用いた場合には、重合時の黄変及び熱変形等の不具合が少なく、且つ紫外線吸収剤を添加した場合も比較的に短時間で重合を完結できる。

0206

熱によって重合する場合、通常、上記の重合性組成物に有機過酸化物等の熱ラジカル発生剤を加え室温から300℃以下の範囲で加熱する。

0207

上記重合は大気下で行うこともできるが、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行った場合は重合時間を短縮できる点で好ましい。

0208

吸水層(B)用の重合性組成物をUV照射によって重合硬化させて吸水層(B)を形成させる場合、上記重合性組成物に添加される光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤光カチオン重合開始剤、および光アニオン重合開始剤等が挙げられるが、これら光重合開始剤の中でも、光ラジカル重合開始剤が好ましい。

0209

上記光ラジカル重合開始剤としては、公知の光ラジカル重合開始剤が使用可能であり、例えば、イルガキュアー127(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製)、イルガキュアー184(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、ダロキュアー1173(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー500(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー819(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、ダロキュアーTPO(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、エサキュアーONE(ランベルティー社製)、エサキュアーKIP100F(ランベルティー社製)、エサキュアーKT37(ランベルティー社製)およびエサキュアーKTO46(ランベルティー社製)等が挙げられる。

0210

上記光カチオン重合開始剤としては、公知の光カチオン重合開始剤が使用可能であり、例えば、イルガキュアー250(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー784(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、エサキュアー1064(ランベルティー社製)、CYRAURE UVI6990(ユニオンカーバイト日本社製)、アデカオプトマーSP−172(旭電化社製)、アデカオプトマーSP−170(旭電化社製)、アデカオプトマーSP−152(旭電化社製)、アデカオプトマーSP−150(旭電化社製)等が挙げられる。

0211

また上記光重合開始剤を使用する場合には、光重合促進剤を併用してもよい。光重合促進剤としては、例えば、2,2−ビス(2−クロロフェニル)−4,5'−テトラフェニル−2'H−<1,2'>ビイミダゾルイル、トリス(4−ジメチルアミノフェニルメタン、4,4'−ビス(ジメチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノンカンファーキノン等が挙げられる。

0212

一方、吸水層(B)用の重合性組成物を加熱によって重合硬化させて吸水層(B)を形成させる場合には、前もって、上記重合性組成物に熱重合開始剤を添加する。この場合、上記重合性組成物に添加される熱重合開始剤としては、公知の熱重合開始剤が使用可能であり、例えば、メチルイソブチルケトンパーオキサイドシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;
イソブチリルパーオキサイド、o−クロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類
トリス(t−ブチルパーオキシトリアジン、t−ブチルクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類;
2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類;
α−クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,4,4−トリメチルペンチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート等のアルキルパーエステル類;
ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートジエチレングリコールビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)等のパーカボネート類等が挙げられる。

0213

上記光重合開始剤、光重合促進剤、および熱重合開始剤の使用量は、一般式(1)〜(2)および一般式(A−1)〜(A−18)で表される化合物と一般式(1)〜(2)および一般式(A−1)〜(A−18)で表される化合物以外の化合物の合計重量に対して0.01〜10wt%の範囲が好ましく、0.1〜5wt%の範囲がより好ましく、0.2〜3wt%の範囲がさらに好ましい。

0214

<基材>
本発明の積層体は、基材を含む。

0215

上記基材としては、例えば、ガラス、シリカ、金属、金属酸化物等の無機材料からなる基材、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネートポリアリルカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセチルセルロース(TAC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリエチレンポリプロピレンポリスチレン、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、塩化ビニル樹脂シリコーン樹脂、紙、パルプ等の有機材料からなる基材、不飽和ポリエステル樹脂炭酸カルシウムなどの充填材ガラス繊維などを複合したSMCおよびBMCなどの有機無機基材、並びにこれらの無機材料、有機材料、さらには有機無機複合材料からなる基材の表面に塗装が施された、塗料硬化物層を有する基材等が挙げられる。

0216

また、これら基材表面は必要に応じて、基材表面を活性化することを目的に、コロナ処理オゾン処理酸素ガスもしくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理グロー放電処理化学薬品等による酸化処理火炎処理等の物理的または化学的処理を施すこともできる。またこれら処理に替えてあるいはこれら処理に加えてプライマー処理アンダーコート処理アンカーコート処理を施してもよい。

0217

上記プライマー処理、アンダーコート処理、アンカーコート処理に用いるコート剤としては、例えば、ポリエステル系樹脂ポリアミド系樹脂ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンおよびポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂またはその共重合体ないし変性樹脂セルロース系樹脂等の樹脂をビヒクルの主成分とするコート剤を用いることができる。上記コート剤としては、溶剤型コート剤、水性型コート剤のいずれであってもよい。

0218

これらコート剤の中でも、変性ポリオレフィン系コート剤、エチルビニルアルコール系コート剤、ポリエチレンイミン系コート剤、ポリブタジエン系コート剤、ポリウレタン系コート剤;
ポリエステル系ポリウレタンエマルジョンコート剤、ポリ塩化ビニルエマルジョンコート剤、ウレタンアクリルエマルジョンコート剤、シリコンアクリルエマルジョンコート剤、酢酸ビニルアクリルエマルジョンコート剤、アクリルエマルジョンコート剤;
スチレンブタジエン共重合体ラテックスコート剤、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体ラテックスコート剤、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックスコート剤、クロロプレンラテックスコート剤、ポリブタジエンラテックスゴム系ラテックスコート剤、ポリアクリル酸エステルラテックスコート剤、ポリ塩化ビニリデンラテックスコート剤、ポリブタジエンラテックスコート剤、あるいはこれらラテックスコート剤に含まれる樹脂のカルボン酸変性物ラテックスもしくはディスパージョンからなるコート剤が好ましい。

0219

これらコート剤は、公知の塗装方法、例えば、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、流し塗り法、刷毛塗り法、グラビアコート法、リバースロールコート法、ナイフコート法、キスコート法などにより塗布することができ、基材への塗布量は、乾燥状態で、通常0.05μm〜10μmである。

0220

これらコート剤の中では、ポリウレタン系コート剤がより好ましい。ポリウレタン系のコート剤は、そのコート剤に含まれる樹脂の主鎖あるいは側鎖にウレタン結合を有するものである。ポリウレタン系コート剤は、例えば、ポリエステルポリオールポリエーテルポリオール、またはアクリルポリオールなどのポリオールイソシアネート化合物とを反応させて得られるポリウレタンを含むコート剤である。

0221

これらポリウレタン系コート剤の中でも、縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオールなどのポリエステルポリオールとトリレンジイソシアネートヘキサメチレンジイソシアネートキシレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物とを混合して得られるポリウレタン系コート剤が、密着性に優れているため好ましい。

0222

ポリオール化合物とイソシアネート化合物とを混合する方法は、特に限定されない。また配合比も特に制限されないが、イソシアネート化合物が少なすぎると硬化不良を引き起こす場合があるためポリオール化合物のOH基とイソシアネート化合物のNCO基当量換算で2/1〜1/40の範囲であることが好適である。

0223

本発明における基材では、上記表面活性化処理された基材面を含んでもよい。

0224

<バッファー層(C)>
本発明の積層体において、上記親水層(A)が、上記吸水層(B)と直に接している場合、上記親水層(A)の線膨張率と上記吸水層(B)の線膨張率との差が大きいと、親水層(A)にクラックが入ることがあり、特に上記親水層(A)の厚さが薄いときに生じやすい傾向がある。この問題点は、上記親水層(A)の厚さを充分に大きくすることによって回避しうるものの、本発明の積層体の用途によっては、上記親水層(A)の厚さを薄くしておく必要のある場合もある。そこで、本発明では、これを防ぐために、上記親水層(A)と上記吸水層(B)との間にバッファー層(C)が存在していてもよい。

0225

すなわち、本発明の好適な態様の1つにおいて、本発明の積層体は、上記親水層(A)と上記吸水層(B)との間に、バッファー層(C)を有している。

0226

本発明において、このバッファー層(C)は、上記親水層(A)の線膨張率と上記吸水層(B)の線膨張率との間の線膨張率を有している。すなわち、本発明の積層体がバッファー層(C)を有する場合、上記親水層(A)とバッファー層(C)との線膨張率差は、上記親水層(A)と上記吸水層(B)との線膨張率差よりも小さい。

0227

上記親水層(A)とバッファー層(C)との線膨張率差は、好ましくは0×10−6/Kより大きく160×10−6/K以下である。ここで、前記線膨張率差の上限値は、より好ましくは100×10−6/K以下、さらに好ましくは80×10−6/K以下の範囲内にある。

0228

バッファー層(C)を構成する材質は、上記親水層(A)と上記吸水層(B)との線膨張率差を吸収するとともに、本発明の積層体の表面付近の水分を、上記親水層(A)を通じて上記吸水層(B)に吸水させる機能を損なわない限りにおいて特に限定はされない。したがって、バッファー層(C)自体は、必ずしも吸水性を有していなくても良く、必ずしも架橋樹脂からなるものでなくても良い。ただ、本発明の典型的な態様では、バッファー層(C)は、上記親水層(A)と上記吸水層(B)との間の線膨張率を有することを除いては、上記吸水層(B)と同様の架橋樹脂からなる。例えば、上記吸水層(B)が上記無機微粒子を含まない場合において、バッファー層(C)は、上記無機微粒子を含むことを除いては当該吸水層(B)と同様の構成とすることができる。また、上記吸水層(B)が上記無機微粒子を含む場合、バッファー層(C)は、当該無機微粒子の含量が当該吸水層(B)における含量よりも多いことを除いては当該吸水層(B)と同様の構成を有していてもよい。

0229

バッファー層(C)の形成方法は、上記親水層(A)の線膨張率と上記吸水層(B)の線膨張率との間の線膨張率を有する層が得られる限り特に限定されない。ただ、上述したように、本発明の典型的な態様では、バッファー層(C)は、上記親水層(A)と上記吸水層(B)との間の線膨張率を有することを除いては、上記吸水層(B)と同様の架橋樹脂からなる。これを踏まえると、バッファー層(C)の形成方法もまた、上記「吸水層(B)の形成方法」に準じたものとすることができる。例えば、上記無機微粒子の配合量を上記吸水層(B)よりも多くすることを除き、上記吸水層(B)と同様の方法によりバッファー層(C)を得ることができる。

0230

<積層体の構成>
上述した通り、本発明に係る積層体は、上記親水層(A)と、上記吸水層(B)と、上記基材とを含み、且つ、当該基材上に、吸水層(B)と親水層(A)とがこの順に配されている構造を有する。ここで、本発明に係る積層体に含まれる上記親水層(A)および上記吸水層(B)は、それぞれ、1層のみであってもよく、あるいは、2層以上であってもよいが、親水層(A)と基材の間に吸水層(B)は存在しなければならない。さらに防曇性を高めるためには、典型的には親水層(A)を最外層(大気に触れる側)にして、その親水層(A)に接する真下に吸水層(B)がある積層体の構成が好ましい。また、本発明に係る積層体は、上記親水層(A)と上記吸水層(B)との間に、上記バッファー層(C)を有していてもよい。

0231

ここで、本発明における好ましい態様の1つでは、この積層体は、上記親水層(A)と、上記吸水層(B)と、上記基材とのみからなる。また、本発明におけるもう1つの好ましい態様では、この積層体は、上記親水層(A)と、上記バッファー層(C)と、上記吸水層(B)と、上記基材とのみからなる。しかし、本発明の積層体は、これらの態様のものに限られるものではなく、上記親水層(A)、上記吸水層(B)、上記バッファー層(C)および上記基材に加えて、上記親水層(A)、上記吸水層(B)、上記バッファー層(C)および上記基材のいずれでもないその他の層を更に有していてもよい。

0232

その他の層
本発明の積層体は、上記親水層(A)、上記吸水層(B)、上記バッファー層(C)および上記基材に加えて、上記親水層(A)、上記吸水層(B)、上記バッファー層(C)および上記基材のいずれでもないその他の層(以下、「その他の層」)を更に有していてもよい。

0233

このような「その他の層」として、プライマー層ハードコート層粘着層、などが挙げられる。

0234

ここで、プライマー層は、接着剤プライマー)からなる層であり、この層を挟むように位置する2つの層の間の接着性を向上させるために採用されることがある。本発明の1つの態様に係る積層体はプライマー層を有しており、このプライマー層が、上記基材と上記吸水層(B)の間、および/または、上記吸水層(B)と上記親水層(A)の間に位置している。

0235

また、ハードコート層は、従来技術においてハードコート層として供される層と同様の層であり、硬度向上を目的として形成されうる。本発明のもう1つの態様に係る積層体は、上記基材と、上記親水層(A)および上記吸水層(B)との間にハードコート層を有している。

0236

また、本発明の別の態様に係る積層体は、上記基材の、上記親水層(A)および上記吸水層(B)を有する側とは反対側に粘着層を有している。

0237

これらの層についての、形成方法を含めた詳細な説明は、下記「積層体の製造方法」で後述する。

0238

本発明の積層体が「その他の層」を含む場合の具体的な例示態様について触れると、例えば、本発明の好適な態様の1つでは、本発明の積層体は、上記親水層(A)と、上記バッファー層(C)と、上記吸水層(B)と、上記基材とをこの順番で含んでいる。

0239

また、もう一つの好適な態様では、本発明の積層体は、上記親水層(A)と、上記吸水層(B)と、プライマー層と、上記基材とをこの順番で含んでいる。ここで、上記親水層(A)と、上記バッファー層(C)と、上記吸水層(B)と、プライマー層と、上記基材とをこの順番で含む積層体は、特に好適な態様の1つである。

0240

<積層体の製造方法>

本発明の積層体の典型的な製造方法を以下に記載する。

0241

本発明の積層体の製造方法は、
基材に、吸水層(B)用の重合性組成物を塗布して当該吸水層(B)用の重合性組成物の塗膜を形成し、その後、当該塗膜を構成する重合性組成物を重合硬化して該基材上に吸水層(B)を形成する工程と、
該吸水層(B)に、親水層(A)用の重合性組成物を塗布して当該親水層(A)用の重合性組成物の塗膜を形成し、その後、当該塗膜を構成する重合性組成物を重合硬化して該吸水層(B)上に親水層(A)を形成する工程と
を含む。

0242

ここで、吸水層(B)用の重合性組成物および親水層(A)用の重合性組成物の重合硬化は、いずれも、UV照射または加熱によって行うことができる。

0243

ここで、密着性を向上させるために基材と吸水層(B)の間、或いは吸水層(B)と親水層(A)の間に接着剤(プライマー)を塗布して積層してもよいし、基材あるいは吸水層(B)の表面をプラズマ処理、コロナ処理、およびポリシング等の表面処理を施しても良い。また、硬度向上を目的として、ハードコートされた材料を基材として用いても良いし、基材にハードコート層を積層して、その上に吸水層(B)および親水層(A)を形成しても良い。さらにその他の機能を付与する目的で、基材と吸水層(B)の間、或いは吸水層(B)と親水層(A)の間に上記以外の物質を積層してもよい。さらに、例えば、最外層の表面エネルギーを制御する目的で最外層の親水層(A)に表面処理を行ったり、最外層の親水層(A)と反応性を有する化合物等でグラフト処理を施してもよい。

0244

ハードコート付プラスチック製基材の場合、最初にその表面を研磨剤で磨き、洗浄乾燥後にコロナ処理等の表面処理を施して濡れ性を向上する。次いでハードコート層と吸水層(B)の接着性を向上させるために公知のプライマーを公知の塗布方法(スピンコート、ディップコートスプレーコート、流し塗り、刷毛塗り等)で塗装し、乾燥後、吸水層(B)用の重合性組成物を上記と同様に塗布しUV照射または加熱によって重合硬化して基材上に吸水層(B)を形成する。最後に親水層(A)用の重合性組成物を吸水層(B)表面に同様に塗布し必要に応じて乾燥後UV照射または加熱によって重合硬化して最外層に親水層(A)と内部に吸水層(B)と基材を包括する積層体を得る。

0245

本発明の積層体を、例えば防曇材料として使用し、長期間外部に曝されても変質しないようにしたり、有害な紫外線をカットして目を保護したりする場合、本発明の親水層(A)用の重合性組成物および吸水層(B)用の重合性組成物のいずれかまたはどちらか一方に、紫外線吸収剤および/またはヒンダードアミン光安定剤を添加することが望ましい。

0246

上記紫外線吸収剤は特に限定はされず、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤トリアジン系紫外線吸収剤ベンゾフェノン系紫外線吸収剤ベンゾエート系紫外線吸収剤、プロパンジオック酸エステル系紫外線吸収剤、オキサニリド系紫外線吸収剤等の種々の紫外線吸収剤を用いることができる。

0247

上記紫外線吸収剤としては、例えば、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−ブチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル-1−フェニルエチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(1−メチル-1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(3−オン−4−オキサ−ドデシル)−6−tert−ブチル−フェノール、2−{5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル}−4−(3−オン−4−オキサ−ドデシル)−6−tert−ブチル−フェノール、2−{5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル}−4−メチル-6−tert−ブチル−フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−{5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル}−4,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル6−n−ドデシルフェノール、メチル-3−{3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネートポリエチレングリコール300の反応性生物等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−(4−フェノキシ−2−ヒドロキシ−フェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オキサ−ヘキサデシロキシ)−4,6−ジ(2,4−ジメチル-フェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オキサ−ヘプタデシロキシ)−4,6−ジ(2,4−ジメチル-フェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−iso−オクチロキシ−フェニル)−4,6−ジ(2,4−ジメチル-フェニル)−1,3,5−トリアジン、商品チヌビン400(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)、商品名チヌビン405(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)、商品名チヌビン460(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)、商品名チヌビン479(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)等のトリアジン系紫外線吸収剤;2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤;プロパンジオック酸−{(4−メトキシフェニル)−メチレン}−ジメチルエステル、商品名ホスタビンPR−25(クラリアントジャパン株式会社製)、商品名ホスタビンB−CAP(クラリアント・ジャパン株式会社製)等のプロパンジオック酸エステル系紫外線吸収剤;2−エチル−2’−エトキシ−オキサニリド、商品名Sanduvor VSU(クラリアント・ジャパン株式会社製)等のオキサニリド系紫外線吸収剤等が挙げられる。これら紫外線吸収剤の中でもベンゾトリアゾール系またはトリアジン系紫外線吸収剤が好ましい傾向にある。

0248

上記ヒンダードアミン光安定剤(Hindered Amine Light Stabilizers:略称HALS)は、通常、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン骨格を有する化合物の総称であり、分子量により、低分子量HALS、中分子量HALS、高分子量HALS及び反応型HALSに大別される。ヒンダードアミン光安定剤としては、例えば、商品名チヌビン111FDL(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル-4−ピペリジルセバケート(商品名チヌビン123(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製))、商品名チヌビン144(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)、商品名チヌビン292(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)、商品名チヌビン765(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)、商品名チヌビン770(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル-4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物(商品名CHIMSSORB119FL(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製))、商品名CHIMASSORB2020FDL(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)、コハク酸ジメチル-1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物(商品名CHIMASSORB622LD(チバ・スペシャリ・ティー・ケミカルズ株式会社製))、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチル-ブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチルラウリル−4−ピペリジル)イミノ}](商品名CHIMASSORB944FD(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製))、商品名Sanduvor3050 Liq.(クラリアント・ジャパン株式会社製)、商品名Sanduvor3052 Liq.(クラリアント・ジャパン株式会社製)、商品名Sanduvor3058 Liq.(クラリアント・ジャパン株式会社製)、商品名Sanduvor3051 Powder.(クラリアント・ジャパン株式会社製)、商品名Sanduvor3070 Powder.(クラリアント・ジャパン株式会社製)、商品名VP Sanduvor PR−31(クラリアント・ジャパン株式会社製)、商品名ホスタビンN20(クラリアント・ジャパン株式会社製)、商品名ホスタビンN24(クラリアント・ジャパン株式会社製)、商品名ホスタビンN30(クラリアント・ジャパン株式会社製)、商品名ホスタビンN321(クラリアント・ジャパン株式会社製)、商品名ホスタビンPR−31(クラリアント・ジャパン株式会社製)、商品名ホスタビン845(クラリアント・ジャパン株式会社製)、商品名ナイロスタッブS−EED(クラリアント・ジャパン株式会社製)等が挙げられる。

0249

上記紫外線吸収剤およびヒンダードアミン光安定剤の添加量は、特に限定はされないが、一般式(1)で表される化合物と、上述の「その他の重合性化合物」と、上述の無機微粒子との合計重量を100重量部として、それぞれ0.001〜10重量部の範囲が好ましく、0.01〜5重量部の範囲がより好ましく、0.05〜3重量部の範囲がさらに好ましい。

0250

溶剤除去の際の温度、湿度および時間は、上記「吸水層(B)の形成方法」で上述した範囲のものとすることができる。

0251

風を伴い溶剤を除去する場合の風速は、好ましくは30m/秒以下、より好ましくは0.1〜30m/秒の範囲、さらに好ましくは0.2〜20m/秒の範囲、特に好ましくは0.3〜10m/秒の範囲である。

0252

溶剤除去の際の圧力は特に限定されず、常圧または減圧が比較的に好ましいが、微加圧であってもよい。

0253

本発明の上記の重合性組成物を基材等に塗布して重合硬化することにより、本発明の親水層(A)と吸水層(B)を有する積層体が得られる。上記の重合方法には特に制限はなく、例えば、熱または放射線を用いて、あるいは両者を併用して重合することができる。

0254

上記の重合硬化は大気下で行うこともできるが、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行った場合は重合時間を短縮できる点で好ましい。

0255

熱を用いて重合する場合、通常、上記の重合性組成物に有機過酸化物等の熱ラジカル発生剤を加え室温から300℃以下の範囲で加熱する。

0256

放射線を用いて重合する場合、照射する放射線の波長は、上記「吸水層(B)の形成方法」で上述した範囲のものとすることができる。ただ、上記の重合性組成物中に紫外線吸収剤、ヒンダードアミン安定剤が添加されている場合には、出力ピークが250〜280nmまたは370〜430nmの範囲の紫外線を用いることが好ましい。

0257

なお、装置は高価だが、0.01〜0.002nmの範囲の電子線を放射線として用いると、短時間で重合が完結できるため好ましい。

0258

放射線により上記の重合性組成物の重合を行う場合には、酸素による重合阻害を回避する目的で、上記の重合性組成物を基材等に塗布して、必要に応じて乾燥を行った後、該塗布層被覆材フィルム等)で被覆し放射線を照射して重合してもよい。被覆材で該塗布層を被覆する際には、該塗布層と被覆材との間に空気(酸素)を含まないように密着することが望ましい。

0259

酸素を遮断することにより、例えば、(光)重合開始剤量および放射線照射量を減らせる場合がある。

0260

上記被覆材としては、酸素が遮断される材料であれば如何なる材料および形態でも構わないが、操作性の面からフィルムが好ましく、それらフィルム中でも放射線重合が容易な透明フィルムが好ましい。フィルムの厚さは通常3〜200μmの範囲であり、それらの中でも5〜100μmが好ましく、10〜50μmであればさらに好ましい。

0261

上記被覆材として好ましく用いられるフィルムの材質としては、例えば、ポリビニルアルコールPVA)、エチレンビニルアルコール共重合体等のビニルアルコール系重合体ポリアクリルアミドポリイソプロピルアクリルアミドポリアクリロニトリル、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)が挙げられる。

0262

このようにして得られた本発明の積層体では、親水層(A)としてアニオン性、カチオン性、またはノニオン性の親水基の傾斜度(親水膜表面の親水基強度/親水膜中心の親水基強度)が1.1以上である架橋樹脂からなる層と、その親水層(A)と基材との間に吸水層(B)として吸水率5〜500wt%の架橋樹脂からなる層を有していることを特徴とする。この親水基強度の比は、親水膜表面の親水基濃度と親水膜中心の親水基濃度との比(親水基濃度比)に対応するものである。

0263

本発明の積層体は、基材の少なくとも片面上の最外層(大気が接触する側)に上記親水基を有する親水層(A)と内部に吸水層(B)が設けられている。そしてその親水層(A)では、上記親水基が、基材側の膜深部から表面まで分布し、特に外気と接する最表面に多く分布するように濃度差(傾斜度(親水基濃度比)(Sa/Da))を有している。また基材と損水層の間(内部)に存在する吸水層(B)は非常に高い吸水性を有している。

0264

上記の吸水層(B)用組成物を基材に塗布して重合硬化した後、形成された吸水層(B)の表面上に親水層(A)用の重合性組成物を基材等に塗布し溶剤乾燥して重合硬化すると、内部に吸水層(B)と最外層にアニオン性親水基、カチオン性親水基、および水酸基から選ばれる少なくとも1種の親水基が外気に接する表面に自己集合した親水層(A)を有する積層体が形成される。

0265

このように、本発明の架橋樹脂からなる積層体は、その表面に上記親水基が高濃度で存在するので、防曇性、防汚性またはセルフクリーニング性帯電防止性または埃付着防止性等に優れるとともに耐擦傷性に優れるため傷つきにくい。さらに内部に吸水性の高い架橋樹脂層を有するので、表面付近に存在する水分を内部に吸収してさらに防曇性を高めることができる。

0266

上記傾斜度(親水基濃度比)は、所定の積層体サンプルを斜めに切断し、積層体の外気に接していた表面と、積層体の膜厚1/2地点とにおける、アニオン性親水基(例えば、スルホ基、カルボキシル基、リン酸基など)の濃度を、飛行時間型2次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)を用いてフラグメントイオン強度としてそれぞれ測定して、その値(相対強度)から求める。つまり、本発明でいう「親水基強度」は、具体的には、親水基に対応するフラグメントイオン強度の値として観測することができる。したがって、本発明でいう「親水基の傾斜度(親水膜表面の親水基強度/親水膜中心の親水基強度)」は、上記傾斜度(親水基濃度比)に相当するものである。以上のことから、本明細書においては、上記「親水基の傾斜度」について、「傾斜度(親水基濃度比)」、「親水基濃度比」、あるいは、「親水基濃度の傾斜度」と呼ばれる場合があり、単に「傾斜度」と呼ばれる場合もある。

0267

本発明の親水層(A)と吸水層(B)を有する積層体の水接触角は通常50°以下であり、好ましくは30°以下であり、より好ましくは20°以下、さらに好ましくは10°以下である。

0268

水接触角が上記数値以下の積層体は、親水性が高く、水となじみ(濡れ)やすく親水性材料として優れる。そのため、例えば、防曇材料、防曇被膜(以下、防曇コートとも言う)、防汚材料、防汚被膜またはセルフクリーニングコート、並びに帯電防止材帯電防止被膜またはほこり付着防止コート等に有用である。たとえば、防曇コートとして用いた場合には、膜表面に水滴広がり水膜を形成させることができるため防曇効果に優れ、またセルフクリーニングコートとして用いると水が汚れとコーティング面の間に入り込み汚れを浮かせて除去することができるため防汚効果に優れている。さらに親水性の積層体は、水が広がることにより蒸発面積が拡大し、蒸発速度が向上して乾燥が早くなる。

0269

同様に、本発明の親水層(A)と吸水層(B)を有する積層体は、内部に積層される吸水層(B)の吸水率が少なくとも5〜500wt%の範囲、好ましくは10〜300wt%の範囲、より好ましくは20〜200wt%の範囲、さらに好ましくは30〜150wt%の範囲にあり、高い吸水力を有するために、驚くべきことに表面の親水層(A)付近に移ある水分を、親水層(A)を通過させて吸収することができるため、非常に高い防曇性を発揮することが可能である。

0270

また、本発明の積層体は親水性基を高濃度で表面に偏析(集中化)させている親水層(A)を最外層に有し、内部に吸水性の高い吸水層(B)を有しているため、偏析させていない従来の親水性の被膜、或いは吸水性の被膜しか積層していない従来の積層体に比べて、耐擦傷性および帯電防止性に優れ、ハードコート材、帯電防止材、帯電防止被膜、ほこり付着防止コート等としても有用である。

0271

上記水接触角が30°以下、好ましくは20°以下、より好ましくは10℃以下である場合は、本発明の積層体は、防曇材料、防汚材料、速乾性材料、帯電防止材料として特に好ましく用いられる。なお、上記水接触角は通常0°以上である。

0272

本発明の積層体の親水層(A)の膜厚は、用途により適宜決め得るが、通常0.0001〜500μm、より好ましくは0.01〜100μm、さらに好ましくは0.01〜1μmまたは1〜30μmの範囲である。

0273

同様に本発明の積層体の吸水層(B)の膜厚は、用途により適宜決め得るが、通常0.1〜500μm、より好ましくは0.5〜100μm、さらに好ましくは1〜50μmの範囲である。

0274

本発明の積層体の形成方法には特に制限はないが、例えば、吸水層(B)ようの重合性組成物を塗布し重合硬化した後、親水層(A)用の重合性組成物を吸水層(B)上に塗布した後、必要に応じて乾燥し重合させることによって形成することができる。

0275

このようにして基材表面に本発明の親水層(A)と吸水層(B)をコートして形成したものは、基材とコート層とを含む積層体として用いることができる。例えば、上記の親水層(A)と吸水層(B)が防曇被膜、防汚被膜、速乾性被膜、または帯電防止被膜である場合には、防曇被膜、防汚被膜、速乾性被膜または帯電防止被膜で基材が被覆された積層体が得られる。

0276

また、基材がフィルムの場合には、例えば、本発明の親水層(A)と吸水層(B)を形成しない面に、後述の粘着層を設けることもできるし、さらに粘着層の表面に剥離フィルムを設けることもできる。基材フィルムの他の片面に粘着層を積層しておくと、本発明の積層体を有する積層フィルム防曇フィルムおよび防汚フィルムとして、ガラス、浴室等の鏡、ディスプレイ、テレビ等の表示材料表面、看板広告案内板等の案内板、鉄道道路等の標識、建物の外壁、窓ガラス等に容易に貼付できる。

0277

粘着層に用いる粘着剤は特に制限はなく、公知の粘着剤を用いることができる。粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤ゴム系粘着剤ビニルエーテルポリマー系粘着剤、およびシリコーン粘着剤等が挙げられる。粘着層の厚さは通常2〜50μmの範囲、好ましくは5〜30μmの範囲である。

0278

また、本発明の積層体および該積層体を積層した積層体では、積層体の外気に接する表面を被覆材で被覆しておいてもよい。被覆材により被覆された積層体および該積層体を有する積層体では、輸送保管陳列等する際に、積層体が傷ついたり、汚れたりするのを防ぐことができる。

0279

上記被覆材としては、放射線により重合して基材等の上に本発明の積層体を形成させる際に塗膜に密着させていた前述の被覆材をそのまま上記被覆材として用いることもできる。

0280

上記被覆材として好ましく用いられるフィルムの材質としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアセチルセルロース(TAC)、エチレン・ビニルアルコール共重合体等のビニルアルコール系重合体、ポリアクリルアミド、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン(PS)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)が挙げられる。

0281

また、上記の親水層(A)用重合性組成物および/または吸水層(B)用重合性組成物を種々の形状の鋳型内で重合させることにより、種々の形状を有する架橋樹脂、例えば積層体、成形体などを得ることもできる。

0282

本発明で得られる積層体および該積層体を含む積層体は、防曇材料、防汚材料、速乾燥性材料、結露防止材料、帯電防止材料等として好適に使用できる。

0283

上記積層体は、被覆対象物に被覆して、親水性、防曇性、および防汚性を付与することができる。被覆対象物としては、例えば、
車両及び車両材料;
船舶及び船舶材料;
航空機及び航空機材料;
建築物及び建築材料
車両、船舶、航空機及び建築物等の、窓、鏡、外壁、外装ボディーホイール内壁内装、床、家具及び家具材料;
配管および配線などの用役類およびそれらの材料;
衣服および布などの繊維製品
洗面台、浴室、化粧室換気扇、およびキッチンなどの住宅設備およびその材料;
洗濯機食器乾燥機冷蔵庫電子レンジオーブン、およびシェーバーなどの電化製品及びそれらの材料;
モニター、ディスプレイ、標識、計器表示器、及びそれらの材料;
光学フィルム、光ディスク、光学レンズ、眼鏡レンズ、メガネ、サングラス、コンタクトレンズ、ゴーグル、ヘルメットシールド、ヘッドランプ、テールランプ等の光学物品及びその材料;
入れ歯およびデンチャー等の歯科材料
ランプ及びライト等の照明物品及びその材料;
冷却フィン等の熱交換機部品およびその材料;
フォトレジスト及びインクジェット記録版等の記録印刷材料
化粧品容器及びその材料;
反射フィルム反射板等の反射材料
高速道路等に設置される遮音板
ディスプレイ材料
印刷もしくは印字用プライマー、及びその他プライマー;
フラットパネル
タッチパネル
シート
速乾燥性のフィルムもしくはテープ;並びに、
透明樹脂、及びガラス等の透明材料などが挙げられる。また、上記積層体は、さらに結露防止性を付与したり、帯電防止性を付与したりすることもできる。

0284

以下、実施例等により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例のみに限定されるものではない。

0285

なお、本発明において被膜の物性評価は、下記のようにして行った。

0286

<親水基濃度比の測定>
図1に示す試料調製の通りサンプルを斜めに切断し、飛行時間型2次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)を用いて、親水基であるスルホ基、カルボキシル基、リン酸基、4級アンモニウム基、および水酸基を有する親水性化合物フラグメントイオンについて、その親水性化合物に由来する外表面のフラグメントイオン濃度(Sa)と上記中間地点とのフラグメントイオン濃度(Da)とを測定し、その値から外気に接する膜の外表面と膜の内表面と外表面との中間地点の親水性化合物に由来する親水基の濃度の比、すなわち親水基濃度の傾斜度(Sa/Da)を求めた。

0287

(分析装置と測定条件
TOF−SIMS; ION・TOF社製 TOF−SIMS5
1次イオン; Bi32+ (加速電圧25kV)
測定面積; 400μm2
測定には帯電補正用中和を使用

0288

(試料調製等)
図1に示す通りに、基材10の表面にコート層20が設けられたサンプルを切削方向30に向かって、精密斜め切削を行った後、10×10mm2程度の大きさに切り出し、測定面にメッシュを当て、サンプルホルダーに固定し、外気と接するコート層表面40および膜の内部であるコート層内部50(膜厚1/2の地点、基材10に接するコート層の内表面)で飛行時間型2次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)を用いて親水基濃度を測定した。

0289

(評価)
評価は以下の計算式で行った。尚、各測定点イオン濃度は、相対強度(トータル検出イオンに対する)を用いた。

0290

Sa/Da(親水基濃度比,傾斜度)=コート層表面40での親水基濃度/コート層20の膜厚1/2の地点での親水基濃度

0291

<水接触角の測定>
協和界面科学社製の水接触角測定装置CA−V型を用いて、1サンプルについて3箇所測定し、これらの値の平均値を水接触角の値とした。

0292

実施例1、比較例10については、水洗後の水接触角の測定も行った。

0293

ここで「水洗後」とは、流水で30秒間サンプル表面洗浄後、エアーブローで乾燥したサンプルを意味する。

0294

本発明において、共重合体(i)、(ii)および(iii)の構造の評価は下記のようにして行った。

0295

<共重合体の組成比
スルホン酸含有基を有するユニット(1)、エポキシ基を有するユニット(2)のユニット、およびトリアルコキシシリル基を有するユニット(3)のユニット比(1)/(2)/(3)は13C−NMRにより分析した。測定条件を以下に記載する。

0296

(測定条件)
* 装置:ECX-400P (日本電子)
* 測定核: 13C
* 測定モード:シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング
パルス幅: 45°(5.0μ秒)
ポイント数: 64K
観測範囲: 31407Hz
* Scan回数: 20000回
* 測定溶剤: D2O
測定温度: 室温
試料濃度: 500mg/1.0ml−D2O
(ユニット比(1)/(2)/(3)の解析
下記式(200)のf炭素ピーク(57〜59ppm付近)、下記式(300)のk炭素のピーク(65〜67ppm付近)、および下記式(400)のr炭素のピーク(67〜69ppm付近)の積分強度比で算出した。

0297

即ち、ユニット比(1)/(2)/(3)=f炭素ピーク積分強度/k炭素ピークの積分強度/r炭素ピークの積分強度とした。

0298

0299

0300

0301

<重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)>
Mw(重量平均分子量)、および重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比
分子量分布 Mw/MnはGPCにより分析した。測定条件を以下に記載する。

0302

(測定条件)
* 装置: GPC−MALS
カラム: TSKgel α-M
*測定温度: 23℃
溶離液: 水 (0.1M-NaCl)
流速: 0.7ml/min.
*分子量校正分子量既知のポリエチレングリコールにより行った。

0303

なお、本発明においてコーティング膜の物性評価は、下記のようにして行った。

0304

<防曇性の測定>
評価サンプルの前処理
サンプルを70℃のオーブン内で1時間乾燥した後、25℃、湿度30%以下の環境下で30分間放置した後のサンプルを測定した。
評価方法
直径7cm、高さ4.2cmのシャーレに蒸留水を1.2cmの高さとなるように加え、蒸留水の温度が50℃となるようにした。その後作成したサンプルの塗工面に50℃の蒸気があたるように塗工サンプルでシャーレに蓋をし、曇るまでの時間を測定した。

0305

曇るまでの時間とはサンプル表面に水膜が生じるまでの時間を目視で確認し計測した。

0306

また評価は初期、トレシー(東レ株式会社製、OAトレシー)で1kg荷重、10往復ワイピングしたものに対して実施した。

0307

実施例1、比較例10については、水洗後の防曇性能も評価した。

0308

ここで「水洗後」とは、流水で30秒間サンプル表面を洗浄後、エアーブローで乾燥したサンプルを意味する。

0309

〈曇り後の視認性〉
サンプル表面に水滴が付着した際の状態を以下のように区別して評価した。
○:均一膜が形成され視認性が確保されている。
△: 不均一な膜が形成されているが視認性が確保されている。
× : 白く曇り視認性が確保されていない。
視認性とはサンプルを通してサンプル奥の状態を識別できるかできないかを意味する。

0310

実施例1、比較例10については、水洗後の「曇り後の視認性」も評価した。
ここで「水洗後」とは、流水で30秒間サンプル表面を洗浄後、エアーブローで乾燥したサンプルを意味する。

0311

<線膨張率測定>
・測定サンプル
縦、横 3〜4mm、高さ2〜3mm片の長方形の樹脂片を作製し、100℃、1時間乾燥させたものを線膨張率測定用サンプルとした。
測定方法
装置TMA−60 (島津製作所社製)
サンプル片に1.0mm2辺り1.0gの荷重がかかるように荷重をかけ、10℃/minの速度で温度上昇させ30℃〜120℃間の線膨張率を測定した。

0312

<吸水層の吸水率>
・測定サンプル
縦0.5〜1.5cm、横4.5〜5.5cm、厚さ0.3〜1.0cmの樹脂片
・測定方法
樹脂片初期重量を測定した後、25℃の蒸留水に浸漬させ24時間後の重量(吸水後の重量)を測定した。吸水率は(吸水後の重量—初期重量)/初期重量×100により算出した。

0313

<膜厚測定>
・吸水層(B)の膜厚測定
シリコーンウエハー上に単層で塗布した膜をETA−ARC(OPto Tech社製)によって測定した。
・親水層(A)の膜厚測定
測定機器
電界放出型透過電子顕微鏡(FE-TEM) : JEM-2200FS(日本電子製)
FBI加工装置:SMI2050 (セイコーインスツルメンツ社製)
前処理
試料を切り出し、Ptコートを施した後カーボン蒸着を施した。更に、FIB加工装置内にてカーボンデポジションを施し、これらを保護層とした。その後、イオンビーム薄片化し観察検体とした。

0314

<ワイピング試験>
トレシー(東レ株式会社製、OAトレシー)で1kg荷重、10往復ワイピングしたものに対して実施した。
装置:往復摩擦試験機Type :30s (新東科学株式会社製)

0315

[合成例1] <共重合体(i)の製造,原料濃度15wt%>
減圧下で脱ガスされたメタノール936.9gを反応フラスコ装入し、攪拌しながら純度85wt%のKOHフレーク38.3g(0.580モル)を徐々に加えて完溶させた。次にアクリルアミド−t−ブチルスルホン酸(以下ATBSと略す。)124.0g(0.585モル)を分割装入して中和(PH=7.6)を行い、アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸カリウム塩(以下ATBS−Kと略す。)を含む中和混合物を作製した。

0316

次に、グリシジルメタクリレート(以下GMAと略す。)10.3g(0.0725モル)とメタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン(以下KBE−503と略す。)21.1g(0.0725モル)とメタノール2.0gとの混合液、および重合開始剤であるt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(以下パーブチル−Oと略す。)0.63gとメタノール6.3gとの混合液を各々調製した。これらそれぞれを、得られた中和混合物を加熱還流(内温66℃)している反応フラスコに、2時間かけて三分の一ずつ分割装入し、装入終了後、さらに加熱還流および撹拌条件下で16時間重合を行った。

0317

室温まで冷却後、晶析した共重合体を濾別し、得られた濾塊をメタノールで洗浄後、減圧下(100mmHg未満)50℃の条件で重量変化がみられなくなるまで十分に乾燥し、白色の共重合体127.8g(収率73%)を得た。

0318

得られた共重合体のGPC分析を行った結果、重量平均分子量Mw=366,000、Mw/Mn=6.78であった。また、13C−NMR分析を行った結果、共重合体の構成単位比率ATBS−Kユニット/GMAユニット/KBE−503ユニット=0.8/0.1/0.1であった。

0319

以下の記載において、この共重合体を共重合体(i)と呼ぶこととする。

0320

[実施例1]
コーティング用組成物A1の調製>
合成例1で作製された共重合体(i)0.75gに水3.75gを混合して溶液を作製した後、撹拌条件下、この溶液に2−メトキシエタノール(以下EGMと略す。)16.65g、テトラエトキシシラン(以下TEOSと略す。)2.56g、および5wt%硫酸0.5g、EGMで希釈した1wt%Tris(2,4-pentanedionato)-aluminum(III)を0.75g混合した。得られた混合液を30分間撹拌して、固形分NV6wt%の無色透明なコーティング用組成物A1を得た。この組成物中の共重合体 (i)/TEOS(SiO2換算)重量比は50/50である。

0321

<コーティング用組成物B1の調製>
テトラデカエチレングリコールジアクリレート(新中化学社製、商品名 :A-600) 100gに2−ヒドロキシ-2−メチルプロピオフェノン(チバ・ジャパン株式会社製、商品名:DAROCURE1173) 3.0g、シリコーン系界面活性剤共栄社化学社製KL−100) 0.25gを加え撹拌混合してコーティング用組成物B1を調製した。

0322

ウレタン系プライマー組成物の調製>
三井化学社製タケラックA315(固形分50wt%)2.5g、溶媒である酢酸プロピル27.4g、および三井化学製タケネートA10(固形分75wt%) 0.25g、共栄社化学社製ライトアクリレートPE−3A0.077gを混合溶解した。次に硬化触媒であるジオクチルチンジラウレート(日東化成株式会社製、商品名:ネオスタンU-810) 0.0045g加え撹拌混合し、固形分5wt%のウレタン系プライマー組成物 30.26gを調製した。

0323

コーティング積層体の形成および評価>
良く洗浄された青板ガラス(表面の水接触角5°未満)の表面に、上記プライマー組成物スピンコータで500rpm 10秒、2000rpm 30秒の条件で塗布し、100℃×1時間加熱し、青板ガラス表面に厚み0.3μmプライマー層を形成した。

0324

そのプライマー層表面に、コーティング用組成物B1をスピンコータで500 rpm 60秒の条件で塗布し、その後UV照射(紫外線硬化メタルハライドランプ、UB012−5BMアイグラフィック株式会社製、照度UVA 250mW/cm2、UVC57mW/cm2,積算光量UVA 2643 mJ/cm2、UVC 591mJ/cm2 ヘレウス社UV POWERPUCKIIにて測定) して、プライマー層表面に厚み25μmの吸水層を形成した。

0325

次にその吸水層表面に、コーティング用組成物A1をスピンコータで500rpm 10秒、3000rpm 30秒の条件で塗布し、120℃×1時間加熱し、吸水層表面に厚み70nmの親水層を有する積層体を形成した。

0326

評価結果を表2および表9に示す。

0327

<親水層の傾斜度の測定>
親水基が傾斜した構造を親水層が有することを確認するため、以下の手順にしたがって、親水層の傾斜度(Sa/Da)を測定した。ここでサンプルの加工作業都合上、下記に示す方法により形成された積層体を測定サンプルとして用いた。

0328

良く洗浄されたガラス板(表面の水接触角8°未満)の表面に、上記コーティング用組成物A1をバーコーター#24で塗布し、50℃で5分間予備乾燥した後、120℃×1時間加熱し、ガラス板表面に親水層のみからなる膜厚1.5μmのコーティング膜を形成した。室温まで冷却して、コーティング膜表面を水で洗浄してエアガンで乾燥した。

0329

このようにして得られた積層体に対し、その後、上記「親水基濃度比の測定」に記載の方法に従い測定を行った。

0330

結果を表1に掲載する。

0331

0332

[実施例2]
<コーティング用組成物B2の調製>
トリコサエチレングリコールジアクリレート(新中村化学社製、商品名 :A-1000) 70gに1−メトキシ-2−プロパノール30g、2−ヒドロキシ-2−メチルプロピオフェノン(チバ・ジャパン株式会社製、商品名:DAROCURE1173) 2.1gを加え撹拌混合してコーティング用組成物B2を調製した。

0333

<コーティング積層体の形成および評価>
実施例1と同様に青板ガラス上に上記ウレタン系プライマーを塗布、硬化したサンプルを作成し、そのプライマー層表面に、コーティング用組成物B2をスピンコータで500rpm 60秒の条件で塗布し厚み12μmの吸水層を形成した以外は実施例1と同様の方法で積層体を形成した。

0334

評価結果を表2に示す。

0335

[実施例3]
<コーティング用組成物B3の調製>
トリコサエチレングリコールジアクリレート(新中村化学社製、商品名 :A-1000) 70gにアクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下HEAと略す) 30g、2−ヒドロキシ-2−メチルプロピオフェノン(チバ・ジャパン株式会社製、商品名:DAROCURE1173) 2.1gを加え撹拌混合してコーティング用組成物B3を調製した。

0336

<コーティング積層体の形成および評価>
実施例1と同様に青板ガラス上に上記ウレタン系プライマーを塗布、硬化したサンプルを作成し、そのプライマー層表面に、コーティング用組成物B3をスピンコータで500rpm 60秒の条件で塗布し厚み21μmの吸水層を形成した以外は実施例1と同様の方法で積層体を形成した。

0337

評価結果を表2に示す。

0338

[実施例4]
<コーティング用組成物B4の調製>
2,2-ビス-[4−(アクリロキシ-ポリエトキシ)フェニル]-プロパン(EO30mol) (新中村化学社製、商品名 :A-BPE−30) 80gに1−メトキシ-2-プロパノール20g、2−ヒドロキシ-2−メチルプロピオフェノン(チバ・ジャパン株式会社製、商品名:DAROCURE1173) 2.4gを加え撹拌混合してコーティング用組成物B4を調製した。

0339

<コーティング積層体の形成および評価>
実施例1と同様に青板ガラス上に上記ウレタン系プライマーを塗布、硬化したサンプルを作成し、そのプライマー層表面に、コーティング用組成物B4をスピンコータで500rpm 60秒の条件で塗布し厚み25μmの吸水層を形成した以外は実施例1と同様の方法で積層体を形成した。

0340

評価結果を表2に示す。

0341

[実施例5]
<コーティング用組成物B5の調製>
下記化合物100を6.5g、化合物101を29.8g、化合物102を39.0g、化合物103を19.7g、メタノール5.0gを撹拌混合し、その後2−ヒドロキシ-2−メチルプロピオフェノン(チバ・ジャパン株式会社製、商品名:DAROCURE1173) 2.9gを加え撹拌混合してコーティング用組成物B5を調製した。

0342

<コーティング積層体の形成および評価>
実施例1と同様に青板ガラス上に上記ウレタン系プライマーを塗布、硬化したサンプルを作成し、そのプライマー層表面に、コーティング用組成物B5をスピンコータで1000rpm 60秒の条件で塗布し厚み19μmの吸水層を形成した以外は実施例1と同様の方法で積層体を形成した。

0343

評価結果を表2に示す。

0344

0345

n1は3〜20の整数を表す。

0346

0347

n2は3〜24の整数を表す。

0348

0349

n3は0〜22の整数を表す。

0350

0351

n4は0〜38の整数を表す。

0352

[実施例6]
<コーティング用組成物B6の調製>
化合物100を4.8g、化合物101を22.1g、化合物102を28.7g、化合物103を14.5g、固形分30wt%のメタノールシリカゾル(日産化学工業社製商品名:メタノールシリカゾル;粒子径10〜15nm)100.0gを撹拌混合し170.1gの溶液を調製した。その後溶液の重量が95.0gになるまで減圧蒸留によりエチレングリコールモノn−プロピルエーテルを除去した。次に、2−ヒドロキシ-2−メチルプロピオフェノン(チバ・ジャパン株式会社製、商品名:DAROCURE1173) 3.0g、シリコーン系レベリング剤(共栄社化学社製KL−100)を0.25g加え、撹拌混合してコーティング用組成物B6を調製した。

0353

<コーティング積層体の形成および評価>
実施例1と同様に青板ガラス上に上記ウレタン系プライマーを塗布、硬化したサンプルを作成し、そのプライマー層表面に、コーティング用組成物B6をスピンコータで1000rpm 60秒の条件で塗布し厚み26μmの吸水層を形成した以外は実施例1と同様の方法で積層体を形成した。

0354

評価結果を表2に示す。

0355

[実施例7]
<コーティング用組成物B7の調製>
1,2,3−トリ(アクリロキシ-ポリエトキシ)プロパン(EO20mol)(新中村化学社製、商品名 :A-GLY−20E) 100gに2−ヒドロキシ-2−メチルプロピオフェノン(チバ・ジャパン株式会社製、商品名:DAROCURE1173) 3.0gを加え撹拌混合してコーティング用組成物B7を調製した。

0356

<コーティング積層体の形成および評価>
実施例1と同様に青板ガラス上に上記ウレタン系プライマーを塗布、硬化したサンプルを作成し、そのプライマー層表面に、コーティング用組成物B7をスピンコータで500rpm 60秒の条件で塗布し厚み26μmの吸水層を形成した以外は実施例1と同様の方法で積層体を形成した。

0357

評価結果を表2に示す。

0358

[実施例8]
<コーティング用組成物B8の調製>
エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(EO35mol)(新中村化学社製、商品名 :ATM−35E) 100gに2−ヒドロキシ-2−メチルプロピオフェノン(チバ・ジャパン株式会社製、商品名:DAROCURE1173) 3.0gを加え撹拌混合してコーティング用組成物B8を調製した。

0359

<コーティング積層体の形成および評価>
実施例1と同様に青板ガラス上に上記ウレタン系プライマーを塗布、硬化したサンプルを作成し、そのプライマー層表面に、コーティング用組成物B8をスピンコータで1000rpm 60秒の条件で塗布し厚み18μmの吸水層を形成した以外は実施例1と同様の方法で積層体を形成した。

0360

評価結果を表2に示す。

0361

[実施例9]
<コーティング用組成物B9の調製>
トリコサエチレングリコールジアクリレート(新中村化学社製、商品名 :A-1000) 70gにヒドロキシプロピルアクリレート(以下HPAと略す) 30g、2−ヒドロキシ-2−メチルプロピオフェノン(チバ・ジャパン株式会社製、商品名:DAROCURE1173) 3.0gを加え撹拌混合してコーティング用組成物B9を調製した。

0362

<コーティング積層体の形成および評価>
実施例1と同様に青板ガラス上に上記ウレタン系プライマーを塗布、硬化したサンプルを作成し、そのプライマー層表面に、コーティング用組成物B9をスピンコータで750rpm 60秒の条件で塗布し厚み15μmの吸水層を形成した以外は実施例1と同様の方法で積層体を形成した。

0363

評価結果を表3に示す。

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