図面 (/)

技術 青果物用包装材

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 池山昭弘鷲谷公人
出願日 2017年4月19日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-524910
公開日 2019年3月28日 (4ヶ月経過) 公開番号 WO2018-003246
状態 未査定
技術分野 環境に敏感な生物、食品又は薬品の包装 被包材
主要キーワード 内部湿度 ジッパー付き 葉茎菜類 複層体 周面温度 浸透圧測定 湿度上昇 花菜類
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年3月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題・解決手段

結露抑制効果をより向上し、かつ、青果物の変色を抑える青果物用包装材を提供する。 青果物用包装材は、アシル基を有するセルロースアシレートを含んでいる。セルロースアシレートは、セルロースヒドロキシ基カルボン酸エステル化されたものであり、アシル基を有する。青果物用包装材のセルロースアシレートは、セルロースのヒドロキシ基がカルボン酸によりエステル化されている割合であるアシル基置換度が2.00以上2.97以下の範囲内である。

概要

背景

青果物包装として、結露を防止することで曇りを抑制する性能、いわゆる防曇性をもつ包装材を用いた防曇包装と、呼吸の制御のために酸素(O2)及び二酸化炭素(CO2)の濃度を調節するMA(Modified atmosphere)包装などが知られている。

例えば、合成樹脂フィルムで構成され、合成樹脂フィルムの40℃,90%RH(相対湿度90%)における水蒸気透過度が40g/m2・日以上90g/m2・日以下であり、青果物を包装した際に青果物側となる面における水の接触角が0°超60°以下である青果物用包装袋が提案されている(例えば、特許文献1参照)。合成樹脂フィルムとしては、エチレンビニルアルコール共重合体フィルムを含む単層体または複層体が記載されており、エチレンビニルアルコール共重合体には、界面活性剤が含まれている。これにより、密閉した状態であっても結露を抑制することで袋の曇りを抑えている。

また、呼吸の制御の点から、最内層防曇剤を含む熱融着性樹脂からなる複層フィルムに、微細な孔を形成した青果物用包装材が提案されている(例えば、特許文献2参照)。最内層は、防曇剤が添加された例えばポリオレフィン等から形成されており、これにより防曇性をもたせている。また、微細な孔の径は数μm〜数十μmとされており、これにより酸素透過度が調整され、呼吸の制御を行っている。

また、セルロースアセテートなどのセルロースエステルアシレート(セルロースエステル)を含む生鮮食品用包装材も提案されている(例えば、特許文献3〜5参照)。

概要

結露の抑制効果をより向上し、かつ、青果物の変色を抑える青果物用包装材を提供する。 青果物用包装材は、アシル基を有するセルロースアシレートを含んでいる。セルロースアシレートは、セルロースヒドロキシ基カルボン酸エステル化されたものであり、アシル基を有する。青果物用包装材のセルロースアシレートは、セルロースのヒドロキシ基がカルボン酸によりエステル化されている割合であるアシル基置換度が2.00以上2.97以下の範囲内である。

目的

本発明は、結露の抑制効果をより向上し、かつ、青果物の変色を抑える青果物用包装材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

セルロースアシレートを含み、前記セルロースアシレートのアシル基置換度が2.00以上2.97以下の範囲内である青果物包装材

請求項2

前記セルロースアシレートはアセチル基を有する請求項1に記載の青果物用包装材。

請求項3

25℃、相対湿度80%での平衡含水率と、25℃、相対湿度55%での平衡含水率との差が0.5%以上3.5%以下の範囲内である請求項1または2に記載の青果物用包装材。

請求項4

25℃、相対湿度55%での平衡含水率が1%以上4%以下の範囲内である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の青果物用包装材。

請求項5

単糖エステル誘導体と、多糖のエステル誘導体と、エステルオリゴマーと、アクリルポリマーとの少なくともいずれかひとつを含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の青果物用包装材。

請求項6

前記エステルオリゴマーは、分子量が500以上10000以下の範囲内の脂肪族エステルオリゴマーである請求項5に記載の青果物用包装材。

請求項7

前記単糖のエステル誘導体と、前記多糖のエステル誘導体と、前記エステルオリゴマーとの質量の和は、前記セルロースアシレートの質量を100とするときに5以上30以下の範囲内である請求項5または6に記載の青果物用包装材。

技術分野

0001

本発明は、青果物包装材に関する。

背景技術

0002

青果物の包装として、結露を防止することで曇りを抑制する性能、いわゆる防曇性をもつ包装材を用いた防曇包装と、呼吸の制御のために酸素(O2)及び二酸化炭素(CO2)の濃度を調節するMA(Modified atmosphere)包装などが知られている。

0003

例えば、合成樹脂フィルムで構成され、合成樹脂フィルムの40℃,90%RH(相対湿度90%)における水蒸気透過度が40g/m2・日以上90g/m2・日以下であり、青果物を包装した際に青果物側となる面における水の接触角が0°超60°以下である青果物用包装袋が提案されている(例えば、特許文献1参照)。合成樹脂フィルムとしては、エチレンビニルアルコール共重合体フィルムを含む単層体または複層体が記載されており、エチレンビニルアルコール共重合体には、界面活性剤が含まれている。これにより、密閉した状態であっても結露を抑制することで袋の曇りを抑えている。

0004

また、呼吸の制御の点から、最内層防曇剤を含む熱融着性樹脂からなる複層フィルムに、微細な孔を形成した青果物用包装材が提案されている(例えば、特許文献2参照)。最内層は、防曇剤が添加された例えばポリオレフィン等から形成されており、これにより防曇性をもたせている。また、微細な孔の径は数μm〜数十μmとされており、これにより酸素透過度が調整され、呼吸の制御を行っている。

0005

また、セルロースアセテートなどのセルロースエステルアシレート(セルロースエステル)を含む生鮮食品用包装材も提案されている(例えば、特許文献3〜5参照)。

先行技術

0006

特開2014−024597号公報
特開平09−252718号公報
特表2004−509204号公報
特表2014−534128号公報
特開2003−169598号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、特許文献1〜5の手法では、水分の放出量が多い青果物を包装した場合、及び/または長期に冷蔵される場合には、結露が依然として生じる。結露は、カビの増殖の要因となるので、結露の防止効果についてさらなる向上が求められ、特に冷蔵保存においてはその要請が高い。また、青果物についてはその変色を抑制することも望まれる。

0008

そこで、本発明は、結露の抑制効果をより向上し、かつ、青果物の変色を抑える青果物用包装材を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するために、本発明の青果物用包装材は、セルロースアシレートを含み、セルロースアシレートのアシル基置換度が2.00以上2.97以下の範囲内である。

0010

セルロースアシレートはアセチル基を有することが好ましい。

0011

25℃、相対湿度80%での平衡含水率と、25℃、相対湿度55%での平衡含水率との差が0.5%以上3.5%以下の範囲内であることが好ましい。25℃、相対湿度55%での平衡含水率が1%以上4%以下の範囲内であることが好ましい。

0012

単糖エステル誘導体と、多糖のエステル誘導体と、エステルオリゴマーと、アクリルポリマーとの少なくともいずれかひとつを含むことが好ましい。エステルオリゴマーは、分子量が500以上10000以下の範囲内の脂肪族エステルオリゴマーであることが好ましい。単糖のエステル誘導体と、多糖のエステル誘導体と、エステルオリゴマーとの質量の和は、セルロースアシレートの質量を100とするときに5以上30以下の範囲内であることが好ましい。

発明の効果

0013

本発明によると、結露の抑制効果が向上し、かつ、青果物の変色が抑えられる。

図面の簡単な説明

0014

包装材製造装置の概略図である。

0015

図1に示す包装材製造装置10は、本発明を実施した青果物用包装材11、すなわち、青果物を包装する材料を、フィルム状に形成する。この例の青果物用包装材11は、単層構造であり、包装材製造装置10により長尺に製造される。ただし、青果物用包装材は、長尺状に限定されず、例えば矩形などのシート状であってもよい。

0016

青果物用包装材11は、密閉系包装と開封系包装とのいずれの場合にも使用することができるが、密閉系包装により包装する場合の方が、結露の抑制効果の向上と、青果物の変色を抑える効果と、さらにはカビの抑制効果が、より顕著に認められる。なお、カビの抑制とは、カビの発生及び増殖を抑えることである。また、密閉系包装の方が、開封系包装よりも、雑菌ごみ等による青果物の汚染と、青果物の乾燥とを抑制する観点においてより好ましい。本実施形態では、長尺に得られた青果物用包装材11を矩形のシート状にカットし、長辺の中央で折り曲げヒートシール熱溶着)により縁部の2辺を閉じることにより、青果物用包装袋(図示無し)をつくっている。そして、この青果物用包装袋内に青果物を入れ、開放されている残りの1辺の縁部を接着テープにより閉じた態様、すなわち封を閉じた態様の密閉系包装に、青果物用包装材11を供している。しかし、密閉系包装の態様はこれに限定されない。なお、開封系包装には、ハンカチ包むように、矩形のシート状の包装材の上に物をのせて4つの角端を上部で合わせてじる包装形態であるいわゆるハンカチ包装を含む。また、開封系包装には、厚み方向に貫通した微細孔を複数有する青果物用包装材によって包装する態様も含む。なお、青果物用包装袋は、ヒートシールによる形成に限定されず、接着剤または粘着剤を用いて形成してもよい。

0017

セルロースアシレートは、セルロースヒドロキシ基カルボン酸エステル化されたものであるから、アシル基を有する。青果物用包装材11はセルロースアシレートを含んでおり、青果物用包装材11に含まれるセルロースアシレートのアシル基置換度は、2.00以上2.97以下の範囲内である。これにより、青果物から放出された水分による青果物用包装材11の内側における湿度の上昇によって、青果物用包装材11の平衡含水率が上昇する。この平衡含水率の上昇により、青果物用包装材11は水分を吸収する。青果物用包装材11の水分の吸収により青果物用包装材11の内側(青果物用包装材11により包まれた内部空間)における湿度が低下し、これによって青果物用包装材11は平衡含水率が下がり水分を放出する。また、アシル基置換度が上記範囲内であることにより、青果物用包装材11の内側における湿度上昇による青果物用包装材11の吸水による変形が抑制される。青果物用包装材11に含まれるセルロースアシレートが適度な吸放湿性を有する平衡含水率であることにより、青果物を密閉した状態で包装しても、青果物用包装材11は、青果物の渇きが抑制される程度の適度に高い湿度に青果物用包装材11の内部を維持した状態で、青果物用包装材11の青果物側の表面である内面に結露が発生することを抑える。さらに、外界の温度及び/または湿度が変化しても、青果物用包装材11の内部の湿度の変化を外界の変化に比べて小さく抑える。しかも、結露発生の抑制効果は、冷蔵保存中にも得られ、かつ、例えば14日間といった長期間続く。その結果、カビの発生及び増殖も抑えられるし、また、青果物は長期間、新鮮な状態で保存される。また、上記のように適度に高い湿度に維持された環境下にあることと結露の抑制とにより、青果物の変色が抑えられる。アシル基置換度が小さいほど、青果物用包装材11は吸収する水分量も上がるので吸水による変形がしやすい。このため、青果物用包装材11を構成するセルロースアシレートのアシル基置換度は2.00以上とする。また、アシル基置換度は理論上は3.00が上限となるが、アシル基置換度が2.97を超えるセルロースアシレートは合成が難しい。このため、青果物用包装材11を構成するセルロースアシレートのアシル基置換度は2.97以下とする。

0018

青果物用包装材11に含まれるセルロースアシレートのアシル基置換度は、2.40以上2.95以下の範囲内がより好ましく、2.70以上2.95以下の範囲内がさらに好ましい。なお、アシル基置換度は、周知の通り、セルロースのヒドロキシ基がカルボン酸によりエステル化されている割合、つまりアシル基の置換度である。

0019

青果物用包装材11を構成するセルロースアシレートのアシル基は、特に限定されず、炭素数が1であるアセチル基であってもよいし、炭素数が2以上のものであってもよい。炭素数が2以上であるアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でもよく、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステルアルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどがあり、これらは、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。プロピオニル基ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、iso−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基ナフチルカルボニル基シンナモイル基などを挙げることが出来る。

0020

青果物用包装材11を構成するセルロースアシレートのアシル基は1種類だけでもよいし、2種類以上であってもよいが、少なくとも1種がアセチル基であることが好ましい。アセチル基を有するセルロースアシレートであることにより、青果物用包装材11が水分を吸収しやすいため結露の抑制効果等がより良好となる。最も好ましくはアシル基がすべてアセチル基であるセルロースアシレートであること、すなわち、セルロースアシレートがセルロースアセテートであることがより好ましい。

0021

アシル基置換度は、慣用の方法で求めることができる。例えば、アセチル化度アセチル基置換度)は、ASTMInternational(米国試験材料協会,旧称はAmerican Society for Testing and Materials)の規格であるASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定および計算に従って求められる。また、高速液体クロマトグラフィーによるアシル化度(アシル基置換度)分布測定によっても測定できる。この方法の一例としてセルロースアセテートのアセチル化度測定は、試料メチレンクロライドに溶解し、カラムNova−Pak(登録商標) phenyl(WatersCorporation製)を用い、溶離液であるメタノールと水との混合液(メタノール:水の質量比が8:1)からジクロロメタンとメタノールとの混合液(ジクロロメタン:メタノールの質量比が9:1)へのリニアグラジエントによりアセチル化度分布を測定し、アセチル化度の異なる標準サンプルによる検量線との比較で求める。これらの測定方法は特開2003−201301号公報に記載の方法を参照して求めることができる。セルロースアシレートのアセチル化度の測定は、青果物用包装材11から採取した場合は、添加剤が含まれるため、高速液体クロマトグラフィーによる測定が好ましい。

0022

ここで、25℃、相対湿度80%(以下、「相対湿度X%」を「X%RH」と称する,RHはrelative humidityの略である)での平衡含水率(単位は%)を第1平衡含水率W1とし、25℃、55%RHの平衡含水率(単位は%)を第2平衡含水率W2とし、第1平衡含水率W1と第2平衡含水率W2との差|W1−W2|(単位は%)を平衡含水率差WDと称する。青果物用包装材11は、平衡含水率差WDが0.5%以上3.5%以下の範囲内であることが好ましい。平衡含水率差WDが0.5%以上であることにより、0.5%未満である場合に比べて、結露がより抑制される。平衡含水率差WDが3.5%以下であることにより、3.5%よりも大きい場合に比べて、青果物用包装材11で包装された内側の湿度がより高く維持される。なお、第1平衡含水率W1と第2平衡含水率W2とは、上記の通り25℃の温度下でのものであり、これは室温レベルを想定しているからであるが、青果物用包装材11の第1平衡含水率W1と第2平衡含水率W2とは、それぞれ、温度変化による変化がさほど大きくないことが確認されている。また、第1平衡含水率W1は80%RH下のものであり、これは結露の抑制に望ましい湿度を想定しているからである。第2平衡含水率W2は55%RH下でのものであり、これは青果物の渇きの防止に望ましい湿度を想定しているからである。

0023

平衡含水率差WDを小さくするためには、アシル基置換度を大きくしたり、あるいは、セルロースアシレートに添加剤を添加し、その添加量を多くするとよい。また、平衡含水率差WDを大きくするためにはアシル基置換度を小さくしたり、あるいは、セルロースアシレートへの添加剤の添加量を少なくするとよい。青果物用包装材11の平衡含水率差WDは、0.7%以上2.6%以下の範囲内であることがより好ましく、0.9%以上2.0%以下の範囲内であることがさらに好ましい。

0024

青果物用包装材11は、第2平衡含水率W2が1%以上4%以下の範囲内であることが好ましい。第2平衡含水率W2が1%以上であることにより、1%未満である場合に比べて、水分の吸収と放出とがより確実に制御される。第2平衡含水率W2が4%以下であることにより、4%より大きい場合に比べて、吸水量が小さく抑えられる。その結果、例えば青果物用包装材11により包装袋を形成し、この包装袋内に青果物を入れた状態で保存した場合に、袋の伸びが小さく抑えられる等、変形及び/またはしわが抑えられる。

0025

第1平衡含水率W1と第2平衡含水率W2とは、25℃、80%RHの条件下と、25℃、55%RHの条件下とにおいて、青果物用包装材11を十分に調湿した後に、市販の水分計を用いて求めることができる。平衡含水率差WDは、求めた第1平衡含水率W1と第2平衡含水率W2とから算出することができる。本実施形態では、第1平衡含水率W1は、25℃、80%RHの条件下において青果物用包装材11を24時間調湿した後、青果物用包装材11から500mgのサンプルをサンプリングし、このサンプルを用いて平産業(株)製カールフィッシャー水分計(AQ−2200)により測定している。第2平衡含水率W2は、25℃、55%RHの条件下において青果物用包装材11を24時間調湿した後、第1平衡含水率W1を測定する場合と同様に、サンプリングした後、測定している。平衡含水率差WDは、上記の方法で測定された第1平衡含水率W1と第2平衡含水率W2とから算出している。

0026

上記範囲のアシル基置換度を有するセルロースアシレートは、フィルム状の青果物用包装材11を形成するために可塑剤が添加されることが好ましい。セルロースアシレートの可塑剤としては公知の種々のものを用いることができ、可塑剤を用いても結露は抑制され、また、青果物の変色も確実に抑えられる。例えば、トリフェニルアセテートTPP)とビフェニルジフェニルフォスフェート(BDP)とを、上記範囲のアシル基置換度を有するセルロースアシレートとともに含む青果物用包装材11により包装袋をつくり、この包装袋内に青果物を入れて密閉し、5℃に保持した状態で14日間冷蔵保存しても、包装袋の内壁は結露がごくわずかに確認されて包装袋内が薄くって見えるものの、青果物はほとんど変色せず、新鮮な状態が維持されたことが確認されている。このように、結露の抑制と青果物の変色との観点では可塑剤は種々のものが用いられる。そして、保存対象が青果物であることに鑑みて、安全性が確認されているものであれば可塑剤は種々の公知のものを用いてよい。

0027

青果物用包装材11は、アシル基置換度が上記範囲内であるセルロースアシレートに加えて、糖のエステル誘導体と、エステルオリゴマーと、アクリルポリマーとの少なくともいずれかひとつを含んでいることが好ましい。糖のエステル誘導体と、エステルオリゴマーとは、アシル基置換度が上記範囲内であるセルロースアシレートの可塑剤として機能する。

0028

糖のエステル誘導体は、単糖のエステル誘導体と多糖のエステル誘導体とのいずれでもよく、青果物用包装材11はこれら両者を含んでもよい。上記の安全性の観点も考慮し、糖としては、グルコースガラクトースマンノースフルクトースキシロースアラビノース等の単糖類ラクトーススクロースニストース、1F−フラクトシルニストース、スタキオースマルチトールラクチトールラクチュロースセロビオースマルトースセロトリオースマルトトリオースラフィノースあるいはケストースゲンチオビオースゲンチオトリオース、ゲンチオテトラオース、キシロトリオースガラクトシルスクロースなどの多糖類が挙げられる。好ましくはグルコース、フルクトース、スクロース、ケストース、ニストース、1F−フラクトシルニストース、スタキオースなどが好ましく、更に好ましくは、スクロース、グルコースである。また、多糖類としてオリゴ糖を用いることもでき、オリゴ糖としては、澱粉ショ糖等にアミラーゼ等の酵素を作用させて製造されるものであり、オリゴ糖としては、例えば、マルトオリゴ糖イソマルトオリゴ糖フラクトオリゴ糖ガラクトオリゴ糖キシロオリゴ糖が挙げられる。

0029

上記単糖、多糖類構造中のOH基のすべてもしくは一部をエステル化するのに用いられるモノカルボン酸としては、特に制限はなく、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。用いられるカルボン酸は1種類でもよいし、2種以上の混合であってもよい。

0031

好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環アルキル基アルコキシ基を導入した芳香族モノカルボン酸、ケイ皮酸ベンジル酸ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、又はそれらの誘導体を挙げることができ、特に安息香酸、ナフチル酸が好ましい。

0032

本実施形態では、スクロースのエステル誘導体、より具体的には、安息香酸エステル(第一工業製薬(株)製モノペット(登録商標)SB)を用いている。

0033

エステルオリゴマーは、ジカルボン酸ジオールとのエステル結合が含まれる繰り返し単位をもち繰り返し単位が数個〜100個程度の比較的分子量が低い化合物であり、脂肪族エステルオリゴマーであることが好ましい。セルロースアシレートの可塑剤としての作用が、芳香族エステルオリゴマーよりも確実だからである。

0034

エステルオリゴマーは、分子量が500以上10000以下の範囲内であることが好ましい。分子量が500以上であることにより、500未満であることに比べて、青果物用包装材11の可撓性(フレキシブル性)及び/またはヒートシール性が向上し、分子量が10000以下であることにより、10000よりも大きい場合に比べてセルロースアシレートとの相溶性が確実だからである。エステルオリゴマーの分子量は、700以上5000以下の範囲内であることがより好ましく、900以上3000以下の範囲内であることがさらに好ましい。

0035

エステルオリゴマーの上記分子量は、分子量分布を持つため、GPC(Gel Permeation Chromatography、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による重量平均分子量及び/または数平均分子量、末端官能基量測定及び/または浸透圧測定による数平均分子量測定法、粘度測定による粘度平均分子量などで求めることができる。本実施形態では、末端官能基としてエステルの水酸基もしくは酸基を測定することによる数平均分子量測定法により求めている。

0036

エステルオリゴマーは、ジカルボン酸としては炭素数が2以上10以下の範囲内であるジカルボン酸、ジオールとしては、炭素数が2以上10以下の範囲内であるジオールであることがより好ましい。特にジカルボン酸、ジオールとも脂肪族化合物であることが好ましい。これは、脂肪族ジカルボン酸脂肪族ジオールとを用いることにより、青果物用包装材11に柔軟性を付与することができ、含水率がより好ましくなるからである。ジカルボン酸として芳香族カルボン酸として、フタル酸テレフタル酸イソフタル酸など、脂肪族カルボン酸としては、マロン酸コハク酸グルタル酸アジピン酸セバシン酸アゼライン酸シクロヘキサンジカルボン酸マレイン酸フマル酸等が挙げられる。脂肪族ジオールとしては、エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、1,4−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。エステルオリゴマーの末端水酸基及び/または酸基をモノカルボン酸またはモノアルコールなどにより封止することも好ましい。これらのうち、アジピン酸とエチレングリコールとのエステルを繰り返し単位とするオリゴマー、コハク酸とエチレングリコールとのエステルを繰り返し単位とするオリゴマー、テレフタル酸とエチレングリコールとのエステル及びフタル酸とエチレングリコールとのエステルとを繰り返し単位とするオリゴマーなどが好ましい。

0037

単糖のエステル誘導体の質量をM1とし、多糖のエステル誘導体の質量をM2とし、エステルオリゴマーの質量をM3とし、M1+M2+M3で求める質量の和(以下、質量和と称する)をMPとする。青果物用包装材11は、単糖のエステル誘導体と多糖のエステル誘導体とエステルオリゴマーとの少なくともいずれかひとつを含む場合には、セルロースアシレートの質量を100とするときに、質量和MPが5以上30以下の範囲内であることが好ましい。質量和MPが5以上であることにより、5未満である場合に比べて、青果物用包装材11の可撓性が良い、及び/または、包装材製造装置10によるフィルム状の青果物用包装材11がつくりやすい。質量和MPが30以下であることにより、30よりも大きい場合に比べて、青果物用包装材11の含水率がより好ましくなる。

0038

青果物用包装材11は、添加剤として、可塑剤の他に、紫外線吸収剤、青果物用包装材11同士の貼り付きを防止するいわゆるマット剤としての微粒子等なども、上記の安全性が確認されているものならば含んでいて構わない。添加剤の種類と量とを調節することにより青果物用包装材11の含水率を調整することができ、その結果、青果物用包装材11で青果物を包装している間における内部の湿度が調整されるから青果物の渇きが抑えられる。

0039

アクリルポリマー(アクリル樹脂)は、青果物用包装材11の含水率及び/または可撓性の調整剤として機能する。アクリルポリマーとしては、例えば、メチルアクリレートメチルメタクリレート、及びこれらのアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体などが好ましい。青果物用包装材11がアクリルポリマーを含む場合には、アクリルポリマーの質量は、セルロースアシレートの質量を100とするときに、10以上300以下の範囲内であることが好ましい。

0040

なお、糖のエステルとエステルオリゴマーとアクリルポリマーとに関し、これらの各安全性は、下記の文献にそれぞれ記載されている。すなわち、糖のエステルに関しては、有機合成化学協会誌Vol.21(1963)No.1、P-19-27と、第1工業製薬カタログ、特開2011−237764号公報等である。第1工業製薬カタログには糖の脂肪酸エステルと安息香酸エステルとについて記載されている。エステルオリゴマーに関しては、塩化ビニルへの添加剤として塩化ビニルへの移行が抑えられることを含めて、塩ビ工業・環境協会のホームページと、可塑剤工業会資料などに記載され、セルローストリアセテートとのブレンドを含めて、特開2009−173740号公報に記載されている。アクリルポリマーに関しては、特開2003−12859号公報、特開2011−154360号公報に記載されている。なお、安全性は、上記物質それ自体のみならず、上記物質の分解物の安全性も含む。

0041

青果物用包装材11の厚みは、10μm以上150μm以下の範囲内が好ましい。厚みを調節することにより青果物用包装材11の含水率を調整することができ、その結果、青果物用包装材11で青果物を包装している間における内部の湿度が調整されるから青果物の渇きが抑えられる。また、厚みを大きくすることで、より大きなサイズの青果物用包装袋の態様でも、使用に耐えられる。青果物用包装材11の厚みは、15μm以上130μm以下の範囲内がより好ましく、20μm以上110μm以下の範囲内がさらに好ましい。

0042

青果物は水分放出及び/または呼吸作用といった生理作用を維持しているため、青果物用包装材11を使用した場合に、青果物用包装材11に含まれる水分による結露の抑制及び/または青果物用包装袋の内部の湿度調整の効果が確実に得られる。このような青果物として、ブロッコリ、ナバナなどの花菜類ホウレンソウコマツナなどの葉茎菜類ピーマンナストマトキュウリイチゴエダマメなどの果菜類バナナブドウリンゴナシミカンなどの果実類ナガイモゴボウなどの根菜類シイタケシメジのようなキノコ類、およびユリのような切り花等が挙げられる。これらのうち、水分の放出が多い、冷蔵での長期の貯蔵及び流通の間の結露が目立つなどの理由から、花菜類、葉菜類、果菜類、キノコ類、切り花等で青果物用包装材11を特に好ましく用いることができる。

0043

青果物用包装材11は、常温保存では結露と変色とが抑制され、冷蔵時には結露及び/または変色を防止し長期に保管をすることができる。結露が抑制されるからカビも抑制される。常温保存は10℃以上30℃以下の範囲、冷蔵保存は0℃以上10℃以下の範囲での保存をいう。青果物用包装材11は冷蔵時の結露を十分防止できるため、冷蔵保存においてより好ましい効果が得られる。

0044

青果物の鮮度保持には冷蔵保存することが好ましく、保存における温度は0℃以上10℃以下の範囲内であることが好ましい。冷蔵保存では空気を熱交換器により冷却することが一般的であるが、その際、熱交換器において空気中の水分が除かれ冷蔵庫内の湿度が低下しやすい。一方、冷蔵保存温度における空気中の飽和水蒸気量常温に比べ小さいため、冷蔵保存において加湿及び/または青果物の包装などを行うと結露が生じる。冷蔵保存において従来の包装材、または、微細孔を利用したMA(Modified atmosphere)包装用の包装材を用いた場合には、包装材の透湿性が低いため、青果物からの水分放出により包装材の内側において結露が発生しやすい。この結露の発生は、例えば、カビの発生及び増殖と、青果物の表面での結露による青果物の呼吸の抑制と、微細孔を塞ぐことによるMA包装効果の低下などにつながる。青果物用包装材11は、この平衡含水率により青果物用包装材11の内側の湿度変化に応じて吸放湿するため、青果物用包装材11の内側において、結露を防止し、かつ、青果物の渇きを抑える湿度に維持する。例えば、後述する青果物用包装材11(実施例5)と、市販のMA包装用の包装材(比較例1)とにおいて、ブロッコリ保存中における青果物用包装材の内側、すなわち青果物用包装袋の内部湿度を測定したところ、包装袋の外側の環境としての冷蔵環境の温度が5℃以上7℃以下の範囲、相対湿度が23%RH以上74%RH以下の範囲で推移したのに対し、青果物用包装材11から形成された青果物用包装袋内の相対湿度は55%RH以上80%RH以下の範囲で推移した(温度は前述の冷蔵環境の温度に同じである)。一方、市販のMA包装用の包装材の内側では相対湿度が90%RH以上95%RH以下の範囲で推移した(温度は前述の冷蔵環境の温度に同じである)。

0045

包装材製造装置10は、溶液製膜方法によりドープ12から青果物用包装材11を連続的に製造する。ドープ12は、上記範囲内のアシル基置換度を有するセルロースアシレートが溶媒溶けているセルロースアシレート溶液である。本実施形態では、溶媒としてジクロロメタンとメタノールとの混合物を用いているが、これに限定されない。ドープ12には前述の各種添加剤が含まれていてもよく、本実施形態のドープ12には、可塑剤とマット剤とを含ませてある。

0046

包装材製造装置10は、流延ユニット15と、ローラ乾燥機16と、巻取機17とを、上流側から順に備える。流延ユニット15は、環状に形成されたベルト21と、ベルト21を周面で支持した状態で長手方向へ走行させる一対のローラ22と、送風機23と、流延ダイ24と、剥取ローラ25とを備える。一対のローラ22の少なくとも一方は周方向に回転し、この回転により、巻き掛けられたベルト21は長手方向へ連続走行する。流延ダイ24は、この例では一対のローラ22の一方の上方に配しているが、一対のローラ22の一方と他方との間のベルト21の上方に配してもよい。

0047

ベルト21は、後述の流延膜26の支持体であり、例えば長さが55m以上200m以下の範囲内、幅が1.5m以上5.0m以下の範囲内、厚みが1.0mm以上2.0mm以下の範囲内としている。

0048

流延ダイ24は、供給されてきたドープ12を、ベルト21に対向する流出口24aから連続的に流出する。走行中のベルト21にドープ12を連続的に流出することにより、ドープ12はベルト21上で流延され、ベルト21上に流延膜26が形成される。

0049

一対のローラ22は、周面温度を調節する温度コントローラ(図示せず)を備える。周面温度を調節したローラ22により、ベルト21を介して流延膜26は温度を調整される。流延膜26を加熱して乾燥を促進することにより固める(ゲル化する)いわゆる乾燥ゲル化方式の場合には、ローラ22の周面温度は、例えば15℃以上35℃以下の範囲内にするとよい。また、流延膜26を冷却して固めるいわゆる冷却ゲル化方式の場合には、ローラ22の周面温度を−15℃以上5℃以下の範囲内にするとよい。なお、本実施形態は乾燥ゲル化方式としている。

0050

送風機23は、形成された流延膜26を乾燥するためのものである。送風機23は、ベルト21に対向して設けられている。送風機23は、流延膜26に気体を送ることにより、流延膜26の乾燥をすすめる。送る気体は、本実施形態では100℃に加熱された空気としているが、温度は100℃に限られず、また、気体も空気に限られない。送風機23による乾燥により、流延膜26はより迅速にゲル化する。そして、ゲル化により流延膜26は搬送可能な固さにされる。

0051

流延ダイ24からベルト21に至るドープ12、いわゆるビードに関して、ベルト21の走行方向における上流には、減圧チャンバ(図示無し)が設けられてもよい。この減圧チャンバは、流出したドープ12の上流側エリア雰囲気吸引してこのエリアを減圧する。

0052

流延膜26を、ローラ乾燥機16における搬送が可能な程度にまでベルト21上で固めてから、溶媒を含む状態でベルト21から剥がす。剥取ローラ25は、流延膜26をベルト21から連続的に剥ぎ取るためのものである。剥取ローラ25は、ベルト21から剥ぎ取ることで形成された青果物用包装材11を例えば下方から支持し、流延膜26がベルト21から剥がれる剥取位置PPを一定に保持する。剥ぎ取る手法は、青果物用包装材11を下流側へ引っ張る手法、または剥取ローラ25を周方向に回転させる手法等のいずれでもよい。

0053

ベルト21からの剥ぎ取りは、乾燥ゲル化方式の場合には、例えば、流延膜26の溶媒含有率が3質量%以上100質量%以下の範囲にある間に行われ、本実施形態では100質量%で行っている。冷却ゲル化方式の場合には、例えば、流延膜26の溶媒含有率が100質量%以上300質量%以下の範囲にある間に剥ぎ取りを行うことが好ましい。なお、本明細書においては、溶媒含有率(単位;%)は乾量基準の値であり、具体的には、溶媒の質量をx、溶媒含有率を求める青果物用包装材11の質量をyとするときに、{x/(y−x)}×100で求める百分率である。

0054

以上のように流延ユニット15は、ドープ12から青果物用包装材11を形成する。ベルト21は循環して走行することにより、ドープ12の流延と流延膜26の剥ぎ取りとが繰り返し行われる。

0055

ローラ乾燥機16は、形成された青果物用包装材11を乾燥するためのものであり、複数のローラ33と空調機(図示無し)とを備える。各ローラ33は青果物用包装材11を周面で支持する。青果物用包装材11はローラ33に巻き掛けられ、搬送される。空調機は、ローラ乾燥機16の内部の温度及び/または湿度などを調節する。ローラ乾燥機16において、各ローラ33に支持され、搬送される間に、青果物用包装材11は乾燥をすすめられる。巻取機17は、青果物用包装材11を巻き取るためのものであり、青果物用包装材11はこの巻取機17によりロール状に巻き取られる。なお、流延ユニット15とローラ乾燥機16との間に、青果物用包装材11を幅方向延伸するテンタ(図示無し)を設けてもよい。また、スリッタ(図示無し)を例えばローラ乾燥機16と巻取機17との間に設け、このスリッタにより青果物用包装材11の各側部を連続的に切除してもよい。

0056

以下、本発明の実施例と、本発明に対する比較例とを挙げる。

0057

[実施例1]〜[実施例14]
包装材製造装置10により、幅が1.5mの青果物用包装材11を製造し、2000mの長さを巻取機17により巻き取り、実施例1〜14とした。ドープ12の処方は下記の通りである。下記の固形分とは、青果物用包装材11を構成する固体成分である。
固形分の第1成分 100質量部
固形分の第2成分 表1の「量」欄に示す質量部
固形分の第3成分 1.3質量部
ジクロロメタン(溶媒の第1成分) 635質量部
メタノール(溶媒の第2成分) 125質量部

0058

固形分の第1成分は、セルロースアシレートであり、表1には、「第1成分」の「物質」欄に「セルロースアシレート」と記載している。このセルロースアシレートは、すべてのアシル基がアセチル基であり、粘度平均重合度が320である。セルロースアシレートのアシル基置換度は表1の「アシル基置換度」欄に示す。

0059

固形分の第2成分は、表1の「第2成分」の「物質」欄に示すA〜Dである。Aは、スクロースの安息香酸エステル(第一工業製薬(株)製モノペット(登録商標)SB)であり、Bは、アジピン酸とエチレングリコールとのエステルを繰り返し単位とするオリゴマー(末端官能基定量法による分子量は1000)であり、Cはテレフタル酸とエチレングリコールとのエステル及びフタル酸とエチレングリコールとのエステルを繰り返し単位とするオリゴマー(末端官能基定量法による分子量は700)であり、Dはアクリルポリマーである。なお、A,B,Cはセルロースアシレートの可塑剤である。固形分の第3成分は、シリカの微粒子であり、日本アエロジル(株)製のR972である。

0060

ドープ12は、以下の方法でつくった。まず、固形分の第1成分と、第2成分と、ジクロロメタンとメタノールとの混合物である溶媒とをそれぞれ密閉容器投入し、密閉容器内で40℃に温度を保持した状態で攪拌することにより、固形分の第1成分と第2成分とを溶媒に溶解した。固形分の第3成分をジクロロメタンとメタノールとの混合物に分散し、得られた分散液を、固形分の第1成分と第2成分とが溶解している溶液が入っている上記密閉容器に入れて分散した。このようにして得られたドープ12は、静置した後に、30℃に温度を維持した状態でろ紙によりろ過し、その後、脱泡処理をしてから、包装材製造装置10での流延に供した。

0061

流延ダイ24から30℃のドープ12を流延して流延膜26を形成した。形成直後の流延膜26に、送風機23により100℃の空気を当て、乾燥した流延膜26を剥取ローラ25によりベルト21から剥ぎ取った。剥取位置PPにおけるベルト21の温度は10℃であった。流延膜26は形成してから120秒後に剥ぎ取った。剥取位置PPにおける流延膜26の溶媒含有率は100質量%であった。剥ぎ取りは、150N/mの張力で行った。この張力は、流延膜26の幅1m当たりの力である。形成された青果物用包装材11を、ローラ乾燥機16に案内し、複数のローラ33により長手方向に張力を付与した状態で搬送しながら、乾燥した。長手方向に付与した張力は100N/mであった。この張力は、青果物用包装材11の幅1m当たりの力である。ローラ乾燥機16は、上流側の第1ゾーンと下流側の第2ゾーンとを有し、第1ゾーンは80℃、第2ゾーンは120℃に設定した。青果物用包装材11を第1ゾーンで5分間搬送し、第2ゾーンで10分間搬送した。巻取機17により巻き取られた青果物用包装材11の溶媒含有率は0.3質量%であった。得られた青果物用包装材11の厚みは、表1の「厚み」欄に示す。

0062

得られた青果物用包装材11について、前述の方法により、第1平衡含水率W1と第2平衡含水率W2と平衡含水率差WDとを求めた。透湿度は、日本工業規格JIS Z−0208に基づいて評価した。なお、透湿度は、25℃、55%RHと、40℃、90%RHとのそれぞれにおいて評価した。第1平衡含水率W1と第2平衡含水率W2と平衡含水率差WDと透湿度とは、表1に示す。

0063

得られた青果物用包装材11を、ブロッコリの密閉系包装に供し、結露と、ブロッコリの変色とを、評価した。また、ブロッコリの重量減少と、ヒートシール性と、青果物用包装袋の変形及びしわとについても、それぞれ評価した。また、実施例1,2,5で得られた青果物用包装材11については、カビの抑制を評価した。まず、得られた青果物用包装材11を440mm×300mmの大きさの矩形のシート状にカットし、前述の方法により、220mm×300mmの大きさの青果物用包装袋をつくった。青果物用包装袋内に生鮮なブロッコリ200gを入れ、開放されている残りの1辺の縁部を接着テープにより閉じることにより密閉系包装とした。ヒートシールにより接着しない場合には、接着テープにより3辺すべてを閉じた。ブロッコリを入れた状態で密閉した青果物用包装袋を、冷蔵庫内に14日間静置した。この14日間、冷蔵庫内は温度が5℃以上7℃以下の範囲で推移し、相対湿度が23%RH以上74%RH以下の範囲で推移した。各評価の方法及び基準は以下の通りである。各評価結果は表1に示す。

0064

1.結露
上記14日間の静置後、冷蔵庫から青果物用包装袋を取り出し、青果物用包装袋内の結露の程度を目視で観察した。評価の基準は以下の通りである。A,Bは合格、Cは不合格である。各評価結果は表1の「結露」欄に示す。
A:結露が認められない。
B:結露は認められるものの、薄く曇っている程度である。
C:水滴が認められる。

0065

2.ブロッコリの変色
上記静置後のブロッコリの花蕾切り口とを目視で観察することにより変色の程度を評価した。評価の基準は以下の通りである。A,Bは合格、Cは不合格である。各評価結果は表1の「変色」欄に示す。
A:包装開始時と色が変わっていない。
B:少し変色は認められるものの、花蕾はわずかに黄色い程度、かつ、茎の切り口の変色もごくわずかな程度である。
C:花蕾が黄色く、茎の切り口が色である。

0066

3.ブロッコリの重量減少
上記静置後のブロッコリの質量を測定した。その測定値をMB(単位はg)とする。青果物用包装袋によって包装される前のブロッコリの質量(200g)を基準にし、減少した質量の割合を{(200−MB)/200}×100の算出式により百分率で求めた。求めた結果は、表1の「重量減少」欄に示す。

0067

4.ヒートシール性
青果物用包装材11から青果物用包装袋をつくる際のヒートシールにおける接着のしやすさと、接着力の程度とを、「ヒートシール性」として以下の基準により評価した。5,4,3は合格、2,1は不合格である。各評価結果は表1の「ヒートシール性」欄に示す。
5:ヒートシールにより接着し、かつ、接着した部分であるシール部は青果物を通常に出し入れする際に十分な接着力を有し剥がれず、少し強く引っ張っても剥がれない。
4:ヒートシールにより接着し、かつ、シール部は青果物を通常に出し入れする際に十分な接着力を有し剥がれないが、少し強く引っ張られた場合に剥がれる。
3:ヒートシールにより接着し、かつ、青果物を丁寧に出し入れする際に接着力を有し、密封評価可能である。
2:ヒートシールにより接着するが、シール部は青果物を出し入れする際に剥がれる場合が多く、密封評価が困難である。
1:ヒートシールにより接着しない。

0068

5.青果物用包装袋の変形及びしわ
上記14日間の静置後、冷蔵庫から青果物用包装袋を取り出し、青果物用包装袋における変形と変形が進行することにより見えるしわとを以下の基準で評価した。5,4,3は合格、2,1は不合格である。各評価結果は表1の「変形・しわ」欄に示す。
5:青果物用包装袋に変形がまったく認められない。
4:青果物用包装袋に変形が青果物用包装袋の一部にわずかに認められる程度である。
3:青果物用包装袋の一部に変形としわとが認められるものの、実用上問題無い。
2:青果物用包装袋の全体に変形としわとが認められる。
1:青果物用包装袋の全体に変形としわとの両方が強く認められる。

0069

6.カビの抑制
A:目視で観察したところ、カビの発生が認められない
B:目視で観察したところ、カビの発生が認められる。

0070

0071

[比較例1]〜[比較例6]
青果物用包装袋として、住友ベークライト(株)製のP−プラス(登録商標)(ジッパー付き、サイズはM,295mm×220mm,厚み40μm)を用いた場合を比較例1とした。三井化学東セロ(株)製のスパッシュ(登録商標)(チャック無し、サイズは200mm×300mm、厚みは25μm、パンチ穴有り)を用いた場合を比較例2とした。比較例2においては、ブロッコリを入れた青果物用包装袋の1辺を開放した状態で、冷蔵庫に静置した。東洋紡(株)製のF&G(登録商標)防曇フィルム11号(サイズ200mm×300mm、厚み20μm)を用いた場合を比較例3とした。比較例3においてはブロッコリを入れた青果物用包装袋の1辺を接着テープで密封した状態で、冷蔵庫に静置した。比較例4としてフタムラ化学(株)製の普通セロハンPL#500、比較例5として表1に示したセルロースアシレートによる220mm×300mmの大きさの包装袋を用いた。青果物用包装袋を用いずに、すなわちブロッコリを包装しない状態で冷蔵庫に静置し、比較例6とした。その他の条件は実施例と同じである。

実施例

0072

比較例1〜比較例6においても、実施例と同様に評価した。比較例1と比較例2とにおいては、実施例1,2,5と同様に、カビの抑制についても評価した。各評価結果は表1に示す。なお、比較例6は青果物用包装袋を用いていないから、表1の「第1成分」,「第2成分」,「厚み」,「第1平衡含水率W1」,「第2平衡含水率W2」,「平衡含水率差WD」,「透湿度」の各欄には「−」と記載する。

0073

10包装材製造装置
11青果物用包装材
12 ドープ
15流延ユニット
16ローラ乾燥機
17巻取機
21ベルト
22ローラ
23送風機
24流延ダイ
24a 流出口
25 剥取ローラ
26流延膜
33 ローラ

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ