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課題・解決手段

本発明は遮光性コーティングを行わなくても光に対して安定な、4,5−エポキシモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩を含有する固形製剤を提供することを目的としている。本発明は、以下に代表される4,5−エポキシモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩からなる有効成分と、没食子酸n−プロピル亜硫酸水素ナトリウムジブチルヒドロキシトルエンブチルヒドロキシアニソールトコフェロール及びD−イソアスコルビン酸からなる群から選択される1種以上の安定化剤と、を含有し、上記有効成分の重量は、固形製剤の重量あたり0.00001〜0.01重量%であり、上記安定化剤の重量は、固形製剤の重量あたり0.005〜5重量%である、固形製剤を提供する。

概要

背景

顕著な止痒効果を有する化合物として知られているナルフラフィン又はその薬理学的に許容される酸付加塩は、熱、光、酸素等に対して化学的に不安定であることから、従来から化学的安定性を向上する方法が開発されている。

具体的には、特定の酸化防止剤シネルギスト、糖類又は界面活性剤から選ばれる物質を添加する方法や、チオ硫酸ナトリウム、糖若しくは糖アルコール類及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを添加する方法が報告されている(特許文献1及び2)。

特許文献1に記載の製剤では、特定の酸化防止剤、シネルギスト、糖類又は界面活性剤から選ばれる物質を含有することで、ナルフラフィン又はその薬理学的に許容される酸付加塩の安定性を改善しており、具体的な固形製剤剤形としては、錠剤顆粒剤が記載されている。また、特許文献2に記載の固形製剤では、安定化剤としてチオ硫酸ナトリウム、糖若しくは糖アルコール類、及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有することで、ナルフラフィン又はその薬理学的に許容される酸付加塩の安定性を改善している。

また、ソフトカプセル剤中において、ナルフラフィン又はその薬理学的に許容される酸付加塩を安定化させる処方として、ソフトカプセル剤の充填液中鎖脂肪酸トリグリセリド及び没食子酸プロピルを含有させたカプセル充填組成物や、特定の基剤抗酸化剤を含むソフトカプセル製剤が報告されている(特許文献3及び4)。

具体的には、特許文献3及び4に記載のソフトカプセル剤では、安定化剤として没食子酸プロピル等の抗酸化剤を含有することで、ナルフラフィン又はその薬理学的に許容される酸付加塩の安定性を改善している。

また、特許文献5に記載の口腔内崩壊錠は、ナルフラフィン又はその薬理学的に許容される酸付加塩を含む口腔内崩壊錠に、ポリビニルアルコール系樹脂と特定の糖類からなる遮光剤を含むコーティングを施すことで優れた光安定性を確保している。

一方、固形製剤中において、ナルフラフィン又はその薬理学的に許容される酸付加塩を含む光に不安定な薬物の光安定性を向上する処方として、ポリビニルアルコール系樹脂と特定の糖類を含有する遮光性コーティング剤が報告されている(特許文献5)。

加えて、光に不安定な薬物の製剤化に関しては、安定化を図るための方法として種々の方法が知られている。例えば、光に対して不安定なアムロジピン素錠での光安定性を向上させる方法として、酸化鉄を配合する方法や、保護すべき有効成分と類似の光に対する吸収挙動を有する溶解された物質を添加する方法が報告されている(特許文献6及び7)。

特許文献6に記載の製剤は、光に不安定なアムロジピンに対して酸化鉄を配合することで光安定性を向上させる製剤である。特許文献7に記載の光安定化方法では、保護すべき有効成分と類似の光に対する吸収挙動を有する溶解された物質を添加することで、光安定性を向上することが記載されている。

概要

本発明は遮光性コーティングを行わなくても光に対して安定な、4,5−エポキシモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩を含有する固形製剤を提供することを目的としている。本発明は、以下に代表される4,5−エポキシモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩からなる有効成分と、没食子酸n−プロピル亜硫酸水素ナトリウムジブチルヒドロキシトルエンブチルヒドロキシアニソールトコフェロール及びD−イソアスコルビン酸からなる群から選択される1種以上の安定化剤と、を含有し、上記有効成分の重量は、固形製剤の重量あたり0.00001〜0.01重量%であり、上記安定化剤の重量は、固形製剤の重量あたり0.005〜5重量%である、固形製剤を提供する。

目的

本発明は、遮光性コーティングを行わなくても光に対して安定な、4,5−エポキシモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩を含有する固形製剤を提供する

効果

実績

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請求項1

下記一般式(I)で示される4,5−エポキシモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩からなる有効成分と、没食子酸n−プロピル亜硫酸水素ナトリウムジブチルヒドロキシトルエンブチルヒドロキシアニソールトコフェロール及びD−イソアスコルビン酸からなる群から選択される1種以上の安定化剤と、を含有し、前記有効成分の重量は、固形製剤の重量あたり0.00001〜0.01重量%であり、前記安定化剤の重量は、固形製剤の重量あたり0.005〜5重量%である、固形製剤。[式中、R1は、シクロプロピルメチル又はアリルを表し、R2は、水素ヒドロキシアセトキシ又はメトキシを表し、R3は、水素、ヒドロキシ、アセトキシ又はメトキシを表し、Aは、−N(R4)C(=O)−又は−N(R4)C(=O)O−を表し、R4は、水素又は炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキルを表し、Bは、炭素数1〜3の直鎖状のアルキレン、−CH=CH−又は−C≡C−を表し、R5は、水素、フェニルフリル又はチエニルを表すが、前記フェニル、前記フリル及び前記チエニルの水素は、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素塩素臭素ヨウ素、アミノニトロ、シアノ、イソチオシアナトトリフルオロメチルトリフルオロメトキシ及びメチレンジオキシからなる群から選択される1種以上の基で置換されていてもよい。]

請求項2

前記安定化剤は、没食子酸n−プロピルである、請求項1記載の固形製剤。

請求項3

チオ硫酸ナトリウムを含有する、請求項1又は2記載の固形製剤。

請求項4

黄色三二酸化鉄、赤色三二酸化鉄又は黒酸化鉄を含有する、請求項1〜3のいずれか一項記載の固形製剤。

請求項5

糖質を含有する、請求項1〜4のいずれか一項記載の固形製剤。

請求項6

錠剤顆粒剤細粒剤硬カプセル剤ドライシロップ剤散剤丸剤及びトローチ剤からなる群から選択される剤形である、請求項1〜5のいずれか一項記載の固形製剤。

技術分野

0001

本発明は、4,5−エポキシモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩を含有する固形製剤光安定性が向上された固形製剤に関する。

背景技術

0002

顕著な止痒効果を有する化合物として知られているナルフラフィン又はその薬理学的に許容される酸付加塩は、熱、光、酸素等に対して化学的に不安定であることから、従来から化学的安定性を向上する方法が開発されている。

0003

具体的には、特定の酸化防止剤シネルギスト、糖類又は界面活性剤から選ばれる物質を添加する方法や、チオ硫酸ナトリウム、糖若しくは糖アルコール類及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを添加する方法が報告されている(特許文献1及び2)。

0004

特許文献1に記載の製剤では、特定の酸化防止剤、シネルギスト、糖類又は界面活性剤から選ばれる物質を含有することで、ナルフラフィン又はその薬理学的に許容される酸付加塩の安定性を改善しており、具体的な固形製剤の剤形としては、錠剤顆粒剤が記載されている。また、特許文献2に記載の固形製剤では、安定化剤としてチオ硫酸ナトリウム、糖若しくは糖アルコール類、及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有することで、ナルフラフィン又はその薬理学的に許容される酸付加塩の安定性を改善している。

0005

また、ソフトカプセル剤中において、ナルフラフィン又はその薬理学的に許容される酸付加塩を安定化させる処方として、ソフトカプセル剤の充填液中鎖脂肪酸トリグリセリド及び没食子酸プロピルを含有させたカプセル充填組成物や、特定の基剤抗酸化剤を含むソフトカプセル製剤が報告されている(特許文献3及び4)。

0006

具体的には、特許文献3及び4に記載のソフトカプセル剤では、安定化剤として没食子酸プロピル等の抗酸化剤を含有することで、ナルフラフィン又はその薬理学的に許容される酸付加塩の安定性を改善している。

0007

また、特許文献5に記載の口腔内崩壊錠は、ナルフラフィン又はその薬理学的に許容される酸付加塩を含む口腔内崩壊錠に、ポリビニルアルコール系樹脂と特定の糖類からなる遮光剤を含むコーティングを施すことで優れた光安定性を確保している。

0008

一方、固形製剤中において、ナルフラフィン又はその薬理学的に許容される酸付加塩を含む光に不安定な薬物の光安定性を向上する処方として、ポリビニルアルコール系樹脂と特定の糖類を含有する遮光性コーティング剤が報告されている(特許文献5)。

0009

加えて、光に不安定な薬物の製剤化に関しては、安定化を図るための方法として種々の方法が知られている。例えば、光に対して不安定なアムロジピン素錠での光安定性を向上させる方法として、酸化鉄を配合する方法や、保護すべき有効成分と類似の光に対する吸収挙動を有する溶解された物質を添加する方法が報告されている(特許文献6及び7)。

0010

特許文献6に記載の製剤は、光に不安定なアムロジピンに対して酸化鉄を配合することで光安定性を向上させる製剤である。特許文献7に記載の光安定化方法では、保護すべき有効成分と類似の光に対する吸収挙動を有する溶解された物質を添加することで、光安定性を向上することが記載されている。

先行技術

0011

国際公開第99/002158号公報
国際公開第08/133330号公報
特開2015−168630号公報
特開2015−172043号公報
国際公開第10/113841号公報
特開2006−306754号公報
特開昭58−57322号公報

発明が解決しようとする課題

0012

しかしながら、特許文献1では、ナルフラフィン又はその薬理学的に許容される酸付加塩の熱や酸化に対する安定性改善についてはデータで示しているが、光に対する安定性の向上については検討がされていなかった。

0013

特許文献2でも、ナルフラフィン又はその薬理学的に許容される酸付加塩の熱や酸化に対する安定性改善についてはデータで示しているが、光に対する安定性の向上については検討されておらず、一般的な錠剤の遮光性のコーティングが施されているのみであった。

0014

特許文献3及び4では、保存時の熱や酸化に対する安定性についてはデータで示しているが、光に対する安定性の向上については記載も示唆もされていない。

0015

このように、特許文献1〜4に記載のナルフラフィン又はその薬理学的に許容される酸付加塩の安定化技術は、製剤の製造時及び/又は長期間保存時の安定化方法であり、光安定性の向上についてはこれまで検討されてこなかった。

0016

特許文献5に記載の口腔内崩壊錠では、適正投与のために錠剤を分割した場合に、その分割面に、コーティングされていない面が現れ、この部分から光による分解・変色等の劣化が進行する懸念があり、粉末顆粒の固形製剤には、十分な光安定性を確保するために多量のコーティングを施す必要があり、製造時及び/又は長期間保存時の安定性の低下や、製造工程が煩雑となることが懸念される。

0017

特許文献6に記載の製剤では、酸化分解を抑制する安定化剤として、ブチルヒドロキシアニソール及びジブチルヒドロキシトルエンを添加することが記載されているが、これら抗酸化剤はアムロジピンの酸化により生成する分解物生成量は抑制するが、変色については全く抑制しないことが記載されている。

0018

特許文献7に記載の光安定化方法では、ナルフラフィン又はその薬理学的に許容される酸付加塩に関する記載はなく、有効成分によって効果的な光安定化方法は異なっている。

0019

そこで本発明は、遮光性コーティングを行わなくても光に対して安定な、4,5−エポキシモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩を含有する固形製剤を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0020

本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、以下の発明に到達した。すなわち本発明は、下記の(1)〜(5)の発明に関するものである。
(1) 下記一般式(I)で示される4,5−エポキシモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩からなる有効成分と、没食子酸n−プロピル亜硫酸水素ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トコフェロール及びD−イソアスコルビン酸からなる群から選択される1種以上の安定化剤と、を含有し、上記有効成分の重量は、固形製剤の重量あたり0.00001〜0.01重量%であり、上記安定化剤の重量は、固形製剤の重量あたり0.005〜5重量%である、固形製剤。



[式中、R1は、シクロプロピルメチル又はアリルを表し、R2は、水素ヒドロキシアセトキシ又はメトキシを表し、R3は、水素、ヒドロキシ、アセトキシ又はメトキシを表し、Aは、−N(R4)C(=O)−又は−N(R4)C(=O)O−を表し、R4は、水素又は炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキルを表し、Bは、炭素数1〜3の直鎖状のアルキレン、−CH=CH−又は−C≡C−を表し、R5は、水素、フェニルフリル又はチエニルを表すが、上記フェニル、上記フリル及び上記チエニルの水素は、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素塩素臭素ヨウ素、アミノニトロ、シアノ、イソチオシアナトトリフルオロメチルトリフルオロメトキシ及びメチレンジオキシからなる群から選択される1種以上の基で置換されていてもよい。]
(2)上記安定化剤は、没食子酸n−プロピルである、(1)記載の固形製剤。
(3)チオ硫酸ナトリウムを含有する、(1)又は(2)記載の固形製剤。
(4)黄色三二酸化鉄、赤色三二酸化鉄又は黒酸化鉄を含有する、(1)〜(3)のいずれか記載の固形製剤。
(5)糖質を含有する、(1)〜(4)のいずれか記載の固形製剤。
(6)錠剤、顆粒剤、細粒剤硬カプセル剤ドライシロップ剤散剤丸剤及びトローチ剤からなる群から選択される剤形である、(1)〜(5)のいずれか記載の固形製剤。
また、本発明は、下記の(7)〜(11)の発明に関するものである。
(7) 下記一般式(I)で示される4,5−エポキシモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩からなる有効成分と、糖質と、没食子酸n−プロピル、亜硫酸水素ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トコフェロール及びD−イソアスコルビン酸からなる群から選択される1種以上の安定化剤と、を含有し、上記有効成分の重量は、固形製剤の重量あたり0.00001〜0.01重量%であり、上記安定化剤の重量は、固形製剤の重量あたり0.005〜5重量%である、固形製剤。



[式中、R1は、シクロプロピルメチル又はアリルを表し、R2は、水素、ヒドロキシ、アセトキシ又はメトキシを表し、R3は、水素、ヒドロキシ、アセトキシ又はメトキシを表し、Aは、−N(R4)C(=O)−又は−N(R4)C(=O)O−を表し、R4は、水素又は炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキルを表し、Bは、炭素数1〜3の直鎖状のアルキレン、−CH=CH−又は−C≡C−を表し、R5は、水素、フェニル、フリル又はチエニルを表すが、上記フェニル、上記フリル及び上記チエニルの水素は、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びメチレンジオキシからなる群から選択される1種以上の基で置換されていてもよい。]
(8)上記安定化剤は、没食子酸n−プロピルである、(7)記載の固形製剤。
(9)チオ硫酸ナトリウムを含有する、(7)又は(8)記載の固形製剤。
(10)黄色三二酸化鉄、赤色三二酸化鉄又は黒酸化鉄を含有する、(7)〜(9)のいずれか記載の固形製剤。
(11) 錠剤、顆粒剤、細粒剤、硬カプセル剤、ドライシロップ剤、散剤、丸剤及びトローチ剤からなる群から選択される剤形である、(7)〜(10)のいずれか記載の固形製剤。

発明の効果

0021

本発明によれば、4,5−エポキシモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩を含有する固形製剤の光安定性が向上され、医薬品としての有用性を高めることができる。

0022

以下、本発明を実施するための実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、特に明記することがない限り、「%」は「重量%」を表す。

0023

本発明における固形製剤は、固形となるように製剤化された有効成分を含有する医薬品のことであり、例えば、錠剤(舌下錠口腔内崩壊性錠剤及びミニタブレットを含む)、硬カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、ドライシロップ剤、丸剤、トローチ剤又はフィルム製剤が挙げられる。特に、口腔内崩壊性錠剤に本発明に用いた場合、遮光性の錠剤コーティング膜を形成することなく光安定性を確保できるため、口腔内での速やかな崩壊を達成でき好ましい。また、顆粒剤、細粒剤、散剤、ドライシロップ剤及びフィルム製剤に本発明を用いた場合、粉末状の固形性剤の外表面に均一な遮光剤を含むコーティング膜を形成する煩雑な工程を省略しながら光安定性を確保できるため好ましい。

0024

本発明の有効成分とは、下記の一般式(I)で示される4,5−エポキシモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩である。



[式中、R1は、シクロプロピルメチル又はアリルを表し、R2は、水素、ヒドロキシ、アセトキシ又はメトキシを表し、R3は、水素、ヒドロキシ、アセトキシ又はメトキシを表し、Aは、−N(R4)C(=O)−又は−N(R4)C(=O)O−を表し、R4は、水素又は炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキルを表し、Bは、炭素数1〜3の直鎖状のアルキレン、−CH=CH−又は−C≡C−を表し、R5は、水素、フェニル、フリル又はチエニルを表すが、上記フェニル、上記フリル及び上記チエニルの水素は、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ、ニトロ、シアノ、イソチオシアナト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びメチレンジオキシからなる群から選択される1種以上の基で置換されていてもよい。]

0025

上記一般式(I)で表される4,5−エポキシモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される塩として特に好ましいのは、下記の一般式(II)で示される化合物である、17−(シクロプロピルメチル)−3,14β−ジヒドロキシ−4,5α−エポキシ−6β−[N−メチルトランス−3−(3−フリル)アクリルアミドモルヒナン(以下、「ナルフラフィン」と呼ぶ。)の塩酸塩である。

0026

薬理学的に許容される酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩臭化水素酸塩ヨウ化水素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩酢酸塩乳酸塩クエン酸塩シュウ酸塩グルタル酸塩、リンゴ酸塩酒石酸塩フマル酸塩マンデル酸塩マレイン酸塩安息香酸塩フタル酸塩等の有機カルボン酸塩メタンスルホン酸塩エタンスルホン酸塩ベンゼンスルホン酸塩p−トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩等の有機スルホン酸塩等が挙げられ、中でも塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩が好ましく、市販されている塩酸塩が最も好ましい。

0027

本発明の有効成分である上記一般式(I)で示される4,5−エポキシモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩の重量は、固形製剤の重量あたり0.00001〜0.01重量%であることが好ましく、0.00005〜0.01重量%であることがより好ましく、0.00025〜0.01重量%であることがさらにより好ましい。有効成分が0.01重量%より多い場合、安定化剤を用いずとも光に対して十分な安定性を有する固形製剤が得られる。有効成分が0.00001重量%未満の場合、治療効果を得るための製剤の服用量が多くなってしまう。

0028

有効成分の重量%の範囲は、固形製剤の重量によって変動するが、典型的には固形製剤の1日投与量中に有効成分を0.01μg〜50μg含有する範囲である。

0029

本発明に用いる安定化剤は、没食子酸n−プロピル、亜硫酸水素ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トコフェロール、D−イソアスコルビン酸からなる群から選択される1種以上の安定化剤であり、没食子酸n−プロピル及び/又はトコフェロールであることが好ましく、没食子酸n−プロピルであることがより好ましい。

0030

安定化剤は、一般的に市販されているものを用いればよい。没食子酸n−プロピルは、没食子酸プロピル、没食子酸プロピルエステル、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸プロピルエステル等の名称で市販されている。ジブチルヒドロキシトルエンは、BHT、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等の名称で市販されている。ブチルヒドロキシアニソールは、BHA、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、tert−ブチル−4−メトキシフェノール等の名称で市販されている。トコフェロールはdl−α−トコフェロール、d−α−トコフェロール、d−δトコフェロール、ビタミンE等の名称で市販されている。

0031

本発明に用いる安定化剤の重量は、固形製剤の重量あたり0.005〜5重量%であり、好ましくは0.005〜1重量%である。安定化剤が固形製剤の重量あたり0.005重量%未満では、光安定化効果が十分に得られない。5重量%超過では、安全性が確認されている一日の最大使用量を超えるため好ましくない。

0032

本発明の固形製剤は、さらに糖質を含んでいることが好ましい。糖質としては、糖類又は糖アルコール類が挙げられ、一般的に市販されているものを用いればよい。例えばバレイショデンプン白糖乳糖マンニトールエリスリトールマルトースマルチトールトレハロースソルビトールキシリトールラクチトール及びブドウ糖が挙げられ、好ましくは乳糖、エリスリトール及びマンニトールである。糖質を用いることで、糖質の甘味性から服用性が改善されるだけでなく、上記一般式(I)で示される4,5−エポキシモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩の保存安定性を向上させることができる。

0033

本発明の固形製剤は、製造時及び/又は長期間保存時の有効成分の分解を抑制するために、更に抗酸化剤を添加することができる。このような抗酸化剤としては、チオ硫酸ナトリウムが挙げられる。

0034

本発明の固形製剤は、上述の成分のほか、一般製剤の製造に用いられる種々の添加剤を含んでいても良い。このような添加剤として、例えば賦形剤崩壊剤結合剤滑沢剤、コーティング剤、流動化剤矯味剤香料着色剤及び甘味剤等が挙げられる。

0035

崩壊剤としては、例えば、クロスポビドンクロスカルメロースナトリウムカルメロースカルシウムカルボキシメチルスターチナトリウム及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。

0038

コーティング剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロースカルボキシメチルエチルセルロースナトリウム及びポリビニルアルコール等が挙げられる。

0039

流動化剤としては、例えば、タルク、含水二酸化ケイ素又は軽質無水ケイ酸等が挙げられる。

0041

香料としては、例えば、オレンジバニラストロベリー又はヨーグルト風味の香料及びメントール等が挙げられる。

0042

着色剤としては、例えば、酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、タルク、食用赤色3号、食用黄色5号及び食用青色1号等の食用色素並びにリボフラビン等が挙げられる。

0043

甘味剤としては、例えば、アスパルテームサッカリングリチルリチン酸二カリウム及びステビア等が挙げられる。

0044

本発明の固形製剤の製造方法は、有効成分を水若しくは薬理学的に許容される溶媒に溶解又は懸濁し、得られた液体溶液又は懸濁液)を糖質に対して添加する工程を含む、湿式造粒法により製造することができる。また安定化剤の添加は任意の工程において行うことができ、固体又は液体状態で添加することができる。

0045

安定化剤を固体として添加する方法に限定はないが、例えば、市販の安定化剤を必要に応じて粉砕処理等して混合する方法又は水若しくはエタノールメタノール等のアルコール類又はこれらの混合溶液に懸濁した安定化剤を添加する方法等が挙げられる。

0046

安定化剤を液体として添加する方法に限定はないが、例えば、安定化剤を有効成分と共に水若しくは薬理学的に許容される溶媒に溶解して糖質に添加する方法又は有効成分を糖質に添加して適宜造粒若しくは整粒する工程のした後、安定化剤を添加する方法が挙げられる。また、糖質を添加するは、有効成分を添加する上記工程で全量を用いてもよいし、また、一部のみを用いて後の工程で残りの糖質を添加してもよい。

0047

湿式造粒には、一般的に使用される装置が用いられ、例えば、流動層造粒機転動流動層造粒機攪拌造粒機円筒押出造粒機又は湿式押出造粒機等が挙げられる。有効成分を溶解又は懸濁するための溶媒として水を用いた場合、噴霧しながら乾燥できる流動層造粒機又は転動流動層造粒機が好適である。また、有効成分の溶解又は懸濁溶媒として、例えばエタノール等の揮発性溶媒を用いた場合、流動層造粒機、転動流動層造粒機又は攪拌造粒機が好適である。

0048

安定化剤を固体として添加する場合には、一般的に使用される混合装置が用いられ、例えばV型混合機リボン混合機又はエアーブレンダー等が挙げられる。

0049

また、着色剤として、黄色三二酸化鉄、赤色三二酸化鉄又は黒酸化鉄を固形製剤に含有させることにより、固形製剤中の光安定性を更に向上させることができる。着色剤の添加方法に限定は無いが、粉末又は水若しくは薬理学的に許容される溶媒に懸濁して添加することができる。

0050

固形製剤が錠剤の場合には、圧縮成型は、一般的に使用される装置が用いられ、例えば単発式打錠機ロータリー式打錠機等が挙げられる。打錠の際の成型圧力は、取り扱い上問題とならない程度の錠剤硬度を有していればよく、特に制限はない。

0051

本発明の固形製剤は、有効成分の光安定が向上しているため、調剤時や服薬時の取り扱いが容易となる。本発明において、安定性が向上したとは、国際公開第16/052617号に記載されるように製剤中の上記一般式(I)で示される4,5−エポキシモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩の残存率が90%以上で維持されることを意味する。本発明の固形製剤は、固形製剤が包装されていない状態で、温度25℃、相対湿度51%RH条件下で白色蛍光灯照度2000lux)環境での取り扱いにおいて、少なくとも24時間後(総照度として4.8万lux・hr)の有効成分の残存率が90%以上であり、より好ましくは300時間後(総照度として60万lux・hr)の有効成分が90%以上である。

0052

以下、本発明の優れた効果を明らかにするために、実施例を用いて説明するが、本発明はこれにより制限されるものではない。

0053

(比較例1)
マンニトール(ロケットジャパン株式会社製、ペアトール200SD(登録商標))88.8975重量部(以下「部」と略記する。以下、特に断らない場合には同様とする。)を流動層造粒機(株式会社パウレック製、LAB−1)に投入し、ナルフラフィン塩酸塩0.0025部の水溶液を噴霧して造粒顆粒を製造した。次に、造粒顆粒に低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業株式会社製、LH−11)10部及びステアリン酸マグネシウム(太平化学産業株式会社製)1部を混合して、打錠用顆粒を得た。打錠用顆粒を、打錠機(株式会社製作所製、Correct19)を用いて99.9mgの7mmφ錠剤とした。

0054

(実施例1)
マンニトール(ロケットジャパン株式会社製、ペアリトール200SD(登録商標))88.8975部)を流動層造粒機(株式会社パウレック製、LAB−1)に投入し、ナルフラフィン塩酸塩0.0025部の水溶液を噴霧して製造した造粒顆粒に、没食子酸n−プロピル(和光純薬工業株式会社製、和光一級)0.1部のエタノール溶液を添加して乳鉢攪拌した。熱風乾燥機に40℃、16時間乾燥した後、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース10部及びステアリン酸マグネシウム1部を混合して、打錠用顆粒を得た。打錠用顆粒を、打錠機を用いて100mgのφ7mm錠剤とした。

0055

(実施例2)
実施例1の没食子酸n−プロピル0.1部の代わりにdl−α−トコフェロール(関東化学株式会社製、鹿特級)0.1部を用いたこと以外は実施例1と同様の手順で100mgのφ7mm錠剤を得た。

0056

(実施例3)
実施例1の没食子酸n−プロピル0.1部の代わりに3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール(BHA)(ナカライテスク株式会社製、EXTRA PURE)0.1部を用いたこと以外は実施例1と同様の手順で100mgのφ7mm錠剤を得た。

0057

(実施例4)
実施例1の没食子酸n−プロピル0.1部の代わりに2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)(ナカライテスク株式会社製、EXTRA PURE REAGENT)0.1部を用いたこと以外は同様の手順で100mgのφ7mm錠剤を得た。

0058

(実施例5)
実施例1の没食子酸n−プロピル0.1部のエタノール溶液の代わりにD−イソアスコルビン酸(ナカライテスク株式会社製、GUARANTEED REAGENT)0.1部の水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様の手順で100mgのφ7mm錠剤を得た。

0059

(実施例6)
実施例1の没食子酸n−プロピル0.1部のエタノール溶液の代わりに亜硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、特級)0.1部の水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様の手順で100mgのφ7mm錠剤を得た。

0060

(比較例2)
実施例1の没食子酸n−プロピル0.1部のエタノール溶液の代わりにチオ硫酸ナトリウム・5水和物(国産化学株式会社製、特級)0.1部の水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様の手順で100mgのφ7mm錠剤を得た。

0061

(比較例3)
実施例1の没食子酸n−プロピル0.1部のエタノール溶液の代わりに亜硫酸水素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、特級)0.1部の水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様の手順で100mgのφ7mm錠剤を得た。

0062

試験例1;錠剤の光安定性試験
実施例1〜6及び比較例1〜3の錠剤をガラスシャーレ上に重ならないように広げ、白色蛍光灯(照度2000lux)環境下、総照度として4.8万lux・hr及び総照度として60万lux・hr後の錠剤を取り出した。また、実施例1及び比較例1の錠剤を広げたガラスシャーレをアルミ箔で覆い(遮光保存)、総照度として4.8万lux・hr照射後に取り出し、以下のHPLC分析により有効成分の残存率を算出した。
前処理条件
錠剤に25mMリン酸緩衝液/メタノール=40/60(v/v)溶液を加えて崩壊、攪拌した後、遠心分離上澄みをHPLCサンプルとした。
HPLC条件
移動相: 25mMリン酸緩衝液(pH7.0)/アセトニトリル=60/40(v/v)
カラム: “Capcellpak(登録商標)” MGII(株式会社資生堂製、サイズ:3.0×150mm)
カラム温度: 40℃
検出波長: 280nm
注入量 : 100μL

0063

光照射後の残存率は以下の式1より算出した。
残存率(%)=光照射後のサンプルのHPLCにおける有効成分のピーク面積値光照射前のサンプルのHPLCにおける有効成分のピーク面積値×100 ・・・式1

0064

実施例1〜6及び比較例1〜3の錠剤中の成分及び固形製剤の重量あたりの各成分の重量%と、HPLCの結果として得られた、光照射後の有効成分の残存率を表1に示す。

0065

0066

表1に示されるように、特定の安定化剤を添加した実施例1〜6の錠剤は、総照度として4.8万lux・hrにおける有効成分の残存率が、90%以上と高く、光安定性が向上することが示された。さらに、安定化剤として没食子酸n−プロピルを添加した実施例1に関しては、総照度として60万lux・hrにおいても、極めて高い有効成分の残存率を維持することが示された。また、遮光保存の残存率は、実施例1に関しては99.4%、比較例1に関しては102.1%であり、温度及び湿度条件により残存率は低下しないことが示された。

0067

(比較例4)
マンニトール88.5部を流動層造粒機に投入し、ナルフラフィン塩酸塩0.0025部の水溶液を噴霧して造粒顆粒を製造した。次に、造粒顆粒に没食子酸n−プロピル0.001部のエタノール溶液を添加して乳鉢で攪拌した。熱風乾燥機に40℃、6時間乾燥した後、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース10部及びステアリン酸マグネシウム1部を混合して、打錠用顆粒を得た。打錠用顆粒を、打錠機を用いて99.5mgの7mmφ錠剤とした。

0068

(実施例7)
比較例4の造粒顆粒に、没食子酸n−プロピル0.001部の代わりに没食子酸n−プロピル0.005部のエタノール溶液を添加したこと以外は比較例4と同様の手順で99.5mgのφ7mm錠剤を得た。

0069

(実施例8)
比較例4の造粒顆粒に、没食子酸n−プロピル0.001部の代わりに没食子酸n−プロピル0.01部のエタノール溶液を添加したこと以外は比較例4と同様の手順で99.5mgのφ7mm錠剤を得た。

0070

(実施例9)
比較例4の造粒顆粒に、没食子酸n−プロピル0.001部の代わりに没食子酸n−プロピル0.1部のエタノール溶液を添加したこと以外は比較例4と同様の手順で99.6mgのφ7mm錠剤を得た。

0071

(実施例10)
比較例4の造粒顆粒に、没食子酸n−プロピル0.001部の代わりに没食子酸n−プロピル1.0部のエタノール溶液を添加したこと以外は比較例4と同様の手順で100.5mgのφ7mm錠剤を得た。

0072

(実施例11)
比較例4の造粒顆粒に、没食子酸n−プロピル0.001部の代わりに没食子酸n−プロピル5部のエタノール溶液を添加したこと以外は比較例4と同様の手順で104.5mgのφ7mm錠剤を得た。

0073

比較例4及び実施例7〜11の錠剤について、試験例1に示される光安定性試験を実施した。比較例1及び4並びに実施例7〜11の錠剤中の成分及び固形製剤の重量あたりの各成分の重量%と、HPLCの結果として得られた、光照射後の有効成分の残存率を表2に示す。

0074

0075

表2に示されるように、安定化剤の添加量が0.001%(比較例4)では光に対して十分な安定化効果が認められないのに対して、0.005〜5%(実施例7〜実施例11)の範囲では光安定性が著しく向上した固形製剤が得られることが示された。

0076

(実施例12)
比較例4の造粒顆粒に、没食子酸n−プロピル1.0部を添加して混合した後、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース10部及びステアリン酸マグネシウム1部を混合して、打錠用顆粒を得た。打錠用顆粒を、打錠機を用いて100.5mgの7mmφ錠剤とした。

0077

(実施例13)
マンニトール88.5部を流動層造粒機に投入し、ナルフラフィン塩酸塩0.0025部及び没食子酸n−プロピル0.1部の2種を溶解した30%エタノール水溶液を噴霧して造粒顆粒を製造した。

0078

(実施例14)
実施例13で得られた造粒顆粒に、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース10部、ステアリン酸マグネシウム1部を混合して、打錠用顆粒を得た。打錠用顆粒を、打錠機を用いて99.5mgの7mmφ錠剤とした。

0079

(実施例15)
マンニトール88.5部を流動層造粒機に投入し、ナルフラフィン塩酸塩0.0025部及びチオ硫酸ナトリウム・5水和物0.1部の2種を溶解した水溶液を噴霧して造粒顆粒を製造した。次に、造粒顆粒に没食子酸n−プロピル0.1部のエタノール溶液を添加して乳鉢で攪拌した。熱風乾燥機に40℃、6時間乾燥した後、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース10部及びステアリン酸マグネシウム1部を混合して、打錠用顆粒を得た。打錠用顆粒を、打錠機を用いて99.7mgの7mmφ錠剤とした。

0080

(実施例16)
実施例15の造粒顆粒に、没食子酸n−プロピル0.1部の代わりに没食子酸n−プロピル0.5部のエタノール溶液を添加したこと以外は実施例15と同様の手順で100.1mgのφ7mm錠剤を得た。

0081

(実施例17)
実施例15の造粒顆粒に、没食子酸n−プロピル0.1部の代わりに没食子酸n−プロピル1部のエタノール溶液を添加したこと以外は実施例15と同様の手順で100.6mgのφ7mm錠剤を得た。

0082

(実施例18)
マンニトール88.5部を流動層造粒機に投入し、ナルフラフィン塩酸塩0.0025部、チオ硫酸ナトリウム・5水和物0.1部及び没食子酸n−プロピル0.1部の3種を溶解したエタノール30%水溶液を噴霧して造粒顆粒を製造した。

0083

(実施例19)
実施例18の造粒顆粒に、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース10部及びステアリン酸マグネシウム1部を混合して、打錠用顆粒を得た。打錠用顆粒を、打錠機を用いて99.7mgの7mmφ錠剤とした。

0084

(試験例2;製造時の有効成分に対する主要分解物Aの生成比率確認試験
実施例13及び18の造粒顆粒を更に30分間の通気乾燥した粉末中の有効成分に対する主要分解物Aの生成比率を、以下のHPLC分析により算出した。
<前処理条件>
粉末にメタノールを加えて、攪拌した後、遠心分離し上澄みを採取した。採取した溶液をロータリーエバポレーター濃縮乾固した後、移動層Aで再溶解してHPLCサンプルとした。
<HPLC条件>
移動相A : 50mMリン酸二水素ナトリウム溶液/アセトニトリル=95/5(v/v)
移動相B : 50mMリン酸二水素ナトリウム溶液/アセトニトリル=60/40(v/v)
カラム: YMC−PackODS−AM(YMC製、サイズ:4. ×250mm)
カラム温度: 40℃
検出波長: 280nm
流速: 1.0ml/min

0085

主要分解物Aの生成比率は以下の式2より算出した。
生成比率(%)=サンプルのHPLCにおける主要分解物Aのピーク面積値/サンプルの有効成分のピーク面積値×100 ・・・式2

0086

実施例13及び18の造粒顆粒の、製造直後の主要分解物Aの生成比率を表3に示す。

0087

0088

表3に示されるように、抗酸化剤のチオ硫酸ナトリウムを更に添加した実施例18は、実施例13と比較して製造時の主要分解物の生成比率を顕著に抑制することが示された。

0089

実施例12、実施例14〜17及び実施例19の錠剤について、試験例1に示される光安定性試験を実施した。実施例12、実施例14〜17及び実施例19の錠剤中の成分及び固形製剤の重量あたりの各成分の重量%と、HPLCの結果として得られた、光照射後の有効成分の残存率を、表4に示す。

0090

0091

表4に示されるように、安定化剤は粉末として添加した場合においても優れた光安定化効果が示された(実施例12)。また、有効成分と同時に噴霧した場合においても光安定性が向上することが示された(実施例14)。更に、抗酸化剤のチオ硫酸ナトリウムと併用しても、光安定化効果は維持され、安定化剤及びチオ硫酸ナトリウムの添加方法によらず優れた安定化効果が示された。

0092

(比較例5)
国際公開第99/002158号記載の顆粒剤を以下の通り製造した。乳糖(Pharmatose(登録商標)200M)68.9部及び結晶セルロース旭化成ケミカルズ株式会社製、セオラス(登録商標)PH−101)31部を乳鉢にとり、ナルフラフィン塩酸塩0.1部の水溶液を添加して攪拌した。その後、40℃、12時間乾燥し、造粒顆粒とした。

0093

(比較例6)
国際公開第99/002158号記載の顆粒剤を以下の通り製造した。乳糖(Pharmatose(登録商標)200M)68.8部及び結晶セルロース(旭化成ケミカルズ株式会社製、セオラス(登録商標)PH−101)31部を乳鉢にとり、ナルフラフィン塩酸塩0.1部及びチオ硫酸ナトリウム0.1部の2種を溶解した水溶液を添加して攪拌した。その後、40℃、12時間乾燥し、造粒顆粒とした。

0094

(比較例7)
マンニトール99.95部を乳鉢にとり、ナルフラフィン塩酸塩0.05部の水溶液を添加して攪拌した。その後、40℃、12時間乾燥し、造粒顆粒とした。

0095

(比較例8)
マンニトール99.99部を乳鉢にとり、ナルフラフィン塩酸塩0.01部の水溶液を添加して攪拌した。その後、40℃、12時間乾燥し、造粒顆粒とした。

0096

(実施例20)
マンニトール99.89部を乳鉢にとり、ナルフラフィン塩酸塩0.01部の水溶液を添加して攪拌した後、没食子酸n−プロピル0.1部のエタノール溶液を添加して攪拌した。その後、40℃、12時間乾燥し、造粒顆粒とした。

0097

(実施例21)
マンニトール88.5部を流動層造粒機に投入し、ナルフラフィン塩酸塩0.0025部、チオ硫酸ナトリウム0.1部及び没食子酸n−プロピル0.1部の3種を溶解した30%エタノール水溶液を噴霧して造粒顆粒を製造した。次に、造粒顆粒44.35部にマンニトール455.65部を添加して、V型混合機を用いて混合した。

0098

(試験例3;粉末の光安定性試験)
比較例5〜8並びに実施例20及び21の粉末をガラスシャーレ上に薄く広げ、白色蛍光灯(照度2000lux)環境下、総照度として4.8万lux・hrの粉末を取り出し、以下のHPLC分析により、光照射後の有効成分の残存率を式1と同様の計算式で算出した。
<前処理条件>
粉末に蒸留水を加えて懸濁又は溶解した後、遠心分離し上澄みをHPLCサンプルとした。
<HPLC条件>
試験例1と同一のHPLC条件で試験した。

0099

比較例5〜8並びに実施例20及び21の粉末について、試験例2に示される光安定性試験を実施した。比較例5〜8並びに実施例20及び21の粉末中の成分及び固形製剤の重量あたりの各成分の重量%と、HPLCの結果として得られた、光照射後の有効成分の残存率を、表5に示す。

0100

0101

表5に示されるように、国際公開第99/002158号記載の有効成分が0.1重量%の固形製剤(比較例5及び比較例6)、及び有効成分が0.05重量%の固形製剤(比較例7)は、安定化剤を添加することなく光安定性が確保され、本課題が特に低含量のナルフラフィンを含有する固形製剤に特有であることが示された。また本発明の効果は、有効成分が0.00025重量%の固形製剤においても示された。

0102

(比較例9)
特開昭58−57322号記載の光吸収剤であるバニリンを用いた。マンニトール99.8975部を乳鉢にとり、ナルフラフィン塩酸塩0.0025部の水溶液を添加して攪拌した後、バニリン(和光純薬工業株式会社製、和光特級)0.1部のエタノール溶液を添加して攪拌した。その後、40℃、12時間乾燥し、造粒顆粒とした。

0103

(比較例10)
特開昭58−57322号記載の光吸収剤であるp−アミノ安息香酸(和光純薬工業株式会社製、和光特級)を用いた。マンニトール99.8975部を乳鉢にとり、ナルフラフィン塩酸塩0.0025部の水溶液を添加して攪拌した後、p−アミノ安息香酸0.1部のエタノール溶液を添加して攪拌した。その後、40℃、12時間乾燥し、造粒顆粒とした。

0104

(実施例22)
マンニトール99.7975部を乳鉢にとり、ナルフラフィン塩酸塩0.0025部の水溶液を添加して攪拌した。三二酸化鉄(HUNTSMAN社製、SICOVIT RED30E172)0.1部を添加し、次に没食子酸n−プロピル0.1部のエタノール溶液を添加して攪拌した。その後、40℃、12時間乾燥し、造粒顆粒とした。

0105

(実施例23)
実施例21の造粒顆粒100部を乳鉢にとり、三二酸化鉄0.01部及びエタノール水溶液を添加して攪拌した。その後、12時間乾燥し、造粒顆粒とした。

0106

比較例9及び10並びに実施例22及び23の粉末について、試験例2に示される光安定性試験を実施した。比較例9及び10並びに実施例22及び23の粉末中の成分及び固形製剤の重量あたりの重量%と、HPLCの結果として得られた、光照射後の有効成分の残存率を表6に示す。

0107

実施例

0108

表6に示されるように、特開昭58−57322号記載の光吸収剤であるバニリン及びp−アミノ安息香酸では、本願発明の有効成分である上記一般式(I)で表される4,5−エポキシモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩の光安定化効果は不十分であり、有効成分により効果的な安定化方法は異なることが示された。また、実施例22に示すように本願発明の安定化剤に加えて、着色剤として三二酸化鉄を含有させることにより、光安定化効果が更に向上することが示された。さらに実施例23に示すように、三二酸化鉄の添加量は、特開2006−306754号公報に記載される、組成物に対する三二酸化鉄の添加率が0.1%と比較して少量となる、固形製剤に対する三二酸化鉄の添加率が0.01%であっても、有効成分の光安定性を向上することが示された。

0109

本発明によれば、4,5−エポキシモルヒナン誘導体又はその薬理学的に許容される酸付加塩を含有する固形製剤の光安定性が向上され、これまで困難であった錠剤の分割後や粉末状態での取り扱い性を大きく向上することで、調剤リスクの低下、患者服薬コンプライアンスを改善し、治療効果を向上させることができる。また、遮光性コーティングを行わなくても光に対して安定なため、製造工程を簡略なもとのし、また錠剤の速崩壊性を確保することができる。

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