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技術 硬化性組成物、硬化膜、カラーフィルタ、遮光膜、固体撮像素子、画像表示装置、硬化膜の製造方法、及び、多官能チオール化合物

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 水野明夫
出願日 2017年5月24日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-523616
公開日 2019年4月18日 (3ヶ月経過) 公開番号 WO2017-221620
状態 未査定
技術分野 ピリジン系化合物 有機低分子化合物及びその製造 第4族元素を含む化合物及びその製造 第5-8族元素を含む化合物及びその製造 染料 固体撮像素子
主要キーワード 湿度供給 宇宙用機器 相乗平均値 ハイスピードカメラ 小型ロータ 材料供給速度 PF7 上澄み成分
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課題・解決手段

優れた露光感度を有し、かつ支持体との優れた密着性を有する硬化膜を得ることができる、硬化性組成物、硬化膜、カラーフィルタ遮光膜固体撮像素子画像表示装置、硬化膜の製造方法、及び、多官能チオール化合物を提供する。硬化性組成物は、多官能チオール化合物と、重合性化合物と、光重合開始剤とを含有し、多官能チオール化合物が、2個以上のチオール基と、チオール基とは異なる相互作用性基とを含有する。

概要

背景

画像表示装置に用いられるカラーフィルタには着色画素間の光を遮蔽し、コントラストを向上させる等の目的で、ブラックマトリクスと呼ばれる遮光膜が備えられている。
また、固体撮像素子においてもノイズ発生防止、及び、画質の向上等を目的として遮光膜が設けられている。現在、携帯電話及びPDA(Personal Digital Assistant)等の電子機器携帯端末には、小型で薄型撮像ユニットが搭載されている。このような撮像ユニットは、一般に、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ及びCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子と、固体撮像素子上に被写体像を形成するためのレンズと、を備えている。

特許文献1には、「画像表示装置における、画素を分離する隔壁を形成するための感光性樹脂組成物であって、感光性樹脂組成物が、(A)成分として分子内にカルボキシル基を有するバインダーポリマーと、(B)成分として光重合性化合物と、(C)成分として光重合開始剤と、(D)成分としてメルカプト基を有する化合物と、(E)成分として黒色顔料とを含有する感光性樹脂組成物。」が記載されている。

概要

優れた露光感度を有し、かつ支持体との優れた密着性を有する硬化膜を得ることができる、硬化性組成物、硬化膜、カラーフィルタ、遮光膜、固体撮像素子、画像表示装置、硬化膜の製造方法、及び、多官能チオール化合物を提供する。硬化性組成物は、多官能チオール化合物と、重合性化合物と、光重合開始剤とを含有し、多官能チオール化合物が、2個以上のチオール基と、チオール基とは異なる相互作用性基とを含有する。

目的

本発明は、優れた露光感度を有し、かつ支持体との優れた密着性を有する硬化膜を得ることができる、硬化性組成物を提供する

効果

実績

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請求項1

多官能チオール化合物と、重合性化合物と、光重合開始剤とを含有する硬化性組成物であって、前記多官能チオール化合物が、2個以上のチオール基と、チオール基とは異なる相互作用性基とを含有する硬化性組成物。

請求項2

前記多官能チオール化合物が、式(1)で表される化合物である、請求項1に記載の硬化性組成物。式中、L1、及び、L2はそれぞれ独立に2価の連結基を表し、mは2〜14の整数を表し、nは1〜15の整数を表し、L3はm+n価の連結基を表し、R1は前記チオール基とは異なる相互作用性基を表す。なお、L1、及び、L2は、互いに、同一でも、異なってもよく、m個のL1、n個のL2、及び、n個のR1は、それぞれ、同一でも、異なってもよい。

請求項3

前記多官能チオール化合物が、式(2)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の硬化性組成物。式中、R2、及び、R3は、それぞれ独立に炭素数1以上の2価の連結基を表し、mは2〜14の整数を表し、nは1〜15の整数を表し、M1は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−S−、−N(R4)−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−O−C(=O)−NH−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−、又は−CH=N−を表し、R4は1価の有機基を表し、L3はm+n価の連結基を表し、R1は前記チオール基とは異なる相互作用性基を表す。なお、R2、及び、R3は、互いに、同一でも、異なってもよく、n個のR1、m個のR2、n個のR2、n個のR3、m個のM1、及び、n個のM1は、それぞれ、同一でも、異なってもよい。

請求項4

前記mが3〜14の整数である、請求項2又は3に記載の硬化性組成物。

請求項5

前記チオール基とは異なる相互作用性基が、ヒドロキシル基アミノ基、ピリジニル基ピリジニウム基アンモニウム基ホスホニウム基カルボン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、アリール基、−Si(RX)p(RY)3−p、及び、−(ORA)q−RZからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。なお、pは1〜3の整数を表し、RXは加水分解性基を表し、RYは、加水分解性基を除く1価の有機基を表し、p個のRX、及び3−p個のRYは、それぞれ、同一でも、異なってもよい。また、RZは水素原子アルキル基、又は、アルコキシ基を表し、qは1〜4の整数を表し、RAは炭素数1〜15のアルキレン基を表す。

請求項6

前記チオール基とは異なる相互作用性基が、ヒドロキシル基、アミノ基、ピリジニル基、ピリジニウム基、アンモニウム基、ホスホニウム基、カルボン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、及びスルホン酸基又はその塩からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性組成物。

請求項7

前記チオール基とは異なる相互作用性基が、ヒドロキシル基、アミノ基、ピリジニル基、カルボン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、及び、スルホン酸基又はその塩からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬化性組成物。

請求項8

更に着色剤を含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性組成物。

請求項9

前記着色剤が黒色顔料を含有する、請求項8に記載の硬化性組成物。

請求項10

前記光重合開始剤がオキシム化合物である請求項1〜9のいずれか一項に記載の硬化性組成物。

請求項11

請求項1〜10のいずれか一項に記載の硬化性組成物を硬化して得られる、硬化膜

請求項12

請求項11に記載の硬化膜を含有する、カラーフィルタ

請求項13

請求項11に記載の硬化膜を含有する、遮光膜

請求項14

請求項11に記載の硬化膜を含有する、固体撮像素子

請求項15

請求項11に記載の硬化膜を含有する、画像表示装置

請求項16

請求項1〜10のいずれか一項に記載の硬化性組成物を用いて支持体上に硬化性組成物層を形成する、硬化性組成物層形成工程と、前記硬化性組成物層を露光する、露光工程とを含有する硬化膜の製造方法。

請求項17

前記硬化性組成物層形成工程が、前記支持体上に前記硬化性組成物を塗布して、前記支持体上に前記硬化性組成物層を形成する工程を含む、請求項16に記載の硬化膜の製造方法。

請求項18

更に、露光された前記硬化性組成物層を現像する、現像工程と、現像した前記硬化性組成物層を洗浄する、洗浄工程とを含有する、請求項16又は17に記載の硬化膜の製造方法。

請求項19

2個以上のチオール基と、チオール基とは異なる相互作用性基とを含有する、多官能チオール化合物。

請求項20

式(1)で表される化合物である、請求項19に記載の多官能チオール化合物。式中、L1、及びL2はそれぞれ独立に2価の連結基を表し、mは2〜14の整数を表し、nは1〜15の整数を表し、L3はm+n価の連結基を表し、R1は前記チオール基とは異なる相互作用性基を表す。なお、L1、及び、L2は、互いに、同一でも、異なってもよく、m個のL1、n個のL2、及びn個のR1は、それぞれ、同一でも、異なってもよい。

請求項21

式(2)で表される化合物である、請求項19又は20に記載の多官能チオール化合物。式中、R2、及び、R3は、それぞれ独立に炭素数1以上の2価の連結基を表し、mは2〜14の整数を表し、nは1〜15の整数を表し、M1は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−S−、−N(R4)−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−O−C(=O)−NH−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−、又は−CH=N−を表し、R4は1価の有機基を表し、L3はm+n価の連結基を表し、R1は前記チオール基とは異なる相互作用性基を表す。なお、R2、及び、R3は、互いに、同一でも、異なってもよく、n個のR1、m個のR2、n個のR2、n個のR3、m個のM1、及び、n個のM1は、それぞれ、同一でも、異なってもよい。

請求項22

前記mが3〜14の整数である、請求項20又は21に記載の多官能チオール化合物。

請求項23

前記チオール基とは異なる相互作用性基が、ヒドロキシル基、アミノ基、ピリジニル基、ピリジニウム基、アンモニウム基、ホスホニウム基、カルボン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、アリール基、−Si(RX)p(RY)3−p、及び、−(ORA)q−RZからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項19〜22のいずれか一項に記載の多官能チオール化合物。なお、pは1〜3の整数を表し、RXは加水分解性基を表し、RYは、加水分解性基を除く1価の有機基を表し、p個のRX、及び3−p個のRYは、それぞれ、同一でも、異なってもよい。また、RZは水素原子、アルキル基、又は、アルコキシ基を表し、qは1〜4の整数を表し、RAは炭素数1〜15のアルキレン基を表す。

請求項24

前記チオール基とは異なる相互作用性基が、ヒドロキシル基、アミノ基、ピリジニル基、ピリジニウム基、アンモニウム基、ホスホニウム基、カルボン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、及びスルホン酸基又はその塩からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項19〜23のいずれか一項に記載の多官能チオール化合物。

技術分野

0001

本発明は、硬化性組成物硬化膜カラーフィルタ遮光膜固体撮像素子画像表示装置、硬化膜の製造方法、及び、多官能チオール化合物に関する。

背景技術

0002

画像表示装置に用いられるカラーフィルタには着色画素間の光を遮蔽し、コントラストを向上させる等の目的で、ブラックマトリクスと呼ばれる遮光膜が備えられている。
また、固体撮像素子においてもノイズ発生防止、及び、画質の向上等を目的として遮光膜が設けられている。現在、携帯電話及びPDA(Personal Digital Assistant)等の電子機器携帯端末には、小型で薄型撮像ユニットが搭載されている。このような撮像ユニットは、一般に、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ及びCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子と、固体撮像素子上に被写体像を形成するためのレンズと、を備えている。

0003

特許文献1には、「画像表示装置における、画素を分離する隔壁を形成するための感光性樹脂組成物であって、感光性樹脂組成物が、(A)成分として分子内にカルボキシル基を有するバインダーポリマーと、(B)成分として光重合性化合物と、(C)成分として光重合開始剤と、(D)成分としてメルカプト基を有する化合物と、(E)成分として黒色顔料とを含有する感光性樹脂組成物。」が記載されている。

先行技術

0004

特開2014−41188号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明者は、特許文献1に記載された感光性樹脂組成物を支持体上に塗布し、得られた感光性樹脂組成物層露光して硬化膜を作製したところ、露光感度にさらなる改善の余地があることを知見した。具体的には、特許文献1に記載された感光性樹脂組成物は、より微細パターン形状を得ようとすると、露光に必要なエネルギーが大きくなるという問題があることを知見した。
また、本発明者は、上記の方法により得られた硬化膜について検討したところ、支持体(以下「基板」ともいう。)との密着性にさらなる改善の余地があることもまた知見した。

0006

そこで、本発明は、優れた露光感度を有し、かつ支持体との優れた密着性を有する硬化膜を得ることができる、硬化性組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、硬化膜、カラーフィルタ、遮光膜、固体撮像素子、画像表示装置、硬化膜の製造方法、及び、多官能チオール化合物を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、所定の多官能チオール化合物を含有する硬化性組成物が上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。

0008

[1]多官能チオール化合物と、重合性化合物と、光重合開始剤とを含有する硬化性組成物であって、多官能チオール化合物が、2個以上のチオール基と、チオール基とは異なる相互作用性基とを含有する硬化性組成物。
[2] 多官能チオール化合物が、式(1)で表される化合物である、[1]に記載の硬化性組成物。
[3] 多官能チオール化合物が、式(2)で表される化合物である、[1]又は[2]に記載の硬化性組成物。
[4] mが3〜14の整数である、[2]又は[3]に記載の硬化性組成物。
[5] チオール基とは異なる相互作用性基が、ヒドロキシル基アミノ基、ピリジニル基ピリジニウム基アンモニウム基ホスホニウム基カルボン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、アリール基、−Si(RX)p(RY)3−p、及び、−(ORA)q−RZからなる群から選択される少なくとも1種である、[1]〜[4]のいずれかに記載の硬化性組成物。
なお、pは1〜3の整数を表し、RXは加水分解性基を表し、RYは、加水分解性基を除く1価の有機基を表し、p個のRX、及び3−p個のRYは、それぞれ、同一でも、異なってもよい。また、RZは水素原子アルキル基、又はアルコキシ基を表し、qは1〜4の整数を表し、RAは炭素数1〜15のアルキレン基を表す。
[6] チオール基とは異なる相互作用性基が、ヒドロキシル基、アミノ基、ピリジニル基、ピリジニウム基、アンモニウム基、ホスホニウム基、カルボン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、及びスルホン酸基又はその塩からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]〜[5]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[7] チオール基とは異なる相互作用性基が、ヒドロキシル基、アミノ基、ピリジニル基、カルボン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、及びスルホン酸基又はその塩からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]〜[6]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[8] 更に着色剤を含有する、[1]〜[7]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[9] 着色剤が黒色顔料を含有する、[8]に記載の硬化性組成物。
[10] 光重合開始剤がオキシム化合物である[1]〜[9]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[11] [1]〜[10]のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化して得られる、硬化膜。
[12] [11]に記載の硬化膜を含有する、カラーフィルタ。
[13] [11]に記載の硬化膜を含有する、遮光膜。
[14] [11]に記載の硬化膜を含有する、固体撮像素子。
[15] [11]に記載の硬化膜を含有する、画像表示装置。
[16] [1]〜[10]のいずれかに記載の硬化性組成物を用いて支持体上に硬化性組成物層を形成する、硬化性組成物層形成工程と、硬化性組成物層を露光する、露光工程とを含有する硬化膜の製造方法。
[17] 硬化性組成物層形成工程が、支持体上に硬化性組成物を直接塗布して、支持体上に硬化性組成物層を形成する工程を含む、[16]に記載の硬化膜の製造方法。
[18] 更に、露光された硬化性組成物層を現像する、現像工程と、現像した硬化性組成物層を洗浄する、洗浄工程とを含有する、[16]又は[17]に記載の硬化膜の製造方法。
[19] 2個以上のチオール基と、チオール基とは異なる相互作用性基とを含有する、多官能チオール化合物。
[20] 式(1)で表される化合物である、[19]に記載の多官能チオール化合物。
[21] 式(2)で表される化合物である、[19]又は[20]に記載の多官能チオール化合物。
[22] mが3〜14の整数である、[20]又は[21]に記載の多官能チオール化合物。
[23] チオール基とは異なる相互作用性基が、ヒドロキシル基、アミノ基、ピリジニル基、ピリジニウム基、アンモニウム基、ホスホニウム基、カルボン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、アリール基、−Si(RX)p(RY)3−p、及び、−(ORA)q−RZからなる群から選択される少なくとも1種である、[19]〜[22]のいずれかに記載の多官能チオール化合物。
なお、pは1〜3の整数を表し、RXは加水分解性基を表し、RYは、加水分解性基を除く1価の有機基を表し、p個のRX、及び3−p個のRYは、それぞれ、同一でも、異なってもよい。また、RZは水素原子、アルキル基、又は、アルコキシ基を表し、qは1〜4の整数を表し、RAは炭素数1〜15のアルキレン基を表す。
[24] チオール基とは異なる相互作用性基が、ヒドロキシル基、アミノ基、ピリジニル基、ピリジニウム基、アンモニウム基、ホスホニウム基、カルボン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、及びスルホン酸基又はその塩からなる群から選択される少なくとも1種である、[19]〜[23]のいずれかに記載の多官能チオール化合物。

発明の効果

0009

本発明によれば、優れた露光感度を有し、かつ支持体との優れた密着性を有する硬化膜を得ることができる、硬化性組成物を提供することができる。
また、本発明は、硬化膜、カラーフィルタ、遮光膜、固体撮像素子、画像表示装置、硬化膜の製造方法、及び、多官能チオール化合物を提供することができる。

0010

以下、本発明について詳細に説明する。
以下の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されない。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を含有しないものと共に置換基を含有するものをも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を含有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を含有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯輝線スペクトル、及びエキシマレーザーに代表される遠紫外線極紫外線(EUV:Extreme ultraviolet lithography光)、X線、並びに電子線等を意味する。また本明細書において「光」とは、活性光線及び放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯の輝線スペクトル、及びエキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、並びにEUV光等による露光のみならず、電子線及びイオンビーム等の粒子線による描画も包含する。
本明細書において、「(メタアクリレート」はアクリレート及びメタアクリレートを表す。本明細書において、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタアクリルを表す。本明細書において、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びメタクリロイルを表す。本明細書において、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド及びメタアクリルアミドを表す。
本明細書中において、「単量体」と「モノマー」とは同義である。単量体は、オリゴマー及びポリマーと区別され、重量平均分子量が2,000以下の化合物をいう。本明細書中において、重合性化合物とは、重合性基を含有する化合物のことをいい、単量体であっても、ポリマーであってもよい。重合性基とは、重合反応関与する基をいう。

0011

[硬化性組成物]
硬化性組成物は、多官能チオール化合物と、重合性化合物と、光重合開始剤とを含有する硬化性組成物であって、多官能チオール化合物が、2個以上のチオール基と、チオール基とは異なる相互作用性基とを含有する。

0012

本発明者は、特許文献1に記載された、チオール化合物を含有する硬化性組成物を用いて支持体上に硬化性組成物層を形成し、この硬化性組成物層を露光して、微細なパターン形状を有する硬化膜を作製しようとすると、露光量を多くしなければならないという問題を知見した。
これは、パターン形状を微細化しようとすると、フォトマスクの開口部が狭くなり、結果として硬化性組成物層に照射される光量がより減少するためであると推測される。すなわち、硬化性組成物の底部に達する光量が少なくなるため、硬化性組成物層の底部が硬化しにくくなるものと推測される。
このような場合、露光量を多くすることにより、硬化性組成物層の底部まで到達する光量を増大させることができる。
一方で、露光量を多くすると、マスク開口部において回折した光、いわゆる「漏れ光」も多くなりやすく、硬化性組成物層の上部(すなわち、フォトマスクにより近い部分)において、本来マスクされるべき部分が露光され、パターン形状の悪化を招くことがあった。

0013

一般に、光重合開始剤を含有する硬化性組成物を用いて支持体上に硬化性組成物層を形成し、この硬化性組成物層を露光すると、光重合開始剤によりラジカル反応が開始される。このとき、光重合開始剤により生じたラジカルと硬化性組成物層内の酸素が発生し、ペルオキシラジカルが発生することがある。ペルオキシラジカルは反応を進行する作用を有しないため、そこで重合反応が停止してしまうことがある。

0014

本発明の一態様において、硬化性組成物は、2個以上のチオール基を含有する多官能チオール化合物を含有する。チオール基は、ペルオキシラジカルに水素供与することにより重合失活を受けにくいチイルラジカルを生成するため、重合反応が継続する。
更に、多官能チオール化合物はチオール基とは異なる相互作用性基を含有する。相互作用性基は、支持体と(又は、支持体が上塗り層を備える場合には、上塗り層を構成する分子と)相互作用する。従って、多官能チオール化合物は、上記硬化性組成物を用いて形成された硬化性組成物層において、支持体により近い部分(すなわち、底部)に偏在しやすいものと推測される。上記硬化性組成物層において、露光時に到達する光量が相対的に少ない硬化性組成物層の底部に、多官能チオール化合物が偏在すると、上記チオール基の作用がより効果的に発揮されるものと推測される。
すなわち、より少ない露光量であると、硬化性組成物層の底部に到達する光量が少ないものの、多官能チオール化合物は底部に偏在しやすいため、硬化性組成物層の底部でチイルラジカルが生成しやすく、少ない光量でも底部まで十分に硬化すると推測される。
更に、硬化膜においては、支持体により近い部分(すなわち、底部)に相互作用性基が偏在するため、支持体との相互作用がより強くなり、支持体との優れた密着性を有するものと推測される。
以下では本発明の一態様に係る硬化性組成物に含有される成分を説明する。

0015

〔多官能チオール化合物〕
硬化性組成物は、所定の多官能チオール化合物を含有する。
多官能チオール化合物は、2個以上のチオール基(−SHで表される基)と、チオール基とは異なる相互作用性基と、を含有していれば特に制限されず、公知の多官能チオール化合物を用いることができる。

0016

多官能チオール化合物が含有するチオール基の数は2個以上であり、3個以上が好ましく、4個以上がより好ましい。
多官能チオール化合物が含有するチオール基の数の上限は特に制限されないが、一般に30個以下が好ましく、20個以下がより好ましく、14個以下が更に好ましい。

0017

多官能チオール化合物が含有する、チオール基とは異なる相互作用性基の数は1個以上であり、2個以上が好ましい。
多官能チオール化合物が含有する、チオール基とは異なる相互作用性基の上限は特に制限されないが、一般に30個以下が好ましく、20個以下がより好ましく、15個以下が更に好ましい。

0018

なお、本明細書において、相互作用性基とは、他の分子と相互作用し得る基を意図する。相互作用は、分子間力分子会合静電的引力、イオン結合、及び/又は水素結合等の任意の態様で相互作用し得る基が挙げられる。
なかでも、相互作用性基としては、後述する支持体、及び/又は下塗り層を形成する分子と相互作用し得る基が好ましい。相互作用性基の具体例は、後段で詳述する。

0019

多官能チオール化合物の含有量としては、硬化性組成物の全固形分に対して、0.5〜10質量%が好ましい。
多官能チオール化合物の含有量が、0.5〜10質量%であることにより、露光感度がより優れる。
多官能チオール化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。多官能チオール化合物を2種以上併用する場合には、その合計量が上記範囲内であることが好ましい。

0020

<多官能チオール化合物の好適態様1>
多官能チオール化合物としては、以下の式(1)で表される化合物が好ましい。

0021

式(1)中、L1、及びL2はそれぞれ独立に2価の連結基を表す。mは2〜14の整数を表し、3〜14の整数が好ましく、3〜6がより好ましい。mが3以上の整数だと、硬化性組成物はより優れた露光感度を有する。nは1〜15の整数を表す。L3はm+n価の連結基を表し、R1はチオール基とは異なる相互作用性基を表す。
なお、L1、及び、L2は、互いに、同一でも、異なってもよく、m個のL1、n個のL2、及び、n個のR1は、それぞれ、同一でも、異なってもよい。

0022

L1の2価の連結基としては、例えば、2価の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜8)、2価の芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数6〜12)、−O−、−S−、−N(R4)−(R4:1価の有機基)、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−O−C(=O)−NH−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−、−CH=N−、−N(R)−(R:アルキル基)、又は、これらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基アルキレンオキシカルボニル基、及びアルキレンカルボニルオキシ基等)等が挙げられる。

0023

L2の2価の連結基としては、上記L1の態様と同様である。なお、L1、及びL2は、互いに、同一でも、異なってもよい。また、多官能チオール化合物の1分子内のm個のL1、及び、n個のL2は、それぞれ、同一でも、異なってもよい。

0024

L3のm+n価の連結基としては、例えばトリメチロールプロパン残基、−(CH2)k−(kは例えば、2〜6の整数を表す。)を3個有するイソシアヌール環等の3価の連結基、ペンタエリスリトール残基等の4価の連結基又は5価の連結基、ジペンタエリスリトール残基等の6価の連結基、及び、これらの組み合わせ等が挙げられる。
m+nは3以上であり、4以上が好ましい。
m+nは29以下であり、10以下が好ましい。

0025

L3のm+n価の連結基としては、例えば、以下の式(A)〜(D)のいずれかで表される基、又は、これらを組み合わせた基が挙げられる。

0026

式(A)〜(D)中、
L4は3価の基を表す。T3は単結合又は2価の連結基を表し、3個のT3は互いに同一であっても異なっていてもよい。
L5は4価の基を表す。T4は単結合又は2価の連結基を表し、4個のT4は互いに同一であっても異なっていてもよい。
L6は5価の基を表す。T5は単結合又は2価の連結基を表し、5個のT5は互いに同一であっても異なっていてもよい。
L7は6価の基を表す。T6は単結合又は2価の連結基を表し、6個のT6は互いに同一であっても異なっていてもよい。
なお、T3、T4、T5及びT6で表される2価の連結基の定義は、上述したL1で表される2価の連結基の定義と同義である。

0027

L3のm+n価の連結基としては、例えば、以下の式(E)〜(J)で表される基、又は、これらを組み合わせた基が好ましい。

0028

式(E)〜(J)中、
Rは水素原子、又は、1価の有機基を表す。1価の有機基としては、アルキル基が好ましい。*は結合位置を示す。tは2〜11の整数を表す。

0029

L3は以下の式(K)〜(O)で表される基、又は、これらを組み合わせた基であってもよい。式中、*は結合位置を表す。

0030

式(1)中、R1は、すでに説明したチオール基とは異なる相互作用性基の態様と同様である。
なかでも、硬化膜が、支持体とのより優れた密着性を有する点で、チオール基とは異なる相互作用性基としては、ヒドロキシル基、アミノ基、ピリジニル基、ピリジニウム基、アンモニウム基、ホスホニウム基、カルボン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、アリール基、−Si(RX)p(RY)3−p(以下、本明細書において「Si基」ともいう。)、及び、−(ORA)q−RZからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、ヒドロキシル基、アミノ基、ピリジニル基、ピリジニウム基、アンモニウム基、ホスホニウム基、カルボン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、及びスルホン酸基又はその塩からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、ヒドロキシル基、アミノ基、ピリジニル基、カルボン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、及び、スルホン酸基又はその塩からなる群から選択される少なくとも1種が更に好ましい。
チオール基とは異なる相互作用性基が、上記の官能基であることによって、硬化膜が支持体とのより優れた密着性を有する機序は必ずしも明らかではないが、本発明者は以下のとおり推測している。すなわち、相互作用(非結合性の分子間力)は、ファンデルワールス相互作用、π−πスタッキング、水素−π結合静電相互作用、又は、水素結合と大きく分類され、概ねこの順に強くなると推測され、「水素結合」が最も強く、次いで「静電相互作用」が強い。ここで、例えば、フェニル基π電子とO−Hの水素の結合である水素−π結合は、上記の2つと比べると弱いと考えられ、上記の効果が得られたものと推測される。なお、本発明の効果が得られる機序は上記推測に限られない。
なお、上記アミノ基には、第1級アミノ基(NH2−)、第2級アミノ基(NRaH−)、及び、第3級アミノ基(NRaRa−)が含まれる。第2級アミノ基及び第3級アミノ基に含まれるRaは、1価の有機基であれば特に制限されないが、例えば、炭化水素基(例えば、アルキル基)が挙げられる。

0031

上記−Si(RX)p(RY)3−pにおいてRXは加水分解性基を表す。
本明細書において加水分解性基とは、ケイ素原子(Si)に直結し、加水分解反応を進行し得る基を意図し、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子アシルオキシ基アルケニルオキシ基、及び、イソシアネート基等が挙げられる。

0032

RYは、1価の有機基を表す。ただし、上記有機基から、上記加水分解性基は除く。
上記1価の有機基としては、加水分解性基以外の有機基であればよく、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルカルボニル基シクロアルキルカルボニル基アリールカルボニル基アルキルオキシカルボニル基シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基アルキルアミノカルボニル基シクロアルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、及び、これらを組み合わせた基等が挙げられる。なかでも、アルキル基、アリール基、アルケニル基、又はこれらを組み合わせた基が好ましい。

0033

上記アルキル基中に含まれる炭素数は1〜6が好ましく、直鎖状分岐鎖状、及び、環状のいずれであってもよい。また、上記アリール基中に含まれる炭素数は6〜10が好ましい。また、上記アルケニル基中に含まれる炭素数は2〜12が好ましい。

0034

pは1〜3の整数である。なかでも、硬化膜が、支持体とのより優れた密着性を有する点で、pは3が好ましい。
また、p個のRX、及び、3−p個のRYは、それぞれ、同一でも、異なってもよい。

0035

上記−(ORA)q−RZにおいて、RZは水素原子、アルキル基、又は、アルコキシ基を表し、アルキル基、及び、アルコキシ基中のアルキル基の炭素数は1〜6が好ましく、直鎖状、分岐状、又は、環状のいずれであってもよい。

0036

RAは炭素数1〜15のアルキレン基を表し、炭素数1〜10のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基が更に好ましい。qは1〜4の整数を表し、2〜4の整数がより好ましく、3〜4の整数が更に好ましい。

0037

<多官能チオール化合物の好適態様2>
上記多官能チオール化合物としては、以下の式(2)で表される化合物がより好ましい。

0038

式(2)中、R2、及びR3はそれぞれ独立に炭素数1以上の2価の連結基を表す。
炭素数1以上の2価の連結基としては特に制限されず、例えば、2価の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜8)、2価の芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数6〜12)、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−O−C(=O)、−CH=N−、−N(R)−(R:アルキル基)、又はこれらと、上記式(1)中のL1として説明した基等を組み合わせた基等が挙げられる。
なお、R2、及びR3は、互いに、同一でも、異なってもよく、m個のR2、n個のR2、及び、n個のR3は、それぞれ、同一でも、異なってもよい。

0039

式(2)中、mは2〜14の整数を表し、3〜14の整数が好ましく、3〜6がより好ましい。mが3以上の整数だと、硬化性組成物はより優れた露光感度を有する。
nは1〜15の整数を表し、1〜4が好ましい。
nに対するmの値(m/n)は特に制限されないが、0.13〜14が好ましく、1〜5がより好ましく、2〜5が更に好ましい。
m/nが1〜5の範囲内だと、硬化性組成物を用いて支持体上に形成した硬化膜と、支持体との密着性がより優れる。
m+nが同じ場合、m/nがより小さい多官能チオール化合物ほど、硬化性組成物を硬化して得られるパターン形状がより優れるとともに、硬化性組成物を用いて支持体上に形成した硬化膜と、支持体との密着性がより優れる。

0040

上記式(2)中、M1は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−S−、−N(R4)−(R4:1価の有機基)、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−O−C(=O)−NH−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−、又は−CH=N−を表す。
なお、m個のM1、及び、n個のM1は、それぞれ同一でも、異なってもよい。

0041

L3はm+n価の連結基を表しその態様は既に説明したとおりである。また、R1はチオール基とは異なる相互作用性基を表し、その態様は上述した式(1)中のものと同様のものが挙げられる。
なお、n個のR1はそれぞれ同一でも、異なってもよい。

0042

多官能チオール化合物の合成方法は特に制限されず、公知の方法を組み合わせることにより合成することができる。
例えば、チオール基を複数有する原料化合物と、所定の相互作用性基を有し、上記チオール基と反応可能な基を有する化合物とを反応させることにより、所望の多官能チオール化合物を合成することができる。なお、チオール基と反応可能な基としては、炭素炭素二重結合基、炭素−炭素三重結合基、エポキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基アリールスルホネート基などが挙げられる。
より具体的には、チオール基を複数有する原料化合物に対して、所定の相互作用性基を有する(メタ)アクリレート化合物マイケル付加により反応させ、所望の多官能チオール化合物を合成することができる。

0043

多官能チオール化合物の具体的な例を以下の表1に示す。但し、多官能チオール化合物はこれらに限定されない。

0044

0045

0046

0047

0048

0049

0050

表1−1〜1−6中、「Me」はメチル基(−CH3)を意図する。「OTs」はトシル基を表す。
表1−1〜1−6中、R1〜R3、L3、及びM1は、式(2)における各部に対応する基であり、m及びnは式(2)におけるm及びnに対応する数である。

0051

0052

表1−1〜1−6中の記号は、以下の内容を意図する。
*:L3とM1の連結箇所を示す。
●:M1、及びR2の列においては、M1とR2の連結箇所を示す。また、R3の列においては、R3と−S−基との連結箇所を示す。
○:チオール(−SH)基、又は−S−基との連結箇所を示す。
R3、R1の波線:R3とR1との連結箇所を示す。
上矢印:直上の欄と同じという意味を示す。

0053

〔光重合開始剤〕
硬化性組成物は、光重合開始剤を含有する。
光重合開始剤としては、重合性化合物の重合を開始することができれば特に制限されず、公知の光重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤としては、例えば、紫外線領域から可視光線領域に対して感光性を有するものが好ましい。光重合開始剤は、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、重合性化合物の種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
光重合開始剤は、約300nm〜800nm(330nm〜500nmがより好ましい。)の波長領域に少なくとも約50のモル吸光係数を有する化合物を、少なくとも1種含有していることが好ましい。

0054

光重合開始剤の含有量としては、硬化性組成物の全固形分に対して、1〜9質量%が好ましい。
光重合開始剤の含有量が、硬化性組成物の全固形分に対して、1〜9質量%だと、硬化性組成物を硬化して得られる硬化膜のパターン形状がより優れる。
光重合開始剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。光重合開始剤を2種以上併用する場合には、その合計量が上記範囲内であることが好ましい。

0055

光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を含有するもの、オキサジアゾール骨格を含有するもの、等)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物ヘキサアリールビイミダゾールオキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物チオ化合物ケトン化合物芳香族オニウム塩ケトオキシムエーテルアミノアセトフェノン化合物、及び、ヒドロキシアセトフェノン等が挙げられる。
上記トリアジン骨格を含有するハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、英国特許1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許3337024号明細書記載の化合物、F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物、特開平5−34920号公報記載の化合物、米国特許第4212976号明細書記載の化合物、等が挙げられる。

0057

なかでも、トリハロメチルトリアジン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、フォスフィンオキサイド化合物、オキシム化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム化合物、ベンゾフェノン化合物、又はアセトフェノン化合物がより好ましく、トリハロメチルトリアジン化合物、α−アミノケトン化合物、オキシム化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、及びベンゾフェノン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が更に好ましい。

0058

特に、硬化性組成物を遮光膜の作製に使用する場合には、微細なパターンシャープな形状で形成する必要があるため、硬化性と共に未露光部に残渣がなく現像されることが重要である。このような観点からは、光重合開始剤としてはオキシム化合物を使用することが特に好ましい。特に、微細なパターンを形成する場合、硬化用露光にステッパー露光を用いるが、この露光機ハロゲンにより損傷される場合があり、光重合開始剤の添加量も低く抑える必要がある。これらの点を考慮すれば、微細パターンを形成するには、光重合開始剤としては、オキシム化合物を用いるのが特に好ましい。
光重合開始剤の具体例としては、例えば、特開2013−29760号公報の段落0265〜0268を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。

0059

光重合開始剤としては、ヒドロキシアセトフェノン化合物、アミノアセトフェノン化合物、及び、アシルホスフィン化合物も好適に用いることができる。より具体的には、例えば、特開平10−291969号公報に記載のアミノアセトフェノン系開始剤、及び特許第4225898号公報に記載のアシホスフィン系開始剤も用いることができる。
ヒドロキシアセトフェノン化合物としては、IRGACURE−184、DAROCUR−1173、IRGACURE−500、IRGACURE−2959、及びIRGACURE−127(商品名、いずれもBASF社製)が挙げられる。
アミノアセトフェノン化合物としては、市販品であるIRGACURE−907、IRGACURE−369、及びIRGACURE−379EG(商品名、いずれもBASF社製)が挙げられる。アミノアセトフェノン化合物としては、365nm又は405nm等の長波光源吸収波長マッチングされた特開2009−191179公報に記載の化合物も挙げられる。
アシルホスフィン化合物としては、市販品であるIRGACURE−819、及びDAROCUR−TPO(商品名、いずれもBASF社製)が挙げられる。

0060

<オキシム化合物>
光重合開始剤として、より好ましくはオキシム化合物(オキシム系開始剤)が挙げられる。
光重合開始剤がオキシム化合物である、上記硬化性組成物は、より優れた露光感度を有する。また、オキシム化合物は高感度重合効率が高く、着色剤濃度によらず硬化性組成物層を硬化でき、着色剤の濃度を高く設計しやすいため好ましい。
オキシム化合物の具体例としては、特開2001−233842号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報記載の化合物、及び特開2006−342166号公報記載の化合物が挙げられる。
オキシム化合物としては、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
また、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.1653−1660)、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年)pp.202−232に記載の化合物、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報、及び特開2006−342166号公報の各公報に記載の化合物等も挙げられる。
市販品ではIRGACURE−OXE01(BASF社製)、IRGACURE−OXE02(BASF社製)、IRGACURE−OXE03(BASF社製)、又はIRGACURE−OXE04(BASF社製)も好適に用いられる。また、TR−PBG−304(常州強力電子新材料有限公司製)、アデカアークルズNCI−831及びアデカアークルズNCI−930(ADEKA社製)、又はN−1919(カルバゾールオキシムエステル骨格含有光開始剤(ADEKA社製))も用いることができる。

0061

上記記載以外のオキシム化合物として、カルバゾールN位にオキシムが連結した特表2009−519904号公報に記載の化合物;ベンゾフェノン部位にヘテロ置換基が導入された米国特許第7626957号公報に記載の化合物;色素部位ニトロ基が導入された特開2010−15025号公報及び米国特許公開2009−292039号に記載の化合物;国際公開特許2009−131189号公報に記載のケトオキシム化合物;トリアジン骨格とオキシム骨格を同一分子内に含有する米国特許7556910号公報に記載の化合物;405nmに吸収極大を有しg線光源に対して良好な感度を有する特開2009−221114号公報に記載の化合物;等を用いてもよい。
好ましくは、例えば、特開2013−29760号公報の段落0274〜0275を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
具体的には、オキシム化合物としては、下記式(OX−1)で表される化合物が好ましい。なお、オキシム化合物のN−O結合が(E)体のオキシム化合物であっても、(Z)体のオキシム化合物であっても、(E)体と(Z)体との混合物であってもよい。

0062

0063

式(OX−1)中、R及びBは各々独立に1価の置換基を表し、Aは2価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。
式(OX−1)中、Rで表される1価の置換基としては、1価の非金属原子団であることが好ましい。
1価の非金属原子団としては、アルキル基、アリール基、アシル基アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環基アルキルチオカルボニル基、及び、アリールチオカルボニル基等が挙げられる。これらの基は、1以上の置換基を有していてもよい。また、前述した置換基は、更に他の置換基で置換されていてもよい。
置換基としてはハロゲン原子、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、アルキル基、及び、アリール基等が挙げられる。
式(OX−1)中、Bで表される1価の置換基としては、アリール基、複素環基、アリールカルボニル基、又は、複素環カルボニル基が好ましい。これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が挙げられる。
式(OX−1)中、Aで表される2価の有機基としては、炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、又は、アルキニレン基が好ましい。これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が挙げられる。

0064

光重合開始剤として、フッ素原子を含有するオキシム化合物を用いることもできる。フッ素原子を含有するオキシム化合物の具体例としては、特開2010−262028号公報記載の化合物;特表2014−500852号公報記載の化合物24、36〜40;特開2013−164471号公報記載の化合物(C−3);等が挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれる。

0065

光重合開始剤として、下記一般式(1)〜(4)で表される化合物を用いることもできる。

0066

0067

0068

式(1)において、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数4〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30のアリール基、又は、炭素数7〜30のアリールアルキル基を表し、R1及びR2がフェニル基の場合、フェニル基同士が結合してフルオレン基を形成してもよく、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアリールアルキル基又は炭素数4〜20の複素環基を表し、Xは、直接結合又はカルボニル基を示す。

0069

式(2)において、R1、R2、R3及びR4は、式(1)におけるR1、R2、R3及びR4と同義であり、R5は、−R6、−OR6、−SR6、−COR6、−CONR6R6、−NR6COR6、−OCOR6、−COOR6、−SCOR6、−OCSR6、−COSR6、−CSOR6、−CN、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を表し、R6は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアリールアルキル基又は炭素数4〜20の複素環基を表し、Xは、直接結合又はカルボニル基を表し、aは0〜4の整数を表す。

0070

式(3)において、R1は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数4〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30のアリール基、又は、炭素数7〜30のアリールアルキル基を表し、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアリールアルキル基又は炭素数4〜20の複素環基を表し、Xは、直接結合又はカルボニル基を示す。

0071

式(4)において、R1、R3及びR4は、式(3)におけるR1、R3及びR4と同義であり、R5は、−R6、−OR6、−SR6、−COR6、−CONR6R6、−NR6COR6、−OCOR6、−COOR6、−SCOR6、−OCSR6、−COSR6、−CSOR6、−CN、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を表し、R6は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアリールアルキル基又は炭素数4〜20の複素環基を表し、Xは、直接結合又はカルボニル基を表し、aは0〜4の整数を表す。

0072

上記式(1)及び式(2)において、R1及びR2は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、シクロヘキシル基又はフェニル基が好ましい。R3はメチル基、エチル基、フェニル基、トリル基又はキシリル基が好ましい。R4は炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基が好ましい。R5はメチル基、エチル基、フェニル基、トリル基又はナフチル基が好ましい。Xは直接結合が好ましい。
上記式(3)及び(4)において、R1は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、シクロヘキシル基又はフェニル基が好ましい。R3はメチル基、エチル基、フェニル基、トリル基又はキシリル基が好ましい。R4は炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基が好ましい。R5はメチル基、エチル基、フェニル基、トリル基又はナフチル基が好ましい。Xは直接結合が好ましい。
式(1)及び式(2)で表される化合物の具体例としては、例えば、特開2014−137466号公報の段落番号0076〜0079に記載された化合物が挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれることとする。

0073

硬化性組成物に好ましく使用されるオキシム化合物の具体例を以下に示す。

0074

0075

オキシム化合物は、350nm〜500nmの波長領域に極大吸収波長を有するものが好ましく、360nm〜480nmの波長領域に極大吸収波長を有するものがより好ましく、365nm及び405nmの吸光度が高いものが更に好ましい。
オキシム化合物の365nm又は405nmにおけるモル吸光係数は、感度の観点から、1,000〜300,000であることが好ましく、2,000〜300,000であることがより好ましく、5,000〜200,000であることが更に好ましい。
化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いることができるが、例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Cary−5 spctrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
光重合開始剤は、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0076

〔重合性化合物〕
硬化性組成物は、重合性化合物を含有する。
重合性化合物の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して、1〜40質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。
重合性化合物の含有量が、硬化性組成物の全固形分に対して10〜40質量%だと、硬化性組成物はより優れた露光感度を有する。なお、重合性化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の重合性化合物を併用する場合は、その合計量が上記範囲内であることが好ましい。

0077

重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を含有する基を1個以上含有する化合物が好ましく、2個以上含有する化合物がより好ましく、3個以上含有することが更に好ましく、5個以上含有することが特に好ましい。上限は、たとえば、15個以下である。エチレン性不飽和結合を含有する基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アリル基、及び、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。

0078

重合性化合物は、例えば、モノマー、プレポリマー、オリゴマー、及び、これらの混合物、並びに、これらの多量体等の化学的形態のいずれであってもよく、モノマーが好ましい。
重合性化合物の分子量は、100〜3,000が好ましく、250〜1,500がより好ましい。
重合性化合物は、3〜15官能の(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、3〜6官能の(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。
モノマー、プレポリマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸メタクリル酸イタコン酸クロトン酸イソクロトン酸マレイン酸等)又はそのエステル類アミド類、並びにこれらの多量体が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、及び不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類、並びにこれらの多量体である。また、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を含有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類又はエポキシ類との付加反応物、及び、上記不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と、単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基、エポキシ基等の親電子性置換基を含有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類アミン類、又は、チオール類との反応物ハロゲン基又はトシルオキシ基等の脱離性置換基を含有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、又は、チオール類との反応物も好適である。また、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸スチレン等のビニルベンゼン誘導体、ビニルエーテルアリルエーテル等に置き換え化合物群を使用することも可能である。
これらの具体的な化合物としては、特開2009−288705号公報の段落0095〜0108に記載の化合物を本発明においても好適に用いることができる。

0079

重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を含有する基を1個以上含有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つ化合物も好ましい。例えば、特開2013−29760号公報の段落0227、特開2008−292970号公報の段落0254〜0257に記載の化合物を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。

0080

重合性化合物は、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としてはKAYARADD−330、PET−30、日本化薬社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としてはKAYARAD D−320、日本化薬社製)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D−310、日本化薬社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARADDPHA、日本化薬社製、A−DPH−12E、新中化学社製)、及びこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール残基又はプロピレングリコール残基を介している構造(例えば、サートマー社から市販されている、SR454、SR499)が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。また、NKエステルA−TMMTペンタエリスリトールテトラアクリレート、新中村化学社製)、及び、KAYARAD RP−1040(日本化薬社製)等を使用することもできる。
以下に好ましい重合性化合物の態様を示す。

0081

重合性化合物は、カルボン酸基、スルホン酸基、又は、リン酸基等の酸基を有していてもよい。酸基を含有する重合性化合物としては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシ基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた重合性化合物がより好ましく、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものが更に好ましい。市販品としては、例えば、東亞合成社製の、アロニックスTO−2349、M−305、M−510、及び、M−520等が挙げられる。

0082

酸基を含有する重合性化合物の好ましい酸価としては、0.1〜40mgKOH/gであり、より好ましくは5〜30mgKOH/gである。重合性化合物の酸価が、0.1mgKOH/g以上であれば現像溶解特性が良好であり、40mgKOH/g以下であれば製造及び/又は取扱い上有利である。更には、上記範囲であることにより光重合性能が良好で、硬化性に優れる。

0083

重合性化合物は、カプロラクトン構造を含有する化合物も好ましい態様である。
カプロラクトン構造を含有する化合物としては、分子内にカプロラクトン構造を含有する限り特に限定されるものではないが、例えば、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールグリセリンジグリセロールトリメチロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸及びε−カプロラクトンとをエステル化することにより得られる、ε−カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。なかでも下記式(Z−1)で表されるカプロラクトン構造を含有する化合物が好ましい。

0084

0085

式(Z−1)中、6個のRは全てが下記式(Z−2)で表される基であるか、又は6個のRのうち1〜5個が下記式(Z−2)で表される基であり、残余が下記式(Z−3)で表される基である。

0086

0087

式(Z−2)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、mは1又は2の数を示し、*は結合手を示す。

0088

0089

式(Z−3)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、*は結合手を示す。

0090

カプロラクトン構造を含有する重合性化合物は、例えば、日本化薬からKAYARADDPCAシリーズとして市販されており、DPCA−20(式(Z−1)〜(Z−3)においてmが1、式(Z−2)で表される基の数が2、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−30(同式において、mが1、式(Z−2)で表される基の数が3、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−60(同式において、mが1、式(Z−2)で表される基の数が6、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−120(同式においてmが2、式(Z−2)で表される基の数が6、R1が全て水素原子である化合物)等が挙げられる。

0091

重合性化合物は、下記式(Z−4)又は(Z−5)で表される化合物を用いることもできる。

0092

0093

式(Z−4)及び(Z−5)中、Eは、各々独立に、−((CH2)yCH2O)−、又は((CH2)yCH(CH3)O)−を表し、yは、各々独立に0〜10の整数を表し、
Xは、各々独立に、(メタ)アクリロイル基、水素原子、又はカルボン酸基を表す。
式(Z−4)中、(メタ)アクリロイル基の合計は3個又は4個であり、mは各々独立に0〜10の整数を表し、各mの合計は0〜40の整数である。
式(Z−5)中、(メタ)アクリロイル基の合計は5個又は6個であり、nは各々独立に0〜10の整数を表し、各nの合計は0〜60の整数である。

0094

式(Z−4)中、mは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
各mの合計は、2〜40の整数が好ましく、2〜16の整数がより好ましく、4〜8の整数が更に好ましい。
式(Z−5)中、nは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
各nの合計は、3〜60の整数が好ましく、3〜24の整数がより好ましく、6〜12の整数が更に好ましい。
式(Z−4)又は式(Z−5)中の−((CH2)yCH2O)−又は((CH2)yCH(CH3)O)−は、酸素原子側の末端がXに結合する形態が好ましい。

0095

式(Z−4)又は式(Z−5)で表される化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。特に、式(Z−5)において、6個のX全てがアクリロイル基である形態、式(Z−5)において、6個のX全てがアクリロイル基である化合物と、6個のXのうち、少なくとも1個が水素原子ある化合物との混合物である態様が好ましい。このような構成とすることにより、現像性をより向上できる。

0096

式(Z−4)又は式(Z−5)で表される化合物の重合性化合物中における全含有量は、20質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。

0097

式(Z−4)又は式(Z−5)で表される化合物は、従来公知の工程である、ペンタエリスリト−ル又はジペンタエリスリト−ルにエチレンオキシド又はプロピレンオキシド開環付加反応により開環骨格を結合する工程と、開環骨格の末端ヒドロキシ基に、例えば(メタ)アクリロイルクロライドを反応させて(メタ)アクリロイル基を導入する工程と、から合成することができる。各工程はよく知られた工程であり、当業者は容易に一般式(Z−4)又は(Z−5)で表される化合物を合成することができる。

0098

式(Z−4)又は式(Z−5)で表される化合物の中でも、ペンタエリスリトール誘導体及び/又はジペンタエリスリトール誘導体がより好ましい。
具体的には、下記式(a)〜(f)で表される化合物(以下、「例示化合物(a)〜(f)」とも称する。)が挙げられ、中でも、例示化合物(a)、(b)、(e)、(f)が好ましい。

0099

0100

0101

式(Z−4)及び(Z−5)で表される重合性化合物の市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ鎖を4個含有する4官能アクリレートであるSR−494、日本化薬社製のペンチレンオキシ鎖を6個含有する6官能アクリレートであるDPCA−60、イソブチレンオキシ鎖を3個含有する3官能アクリレートであるTPA−330等が挙げられる。

0102

重合性化合物としては、特公昭48−41708号公報、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されたウレタンアクリレート類;特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、及び特公昭62−39418号公報に記載されたエチレンオキサイド系骨格を含有するウレタン化合物類;も好適である。また、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、及び特開平1−105238号公報に記載された、分子内にアミノ構造及び/又はスルフィド構造を含有する付加重合性化合物類を用いることによって、非常に感光スピードに優れた硬化性組成物を得ることができる。
市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200(新中村化学社製)、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、及び、AI−600(共栄社製)等が挙げられる。

0103

重合性化合物は、SP(Solubility Parameter:溶解パラメータ)値が、9.50以上であることが好ましく、10.40以上であることがより好ましく、10.60以上が更に好ましい。
本明細書においてSP値は、特に断らない限り、Hoy法によって求める(H.L.Hoy Journal of Painting,1970,Vol.42,76−118)。SP値については単位を省略して示しているが、その単位はcal1/2cm−3/2である。

0104

硬化性組成物は、現像残渣改善の観点から、カルド骨格を含有する重合性化合物を含有することも好ましい。
カルド骨格を含有する重合性化合物としては、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を含有する重合性化合物が好ましく、下記式(Q3)で表される化合物がより好ましい。

0105

式(Q3)

0106

上記式(Q3)中、Ar11〜Ar14はそれぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環を含有するアリール基を表す。X1〜X4はそれぞれ独立に重合性基を含有する置換基を表し、上記置換基中の炭素原子ヘテロ原子によって置換されていてもよい。a及びbはそれぞれ独立に1〜5の整数を表し、c及びdはそれぞれ独立に0〜5の整数を表す。R1〜R4はそれぞれ独立に置換基を表し、e、f、g及びhはそれぞれ独立に0以上の整数を表し、e、f、g及びhの上限値はそれぞれAr11〜Ar14が含有することができる置換基の数からa、b、c又はdをそれぞれ減じた値である。但し、Ar11〜Ar14がそれぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含有する多環芳香族炭化水素基である場合は、X1〜X4及びR1〜R4はそれぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環に置換していても、破線で囲まれたベンゼン環以外の環に置換していてもよい。

0107

式(Q3)中、Ar11〜Ar14が表す破線で囲まれたベンゼン環を含有するアリール基は、炭素数6〜14のアリール基であることが好ましく、炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)であることがより好ましく、フェニル基(破線で囲まれたベンゼン環のみ)であることが更に好ましい。

0108

式(Q3)中、X1〜X4はそれぞれ独立に重合性基を含有する置換基を表し、上記置換基中の炭素原子はヘテロ原子によって置換されていてもよい。X1〜X4が表す重合性基を含有する置換基としては特に制限はないが、重合性基を含有する脂肪族基であることが好ましい。
X1〜X4が表す重合性基を含有する脂肪族基としては、特に制限はないが、重合性基以外における炭素数が1〜12のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜10のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数2〜5のアルキレン基であることが更に好ましい。
X1〜X4が表す重合性基を含有する脂肪族基において、上記脂肪族基がヘテロ原子によって置換される場合は、−NR−(Rは置換基)、酸素原子、硫黄原子によって置換されていることが好ましく、上記脂肪族基中の隣り合わない−CH2−が酸素原子又は硫黄原子で置換されていることがより好ましく、上記脂肪族基中の隣り合わない−CH2−が酸素原子で置換されていることが更に好ましい。X1〜X4が表す重合性基を含有する脂肪族基は、ヘテロ原子によって1〜2箇所置換されていることが好ましく、ヘテロ原子によって1箇所置換されていることがより好ましく、Ar11〜Ar14が表す破線で囲まれたベンゼン環を含有するアリール基に隣接する1箇所がヘテロ原子によって置換されていることが更に好ましい。
X1〜X4が表す重合性基を含有する脂肪族基に含まれる重合性基としては、ラジカル重合又はカチオン重合可能な重合性基(以下、それぞれラジカル重合性基及びカチオン重合性基とも言う)が好ましい。
ラジカル重合性基としては、一般に知られているラジカル重合性基を用いることができ、好適なものとしてラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を含有する重合性基を挙げることができ、具体的にはビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等を挙げることができる。中でも、(メタ)アクリロイルオキシ基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。
カチオン重合性基としては、一般に知られているカチオン重合性を用いることができ、具体的には、脂環式エーテル基、環状アセタール基環状ラクトン基、環状チオエーテル基スピロオルソエステル基、ビニルオキシ基等を挙げることができる。中でも、脂環式エーテル基、ビニルオキシ基が好適であり、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルオキシ基が特に好ましい。
Ar11〜Ar14が含有する置換基が含有する上記重合性基は、ラジカル重合性基であることが好ましい。
Ar11〜Ar14のうち2つ以上は重合性基を含有する置換基を含み、Ar11〜Ar14のうち2〜4個が重合性基を含有する置換基を含有することが好ましく、Ar11〜Ar14のうち2又は3個が重合性基を含有する置換基を含有することがより好ましく、Ar11〜Ar14のうち2個が重合性基を含有する置換基を含有することが更に好ましい。
Ar11〜Ar14がそれぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含有する多環芳香族炭化水素基である場合は、X1〜X4はそれぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環に置換していても、破線で囲まれたベンゼン環以外の環に置換していてもよい。

0109

式(Q3)中、a及びbはそれぞれ独立に1〜5の整数を表し、1又は2であることが好ましく、a及びbがいずれも1であることがより好ましい。
式(Q3)中、c及びdはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、0又は1であることが好ましく、c及びdがいずれも0であることがより好ましい。

0110

式(Q3)中、R1〜R4はそれぞれ独立に置換基を表す。R1〜R4が表す置換基としては特に制限はないが、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アルキル基、アルケニル基、アシル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、及び、脂環基等を挙げることができる。R1〜R4が表す置換基はアルキル基、アルコキシ基又はアリール基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はフェニル基であることがより好ましく、メチル基、メトキシ基又はフェニル基であることが更に好ましい。
式(Q3)中、Ar11〜Ar14がそれぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含有する多環芳香族炭化水素基である場合は、R1〜R4はそれぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環に置換していても、破線で囲まれたベンゼン環以外の環に置換していてもよい。

0111

式(Q3)中、e、f、g及びhはそれぞれ独立に0以上の整数を表し、e、f、g及びhの上限値はそれぞれAr11〜Ar14が含有することができる置換基の数からa、b、c又はdをそれぞれ減じた値である。
e、f、g及びhはそれぞれ独立に0〜8であることが好ましく、0〜2であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。
Ar11〜Ar14がそれぞれ独立に破線で囲まれたベンゼン環を縮合環のひとつとして含有する多環芳香族炭化水素基である場合、e、f、g及びhは0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。

0112

式(Q3)で表される化合物としては、例えば、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシフェニルフルオレン等が挙げられる。9,9−ビスアリールフルオレン骨格を含有する重合性化合物としては、特開2010-254732号公報に記載の化合物類も好適に用いることができる。

0113

このようなカルド骨格を含有する重合性化合物としては、限定されないが、例えば、オンコートEXシリーズ(長産業社製)及びオグソール(大阪ガスケミカル社製)等が挙げられる。

0114

〔任意成分〕
<着色剤>
硬化性組成物は着色剤を含有することが好ましい。着色剤は、顔料、及び、染料からなる群から選択される少なくとも1種であり、有彩色着色剤でも、黒色着色剤でもよいが、黒色顔料を含有することが好ましい。
硬化性組成物における着色剤の含有量は、特に制限されないが、上記硬化性組成物により得られる硬化膜を遮光膜として用いる場合、より優れた遮光性が得られる点で、硬化性組成物の全固形分に対して、50質量%以上が好ましい。
着色剤の含有量の上限値は特に制限されないが、一般に、硬化性組成物の全固形分に対して、70質量%以下が好ましい。着色剤の含有量が上限値以下だと、硬化性組成物はより優れた塗布性を有する。

0115

(顔料)
顔料としては、特に制限されず、公知の無機顔料及び/又は有機顔料を用いることができる。

0116

・無機顔料
上記無機顔料としては、特に制限されず、公知の無機顔料を用いることができる。
無機顔料としては、例えば、亜鉛華鉛白リトポン酸化チタン酸化クロム酸化鉄沈降性硫酸バリウム及びバライト粉鉛丹、酸化鉄赤、黄鉛亜鉛黄(亜鉛黄1種、亜鉛黄2種)、ウルトラマリン青、プロシア青(フェロシアン化鉄カリジルコングレープラセオジムイエロークロムチタンイエロークロムグリーンピーコックビクトリアグリーン紺青プルシアンブルーとは無関係)、バナジウムジルコニウム青、クロム錫ピンク、陶試紅、並びにサーモンピンク等が挙げられる。また、黒色の無機顔料としては、Co、Cr、Cu、Mn,Ru、Fe、Ni、Sn、Ti、及びAgからなる群より選ばれた1種又は2種以上の金属元素を含む金属酸化物、金属窒素物、及び金属酸窒化物等が挙げられる。

0117

無機顔料としては、含有量が少なくとも、高い光学濃度を有する硬化膜を形成することができる硬化性組成物が得られる点で、カーボンブラックチタンブラック、及び金属顔料等(以下、「黒色顔料」ともいう。)が好ましい。金属顔料としては、例えば、Nb、V、Co、Cr、Cu、Mn、Ru、Fe、Ni、Sn、Ti、及びAgからなる群より選ばれる1種又は2種以上の金属元素を含む金属酸化物及び金属窒素物が挙げられる。
無機顔料としては、窒化チタン酸窒化チタン窒化ニオブ窒化バナジウム、銀、又は錫を含有する金属顔料、並びに銀、及び錫を含有する金属顔料からなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましく、窒化チタン、酸窒化チタン、窒化ニオブ、及び窒化バナジウムからなる群から選択される少なくとも1種を含有することがより好ましい。窒化ニオブ、及び窒化バナジウムは、酸窒化ニオブ、及び酸窒化バナジウムでもよい。
なお、無機顔料としては、カーボンブラックを用いることもできる。カーボンブラックの具体例としては、市販品である、C.I.ピグメントブラック1等の有機顔料C.I.ピグメントブラック 7等の無機顔料が挙げられるがこれらに限定されない。

0118

硬化性組成物には、黒色顔料として記載した顔料以外で赤外線吸収性を有する顔料を用いることもできる。
赤外線吸収性を有する顔料としては、タングステン化合物、及び金属ホウ化物等が好ましく、なかでも、赤外領域の波長における遮光性に優れる点から、タングステン化合物が好ましい。特に露光による硬化効率に関わる光重合開始剤の光吸収波長領域と、可視光領域の透光性に優れる観点からタングステン化合物が好ましい。

0119

これらの顔料は、2種以上併用してもよく、また、後述する染料と併用してもよい。色味を調整するため、及び、所望の波長領域の遮光性を高めるため、例えば、黒色顔料、又は赤外線遮光性を有する顔料に、赤色、緑色、黄色、オレンジ色、紫色、及びブルーなどの有彩色顔料若しくは後述する染料を混ぜる態様が挙げられる。黒色顔料、又は赤外線遮光性を有する顔料に、赤色顔料若しくは染料、又は、紫色顔料若しくは染料を混合することが好ましく、黒色顔料、又は赤外線遮光性を有する顔料に赤色顔料を混合することがより好ましい。
更に、後述する近赤外線吸収剤赤外線吸収剤を加えても良い。

0120

黒色顔料は、チタンブラック及び/又は酸窒化ニオブを含有することが好ましい。チタンブラックとは、チタン原子を含有する黒色粒子である。好ましくは低次酸化チタン、酸窒化チタン又は窒化チタン等である。チタンブラック粒子は、分散性向上、凝集性抑制などの目的で必要に応じ、表面を修飾することが可能である。酸化珪素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム酸化アルミニウム酸化マグネシウム、又は、酸化ジルコニウム被覆することが可能であり、また、特開2007−302836号公報に表されるような撥水性物質での処理も可能である。
チタンブラックは、典型的には、チタンブラック粒子であり、個々の粒子一次粒子径及び平均一次粒子径のいずれもが小さいものであることが好ましい。酸窒化ニオブも同様である。
具体的には、平均一次粒子径で10nm〜45nmの範囲のものが好ましい。

0121

なお、顔料の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope、TEM)を用いて測定できる。透過型電子顕微鏡としては、例えば、日立ハイテクノロジーズ社製の透過型顕微鏡HT7700を用いることができる。
本明細書において、顔料の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡を用いて得た粒子像最大長(Dmax:粒子画像輪郭上の2点における最大長さ)、及び最大長垂直長(DV−max:最大長に平行な2本の直線で画像を挟んだ時、2直線間を垂直に結ぶ最短の長さ)を測長し、その相乗平均値(Dmax×DV−max)1/2を粒子径とした。顔料の平均一次粒子径は、この方法で100個の粒子の粒子径を測定し、その算術平均値を意図する。

0122

チタンブラック及び酸窒化ニオブの比表面積は特に制限されないが、チタンブラック及び酸窒化ニオブを撥水化剤表面処理した後の撥水性が所定の性能となるために、BET(Brunauer, Emmett, Teller)法にて測定した値が5m2/g以上150m2/g以下であることが好ましく、20m2/g以上120m2/g以下であることがより好ましい。
チタンブラックの市販品の例としては、チタンブラック10S、12S、13R、13M、13M−C、13R、13R−N、13M−T(商品名、三菱マテリアル(株)製)、ティラック(Tilack)D(商品名、赤化成(株)製)、窒化チタン50nm(商品名、和光純薬(株)製)などが挙げられる。

0123

着色剤として、酸窒化チタン、窒化チタン又は酸窒化ニオブを使用することが好ましく、得られる硬化膜の耐湿性がより優れるという理由から、窒化チタン又は酸窒化ニオブがより好ましく、酸窒化ニオブが更に好ましい。これは、これらの着色剤が疎水性であるためと考えられる。

0124

更に、チタンブラックを、チタンブラック及びSi原子を含む被分散体として含有することも好ましい。
この形態において、チタンブラックは、硬化性組成物中において被分散体として含有されるものであり、被分散体中のSi原子とTi原子との含有比(Si/Ti)が質量換算で0.05以上が好ましく、0.05〜0.5がより好ましく、0.07〜0.4が更に好ましい。
ここで、上記被分散体は、チタンブラックが一次粒子の状態であるもの、凝集体二次粒子)の状態であるものの双方を包含する。
被分散体の含有比(Si/Ti)を変更する(例えば、0.05以上とする)ためには、以下のような手段を用いることができる。
先ず、酸化チタンとシリカ粒子とを分散機を用いて分散することにより分散物を得て、この分散物を高温(例えば、850〜1,000℃)にて還元処理することにより、チタンブラック粒子を主成分とし、SiとTiとを含有する被分散体を得ることができる。上記還元処理は、アンモニアなどの還元性ガス雰囲気下で行うこともできる。
酸化チタンとしては、TTO−51N(商品名、石原産業製)などが挙げられる。
シリカ粒子の市販品としては、AEOSIL(登録商標)90、130、150、200、255、300、380(商品名、エボニック製)などが挙げられる。
酸化チタンとシリカ粒子との分散は、分散剤を用いてもよい。分散剤としては、後述する分散剤の欄で説明するものが挙げられる。
上記の分散は溶剤中で行ってもよい。溶剤としては、水、有機溶剤が挙げられる。後述する有機溶剤の欄で説明するものが挙げられる。
含有比(Si/Ti)が、例えば、0.05以上等に調整されたチタンブラックは、例えば、特開2008−266045公報の段落番号〔0005〕及び段落番号〔0016〕〜〔0021〕に記載の方法により作製することができる。

0125

チタンブラック及びSi原子を含む被分散体中のSi原子とTi原子との含有比(Si/Ti)を好適な範囲(例えば0.05以上)に調整することで、この被分散体を含む硬化性組成物を用いて硬化膜を形成した際に、硬化膜の形成領域外における硬化性組成物由来残渣物が低減される。なお、残渣物は、チタンブラック粒子、樹脂成分等の硬化性組成物に由来する成分を含むものである。
残渣物が低減される理由は未だ明確ではないが、上記のような被分散体は粒子径が小さくなる傾向があり(例えば、粒子径30nm以下)、更に、この被分散体のSi原子が含まれる成分が増すことにより、膜全体の下地との吸着性が低減される。これが、硬化膜の形成における未硬化の硬化性組成物(特に、チタンブラック)の現像除去性の向上に寄与すると推測される。
チタンブラックは、紫外光から赤外光までの広範囲に亘る波長領域の光に対する遮光性に優れることから、上記したチタンブラック及びSi原子を含む被分散体(好ましくは含有比(Si/Ti)が質量換算で0.05以上であるもの)を用いて形成された硬化膜は優れた遮光性を発揮する。
なお、被分散体中のSi原子とTi原子との含有比(Si/Ti)は、例えば、特開2013−249417号公報の段落0033に記載の方法(1−1)又は方法(1−2)を用いて測定できる。
硬化性組成物を硬化して得られた硬化膜に含有される被分散体について、その被分散体中のSi原子とTi原子との含有比(Si/Ti)が0.05以上か否かを判断するには、特開2013−249417号公報の段落0035に記載の方法(2)を用いることができる。

0126

チタンブラック及びSi原子を含む被分散体において、チタンブラックは、上記したものを使用できる。
この被分散体においては、チタンブラックと共に、分散性、着色性等を調整する目的で、Cu、Fe、Mn、V、Ni等の複合酸化物酸化コバルト、酸化鉄、カーボンブラック、アニリンブラック等からなる黒色顔料を、1種又は2種以上組み合わせて用いてもよい。この場合、全被分散体中の50質量%以上をチタンブラックからなる被分散体が占めることが好ましい。
この被分散体においては、遮光性の調整等を目的として、本発明の効果を損なわない限りにおいて、チタンブラックと共に、他の着色剤(有機顔料及び/又は染料など)を所望により併用してもよい。
以下、被分散体にSi原子を導入する際に用いられる材料について述べる。被分散体にSi原子を導入する際には、シリカなどのSi含有物質を用いればよい。
用いうるシリカとしては、沈降シリカフュームドシリカコロイダルシリカ合成シリカなどを挙げることができ、これらを適宜選択して使用すればよい。
更に、シリカ粒子の粒子径が硬化膜を形成した際の膜厚よりも小さい粒子径であると遮光性がより優れるため、微粒子タイプのシリカを用いることが好ましい。なお、微粒子タイプのシリカの例としては、例えば、特開2013−249417号公報の段落0039に記載のシリカが挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。

0127

硬化性組成物は、顔料としてタングステン化合物、及び/又は金属ホウ化物を使用できる。
タングステン化合物、及び金属ホウ化物は、赤外線(波長が約800〜1,200nmの光)に対しては吸収が高く(すなわち、赤外線に対する遮光性(遮蔽性)が高く)、可視光に対しては吸収が低い赤外線遮蔽材である。このため、硬化性組成物は、タングステン化合物、及び/又は金属ホウ化物を含有することで、赤外領域における遮光性が高く、可視光領域における透光性が高いパターンを形成できる。
タングステン化合物、及び金属ホウ化物は、画像形成に用いられる、高圧水銀灯、KrF、ArFなどの露光に用いられる可視域より短波の光に対しても吸収が小さい。このため、前述の重合性化合物、光重合開始剤、及び後述のアルカリ可溶性樹脂と組み合わされることにより、優れたパターンが得られるとともに、パターン形成において、現像残渣をより抑制できる。

0128

タングステン化合物としては、酸化タングステン系化合物ホウ化タングステン系化合物、硫化タングステン系化合物などを挙げることができ、下記一般式(組成式)(I)で表される酸化タングステン系化合物が好ましい。
MxWyOz・・・(I)
Mは金属、Wはタングステン、Oは酸素を表す。
0.001≦x/y≦1.1
2.2≦z/y≦3.0

0129

Mの金属としては、例えば、アルカリ金属アルカリ土類金属、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Sn、Pb、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Rb、Csなどが挙げられるが、アルカリ金属が好ましい。Mの金属は1種でも2種以上でもよい。

0130

Mはアルカリ金属であることが好ましく、Rb又はCsがより好ましく、Csが更に好ましい。

0131

x/yが0.001以上であることにより、赤外線を十分に遮蔽することができ、1.1以下であることにより、タングステン化合物中に不純物相が生成されることをより確実に回避することできる。
z/yが2.2以上であることにより、材料としての化学的定性をより向上させることができ、3.0以下であることにより赤外線を十分に遮蔽することができる。

0132

一般式(I)で表される酸化タングステン系化合物の具体例としては、Cs0.33WO3、Rb0.33WO3、K0.33WO3、Ba0.33WO3などを挙げることができ、Cs0.33WO3又はRb0.33WO3が好ましく、Cs0.33WO3がより好ましい。

0133

タングステン化合物は微粒子であることが好ましい。タングステン微粒子の平均一次粒子径は、800nm以下であることが好ましく、400nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが更に好ましい。平均一次粒子径がこのような範囲であることによって、タングステン微粒子が光散乱によって可視光を遮断しにくくなることから、可視光領域における透光性をより確実にすることができる。光散乱を回避する観点からは、平均一次粒子径は小さいほど好ましいが、製造時における取り扱い容易性などの理由から、タングステン微粒子の平均一次粒子径は、通常、1nm以上である。

0134

タングステン化合物は2種以上を使用することが可能である。

0135

タングステン化合物は市販品として入手可能である。タングステン化合物が、例えば酸化タングステン系化合物である場合、酸化タングステン系化合物は、タングステン化合物を不活性ガス雰囲気又は還元性ガス雰囲気中で熱処理する方法により得ることができる(特許第4096205号公報を参照)。
酸化タングステン系化合物は、例えば、住友金属鉱山株式会社製のYMF−02などのタングステン微粒子の分散物としても入手可能である。

0136

金属ホウ化物としては、ホウ化ランタン(LaB6)、ホウプラセオジウム(PrB6)、ホウ化ネオジウム(NdB6)、ホウ化セリウム(CeB6)、ホウ化イットリウム(YB6)、ホウ化チタン(TiB2)、ホウ化ジルコニウム(ZrB2)、ホウ化ハフニウム(HfB2)、ホウ化バナジウム(VB2)、ホウ化タンタル(TaB2)、ホウ化クロム(CrB、CrB2)、ホウ化モリブデン(MoB2、Mo2B5、MoB)、ホウ化タングステン(W2B5)などの1種又は2種以上を挙げることができ、ホウ化ランタン(LaB6)が好ましい。

0137

金属ホウ化物は微粒子であることが好ましい。金属ホウ化物微粒子の平均一次粒子径は、800nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることが更に好ましい。平均一次粒子径がこのような範囲であることによって、金属ホウ化物微粒子が光散乱によって可視光を遮断しにくくなることから、可視光領域における透光性をより確実にすることができる。光散乱を回避する観点からは、平均一次粒子径は小さいほど好ましいが、製造時における取り扱い容易性などの理由から、金属ホウ化物微粒子の平均一次粒子径は、通常、1nm以上である。

0138

金属ホウ化物は2種以上を使用してもよい。

0139

金属ホウ化物は市販品として入手可能であり、例えば、住友金属鉱山株式会社製のKHF−7等の金属ホウ化物微粒子の分散物としても、入手可能である。

0140

・・チタン窒化物含有粒子
無機顔料としては、Fe原子を含むチタン窒化物含有粒子を用いることもできる。チタン窒化物含有粒子の製造には、通常、気相反応法が用いられ、具体的には電気炉法及び熱プラズマ法等が挙げられる。これらの製法の中でも、不純物混入が少ない点、粒子径が揃いやすい点、及び、生産性が高い点などの理由から、熱プラズマ法が好ましい。
熱プラズマ発生方法としては、直流アーク放電多相アーク放電高周波(RF)プラズマ、及び、ハイブリッドプラズマ等が挙げられ、電極からの不純物の混入が少ない高周波プラズマが好ましい。熱プラズマ法によるチタン窒化物含有微粒子の具体的な製造方法としては、例えば、チタン粉末高周波熱プラズマにより蒸発させ、窒素をキャリアガスとして装置内に導入し、冷却過程にてチタン粉末を窒化させ、チタン窒化物含有粒子を合成する方法等が挙げられる。なお、熱プラズマ法は、上記に限定されない。

0141

チタン窒化物含有粒子の製造方法としては、特に限定されないが、国際公開第2010/147098号の段落<0037>〜<0089>に記載の製造方法を参照することができる。例えば、国際公開第2010/147098号のAg粉末に代えて、後述するFeを含む成分及び/又はSiを含む成分を用いて、これとチタン粉末材料(チタン粒子)とを混合したものを原料として、本発明の硬化性組成物に含まれるチタン窒化物含有粒子を製造することができる。

0142

チタン窒化物含有粒子の製造に使用するチタン粉末材料(チタン粒子)は、高純度のものであることが好ましい。チタン粉末材料は、特に限定されないが、チタン元素純度が99.99%以上であるものが好ましく、99.999%以上のものがより好ましく用いられる。

0143

チタン窒化物含有粒子の製造に使用するチタン粉末材料(チタン粒子)は、チタン原子以外の原子を含有する場合がある。チタン粉末材料に含まれ得る他の原子としては、例えばFe原子及びSi原子などが挙げられる。
チタン粉末材料がFe原子を含有する場合には、Fe原子の含有量は、チタン粉末材料の全質量に対して、0.001質量%超であることが好ましい。
チタン粉末材料がSi原子を含有する場合には、Si原子の含有量が、チタン粉末材料全質量に対して、0.002質量%超0.3質量%未満であることが好ましく、0.01〜0.15質量%であることがより好ましく、0.02〜0.1質量%であることが更に好ましい。Si原子の含有量が0.002質量%超であることで、硬化膜のパターニング性がより向上する。Si原子の含有量が0.3質量%未満であることで、得られるチタン窒化物含有粒子の最表層極性がより安定化する。これにより、チタン窒化物含有粒子を分散させる際にチタン窒化物含有粒子への分散剤の吸着性が良化して、チタン窒化物含有粒子の未分散物が低減し、パーティクル発生を抑制できると考えられる。
チタン窒化物含有粒子の製造に使用するチタン粉末材料(チタン粒子)中の水分は、チタン粉末材料の全質量に対して、1質量%未満であることが好ましく、0.1質量%未満であることがより好ましく、実質的に含まないことが更に好ましい。

0144

チタン窒化物含有粒子は、熱プラズマ法を用いて得ることにより、CuKα線X線源とした場合の(200)面に由来するピーク回折角2θ(詳細は後述する)を、42.6°超43.5°以下の範囲に調整することが容易になる。

0145

チタン窒化物含有粒子にFe原子を含有させる方法としては、特に限定されず、例えば、上述したチタン窒化物含有粒子の原料として用いられるチタン粒子(チタン粉末)を得る段階において、Fe原子を導入する方法などが挙げられる。より詳細には、クロール法などによりチタンを製造する際に、反応容器としてステンレス鋼などのFe原子を含有する材料から構成されるものを用いたり、チタンを破砕する際のプレス機及び粉砕機の材料としてFe原子を含有するものを用いたりすることによって、チタン粒子の表面にFe原子を付着させることができる。
チタン窒化物含有粒子の製造に熱プラズマ法を用いる場合には、原料であるチタン粒子の他に、Fe粒子Fe酸化物などの成分を添加して、これらを熱プラズマ法によって窒化することによって、チタン窒化物含有粒子にFe原子を含有させることができる。
チタン窒化物含有粒子中に含まれるFe原子は、イオン金属化合物錯化合物も含む)、金属間化合物合金酸化物、複合酸化物、窒化物酸窒化物硫化物及び酸硫化物など、いずれの形態で含まれていてもよい。チタン窒化物含有粒子中に含まれているFe原子は、結晶格子間位置の不純物として存在していてもよいし、結晶粒界アモルファス状態で不純物として存在していてもよい。

0146

本発明者は、鋭意検討の結果、チタン窒化物含有粒子中のFe原子の含有量が、パターニング性及び電極の防食性に関連することを知見した。チタン窒化物含有粒子中に含まれるFe原子は、電極及び基板に対する密着性に優れており、チタン窒化物含有粒子中のチタン窒化物は、Fe原子を介して電極及び基板に付着すると考えられる。現像処理などの硬化膜のパターニング後、Fe原子は電極及び基板上に残留し、チタン窒化物は除去されやすいと考えられる。そのため、チタン窒化物含有粒子中のFe原子の含有量を所定量以上にすることで、硬化膜のパターニング性が向上すると推測される。一方で、チタン窒化物含有粒子中に含まれるFe原子の含有量が多すぎると、電極及び基板上に残留するFe原子の量が増加し、電極の腐食の原因になると考えられる。そのため、チタン窒化物含有粒子中のFe原子の含有量を所定量以下にすることで、電極の防食性が向上すると推測される。
チタン窒化物含有粒子中におけるFe原子の含有量は、チタン窒化物含有粒子全質量に対して、0.001質量%超0.4質量%未満であることが好ましい。なかでも、0.01〜0.2質量%であることがより好ましく、0.02〜0.1質量%であることが更に好ましい。Fe原子の含有量が0.001質量%超であることで、硬化膜のパターニング性がより向上する。Fe原子の含有量が0.4質量%未満であることで、硬化膜による電極の防食性がより向上する(硬化膜が電極を腐食することを抑制できる)。すなわち、チタン窒化物含有粒子中におけるFe原子の含有量が上記範囲内にあることで、優れた硬化膜のパターニング性及び電極の防食性を得ることができる。
チタン窒化物含有粒子中におけるFe原子の含有量は、ICP(Inductively Coupled Plasma;高周波誘導結合プラズマ)発光分光分析法により測定することができる。

0147

チタン窒化物含有粒子は、更にSi原子(ケイ素原子)を含有することが好ましい。これにより、硬化膜のパターニング性がより向上する。Si原子を含有することによりパターニング性が向上する理由としては、上述したFe原子と同様と考えられる。
チタン窒化物含有粒子中におけるSi原子の含有量は、チタン窒化物含有粒子全質量に対して、0.002質量%超0.3質量%未満であることが好ましく、0.01〜0.15質量%であることがより好ましく、0.02〜0.1質量%であることが更に好ましい。Si原子の含有量が0.002質量%超であることで、硬化膜のパターニング性がより向上する。Si原子の含有量が0.3質量%未満であることで、チタン窒化物含有粒子の最表層の極性がより安定化する。これにより、チタン窒化物含有粒子を分散させる際にチタン窒化物含有粒子への分散剤の吸着性が良化して、チタン窒化物含有粒子の未分散物が低減し、パーティクル発生を抑制できると考えられる。
チタン窒化物含有粒子中におけるSi原子の含有量は、上述したFe原子と同様の方法によって測定することができる。

0148

チタン窒化物含有粒子にSi原子を含有させる方法としては、特に限定されず、例えば、上述したチタン窒化物含有粒子の原料として用いられるチタン粒子(チタン粉末)を得る段階において、Si原子を導入する方法などが挙げられる。より詳細には、クロール法などによりチタンを製造する際に、反応容器としてSi原子を含有する材料から構成されるものを用いたり、チタンを破砕する際のプレス機及び粉砕機の材料としてSi原子を含有するものを用いたりすることによって、チタン粒子の表面にSi原子を付着させることができる。
チタン窒化物含有粒子の製造に熱プラズマ法を用いる場合には、原料であるチタン粒子の他に、Si粒子Si酸化物などの成分を添加して、これらを熱プラズマ法によって窒化することによって、チタン窒化物含有粒子にSi原子を含有させることができる。
チタン窒化物含有粒子中に含まれるSi原子は、イオン、金属化合物(錯化合物も含む)、金属間化合物、合金、酸化物、複合酸化物、窒化物、酸窒化物、硫化物及び酸硫化物など、いずれの形態で含まれていてもよい。チタン窒化物含有粒子中に含まれるSi原子は、結晶格子間位置の不純物として存在していてもよいし、結晶粒界にアモルファス状態で不純物として存在していてもよい。

0149

チタン窒化物含有粒子中のチタン原子(Ti原子)の含有量は、チタン窒化物含有粒子の全質量に対して、10〜85質量%であることが好ましく、15〜75質量%であることがより好ましく、20〜70質量%であることが更に好ましい。チタン窒化物含有粒子中のTi原子の含有量は、ICP発光分光分析法により測定できる。
チタン窒化物含有粒子中の窒素原子(N原子)の含有量は、チタン窒化物含有粒子の全質量に対して、3〜60質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましく、10〜40質量%であることが更に好ましい。窒素原子の含有量は不活性ガス融解熱伝導度法により分析することができる。
チタン窒化物含有粒子は、主成分としてチタン窒化物(TiN)を含み、通常、その合成時に酸素が混入する場合、及び、粒子径が小さい場合などに顕著になるが、粒子表面の酸化などにより、一部酸素原子を含有してもよい。
チタン窒化物含有粒子中の酸素原子の含有量は、チタン窒化物含有粒子の全質量に対して、1〜40質量%であることが好ましく、1〜35質量%であることがより好ましく、5〜30質量%であることが更に好ましい。酸素原子の含有量は、不活性ガス融解−赤外線吸収法により分析することができる。

0150

分散安定性及び遮光性の観点から、チタン窒化物含有粒子の比表面積は5m2/g以上100m2/g以下が好ましく、10m2/g以上60m2/g以下がより好ましい。比表面積はBET(Brunauer,Emmett,Teller)法により求めることができる。

0151

チタン窒化物含有粒子は、チタン窒化物粒子金属微粒子からなる複合微粒子であってもよい。
複合微粒子とは、チタン窒化物粒子と金属微粒子が複合化しているか、高度に分散した状態にある粒子のことをいう。ここで、「複合化している」とは、チタン窒化物と金属の両成分によって粒子が構成されていることを意味し、「高度に分散した状態」とは、チタン窒化物粒子と金属粒子がそれぞれ個別で存在し、かつ少量成分の粒子が凝集せず均一、一様に分散していることを意味する。
金属微粒子としては特に限定されず、例えば、銅、銀、金、白金パラジウムニッケル、錫、コバルトロジウムイリジウムルテニウムオスミウムマンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、カルシウム、チタン、ビスマスアンチモン及び鉛、並びにこれらの合金、から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。中でも、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム及びイリジウム、並びにこれらの合金から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、銅、銀、金、白金及び錫、並びにこれらの合金から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。耐湿性により優れる観点から、銀であることが好ましい。
チタン窒化物含有粒子における金属微粒子の含有量としては、チタン窒化物含有粒子の全質量に対して5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、10質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。

0152

チタン窒化物含有粒子は、CuKα線をX線源とした場合の(200)面に由来するピークの回折角2θが42.6°超43.5°以下であることが好ましい。このような特徴をもつチタン窒化物含有粒子を含有する硬化性組成物を用いて得られる硬化膜(例えば、ブラックマトリクスなど)は、高いOD(optical density)値を達成することが可能となる。

0153

CuKα線をX線源としてチタン化合物X線回折スペクトルを測定した場合において、最も強度の強いピークとしてTiNは(200)面に由来するピークが2θ=42.5°近傍に、TiOは(200)面に由来するピークが2θ=43.4°近傍にみられる。一方、最も強度の強いピークではないがアナターゼ型TiO2は(200)面に由来するピークは2θ=48.1°近傍に、ルチル型TiO2は(200)面に由来するピークは2θ=39.2°近傍に観測される。よって、酸素原子を多く含有する結晶状態であるほどピーク位置は42.5°に対して高角度側にシフトする。

0154

チタン窒化物含有粒子の(200)面に由来するピークの回折角2θは、粒子の経時安定性の観点から、42.6°超43.5°未満であることが好ましく、更に、製造時のプロセスマージンが優れる観点から、42.7°以上43.5°未満がより好ましく、更に、粒子性能の再現性が優れる観点から、42.7°以上43.4°未満が更に好ましい。副成分として酸化チタンTiO2を含有する場合、最も強度の強いピークとしてアナターゼ型TiO2(101)に由来するピークが2θ=25.3°近傍に、ルチル型TiO2(110)に由来するピークが2θ=27.4°近傍に見られる。しかし、TiO2は白色でありブラックマトリクスの遮光性を低下させる要因となるため、ピークとして観察されない程度に低減されていることが好ましい。

0155

X線回折ピーク半値幅よりチタン窒化物含有粒子を構成する結晶子サイズを求めることができ、シェラーの式を用いて算出される。

0156

結晶子サイズは、20nm以上であることが好ましく、20〜50nmであることがより好ましい。結晶子サイズが20nm以上のチタン窒化物含有粒子を用いてブラックマトリクスを形成することにより、硬化膜の透過光はそのピーク波長が475nm以下であるような青色から青紫色を呈し、高い遮光性と紫外線感度を併せ持つブラックマトリクスを得ることができる。結晶子サイズが20nm以上であることで、活性の有する粒子表面が粒子体積に対して占める割合が小さくなり良好なバランスとなり、チタン窒化物含有粒子の耐熱性及び/又は耐久性がより優れたものとなる。

0157

・・原子Aを含有する金属窒化物含有粒子
また、無機顔料としては、金属窒化物含有粒子であって、上記金属窒化物含有粒子に所定の原子Aを含有する金属窒化物含有粒子を用いることもできる。
金属窒化物含有粒子中の金属としては、例えばNb、V、Cr、Y、Zr、Nb、Hf、Ta、W、及びRe等が挙げられ、Nb、又はVがより好ましい。
上記原子Aとしては、例えば、B、Al、Si、Mn、Fe、Ni、及びAg等が挙げられる。
金属窒化物含有粒子が、上記原子Aを含有する場合、その含有量としては特に制限されないが、金属窒化物含有粒子中における原子Aの含有量が、0.00005〜10質量%が好ましい。

0158

上記原子Aを含有する金属窒化物含有粒子の製造方法としては、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。
金属窒化物含有粒子の製造には、通常、気相反応法が用いられ、具体的には電気炉法及び熱プラズマ法等が挙げられる。これらの製法の中でも、不純物の混入が少ない点、粒子径が揃いやすい点、及び、生産性が高い点等の理由から、熱プラズマ法が好ましい。
熱プラズマ法による金属窒化物含有粒子の具体的な製造方法としては、例えば、金属微粒子製造装置(後述する「黒色複合微粒子製造装置」と同様の装置)を用いるものが挙げられる。金属微粒子製造装置は、例えば、熱プラズマを発生させるプラズマトーチ金属原料粉末をプラズマトーチ内へ供給する材料供給装置冷却機能を含有するチャンバ、生成された金属微粒子を分級するサイクロン、及び金属微粒子を回収する回収部によって構成される。
本明細書において、金属微粒子とは、金属元素を含有する粒子の一次粒子径が20nm〜40μmの粒子を意図する。

0159

金属微粒子製造装置を用いた金属窒化物含有粒子の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。中でも、下記の所定の平均一次粒子径の金属窒化物含有粒子の収率が高まる点で、金属微粒子製造装置を用いて金属窒化物含有粒子を製造する方法は以下に示す工程を含有することが好ましい。
工程A:プラズマトーチ内に窒素ガスを含有しない不活性ガスをプラズマガスとして供給し、熱プラズマ炎を発生する工程。
工程B:プラズマトーチ内の熱プラズマ炎に、遷移金属を含有する金属原料粉末を供給し、上記金属原料粉末を蒸発させ、気相原料金属を得る工程。
工程C:上記気相の原料金属を冷却し、遷移金属を含有する金属微粒子を得る工程。
工程D:プラズマトーチ内に窒素ガスを含有する不活性ガスをプラズマガスとして供給し、熱プラズマ炎を発生する工程。
工程E:プラズマトーチ内の熱プラズマ炎に、遷移金属を含有する金属微粒子を供給し、上記金属微粒子を蒸発させ、気相の原料金属を得る工程。
工程F:上記気相の原料金属を冷却し、金属窒化物含有粒子を得る工程。
金属窒化物含有粒子の製造方法は、工程C及び/又は工程Fの後に、所望により下記の工程Gを含有してもよい。
工程G:得られた粒子を分級する工程。
更に、工程Aの前、工程Aと工程Bとの間、工程Cと工程Dとの間、又は工程Dと工程Eとの間に、以下の工程A2を含有してもよい。
工程A2:遷移金属を含有する金属原料粉末に、原子Aを混合する工程。
更に、工程A2の前に、以下の工程A3−1〜A3−3を含有してもよい。
工程A3−1:プラズマトーチ内に窒素ガスを含有しない不活性ガスをプラズマガスとして供給し、熱プラズマ炎を発生する工程。
工程A3−2:プラズマトーチ内の熱プラズマ炎に、原子Aを含有する原料粉末を供給し、上記原料粉末を蒸発させ、気相の原子Aを得る工程。
工程A3−3:上記気相の原子Aを冷却し、微粒子化された原子Aを得る工程。
工程A3−3の後に更に、工程Gを含有してもよい。
本明細書において、微粒子化された原子Aとは、原子Aを含有する一次粒子径が20nm〜40μmの粒子を意図する。

0160

更に、上記金属窒化物含有粒子の製造方法は、工程Fの後(工程Gを含有する場合は、工程Fの後の工程Gの後)に更に下記の工程Hを含有することが好ましい。
工程H:工程F(又は工程G)において得られた金属窒化物含有粒子を、水蒸気及び窒素ガスの混合雰囲気曝露し、窒化処理する工程。
所望により、上記金属窒化物含有粒子の製造方法は、工程Hの後に更に工程Gを含有してもよい。以下では、各工程の好適態様について詳述する。

0161

工程A
工程Aはプラズマトーチ内に窒素ガスを含有しない不活性ガスをプラズマガスとして供給し、熱プラズマ炎を発生する工程である。熱プラズマ炎の発生方法としては、特に限定されないが、直流アーク放電法、多相アーク放電法高周波プラズマ法、及び、ハイブリッドプラズマ法等が挙げられ、電極からの不純物の混入が少ない高周波プラズマ法が好ましい。
高周波プラズマ法による熱プラズマ炎の発生方法としては、特に制限されず、例えば、高周波発振コイルと石英管を含有するプラズマトーチ内にプラズマガスを供給し、上記高周波発振用コイルに高周波電流印加することにより熱プラズマ炎を得る方法が挙げられる。
工程Aにおけるプラズマガスとしては、窒素ガスを含有しない不活性ガスが挙げられる。窒素ガスを含有しない不活性ガスとしては、アルゴンガス、及び水素ガス等が挙げられる。窒素ガスを含有しない不活性ガスは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。

0162

工程A2
工程A2は遷移金属を含有する金属原料粉末に、原子Aを混合する工程である。原料金属粉末及び原子Aの混合方法としては特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、金属原料粉末をプラズマトーチ内へ供給する上記材料供給装置が、混合及び分散機能を含有してもよい。具体的には、国際公開第2010/147098号公報の段落0047〜0058に記載された材料供給装置を用いることができ、この内容は本明細書に組み込まれる。金属窒化物含有粒子の製造方法は、工程A2の前に、以下の工程A3−1〜A3−3を更に含有してもよい。

0163

工程B
工程Bは、プラズマトーチ内の熱プラズマ炎に、遷移金属を含有する金属原料粉末を供給し、上記金属原料粉末を蒸発させ、気相の原料金属を得る工程である。プラズマトーチ内の熱プラズマ炎に金属原料粉末を供給する方法としては特に制限されないが、得られる気相の原料金属が、より均一な状態となる点で、キャリアガスを用いて噴霧されることが好ましい。キャリアガスとしては、窒素ガスを含有しない不活性ガスを用いることが好ましい。窒素ガスを含有しない不活性ガスの態様は上記のとおりである。
金属窒化物含有粒子を製造する方法が、上記工程A2を含有する場合、金属原料粉末のプラズマトーチ内への供給に至るまでの間、金属原料粉末は、均一な分散状態が維持されていることが好ましい。

0164

工程C
工程Cは、気相の原料金属を冷却し、遷移金属を含有する金属微粒子を得る工程である。冷却方法としては特に制限されないが、冷却機能を含有するチャンバを用いることが好ましい。工程Bにおいて得られた気相の原料金属を、上記冷却機能を含有するチャンバに導入し、チャンバ内で急冷することにより、下記の所望の粒子径の金属微粒子を生成することができる。生成した金属微粒子は、例えば、回収部により回収される。チャンバ内の雰囲気としては、窒素ガスを含有しない不活性ガスが好ましい。窒素ガスを含有しない不活性ガスの態様は上記のとおりである。
なお、上記工程A〜Cを経ることにより、遷移金属を含有する金属微粒子が得られる。遷移金属を含有する金属微粒子は、工程Eにおいて蒸発しやすい。金属原料粉末が不純物を含有する場合にも、上記工程A〜Cを経ることにより、上記不純物を除去することができる。

0165

工程D
工程Dは、プラズマトーチ内に窒素ガスを含有する不活性ガスをプラズマガスとして供給し、熱プラズマ炎を発生する工程である。窒素を含有する不活性ガスとしては、窒素ガス、及び不活性ガスを含有する窒素ガスが挙げられる。不活性ガスとしては、アルゴンガス、及び水素ガス等が挙げられる。不活性ガスを含有する窒素ガスは、特に制限されないが、窒素ガスの含有量は、通常、10〜90モル%程度であり、30〜60モル%程度が好ましい。その他の態様は工程Aと同様である。

0166

工程E
工程Eは、プラズマトーチ内の熱プラズマ炎に、遷移金属を含有する金属微粒子を供給し、上記金属微粒子を蒸発させ、気相の原料金属を得る工程である。プラズマトーチ内の熱プラズマ炎に金属微粒子を供給する方法としては上記のとおりであるが、キャリアガスとしては、窒素を含有する不活性ガスが好ましい。窒素を含有する不活性ガスの態様は上記のとおりである。
工程Eでは、工程A〜工程Cによって金属微粒子となった原料金属を熱プラズマ炎に供給するため、気相の原料金属が得られやすく、気相の原料金属の状態もより均一になりやすい。

0167

工程F
工程Fは、気相の原料金属を冷却し、遷移金属の窒化物を含有する金属窒化物含有粒子を得る工程である。冷却方法の好適態様は上記のとおりであるが、チャンバ内の雰囲気としては、窒素ガスを含有する不活性ガスが好ましい。窒素ガスを含有する不活性ガスの好適態様は上記のとおりである。

0168

工程G
工程Gは、得られた金属微粒子及び/又は金属窒化物含有粒子を分級する工程である。分級の方法としては特に制限されないが、例えば、サイクロンを用いることができる。サイクロンは、円錐上の容器を有し、容器内に旋回流を発生して、遠心力を利用して粒子を分級する機能を有する。分級は、不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスの態様は上記のとおりである。

0169

工程H
工程Hは金属窒化物含有粒子を、水蒸気及び窒素ガスの混合雰囲気に曝露し、窒化処理する工程である。この工程を経ることにより、金属窒化物含有粒子における金属窒化物の含有量をより多くすることができる。金属窒化物含有粒子を、水蒸気及び窒素ガスの混合雰囲気に曝露する方法については特に制限されないが、例えば、金属窒化物含有粒子を水蒸気及び窒素ガスを混合したガスで満たされた恒温槽に導入し、所定時間静置又は攪拌する方法が挙げられ、金属窒化物含有粒子の表面及び結晶境界がより安定化する点で静置することがより好ましい。
水蒸気及び窒素ガスの混合比率は、大気中であれば相対湿度が25〜95%となる条件が好ましい。静置又は攪拌する時間は0.5〜72時間が好ましく、その際の温度は10〜40℃が好ましい。

0170

工程A3−1〜A3−3
工程A3−1〜A3−3は、プラズマトーチ内に窒素ガスを含有しない不活性ガスをプラズマガスとして供給し、熱プラズマ炎を発生する工程(A3−1)、プラズマトーチ内の熱プラズマ炎に、原子Aを含有する原料粉末を供給し、上記原料粉末を蒸発させ、気相の原子Aを得る工程(A3−2)、及び上記気相の原子Aを冷却し、原子Aからなる微粒子を得る工程(A3−3)である。それぞれの工程における態様は、上記工程A、工程B(遷移金属を含有する金属原料粉末に代えて、原子Aを含有する原料粉末を用いる)、及び工程C(遷移金属を含有する金属微粒子に代えて、微粒子化された原子Aを得る。)で説明したとおりである。
上記工程を経ることにより、原子Aが微粒子化され、工程Eにおいて原子Aが蒸発し易くなる。また、上記工程を経ることにより、原子Aを含有する原料粉末が含有する不純物(原子A以外の金属成分等)を除去することができる。

0171

原子Aを含有する金属窒化物含有粒子の製造方法の好適態様
原子Aを含有する金属窒化物含有粒子の製造方法の好適態様としては、以下の工程を順に有する方法が挙げられる。
工程A:プラズマトーチ内に窒素ガスを含有しない不活性ガスをプラズマガスとして供給し、熱プラズマ炎を発生する工程。
工程B:プラズマトーチ内の熱プラズマ炎に、遷移金属を含有する金属原料粉末を供給し、上記金属原料粉末を蒸発させ、気相の原料金属を得る工程。
工程C:上記気相の原料金属を冷却し、遷移金属を含有する金属微粒子を得る工程。
工程G:得られた粒子を分級する工程。
工程A3−1:プラズマトーチ内に窒素ガスを含有しない不活性ガスをプラズマガスとして供給し、熱プラズマ炎を発生する工程。
工程A3−2:プラズマトーチ内の熱プラズマ炎に、原子Aを含有する原料粉末を供給し、上記原料粉末を蒸発させ、気相の原子Aを得る工程。
工程A3−3:上記気相の原子Aを冷却し、微粒子化された原子Aを得る工程。
工程G:得られた粒子を分級する工程。
工程A2:遷移金属を含有する金属原料粉末(この場合、金属微粒子)に、原子A(この場合、微粒子化された原子A)を混合する工程。
工程D:プラズマトーチ内に窒素ガスを含有する不活性ガスをプラズマガスとして供給し、熱プラズマ炎を発生する工程。
工程E:プラズマトーチ内の熱プラズマ炎に、遷移金属を含有する金属微粒子を供給し、上記金属微粒子を蒸発させ、気相の原料金属を得る工程。
工程F:上記気相の原料金属を冷却し、金属窒化物含有粒子を得る工程。
工程G:得られた粒子を分級する工程。
工程H:工程Gにおいて得られた金属窒化物含有粒子を、水蒸気及び窒素ガスの混合雰囲気に曝露し、窒化処理する工程。
上記一連の工程において、工程A〜C、及び工程A3−1〜A3−3の順序入れ替えてもよい。すなわち、工程A3−1〜A3−3の後、工程A〜Cを実施してもよい。

0172

上記の原子Aを含有する金属窒化物含有粒子の製造方法の好適態様によれば、金属原料粉末、及び原料粒子が含有する不純物を除去でき、かつ、所望の平均一次粒子径を有する金属窒化物含有粒子を製造することができる。その理由としては、遷移金属及び/又は原子Aはプラズマ処理によりイオン化され、上記イオンが冷却される際には、遷移金属、原子A及び不純物は、それぞれの融点を反映して微粒子化されるものと推測される。このとき、融点が低い原子は粒子化が速く、融点が高い原子は粒子化が遅くなる。そのため、上記のとおり、一度プラズマ処理された微粒子(工程B及びC、並びに工程A3−2及びA3−3)は単一成分(単一結晶)になりやすいものと推測される。上記により得られた単一成分の粒子を分級すれば、遷移金属の粒子及び/又は原子Aの粒子と、不純物の粒子の密度及び/又は粒径の違いにより、不純物の粒子を除去することができる。上記分級は、例えばサイクロン等を用い、分級条件を適宜設定することで行うことができる。

0173

金属原料粉末及び原料粉末の精製
上記工程Bにおいて用いることのできる遷移金属を含有する金属原料粉末(以下、単に「金属原料粉末」という。)及び原子Aを含有する原料粉末(以下、単に「原料粉末」という。)としては、特に制限されないが、高純度のものであることが好ましい。金属原料粉末における遷移金属の含有量は、特に限定されないが、99.99%以上が好ましく、99.999%以上がより好ましい。原料粉末における原子Aの含有量も同様である。

0174

金属原料粉末及び/又は原料粉末は、所望の遷移金属及び/又は原子A以外の原子を不純物として含有する場合がある。金属原料粉末に含有される不純物としては、ホウ素、アルミニウムケイ素、マンガン、鉄、ニッケル及び銀等が挙げられる。また、原料粉末に含有される不純物としては、金属元素等が挙げられる。

0175

金属窒化物含有粒子の製造方法は、工程Bの前(工程A2を含有する場合は、工程A2の前)に、以下の工程A0を更に含有してもよい。
工程A0:金属原料粉末及び/又は原料粉末から不純物を除去する工程。

0176

工程A0
工程A0において、金属原料粉末及び/又は原料粉末から不純物を除去する方法(分離精製方法)としては特に限定されないが、例えば、ニオブについて特開2012−211048号公報の段落0013〜0030に記載された方法を用いることができ、その他の金属原料粉末及び/又は原料粉末についてもこれに準じた方法を用いることができる。

0177

金属窒化物含有粒子の被覆
金属窒化物含有粒子は、無機化合物で被覆された金属窒化物含有粒子であってもよい。つまり、金属窒化物含有粒子と、金属窒化物含有粒子を被覆する、無機化合物を用いて形成される被覆層とを有する、被覆金属窒化物含有粒子であってもよい。無機化合物で被覆された金属窒化物含有粒子を含有する硬化性組成物は、より優れた分散安定性を有する。
無機化合物としては特に限定されず、SiO2、ZrO2、TiO2、GeO2、Al2O3、Y2O3、及びP2O5等の酸化物、並びに、水酸化アルミニウム、及び水酸化ジルコニウム等の水酸化物が挙げられる。なかでも、より薄い被膜を形成しやすく、かつ、より被覆率の高い被膜を形成しやすい点で、水酸化アルミニウムが好ましい。
金属窒化物含有粒子の屈折率を制御することを意図した場合には、低屈折率被膜としては酸化ケイ素が好ましく、高屈折率被膜としては水酸化ジルコニウムが好ましい。
金属窒化物含有粒子を無機化合物で被覆する方法については特に制限されないが、金属窒化物含有粒子の製造方法が、下記の無機化合物被覆工程を含有することが好ましい。

0178

無機化合物被覆工程
無機化合物被覆工程は上記の金属窒化物含有粒子を酸化物及び/又は水酸化物により被覆する工程である。被覆する方法としては、特に制限されないが、例えば以下の湿式コーティング法等が挙げられる。

0179

第一の湿式コーティング法としては、まず、上記の金属窒化物含有粒子を水と混合してスラリーを作製する。次に上記スラリーに、Si,Zr,Ti,Ge,Al,Y,及び、Pからなる群から選択される少なくとも1種を含有する水溶性化合物(例えば珪ケイ酸ナトリウム)を反応させ、余分なアルカリイオンデカンテーション及び/又はイオン交換樹脂等で除去する。その後、上記スラリーを乾燥させ、酸化物で被覆された金属窒化物含有粒子を得る。

0180

第二の湿式コーティング法としては、まず、上記の金属窒化物含有粒子をアルコール等の有機溶剤と混合してスラリーを作製する。次に、上記スラリー中でSi,Zr,Ti,Ge,Al,Y,及び、Pからなる群から選択される少なくとも1種を含有するアルコキシド等の有機金属化合物を生成し、上記スラリーを高温で焼成する。上記スラリーを高温で焼成するとゾルゲル反応が進行し、酸化物で被覆された金属窒化物含有粒子が得られる。

0181

第三の湿式コーティング法としては、金属窒化物含有粒子の存在下で、尿素塩化アルミニウムを用いて、イオン液体を含有するスラリーを作製する。このスラリーから金属窒化物含有粒子を取り出し、乾燥させ、その後、上記金属窒化物含有粒子を焼成することにより、水酸化アルミニウムを含有する水酸化物により被覆された金属窒化物含有粒子が得られる。

0182

・有機顔料
有機顔料としては、例えば、カラーインデックス(C.I.)ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214等;
C.I.ピグメントオレンジ2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等;
C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279等;
C.I.ピグメントグリーン7,10,36,37,58,59等;
C.I.ピグメントバイオレット1,19,23,27,32,37,42等;及び
C.I.ピグメントブルー1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80等;
が挙げられる。なお、顔料は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。

0183

(染料)
染料としては、例えば特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許4808501号明細書、米国特許5667920号明細書、米国特許505950号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に開示されている色素を使用できる。化学構造区分すると、ピラゾールアゾ化合物ピロメテン化合物アニリノアゾ化合物トリフェニルメタン化合物アントラキノン化合物ベンジリデン化合物、オキソノール化合物ピラゾロトリアゾールアゾ化合物、ピリドンアゾ化合物シアニン化合物フェノチアジン化合物ピロロピラゾールアゾメチン化合物等を使用できる。染料としては色素多量体を用いてもよい。色素多量体としては、特開2011−213925号公報、特開2013−041097号公報に記載されている化合物が挙げられる。分子内に重合性を有する重合性染料を用いてもよく、市販品としては、例えば、和光純薬株式会社製RDWシリーズが挙げられる。

0184

(赤外線吸収剤)
着色剤は、更に赤外線吸収剤を含有してもよい。
赤外線吸収剤は、赤外領域(好ましくは、波長650〜1,300nm)の波長領域に吸収を有する化合物を意味する。好ましくは、赤外線吸収剤は、波長675〜900nmの波長領域に極大吸収波長を有する化合物が好ましい。
このような分光特性を有する着色剤としては、例えば、ピロロピロール化合物、銅化合物、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、イミニウム化合物、チオール錯体系化合物、遷移金属酸化物系化合物、スクアリリウム化合物ナフタロシアニン化合物、クオテリレン化合物、ジチオール金属錯体系化合物、クロコニウム化合物等が挙げられる。
フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、イミニウム化合物、シアニン化合物、スクアリウム化合物及びクロコニウム化合物は、特開2010−111750号公報の段落0010〜0081に開示の化合物を使用してもよく、この内容は本明細書に組み込まれる。シアニン化合物は、例えば、「機能性色素、大河原信/岡賢/尾悌次郎/平嶋恒亮・著、講談社サイエンティフィック」を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。

0185

上記分光特性を有する着色剤として、特開平07−164729号公報の段落0004〜0016に開示の化合物及び/又は特開2002−146254号公報の段落0027〜0062に開示の化合物、特開2011−164583号公報の段落0034〜0067に開示のCu及び/又はPを含む酸化物の結晶子からなり数平均凝集粒子径が5〜200nmである近赤外線吸収粒子を使用することもできる。

0186

波長675〜900nmの波長領域に極大吸収波長を有する化合物としては、シアニン化合物、ピロロピロール化合物、スクアリリウム化合物、フタロシアニン化合物、及びナフタロシアニン化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
赤外線吸収剤は、25℃の水に1質量%以上溶解する化合物であることが好ましく、25℃の水に10質量%以上溶解する化合物がより好ましい。このような化合物を用いることで、耐溶剤性が良化する。
ピロロピロール化合物は、特開2010−222557号公報の段落番号0049〜0062を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることとする。シアニン化合物及びスクアリリウム化合物は、国際公開2014/088063号公報の段落番号0022〜0063、国際公開2014/030628号公報の段落番号0053〜0118、特開2014−59550号公報の段落番号0028〜0074、国際公開2012/169447号公報の段落番号0013〜0091、特開2015−176046号公報の段落番号0019〜0033、特開2014−63144号公報の段落番号0053〜0099、特開2014−52431号公報の段落番号0085〜0150、特開2014−44301号公報の段落番号0076〜0124、特開2012−8532号公報の段落番号0045〜0078、特開2015−172102号公報の段落番号0027〜0067、特開2015−172004号公報の段落番号0029〜0067、特開2015−40895号公報の段落番号0029〜0085、特開2014−126642号公報の段落番号0022〜0036、特開2014−148567号公報の段落番号0011〜0017、特開2015−157893号公報の段落番号0010〜0025、特開2014−095007号公報の段落番号0013〜0026、特開2014−80487号公報の段落番号0013〜0047、及び特開2013−227403号公報の段落番号0007〜0028等を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。

0187

赤外線吸収剤は、下記一般式1〜3で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
一般式1




一般式1中、A1及びA2は、それぞれ独立に、アリール基、ヘテロアリール基又は下記一般式1−Aで表される基を表す。
一般式1−A




一般式1−A中、Z1Aは、含窒素複素環を形成する非金属原子団を表し、R2Aは、アルキル基、アルケニル基、又はアラルキル基を表し、dは、0、又は1を表し、波線は連結手を表す。
一般式2




一般式2中、R1a及びR1bは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、
R2〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表し、R2とR3、R4とR5は、それぞれ結合して環を形成していてもよく、
R6、及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−BRARB、又は金属原子を表し、RA、及びRBは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表し、
R6は、R1a、又はR3と、共有結合、又は配位結合していてもよく、R7は、R1b、又はR5と、共有結合、又は配位結合していてもよい。
一般式3




一般式3中、Z1、及びZ2は、それぞれ独立に、縮環してもよい5員、又は6員の含窒素複素環を形成する非金属原子団であり、
R101、及びR102は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、又はアリール基を表し、
L1は、奇数個のメチンからなるメチン鎖を表し、
a、及びbは、それぞれ独立に、0、又は1であり、
aが0の場合は、炭素原子と窒素原子とが二重結合で結合し、bが0の場合は、炭素原子と窒素原子とが単結合で結合し、
式中のCyで表される部位がカチオン部である場合、X1はアニオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表し、式中のCyで表される部位がアニオン部である場合、X1はカチオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表し、式中のCyで表される部位の電荷が分子内で中和されている場合、cは0である。

0188

顔料誘導体
硬化性組成物は、顔料誘導体を含有してもよい。顔料誘導体は、有機顔料の一部分を、酸性基塩基性基又はフタルイミドメチル基で置換した構造を有する化合物が好ましい。顔料誘導体としては、着色剤Aの分散性及び分散安定性の観点から、酸性基又は塩基性基を有する顔料誘導体が好ましい。顔料誘導体は、塩基性基を有することが特に好ましい。上述した樹脂(分散剤)と、顔料誘導体との組み合わせは、分散剤が酸性分散剤で、顔料誘導体が塩基性基を有する組み合わせが好ましい。

0189

顔料誘導体を構成するための有機顔料としては、ジケトピロロピロール系顔料アゾ系顔料フタロシアニン系顔料アントラキノン系顔料キナクリドン系顔料ジオキサジン系顔料ペリノン系顔料ペリレン系顔料チオインジゴ系顔料イソインドリン系顔料イソインドリノン系顔料キノフタロン系顔料スレン系顔料、金属錯体系顔料等が挙げられる。
顔料誘導体が有する酸性基としては、スルホン酸基、カルボン酸基及びその塩が好ましく、カルボン酸基及びスルホン酸基がより好ましく、スルホン酸基が更に好ましい。顔料誘導体が有する塩基性基としては、アミノ基が好ましく、三級アミノ基がより好ましい。

0190

硬化性組成物が顔料誘導体を含有する場合、顔料誘導体の含有量は、顔料の質量に対し、1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましい。顔料誘導体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0191

重合禁止剤
硬化性組成物は、重合禁止剤を含有してもよい。重合禁止剤を含有することにより硬化性組成物はより優れた経時安定性を有する。なお、本明細書において経時安定性とは、硬化性組成物を調製後、所定期間保管した場合であっても、優れたパターン形状を有する硬化膜を得ることができることを意図する。
重合禁止剤は、保管中の硬化性組成物中において、多官能チオール化合物と重合性化合物との反応が進行するのを抑制する作用を有し、上記効果が得られるものと推測される。
重合禁止剤の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して、0.001〜1質量%が好ましく、0.005〜1質量%がより好ましく、0.05〜1質量%が更に好ましい。
重合禁止剤の含有量が上記範囲内だと硬化性組成物はより優れた経時安定性を有する。

0192

重合禁止剤としては、特に制限されず、重合禁止剤として用いられる公知の化合物を用いることができる。重合禁止剤として用いられる化合物としては、例えば、フェノール系化合物キノン系化合物ヒンダードアミン系化合物フェノチアジン系化合物、及びニトロベンゼン系化合物等が挙げられる。上記化合物は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。

0193

フェノール系化合物としては、例えば、フェノール、4−メトキシフェノールヒドロキノン、2−tert−ブチルヒドロキノン、カテコール、4−tert−ブチル−カテコール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、4−メトキシ1−ナフトール、及び1,4−ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。

0194

フェノール系化合物としては、式(IH−1)で示されるフェノール系化合物が好ましい。

0195

0196

式(IH−1)中、R1〜R5は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アリール基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、又はアシル基を表す。R1〜R5はそれぞれ連結して環を形成してもよい。

0197

式(IH−1)中のR1〜R5としては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基(例えば、メチル基及びエチル基等)、炭素数1〜5のアルコキシ基(例えば、メトキシ基及びエトキシ基等)、炭素数2〜4のアルケニル基(例えば、ビニル基等)、又はフェニル基が好ましい。
なかでも、R1及びR5はそれぞれ独立して、水素原子又はtert−ブチル基がより好ましく、R2及びR4は水素原子がより好ましく、R3は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基がより好ましい。

0198

キノン系化合物としては、例えば、1,4−ベンゾキノン、1,2−ベンゾキノン、及び1,4−ナフトキノン等が挙げられる。

0199

ヒンダードアミン系化合物としては、例えば、下記式(IH−2)で表わされる重合禁止剤が挙げられる。

0200

0201

式(IH−2)中のR6は、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又はアシル基を表す。なかでも、水素原子又はヒドロキシ基が好ましく、ヒドロキシ基がより好ましい。
式(IH−2)中のR7〜R10は、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を表す。R7〜R10が表すアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。

0202

重合禁止剤としては、上記の各化合物を1種単独で用いても、2種を併用してもよく、3種以上を併用してもよい。
重合禁止剤は、フェノール系化合物を含有することが好ましい。なかでも、重合禁止剤は2種以上のフェノール系化合物を含有することがより好ましい。異なるフェノール系化合物を含有する硬化性組成物はより優れた本発明の効果を有する。
重合禁止剤は、フェノール系化合物と、ヒンダードアミン系化合物とを含有することが好ましい。フェノール系化合物とヒンダードアミン系化合物とを含有する硬化性組成物はより優れた本発明の効果を有する。

0203

<溶剤>
硬化性組成物は、溶剤を含有することが好ましい。溶剤としては、水、及び有機溶剤が挙げられる。硬化性組成物は有機溶剤を含有することが好ましい。
硬化性組成物が溶剤を含有する場合、硬化性組成物の固形分は10〜30質量%が好ましい。硬化性組成物の固形分が下限値以上だと、粘度が低く塗布性が良化する。更に、反応性の高い化合物の濃度が低くなることから経時安定性が良化する。硬化性組成物の固形分が上限値以下だと、粘度が程度に保たれ塗布性が良化する。更に、比重の重い着色剤が沈降しにくくなり、経時安定性が良化する。

0204

(有機溶剤)
硬化性組成物が有機溶剤を含有する場合、有機溶剤の含有量としては、硬化性組成物の全質量に対し、70〜90質量%が好ましい。
なお、有機溶剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の有機溶剤を併用する場合には、その合計量が上記範囲となることが好ましい。

0205

有機溶剤としては、特に制限されないが、例えば、アセトンメチルエチルケトンシクロヘキサンエチレンジクロライドテトラヒドロフラントルエンエチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテルエチレングリコールジメチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピレングリコールモノエチルエーテルアセチルアセトンシクロヘキサノンシクロペンタノンジアセトンアルコールエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートエチレングリコールエチルエーテルアセテートエチレングリコールモノイソプロピルエーテルエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノールメトキシメトキシエタノールジエチレングリコールモノメチルエーテルジエチレングリコールモノエチルエーテルジエチレングリコールジメチルエーテルジエチレングリコールジエチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルスルホキシドγ−ブチロラクトン、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチルエチルセロソルブアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノンエチルカルビトールアセテートブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル乳酸メチル、及び乳酸エチル等が挙げられる。

0206

2種以上の有機溶剤を含有する場合には、上記の3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群から選択される2種以上で構成されることが好ましい。

0207

(水)
硬化性組成物は、水を含有してもよい。水は、意図的に添加されるものであってもよいし、硬化性組成物に含まれる各成分を添加することで不可避的に硬化性組成物中に含有されるものであってもよい。
水の含有量は、硬化性組成物の全質量に対して、0.01〜1質量%が好ましい。水の含有量が上記範囲内にあると、硬化膜を作製した際にピンホールの発生が抑制され、更に、硬化膜の耐湿性が向上する。

0208

<分散剤>
硬化性組成物は、分散剤を含有することが好ましい。分散剤は、着色剤の分散性向上に寄与する。本明細書において、分散剤と、後述するバインダー樹脂とは、異なる成分である。

0209

硬化性組成物が、分散剤を含有する場合、分散剤の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して、0.05〜50質量%が好ましく、0.05〜30質量%がより好ましい。
分散剤の含有量が、硬化性組成物の全固形分に対して0.05〜30質量%であると、硬化性組成物を硬化して得られる硬化膜のパターン形状がより優れる。
分散剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。分散剤を2種以上併用する場合は、合計量が上記範囲内であることが好ましい。

0210

分散剤としては、例えば、公知の顔料分散剤を適宜選択して用いることができる。なかでも、高分子化合物が好ましい。
分散剤としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル変性ポリウレタン変性ポリエステル変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステルポリオキシエチレンアルキルアミン、及び、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子化合物は、その構造から更に直鎖状高分子末端変性高分子グラフト型高分子、及びブロック型高分子に分類することができる。

0211

(高分子化合物)
高分子化合物は、着色剤(例えば、無機顔料)の被分散体の表面に吸着し、被分散体の再凝集を防止するように作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を含有する、末端変性型高分子、グラフト型高分子、及び、ブロック型高分子が好ましい。

0212

高分子化合物は、グラフト鎖を含有する構造単位を含有することが好ましい。本明細書において、「構造単位」とは「繰り返し単位」と同義である。
このようなグラフト鎖を含有する構造単位を含有する高分子化合物は、グラフト鎖によって溶剤との親和性を有するため、黒色顔料等の着色剤の分散性、及び、経時後の分散安定性(経時安定性)に優れる。グラフト鎖を含有する構造単位を含有する高分子化合物は、グラフト鎖の存在により、重合性化合物又はその他の併用可能な樹脂等との親和性を有する。結果として、アルカリ現像で残渣を生じにくくなる。
グラフト鎖が長くなると立体反発効果が高くなり黒色顔料等の分散性は向上する。一方、グラフト鎖が長すぎると黒色顔料等の着色顔料への吸着力が低下して、黒色顔料等の分散性は低下する傾向となる。このため、グラフト鎖は、水素原子を除いた原子数が40〜10,000であるものが好ましく、水素原子を除いた原子数が50〜2,000であるものがより好ましく、水素原子を除いた原子数が60〜500であるものが更に好ましい。
ここで、グラフト鎖とは、共重合体の主鎖の根元(主鎖から枝分かれしている基において主鎖に結合する原子)から、主鎖から枝分かれしている基の末端までを示す。

0213

グラフト鎖は、ポリマー構造を含有することが好ましく、このようなポリマー構造としては、例えば、ポリ(メタ)アクリレート構造(例えば、ポリ(メタ)アクリル構造)、ポリエステル構造ポリウレタン構造ポリウレア構造、ポリアミド構造、及び、ポリエーテル構造等を挙げることができる。
グラフト鎖と溶剤との相互作用性を向上させ、それにより黒色顔料等の分散性を高めるために、グラフト鎖は、ポリエステル構造、ポリエーテル構造及びポリ(メタ)アクリレート構造からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有するグラフト鎖であることが好ましく、ポリエステル構造又はポリエーテル構造の少なくともいずれかを含有するグラフト鎖であることがより好ましい。

0214

このようなグラフト鎖を含有するマクロモノマーとしては、特に限定されないが、反応性二重結合性基を含有するマクロモノマーを好適に使用することができる。

0215

高分子化合物が含有するグラフト鎖を含有する構造単位に対応し、高分子化合物の合成に好適に用いられる市販のマクロモノマーとしては、AA−6(商品名、東亜合成社製)、AA−10(商品名、東亜合成社製)、AB−6(商品名、東亜合成社製)、AS−6(商品名、東亜合成社製)、AN−6(商品名、東亜合成社製)、AW−6(商品名、東亜合成社製)、AA−714(商品名、東亜合成社製)、AY−707(商品名、東亜合成社製)、AY−714(商品名、東亜合成社製)、AK−5(商品名、東亜合成社製)、AK−30(商品名、東亜合成社製)、AK−32(商品名、東亜合成社製)、ブレンマーPP−100(商品名、日油社製)、ブレンマーPP−500(商品名、日油社製)、ブレンマーPP−800(商品名、日油社製)、ブレンマーPP−1000(商品名、日油社製)、ブレンマー55−PET−800(商品名、日油社製)、ブレンマーPME−4000(商品名、日油社製)、ブレンマーPSE−400(商品名、日油社製)、ブレンマーPSE−1300(商品名、日油社製)、ブレンマー43PAPE−600B(商品名、日油社製)等が挙げられる。このなかでも、AA−6(商品名、東亜合成社製)、AA−10(商品名、東亜合成社製)、AB−6(商品名、東亜合成社製)、AS−6(商品名、東亜合成社製)、AN−6(商品名、東亜合成社製)、及び、ブレンマーPME−4000(商品名、日油社製)等が好ましい。

0216

分散剤は、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、及び環状又は鎖状のポリエステルからなる群より選択される少なくとも1種の構造を含有することが好ましい。分散剤は、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、及び鎖状のポリエステルからなる群より選択される少なくとも1種の構造を含有することがより好ましい。分散剤は、ポリアクリル酸メチル構造、ポリメタクリル酸メチル構造、ポリカプロラクトン構造、及びポリバレロラクトン構造からなる群より選択される少なくとも1種の構造を含有することが更に好ましい。分散剤は、1つの分散剤中に上記構造を単独で含有するものであってもよいし、1つの分散剤中にこれらの構造を複数含有するものであってもよい。
ここで、ポリカプロラクトン構造とは、ε−カプロラクトンを開環した構造を繰り返し単位として含有するものをいう。ポリバレロラクトン構造とは、δ−バレロラクトンを開環した構造を繰り返し単位として含有するものをいう。
ポリカプロラクトン構造を含有する分散剤の具体例としては、下記式(1)及び下記式(2)におけるj及びkが5であるものが挙げられる。また、ポリバレロラクトン構造を含有する分散剤の具体例としては、下記式(1)及び下記式(2)におけるj及びkが4であるものが挙げられる。
ポリアクリル酸メチル構造を含有する分散剤の具体例としては、下記式(4)におけるX5が水素原子であり、R4がメチル基であるものが挙げられる。また、ポリメタクリル酸メチル構造を含有する分散剤の具体例としては、下記式(4)におけるX5がメチル基であり、R4がメチル基であるものが挙げられる。

0217

・グラフト鎖を含有する構造単位
高分子化合物は、グラフト鎖を含有する構造単位として、下記式(1)〜式(4)のいずれかで表される構造単位を含有することが好ましく、下記式(1A)、下記式(2A)、下記式(3A)、下記式(3B)、及び下記(4)のいずれかで表される構造単位を含有することがより好ましい。

0218

0219

式(1)〜式(4)において、W1、W2、W3、及びW4はそれぞれ独立に酸素原子又はNHを表す。W1、W2、W3、及びW4は酸素原子であることが好ましい。
式(1)〜式(4)において、X1、X2、X3、X4、及びX5は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。X1、X2、X3、X4、及びX5は、合成上の制約の観点からは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数(炭素原子数)1〜12のアルキル基が好ましく、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。

0220

式(1)〜式(4)において、Y1、Y2、Y3、及びY4は、それぞれ独立に、2価の連結基を表し、連結基は特に構造上制約されない。Y1、Y2、Y3、及びY4で表される2価の連結基として、具体的には、下記の(Y−1)〜(Y−21)の連結基等が例として挙げられる。下記に示した構造において、A、Bはそれぞれ結合部位を意味する。下記に示した構造のうち、合成の簡便性から、(Y−2)又は(Y−13)であることがより好ましい。

0221

0222

式(1)〜式(4)において、Z1、Z2、Z3、及びZ4は、それぞれ独立に1価の有機基を表す。有機基の構造は、特に限定されないが、具体的には、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基アルキルチオエーテル基アリールチオエーテル基ヘテロアリールチオエーテル基、及びアミノ基等が挙げられる。これらの中でも、Z1、Z2、Z3、及びZ4で表される有機基としては、特に分散性向上の観点から、立体反発効果を含有するものが好ましく、各々独立に炭素数5から24のアルキル基又はアルコキシ基がより好ましく、その中でも、各々独立に炭素数5から24の分岐アルキル基、炭素数5から24の環状アルキル基、又は、炭素数5から24のアルコキシ基が更に好ましい。アルコキシ基中に含まれるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、及び、環状のいずれでもよい。

0223

式(1)〜式(4)において、n、m、p、及びqは、それぞれ独立に、1から500の整数である。
式(1)及び式(2)において、j及びkは、それぞれ独立に、2〜8の整数を表す。式(1)及び式(2)におけるj及びkは、硬化性組成物の経時安定性及び現像性の観点から、4〜6の整数が好ましく、5が最も好ましい。

0224

式(3)中、R3は分岐又は直鎖のアルキレン基を表し、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基がより好ましい。pが2〜500のとき、複数存在するR3は互いに同じであっても異なっていてもよい。
式(4)中、R4は水素原子又は1価の有機基を表し、この1価の有機基としては特に構造上限定はされない。R4は、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、ヘテロアリール基が好ましく、水素原子、又はアルキル基がより好ましい。R4がアルキル基である場合、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の分岐状アルキル基、又は炭素数5〜20の環状アルキル基が好ましく、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基がより好ましく、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基が更に好ましい。式(4)において、qが2〜500のとき、グラフト共重合体中に複数存在するX5及びR4は互いに同じであっても異なっていてもよい。

0225

高分子化合物は、2種以上の構造が異なる、グラフト鎖を含有する構造単位を含有することができる。即ち、高分子化合物の分子中に、互いに構造の異なる式(1)〜式(4)で示される構造単位を含んでいてもよく、式(1)〜式(4)においてn、m、p、及びqがそれぞれ2以上の整数を表す場合、式(1)及び式(2)においては、側鎖中にj及びkが互いに異なる構造を含んでいてもよく、式(3)及び式(4)においては、分子内に複数存在するR3、R4及びX5は互いに同じであっても異なっていてもよい。

0226

式(1)で表される構造単位としては、硬化性組成物の経時安定性及び現像性の観点から、下記式(1A)で表される構造単位であることがより好ましい。
式(2)で表される構造単位としては、硬化性組成物の経時安定性及び現像性の観点から、下記式(2A)で表される構造単位であることがより好ましい。

0227

0228

式(1A)中、X1、Y1、Z1及びnは、式(1)におけるX1、Y1、Z1及びnと同義であり、好ましい範囲も同様である。式(2A)中、X2、Y2、Z2及びmは、式(2)におけるX2、Y2、Z2及びmと同義であり、好ましい範囲も同様である。

0229

式(3)で表される構造単位としては、硬化性組成物の経時安定性及び現像性の観点から、下記式(3A)又は式(3B)で表される構造単位であることがより好ましい。

0230

0231

式(3A)又は(3B)中、X3、Y3、Z3及びpは、式(3)におけるX3、Y3、Z3及びpと同義であり、好ましい範囲も同様である。

0232

高分子化合物は、グラフト鎖を含有する構造単位として、式(1A)で表される構造単位を含有することがより好ましい。

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