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技術 樹脂組成物及びその用途、並びに樹脂組成物の製造方法

出願人 三菱ケミカル株式会社
発明者 村松雄介万代修作山内芳仁坂隆裕
出願日 2017年7月27日 (2年1ヶ月経過) 出願番号 2017-541121
公開日 2019年5月23日 (3ヶ月経過) 公開番号 WO2018-021495
状態 未査定
技術分野 高分子組成物
主要キーワード 熱可溶性 キレート交換樹脂 感光性レジスト樹脂 造粒用バインダー 着色評価 モルタル用添加剤 感熱発色層用塗工液 ブレンド剤
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課題・解決手段

スルホン酸又はその塩基を含有するPVA系樹脂を含有する樹脂組成物において、前記PVA系樹脂の高温下での着色(黄変)が抑制され、よって、高温下に晒されても着色(黄変)が低下される樹脂組成物を提供すること。本発明の樹脂組成物は、スルホン酸又はその塩基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)と塩素成分(B)を含有し、塩素成分(B)の含有量が、スルホン酸又はその塩基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)100質量部に対して、塩素原子換算で0.1質量部以下である。

概要

背景

ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂略記する。)は、優れた水溶性界面特性分散性保護コロイド性)、皮膜特性造膜性、強度、耐油性等)等を利用して、分散剤乳化剤懸濁剤繊維加工剤紙加工剤バインダー接着剤フィルム等に広く用いられている。
また、PVA系樹脂は、かかる水溶性を利用し、溶剤不要の水性塗工液として、感熱記録体保護層用感熱記録層用塗工液や、インクジェット記録媒体インク受容層用塗工液等に広く利用されている。

中でも、スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂は、負電荷を帯びているため、優れた分散性能を有するものであり、各種乳化剤、懸濁剤、分散剤に用いられている。
更には、感熱記録媒体感熱発色層用の塗工液にも用いられており、顕色剤ロイコ染料を分散させた塗工液として好適である。
感熱記録媒体は、支持基材上に、ロイコ染料、顕色剤及び分散剤を含む水分散液を塗工・乾燥して形成された感熱発色層を有しており、加熱によりロイコ染料と顕色剤が溶融して混ざり合い、反応して発色する。
例えば、特許文献1には、スルホン基を含むポリビニルアルコール誘導体を分散剤として用いることが提案されている。
また、近年では紫外線吸収性を高めることを目的として、例えば、特許文献2では、アセトアセチル基及びスルホン酸基を有するPVA系樹脂を用いることも提案されている。

概要

スルホン酸又はその塩基を含有するPVA系樹脂を含有する樹脂組成物において、前記PVA系樹脂の高温下での着色(黄変)が抑制され、よって、高温下に晒されても着色(黄変)が低下される樹脂組成物を提供すること。本発明の樹脂組成物は、スルホン酸又はその塩基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)と塩素成分(B)を含有し、塩素成分(B)の含有量が、スルホン酸又はその塩基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)100質量部に対して、塩素原子換算で0.1質量部以下である。

目的

本発明は、このような背景下において、スルホン酸又はその塩基を含有するPVA系樹脂を含有する樹脂組成物において、前記PVA系樹脂の高温下での着色(黄変)が抑制され、よって、高温下(具体的に、50〜200℃)に晒された場合の着色(黄変)が低下された樹脂組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

スルホン酸又はその塩基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)と塩素成分(B)を含有し、前記塩素成分(B)の含有量が、前記スルホン酸又はその塩基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)100質量部に対して、塩素原子換算で0.1質量部以下である樹脂組成物

請求項2

前記スルホン酸又はその塩基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)のスルホン酸又はその塩基の含有量が0.01〜10モル%である、請求項1記載の樹脂組成物。

請求項3

前記塩素成分(B)が塩化ナトリウムである、請求項1又は2記載の樹脂組成物。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなる分散剤

請求項5

請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物と、ロイコ染料顕色剤及び水を含有する感熱発色層用塗工液

請求項6

請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物を製造する方法であって、ビニルエステル系単量体とスルホン酸又はその塩基含有不飽和単量体を共重合し、得られた重合体ケン化する工程を含み、さらに、ケン化前に前記スルホン酸又はその塩基含有不飽和単量体の塩素成分を除去する工程、及びケン化後のスルホン酸又はその塩基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)の塩素成分を除去する工程のうちの少なくとも1つを含む樹脂組成物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、スルホン酸又はその塩基を含有するポリビニルアルコール系樹脂を含有する樹脂組成物に関し、更に詳しくは、特に分散剤塗工液に好適に使用される樹脂組成物及び該樹脂組成物を含有する分散剤や感熱発色層用塗工液に関する。

背景技術

0002

ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂略記する。)は、優れた水溶性界面特性分散性保護コロイド性)、皮膜特性造膜性、強度、耐油性等)等を利用して、分散剤、乳化剤懸濁剤繊維加工剤紙加工剤バインダー接着剤フィルム等に広く用いられている。
また、PVA系樹脂は、かかる水溶性を利用し、溶剤不要の水性塗工液として、感熱記録体保護層用感熱記録層用の塗工液や、インクジェット記録媒体インク受容層用塗工液等に広く利用されている。

0003

中でも、スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂は、負電荷を帯びているため、優れた分散性能を有するものであり、各種乳化剤、懸濁剤、分散剤に用いられている。
更には、感熱記録媒体感熱発色層用の塗工液にも用いられており、顕色剤ロイコ染料を分散させた塗工液として好適である。
感熱記録媒体は、支持基材上に、ロイコ染料、顕色剤及び分散剤を含む水分散液を塗工・乾燥して形成された感熱発色層を有しており、加熱によりロイコ染料と顕色剤が溶融して混ざり合い、反応して発色する。
例えば、特許文献1には、スルホン基を含むポリビニルアルコール誘導体を分散剤として用いることが提案されている。
また、近年では紫外線吸収性を高めることを目的として、例えば、特許文献2では、アセトアセチル基及びスルホン酸基を有するPVA系樹脂を用いることも提案されている。

先行技術

0004

日本国特開昭58−102794号公報
日本国特開2014−139000号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、スルホン酸又はその塩基を含有するPVA系樹脂は、加熱により黄変するという問題があり、かかる問題点については上記特許文献1及び2では何ら考慮されていないものであり、また、これまでも詳細な検討が行われてこなかった。
そこで、本発明は、このような背景下において、スルホン酸又はその塩基を含有するPVA系樹脂を含有する樹脂組成物において、前記PVA系樹脂の高温下での着色(黄変)が抑制され、よって、高温下(具体的に、50〜200℃)に晒された場合の着色(黄変)が低下された樹脂組成物を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0006

しかるに、本発明者等はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、これまではあまり着目されてこなかった、スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂に含有される塩素成分に着目し、かかる塩素成分をこれまで以上に低減させることにより、スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂の黄変を低下させることができることを見出し、本発明を完成した。

0007

即ち、本発明は、以下の(1)〜(6)に関する。
(1)スルホン酸又はその塩基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)と塩素成分(B)を含有し、前記塩素成分(B)の含有量が、前記スルホン酸又はその塩基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)100質量部に対して、塩素原子換算で0.1質量部以下である樹脂組成物。
(2)前記スルホン酸又はその塩基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)のスルホン酸又はその塩基の含有量が0.01〜10モル%である、前記(1)記載の樹脂組成物。
(3)前記塩素成分(B)が塩化ナトリウムである、前記(1)又は(2)記載の樹脂組成物。
(4)前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の樹脂組成物からなる分散剤。
(5)前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の樹脂組成物と、ロイコ染料、顕色剤及び水を含有する感熱発色層用塗工液。
(6)前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の樹脂組成物を製造する方法であって、ビニルエステル系単量体とスルホン酸又はその塩基含有不飽和単量体を共重合し、得られた重合体ケン化する工程を含み、さらに、ケン化前に前記スルホン酸又はその塩基含有不飽和単量体の塩素成分を除去する工程、及びケン化後のスルホン酸又はその塩基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)の塩素成分を除去する工程のうちの少なくとも1つを含む樹脂組成物の製造方法。

発明の効果

0008

本発明の樹脂組成物は、高温下においても着色(黄変)が少ないため、感熱記録媒体の発色層用塗工液を始め、フィルムや塗膜用途など、白色度や透明性が求められる場合などに有用である。例えば、感熱記録媒体の感熱発色層用の顕色剤の分散剤としても有用である。

0009

なお、塩素成分が着色(黄変)の原因である二重結合形成の触媒として作用するため、二重結合の形成をより抑えるためにも塩素成分が少ない樹脂組成物が重要であるが、本発明においては、より高温下での着色抑制が求められる背景下において、これまではあまり着目してこなかった塩素成分をこれまで以上に低減することにより、着色(黄変)の少ない樹脂組成物が得られたものである。

0010

以下、本発明について詳細に説明する。
なお、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されるものではない。
本明細書において、(メタアリルとはアリルあるいはメタリル、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリル、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味する。
また、本明細書において、質量で表される全ての百分率や部は、重量で表される百分率や部と同様である。

0011

本発明の樹脂組成物は、スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)と塩素成分(B)を含有する樹脂組成物である。まずはスルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)について説明する。

0012

〔スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)〕
本発明で用いられるスルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)は、PVA系樹脂の主鎖に直接又は結合鎖を介してスルホン酸又はその塩基を有するものであり、例えば、スルホン酸又はその塩基は下記一般式(1)で示される。

0013

0014

(式(1)中、Xは単結合又は結合鎖を示し、Mは水素原子アルカリ金属又はアンモニウム基を示す。)

0015

Xの結合鎖としては、二価連結基であれば特に限定されず、例えば、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキレン基、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルケニレン基、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキニレン基フェニレン基ナフチレン基等の炭化水素基(これらの炭化水素基はフッ素塩素臭素等のハロゲン等で置換されていてもよい。)の他、−O−、−(CH2O)m−、−(OCH2)m−、−(CH2O)mCH2−、−CO−、−COCO−、−CO(CH2)mCO−、−CO(C6H4)CO−、−S−、−CS−、−SO−、−SO2−、−NR−、−CONR−、−NRCO−、−CSNR−、−NRCS−、−NRNR−、−HPO4−、−Si(OR)2−、−OSi(OR)2−、−OSi(OR)2O−、−Ti(OR)2−、−OTi(OR)2−、−OTi(OR)2O−、−Al(OR)−、−OAl(OR)−、−OAl(OR)O−、等(Rは各々独立して任意の置換基であり、水素原子、炭素数1〜15のアルキル基が好ましく、またmは1〜5の整数である。)が挙げられる。これらの結合鎖は単独であっても、2種以上組み合わさった結合鎖でもよく、中でも製造時あるいは使用時の安定性の点で、単結合、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基が好ましい。

0016

Mのアルカリ金属としては、例えば、リチウムナトリウムカリウムルビジウムセシウム等が挙げられる。

0017

本発明のスルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)のケン化度(JIS K 6726に準拠して測定。)は、好ましくは75〜100モル%、特に好ましくは80〜95モル%、殊に好ましくは85〜90モル%である。かかるケン化度が低すぎると水溶性が低下する傾向がある。

0018

本発明のスルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)の平均重合度(JIS K 6726に準拠して測定。)は、好ましくは100〜4000、特に好ましくは150〜3000、殊に好ましくは200〜1500である。
かかる平均重合度が低すぎると塗膜にクラックが生じやすくなる傾向があり、高すぎると塗工等の作業性が低下する傾向がある。

0019

本発明のスルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)のスルホン酸又はその塩基の含有量は、好ましくは0.01〜10モル%、特に好ましくは0.1〜7モル%、殊に好ましくは1〜5モル%である。かかる含有量が低すぎると樹脂帯電性が低下したり、保護コロイド性が低下する傾向があり、高すぎると製造が困難となる傾向がある。

0020

本発明のスルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)の製造方法としては、例えば、(1)ビニルエステル系単量体とスルホン酸又はその塩基含有不飽和単量体を共重合しケン化する方法、(2)スルホン酸又はその塩基を有するアルコールアルデヒドあるいはチオールなどの官能基を有する化合物連鎖移動剤として共存させてビニルエステル系単量体を重合し、ケン化する方法、(3)PVA系樹脂を臭素、ヨウ素等で処理した後、酸性亜硫酸ソーダ水溶液で加熱する方法、(4)PVA系樹脂を濃厚硫酸水溶液中で加熱する方法、(5)PVA系樹脂をスルホン酸又はその塩基を有するアルデヒド化合物アセタール化する方法などがあげられる。上記(1)、(2)の方法においては、ケン化後にメタノール等のアルコール系溶媒を用いて洗浄することにより、カルボン酸を低減させることができる。
中でも製造時の安全面と作業性の点から、(1)のビニルエステル系単量体とスルホン酸又はその塩基含有不飽和単量体を共重合し、得られた重合体をケン化して得ることが好ましい。

0021

かかるビニルエステル系単量体としては、例えば、ギ酸ビニル酢酸ビニルプロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニルイソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニルカプリン酸ビニルラウリン酸ビニルステアリン酸ビニル安息香酸ビニルバーサチック酸ビニル等が挙げられる。中でも、経済的な点から酢酸ビニルが好ましく用いられる。

0022

スルホン酸又はその塩基含有不飽和単量体としては、例えば、(i)下記一般式(2)で表されるオレフィンスルホン酸又はその塩、(ii)下記一般式(3)又は(4)で表されるスルホアルキルマレート、(iii)下記一般式(5)、(6)又は(7)で表されるスルホアルキル(メタ)アクリルアミド、(iv)下記一般式(8)で表されるスルホアルキル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。

0023

0024

[式(2)中、R1は炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Mは水素原子、アルカリ金属又はアンモニウム基を示す。]

0025

0026

[式(3)中、R2は炭素数1〜3のアルキル基、nは2〜4の整数、Mは水素原子、アルカリ金属又はアンモニウム基を示す。]

0027

0028

[式(4)中、nは2〜4の整数、Mは水素原子、アルカリ金属又はアンモニウム基を示す。]

0029

0030

[式(5)中、R3及びR4はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、nは2〜4の整数、Mは水素原子、アルカリ金属又はアンモニウム基を示す。]

0031

0032

[式(6)中、R5は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、nは2〜4の整数、Mは水素原子、アルカリ金属又はアンモニウム基を示す。]

0033

0034

[式(7)中、R6は炭素数1〜3のアルキル基、R7、R8、R9及びR10はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、Mは水素原子、アルカリ金属又はアンモニウム基を示す。]

0035

0036

[式(8)中、R11は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、nは2〜4の整数、Mは水素原子、アルカリ金属又はアンモニウム基を示す。]

0037

上記のオレフィンスルホン酸又はその塩の具体例としては、例えば、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸又はその塩が挙げられる。
また、上記のスルホアルキルマレートの具体例としては、例えば、ナトリウムスルホプロピル−2−エチルヘキシルマレート、ナトリウムスルホプロピルトリデシルマレート、ナトリウムスルホプロピルエイコシルマレート等が挙げられる。
また、上記のスルホアルキル(メタ)アクリルアミドとしての具体例としては、例えば、ナトリウムスルホメチルアクリルアミド、ナトリウムスルホ−t−ブチルアクリルアミド、ナトリウムスルホ−s−ブチルアクリルアミド、ナトリウムスルホ−t−ブチルメタクリルアミド等が挙げられる。
さらに、上記のスルホアルキル(メタ)アクリレートとしての具体例としては、例えば、ナトリウムスルホエチルアクリレート等が挙げられる。
共重合により導入する場合、上記スルホン酸又はその塩基含有不飽和単量体の中でもオレフィンスルホン酸又はその塩が好適に使用される。

0038

また、本発明においては、上記の共重合成分以外にも本発明の目的を阻害しない範囲において、他の単量体を0.1〜10モル%程度共重合させることも可能である。他の単量体としては、例えば、エチレンプロピレンイソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のα−オレフィン類;アクリル酸メタクリル酸クロトン酸マレイン酸無水マレイン酸イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類アルキルビニルエーテル類;ジメチルアリルビニルケトン;N−ビニルピロリドン塩化ビニル塩化ビニリデンポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテルポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル;ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート;ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド;ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピルエステル;ポリオキシエチレンビニルエーテル;ポリオキシプロピレンビニルエーテル;ポリオキシエチレンアリルアミン;ポリオキシプロピレンアリルアミン;ポリオキシエチレンビニルアミン;ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられる。

0039

さらに、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、3−ブテントリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有単量体;アセトアセチル基含有単量体;3,4−ジアセトキシ−1−ブテン;1,4−ジアセトキシ−2−ブテン;エチレンカーボネートビニルエチレンカーボネートグリセリンモノアリルエーテル酢酸イソプロペニル;1−メトキシビニルアセテート等も挙げられる。

0040

中でも、エチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のα−オレフィン類を共重合成分として得られる、α−オレフィン−ビニルアルコール共重合体は、乳化力向上や水溶液の粘度安定性の点で好ましく、かかるα−オレフィン類の好ましい含有量は0.1〜10モル%である。

0041

上記のビニルエステル系単量体とスルホン酸又はその塩基含有不飽和単量体を共重合する方法としては、特に制限はなく、塊状重合溶液重合懸濁重合分散重合、またはエマルジョン重合等の公知の方法を採用することができるが、通常は溶液重合が行われる。

0042

共重合時の単量体成分仕込み方法としては特に制限されず、一括仕込み分割仕込み連続仕込み等任意の方法が採用される。

0043

かかる共重合で用いられる溶媒としては、通常、メタノール、エタノールイソプロピルアルコールn−プロパノールブタノール等の低級アルコールアセトンメチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられ、工業的には、炭素数1〜3のアルコール、特にはメタノールが好適に使用される。
溶媒の使用量は、目的とする共重合体重合度に合わせて、溶媒の連鎖移動定数を考慮して適宜選択すればよく、例えば、溶媒がメタノールの時は、S(溶媒)/M(単量体)=0.01〜10(質量比)、好ましくは0.05〜3(質量比)程度の範囲から選択される。

0044

共重合に当たっては重合触媒が用いられ、かかる重合触媒としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル過酸化アセチル過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の公知のラジカル重合触媒アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスメトキシジメチルバレロニトリル等の低温活性ラジカル重合触媒等が挙げられる。重合触媒の使用量は、触媒の種類により異なり一概には決められないが、重合速度に応じて任意に選択される。例えば、アゾイソブチロニトリルや過酸化アセチルを用いる場合、ビニルエステル系単量体に対して0.01〜1.0モル%が好ましく、特には0.02〜0.5モル%が好ましい。
また、共重合反応反応温度は、使用する溶媒や圧力により30℃〜沸点程度で行われ、より具体的には、35〜150℃、好ましくは40〜75℃の範囲で行われる。

0045

得られた共重合体は、次いでケン化される。かかるケン化は、上記で得られた共重合体をアルコール又は含水アルコールに溶解し、アルカリ触媒又は酸触媒を用いて行われる。
アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノール等の低級アルコールが挙げられるが、中でも炭素数1〜3のアルコール、特にはメタノールが好ましく用いられる。アルコール中の共重合体の濃度は、系の粘度により適宜選択されるが、通常は10〜60質量%の範囲から選ばれる。ケン化に使用される触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム水酸化カリウムナトリウムメチラートナトリウムエチラート、カリウムメチラート、リチウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物アルコラートの如きアルカリ触媒;硫酸塩酸硝酸、メタスルフォン酸ゼオライトカチオン交換樹脂等の酸触媒が挙げられる。

0046

かかるケン化触媒の使用量については、ケン化方法、目標とするケン化度等により適宜選択されるが、アルカリ触媒を使用する場合は通常、ビニルエステル系単量体及び一般式(2)〜(8)で示される化合物の合計量1モルに対して0.1〜30ミリモル、好ましくは2〜15ミリモルの割合が適当である。
また、ケン化反応の反応温度は特に限定されないが、10〜60℃であることが好ましく、20〜50℃であることが特に好ましい。
かくして、本発明で用いられるスルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)が得られる。

0047

次に本発明の樹脂組成物について説明する。
〔樹脂組成物〕
本発明の樹脂組成物はスルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)と塩素成分(B)を含有するものであり、塩素成分(B)はスルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)を製造する際の原料由来すると推測される。例えば、スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)が上記した(1)ビニルエステル系単量体とスルホン酸又はその塩基含有不飽和単量体を共重合しケン化する方法により製造される場合、スルホン酸又はその塩基含有不飽和単量体に不純物として混入していた塩素がケン化触媒(例えば、水酸化ナトリウム)と反応し、塩化物(例えば、塩化ナトリウム)としてスルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)中に存在すると推測される。
よって、塩素成分(B)は、樹脂組成物中で塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化マグネシウム(MgCl2)等の塩化物として存在する。

0048

本発明の樹脂組成物は、塩素成分(B)の含有量が、スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)100質量部に対して、塩素原子換算で0.1質量部以下であり、好ましくは0.075質量部以下、特に好ましくは0.05質量部以下である。かかる量が多すぎると着色することとなる。また下限値については、通常0.001質量部程度であり、好ましくは0.005質量部である。
塩素成分(B)の具体的な含有量としては、例えば、スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)100質量部に対して、塩素原子換算で0.001〜0.1質量部であることが好ましい。
なお、塩素成分(B)の測定方法としては、蛍光X線による方法が用いられる。

0049

樹脂組成物中の塩素成分(B)をスルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)100質量部に対して、0.1質量部以下とする方法としては、ビニルエステル系単量体とスルホン酸又はその塩基含有不飽和単量体を共重合し、得られた重合体をケン化する工程を含み、さらに、ケン化前に前記スルホン酸又はその塩基含有不飽和単量体の塩素成分を除去する工程、及びケン化後のスルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)の塩素成分を除去する工程のうちの少なくとも一つを含む方法であることが好ましい。具体的には、例えば、(i)スルホン酸又はその塩基含有不飽和単量体の塩素成分を除去又は低減(例えば、不飽和単量体100重量部に対して、塩素成分が0.3重量部以下)し、ビニルエステル系単量体と共重合してケン化する方法、(ii)スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)を製造した後に、スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)に含まれる塩素成分を除去又は低減する方法が挙げられるが、塩素成分の含有量の制御をしやすい点で(i)の方法が好ましい。
(i)の方法は詳細には、スルホン酸又はその塩基含有不飽和単量体を溶媒(水及び/又はアルコールなど)で洗浄し、ろ過する方法、溶媒中で合成したスルホン酸又はその塩基含有不飽和単量体を濃縮乾固しアルコールにより抽出する方法、ケン化前のビニルエステル系単量体とスルホン酸又はその塩基含有不飽和単量体との共重合体を洗浄し、ろ過する方法が挙げられ、中でも純度の点から、スルホン酸又はその塩基含有不飽和単量体を溶媒(水及び/又はアルコールなど)で洗浄し、ろ過する方法が好ましい。

0050

かくして、本発明の樹脂組成物が得られる。
本発明の樹脂組成物は、高温下に晒されても着色(黄変)の少ないものであり、種々の用途に有効に用いられる。
本発明の樹脂組成物の用途としては、例えば、下記の(1)〜(10)に示すような各種用途が挙げられる。
(1)成形物関係:繊維、フィルム、シートパイプチューブ、防漏膜、暫定皮膜ケミカルレース用、水溶性繊維等。
(2)接着剤関係:木材、紙、アルミ箔プラスチック等の接着剤、粘着剤、再湿剤、不織布用バインダー石膏ボード繊維板等の各種建材用バインダー、各種粉体造粒用バインダーセメントモルタル用添加剤ホットメルト型接着剤感圧接着剤アニオン性塗料固着剤等。
(3)被覆剤関係:紙のクリアーコーティング剤、紙の顔料コーティング剤、紙の内添サイズ剤繊維製品用サイズ剤経糸糊剤、繊維加工剤、皮革仕上げ剤、塗料、防曇剤金属腐食防止剤亜鉛メッキ光沢剤帯電防止剤導電剤、暫定塗料等。
(4)疎水性樹脂ブレンド剤関係:疎水性樹脂の帯電防止剤、および親水性付与剤複合繊維、フィルムその他成形物用添加剤等。
(5)懸濁分散安定剤関係:感熱発色層用塗工液の顕色剤用分散剤、塗料、墨汁水性カラー、接着剤等の顔料分散安定剤、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等の各種ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤等。
(6)乳化分散安定剤関係:各種アクリルモノマーエチレン性不飽和化合物ブタジエン性化合物の乳化重合用乳化剤ポリオレフィンポリエステル樹脂等疎水性樹脂、エポキシ樹脂パラフィンビチューメン等の後乳化剤等。
(7)増粘剤関係:各種水溶液エマルジョン石油掘削流体の増粘剤等。
(8)凝集剤関係:水中懸濁物及び溶存物の凝集剤、パルプスラリー濾水性等。
(9)交換樹脂等関係:イオン交換樹脂キレート交換樹脂イオン交換膜等。
(10)その他:土壌改良剤感光剤感光性レジスト樹脂等。
上記の中でも特に、本発明の樹脂組成物は、各種分散液の分散剤として有用であり、特に感熱記録媒体の感熱発色層用塗工液の顕色剤の分散剤として有用である。

0051

〔感熱発色層用塗工液〕
次に、本発明の感熱発色層用塗工液について説明する。
本発明の感熱記録発色層用塗工液には、上記のスルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)及び塩素成分(B)を含有してなる樹脂組成物とロイコ染料と顕色剤と水を含有するものであり、スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)が分散剤となってロイコ染料、顕色剤を分散させたものである。

0052

本発明の感熱発色層用塗工液のpHは、6.4〜8であり、好ましくは6.4〜7.5、特に好ましくは6.5〜7である。かかるpHが小さすぎても大きすぎても増粘する傾向がある。pHの調整方法としては、(1)スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)の製造時に生成するカルボン酸塩の量をスルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂をアルコールなどの溶剤で洗浄する際にコントロールする方法、(2)塗工液にpH調整剤を添加する方法、(3)スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)にアルカリを添加する方法などが挙げられ、手間が少なく簡単であることから(1)の方法が好ましい。

0053

また、(1)の方法において、カルボン酸塩の含有量は、スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)中に、通常2.5〜8質量%、好ましくは3〜5質量%である。通常は、ケン化が終了したスルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)を1回〜数回溶剤を用いて洗浄し、カルボン酸塩を低減(通常0.1〜2.4質量%)させているが、カルボン酸塩の含有量を2.5質量%以上にするためには、洗浄回数を少なくしたり、洗浄を行わない方法、または洗浄後にカルボン酸塩を添加する方法等が挙げられる。
カルボン酸塩のカルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸酪酸安息香酸などが挙げられ、塩としてはアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩が挙げられる。中でもカルボン酸は酢酸が好ましく、塩としてはアルカリ金属塩、特にナトリウム塩が好ましく、具体的には酢酸ナトリウムである。

0054

本発明の感熱発色層用塗工液の製造方法としては、通常、ロイコ染料を含有する分散液と、顕色剤を含有する分散液とを別々に調製し、両者を混合することにより製造される。
ロイコ染料含有分散液または顕色剤含有分散液を調製するには、上記のスルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂(A)及び塩素成分(B)を含有する樹脂組成物を分散剤に使用して、ロイコ染料及び顕色剤を分散させる。なお、ロイコ染料含有分散液および顕色剤含有分散液の両者において上記本発明の樹脂組成物を分散剤に使用する場合に限定されず、少なくとも一方の分散液において上記本発明の樹脂組成物を使用することができる。この場合、少なくとも顕色剤含有分散液において上記本発明の樹脂組成物を使用することが好ましい。

0055

本発明の樹脂組成物の使用量としては、特に制限はないが、顕色剤100質量部に対して、通常1〜40質量部、特に1〜10質量部、さらに1〜5質量部が好ましい。かかる使用量が少なすぎると、分散不良が起きる傾向があり、使用量が多すぎると、塗工液の発泡が増大する傾向がある。

0056

ロイコ染料含有分散液および顕色剤含有分散液は、サンドグラインダーアトライター、ビーズミルボールミルサンドミルビスコミル、3本ロールエクストルーダーニーダーホモジナイザー等の公知の分散機で分散することによって調製することができる。ロイコ染料含有分散液および顕色剤含有分散液における分散粒径は、通常0.1〜10μmであり、好ましくは0.2〜2μm、より好ましくは0.3〜1μmである。分散粒径が大きすぎると、解像度の低下や発色不良を起こす傾向があり、分散粒径が小さすぎると、地肌の発色、画像濃度の低下や発色不良を起こす傾向がある。なお、分散粒径は、分散時間等の分散条件により適宜調整することができる。

0057

ロイコ染料含有分散液と顕色剤含有分散液とを混合した後の塗工液における固形分濃度は、通常20〜70質量%、好ましくは30〜60質量%、より好ましくは40〜50質量%である。固形分が薄すぎると、画像が不鮮明となる傾向があり、固形分が濃すぎると、塗工不良となる傾向がある。

0058

本発明の感熱発色層用塗工液は、必要に応じて、補助添加成分、例えば、フィラー界面活性剤熱可溶性物質(又は滑剤)、圧力発色防止剤等をさらに含有していてもよい。

0059

以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下、「%」、「部」とあるのは、質量基準を意味する。

0060

(実施例1)
〔スルホン酸又はその塩基含有不飽和単量体の製造〕
常法に従い、スルホン酸又はその塩基含有不飽和単量体としてアリルスルホン酸ナトリウムを製造し、水/アルコール(混合比5/5)の混合溶媒で、洗浄し、熱ろ過(温度:50℃)を行い、アリルスルホン酸ナトリウム1を得た。蛍光X線にて、アリルスルホン酸ナトリウム1中の塩素の含有量を測定した。その結果、アリルスルホン酸ナトリウム62部のうち塩素の含有量は0.16部であった。

0061

〔樹脂組成物1の製造〕
還流冷却器滴下漏斗撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル1000部、メタノール422部、上記で得られたアリルスルホン酸ナトリウム1を62部仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを1.4部投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、還流させながら重合を行った。
途中、アゾビスイソブチロニトリルを1.4部ずつ4回投入し、酢酸ビニルの重合率酢酸ビニルモノマー仕込み量の全量の96.4%となった時点で、m−ジニトロベンゼン0.1部を添加して重合を終了し、酢酸ビニルとアリルスルホン酸ナトリウムの共重合体を得た。続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液をメタノールで希釈して上記で得られた酢酸ビニルとアリルスルホン酸ナトリウム1の共重合体のメタノール溶液の固形分濃度55%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を35℃に保ちながら、水酸化ナトリウムのメタノール溶液(ナトリウムの濃度が水酸化ナトリウムのメタノール溶液全体の2%)を共重合体中の酢酸ビニル構造単位1モルに対して8ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物析出し、粒子状となった時点で、濾別し、メタノールで洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂と塩素成分を含有する樹脂組成物1を得た。
塩素成分の含有量は、スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂100部に対して、塩素原子換算で0.092部であった。

0062

得られたスルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂のケン化度は、残存酢酸ビニル単位加水分解に要するアルカリ消費量分析を行ったところ、87.3モル%であり、平均重合度は、JIS K 6726に準じて測定したところ、200であった。また、該スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂中のスルホン酸又は塩基含有量変性率)は、NMR測定より算出した結果、2.7モル%であった。

0063

着色評価
上記で得られた樹脂組成物1の10%水溶液を膜厚100μmになるよう型枠流し込み、23℃、50%RHの条件下で3日間乾燥してキャストフィルムを作製した。得られたキャストフィルムを150℃、5時間熱処理し、分光測色計CM−2600d(コニカミノルセンシング株式会社製)を用いて透過法にてYI値を測定した。結果を表1に示す。

0064

(実施例2)
〔樹脂組成物2の製造〕
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル1000部、メタノール422部、上記で得られたアリルスルホン酸ナトリウム1を116部仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを1.4部投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、還流させながら重合を行った。
途中、アゾビスイソブチロニトリルを1.4部ずつ4回投入し、酢酸ビニルの重合率が酢酸ビニルモノマー仕込み量の全量の96.4%となった時点で、m−ジニトロベンゼン0.1部を添加して重合を終了し、酢酸ビニルとアリルスルホン酸ナトリウム1の共重合体を得た。続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液をメタノールで希釈して上記で得られた酢酸ビニルとアリルスルホン酸ナトリウム1の共重合体のメタノール溶液の固形分濃度55%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を35℃に保ちながら、水酸化ナトリウムのメタノール溶液(ナトリウムの濃度が水酸化ナトリウムのメタノール溶液全体の2%)を共重合体中の酢酸ビニル構造単位1モルに対して8ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、粒子状となった時点で、濾別し、メタノールで洗浄し、更に濾別し、メタノールで洗浄して、熱風乾燥機中で乾燥し、スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂と塩素成分を含有する樹脂組成物を得た。
塩素成分の含有量は、スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂100部に対して、塩素原子換算で0.005部であった。

0065

得られたスルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂のケン化度は、残存酢酸ビニル単位の加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ、86.5モル%であり、平均重合度は、JIS K 6726に準じて測定したところ、200であった。また、該スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂中のスルホン酸又は塩基含有量スルホニル基含有量(変性率)は、NMR測定より算出した結果、3.9モル%であった。

0066

上記で得られた樹脂組成物2について、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。

0067

(比較例1)
実施例1において、アリルスルホン酸ナトリウム1に替えて、塩素成分を0.28部含有するアリルスルホン酸ナトリウム3を62部用いた以外は同様に行い、樹脂組成物3を得、得られた樹脂組成物3について、実施例1と同様に評価した。
得られた樹脂組成物3の塩素成分の含有量は、スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂100部に対して、塩素原子換算で0.241部であった。

0068

(比較例2)
実施例1において、アリルスルホン酸ナトリウム1に替えて、塩素成分を0.31部含有するアリルスルホン酸ナトリウム4を62部用いた以外は同様に行い、樹脂組成物4を得、得られた樹脂組成物4について、実施例1と同様に評価した。
得られた樹脂組成物4の塩素成分の含有量は、スルホン酸又はその塩基含有PVA系樹脂100部に対して、塩素原子換算で0.225部であった。

0069

(参考例1)
実施例1において、樹脂組成物1に替えて、未変性PVA(ケン化度88モル%、重合度300)と塩素成分を含有する樹脂組成物5を用いた以外は同様にして、着色評価を行った。結果を表1に示す。
得られた樹脂組成物5の塩素成分の含有量は、PVA100部に対して、塩素原子換算で0.062部であった。

0070

(参考例2)
実施例1において、樹脂組成物1に替えて、未変性PVA(ケン化度88モル%、重合度300)と塩素成分を含有する樹脂組成物6を用いた以外は同様にして、着色評価を行った。結果を表1に示す。
得られた樹脂組成物6の塩素成分の含有量は、PVA100部に対して、塩素原子換算で0.207部であった。

0071

0072

上記表1の結果より、実施例1及び2の樹脂組成物は、YI値が低く黄変が小さかったのに対して、塩素の含有量が多い比較例1及び2は、高温下においては黄変が大きいものであった。
また、未変性のPVAについては塩素の含有量は着色に影響しないものであった。

実施例

0073

本発明を詳細にまた特定の実施形態を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は、2016年7月29日出願の日本特許出願(特願2016−149369)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

0074

本発明の樹脂組成物は、着色(黄変)が少ないため、各種コーティング各分散液の分散剤として有用であり、特に感熱記録媒体の感熱発色層用塗工液の顕色剤の分散剤として有用である。

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