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技術 ピアサープラグの製造方法

出願人 日本製鉄株式会社
発明者 日高康善東田泰斗白沢尚也山成雄一
出願日 2017年5月10日 (3年7ヶ月経過) 出願番号 2018-533425
公開日 2018年11月8日 (2年1ヶ月経過) 公開番号 WO2018-029926
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード オーステナイト変態温度 リーリング 穿孔効率 プラグ表面 肉盛溶接法 砲弾形 損耗量 傾斜ロール
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題・解決手段

優れた耐母材変形性を有するピアサープラグを提供する。ピアサープラグ(10)の製造方法は、先端部(11)と、バーを取り付けるための穴(121)を含み、先端部(11)の後方に配置される筒部(12)とを備えるプラグ本体(1)を準備する工程と、先端部(11)の表面上に肉盛層(2)を形成する工程と、肉盛層(2)が形成された先端部(11)の温度がオーステナイト変態温度以上になり、かつ筒部(12)の温度がオーステナイト変態温度未満になるように、プラグ本体(1)を加熱する工程とを備える。

概要

背景

マンネスマン製管法は、継目無管の製造方法として広く採用されている。マンネスマン製管法では、高温ビレット穿孔機穿孔圧延する。穿孔機は、一対の傾斜ロールと、ピアサープラグとを備える。ピアサープラグは、一対の傾斜ロールの間であって、パスライン上に配置される。穿孔機は、傾斜ロールによってビレットを周方向に回転させながらピアサープラグに押し込み、ビレットを穿孔圧延して中空素管にする。

穿孔圧延時において、ピアサープラグは、非常に過酷な環境にさらされる。ピアサープラグは、穿孔圧延対象であるビレットから高熱及び高面圧を受ける。通常、ピアサープラグの母材の表面には、酸化スケール皮膜又は溶射皮膜が形成される。当該皮膜は、過酷な穿孔により、母材の表面から摩耗又は剥離して消耗する。皮膜が消耗した時点でピアサープラグの使用を中断して皮膜を再生すれば、ピアサープラグを再使用することができる。しかしながら、母材の変形量及び/又は損耗量許容値を超えた場合、ピアサープラグを再使用することはできない。母材の変形及び/又は損耗(以下、合わせて変形という)は、ピアサープラグの先端部において特に生じやすい。

国際公開第2013/153878号及び国際公開第2013/161489号には、肉盛層が先端部に形成されたピアサープラグが開示されている。これらのピアサープラグでは、熱間強度が高い肉盛層によって先端部の溶損が抑制される。

概要

優れた耐母材変形性を有するピアサープラグを提供する。ピアサープラグ(10)の製造方法は、先端部(11)と、バーを取り付けるための穴(121)を含み、先端部(11)の後方に配置される筒部(12)とを備えるプラグ本体(1)を準備する工程と、先端部(11)の表面上に肉盛層(2)を形成する工程と、肉盛層(2)が形成された先端部(11)の温度がオーステナイト変態温度以上になり、かつ筒部(12)の温度がオーステナイト変態温度未満になるように、プラグ本体(1)を加熱する工程とを備える。

目的

本開示は、優れた耐母材変形性を有するピアサープラグを提供することを目的とする

効果

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請求項1

ピアサープラグの製造方法であって、先端部と、バーを取り付けるための穴を含み、前記先端部の後方に配置される筒部と、を備えるプラグ本体を準備する工程と、前記先端部の表面上に肉盛層を形成する工程と、前記肉盛層が形成された前記先端部の温度がオーステナイト変態温度以上になり、かつ前記筒部の温度が前記オーステナイト変態温度未満になるように、前記プラグ本体を加熱する工程と、を備える、製造方法。

請求項2

請求項1に記載のピアサープラグの製造方法であって、さらに、前記加熱する工程に先だって、前記肉盛層が形成された前記プラグ本体の表面上に溶射皮膜を形成する工程、を備える、製造方法。

請求項3

請求項1又は2に記載のピアサープラグの製造方法であって、前記肉盛層は、Ni−W合金で構成される、製造方法。

技術分野

0001

本開示は、ピアサープラグの製造方法に関する。

背景技術

0002

マンネスマン製管法は、継目無管の製造方法として広く採用されている。マンネスマン製管法では、高温ビレット穿孔機穿孔圧延する。穿孔機は、一対の傾斜ロールと、ピアサープラグとを備える。ピアサープラグは、一対の傾斜ロールの間であって、パスライン上に配置される。穿孔機は、傾斜ロールによってビレットを周方向に回転させながらピアサープラグに押し込み、ビレットを穿孔圧延して中空素管にする。

0003

穿孔圧延時において、ピアサープラグは、非常に過酷な環境にさらされる。ピアサープラグは、穿孔圧延対象であるビレットから高熱及び高面圧を受ける。通常、ピアサープラグの母材の表面には、酸化スケール皮膜又は溶射皮膜が形成される。当該皮膜は、過酷な穿孔により、母材の表面から摩耗又は剥離して消耗する。皮膜が消耗した時点でピアサープラグの使用を中断して皮膜を再生すれば、ピアサープラグを再使用することができる。しかしながら、母材の変形量及び/又は損耗量許容値を超えた場合、ピアサープラグを再使用することはできない。母材の変形及び/又は損耗(以下、合わせて変形という)は、ピアサープラグの先端部において特に生じやすい。

0004

国際公開第2013/153878号及び国際公開第2013/161489号には、肉盛層が先端部に形成されたピアサープラグが開示されている。これらのピアサープラグでは、熱間強度が高い肉盛層によって先端部の溶損が抑制される。

0005

国際公開第2013/153878号及び国際公開第2013/161489のピアサープラグでは、肉盛層を設けたことにより、ピアサープラグの最表層を硬くすることができる。しかしながら、肉盛層を形成する際の入熱により、ピアサープラグの母材の内部において、硬度のばらつきが生じるおそれがある。このようなピアサープラグを使用し、例えばビレットがNi基合金のような極めて厳しい条件で穿孔圧延を実施した場合、ピアサープラグの母材が変形してしまう可能性がある。

0006

本開示は、優れた耐母材変形性を有するピアサープラグを提供することを目的とする。

0007

本開示に係るピアサープラグの製造方法は、先端部と、バーを取り付けるための穴を含み、先端部の後方に配置される筒部とを備えるプラグ本体を準備する工程と、先端部の表面上に肉盛層を形成する工程と、肉盛層が形成された先端部の温度がオーステナイト変態温度以上になり、かつ筒部の温度がオーステナイト変態温度未満になるように、プラグ本体を加熱する工程とを備える。

0008

本開示によれば、優れた耐母材変形性を有するピアサープラグを得ることができる。

図面の簡単な説明

0009

図1は、実施形態に係る製造方法によって製造されるピアサープラグの縦断面図である。
図2は、図1に示すピアサープラグと異なる構成を有するピアサープラグの縦断面図である。
図3は、1250℃におけるNi−W合金の0.2%耐力とWの含有量との関係を示すグラフである。
図4は、図1又は図2に示すピアサープラグが組み込まれた穿孔機の概略構成を示す図である。
図5は、加熱装置の模式図である。
図6は、図5に示す加熱装置とは別の加熱装置の模式図である。
図7は、実施例及び比較例に係るピアサープラグの各々について、プラグ変形量とパス数との関係を示すグラフである。
図8は、実施例及び比較例に係るピアサープラグの各々について、各パス穿孔効率を示すグラフである。
図9は、実施例及び比較例に係るピアサープラグの各々について、1パス当たりの母材変形量を示すグラフである。

0010

実施形態に係るピアサープラグの製造方法は、先端部と、バーを取り付けるための穴を含み、先端部の後方に配置される筒部とを備えるプラグ本体を準備する工程と、先端部の表面上に肉盛層を形成する工程と、肉盛層が形成された先端部の温度がオーステナイト変態温度以上になり、かつ筒部の温度がオーステナイト変態温度未満になるように、プラグ本体を加熱する工程とを備える(第1の構成)。

0011

第1の構成では、プラグ本体の先端部に肉盛層を形成した後、当該先端部をオーステナイト変態温度以上に加熱して焼き入れすることで硬化させる。すなわち、肉盛層を形成する際の入熱のばらつきによってプラグ本体の硬度にばらつきが生じたとしても、その後の焼き入れ処理により、特に変形が生じやすいプラグ本体の先端部の硬度を増加させる。よって、穿孔圧延時の高面圧により肉盛層の内側にあるプラグ本体が変形するのを抑制することができ、優れた耐母材変形性を確保することができる。

0012

上記製造方法は、さらに、加熱する工程に先だって、肉盛層が形成されたプラグ本体の表面上に溶射皮膜を形成する工程を備えていてもよい(第2の構成)。

0013

一般に、ピアサープラグの皮膜は、その厚みが大きくなるほど母材から剥離しやすくなる。第2の構成では、肉盛層及び溶射皮膜が形成された状態でプラグ本体を加熱する。これにより、溶射皮膜とプラグ本体及び肉盛層との間で拡散が生じるため、溶射皮膜の密着性を向上させることができる。よって、溶射皮膜を厚膜化することができ、母材の変形をより確実に抑制することができる。

0014

肉盛層は、Ni−W合金で構成されていてもよい(第3の構成)。

0015

以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。図中同一及び相当する構成については同一の符号を付し、同じ説明を繰り返さない。説明の便宜上、各図において、構成を簡略化又は模式化して示したり、一部の構成を省略して示したりする場合がある。

0016

[ピアサープラグの構成]
図1は、本実施形態に係る製造方法によって製造されるピアサープラグ10の縦断面図である。縦断面とは、ピアサープラグ10の中心軸Xを含む断面であり、横断面とは、中心軸Xに垂直な断面である。ピアサープラグ10の中心軸Xが延びる方向を長手方向又は軸方向という。

0017

ピアサープラグ10は、砲弾形状をなす。ピアサープラグ10の横断面の形状は、実質的に円形状である。ピアサープラグ10の外径は、軸方向の一方から他方に向かって徐々に大きくなる。以下、ピアサープラグ10において、小径側を先又は前、大径側を後と称する。

0018

ピアサープラグ10は、先端部101と、胴部102と、逃げ部103とで構成されている。先端部101、胴部102、及び逃げ部103は、ピアサープラグ10の前方から後方に向かってこの順で配置されている。ただし、ピアサープラグ10は、逃げ部103を備えていなくてもよい。

0019

ピアサープラグ10のうち逃げ部103を除く部分は、圧延部104と、リーリング部105とに区分される。圧延部104は、穿孔圧延の際、肉厚圧下の大部分を受け持つ部位である。リーリング部105は、圧延部104の後方に位置する。リーリング部105は、穿孔圧延の際、中空素管(シェルともいう)の肉厚を仕上げる部位である。

0020

ピアサープラグ10は、プラグ本体1と、肉盛層2と、溶射皮膜3とを備える。

0021

(プラグ本体)
プラグ本体1は、先端部11と、筒部12とを備える。筒部12は、先端部の後方に配置されている。筒部12は、穴121を有する。

0022

穴121は、後述するバーをピアサープラグ10に取り付けるために使用される。穴121は、プラグ本体1の後端面に開口している。すなわち、プラグ本体1の後部は、穴121によって筒状となっている。

0023

筒部12の前端は、穴121の深さをD[mm]として、穴121の前端から前方に0.1×D[mm]の位置である。穴121の深さDとは、ピアサープラグ10の軸方向において、穴121の前端(底)から後端(開口端)までの長さである。筒部12とは、プラグ本体1のうち、穴121の底から0.1×D[mm]前方の位置からプラグ本体1の後端までの部分を指す。

0024

プラグ本体1において、先端部11は筒部12よりも硬い。先端部11のビッカース硬さは、例えば、300Hv以上である。筒部12のビッカース硬さは、好ましくは220〜260Hvであるが、220Hv以下であってもよい。ビッカース硬さは、プラグ本体1を軸方向に切断した断面から、JIS Z 2244(2009)に基づき、1kgfの試験力で測定した値である。筒部12は、JIS Z 2242(2005)に基づくフルサイズ試験片を用いたシャルピー衝撃試験において、20℃における衝撃値が20J/cm2以上である。

0025

プラグ本体1の表面は、領域13と領域14とに区分される。領域13は、プラグ本体1の表面のうち、後述する肉盛層2が設けられる領域である。領域14は、プラグ本体1の表面のうち、肉盛層2が設けられない領域である。領域14の前端の直径は、領域13の後端の直径よりも大きい。すなわち、プラグ本体1の表面において、前方の領域13と後方の領域14との間には段差が存在する。

0026

プラグ本体1の素材は、加熱処理によって硬度が向上する鋼、すなわち、焼きが入る鋼である。プラグ本体1の素材は、鉄(Fe)及び不純物に加えて、特徴的な元素を以下に述べる範囲で含むことが好ましい。プラグ本体1の素材は、以下に挙げる元素以外の元素を含むこともできる。以下の説明において、元素の含有量の%は、質量%を意味する。

0027

C:0.08〜0.5%
炭素(C)は高温強度向上に対する有効成分である。C含有量が0.08%以下では効果がない。C含有量が0.5%を超えると、硬度が高くなりすぎる。また、炭化物析出状態の制御がしにくくなる。したがって、C含有量は0.08〜0.5%とする。C含有量は、好ましくは0.3%以下であり、さらに好ましくは0.2%以下である。C含有量は、好ましくは0.09%以上であり、さらに好ましくは0.1%以上である。

0028

Si:0.1〜1.0%
シリコン(Si)は脱酸素に有効な成分である。Si含有量が0.1%以下では効果が小さい。Si含有量が1.0%を超えると素材の靭性劣化し始める。したがって、Si含有量は0.1〜1.0%とする。Si含有量は、好ましくは0.9%以下であり、さらに好ましくは0.8%以下である。Si含有量は、好ましくは0.2%以上であり、さらに好ましくは0.3%以上である。

0029

Mn:0.2〜1.5%
マンガン(Mn)は高温におけるオーステナイトを安定化する。すなわち、δフェライトの生成を抑制して靭性低下を抑制する。その効果はMn含有量が0.2%以上で得られる。しかし、Mn含有量が1.5%を超えると硬度が高くなりすぎ、穿孔後に焼き割れが生じやすくなる。したがって、Mn含有量は0.2〜1.5%とする。Mn含有量は、好ましくは1.4%以下であり、さらに好ましくは1.3%以下である。Mn含有量は、好ましくは0.3%以上であり、さらに好ましくは0.4%以上である。

0030

プラグ本体1の素材は、以下に述べる選択元素を含有してもよい。プラグ本体1の素材は、これらの選択元素のうち一部又は全部を含有することができる。ただし、プラグ本体1の素材がこれらの選択元素のいずれも含有しないこともある。

0031

Ni:0〜2.0%
ニッケル(Ni)はプラグ表層部に形成される焼き入れ相の靭性を改善する効果がある。その効果はNi含有量が2.0%でほぼ飽和する。それ以上の添加はコスト増加要因となる。したがって、Ni含有量は0〜2.0%とする。Ni含有量は、好ましくは1.9%以下であり、さらに好ましくは1.8%以下である。Ni含有量は、好ましくは0.2%以上であり、さらに好ましくは0.3%以上である。

0032

Mo:0〜4.0%、W:0〜4.0%
モリブデン(Mo)及びタングステン(W)は置換可能な元素である。これらの元素は高温強度の改善に有効であり、かつAc1点を上昇させて穿孔後に表面に焼きが入る部分を低減する効果がある。しかし、総和が8.0%を超えると、高温でもフェライト残留し、強度及び靭性が低下する。したがって、総和は8.0%以下とする。Mo含有量は、好ましくは3.9%以下であり、さらに好ましくは3.8%以下である。Mo含有量は、好ましくは0.75%以上であり、さらに好ましくは0.8%以上である。W含有量は、好ましくは3.9%以下であり、さらに好ましくは3.8%以下である。W含有量は、好ましくは0.75%以上であり、さらに好ましくは0.8%以上である。

0033

Cu:0〜0.5%
銅(Cu)はオーステナイト安定化元素であり、穿孔時に高温に保持されてオーステナイトとなったプラグ表層部の靱性を改善する効果がある。したがって、Cu含有量は0〜0.5%とする。

0034

B:0〜0.2%、Nb:0〜1.0%、V:0〜1.0%、Cr:0〜10.0%、Ti:0〜1.0%
ボロン(B)が少しでも含有されれば、粒界の強度を増加させる効果がある。しかし、B含有量が0.2%を超えると、逆に脆化相が析出し靭性が劣化する。したがって、B含有量は0〜0.2%とする。ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、クロム(Cr)及びチタン(Ti)は少しでも含有すれば、結晶粒微細化する効果がある。したがって、Nb、V及びTiの元素の含有量の各々は0〜1.0%とし、Cr含有量は0〜10.0%とする。

0035

その他、脱硫などの目的で、カルシウム(Ca)、希土類元素REM)を必要に応じてプラグ本体1の素材に微量添加することができる。

0036

(肉盛層)
肉盛層2は、プラグ本体1の先端部11の表面上に形成される。肉盛層2は、少なくとも先端部11の表面全体を覆う。肉盛層2は、図2に示すように、先端部11の後方まで延びていてもよい。肉盛層2は、プラグ本体1の軸方向中央付近まで設けられていてもよい。肉盛層2の後端は、筒部12の前端よりも前方に位置する。

0037

図1に戻って、軸方向において、ピアサープラグ10の長さをL[mm]とすると、肉盛層2の長さL2は、0.15×L[mm]以上である。肉盛層2の長さL2は、0.50×L[mm]以下である。本実施形態において、ピアサープラグ10の長さLは、溶射皮膜3の厚みを考慮しない長さとする。すなわち、ピアサープラグ10の長さLは、肉盛層2の前端からプラグ本体1の後端までの軸方向の長さである。

0038

肉盛層2は、プラグ本体1の表面のうち、直径が小さい領域13に形成される。肉盛層2の表面は、プラグ本体1の表面の領域14と滑らかに連続する。すなわち、肉盛層2の表面とプラグ本体1の表面の領域14とは、段差を介さずにつながっている。

0039

肉盛層2の厚みは、好ましくは1.0mm以上であり、より好ましくは3.0mm以上である。肉盛層2の厚みは、好ましくは8.0mm以下であり、より好ましくは6.0mm以下である。

0040

肉盛層2は、Ni−W合金で構成されていることが好ましい。この場合、W含有量は、25〜50質量%であることが好ましく、25〜45質量%であることがより好ましい。その理由について図3を参照しつつ説明する。図3は、1250℃におけるNi−W合金の0.2%耐力とWの含有量との関係を示すグラフである。以下の説明において、元素の含有量の%は、質量%を意味する。

0041

肉盛層2は、1250℃において、少なくとも200MPaの0.2%耐力を必要とする。Wの濃度(含有量)が大きくなるほど、0.2%耐力が大きくなる。図3より、1250℃において0.2%耐力が200MPaを超えるのは、W含有量が25%以上となったときである。よって、肉盛層2の素材がNi−W合金である場合、W含有量は、25%以上であることが好ましい。

0042

Ni−W合金において、W含有量が50%を超えると、Wの溶解が困難になる。このため、肉盛層2の素材がNi−W合金である場合、W含有量は、好ましくは50%以下、より好ましくは45%以下である。

0043

Ni−W合金には、Crが添加されていてもよい。1〜5%のCrをNi−W合金に添加することにより、靱性を向上させることができる。

0044

上より、肉盛層2の好ましい化学組成は、W:25〜50%、好ましくは25〜45%、Cr:1〜5%、残部:Ni及び不純物である。

0045

(溶射皮膜)
図1を再度参照して、溶射皮膜3は、肉盛層2が形成されたプラグ本体1の表面上に形成されている。図1の例では、溶射皮膜3は、肉盛層2の表面全体、及びプラグ本体1の側面のうち肉盛層2から露出する部分の全体を覆う。すなわち、溶射皮膜3は、プラグ本体1の後端面のみを露出させるように、肉盛層2及びプラグ本体1の表面上に形成されている。

0046

ただし、逃げ部103には、溶射皮膜3が形成されていなくてもよい。すなわち、溶射皮膜3は、少なくとも、ピアサープラグ10の先端から胴部102の後端までの範囲に設けられればよい。

0047

肉盛層2の表面上に位置する部分の溶接皮膜3の厚みは、プラグ本体1の領域14上に位置する部分の溶接皮膜3の厚みよりも大きいことが好ましい。溶射皮膜3の厚みは、例えば、ピアサープラグ10の先端で最も大きくなる。ピアサープラグ10の先端における溶射皮膜3の厚みT31は、例えば、0.6〜3.0mmである。

0048

プラグ本体1の領域14上に位置する部分の溶接皮膜3の厚みT32は、例えば、0.1〜0.8mmである。厚みT32は、肉盛層2の後方の任意の位置における溶射皮膜3の厚みである。

0049

溶射皮膜3は、主として鉄及び鉄酸化物で構成されることが好ましい。ただし、溶射皮膜3は、鉄及び鉄酸化物以外の元素及び/又は化合物をわずかに含んでいてもよい。

0050

[ピアサープラグの使用方法
上記のように構成されたピアサープラグ10は、穿孔圧延に利用される。図4は、ピアサープラグ10が組み込まれた穿孔機100の概略構成を示す図である。図4に示すように、穿孔圧延に際し、ピアサープラグ10の穴121(図1及び図2)にバー(芯金)20の先端部が挿入されることにより、ピアサープラグ10にバー20が取り付けられる。ピアサープラグ10は、一対の傾斜ロール30,30の間において、パスラインPL上に配置される。ピアサープラグ10は、ビレットBの中央部に押し込まれる。これにより、ビレットBが穿孔圧延されて中空素管が形成される。

0051

[ピアサープラグの製造方法]
以下、ピアサープラグ10の製造方法について説明する。本実施形態に係る製造方法は、プラグ本体1を準備する工程と、肉盛層2を形成する工程と、溶射皮膜3を形成する工程と、肉盛層2及び溶射皮膜3が形成されたプラグ本体1を加熱する工程と、加熱されたプラグ本体1を冷却する工程とを備える。

0052

(プラグ本体の準備工程
ピアサープラグ10の製造に際し、まず、プラグ本体1を準備する。プラグ本体1は、例えば鍛造などによって作製することができる。

0053

(肉盛層の形成工程)
次に、プラグ本体1の先端部11の表面上に肉盛層2を形成する。これにより、プラグ本体1のうち、少なくとも先端部11が肉盛層2によって覆われる。肉盛層2は、軸方向の長さL2が肉盛層2の形成後のプラグ本体1の長さLの15〜50%(0.15×L≦L2≦0.50×L)となるように形成される。

0054

肉盛層2は、例えば、プラズマ紛体肉盛溶接PTA:Plasma Transferred Arc)法、MIG(Metal Inert Gas)溶接法、又はTIG(Tungsten Insert Gas)溶接法などの公知の肉盛溶接法によって形成することができる。

0055

(溶射皮膜の形成工程)
次に、肉盛層2が形成されたプラグ本体1の表面上に、溶射皮膜3を形成する。本実施形態では、溶射皮膜3は、肉盛層2が形成されたプラグ本体1の表面のうち、後端面を除く部分全体に形成される。ただし、逃げ部103には溶射皮膜3を形成しなくてもよい。溶射皮膜3は、少なくとも圧延部104及びリーリング部105の全体に形成されればよい。

0056

溶射皮膜3は、例えば、アーク溶射プラズマ溶射フレーム溶射、又は高速フレーム溶射などの公知の溶射法によって形成することができる。

0057

溶射皮膜3をアーク溶射によって形成する場合、溶射用の線材として鉄線材を使用することができる。鉄線材は、Feを主成分とする炭素鋼の線材である。鉄線材は、典型的には、Feを主成分とし、C、Si、Mn及び不純物からなる、いわゆる普通鋼の線材であるが、W等の元素を含有していてもよい。鉄線材をアーク溶射することにより、鉄及び鉄酸化物を含有する溶射皮膜3が形成される。

0058

(加熱工程)
次に、肉盛層2及び溶射皮膜3が形成されたプラグ本体1を加熱する。具体的には、先端部11の温度がオーステナイト変態温度(Ac3点)以上になるようにプラグ本体1を加熱する。プラグ本体1の加熱工程において、筒部12の温度はAc3点未満に維持される。

0059

プラグ本体1の加熱工程では、肉盛層2及び溶射皮膜3が形成されたプラグ本体1のうち、先端部11を含み、筒部12を含まない部分のみを加熱してもよい。あるいは、先端部11と筒部12との間で温度差が生じるように、肉盛層2及び溶射皮膜3が形成されたプラグ本体1の全体を加熱することもできる。

0060

肉盛層2及び溶射皮膜3が形成されたプラグ本体1の加熱方法の例について、図5及び図6を参照しつつ説明する。以下、説明の便宜上、肉盛層2及び溶射皮膜3が形成されたプラグ本体1、つまり加熱工程及び後述する冷却工程が完了する前の未完成のピアサープラグをプラグ10aという。

0061

図5の例では、プラグ10aの先端部の外周に高周波コイル41を取り付け、Ar雰囲気の加熱装置4内にプラグ本体1を配置する。そして、コイル41により、プラグ10aの先端部を1000〜1200℃で高周波加熱する。加熱時間は、焼きが入る時間であればよい。高周波加熱の場合、Ac3点以上の温度に数秒以上加熱すれば十分であるが、工業的な安定性を考慮すると20秒以上が好ましく、1分以上がより好ましい。

0062

加熱時間は、20分以内が好ましく、10分以内がより好ましい。特に、加熱処理を不活性ガス雰囲気以外(例えば大気中)で実施する場合、加熱時間は、10分以内が好ましく、5分以内がより好ましい。長時間加熱すると、溶射皮膜3(図1及び図2)の性状が変化するおそれがあるからである。例えば、大気中であれば、溶射皮膜3の酸化が進むおそれがある。

0063

このようにすることで、筒部12(図1及び図2)の温度をAc3点未満に維持する一方で、肉盛層2が形成された先端部11(図1及び図2)の温度をAc3点以上まで上げることができる。

0064

図6の例では、加熱装置5を用いてプラグ10aを加熱する。加熱装置5は、ヒータ51,52を備える。ヒータ51は、加熱装置5の上部に配置されている。ヒータ52は、加熱装置5の下部に配置されている。

0065

加熱装置5内には、プラグ10aが装入される。加熱装置5内には、複数のプラグ10aが装入されることが好ましい。このとき、プラグ10aとヒータ52との間には遮蔽物6が設置される。すなわち、ヒータ52の上方に遮蔽物6が配置され、遮蔽物6上にプラグが載置される。遮蔽物6は、ヒータ52からプラグ10aへの伝熱を抑制する部材である。遮蔽物6の形状は、例えば、格子状や板状である。遮蔽物6は、酸化物被覆されていてもよい。

0066

加熱装置5内のプラグ10aは、ヒータ51,52によって加熱される。ヒータ51,52の加熱温度設定温度)は、同一とすることができる。加熱装置5内は、Ar等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。肉盛層2が形成された先端部11(図1及び図2)の温度がAc3点以上の所定温度に達した時点で、加熱装置5からプラグ10aが取り出される。遮蔽物6によってプラグ10aの下部への伝熱はプラグ10aの上部への伝熱よりも小さくなっているため、筒部12(図1及び図2)の温度は先端部11の温度よりも低い。このため、加熱装置5からプラグ10aを取り出す時点で、筒部12の温度はAc3点まで達しておらず、Ac3点未満となっている。

0067

遮蔽物6を用いずに加熱装置5による加熱を行うこともできる。この場合は、プラグ10aの上方に位置するヒータ51の加熱温度よりも、プラグ10aの下方に位置するヒータ52の加熱温度を小さくする。これにより、プラグ10aの上部への伝熱を大きく、プラグ10aの下部への伝熱を小さくすることができる。よって、遮蔽物6を用いた場合と同様に、先端部11(図1及び図2)の温度がAc3点以上になる一方で筒部12(図1及び図2)の温度がAc3点未満となるように、プラグ10aを加熱することができる。

0068

加熱装置5内のプラグ10aについて、例えば、肉盛層2が形成された先端部11及び筒部12の各々に熱電対を取り付けて各部の温度を測定することができる。これにより、筒部12の温度がAc3点未満である一方、先端部11の温度がAc3点以上の所定温度に達したことを検知し、好ましいタイミングでプラグ10aを加熱装置5から取り出すことができる。なお、加熱処理の都度、先端部11及び筒部12の温度を測定する必要はない。温度の測定を一度行えば適切な加熱時間を得ることができるため、同種のプラグ10aに関しては、当該加熱時間を適用することができる。

0069

(冷却工程)
次に、加熱されたプラグ10aを冷却する。例えば、加熱装置4又は加熱装置5による加熱を停止してその扉を開放し、プラグ10aを400℃以下に冷却する。プラグ10aは、通常、室温まで冷却される。冷却速度は、焼きが入る速度であればよく、放冷程度かそれ以上であればよい。

0070

以上の工程により、ピアサープラグ10が完成する。

0071

[実施形態の効果]
本実施形態に係る製造方法では、プラグ本体1の先端部11に肉盛層2が形成される。肉盛層2は、優れた高温強度を有する。このため、ピアサープラグ10によって穿孔圧延を行う際、先端部11の変形を抑制することができる。

0072

本実施形態に係る製造方法では、プラグ本体1の先端部11に肉盛層2を形成した後、先端部11をAc3点以上に加熱する。このため、肉盛層2を形成する際の入熱によってプラグ本体1の硬度にばらつきが生じたとしても、その後の加熱により、先端部11の硬度を均一にし、向上させることができる。これにより、穿孔圧延時において先端部11が変形するのをさらに確実に抑制することができ、優れた耐母材変形性を確保することができる。

0073

本実施形態に係る製造方法では、肉盛層2が形成されたプラグ本体1の表面上に溶射皮膜3が形成される。溶射皮膜3は、肉盛層2よりも高い遮熱性を有する。溶射皮膜3により、穿孔圧延時におけるプラグ本体1への入熱を抑制することができる。その結果、ピアサープラグ10における焼付きの発生が抑制される。

0074

本実施形態に係る製造方法では、肉盛層2及び溶射皮膜3が形成された状態でプラグ本体1の先端部11をAc3点以上に加熱する。これにより、溶射皮膜3とプラグ本体1及び肉盛層2との間で拡散が生じ、溶射皮膜3の密着性を向上させることができる。よって、溶射皮膜3を厚膜化することができる。特に、変形が生じやすいピアサープラグ10の先端部において溶射皮膜3の厚みT31を大きくすれば、耐母材変形性を効率的に向上させることができる。

0075

本実施形態に係る製造方法では、先端部11がAc3点以上に加熱される一方で、筒部12はAc3点未満に維持される。このため、プラグ本体1において、先端部11の硬度を向上させるとともに、筒部12の靱性の低下を抑制することができる。よって、穿孔圧延の際、先端部11の変形及び筒部12の割れが発生するのを防止することができる。その結果、ピアサープラグ10の寿命を向上させることができる。

0076

以上、実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。

0077

本開示による効果を検証するため、複数のピアサープラグを用いて穿孔圧延試験を実施した。

0078

プラグ本体(1)の形状及び素材は、全てのピアサープラグで共通である。プラグ本体(1)に用いた鋼の化学組成を表1に示す。表1に示す化学組成において、残部はFe及び不純物である。表1において、各元素の含有量の単位は、質量%である。表2には、ピアサープラグごとの条件を示している。

0079

0080

0081

表2において、番号6〜9のピアサープラグは、実施例に係るピアサープラグであり、番号1〜5のピアサープラグは、比較例に係るピアサープラグである。

0082

実施例である番号6〜9のピアサープラグにおいて、厚さ3mm程度のNi−W合金(W:45%、Cr:3%、残部:Ni)の肉盛層(2)をプラグ本体(1)の先端部(11)に形成した。肉盛層(2)の軸方向の長さ(L2)は、ピアサープラグの軸方向の長さ(L)の約18%である。

0083

また、番号6〜9のピアサープラグにおいて、逃げ部(13)を除く表面全体に、鉄線材のアーク溶射によって溶射皮膜(3)を形成した。番号6〜9において、リーリング部の溶射皮膜(3)の厚みは300μmで共通である。圧延部の溶射皮膜(3)の厚み及び先端部の溶射皮膜(3)の厚み(T31)は、番号6<番号7<番号8<番号9となっている。

0084

番号6〜9のピアサープラグについては、肉盛層(2)及び溶射皮膜(3)を形成した後、Ar100%雰囲気で、先端部から圧延部にかけて高周波誘導加熱(IH)処理を施した。加熱温度は700〜1100℃、加熱時間は3〜60分である。筒部(12)にはIH処理を施していない。

0085

比較例である番号1〜5のうち、番号4,5のピアサープラグには、番号6〜9と同様の肉盛層(2)を形成した。番号1〜3のピアサープラグには、肉盛層(2)を形成しなかった。

0086

番号2〜4のピアサープラグには、番号6と同様の溶射皮膜(3)を形成した。番号1のピアサープラグには、酸化熱処理によって酸化スケール皮膜を形成した。番号5のピアサープラグには、皮膜を形成しなかった。

0087

番号1〜5のうち、番号3のピアサープラグには番号6〜9と同様のIH処理を実施したが、その他のピアサープラグにはIH処理を実施しなかった。

0088

番号1〜9のピアサープラグの各々を用いて、SUS304からなるビレットの穿孔圧延を繰り返し行った。

0089

番号1〜3及び番号6〜9のピアサープラグの各々について、プラグ変形量とパス数との関係を図7に示す。プラグ変形量とは、ピアサープラグ(10)の長さ(L)に、先端における溶射皮膜(3)の厚み(T31)を加えた長さ、つまり(L+T31)の長さの、穿孔圧延前後の変化量のことである。

0090

図7に示すように、酸化スケール皮膜が形成された番号1のピアサープラグについては、1パス目のプラグ変形量は1mm未満であったが、2パス目にはプラグ変形量が3mmを超え、完全に溶損した。これは、1パス目でピアサープラグ表面の酸化スケール皮膜がほぼ消失したためと考えられる。

0091

肉盛層(2)を有さず、IH処理が施されていない番号2のピアサープラグについては、1パス目で3mm摩耗した。これは、溶射皮膜が1パスで剥離したためと推定される。肉盛層(2)を有さないが溶射皮膜(3)を有し、且つIH処理を施した番号3のピアサープラグについては、2パス目で2mm程度摩耗した。このプラグ変形量は、やや大きいものの健全と判断される。

0092

肉盛層(2)及び溶射皮膜(3)を有し、IH処理を施した番号6〜9のピアサープラグについては、2パス後の摩耗が1mm程度と小さく、穿孔の継続が十分可能と判断される。番号6〜9のうち、先端部の皮膜を2000μmまで厚膜化した番号9のピアサープラグは、4パス目のプラグ変形量が2mm程度であり、4パス後も健全であることが確認された。

0093

番号1〜3及び番号6〜9のピアサープラグの各々について、各パスの穿孔効率を図8に示す。穿孔効率とは、(材料の実際の搬送速度)/(材料の理論上の搬送速度)×100[%]で定義される。材料の理論上の搬送速度は、ピアサーロール回転数から計算できる。材料の実際の搬送速度は、プラグと材料との摩擦抵抗などが影響し、ピアサーロールの設定回転数から算出される理論上の搬送速度に比べて遅くなる。穿孔効率が高いことは、穿孔に要する時間が短いということであり、生産能率の向上を意味する。図8に示すように、穿孔効率は、溶損が発生した番号1のピアサープラグの2パス目を除き、いずれも95%以上で高位かつ安定であった。

0094

番号2〜3及び番号6〜9のピアサープラグの各々について、1パス当たりの母材変形量を図9に示す。母材変形量とは、ピアサープラグ(10)の長さ(L)の、穿孔圧延前後の変化量のことである。番号2のピアサープラグでは、母材が約1.9mm/passも変形していることが判明した。番号3のピアサープラグでは、母材変形量は1パス当たり約0.7mm/passであった。肉盛層(2)を設けてIH処理を施した番号6〜9のピアサープラグでは、母材変形量が0.08〜0.16mm/passと極めて小さい。

0095

皮膜条件が同一で肉盛層(2)の有無の条件が異なる番号3,6を比較すると、肉盛層(2)を有する番号6のピアサープラグの母材変形量の方が、肉盛層(2)を有しない番号3のピアサープラグの母材変形量よりも小さいことがわかる。

0096

皮膜条件のみが異なる番号6〜9を比較すると、溶射皮膜(3)の厚みが大きくなるほど母材変形量は小さくなっていることがわかる。これは、溶射皮膜(3)を厚くすることで優れた断熱効果が得られたためと考えられる。

0097

肉盛層(2)及び溶射皮膜(3)を有するがIH処理を施さなかった番号4のピアサープラグについては、1パスで溶射皮膜(3)の剥離が生じ、相手材である管に内面疵が発生した。これは、IH処理を施さないことにより、肉盛層(2)と溶射皮膜(3)との十分な密着性が得られなかったためと考えられる。

0098

肉盛層(2)を有するが溶射皮膜(3)を有さず、IH処理を施さなかった番号5のピアサープラグについては、穿孔効率が低下し、プラグ詰まりが発生して穿孔不能となった。これは、溶射皮膜(3)がなく、耐焼付き性が低かったためと考えられる。

0099

番号4,5のピアサープラグについては、母材の変形に至る前に他の問題が発生し、母材変形量を確認することはできなかった。しかしながら、IH処理を施した番号6〜9のピアサープラグと比較して、IH処理を施さなかった番号4,5のピアサープラグの母材の硬度が低いことは容易に推測できる。

実施例

0100

以上より、ピアサープラグの先端部から圧延部にかけて肉盛層(2)を形成し、当該部分を加熱することにより、耐母材変形性及び耐焼付き性に極めて優れたピアサープラグが得られることがわかった。

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