図面 (/)

技術 皮脂量増加剤およびヒアルロン酸産生促進剤

出願人 学校法人東京薬科大学東阿阿膠股ふん有限公司
発明者 佐藤隆秋元賀子伊東晃秦玉峰周祥山
出願日 2017年7月21日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2018-528897
公開日 2019年5月9日 (2ヶ月経過) 公開番号 WO2018-016631
状態 未査定
技術分野 動物,微生物物質含有医薬 医薬品製剤 化粧料 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 乾燥出口温度 スプレードライ装置 水分蒸散 粒度分析 皮脂中 皮脂量 促進成分 皮脂産生
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年5月9日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題・解決手段

天然物由来の有効成分を含む、高活性皮脂量増加剤およびヒアルロン酸産生促進剤を提供する。本発明は、阿を有効成分として含む、皮脂量増加剤およびヒアルロン酸産生促進剤である。

概要

背景

皮膚は生体の最外郭に位置する器官であり、生体防御感覚体温調節および排泄作用などの重要な生理機能を担っている。また、このような機能は、皮膚の主構成である表皮線維芽細胞のみならず、脂腺皮脂腺)などの皮膚付属器官により調節されている。すなわち、表皮、真皮および脂腺などの機能を統合的に調節し、かつ維持することが皮膚の構造的および機能的バリアーの構築に必須であると考えられる。

脂腺から分泌される皮脂の主成分は、脂腺細胞で合成されるトリアシルグリセロールであり、その他にワックスエステルスクワレン等の脂腺特有の脂質が含まれている。脂腺から排出された皮脂は、皮膚からの水分蒸散を抑えて皮膚の恒常性を維持するほか、皮脂中のトリアシルグリセロールが分解されて生じる遊離脂肪酸の存在によって表皮を低pHに保持し、弱酸性脂質膜有害物質に対する緩衝作用生体防御機能をも果たしている。したがって、皮脂合成や産生が不十分であると、生体防御機構が十分に機能し得ず、また、アレルギー症状憎悪化等も誘発しかねない。

皮脂産生促進成分として、安全性の高い天然物由来の有効成分の開発が求められている。特許文献1には、発芽ブロッコリー由来成分を有効成分とすることを特徴とする皮脂産生促進剤にかかる発明が記載されている。

ヒアルロン酸HA)は、コラーゲンエラスチン等のタンパク質とともに細胞外マトリックスを構成する、グリコサミノグリカン一種である。ヒアルロン酸は保水力に優れるため、皮膚の保湿に寄与していると考えられている。

皮膚組織におけるヒアルロン酸の産生は、主として線維芽細胞が担っていると考えられている。ヒアルロン酸は、グルクロン酸N−アセチルグルコサミンとを構成単位とし、生体内においてはヒアルロン酸合成酵素(HAS)によって合成され、ヒアルロニダーゼ等の分解酵素によって分解される。一方、加齢より線維芽細胞増殖能が低下したりヒアルロン酸合成能が低下したりすると、皮膚組織中のヒアルロン酸量は低下する。これにより、皮膚の保湿性弾力性が損なわれ、加齢に伴うシワの発生や肌荒れの原因となっていると考えられている。

ヒアルロン酸産生促進成分として、安全性の高い天然物由来の有効成分の開発が求められている。特許文献2には、コラーゲンペプチドヒアルロン酸産生促進剤にかかる発明が記載されている。

概要

天然物由来の有効成分を含む、高活性皮脂量増加剤およびヒアルロン酸産生促進剤を提供する。本発明は、阿を有効成分として含む、皮脂量増加剤およびヒアルロン酸産生促進剤である。

目的

本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、天然物由来の有効成分を含む、高活性な皮脂量増加剤およびヒアルロン酸産生促進剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

を有効成分として含む、皮脂量増加剤

請求項2

ロバ(EquusasinusL.)の皮の熱水抽出物を得ること、および真空乾燥により前記熱水抽出物の乾燥物を得ることを含む、皮脂量増加剤の製造方法。

請求項3

阿膠を有効成分として含む、ヒアルロン酸産生促進剤

請求項4

前記阿膠が、ヒアルロニダーゼ処理物である、請求項3に記載のヒアルロン酸産生促進剤。

請求項5

ロバ(EquusasinusL.)の皮の熱水抽出物を得ること、およびスプレードライにより前記熱水抽出物の乾燥物を得ることを含む、ヒアルロン酸産生促進剤の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、阿を有効成分として含む、皮脂量増加剤およびヒアルロン酸産生促進剤に関する。

背景技術

0002

皮膚は生体の最外郭に位置する器官であり、生体防御感覚体温調節および排泄作用などの重要な生理機能を担っている。また、このような機能は、皮膚の主構成である表皮線維芽細胞のみならず、脂腺皮脂腺)などの皮膚付属器官により調節されている。すなわち、表皮、真皮および脂腺などの機能を統合的に調節し、かつ維持することが皮膚の構造的および機能的バリアーの構築に必須であると考えられる。

0003

脂腺から分泌される皮脂の主成分は、脂腺細胞で合成されるトリアシルグリセロールであり、その他にワックスエステルスクワレン等の脂腺特有の脂質が含まれている。脂腺から排出された皮脂は、皮膚からの水分蒸散を抑えて皮膚の恒常性を維持するほか、皮脂中のトリアシルグリセロールが分解されて生じる遊離脂肪酸の存在によって表皮を低pHに保持し、弱酸性脂質膜有害物質に対する緩衝作用生体防御機能をも果たしている。したがって、皮脂合成や産生が不十分であると、生体防御機構が十分に機能し得ず、また、アレルギー症状憎悪化等も誘発しかねない。

0004

皮脂産生促進成分として、安全性の高い天然物由来の有効成分の開発が求められている。特許文献1には、発芽ブロッコリー由来成分を有効成分とすることを特徴とする皮脂産生促進剤にかかる発明が記載されている。

0005

ヒアルロン酸HA)は、コラーゲンエラスチン等のタンパク質とともに細胞外マトリックスを構成する、グリコサミノグリカン一種である。ヒアルロン酸は保水力に優れるため、皮膚の保湿に寄与していると考えられている。

0006

皮膚組織におけるヒアルロン酸の産生は、主として線維芽細胞が担っていると考えられている。ヒアルロン酸は、グルクロン酸N−アセチルグルコサミンとを構成単位とし、生体内においてはヒアルロン酸合成酵素(HAS)によって合成され、ヒアルロニダーゼ等の分解酵素によって分解される。一方、加齢より線維芽細胞増殖能が低下したりヒアルロン酸合成能が低下したりすると、皮膚組織中のヒアルロン酸量は低下する。これにより、皮膚の保湿性弾力性が損なわれ、加齢に伴うシワの発生や肌荒れの原因となっていると考えられている。

0007

ヒアルロン酸産生促進成分として、安全性の高い天然物由来の有効成分の開発が求められている。特許文献2には、コラーゲンペプチドのヒアルロン酸産生促進剤にかかる発明が記載されている。

先行技術

0008

特開2009−114152号公報
特開2014−210766号公報

0009

本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、天然物由来の有効成分を含む、高活性な皮脂量増加剤およびヒアルロン酸産生促進剤を提供することを目的とする。

0010

本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、阿膠を有効成分として含む剤によって上記課題が解決されることを見出し、本発明の完成に至った。

図面の簡単な説明

0011

図1は、阿膠(真空)、スプレー阿膠、由来ペプチドペプチドFPC)、ブタ由来ペプチド(PRA−PC)または変性コラーゲンゼラチン)を含む培地で3日毎に処理をして6日間培養したハムスター脂腺細胞における、細胞内のトリアシルグリセロール(TG)量を示す(図中、「**」(p<0.01)および「***」(p<0.001)は対照群(Cont)に対して統計的に有意であることを示す。)。
図2は、インスリン陽性対照)、阿膠(真空)またはスプレー阿膠を含む培地で3日毎に処理をして6日間培養したハムスター脂腺細胞の、オイルレッドO染色像である。
図3は、阿膠(真空)またはスプレー阿膠を含む培地でヒト表皮細胞を24時間培養した後における、培地中のヒアルロン酸(HA)量を示す(図中、「*」(p<0.05)および「***」(p<0.001)は対照群(Cont)に対して統計的に有意であること、ならびに「#」(p<0.05)、「##」(p<0.01)および「###」(p<0.001)はIL−1α処理細胞に対して統計的に有意であることを示す。)。
図4は、阿膠(真空)またはスプレー阿膠を含む培地で24時間培養したヒト表皮細胞における、ヒアルロン酸合成酵素−2(HAS−2)mRNA相対発現量を示す(図中、「*」(p<0.05)は対照群(Cont)に対して有意であること、および「##」(p<0.01)はIL−1α処理細胞に対して統計的に有意であることを示す。)。
図5は、阿膠(真空)またはスプレー阿膠を添加した新鮮培地中のヒアルロン酸(HA)量(図5A)、およびヒアルロニダーゼ存在下または非存在下にて前処理したスプレー阿膠を添加した培地中のヒアルロン酸(HA)量(図5B)を示す。
図6は、ヒアルロニダーゼ存在下または非存在下にて前処理したスプレー阿膠を含む培地で24時間培養したヒト表皮細胞における、HAS−2 mRNAの相対発現量を示す(図中、「*」(p<0.05)および「**」(p<0.01)は対照群(Cont)に対して統計的に有意であることを示す。)。
図7は、スプレー阿膠を含む培地でヒト表皮細胞を24時間培養後、紫外線(UVB、0.6kJ/m2)を照射し、さらに24時間培養した後における、培地中のヒアルロン酸(HA)量を示す(図中、「***」(p<0.001)は紫外線未照射(None)に対して統計的に有意であること、および「###」(p<0.001)は対照群(Cont)に対して統計的に有意であることを示す。)。

0012

以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。

0013

本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%RHの条件で行う。

0014

本発明の一形態は、阿膠を有効成分として含む、皮脂量増加剤である。当該形態の別の側面は、皮脂量増加剤の製造における阿膠の使用に関する。当該形態のさらなる側面は、皮脂量増加のための阿膠に関する。

0015

本発明の別の形態は、阿膠を有効成分として含む、ヒアルロン酸産生促進剤である。当該形態の別の側面は、ヒアルロン酸産生促進剤の製造における阿膠の使用に関する。当該形態のさらなる側面は、ヒアルロン酸産生促進のための阿膠に関する。

0016

本発明によれば、天然物由来の有効成分を含む、高活性な皮脂量増加剤およびヒアルロン酸産生促進剤を提供することができる。

0017

阿膠は日本薬局方外生規格掲載される生薬であり、ウマ科動物であるロバ(Equus asinus L.)の皮の抽出物である。阿膠には補血止血等の作用があるといわれており、美白化粧品の有効成分として利用が検討されている。なお、本明細書において用いられる「阿膠」には、ロバの皮の熱水抽出物煎出物)をさらに精製した精製物、任意の分解酵素等で処理した酵素処理物等の加工品も、所望の効果が得られる限りにおいて、含まれ得る。

0018

本発明の一実施形態では、ヒアルロン酸産生促進剤に有効成分として含まれる阿膠は、ヒアルロニダーゼ処理物である。阿膠のヒアルロニダーゼ処理物としては、後述の方法によりロバの皮から得られた抽出物を、必要に応じて任意の溶媒で任意の濃度、例えば0.01〜1000mg/ml、好ましくは0.5〜50mg/mlとなるように溶解させ、ヒアルロニダーゼによりヒアルロン酸を酵素分解することにより得られる。かような溶媒としては、水、pH5〜8程度のリン酸緩衝液酢酸緩衝液HEES等のグッドバッファー等の緩衝液生理食塩水等を用いればよい。ヒアルロニダーゼの添加量は抽出物の量によって任意に調整できるが、例えば10〜1000RTU/mlとなる濃度である。ヒアルロニダーゼ処理の反応温度や時間も特に制限されないが、例えば30〜45℃で1〜100時間程度、好ましくは10〜30時間である。反応後は加熱等により酵素失活処理を行うことが好ましい。その後、必要に応じて後述の手段により粉砕、乾燥することにより、ヒアルロニダーゼ処理物としての阿膠を得ることができる。ヒアルロニダーゼ処理物に含まれるヒアルロン酸量は、例えば、実施例に記載されるようなELISA法等の従来公知の方法により確認することができる。

0019

本明細書において「有効成分として含む」とは、皮脂量増加剤またはヒアルロン酸産生促進剤として有効である程度に含むことを意味し、製薬上許容される担体等のその他の成分を含むことは妨げられない。

0020

本発明に係る皮脂量増加剤およびヒアルロン酸産生促進剤の製造方法は、本発明の所望の効果が達成される限りにおいて特に制限されない。以下、皮脂量増加剤およびヒアルロン酸産生促進剤の好ましい製造方法について説明する。

0021

皮脂量増加剤は、真空乾燥によりロバ(Equus asinus L.)の皮の熱水抽出物の乾燥物を得ることを含む製造方法により製造されることが好ましい。すなわち、本発明の一実施形態では、ロバ(Equus asinus L.)の皮の熱水抽出物を得ること、および真空乾燥により前記熱水抽出物の乾燥物を得ることを含む、皮脂量増加剤の製造方法が提供される。かような製造方法により製造された皮脂量増加剤は、皮脂量増加効果に特に優れたものとなる。

0022

また、ヒアルロン酸産生促進剤は、スプレードライによりロバ(Equus asinus L.)の皮の熱水抽出物の乾燥物を得ることを含む製造方法により製造されることが好ましい。すなわち、本発明の別の実施形態では、ロバ(Equus asinus L.)の皮の熱水抽出物を得ること、およびスプレードライにより前記熱水抽出物の乾燥物を得ることを含む、ヒアルロン酸産生促進剤の製造方法が提供される。かような製造方法により製造されたヒアルロン酸産生促進剤は、ヒアルロン酸産生促進効果に特に優れたものとなる。

0023

上記の皮脂量増加剤やヒアルロン酸産生促進剤の製造における熱水抽出の条件は、特に制限されないが、例えば、ロバの皮1gに対して3〜10ml、好ましくは3〜5mlとなる量の熱水中で行う。抽出温度(熱水の温度)は、例えば70〜100℃、好ましくは90〜100℃である。抽出時間も特に制限されないが、例えば5〜12時間、好ましくは6〜12時間である。抽出は複数回行ってもよい。かような手法により調製した抽出液を、必要に応じて遠心濃縮機等を用いて濃縮してもよい。濃縮の際は、蒸気圧を高めて濃縮を促進する目的で、メタノールエタノールn−プロパノールイソプロパノールn−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等の低級アルコール等を抽出液に任意に添加してもよい。

0024

また、熱水抽出物には、任意に、従来公知の賦形剤等の製剤化のための添加剤を加えてもよい。賦形剤としては、特に限定されないが、例えば、乳糖ショ糖ブドウ糖セルロースマンニトールのような糖類や糖アルコールコムギデンプンバレイショデンプンコーンスターチなどのデンプン;シクロデキストリンなどのデキストリンカルボキシメチルセルロースCMC)、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体ポリビニルピロリドンなどの合成高分子化合物等が例示できる。さらに、オリーブ油大豆油綿実油カカオ脂スクワランセラックセタノールポリオキシエチレン硬化ヒマシ油ポリグリセリン脂肪酸エステルショ糖脂肪酸エステルレシチン等の親油性成分を、製剤化のための添加剤として抽出液に添加してもよい。上記添加剤の量は、熱水抽出物に対して、例えば0.1〜5重量%となる量である。

0025

上記のように調製した熱水抽出物を、好ましくは以下の手法により乾燥を行う。

0026

ある好ましい実施形態では、熱水抽出物の乾燥は、真空乾燥により行う。真空乾燥の条件は、例えば、0.1〜1kPa、好ましくは0.5〜0.8kPaで行う。乾燥時の温度は、例えば80〜100℃、好ましくは80〜85℃である。また、乾燥時間は、例えば、水分含量が4〜8重量%、好ましくは4〜6重量%となる時間である。真空乾燥は、皮脂量増加剤の製造において特に好ましく用いられる。

0027

別の好ましい実施形態では、熱水抽出物の乾燥は、スプレードライにより行う。スプレードライにより乾燥する場合は、乾燥入口温度吸気温度)が例えば120〜190℃、好ましくは140〜170℃で行う。また、スプレードライ時の乾燥出口温度排気温度)は、例えば70〜100℃、好ましくは80〜90℃で行う。スプレードライ後の水分含量は、例えば4〜8重量%であり、好ましくは4〜6重量%である。スプレードライは、ヒアルロン酸産生促進剤の製造において特に好ましく用いられる。

0028

乾燥物は、任意に、ハンマーミルジェットミルピンミルビーズミルマスコロイダー、ミキサーホモジナイザー等の公知の手段により、粉砕を行ってもよい。

0029

乾燥物の平均粒径(粉砕を行う場合は、粉砕後の平均粒径)は、例えば120〜2000μmであり、好ましくは180〜1500μmである。なお、当該平均粒径は粒度分析器によって測定した値である。等により、所望の粒径の画分を回収してもよい。

0030

本発明にかかる皮脂量増加剤およびヒアルロン酸産生促進剤は、有効成分である阿膠を、薬学的に許容される他の成分とともに製剤化してもよい。薬学的に許容される他の成分としては、例えば、上記の賦形剤のほか、担体、希釈剤増量剤乳化剤増粘剤崩壊剤溶解補助剤安定化剤保存剤緩衝剤滑沢剤結着剤pH調整剤紫外線吸収剤等張化剤酸化防止剤防腐剤界面活性剤着色剤香料甘味料などが例示できる。剤形も特に制限されず、経口または非経口の任意の形態に製剤化され得るが、例えば、錠剤丸剤散剤顆粒剤細粒剤溶液剤、カプセル剤エリキシル剤、懸濁液剤乳剤シロップ剤注射剤外用剤(例えば、軟膏クリーム剤ゲル噴霧剤貼付剤ローションなど)、坐剤等が例示できる。投与経路も特に制限されず、経口、経腸経鼻経皮投与注射投与(例えば、静脈内投与皮下投与筋肉投与腹腔内投与など)等を含む全ての投与経路が利用できる。このほか、洗顔料シャンプーリンス化粧料等の形態でもよい。製剤中の有効成分の含量は、例えば、0.01〜90重量%であり、好ましくは1〜10重量%である。

0031

皮脂量増加剤およびヒアルロン酸産生促進剤の最適な投与量は患者年齢、体重、性別、症状、投与方法等に応じて異なるが、例えば、1回の投与において1kg体重あたり、0.1μg〜1000mgの割合で、好ましくは10μg〜50mgの割合で、1日あたり1回〜数回投与することができる。固体状半固体状、液状、懸濁液状、ゲル状、糊状粉末状、顆粒状等、公知の形態の食品に有効成分を配合して投与してもよい。

0032

本発明にかかる皮脂量増加剤およびヒアルロン酸産生促進剤が投与される対象は、ヒトまたは非ヒト動物のいずれであってもよく、例えば、ヒト、サルマウスラットハムスターウサギモルモットウシ、ブタ、イヌウマネコヤギヒツジを含む哺乳動物鳥類であるが、好ましくはヒトである。

0033

本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。

0034

<製造例1:阿膠(真空)>
ロバの皮を水で洗浄した後に剃毛し、ロバの皮50gに対して200mlの熱水(95℃)中で8時間抽出した。熱水抽出は3回繰り返した。抽出液をフイルタでろ過した後、合一し、100mlの抽出液に対して0.2mlの0.4重量%エタノール水溶液、0.2gのショ糖、および0.2gの大豆油を添加し、遠心濃縮機にて2〜3倍程度まで濃縮して、ロバの皮の熱水抽出物を得た。その後、95℃で30分間加熱殺菌した熱水抽出物を真空乾燥機機種名BVD205、温州金榜社製、真空度0.6kPa、乾燥温度85℃)にて水分含量5.5重量%まで乾燥させた。乾燥物を粉砕機にて粒径1000μm以下に粉砕し、試料(阿膠(真空))とした。

0035

<製造例2:スプレー阿膠>
上記と同様に加熱殺菌した熱水抽出物を、スプレードライ装置(機種名LPG−200、河新郷社製、乾燥入口温度(吸気温度)150℃、乾燥出口温度(排気温度)85℃)にて乾燥し、平均粒径500μm、水分含量4.5重量%の乾燥物として、試料(スプレー阿膠)を得た。なお、平均粒径は粒度分析器にて測定した。

0036

<実施例1:皮脂量増加剤>
上記の製造例1および2で調製した試料を用いて、皮脂量増加効果を検証した。

0037

実験方法
ハムスター脂腺細胞を、阿膠(真空)(0.5〜5mg/ml)、スプレー阿膠(0.5〜5mg/ml)、インスリン(10nM、陽性対照)、魚由来ペプチド(ペプチドFPC、株式会社ニッピより購入)(0.5〜5mg/ml)、ブタ由来ペプチド(PRA−PC、株式会社ニッピより購入)(0.5〜5mg/ml)または変性コラーゲン(ゼラチン、BDバイオサイエンス社)(0.5〜1mg/ml)の存在下で3日ごとに培地交換を行い、6日間培養した。なお、ハムスター脂腺細胞の培養は、J Invest Dermatol 2001: 117: 965−970.に記載の方法に従い、SEB培地(ダルベッコ改変イーグル培地ハムF12(1:1(v/v))(インビトロジェン)、6%(v/v)熱変性ウシ胎児血清(JRHバイオサイエンス)、2%(v/v)ヒト血清(ICNバイオケミカルズ)、0.68mM L−グルタミン(インビトロジェン))を用い、試料の終濃度が上記となるように培地に添加し、37℃にて行った。なお、細胞の培養はCO2インキュベーター(5%(v/v)CO2)内で行った。

0038

培養後、細胞内に蓄積したトリアシルグリセロール(TG)をアクオートカイノスTG−II(株式会社カイノス)によって測定した。別途、TGの蓄積量の測定に用いた細胞ライセート中のDNA量を、Anal Biochem 1982: 162: 338−344.(Johnson−Wint B, Hollis S. A rapid in situ deoxyribonucleic acid assay for determining cell number in culture and tissue. Anal Biochem. 1982: 122(2): 338−344.)に記載の方法によって求め、単位DNA量当たりの細胞内TG量を算出した。

0039

(結果)
図1に示す通り、阿膠(真空)(0.5〜5mg/ml)およびスプレー阿膠(0.5〜5mg/ml)は、濃度依存的にTG合成を促進した。また、阿膠によるTG合成促進作用は、スプレー阿膠よりも阿膠(真空)の方が強かった。

0040

一方、魚もしくはブタ由来ペプチド、または変性コラーゲン(ゼラチン)には、TG合成促進作用は認められなかった(図1)。したがって、阿膠によるTG合成促進は、コラーゲンペプチドや変性コラーゲンとは異なる成分による作用であるものと推測される。

0041

培養後のハムスター脂腺細胞を、オイルレッドOにより細胞内に蓄積した中性脂肪を染色した。図2に示す通り、阿膠(真空)(0.5〜5mg/ml)およびスプレー阿膠(0.5〜5mg/ml)で処理したハムスター脂腺細胞において、オイルレッドO染色陽性細胞数が、阿膠の濃度依存的に増加した。

0042

<実施例2:ヒアルロン酸産生促進剤>
上記の製造例1および2で調製した試料を用いて、ヒアルロン酸産生促進効果を検証した。

0043

(実験方法)
正常ヒト表皮角化細胞新生児由来クラボウ社)を24ウェルプレートにてコンフルエントまで培養後、阿膠(真空)(0.1〜1mg/ml)またはスプレー阿膠(0.5〜5mg/ml)の存在下で24時間培養した。なお、ヒト表皮細胞の培養には、HuMedia−KG2培地(クラボウ社)を用い、CO2インキュベーター(5%(v/v)CO2)内で37℃で行った。また、紫外線照射試験は、細胞にUVB(313nm、ToshibaFL20S蛍光ランプ、0.6kJ/m2)を照射した後に、スプレー阿膠(5mg/ml)存在下で24時間培養した。

0044

培養後の培地を回収し、Hyaluronic AcidELISAAssayキット(Biotech Trading Partners社)により培地に含まれるヒアルロン酸(HA)含量を測定した。

0045

培養後に回収した細胞から、ISOGEN(株式会社ニッポンジーン)を用いてRNAを抽出した。得られたRNAを試料として、定量PCR法測定機器名:Thermal Cycler DiceTM Real Time System,タカラバイオ株式会社)によりヒアルロン酸合成酵素−2(HAS−2)mRNAの発現量を測定した。なお、定量PCR法によるmRNAの測定には、測定試薬としてPrime ScriptRTreagent kit(タカラバイオ株式会社),2 x QuantiTect SYBERGreenPCRmaster Mix (キアゲン社)を用いて行った。HAS−2 mRNAの発現量は、内部標準遺伝子グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼの発現量により補正した相対値として算出した。

0046

(結果)
図3に示す通り、阿膠(真空)(0.1〜1mg/ml)およびスプレー阿膠(0.5〜5mg/ml)は、濃度依存的にHA産生を促進した。阿膠によるHA産生促進効果は、より生体に近いIL−1α(10ng/ml)存在下でも確認され、阿膠(真空)よりもスプレー阿膠の方がヒアルロン酸分泌量は多かった。また、図4に示す通り、スプレー阿膠により、ヒト表皮細胞におけるHAS−2mRNAの発現が促進された。したがって、阿膠によるHA産生の促進の一因としては、HAS−2 mRNAの発現増加を介して行われると推測される。

0047

阿膠はロバの皮の熱水抽出物(煎出物)であるため、ヒアルロン酸を含有する。阿膠(真空)またはスプレー阿膠を溶解させた新鮮培地にもHAが存在していた(図5A)。図3および4における効果が阿膠に内在するHAによるものであるかを検討するため、スプレー阿膠溶液(5mg/ml、 50mM酢酸/0.15M NaCl(pH6)で溶解)をヒアルロニダーゼ(100RTU/ml)にて37℃で一晩酵素処理した。酵素処理後、100℃の沸騰水浴において30分間加熱して酵素を失活させた。ヒアルロニダーゼ処理したスプレー阿膠溶液では、HAは検出されなかった(図5B)。なお、対照群としては、ヒアルロニダーゼ溶液に代えて同容量の溶媒(dH2O)またはバッファー(50mM酢酸/0.15M NaCl(pH6))を添加して同様に処理し、HAを測定した(図5B)。

0048

上記のように調製したスプレー阿膠のヒアルロニダーゼ処理物を含む培地にて、ヒト表皮細胞を24時間培養した。培養後のヒト表皮細胞におけるHAS−2mRNAの発現量を測定した。その結果、ヒアルロニダーゼ処理物も、HAS−2 mRNAの発現促進作用を有していた(図6)。

0049

紫外線照射によりダメージを与えたヒト表皮細胞に対する阿膠の効果を確認した(図7)。UVB(0.6kJ/m2)照射によりHA産生量が低下したが、スプレー阿膠処理によってHA産生が促進された。

実施例

0050

本出願は、2016年7月21日に出願された日本国特許出願第2016−143382号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 国立大学法人岡山大学の「 DNA、ポリペプチド、抗メソセリン抗体、腫瘍イメージング剤及び複合体」が 公開されました。( 2019/05/30)

    【課題】がんの診断や治療に有効な新規なポリペプチド、DNA、抗メソセリン抗体、複合体、さらに腫瘍イメージング剤の提供。【解決手段】下記の(a)〜(c)のいずれかを含むDNA、(a)特定の配列の16番目... 詳細

  • 株式会社資生堂の「 毛髪処理剤」が 公開されました。( 2019/05/30)

    【課題】 高い毛髪矯正効果を有しながら、従来よりも毛髪や頭皮に近い至適pHを有し、毛髪に過度の収斂を引き起こしにくく、頭皮に対して低刺激性で、使用感触に優れた毛髪処理剤を提供する。【解決手段】 (... 詳細

  • 株式会社伊勢半の「 睫毛化粧料」が 公開されました。( 2019/05/23)

    【課題】新規な睫毛化粧料を提供する。【解決手段】本発明の睫毛化粧料はポリウレタン及び極性溶媒を含有する。... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ